低電圧及び高電圧統合電圧分配装置
【課題】 高電圧分配のための高電圧部と、高電圧部の故障有無の判断及びリレーの駆動を制御し低電圧負荷の駆動を制御する低電圧制御ボードが一体型で形成され、電圧分配装置を小型化することができる低電圧及び高電圧統合電圧分配装置を提供する。
【解決手段】 低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧バッテリから印加される高電圧を配分して出力端子に印加又は遮断する高電圧リレー及び高電圧リレーを介して印加される高電圧を出力端子に伝達するバスバーからなる高電圧部と、低電圧負荷を知能型電力半導体を介して制御し高電圧部の故障状態および各電装部品の駆動を制御する低電圧制御ボードと、内部空間に高電圧部と低電圧制御ボードとを内蔵する制御ボックスとを含んでなる。
【解決手段】 低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧バッテリから印加される高電圧を配分して出力端子に印加又は遮断する高電圧リレー及び高電圧リレーを介して印加される高電圧を出力端子に伝達するバスバーからなる高電圧部と、低電圧負荷を知能型電力半導体を介して制御し高電圧部の故障状態および各電装部品の駆動を制御する低電圧制御ボードと、内部空間に高電圧部と低電圧制御ボードとを内蔵する制御ボックスとを含んでなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、低電圧及び高電圧統合電圧分配装置に関し、より詳しくは、高電圧分配のための高電圧部と、高電圧部の故障有無の判断及びリレーの駆動を制御し、低電圧負荷の駆動を制御する低電圧制御ボードが一体型で形成され、電圧分配装置を小型化することができる低電圧及び高電圧統合電圧分配装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
環境に優しいエネルギ開発への関心が集まっている最近では、自動車分野においてもバッテリをエネルギー源として利用する純粋電気自動車とエネルギバッファとして利用するエンジンハイブリッド電気自動車や燃料電池ハイブリッド電気自動車などに対する開発が集中している。
【０００３】
このようなハイブリッド自動車には電気モータと各種電装部品及び配線が利用されるが、同一電力を利用する場合には、低電圧を利用すれば、電流量がこれに比例して増加するため、配線システムに用いる導体の電流許容量を電圧の低下に見合うように大きくすることが必要となる。このように電流許容量を増やすためには、配線の大きさ（径）、重量、及び製造費用が増加する問題点が発生する。
【０００４】
これを改善するためには、各電装部品に印加される電圧を昇圧させることによって電流量を減らすことができるが、このような高電圧を利用すると、既に用いていた低電圧電装部品との互換性が落ち、高電圧を用いる新しい電装部品を開発しなければならないという問題が発生する。
【０００５】
これを解決するためには、高電圧を用いる駆動モータを駆動するための高電圧分配装置とこれを駆動するための高電圧回路を別途に備え、各電装部品の駆動を制御するために必要となる低電圧に回路を別途に備えなければならない。しかし、このように別途の電圧分配装置を備える場合、これを駆動するための回路の構成要素が同一の構成要素で重複されるか、各電装部品間の干渉によって駆動に問題が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００４−３６４３５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、上述した問題点を克服するためのものであり、本発明の目的は、高電圧分配のための高電圧部と、高電圧部の故障有無の判断及びリレーの駆動を制御し、低電圧負荷の駆動を制御する低電圧制御ボードが一体型で形成され、電圧分配装置を小型化することができる低電圧及び高電圧統合電圧分配装置を提供することにある。
【０００８】
また、本発明の他の目的は、高電圧入力端子を覆うカバーが外部に露出される時、バッテリの電源を遮断して高電圧による感電事故を未然に防止することができる低電圧及び高電圧統合電圧分配装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記目的を達成するための本発明に係る低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧バッテリから印加される高電圧を配分して出力端子に印加または遮断する高電圧リレー及び前記高電圧リレーを介して印加される高電圧を出力端子に伝達するためのバスバーからなる高電圧部と、低電圧負荷を知能型電力半導体を介して制御し、高電圧部の故障状態及び各電装部品の駆動を制御する低電圧制御ボードと、内部に空間を備え、前記内部空間に前記高電圧部と前記低電圧制御ボードを内蔵する制御ボックスとを含むことを特徴とする。
