説明

低損失フォーム組成物並びに低損失フォーム層を有するケーブル

本発明は、低損失のフォーム組成物及びケーブル(同軸ケーブルのような)に関する。フォーム組成物は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらの組合わせのようなオレフィンポリマーを場合により核剤と共に加熱して溶融状態組成物にすることにより形成される。この溶融混合物は、二酸化炭素、窒素又は空気のような大気ガスと、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン又はペルフルオロ化合物から選択された共発泡剤(HFC−134aのような)とを含む発泡剤と共に、加圧下でダイを通じて押し出される。ケーブルは、フォーム組成物を信号搬送導体上に押し出しそしてこのフォーム被覆信号搬送導体を適切な導電性シールドで外装することにより形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、フォーム組成物及びフォーム含有ケーブルに関する。一層特定的には、本発明は、低損失フォーム組成物並びに電気通信用途向けの該フォームを含有するケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
電気通信同軸ケーブルは、通常、独立気泡フォームの比較的厚い層が周りに押し出されているところの芯導体から作られている。このフォーム被覆導体は薄い金属導体により遮蔽され、そして次いでこの金属導体はポリマーの薄いスキンにより外装され、しかしてケーブル全体を外部攻撃から保護する。
【0003】
所与ケーブルの信号輸送能は、諸因子の中でもとりわけケーブルの損失特性に関連づけられる。ケーブルの損失特性は、芯導体上に押し出されたフォームの誘電特性により有意的に影響される。フォームの誘電特性を支配する最も決定的な因子は、用いられたポリマーの特質及びフォームの気泡構造の密度である。
【0004】
電気通信ケーブルの性能を改善する有効なやり方は、フォームの誘電特性を改善することである。フォームの誘電特性を改善するやり方は、フォームの密度を低減してケーブルの信号伝搬速度を増加することである。いかなる同軸ケーブルにおいても、信号伝播の最高実速度を達成することが有利であり、何故ならこれは固定特性インピーダンス及び固定サイズのケーブルについて最低減衰をもたらすことになるからである。特性インピーダンスは常にシステム要件により決定され、そしてそれ故固定される。乱信号反射を最小にするために、ケーブルのインピーダンスは、それが接続される装置アイテムのインピーダンスと同じでなければならない。無線インフラストラクチャーシステムは典型的には50オームの特性インピーダンスを有する装置を用いるのに対して、CATV(ケーブルテレビ)システムは通常75オームである。ケーブルは様々なサイズにて利用可能であり、しかしてより大きいサイズはより小さいサイズよりも低い減衰を有し、そして所与サイズにおける最低減衰が有利であり、何故なら望ましくない信号損失が最小にされるからである。いくつかの場合において、より低い減衰は、そうでない場合に可能であるよりも小さいケーブルが用いられることを許容し得、しかしてこれは経済的に有益である。
【0005】
慣用フォームは、密度範囲について、特に上記用途に適したポリマー及び発泡剤を用いて達成され得る最小密度について、厳密に制限される。フォームの気泡構造が主として独立気泡構造であることも重要である。さもないと、ケーブル性能を有意的に劣化する水又は湿気を連続気泡が捕捉するという危険性がある。独立気泡フォーム構造と比較して連続気泡フォーム構造の固有的に低い機械的耐性に加えて、この危険性がある。
【0006】
高密度ポリエチレン(HDPE)は、電気通信ケーブルの用途にとって最良の電気的性能を示すポリマーの一つである。材料の発泡性挙動を改善する目的のために、低密度ポリエチレン(LDPE)が、しばしば、誘電性能をいくらか犠牲にしてHDPEマトリックスに添加される。生じる配合物は押出機にて溶融状態で作製され、そして該押出機中で発生される高圧条件下で発泡剤が添加されそして溶解される。次いで、ポリマーと発泡剤のこの均質混合物は押出機を出て、大気圧に暴露されると相分離が起こりそして発泡が開始される。
【0007】
普通の発泡剤は、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及びペルフルオロ化合物(PFC)のようなハロゲン化炭化水素、並びに炭化水素(HC)のようなガス/揮発性物質並びに空気、窒素及び二酸化炭素のような大気ガスを包含する。可能な発泡剤の中で、二酸化炭素のような大気ガスは、多くの望ましい性質を呈する。それらは容易に入手でき、安価であり、非毒性であり、非腐食性であり、また非引火性である。結果として、二酸化炭素のような大気ガスは、ケーブル・電線工業において、ポリマーを発泡させるために広く用いられる。
【0008】
しかしながら、二酸化炭素の固有の物理的性質は、発泡過程に特定の制限を課する。多くの他の普通に用いられる発泡剤と比較される場合、二酸化炭素は通常の加工温度において高い蒸気圧を有し、またそれはポリマー中における比較的低い溶解度及び速い拡散率も有する。
【0009】
加えて、注目すべきことは、ポリエチレンのような半結晶質材料は低密度範囲にて発泡させるのが比較的困難である。結果として、二酸化炭素から発泡された低密度独立気泡ポリエチレンフォームの製造は、電気通信ケーブルの用途にとって高度に望ましいけれども、以前は可能又は実際的であるとは考えられていなかった。
【0010】
信号電送のために普通に用いられる同軸ケーブルは、信号搬送導体(又は電線)のような内側導体を含有する芯、該芯を取り囲み且つ外側導体として働く金属外装及びいくつかの場合において該金属外装を取り囲む保護ジャケットを含む。典型的には、発泡フォーム誘電体が内側導体を取り囲みそしてそれを周囲の金属外装から電気的に絶縁し、しかして内側導体と周囲の金属外装との間の空間を満たす。
【0011】
