作業台車
【課題】作業しやすい位置に容易に作業台を配置し、搭載される動力装置の小型化を図る。
【解決手段】作業台車2は、車輪4により軌道3上を走行する車台5に設けられた支持枠22、23と、この支持台22、23を張り出し用油圧シリンダ16、17によりそれぞれ左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構10と、この支持枠22、23上に設けられた作業台55、56と、この作業台55、56を昇降用油圧シリンダ52R、52Lにより高さを調整可能に昇降させる昇降機構40とを備えて構成される。支持枠22、23は左右両側に独立して設けられ、これら支持枠22、23毎に張り出し用油圧シリンダ16、17と昇降用油圧シリンダ52R、52Lとを設けた。
【解決手段】作業台車2は、車輪4により軌道3上を走行する車台5に設けられた支持枠22、23と、この支持台22、23を張り出し用油圧シリンダ16、17によりそれぞれ左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構10と、この支持枠22、23上に設けられた作業台55、56と、この作業台55、56を昇降用油圧シリンダ52R、52Lにより高さを調整可能に昇降させる昇降機構40とを備えて構成される。支持枠22、23は左右両側に独立して設けられ、これら支持枠22、23毎に張り出し用油圧シリンダ16、17と昇降用油圧シリンダ52R、52Lとを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道が敷設された隧道内で作業を行う際に用いられる作業台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、軌道が敷設されたトンネルの壁面の保守点検作業を行う場合、作業台車を軌道に引き入れ、作業台車に取り付けられた作業台に作業者が乗り込み、作業を行うようになっている。従来、このような作業台車として、図12に示すような作業台車101が知られている。この作業台車101は、軌道上を自走可能な台車102に載置された基部103と、この基部103に上方に移動可能に格納された可動部104と、これら基部103または可動部104の少なくとも一方に、側方に展開可能に格納された足場105a、105bとを備えて構成される(特許文献1参照)。この作業台車101は、可動部104が基部103の内部に上方から入れ子式に格納された一段目106と、この一段目106の内部に上方から入れ子式に格納された二段目107とから構成されている。これら可動部104の上下動には、基部103および可動部104に支持された滑車にワイヤを掛け渡し、このワイヤをウインチ(図示せず)の繰り出しまたは巻き取りにより行うようになっている。また、足場105a、105bは、基部103の一側面(左側側面)および一段目106の同一側面(左側側面)に前後一対のヒンジを介してそれぞれ支持され、ヒンジを軸として側方に展開可能に格納される。足場105a、105bは、格納状態では、可動部104の側部に垂直に跳ね上げられ、展開状態では、基部103および可動部104の一段目106の側面から側方に向けて水平に突出するようになっている。可動部104の二段目107の上端にも、足場105cが形成されている。
【特許文献1】特開2004−42705号公報(第3頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の作業台車では、車台に載置された基部とその基部内に格納される可動部とからなる作業台を設け、この作業台を昇降されるようにしている。作業時には、まず、作業台のレベルを決定し、次に、足場と可動部との干渉を避けるため、上昇させる可動部より下側の左右の両足場を展開させた後、昇降させるようにしている。このため、位置決めに時間がかかるとともに、足場の展開作業が必要になるという問題がある。また、一旦、作業台の可動部を上昇端まで引き上げてしまうと、作業位置に応じてその度に降下させる手間を避けるため、上昇端まで引き上げた状態で作業員が高さの異なる足場間を行き来して作業を行うので、作業効率が悪いという問題があった。さらに、足場は作業台の側面に揺動自在に取り付けられているので、左右方向寸法の短い足場であれば、軌道と壁面が離れていると作業者が壁面に届かず、かといって長い寸法の場合、軌道と壁面が近いと、足場が壁面に当たって、展開できないという問題がある。また、作業台車の進行方向一側面にしか設けられていないので、他側面側の壁面の保守点検作業を行う場合、進行方向を変更する作業を行う必要がある。さらに、高さに応じて複数の入れ子式可動枠を作らなければならず、車体の重量化やコストアップを招くという問題がある。また、車台の進行および停止は、作業台から車台の運転席に乗り込んで行わなければならず、作業効率が悪いという問題がある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡素な構成で作業効率が良く、しかも、作業対象部分の壁面の車台からの距離や高さに対して作業しやすい位置に容易に作業台を配置することができ、昇降に要する動力を低く抑え、搭載される動力装置の小型化を図ることができる作業台車を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る作業台車は、車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備えたものである。
【0006】
本発明の請求項1に係る作業台車では、車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備えるようにしたので、作業時、壁面の作業対象部分に対して最適な任意の位置に作業台を移動させることができ、作業が効率化される。
【0007】
また、請求項2に係る作業台車は、支持枠を左右両側に独立して設け、これら支持枠毎に進退動機構を設けたものである。
【0008】
請求項2に係る作業台車では、支持枠を左右両側に独立して設け、これら支持枠毎に進退動機構を設けたので、進退動機構の駆動源と昇降機構の駆動源とはそれぞれ分割された機構毎に設けられることになり、必要とされるパワーは、分割された左右側の各機構に応じた能力を確保するものであればよく、搭載される駆動装置の小型化を図ることができる。
【0009】
請求項3に係る作業台車は、進退動機構が、車台上に設けられたベース枠と、このベース枠上面の進行方向前後側にそれぞれ左右方向に沿って平行に配設された一対のガイドと、各ガイドの前後方向両側部に設けられたローラと、このガイドの内外側のうち一側に沿って配置され、ローラに係合して左右方向外側に進退動されるコ字状左側枠と、上記ガイドの内外側のうち他側に沿って配置され、上記ローラの前後方向反対側のローラに係合し左右方向外側に進退動されるコ字状右側枠と、これら各コ字状枠とベース枠との間にそれぞれ取り付けられた張り出し駆動用油圧シリンダとを備えて構成し、各コ字状枠上に支持枠を設けるようにしたものである。
【0010】
請求項3に係る作業台車では、進退動機構は、車台上に設けられたベース枠と、このベース枠上面の進行方向前後側にそれぞれ左右方向に沿って平行に配設された一対のガイドと、各ガイドの前後方向両側部に設けられたローラと、このガイドの内外側のうち一側に沿って配置され、ローラに係合して左右方向外側に進退動されるコ字状左側枠と、上記ガイドの内外側のうち他側に沿って配置され、上記ローラの前後方向反対側のローラに係合し左右方向外側に進退動されるコ字状右側枠と、これら各コ字状枠とベース枠との間にそれぞれ取り付けられた張り出し駆動用油圧シリンダとを備えて構成し、各コ字状枠上に支持枠を設けたので、張り出し駆動用油圧シリンダのピストンロッドが伸張すると、コ字状枠がガイドローラに案内されて外側に移動し、ピストンロッドの伸張が停止されると、コ字状枠はその位置で停止する。このため、作業台を側方外側に所望の位置まで突出させることができる。
