説明

低曲げ強度経皮タバコアルカロイドパッチ

本発明は、間のリザーバ(12)を規定する不浸透性支持体(17)及び膜(14)を含むタバコアルカロイドの経皮投与用タバコアルカロイドパッチであって、当該膜(14)が、上記タバコアルカロイドに浸透性であると共に、上記タバコアルカロイドと接触し、上記不浸透性支持体(17)及び上記膜が、シール(y sealing)(11)により少なくとも一部接合され、上記パッチの曲げ強度が約250mN/mm未満であるタバコアルカロイドパッチに関する。本発明の有利な実施形態によれば、許容可能な膜面積を有し、且つ許容可能な使用者快適性を特徴とする、非常に高用量のニコチンパッチを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載の経皮リザーバパッチに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、経皮リザーバパッチ、特に、経皮ニコチンパッチに関する。ニコチンパッチは、通常、禁断症状を回避するために、使用者の血中におけるニコチン又は対応するタバコアルカロイドを規則的に且つ比較的一定に維持するために適用されることを目的としている。
【0003】
多種多様な生理活性物質送達用経皮デバイスがこれまでに知られており、例えば、米国特許第5,254,346号にはリザーバパッチ形態の経皮デバイスが、例えば、米国特許第6,165,497号にはマトリクスパッチ形態の経皮デバイスが開示されている。かかるデバイスは、通常、不浸透性支持体、薬物リザーバ又は生理活性物質リザーバ、速度制御膜、及び粘着層を含み、これらを何らかの手段によって相互にシールすることで、経皮送達デバイスを製造する。
【0004】
薬物を、膜の無い半固体及び薬物溶解型接着剤(drug-in-adhesive)(DIA)として提供するマトリクスデザインは現在、市場での有力な製品である。かかる技術の開発は比較的複雑であると共に、コストも高い。このデザインは、薬物、接着剤、及び賦形剤の間での長期に渡る相溶性を必要とする。したがって、接着剤に対して為される要求はリザーバ系に対するよりも幾分厳しくなり得る。一方、タバコアルカロイド放出パッチとして適用される場合、マトリクスパッチ又は薬物溶解型接着剤パッチと比較して、リザーバパッチには或る特定の欠点がある。
【0005】
マトリクスパッチの一般的な問題点は、所望量のニコチンを送達するために、かなり大きな面積が必要になることである。したがって、マトリクスパッチの中には、16時間の間に10〜20mgを送達するために、約30cmの面積を有するものもある。
【0006】
従来技術の経皮パッチの問題点は、パッチの境界領域の硬さにより不具合を生じ得ることである。硬さには幾つかの原因があり得るが、何であっても、硬さのせいで使用者にとっての着け心地が悪くなるおそれがある。第一に、経皮パッチの中心部としてのマトリクスがパッチを硬化させることにより、不快さが増大し得る。第二に、パッチの異なる層のシールの幅がパッチの外縁を硬化させることにより、全体的な硬さが増大する。上述のように、パッチの強固な境界に由来する硬さが使用者にとって厄介なものとなるのは、パッチの硬さによりパッチ周辺に炎症縁が生じ、例えば、使用者の皮膚において僅かなスライシング(slicing)を引き起こすからである。さらに、皮膚への貼付状態を悪化させるおそれもあり、皮膚への貼付状態が悪化すると、衣服がパッチへ付着し、ニコチンが使用者に送達されるのではなく、周囲に逃げるという危険性が生じる。
【0007】
マトリクスパッチに関しては特に、大きなパッチ面積及び硬さの組合せが、パッチの角が使用者の皮膚から剥離し、大気中への蒸発により使用者の皮膚からニコチンを逃がす危険性をより高くするおそれがある。
【0008】
パッチの不十分な貼付という問題を克服するために、マトリクスパッチの製造業者は、使用者に後にさらなる炎症をもたらす大量の接着剤を添加している。
【0009】
例えば、リザーバパッチをニコチン送達用に適用することの問題点は、リザーバデザインが対応するマトリクスデザインよりも硬く、不快な傾向があるので、リザーバパッチには、マトリクスデザインよりもずっと低い快適水準しかないおそれがあることである。
【0010】
この問題点が、ニコチンリザーバパッチを販売する方法が未だに見出されていない理由の1つであると考えられる。
【0011】
リザーバ型パッチに関連したさらに大きな問題点は、パッチから漏出する危険性がより高いことであり、自然に漏出する場合、例えば、ゲル又は他の流量制御物質中にニコチンが縛られているマトリクス経皮パッチ及び薬物溶解型接着剤経皮パッチと比較すると、消耗するニコチンがより多くなる。
【0012】
特に、揮発性が高く、極微量の漏出を介してリザーバから逃げるニコチン又はニコチン誘導体を扱う場合等には、かかる漏出が非常に低圧下であっても、この問題点は重大になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、使用者にとって安全であると同時に快適な、ニコチン又は対応するタバコアルカロイドの放出に好適なパッチを構築することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
リザーバパッチは、特にタバコアルカロイドに好適であり、使用者に対し高濃度のニコチンを送達できることから、とりわけニコチンに好適である。
【0015】
本発明は、間のリザーバ(12)を規定する不浸透性支持体(17)及び膜(14)を含むタバコアルカロイドの経皮投与用タバコアルカロイドパッチであって、当該膜(14)が、上記タバコアルカロイドに浸透性であると共に、上記タバコアルカロイドと接触し、上記不浸透性支持体(17)及び上記膜(14)が、シール(11)により少なくとも一部接合され、上記パッチの曲げ強度が約250mN/mm未満であるタバコアルカロイドパッチに関する。
【0016】
本発明の有利な実施の形態によれば、許容可能な膜面積を有し、且つ許容可能な使用者快適性を特徴とする、非常に高用量のニコチンパッチを得ることができる。
【0017】
本発明の有利な実施の形態によれば、高度の柔軟性、即ち、小さい曲げ強度が有利である。これは特に、大工等よく動き回る人々又は運動中の人々の場合であり、即ち、制限されずに動くための自由度を求める人々に概して関連する。
【0018】
本発明の一実施の形態において、パッチの曲げ強度は150mN/mm未満である。
【0019】
本発明の一実施の形態において、パッチの曲げ強度は100mN/mm未満である。
【0020】
本発明の一実施の形態において、パッチの曲げ強度は70mN/mm未満である。
【0021】
本発明の一実施の形態において、パッチは、間のリザーバ(12)を規定する不浸透性支持体(17)及び膜(14)を含むパッチであって、当該膜(14)が、タバコアルカロイドに浸透性であると共に、タバコアルカロイドと接触し、上記不浸透性支持体(17)及び上記膜(14)が、シール(11)により少なくとも一部接合され、上記パッチの曲げ強度が約50mN/mm未満のパッチである。
【0022】
本発明によれば、マトリクスパッチに匹敵する曲げ強度及びマトリクスパッチよりも優れた曲げ強度が、基本的なデザインパラメータによる適切なデザインを通して得られる可能性があることが立証された。さらに、曲げ剛性が、例えば、材料の選択を損なわないシールパターンの選択により、比較的容易に調整され得ることが立証された。
【0023】
具体的には、本発明により、安全且つ快適な高用量ニコチンパッチは、リザーバ型パッチを送達系として適用することにより得られる可能性があることが分かった。
【0024】
したがって、全体の曲げ強度を低く保つように同時にシールパターンが設計されると、支持体により得られる保護を強化するために、重要な支持体層は、例えば、厚みが増大されるか、構造が変更され得ることが立証された。
【0025】
曲げ強度を低く保つことのさらなる利点は、パッチを使用者の皮膚に載せる際、屈曲時にパッチが破壊される危険性を低減すること及び/又は縁若しくは角に沿ったパッチの部分的な剥離により漏出が生じる危険性を低減することにより、リザーバからのニコチンの漏出が最小化されることである。
【0026】
本発明のさらなる且つ重要な利点は、パッチのサイズを大きくしても、使用者快適性及び特にニコチン又は対応するアルカロイドの封入に関連した厳しい非漏出要件を損なわずに、曲げ強度が約50mN/mm、好ましくは40mN/mmより低く保たれる限り、高用量ニコチンを得ることができることである。
【0027】
特に、パッチ全体の曲げ強度を最小化する場合、膜を介したパッチ内外への漏出、即ち、使用者の皮膚への装着が不十分なことによる漏出が最小化されることが立証された。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態によれば、曲げ強度とは、パッチが使用者の皮膚に載せられた場合に「曲がる」能力を指す。
【0029】
特に、得られるタバコアルカロイド放出パッチは、高用量適用、並びにパッチ及び使用者の皮膚間の界面における空気又は湿気の侵入に対する高保護性を示した。さらに、柔軟な構造により、支持体中又はシール中の漏出の最小化が達成された。
【0030】
本発明の一実施の形態において、不浸透性支持体(17)の曲げ強度は膜(14)の曲げ強度よりも大きい。
【0031】
本発明の一実施の形態において、不浸透性支持体の曲げ強度は少なくとも0.5mN/mmである。
【0032】
本発明の一実施の形態において、不浸透性支持体の曲げ強度は少なくとも1mN/mmである。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態によれば、使用中の膜の適切な保護を確実にするために、曲げ強度は少なくとも1mN/mmでなければならない。したがって、膜の漏出及び損傷を回避するために、支持体は最小の曲げ強度に設計されるべきである。