【００１０】
前記バスバーに取り付けられ、前記バスバーを通して流れる高電圧による電流を測定する電流センサをさらに含み、前記電流センサは前記低電圧制御ボードによって駆動制御することができる。前記高電圧部は、前記出力端子に高電圧が印加される前に、急激な電流の移動による電装装置の損傷を防止するために少量の電流で高電圧を前記出力端子に供給する事前充電リレーをさらに含むことができる。
【００１１】
前記高電圧部は、前記事前充電リレーに印加される電流を制限するための抵抗をさらに含むことができる。前記制御ボックスに備えられ、外部に露出された遮断スイッチと、前記制御ボックスに備えられた遮断スイッチ及び前記出力端子を全て覆うように備えられたボックスカバーとをさらに含み、前記遮断スイッチは、前記ボックスカバーが前記制御ボックスから離脱されれば、オフになって、前記出力端子に電源が出力されるのを遮断する構成からなることができる。
【００１２】
前記ボックスカバーは、前記制御ボックスの上部を覆う時、前記遮断スイッチをオン状態に維持させるためのプッシュロッドを含み、前記ボックスカバーが前記制御ボックスから離脱されれば、前記プッシュロッドが前記遮断スイッチから離れて前記遮断スイッチをオフにすることができる。
【００１３】
前記高電圧部と前記低電圧制御ボードは、互いに電磁波の影響を最小化するために互いに離隔するように配置された電磁波遮蔽構造からなることができる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明に係る低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧分配のための高電圧部と、高電圧部の故障有無の判断及びリレーの駆動を制御し、低電圧負荷の駆動を制御する低電圧制御ボードが一体型で形成され、電圧分配装置を小型化することができる。
【００１５】
また、本発明に係る低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧入力端子を覆うカバーが外部に露出される時、バッテリの電源を遮断して高電圧による感電事故を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明の一実施形態による低電圧及び高電圧統合電圧分配装置を示す斜視図である。
【図２】図１の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置の内部斜視図である。
【図３】図１の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置並びにバッテリの連結形態を示す回路である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が本発明を容易に実施できる程度に本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して詳細に説明すれば次の通りである。ここで、本明細書全般において類似する構成及び動作を有する部分に対しては同一の図面符号を付する。
【００１８】
本実施形態による低電圧及び高電圧統合電圧分配装置の斜視図及び内部斜視図を夫々図１及び図２に示した。図１、図２に示すように、低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧分配のための高電圧部１１０、各電装部品の制御及び故障診断のための低電圧制御ボード１２０、及び高電圧部１１０と低電圧制御ボード１２０を内蔵して保護する制御ボックス１３０を含む。
【００１９】
高電圧部１１０は、高電圧バッテリ（図示せず）と電気的に連結された入力端子１８０を介して印加される高電圧を配分して出力端子１９０に印加または遮断させる高電圧リレー１１１と、高電圧リレー１１１を介して印加される高電圧バッテリの高電圧を出力端子１９０に伝達するための導電体であるバスバー１１３とを備えている。
【００２０】
ここで、入力端子１８０は正極端子１８１と負極端子１８２とからなり、正極端子１８１と負極端子１８２は制御ボックス１３０の外部に露出され、上述の高電圧バッテリの正極と負極に各々電気的に連結される。
【００２１】
出力端子１９０は正極端子１９１と負極端子１９２とからなり、制御ボックス１３０の外部に露出され、車両のインバータなどと電気的に連結されて電源を供給する。
【００２２】
また、高電圧部１１０は、出力端子１９０に高電圧バッテリの高電圧が印加される前に、高電圧による急激な電流の移動によって各電装装置が損傷することを防止するために、少量の電流で高電圧を出力端子１９０に供給する初期電流供給のための事前充電リレー１１２がさらに備えられる。このような事前充電リレー１１２は抵抗１１４と電気的に連結され、抵抗１１４を介して出力端子１９０に供給される初期電流を制限する。ここで、抵抗１１４はセメント材からなってもよい。
