説明

作業機の操作構造

【課題】 操縦者の好みや操縦姿勢などに応じた握り方で操作レバーを快適に操作できるようにする。
【解決手段】 操作レバー15の握り部65を、握り部65に対する後方からの把持を可能にする縦長形状の第1握り部分65Aと、第1握り部分65Aの上端に位置して握り部65に対する上方からの把持を可能にする前方膨出形状の第2握り部分65Bとを有するように形成し、操作レバー15に、指による操作が可能な指動式の操作具70を装備し、上端面に掌部分を当て付けた状態で、その上端面の裏面側へ指先が回り込むことを許す窪み部を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作レバーを備えた作業機の操作構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記のような作業機の操作構造においては、操縦者の前方側に配設され
る操作レバーの握り部を縦長形状に形成して後方からの把持を行い易くしたもの
や、操作レバーの握り部を球状に形成して上方からの把持を行い易くしたものが
あった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、操作レバーの握り部を縦長形状に形成した場合には、その握り
部を後方から把持することによって、違和感のない手に馴染んだ把持を行えるこ
とから操作レバーの揺動操作を快適に行えるものの、握り部を上方から把持する
と、握り部が手に馴染まずに違和感を覚えるようになることから操作レバーの揺
動操作が行い難くなり、逆に、操作レバーの握り部を球状に形成した場合には、
その握り部を上方から把持することによって、違和感のない手に馴染んだ把持を
行えることから操作レバーの揺動操作を快適に行えるものの、握り部を後方から
把持すると、握り部が手に馴染まずに違和感を覚えるようになることから操作レ
バーの揺動操作が行い難くなる。
【0004】
つまり、操作レバーの握り部を縦長形状に形成した場合と球状に形成した場合
のいずれにおいても、操縦者の好みや操縦姿勢に応じた握り方で操作レバーを快
適に操作することができないようになっていた。
【0005】
本発明の目的は、操縦者の好みや操縦姿勢などに応じた握り方で操作レバーを
快適に操作できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、操作レバ
ーの握り部を、該握り部に対する後方からの把持を可能にする縦長形状の第1握
り部分と、該第1握り部分の上端に位置して前記握り部に対する上方からの把持
を可能にする前方膨出形状の第2握り部分とを有するように形成した。
【0007】
〔作用〕
上記請求項1記載の発明によると、握り部を後方から把持する場合には第1握
り部分を把持することによって、又、握り部を上方から把持する場合には第2握
り部分を把持することによって、握り部を、手の平全体で違和感なく手に馴染ん
だ状態でしっかりと把持することができるようになり、もって、握り部を後方か
ら把持する場合と上方から把持する場合のいずれにおいても操作レバーの揺動操
作を快適に行えるようになる。
【0008】
更に、これによって、作業機の一例であるコンバインやバックホーなどのよう
に、着座姿勢と立ち姿勢の両操縦姿勢で操作レバーの操作を行うものにおいては
、握り部に対する後方からの把持が比較的に行い易い着座姿勢での操縦時には、
第1握り部分を把持することによって操作レバーの揺動操作を快適に行えるよう
になり、又、握り部に対する上方からの把持が行い易い立ち姿勢での操縦時には
、第2握り部分を把持することによって操作レバーの揺動操作を快適に行えるよ
うになる。
【0009】
〔効果〕
従って、操縦者の好みや体格あるいは操縦姿勢に応じた握り方で操作レバーを
快適に操作できる操作性に優れたものにすることができるようになった。
【0010】
〔構成〕
本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、
前記第1握り部分の下方にパームレストを装備した。