【0011】
請求項4に係る作業台車は、進退動機構には、油圧シリンダのピストンロッドの伸縮力をコ字状枠の両側枠に均等に伝達するバランス機構を設けたものである。
【0012】
請求項4に係る作業台車では、進退動機構には、油圧シリンダのピストンロッドの伸縮力をコ字状枠の両側枠に均等に伝達するバランス機構を設けたので、張り出し駆動用油圧シリンダを、コ字状枠の中央から前後方向に変位した位置に取り付けても、力は均等に伝わるので、コ字状枠は円滑に進退動される。このため、設計の自由度が増す。
【0013】
請求項5に係る作業台車は、バランス機構は、コ字状枠の両前後側枠下面にチェーンを固設し、これらチェーンにそれぞれ係合するチェーンホイールを設け、これらチェーンホイールを軸で連結するとともに、この軸をベース枠に回動自在に支持するようにしたものである。
【0014】
請求項5に係る作業台車では、バランス機構は、コ字状枠の両前後側枠下面にチェーンを固設し、これらチェーンにそれぞれ係合するチェーンホイールを設け、これらチェーンホイールを軸で連結するとともに、この軸をベース枠に回動自在に支持するようにしたので、油圧シリンダのピストンロッドが伸びてコ字状枠が外側に移動すると、両方のチェーンに係合したチェーンホイールが回転される。両チェーンホイールは軸で連結されているので、両チェーンホイールは一体回動し、両側のチェーンを均等に案内する。このため、コ字状枠は円滑に進退動される。
【0015】
請求項6に係る作業台車は、昇降機構は、長手方向溝が穿設された上下枠の一端に、交叉した中央がピンにより回動自在に連結されたリンクの一方の上下端をそれぞれ枢着し、他方の上下端をそれぞれ上下枠の各溝に滑動自在に係止させた平行運動枠を、互いに対向させて支持枠上に配置するとともに、両内側リンク間の上部にこれら内側リンクを連結する連結軸を配設し、一端がこの連結軸に、他端が支持枠側にそれぞれ回動自在に取り付けられた昇降用油圧シリンダを配置して構成するとともに、作業台を両上枠間に取り付けるようにしたものである。
【0016】
請求項6に係る作業台車では、昇降機構は、長手方向溝が穿設された上下枠の一端に、交叉した中央がピンにより回動自在に連結されたリンクの一方の上下端をそれぞれ枢着し、他方の上下端をそれぞれ上下枠の各溝に滑動自在に係止させた平行運動枠を、互いに対向させて支持枠上に配置するとともに、両内側リンク間の上部にこれら内側リンクを連結する連結軸を配設し、一端がこの連結軸に、他端が支持枠側にそれぞれ回動自在に取り付けられた昇降用油圧シリンダを配置して構成するとともに、作業台を両上枠間に取り付けたので、昇降用油圧シリンダのピストンロッドが伸びて連結軸が押し上げられると、両内側リンク片は固定側を中心に回動して起き上がり、内外側リンクは可動側が変位して開かれ、上枠は下枠と平行に上昇される。ピストンロッドの伸張が停止されると、作業台はその位置で停止する。このため、作業台を上方の所望の位置まで上昇させて停止させることができる。
【0017】
請求項7に係る作業台車は、車台とベース枠との間には、作業台を水平に保つカント補正機構が設けられるようにしたものである。
【0018】
請求項7に係る作業台車では、車台とベース枠との間には、作業台を水平に保つカント補正機構が設けられるので、内外側レール間の高さに差があっても、作業台は水平に保たれる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る作業台車は、車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備えるようにしたので、構造を簡素化してコストダウンを図ることができるとともに、作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
作業台車の使い勝手を向上させ、作業効率を向上させるという目的を、車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備え、支持枠を左右両側に独立して設け、これら支持枠毎に進退動機構を設けたことにより実現した。
【実施例1】
【0021】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1ないし3はそれぞれ本発明の一実施例に係る作業台車の正面図、側面図および平面図である。本実施例に係る作業台車2は、図1および図2に示すように、軌道3を走行する車輪4を備えた車台5を有している。この車台5上には、カント補正機構6が設けられる。このカント補正機構6は、軌道の左右のレールに高低差がある場合、その高低差を補正して上面を水平に保つようになっている。このカント補正機構上面6Aには、高さを調整する調整筒7を介して進退動機構10が設けられる。
【0022】
進退動機構10は、図4の(A)、(B)および図5の(A)、(B)に示すように、調整筒7上に取り付けられたベース枠11と、このベース枠11上面の進行方向前後側にそれぞれ左右方向に沿って平行に配設された一対のガイド12FW、12RWとを備えている。これらガイド12FW、12RWの前後方向両側部には、ローラ13F、13Rが設けられる。これらガイド12FW、12RWの外側に沿って左側コ字状枠14が配置され、この左側コ字状枠14は、前方側ガイド12FWの前方側ローラ13Fおよび後方側ガイド12RWの後方側ローラ13Rに係合して左右方向外側に進退動されるようになっている。右側コ字状枠15は、ガイド12FW、12RWの内側に沿って配置され、前方側ガイド12FWの後方側ローラ13Rおよび後方側ガイド12RWの前方側ローラ13Fに係合して左右方向外側に進退動されるようになっている。左側コ字状枠14は、前方側ガイド12FWの前方側ローラ13Fおよび後方側ガイド12RWの後方側ローラ13Rに係合して左右方向に案内されるスライド枠(コ字状枠の側枠)14A、14Bと、これらスライド枠14A、14Bの左側端部間に配設され、これらスライド枠14A、14Bを接続する外側枠14Cとを有している。右側コ字状枠15は、左側コ字状枠14と同様に、前方側ガイド12FWの後方側ローラ13Rおよび後方側ガイド12RWの前方側ローラ13Fに係合して左右方向に案内されるスライド枠(コ字状枠の側枠)15A、15Bと、これらスライド枠15A、15Bの右側端部間に配設され、これらスライド枠15A、15Bを接続する外側枠15Cとを有している。このように、スライド枠14A、14Bは両ガイド12FW、12RWの外側で、スライド枠15A、15Bは両ガイド12FW、12RWの内側でそれぞれローラ13F、13Rおよび13R、13Fに係止され、互いに干渉しないようになっている。
【0023】
これら各コ字状枠14、15の外側枠14C、15Cとベース枠11との間には、張り出し駆動用油圧シリンダ(第1の駆動手段)16、17が取り付けられる。これら油圧シリンダ16、17のうち、左側コ字状枠14側の油圧シリンダ16は、図4の(A)に示すように、ベース枠11の前後方向中央から後方側に、右側コ字状枠15側の油圧シリンダ17は、ベース枠11の前後方向中央から前方側にそれぞれ取り付けられる。すなわち、油圧シリンダ16は、左側コ字状枠14の前後方向中央から後方側にずれた位置に、油圧シリンダ17は、右側コ字状枠15の前後方向中央から前方側にずれた位置に、それぞれ取り付けられるようになっている。これら油圧シリンダ16、17はいずれも本体が、ベース枠11に固定され、ピストンロッド16A、17Aがピン24により外側枠14C、15Cにそれぞれ連結される。符号18、19はそれぞれ、図5に示すように、ベース枠11上面に取り付けられた固定枠で、これら固定枠18、19上面にはそれぞれ、前後側固定作業台20、21(図2、図3参照)が設けられる。左側コ字状枠14の左側上面および右側コ字状枠15の右側上面にはそれぞれ、支持枠22、23が取り付けられる。この支持枠22、23には、後述する昇降機構40を介して作業台55、56が設けられる。
