説明

低層建築物施工方法および低層建築物用パネル構造体

【課題】廉価なコストで断熱性に優れた低層建築物を施工することができる施工方法およびパネル構造体を提供することである。
【解決手段】同じ大きさのEPS製プレート16aを最外層に配置し、EPS製プレートと同じ大きさの1枚又は複数枚のEPS製プレート及び/又は1枚又は複数枚のポリプロピレン製プレート16bを中間層に配置し、隣接するプレート同士を接着剤で接着することによって形成されており、一方の最外層の面又は両方の最外層の面に多数の溝18a、18bが配置され、最外層の一方の面から他方の面に至る多数の貫通孔20が溝内に配置されていることを特徴とする低層建築物用パネル構造体16とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低層建築物施工方法および低層建築物用パネル構造体に関する。本発明における低層建築物は主として、1階建て〜3階建ての木造建築物を対象としている。
【背景技術】
【0002】
寒冷地の住宅は、快適な居住空間を提供すべく、特に断熱性に優れたものが望まれている。従来、断熱性に配慮した低層建築物向けの施工方法として、種々のものが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、廉価なコストで断熱性に優れた低層建築物を施工することができる施工方法およびパネル構造体を提供することを目的としている。また、交通量の激しい地域に隣接した敷地に建設される建築物は、絶え間のない振動に曝されるおそれがあるが、免震性に優れた施工方法およびパネル構造体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願請求項1に記載の低層建築物用パネル構造体は、同じ大きさのEPS製プレートを最外層に配置し、前記EPS製プレートと同じ大きさの1枚又は複数枚のEPS製プレート及び/又は1枚又は複数枚のポリプロピレン製プレートを中間層に配置し、隣接するプレート同士を接着剤で接着することによって形成され、一方の最外層の面又は両方の最外層の面に多数の溝が配置され、前記最外層の一方の面から他方の面に至る多数の貫通孔が前記溝内に配置されていることを特徴とするものである。
【0005】
本願請求項2に記載の低層建築物用パネル構造体は、1枚のEPS製プレートによって形成され、前記プレートの一方の面又は両方の面に、多数の溝が配置されており、前記溝内に多数の貫通孔が配置されていることを特徴とするものである。
【0006】
本願請求項3に記載の低層建築物用パネル構造体は、1枚のEPS製プレートによって形成され、前記プレートの一方の面に補強部が設けられており、前記補強部が、前記プレートの一面に設けられた溝内に、該溝に合致する形状に形作られた硬質材料を嵌め込むことによって形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本願請求項4に記載の低層建築物用パネル構造体は、1枚のEPS製プレートによって形成され、前記プレートの一方の面に、基部分と突出部分とからなる凸部が設けられており、前記凸部が、前記プレートの一面に設けられた溝内に、前記突出部分がプレート面から突出するように、該溝に合致する形状に形作られた前記基部分を嵌め込むことによって形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項5に記載の低層建築物施工方法は、前記建築物の基礎を施工しようとする掘削箇所の底面と側面を土木シートで被覆し、前記掘削箇所の底面に砕石を敷いて転圧した後、砕石層の上面を土木シートで被覆し、前記掘削箇所の底面に前記請求項1に記載の低層建築物用パネル構造体を、前記掘削箇所の側面に前記請求項2に記載のパネル構造体をそれぞれ配置し、前記底面の低層建築物用パネル構造体および前記側面の低層建築物用パネル構造体を防水シートで被覆し、前記防水シートの上面に捨てコンクリートを打設するとともに、所要の鉄筋を組み立てた後、コンクリートを打設してべた基礎を施工することを特徴とするものである。
【0009】