【0011】
〔作用〕
上記請求項2記載の発明によると、第1握り部分を把持する際に、その手をパ
ームレストに乗せることによって第1握り部分の把持を安定性良く楽に行えるよ
うになる。
【0012】
〔効果〕
従って、第1握り部分を把持して操作レバーを揺動操作する際の操作性や安定
性の向上を図れるとともに、操縦者に与える疲労感を軽減できるようになった。
【0013】
〔構成〕
本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の発明にお
いて、前記操作レバーを中立位置に位置させた状態では前記握り部が前傾姿勢と
なるように構成した。
【0014】
〔作用〕
上記請求項3記載の発明によると、後方から操作レバーに向けて伸ばした手の
平で握り部の第1握り部分を無理なく把持することができるようになり、これに
よって、握り部が操作レバーの中立位置で垂直姿勢になるように構成した場合の
ように、握り部の第1握り部分を後方から把持する際に、手の平を親指側に引き
起こした無理な姿勢を強いられることがないので、第1握り部分を把持した状態
での操作レバーの揺動操作が行い易くなるとともに操縦者に与える疲労感を軽減
できるようになる。
【0015】
〔効果〕
従って、第1握り部分を把持して操作レバーを揺動操作する際の操作性の向上
や操縦者に与える疲労感の軽減を更に図れるようになった。
【0016】
〔構成〕
本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明において、
前記握り部の前傾角を調節可能に構成した。
【0017】
〔作用〕
上記請求項4記載の発明によると、操縦者の好みや体格あるいは操縦姿勢に応
じて、握り部の前傾角を、後方から操作レバーに向けて伸ばした手の平で把持し
易い前傾角に調節することができるようになる。
【0018】
〔効果〕
従って、第1握り部分を把持して操作レバーを揺動操作する際の操作性の向上
や操縦者に与える疲労感の軽減をより効果的に図れるようになった。
【0019】
〔構成〕
本発明のうちの請求項5記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか一つに
記載の発明において、前記第2握り部分の背面に指による操作が可能な指動式の
操作具を装備した。
【0020】
〔作用〕
上記請求項5記載の発明によると、第1握り部分を把持する場合と第2握り部
分を把持する場合のいずれにおいても、その手の親指が第2握り部分の背面側に
位置するように把持することで、その親指で、操作レバーの揺動操作に悪影響を
及ぼすことなく操作具を操作することができるようになる。
【0021】
殊に、第1握り部分の下方にパームレストを備えるものにおいては、第1握り
部分を把持する手の位置が安定して操作具との距離を一定にできることから、第
1握り部分を把持した状態での操作具の操作が行い易くなり、又、操作レバーの
中立位置で握り部が前傾姿勢になるものにおいては、着座姿勢と立ち姿勢のいず
れにおいても操作具を操作する際の視認が行い易くなる上に、第1握り部分を把
持した際に、その手の親指を操作具に向けて伸ばし易くなることから、第1握り
部分を把持した状態での操作具の操作が行い易くなる。
【0022】
〔効果〕
従って、操作レバーの揺動操作と操作具の操作とを、操作レバーを把持する手
で支障なく容易に行える操作性に優れたものにすることができるようになった。
【0023】
〔構成〕
本発明のうちの請求項6記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに
記載の発明において、前記操作レバーの後方に、該操作レバーに対して位置調節
可能に構成されたアームレストを立設した。
【0024】
〔作用〕
上記請求項6記載の発明によると、握り部を把持する際に、その腕をアームレ
ストに乗せることによって握り部の把持を安定性良く楽に行えるようになる。
【0025】
又、操縦者の好みや体格あるいは握り位置に応じて、アームレストの位置を、
