低姿勢モノポールアンテナ
【課題】アンテナ高を短縮して小型化を図りながら放射効率を改善できる低姿勢モノポールアンテナを提供する。
【解決手段】円板状に形成したグラウンド板21の上面中央にCRLH線路を用いたアンテナ素子部22を設ける。アンテナ素子部22は、有底円筒状の容器23内に収納した柱状の内導体24及び容器23の外側に接するようにグラウンド板21上に立設した柱状の外導体25を備える。内導体24は複数の内導体素子24a〜24eに分割して容器23内に所定の間隔で収納し、グラウンド板21の下側に設けたインピーダンス整合回路26から金属柱31を介して給電する。そして、内導体素子24a〜24eと外導体25との間を容器23の外周壁23aを間に介して接続ピン29a〜29dにより接続し、左手系素子によるはしご型構造のモノポールアンテナを構成する。
【解決手段】円板状に形成したグラウンド板21の上面中央にCRLH線路を用いたアンテナ素子部22を設ける。アンテナ素子部22は、有底円筒状の容器23内に収納した柱状の内導体24及び容器23の外側に接するようにグラウンド板21上に立設した柱状の外導体25を備える。内導体24は複数の内導体素子24a〜24eに分割して容器23内に所定の間隔で収納し、グラウンド板21の下側に設けたインピーダンス整合回路26から金属柱31を介して給電する。そして、内導体素子24a〜24eと外導体25との間を容器23の外周壁23aを間に介して接続ピン29a〜29dにより接続し、左手系素子によるはしご型構造のモノポールアンテナを構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載アンテナや屋内放送用送信等に使用する低姿勢モノポールアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の右手系素子を用いた一般的なモノポールアンテナは、アンテナ高が約1/4λ(λは使用周波数の波長)、例えば480MHzの周波数でおよそ156mmと高姿勢であり、電車上部や屋内など、高さが限られた空間での使用が困難であった。
このため近年では、メタマテリアルと呼ばれる左手系素子を用いて小型化を図ったモノポールアンテナあるいはダイポールアンテナが考えられている(例えば、特許文献1、2、3参照。)。上記メタマテリアル(左手系素子)は、人工媒質を伝わる電磁波に対する有効的な誘電率と透磁率の値が共に負で、屈折率も負となる材料のことであり、理想的な左手系伝送路の等価回路は直列にキャパシタンス、並列にインダクタンスが接続された構造となっている。なお、通常の伝送路(電信方程式で表される)では、直列にインダクタンス、並列にキャパシタンスが接続された構造になる。
【0003】
従来の同軸構造による右手/左手系複合伝送線路(CRLH線路:Composite Right/Left Handed線路)を用いたモノポールアンテナは、図15及び図16に示すように構成されている。図15は従来の右手/左手系複合伝送線路を用いたモノポールアンテナの構成例を示す斜視図、図16は図15におけるA−A線矢視断面図である。
【0004】
図15において、10はモノポールアンテナで、水平に置いた接地板11と、この接地板11の上面中央に垂直に設けられるCRLH(Composite Right/Left Handed)線路12及び給電線路13を備えている。
CRLH線路12は、全長h、半径Rの円筒状の外導体14と、この外導体14内の中心軸に沿って設けられる半径rの円柱状の内導体15により構成される。CRLH線路12は、上端が開放され、外導体14の下端部が接地板11に接続される。
【0005】
内導体15は、図16に示すように複数例えば5つの内導体素子15a〜15eに等分割され、所定の間隔gを保って直列的に配置される。上記各内導体素子15a〜15eは、所定の高さLを有し、それぞれ導体の接続ピン16a〜16eにより外導体14に接続される。また、内導体15は、最下部の内導体15eに対して接地板11の下側から給電線路13により給電される。上記各内導体素子15a〜15eは、それぞれ接続ピン16a〜16e、外導体14の一部及び内導体素子15a〜15eの間隔g等によってセル17を構成する。
【0006】
上記CRLH線路12の特性は、全長h、外導体14の半径R、内導体15の半径r、各内導体素子15a〜15eの高さL及び間隔g等の各パラメータを調節することで決定される。
図17は、上記各セル17の等価回路例を示す図である。各セル17の等価回路は、直列に設けられる左手系キャパシタンスCL 及び右手系インダクタンスLR、並列に設けられる右手系キャパシタンスCR及び左手系インダクタンスLLによって構成される。内導体素子15a〜15eの各間隔gは左手系キャパシタンスCLに相当し、内導体15は右手系インダクタンスLRに相当する。また、接続ピン16a〜16eは左手系インダクタンスLLに相当し、外導体14と内導体15との間隔は右手系キャパシタンスCRに相当する。
【0007】
上記CRLH線路12は、上記各パラメータを調節し、使用周波数において、負の等価比誘電率を持つように設計する。このようにCRLH線路12の等価比誘電率を負の値に設定することで波長が短くなり、アンテナ高を約λ/25まで短縮して小型化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−211547号公報
【特許文献2】特開2006−295873号公報
【特許文献3】特開2010−212980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように右手/左手系複合伝送線路を用いてモノポールアンテナを構成することにより、アンテナ高を著しく短縮することができる。しかし、従来の右手/左手系複合伝送線路を用いたモノポールアンテナは、同軸線路を素子として使用しているので、素子が外導体14により覆われるため、放射効率が低下してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、アンテナ高を短縮して小型化を図りながら放射効率を改善することができる低姿勢モノポールアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明に係る低姿勢モノポールアンテナは、グラウンド板と、前記グラウンド板上に設けられる絶縁部材からなる有底筒状の容器と、前記容器内に順次所定の間隔で絶縁した状態で収納される複数の内導体素子からなる柱状の内導体と、前記容器の外側に位置するように前記グラウンド板上に立設される柱状の外導体と、前記容器内に収納された最下部の内導体素子に給電する給電手段と、前記給電手段により給電された前記内導体素子を除く他の各内導体素子と前記外導体との間を接続する接続ピンとを具備することを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、前記第1の発明に係る低姿勢モノポールアンテナにおいて、前記容器内に所定の間隔で収納した前記複数の内導体素子により左手系キャパシタンスを直列に形成すると共に、前記内導体素子と前記外導体との間を接続する前記接続ピンにより左手系インダクタンスを並列に形成してはしご型構造の左手系線路を構築したことを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に係る低姿勢モノポールアンテナにおいて、前記給電手段は、前記グラウンド板の下面に整合基板を設け、該整合基板に形成されたインピーダンス整合回路を介して前記容器内に収納された最下部の内導体素子に給電することを特徴とする請求項1に記載の低姿勢モノポールアンテナ。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アンテナ高を非常に低くでき、例えば電車上部や屋内など、高さが制限された空間においても容易に使用することができる。また、本発明は、内導体の外側に柱状の外導体を配置した「はしご型」構造とすることにより、同軸線路を素子として使用した従来のCRLHモノポールアンテナのように内導体が外導体により覆われるという問題を解決でき、アンテナ放射効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1に係るCRLHモノポールアンテナの全体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】同実施例1におけるアンテナ素子部を1部切欠して示す斜視図である。
