説明

低温硬化用途向けの硬化剤

【課題】マンニッヒ塩基化合物を含む新規なマンニッヒ塩基誘導体組成物、及びこれらの新しい組成物の製造方法を開示すること。
【解決手段】次の(a)〜(c)のマンニッヒ塩基反応生成物を含む組成物;(a)少なくとも1種のアルデヒド化合物;(b)少なくとも1種のフェノール化合物:及び(c)約140〜約1000の数平均分子量(Mn)を有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、N,N’−ジメチル第2級ジアミン高分子量化合物のマンニッヒ塩基誘導体、これらの材料を用いるアミン及びアミン−エポキシ組成物、並びにエポキシ樹脂組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多官能価アミン、すわなち、3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有するアミン化合物を用いて、硬化されるか、堅くされるか、又は架橋されるエポキシ樹脂が、当業界で周知である。これらの材料は、例えば、コーティング、接着剤、複合材料、及び土木工学用途、例えば、フローリングの用途向けの配合物に広く用いられている。コーティング用途では、アミン硬化型エポキシ配合物は、一般的に、室温で硬化し、高い機械的強度、良好な耐水性、耐化学薬品性、及び耐腐食性、並びに優れた接着特性(特に金属基材に)を有するフィルムを形成する。そのようにして、それらは、巨大建造物、例えば、船舶、橋梁、並びに工場及び装置のためのプライマー及び上塗りとして用いられることが多い。
【0003】
アミン−エポキシコーティングの揮発性有機化合物(VOC)含有率に対する制限をおく規制の前は、配合物は、固形エポキシ樹脂に基づくことが多かった。これらの樹脂は、室温で固体である。固形エポキシ樹脂を用いるコーティングは、非常に早く乾燥するのが通常である。というのは、溶媒蒸発のみ(化学物質の硬化ではない)が、コーティングが指触乾燥状態に到達するために必要だったからである。
【0004】
VOC規制のため、室温で液体のエポキシ樹脂は、多くの用途において、固形エポキシ樹脂を置換してきた。これらの移行により、例えば、コーティング用途において、いくつかの課題が生じている。液状エポキシ樹脂に基づくアミン−エポキシ組成物は、比較可能な固形エポキシ樹脂配合物よりも非常にゆっくり硬化する傾向があり、そしてこの課題は、より低温においてさらに深刻となる。造船所は、例えば、寒い冬を有する場所に存在することが多く、そして塗料は、温度が約5℃以下の際に適用される必要がある。一定のアミン−エポキシコーティング配合物は、これらの温度において非常にゆっくり硬化し、塗装者が、必要に応じて第2又は第3のコーティングを適用することができるように要求される「ウォークオン(walk−on)」乾燥状態に達するために、少なくとも24時間必要とすることも多く、そしてある場合には、24時間よりもさらに多い時間を必要とする。研究室では、上記「ウォークオン」乾燥状態は、親指ひねり(thumb−twist)試験方法により見積もられることが多い。乾燥時間の遅さは、造船所の生産性に多大な影響を与えうる。従って、室温未満の温度における速い硬化速度は、多くの用途において望ましい特性である。
【0005】
アミン−エポキシ配合物中のアミン成分の揮発性を制限することがまた有益である。VOC規制に適合することに加え、揮発性を減らすことにより、作業者への暴露及び安全上の懸念を減らすことができる。
【0006】
固形エポキシ樹脂とは対照的に、液状エポキシ樹脂に基づくアミン−エポキシコーティング配合物はまた、一定の用途に関して要求されるよりも、たわみ性が少ない場合がある。例えば、最新の二重船側構造を用いる船舶において、バラストタンクを形成する2つの船殻において用いられているスチールは、単一の船殻の船舶において用いられるものよりも薄い。薄いゲージの結果として、上記スチールはさらにたわみ性を有し、特に溶接された継手の周囲で、コーティングの応力割れ破壊に至る場合がある。同様に、これは、修理が高価であり、且つ船舶の完全性に影響を与えうる腐食をもたらす場合がある。さらに、軌道車産業において、溶接継ぎ目のところで、コーティングのたわみ性の欠如のための課題がまたある。さらに、多くの他の用途におけるコーティングは、所望の用途に関する所望の耐衝撃性を達成するため、又は塗装後に金属を後形成するために、より大きなたわみ性を要求する。最終用途において、材料が受ける応力又は変形の量、並びに変形の速度は、要求されるたわみ性を決定するための重要な要因であり、ひいては、アミン−エポキシ組成物又は配合物の適合性を決定するための重要な要因である。土木工学用途、例えば、コンクリート及び他のセメント材料を含むものにおいて、より大きな膨張及び収縮に耐えることができ、そしてクラックブリッジング(crack bridging)用件に適合することができる、アミン−エポキシ材料がまた重要である。
【0007】
多くのエポキシコーティングは、第2又は第3のコーティングで、オーバーコートされている。追加のコーティングは、エポキシ系システムに制限されず、そして特定の最終用途特性、例えば、耐腐食性、耐候性等を付与するために、他の化学系コーティングシステム(例えば、ポリウレタン)を含むことができる。液状エポキシ樹脂に基づく配合物における中塗り付着は、中塗り付着の失敗をもたらすことが多い、比較可能な固形エポキシ樹脂配合物未満である。液状エポキシシステムに関して十分な中塗り付着が得られる場合において、中塗り付着の失敗を避けなければならないときには、リコーとは、制限された時間枠の中で行われなければならない場合が多い。この時間は、リコートウィンドーと称されることが多い。
【0008】
多くのアミン−エポキシコーティングは、当業界において白化、カルバメート化(carbamation)及び浸出物と称される課題を欠点として有する。これらの課題は、部分的には、アミン硬化剤及びエポキシ樹脂の相溶性に起因し、相分離が生じ、そしてアミンがコーティング表面に移行する。第1級アミンでは、当該移行性のアミンが、空気中に存在するCO2と反応し、カルバメート化を生ずることがある。カルバメート化状態又はベタベタした表面層(浸出物又は白化と称される)に関わらず、これらの表面欠陥は、コーティングの外観を損ない、そしてフィルムが重ね塗りされると、中塗り付着の不良をもたらすことがある。これらの問題は、一般的に、アミン−エポキシの相溶性が下がる、より低温で適用され、かつ硬化したコーティングの場合には、より悪いのが一般的である。
【0009】
一定のマンニッヒ塩基が、アミン−エポキシ配合物内で用いられうる。というのは、それらは、低温において、速い硬化速度を示すことが多いが、上記材料は、欠点がないからである。例えば、一定のマンニッヒ塩基に用いられるアミン−エポキシコーティングは、白化、カルバメート化、及び浸出物、並びに乏しいコーティングたわみ性を欠点として有することが多い。さらに、上記マンニッヒ塩基化合物を合成するために用いられる方法によっては、許容できない量の残余のフェノールが残る場合がある。フェノールは、有毒な化学物質であり、そして化学物質内に1%超の濃度でフェノールが存在する場合には、作業者への暴露を最小化する特別な処理技法、特別な標識、及び個人保護装置の使用が要求される場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ポリアミド、フェナルカミン(phenalkamine)、及びアミンアダクトを含む、アミン−エポキシコーティング産業で用いられている、いくつかの広範囲の種類の多官能価のアミン硬化剤が存在する。これらの公知の生成物は、上記課題を解決すること又は要求することを扱っていない。従って、本発明は、この目的に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、マンニッヒ塩基化合物を含む新規なマンニッヒ塩基誘導体組成物、及びこれらの新しい組成物の製造方法を開示する。これらのマンニッヒ塩基誘導体組成物を、例えば、アミン−エポキシ組成物内のアミン系硬化剤として用いることができる。
【0012】
本発明の態様の一つでは、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物は、次の(a)〜(c)のマンニッヒ塩基反応生成物を含む;
(a)少なくとも1種のアルデヒド化合物;
(b)少なくとも1種のフェノール化合物;及び
(c)約140〜約1000の数平均分子量(Mn)を有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー。
【0013】
別の態様では、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物は、次の(a)及び(b)の反応生成物を含む;
(a)少なくとも1種の二置換化又は三置換化マンニッヒ塩基化合物;及び
(b)約140〜約1000のMnを有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー。
【0014】
さらに別の態様では、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物は、次の式を有するアミン化合物を含む:
【化1】

ここで、
mは、1,2又は3であり;
Rは、水素原子又はC1〜C18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル又はアルケニル基であり;
各R’は、独立して、水素原子又は次の式を有する部分である:
【化2】

ここで、
Rは、上述の通りに規定され;
tは、0,1又は2であり;
各R’’は、独立して、水素原子又は次の式を有する部分である:
【化3】

ここで、
Rは、上述の通りに規定され;
uは、0,1又は2であり;そして
各Xは、独立してポリオキシアルキレン部分又は次の式を有する部分である:
【化4】

ここで、
1は、C2〜C8の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイルであり;そして
nは、0〜50の範囲における整数である。
【0015】
本発明の他の態様では、アミン硬化剤組成物が提供される。上記組成物を用いて、エポキシ樹脂を硬化、固化又は架橋させることができる。アミン硬化剤組成物は、(i)上述の3種のマンニッヒ塩基誘導体組成物の任意の1種;及び(ii)3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミンを含むことができる。
【0016】
別の態様では、本発明は、(a)マンニッヒ塩基誘導体組成物、及び、所望による、3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミン;及び(b)少なくとも1種の多官能価のエポキシ樹脂を含むエポキシ成分を含むアミン−エポキシ組成物に向けられている。本発明のアミン−エポキシ組成物を硬化させることにより得られる組成物、並びにこれらの組成物を含む製品がまた、本発明により企図される。上記製品には、コーティング、接着剤、建造物、フローリング製品、複合製品等が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
本発明のアミン−エポキシ組成物を用いて、一般的なアミン−エポキシコーティングと比較して、改良された「ウォークオン」乾燥時間、迅速な硬度の進行、良好な光沢及び外観、並びに/又は優れた耐衝撃性及びたわみ性を有するコーティングを生成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[定義]
次の定義及び略称は、当業者が、本発明の詳細な説明を理解することを手助けするために提供されるものである。
AHEW−アミン水素当量.
BA−ベンジルアルコール、Fisher Scientific UK Ltdから市販される。
CX−105−Sunmide(商標)CX−105、Air Products and Chemicals,Inc.から市販される、フェナルカミン、AHEW=142.
DGEBA−ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル.
EEW−エポキシ当量.
K54−Ancamine(商標)K54、Air Products and Chemicals,Inc.から市販される、トリス−(ジメチルアミノメチル)フェノール.
n−数平均分子量.
MPCA−MBPCAAとも称される。MPCAは、多官能価アミン類に適合するメチレン架橋されたポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミンの混合物である。Ancamine(商標)2168、Air Products and Chemicals,Inc.から市販され、57のAHEWを有するMPCAであり、そして例において利用されたグレードである。
NC541 LV−Cardolite(商標)NC541 LV、Cardolite Corporationから市販される、低粘度フェナルカミン、AHEW=125.
PHR−100重量部の樹脂当りの部数.
【0019】
[アミン及びアミン−エポキシ組成物]
本発明は、マンニッヒ塩基化合物を含む新規なマンニッヒ塩基誘導体組成物、及びこれらの組成物の製造方法に関する。
本発明の態様の一つに従うと、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物は、次の(a)〜(c)のマンニッヒ塩基反応生成物を含む;
(a)少なくとも1種のアルデヒド化合物;
(b)少なくとも1種のフェノール化合物;及び
(c)約140〜約1000の数平均分子量(Mn)を有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー。
【0020】
別の態様では、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物は、次の(a)及び(b)の反応生成物を含む;
(a)少なくとも1種の二置換化又は三置換化マンニッヒ塩基化合物;及び
(b)約140〜約1000のMnを有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー。
【0021】
さらに別の態様では、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物は、次の式を有するアミン化合物を含む:
【化5】

ここで、
mは、1,2又は3であり;
Rは、水素原子又はC1〜C18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル又はアルケニル基であり;
各R’は、独立して、水素原子又は次の式を有する部分である:
【化6】

