説明

体液採取具および体液採取方法

成分測定装置(本発明の体液採取具)は、穿刺針を装着して使用され、この穿刺針により血液採取部位(体液採取部位)を穿刺して血液(体液)を出させる器具であり、穿刺針を収納し、この穿刺針が通過可能な開口を備える本体と、開口の外周を囲むように本体に固定的に設置され、穿刺針により血液採取部位の穿刺を行う際に、血液採取部位を押し当てる当接部とを有している。当接部は、血液採取部位を押し当てた際に、血液採取部位付近の形状を規定する機能を有している。また、当接部3の当て面(内面)は、本体の開口に向かうにしたがって、開口の中心軸に近づくよう傾斜し、円錐台の側面形状をなしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、体液採取具および体液採取方法に関するものである。
【背景技術】
近年、糖尿病患者の増加に伴い、日常の血糖値の変動を患者自身がモニターする自己血糖測定が推奨されてきている。
この血糖値の測定は、血中のブドウ糖量に応じて呈色する試験紙を装着し、該試験紙に血液を供給、展開して呈色させ、その呈色の度合いを光学的に測定(測色)して血糖値を定量化する血糖測定装置を用いて行われる。
この測定に先立ち、患者が自分の血液を採取する方法としては、穿刺針や小刀を備えた穿刺装置を用いて指先の皮膚を穿刺した後、その穿刺部周辺を指等で圧迫して血液を絞り出すことが行われる。
しかしながら、指先は毛細血管が集中しており血液の採取に適している反面、神経も集中しており痛みが伴うことから、患者へ与える苦痛、負担が大きく、また、穿刺することによる恐怖感を伴うことから、自己血糖測定が続けられなくなる患者も多い。
このような問題点を解決し得る装置として、特開2001−309905号公報に記載の血糖測定装置、すなわち、穿刺装置と測定装置とを一体化し、かつ、血液を絞り出すための吸引手段を備えた血糖測定装置が開発されている。
この特許文献1に記載の血糖測定装置では、まず、試験紙を備えたチップを装置本体に装填し、このチップの先端に指先を押し当て、この先端開口を気密性を保持するように封止する。
次に、先端開口から突出する穿刺針で指先を穿刺した後、この状態で吸引手段を作動させ(減圧状態とし)、穿刺部位から血液を吸い出し、その血液を採取する。そして、測定装置により、採取された血液の血糖値を測定する。
ところが、このような血糖測定装置では、チップの先端に指先を押し当てて使用するが、血糖値を測定する度に、指先をチップの先端に押し当てる力を一定にすることは難しい。これが原因となり、従来の血糖測定装置では、穿刺針による指先の穿刺深さにバラツキが生じ、その結果、血糖値の測定に必要な量の血液が採取されない場合には、正確な血糖値の測定が行えないことがあった。
【発明の開示】
本発明の目的は、体液の採取をより確実に行うことができる体液採取具および体液採取方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の体液採取具は、
穿刺針を装着して使用され、該穿刺針により体液採取部位を穿刺して体液を出させる体液採取具であって、
前記穿刺針を収納し、該穿刺針が通過可能な開口を備える本体と、
前記開口の外周を囲むように前記本体に固定的に設置され、前記穿刺針により前記体液採取部位の穿刺を行う際に、前記体液採取部位を押し当てる当接部とを有し、
該当接部の内面は、前記開口に向かうにしたがって、前記開口の中心軸に近づくよう傾斜する部分を有することを特徴とする。
これにより、体液採取部位を当接部に押し当てると、体液採取部位付近は、当接部の内面の形状に沿って変形して、その一部が開口を介して本体内に突出するようにして形状が規定される。このため、体液採取部位の穿刺針による穿刺深さをほぼ一定とすることができる。その結果、穿刺針による穿刺深さのバラツキが抑制され、より正確な体液の採取が可能となる。
本発明の体液採取具では、前記当接部の内面は、円錐台の側面形状をなしているのが好ましい。
本発明の体液採取具では、前記穿刺針は、該穿刺針が通過可能な開口を備えるチップ本体内に収納されたチップとして、前記体液採取具に装着されるものであり、
前記チップを前記体液採取具に装着した状態で、前記当接部に前記体液採取部位を押し当てると、前記チップ本体の開口縁部に前記体液採取部位が当接するのが好ましい。
本発明の体液採取具では、前記チップ本体の開口の開口面積は、前記本体の開口の開口面積より小さいのが好ましい。
本発明の体液採取具では、前記穿刺針による前記体液採取部位の穿刺前の状態において、前記チップ本体の開口縁部は、ほぼ前記当接部の内面の傾斜する部分の延長面上に位置するのが好ましい。
本発明の体液採取具では、前記本体の開口を鉛直上方に向けた状態で使用されるのが好ましい。
本発明の体液採取方法は、穿刺針を収納し、該穿刺針が通過可能な開口を備える本体と、
前記開口の外周を囲むように前記本体に固定的に設置され、前記穿刺針により体液採取部位の穿刺を行う際に、前記体液採取部位を押し当てる当接部とを有し、
該当接部の内面が前記開口に向かうにしたがって、前記開口の中心軸に近づくよう傾斜する部分を有する体液採取具を用いて、前記穿刺針により前記体液採取部位を穿刺して体液を採取する体液採取方法であって、