【0034】
本発明の一実施の形態において、不浸透性支持体の曲げ強度は少なくとも0.5mN/mmであり、パッチの曲げ強度は約50mN/mm未満である。
【0035】
本発明の一実施の形態において、不浸透性支持体の曲げ強度は少なくとも0.5mN/mmであると共に、パッチの曲げ強度は約40mN/mm未満である。
【0036】
本発明の一実施の形態において、パッチの不浸透性支持体の曲げ強度は少なくとも約30mN/mm未満である。
【0037】
本発明の一実施の形態において、パッチの曲げ強度は約25mN/mm未満である。
【0038】
本発明の一実施の形態において、パッチの曲げ強度は約1〜30mN/mmである。
【0039】
本発明の好ましい実施の形態によれば、パッチ強度、安全なパッチ貼付及び使用者快適性の有利な組合せを得るために、ニコチン放出パッチの曲げ強度は或る特定の所望の範囲内とすべきである。
【0040】
本発明の一実施の形態において支持体(17)は多層構造を含む。
【0041】
本発明の一実施の形態において、タバコアルカロイドパッチはニコチンリザーバパッチである。
【0042】
本発明の一実施の形態において、パッチの曲げ強度は約2mN/mmよりも大きい。
【0043】
本発明の好ましい実施の形態によれば、活性物質(複数可)、具体的には、タバコアルカロイドの適切な分布を容易にするために、或る特定の剛性が必要である。或る特定の剛性があると、リザーバは一定した又は少なくとも合理的で安定な形態を維持し得る。
【0044】
さらに、パッチを使用者に載せる際の取り扱いには最小限の剛性が必要となる。
【0045】
本発明の一実施の形態では、タバコアルカロイドの経皮投与用タバコアルカロイドパッチ(10;41;42;43;51;52;53;54)は、間の空洞(12)を規定する不浸透性支持体(11)及び膜(14)を含み、当該膜が、上記タバコアルカロイドに浸透性であると共に、上記タバコアルカロイドと接触し、上記不浸透性支持体及び上記膜が、シールにより少なくとも一部が接合され、当該シールの幅(17)が、少なくとも約1mmである。
【0046】
本発明により、少面積タバコアルカロイドパッチの改善が提供される。本発明によるパッチには、高用量、漏出の少なさ、及び使用者快適性の高さに由来する利点がある。
【0047】
本発明の一実施の形態によれば、シールは接着シールを含む。
【0048】
本発明の一実施の形態によれば、シールはヒートシールを含む。
【0049】
本発明の一実施の形態によれば、シールの幅は少なくとも1.5mmである。
【0050】
有利には、シールの幅が小さすぎることにより各層が分離することで生じる、パッチ内の接着剤又は孔を通してのリザーバ内容物の漏出を回避するために、或る特定の値を上回るシールの幅が維持される。
【0051】
本発明の一実施の形態によれば、シールの幅は少なくとも2.0mmである。
【0052】
本発明の一実施の形態によれば、シールの幅は最大で10.0mmである。
【0053】
シールの幅の増大による利益は殆どなく、仮にあるとしても、シールの幅が増大すると、リザーバパッチ全体の硬さが高まるために使用者にとってリザーバパッチの着け心地が悪くなることが分かっている。このような高い剛性はまた、腕又は脚等の屈曲している表面上に貼付する場合、パッチの角又は側面が使用者の皮膚から剥離する危険性を増加させる。
【0054】
したがって、製造されるシールの幅が大きすぎても、小さすぎても問題点となり、本発明は、ヒートシールの幅に関して非常に有利な範囲を開示する。
【0055】
本発明の一実施の形態によれば、シールの幅は最大8.0mmである。
【0056】
本発明の一実施の形態によれば、シールの幅は最大6.0mmである。
【0057】
本発明の一実施の形態によれば、膜及び支持体はパッチの外周で接合される。
【0058】
本発明の一実施の形態によれば、シールは、外周シールに加え、1つ又は複数のシール点を間に含む。
【0059】
パッチ中心で多数のシール点を形成することにより、パッチを安定化し、ゲル及びタバコアルカロイドのより均一な分布を確実にする。
【0060】
本発明の一実施の形態によれば、シールは、外周シールに加え、任意の種類のパターンを含む。
【0061】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは取り外し可能な剥離ライナー(16)を含む。
【0062】
本発明の一実施の形態において、取り外し可能な剥離ライナーは、使用前に粘着層を保護し、且つタバコアルカロイドを保持するために設けられる。
【0063】
本発明の一実施の形態によれば、取り外し可能な剥離ライナーは1つ又は複数の剥離可能な角を含む。
【0064】
本発明の一実施の形態によれば、取り外し可能な剥離ライナーは、膜及び支持体間のシールにより得られる接着力よりも弱い接着力によってパッチの膜に取り付けられる。
【0065】
本発明の一実施の形態によれば、タバコアルカロイドはニコチンを含む。
【0066】
本明細書及び特許請求の範囲において使用する、「タバコアルカロイド」という用語は、遊離塩基形態又は薬理学的に許容可能な酸付加塩形態で存在する、ニコチン、又はノルニコチンやロベリン等のニコチン様アルカロイドを意味するものとする。この種の植物アルカロイドは、ニコチン及びノルニコチンの原料であるタバコ属(Nicotiana)、並びにロベリンの原料であるミゾカクシ属(Lobelia)及びミゾカクシ科(Lobeliaceae:キキョウ科)(ロベリアソウ(Indian tobacco))から得ることが可能である。
【0067】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは、ライナーを剥離してパッチを使用者の皮膚上に載せてから24時間以内に、全含有量の約50%より多いタバコアルカロイドを使用者に送達する。
【0068】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは、ライナーを剥離してパッチを使用者の皮膚上に載せてから24時間以内に、全含有量の約60%より多いタバコアルカロイドを使用者に送達する。
【0069】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは、ライナーを剥離してパッチを使用者の皮膚上に載せてから24時間以内に、全含有量の約70%より多いタバコアルカロイドを使用者に送達する。
【0070】
本発明の一実施の形態によれば、不浸透性支持体は、不浸透性支持体の内側及び/又は外側に配置され得る浸透性層をさらに含む。
【0071】
本発明の一実施の形態によれば、不浸透性支持体は多層フィルムから製造される。
【0072】
本発明の一実施の形態によれば、不浸透性支持体は多層ポリエステルフィルムから製造される。
【0073】
本発明の一実施の形態によれば、不浸透性支持体は、着色ポリオレフィン、アルミニウム蒸着ポリエステル、金属箔、及びヒートシール可能なポリオレフィン層の1つ又は複数の組合せから製造される。
【0074】
本発明の一実施の形態によれば、不浸透性支持体の厚みは1μm〜500μmである。
【0075】
本発明の一実施の形態によれば、不浸透性支持体の厚みは5μm〜200μmである。
【0076】
本発明の一実施の形態によれば、不浸透性支持体の厚みは10μm〜100μmである。
【0077】
本発明の一実施の形態によれば、膜はポリエチレン膜を含む。
【0078】
本発明の一実施の形態によれば、膜は、ナイロン6,6等のポリアミド若しくは幾つかの等級のエチレン酢酸ビニル共重合体、又はこれらの機能的等価物を含む。
【0079】
本発明の一実施の形態によれば、膜の厚みは1μm〜500μmである。
【0080】
本発明の一実施の形態によれば、膜の厚みは5μm〜200μmである。
【0081】
本発明の一実施の形態によれば、膜の厚みは10μm〜100μmである。
【0082】
本発明の一実施の形態によれば、膜は非多孔性である。
【0083】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは接着剤を含む。
【0084】
本発明の実施の形態において、パッチの膜は、使用者の皮膚に固定してパッチを載せるのに適用し得る、テープ等の接着剤に面している。
【0085】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは、パッチの下部全体に実質的に均一分布した接着剤を含む。
【0086】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは接着パターンを含む。
【0087】
接着パターンは任意の可能なパターンであり得る。ここで、パッチ下の接着剤分布の例としては、パッチの外周縁、外周縁+中心点、外周縁及び1つ又は複数の交差線、外周縁及び間の1つ又は複数の輪状縁が挙げられる。
【0088】
本発明の一実施の形態によれば、粘着層は、パッチを使用者の皮膚に貼付するために膜に取り付けられる。
【0089】
本発明の一実施の形態によれば、空洞はタバコアルカロイドのリザーバを形成する。
【0090】
本発明の一実施の形態によれば、タバコアルカロイドは、液体形態でリザーバ内部に含有される。
【0091】
本発明の一実施の形態によれば、タバコアルカロイドは、不浸透性支持体及び膜の間、粘性及び流動性を有するゲルにより実質的に固定化されたリザーバ内部に閉じ込められる。
【0092】
ゲルは、例えば、精製水及びゲル化剤を適切な粘度を得るために好適な配分で含む。
【0093】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバのタバコアルカロイド含有量は200mg未満、好ましくは150mg未満である。
【0094】