【図3】同実施例1におけるアンテナ素子部の断面図である。
【図4】同実施例1における内導体とインピーダンス整合回路との接続部を拡大して示す断面図である。
【図5】同実施例1におけるインピーダンス整合回路及び給電回路を取出して示す斜視図である。
【図6】(a)は同実施例1におけるインピーダンス整合回路のライン構成を示す図、(b)は給電回路のライン構成を示す図である。
【図7】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナの等価回路図である。
【図8】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおいて、内導体の半径R1を変化させたときのVSWR(電圧定在波比)特性を示す図である。
【図9】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおいて、外導体の半径R2を変化させたときのVSWR特性を示す図である。
【図10】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおいて、接続ピンの長さwを変化させたときのVSWR特性を示す図である。
【図11】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナのVSWR特性(共振周波数473MHz)を示す図である。
【図12】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおける水平面垂直偏波指向性を示す図である。
【図13】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおける垂直面垂直偏波指向性を示す図である。
【図14】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナの各種設定寸法におけるVSWR特性を示す図である。
【図15】従来の右手/左手系複合伝送線路を用いたモノポールアンテナの構成例を示す斜視図である。
【図16】図15におけるA−A線矢視断面図である。
【図17】従来の右手/左手系複合伝送線路を用いたモノポールアンテナにおける各セルの等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の実施例1に係るCRLHモノポールアンテナの全体の概略構成を示す斜視図、図2は図1におけるアンテナ素子部を1部切欠して示す斜視図、図3は同アンテナ素子部の断面図である。
本発明の実施例1に係るCRLH(Composite Right/Left Handed)モノポールアンテナ20は、図1に示すようにグラウンド板21の上面中央にCRLH(Composite Right/Left Handed)線路を用いたアンテナ素子部22を設けている。上記グラウンド板21は、厚さが1mm程度の金属板を例えば円板状に形成したもので、その直径は例えば約0.8λ以上の大きさに設定する。上記λは使用周波数における波長を示している。
【0018】
上記アンテナ素子部22は、有底円筒状の容器23内に収納した内導体24及び容器23の外周縁に接するように配置した円柱状の外導体25により構成される。上記外導体25の直径は、内導体24の直径の約1/10程度に設定される。上記容器23は、絶縁部材例えば合成樹脂を用いて有底円筒状に形成したもので、内導体24を収納し、アンテナ素子部22の機械的強度を保つ働きもする。
【0019】
上記内導体24には、詳細を後述するインピーダンス整合回路26及び給電回路27を介して給電される。インピーダンス整合回路26は、グラウンド板21の下側に設けられ、一方の端部がグラウンド板21の中央に設けられた透孔より金属柱を介して内導体24に接続される。また、給電回路27は、グラウンド板21の上側において、一方の端部がインピーダンス整合回路26の他方の端部に対応するように設けられ、該端部間がグラウンド板21に設けられた透孔を介して接続ピンにより接続される。そして、給電回路27の他方の端部に対して給電が行われる。
【0020】
上記内導体24は、図2及び図3に示すように導電部材を用いて半径R1の円柱状に形成され、所定の高さh1で複数例えば5つの内導体素子24a〜24eに分割され、上記容器23内に順次スペーサ28a〜28dを介して一定の間隔gで収納される。上記内導体24の半径R1は約21mm、内導体素子24a〜24eの高さh1は約4.2mm、内導体素子24a〜24eの間隔(スペーサ28の厚さ)gは約0.8mmに設定される。スペーサ28a〜28dには、フッ素樹脂やセラミック等の高誘電率材料を用いるとよい。
【0021】
また、上記グラウンド板21の上面には、容器23の外周縁に接するように外導体25が垂直に設けられる。この外導体25は、導電部材により柱状例えば半径R2が約2mm、高さh2が約25mm(容器23と略同一)の円柱状に形成され、図示しないが下端部がボルト及びナットによりグラウンド板21に固定される。例えば外導体25の底面にボルトを突設して設け、このボルトをグラウンド板21に設けられた透孔を介してグラウンド板21の下側に導出し、その先端にナットを螺着して固定する。これにより外導体25は、中心軸が内導体の中心軸よりR1+W+R2離れた位置でグラウンド板21に接続されて接地される。
【0022】
上記外導体25は、内導体24の外周、すなわち容器23の外周縁に沿う任意の位置に設けることが可能である。また、外導体25は、円柱状に限らず垂直方向に延びる棒状、板状の部材を用いてもよい。
そして、最下部の内導体24eを除く他の内導体素子24a〜24dは、接続ピン(ビア:via)29a〜29dにより容器23の外周壁23aを間に介して外導体25に接続される。この場合、内導体素子24a〜24d、外導体25及び容器23の外周壁23aには、接続ピン29a〜29dを装着する部分に該接続ピン29a〜29dを挿入できる大きさの透孔を予め設けておき、この透孔を利用して内導体素子24a〜24dと外導体25との間を接続ピン29a〜29dにより電気的に接続する。上記各内導体素子24a〜24dは、例えば側面の下部近傍において、接続ピン29a〜29dにより外導体25に接続する。上記内導体24と外導体25との間における接続ピン29a〜29dの長さwは、約3.2mmに設定される。この様に本例では上記内導体24と外導体25との間における接続ピン29a〜29dの長さwを容器23の外周壁23aの厚さに等しくしたが、外導体25が接する部分のみ外周壁23aの厚さを薄くしてもよく、反対に外周壁23aの厚さよりwを大きくしてもよい。
【0023】
下記[表1]は、上記アンテナ素子部22の各部、すなわち内導体24の半径R1、外導体25の半径R2、内導体24の各内導体素子24a〜24eの高さh1、外導体25の高さh2、内導体素子24a〜24eの間隔g、接続ピン29a〜29dの長さw、接続ピン29a〜29dの半径v等の基本的な設定寸法例をまとめて示したものである。