前記当接部に前記体液採取部位を押し当てた状態で、前記体液採取部位を前記穿刺針により穿刺して体液を出させることを特徴とする。
本発明の体液採取方法は、穿刺針を収納し、該穿刺針が通過可能な開口を備える本体と、
前記開口の外周を囲むように前記本体に固定的に設置され、前記穿刺針により体液採取部位の穿刺を行う際に、前記体液採取部位を押し当てる当接部とを有し、
該当接部の内面が前記開口に向かうにしたがって、前記開口の中心軸に近づくよう傾斜する部分を有する体液採取具を用いて行う体液採取方法であって、
前記当接部の内面に、前記体液採取部位を密着するように押し当てるステップと、
前記穿刺針を作動させ、前記体液採取部位の前記開口から前記本体内に突出した部分を前記穿刺針により穿刺するステップと、
前記体液採取部の穿刺部位から出た体液を採取するステップとを有することを特徴とする。
本発明の体液採取方法では、前記当接部の内面は、円錐台の側面形状をなしているのが好ましい。
本発明の体液採取方法では、前記穿刺針は、該穿刺針が通過可能な開口を備えるチップ本体内に収納されたチップとして、前記体液採取具に装着されるものであり、
前記チップを前記体液採取具に装着した状態で、前記当接部に前記体液採取部位を押し当てると、前記チップ本体の開口縁部に前記体液採取部位が当接するのが好ましい。
本発明の体液採取方法では、前記チップ本体の開口の開口面積は、前記本体の開口の開口面積より小さいのが好ましい。
本発明の体液採取方法では、前記穿刺針による前記体液採取部位の穿刺前の状態において、前記チップ本体の開口縁部は、ほぼ前記当接部の内面の傾斜する部分の延長面上に位置するのが好ましい。
本発明の体液採取方法では、前記本体の開口を鉛直上方に向けた状態で使用されるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の体液採取具を成分測定装置に適用した場合の実施形態(蓋体を開いた状態)を示す斜視図である。
第2図は、第1図に示す成分測定装置(蓋体を開いた状態)の側面図である。
第3図は、本発明の成分測定装置の主要部の構成を示す縦断面図である。
第4図は、本発明の成分測定装置の主要部の構成を示す縦断面図である。
第5図は、第1図に示す成分測定装置の回路構成を示すブロック図である。
第6図は、第1図に示す成分測定装置の制御手段の制御動作(一部、操作者の動作等を含む)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の体液採取具および体液採取方法について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
第1図は、本発明の体液採取具を成分測定装置に適用した場合の実施形態(蓋体を開いた状態)を示す斜視図、第2図は、第1図に示す成分測定装置(蓋体を開いた状態)の側面図、第3図および第4図は、それぞれ、本発明の成分測定装置の主要部の構成を示す縦断面図、第5図は、第1図に示す成分測定装置の回路構成を示すブロック図、第6図は、第1図に示す成分測定装置の制御手段の制御動作(一部、操作者の動作等を含む)を示すフローチャートである。なお、第1図〜第4図中、上側を「先端」または「上」、下側を「基端」、「下」または「底」として説明する。
各図に示す成分測定装置(血液成分測定装置)1は、体液(以下、本実施形態では、血液を代表として説明する。)を採取して、その体液の所定成分の量を測定する装置である。
この成分測定装置1において血液の採取に用いる部位は、例えば、手の平、手の裏、手の側部、指(指先)、腕、腹部、太腿、耳たぶ等が挙げられるが、以下の実施形態では、手の側部を穿刺する形態を代表として説明する。
第1図および第2図に示すように、成分測定装置1は、本体2と、本体2に対して回動自在(開閉自在)に設置された蓋体20と、本体2内に設置されたハウジング5と、血液の採取を検出するとともに採取された血液中の所定成分を測定する測定手段7と、ハウジング5内を減圧状態とする減圧手段8と、図示しない回路基板上に設けられた制御手段11と、表示部12とを備えている。この成分測定装置1は、ハウジング5に形成されたチップ装填部(チップ装填空間)50にチップ13を装着して使用される。以下、各構成要素について説明する。
本体2は、箱状をなしており、その内部には、ハウジング5、測定手段7、減圧手段8、電池(電源部)9、制御手段11および表示部12等が収納されている。
本体2の先端側(上側)の壁部211には、本体2の内外を貫通し、横断面形状がほぼ円形の開口212が形成されている。本実施形態の成分測定装置1は、この開口212を鉛直上方に向けた状態で使用される縦置き型のものであり、開口212を介してハウジング5に形成されたチップ装填部50にチップ13が装填(保持)される。
また、壁部211の先端側の面には、開口212の外周を囲んで、手の側部の血液採取部位(体液採取部位)900を押し当てる当接部3が、例えば、嵌合、螺合、接着剤による接着等の方法により、固定(または固着)されている。なお、当接部3は、本体2と一体的に形成されたものであってもよい。