本発明によるリザーバパッチの利点は、後に柔軟性の低下するパッチのサイズを劇的に大きくする必要なしに、タバコアルカロイド量を増加させられることである。したがって、高用量パッチが大型パッチと等価である、マトリクスパッチ及び薬物溶解型接着剤パッチと比較して、リザーバパッチは高用量パッチに特に好適である。薬物溶解型接着剤パッチ及びマトリクスパッチと比較して、リザーバパッチでのニコチン利用度が良好であるために、リザーバパッチでは標準(未だに約50mg未満のニコチン)の二倍量のニコチンを送達可能な高用量パッチを製造することが可能である。純粋なニコチン50mgを通常の人間の皮膚に載せると致死量になると考えられるので、ニコチン50mgを興味深い上限として設定する。
【0095】
本発明の一実施の形態において、使用者がパッチを活性化すると、追加の用量を得ることが可能である。本方法において、使用者は、一日中通常の「低」用量ニコチンを受容し、禁断症状が生じれば、パッチを活性化して追加の用量を生み出し得る。 活性化は、例えば、パッチの圧縮又は任意の手動方法若しくは自動方法によって行われ得る。
【0096】
本発明の一実施の形態において、パッチは、両方の利点を利用するために、マトリクスパッチ及びリザーバパッチの組合せを含んで設けられる。
【0097】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバのタバコアルカロイド含有量は100mg未満である。
【0098】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバのタバコアルカロイド含有量は50mg未満である。
【0099】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバのタバコアルカロイド含有量は0.5mgよりも多い。
【0100】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバのゲル化剤含有量は20mg未満である。
【0101】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバのゲル化剤含有量は10mg未満である。
【0102】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバの精製水含有量は1000mg未満である。
【0103】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバの精製水含有量は800mg未満である。
【0104】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバのタバコアルカロイド、ゲル化剤、及び精製水の含有量は全部で1000mg未満である。
【0105】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバのタバコアルカロイド、ゲル化剤、及び精製水の含有量は全部で800mg未満である。
【0106】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバの形状は長方形、円形、又は楕円形である。
【0107】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバは、シールによって分離された幾つかの小リザーバから構成される。
【0108】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバの形状はドーナツ形である。
【0109】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバの形状は基本的に丸い角を有する長方形である。
【0110】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバの容積は2000mm未満である。好ましくは、リザーバの容積は1000mm未満である。
【0111】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバの容積は50mmより大きい。好ましくは、リザーバの容積は100mmより大きい。
【0112】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは2以上の別個のリザーバパッチに分離され得る。
【0113】
パッチを剥離線に沿って切り裂くことにより、個々に機能し得る2以上のパッチが得られる。主パッチのみ又は各パッチに剥離角を設けることができる。
【0114】
本発明の一実施の形態によれば、2以上のリザーバパッチ間の境界領域(複数可)は所定の剥離線を含む。
【0115】
本発明の一実施の形態によれば、2以上の別個のリザーバパッチの角は予め丸められる。
【0116】
パッチは、使用者の皮膚から剥離する際及び皮膚に載せる際に、パッチのうち少なくとも1つが実質的に鋭角を持たないように、製造中にリザーバパッチ(複数可)の成形によって予め丸くされ得る。
【0117】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは丸い角を有する2以上の別個のパッチに分離され得る。
【0118】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバは流量制御ゲルを含む。
【0119】
本発明の一実施の形態によれば、ゲルは、精製水並びにヒドロキシエチルデンプン、デキストラン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropycellulose)(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ピロリドン)、及びプルロニック類の群から選択されるゲル化剤により構成される。
【0120】
本発明の一実施の形態によれば、ゲル化剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0121】
本発明の一実施の形態によれば、ゲル化剤はメチルセルロースである。
【0122】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは使用者の皮膚と調和するように着色される。
【0123】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは基本的に透明である。
【0124】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは支持体上にパターン又は絵を付けて製造される。
【0125】
本発明の一実施の形態によれば、パッチ全体のサイズは40cm未満である。
【0126】
本発明の一実施の形態によれば、パッチ全体のサイズは25cm未満である。
【0127】
本発明の一実施の形態によれば、パッチは長方形、円形、又は楕円形である。
【0128】
本発明によれば、任意のパッチ形状が内表面及び外表面の間の空洞を規定するのに好適である。
【0129】
本発明の一実施の形態によれば、パッチの曲げ強度は50mN/mmを下回る。
【0130】
本発明の一実施の形態によれば、リザーバは別の活性成分をさらに含む。
【0131】
本発明の一実施の形態によれば、他の活性成分の取り込みを促進するために、1つ又は複数の促進剤が添加される。
【0132】
本発明の一実施の形態によれば、促進剤の存在量は2000mg未満である。
【0133】
異なる生理活性物質により、非常に多様な皮膚透過能が示される。ニコチンは容易に皮膚を浸透する一方、他の生理活性物質、典型的には分子サイズのより大きなものは、顕著な成分量を皮膚通過させるには補助が必要となる。この目的のために、促進剤が本発明の一実施の形態において用いられる。
【0134】
好適な透過促進剤(流量促進剤)としては、好ましくは、炭素数4〜12の1価、飽和若しくは不飽和脂肪族、脂環族、若しくは芳香族アルコール(例えば、n−ヘキサノール若しくはシクロヘキサノール)、炭素数5〜12の脂肪族、脂環族、若しくは芳香族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、イソプロピルベンゼン)、炭素数4〜10の脂環族若しくは芳香族アルデヒド及びケトン(例えば、シクロヘキサノン)、アセトアミド、N,N−ジ−低級アルキルアセトアミド(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド若しくはN,N−ジエチルアセトアミド)、C10〜C20−アルカノイルアミド(例えば、N,N−ジメチルラウロイルアミド)、1−n−C10〜C20−アルキルアザシクロヘプタン−2−オン(1-n-C.sub.10 -c.sub.20 -alkylazcycloheptan-2-one)(例えば、1−n−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(l-n-dodeclyazacycloheptan-2-one)(アゾン(Azone)(登録商標)ラウロカプラム))、又はN−2−ヒドロキシエチルアセトアミド、並びに既知のビヒクル及び/又は透過促進剤(例えば、脂肪族、脂環族、及び芳香族エステル、N,N−ジ−低級アルキルスルホキシド、不飽和油、ハロゲン化若しくはニトロ化脂肪族若しくは脂環族炭化水素、サリチル酸塩、ポリアルキレングリコールケイ酸エステル、及びそれらの混合物)である。
【0135】
本発明によるパッチは、使用者の皮膚に沿うのに最適な弾性を有する。 シールの幅がパッチの弾性を制限しているので、実施例で示すように、シールの幅を小さくできることにより、弾性が増大するため、使用者の快適性が増大する。
【0136】
本発明の一実施の形態において、パッチのヤング率は、シールの幅とは関係なく、50GPaを下回る。
【0137】