【0024】
【表1】
そして、上記内導体24には、図4に示すように最下部に位置する内導体素子24eの下側中心部に透孔が設けられ、この透孔内に金属柱31の上端が圧入されて固定される。図4は、内導体24とインピーダンス整合回路26との接続部を拡大して示す断面図である。
【0025】
上記金属柱31は、下部先端が容器23、グラウンド板21、更にインピーダンス整合回路26の整合回路基板32を介して外部に突出され、その突出先端部がインピーダンス整合回路26に半田付け33等により接続される。上記グラウンド板21の中心部には、上記金属柱31を挿通させる穴34が設けられ、この穴33内に絶縁材が介在されて金属柱31とグラウンド板21との間が絶縁される。
【0026】
上記インピーダンス整合回路26及び給電回路27は、図5及び図6に示すように構成される。図5はインピーダンス整合回路26及び給電回路27部分を取出して示す斜視図である。図6(a)はインピーダンス整合回路26のライン構成を示す図、図6(b)は給電回路27のライン構成を示す図である。
【0027】
グラウンド板21の下側に配設されるインピーダンス整合回路26は、整合回路基板32の下面に信号ライン35が設けられると共に、上面の略全体にグラウンド面(図示せず)が設けられ、このグラウンド面がグラウンド板21に接触して電気的に接続される。インピーダンス整合回路26の信号ライン35は、インピーダンスを整合するため3つの信号ライン35a、35b、35cが直列に設けられ、信号ライン35aの長さI1は約0.01λ、信号ライン35bの長さI2は約0.12λ、信号ライン35cの長さI3は約0.03λ、信号ライン35の全体の長さI0 は0.16λに設定される。また、信号ライン35aの幅d1は0.004λ、信号ライン35bの幅d2は0.01λ、信号ライン35cの幅d3は0.003λに設定される。
【0028】
また、グラウンド板21の上側に配設される給電回路27は、給電回路基板36の上面に長さI4が約15mmの給電ライン37が設けられると共に、下面の略全体にグラウンド面(図示せず)が設けられ、このグラウンド面がグラウンド板21に接触して電気的に接続される。上記給電回路27は、インピーダンス整合を行っていないので、給電ライン37の長さI4は任意に設定することが可能である。
【0029】
給電回路27は、インピーダンス整合回路26の信号ライン35cの先端に給電ライン37の一方の端部がグラウンド板21を間に介して対向するように設けられ、信号ライン35cと給電ライン37の端部間が接続ピンにより接続される。上記給電ライン37の他方の端部は、図示しないが接続ピンによりグラウンド板21の下側に設けられた給電用コネクタに接続される。グラウンド板21には、上記信号ライン35cと給電ライン37の端部間、及び給電ライン37と給電用コネクタとの間の接続ピンを挿通させるための透孔がそれぞれ設けられ、この透孔内において接続ピンの外周に絶縁材が介在される。
【0030】
上記のように構成されたCRLHモノポールアンテナ20は、アンテナ素子部22のインピーダンスが約15〜16Ωであり、インピーダンス整合回路26によりCRLHモノポールアンテナ20の約15〜16Ωのインピーダンスを例えば約50Ωの給電線路のインピーダンスに整合させる。給電回路27は、インピーダンス整合回路26をグラウンド板21の下側面に設けられる給電用コネクタに接続するための回路であり、特にインピーダンス変換は行っていない。
【0031】
上記CRLHモノポールアンテナ20は、左手系素子による「はしご型構造」のモノポールアンテナであり、その等価回路は図7に示すように線状導体である外導体25に対し、主線路側の線状導体に左手系キャパシタンスCLが直列に配置され、主線路と外導体25を接続した線状導体に左手系インダクタンスLLが並列に配置された構成となっている。
【0032】
すなわち、内導体24を複数の内導体素子24a〜24eに分割し、各内導体素子24a〜24eをそれぞれ所定の間隔gで対向配置することにより、各内導体素子24a〜24e間に左手系キャパシタンスCLが形成されて直列に接続される。そして、各内導体素子24a〜24dは、接続ピン29a〜29dにより線状導体である外導体25に接続されるので、上記左手系キャパシタンスCLと外導体25との間に接続ピン29a〜29dによる左手系インダクタンスLLが並列に接続された構成となる。
【0033】
次に、上記CRLHモノポールアンテナ20における各部のパラメータによる反射特性への影響について説明する。
図8は、上記CRLHモノポールアンテナ20におけるアンテナ素子部22の各部の寸法を上記[表1]に示すように設定した状態において、内導体24の半径R1のみを変化させたときのVSWR特性の変化、すなわち共振周波数の変化を示したもので、横軸に周波数[MHz]をとり、縦軸にVSWRをとって示した。なお、インピーダンス整合回路26の調整は行っていない。図8において、破線A11、A12は内導体24の半径R1を[19mm]としたときの特性を示し、約520MHz及び約408MHzの周波数で共振している。実線B11、B12は内導体24の半径R1を[21mm]としたときの特性を示し、周波数約473MHz、及び約422MHzで共振している。一点鎖線C11は内導体24の半径R1を[23mm]としたときの特性を示し、周波数約434MHzで共振している。
【0034】
なお、内導体24の半径R1を変化させると、それぞれの半径において複数の共振周波数が測定される場合があるが、実際に電波が出力されるのは一番高い周波数に対するもので、それより低い共振周波数はスプリアスである。例えば内導体24の半径R1を[19mm]としたとき、破線A11、A12で示す2つの周波数位置で共振しているが、実際に電波が出力されるのは破線A11に示す周波数が一番高い約520MHzに対するもので、破線A12に示す約408MHzの周波数で測定される共振はスプリアスである。また、上記スプリアスは本来の共振周波数よりも低い周波数で発生し、VSWRの値も非常に悪くなっている。
【0035】
上記のように内導体24の半径R1を大きくした場合、アンテナの共振周波数が低くなる方向に変化する。
図9は、上記CRLHモノポールアンテナ20におけるアンテナ素子部22の各部の寸法を上記[表1]に示すように設定した状態において、外導体25の半径R2のみを変化させたときのVSWR特性の変化(共振周波数の変化)を示したもので、インピーダンス整合回路26の調整は行っていない。図9において、破線A21は外導体25の半径R2を[1.5mm]としたときの特性を示し、約453MHzの周波数で共振している。実線B21は外導体25の半径R2を[2.0mm]としたときの特性を示し、約473MHzの周波数で共振している。一点鎖線C21は外導体25の半径R2を[2.5mm]としたときの特性を示し、約487MHzの周波数で共振している。
【0036】
上記のように外導体25の半径R2を大きくした場合、アンテナの共振周波数が高くなる方向に変化する。
図10は、上記CRLHモノポールアンテナ20におけるアンテナ素子部22の各部の寸法を上記[表1]に示すように設定した状態において、内導体24と外導体25との間における接続ピン29a〜29dの長さwのみを変化させたときのVSWR特性の変化(共振周波数の変化)を示したもので、インピーダンス整合回路26の調整は行っていない。図10において、破線A31は接続ピン29a〜29dの長さwを[2.7mm]としたときの特性を示し、約491MHzの周波数で共振している。実線B31は接続ピン29a〜29dの長さwを[3.2mm]としたときの特性を示し、約473MHzの周波数で共振している。一点鎖線C31は接続ピン29a〜29dの長さwを[3.7mm]としたときの特性を示し、約457MHzの周波数で共振している。