ここで、
Rは、上述の通りに規定され;
tは、0,1又は2であり;
各R’’は、独立して、水素原子又は次の式を有する部分である;
【化7】

ここで、
Rは、上述の通りに規定され;
uは、0,1又は2であり;そして
各Xは、独立してポリオキシアルキレン部分又は次の式を有する部分である:
【化8】

ここで、
1は、C2〜C8の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイルであり;そして
nは、0〜50の範囲における整数である。
【0022】
本発明の他の態様では、アミン硬化剤組成物が提供される。例えば、エポキシ樹脂を硬化、固化又は架橋させるために、アミン硬化剤組成物を用いることができる。
アミン硬化剤組成物は、
(i)上述の3種のマンニッヒ塩基誘導体組成物の任意の1種;及び
(ii)3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミンを含むことができる。
【0023】
本発明の別の態様では、上記アミン硬化剤組成物は、1%〜99%のマンニッヒ塩基誘導体組成物を含むことができる。別の態様では、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物を、上記アミン硬化剤組成物の総量の約10%〜約90%の量で用いることができる。これらのパーセンテージは、上記アミン硬化剤組成物の総量の重量に基づく、重量%である。すなわち、追加の成分の存在は、重量%の計算に含まれない。例えば、コーティングの製造の実施において用いられるように、上記アミン硬化剤組成物は、希釈剤又は溶媒、例えば、ベンジルアルコール内で提供されうる。従って、本発明のアミン成分又は組成物の重量%を論ずる場合、他に記載がない限り、任意の希釈剤又は他の添加剤の影響は除外される。一例として、所与の適用において、65重量部の本発明のマンニッヒ塩基誘導体組成物と、35重量部の多官能価アミンとが、40重量部のベンジルアルコール及び添加剤(例えば、充填剤)と共に用いられる場合、当該マンニッヒ塩基誘導体組成物の重量%は、上記アミン硬化剤組成物の総量の重量に基づいて65%となる。追加の材料の存在は、上記アミン硬化剤組成物の総重量に関して、マンニッヒ塩基誘導体組成物のパーセンテージの決定に影響を与えない。
【0024】
本発明に従う別の硬化剤組成物は、
(i)アミン硬化剤組成物の総量に基づいて、約90%〜約10重量%のマンニッヒ塩基誘導体組成物;及び
(ii)アミン硬化剤組成物の総量に基づいて、約10%〜約90重量%の3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミンを含む。
さらなる態様では、上記3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミンはまた、6つ又は7つ以上の炭素原子を有する。
【0025】
本発明はまた、上記アミン硬化剤組成物の総量の約80%〜約20重量%が上記マンニッヒ塩基誘導体組成物であるアミン硬化剤組成物を企図する。さらに別の態様では、上記アミン硬化剤組成物の総量の約75%〜約25重量%は、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物である。さらに、これらの文脈では、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物は、上述の3種のマンニッヒ塩基誘導体組成物のいずれかであることができる。
【0026】
上記多官能価アミンの量に対する上記マンニッヒ塩基誘導体組成物の相対量は、例えば、最終用途の製品、その所望の特性、並びに最終用途の製品を製造するために用いられる作製方法及び条件によって変わりうる。例えば、アミン−エポキシコーティング用途において、上記多官能価アミンの量に対してより一層の上記マンニッヒ塩基誘導体組成物を導入すると、一般的に、より高いたわみ性、より広いリコートウィンドーを有し、そしてより速く硬化し、そして/又はより低い温度で硬化させることができるコーティングが生ずる。逆に、相対的に多くの多官能価アミンを導入すると、改良された耐薬品性を有し、そしてより高い最終硬度を有することが多いコーティングを生ずるのが一般的である。
【0027】
本発明の別の態様によると、アミン−エポキシ組成物が提供される。
例えば、アミン−エポキシ組成物は、次の(a)及び(b)を含むことができる;
(a)マンニッヒ塩基誘導体組成物:及び
(b)少なくとも1種の多官能価のエポキシ樹脂を含むエポキシ成分。
【0028】
本発明のさらに別の態様では、次の(a)及び(b)を含むアミン−エポキシ組成物が提供される;
(a)アミン硬化剤組成物:及び
(b)少なくとも1種の多官能価のエポキシ樹脂を含むエポキシ成分。
この態様では、上記アミン硬化剤組成物は、
(i)上述の3種のマンニッヒ塩基誘導体組成物のいずれか1つ;及び
(ii)3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミン
を含むことができる。
【0029】
さらなる態様では、本発明は、上述のアミン−エポキシ組成物を硬化させる方法を企図する。例えば、上記アミン−エポキシ組成物を、約23℃以下の温度で硬化させることができる。別の態様では、上記アミン−エポキシ組成物を、約5℃以下の温度で硬化させることができる。本発明のアミン−エポキシ組成物は、一般的なアミン−エポキシ組成物と比較して、約5℃以下の温度を含む、室温以下の温度において、改良された硬化速度を提供する。
【0030】
本発明のアミン−エポキシ組成物は、
(a)マンニッヒ塩基誘導体組成物、及び、所望による、3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミン;並びに(b)少なくとも1種の多官能価のエポキシ樹脂を含むエポキシ成分を含む。本発明のアミン−エポキシ組成物を硬化させることにより得られる組成物、並びにこれらの組成物を含む製品がまた、本発明に企図される。上記製品は、コーティング、接着剤、建造物、フローリング製品、複合製品等を含むことができるが、これらに制限されない。例えば、上記製品は、金属又はセメント基材に適用されるコーティングであり得る。追加の成分又は添加剤を、本発明の組成物と共に用いて、種々の製品を生産することができる。
【0031】
本発明はまた、エポキシ樹脂組成物の製造方法を提供する。
上記方法の一つは、次の各ステップを含む;
(a)マンニッヒ塩基誘導体組成物及び所望による3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミンを含むアミン成分を生成させるステップ:そして
(b)上記アミン成分を、少なくとも1種の多官能価のエポキシ樹脂と、約1.5:1〜約1:1.5の範囲にわたる、上記多官能価のエポキシ樹脂中のエポキシ基:上記アミン成分内のアミン水素の化学量論比において接触させるステップ。
【0032】
本明細書に開示されるアミン−エポキシ組成物及びエポキシ組成物の製造方法によると、エポキシ成分中のエポキシ基:アミン成分又は組成物中のアミン水素の化学量論比は、約1.5:1〜約1:1.5の範囲にわたる。さらに別の態様では、上記エポキシ成分中のエポキシ基:上記アミン成分又は組成物中のアミン水素の化学量論比は、約1.3:1〜約1:1.3の範囲にわたる。これらの化学量論比は、それぞれのアミン成分及びエポキシ成分の総量に基づく。例えば、上記アミン成分が、65重量部のマンニッヒ塩基誘導体組成物と、35重量部の多官能価アミンとを含む場合、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物及び上記多官能価アミンの両方に由来するアミン水素の総量を用いて化学量論比を決定する。
【0033】
さらに、本発明の組成物において、全ての成分が室温で液状であること、すなわち、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物、上記少なくとも1種の多官能価アミン化合物、及び上記少なくとも1種の多官能価エポキシ樹脂化合物が、室温において全て液状であることが有益でありうる。この開示では、室温又は周囲温度は、約23℃である。
【0034】
本件出願人は、本発明において、いくつかの種類の範囲を開示する。これらには、重量%の範囲、温度の範囲、原子の数の範囲、分子量の範囲、アミン水素当量の範囲、アミン価の範囲、整数の範囲、及び化学量論比の範囲が含まれるが、これらに限定されるものではない。本件出願人が、任意の種類の範囲を開示又は主張する場合、本件出願人の意図は、上記範囲が、正当に網羅することができる個々の可能性のある数並びに任意の部分的範囲及びその中に網羅される部分的範囲の組み合わせを開示又は主張することである。例えば、本件出願人が、ある数の炭素原子を有する化学成分を開示又は主張する場合、本件出願人の意図は、その中の開示と一致して、そのような範囲が網羅できる個々の全ての可能性がある数を開示又は主張することである。例えば、「R’’」が、本明細書において、C1〜C18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基であり、又は別の言葉で、1〜18個の炭素原子を有するとする開示は、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17又は18個の炭素原子を有するアルケニル基、並びにこれら2つの数の間の任意の範囲(例えば、C1〜C10アルキル又はアルケニル基)及びこれら2つの数の間の任意の範囲の任意の組み合わせを含むC1〜C10アルキル又はアルケニル基(例えば、C2〜C6及びC9〜C15アルキル又はアルケニル基)から独立して選択可能な「R’’」基に言及する。
【0035】
同様に、mgKOH/gの単位におけるマンニッヒ塩基誘導体組成物のアミン価に関する別の典型例が続く。アミン価が、約85〜約910の範囲内にある公表により、出願人は、当該アミン価が、約85、約90、約95、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、約280、約290、約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、約400、約410、約420、約430、約440、約450、約460、約470、約480、約490、約500、約510、約520、約530、約540、約550、約560、約570、約580、約590、約600、約610、約620、約630、約640、約650、約660、約670、約680、約690、約700、約710、約720、約730、約740、約750、約760、約770、約780、約790、約800、約810、約820、約830、約840、約850、約860、約870、約880、約890、約900又は約910から選択されうることを列挙する。さらに、上記アミン価は、約85〜約910の任意の範囲(例えば、上記アミン価が、約400〜約900の範囲にある)内にあることができ、そしてこれは、約85〜約910の範囲の任意の組み合わせ(例えば、上記アミン価が、約100〜約300、又は約700〜約880の範囲にある)を含む。同様に、本明細書に開示される他の全ての範囲は、これら2つの例と同様の様式において説明されるべきである。
【0036】
本件出願人は、例えば、本件出願人が本出願の時点で気づかない可能性がある引例を説明するため、何からの理由で本件出願人が開示の正確な量目未満を主張することを選択した場合、範囲又は同様の様式に従って主張されることができる、上記群内の部分的範囲又は部分的範囲の組み合わせを含む、任意の上記群の個々の数を除外するか、又は条件外とする権利を留保する。さらに、本件出願人は、例えば、本件出願人が本出願の時点で気づかない可能性がある引例を説明するため、何からの理由で本件出願人が開示の正確な量目未満を主張することを選択した場合、任意の個々の置換基、類似体、化合物、配位子、構造体若しくはその群、又は主張される群の要素を除外するか、又は条件外とする権利を保留する。
【0037】
本明細書において、用語「接触生成物」は、上記成分が、任意の順序、任意の様式及び任意の時間、共に接触させる生成物を記載するために用いられる。例えば、上記成分を、ブレンド又は混合して接触させることができる。さらに、任意の成分の接触を、本明細書に記載される上記組成物又は配合物の他の任意の成分の存在下又は不存在下で生じさせることができる。追加の材料又は成分の混合を、当業者に公知の方法で実施することができる。さらに、用語「接触生成物」は、混合物、ブレンド、溶液、スラリー、反応生成物等、又はそれらの組み合わせを含む。「接触生成物」は、2種又は3種以上の成分の反応生成物を包含することができるが、それぞれの成分に関して、お互いに反応することは要求されない。
【0038】
組成物及び方法が、種々の成分又は各ステップを「含む(含んで成る)」という用語で記載される一方で、上記組成物及び方法はまた、上記種々の成分又は各ステップから「本質的に成る」又は「成る」ことができる。
【0039】
[マンニッヒ塩基誘導体組成物]
一般的に、本発明のマンニッヒ塩基誘導体組成物は、アミン化合物を含む、高分子量の非ゲル化組成物である。
上記組成物の一つには、次の式により具体的に説明されるアミン化合物が含まれる:
【化9】

ここで、
mは、1,2又は3であり;
Rは、水素原子又はC1〜C18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル又はアルケニル基であり;
各R’は、独立して、水素原子又は次の式を有する部分である:
【化10】