【0024】
進退動機構10には、バランス機構30が設けられる。バランス機構30は、偏倚して設けられた油圧シリンダ16、17から進退駆動されるピストンロッド16A、17Aの伸縮力をスライド枠14A、14Bおよび15A、15Bに均等に伝達するようになっている。このバランス機構30は、図8に示すように、左側コ字状枠14のスライド枠14A、14B外側に沿って設けられた管ステー31F、31R下面に取り付けられたチェーン32F、32Rと、これら各チェーン32F、32Rにそれぞれ係合するチェーンホイール33F、33Rとを備えている。これら両チェーンホイール33F、33Rは互いに軸34により連結される。この軸34は、ベース枠11に回動自在に支持されるようになっている。このため、左側コ字状枠14側の油圧シリンダ16のピストンロッド16Aが伸びてコ字状枠14が外側に移動すると、両方のチェーン32F、32Rに係合したチェーンホイール33F、33Rが回転される。両チェーンホイール33F、33Rは軸34で連結されているので、両チェーンホイール33F、33Rは一体に回動する。このため、コ字状枠14は、たとえ、油圧シリンダ16の偏倚した取付位置により外側枠14Cが片持ち状態となっても円滑に進退動される。バランス機構30は、右側コ字状枠15側にも設けられれている。すなわち、図8に示すように、右側コ字状枠15のスライド枠15A、15B内側に沿って設けられた管ステー35F、35R下面に取り付けられたチェーン36F、36Rと、これら各チェーン36F、36Rにそれぞれ係合するチェーンホイール37F、37Rとを備えている。これら両チェーンホイール33F、33Rは、ベース枠11に回動自在に支持される軸38に連結されるようになっている。このように、バランス機構30を設けたことにより、張り出し駆動用油圧シリンダ16を、コ字状枠14、15の中央から前後方向に偏倚した位置に干渉を避けて取り付けても、力は均等に伝わるので、コ字状枠は円滑に進退動され、設計の自由度が増す。
【0025】
進退動機構10の支持枠22、23上にはそれぞれ、図9に示すように、昇降機構40が設けられる。昇降機構40は、左右側がそれぞれ平行運動する一対の平行運動枠50R、50Lを、支持枠22、23上に互いに対向させて配置して構成される。平行運動枠50Rは、上下に平行縁41A、41Bおよび42A、42Bをそれぞれ有する右側上枠41Rおよび右側下枠42Rを備え、これら右側上枠41Rおよび右側下枠42Rにはそれぞれ、平行縁41A、41B、42A、42Bと平行な長手方向溝43、44が後側に穿設される。平行運動枠50Lも同様に、上下に平行縁41A、41Bおよび42A、42Bをそれぞれ有する左側上枠41Lおよび左側下枠42Lを備え、これら左側上枠41Lおよび左側下枠42Lにはそれぞれ、平行縁41A、41B、42A、42Bと平行な長手方向溝43、44が後側に穿設される。左右の下枠42L、42Rは、各支持枠22、23の左右両側端に取り付けられる。左右の上枠41L、41R上にはそれぞれ、左側作業台55と右側作業台56が取り付けられる。
【0026】
左右の上枠41L、41Rの前方側端部には、中央が交叉されてピン45により回動自在に連結されたリンク46、47の一端46A、47Aがそれぞれピンにより枢着される。リンク46、47は同じ長さを有し、ピン45を中心に回動すると、リンク46、47の両下端47A、46Bを結ぶ線と両上端46A、47Bを結ぶ線とが常に平行を保持するようになっている。左右の上枠41L、41Rの溝43、43間には、上側ロッド48が、左右の下枠42L、42Rの溝44、44間には、下側ロッド49がそれぞれ架け渡され、溝43、44内を滑動するようになっている。そして、左右の外側リンクの46、46の他端46B、46Bが、下側ロッド49に、左右の内側リンク47、47の他端47B、47Bが、上側ロッド48にそれぞれ回動自在に係止される。このため、平行運動枠50R、50Lは、左右のリンク46、47が連動してピン45を中心に回動すると、左右の上枠41L、41Rは左右の下枠42L、42Rに対して平行を保って上方に変位するようになっている。
【0027】
左右の内側リンク47、47間には、ピン45と他端47Bとの間に連結軸51が設けられ、これら両内側リンク47、47を連結するようになっている。連結軸51と支持枠22、23側との間には、昇降用油圧シリンダ(第2の駆動手段)52R、52Lが設けられる。昇降用油圧シリンダ52R、52Lは、ピストンロッド53L、53R側端部が連結軸51に、本体側他端が支持枠22、23側にそれぞれ揺動自在に連結される。昇降用油圧シリンダ52R、52Lは、図示しない油圧ユニットから油圧が導入されると、連結軸51を押し上げて左右のリンク46、47を同時に開き、上枠41R、41Lに固定された作業台55、56を支持枠22、23毎独立に上昇させ、所望の高さで保持するようになっている。張り出し駆動用油圧シリンダ16、17および昇降用油圧シリンダ52R、52Lはそれぞれ、図示しない遠隔操作盤により、独立に遠隔で操作されるようになっている。
【0028】
車台5には、図10の(A)ないし(C)に示すように、自動空気ブレーキ60が設けられる。自動空気ブレーキ60は、図示しない駆動車(モーターカー)側の駆動車側ブレーキ管と連結ホース(図示せず)を介して接続される台車側ブレーキ管(図示せず)と、補助空気だめ(図示せず)と、台車側ブレーキ管と補助空気だめとの間に設けられた電磁制御弁(ブレーキ弁、図示せず)と、電磁制御弁に接続され、制動解除時、電磁制御弁の動作により補助空気だめからの圧縮空気を内部に導き、制動を解除するブレーキシリンダ61とを備えている。
【0029】
ブレーキシリンダ61の各ピストンロッド62A、62Bにはそれぞれ、第1の揺動杆63と第2の揺動杆64とがピンにより連結される。これら揺動杆63、64の他端はそれぞれ、後輪側ブレーキパッド66を操作する後輪側プッシュロッド65と、前輪側ブレーキパッド68を操作する前輪側プッシュロッド67とにそれぞれ連結される。揺動杆63、64には、プッシュロッド65、67側端部とブレーキシリンダ61との間に、連結ロッド69が連結される。このため、揺動杆63、64は、ブレーキシリンダ61に圧縮空気が導入され、ピストンロッド62A、62Bが突出すると、連結ロッド69の連結部を中心に揺動して、両プッシュロッド65、67が引っ張られ、各ブレーキパッド66、68の圧接を解除し、制動を解くようになっている。
【0030】