【0037】
上記のように接続ピン29a〜29dの長さwを長くした場合、アンテナの共振周波数が低くなる方向に変化する。
以上の結果から明らかなように上記実施例1に係るCRLHモノポールアンテナ20では、内導体24の半径R1を大きくした場合、及び接続ピン29a〜29dの長さwを長くした場合にアンテナの共振周波数が低くなり、また、外導体25の半径R2を大きくした場合はアンテナの共振周波数が高くなる。これは、各パラメータを変化させたことによりアンテナの左手系キャパシタンスCLと左手系インダクタンスLLが変化したためと考えられる。
【0038】
更に、本来の共振周波数よりも低い周波数でスプリアスが発生するが、スプリアスにおける放射効率は非常に小さく、アンテナとして作用していないことが確認された。
上記のように内導体24の半径R1、外導体25の半径R2、接続ピン29a〜29dの長さwを変化させると、それに伴ってアンテナの共振周波数が変化するので、最適の特性が得られるように内導体24の半径R1、外導体25の半径R2、接続ピン29a〜29dの長さw等を設定する。
【0039】
図11は、上記CRLHモノポールアンテナ20におけるアンテナ素子部22の寸法を上記[表1]に示した値に設定し、且つ、インピーダンス整合回路26を調整して共振周波数を473MHzに設定した場合のVSWR特性を示したもので、横軸に周波数[MHz]をとり、縦軸にVSWRをとって示した。
【0040】
上記CRLHモノポールアンテナ20は、狭帯域ではあるが、共振周波数473MHzにおけるVSWRは約1.5以下であり、良好な値が得られている。なお、上記実施例1に係るCRLHモノポールアンテナ20と同一アンテナ高の従来の右手系モノポールアンテナは、450〜500MHzの帯域ではVSWRが100以上となって共振せず、アンテナとして作用しない。
【0041】
図12は、上記CRLHモノポールアンテナ20の水平面垂直偏波指向性を示したもので、良好な無指向性が得られている。
図13は、上記CRLHモノポールアンテナ20の垂直面垂直偏波指向性を示したもので、0度及び180度方向にヌルを持つ8の字指向性となっている。
【0042】
上記CRLHモノポールアンテナ20の水平面垂直偏波指向性及び垂直面垂直偏波指向性は、従来の右手系モノポールアンテナの指向性と略同じである。
従来の右手系ダイポールアンテナは、λ/4のアンテナ高(480MHzの周波数で約156mm)で共振するが、本発明の実施例1に係るCRLHモノポールアンテナ20は、高さが約25mmであり、λ/25以下のアンテナ高で共振する。従って、本発明に係るCRLHモノポールアンテナ20は、アンテナ高を非常に低くでき、例えば電車上部や屋内など、高さが制限された空間においても容易に使用することができる。
【0043】
また、CRLHモノポールアンテナ20にインピーダンス整合回路26を組み込むことにより、右手系/左手系領域変換時の損失を低減することができる。
更に本発明では、内導体24の外側に柱状の外導体25を配置した「はしご型」構造とすることにより、同軸線路を素子として使用した従来のCRLHモノポールアンテナのように内導体が外導体により覆われるという問題を解決でき、アンテナ放射効率を80%以上に高めることができる。
【0044】
上記実施例1では、各部の設定寸法の一例について示したが、次の[表2]に示すようにその他の値に設定することも可能である。
【0045】
【表2】
上記[表2]は、内導体24の半径R1、外導体25の半径R2、内導体24の各内導体素子24a〜24eの高さh1、外導体25の高さh2、内導体素子24a〜24eの間隔g、接続ピン29a〜29dの長さw、接続ピン29a〜29dの半径vについての各種設定例を示したもので、設定例1は前記実施例1における寸法例、設定例2、3はその他の寸法例を示している。
【0046】
設定例2は、アンテナの共振周波数が低くなるように、内導体24の半径R1を「27mm」、外導体25の半径R2を「1mm」、接続ピン29a〜29dの長さwを「5.2mm」に設定し、各内導体素子24a〜24eの高さh1、外導体25の高さh2、内導体素子24a〜24eの間隔g、接続ピン29a〜29dの半径vについては上記実施例1と同じ値に設定している。
【0047】
設定例3は、アンテナの共振周波数が高くなるように、内導体24の半径R1を「19mm」、外導体25の半径R2を「2.5mm」、接続ピン29a〜29dの長さwを「2.7mm」に設定し、各内導体素子24a〜24eの高さh1、外導体25の高さh2、内導体素子24a〜24eの間隔g、接続ピン29a〜29dの半径vについては上記実施例1と同じ値に設定している。
【0048】
図14は、上記実施例1に示したCRLHモノポールアンテナ20において、各部の寸法を上記[表2]の設定例1〜3の値に設定し、更にインピーダンス整合回路26を調整した場合のVSWR特性を示している。
図14において、実線D11は上記設定例1におけるVSWR特性を示し、約473MHzの周波数で共振している。
破線E11の特性は上記設定例2におけるVSWR特性を示し、約314MHzの周波数で共振している。
一点鎖線F11は上記設定例3におけるVSWR特性を示し、約554MHzの周波数で共振している。なお、図14において、実線D12は設定例1におけるスプリアスであり、一点鎖線F12、F13は設定例3におけるスプリアスである。
【0049】
上記のように共振周波数が変化するパラメータを組み合わせ、更にインピーダンス整合回路26を調整することにより、上記図14に示したようにアンテナの共振周波数を約300〜600MHzまで変化させることが可能である。
なお、上記実施例では、グラウンド板21を円形に形成した場合について示したが、その他の形状、例えば四角形や多角形等の形状に形成しても良い。
【0050】
また、上記実施例では、内導体素子24a〜24dと外導体25との間を接続する接続ピン29a〜29dは、各内導体素子24a〜24dの側面の下部近傍に設けた場合について説明したが、接続ピン29a〜29dの位置はアンテナの周波数特性に大きく影響しないので、内導体素子24a〜24e間のスペーサ28a〜28dに浸食しない範囲内であれば他の位置であってもよい。
【0051】
また、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【符号の説明】
【0052】
20…CRLHモノポールアンテナ、21…グラウンド板、22…アンテナ素子部、23…容器、23a…容器の外周壁、24…内導体、24a〜24e…内導体素子、25…外導体、26…インピーダンス整合回路、27…給電回路、28a〜28d…スペーサ、29a〜29d…接続ピン、31…金属柱、32…整合回路基板、33、34…穴、35、35a〜35c…信号ライン、36…給電回路基板、37…給電ライン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載アンテナや屋内放送用送信等に使用する低姿勢モノポールアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の右手系素子を用いた一般的なモノポールアンテナは、アンテナ高が約1/4λ(λは使用周波数の波長)、例えば480MHzの周波数でおよそ156mmと高姿勢であり、電車上部や屋内など、高さが限られた空間での使用が困難であった。