絶縁性フォーム層を有する同軸ケーブルは、2001年9月4日に発せられた米国特許第6,282,778号(Fox等)及び2000年3月14日に発せられた米国特許第6,037,545号(Fox等)に記載されている。これらの文献は、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの組合わせから形成された且つ約0.22g/cc(220kg/m3)の密度を有するフォーム組成物が組み込まれているケーブルを教示する。米国特許出願第2002/00096354号(2002年7月25日に公開された)において、Chopra等は、同軸ケーブルにおける0.17g/ccのフォーム密度を記載する。これらの特許はかかる密度が達成され得ることを記述するが、しかし有意的により低いフォーム密度並びにこれらのより低い密度を成し遂げるべき方法又は材料は教示されていない。
【0012】
慣用の発泡フォーム誘電体を含む様々な層を有する同軸ケーブルは、たとえば2000年10月24日に発せられた米国特許第6,137,058号(Moe等)及び2002年7月9日に発せられた米国特許第6,417,454号(Biebuyck)に記載されている。
【0013】
ケーブルに用いるための初期のフォーム組成物は、1984年8月28日に発せられた米国特許第4,468,435号(Shimba等)及び1990年1月16日に発せられた米国特許第4,894,488号(Gupta等)に記載されている。より最近に、フォーム核剤としてフッ素樹脂粉末又は窒化ホウ素の使用に関する2001年6月12日に発せられた米国特許第6,245,823号(McIntyre等)及び発泡剤としてエタンとイソブタンの混合物を教示する2002年12月10日に発せられた米国特許第6,492,596号(Higashikubo等)に、フォーム組成物が記載されている。
【0014】
低密度ポリエチレンフォームは炭化水素(HC)又はクロロフルオロカーボン(CFC)を用いて製造され得るけれども、これらの化学物質は、引火性であるか又は国際環境条約により禁止されているかのどちらかである。フォーム発泡過程において用いられるかかる化学物質の量を減じる及び/又は排除することが望ましい。
【0015】
それ故、大気ガスを含有する発泡剤を用いてポリオレフィンフォームにおける低密度を達成し得るところのケーブルに用いるための低損失フォーム組成物を提供することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、ケーブルに用いるための以前のフォーム組成物の少なくとも1つの欠点を除去する又は軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、低損失フォーム組成物であって、オレフィンポリマーを加熱して溶融状態組成物にし、そして大気ガス及び共発泡剤を含む発泡剤と共に該溶融状態組成物を加圧下でダイを通じて押し出す工程を含む方法により形成された低損失フォーム組成物が提供される。
【0018】
更に、本発明は、低損失フォーム組成物を生成させる方法であって、(a)オレフィンポリマーを加熱して溶融状態組成物にし、そして(b)大気ガスと、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ペルフルオロ化合物(PFC)及びそれらの組合わせから成る群から選択された共発泡剤とを含む発泡剤と共に該溶融状態組成物を加圧下でダイを通じて押し出す工程を含む方法を提供する。
【0019】
更に、本発明は、低損失ケーブルであって、信号搬送導体、該信号搬送導体を取り囲む低損失フォーム組成物及び該低損失フォーム組成物を取り囲む外側導体を含む低損失ケーブルを提供する。フォームは、大気ガス及び共発泡剤を含む発泡剤でもって加圧下で溶融状態から発泡されたオレフィンポリマーを含む。
【0020】
本発明による低損失ケーブルを形成させる方法は、オレフィンポリマーを加熱して溶融状態組成物にし、そして発泡剤と共に該溶融状態組成物を加圧下でダイを通じて且つ信号搬送導体上に押し出す工程を含む。発泡剤は、二酸化炭素のような大気ガス及びヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン又はペルフルオロ化合物のような共発泡剤を含む。この方法は、低損失フォーム包装信号搬送導体を形成させる。更に、低損失フォーム包装信号搬送導体は外側導電性材料で外装されて、低損失ケーブルを形成する。
【0021】
本発明の他の側面及び特徴は、本発明の特定の具体的態様の以下の記載を検討すると、当業者に明らかになるであろう。
詳細な説明
【0022】
本発明の低損失フォーム組成物は、導電性芯の周りに押し出された低密度ポリエチレンフォームから作られた高性能電気通信ケーブルの製造を可能にする。二酸化炭素、窒素又は空気のような大気ガスを、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)又はペルフルオロ化合物(PFC)(HFC−134aのような)のような共発泡剤と配合することにより、生じるポリエチレンフォームの密度が大気ガス単独(二酸化炭素単独のような)から達成され得る最小値より下に減少する一方、大部分独立気泡の構造を維持する、ということが分かった。
【0023】
本明細書において論考される信号搬送導体は、いかなる受容可能な導体(たとえばワイヤ、管又は金属クラッド管)でもあり得る。信号搬送導体は、一般に、同軸ケーブルにおいて用いられるときに連続している。低損失フォーム組成物で包装されることから利益を得ることができる。信号を搬送することが可能ないかなる導体も、本発明による信号搬送導体として用いられ得る。
【0024】
共発泡剤との配合物に用いられ得る大気ガスは、空気、二酸化炭素及び窒素を包含する。参考として、二酸化炭素の物理的性質は、次のとおりである。CO2の沸点は、−78.45℃すなわち−109.21°F(昇華温度を表す)である。21.1℃(すなわち70°F)における蒸気圧は、5.78MPa(すなわち838psi)である。
【0025】
HFC、HCFC又はPFCのような適切な共発泡剤を選択するために用いられ得る基準は、該剤の沸点である。特定的には、本発明において用いるのに適した共発泡剤は−65℃〜+50℃の沸点を有するけれども、−30℃〜+45℃の沸点を有する共発泡剤が好ましい。たとえば、HFC−134aは−26℃の沸点温度を有する。更に、CO2をHCFC−141b(沸点−10℃)と配合することにより、受容可能なフォームがもたらされることになる。
【0026】
大気ガスと共発泡剤との組合わせが低密度フォーム組成物の形成を可能にするという最終結果になる限り、沸点基準以外の選択基準が用いられ得る。
【0027】