チップ装填部50にチップ13が装填された状態(以下、「チップ装填状態」と言う)で、当接部3に血液採取部位900を当接させつつ、成分測定装置1を作動させる。これにより、血液採取部位900の表面(皮膚)が穿刺され、採取された血液中の所定成分(以下、本実施形態では、ブドウ糖を代表として説明する。)の量が測定される。なお、本発明では、この当接部3を設けたことに特徴を有するが、この特徴については、後に詳述する。
また、本体2の先端部(上部)には、蓋体20が軸(回転軸)213により回動自在に支持されている。
蓋体20を閉じると、その蓋体20により、本体2の先端および当接部3が覆われる。一方、第1図および第2図に示すように、蓋体20を開くと、本体2の先端および当接部3が外部に露出し、チップ13の着脱や測定等を行うことができるようになる。
本体2の正面側の面には、本体2の内外を貫通する表示窓(開口)219が形成されており、その表示窓219は、透明な材料で構成される板状部材で塞がれている。この表示窓219の内側には、表示部12が設置されている。したがって、表示窓219を介して、表示部12で表示される各種情報を確認することができる。
表示部12は、例えば、液晶表示素子(LCD)等で構成されている。この表示部12には、例えば、電源のオン/オフ、電源電圧(電池残量)、測定値、測定日時、エラー表示、操作ガイダンス等を表示することができる。
また、本体2の正面側の面の先端側(上側)には、凹部215が形成されており、この凹部215内には、操作ボタン216が設置されている。本実施形態の成分測定装置1では、この操作ボタン216を押圧することにより、後述の穿刺手段および減圧手段8のポンプ80が順次あるいはほぼ同時に作動するよう構成されている。なお、この操作ボタン216を押圧することにより、成分測定装置1の電源がオンされる構成としてもよい。
制御手段11は、例えば、マイクロコンピュータで構成され、血液が採取されたか否かの判別等、成分測定装置1の諸動作を制御する。また、この制御手段11は、測定手段7からの信号に基づいて血液中のブドウ糖量(血糖値)を算出する演算部を内蔵している。
ハウジング5は、その内部に、チップ13を装填するチップ装填部50を有している。このハウジング5の先端、すなわちチップ装填部50の先端開口の外周部には、リング状のシールリング(封止部材)55が嵌合されている。これにより、チップ13をチップ装填部50に装着すると、チップ13のフランジ164がシールリング55に密着し、チップ装填部50の気密性が保持される。
シールリング55は、弾性体(弾性材料)で構成されている。このような弾性体としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、フッ素ゴム系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
ハウジング5の側部には、測定手段7が設置されている。この測定手段7は、チップ13が備える試験紙18に血液が供給(採取)されるのを光学的に検出するとともに、試験紙18に展開された血液中のブドウ糖量を光学的に測定するものである。この測定手段7は、光学ブロックで構成され、その設置位置は、チップ装填状態における試験紙18に対面した位置(試験紙18の側位近傍)とされる。
このように、測定手段7は、血液の採取を検出する機能と、試験紙18に展開された血液中のブドウ糖(所定成分)の量を測定する機能とを兼ね備えているので、これらの手段をそれぞれ別個に設ける場合に比べ、部品点数を削減することができ、構成を簡素化することができ、また、装置の組立工数を減少させることができる。
測定手段7は、ブロック体70と、ブロック体70に固定された発光素子(発光ダイオード)71および受光素子(フォトダイオード)72とを有している。
ブロック体70とハウジング5との間には、チップ装填部50の気密性を保持するために、前記シールリング55と同様のシールリング56が設置されている。
発光素子71は、制御手段11と電気的に接続され、受光素子72は、増幅器24およびA/D変換器25を介して制御手段11と電気的に接続されている(第5図参照)。
発光素子71は、制御手段11からの信号により作動し、光を発する。この光は、所定の時間間隔で間欠的に発光するパルス光であるのが好ましい。
チップ装填状態で、発光素子71を点灯させると、発光素子71から発せられた光は試験紙18に照射され、その反射光は、受光素子72に受光され、光電変換される。受光素子72からは、その受光光量に応じたアナログ信号が出力され、その信号は、増幅器24で所望に増幅された後、A/D変換器25にてデジタル信号に変換され、制御手段11に入力される。
制御手段11では、入力された信号に基づいて、血液が採取されたか否か、すなわち、血液がチップ13の試験紙18に展開されたか否かを判別する。
また、制御手段11では、入力された信号に基づき、所定の演算処理を行い、必要に応じ補正計算等を行って、血液中のブドウ糖の量(血糖値)を求める。求められた血糖値は、表示部12に表示される。
次に、チップ装填部50に装填されるチップ13の構成について説明する。第3図に示すように、チップ13は、穿刺針14と、穿刺針14を摺動可能に収納する内筒15と、内筒15の外周部に設置された外筒16と、外筒16の外周部に設置された試験紙固定部17と、試験紙固定部17に固定された試験紙18とで構成されている。このうち、内筒15および外筒16により、チップ本体130が構成される。