このため近年では、メタマテリアルと呼ばれる左手系素子を用いて小型化を図ったモノポールアンテナあるいはダイポールアンテナが考えられている(例えば、特許文献1、2、3参照。)。上記メタマテリアル(左手系素子)は、人工媒質を伝わる電磁波に対する有効的な誘電率と透磁率の値が共に負で、屈折率も負となる材料のことであり、理想的な左手系伝送路の等価回路は直列にキャパシタンス、並列にインダクタンスが接続された構造となっている。なお、通常の伝送路(電信方程式で表される)では、直列にインダクタンス、並列にキャパシタンスが接続された構造になる。
【0003】
従来の同軸構造による右手/左手系複合伝送線路(CRLH線路:Composite Right/Left Handed線路)を用いたモノポールアンテナは、図15及び図16に示すように構成されている。図15は従来の右手/左手系複合伝送線路を用いたモノポールアンテナの構成例を示す斜視図、図16は図15におけるA−A線矢視断面図である。
【0004】
図15において、10はモノポールアンテナで、水平に置いた接地板11と、この接地板11の上面中央に垂直に設けられるCRLH(Composite Right/Left Handed)線路12及び給電線路13を備えている。
CRLH線路12は、全長h、半径Rの円筒状の外導体14と、この外導体14内の中心軸に沿って設けられる半径rの円柱状の内導体15により構成される。CRLH線路12は、上端が開放され、外導体14の下端部が接地板11に接続される。
【0005】
内導体15は、図16に示すように複数例えば5つの内導体素子15a〜15eに等分割され、所定の間隔gを保って直列的に配置される。上記各内導体素子15a〜15eは、所定の高さLを有し、それぞれ導体の接続ピン16a〜16eにより外導体14に接続される。また、内導体15は、最下部の内導体15eに対して接地板11の下側から給電線路13により給電される。上記各内導体素子15a〜15eは、それぞれ接続ピン16a〜16e、外導体14の一部及び内導体素子15a〜15eの間隔g等によってセル17を構成する。
【0006】
上記CRLH線路12の特性は、全長h、外導体14の半径R、内導体15の半径r、各内導体素子15a〜15eの高さL及び間隔g等の各パラメータを調節することで決定される。
図17は、上記各セル17の等価回路例を示す図である。各セル17の等価回路は、直列に設けられる左手系キャパシタンスCL 及び右手系インダクタンスLR、並列に設けられる右手系キャパシタンスCR及び左手系インダクタンスLLによって構成される。内導体素子15a〜15eの各間隔gは左手系キャパシタンスCLに相当し、内導体15は右手系インダクタンスLRに相当する。また、接続ピン16a〜16eは左手系インダクタンスLLに相当し、外導体14と内導体15との間隔は右手系キャパシタンスCRに相当する。
【0007】
上記CRLH線路12は、上記各パラメータを調節し、使用周波数において、負の等価比誘電率を持つように設計する。このようにCRLH線路12の等価比誘電率を負の値に設定することで波長が短くなり、アンテナ高を約λ/25まで短縮して小型化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−211547号公報
【特許文献2】特開2006−295873号公報
【特許文献3】特開2010−212980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように右手/左手系複合伝送線路を用いてモノポールアンテナを構成することにより、アンテナ高を著しく短縮することができる。しかし、従来の右手/左手系複合伝送線路を用いたモノポールアンテナは、同軸線路を素子として使用しているので、素子が外導体14により覆われるため、放射効率が低下してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、アンテナ高を短縮して小型化を図りながら放射効率を改善することができる低姿勢モノポールアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明に係る低姿勢モノポールアンテナは、グラウンド板と、前記グラウンド板上に設けられる絶縁部材からなる有底筒状の容器と、前記容器内に順次所定の間隔で絶縁した状態で収納される複数の内導体素子からなる柱状の内導体と、前記容器の外側に位置するように前記グラウンド板上に立設される柱状の外導体と、前記容器内に収納された最下部の内導体素子に給電する給電手段と、前記給電手段により給電された前記内導体素子を除く他の各内導体素子と前記外導体との間を接続する接続ピンとを具備することを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、前記第1の発明に係る低姿勢モノポールアンテナにおいて、前記容器内に所定の間隔で収納した前記複数の内導体素子により左手系キャパシタンスを直列に形成すると共に、前記内導体素子と前記外導体との間を接続する前記接続ピンにより左手系インダクタンスを並列に形成してはしご型構造の左手系線路を構築したことを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に係る低姿勢モノポールアンテナにおいて、前記給電手段は、前記グラウンド板の下面に整合基板を設け、該整合基板に形成されたインピーダンス整合回路を介して前記容器内に収納された最下部の内導体素子に給電することを特徴とする請求項1に記載の低姿勢モノポールアンテナ。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アンテナ高を非常に低くでき、例えば電車上部や屋内など、高さが制限された空間においても容易に使用することができる。また、本発明は、内導体の外側に柱状の外導体を配置した「はしご型」構造とすることにより、同軸線路を素子として使用した従来のCRLHモノポールアンテナのように内導体が外導体により覆われるという問題を解決でき、アンテナ放射効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1に係るCRLHモノポールアンテナの全体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】同実施例1におけるアンテナ素子部を1部切欠して示す斜視図である。
【図3】同実施例1におけるアンテナ素子部の断面図である。
【図4】同実施例1における内導体とインピーダンス整合回路との接続部を拡大して示す断面図である。
【図5】同実施例1におけるインピーダンス整合回路及び給電回路を取出して示す斜視図である。
【図6】(a)は同実施例1におけるインピーダンス整合回路のライン構成を示す図、(b)は給電回路のライン構成を示す図である。
【図7】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナの等価回路図である。
【図8】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおいて、内導体の半径R1を変化させたときのVSWR(電圧定在波比)特性を示す図である。
【図9】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおいて、外導体の半径R2を変化させたときのVSWR特性を示す図である。
【図10】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおいて、接続ピンの長さwを変化させたときのVSWR特性を示す図である。
【図11】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナのVSWR特性(共振周波数473MHz)を示す図である。
【図12】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおける水平面垂直偏波指向性を示す図である。