候補となる共発泡剤の物理的性質は、本発明に関しての使用についての可能性を決定するために査定され得る。沸点又は蒸気圧のようなパラメーターが査定され得る。低蒸気圧(高沸点)を有する共発泡剤は、容易に管理される蒸気圧を加えることにより、大気ガスに追加の発泡力を与える。非常に低い蒸気圧を有する発泡剤は、有意な発泡力を系にもたらさない。かくして、−65℃の沸点下限及び50℃の上限が、本発明に関して用いられるべき共発泡剤について適切であると分かった。
【0028】
様々なHFCが知られており、そして利用可能である。表1は、HFCの非網羅的なリストを沸点、蒸気圧及び共発泡剤の可能性のような物理的性質のリストと共に与える。共発泡剤としてほとんどないし全く可能性がないものは、比較の目的のためにのみ表1に与えられている。
【0029】
【表1】

【0030】
HFC−134aは、商業的に入手できる1,1,1,2−テトラフルオロエタンである。それは低い毒性及びゼロのオゾン減少性潜在能力を有するので、危険なハロゲン化フルオロカーボンの代替品となるヒドロフルオロカーボン(HFC)である。本発明に関して有用な他の公知のヒドロフルオロカーボンの例(それらのうちのいくつかは表1に載っていない)は、ジフルオロメタン(すなわちメチレンフルオライド)、ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、エチルフルオライド(HFC−161)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、オクタフルオロプロパン(HFC−218)、2,2−ジフルオロプロパン(HFC−272fb)、1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−263fb)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)を包含する。ハロゲン化炭化水素命名体系の全詳細は、ANSI/ASHRAE規格34−1992に明記されている。他の適切なHFCは、当業者により容易に決定され得る。
【0031】
ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)もまた、それらが適格な性質を有する限り、本発明において共発泡剤として用いられ得る。表2は、大気ガスと共に共発泡剤として用いられ得るHCFCの非網羅的なリストを与える。特定的には、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、クロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン及び1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタンのHCFCが用いられ得る。表2に載っていない他のHCFCもまた用いられ得る。
【0032】
【表2】

【0033】
ペルフルオロ化合物(PFC)もまた、それらが適格な性質を有する限り、本発明において共発泡剤として用いられ得る。表3は、大気ガスと共に共発泡剤として用いられ得るPFCの非網羅的なリストを与える。特定的には、オクタフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン及び六フッ化硫黄のPFCが用いられ得る。表3に載っていない他のPFCもまた用いられ得る。共発泡剤としてほとんどないし全く可能性がないPFCは、比較の目的のためにのみ表3に与えられている。
【0034】
【表3】

【0035】
フォーム密度を減少することは、ポリマーフォームの誘電率を減少して電気通信ケーブルの信号担持能を増加させることになるという直接的利点を有し、そしてかくして低損失が成し遂げられる。本発明の或る具体的態様の別の利点は低減コストであり、何故ならより低い密度のフォームは所与体積のフォームを発生させるのに要求される材料がより少なくなるからである。加えて、本発明の或る具体的態様について、より低い密度のフォームを用いることにより、ライン生産速度を増加することが可能であり得る。これは、所与質量のポリマーに対してのより多大な発泡が所与ポリマー質量流量に対してより速い生産速度をもたらすことになり得る故に起こり得る。かくして、本発明は、改善されたケーブル性能及び有意なコスト低減の両方をもたらすことになり得る。
【0036】
本発明は、低密度独立気泡ポリエチレンフォームを利用することにより、低損失電気通信ケーブルの作製を可能にする。本発明により用いられる発泡剤混合物は、二酸化炭素のような大気ガスの主成分の故、高価にならなくてすむ。かくして、本発明の具体的態様は、環境上受容され得、非引火性であり、また非毒性である。本発泡剤混合物は有意な密度低減を可能にする一方、連続気泡含有率を受容され得るレベルに保つ。
【0037】
発泡剤混合物は、HFC−134aのような共発泡剤と組み合わせて、二酸化炭素のような大気ガスを含む。これはいかなる望ましい比率にても、好ましくは共発泡剤(HFC、HCFC又はPFC)の量が混合物の少なくとも10%のレベルにて存在するように成され得る。更に、本発明の特定の具体的態様は、発泡剤が約3:1から1:3の範囲の大気ガス対共発泡剤(CO2:HFC−134aのような)の比率を有することを許容する。慣用発泡剤のような他の発泡剤が、該混合物に添加され得る。
【0038】
フォームの生じた密度は、85kg/m3から120kg/m3の範囲にあり得る。無論、より低い密度が、条件の特定の組合わせでもって達成され得る。加えて、所望される場合、より高い密度が、要求に応じて条件を調整することにより達成され得る。有利には、生じた連続気泡含有率は、0%から15%のような低いレベルにあると観測される。
【0039】
典型的な気泡サイズ分布は100から1000μmの範囲にあり得、あるいは場合により400から500μmの範囲内に入り得る。
【0040】
本低損失フォームが組み込まれているケーブルは、慣用フォームの代わりに本発明の低損失フォームがケーブル中に発泡されること以外は、慣用のケーブル形成方法に従って形成され得る。簡潔に言えば、かかるケーブルは、低損失フォームの形成を重要視して、次の方法論に従って形成され得る。本明細書に記載されたフォームは、当業者に明らかであるような、三軸ケーブル又はマルチプル内側導体のような他のタイプのケーブルのために用いられ得る。本発明は主として同軸ケーブルに関して本明細書に記載されているけれども、本フォームは、当該技術において知られているような他のタイプのケーブル又は開発されそして低密度フォームの要求があるようなケーブル中に組み込まれ得る。