本発明の有利な実施の形態によれば、シールの幅が小さすぎると、支持体層及び膜の間のニコチンがシールを通って漏出する危険性をもたらすことが示された。シールの幅が小さいほど、シールの質が低下する。一方、実際には、シールの幅が予想よりも小さく製造されてもなお、確実なシールを特徴とすることも分かった。このことは、シールの幅の減少により、全体の経路のより高い柔軟性を引き起こす結果、シールの強化につながるという事実によると一部は考えられる。
【0138】
ここで、本発明を各図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0139】
図1に、本発明の一実施形態による経皮リザーバパッチ10の上面図を示す。リザーバ内容物がリザーバパッチから背面を通って逃げるのを防止する支持体層はパッチ10の上面全体を覆うため、図示しない(例えば、図2bの支持体層17を参照)。さらに、支持体はリザーバの活性成分をUV照射及び水分から保護する。さらに、支持体は膜に対する機械的衝撃に対する保護体として機能する。パッチ10は支持体層の下にあるリザーバ12、剥離片13及びシール11を含む。パッチ10の各部について以下でさらに説明する。
【0140】
剥離片13は、パッチを使用者の皮膚に載せるのに先立ち、ライナー16を接着剤15から除去し易くする。図2bに示される。
【0141】
図2aは、先に示した経皮リザーバパッチ10の図1のI−I線に沿った断面図である。異なる層を区別するために、各層を説明する拡大図を図2bに示す。経皮リザーバパッチ10は、リザーバ12の内容物が周囲に逃げるのを防止すると共に、リザーバの内容物が例えば、湿気又は日光に曝露されるのを防止する密閉層を提供する不浸透性支持体層17を含む。リザーバ12の内容物の目標とする経路は、膜層14を通過し、粘着層15をさらに通過して最終的に使用者の皮膚を通過して伝わるものである。
【0142】
異なる層は或るシールの幅wで相互にシールされシール11となる。
【0143】
不浸透性支持体層17は、使用するパッチの皮膚以外の面(facing)、即ち、皮膚から遠位の面(side)を規定する。したがって、選択される材料は、ニコチン耐性であるべきであると共に、最小限のニコチン浸透性しか示さないべきである。紫外光に曝露された場合にニコチンが分解するので、支持体層は不透明であるべきである。
【0144】
好ましい材料は、着色ポリオレフィン、アルミニウム蒸着ポリエステル、及びヒートシール可能なポリオレフィン層の組合せである。ポリエステルのニコチン浸透性は0.2μg・100μm/cm・h未満である。好ましい支持体は、例えば、Scotchpak(商標)9730として、3M Corporationから市販されている多層ポリエステルフィルムである。
【0145】
実際には、ニコチンに対して本当に十分不浸透性であり、貯蔵中又は使用中に十分にニコチン装填量を保持できる材料は比較的少ないので、試され得る他の低浸透性物質として、例えば、金属箔、金属性ポリマー箔、ポリエステルを含有する複合箔若しくは複合膜、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)型材料、又は同様の機能を発揮し得るそれらの等価物が挙げられる。
【0146】
リザーバ層12は、純粋ニコチン、液体で希釈したニコチン、又はゲルで固定化したニコチン等、様々な形態をとり得る。ゲルは異なる材料、好ましくは、メチルセルロースから製造され得る。リザーバ層12はニコチンの貯蔵槽となり、膜層14と良好に接触し続ける。リザーバ層12は測定可能な程度には速度制御機構に寄与しない。
【0147】
リザーバの内容物は任意のタバコアルカロイド、好ましくはニコチンであり得る。
【0148】
本明細書及び特許請求の範囲において使用する、タバコアルカロイドという用語は、例えば遊離塩基形態又は薬理学的に許容可能な酸付加塩形態で存在する、ニコチン、又はノルニコチンやロベリン等のニコチン様アルカロイドを意味するものとする。この種の植物アルカロイドは、例えばニコチン及びノルニコチンの原料であるタバコ属、並びにロベリンの原料であるミゾカクシ属及びミゾカクシ科(ロベリアソウ)から得ることが可能である。
【0149】
さらに、タバコアルカロイドは、パッチのタバコアルカロイドの生理的な誘起効果を補償するか、又は単にパッチにさらなる機能性を付加する、さらなる生理活性物質と組み合わされ得る。
【0150】
デバイスの主要活性成分を説明するために使用する「生理活性物質」という用語は、デバイス装着者に対する、治療効果、予防効果、又は他の有益な薬理学的効果及び/若しくは生理的効果を有する、生物活性化合物又は化合物の混合物を意味する。本発明のデバイスにおいて使用され得るこの種の薬物の例としては、抗炎症薬、鎮痛薬、抗関節炎薬、鎮痙薬、抗うつ薬、抗精神病薬、精神安定剤、抗不安薬、麻薬拮抗薬、抗パーキンソン薬、コリン作動薬、抗腫瘍薬、免疫抑制剤、抗ウイルス剤、抗生物質製剤、食欲抑制剤、制吐薬、抗コリン作動薬、抗ヒスタミン薬、片頭痛薬、冠血管拡張薬、脳血管拡張薬又は末梢血管拡張薬、ホルモン剤、避妊薬、抗血栓剤、利尿薬、降圧剤、心臓脈管薬、ニトログリセリン又は任意の他の亜硝酸塩若しくは硝酸塩、スコポラミン又はその組合せ、エストラジオール、プロゲステロン、テストステロン、ジクロフェナク、オキシブチニン(oxibutunin)、メラトニン、クロニジン(clonodine)、リドカイン/リグノカイン、イブプロフェン、ロフェキシジン、ニフェジピン、モルヒネ、ナロキソン、アポモルヒネ、ジアゼパム、5−フルオロウラシル(5-flourouracil)、ブプレノルフィン、ベタヒスチン(betahistitine)、メトクロプラミド(metoclopromide)、タキソール、大麻等が挙げられる。かかる種類の適切な薬物は、本質的に又は皮膚を経皮吸収促進剤で処理することにより、皮膚を浸透することが可能である。使用者許容性のためにデバイスのサイズには限界があるので、薬物は低い血流中濃度で有効なものが好ましい。薬物の具体例としては、エストラジオール、プロゲステロン、ノルゲストレル、レボノルゲストレル、ノルエチンドロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、3−ケトデソゲストレル、テストステロン等のステロイド及びそのエステル、ニトログリセリン及び硝酸イソソルビド等のニトロ化合物類、ニコチン、クロルフェニラミン、テルフェナジン、トリプロリジン、ヒドロコルチゾン、ピロキシカム等のオキシカム誘導体ケトプロフェン類、チオムカーゼ等のムコポリサッカリダーゼ類、ブプレノルフィン、フェンタニル、ナロキソン、コデイン、ジヒドロエルゴタミン、ピゾチリン、サルブタモール、テルブタリン、ミソプロストール及びエンプロスチル等のプロスタグランジン類、オメプラゾール、イミプラミン、メトクロプラミド(metoclopamine)等のベンズアミド類、スコポラミン、成長ホルモン放出因子(growth releasing factor)及びソマトスタチン等のペプチド類、クロニジン、ニフェジピン等のジヒドロピリジン類、ベラパミル、エフェドリン、ピンドロール、メトプロロール、スピロノラクトン、塩酸ニカルジピン、カルシトリオール、ヒドロクロロチアジド等のチアジド系化合物類、フルナリジン、モルシドミン等のシドノニミン類、ヘパリン分画等の硫酸化多糖類、並びにかかる化合物と薬学的に許容可能な酸又は塩基の塩が挙げられる。なお、本発明によるリザーバパッチは、上記のリストから選択される1つ若しくは複数の活性物質単独で、又はタバコアルカロイドと併用して送達するのに実に好適である。
【0151】
膜層14は、ニコチンのパッチから皮膚への流量を調節する速度制御手段の一部を形成する。好適な材料は、ニコチンによる攻撃への耐性及びニコチンに対する適切な浸透性の保有を考慮して選択される。 膜層14に選択されるポリマーはまた、他の構成成分と相溶性があり、且つキャスティング又はヒートシール等、パッチの加工において使用される標準的な技法により加工可能であるべきである。稠密な非多孔性膜は細孔性材料と比べて大きな利点を有する。細孔性膜は、孔流によってパッチの内容物を放出する。したがって、孔の領域において、皮膚が原料ニコチンに曝露される。
【0152】
また、ニコチン等の揮発性液体の場合、孔を介した流れが速やかに生じるので、系がすぐに排出され、パッチの寿命の間、皮膚は過剰のニコチンで覆われる。対照的に、非多孔質フィルムを介したニコチンの拡散は、ニコチンをフィルムへ溶解させた後、濃度勾配による拡散により起こる。好適な浸透性を有する材料を選択し、適切な厚みの膜を作製することによって、12時間又は24時間に渡って、安全且つ制御された様式で、ニコチン装填量を徐々に放出し得る系を仕立てることが可能である。さらに、溶解/拡散機構により、使用者の皮膚が過剰量の原料ニコチンへの曝露から保護される。
【0153】
膜ポリマーは、市販の低密度、中密度、又は高密度のポリエチレンが好ましい。3M CorporationからCoTran(商標)9728 EVAという商品名で入手可能な膜が特に好適であるが、3M Corporation製の粘着テープが付いた他のポリエチレン膜も非常に好適であり得る。他の可能な膜材料はナイロン6,6等のポリアミド、又は幾つかの等級のエチレン酢酸ビニル共重合体である。これらの機能的等価物は本発明の範囲内であることが意図される。膜層は選択されるポリマーの有機溶媒溶液を調製し、ガラス板上又は金型中でキャスティングし、乾燥し溶媒を蒸発させることにより形成され得る。最終的なフィルムの厚みは、所望のニコチンの流量を生じるように仕立てられる。経皮パッチにおいて使用される膜の典型的な厚みは、約5μm〜約200μmの範囲である。代替的には、既にフィルム状になった膜を購入することが可能であり得る。この種の経皮パッチは、パッチの外周付近で支持体を膜層にヒートシールすることにより調製され得る。
【0154】
ニコチン製剤はヒートシールの前後いずれかで添加され得る。製剤をヒートシール前に添加すれば、ニコチン保持のための空洞を形成するように支持体を成形したり、又はニコチンをゲル化させるためには好都合である。製剤をヒートシール後に含有させれば、ニコチンはヒートシール工程により形成されるパッチ内へ注入され、注入孔がシールされ得る。