【００２３】
また、高電圧部１１０は出力端子１９０の正極端子１９１と電気的に連結されたバスバー１１３に取り付けられ、バスバー１１３を通して流れる電流をセンシングする電流センサ１１５をさらに備えている。
【００２４】
低電圧制御ボード１２０は、低電圧及び高電圧統合電圧分配装置１００の低電圧負荷を知能型電力半導体を介して制御して、高電圧部と共に内蔵された低電圧制御ボード１２０の整備時の手間及び感電事故やこれらの損傷を最小化及び防止することができる。また、低電圧制御ボード１２０は、車両の各低電圧電装部品とネットワーク通信を行うように通信のための構成が含まれる。
【００２５】
また、低電圧制御ボード１２０は、高電圧部１１０の電流センサ１１５によって測定される電流を通じて高電圧部１１０の故障状態を判断し、高電圧部１１０の各電装部品である高電圧リレー１１１及び事前充電リレー１１２に駆動電源を供給して駆動を制御する。
【００２６】
また、電磁波高電圧部１１０と低電圧制御ボード１２０との間における電磁波の影響を最小化するために、低電圧制御ボード１２０を高電圧部１１０の一側から離隔するように配置して高電圧と低電圧との間の電磁波を遮蔽するための電磁波遮蔽構造からなる。
【００２７】
高電圧部１１０と低電圧制御ボード１２０は内部に空間を備える制御ボックス１３０に内蔵される。このような制御ボックス１３０は略四角箱状形態であり、上部をオープンした制御ボックスの本体１３１と制御ボックスの本体１３１の上部を覆い、入力端子１８０を外部に露出させる制御ボックスカバー１３２とからなる。
【００２８】
制御ボックスカバー１３２の上部には遮断スイッチ（ボタン）１６０が露出される。ここで、遮断スイッチ１６０は、図３に示すように、低電圧制御ボード１２０に電気的に連結される。また、低電圧制御ボード１２０は、遮断スイッチ１６０の駆動有無に応じ、バッテリの間に介在してバッテリの電源を分離するための電源分離用リレー１６１の駆動を制御する。
【００２９】
電源分離用リレー１６１は、複数のバッテリモジュールからなるバッテリにおいて、複数のバッテリモジュールの間に介在して、バッテリの電源を分離して高電圧部１１０の入力端子１８０に印加される電源を遮断することができる。
【００３０】
遮断スイッチ１６０は、制御ボックス１３０の上部の入力端子１８０及び遮断スイッチ１６０を全て覆うボックスカバー１５０に備えられたプッシュロッド１５１によって押された状態である場合にはオン状態（非遮断状態）に維持される。すなわち、遮断スイッチ１６０は、ボックスカバー１５０が制御ボックス１３０を覆っている場合には、プッシュロッド１５１によってオン状態に維持される。
【００３１】
また、ボックスカバー１５０が制御ボックス１３０の上部から分離（離脱）されれば、プッシュロッド１５１が遮断スイッチ１６０から分離され、遮断スイッチ１６０はオフ（遮断状態）になる。
【００３２】
低電圧制御ボード１２０は、遮断スイッチ１６０がオフになれば、電源分離用リレー１６１をオフにすることにより、入力端子１８０に印加される電源を遮断する。すなわち、制御ボックス１３０からボックスカバー１５０が分離されて入力端子１８０が外部に露出されれば、バッテリから印加される高電圧による危険を遮断するために、低電圧制御ボード１２０は、電源分離用リレー１６１をオフにすることによって低電圧及び高電圧統合電圧分配装置の安定性を向上させる。
【００３３】
図３の安全プラグ１６２は、手動で整備などによって分離する場合、バッテリの高電圧が低電圧及び高電圧統合電圧分配装置に印加されることを遮断するために複数のバッテリモジュールの間の電源を遮断する。また、このような低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、車両の各電装負荷に電源供給のために車両のワイヤハーネスとの連結のための連結コネクタ１７０をさらに備えている。
【００３４】
以上説明したものは本発明に係る低電圧及び高電圧統合電圧分配装置を実施するための一実施形態に過ぎず、本発明は、このような実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲で請求するところのように本発明の要旨を逸脱することなく、範囲内で当該発明が属する分野において通常の知識を有した者であれば様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的思想が及ぶと言える。
【符号の説明】
【００３５】
１００ ・・・高電圧統合電圧分配装置
１１０ ・・・高電圧部
１２０ ・・・低電圧制御ボード
【技術分野】
【０００１】