ここで、
Rは、上述の通りに規定され;
tは、0,1又は2であり;
各R’’は、独立して、水素原子又は次の式を有する部分である;
【化11】

ここで、
Rは、上述の通りに規定され;
uは、0,1又は2であり;そして
各Xは、独立してポリオキシアルキレン部分又は次の式を有する部分である:
【化12】

ここで、
1は、C2〜C8の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイルであり;そして
nは、0〜50の範囲における整数である。
【0040】
アミン水素当量(AHEW)約98〜約2100を有する式(I−A)に包含される高分子量のマンニッヒ塩基誘導体組成物は、本発明の範囲内である。別の態様では、上記組成物は、約100〜約1700、又は約105〜約1350の範囲におけるAHEWを有する。さらに別の態様では、上記AHEWは、約105〜約1000、約105〜約750、又は約105〜約500の範囲内にある。例えば、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物のAHEWは、約115〜約300の範囲にあることができる。
【0041】
式(I−A)に包含されるマンニッヒ塩基誘導体組成物のアミン価は、概して、約85〜約910mgKOH/gの範囲内にある。本発明の他の態様では、この組成物のアミン価は、約100〜約910、約130〜約900、又は約200〜約890の範囲内にあることができる。例えば、上記アミン価は、約300〜約890の範囲内にあることができる。別の態様では、上記アミン価は、約400〜約900、約500〜約900、又は約600〜約900の範囲内にある。異なる態様では、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物のアミン価は、約700〜約880の範囲内にある。
【0042】
上述の式(I−A)、並びに式(I−B)、式(I−C)及び式(II)は、種々の部分の立体化学又は異性体位置を示すようにデザインされていない(例えば、これらの式は、シス又はトランス異性体を示すようにデザインされていない)が、上記化合物は、これらの式を企図し、そして包含される。
【0043】
式(I−A)中の整数mは、1、2又は3であり、一方、Rは、水素原子又はC1〜C18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基であることができる。他に規定がない限り、本明細書に記載されるアルキル及びアルケニル基は、全ての構造異性体、与えられた部分の直鎖又は分岐鎖を含むことを意図する。例えば、全てのエナンチオマー及び全てのジアステレオマーは、この定義に含まれる。一例として、他に規定がない限り、用語「プロピル」は、n−プロピル及びイソプロピルを含むことを意図し、一方、用語「ブチル」は、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、sec−ブチル等を含むことを意味する。例えば、オクチル異性体の非限定的な例には、2−エチルヘキシル及びネオオクチルが含まれる。本発明に用いることができるアルキル基の好適な例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル等が含まれるが、これらに限定されるものではない。他のアルキル基、例えば、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル、C18アルキル等をまた、本発明において用いることができる。式(I−A)では、Rは、アルケニル基であることができ、その例には、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等、並びにC14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル、又はC18アルケニル基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
本発明の態様の一つでは、Rは、水素原子である。別の態様では、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、又はドデシル基である。さらに別の態様では、Rは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、又はデセニル基である。本発明の他の態様では、さらに、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、C15アルキル基、又はC15アルケニル基であることができる。
【0045】
式(I−A)における各R’は、独立して、水素原子又は上述の式(I−B)を有する部分である。本発明の態様の一つでは、例えば、式(I−A)における各R’は、水素原子である。式(I−B)では、Rは、上述のように、水素原子又はC1〜C18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル又はアルケニル基である。式(I−B)における整数tは、0、1又は2であり、そして式(I−B)における各R’’は、上述のように、独立して、水素原子又は式(I−C)を有する部分である。式(I−C)では、Rは、上述のように、水素原子又はC1〜C18の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基である。式(I−C)における整数uは、0、1又は2である。
【0046】
式(I−A)、式(I−B)及び式(I−C)における各Xは、独立して、ポリオキシアルキレン部分又は次の式を有する部分である:
【化13】

式中、
1は、C2〜C8の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイルであり;そして
nは、0〜50の範囲における整数である。
【0047】
一般的に、上記ポリオキシアルキレン部分は、プロピルエーテル繰返し単位、エチルエーテル繰返し単位、又はそれらの組み合わせを含む。例えば、上記ポリオキシアルキレン部分は、以下であることができる:
【化14】

(式中、p、q、r及びsは、独立して、0〜50の範囲における整数である)。
上記式(III)及び式(IV)は、種々の部分の立体化学又は異性体位置を示すようにデザインされていない(例えば、これらの式は、シス又はトランス異性体を示すようにデザインされていない)が、上記化合物は、これらの式を企図し、そして包含される。
【0048】
「アルカンジイル」部分として式(II)においてR1を記載することにより、出願人は、そのジイル部分の化学原子価のルールに一致するように要求される水素原子の数と共に、R1部分の炭素原子数を明記する。例えば、上記式において、R1が他の2つの基と結合するという事実は、アルカンジイルのこの記載と一致する。
【0049】
他に特に規定がない限り、本明細書に記載されるアルカンジイル基は、直鎖又は分岐鎖の全ての構造異性体の所与の部分を含むことを意図する;例えば、全てのエナンチオマー及び全てのジアステレオマーは、この定義内に含まれる。一例として、他に規定がない限り、用語「プロパンジイル」は、1,1−プロパンジイル、1,2−プロパンジイル、1,3−プロパンジイル、及び2,2−プロパンジイルを含むことを意味する。同様に、ブタンジイルは、ブタンの全ての立体及び部分(regio)ジイル異性体、例えば、n−ブタン−1,1−ジイル、n−ブタン−1,2−ジイル、n−ブタン−1,3−ジイル、n−ブタン−1,4−ジイル、n−ブタン−2,3−ジイル、2−メチルプロパン1,1−ジイル、2−メチルプロパン−1,3−ジイル等を含むことを意味する。
【0050】
式(II)におけるR1が、C2〜C8の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイルであることは、本発明の範囲内である。別の態様では、R1は、C3〜C8の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイルである。さらに別の態様では、R1は、C3〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイルである。例えば、R1は、C3又はC6の直鎖のアルカンジイルであることができる。
【0051】
本発明のマンニッヒ塩基誘導体組成物を、当該組成物が少なくとも1種の繰返し単位を含むことができる化合物を示すポリマーとして記載することができる。用語「ポリマー」の出願人の使用は、低分子量ポリマー又はオリゴマーを含む、全ての分子量のポリマーを含むことを意味する。ポリマー及びオリゴマーの間の分子量に、当該産業に受け入れられたカットオフが存在しないので,本件出願人は、この開示の初めから終わりまで用語「ポリマー」を用いることと、同様に、用語「ポリマー」がオリゴマーを包含することを意図することとを選択した。
【0052】
本発明の化合物は高分子量であるので、上記組成物は、異なる繰り返し単位数を有する異なるサイズの分子の混合物を必然的に含む。さらに、上述の式を有するアミン化合物を含む高分子量のマンニッヒ塩基組成物において、整数n、p、q、r及びsは、それぞれ、そして独立して、ゼロであることができる。
【0053】
例えば、式(II)の角型括弧内の部分は、所与の分子又は化合物内の繰返し単位を具体的に説明し、そこでは、整数「n」は、その分子又は化合物内の繰返し単位数を表す。式(I−A)により表される本発明のマンニッヒ塩基誘導体組成物は高分子量であり、それは、種々のサイズの分子又は化合物の混合物、すなわち、種々のnの値により表される。整数nに関して、0〜50又はそれ超に変化することは、本発明の範囲内である。異なる態様では、式(II)におけるnは、0〜40、又は0〜30、又は0〜20の範囲にわたる。
【0054】
本発明の異なる態様では、式(II)における整数nは、1〜50、例えば、1〜40、又は1〜30の範囲にわたる。本発明の別の態様では、整数nは、1〜20の範囲にわたることができる。さらに、本発明のさらに別の態様では、nは、1〜10の範囲における整数である。さらに別の態様では、nは、1〜6の範囲における整数である。nは、高分子量組成物内の単一の分子又は化合物に関する繰返し単位の数を表す整数を表し、そこでは、当該高分子量組成物は、nの値の分布、分子サイズの分布、及び分子量の分布を有することが理解される。
【0055】
同様に、式(III)を有する部分には、プロピルエーテル繰返し単位が含まれる。当業者は、上記高分子量の繰返し単位は、プロピレンオキシド重合と同様の様式において誘導されうることを認めるであろう。式(III)において、整数「p」は、高分子量組成物内の分子又は化合物における繰返し単位の数を表す。整数pが、0〜50又はそれ超に変化することは、本発明の範囲内である。あるいは、式(III)におけるpは、0〜40、0〜30又は0〜20の範囲にわたる。異なる態様では、pは、0〜10の範囲にわたる。しかし、本発明の別の態様によると、pは、1〜50、例えば、1〜30、1〜20又は1〜10の範囲内にある。本発明のさらに別の態様では、整数pは、1〜6の範囲内にあり得る。
【0056】
式(IV)を有する部分には、プロピルエーテル及びエチルエーテル繰返し単位が含まれる。当業者は、上記高分子量の繰返し単位は、ポリエチレンオキシド鎖がポリプロピレンオキシド繰返し単位でキャップされるエチレンオキシド及びプロピレンオキシド重合と同様の様式において誘導されうることを認めるであろう。式(IV)において、整数「q」、「r」及び「s」は、上記高分子量組成物内の分子又は化合物の繰返し単位数を表す。これらの整数のそれぞれにおいて、独立して、0〜50又はそれ超の範囲にわたることは、本発明の範囲内である。ある場合では、これらの整数は、独立して、0〜30又は0〜20の範囲内にある。例えば、整数q、r及びsは、独立して、0〜10又は0〜6に変化することができる。あるいは、本発明の別の態様では、整数q、r及びsは、独立して、1〜40、1〜30、又は1〜20に変化することができる。さらに別の態様では、整数q、r及びsは、独立して、1〜10又は1〜6の範囲にわたる。
【0057】
本発明によると、これらの新規な高分子量のマンニッヒ塩基誘導体組成物の製造方法が開示されている。これらの新規な組成物を製造するために用いられる反応物質の一つは、N,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー、又はメチルアミン−末端化ポリマー、例えば、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)又はメチルアミン−末端化ポリオキシプロピレンである。これらの高分子量材料、及びこれらの材料の合成方法は、2006年10月20日に出願された米国特許出願番号第11/584388号明細書に開示されている(全体を参照することにより、本明細書に組み入れる)。
【0058】
これらのN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーのMnデータと、続く例1〜5に提示されるデータとは、ガスクロマトグラフィー(GC)技法を用いて測定された。この手順は、炎イオン化検出器を備えるHewlett−Packard 6890 ガス・クロマトグラフを用いた。当該インレットを、分割比10:1を用いて275℃で操作した。上記GC技法は、2分の初期保持時間と共に、50℃の初期温度を用い、次いで、285℃の最大温度まで、7℃/分の速度で昇温した。当該最高温度を、さらに30分間保持した。当該カラムは、公称530μmの直径と、公称2.65μmのフィルム厚とを有する、公称30mのHP−5(5%フェニルメチルシリコーン、95%ジメチルシリコーン)キャピラリカラムであった。ヘリウムの初期流速は、4.2mL/分であった。
【0059】
nは、溶出材料の質量が、このGC技法により得られる面積%に比例すると仮定して決定した。反応副生成物は、Mnの計算に含まれず、そして上記に与えられたGC条件の下で溶出するために十分な揮発性を有する高分子量種のみが計算に含まれる。Mnは、各面積%(質量に比例)を、特定の高分子量種の分子量で割り、その種の相対モル(relativemole)を与えて測定した。次いで、上記高分子量種の相対モルの合計を、当該高分子量種の面積%に分割してMnを得た。総面積%は、反応副生成物の面積%を除外する。当業者に認められるであろう様に、Mnが大きくなると、分布中のより高い分子量種の揮発性が低いために、あるポイントで、Mnを測定するために、別の技法、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いることができる。いくつかのN,N’−ジメチル第二級ジアミンポリマーの場合、これは、Mnが約400を超えると生ずる。
【0060】
本発明によると、マンニッヒ塩基誘導体組成物を製造するために用いられうるN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーの実例には、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)、メチルアミン−末端化ポリオキシプロピレン、メチルアミン−末端化ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンコポリマー、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアザシクロヘプタン)等、又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアザシクロヘプタン)の合成の非限定的な例が、例1に具体的に説明されており、一方、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)の合成の非限定的な例が、例2〜例5に実証されている。メチルアミン−末端化ポリオキシプロピレンの合成の建設的な例が、続く発展例6に示されている。これらの材料に対する追加の情報が、2006年10月20日に出願された米国特許出願番号第11/584388号明細書に開示されている(全体を参照することにより、本明細書に組み入れる)。
【0061】
本発明の高分子量のマンニッヒ塩基誘導体組成物の製造方法の一つは、少なくとも1種のアルデヒド化合物、少なくとも1種のフェノール化合物、及び約140〜約1000の数平均分子量(Mn)を有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーを接触させることである。製造された化合物はまた、N,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーのマンニッヒ塩基誘導体と称される。一般的に、この合成方法では、少なくとも1種のアルデヒド化合物:少なくとも1種のフェノール化合物のモル比は、約3:1以下であり、そして少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー:少なくとも1種のアルデヒド化合物のモル比は、約1:1以上である。本発明のこの方法に従うマンニッヒ塩基誘導体組成物の合成の非現的な例が、例18〜25に具体的に開示されている。
【0062】
マンニッヒ塩基は、フェノール又は置換されたフェノール、多官能価アミン、及びアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)の縮合生成物である。マンニッヒ塩基の調製のために用いられる一般的に実施されるフェノールの潮流は、メタ位置がC15不飽和脂肪鎖で置換されたフェノールを含むカルダノールである。これらの後者のマンニッヒ塩基は、当業界でフェナルカミンと称されることが多い。マンニッヒ塩基を調製するための方法の一つは、少なくとも1種のフェノール又は置換されたフェノール、少なくとも1種の多官能価アミン、及び少なくとも1種のアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)の反応に向けられている。マンニッヒ塩基を合成するこの方法は、以下に提示される一般的な反応スキームに具体的に説明されており、そこでは、上記多官能価アミンは、ジ−第1級アミンである。
【化15】