操作レバーに向けて伸ばした手で所望の握り部分を把持し易い位置に調節するこ
とができるようになる。
【0026】
〔効果〕
従って、握り位置に関係なく、握り部を把持して操作レバーを揺動操作する際
の操作性や安定性の向上を図れるとともに操縦者に与える疲労感を軽減できるよ
うになった。
【0027】
〔構成〕
本発明のうちの請求項7記載の発明では、上記請求項1〜6のいずれか一つに
記載の発明において、前記操作レバーの後方に立設されるアームレストに前記操
作レバーを装備してユニット化した。
【0028】
〔作用〕
上記請求項7記載の発明によると、機体側に操作レバー及びアームレストを組
み付ける際には、操作レバーとアームレストとを前もってユニット化したものを
機体側に組み付けるだけで良いことから、操作レバーとアームレストとを個別に
組み付ける場合に比較して、組み付け作業を容易に精度良く行えるようになる。
【0029】
〔効果〕
従って、操作レバー及びアームレストを組み付ける上での組み付け作業性や組
み付け精度の向上を図れるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1には作業機の一例である自脱形コンバインの全体側面が示されており、こ
のコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1を装備した走行機体2の前部
に、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取搬送部3を図外の左右向きの軸心
周りに昇降揺動可能に連結するとともに、走行機体2に、刈取搬送部3からの刈
取穀稈に対して脱穀処理及び選別処理を施す脱穀装置4や、脱穀装置4からの穀
粒を貯留する穀粒タンク5などを搭載し、穀粒タンク5に、その内部に貯留され
た穀粒を機外に排出するスクリュー式の排出機構6を装備し、走行機体2におけ
る穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部7を形成して構成されている。
【0031】
図1〜3に示すように、搭乗運転部7は、その後部に配設された運転座席8の
下方にエンジン9が配備され、その左側部に立設された操縦ボックス10に主変
速レバー11や副変速レバー12などが装備され、その右前部にブレーキペダル
13が配設され、その前端に立設されたフロントパネル14の右上部に中立復帰
形で十字揺動式の操作レバー15が配設されている。
【0032】
図4〜7に示すように、操作レバー15は、フロントパネル14から上方に向
けて延設された支持フレーム16のボス部17に、前後向きの第1支軸18Aを
介して前後向きの軸心P1周りに揺動可能に支持されたブラケット18と、前後
向きの軸心P1周りではブラケット18と左右方向に一体揺動し、左右向きの軸
心P2周りでは前後方向に独立揺動するように、左右向きの第2支軸19Aを介
して第1支軸18A及びブラケット18に支持された操作杆19とから構成され
ている。
【0033】
ブラケット18には、前後向きの軸心P1周りに一体揺動する操作アーム20
、操作アーム20に突設されたピン21によって前後向きの軸心P1周りに上方
に向けて独立揺動操作される第1連係アーム22と下方に向けて独立揺動操作さ
れる第2連係アーム23、第1連係アーム22を下方に向けて揺動付勢する第1
バネ24、及び、第2連係アーム23を上方に向けて揺動付勢する第2バネ25
、などが第1支軸18Aを介して装備されている。第1連係アーム22は、支持
フレーム16から前方に向けて延設された固定ピン26との接当によって、操作
レバー15の中立位置に相当する操作位置から下方への揺動が阻止され、第2連
係アーム23は、固定ピン26との接当によって操作レバー15の中立位置に相
当する操作位置から上方への揺動が阻止されるようになっている。そして、第1
連係アーム22と第2連係アーム23とが固定ピン26に接当する状態では、操
作アーム20のピン21が、第1連係アーム22と第2連係アーム23の間に挟