本発明は、低電圧及び高電圧統合電圧分配装置に関し、より詳しくは、高電圧分配のための高電圧部と、高電圧部の故障有無の判断及びリレーの駆動を制御し、低電圧負荷の駆動を制御する低電圧制御ボードが一体型で形成され、電圧分配装置を小型化することができる低電圧及び高電圧統合電圧分配装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
環境に優しいエネルギ開発への関心が集まっている最近では、自動車分野においてもバッテリをエネルギー源として利用する純粋電気自動車とエネルギバッファとして利用するエンジンハイブリッド電気自動車や燃料電池ハイブリッド電気自動車などに対する開発が集中している。
【０００３】
このようなハイブリッド自動車には電気モータと各種電装部品及び配線が利用されるが、同一電力を利用する場合には、低電圧を利用すれば、電流量がこれに比例して増加するため、配線システムに用いる導体の電流許容量を電圧の低下に見合うように大きくすることが必要となる。このように電流許容量を増やすためには、配線の大きさ（径）、重量、及び製造費用が増加する問題点が発生する。
【０００４】
これを改善するためには、各電装部品に印加される電圧を昇圧させることによって電流量を減らすことができるが、このような高電圧を利用すると、既に用いていた低電圧電装部品との互換性が落ち、高電圧を用いる新しい電装部品を開発しなければならないという問題が発生する。
【０００５】
これを解決するためには、高電圧を用いる駆動モータを駆動するための高電圧分配装置とこれを駆動するための高電圧回路を別途に備え、各電装部品の駆動を制御するために必要となる低電圧に回路を別途に備えなければならない。しかし、このように別途の電圧分配装置を備える場合、これを駆動するための回路の構成要素が同一の構成要素で重複されるか、各電装部品間の干渉によって駆動に問題が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００４−３６４３５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、上述した問題点を克服するためのものであり、本発明の目的は、高電圧分配のための高電圧部と、高電圧部の故障有無の判断及びリレーの駆動を制御し、低電圧負荷の駆動を制御する低電圧制御ボードが一体型で形成され、電圧分配装置を小型化することができる低電圧及び高電圧統合電圧分配装置を提供することにある。
【０００８】
また、本発明の他の目的は、高電圧入力端子を覆うカバーが外部に露出される時、バッテリの電源を遮断して高電圧による感電事故を未然に防止することができる低電圧及び高電圧統合電圧分配装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記目的を達成するための本発明に係る低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧バッテリから印加される高電圧を配分して出力端子に印加または遮断する高電圧リレー及び前記高電圧リレーを介して印加される高電圧を出力端子に伝達するためのバスバーからなる高電圧部と、低電圧負荷を知能型電力半導体を介して制御し、高電圧部の故障状態及び各電装部品の駆動を制御する低電圧制御ボードと、内部に空間を備え、前記内部空間に前記高電圧部と前記低電圧制御ボードを内蔵する制御ボックスとを含むことを特徴とする。
【００１０】
前記バスバーに取り付けられ、前記バスバーを通して流れる高電圧による電流を測定する電流センサをさらに含み、前記電流センサは前記低電圧制御ボードによって駆動制御することができる。前記高電圧部は、前記出力端子に高電圧が印加される前に、急激な電流の移動による電装装置の損傷を防止するために少量の電流で高電圧を前記出力端子に供給する事前充電リレーをさらに含むことができる。
【００１１】
前記高電圧部は、前記事前充電リレーに印加される電流を制限するための抵抗をさらに含むことができる。前記制御ボックスに備えられ、外部に露出された遮断スイッチと、前記制御ボックスに備えられた遮断スイッチ及び前記出力端子を全て覆うように備えられたボックスカバーとをさらに含み、前記遮断スイッチは、前記ボックスカバーが前記制御ボックスから離脱されれば、オフになって、前記出力端子に電源が出力されるのを遮断する構成からなることができる。
【００１２】
前記ボックスカバーは、前記制御ボックスの上部を覆う時、前記遮断スイッチをオン状態に維持させるためのプッシュロッドを含み、前記ボックスカバーが前記制御ボックスから離脱されれば、前記プッシュロッドが前記遮断スイッチから離れて前記遮断スイッチをオフにすることができる。
【００１３】
前記高電圧部と前記低電圧制御ボードは、互いに電磁波の影響を最小化するために互いに離隔するように配置された電磁波遮蔽構造からなることができる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明に係る低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧分配のための高電圧部と、高電圧部の故障有無の判断及びリレーの駆動を制御し、低電圧負荷の駆動を制御する低電圧制御ボードが一体型で形成され、電圧分配装置を小型化することができる。