穿刺針14は、針体141と、針体141の基端側に固着されたハブ142とで構成され、内筒15の内腔部内に収納されている。
針体141は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料よりなる中空部材または中実部材で構成され、その先端には、鋭利な刃先(針先)が形成されている。この刃先により、手の側部の血液採取部位900の表面(皮膚)が穿刺される。
また、ハブ142は、ほぼ円筒状または円柱状の部材で構成されている。
内筒15の先端のほぼ中央部には、横断面形状が円形の孔151が形成されている。針体141は、血液採取部位900の穿刺に際し、この孔151を通過する。また、孔151の孔径は、ハブ142の先端外径より小さく設定されている。このため、穿刺針14が内筒15の先端方向へ移動したとき、ハブ142は孔151を通過することができずに孔151の周囲に当接し、それ以上、穿刺針14が先端方向へ移動することが阻止される。したがって、針体141は、血液採取部位900の穿刺に際し、チップ13の先端からの突出長さが一定に保たれる。
内筒15の外周部には、外筒16が固着されている。外筒16は、ほぼ円筒状の部材で構成されており、その内部に内腔部161を有する。
外筒16の先端には、リング状に突出した当接部163が形成されている。この当接部163の内側には、外筒16の内腔部161(チップ本体130の内腔部)が開放する先端開口(開口)162が形成されている。
後述するように、本実施形態では、血液採取部位900を穿刺する際に、当接部3に血液採取部位900を押し当てると、当接部163にも血液採取部位900が当接し、血液採取部位900により先端開口162が塞がれるようになっている。
当接部163の先端外周縁(先端開口162の縁部)は、血液採取部位900に押し当てられたときに、穿刺部位周辺を刺激して、穿刺時の痛みを和らげる効果を発揮するのに適した形状をなしている。また、後述の減圧手段8によりチップ装填部50が減圧状態となったとき、当接部163の先端と、血液採取部位900の表面との間から空気が流入することを極力抑制し得るような形状となっている。
また、外筒16には、当接部163の基端付近の外周部に、外側に向かって突出するリング状のフランジ164が形成されている。このフランジ164は、チップ装填状態で、その基端面がハウジング5の先端に当接し、チップ13がハウジング5に対して位置決め(第3図および第4図中の上下方向に位置決め)される。
外筒16の外周部には、試験紙固定部(試験紙固定部材)17が設けられており、この試験紙固定部17に試験紙18が固定されている。
また、外筒16の内周面には、内腔部161の中心部に向かって突出する血液導入ガイド166が形成されている。この血液導入ガイド166は、穿刺後、手(血液採取部位900)から出血して内腔部161に流入した血液(検体)を、受け止める機能を有するものである。
また、チップ13には、外筒16および試験紙固定部17を貫通して形成される血液通路19が形成されている。この血液通路19は、穿刺により得られた血液を試験紙18へ導くための流路であり、内腔部161へ開放する通路開口191とチップ13の外部側へ開放する通路開口192とを有している。通路開口192は、試験紙18の中心部に位置している。
また、通路開口191は、血液導入ガイド166の基部付近に形成されている。このため、血液導入ガイド166で受け止められた血液は、効率よく通路開口191から血液通路19に導かれる。この血液は、毛細管現象により通路開口192まで到達し、通路開口192を覆うように設置された試験紙18の中心部に供給され、試験紙18上を放射状に展開する。
試験紙18は、血液を吸収・展開可能な担体に試薬を担持させたものである。
担体としては、例えば、不織布、織布、延伸処理したシート等のシート状多孔質体が挙げられる。この多孔質体は、親水性を有するものが好ましい。
担体に担持される試薬は、血液(検体)中の測定すべき成分により、適宜決定される。例えば、血糖値測定用の場合、グルコースオキシダーゼ(GOD)と、ペルオキシダーゼ(POD)と、例えば4−アミノアンチピリン、N−エチルN−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジンのような発色剤(発色試薬)とが挙げられ、その他、測定成分に応じて、例えばアスコルビン酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ等の血液成分と反応するものと、前記と同様の発色剤(発色試薬)とが挙げられる。また、さらにリン酸緩衝液のような緩衝剤が含まれていてもよい。なお、試薬の種類、成分については、これらに限定されないことは言うまでもない。
また、本体2内には、ハウジング5(チップ装填部50)内を減圧状態にし得る減圧手段(吸引手段)8が設置されている。この減圧手段8は、ポンプ80と、管路81と、管路81の途中から分岐し、末端が開放端である分岐管82と、分岐管82の途中に設けられた電磁弁83とで構成されている。
管路81および分岐管82は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、シリコーンゴム、ポリウレタン等の可撓性材料で構成されたチューブで構成されている。