【0063】
フェノール、アルデヒド及び第1級若しくは第2級アミン又はアンモニアからのマンニッヒ塩基の調製は、当業者に周知である。例えば、J.March,Advanced Organic Chemistry,Third Ed.,John Wiley and Sons,New York,1985,pages496及び800〜802(参照により、本明細書に組み入れる)は、一般的なマンニッヒ塩基反応スキームを提供する。
【0064】
当業界に公知の一般的なマンニッヒ塩基化合物(すなわち、本発明の高分子量のマンニッヒ塩基誘導体組成物ではない)は、アミン−エポキシ配合物内で用いられている。というのは、一般的に、それらは、低温で直ちに硬化するからである。しかし、これらの一般的なマンニッヒ塩基化合物を用いたアミン−エポキシコーティングは、白化、カルバメート及び浸出物が現れ、たわみ性に乏しいことが多い。さらに、この直接反応により製造されたマンニッヒ塩基は、大量の残余のフェノールを含むのが一般的である。フェノールは、有毒な化学物質であり、化学物質の混合物又は組成物中に1%超の濃度でフェノールが存在する場合には、、作業者への暴露を最小化する特別な処理技法、特別な標識、及び個人保護装置の使用が要求されるのが一般的であり、それらの全てにより、これらの製品が商業的に受け入れられる機会が損なわれる。
【0065】
フェノールを完全に転換させる反応を推進する化学量論比を調製するための試みは、フェノール含有率が約1%未満に減少する前に、反応がゲル化に至るのが一般的である。ゲル化を避けるための方法の一つは、大量の残余のフェノールが最終製品に必然的に残るように、反応物質の化学量論比を調整することである。一般的に、本発明のマンニッヒ塩基誘導体組成物は、非ゲル化組成物である。
【0066】
本発明の態様の一つによると、マンニッヒ塩基誘導体組成物が提供される。
この組成物は、(a)〜(c)のマンニッヒ塩基反応生成物を含む;
(a)少なくとも1種のアルデヒド化合物;
(b)少なくとも1種のフェノール化合物;及び
(c)約140〜約1000のMnを有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー。
【0067】
この直接反応方法によるマンニッヒ塩基誘導体の調製時に用いられる少なくとも1種のフェノール化合物は、フェノール又は単置換化C1〜C18アルキルフェノール若しくはアルケニルフェノールである。上記単置換化フェノールの全ての異性体(オルト、メタ及びパラ)を用いることができる。好適なフェノール化合物の非限定的な例には、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、カルダノール等、又はそれらの組み合わせが含まれる。カルダノールは、カシューナッツ油に由来し、そしてメタ位置がC15の飽和及び不飽和脂肪鎖で置換されたフェノールを含む。
【0068】
少なくとも1種のアルデヒド化合物において、当業者に周知である一般的な縮合反応のために用いられる任意の市販の形態(例えば、液状)におけるホルムアルデヒドを用いることができる。液状のホルムアルデヒドは、パラホルムアルデヒドとしても知られている高分子量のホルムアルデヒド種を含むことができる。ホルマリンは、用いることができるホルムアルデヒドの別の形態である。他のC2〜C12のアルデヒドをまた、直接マンニッヒ塩基反応に用いることができる。
【0069】
典型的には、N,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーのマンニッヒ塩基誘導体の調製時に用いられる、少なくとも1種のアルデヒド化合物(例えば、ホルムアルデヒド):少なくとも1種のフェノール化合物(例えば、未置換のフェノール)のモル比は、約3:1以下である。上記比が、約3:1超であると、過剰のホルムアルデヒド(又は他のアルデヒド化合物)が、アミンをメチレン単位と結合させ、続いて、エポキシ樹脂を硬化させるために上記組成物を用いた際に、大気中の水により加水分解され、ホルムアルデヒドを放出する場合がある。単置換化アルキルフェノール又はアルケニルフェノールを用いる場合、少なくとも1種のアルデヒド化合物:少なくとも1種のフェノール化合物のモル比は、約2:1未満であることが一般的である。
【0070】
いくつかの用途に関して、なくとも1種のアルデヒド化合物:少なくとも1種のフェノール化合物のモル比に対する下限は、約1:1である。この比が減少すると、残余の遊離のフェノールの濃度を下げることがさらに難しくなる。さらに、組成物全体の中のフェノール性OH基の濃度が減少すると、マンニッヒ塩基化合物のエポキシ樹脂との反応の速度が減少し、アミン−エポキシ組成物に関するより長い硬化時間が生ずることが多い。
【0071】
未置換のフェノールを用いる、本発明の態様の一つによると、ホルムアルデヒド又は他のアルデヒド化合物:フェノールのモル比は、約2:1〜約3:1の範囲内にある。例えば、上記モル比は、約2.2:1〜約3:1又は約2.5:1〜約2.9:1の範囲内にありうる。メタ位に単置換化フェノールを用いる本発明の態様では、ホルムアルデヒド又は他のアルデヒド:少なくとも1種のフェノール化合物のモル比は、約1:1〜約3:1、例えば、約1.3:1〜約2.5:1又は約1.5:1〜約1.9:1である。オルト位又はパラ位に単置換化フェノールを用いる態様では、ホルムアルデヒド又は他のアルデヒド:少なくとも1種のフェノール化合物のモル比は、約1:1〜約2.5:1である。さらに、上記モル比は、約1:1〜約2:1又は約1.5:1〜約1.9:1であることができる。
【0072】
少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー:少なくとも1種のアルデヒド化合物(例えば、ホルムアルデヒド)のモル比は、最終生成物の粘度を最小化するため、そして少なくとも1種のフェノール化合物として未置換のフェノールが用いられる場合にゲル化を防ぐために、約1:1以上であるのが一般的である。しかし、より高い粘度の生成物が望ましい場合、反応生成物がゲル化しない限り、より低いモル比を用いることができる。本発明の態様の一つによると、少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー:少なくとも1種のアルデヒド化合物(例えば、ホルムアルデヒド)のモル比は、約1:1〜約3:1、例えば、約1:1〜約2.5:1の範囲にわたる。約2.5:1超のモル比を用いることができるが、フェノール性OH濃度を、上述のホルムアルデヒド:フェノール比により決定されるように下げることができる。これはまた、アミン−エポキシコーティングの外観にマイナスの影響を与える傾向がある遊離のアミンの濃度を高くするであろう。別の態様では、少なくとも1種のジアミンポリマー:少なくとも1種のアルデヒド化合物のモル比は、約1.2:1〜約1.8:1の範囲にある。
【0073】
上述の直接方法によるマンニッヒ塩基化合物の調製に関する一般的な手順の種々の改良が用いられることができ、そして本発明の範囲内である。例えば、フェノール(又は置換されたフェノール)及びホルムアルデヒド(又は他のアルデヒド化合物)を共に混合し、そして約100℃に加熱し、続いてN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーを添加することができる。追加の加熱及び蒸留法を経由した水の除去により、マンニッヒ塩基誘導体が生ずる。あるいは、フェノール(又は置換されたフェノール)及びホルムアルデヒド(又は他のアルデヒド化合物)の事前混合溶液を、N,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーに添加し、続いて水を除去するために蒸留することができる。別の手順では、ホルムアルデヒド(又は他のアルデヒド化合物)を、N,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーに添加し、続いてフェノール化合物を添加し、加熱し、次いで水を除去するために蒸留することができる。また、N,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー及びフェノール化合物を共に混合し、続いて、ホルムアルデヒド(又は他のアルデヒド化合物)を添加し、そして水を除去することができる。
【0074】
本発明の態様の一つでは、上記フェノール又は置換されたフェノールを、N,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーと接触させる。次いで、液状のホルムアルデヒドを、発熱量が制御されるように、室温又は若干高温で、反応混合物に添加する。続いて、上記反応混合物を加熱し、反応を完了させる。反応温度は、約50〜約100℃の範囲内であるのが一般的であるが、これらよりも高温又は低温を用いることができる。別の態様では、反応温度は、約70〜約90℃の範囲にわたる。ホルムアルデヒド供給源としてホルマリンが用いられる場合には、反応完了に達した後、水及びメタノールを除去するために温度を高める。
【0075】
一般的に、上記少なくとも1種のアルデヒド化合物、少なくとも1種のフェノール化合物、及び少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーを、任意の順序又は連続的に接触させ、続いて反応させ、生ずるマンニッヒ塩基誘導体組成物を形成することができる。
【0076】
従って、マンニッヒ塩基誘導体組成物は、少なくとも1種のアルデヒド化合物、少なくとも1種のフェノール化合物、及び約140〜約1000のMnを有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーのマンニッヒ塩基反応生成物を含むことができる。一般的に、少なくとも1種のアルデヒド化合物:少なくとも1種のフェノール化合物のモル比は、約3:1以下であり、そして少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー:少なくとも1種のアルデヒド化合物のモル比は、約1:1以上である。これら及び他の態様では、上記少なくとも1種のアルデヒド化合物は、ホルムアルデヒドを含むことができる。別の態様では、上記少なくとも1種のフェノール化合物は、フェノール、クレゾール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、カルダノール、又はそれらの組み合わせを含む。さらに別の態様では、上記少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーは、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチル−アゼチジン)、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチル−アザシクロヘプタン)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0077】
少なくとも1種のアルデヒド化合物、少なくとも1種のフェノール化合物、及び少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーの反応生成物を含むマンニッヒ塩基誘導体組成物は、約98〜約1350のAHEWを有するのが一般的であるが、別の態様では、この組成物は、約100〜約1200又は約105〜約1000の範囲におけるAHEWを有する。さらに別の態様では、上記AHEWは、約105〜約800、約105〜約600又は約105〜約400の範囲にある。例えば、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物のAHEWは、この態様では、約115〜約300の範囲にあることができる。
【0078】
同様に、このマンニッヒ塩基誘導体組成物のアミン価は、約85〜約910mgKOH/gの範囲内にある。本発明の他の態様では、この組成物のアミン価は、約100〜約910、約130〜約900又は約200〜約890の範囲にあることができる。例えば、上記アミン価は、約300〜約890の範囲にあることができる。別の態様では、上記アミン価は、約400〜約900、約500〜約900又は約600〜約900の範囲にあることができる。異なる態様では、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物のアミン価は、約700〜約880の範囲内にある。
【0079】
本発明の別の態様によると、次の(a)及び(b)の反応生成物を含むマンニッヒ塩基誘導体組成物が提供される;
(a)少なくとも1種の二置換化又は三置換化マンニッヒ塩基化合物;及び
(b)約140〜約1000のMnを有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー。
【0080】
この組成物は、少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーの実質的にフェノールを含まないマンニッヒ塩基誘導体を製造することができる交換反応を用いる。一般的に、少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー:少なくとも1種の二置換化又は三置換化マンニッヒ塩基化合物のモル比は、約1:1〜約6:1の範囲にある。本発明のこの方法によるマンニッヒ塩基誘導体組成物の合成の非限定的な例は、例7〜例10及び例26に具体的に説明されている。
【0081】
態様の1つでは、上記少なくとも1種の二置換化又は三置換化マンニッヒ塩基化合物は、ビス−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス−(ジメチルアミノメチル)フェノール、又はそれらの組み合わせを含む。本発明の別の態様では、上記少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーは、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチル−アゼチジン)、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチル−アザシクロヘプタン)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。さらに別の態様では、上記少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーは、ポリオキシアルキレンジアミン、例えば、メチルアミン末端化ポリオキシプロピレン又はメチルアミン−末端化ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンコポリマーを含むことができる。トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを含む交換反応では、例えば、ジメチルアミンを、ジアミンポリマーにより置換して、本発明のマンニッヒ塩基誘導体を製造する。三置換化マンニッヒ塩基化合物、トリス−(ジメチルアミノメチル)フェノールが、Air Products and Chemicals,Inc.から、Ancamine(商標)K54として市販されている。
【0082】
上記交換方法において利用される上記マンニッヒ塩基化合物は、上記直性反応方法の記述において上記で言及されたのと同一のフェノール、例えば、フェノール、t−ブチルフェノール、及びカルダノールから誘導することができる。交換のために用いられる第2級アミンは、蒸留法により上記反応混合物から簡易に除去されるべき十分な揮発性を有する第2級アミンであることができる。それは、本発明にふさわしいので、上記第2級アミンの沸点が、用いられるジアミンポリマーの沸点と十分に異なることが有益である。好適な第2級アミンには、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、メチルピペラジン等、又はそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
典型的には、少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー:少なくとも1種の三置換化マンニッヒ塩基化合物(例えば、トリス−(ジメチルアミノメチル)フェノール)のモル比は、非ゲル化反応生成物が生成するモル比である。少なくとも1種のジアミンポリマー:少なくとも1種の三置換化マンニッヒ塩基化合物のモル比は、約2:1〜約6:1、例えば、約3:1〜約4.5:1の範囲にあることが多い。二置換化マンニッヒ塩基化合物との交換反応を実施する場合には、用いられる少なくとも1種のジアミンポリマー:少なくとも1種の二置換化マンニッヒ塩基化合物のモル比は、約1:1〜約4.5:1の範囲内にありうる。別の態様では、上記モル比は、約2:1〜約3:1の範囲内にある。上記モル比が低くなると、上記反応生成物の粘度が高くなるのが一般的である。逆に、上記モル比が高くなると、エポキシ樹脂との硬化時間が増えるので、遊離のジアミンポリマーの濃度が高くなるのが一般的である。
【0084】
本発明のアミン交換反応は、加熱し、そして少なくとも1種の二置換化又は三置換化マンニッヒ塩基化合物を、少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーと接触させることにより実施されうる(一般的には、撹拌しながら、少なくとも約100℃の温度まで)。他の態様では、反応温度は、約130℃〜約220℃又は約140℃〜約180℃の範囲内にありうる。所望により、上記反応物質を、不活性溶媒又は希釈剤の存在下で接触させることができる。上記反応において遊離した第2級アミンを、冷却した容器内に蒸留することができる。
【0085】
少なくとも1種の二置換化又は三置換化マンニッヒ塩基化合物及び少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーの反応生成物を含むマンニッヒ塩基誘導体組成物は、約107〜約2100のAHEWを有するのが一般的である。別の態様では、この組成物は、約110〜約1500又は約110〜約1000の範囲におけるAHEWを有する。さらに別の態様では、上記AHEWは、約110〜約800、約110〜約600又は約115〜約400の範囲にある。この態様では、例えば、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物のAHEWは、約115〜約300の範囲内にあることができる。
【0086】
同様に、このマンニッヒ塩基誘導体組成物のアミン価は、約130〜約900mgKOH/gの範囲内にあるのが典型的である。本発明の他の態様では、この組成物のアミン価は、約150〜約910、約200〜約900又は約250〜約890の範囲内にあることができる。例えば、上記アミン価は、約300〜約890の範囲にあることができる。別の態様では、上記アミン価は、約400〜約900、約500〜約900又は約600〜約900の範囲にある。異なる態様では、上記マンニッヒ塩基誘導体組成物のアミン価は、約700〜約880の範囲にある。
【0087】
[多官能価アミン]
本発明に従う組成物は、少なくとも1種の多官能価アミンを含むことができる。本明細書における多官能価アミンは、3つ又は4つ以上の活性アミン水素を含む、アミン官能基との化合物を記載する。
【0088】
作業者の暴露及び安全性の問題が生ずる可能性がある一部の用途では、用いられる特定の多官能価アミンの揮発性を制限することが有益な場合がある。従って、本発明の態様の一つでは、上記少なくとも1種の多官能価アミンは、6個又は7個以上の炭素原子を含む。別の態様では、上記少なくとも1種の多官能価アミンは、8個又は9個以上の炭素原子を含む。さらに別の態様では、上記少なくとも1種の多官能価アミンは、12個又は13個以上の炭素原子を含む。
【0089】
本発明の範囲内である多官能価アミンの非限定的例には、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン;脂肪族アミン、脂環式アミン若しくは芳香族アミンのマンニッヒ塩基誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン若しくは芳香族アミンのポリアミド誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン若しくは芳香族アミンのアミドアミン誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン若しくは芳香族アミンのアミンアダクト誘導体等;又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。この部分に開示されるマンニッヒ塩基誘導体は、本発明のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーのマンニッヒ塩基誘導体ではない。
【0090】
1種超の多官能価アミンを、本発明の組成物中で用いることができる。例えば、上記少なくとも1種の多官能価アミンは、脂肪族アミンと、脂環式アミンのマンニッヒ塩基誘導体とを含むことができる。また、上記少なくとも1種の多官能価アミンは、1種の脂肪族アミン及び1種の異なる脂肪族アミンを含むことができる。
【0091】
例示的な脂肪族アミンには、ポリエチレンアミン(トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等)、1,6−ヘキサンジアミン、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,5,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(Dytek−Aとして市販されている)、ビス−(3−アミノプロピル)アミン、N,N’−ビス−(3−アミノプロピル)−1,2−エタンジアミン、アミノエチルピペラジン等、又はそれらの組み合わせが含まれる。さらに、Huntsman Corporationから、Jeffamineの名称の下で市販されるポリ(アルキレンオキシド)ジアミン及びトリアミンが、本発明に有用である。実例には、Jeffamine(商標)D−230、Jeffamine(商標)D−400、Jeffamine(商標)D−2000、Jeffamine(商標)D−4000、Jeffamine(商標)T−403、Jeffamine(商標)EDR−148、Jeffamine(商標)EDR−192、Jeffamine(商標)C−346、Jeffamine(商標)ED−600、Jeffamine(商標)ED−900、Jeffamine(商標)ED−2001等、又はそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
脂環式及び芳香族アミンには、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、水素化オルト−トルエンジアミン、水素化メタ−トルエンジアミン、メタキシリレンジアミン、水素化メタキシリレンジアミン(商業的に、1,3−BACとも称される)、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミンの種々の異性体、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、メチレン架橋したポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミンの混合物等、又はそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。上記メチレン架橋したポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミンの混合物は、MBPCAA又はMPCAのどちらかと省略され、そして米国特許第5,280,091号明細書(参照により、全体を本明細書に組み入れる)に記載されている。本発明の態様の一つでは、上記少なくとも1種の多官能価アミンは、メチレン架橋したポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミン(MPCA)の混合物である。
【0093】
多官能価アミンとして用いるために好適なマンニッヒ塩基誘導体は、肪族のアミン、脂環式アミン又は芳香族アミンをフェノール又は置換されたフェノール及びホルムアルデヒドと上述の反応を行うことにより製造されうる。本発明において、実用性を有するマンニッヒ塩基を製造するために用いられる例示的な置換されたフェノールは、カシューナッツ油から得られるカルダノールである。あるいは、マンニッヒ塩基は、マンニッヒ塩基、例えば、トリス−ジメチルアミノメチルフェノール(Air Products and Chemicals,Inc.からAncamine(商標)K54として市販される)又はビス−ジメチルアミノメチルフェノールを含む第3級アミンと、多官能価アミンを交換反応させて調製することができる。ポリアミド誘導体は、脂肪族アミン、脂環式アミン又は芳香族アミンを、ダイマー脂肪酸又はダイマー脂肪酸及び脂肪酸の混合物と反応させて調製することができる。アミドアミン誘導体は、脂肪族アミン、脂環式アミン又は芳香族アミンを、脂肪酸と反応させて調製することができる。アミンアダクトは、脂肪族アミン、脂環式アミン又は芳香族アミンを、エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル、ビスフェノール−Fのジグリシジルエーテル、又はエポキシノボラック樹脂と反応させて調製できる。脂肪族、脂環式及び芳香族アミンはまた、単官能性のエポキシ樹脂、例えば、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、他のアルキルグリシジルエーテル等に付加させることができる。
【0094】
[多官能価のエポキシ樹脂]
本発明のアミン−エポキシ組成物は、エポキシ成分を含み、当該エポキシ成分は少なくとも1種の多官能価エポキシ樹脂を含む。本明細書において、多官能価のエポキシ樹脂は、1分子当り、2個又は3個以上の1,2−エポキシ基を含む化合物を記述する。この種のエポキシド化合物は、Y.Tanakaの「Synthesis and Characteristics of Epoxides」in C.A.May,ed.,Epoxv Resins Chemistry and Technology(Marcel Dekker,1988)に記載されている(参照により、本明細書に組み入れる)。
【0095】
本発明において用いるために好適なエポキシ樹脂の一種には、二価フェノールのグリシジルエーテルを含む、多水酸基フェノールのグリシジルエーテルが含まれる。実例には、レソルシノール、ヒドロキノン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールAとして商業的に知られている)、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン(ビスフェノールFとして商業的に知られており、そして種々の量の2−ヒドロキシフェニル異性体を含む)等のグリシジルエーテル、又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
さらに、次の構造の改良された二価フェノールがまた、本発明で有用である:
【化16】