【００１５】
また、本発明に係る低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧入力端子を覆うカバーが外部に露出される時、バッテリの電源を遮断して高電圧による感電事故を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明の一実施形態による低電圧及び高電圧統合電圧分配装置を示す斜視図である。
【図２】図１の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置の内部斜視図である。
【図３】図１の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置並びにバッテリの連結形態を示す回路である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が本発明を容易に実施できる程度に本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して詳細に説明すれば次の通りである。ここで、本明細書全般において類似する構成及び動作を有する部分に対しては同一の図面符号を付する。
【００１８】
本実施形態による低電圧及び高電圧統合電圧分配装置の斜視図及び内部斜視図を夫々図１及び図２に示した。図１、図２に示すように、低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、高電圧分配のための高電圧部１１０、各電装部品の制御及び故障診断のための低電圧制御ボード１２０、及び高電圧部１１０と低電圧制御ボード１２０を内蔵して保護する制御ボックス１３０を含む。
【００１９】
高電圧部１１０は、高電圧バッテリ（図示せず）と電気的に連結された入力端子１８０を介して印加される高電圧を配分して出力端子１９０に印加または遮断させる高電圧リレー１１１と、高電圧リレー１１１を介して印加される高電圧バッテリの高電圧を出力端子１９０に伝達するための導電体であるバスバー１１３とを備えている。
【００２０】
ここで、入力端子１８０は正極端子１８１と負極端子１８２とからなり、正極端子１８１と負極端子１８２は制御ボックス１３０の外部に露出され、上述の高電圧バッテリの正極と負極に各々電気的に連結される。
【００２１】
出力端子１９０は正極端子１９１と負極端子１９２とからなり、制御ボックス１３０の外部に露出され、車両のインバータなどと電気的に連結されて電源を供給する。
【００２２】
また、高電圧部１１０は、出力端子１９０に高電圧バッテリの高電圧が印加される前に、高電圧による急激な電流の移動によって各電装装置が損傷することを防止するために、少量の電流で高電圧を出力端子１９０に供給する初期電流供給のための事前充電リレー１１２がさらに備えられる。このような事前充電リレー１１２は抵抗１１４と電気的に連結され、抵抗１１４を介して出力端子１９０に供給される初期電流を制限する。ここで、抵抗１１４はセメント材からなってもよい。
【００２３】
また、高電圧部１１０は出力端子１９０の正極端子１９１と電気的に連結されたバスバー１１３に取り付けられ、バスバー１１３を通して流れる電流をセンシングする電流センサ１１５をさらに備えている。
【００２４】
低電圧制御ボード１２０は、低電圧及び高電圧統合電圧分配装置１００の低電圧負荷を知能型電力半導体を介して制御して、高電圧部と共に内蔵された低電圧制御ボード１２０の整備時の手間及び感電事故やこれらの損傷を最小化及び防止することができる。また、低電圧制御ボード１２０は、車両の各低電圧電装部品とネットワーク通信を行うように通信のための構成が含まれる。
【００２５】
また、低電圧制御ボード１２０は、高電圧部１１０の電流センサ１１５によって測定される電流を通じて高電圧部１１０の故障状態を判断し、高電圧部１１０の各電装部品である高電圧リレー１１１及び事前充電リレー１１２に駆動電源を供給して駆動を制御する。
【００２６】
また、電磁波高電圧部１１０と低電圧制御ボード１２０との間における電磁波の影響を最小化するために、低電圧制御ボード１２０を高電圧部１１０の一側から離隔するように配置して高電圧と低電圧との間の電磁波を遮蔽するための電磁波遮蔽構造からなる。
【００２７】
高電圧部１１０と低電圧制御ボード１２０は内部に空間を備える制御ボックス１３０に内蔵される。このような制御ボックス１３０は略四角箱状形態であり、上部をオープンした制御ボックスの本体１３１と制御ボックスの本体１３１の上部を覆い、入力端子１８０を外部に露出させる制御ボックスカバー１３２とからなる。
【００２８】