本願請求項6に記載の低層建築物施工方法は、基礎の立ち上がり部分のコンクリート打設部分の幅と同じ長さを有し、両端に鍔部がそれぞれ設けられた間隔保持部と、前記間隔保持部の端から外方に延び、内部に雌ねじが設けられた雌ねじ部と、前記雌ねじ部にそれぞれねじ込まれるボルトとを有する締結具を準備し、前記請求項3に記載のパネル構造体の補強部に前記締結具のボルトを差し込み、該ボルトの先端に前記雌ねじ部をねじ込み、前記パネル構造体をべた基礎の所定箇所に固定し、別のパネル構造体を前記パネル構造体の対面に配置し補強部に別のボルトを差し込んで対応する前記雌ねじ部にねじ込むことによって、対向するパネル構造体の間に空間を形成し、前記空間内にコンクリートを打設することにより基礎の立ち上がり部分を施工することを特徴とするものである。
【0010】
本願請求項7に記載の低層建築物施工方法は、前記請求項6の方法において、単管を保持するためのフック状部材を更に有する前記締結具を準備し、前記ボルトで固定された前記フック状部材に水平方向に延びた単管を載せることによって、隣接するパネル構造体を一線に配置することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のパネル構造体および施工方法によれば、良好な断熱性および振動衝撃性能を有する低層建築物が提供される。本発明では、良好な断熱性および振動衝撃性能を有するパネル構造体がコンクリート用の型枠として用いられているので、施工工期を短縮することができるとともに、施工コストの低減化にも寄与する。パネル構造体の補強部および凸部は、パネル構造体自体の強度を高めるリブとしての役目も果たす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る低層建築物施工方法について詳細に説明する。本発明の好ましい実施の形態に係る低層建築物施工方法は、基礎の底部/側部の施工方法、基礎の立ち上がり部分の施工方法、および建築物の壁部/屋根部の施工方法に大別される。
【0013】
最初に、基礎の底部/側部の施工方法について説明する。図1は、基礎の底部/側部の施工方法によって施工された基礎を模式的に示した断面図、図2は、基礎の底部/側部の施工方法における一連の手順を示した図である。まず、基礎を施工しようとする箇所の地盤の掘削を行い、掘削箇所の底面と側面を土木シート10で被覆する(図2(a)参照)。土木シート10は、ポリエステル繊維等で形成され、道路建設、軟弱地盤対策、港湾、河川の分野等で一般的に用いられているものを使用してよい。土木シート10は、透水性を有している。
【0014】
次いで、土木シート10で被覆した掘削箇所の底面に砕石を敷いて転圧した後、砕石層12の頂面を土木シート14で被覆する(図2(b)参照)。土木シート14は、土木シート10と同様のものを使用してよい。
【0015】
次いで、掘削箇所の底面および側面に、本発明の好ましい実施の形態に係る低層建築物用パネル構造体16、16′をそれぞれ配置する(図2(c)参照)。図3は、底面に配置される低層建築物用パネル構造体16を示した概略斜視図である。
【0016】
低層建築物用パネル構造体16は、同じ大きさの矩形のビーズ法ポリスチレンフォーム(Expanded Poly−Styrene,以下「EPS」という)製プレート10aとポリプロピレン製プレート10bを接着剤で接着することによって形成される。EPSは、良好な断熱材料として知られているが、EPSとポリプロピレンを組み合わせることにより、良好な断熱性能を保有しつつ、振動衝撃性能を向上させた材料が得られる。なお、図3に示される低層建築物用パネル構造体16は、第1層、第3層および第5層がEPS製プレート、第2層および第4層がポリプロピレン製プレートの計5層のプレートで形成されているが、最外層(この例では、第1層と第5層)がEPS製プレートで形成されていれば、層数および各層の形成材料は、図3に示されるものに限定されるものではない。
【0017】
低層建築物用パネル構造体16の頂面および底面には、複数列の縦方向溝18aおよび複数列の横方向溝18bが格子状に配列されており、縦方向溝18aと横方向溝18bの各交差箇所には、頂面から底面まで延びた貫通孔20がそれぞれ設けられている。溝18a、18bおよび貫通孔20を設けた理由は、排水経路を確保して、液状化現象が発生した場合に基礎の浮き上がりと不同沈下を減少させるためである。なお、図3に示される低層建築物用パネル構造体16では、頂面と底面の両面に溝が設けられているが、使用箇所によってはいずれか一方の面にのみ溝を設けてもよい。また、各辺に平行/直交するように溝が設けられているが、各辺に対して斜めになるように溝を設けてもよい。また、縦方