(式中、mは整数であり、そしてRBは、二価フェノールの炭化水素基、例えば、上記に列挙される二価フェノールの炭化水素基である)。
この式に従う材料を、二価フェノール及びエピクロロヒドリンの混合物を重合して、又は二価フェノール及び二価フェノールのジグリシジルエーテルの混合を促進して調製することができる。任意の所与の分子において、tの値は整数であるが、当該材料は、常に、必ずしも自然数ではないtの平均値により特徴付けることができる混合物である。0〜約7のtの平均値を有する高分子量の材料を、本発明の一態様で用いることができる。
【0096】
別の態様では、ノボラック樹脂のグリシジルエーテルであるエポキシノボラック樹脂を、本発明に従う多官能価のエポキシ樹脂として用いることができる。
さらに別の態様では、上記少なくとも1種の多官能価エポキシ樹脂は、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル(DGEBA)、DGEBAの改良された又はより高分子量のバージョン、ビスフェノール−Fのジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、又はそれらの任意の組み合わせである。DGEBAのより高分子量のバージョン又は誘導体は、改良方法により調製され、当該方法では、過剰量のDGEBAが、ビスフェノール−Aと反応して、エポキシを末端に有する生成物が生ずる。上記生成物に関するエポキシ当量(EEW)は、約450〜3000、又はそれより多い範囲にわたる。これらの生成物は、室温で固形であるので、それらは固形のエポキシ樹脂と称されることが多い。
【0097】
DGEBA又は改良されたDGEBA樹脂は、それらの低コスト及び高い一般性能特性の組み合わせために、コーティング配合物中で用いられることが多い。約174〜約250、そしてさらに一般的には約185〜約195の範囲にわたるEEWを有する商用グレードのDGEBAを容易に入手することができる。これらの低分子量において、上記エポキシ樹脂は液状であり、そして液状エポキシ樹脂と称されることが多い。純粋なDGEBAは174のEEWを有するので、大部分のグレードの液状のエポキシ樹脂はいくぶん高分子量であることが、当業者に理解されている。一般的に、上記改良方法により調製された250〜450のEEWを有する樹脂はまた、半固形エポキシ樹脂と称されている。というのは、それらは室温で固形物及び液状物の混合物であるからである。
【0098】
最終用途によっては、エポキシ成分を変性して本発明の組成物の粘度を下げることが有益である場合がある。例えば、上記粘度を下げて、適用を容易にしながら、配合物又は組成物中の顔料の濃度を高くするか、又はより高分子量のエポキシ樹脂を用いることができる。従って、少なくとも1種の多官能価エポキシ樹脂を含むエポキシ成分が単官能性エポキシドをさらに含むことは、本発明の範囲内である。モノエポキシドの例には、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びフェノール、クレゾール、tert−ブチルフェノール、他のアルキルフェノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、C4〜C14のアルコール等のグリシジルエーテルが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
[その他の添加剤]
本発明の組成物を用いて、種々の製品を製造することができる。当該製品の最終用途に関して、又は当該製品の製造の際の要件にもよるが、上記配合物及び組成物中で種々の添加剤を用いて特定の性質を調整することができる。これらの添加剤には、溶剤、促進剤、可塑剤、充填剤、繊維、例えば、ガラス繊維又は炭素繊維、顔料、顔料分散剤、レオロジー調整剤、チキソトロープ剤(thixotrope)、流動助剤(flow aid)若しくはレベリング助剤(leveling aid)、消泡剤、又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。当業界に公知の他の混合物又は材料を、上記組成物又は配合物に含ませることができ、そして本発明の範囲内にあることが理解されるべきである。
【0100】
さらに、本発明の範囲内の組成物は、無溶剤(溶剤を含まない、又は100%固体であるとも称される)であることができる。あるいは、これらの組成物は、少なくとも1種の溶剤(溶剤は、希釈剤とも称される)をさらに含むことができる。溶剤又は溶剤混合物は、上記組成物又は配合物に関して、上記配合物の成分の溶解性を維持しながら、特有の蒸発速度プロファイルを与えるように選択される。
【0101】
[製品]
本発明はまた、本明細書に開示される組成物を含む製品に向けられている。例えば、製品は、アミン硬化剤成分及びエポキシ成分の接触生成物を含むアミン−エポキシ組成物を含むことができる。上記アミン硬化剤成分は、N,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー及び少なくとも1種の多官能価アミン及びN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーの少なくとも1種のマンニッヒ塩基誘導体を含むことができる。上記エポキシ成分は、少なくとも1種の多官能価エポキシ樹脂を含むことができる。所望の特性にもよるが、二次加工品を製造するために、用いられた組成物又は配合物中に、所望により、種々の添加剤が存在してもよい。これらの添加剤には、溶剤、促進剤、可塑剤、充填剤、繊維、例えば、ガラス繊維又は炭素繊維、顔料、顔料分散剤、レオロジー調整剤、チキソトロープ剤、流動助剤若しくはレベリング助剤、消泡剤、又はそれらの任意の組み合わせが含まれうるが、これらに限定されるものではない。
【0102】
本発明に従う製品には、コーティング、接着剤、建造物、フローリング製品又は複合製品が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのアミン−エポキシ組成物に基づくコーティングは、溶剤を含まなくてもよく、又は特定の用途に関して、必要に応じて溶剤若しくは希釈剤を含むことができる。例えば、50%超、65%超、75%超又は85%超の固形分を有するコーティングが本発明の範囲内である。塗料用途に用いるために、コーティングは、種々の種類及び濃度の顔料を含むことができる。
【0103】
当業者に周知であるように、好適な非常に多くの基材が、適切な表面調製を有する、本発明のコーティング用途向けに好適である。上記基材には、コンクリート並びに種々の種類の金属及び合金、例えば、スチール及びアルミニウムが含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば、本発明のコーティングの低温硬化特性、室温で適用される場合の良好な外観特性、及び良好なたわみ性により、船舶、橋梁、工場及び工場設備、並びに床を含む室温又はそれより寒い条件で塗装及び/又は硬化させなければならない大きな金属物体又はセメント基材を塗装又はコーティングする場合に、本発明のコーティングが好適である。本発明のコーティングを、約−10℃〜約50℃の範囲にわたる温度において、又は約0℃〜約35℃の範囲にわたる温度において適用し、そして硬化させることができる。必要に応じ、これらのコーティングをまた、より高温で強制硬化(force cure)させることができ、当該硬化した材料のたわみ性を改良できる場合が多い。
【0104】
本発明のコーティングを、スプレー、ブラシ、ローラー、ペイントミット(paint mitt)等を含む任意の数の技法により適用することができる。本発明の非常に高い固形分又は100%固体のコーティングを適用するために、複数の部品のスプレー適用装置を用いることができ、そこでは、上記アミン及びエポキシ成分は、スプレーガンそのものの中のスプレーガンに至る系統内で混合されるか、又はそれらが当該スプレーガンから出る際に2成分を共混合して混合される。この技法を用いて、上記配合物のポットライフに関する制限を軽減することができ、典型的にはアミン反応性及び固形分が増加するにつれ、当該制限が軽減される。加熱された複数の部品の装置を用いて、上記成分の粘度を下げ、それにより適用の容易性を向上させることができる。
【0105】
建築及びフローリング用途には、当該建築産業に一般的に用いられるコンクリート及び他の材料と組み合わせた、本発明のアミン−エポキシ組成物を含む組成物が含まれる。本発明の組成物を、エポキシ系床の構成物において、多くの場合には、セメント状又は他の類似の種類のフローリング材料から通常得られる伸び率又は機械的性質よりも良好な伸び率又は良好な機械的性質(例えば、改良された抗張力又は改良された圧縮強度)を要求する適用において用いることができる。クラック注入及びクラック充填製品、並びにポリマー改良化セメント、タイルグラウト等をまた、本明細書に開示される組成物から調製することができる。本明細書に開示されるアミン−エポキシ組成物を含む複合製品又は製品の非限定的な例には、テニスラケット、スキー板、バイクフレーム、飛行機の翼、ガラス繊維強化複合材料及び他の成形物が含まれる。
【実施例】
【0106】
次の例により、本発明をさらに具体的に説明するが、次の例は、本発明の範囲を制限するものとして、決して解釈されるべきではない。明細書を参照した後、それらの種々の他の態様、実施形態、改良、及び均等物は、本発明の精神又は添付の特許請求の範囲から外れることなく当業者にそれら自体を示唆することができる。
【0107】
アミン−エポキシ組成物のコーティングを次の様に調製し、そして試験した。本発明に従うアミン組成物を含む硬化剤混合物又は組成物は、次の表に与えられる成分を接触させ、そして混合して調製された。次いで、それぞれの硬化剤混合物若しくは組成物、又は個々の硬化剤を、100重量の樹脂当りの部数(PHR)において表に示される使用水準で、多官能価のエポキシ樹脂と混合した。これらの例で用いられるエポキシ樹脂は、182〜192の範囲におけるEEWを有するビスフェノール−A(DGEBA)、グレードD.E.R.(商標)331のジグリシジルエーテルであった。このエポキシ樹脂は、Dow Chemical Companyから市販されている。
【0108】
例11〜例17及び例27〜例41では、クリアーコーティングを、標準的なガラスパネルに適用し、Beck−Koller乾燥時間記録計を用いた乾燥時間試験用と、Persoz振り子型硬度法による硬度改良用との試料を作成した。親指ひねり法による乾燥時間用と、鏡面光沢試験用とのクリアーコーティングを、未コートの絹目紙のチャート(AG5350、Byk)に適用した。コーティングを、Bard製の棒状アプリケータを用いて、約75μmのWFT(ウェット膜厚)に適用し、約60〜70μmの範囲にわたる乾燥膜厚を得た。例11〜例17及び例27〜例35のコーティングを、Weiss製人工気象室(WEKK0057型)を用いて、5℃及び80%RH(相対湿度)又は25℃及び60%RHのどちらかで硬化させた。例36〜41のコーティングは、Weiss製人工気象室を用いて、5℃及び60%RHで硬化させた。Persoz硬度を、表に示す時点で測定した。
【0109】
耐衝撃性及びマンドレル曲げ試験用のクリアーコーティングを、それぞれ、公称75WFTのワイヤーバーを用いて、それぞれ、一面を磨いた冷間圧延鋼試験パネル(おおよそのサイズ76mm×152mm×0.8mm厚)と、平滑仕上げの冷間圧延鋼(おおよそのサイズ76mm×152mm×0.5mm厚)とに適用した。金属試験パネルを、Q Panel Lab Productsから得た。次のスケジュールに従ってフィルムを硬化させた:(A)14日、室温(室温は約23℃である);(B)14日、室温、次いで80℃で2時間;又は(C)60日、室温。硬化スケジュールA及びCに従う乾燥膜厚は、約60〜80μmであり、そしてスケジュールBに従う乾燥膜厚は、約50〜55μmであった。
【0110】
例11〜例17の場合、混合粘度は、Viscotherm VT10水浴及びMC20温度制御ユニットを備えるRheolab MC20装置(Physica)を用いて測定した。当該装置を、TEK150コーンプレートを用いてセットアップし、そしてコンピュータに接続した。当該装置を25℃で平衡にさせた後、コーン(MK22)とプレートとのギャップを約50μmにセットした。試験前に、試料を25℃で、24時間平衡させた。示すように混合した後、上記ギャップからはみ出た過剰の生成物を取り除き、そして当該混合された生成物の回転粘度を、30秒後に200レシプロカル秒ずり速度で記録した。
【0111】
コーティング特性を、表1に列挙する一般的な試験方法に従って評価した。耐水跡性は、規定の時間の間、コーティングの表面に水滴を置き、そして当該コーティングの影響を観察することにより試験された。この試験は、水又は湿気と長時間接触させることにより、コーティングの表面がダメージを受けるか、又は審美的な影響を受けるか評価するために、当業界で行われている。
【0112】
【表1】