制御ボックスカバー１３２の上部には遮断スイッチ（ボタン）１６０が露出される。ここで、遮断スイッチ１６０は、図３に示すように、低電圧制御ボード１２０に電気的に連結される。また、低電圧制御ボード１２０は、遮断スイッチ１６０の駆動有無に応じ、バッテリの間に介在してバッテリの電源を分離するための電源分離用リレー１６１の駆動を制御する。
【００２９】
電源分離用リレー１６１は、複数のバッテリモジュールからなるバッテリにおいて、複数のバッテリモジュールの間に介在して、バッテリの電源を分離して高電圧部１１０の入力端子１８０に印加される電源を遮断することができる。
【００３０】
遮断スイッチ１６０は、制御ボックス１３０の上部の入力端子１８０及び遮断スイッチ１６０を全て覆うボックスカバー１５０に備えられたプッシュロッド１５１によって押された状態である場合にはオン状態（非遮断状態）に維持される。すなわち、遮断スイッチ１６０は、ボックスカバー１５０が制御ボックス１３０を覆っている場合には、プッシュロッド１５１によってオン状態に維持される。
【００３１】
また、ボックスカバー１５０が制御ボックス１３０の上部から分離（離脱）されれば、プッシュロッド１５１が遮断スイッチ１６０から分離され、遮断スイッチ１６０はオフ（遮断状態）になる。
【００３２】
低電圧制御ボード１２０は、遮断スイッチ１６０がオフになれば、電源分離用リレー１６１をオフにすることにより、入力端子１８０に印加される電源を遮断する。すなわち、制御ボックス１３０からボックスカバー１５０が分離されて入力端子１８０が外部に露出されれば、バッテリから印加される高電圧による危険を遮断するために、低電圧制御ボード１２０は、電源分離用リレー１６１をオフにすることによって低電圧及び高電圧統合電圧分配装置の安定性を向上させる。
【００３３】
図３の安全プラグ１６２は、手動で整備などによって分離する場合、バッテリの高電圧が低電圧及び高電圧統合電圧分配装置に印加されることを遮断するために複数のバッテリモジュールの間の電源を遮断する。また、このような低電圧及び高電圧統合電圧分配装置は、車両の各電装負荷に電源供給のために車両のワイヤハーネスとの連結のための連結コネクタ１７０をさらに備えている。
【００３４】
以上説明したものは本発明に係る低電圧及び高電圧統合電圧分配装置を実施するための一実施形態に過ぎず、本発明は、このような実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲で請求するところのように本発明の要旨を逸脱することなく、範囲内で当該発明が属する分野において通常の知識を有した者であれば様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的思想が及ぶと言える。
【符号の説明】
【００３５】
１００ ・・・高電圧統合電圧分配装置
１１０ ・・・高電圧部
１２０ ・・・低電圧制御ボード
【特許請求の範囲】
【請求項１】
高電圧バッテリから印加される高電圧を配分して出力端子に印加または遮断する高電圧リレー及び前記高電圧リレーを介して印加される高電圧を出力端子に伝達するためのバスバーからなる高電圧部と、
低電圧負荷を知能型電力半導体を介して制御し、高電圧部の故障状態および各電装部品の駆動を制御する低電圧制御ボードと、
内部に空間を備え、前記内部の空間に前記高電圧部と前記低電圧制御ボードを内蔵する制御ボックスと、を含んでなることを特徴とする低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項２】
前記バスバーに取り付けられ、前記バスバーを通して流れる高電圧による電流を測定する電流センサをさらに含み、前記電流センサは前記低電圧制御ボードによって駆動制御されることを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項３】
前記高電圧部は、
前記出力端子に高電圧が印加される前に、急激な電流の移動による電装装置の損傷を防止するために少量の電流で高電圧を前記出力端子に供給する事前充電リレーをさらに含むことを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項４】
前記高電圧部は、
前記事前充電リレーに印加される電流を制限するための抵抗をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項５】
前記制御ボックスに備えられ、外部に露出された遮断スイッチと、
前記制御ボックスに備えられた遮断スイッチ及び前記出力端子を全て覆うように備えられたボックスカバーとをさらに含み、
前記遮断スイッチは、前記ボックスカバーが前記制御ボックスから離脱されれば、オフとなり、前記出力端子に電源が出力されるのを遮断することを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項６】