【図13】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナにおける垂直面垂直偏波指向性を示す図である。
【図14】同実施例1に係るCRLHモノポールアンテナの各種設定寸法におけるVSWR特性を示す図である。
【図15】従来の右手/左手系複合伝送線路を用いたモノポールアンテナの構成例を示す斜視図である。
【図16】図15におけるA−A線矢視断面図である。
【図17】従来の右手/左手系複合伝送線路を用いたモノポールアンテナにおける各セルの等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の実施例1に係るCRLHモノポールアンテナの全体の概略構成を示す斜視図、図2は図1におけるアンテナ素子部を1部切欠して示す斜視図、図3は同アンテナ素子部の断面図である。
本発明の実施例1に係るCRLH(Composite Right/Left Handed)モノポールアンテナ20は、図1に示すようにグラウンド板21の上面中央にCRLH(Composite Right/Left Handed)線路を用いたアンテナ素子部22を設けている。上記グラウンド板21は、厚さが1mm程度の金属板を例えば円板状に形成したもので、その直径は例えば約0.8λ以上の大きさに設定する。上記λは使用周波数における波長を示している。
【0018】
上記アンテナ素子部22は、有底円筒状の容器23内に収納した内導体24及び容器23の外周縁に接するように配置した円柱状の外導体25により構成される。上記外導体25の直径は、内導体24の直径の約1/10程度に設定される。上記容器23は、絶縁部材例えば合成樹脂を用いて有底円筒状に形成したもので、内導体24を収納し、アンテナ素子部22の機械的強度を保つ働きもする。
【0019】
上記内導体24には、詳細を後述するインピーダンス整合回路26及び給電回路27を介して給電される。インピーダンス整合回路26は、グラウンド板21の下側に設けられ、一方の端部がグラウンド板21の中央に設けられた透孔より金属柱を介して内導体24に接続される。また、給電回路27は、グラウンド板21の上側において、一方の端部がインピーダンス整合回路26の他方の端部に対応するように設けられ、該端部間がグラウンド板21に設けられた透孔を介して接続ピンにより接続される。そして、給電回路27の他方の端部に対して給電が行われる。
【0020】
上記内導体24は、図2及び図3に示すように導電部材を用いて半径R1の円柱状に形成され、所定の高さh1で複数例えば5つの内導体素子24a〜24eに分割され、上記容器23内に順次スペーサ28a〜28dを介して一定の間隔gで収納される。上記内導体24の半径R1は約21mm、内導体素子24a〜24eの高さh1は約4.2mm、内導体素子24a〜24eの間隔(スペーサ28の厚さ)gは約0.8mmに設定される。スペーサ28a〜28dには、フッ素樹脂やセラミック等の高誘電率材料を用いるとよい。
【0021】
また、上記グラウンド板21の上面には、容器23の外周縁に接するように外導体25が垂直に設けられる。この外導体25は、導電部材により柱状例えば半径R2が約2mm、高さh2が約25mm(容器23と略同一)の円柱状に形成され、図示しないが下端部がボルト及びナットによりグラウンド板21に固定される。例えば外導体25の底面にボルトを突設して設け、このボルトをグラウンド板21に設けられた透孔を介してグラウンド板21の下側に導出し、その先端にナットを螺着して固定する。これにより外導体25は、中心軸が内導体の中心軸よりR1+W+R2離れた位置でグラウンド板21に接続されて接地される。
【0022】
上記外導体25は、内導体24の外周、すなわち容器23の外周縁に沿う任意の位置に設けることが可能である。また、外導体25は、円柱状に限らず垂直方向に延びる棒状、板状の部材を用いてもよい。
そして、最下部の内導体24eを除く他の内導体素子24a〜24dは、接続ピン(ビア:via)29a〜29dにより容器23の外周壁23aを間に介して外導体25に接続される。この場合、内導体素子24a〜24d、外導体25及び容器23の外周壁23aには、接続ピン29a〜29dを装着する部分に該接続ピン29a〜29dを挿入できる大きさの透孔を予め設けておき、この透孔を利用して内導体素子24a〜24dと外導体25との間を接続ピン29a〜29dにより電気的に接続する。上記各内導体素子24a〜24dは、例えば側面の下部近傍において、接続ピン29a〜29dにより外導体25に接続する。上記内導体24と外導体25との間における接続ピン29a〜29dの長さwは、約3.2mmに設定される。この様に本例では上記内導体24と外導体25との間における接続ピン29a〜29dの長さwを容器23の外周壁23aの厚さに等しくしたが、外導体25が接する部分のみ外周壁23aの厚さを薄くしてもよく、反対に外周壁23aの厚さよりwを大きくしてもよい。
【0023】
下記[表1]は、上記アンテナ素子部22の各部、すなわち内導体24の半径R1、外導体25の半径R2、内導体24の各内導体素子24a〜24eの高さh1、外導体25の高さh2、内導体素子24a〜24eの間隔g、接続ピン29a〜29dの長さw、接続ピン29a〜29dの半径v等の基本的な設定寸法例をまとめて示したものである。
【0024】
【表1】
そして、上記内導体24には、図4に示すように最下部に位置する内導体素子24eの下側中心部に透孔が設けられ、この透孔内に金属柱31の上端が圧入されて固定される。図4は、内導体24とインピーダンス整合回路26との接続部を拡大して示す断面図である。
【0025】
上記金属柱31は、下部先端が容器23、グラウンド板21、更にインピーダンス整合回路26の整合回路基板32を介して外部に突出され、その突出先端部がインピーダンス整合回路26に半田付け33等により接続される。上記グラウンド板21の中心部には、上記金属柱31を挿通させる穴34が設けられ、この穴33内に絶縁材が介在されて金属柱31とグラウンド板21との間が絶縁される。
【0026】
上記インピーダンス整合回路26及び給電回路27は、図5及び図6に示すように構成される。図5はインピーダンス整合回路26及び給電回路27部分を取出して示す斜視図である。図6(a)はインピーダンス整合回路26のライン構成を示す図、図6(b)は給電回路27のライン構成を示す図である。
【0027】
グラウンド板21の下側に配設されるインピーダンス整合回路26は、整合回路基板32の下面に信号ライン35が設けられると共に、上面の略全体にグラウンド面(図示せず)が設けられ、このグラウンド面がグラウンド板21に接触して電気的に接続される。インピーダンス整合回路26の信号ライン35は、インピーダンスを整合するため3つの信号ライン35a、35b、35cが直列に設けられ、信号ライン35aの長さI1は約0.01λ、信号ライン35bの長さI2は約0.12λ、信号ライン35cの長さI3は約0.03λ、信号ライン35の全体の長さI0 は0.16λに設定される。また、信号ライン35aの幅d1は0.004λ、信号ライン35bの幅d2は0.01λ、信号ライン35cの幅d3は0.003λに設定される。
【0028】
また、グラウンド板21の上側に配設される給電回路27は、給電回路基板36の上面に長さI4が約15mmの給電ライン37が設けられると共に、下面の略全体にグラウンド面(図示せず)が設けられ、このグラウンド面がグラウンド板21に接触して電気的に接続される。上記給電回路27は、インピーダンス整合を行っていないので、給電ライン37の長さI4は任意に設定することが可能である。
【0029】