向と横方向の二方向に溝が設けられているが、いずれか一方向にのみ溝を設けてもよい。
【0018】
掘削箇所の側面に設けられる低層建築物用パネル構造体16′は、1枚のEPS製プレートで形成されている点を除いて、低層建築物用パネル構造体16′と実質的に同一の構成を有している。低層建築物用パネル構造体16′を1枚のEPS製プレートで形成したのは、基礎の底部に配置する低層建築物用パネル構造体16と比較して、パネル構造体に作用する荷重が小さいことを考慮したためである。
【0019】
次いで、掘削箇所の底面および側面に配置された低層建築物用パネル構造体16を防水シート22で被覆する(図2(d)参照)。防水シート22は、通常のものを使用してよい。
【0020】
次いで、防水シート22の上面に捨てコンクリート24を打設するとともに、所要の鉄筋を組み立てる(図2(e)参照)。最後に、コンクリートを打設してべた基礎26を施工する(図2(f)参照)。なお、低層建築物用パネル構造体16、16′がべた基礎26用の型枠の役目を果たすので、型枠を設置する必要がない。
【0021】
次に、基礎の立ち上がり部分の施工方法について説明する。図4は、立ち上がり部分が施工された基礎を模式的に示した断面図、図5(a)は、基礎の立ち上がり部分の施工方法において使用される第2の低層建築物用パネル構造体28を示した図である。
【0022】
第2の低層建築物用パネル構造体28は、矩形のEPS製プレートで形成されており、プレートの一方の面に補強部28aが設けられている。補強部28aは、EPS製プレートの一面に設けられた溝内に、該溝に合致する形状に形作られた硬質材料を嵌め込むことによって形成されている。硬質材料は、適当な樹脂プラスチック材料などが用いられる。補強部28aは、ボルト等の締結具を通す箇所として用いられる。図5(a)に示される補強部28aは、プレートの一方の面に所定間隔隔てて2列に配置されているが、これは単なる例示にすぎず、これに限定されるものではない(例えば、補強部を3列に配置してもよい)。パネル構造体28の底部には、パネル構造体28をべた基礎26に固定するための取付部28bが設けられている。取付部28bは、EPS製プレートの底縁の一部に設けられた溝内に、該溝に合致する形状に形作られた硬質材料を嵌め込むことによって形成されており、図5(b)に示されるように、取付部28bに釘打ちすることによって、パネル構造体28がべた基礎26に固定される。また、パネル構造体28の両側縁には、隣接するパネル構造体28同士を連結する際に用いられる溝28cが設けられている。そして、図5(c)に示されるように、溝28c内に、溝28cに合致する形状に形作られた連結部材28dを差し込むことによって、隣接するパネル構造体28を連結することができる。
【0023】
図6は、基礎の立ち上がり部分の施工において使用される締結具30を示した分解斜視図である。締結具30は、基礎の立ち上がり部分のコンクリート充填部分の幅(換言すると、対向する第2の低層建築物用パネル構造体28の内面間の距離)wと同じ長さを有し、両端に鍔部30a1がそれぞれ設けられた間隔保持部30aと、間隔保持部30aの端から外方に延び、内部に雌ねじが設けられた雌ねじ部30bと、雌ねじ部30bにそれぞれねじ込まれるボルト30cと、単管を保持するためのフック状部材30dとを有している。
【0024】
基礎の立ち上がり部分の施工方法においては、まず一方の第2の低層建築物用パネル構造体28の補強部28aに締結具30のボルト30cを差し込み、ボルト30cの先端に雌ねじ部30bをねじ込む(図7(a)参照)。次いで、この第2の低層建築物用パネル構造体28をべた基礎26の所定箇所に固定し(図7(b)参照)、他方の第2の低層建築物用パネル構造体28をその対面に配置する。これにより、対向する第2の低層建築物用パネル構造体28間に、間隔保持部30aの長さに等しい幅wの空隙が形成される。次いで、この空隙内にコンクリートを充填することにより、基礎の立ち上がり部分が形成される(図7(c)参照)。なお、コンクリート充填前に所定箇所にアンカーボルトを設置しておくのがよい。本発明の方法では、対向する第2の低層建築物用パネル構造体28が型枠になるので、極めて効率的な施工が可能になる。