【0113】
[例1]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアザシクロヘプタン)の合成]
135gのアジポジニトリル、50gのイソプロパノール、及び2.7gのPd/Al23触媒を、スターラーと、1Lの水素バラストタンクとを備える1Lのステンレス鋼バッチ型圧力反応器内に入れた。当該Pd/Al23触媒は、Johnson−Mathey Corporationから市販されている。上記反応器を密封し、続いて窒素及び水素でパージして当該反応器から空気を除去した。上記反応器内容物を撹拌しながら当該反応器に、85gの無水メチルアミンを添加した。次いで、上記反応器を、水素を用いて1.72MPa(250psi)まで加圧し、そして120℃まで加熱した。これらの条件を、上記バラストタンクからの水素の取り込み速度が、0.0034MPa/分(0.5psi/分)未満に下がるまで維持した。これが生じたら、上記反応器圧力を5.86MPa(850psi)まで上げた。これらの条件を、上記バラストタンクからの水素の取り込み速度が、0.0034MPa/分(0.5psi/分)未満に下がるまで維持した。上記反応器を室温まで冷却して、そして減圧し、そして当該反応生成物をろ過して上記触媒を取り除いた。次いで、ロータリーエバポレーションにより溶剤を除去した。得られた反応生成物は、約121の推定アミン水素当量(AHEW)を有するメチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアザシクロヘプタン)であった。上述のGC技法を用いて、Mnを約184であると測定した。
メチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアザシクロヘプタン)は、次の化学構造を有する。
【0114】
【化17】

【0115】
例1のメチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアザシクロヘプタン)化合物を、ジメチル第2級ジアミン1と称し、DSD−1と省略する。DSD−1を、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて解析し、そして面積%による次のポリマー分布を有し、そして「その他」は、GCを用いて分離又は同定されず、かつMnの決定に用いられなかった反応副生成物を表す。
【0116】
【表2】

【0117】
[例2]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)の合成]
282gのアクリロニトリル及び8.5gの水を、スターラーを備える1Lのステンレス鋼バッチ型圧力反応器に入れた。上記反応器を密封し、続いて窒素でパージして、当該反応器から空気を除去した。上記反応器内容物を撹拌しながら、200gのメチルアミンを、5時間かけて当該反応器に添加した。当該メチルアミンの添加の際、上記反応器温度を55〜60℃の範囲に保持した。次いで、上記メチルアミンの添加が完了した後、上記温度範囲を1.5時間維持した。上記反応器を冷却して、そして中間体生成物を取り出した。
【0118】
120gのイソプロパノール及び7.5gのPd/Al23触媒を、スターラーと、1Lの水素バラストタンクとを備える1Lのステンレス鋼バッチ型圧力反応器内に入れた。当該Pd/Al23触媒は、Johnson−Mathey Corporationから市販されている。上記反応器を密封し、続いて窒素及び水素でパージして当該反応器から空気を除去した。上記反応器内容物を撹拌しながら、当該反応器に90gの無水メチルアミンを添加した。次いで、上記反応器を、水素を用いて5.86MPa(850psi)まで加圧し、そして120℃まで加熱した。5時間にわたり、上記反応器に450gの上記中間体生成物を添加した。上記バラストタンクからの水素の取り込み速度が、0.0034MPa/分(0.5psi/分)未満に下がった時点で、上記中間体生成物の添加が完了した後、実質的に一定の反応器条件をさらに約2時間維持した。上記反応器を室温まで冷却して、そして減圧し、そして当該反応生成物をろ過して、上記触媒を取り除いた。次いで、溶剤をロータリーエバポレーションにより除去した。得られた反応生成物は、約100の推定AHEWを有する、メチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)であった。上述のGC技法を用いて、Mnを約198であると測定した。
メチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)は、次の化学構造を有する。
【0119】
【化18】

【0120】
例2のメチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)化合物を、ジメチル第2級ジアミン2と称し、DSD−2と省略する。DSD−2は、GCを用いて解析され、そして面積%による次のポリマー分布を有し、そして「その他」は、GCを用いて分離又は同定されず、かつMnの決定に用いられなかった反応副生成物を表す。
【0121】
【表3】