持保持されるようになっており、これによって、操作レバー15を中立位置に保
持できるようになっている。つまり、操作アーム20、ピン21、第1連係アー
ム22、第2連係アーム23、第1バネ24、第2バネ25、及び固定ピン26
によって、操作レバー15を左右方向での中立位置に向けて揺動付勢する付勢手
段27が構成されている。
【0034】
又、操作レバー15は、第2支軸19Aに外嵌装備された第3バネ28によっ
て、前後方向での中立位置に向けて揺動付勢されている。尚、図4〜7に示す符
号18Bは、第3バネ28の両端部の受け止めが可能となるように第1支軸18
Aから延設された固定ピンであり、19Bは、操作レバー15の前後方向への操
作に伴って、その操作領域に応じた側の第3バネ28の端部を変位させるように
操作杆19から延設された操作ピンである。
【0035】
図8に示すように、エンジン9から左右の各クローラ式走行装置1への伝動は
、ベルトテンション式の主クラッチ29、主変速装置として機能する静油圧式無
段変速装置30、及び、ミッションケース31に内装された副変速装置として機
能するギヤ式変速装置32や、左右のクローラ式走行装置1の作動状態を切り換
えて走行機体2を操向する操向装置33、などを介して行われるようになってい
る。
【0036】
主クラッチ29は、ミッションケース31に内装された走行ブレーキ34とと
もにブレーキペダル13に連係されており、ブレーキペダル13を踏み込み操作
することによって、主クラッチ29がエンジン9から静油圧式無段変速装置30
への伝動を遮断し、走行ブレーキ34が操向装置33を介して左右の両クローラ
式走行装置1を制動する制動状態を現出でき、ブレーキペダル13の踏み込み操
作を解除することによって、主クラッチ29がエンジン9から静油圧式無段変速
装置30へ伝動し、走行ブレーキ34が左右の両クローラ式走行装置1への制動
を解除する非制動状態を現出できるようになっている。尚、図示は省略するが、
走行機体2にはブレーキペダル13を踏み込み操作位置に保持可能なロック金具
が装備されており、このロック金具によりブレーキペダル13を踏み込み操作位
置に保持することによって、走行ブレーキ34を駐車ブレーキとして機能させる
ことができるようになっている。
【0037】
図示は省略するが、静油圧式無段変速装置30は主変速レバー11に連係され
ており、主変速レバー11を操作することによって、静油圧式無段変速装置30
による前後進切り換え操作と無段階の変速操作とを行えるようになっている。ギ
ヤ式変速装置32は副変速レバー12に連係されており、副変速レバー12を操
作することによってギヤ式変速装置32による3段階の変速操作を行えるように
なっている。
【0038】
図8及び図9に示すように、操向装置33は操作レバー15に連係されており
、操作レバー15を前後向きの軸心P1周りに左右揺動操作することによって、
左右のクローラ式走行装置1の作動状態を切り換えることによる走行機体2の操
向を行えるようになっている。操作レバー15は、刈取搬送部3の昇降状態を切
り換える昇降装置35にも連係されており、操作レバー15を左右向きの軸心P
2周りに前後揺動操作することによって、昇降装置35による刈取搬送部3の昇
降操作を行えるようになっている。
【0039】
操向装置33は、ギヤ式変速装置32からの動力を減速する左右一対の減速機
構36、ギヤ式変速装置32から左右の減速機構36への伝動を断続する油圧式
の操向クラッチ37、ギヤ式変速装置32から対応するクローラ式走行装置1へ
の伝動を変速せずに行う第1接続状態と、遮断する遮断状態と、減速機構36を
介して減速して行う第2接続状態とに切り換え可能な油圧式の左右一対の操向ク
ラッチ機構38、左右の減速機構36と操向クラッチ機構38とを介して左右の
クローラ式走行装置1を制動する油圧式の操向ブレーキ39、左右の操向クラッ
チ機構38に対する作動油の流動状態を切り換える3位置切り換え式の第1電磁
切換弁40、並びに、操向クラッチ37及び操向ブレーキ39に対する作動油の