【0155】
粘着層15はニコチンと相溶性があるべきであり、有用なニコチンの流量を可能にする。また、接着剤は、生体適合性、適用及び除去の容易性等の観点から、経皮パッチに使用される接着剤の一般基準を満たすべきである。本発明の実施で使用するための好適な接着剤としては、医療用に承認された感圧性接着剤が挙げられる。接着剤がニコチンによって攻撃されないので、耐アミン系が好ましい。有用な感圧性接着剤の範囲は、Advanced Medical Solutions Ltd.により提示されている。特に好適なのは、AMS粘着剤No.10001875である。代替的には、耐アミン性を有するアクリレート系接着剤を使用することができる。粘着層は膜の皮膚に面する側又はモノリス(monolith)上に薄膜として直接キャスティングされ得る。代替的には、ニコチン流量制御特性を有する又は有さない医療用粘着テープが使用され得る。
【0156】
剥離ライナー16は単一又は複数の層から構成され得る。好適な剥離ライナーは、ポリエステル、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、及び特殊紙等の材料から作製することができ、好適な剥離ライナーはとしては、Akrosilのバイオリリース(Biorelease)ライナー、3Mのスコッチパック(Scotchpak)1022剥離ライナー、Adhesives ResearchのAR5MS、Custom Coating and Laminatingの高密度ポリエチレン(HDPE)7000又はポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalase)(PET)6020が挙げられる。有利には、粘着層15及び剥離ライナー16の間の望ましくない固着を防ぐために、剥離ライナーのシリコン層等による処理が実施され得る。概して、ライナーを剥離する際にシール又は膜の損傷を回避するために、支持体に膜を保つ接着力よりも弱い接着力で、ライナーが膜に取り付けられるべきである。
【0157】
シール11は各層を相互に接着することにより、又は好ましくは、各層をヒートシールすることにより行われ得る。いずれの場合においても、シールは図2bに示すように或る特定のシールの幅wを有する。シールの幅wはリザーバパッチの機能性に重大な影響を有する。シールの幅が小さすぎる場合、リザーバ内容物がシールを通過して側方及び周辺へ漏出する危険性がある。一方、シールの幅が大きすぎると、リザーバパッチ全体がより硬くなるために、リザーバパッチは使用者にとって着け心地の悪いものとなる。また、このように硬さが高まると、例えば、腕又は脚のような屈曲した表面上にパッチを配置する場合、パッチの角又は側面が使用者の皮膚から剥離する危険性が増大する。リザーバパッチの角又は側面が皮膚から剥離すると、直ちにリザーバ内容物が周囲へ逃げる危険性がある。パッチの剥離部分は拡大して、ずっと大きな部分の剥離を引き起こす傾向があるので、この危険性は時間と共に高くなる。
【0158】
図2cはライナー16剥離後のパッチ10及び表面20上の配置を示す図である。この表面は任意の表面で構わないが、リザーバパッチ使用者の皮膚である可能性が最も高い。パッチは皮膚に、好ましくは毛の量が少ない皮膚箇所に、及び好ましくは皮膚が薄い場所に配置される。パッチ10を粘着層15の力を借りて皮膚に貼付する。
【0159】
図3a、図3b、図3c、図4a、図4b、図5a、図5b、図5c、図5d及び図5eは、本発明によるさらなる実施形態を示す図である。図3a、図3b及び図3cは、異なるサイズのリザーバパッチ31、32及び33の全体図である。図4aは本発明の一実施形態41を示す図である。図示のパッチ41は、支持体及び膜(図示せず)の間のリザーバを構築するように働くシール11を含む。図示のパッチは剥離角13を含む。さらなるパッチ構成要素は、例えば、図1〜図2cで既に記載されたパッチ構成要素に対応し得る。説明上の理由で、さらなる実施形態を説明する場合、パッチ41を開始点と称する。なお、サイズ、形状等における多数の変形形態が本発明の範囲内で適用され得る。図4bはさらなる剥離角13aを備えるパッチ42を示す図である。さらなるパッチ構成要素は、例えば、図1〜図2cで既に記載されたパッチ構成要素に対応し得る。この変形により、ライナーの剥離の容易さが促進される。さらなる数の剥離角、各種サイズの剥離角又は剥離面積を本発明の範囲内で適用し得る。概して、本発明によれば、剥離角は好ましいが任意である。図4cは、パッチ43構造の柔軟性を増大させるため、及び/又は、パッチ43構造の曲げ強度を低下させるために、シール11のシールの幅wが減少した本発明のさらなる実施形態43を示す図である。
【0160】
図5a〜図5fは、シール構造における変形形態に関する、本発明によるさらなる実施形態を示す図である。図5aは、シール11及び剥離角13を有するパッチ51を示す図である。図5a〜図5f中のパッチのさらなるパッチ構成要素は、例えば、図1〜図2cで既に記載されたパッチ構成要素に対応し得る。パッチ51は、支持体及びリザーバを安定化させるために、リザーバの中央部にさらなるシール点520を備える。ここで、安定化により、リザーバの形状を保つと共に、ゲルの分布を維持する。さらなる変形は、2つのシール点521及び522を備える、図5bのパッチ52に示される。本発明によるパッチを安定化させるために、このように任意の数のシール点が設けられ得る。
【0161】
図5cは、パッチを横切る、膜及び支持体間のさらなるシールを備えるパッチ53を示す図であり、それによりパッチは、2つの別個のリザーバ12a及び12bを有する2つの別個のパッチに分割される。さらなるシールは、2つのパッチを容易に分離し得る(can be easily by separated)剥離線523により分割される。ここで、パッチ全体を単に皮膚上に配置すると、通常通りに使用することができる。その他、パッチを剥離線523に沿って切り裂くことにより、2つの別個のパッチ(各パッチは例えば、半分の用量を与える)に分割することが可能である。図5dにさらなる実施形態を示す。図5dは、パッチを4つの別個のパッチ(各パッチは例えば、全用量の4分の1を有する)に分離する2つのさらなるシールを備えるパッチ54を説明する図である。図5a〜図5eに示すパッチについて概して、サイズ、形状等における多数の変形形態が本発明の範囲内で適用され得ることに留意されたい。
【0162】
図5eは、図5c及び図5dに示す実施形態のさらなる実施形態を示す図である。剥離線524を介してパッチを分離する際、使用者が鋭角を回避するために、パッチ55では、パッチを分離する際、曝露されることとなる全ての角が予め丸められている。この丸み付けは好ましくはパッチ製造中に為され得る。図5fは、図5eのパッチ55のII−II線に沿った断面図であり、図5c及び図5dのパッチのいずれであっても同様である。リザーバが規定するシールの幅にw印を付けている。
【0163】
異なる生理活性物質により、非常に多様な皮膚透過能が示される。ニコチンは容易に皮膚を浸透する一方、他の生理活性物質、典型的には分子サイズのより大きなものは、顕著な成分量を皮膚通過させるには補助が必要となる。この目的のために、促進剤が本発明の一実施形態において用いられる。
【0164】
好適な透過促進剤(流量促進剤)としては、好ましくは、炭素数4〜12の1価、飽和若しくは不飽和脂肪族、脂環族、若しくは芳香族アルコール(例えば、n−ヘキサノール若しくはシクロヘキサノール)、炭素数5〜12の脂肪族、脂環族、若しくは芳香族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、イソプロピルベンゼン)、炭素数4〜10の脂環族若しくは芳香族アルデヒド及びケトン(例えば、シクロヘキサノン)、アセトアミド、N,N−ジ−低級アルキルアセトアミド(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド若しくはN,N−ジエチルアセトアミド)、C10〜C20−アルカノイルアミド(例えば、N,N−ジメチルラウロイルアミド)、1−n−C10〜C20−アルキルアザシクロヘプタン−2−オン(1-n-C.sub.10 -c.sub.20 -alkylazcycloheptan-2-one)(例えば、1−n−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(l-n-dodeclyazacycloheptan-2-one)(アゾン(Azone)(登録商標)ラウロカプラム))、又はN−2−ヒドロキシエチルアセトアミド、並びに既知のビヒクル及び/又は透過促進剤(例えば、脂肪族、脂環族、及び芳香族エステル、N,N−ジ−低級アルキルスルホキシド、不飽和油、ハロゲン化若しくはニトロ化脂肪族若しくは脂環族炭化水素、サリチル酸塩、ポリアルキレングリコールケイ酸エステル、及びそれらの混合物)である。
【0165】
以下の実施例により本発明の実施形態をさらに説明する。記載の実施例は例示的なものであり、本発明について限定するものでないことは理解されるべきである。以下の実施例において使用するパッチは全て、タバコアルカロイドなしで作製されたため、蒸発等によるタバコアルカロイドの消失の可能性及び量は、本発明による最終製品と比較して試験中では顕著に少ないと予想される。
【実施例1】
【0166】
6名のボランティアはそれぞれ、本発明の一般規定によるパッチ(ヒートシールの幅0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm及び5mm)を装着した。約16時間の装着後、炎症、機能障害、内容物の消失等に関する観察を収集した。全体として、シールの幅が減少すると漏出の危険性が高まるという傾向が見られた。最終的に、全6名のボランティアのうち3名のボランティアが、シールの幅0.5mmのパッチでリザーバ内容物の漏出を経験するという結果となった。