【0025】
基礎の立ち上がり部分を施工する際、上述のように、鉄筋を囲むようにしてパネル構造体28を配置する。この際、隣接するパネル構造体28が波打たないように一線上に配置する必要があるが、ボルト30cで固定されたフック状部材30dに水平方向に延びた単管を載せることによって、パネル構造体28を容易に一線上に配置することができる(図7(d)参照)。なお、図4では、防水シート22がパネル構造体28の外面に位置しているが、パネル構造体28の内面に防水シートが位置するようにしてもよい。
【0026】
次に、建築物の壁部/屋根部の施工方法について説明する。図9(a)は、壁部の施工方法において使用される第3の低層建築物用パネル構造体34を示した図である。第3の低層建築物用パネル構造体34は、矩形のEPS製プレートで形成されており、プレートの一方の面に凸部34aが設けられている。基部分34a1と突出部分34a2とからなる凸部34a(図9(b)参照)は、EPS製プレートの一面に設けられた溝内に、突出部分34a2がプレート面から突出するように、該溝に合致する形状に形作られた基部分34a1を嵌め込むことによって形成されている。凸部34aは硬質材料で形成されており、この硬質材料は、適当な樹脂プラスチック材料などが用いられる。凸部34aは、外壁材(例えば、タイル)を嵌め込むための突起として用いられる。図9(a)に示されるパネル構造体34では、凸部34aがプレートの一方の面に所定間隔隔てて3列に配置されているが、これは単なる例示にすぎず、これに限定されるものではない(例えば、凸部を4列以上にしてもよい)。
【0027】
壁部の施工方法においては、第3の低層建築物用パネル構造体34を凸部34aが外面に向くように下地材に取り付ける。しかる後、凸部34aの突出部分34a2に合致する溝が内面に設けられたタイルを第3の低層建築物用パネル構造体34に順次取り付けることによって壁部が形成される(図8参照)。また、屋根部の施工方法においては、第2の低層建築物用パネル構造体28を下地材に釘等を用いて固定することによって屋根部が形成される。この際、釘は補強部28aに打ちつけるのが好ましい。
【0028】
第3の低層建築物用パネル構造体34を使用して通気路を形成することもできる。すなわち、上述の壁部の施工方法では、凸部34aが横方向に延びるようにパネル構造体34が用いられているが、凸部34aが縦方向に延びるようにパネル構造体34を配置して外壁材を取り付けることにより、パネル構造体34と外壁材との間に垂直方向に延びた通気路が形成される(図10参照)。
【0029】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に係る基礎の底部/側部の施工方法によって施工された基礎を模式的に示した断面図である。
【図2】基礎の底部/側部の施工方法における一連の手順を示した図である。
【図3】図3(a)は本発明の好ましい実施の形態に係る低層建築物用パネル構造体を概略的に示した斜視図、図3(b)は図3(a)の線3b−3bに沿って見た断面図である。
【図4】本発明の好ましい実施の形態に係る基礎の立ち上がり部分の施工方法によって施工された基礎を模式的に示した断面図である。
【図5】図5(a)は本発明の好ましい実施の形態に係る第2の低層建築物用パネル構造体を概略的に示した斜視図、図5(b)は図5(a)の線5b−5bに沿って見た断面図、図5(c)は隣接するパネル構造体を連結する方法を示した図である。
【図6】基礎の立ち上がり部分の施工において使用される締結具を示した分解斜視図である。
【図7】基礎の立ち上がり部分の施工方法における一連の手順を示した図である。
【図8】本発明の好ましい実施の形態に係る壁部/屋根部の施工方法を模式的に示した図である。
【図9】図9(a)は本発明の好ましい実施の形態に係る第3の低層建築物用パネルを概略的に示した斜視図、図9(b)は図9(a)の低層建築物用パネル構造体の一部拡大図である。