ハウジング5には、チップ装填部50と外部とを連通する通気路59が形成されており、管路81の一端は、この通気路59に接続されている。また管路81の他端部には、ポンプ80が設置されている。
電磁弁83は、分岐管82の流路を開閉(開放/閉鎖)するものである。
本体2内に設置された電池9は、ポンプ80、電磁弁83、制御手段11、表示部12等と電気的に接続され、これらの作動に必要な電力を供給する。
チップ装填状態で先端開口162を血液採取部位900で塞いだ状態とし、かつ電磁弁83が閉状態において、ポンプ80を作動すると、チップ装填部50内の空気は、通気路59および管路81を介してポンプ80により吸引、排気され、これにより、チップ装填部50内は、減圧状態とされる。
この状態で、電磁弁83を開く(開状態とする)と、前記減圧状態のチップ装填部50に、分岐管82、管路81および通気路59を介して、外部から空気(大気)が導入され、その減圧状態が解除または緩和される。
なお、ポンプ80は、血液採取部位900の穿刺部位から血液を吸い出すことができる程度(例えば、100〜400mmHg程度)に、チップ装填部50内を減圧状態とすることができるようなものであればよい。
チップ13の基端側には、穿刺針14を先端方向へ移動し、針体141の針先が先端開口162を通過して、血液採取部位900を穿刺する穿刺手段(図示せず)が設置されている。この穿刺手段は、例えば、バネと、このバネにより付勢されたプランジャとを備えた構成のものである。
さて、前述したように、本発明では、当接部3を設けたことに特徴を有している。以下、この点(特徴)について詳述する。
当接部3は、本体2の開口212を囲むように設けられ、これにより、当接部3は、そのほぼ中央部に、横断面形状がほぼ円形をなす開口30を有している。
当接部3の開口30に臨む面が、血液採取部位900を押し当てる当て面(内面)31を構成する。この当て面31は、本体2の開口212に向かうにしたがって、開口212の中心軸に近づくようほぼ一定の角度(第3図中θ)で傾斜している。すなわち、当て面31は、円錐台の側面形状(円錐面の頂部付近を除く部分の形状)をなしている。
このような構成により、血液採取部位900の穿刺を行う際に、手の側部(血液採取部位900)を当接部3に押し当てると、血液採取部位900付近は、当て面31の形状に沿って変形して、その形状が規定される(第4図参照)。そして、血液採取部位900の一部は、開口212を介して本体2内に突出する。
この際、手の側部を当接部3に押し当てる力の大きさにかかわらず、当接部3により、血液採取部位900付近の形状(特に本体2内に突出する部分の形状)が、ほぼ一定に規定される。このため、血液採取部位900の穿刺針14による穿刺深さをほぼ一定とすることができる。これにより、血糖値の測定に際して必要な血液量を正確に確保することができる。
かかる効果は、当接部3に手の側部を軽く添える程度で十分に発揮される。特に、本実施形態の成分測定装置1は、縦置き型のものであり、当接部3に手を置く程度で、前記効果が十分に発揮される。このため、血糖値の測定に際して、当接部3に手の側部を押し当てる力加減の調節を必要とせず、患者の利便性の向上を図ることができる。
また、血液採取部位900付近の形状が規定されることにより、血液採取部位900に血液を集める(集血する)効果も発揮される。これにより、血糖値の測定に必要な血液をより確実に確保することができるようになる。すなわち、当接部3は、集血機能を有する部材(集血部材)ということもできる。
ここで、第3図に示すように、開口30の最小径(基端の直径)をφA[mm]とし、開口30の最大径(先端の直径)をφB[mm]としたとき、φB/φAは、1.1〜2.0なる関係を満足するのが好ましく、1.2〜1.6なる関係を満足するのがより好ましい。具体的にφAは、5〜20mm程度であるのが好ましく、8〜15mm程度であるのがより好ましい。
また、当て面31と開口30(開口212)の中心軸Oとのなす角度θは、45〜85°程度であるのが好ましく、65〜75°程度であるのがより好ましい。
このような当接部3は、その硬度(JIS K 6253に規定)が30以上であるのが好ましい。当接部3を比較的硬度の高いものとすることにより、手の側部を押し当てた際の変形を防止することができ、その結果、当接部3の血液採取部位900付近の形状を規定する機能がより好適に発揮される。
なお、当て面(内面)31は、図示のように、開口30の全長に亘って、ほぼ一定の傾斜角度で傾斜する構成のものに限られず、例えば、部分的に開口212の中心軸Oとほぼ平行となる部分を有していてもよく、傾斜角度が段階的に変化するものであってもよい。
また、本実施形態では、第3図および第4図に示すように、チップ装填状態において、チップ13の当接部163は、本体2の開口212より突出しないよう構成されている。このような構成により、手の側部(血液採取部位900)を当接部3(当て面31)に押し当てた状態では、血液採取部位900の本体2内へ突出した部分がチップ13の当接部163の先端(先端開口162の縁部)に当接する。これにより、血液採取部位900が穿刺針14に対して、当接部3と当接部163との2箇所で位置決めされる。このため、穿刺針14による血液採取部位900の穿刺深さのバラツキをより確実に防止することができる。