第2の揺動杆64は、第1の揺動杆63より長寸に形成され、ピストンロッド62B側の端部64Aが延長して形成される。この延長端64Aには、手動ブレーキ70が連結される。手動ブレーキ70は、車台5に回動自在に支持され、前方側端部に操作ハンドル72を有する操作ロッド71を備えている。操作ロッド71の後端はねじ切りされ、ターンバックル73の螺子穴に螺入される。ターンバックル73は、スリットが形成され、このスリットを介してピンにより第2の揺動杆64の延長端64Aに連結されるようになっている。このため、手動ブレーキ70は、操作ハンドル72を回転操作させると、操作ロッド71が一方向に回転され、ターンバックル73が操作ロッド71のねじ切り部に沿って移動し、ピンを通じて第2の揺動杆64を揺動させ、制動位置に変位させるようになっている。操作ハンドル72を逆方向に回転操作させると、元の位置に復帰するようになっている。このため、手動ブレーキ70を操作し、第2の揺動杆64を制動位置に変位させると、第1の操作杆63も連結ロッド69により制動位置に変位されるので、前後輪4とも制動状態に保持することができる。従って、たとえ、万一、作業中に誤って電磁制御弁が操作され、ブレーキシリンダ61に圧縮エアが導入されても、制動が解除されることがない。このため、手動ブレーキ70はフェイルセーフの役割を果たし、安全性が向上する。
【0031】
また、車台5には、図3に示すように、発電機80を搭載している。このため、外部から電源コードを引き込む必要がなくなり、作業効率が向上する。
【0032】
次に、上記実施例に係る作業台車2の作用について説明する。上記実施例に係る作業台車2は、図示しない遠隔操作盤の操作により一方の張り出し駆動用油圧シリンダ16の突出側室に外部から油圧が導入されると、張り出し駆動用油圧シリンダ16のピストンロッド16Aが左側コ字状枠14を左側外方に押し出してゆき、左側作業台55は左側コ字状枠14と一体に移動される。左側コ字状枠14が所望の突出位置に達すると、張り出し駆動用油圧シリンダ16への油圧の供給を停止する。すると、左側コ字状枠14と作業台55は所望の左側突出位置で停止される。張り出し駆動用油圧シリンダ16は左側コ字状枠14の前後方向中央よりずれた位置に取り付けられている。このため、左側コ字状枠14の押し出し時、万一、外側枠14Cが傾き、どちらかのチェーン32F、32Rに速度差が発生しても、両チェーンホイール33F、33Rは軸34で連結され一体回動されるので、各チェーン32F、32Rはチェーンホイール33F、33Rにより均等に案内される。このため、コ字状枠14は円滑に進退動される。
【0033】
作業台55が所望の張り出し位置に達すると、その後、図示しない遠隔操作盤を操作し、左側支持枠22の昇降用油圧シリンダ52R、52Lの突出側室に外部から油圧を導入する。そして、昇降用油圧シリンダ52R、52Lのピストンロッドが伸張され連結軸51を押し上げると、昇降用油圧シリンダ52R、52Lも立ち上がりながら、左右のリンク46、47を押し開き、上枠41R、41Lに固定された左側作業台55を上昇させる。所望の高さで、昇降用油圧シリンダ52R、52Lへの油圧の供給を停止すると、左側作業台55はその高さで保持されるようになっている。作業台55の張り出しと上昇は、順序が逆になっても良いし、張り出しと上昇を同時に行うようにしてもよい。図示しない遠隔操作盤の操作により各油圧シリンダ16、17、52R、52Lの他方の復帰側室に油圧が導かれると、ピストンロッド16A、17A、53R、53Lは元の位置に復帰する。右側作業台56についても、すなわち、進退動機構10による右側支持枠23の進退動と昇降機構40による右側作業台56の昇降動作についても、左側作業台55と同様の動作が行われる。さらに、左側作業台55と右側作業台56とを同期させ、車台5上で同時に同一床面を保持して昇降動作させることもできるようになっている。
【0034】
このように、本実施例に係る作業台車2では、トンネルなどの壁面の作業対象部分の台車からの距離や床面から高さに対して最も作業しやすい最適の位置で作業することができるので作業効率が向上する。また、進退動機構10の駆動源である張り出し駆動用油圧シリンダ16、17と昇降機構40の駆動源である昇降用油圧シリンダ52R、52Lとがそれぞれ左右に分割された作業台55、56毎に設けられることになり、必要とされるパワーは、分割された左右側の各機構10、40に応じた能力を確保するものであればよく、張り出しや昇降に要する動力を低く抑え、搭載される駆動装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施例に係る作業台車を示す正面図である。(実施例1)
【図2】図1の作業台車の側面図である。
【図3】図1の作業台車の平面図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ、進退動機構の要部を示す平面図および正面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、油圧シリンダを取り付ける前の進退動機構の要部を示す平面図および正面図である。
【図6】(A)ないし(C)はそれぞれ、左側コ字状枠を示す平面図、側面図および正面図である。
【図7】(A)ないし(C)はそれぞれ、右側コ字状枠を示す平面図、側面図および正面図である。
【図8】(A)ないし(C)はそれぞれ、進退動機構の要部を示す縦断面図である。
【図9】(A)ないし(C)はそれぞれ、昇降機構を示す平面図、側面図および正面図である。
【図10】(A)は自動空気ブレーキと手動ブレーキとを示す平面図、(B)は手動ブレーキの側面図、(C)は車輪とブレーキとの配置を示す説明図である。
【図11】自動空気ブレーキと手動ブレーキとの概念図である。
【図12】従来の作業台を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
2 作業台車
4 車輪
3 軌道
5 車台
10 進退動機構
16、17 張り出し用油圧シリンダ(駆動手段)
22、23 支持枠
40 昇降機構
55、56 作業台
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道が敷設された隧道内で作業を行う際に用いられる作業台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、軌道が敷設されたトンネルの壁面の保守点検作業を行う場合、作業台車を軌道に引き入れ、作業台車に取り付けられた作業台に作業者が乗り込み、作業を行うようになっている。従来、このような作業台車として、図12に示すような作業台車101が知られている。この作業台車101は、軌道上を自走可能な台車102に載置された基部103と、この基部103に上方に移動可能に格納された可動部104と、これら基部103または可動部104の少なくとも一方に、側方に展開可能に格納された足場105a、105bとを備えて構成される(特許文献1参照)。この作業台車101は、可動部104が基部103の内部に上方から入れ子式に格納された一段目106と、この一段目106の内部に上方から入れ子式に格納された二段目107とから構成されている。これら可動部104の上下動には、基部103および可動部104に支持された滑車にワイヤを掛け渡し、このワイヤをウインチ(図示せず)の繰り出しまたは巻き取りにより行うようになっている。また、足場105a、105bは、基部103の一側面(左側側面)および一段目106の同一側面(左側側面)に前後一対のヒンジを介してそれぞれ支持され、ヒンジを軸として側方に展開可能に格納される。足場105a、105bは、格納状態では、可動部104の側部に垂直に跳ね上げられ、展開状態では、基部103および可動部104の一段目106の側面から側方に向けて水平に突出するようになっている。可動部104の二段目107の上端にも、足場105cが形成されている。