【0041】
独立気泡フォーム誘電体のポリマー成分は、ポリマーペレット(一般にポリオレフィン)に由来し得る。これらのポリオレフィンペレットは、押出装置に添加される。ポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらのものの組合わせ又はコポリマーのようなポリマーが用いられ得る。様々なポリマータイプが、単独にて又は組合わせにてのどちらかにて用いられ得る。高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)又はポリプロピレンは、単独にて又は組合わせにてのどちらかにて用いられ得る。例示的な具体的態様において、高密度ポリエチレン(HDPE)が、低密度ポリエチレン(LDPE)との組合わせにて、30:70から70:30の範囲のいかなる受容可能な比率にても用いられ得る。単独にて用いられる場合、所望の性質が達成され得る限り、ポリマーは上記に記されたポリマーのいずれか一つの100%であり得る。当業者は、個々のポリマー又は混合物の適切な使用に達するべき所望ポリマーの適切な性質を容易に決定し得る。
【0042】
発泡中気泡の核形成を可能にするために、少量の核剤がポリマーに含められる。アゾビスホルムアミド、アゾジカルボンアミド、クエン酸と共に又はクエン酸なしに炭酸ナトリウム、タルク、炭酸カルシウム及び雲母のような慣用核剤は、いかなる受容可能な濃度にても用いられ得る。アゾビスホルムアミド又はアゾジカルボンアミドを用いることが本発明において有利であると分かったが、しかし当業者により容易に決定され得るようないかなる他の核剤も本発明に関して用いられ得る。これは、ポリマーと核剤の均質な分散を可能にするように、核剤と組み合わされたポリマーの配合物を含有するマスターバッチペレット又は粉末の使用によって、少量濃度にて与えられ得る。本明細書において、マスターバッチペレットは、「MB」と称され得る。
【0043】
一様な溶融状態を達成するために特定の加熱及び圧力条件下で、たとえば約400から1500psiの溶融圧にて及び約110から140℃の溶融温度でもって、核剤はポリマー混合物と一緒にされる。
【0044】
次いで、この混合物は、二酸化炭素のような大気ガスをHFC−134aのような共発泡剤と併用して、溶融状態から押し出される。この組成物は、前もって決定された直径のダイを通じて押し出される。該直径は、所望のケーブル特性に依存して、いかなる受容可能なサイズでもあり得る。押し出されたフォームは中心の信号搬送導体(信号搬送電線のような)を取り囲み、そしてかくしてフォームは周囲圧環境中に押し出されると信号搬送導体の周りで発泡する。
【0045】
本発明のフォームは発泡して、中心の信号搬送導体を包装する低損失独立気泡フォーム誘電体を生じる。次いで、適切な外側導体が所望の方法のいずれかに従って適用されて、同軸ケーブルを形成させることができる。
【0046】
比較例1〜4
100%二酸化炭素を用いたHDPE/LDPEフォーム組成物の押出し
比較例1〜4は、二酸化炭素を単独にて用いて発泡される60:38HDPE/LDPE混合物を押出発泡することにより得られたフォームの性質を示す。配合物は、標準的慣行に従って、濃厚混合物として配合物に添加されるアゾジカルボンアミドを用いて核形成された。
【0047】
表4は、例1〜4についてのデータを示す。二酸化炭素が発泡剤として単独にて用いられる場合、二酸化炭素含有率を或る閾値限界を超えて(例3の約1.4wt%を超えて)増加することは気泡壁の破壊を誘発して、連続気泡含有率の激しい増加をもたらすことになり、しかして究極的にはフォームの密度増加に通じる、ということをこれらのデータは示している。これらの例において、148から223kg/m3の密度が10%未満の連続気泡含有率と共に達成される一方、1.8wt%を超える二酸化炭素では、386kg/m3の高い密度が観測され、また受容され得ないレベルの連続気泡含有率(50%)が示される。
【0048】
【表4】

【0049】
実施例5〜7
おおよそ等しい比率の二酸化炭素及びHFC−134aを用いたフォーム組成物の押出し
表5は、比較例1〜5と比較及び対照され得る実施例5〜7からのデータを示す。これらのデータは、二酸化炭素とHFC−134aの配合物から製造されたフォームの性質の向上を実証している。これらの特定例は、一定の二酸化炭素含有率を保つ一方、HFC−134a共発泡剤濃度を増加することにより得られた。押出フォームの密度は、比較例1〜4にて報告された対照実験に対して有意的に低減された。注目すべきことに、実施例5〜7において、大きい密度低減にもかかわらず、連続気泡含有率は低くとどまっている。これらの向上したフォームが組み込まれているアセンブリーから、有意なケーブル性能改善が得られた。
【0050】
【表5】

【0051】
実施例8〜11
様々な核剤タイプ及びダイ直径を用いたフォーム組成物の押出し
表6は、比較例1〜4におけるデータと比較及び対照され得る実施例8〜11についてのデータを示す。表6中のデータは、二酸化炭素とHFC−134aの配合物から製造されたフォームの性質の向上を実証している。これらの特定例は、様々なCO2/HFC−134aの比率及び含有率にて生成された試験片に焦点を合わせている。
【0052】
実験は異なる条件(核剤タイプ及びダイ直径のような)を用いて行われ、そして非常に低い連続気泡含有率を有する低密度ポリエチレンフォームを依然として生じた。核剤の不存在下(有意的に増加された気泡サイズをもたらした)でさえ、受容可能な密度及び連続気泡含有率が達成された。加えて、アゾジカルボンアミド核剤の代わりに0.25%タルクの代用は、受容可能な密度及び連続気泡含有率をもたらした。かくして、二酸化炭素及びHFC−134aを共発泡剤として含む発泡過程は健全であり、しかして加工条件の有意な変動に順応し得る、ということをこれらのデータは示している。
【0053】
【表6】

【0054】
実施例12〜15
様々な加工圧下でのフォーム組成物の押出し
表7は、実施例12〜15からのデータを示す。これらのデータは、本明細書に記載された改善発泡過程について広い圧力及び温度の加工帯を示している。特定的には、溶融圧が500から540psiに変動されそして溶融温度が119から134℃に変動された場合でさえ、低い連続気泡含有率が維持され、また低い密度が成し遂げられた。
【0055】
【表7】

【0056】
実施例16