また、チップ13(チップ本体130)の先端開口162の開口面積は、本体2の開口212の開口面積より小さく設定されている。このため、手の側部を当接部3に押し当てた状態で、チップ13の先端開口162は、血液採取部位900により確実に封止される。これにより、減圧手段8による減圧をより確実に行うことができる。
特に、本実施形態では、穿刺針14による体液採取部位の穿刺前の状態において、チップ13の先端開口162の縁部は、ほぼ当接部3の当て面(内面)31の延長面上(当て面31とほぼ同一平面上)に位置するように設定されている。これにより、血液採取部位900によるチップ13の先端開口162の封止効果がより確実に発揮される。
次に、成分測定装置1の使用方法、すなわち、成分測定装置1を用いて穿刺、血液の採取(以上、本発明の体液採取方法)、展開および血糖値測定を行う場合の各部の動作および制御手段の制御動作について、第1図〜第6図を参照しつつ説明する。
[1] まず、蓋体20を開き、チップ13を本体2の開口212を介して、ハウジング5のチップ装填部50に挿入する。さらに、チップ13を基端方向へ押し込むと、チップ13のフランジ164がシールリング55に密着するとともに、ハウジング5の先端に当接し、チップ13がハウジング5に対して位置決めされる。
[2] 次に、図示しない電源スイッチをオンとする。これにより、成分測定装置1の各部が起動し、測定可能な状態となる。なお、電磁弁83は、閉じている。
[3] 次に、当接部3の当て面31に手の側部(血液採取部位900)を密着するように押し当てる。これにより、当接部3により血液採取部位900付近の形状が規定されるとともに、血液採取部位900の本体2内へ突出した部分がチップ13の当接部163に圧着される。なお、本実施形態の成分測定装置1は、縦置き型であるため、当接部3に手を載せるという簡単な作業で、チップ13の先端開口162は、血液採取部位900により正確に塞がれる。
[4] 次に、操作ボタン216を押圧操作し、血液採取部位900の表面(皮膚)を穿刺する(第6図のステップS101)。
操作ボタン216を押圧すると、前記穿刺手段が作動して穿刺針14が先端方向に移動し、針体141が孔151を通過して先端開口162より突出し、手の側部(体液採取部位)の表面を穿刺する。これにより、針体141による穿刺部位からは、出血が生じる。
このとき、当接部3とチップ13の当接部163とにより、血液採取部位900の穿刺針14に対する位置決めがなされているため、正確な穿刺深さで血液採取部位900の穿刺が行われる。
また、前記操作ボタン216の押圧により、ポンプ80の作動スイッチ(図示せず)もほぼ同時にオンされる。
[5] 針体141が血液採取部位900を穿刺した後は、穿刺針14は基端方向へ戻され、針体141の針先は、チップ13内に収納される。
[6] 前記ポンプ80の作動スイッチがオンすると、制御手段11は、ポンプ80の作動を開始させる(第6図のステップS102)。
すなわち、前記[4]の操作とほぼ同時にポンプ80が作動し、ハウジング5のチップ装填部50内の空気の吸引、排気が開始される。これにより、チップ装填部50(チップ13内を含む)は、その圧力が低下し、減圧状態となる。
このとき、血液採取部位900の針体141による穿刺部位も減圧状態となっている。そのため、穿刺部位から血液が吸い出され、出血が促進されるので、必要な血液量を短時間で確保することができる。
なお、このようなポンプ80により生じる最低圧力は、例えば100〜400mmHg程度であるのが好ましい。
以上のように、成分測定装置1では、1回の操作ボタン216の押圧により、穿刺動作と減圧動作とがほぼ同時に行われるため、その操作性が極めて良い。
[7] 前記[6]の操作で、手の側部(血液採取部位900)の穿刺部位上に粒状に隆起した血液は、チップ13内に吸引され、その内部に形成された血液導入ガイド166に接触し、血液通路19を介して試験紙18へ導かれ、試験紙18の中心部に供給され、放射状に展開される。
試験紙18上への血液の供給、展開に伴い、血液中のブドウ糖(測定すべき成分)と試験紙18に担持された試薬とが反応し、試験紙18は、ブドウ糖量に応じて呈色する。
一方、制御手段11は、第6図に示すステップS102を実行した後、測定手段7を駆動し、その測定手段7を介して試験紙18の呈色を監視(モニタ)し、血液が採取されたか否かを判断する(第6図のステップS103)。
このステップS103では、測定手段7の受光素子72から入力される信号の電圧レベルが予め設定されているしいき値を超えた場合には、血液が採取されたと判断し、前記信号の電圧レベルがそのしいき値以下である場合には、血液が採取されていないと判断する。
なお、前記しきい値は、試験紙18が呈色する前の前記信号の電圧レベルより十分大きく、かつ、呈色したときの前記信号の電圧レベルより十分小さい値に設定される。
前記ステップS103において、血液が採取されていないと判断した場合には、タイムアップか否かを判断する(第6図のステップS104)。