【特許文献1】特開2004−42705号公報(第3頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の作業台車では、車台に載置された基部とその基部内に格納される可動部とからなる作業台を設け、この作業台を昇降されるようにしている。作業時には、まず、作業台のレベルを決定し、次に、足場と可動部との干渉を避けるため、上昇させる可動部より下側の左右の両足場を展開させた後、昇降させるようにしている。このため、位置決めに時間がかかるとともに、足場の展開作業が必要になるという問題がある。また、一旦、作業台の可動部を上昇端まで引き上げてしまうと、作業位置に応じてその度に降下させる手間を避けるため、上昇端まで引き上げた状態で作業員が高さの異なる足場間を行き来して作業を行うので、作業効率が悪いという問題があった。さらに、足場は作業台の側面に揺動自在に取り付けられているので、左右方向寸法の短い足場であれば、軌道と壁面が離れていると作業者が壁面に届かず、かといって長い寸法の場合、軌道と壁面が近いと、足場が壁面に当たって、展開できないという問題がある。また、作業台車の進行方向一側面にしか設けられていないので、他側面側の壁面の保守点検作業を行う場合、進行方向を変更する作業を行う必要がある。さらに、高さに応じて複数の入れ子式可動枠を作らなければならず、車体の重量化やコストアップを招くという問題がある。また、車台の進行および停止は、作業台から車台の運転席に乗り込んで行わなければならず、作業効率が悪いという問題がある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡素な構成で作業効率が良く、しかも、作業対象部分の壁面の車台からの距離や高さに対して作業しやすい位置に容易に作業台を配置することができ、昇降に要する動力を低く抑え、搭載される動力装置の小型化を図ることができる作業台車を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る作業台車は、車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備えたものである。
【0006】
本発明の請求項1に係る作業台車では、車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備えるようにしたので、作業時、壁面の作業対象部分に対して最適な任意の位置に作業台を移動させることができ、作業が効率化される。
【0007】
また、請求項2に係る作業台車は、支持枠を左右両側に独立して設け、これら支持枠毎に進退動機構を設けたものである。
【0008】
請求項2に係る作業台車では、支持枠を左右両側に独立して設け、これら支持枠毎に進退動機構を設けたので、進退動機構の駆動源と昇降機構の駆動源とはそれぞれ分割された機構毎に設けられることになり、必要とされるパワーは、分割された左右側の各機構に応じた能力を確保するものであればよく、搭載される駆動装置の小型化を図ることができる。
【0009】
請求項3に係る作業台車は、進退動機構が、車台上に設けられたベース枠と、このベース枠上面の進行方向前後側にそれぞれ左右方向に沿って平行に配設された一対のガイドと、各ガイドの前後方向両側部に設けられたローラと、このガイドの内外側のうち一側に沿って配置され、ローラに係合して左右方向外側に進退動されるコ字状左側枠と、上記ガイドの内外側のうち他側に沿って配置され、上記ローラの前後方向反対側のローラに係合し左右方向外側に進退動されるコ字状右側枠と、これら各コ字状枠とベース枠との間にそれぞれ取り付けられた張り出し駆動用油圧シリンダとを備えて構成し、各コ字状枠上に支持枠を設けるようにしたものである。
【0010】
請求項3に係る作業台車では、進退動機構は、車台上に設けられたベース枠と、このベース枠上面の進行方向前後側にそれぞれ左右方向に沿って平行に配設された一対のガイドと、各ガイドの前後方向両側部に設けられたローラと、このガイドの内外側のうち一側に沿って配置され、ローラに係合して左右方向外側に進退動されるコ字状左側枠と、上記ガイドの内外側のうち他側に沿って配置され、上記ローラの前後方向反対側のローラに係合し左右方向外側に進退動されるコ字状右側枠と、これら各コ字状枠とベース枠との間にそれぞれ取り付けられた張り出し駆動用油圧シリンダとを備えて構成し、各コ字状枠上に支持枠を設けたので、張り出し駆動用油圧シリンダのピストンロッドが伸張すると、コ字状枠がガイドローラに案内されて外側に移動し、ピストンロッドの伸張が停止されると、コ字状枠はその位置で停止する。このため、作業台を側方外側に所望の位置まで突出させることができる。
【0011】
請求項4に係る作業台車は、進退動機構には、油圧シリンダのピストンロッドの伸縮力をコ字状枠の両側枠に均等に伝達するバランス機構を設けたものである。
【0012】
請求項4に係る作業台車では、進退動機構には、油圧シリンダのピストンロッドの伸縮力をコ字状枠の両側枠に均等に伝達するバランス機構を設けたので、張り出し駆動用油圧シリンダを、コ字状枠の中央から前後方向に変位した位置に取り付けても、力は均等に伝わるので、コ字状枠は円滑に進退動される。このため、設計の自由度が増す。
【0013】
請求項5に係る作業台車は、バランス機構は、コ字状枠の両前後側枠下面にチェーンを固設し、これらチェーンにそれぞれ係合するチェーンホイールを設け、これらチェーンホイールを軸で連結するとともに、この軸をベース枠に回動自在に支持するようにしたものである。
【0014】
請求項5に係る作業台車では、バランス機構は、コ字状枠の両前後側枠下面にチェーンを固設し、これらチェーンにそれぞれ係合するチェーンホイールを設け、これらチェーンホイールを軸で連結するとともに、この軸をベース枠に回動自在に支持するようにしたので、油圧シリンダのピストンロッドが伸びてコ字状枠が外側に移動すると、両方のチェーンに係合したチェーンホイールが回転される。両チェーンホイールは軸で連結されているので、両チェーンホイールは一体回動し、両側のチェーンを均等に案内する。このため、コ字状枠は円滑に進退動される。
【0015】
請求項6に係る作業台車は、昇降機構は、長手方向溝が穿設された上下枠の一端に、交叉した中央がピンにより回動自在に連結されたリンクの一方の上下端をそれぞれ枢着し、他方の上下端をそれぞれ上下枠の各溝に滑動自在に係止させた平行運動枠を、互いに対向させて支持枠上に配置するとともに、両内側リンク間の上部にこれら内側リンクを連結する連結軸を配設し、一端がこの連結軸に、他端が支持枠側にそれぞれ回動自在に取り付けられた昇降用油圧シリンダを配置して構成するとともに、作業台を両上枠間に取り付けるようにしたものである。
【0016】
請求項6に係る作業台車では、昇降機構は、長手方向溝が穿設された上下枠の一端に、交叉した中央がピンにより回動自在に連結されたリンクの一方の上下端をそれぞれ枢着し、他方の上下端をそれぞれ上下枠の各溝に滑動自在に係止させた平行運動枠を、互いに対向させて支持枠上に配置するとともに、両内側リンク間の上部にこれら内側リンクを連結する連結軸を配設し、一端がこの連結軸に、他端が支持枠側にそれぞれ回動自在に取り付けられた昇降用油圧シリンダを配置して構成するとともに、作業台を両上枠間に取り付けたので、昇降用油圧シリンダのピストンロッドが伸びて連結軸が押し上げられると、両内側リンク片は固定側を中心に回動して起き上がり、内外側リンクは可動側が変位して開かれ、上枠は下枠と平行に上昇される。ピストンロッドの伸張が停止されると、作業台はその位置で停止する。このため、作業台を上方の所望の位置まで上昇させて停止させることができる。
【0017】
請求項7に係る作業台車は、車台とベース枠との間には、作業台を水平に保つカント補正機構が設けられるようにしたものである。
【0018】