【0122】
[例3]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)の合成]
282gのアクリロニトリル及び8.5gの水を、スターラーを備える1Lのステンレス鋼バッチ型圧力反応器に入れた。上記反応器を密封し、続いて窒素でパージして、当該反応器から空気を除去した。上記反応器内容物を撹拌しながら、87gのメチルアミンを、5時間かけて当該反応器に添加した。当該メチルアミンの添加の際、上記反応器温度を55〜60℃の範囲に保持した。次いで、上記メチルアミンの添加が完了した後、上記温度範囲を1.5時間維持した。上記反応器を冷却して、そして中間体生成物を取り出した。
【0123】
120gのイソプロパノール及び7gのPd/Al23触媒を、スターラーと、1Lの水素バラストタンクとを備える1Lのステンレス鋼バッチ型圧力反応器内に入れた。当該Pd/Al23触媒は、Johnson−Mathey Corporationから市販されている。上記反応器を密封し、続いて窒素及び水素でパージして、当該反応器から空気を除去した。上記反応器内容物を撹拌しながら、当該反応器に約160gの無水メチルアミンを添加した。次いで、上記反応器を、水素を用いて5.86MPa(850psi)まで加圧し、そして120℃まで加熱した。5時間にわたり、上記反応器に350gの上記中間体生成物を添加した。上記バラストタンクからの水素の取り込み速度が、0.0034MPa/分(0.5psi/分)未満に下がった時点で、上記中間体生成物の添加を完了させた後、実質的に一定の反応器条件をさらに約2時間維持した。上記反応器を室温まで冷却して、そして減圧し、そして当該反応生成物をろ過して上記触媒を取り除いた。次いで、溶剤をロータリーエバポレーションにより除去した。得られた反応生成物は、約113の推定AHEWを有するメチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)であった。上述のGC技法を用いて、Mnを約253であると測定した。
メチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)は、次の化学構造を有する。
【0124】
【化19】

【0125】
例3のメチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)化合物を、ジメチル第2級ジアミン3と称し、DSD−3と省略する。DSD−3は、GCを用いて解析され、そして面積%による次のポリマー分布を有し、そして「その他」は、GCを用いて分離又は同定されず、かつMnの決定に用いられなかった反応副生成物を表す。
【0126】
【表4】

【0127】
[例4]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)の合成]
142.5重量部のアクリロニトリル及び3重量部の水を、スターラーを備える1Lのステンレス鋼バッチ型圧力反応器に入れた。上記反応器を密封し、続いて窒素でパージして当該反応器から空気を除去した。上記反応器内容物を撹拌しながら、4時間かけて100重量部のメチルアミンを当該反応器に添加した。当該メチルアミンの添加の際、上記反応器温度を55℃に保持した。次いで、上記メチルアミンの添加が完了した後、この温度を1.5時間維持した。上記反応器を冷却して、そして中間体生成物を取り出した。
【0128】
35重量部のイソプロパノール及び1.5重量部のPd/Al23触媒を、スターラーと、1Lの水素バラストタンクとを備える1Lのステンレス鋼バッチ型圧力反応器内に入れた。当該Pd/Al23触媒は、Johnson−Mathey Corporationから市販されている。上記反応器を密封し、続いて窒素及び水素でパージして、当該反応器から空気を除去した。上記反応器内容物を撹拌しながら、30重量部の無水メチルアミンを当該反応器に添加した。次いで、上記反応器を、水素を用いて5.86MPa(850psi)まで加圧し、そして120℃まで加熱した。4時間にわたり、上記反応器に100重量部の上記中間体生成物を添加した。上記バラストタンクからの水素の取り込み速度が、0.0034MPa/分(0.5psi/分)未満に下がった時点で、上記中間体生成物の添加を完了した後、実質的に一定の反応器条件をさらに約2時間維持した。上記反応器を室温まで冷却して、そして減圧し、そして当該反応生成物をろ過して、上記触媒を取り除いた。次いで、溶剤をロータリーエバポレーションにより除去した。得られた反応生成物は、約117の推定AHEWを有するメチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)であった。それは、877mgKOH/gのアミン価を有し、そしてブルックフィールド粘度は、スピンドルS62を用い、100rpmにおいて、17mPa.sであると測定された。上述のGC技法を用いて、Mnを約239であると測定した。
メチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)は、次の化学構造を有する。
【0129】
【化20】

【0130】
例4のメチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)化合物を、ジメチル第2級ジアミン4と称し、DSD−4と省略する。DSD−4は、GCを用いて解析され、そして面積%による次のポリマー分布を有し、そして「その他」は、GCを用いて分離又は同定されず、かつMnの決定に用いられなかった反応副生成物を表す。
【0131】
【表5】

【0132】
[例5]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)の合成]
273.5重量部のアクリロニトリル及び5.5重量部の水を、スターラーを備える1Lのステンレス鋼バッチ型圧力反応器に入れた。上記反応器を密封し、続いて窒素でパージして、当該反応器から空気を除去した。上記反応器内容物を撹拌しながら、4時間かけて100重量部のメチルアミンを当該反応器に添加した。当該メチルアミンの添加の際、上記反応器温度を55℃に保持した。次いで、上記メチルアミンの添加が完了した後、上記温度を1.5時間維持した。上記反応器を冷却して、そして中間体生成物を取り出した。
【0133】
35重量部のイソプロパノール及び1.5重量部のPd/Al23触媒を、スターラーと、1Lの水素バラストタンクとを備える1Lのステンレス鋼バッチ型圧力反応器内に入れた。当該Pd/Al23触媒は、Johnson−Mathey Corporationから市販されている。上記反応器を密封し、続いて窒素及び水素でパージして、当該反応器から空気を除去した。上記反応器内容物を撹拌しながら、当該反応器に30重量部の無水メチルアミンを添加した。次いで、上記反応器を、水素を用いて5.86MPa(850psi)まで加圧し、そして120℃まで加熱した。4時間にわたり、100重量部の上記中間体生成物を、上記反応器に添加した。上記バラストタンクからの水素の取り込み速度が、0.0034MPa/分(0.5psi/分)未満に下がった時点で、上記中間体生成物の添加を完了した後、さらに約2時間、実質的に一定の反応器条件を維持した。上記反応器を室温まで冷却して、そして減圧し、そして当該反応生成物をろ過して、上記触媒を取り除いた。次いで、溶剤をロータリーエバポレーションにより除去した。得られた反応生成物は、約113の推定AHEWを有するメチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)であった。それは、837mgKOH/gの酸価を有し、そしてブルックフィールド粘度を、スピンドルS62を用い、100rpmにおいて、21mPa.sであると測定した。上述のGC技法を用いて、Mnを約273であると測定した。メチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)は、次の化学構造を有する。
【0134】
【化21】

【0135】
例5の上記メチルアミンを末端に有するポリ−(N−メチルアゼチジン)化合物を、ジメチル第二級ジアミン5と称し、DSD−5と省略する。DSD−5は、GCを用いて解析され、そして面積%による次のポリマー分布を有し、そして「その他」は、GCを用いて分離又は同定されず、かつMnの決定に用いられなかった反応副生成物を表す。
【0136】
【表6】

【0137】
[発展例6]
[メチルアミン−末端化ポリオキシプロピレンの発展的合成]
当該合成反応を、連続反応器、例えば、内径約3.175cmと、長さ約69cmとのステンレス鋼製の管の中で実施することができる。第一に、約487mLの前還元の、ペレット化したニッケル銅クロム触媒を、上記反応器に入れた。当該触媒は、米国特許第3,654,370号明細書(参照により、本明細書に組み入れる)に記載されるように、約75モル%のニッケル、23モル%の銅及び2モル%のクロムを含むことができる。上記反応器内容物に、約160L/時間の速度における水素(0℃及び1大気圧で測定される)、約686g/時間の速度におけるメチルアミン、及び約304g/時間の速度におけるシクロヘキサン中のポリプロピレングリコールの約50%溶液を添加した。この合成に用いられたポリプロピレングリコールの分子量は、約400であることができる。上記反応器温度を、約240℃に制御すべきであり、そして当該圧力を約3000psigに保持すべきである。
【0138】
続いて、当該反応器流出液を約150℃で加熱して、メチルアミン及びシクロヘキサンを揮散させた。得られた反応生成物は、メチルアミン末端化ポリオキシプロピレンを含む液状物であった。当該反応生成物は、約90%超の理論含有率のアミノ基を有し、そして10%未満の元のヒドロキシル基を有するべきである。概して、約90%超の上記アミン基は、所望の生成物、N,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーであるメチルアミン末端化ポリオキシプロピレンを生ずる第2級アミノ基である。次いで、Mn及び分子サイズの分布を、上述のGC技法を用いて決定することができる。さらに、当業者に周知の分析方法を用いて、上記メチルアミンを末端に有するポリオキシプロピレンに関して、AHEWを見積もることができる。
【0139】
[例7]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)及びトリス−(ジメチルアミノメチル)フェノールからのマンニッヒ塩基誘導体の合成]
50.03gの例3のジメチル第2級ジアミン(DSD−3)及び26.61gのK54、トリス−(ジメチルアミノメチル)フェノールを、窒素インレット、機械攪拌機、熱電対、及び還流冷却器を備えている丸底フラスコ内に入れた。上記還流冷却器の頂部を、マグネチックスターラー及び窒素アウトレットを備えている第2の丸底フラスコの中心の首部に取り付けられているDewar製冷却器に接続した。この第2の丸底フラスコは、19.87gの酢酸及び39.77gの蒸留水で満たされていた。
【0140】
撹拌しながら、DSD−3及びK54の混合物の温度を、2.5時間の間に、室温〜190℃に上げ、そしてこの温度をさらに3時間保持した。続いて、温度を200℃に上げ、そして1時間保持した。
【0141】
得られた反応生成物は、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)のマンニッヒ塩基誘導体であった。この組成物は、ブルックフィールド(CP52スピンドル、20rpm)を用いた639mPa・s(25℃)の粘度と、831mgKOH/gのアミン価とを有していた。続く表において、例7の組成物を、MBC−7と称する。
【0142】
[例8]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)及びトリス−(ジメチルアミノメチル)フェノールからマンニッヒ塩基誘導体の合成]
50.02gの例4のジメチル第2級ジアミン(DSD−4)及び20.45gのK54を、窒素インレット、機械攪拌機、熱電対、及び還流冷却器を備えている丸底フラスコ内に入れた。上記還流冷却器の頂部を、マグネチックスターラー及び窒素アウトレットを備えている第2の丸底フラスコの中心の首部に取り付けられているDewar製冷却器に接続した。この第2の丸底フラスコは、15.29gの酢酸及び30.56gの蒸留水で満たされていた。
【0143】
撹拌しながら、DSD−4及びK54の混合物の温度を、20分の間に、室温から160℃に上げ、そしてこの温度をさらに3時間保持した。続いて、温度を2時間の間に180℃に上げ、次いでさらに2時間200℃に上げた。
【0144】
得られた反応生成物は、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)のマンニッヒ塩基誘導体であった。この組成物は、ブルックフィールド(CP52スピンドル、20rpm)を用いた2614mPa・s(25℃)の粘度と、820mgKOH/gのアミン価とを有していた。続く表において、例8の組成物を、MBC−8と称する。
【0145】
[例9]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)及びトリス−(ジメチルアミノメチル)フェノールからのマンニッヒ塩基誘導体の合成]
50.05gの例4のジメチル第2級ジアミン(DSD−4)及び17.72gのK54を、窒素インレット、機械攪拌機、熱電対、及び還流冷却器を備えている丸底フラスコ内に入れた。上記還流冷却器の頂部を、マグネチックスターラー及び窒素アウトレットを備えている第2の丸底フラスコの中心の首部に取り付けられているDewar製冷却器に接続した。この第2の丸底フラスコは、13.27gの酢酸及び26.5gの蒸留水で満たされていた。
【0146】
撹拌しながら、DSD−4及びK54の混合物の温度を、3時間の間に、室温から200℃に上げ、そしてこの温度をさらに3時間保持した。
【0147】
得られた反応生成物は、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)のマンニッヒ塩基誘導体であった。この組成物は、ブルックフィールド(CP52スピンドル、20rpm)を用いて59mPa・s(25℃)の粘度と、850mgKOH/gのアミン価とを有していた。続く表において、例9の組成物を、MBC−9と称する。
【0148】
[例10]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)及びトリス−(ジメチルアミノメチル)フェノールからのマンニッヒ塩基誘導体の合成]
46.75gの例4のジメチル第2級ジアミン(DSD−4)及び12.74gのK54を、窒素インレット、機械攪拌機、熱電対、及び還流冷却器を備えている丸底フラスコ内に入れた。上記還流冷却器の頂部を、マグネチックスターラー及び窒素アウトレットを備えている第2の丸底フラスコの中心の首部に取り付けられているDewar製冷却器に接続した。この第2の丸底フラスコは、9.54gの酢酸及び19.04gの蒸留水で満たされていた。
【0149】
撹拌しながら、DSD−4及びK54の混合物の温度を、20分の間に、室温から160℃に上げ、そしてこの温度をさらに1時間保持した。続いて、温度を178℃に上げ、そして30分保持し、次いで、187℃に上げ、そして1時間保持し、次いで195℃に上げ、そして2時間保持した。
【0150】
上記系内の残余のメチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)反応物質を、内部標準としてジグリムを用いたGCにより、そして反応完了の前後にn=1及びn=2オリゴマーの量を測定することにより見積もった。2つの測定値の平均は、最終生成物が、初期反応混合物内に充填されたDSD−4の重量に基づいて、約44%の重量のメチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)反応物質を取り込んだことを示している。
【0151】
[比較例11及び比較例12]
[比較のエポキシ−硬化剤組成物から製造されたコーティング]
比較例11及び比較例12の配合及び得られた特性を、表2及び表3に具体的に説明する。表に示されるように、比較例11及び比較例12のフェナルカミンに基づくコーティングは、5℃において、特に親指ひねり法で評価されるように、硬化速度が遅かった。さらに、比較例11及び比較例12のコーティングは、硬度発現、耐水跡性、裏面衝撃及びマンドレル曲げたわみ性が乏しかった。
【0152】
【表7】