前記ステップS104において、タイムアップではないと判断した場合には、ステップS103に戻り、再度、ステップS103以降を実行し、タイムアップと判断した場合には、エラー処理を行う(第6図のステップS105)。
このステップS105では、ポンプ80を停止し、電磁弁83を開いて、前記減圧状態を解除するとともに、エラーである旨を示す表示(エラー表示)を表示部12に表示する。
操作者(使用者)は、このエラー表示により、エラーであること(何らかのトラブルがあったこと)を把握することができる。
なお、前記電磁弁83を開いたときの作用は、後に詳述する。
また、前記ステップS103において、血液が採取されたと判断した場合には、ポンプ80を停止する(第6図のステップS106)。
次いで、電磁弁83を開いて、前記減圧状態を解除する(第6図のステップS107)。
電磁弁83が開くと、分岐管82、管路81および通気路59を介して、チップ装填部50(チップ13内を含む)および血液採取部位900の穿刺部位に外気(大気)が流入し、大気圧に復帰する。
手の側部の穿刺部位の周辺における吸引感がなくなり、大気圧に戻ったことが確認されたら、手を当接部3から離す。
[8] 制御手段11は、第6図に示すステップS107を実行した後、前記試験紙18の呈色の度合いを測定手段7により測定し、得られたデータに基づき演算処理し、温度補正計算、ヘマトクリット値補正計算等の補正を行い、血糖値を定量化する(第6図のステップS108)。
またこの場合、チップ装填部50(チップ13内を含む)の減圧状態、すなわち、試験紙18の収納空間の減圧状態が解除されているので、血液中のブドウ糖(測定すべき成分)と試験紙18に担持された試薬との反応に必要な大気中の成分(例えば、酸素、二酸化炭素、水蒸気等)が十分に供給され、これにより血糖値を正確に測定することができる。
次いで、前記算出された血糖値を表示部12に表示する(第6図のステップS109)。これにより、血糖値を把握することができる。
なお、減圧状態が解除された後、次回の測定に備え、電磁弁83を再び閉じる。
以上説明したように、この成分測定装置1によれば、当接部3とチップ13の当接部163とにより、血液採取部位900の穿刺針14に対する位置決めがなされ、穿刺深さのバラツキが抑制される。これにより、確実に、測定に必要かつ十分な量の血液を採取することができ、その結果、血糖値(血液中の所定成分の量)を正確かつ確実に測定することができる。
また、チップ13に試験紙18が設けられているので、穿刺、血液の採取および試験紙18への展開、測定(成分の定量化)を連続的に行うことができ、血糖値測定(成分測定)を容易かつ短時間で行うことができる。
また、縦置き型のものであると、当接部3に血液採取部位(体液採取部位)900を載せるだけで、血糖値の測定を開始できるなど、簡単に使用することができ、このため、定期的に使用する場合や繰り返し使用する場合にも有利である。
また、一旦穿刺した後、誤って再度生体表面を穿刺する等の事故が防止され、安全性が高い。しかも、穿刺針14が直接見えないので、穿刺の際の恐怖感も軽減される。
以上のことから、この成分測定装置1は、患者自身が自己の血糖値等を測定する際に使用するのに適している。
また、この成分測定装置1は、構成が簡単、小型、軽量であり、安価で、量産にも適する。
以上、本発明の体液採取具および体液採取方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものに置換することができる。
例えば、測定手段は、所定成分の量を測定するものであるが、所定成分の性質を測定するものであってもよく、また、所定成分の量および性質を測定するものであってもよい。
また、測定手段は、血液中の成分と試薬との反応により呈色した試験紙の呈色強度を光学的に測定(測色)し、測定値へ換算、表示するものに限らず、例えば、検体中の成分の量に応じて生じる電位変化を電気的に測定し、測定値へ換算、表示するものでもよい。
また、減圧手段は、測定に先立って減圧状態を解除するように構成されているが、測定に先立って減圧状態を緩和するように構成されていてもよい。
また、減圧手段は、穿刺に先立って減圧を開始するように構成されていてもよい。
また、減圧手段は、手動で開始するようにしてもよいし、自動で開始するようにしてもよい。後者の場合、ハウジング5の先端部の側位近傍に、例えば、指先の穿刺に際し、穿刺針の先端方向への移動を磁気的に感知するよう構成されたセンサ等を設置し、このセンサの情報に基づいて減圧手段を作動させるような構成であってもよい。
また、前記成分測定装置1には、チップ13が基端方向に移動するチップ退避機構を設けてもよい。
なお、前記実施形態では、本発明の体液採取具を、血液の採取を行う機能と、血液中の所定成分の量を測定する機能とを併有する成分測定装置に適用した場合のものについて説明したが、本発明では、血液中の所定成分の量を測定する機能が省略されたものであってもよいことは言うまでもない。
また、前記実施形態では、採取する体液として、血液を代表として説明したが、本発明では、採取する体液は、これに限らず、例えば、汗、リンパ液、間質液、髄液等であってもよい。