請求項7に係る作業台車では、車台とベース枠との間には、作業台を水平に保つカント補正機構が設けられるので、内外側レール間の高さに差があっても、作業台は水平に保たれる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る作業台車は、車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備えるようにしたので、構造を簡素化してコストダウンを図ることができるとともに、作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
作業台車の使い勝手を向上させ、作業効率を向上させるという目的を、車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備え、支持枠を左右両側に独立して設け、これら支持枠毎に進退動機構を設けたことにより実現した。
【実施例1】
【0021】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1ないし3はそれぞれ本発明の一実施例に係る作業台車の正面図、側面図および平面図である。本実施例に係る作業台車2は、図1および図2に示すように、軌道3を走行する車輪4を備えた車台5を有している。この車台5上には、カント補正機構6が設けられる。このカント補正機構6は、軌道の左右のレールに高低差がある場合、その高低差を補正して上面を水平に保つようになっている。このカント補正機構上面6Aには、高さを調整する調整筒7を介して進退動機構10が設けられる。
【0022】
進退動機構10は、図4の(A)、(B)および図5の(A)、(B)に示すように、調整筒7上に取り付けられたベース枠11と、このベース枠11上面の進行方向前後側にそれぞれ左右方向に沿って平行に配設された一対のガイド12FW、12RWとを備えている。これらガイド12FW、12RWの前後方向両側部には、ローラ13F、13Rが設けられる。これらガイド12FW、12RWの外側に沿って左側コ字状枠14が配置され、この左側コ字状枠14は、前方側ガイド12FWの前方側ローラ13Fおよび後方側ガイド12RWの後方側ローラ13Rに係合して左右方向外側に進退動されるようになっている。右側コ字状枠15は、ガイド12FW、12RWの内側に沿って配置され、前方側ガイド12FWの後方側ローラ13Rおよび後方側ガイド12RWの前方側ローラ13Fに係合して左右方向外側に進退動されるようになっている。左側コ字状枠14は、前方側ガイド12FWの前方側ローラ13Fおよび後方側ガイド12RWの後方側ローラ13Rに係合して左右方向に案内されるスライド枠(コ字状枠の側枠)14A、14Bと、これらスライド枠14A、14Bの左側端部間に配設され、これらスライド枠14A、14Bを接続する外側枠14Cとを有している。右側コ字状枠15は、左側コ字状枠14と同様に、前方側ガイド12FWの後方側ローラ13Rおよび後方側ガイド12RWの前方側ローラ13Fに係合して左右方向に案内されるスライド枠(コ字状枠の側枠)15A、15Bと、これらスライド枠15A、15Bの右側端部間に配設され、これらスライド枠15A、15Bを接続する外側枠15Cとを有している。このように、スライド枠14A、14Bは両ガイド12FW、12RWの外側で、スライド枠15A、15Bは両ガイド12FW、12RWの内側でそれぞれローラ13F、13Rおよび13R、13Fに係止され、互いに干渉しないようになっている。
【0023】
これら各コ字状枠14、15の外側枠14C、15Cとベース枠11との間には、張り出し駆動用油圧シリンダ(第1の駆動手段)16、17が取り付けられる。これら油圧シリンダ16、17のうち、左側コ字状枠14側の油圧シリンダ16は、図4の(A)に示すように、ベース枠11の前後方向中央から後方側に、右側コ字状枠15側の油圧シリンダ17は、ベース枠11の前後方向中央から前方側にそれぞれ取り付けられる。すなわち、油圧シリンダ16は、左側コ字状枠14の前後方向中央から後方側にずれた位置に、油圧シリンダ17は、右側コ字状枠15の前後方向中央から前方側にずれた位置に、それぞれ取り付けられるようになっている。これら油圧シリンダ16、17はいずれも本体が、ベース枠11に固定され、ピストンロッド16A、17Aがピン24により外側枠14C、15Cにそれぞれ連結される。符号18、19はそれぞれ、図5に示すように、ベース枠11上面に取り付けられた固定枠で、これら固定枠18、19上面にはそれぞれ、前後側固定作業台20、21(図2、図3参照)が設けられる。左側コ字状枠14の左側上面および右側コ字状枠15の右側上面にはそれぞれ、支持枠22、23が取り付けられる。この支持枠22、23には、後述する昇降機構40を介して作業台55、56が設けられる。
【0024】
進退動機構10には、バランス機構30が設けられる。バランス機構30は、偏倚して設けられた油圧シリンダ16、17から進退駆動されるピストンロッド16A、17Aの伸縮力をスライド枠14A、14Bおよび15A、15Bに均等に伝達するようになっている。このバランス機構30は、図8に示すように、左側コ字状枠14のスライド枠14A、14B外側に沿って設けられた管ステー31F、31R下面に取り付けられたチェーン32F、32Rと、これら各チェーン32F、32Rにそれぞれ係合するチェーンホイール33F、33Rとを備えている。これら両チェーンホイール33F、33Rは互いに軸34により連結される。この軸34は、ベース枠11に回動自在に支持されるようになっている。このため、左側コ字状枠14側の油圧シリンダ16のピストンロッド16Aが伸びてコ字状枠14が外側に移動すると、両方のチェーン32F、32Rに係合したチェーンホイール33F、33Rが回転される。両チェーンホイール33F、33Rは軸34で連結されているので、両チェーンホイール33F、33Rは一体に回動する。このため、コ字状枠14は、たとえ、油圧シリンダ16の偏倚した取付位置により外側枠14Cが片持ち状態となっても円滑に進退動される。バランス機構30は、右側コ字状枠15側にも設けられれている。すなわち、図8に示すように、右側コ字状枠15のスライド枠15A、15B内側に沿って設けられた管ステー35F、35R下面に取り付けられたチェーン36F、36Rと、これら各チェーン36F、36Rにそれぞれ係合するチェーンホイール37F、37Rとを備えている。これら両チェーンホイール33F、33Rは、ベース枠11に回動自在に支持される軸38に連結されるようになっている。このように、バランス機構30を設けたことにより、張り出し駆動用油圧シリンダ16を、コ字状枠14、15の中央から前後方向に偏倚した位置に干渉を避けて取り付けても、力は均等に伝わるので、コ字状枠は円滑に進退動され、設計の自由度が増す。
【0025】
進退動機構10の支持枠22、23上にはそれぞれ、図9に示すように、昇降機構40が設けられる。昇降機構40は、左右側がそれぞれ平行運動する一対の平行運動枠50R、50Lを、支持枠22、23上に互いに対向させて配置して構成される。平行運動枠50Rは、上下に平行縁41A、41Bおよび42A、42Bをそれぞれ有する右側上枠41Rおよび右側下枠42Rを備え、これら右側上枠41Rおよび右側下枠42Rにはそれぞれ、平行縁41A、41B、42A、42Bと平行な長手方向溝43、44が後側に穿設される。平行運動枠50Lも同様に、上下に平行縁41A、41Bおよび42A、42Bをそれぞれ有する左側上枠41Lおよび左側下枠42Lを備え、これら左側上枠41Lおよび左側下枠42Lにはそれぞれ、平行縁41A、41B、42A、42Bと平行な長手方向溝43、44が後側に穿設される。左右の下枠42L、42Rは、各支持枠22、23の左右両側端に取り付けられる。左右の上枠41L、41R上にはそれぞれ、左側作業台55と右側作業台56が取り付けられる。