より高い密度のフォームに対する低密度のフォームについてのケーブル減衰
本発明に従って作製されたフォームが組み込まれているケーブルにおけるケーブル減衰を慣用の比較的高い密度のフォームが組み込まれているケーブルと比較するために、次の比較が成された。用いられた本発明のケーブルは表8による本発明のフォーム組成物を用いて形成され、一方、標準製品は15/8″フォーム誘電体ケーブル(Andrew Corporation Catalogue 38,p.517から入手できる)であった。
【0057】
【表8】

【0058】
表9に与えられたデータから、ケーブルにおける本発明のフォーム組成物の使用はケーブル減衰を有意的に減じることが明らかである。
【0059】
【表9】

【0060】
本発明の上記に記載された具体的態様は、例にすぎないよう意図されている。特定の具体的態様に対する変更、改変及び変型が、もっぱら添付の請求項により定められる本発明の範囲から逸脱することなく、当業者により遂行され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低損失フォーム組成物であって、オレフィンポリマーを加熱して溶融状態組成物にし、そして大気ガス及び共発泡剤を含む発泡剤と共に該溶融状態組成物を加圧下でダイを通じて押し出す工程を含む方法により形成された低損失フォーム組成物。
【請求項2】
共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ペルフルオロ化合物(PFC)及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項3】
共発泡剤が、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、エチルフルオライド(HFC−161)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、オクタフルオロプロパン(HFC−218)、2,2−ジフルオロプロパン(HFC−272fb)、1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−263fb)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、クロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、六フッ化硫黄及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項4】
共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボンであるHFC−134aを含む、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項5】
大気ガスが、二酸化炭素、窒素、空気及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項6】
共発泡剤が、全発泡剤の少なくとも10wt%の量にて発泡剤中に存在する、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項7】
共発泡剤及び大気ガスが、3:1から1:3の相対比にて発泡剤中に存在する、請求項6に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項8】
85kg/m3から120kg/m3の密度を有する、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項9】
オレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びポリプロピレンから成る群から選択される、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項10】
オレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びポリプロピレンから成る群から選択された少なくとも2種のポリマーを含む、請求項9に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項11】
HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE及びポリプロピレンからの少なくとも2種が各々、30%の最小レベルにてオレフィンポリマー中に存在する、請求項10に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項12】
オレフィンポリマーが、ホモポリマー、コポリマー又はそれらの組合わせを含む、請求項9に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項13】
核剤がオレフィンポリマーと共に加熱されて溶融状態組成物にされる、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項14】
核剤が、アゾビスホルムアミド、アゾジカルボンアミド、クエン酸と共に又はクエン酸なしに炭酸ナトリウム、タルク、炭酸カルシウム、雲母及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項13に記載の低損失フォーム。
【請求項15】
核剤がアゾジカルボンアミドを含む、請求項14に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項16】
低損失フォーム組成物を生成させる方法であって、次の工程すなわち
(a)オレフィンポリマーを加熱して溶融状態組成物にし、そして
(b)大気ガスと、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ペルフルオロ化合物(PFC)及びそれらの組合わせから成る群から選択された共発泡剤とを含む発泡剤と共に該溶融状態組成物を加圧下でダイを通じて押し出す
工程を含む方法。
【請求項17】
大気ガスが、二酸化炭素、窒素、空気及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
低損失ケーブルであって、
信号搬送導体、
該信号搬送導体を取り囲む低損失フォーム組成物、しかも該フォームは、大気ガス及び共発泡剤を含む発泡剤でもって加圧下で溶融状態から発泡されたオレフィンポリマーを含み、及び