【0153】
【表8】

【0154】
[例13〜例17]
[アミン−エポキシ組成物から製造されたコーティング]
創作例13〜17の配合及び得られた特性を、表4及び5に示す。例13〜17は、本発明に従うN,N’−ジメチル第2級ジアミンのマンニッヒ塩基誘導体を含む組成物を利用する例示的な配合物及びコーティングから得られる特性を具体的に説明するものである。
【0155】
表4に示すように、例13、例14及び例16は、多官能価アミン、MPCAと共に、それぞれ、MBC−7、MBC−8、及びMBC−9を利用した。例15は、ベンジルアルコールを含まなかった。例17は、MBC−9及び多官能価アミンの誘導体(フェナルカミン)を含んでいた。
【0156】
表2及び表4に具体的に説明されるように、例13〜例17のコーティングは、例11及び例12と比較して、高い光沢、並びに優れたたわみ性及び耐衝撃性を示した。表3及び表5におけるデータ(5℃)は、概して、例11及び例12のコーティングに対する例13〜例17のコーティングの改良された光沢及び速い乾燥速度を実証している。表2〜表5はまた、例11及び例12の比較上のコーティングに対して、例13〜例17のコーティングに関する有意に高いPersoz硬度を示している。例15は、本発明のマンニッヒ塩基誘導体を唯一の硬化剤として用い、一般的に良好なコーティング特性を有する100%固体の配合物を生成させることができることをさらに実証した。
【0157】
【表9】

【0158】
【表10】

【0159】
[例18〜例25]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)、フェノール、及びホルムアルデヒドからのマンニッヒ塩基誘導体の合成]
フェノール及び例4のジメチル第2級ジアミン(DSD−4)を、窒素パージ、機械攪拌機、熱電対及び還流冷却器を備えている4首フラスコ内に、表6に列挙される量及び条件で充填した。熱電対を用いて、反応温度及び上記冷却器の取出しポイントにおけるヘッド温度をモニターした。
【0160】
例18〜例25のそれぞれに関する一般的な手順は、次の通りであった。ホルムアルデヒド溶液(37%、水及びメタノール中)を、発熱反応を最小に保ちながら、上記反応フラスコに、20〜30分間にわたり、室温でゆっくり添加した。一度、上記ホルムアルデヒドの添加が完了したら、反応の進行の指標として、遊離のフェノールのGC分析のための試料を採取した。次いで、温度を、所望の温度(70℃又は90℃)に上げ、そしてメタノール及び水を上記反応混合物から除去しながら、約6時間の間その温度を保持した。上記反応混合物を、GCによる遊離のフェノールのために、1時間毎にサンプリングした。総反応時間は、概して、約6.5〜7時間であった。
【0161】
次いで、メタノール及び水が、上記反応生成物を115℃に加熱し、そして蒸留液を28mmの蒸留カラム(Ace Glass カタログNo.6566−03から入手できる)を通して、12℃に冷却された冷却器内に移動されることにより達成された蒸留により除去された。蒸留液を収集した後、一度、上記ヘッド温度が落ち始めたら、ポット温度を10℃上げ、そして蒸留ステップを繰り返した。一般的に、最終反応生成物の水を、1〜2%未満の水に分離するために、3回の蒸留による抜き取りが必要であった。
【0162】
表7は、例18〜例25の最終反応生成物の特性化を要約する。全ての生成物中の遊離のフェノールは2%未満であり、そしてほとんどの場合、遊離のフェノールは、0.5%未満であった。よって、非常に低濃度の残余のフェノールを有するN,N’−ジメチル第2級アミンポリマーのマンニッヒ塩基誘導体を、フェノール、ホルムアルデヒド、及びN,N’−ジメチル第2級アミンポリマー、例えば、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)を直接反応させることにより調製することができる。
【0163】
【表11】

【0164】
【表12】

【0165】
[例26]
[メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)及びトリス−(ジメチルアミノメチル)フェノールからのマンニッヒ塩基誘導体の合成]
2585.1gの例4のジメチル第2級ジアミン(DSD−4)及び918.9gのK54を、窒素インレット、機械攪拌機、熱電対、及び還流冷却器を備えている丸底フラスコ内に入れた。上記還流冷却器の頂部を、マグネチックスターラー及び窒素アウトレットを備えている第2の丸底フラスコの中心の首部に取り付けられているDewar製冷却器に接続した。この第2の丸底フラスコは、684.4gの酢酸及び1368.6gの蒸留水で満たされていた。
【0166】
撹拌しながら、DSD−4及びK54の混合物の温度を、114分の間に、室温〜150℃に上げ、そしてこの温度をさらに7.75時間保持した。
【0167】
得られた反応生成物は、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)のマンニッヒ塩基誘導体であった。この組成物は、ブルックフィールド(CP52スピンドル、20rpm)を用いたところ、2945mPa・s(25℃)の粘度と、762mgKOH/gのアミン価とを有していた。この組成物に関する計算されたAHEWは、249であった。
【0168】
[例27〜例35]
[アミン−エポキシ組成物から製造されたコーティング]
例27〜例35の配合及び得られた特性を、表8に要約する。本発明によると、例27〜例35は、多官能価アミン及びN,N’−ジメチル第2級ジアミンのマンニッヒ塩基誘導体を含む組成物を利用するコーティング及び例示的な配合から得られる特性を具体的に説明する。
【0169】
これらの実験のための硬化剤は、例18〜例26のマンニッヒ塩基誘導体50重量部を、CX−105 50重量部と混合することにより調製された。次いで、得られたアミン硬化剤組成物を、エポキシ樹脂と接触させ、そして混合し、そしてコーティングし、そして上述のように試験した。例27〜例34において、エポキシ樹脂内のエポキシ基:アミン硬化剤組成物(硬化剤組成物)中のアミン水素の化学量論比は、約1:1であった。この決定のために、上述の例18〜例26のそれぞれのマンニッヒ塩基誘導体のAHEWを用いた。表8におけるAHEWは、アミン硬化剤組成物又は硬化剤組成物のもの(すなわち、それぞれのマンニッヒ塩基誘導体と混合されるCX−105)である。例35に関するエポキシ:アミン化学量論比は、約1.18:1であった。
【0170】
5℃で硬化させた例11及び例12のコーティング(表3を参照)と比較して、例27〜例35のコーティングは、一般的に、乾燥時間(相2薄膜硬化時間)及び20°光沢において改良を示した。さらに、例27及び例28、例31及び例32、並びに例35に関するPersoz硬度(7日)が、劇的に上昇した、
【0171】
【表13】

【0172】
[例36〜例41]
[エポキシ基の、アミン水素に対する化学量論比が、コーティング特性に与える影響]
創作例36〜41の配合及び得られた特性を、表9に要約する。本発明によると、例36〜例41は、エポキシ成分内のエポキシ基の、アミン成分内のアミン水素に対する化学量論比の変化の影響を具体的に説明する。上記アミン成分は、例26(約249のAHEWを有するメチルアミン−末端化ポリ−(N−メチルアゼチジン)のマンニッヒ塩基誘導体)75重量部と、約57のAHEWを有するMPCA 25重量部と、ベンジルアルコール44重量部とを混合することにより調製された。次いで、得られたアミン硬化剤組成物を、示される化学量論比において、エポキシ樹脂と接触させ、そして混合し、そしてコーティングし、そして上述のように試験した。
【0173】
例36〜例41は、過剰量のエポキシが用いられた場合、改良された硬度及び光沢が得られることを実証している。この一式の例において、最適な特性は、例40におけるエポキシ:アミンの化学量論比約1.16:1を用いて得られた。
【0174】
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(a)〜(c)のマンニッヒ塩基反応生成物を含む組成物;
(a)少なくとも1種のアルデヒド化合物;
(b)少なくとも1種のフェノール化合物:及び
(c)約140〜約1000の数平均分子量(Mn)を有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー。
【請求項2】
前記少なくとも1種のアルデヒド化合物が、ホルムアルデヒドを含み、
前記少なくとも1種のフェノール化合物が、フェノール、クレゾール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、カルダノール、又はそれらの組み合わせを含み、そして
前記少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーが、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチル−アゼチジン)、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチル−アザシクロヘプタン)、又はそれらの組み合わせを含む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
次の(i)及び(ii)を含むアミン硬化剤組成物:
(i)請求項1に記載の組成物:及び
(ii)3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミン。
【請求項4】
次の(a)及び(b)を含むアミン−エポキシ組成物;
(a)請求項3に記載のアミン硬化剤組成物:及び
(b)少なくとも1種の多官能価のエポキシ樹脂を含むエポキシ成分。
【請求項5】
請求項4に記載のアミン−エポキシ組成物を硬化させることを含む方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法により得られる組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の組成物を含む製品。
【請求項8】
コーティング、接着剤、建造物、フローリング製品又は複合製品である、請求項7に記載の製品。
【請求項9】
次の(a)及び(b)の反応生成物を含む組成物;
(a)少なくとも1種の二置換化又は三置換化マンニッヒ塩基化合物;及び
(b)約140〜約1000の数平均分子量(Mn)を有する少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマー。
【請求項10】
前記少なくとも1種の二置換化又は三置換化マンニッヒ塩基化合物が、ビス−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス−(ジメチルアミノメチル)フェノール、又はそれらの組み合わせを含み、そして
前記少なくとも1種のN,N’−ジメチル第2級ジアミンポリマーが、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチル−アゼチジン)、メチルアミン−末端化ポリ−(N−メチル−アザシクロヘプタン)、又はそれらの組み合わせを含む、
請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
次の(i)及び(ii)を含むアミン硬化剤組成物;
(i)請求項9に記載の組成物;及び
(ii)3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミン。
【請求項12】
次の(a)及び(b)を含むアミン−エポキシ組成物;
(a)請求項11に記載のアミン硬化剤組成物;及び
(b)少なくとも1種の多官能価のエポキシ樹脂を含むエポキシ成分。
【請求項13】
請求項12に記載のアミン−エポキシ組成物を硬化させることを含む方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法により得られる組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の組成物を含む製品。
【請求項16】
コーティング、接着剤、建造物、フローリング製品、又は複合製品である、請求項15に記載の製品。
【請求項17】
次の式(I−A)を有する化合物を含む組成物:
【化1】

ここで、
mは、1,2又は3であり;
Rは、水素原子又はC1〜C18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり;
各R’は、独立して、水素原子又は次の式(I−B)を有する部分である:
【化2】

ここで、
Rは、上述の通りに規定され;
tは、0,1又は2であり;
各R’’は、独立して、水素原子又は次の式(I−C)を有する部分である;
【化3】

ここで、
Rは、上述の通りに規定され;
uは、0、1又は2であり;そして
各Xは、独立してポリオキシアルキレン部分又は次の式(II)を有する部分である:
【化4】

ここで、
1は、C2〜C8の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイルであり;そして
nは、1〜10の範囲の整数である。
【請求項18】
Rが、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、C15アルキル基又はC15アルケニル基である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
各R’が、水素原子である、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
Xが、次の式:
【化5】

(式中、R1は、C3〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイルである)
を有する部分である、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
次の(i)及び(ii)を含むアミン硬化剤組成物;
(i)請求項17に記載の組成物;及び
(ii)3つ又は4つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも1種の多官能価アミン。
【請求項22】
次の(a)及び(b)を含むアミン−エポキシ組成物;
(a)請求項21に記載のアミン硬化剤組成物;及び
(b)少なくとも1種の多官能価のエポキシ樹脂を含むエポキシ成分。
【請求項23】
請求項22に記載のアミン−エポキシ組成物を硬化させるステップを含む方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法により得られる組成物。
【請求項25】
コーティング、接着剤、建造物、フローリング製品又は複合製品である、請求項24に記載の組成物を含む製品。

【公開番号】特開2009−249633(P2009−249633A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−93609(P2009−93609)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】