【実施例2】
【0167】
本発明の一般規定によるパッチ(一連のヒートシールの幅1mm、2mm、3mm、4mm及び5mm、8cmサイズ及び17cmサイズの新しいパッチ、並びに17cmサイズの実施例1で一日装着したパッチ)について標準漏出試験を実施した。測定するパッチを2枚の平らな金属板の間に載せ、上方の板を下方へ1mm/分の速度で移動していくと、下方の板に向かって圧力がかかり、パッチ面積全体に均一に分布した形で力が増大していく。或る特定の段階でパッチが漏出を起こし始め、その段階でいわゆる破裂力を測定する。
【0168】
表1に測定値を示す。
【0169】
【表1】

【0170】
ヒートシールの幅が小さいほど、漏出の危険性が高い傾向が観察される。一方、許容可能なシールの幅は実際には予想よりもずっと小さいことに留意されたい。
【0171】
実施例1及び実施例2から、使用可能なヒートシールの幅は少なくとも1mmを上回ると共に、最適なヒートシールの幅は少なくとも2mmを上回ると推定される。
【実施例3】
【0172】
本発明の一実施形態による目的は、曲げ強度の小さいニコチンパッチを得ることである。パッチは、好ましくは高用量パッチであるべきである。試験の目的は、所望の曲げ強度が得られる可能性がある適用可能な寸法を求めることであった。得ようとする曲げ強度は最大で約50mN/mmであった。
【0173】
既に述べたように、パッチ適用時に使用者の皮膚へ安全に貼付され、且つ使用者の不満を最小化するために、適用されるパッチの曲げ強度は小さくするべきである。
【0174】
そもそも所望の曲げ強度試験が得られるかどうかについて試験を行った。本発明の一般規定による2つの異なるサイズのパッチ、並びに、共に現在市販の製品である従来技術のマトリクスパッチ及び従来技術の薬物溶解型接着剤パッチについて試験を行った。試験はISO178規格に基づいて行われた。剥離ライナーを取り外し、三点曲げを介して水平に張力が作用するように、パッチを30mmの支持スパン上に配置した。測定結果を以下の表2に示す。曲げ強度はmN/mmで測定される。
【0175】
【表2】

【0176】
I1とI2とは共に、本発明の2つの実施形態による17cmサイズのリザーバパッチである。I1及びI2の間の主な違いは、シールの幅がI1では5mmであり、I2では2.5mmである。PA1は従来技術の薬物溶解型接着剤パッチであり、PA2は従来技術のマトリクスパッチである。PA1及びPA2は共に市販の製品である。I3及びI4は共に、本発明の2つのさらなる実施形態によるリザーバパッチである。I3のサイズは20×37mm(シールの幅5mmを含む)であり、I4はI1と同様であるが、20×37mmサイズ(シールの幅なし)に裁断されている。PA3はPA1と同様であるが、20×37mmサイズに裁断されており、PA4はPA2と同様であるが、20×37mmサイズに裁断されている。
【0177】
本発明による17cmパッチ、I1、I2及びI4について行われた3つの測定結果に注目すると、明確な傾向が観察される。曲げ強度は、5mmのシールを有するパッチI1では24mN/mm、2.5mmのシールを有するパッチI2では10mN/mm、I1パッチを元にして20×37mmに裁断する際に2つの側部シールが裁断されたパッチI4では2mN/mmしかない。
【0178】
したがって、本発明によるリザーバパッチでは、ニコチン含有量に対して或る特定の要件がある場合、所望の曲げ強度を得るためにシールが好適に調整され得るということに留意されたい。この事実はシールの幅が減少すると、曲げ強度が著しく減少するという事実により強調される。一方、I3の約8cmからI1の約17cmへのパッチの膜面積の増大による曲げ強度の増大は非常に穏やかであることにも留意されたい。これにより、曲げ強度が約50mN/mm未満のリザーバパッチを用いた安全で快適な方法で、高用量放出を得ることができるという事実が強調される。一方、PA1〜PA4の薬物溶解型接着剤パッチ及びマトリクスパッチは必要とされる曲げ強度の低さが欠如しており、さらに比較的低用量という特徴がある。
【0179】
さらに、既に破裂力試験で立証されたように、シールの幅が2mmより小さくても、パッチはなおもリザーバ内部の内容物を保持し、リザーバの内容物を環境から保護することができる。
【0180】
薬物溶解型接着剤パッチ及びマトリクスパッチについて考えると、両者に関して、切断片の曲げ強度は対応する原寸大パッチの約3分の1の曲げ強度を構成することが分かる。リザーバパッチでは対照的に、8cmパッチから17cmパッチにしても、曲げ強度が22〜24mN/mmしか大きくならないことが分かる。したがって、本発明によるリザーバパッチは、内部にリザーバ内容物を保持するためにシールを広げる必要がないので、膜面積増加時の不愉快な柔軟性に関連する問題に悩まされずに済む。
【0181】
原寸大の薬物溶解型接着剤パッチ、マトリクスパッチ、及び本発明によるリザーバパッチ間の比較により、リザーバパッチは、薬物溶解型接着剤パッチ(61mN/mm)及びマトリクスパッチ(66mN/mm)に比べて高い柔軟性及び使用者快適性を示す曲げ強度(24mN/mm及び22mN/mm)を有することが示される。
【実施例4】
【0182】
2つの異なるサイズの本発明の一般規定によるパッチ、並びに両方とも現在、市販されている製品である、マトリクスパッチ及び薬物溶解型接着剤パッチについて、棒試験を実施した。ポリウレタン(PU)箔が最も皮膚に似ていることが本発明者により経験されているので、ポリウレタン箔を棒として使用する。条件を現実的な状況に似せるため、設定温度は典型的な皮膚温と同様の35℃である。4つのパッチ全てを、4種の異なる直径、即ち50mm、40mm、30mm及び20mmで棒に付着した後、24時間放置することにより、皮膚様条件下での時間の長さが棒へ付着する性能に影響を及ぼすか否かについて観察した。本発明の一般規定によるパッチ及びマトリクスパッチは両方ともこの条件に耐え、24時間中棒へ付着する一方、薬物溶解型接着剤パッチでは、直径40mm、30mm及び20mmについて把持が弱まり始めることが分かった。したがって、本発明の一般規定によるニコチンパッチは、薬物溶解型接着剤パッチに比較して有利であることが分かる。
【実施例5】
【0183】
本明細書中で言う曲げ強度試験は、他に特段の言及がない限り、ISO178規格に基づいている。試験では、図6a及び図6bに示す三点荷重条件(3 point loading conditions)で材料を曲げるのに必要な力が測定される。曲げ強度を測定する材料62を、支持構造物60及び支持構造物61によって提供される支持スパン上に配置する。材料62の中央部において、ロール63により材料を下方へ押圧し、材料をd mm下方へ動かすのに必要な力を或る特定の範囲内で測定する。支持構造物60及び支持構造物61の間の間隔は30mmであった。ロール63が材料62を曲げる速度は5mm/分であった。値は、d=1mmからd=5mmまで材料を下方へ動かすのに必要な力を測定することにより得られた。他に特段の言及が無い限り、本発明によるパッチに関する(relates to)曲げ強度への言及では、上述した測定方法が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】本発明の一実施形態を示す上面図である。
【図2a】本発明の一実施形態を示す側面図である。
【図2b】異なる構成要素を示すための図2aの拡大図である。
【図2c】ライナーを剥離し、表面上に載せた後の図2bのパッチを示す図である。
【図3a】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図3b】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図3c】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図4a】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図4b】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図4c】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図5a】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図5b】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図5c】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図5d】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図5e】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図5f】本発明によるさらなる実施形態を示す図である。
【図6a】パッチ又はパッチの構成要素の曲げ強度測定がどのように行われるかを示す図である。
【図6b】パッチ又はパッチの構成要素の曲げ強度測定がどのように行われるかを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間のリザーバ(12)を規定する不浸透性支持体(17)及び膜(14)を含むタバコアルカロイドの経皮投与用タバコアルカロイドパッチであって、該膜(14)が、前記タバコアルカロイドに浸透性であると共に、前記タバコアルカロイドと接触し、前記不浸透性支持体(17)及び前記膜(14)が、シール(11)により少なくとも一部接合され、前記パッチの曲げ強度が約250mN/mm未満である、タバコアルカロイドパッチ。