該低損失フォーム組成物を取り囲む外側導体
を含む低損失ケーブル。
【請求項19】
共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ペルフルオロ化合物(PFC)及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項20】
共発泡剤が、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、エチルフルオライド(HFC−161)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、オクタフルオロプロパン(HFC−218)、2,2−ジフルオロプロパン(HFC−272fb)、1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−263fb)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、クロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、六フッ化硫黄及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項19に記載の低損失ケーブル。
【請求項21】
共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボンであるHFC−134aを含む、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項22】
大気ガスが、二酸化炭素、窒素、空気及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項23】
共発泡剤が、全発泡剤の少なくとも10wt%の量にて発泡剤中に存在する、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項24】
共発泡剤及び大気ガスが、3:1から1:3の相対比にて発泡剤中に存在する、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項25】
低損失フォームが、85kg/m3から120kg/m3の密度を有する、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項26】
オレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びポリプロピレンから成る群から選択される、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項27】
オレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びポリプロピレンから成る群から選択された少なくとも2種のポリマーを含む、請求項26に記載の低損失ケーブル。
【請求項28】
HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE及びポリプロピレンからの少なくとも2種が各々、30%の最小レベルにてオレフィンポリマー中に存在する、請求項27に記載の低損失ケーブル。
【請求項29】
オレフィンポリマーが、ホモポリマー、コポリマー又はそれらの組合わせを含む、請求項26に記載の低損失ケーブル。
【請求項30】
核剤が溶融状態のオレフィンポリマーと共に加熱される、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項31】
核剤が、アゾビスホルムアミド、アゾジカルボンアミド、クエン酸と共に又はクエン酸なしに炭酸ナトリウム、タルク、炭酸カルシウム、雲母及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項30に記載の低損失ケーブル。
【請求項32】
核剤がアゾジカルボンアミドを含む、請求項31に記載の低損失ケーブル。
【請求項33】
低損失ケーブルを形成させる方法であって、次の工程すなわち
(a)オレフィンポリマーを加熱して溶融状態組成物にし、
(b)大気ガス及び共発泡剤を含む発泡剤と共に該溶融状態組成物を加圧下でダイを通じて且つ信号搬送導体上に押し出して、低損失フォーム包装信号搬送導体を形成させ、そして
(c)該低損失フォーム包装信号搬送導体を導電性材料で外装して、低損失ケーブルを形成させる
工程を含む方法。
【請求項34】
大気ガスが、二酸化炭素、窒素、空気及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
共発泡剤が、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、エチルフルオライド(HFC−161)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、オクタフルオロプロパン(HFC−218)、2,2−ジフルオロプロパン(HFC−272fb)、1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−263fb)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、クロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、六フッ化硫黄及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
共発泡剤が、−65℃〜+50℃の沸点を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
共発泡剤が、−30℃〜+45℃の沸点を有する、請求項33に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
85kg/m3から120kg/m3の密度を有する低損失フォーム組成物であって、オレフィンポリマーを加熱して溶融状態組成物にし、そして大気ガス及び共発泡剤を含む発泡剤と共に該溶融状態組成物を加圧下でダイを通じて押し出す工程を含む方法により形成され、