流動状態を切り換えるシーケンス弁41と可変リリーフ弁42と2位置切り換え
式の第2電磁切換弁43、などによって構成されている。
【0040】
図4〜9に示すように、第1電磁切換弁40及び第2電磁切換弁43は、操作
レバー15の左右方向での操作位置を検出する回転式のポテンショメータからな
る第1レバーセンサ44、及び、第1レバーセンサ44の検出に基づいて第1電
磁切換弁40及び第2電磁切換弁43を操作する制御装置45、などを介して操
作レバー15に連係されている。第1電磁切換弁40は、第1レバーセンサ44
の検出に基づく制御装置45の制御作動によって、操作レバー15が中立位置に
操作されている状態では、左右の両操向クラッチ機構38から作動油を排出する
排出状態が現出され、操作レバー15が左旋回操作域に操作されている状態では
、左側の操向クラッチ機構38に作動油を供給する一方で右側の操向クラッチ機
構38から作動油を排出する左供給状態が現出され、操作レバー15が右旋回操
作域に操作されている状態では、右側の操向クラッチ機構38に作動油を供給す
る一方で左側の操向クラッチ機構38から作動油を排出する右供給状態が現出さ
れるようになっている。第2電磁切換弁43は、第1レバーセンサ44の検出に
基づく制御装置45の制御作動によって、操作レバー15が中立位置又は左右の
各旋回操作域における第1及び第2操作域に操作されている状態では、操向クラ
ッチ37への作動油の供給を可能にする一方で操向ブレーキ39から作動油を排
出する第1給排状態が現出され、操作レバー15が左右の各旋回操作域における
第3操作域に操作されている状態では、操向クラッチ37から作動油を排出する
一方で操向ブレーキ39への作動油の供給を可能にする第2給排状態が現出され
るようになっている。
【0041】
シーケンス弁41は、左右両方の操向クラッチ機構38の第1接続状態が現出
されている場合にのみ作動油の流動を阻止するように作動圧が設定されている。
可変リリーフ弁42は、操作レバー15が中立位置に操作されている状態ではリ
リーフ圧が零になり、操作レバー15が左右の各旋回操作域における第1操作域
に操作されている状態ではリリーフ圧がシーケンス弁41の作動圧以下になり、
操作レバー15が左右の各旋回操作域における第2操作域に操作されている状態
では、リリーフ圧がシーケンス弁41の作動圧を越えるとともに操作レバー15
が第2操作域における第1操作域側から第3操作域側に操作されるほど大きくな
り、操作レバー15が左右の各旋回操作域における第3操作域に操作されている
状態ではリリーフ圧が最大値になるように、操作ワイヤ46のインナワイヤ46
Aを介して付勢手段27の第1連係アーム22に連係されるとともに、操作ワイ
ヤ46のアウタワイヤ46Bを介して付勢手段27の第2連係アーム23に連係
されている。
【0042】
以上の構成により、操作レバー15を中立位置に操作している状態では、操向
クラッチ37の遮断状態、左右の両操向クラッチ機構38の第1接続状態、及び
、操向ブレーキ39の非制動状態が現出され、これによって左右のクローラ式走
行装置1が等速駆動されることから、走行機体2が直進するようになっている。
【0043】
操作レバー15を左旋回操作域における第1操作域に操作している状態では、
操向クラッチ37の遮断状態、右側の操向クラッチ機構38の第1接続状態、左
側の操向クラッチ機構38の遮断状態、及び、操向ブレーキ39の非制動状態が
現出され、これによって右側のクローラ式走行装置1が駆動される一方で左側の
クローラ式走行装置1が従動することから、走行機体2が左方向に緩やかに旋回
するようになり、逆に、操作レバー15を右旋回操作域における第1操作域に操
作している状態では、操向クラッチ37の遮断状態、左側の操向クラッチ機構3
8の第1接続状態、右側の操向クラッチ機構38の遮断状態、及び、操向ブレー
キ39の非制動状態が現出され、これによって左側のクローラ式走行装置1が駆
動される一方で右側のクローラ式走行装置1が従動することから、走行機体2が
右方向に緩やかに旋回するようになっている。