【請求項2】
間のリザーバ(12)を規定する不浸透性支持体(17)及び膜(14)を含むタバコアルカロイドパッチであって、該膜(14)が、前記タバコアルカロイドに浸透性であると共に、前記タバコアルカロイドと接触し、前記不浸透性支持体(17)及び前記膜(14)が、シール(11)により少なくとも一部接合され、前記パッチの曲げ強度が約50mN/mm未満である、請求項1に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項3】
前記不浸透性支持体(17)の曲げ強度が前記膜(14)の曲げ強度よりも大きい、請求項1又は2に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項4】
前記不浸透性支持体の曲げ強度が少なくとも0.5mN/mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項5】
前記不浸透性支持体の曲げ強度が少なくとも1mN/mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項6】
前記不浸透性支持体の曲げ強度が少なくとも0.5mN/mmであると共に、前記パッチの曲げ強度が約50mN/mm未満である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項7】
前記不浸透性支持体の曲げ強度が少なくとも0.5mN/mmであると共に、前記パッチの曲げ強度が約40mN/mm未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項8】
前記パッチの前記不浸透性支持体の曲げ強度が少なくとも約30mN/mm未満である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項9】
前記パッチの曲げ強度が約25mN/mm未満である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項10】
前記パッチの曲げ強度が約1〜30mN/mmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項11】
前記支持体(17)が多層構造を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項12】
前記タバコアルカロイドパッチがニコチンリザーバパッチである、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項13】
前記パッチの曲げ強度が約2mN/mmよりも大きい、請求項1〜12のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項14】
前記シールが少なくとも約1mmである、請求項1〜13のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項15】
前記シールが接着シールを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項16】
前記シールがヒートシールを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項17】
前記シールの幅が少なくとも1.5mmである、請求項1〜16のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項18】
前記シールの幅が少なくとも2.0mmである、請求項1〜17のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項19】
前記シールの幅が最大で10.0mmである、請求項1〜18のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項20】
前記シールの幅が最大で8.0mmである、請求項1〜19のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項21】
前記シールの幅が最大で6.0mmである、請求項1〜20のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項22】
前記膜及び前記支持体が前記パッチの外周で接合される、請求項1〜21のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項23】
前記シールが、外周シールに加え、1つ又は複数のシール点をその間に含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項24】
前記シールが、外周シールに加え、任意の種類のパターンを含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項25】
前記パッチが取り外し可能な剥離ライナー(16)を含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項26】
前記取り外し可能な剥離ライナーが1つ又は複数の剥離可能な角を含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項27】
前記取り外し可能な剥離ライナーが、前記膜及び前記支持体の間の前記シールにより得られる接着力よりも弱い接着力により、前記パッチの前記膜に取り付けられる、請求項1〜26のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項28】
前記タバコアルカロイドがニコチンを含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項29】
前記パッチが、前記ライナーを剥離して該パッチを使用者の皮膚上に載せてから24時間以内に、全含有量の約50%より多いタバコアルカロイドを使用者に送達する、請求項1〜28のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項30】
前記パッチが、前記ライナーを剥離して該パッチを使用者の皮膚上に載せてから24時間以内に、全含有量の約60%より多いタバコアルカロイドを使用者に送達する、請求項1〜29のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項31】
前記パッチが、前記ライナーを剥離して該パッチを使用者の皮膚上に載せてから24時間以内に、全含有量の約70%より多いタバコアルカロイドを使用者に送達する、請求項1〜30のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項32】
前記不浸透性支持体が、浸透性層をさらに含み、該層が該不浸透性支持体の内側及び/又は外側に配置され得る、請求項1〜31のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項33】
前記不浸透性支持体が多層フィルムから製造される、請求項1〜32のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項34】
前記不浸透性支持体が多層ポリエステルフィルムから製造される、請求項1〜33のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項35】
前記不浸透性支持体が、着色ポリオレフィン、アルミニウム蒸着ポリエステル、金属箔、及びヒートシール可能なポリオレフィン層の1つ又は複数の組合せから製造される、請求項1〜34のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項36】
前記不浸透性支持体の厚みが1μm〜500μmである、請求項1〜35のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項37】
前記不浸透性支持体の厚みが5μm〜200μmである、請求項1〜36のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項38】
前記不浸透性支持体の厚みが10μm〜100μmである、請求項1〜37のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項39】
前記膜がポリエチレン膜を含む、請求項1〜38のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項40】
前記膜が、ナイロン6,6等のポリアミド若しくは幾つかの等級のエチレン酢酸ビニル共重合体、又はこれらの機能的等価物を含む、請求項1〜39のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項41】
前記膜の厚みが1μm〜500μmである、請求項1〜40のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項42】
前記膜の厚みが5μm〜200μmである、請求項1〜41のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項43】
前記膜の厚みが10μm〜100μmである、請求項1〜42のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項44】
前記膜が非多孔性である、請求項1〜43のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項45】
前記パッチが接着剤を含む、請求項1〜44のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項46】