前記オレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン及びそれらの組み合わせから成る群から選択され、
前記大気ガスが、二酸化炭素、窒素、空気及びそれらの組み合わせから成る群から選択され、そして、
前記共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ペルフルオロ化合物(PFC)及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、
低損失フォーム組成物。
【請求項2】
共発泡剤が、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、エチルフルオライド(HFC−161)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、オクタフルオロプロパン(HFC−218)、2,2−ジフルオロプロパン(HFC−272fb)、1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−263fb)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、クロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、六フッ化硫黄及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項3】
共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボンであるHFC−134aを含む、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項4】
共発泡剤が、全発泡剤の少なくとも10wt%の量にて発泡剤中に存在する、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項5】
共発泡剤及び大気ガスが、3:1から1:3の相対比にて発泡剤中に存在する、請求項4に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項6】
オレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びポリプロピレンから成る群から選択された少なくとも2種のポリマーを含む、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項7】
HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE及びポリプロピレンからの少なくとも2種が各々、30%の最小レベルにてオレフィンポリマー中に存在する、請求項6に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項8】
オレフィンポリマーが、ホモポリマー、コポリマー又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項9】
核剤がオレフィンポリマーと共に加熱されて溶融状態組成物にされる、請求項1に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項10】
核剤が、アゾビスホルムアミド、アゾジカルボンアミド、クエン酸と共に又はクエン酸なしに炭酸ナトリウム、タルク、炭酸カルシウム、雲母及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項9に記載の低損失フォーム。
【請求項11】
核剤がアゾジカルボンアミドを含む、請求項10に記載の低損失フォーム組成物。
【請求項12】
低損失フォーム組成物を生成させる方法であって、次の工程すなわち
(a)オレフィンポリマーを加熱して溶融状態組成物にし、そして
(b)大気ガスと共発泡剤とを含む発泡剤と共に該溶融状態組成物を加圧下でダイを通じて押し出す工程を含み、
前記大気ガスが、二酸化炭素、窒素、空気及びそれらの組み合わせから成る群から選択され、
前記共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ペルフルオロ化合物(PFC)及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、方法。
【請求項13】
低損失ケーブルであって、
信号搬送導体、
該信号搬送導体を取り囲む、85kg/m3から120kg/m3の密度を有する低損失フォーム組成物、ここで、該フォームは、加圧下で大気ガス及び共発泡剤を含む発泡剤と共に溶融状態から発泡されたオレフィンポリマーを含み、前記大気ガスが、二酸化炭素、窒素、空気及びそれらの組み合わせから成る群から選択され、そして、前記共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ペルフルオロ化合物(PFC)及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、及び
該低損失フォーム組成物を取り囲む外側導体
を含む低損失ケーブル。
【請求項14】
共発泡剤が、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、エチルフルオライド(HFC−161)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、オクタフルオロプロパン(HFC−218)、2,2−ジフルオロプロパン(HFC−272fb)、1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−263fb)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、クロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、六フッ化硫黄及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項13に記載の低損失ケーブル。
【請求項15】
共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボンであるHFC−134aを含む、請求項13に記載の低損失ケーブル。
【請求項16】
共発泡剤が、全発泡剤の少なくとも10wt%の量にて発泡剤中に存在する、請求項13に記載の低損失ケーブル。