【0044】
操作レバー15を左旋回操作域における第2操作域に操作している状態では、
操向クラッチ37の接続状態、右側の操向クラッチ機構38の第1接続状態、左
側の操向クラッチ機構38の第2接続状態、及び、操向ブレーキ39の非制動状
態が現出され、これによって右側のクローラ式走行装置1が駆動される一方で左
側のクローラ式走行装置1が減速駆動されることから、走行機体2が左方向に緩
やかに旋回するようになり、逆に、操作レバー15を右旋回操作域における第2
操作域に操作している状態では、操向クラッチ37の接続状態、左側の操向クラ
ッチ機構38の第1接続状態、右側の操向クラッチ機構38の第2接続状態、及
び、操向ブレーキ39の非制動状態が現出され、これによって左側のクローラ式
走行装置1が駆動される一方で右側のクローラ式走行装置1が減速駆動されるこ
とから、走行機体2が右方向に緩やかに旋回するようになっている。
【0045】
操作レバー15を左旋回操作域における第3操作域に操作している状態では、
操向クラッチ37の遮断状態、右側の操向クラッチ機構38の第1接続状態、左
側の操向クラッチ機構38の第2接続状態、及び、操向ブレーキ39の制動状態
が現出され、これによって右側のクローラ式走行装置1が駆動される一方で左側
のクローラ式走行装置1が制動されることから、走行機体2が左方向に急激に旋
回するようになり、逆に、操作レバー15を右旋回操作域における第3操作域に
操作している状態では、操向クラッチ37の遮断状態、左側の操向クラッチ機構
38の第1接続状態、右側の操向クラッチ機構38の第2接続状態、及び、操向
ブレーキ39の制動状態が現出され、これによって左側のクローラ式走行装置1
が駆動される一方で右側のクローラ式走行装置1が制動されることから、走行機
体2が右方向に急激に旋回するようになっている。
【0046】
図4〜6、図9及び図10に示すように、昇降装置35は、刈取搬送部3を左
右向きの軸心周りに昇降駆動する第1油圧シリンダ47や、第1油圧シリンダ4
7に対する作動油の流動状態を切り換える3位置切り換え式の第3電磁切換弁4
8などによって構成され、第3電磁切換弁48が、操作レバー15の前後方向で
の操作位置を検出する回転式のポテンショメータからなる第2レバーセンサ49
、及び、第2レバーセンサ49の検出に基づいて第3電磁切換弁48を操作する
制御装置45、などを介して操作レバー15に連係されている。第3電磁切換弁
48は、第2レバーセンサ49の検出に基づく制御装置45の制御作動によって
、操作レバー15が中立位置に操作されている状態では、第1油圧シリンダ47
に対する作動油の流動を停止して刈取搬送部3を昇降停止させる停止状態が現出
され、操作レバー15が前方の下降位置に操作されている状態では、第1油圧シ
リンダ47から作動油を排出して刈取搬送部3を下降させる下降状態が現出され
、操作レバー15が後方の上昇位置に操作されている状態では、第1油圧シリン
ダ47に作動油を供給して刈取搬送部3を上昇させる上昇状態が現出されるよう
になっている。
【0047】
図11〜14に示すように、左右の各クローラ式走行装置1は、そのトラック
フレーム50の前部が走行機体2の機体フレーム51に、機体フレーム51の前
下部に左右向きの軸心P3周りに揺動可能に装備された前側の揺動アーム52を
介して連結され、又、そのトラックフレーム50の後部が走行機体2の機体フレ
ーム51に、機体フレーム51の前後中間部に左右向きの軸心P4周りに揺動可
能に装備された後側の揺動アーム53、及び、その揺動アーム53の遊端に左右
向きの軸心P5周りに揺動可能に装備された連係アーム54を介して連結され、
各揺動アーム52,53は、対応するアクチュエータの一例である前後の第2油
圧シリンダ55,56の作動で独立揺動駆動されるようになっている。
【0048】
図10に示すように、前後左右の各第2油圧シリンダ55,56に対する作動
油の流動状態の切り換えは、対応する3位置切り換え式の第4電磁切換弁57,
58を操作することによって行えるようになっている。各第4電磁切換弁57,