また、前記実施形態では、測定目的とする成分として、ブドウ糖(血糖値)を代表として説明したが、本発明では、測定目的の成分は、これに限らず、例えば、タンパク、コレステロール、尿酸、クレアチニン、アルコール等の有機化合物、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩素、リン酸、炭酸、pH等の無機イオン等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、当接部により体液採取部位付近の形状が規定されるため、穿刺深さのバラツキが抑制され、より正確な体液の採取が可能となる。また、穿刺針を備えるチップを装着して使用するよう構成し、当接部とチップの先端との位置関係や寸法の関係等を適宜設定することにより、前記効果をより向上させることができる。また、本発明の体液採取具は、構成が簡単、小型、軽量であり、安価で、量産にも適する。したがって、産業上の利用可能性を有する。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺針を装着して使用され、該穿刺針により体液採取部位を穿刺して体液を出させる体液採取具であって、
前記穿刺針を収納し、該穿刺針が通過可能な開口を備える本体と、
前記開口の外周を囲むように前記本体に固定的に設置され、前記穿刺針により前記体液採取部位の穿刺を行う際に、前記体液採取部位を押し当てる当接部とを有し、
該当接部の内面は、前記開口に向かうにしたがって、前記開口の中心軸に近づくよう傾斜する部分を有することを特徴とする体液採取具。
【請求項2】
前記当接部の内面は、円錐台の側面形状をなしている請求の範囲第1項に記載の体液採取具。
【請求項3】
前記穿刺針は、該穿刺針が通過可能な開口を備えるチップ本体内に収納されたチップとして、前記体液採取具に装着されるものであり、
前記チップを前記体液採取具に装着した状態で、前記当接部に前記体液採取部位を押し当てると、前記チップ本体の開口縁部に前記体液採取部位が当接する請求の範囲第1項または第2項に記載の体液採取具。
【請求項4】
前記チップ本体の開口の開口面積は、前記本体の開口の開口面積より小さい請求の範囲第3項に記載の体液採取具。
【請求項5】
前記穿刺針による前記体液採取部位の穿刺前の状態において、前記チップ本体の開口縁部は、ほぼ前記当接部の内面の傾斜する部分の延長面上に位置する請求の範囲第3項に記載の体液採取具。
【請求項6】
前記本体の開口を鉛直上方に向けた状態で使用される請求の範囲第1項に記載の体液採取具。
【請求項7】
穿刺針を収納し、該穿刺針が通過可能な開口を備える本体と、
前記開口の外周を囲むように前記本体に固定的に設置され、前記穿刺針により体液採取部位の穿刺を行う際に、前記体液採取部位を押し当てる当接部とを有し、
該当接部の内面が前記開口に向かうにしたがって、前記開口の中心軸に近づくよう傾斜する部分を有する体液採取具を用いて、前記穿刺針により前記体液採取部位を穿刺して体液を採取する体液採取方法であって、
前記当接部に前記体液採取部位を押し当てた状態で、前記体液採取部位を前記穿刺針により穿刺して体液を出させることを特徴とする体液採取方法。
【請求項8】
穿刺針を収納し、該穿刺針が通過可能な開口を備える本体と、
前記開口の外周を囲むように前記本体に固定的に設置され、前記穿刺針により体液採取部位の穿刺を行う際に、前記体液採取部位を押し当てる当接部とを有し、
該当接部の内面が前記開口に向かうにしたがって、前記開口の中心軸に近づくよう傾斜する部分を有する体液採取具を用いて行う体液採取方法であって、
前記当接部の内面に前記体液採取部位を密着するように押し当てるステップと、
前記穿刺針を作動させ、前記体液採取部位の前記開口から前記本体内に突出した部分を前記穿刺針により穿刺するステップと、
前記体液採取部の穿刺部位から出た体液を採取するステップとを有することを特徴とする体液採取方法。
【請求項9】
前記当接部の内面は、円錐台の側面形状をなしている請求の範囲第7項または第8項に記載の体液採取方法。
【請求項10】
前記穿刺針は、該穿刺針が通過可能な開口を備えるチップ本体内に収納されたチップとして、前記体液採取具に装着されるものであり、
前記チップを前記体液採取具に装着した状態で、前記当接部に前記体液採取部位を押し当てると、前記チップ本体の開口縁部に前記体液採取部位が当接する請求の範囲第7項または第8項に記載の体液採取方法。
【請求項11】
前記チップ本体の開口の開口面積は、前記本体の開口の開口面積より小さい請求の範囲第10項に記載の体液採取方法。
【請求項12】
前記穿刺針による前記体液採取部位の穿刺前の状態において、前記チップ本体の開口縁部は、ほぼ前記当接部の内面の傾斜する部分の延長面上に位置する請求の範囲第10項に記載の体液採取方法。
【請求項13】
前記本体の開口を鉛直上方に向けた状態で使用される請求の範囲第7項または第8項に記載の体液採取方法。

【国際公開番号】WO2004/112613
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【発行日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507309(P2005−507309)
【国際出願番号】PCT/JP2004/009068
【国際出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】