【請求項17】
共発泡剤及び大気ガスが、3:1から1:3の相対比にて発泡剤中に存在する、請求項13に記載の低損失ケーブル。
【請求項18】
オレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項13に記載の低損失ケーブル。
【請求項19】
オレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びポリプロピレンから成る群から選択された少なくとも2種のポリマーを含む、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項20】
HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE及びポリプロピレンからの少なくとも2種が各々、30%の最小レベルにてオレフィンポリマー中に存在する、請求項19に記載の低損失ケーブル。
【請求項21】
オレフィンポリマーが、ホモポリマー、コポリマー又はそれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の低損失ケーブル。
【請求項22】
核剤が溶融状態のオレフィンポリマーと共に加熱される、請求項13に記載の低損失ケーブル。
【請求項23】
核剤が、アゾビスホルムアミド、アゾジカルボンアミド、クエン酸と共に又はクエン酸なしに炭酸ナトリウム、タルク、炭酸カルシウム、雲母及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項22に記載の低損失ケーブル。
【請求項24】
核剤がアゾジカルボンアミドを含む、請求項23に記載の低損失ケーブル。
【請求項25】
低損失ケーブルを形成させる方法であって、次の工程すなわち
(a)オレフィンポリマーを加熱して溶融状態組成物にし、
(b)大気ガス及び共発泡剤を含む発泡剤と共に該溶融状態組成物を加圧下でダイを通じて且つ信号搬送導体上に押し出して、低損失フォーム包装信号搬送導体を形成させ、ここで、前記共発泡剤が、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ペルフルオロ化合物(PFC)及びそれらの組み合わせから成る群から選択され、前記大気ガスが、二酸化炭素、窒素、空気及びそれらの組み合わせから成る群から選択され、そして
(c)該低損失フォーム包装信号搬送導体を導電性材料で外装して、低損失ケーブルを形成させる
工程を含む方法。
【請求項26】
共発泡剤が、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、エチルフルオライド(HFC−161)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、オクタフルオロプロパン(HFC−218)、2,2−ジフルオロプロパン(HFC−272fb)、1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−263fb)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、クロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、六フッ化硫黄及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
共発泡剤が、−65℃〜+50℃の沸点を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
共発泡剤が、−30℃〜+45℃の沸点を有する、請求項25に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低損失ケーブルであって、
信号搬送導体、
該信号搬送導体を取り囲む低損失フォーム組成物、しかも該フォームは、大気ガス及び共発泡剤を含む発泡剤でもって加圧下で溶融状態から発泡されたオレフィンポリマーを含み、及び
該低損失フォーム組成物を取り囲む外側導体
を含む低損失ケーブル。
【請求項2】
共発泡剤が、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、エチルフルオライド(HFC−161)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、オクタフルオロプロパン(HFC−218)、2,2−ジフルオロプロパン(HFC−272fb)、1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−263fb)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、クロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、六フッ化硫黄及びそれらの組合わせから成る群から選択され、大気ガスが、二酸化炭素、窒素、空気及びそれらの組合わせから成る群から選択される請求項に記載の低損失ケーブル。
【請求項3】
共発泡剤が、全発泡剤の少なくとも10wt%の量にて発泡剤中に存在する、請求項に記載の低損失ケーブル。
【請求項4】
低損失フォームが、85kg/m3から120kg/m3の密度を有する、請求項に記載の低損失ケーブル。
【請求項5】
オレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びポリプロピレンから成る群から選択された少なくとも2種のポリマーを含み、前記少なくとも2種のポリマーが各々、最小でも30%のレベルにてオレフィンポリマー中に存在する、請求項に記載の低損失ケーブル。

【公表番号】特表2006−524265(P2006−524265A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−571014(P2004−571014)
【出願日】平成15年4月24日(2003.4.24)
【国際出願番号】PCT/CA2003/000591
【国際公開番号】WO2004/094526
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(595006223)ナショナル リサーチ カウンシル オブ カナダ (25)
【Fターム(参考)】