58は、第1設定器59により設定された走行機体2の左右方向での対地傾斜角
、第2設定器60により設定された走行機体2の前後方向での対地傾斜角、重力
式の第1角度センサ61により検出された走行機体2の左右方向での実傾斜角、
及び、重力式の第2角度センサ62により検出された走行機体2の前後方向での
実傾斜角に基づく制御装置45の制御作動によって、第1角度センサ61からの
検出値が第1設定器59による設定値の許容範囲内に収まるとともに、第2角度
センサ62からの検出値が第2設定器60による設定値の許容範囲内に収まる状
態に操作されるようになっており、これによって、穀粒タンク5での穀粒貯留量
の変化などに伴う重量バランスの変動や圃場硬さの変化に起因した左右のクロー
ラ式走行装置1の圃場に対する沈下量の変化にかかわらず、走行機体2の対地姿
勢を、第1設定器59及び第2設定器60の操作で設定された目標対地姿勢に維
持することができ、もって、刈取搬送部3の対地姿勢が左右方向に大きく変化し
て刈り高さが不揃いになる、あるいは、脱穀装置4が前後方向に大きく傾斜して
選別処理に悪影響を及ぼす、などの不都合の発生を回避できるようになっている
。尚、各第2油圧シリンダ55,56にはストロークセンサ63,64が装備さ
れている。
【0049】
図1〜5及び図15に示すように、操作レバー15における操作杆19の遊端
には握り部65が装備されており、この握り部65は、握り部65に対する後方
からの把持を可能にする縦長形状の第1握り部分65Aと、第1握り部分65A
の上端に位置して握り部65に対する上方からの把持を可能にする前方膨出形状
の第2握り部分65Bとを有するように形成されている。
【0050】
つまり、握り部65を後方から把持する場合には第1握り部分65Aを把持す
ることによって、又、握り部65を上方から把持する場合には第2握り部分65
Bを把持することによって、握り部65を、手の平全体で違和感なく手に馴染ん
だ状態でしっかりと把持することができるようになっており、もって、運転座席
8に着座することによって操作レバー15を後方から操作するようになる着座姿
勢での操縦時には第1握り部分65Aを把持することによって、又、運転座席8
から立ち上がることによって操作レバー15を上方から操作するようになる立ち
姿勢での操縦時には第2握り部分65Bを把持することによって、操作レバー1
5の十字方向への揺動操作を快適に行えるようになっている。
【0051】
操作レバー15において、第1握り部分65Aの下方にはパームレスト66が
装備されており、これによって、第1握り部分65Aを把持する際には、その手
をパームレスト66に乗せることによって第1握り部分65Aの把持を安定性良
く楽に行えるようになり、もって、第1握り部分65Aを把持して操作レバー1
5を揺動操作する際の操作性や安定性の向上を図れるとともに操縦者に与える疲
労感を軽減できるようになっている。
【0052】
操作レバー15は、操作レバー15を中立位置に位置させた状態では握り部6
5が前傾姿勢になるように構成されており、これによって、後方から操作レバー
15に向けて伸ばした手の平で握り部65の第1握り部分65Aを無理なく把持
することができ、操作レバー15の中立位置で握り部65が垂直姿勢になるよう
に構成した場合のように、握り部65の第1握り部分65Aを後方から把持する
際に、手の平を親指側に引き起こした無理な姿勢を強いられることがないので、
第1握り部分65Aを把持した状態での操作レバー15の揺動操作が更に行い易
くなるとともに操縦者に与える疲労感を更に軽減できるようになっている。
【0053】
尚、握り部65の前傾角は、操作レバー15の左側部に配備されたノブ付きボ
ルト67を操作して操作杆19に対する握り部65の固定を解除することによっ
て、操縦者の好みや体格あるいは操縦姿勢に応じた前傾角に支軸P6周りで調節
できるようになっている。
【0054】
操作レバー15を支持する支持フレーム16は、その左右の上端部が操作レバ
ー15の後方に位置するようになっており、これら左右の上端部に亘って腕置部