【0026】
左右の上枠41L、41Rの前方側端部には、中央が交叉されてピン45により回動自在に連結されたリンク46、47の一端46A、47Aがそれぞれピンにより枢着される。リンク46、47は同じ長さを有し、ピン45を中心に回動すると、リンク46、47の両下端47A、46Bを結ぶ線と両上端46A、47Bを結ぶ線とが常に平行を保持するようになっている。左右の上枠41L、41Rの溝43、43間には、上側ロッド48が、左右の下枠42L、42Rの溝44、44間には、下側ロッド49がそれぞれ架け渡され、溝43、44内を滑動するようになっている。そして、左右の外側リンクの46、46の他端46B、46Bが、下側ロッド49に、左右の内側リンク47、47の他端47B、47Bが、上側ロッド48にそれぞれ回動自在に係止される。このため、平行運動枠50R、50Lは、左右のリンク46、47が連動してピン45を中心に回動すると、左右の上枠41L、41Rは左右の下枠42L、42Rに対して平行を保って上方に変位するようになっている。
【0027】
左右の内側リンク47、47間には、ピン45と他端47Bとの間に連結軸51が設けられ、これら両内側リンク47、47を連結するようになっている。連結軸51と支持枠22、23側との間には、昇降用油圧シリンダ(第2の駆動手段)52R、52Lが設けられる。昇降用油圧シリンダ52R、52Lは、ピストンロッド53L、53R側端部が連結軸51に、本体側他端が支持枠22、23側にそれぞれ揺動自在に連結される。昇降用油圧シリンダ52R、52Lは、図示しない油圧ユニットから油圧が導入されると、連結軸51を押し上げて左右のリンク46、47を同時に開き、上枠41R、41Lに固定された作業台55、56を支持枠22、23毎独立に上昇させ、所望の高さで保持するようになっている。張り出し駆動用油圧シリンダ16、17および昇降用油圧シリンダ52R、52Lはそれぞれ、図示しない遠隔操作盤により、独立に遠隔で操作されるようになっている。
【0028】
車台5には、図10の(A)ないし(C)に示すように、自動空気ブレーキ60が設けられる。自動空気ブレーキ60は、図示しない駆動車(モーターカー)側の駆動車側ブレーキ管と連結ホース(図示せず)を介して接続される台車側ブレーキ管(図示せず)と、補助空気だめ(図示せず)と、台車側ブレーキ管と補助空気だめとの間に設けられた電磁制御弁(ブレーキ弁、図示せず)と、電磁制御弁に接続され、制動解除時、電磁制御弁の動作により補助空気だめからの圧縮空気を内部に導き、制動を解除するブレーキシリンダ61とを備えている。
【0029】
ブレーキシリンダ61の各ピストンロッド62A、62Bにはそれぞれ、第1の揺動杆63と第2の揺動杆64とがピンにより連結される。これら揺動杆63、64の他端はそれぞれ、後輪側ブレーキパッド66を操作する後輪側プッシュロッド65と、前輪側ブレーキパッド68を操作する前輪側プッシュロッド67とにそれぞれ連結される。揺動杆63、64には、プッシュロッド65、67側端部とブレーキシリンダ61との間に、連結ロッド69が連結される。このため、揺動杆63、64は、ブレーキシリンダ61に圧縮空気が導入され、ピストンロッド62A、62Bが突出すると、連結ロッド69の連結部を中心に揺動して、両プッシュロッド65、67が引っ張られ、各ブレーキパッド66、68の圧接を解除し、制動を解くようになっている。
【0030】
第2の揺動杆64は、第1の揺動杆63より長寸に形成され、ピストンロッド62B側の端部64Aが延長して形成される。この延長端64Aには、手動ブレーキ70が連結される。手動ブレーキ70は、車台5に回動自在に支持され、前方側端部に操作ハンドル72を有する操作ロッド71を備えている。操作ロッド71の後端はねじ切りされ、ターンバックル73の螺子穴に螺入される。ターンバックル73は、スリットが形成され、このスリットを介してピンにより第2の揺動杆64の延長端64Aに連結されるようになっている。このため、手動ブレーキ70は、操作ハンドル72を回転操作させると、操作ロッド71が一方向に回転され、ターンバックル73が操作ロッド71のねじ切り部に沿って移動し、ピンを通じて第2の揺動杆64を揺動させ、制動位置に変位させるようになっている。操作ハンドル72を逆方向に回転操作させると、元の位置に復帰するようになっている。このため、手動ブレーキ70を操作し、第2の揺動杆64を制動位置に変位させると、第1の操作杆63も連結ロッド69により制動位置に変位されるので、前後輪4とも制動状態に保持することができる。従って、たとえ、万一、作業中に誤って電磁制御弁が操作され、ブレーキシリンダ61に圧縮エアが導入されても、制動が解除されることがない。このため、手動ブレーキ70はフェイルセーフの役割を果たし、安全性が向上する。
【0031】
また、車台5には、図3に示すように、発電機80を搭載している。このため、外部から電源コードを引き込む必要がなくなり、作業効率が向上する。
【0032】
次に、上記実施例に係る作業台車2の作用について説明する。上記実施例に係る作業台車2は、図示しない遠隔操作盤の操作により一方の張り出し駆動用油圧シリンダ16の突出側室に外部から油圧が導入されると、張り出し駆動用油圧シリンダ16のピストンロッド16Aが左側コ字状枠14を左側外方に押し出してゆき、左側作業台55は左側コ字状枠14と一体に移動される。左側コ字状枠14が所望の突出位置に達すると、張り出し駆動用油圧シリンダ16への油圧の供給を停止する。すると、左側コ字状枠14と作業台55は所望の左側突出位置で停止される。張り出し駆動用油圧シリンダ16は左側コ字状枠14の前後方向中央よりずれた位置に取り付けられている。このため、左側コ字状枠14の押し出し時、万一、外側枠14Cが傾き、どちらかのチェーン32F、32Rに速度差が発生しても、両チェーンホイール33F、33Rは軸34で連結され一体回動されるので、各チェーン32F、32Rはチェーンホイール33F、33Rにより均等に案内される。このため、コ字状枠14は円滑に進退動される。
【0033】
作業台55が所望の張り出し位置に達すると、その後、図示しない遠隔操作盤を操作し、左側支持枠22の昇降用油圧シリンダ52R、52Lの突出側室に外部から油圧を導入する。そして、昇降用油圧シリンダ52R、52Lのピストンロッドが伸張され連結軸51を押し上げると、昇降用油圧シリンダ52R、52Lも立ち上がりながら、左右のリンク46、47を押し開き、上枠41R、41Lに固定された左側作業台55を上昇させる。所望の高さで、昇降用油圧シリンダ52R、52Lへの油圧の供給を停止すると、左側作業台55はその高さで保持されるようになっている。作業台55の張り出しと上昇は、順序が逆になっても良いし、張り出しと上昇を同時に行うようにしてもよい。図示しない遠隔操作盤の操作により各油圧シリンダ16、17、52R、52Lの他方の復帰側室に油圧が導かれると、ピストンロッド16A、17A、53R、53Lは元の位置に復帰する。右側作業台56についても、すなわち、進退動機構10による右側支持枠23の進退動と昇降機構40による右側作業台56の昇降動作についても、左側作業台55と同様の動作が行われる。さらに、左側作業台55と右側作業台56とを同期させ、車台5上で同時に同一床面を保持して昇降動作させることもできるようになっている。
【0034】