給電回路27は、インピーダンス整合回路26の信号ライン35cの先端に給電ライン37の一方の端部がグラウンド板21を間に介して対向するように設けられ、信号ライン35cと給電ライン37の端部間が接続ピンにより接続される。上記給電ライン37の他方の端部は、図示しないが接続ピンによりグラウンド板21の下側に設けられた給電用コネクタに接続される。グラウンド板21には、上記信号ライン35cと給電ライン37の端部間、及び給電ライン37と給電用コネクタとの間の接続ピンを挿通させるための透孔がそれぞれ設けられ、この透孔内において接続ピンの外周に絶縁材が介在される。
【0030】
上記のように構成されたCRLHモノポールアンテナ20は、アンテナ素子部22のインピーダンスが約15〜16Ωであり、インピーダンス整合回路26によりCRLHモノポールアンテナ20の約15〜16Ωのインピーダンスを例えば約50Ωの給電線路のインピーダンスに整合させる。給電回路27は、インピーダンス整合回路26をグラウンド板21の下側面に設けられる給電用コネクタに接続するための回路であり、特にインピーダンス変換は行っていない。
【0031】
上記CRLHモノポールアンテナ20は、左手系素子による「はしご型構造」のモノポールアンテナであり、その等価回路は図7に示すように線状導体である外導体25に対し、主線路側の線状導体に左手系キャパシタンスCLが直列に配置され、主線路と外導体25を接続した線状導体に左手系インダクタンスLLが並列に配置された構成となっている。
【0032】
すなわち、内導体24を複数の内導体素子24a〜24eに分割し、各内導体素子24a〜24eをそれぞれ所定の間隔gで対向配置することにより、各内導体素子24a〜24e間に左手系キャパシタンスCLが形成されて直列に接続される。そして、各内導体素子24a〜24dは、接続ピン29a〜29dにより線状導体である外導体25に接続されるので、上記左手系キャパシタンスCLと外導体25との間に接続ピン29a〜29dによる左手系インダクタンスLLが並列に接続された構成となる。
【0033】
次に、上記CRLHモノポールアンテナ20における各部のパラメータによる反射特性への影響について説明する。
図8は、上記CRLHモノポールアンテナ20におけるアンテナ素子部22の各部の寸法を上記[表1]に示すように設定した状態において、内導体24の半径R1のみを変化させたときのVSWR特性の変化、すなわち共振周波数の変化を示したもので、横軸に周波数[MHz]をとり、縦軸にVSWRをとって示した。なお、インピーダンス整合回路26の調整は行っていない。図8において、破線A11、A12は内導体24の半径R1を[19mm]としたときの特性を示し、約520MHz及び約408MHzの周波数で共振している。実線B11、B12は内導体24の半径R1を[21mm]としたときの特性を示し、周波数約473MHz、及び約422MHzで共振している。一点鎖線C11は内導体24の半径R1を[23mm]としたときの特性を示し、周波数約434MHzで共振している。
【0034】
なお、内導体24の半径R1を変化させると、それぞれの半径において複数の共振周波数が測定される場合があるが、実際に電波が出力されるのは一番高い周波数に対するもので、それより低い共振周波数はスプリアスである。例えば内導体24の半径R1を[19mm]としたとき、破線A11、A12で示す2つの周波数位置で共振しているが、実際に電波が出力されるのは破線A11に示す周波数が一番高い約520MHzに対するもので、破線A12に示す約408MHzの周波数で測定される共振はスプリアスである。また、上記スプリアスは本来の共振周波数よりも低い周波数で発生し、VSWRの値も非常に悪くなっている。
【0035】
上記のように内導体24の半径R1を大きくした場合、アンテナの共振周波数が低くなる方向に変化する。
図9は、上記CRLHモノポールアンテナ20におけるアンテナ素子部22の各部の寸法を上記[表1]に示すように設定した状態において、外導体25の半径R2のみを変化させたときのVSWR特性の変化(共振周波数の変化)を示したもので、インピーダンス整合回路26の調整は行っていない。図9において、破線A21は外導体25の半径R2を[1.5mm]としたときの特性を示し、約453MHzの周波数で共振している。実線B21は外導体25の半径R2を[2.0mm]としたときの特性を示し、約473MHzの周波数で共振している。一点鎖線C21は外導体25の半径R2を[2.5mm]としたときの特性を示し、約487MHzの周波数で共振している。
【0036】
上記のように外導体25の半径R2を大きくした場合、アンテナの共振周波数が高くなる方向に変化する。
図10は、上記CRLHモノポールアンテナ20におけるアンテナ素子部22の各部の寸法を上記[表1]に示すように設定した状態において、内導体24と外導体25との間における接続ピン29a〜29dの長さwのみを変化させたときのVSWR特性の変化(共振周波数の変化)を示したもので、インピーダンス整合回路26の調整は行っていない。図10において、破線A31は接続ピン29a〜29dの長さwを[2.7mm]としたときの特性を示し、約491MHzの周波数で共振している。実線B31は接続ピン29a〜29dの長さwを[3.2mm]としたときの特性を示し、約473MHzの周波数で共振している。一点鎖線C31は接続ピン29a〜29dの長さwを[3.7mm]としたときの特性を示し、約457MHzの周波数で共振している。
【0037】
上記のように接続ピン29a〜29dの長さwを長くした場合、アンテナの共振周波数が低くなる方向に変化する。
以上の結果から明らかなように上記実施例1に係るCRLHモノポールアンテナ20では、内導体24の半径R1を大きくした場合、及び接続ピン29a〜29dの長さwを長くした場合にアンテナの共振周波数が低くなり、また、外導体25の半径R2を大きくした場合はアンテナの共振周波数が高くなる。これは、各パラメータを変化させたことによりアンテナの左手系キャパシタンスCLと左手系インダクタンスLLが変化したためと考えられる。
【0038】
更に、本来の共振周波数よりも低い周波数でスプリアスが発生するが、スプリアスにおける放射効率は非常に小さく、アンテナとして作用していないことが確認された。
上記のように内導体24の半径R1、外導体25の半径R2、接続ピン29a〜29dの長さwを変化させると、それに伴ってアンテナの共振周波数が変化するので、最適の特性が得られるように内導体24の半径R1、外導体25の半径R2、接続ピン29a〜29dの長さw等を設定する。
【0039】
図11は、上記CRLHモノポールアンテナ20におけるアンテナ素子部22の寸法を上記[表1]に示した値に設定し、且つ、インピーダンス整合回路26を調整して共振周波数を473MHzに設定した場合のVSWR特性を示したもので、横軸に周波数[MHz]をとり、縦軸にVSWRをとって示した。
【0040】
上記CRLHモノポールアンテナ20は、狭帯域ではあるが、共振周波数473MHzにおけるVSWRは約1.5以下であり、良好な値が得られている。なお、上記実施例1に係るCRLHモノポールアンテナ20と同一アンテナ高の従来の右手系モノポールアンテナは、450〜500MHzの帯域ではVSWRが100以上となって共振せず、アンテナとして作用しない。
【0041】
図12は、上記CRLHモノポールアンテナ20の水平面垂直偏波指向性を示したもので、良好な無指向性が得られている。
図13は、上記CRLHモノポールアンテナ20の垂直面垂直偏波指向性を示したもので、0度及び180度方向にヌルを持つ8の字指向性となっている。
【0042】
上記CRLHモノポールアンテナ20の水平面垂直偏波指向性及び垂直面垂直偏波指向性は、従来の右手系モノポールアンテナの指向性と略同じである。