前記パッチが該パッチの下部全体に実質的に均一分布した接着剤を含む、請求項1〜45のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項47】
前記パッチが接着パターンを含む、請求項1〜46のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項48】
粘着層が、前記パッチを使用者の皮膚に貼付するために前記膜に取り付けられる、請求項1〜47のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項49】
前記空洞が前記タバコアルカロイド用のリザーバを形成する、請求項1〜48のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項50】
前記タバコアルカロイドが、液体形態で前記リザーバ内に含有される、請求項1〜49のいずれか一項に記載タバコアルカロイドパッチ。
【請求項51】
前記タバコアルカロイドが、粘性及び流動性を有するゲル(viscous flowable gel)により実質的に固定化された前記リザーバ内部で、前記不浸透性支持体及び前記膜の間に閉じ込められる、請求項1〜50のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項52】
前記リザーバのタバコアルカロイド含有量が200mg未満、好ましくは150mg未満である、請求項1〜51のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項53】
前記リザーバのタバコアルカロイド含有量が100mg未満である、請求項1〜52のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項54】
前記リザーバのタバコアルカロイド含有量が50mg未満である、請求項1〜53のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項55】
前記リザーバのタバコアルカロイド含有量が0.5mgよりも多い、請求項1〜54のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項56】
前記リザーバのゲル化剤含有量が20mg未満である、請求項1〜55のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項57】
前記リザーバのゲル化剤含有量が10mg未満である、請求項1〜56のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項58】
前記リザーバの精製水含有量が1000mg未満である、請求項1〜57のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項59】
前記リザーバの精製水含有量が800mg未満である、請求項1〜58のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項60】
前記リザーバのタバコアルカロイド、ゲル化剤及び精製水の含有量が全部で1000mg未満である、請求項1〜59のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項61】
前記リザーバのタバコアルカロイド、ゲル化剤及び精製水の含有量が全部で800mg未満である、請求項1〜60のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項62】
前記リザーバの形状が長方形、円形、又は楕円形である、請求項1〜61のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項63】
前記リザーバが、シールにより分離された幾つかの小リザーバから構成される、請求項1〜62のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項64】
前記リザーバの形状がドーナツ形である、請求項1〜63のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項65】
前記リザーバの形状が基本的に丸い角を有する長方形である、請求項1〜64のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項66】
前記リザーバの容積が2000mm未満である、請求項1〜65のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項67】
前記リザーバの容積が50mmより大きい、請求項1〜66のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項68】
前記パッチが2以上の別個のリザーバパッチに分離され得る、請求項1〜67のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項69】
前記2以上のリザーバパッチ間の境界領域(複数可)が所定の剥離線(523)を含む、請求項1〜68のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項70】
前記2以上の別個のリザーバパッチの角が予め丸められる、請求項1〜69のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項71】
前記パッチが丸い角を有する2以上の別個のパッチに分離され得る、請求項1〜70のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項72】
前記リザーバが流量制御ゲル(flux-controlling gel)を含む、請求項1〜71のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項73】
前記ゲルが、精製水並びにヒドロキシエチルデンプン、デキストラン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropycellulose)(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ピロリドン)、及びプルロニック類の群から選択されるゲル化剤により構成される、請求項1〜72のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項74】
前記ゲル化剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1〜73のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項75】
前記ゲル化剤がメチルセルロースである、請求項1〜74のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項76】
前記パッチが使用者の皮膚と調和するように着色される、請求項1〜75のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項77】
前記パッチが基本的に透明である、請求項1〜76のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項78】
前記パッチが前記支持体上にパターン又は絵を付けて製造される、請求項1〜77のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項79】
前記パッチ全体のサイズが40cm未満である、請求項1〜78のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項80】
前記パッチ全体のサイズが、25cm未満である、請求項1〜79のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項81】
前記パッチが長方形、円形、又は楕円形である、請求項1〜80のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項82】
前記パッチの曲げ強度が50mN/mmを下回る、請求項1〜81のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項83】
前記リザーバが別の活性成分をさらに含有する、請求項1〜82のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項84】
1つ又は複数の促進剤が、前記他の活性成分の取り込みを促進するために添加される、請求項1〜83のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。
【請求項85】
前記促進剤の存在量が2000mg未満である、請求項1〜84のいずれか一項に記載のタバコアルカロイドパッチ。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図6a】
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【図6b】
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【公表番号】特表2009−518319(P2009−518319A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543654(P2008−543654)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000779
【国際公開番号】WO2007/065428
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(508170807)
【Fターム(参考)】