このように、本実施例に係る作業台車2では、トンネルなどの壁面の作業対象部分の台車からの距離や床面から高さに対して最も作業しやすい最適の位置で作業することができるので作業効率が向上する。また、進退動機構10の駆動源である張り出し駆動用油圧シリンダ16、17と昇降機構40の駆動源である昇降用油圧シリンダ52R、52Lとがそれぞれ左右に分割された作業台55、56毎に設けられることになり、必要とされるパワーは、分割された左右側の各機構10、40に応じた能力を確保するものであればよく、張り出しや昇降に要する動力を低く抑え、搭載される駆動装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施例に係る作業台車を示す正面図である。(実施例1)
【図2】図1の作業台車の側面図である。
【図3】図1の作業台車の平面図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ、進退動機構の要部を示す平面図および正面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、油圧シリンダを取り付ける前の進退動機構の要部を示す平面図および正面図である。
【図6】(A)ないし(C)はそれぞれ、左側コ字状枠を示す平面図、側面図および正面図である。
【図7】(A)ないし(C)はそれぞれ、右側コ字状枠を示す平面図、側面図および正面図である。
【図8】(A)ないし(C)はそれぞれ、進退動機構の要部を示す縦断面図である。
【図9】(A)ないし(C)はそれぞれ、昇降機構を示す平面図、側面図および正面図である。
【図10】(A)は自動空気ブレーキと手動ブレーキとを示す平面図、(B)は手動ブレーキの側面図、(C)は車輪とブレーキとの配置を示す説明図である。
【図11】自動空気ブレーキと手動ブレーキとの概念図である。
【図12】従来の作業台を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
2 作業台車
4 車輪
3 軌道
5 車台
10 進退動機構
16、17 張り出し用油圧シリンダ(駆動手段)
22、23 支持枠
40 昇降機構
55、56 作業台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備えたことを特徴とする作業台車。
【請求項2】
支持枠を左右両側に独立して設け、これら支持枠毎に進退動機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業台車。
【請求項3】
進退動機構は、車台上に設けられたベース枠と、このベース枠上面の進行方向前後側にそれぞれ左右方向に沿って平行に配設された一対のガイドと、各ガイドの前後方向両側部に設けられたローラと、このガイドの内外側のうち一側に沿って配置され、ローラに係合して左右方向外側に進退動されるコ字状左側枠と、上記ガイドの内外側のうち他側に沿って配置され、上記ローラの前後方向反対側のローラに係合し左右方向外側に進退動されるコ字状右側枠と、これら各コ字状枠とベース枠との間にそれぞれ取り付けられた張り出し駆動用油圧シリンダとを備えて構成し、各コ字状枠上に支持枠を設けたことを特徴とする請求項2に記載の作業台車。
【請求項4】
進退動機構には、油圧シリンダのピストンロッドの伸縮力をコ字状枠の両側枠に均等に伝達するバランス機構を設けたことを特徴とする請求項3に記載の作業台車。
【請求項5】
バランス機構は、コ字状枠の両前後側枠下面にチェーンを固設し、これらチェーンにそれぞれ係合するチェーンホイールを設け、これらチェーンホイールを軸で連結するとともに、この軸をベース枠に回動自在に支持することを特徴とする請求項4に記載の作業台車。
【請求項6】
昇降機構は、長手方向溝が穿設された上下枠の一端に、交叉した中央がピンにより回動自在に連結されたリンクの一方の上下端をそれぞれ枢着し、他方の上下端をそれぞれ上下枠の各溝に滑動自在に係止させた平行運動枠を、互いに対向させて支持枠上に配置するとともに、両内側リンク間の上部にこれら内側リンクを連結する連結軸を配設し、一端がこの連結軸に、他端が支持枠側にそれぞれ回動自在に取り付けられた昇降用油圧シリンダを配置して構成するとともに、作業台を両上枠間に取り付けたことを特徴とする請求項3に記載の作業台車。
【請求項7】
車台とベース枠との間には、作業台を水平に保つカント補正機構が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の作業台車。
【請求項1】
車輪により軌道上を走行する車台と、この車台上に設けられた支持枠と、この支持枠を第1の駆動手段により左右方向外側に調整可能に突出させて進退動させる進退動機構と、支持枠上に設けられた作業台と、この作業台を第2の駆動手段により高さを調整可能に昇降させる昇降機構とを備えたことを特徴とする作業台車。
【請求項2】
支持枠を左右両側に独立して設け、これら支持枠毎に進退動機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業台車。
【請求項3】
進退動機構は、車台上に設けられたベース枠と、このベース枠上面の進行方向前後側にそれぞれ左右方向に沿って平行に配設された一対のガイドと、各ガイドの前後方向両側部に設けられたローラと、このガイドの内外側のうち一側に沿って配置され、ローラに係合して左右方向外側に進退動されるコ字状左側枠と、上記ガイドの内外側のうち他側に沿って配置され、上記ローラの前後方向反対側のローラに係合し左右方向外側に進退動されるコ字状右側枠と、これら各コ字状枠とベース枠との間にそれぞれ取り付けられた張り出し駆動用油圧シリンダとを備えて構成し、各コ字状枠上に支持枠を設けたことを特徴とする請求項2に記載の作業台車。
【請求項4】
進退動機構には、油圧シリンダのピストンロッドの伸縮力をコ字状枠の両側枠に均等に伝達するバランス機構を設けたことを特徴とする請求項3に記載の作業台車。
【請求項5】
バランス機構は、コ字状枠の両前後側枠下面にチェーンを固設し、これらチェーンにそれぞれ係合するチェーンホイールを設け、これらチェーンホイールを軸で連結するとともに、この軸をベース枠に回動自在に支持することを特徴とする請求項4に記載の作業台車。
【請求項6】
昇降機構は、長手方向溝が穿設された上下枠の一端に、交叉した中央がピンにより回動自在に連結されたリンクの一方の上下端をそれぞれ枢着し、他方の上下端をそれぞれ上下枠の各溝に滑動自在に係止させた平行運動枠を、互いに対向させて支持枠上に配置するとともに、両内側リンク間の上部にこれら内側リンクを連結する連結軸を配設し、一端がこの連結軸に、他端が支持枠側にそれぞれ回動自在に取り付けられた昇降用油圧シリンダを配置して構成するとともに、作業台を両上枠間に取り付けたことを特徴とする請求項3に記載の作業台車。
【請求項7】
車台とベース枠との間には、作業台を水平に保つカント補正機構が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の作業台車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−87658(P2008−87658A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−271590(P2006−271590)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【出願人】(390035312)東光産業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【出願人】(390035312)東光産業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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