【図10】図9の第3の低層建築物用パネルの使用例を示した図である。
【符号の説明】
【0031】
10、14 土木シート
12 砕石
16、16′ 低層建築物用パネル構造体
18a、18b 溝
20 貫通孔
22 防水シート
24 捨てコンクリート
26 べた基礎
28 第2の低層建築物用パネル構造体
30 締結具
34 第3の低層建築物用パネル構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ大きさのEPS製プレートを最外層に配置し、前記EPS製プレートと同じ大きさの1枚又は複数枚のEPS製プレート及び/又は1枚又は複数枚のポリプロピレン製プレートを中間層に配置し、隣接するプレート同士を接着剤で接着することによって形成され、
一方の最外層の面又は両方の最外層の面に多数の溝が配置され、前記最外層の一方の面から他方の面に至る多数の貫通孔が前記溝内に配置されていることを特徴とする低層建築物用パネル構造体。
【請求項2】
1枚のEPS製プレートによって形成され、
前記プレートの一方の面又は両方の面に、多数の溝が配置されており、前記溝内に多数の貫通孔が配置されていることを特徴とする低層建築物用パネル構造体。
【請求項3】
1枚のEPS製プレートによって形成され、
前記プレートの一方の面に補強部が設けられており、前記補強部が、前記プレートの一面に設けられた溝内に、該溝に合致する形状に形作られた硬質材料を嵌め込むことによって形成されていることを特徴とする低層建築物用パネル構造体。
【請求項4】
1枚のEPS製プレートによって形成され、
前記プレートの一方の面に、基部分と突出部分とからなる凸部が設けられており、前記凸部が、前記プレートの一面に設けられた溝内に、前記突出部分がプレート面から突出するように、該溝に合致する形状に形作られた前記基部分を嵌め込むことによって形成されていることを特徴とする低層建築物用パネル構造体。
【請求項5】
低層建築物の施工方法であって、
前記建築物の基礎を施工しようとする掘削箇所の底面と側面を土木シートで被覆し、前記掘削箇所の底面に砕石を敷いて転圧した後、砕石層の上面を土木シートで被覆し、前記掘削箇所の底面に前記請求項1に記載の低層建築物用パネル構造体を、前記掘削箇所の側面に前記請求項2に記載のパネル構造体をそれぞれ配置し、前記底面の低層建築物用パネル構造体および前記側面の低層建築物用パネル構造体を防水シートで被覆し、前記防水シートの上面に捨てコンクリートを打設するとともに、所要の鉄筋を組み立てた後、コンクリートを打設してべた基礎を施工することを特徴とする施工方法。
【請求項6】
低層建築物の施工方法であって、
基礎の立ち上がり部分のコンクリート打設部分の幅と同じ長さを有し、両端に鍔部がそれぞれ設けられた間隔保持部と、前記間隔保持部の端から外方に延び、内部に雌ねじが設けられた雌ねじ部と、前記雌ねじ部にそれぞれねじ込まれるボルトとを有する締結具を準備し、前記請求項3に記載のパネル構造体の補強部に前記締結具のボルトを差し込み、該ボルトの先端に前記雌ねじ部をねじ込み、前記パネル構造体をべた基礎の所定箇所に固定し、別のパネル構造体を前記パネル構造体の対面に配置し補強部に別のボルトを差し込んで対応する前記雌ねじ部にねじ込むことによって、対向するパネル構造体の間に空間を形成し、前記空間内にコンクリートを打設することにより基礎の立ち上がり部分を施工することを特徴とする施工方法。
【請求項7】
単管を保持するためのフック状部材を更に有する前記締結具を準備し、前記ボルトで固定された前記フック状部材に水平方向に延びた単管を載せることによって、隣接するパネル構造体を一線に配置することを特徴とする請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−88773(P2008−88773A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273802(P2006−273802)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(506336773)有限会社ひぐち建業 (1)
【Fターム(参考)】