従来の右手系ダイポールアンテナは、λ/4のアンテナ高(480MHzの周波数で約156mm)で共振するが、本発明の実施例1に係るCRLHモノポールアンテナ20は、高さが約25mmであり、λ/25以下のアンテナ高で共振する。従って、本発明に係るCRLHモノポールアンテナ20は、アンテナ高を非常に低くでき、例えば電車上部や屋内など、高さが制限された空間においても容易に使用することができる。
【0043】
また、CRLHモノポールアンテナ20にインピーダンス整合回路26を組み込むことにより、右手系/左手系領域変換時の損失を低減することができる。
更に本発明では、内導体24の外側に柱状の外導体25を配置した「はしご型」構造とすることにより、同軸線路を素子として使用した従来のCRLHモノポールアンテナのように内導体が外導体により覆われるという問題を解決でき、アンテナ放射効率を80%以上に高めることができる。
【0044】
上記実施例1では、各部の設定寸法の一例について示したが、次の[表2]に示すようにその他の値に設定することも可能である。
【0045】
【表2】
上記[表2]は、内導体24の半径R1、外導体25の半径R2、内導体24の各内導体素子24a〜24eの高さh1、外導体25の高さh2、内導体素子24a〜24eの間隔g、接続ピン29a〜29dの長さw、接続ピン29a〜29dの半径vについての各種設定例を示したもので、設定例1は前記実施例1における寸法例、設定例2、3はその他の寸法例を示している。
【0046】
設定例2は、アンテナの共振周波数が低くなるように、内導体24の半径R1を「27mm」、外導体25の半径R2を「1mm」、接続ピン29a〜29dの長さwを「5.2mm」に設定し、各内導体素子24a〜24eの高さh1、外導体25の高さh2、内導体素子24a〜24eの間隔g、接続ピン29a〜29dの半径vについては上記実施例1と同じ値に設定している。
【0047】
設定例3は、アンテナの共振周波数が高くなるように、内導体24の半径R1を「19mm」、外導体25の半径R2を「2.5mm」、接続ピン29a〜29dの長さwを「2.7mm」に設定し、各内導体素子24a〜24eの高さh1、外導体25の高さh2、内導体素子24a〜24eの間隔g、接続ピン29a〜29dの半径vについては上記実施例1と同じ値に設定している。
【0048】
図14は、上記実施例1に示したCRLHモノポールアンテナ20において、各部の寸法を上記[表2]の設定例1〜3の値に設定し、更にインピーダンス整合回路26を調整した場合のVSWR特性を示している。
図14において、実線D11は上記設定例1におけるVSWR特性を示し、約473MHzの周波数で共振している。
破線E11の特性は上記設定例2におけるVSWR特性を示し、約314MHzの周波数で共振している。
一点鎖線F11は上記設定例3におけるVSWR特性を示し、約554MHzの周波数で共振している。なお、図14において、実線D12は設定例1におけるスプリアスであり、一点鎖線F12、F13は設定例3におけるスプリアスである。
【0049】
上記のように共振周波数が変化するパラメータを組み合わせ、更にインピーダンス整合回路26を調整することにより、上記図14に示したようにアンテナの共振周波数を約300〜600MHzまで変化させることが可能である。
なお、上記実施例では、グラウンド板21を円形に形成した場合について示したが、その他の形状、例えば四角形や多角形等の形状に形成しても良い。
【0050】
また、上記実施例では、内導体素子24a〜24dと外導体25との間を接続する接続ピン29a〜29dは、各内導体素子24a〜24dの側面の下部近傍に設けた場合について説明したが、接続ピン29a〜29dの位置はアンテナの周波数特性に大きく影響しないので、内導体素子24a〜24e間のスペーサ28a〜28dに浸食しない範囲内であれば他の位置であってもよい。
【0051】
また、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【符号の説明】
【0052】
20…CRLHモノポールアンテナ、21…グラウンド板、22…アンテナ素子部、23…容器、23a…容器の外周壁、24…内導体、24a〜24e…内導体素子、25…外導体、26…インピーダンス整合回路、27…給電回路、28a〜28d…スペーサ、29a〜29d…接続ピン、31…金属柱、32…整合回路基板、33、34…穴、35、35a〜35c…信号ライン、36…給電回路基板、37…給電ライン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラウンド板と、前記グラウンド板上に設けられる絶縁部材からなる有底筒状の容器と、前記容器内に順次所定の間隔で絶縁した状態で収納される複数の内導体素子からなる柱状の内導体と、前記容器の外側に位置するように前記グラウンド板上に立設される柱状の外導体と、前記容器内に収納された最下部の内導体素子に給電する給電手段と、前記給電手段により給電された前記内導体素子を除く他の各内導体素子と前記外導体との間を接続する接続ピンとを具備することを特徴とする低姿勢モノポールアンテナ。
【請求項2】
前記容器内に所定の間隔で収納した前記複数の内導体素子により左手系キャパシタンスを直列に形成すると共に、前記内導体素子と前記外導体との間を接続する前記接続ピンにより左手系インダクタンスを並列に形成してはしご型構造の左手系線路を構築したことを特徴とする請求項1に記載の低姿勢モノポールアンテナ。
【請求項3】
前記給電手段は、前記グラウンド板の下面に整合基板を設け、該整合基板に形成されたインピーダンス整合回路を介して前記容器内に収納された最下部の内導体素子に給電することを特徴とする請求項1又は2に記載の低姿勢モノポールアンテナ。
【請求項1】
グラウンド板と、前記グラウンド板上に設けられる絶縁部材からなる有底筒状の容器と、前記容器内に順次所定の間隔で絶縁した状態で収納される複数の内導体素子からなる柱状の内導体と、前記容器の外側に位置するように前記グラウンド板上に立設される柱状の外導体と、前記容器内に収納された最下部の内導体素子に給電する給電手段と、前記給電手段により給電された前記内導体素子を除く他の各内導体素子と前記外導体との間を接続する接続ピンとを具備することを特徴とする低姿勢モノポールアンテナ。
【請求項2】
前記容器内に所定の間隔で収納した前記複数の内導体素子により左手系キャパシタンスを直列に形成すると共に、前記内導体素子と前記外導体との間を接続する前記接続ピンにより左手系インダクタンスを並列に形成してはしご型構造の左手系線路を構築したことを特徴とする請求項1に記載の低姿勢モノポールアンテナ。
【請求項3】
前記給電手段は、前記グラウンド板の下面に整合基板を設け、該整合基板に形成されたインピーダンス整合回路を介して前記容器内に収納された最下部の内導体素子に給電することを特徴とする請求項1又は2に記載の低姿勢モノポールアンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−51580(P2013−51580A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189087(P2011−189087)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(504378814)八木アンテナ株式会社 (190)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(504378814)八木アンテナ株式会社 (190)
【Fターム(参考)】
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