前記ボックスカバーは、前記制御ボックスの上部を覆う時、前記遮断スイッチをオン状態に維持させるためのプッシュロッドを含み、前記ボックスカバーが前記制御ボックスから離脱されれば、前記プッシュロッドが前記遮断スイッチから離れて前記遮断スイッチをオフにすることを特徴とする請求項５に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項７】
前記高電圧部と前記低電圧制御ボードは、互いに電磁波の影響を最小化するために、互いに離隔するように配置された電磁波遮蔽構造からなることを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項１】
高電圧バッテリから印加される高電圧を配分して出力端子に印加または遮断する高電圧リレー及び前記高電圧リレーを介して印加される高電圧を出力端子に伝達するためのバスバーからなる高電圧部と、
低電圧負荷を知能型電力半導体を介して制御し、高電圧部の故障状態および各電装部品の駆動を制御する低電圧制御ボードと、
内部に空間を備え、前記内部の空間に前記高電圧部と前記低電圧制御ボードを内蔵する制御ボックスと、を含んでなることを特徴とする低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項２】
前記バスバーに取り付けられ、前記バスバーを通して流れる高電圧による電流を測定する電流センサをさらに含み、前記電流センサは前記低電圧制御ボードによって駆動制御されることを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項３】
前記高電圧部は、
前記出力端子に高電圧が印加される前に、急激な電流の移動による電装装置の損傷を防止するために少量の電流で高電圧を前記出力端子に供給する事前充電リレーをさらに含むことを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項４】
前記高電圧部は、
前記事前充電リレーに印加される電流を制限するための抵抗をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項５】
前記制御ボックスに備えられ、外部に露出された遮断スイッチと、
前記制御ボックスに備えられた遮断スイッチ及び前記出力端子を全て覆うように備えられたボックスカバーとをさらに含み、
前記遮断スイッチは、前記ボックスカバーが前記制御ボックスから離脱されれば、オフとなり、前記出力端子に電源が出力されるのを遮断することを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項６】
前記ボックスカバーは、前記制御ボックスの上部を覆う時、前記遮断スイッチをオン状態に維持させるためのプッシュロッドを含み、前記ボックスカバーが前記制御ボックスから離脱されれば、前記プッシュロッドが前記遮断スイッチから離れて前記遮断スイッチをオフにすることを特徴とする請求項５に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【請求項７】
前記高電圧部と前記低電圧制御ボードは、互いに電磁波の影響を最小化するために、互いに離隔するように配置された電磁波遮蔽構造からなることを特徴とする請求項１に記載の低電圧及び高電圧統合電圧分配装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１２−８５５０４（Ｐ２０１２−８５５０４Ａ）
【公開日】平成２４年４月２６日（２０１２．４．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２５０９６３（Ｐ２０１０−２５０９６３）
【出願日】平成２２年１１月９日（２０１０．１１．９）
【出願人】（５９１２５１６３６）現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】（５００５１８０５０）起亞自動車株式会社 (449)
【出願人】（５１０２９７１５２）ユラ コーポレーション (2)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年４月２６日（２０１２．４．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１１月９日（２０１０．１１．９）
【出願人】（５９１２５１６３６）現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】（５００５１８０５０）起亞自動車株式会社 (449)
【出願人】（５１０２９７１５２）ユラ コーポレーション (2)
【Ｆターム（参考）】
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