68が架設されることによってアームレスト69を構成するようになっている。
アームレスト69は、支持フレーム16の各上端部に縦長に形成された前後一対
の長孔16Aの融通によって、操作レバー15に対する腕置部68の高さ位置及
び腕置部68の前後方向での姿勢を調節できるように構成されている。
【0055】
つまり、握り部65を後方から把持する際には、その腕をアームレスト69の
腕置部68に乗せることによって握り部65の把持を安定性良く楽に行えるよう
になり、又、操縦者の好みや体格あるいは握り部65の握り位置に応じて、アー
ムレスト69における腕置部68の位置や姿勢を、操作レバー15に向けて伸ば
した手で所望の握り部分65A,65Bを把持し易い位置や姿勢に調節できるこ
とから、操縦者の体格や握り位置などに関係なく、握り部65を把持して操作レ
バー15を揺動操作する際の操作性や安定性の向上を図れるとともに操縦者に与
える疲労感を軽減できるようになっている。
【0056】
又、上記の構成により、機体側のフロントパネル14に操作レバー15及びア
ームレスト69を組み付ける際には、前もってアームレスト69に操作レバー1
5を装備してユニット化したものをフロントパネル14に組み付けるだけで良い
ことから、操作レバー15とアームレスト69とを個別に組み付ける場合に比較
して、組み付け作業を容易に精度良く行えるようになっている。
【0057】
図3、図5、図9、図10及び図16に示すように、操作レバー15の握り部
65において、第2握り部分65Bは、第1握り部分65Aに対して握り部65
を把持する右手の親指側に偏倚し、その背面には、指による操作が可能な指動式
の操作具として、中立復帰形で十字方向に操作される操作具70と中立復帰形で
上下方向に操作される補助操作具71とが左右に並設されており、これによって
、第1握り部分65Aを把持する場合と第2握り部分65Bを把持する場合のい
ずれにおいても、その手の親指が第2握り部分65Bの背面側に位置するように
把持することで、その親指で、操作レバー15の揺動操作に悪影響を及ぼすこと
なく操作具70及び補助操作具71を操作することができるようになっている。
つまり、操作レバー15、操作具70、及び補助操作具71の各操作を、操作レ
バー15を把持する片方の手で支障なく容易に行えるようになっている。
【0058】
図9及び図16に示すように、操作具70は、その左部の押圧操作を検出する
左スイッチ72、その右部の押圧操作を検出する右スイッチ73、及び、それら
左右の各スイッチ72,73の検出に基づいて第1電磁切換弁40を操作する制
御装置45、などを介して操向装置33に連係されている。そして、操作レバー
15が左右方向での中立位置に操作されている状態で操作具70の左部を押圧操
作すると、左スイッチ72の検出に基づく制御装置45の制御作動で、第1電磁
切換弁40が排出状態から左供給状態に切り換えられて、操向クラッチ37の遮
断状態、右側の操向クラッチ機構38の第1接続状態、左側の操向クラッチ機構
38の遮断状態、及び、操向ブレーキ39の非制動状態が現出されるようになっ
ており、もって、右側のクローラ式走行装置1が駆動される一方で左側のクロー
ラ式走行装置1が従動する走行機体2の左緩旋回状態を現出できるようになって
いる。又、操作具70の左部に対する押圧操作を解除すると、左スイッチ72の
検出に基づく制御装置45の制御作動で、第1電磁切換弁40が左供給状態から
排出状態に切り換えられて、操向クラッチ37の遮断状態、左右の両操向クラッ
チ機構38の第1接続状態、及び、操向ブレーキ39の非制動状態が現出される
ようになっており、もって、左右のクローラ式走行装置1が等速駆動される走行
機体2の直進状態を現出できるようになっている。
【0059】
逆に、操作レバー15が左右方向での中立位置に操作されている状態で操作具
70の右部を押圧操作すると、右スイッチ73の検出に基づく制御装置45の制
御作動で、第1電磁切換弁40が排出状態から右供給状態に切り換えられて、操
向クラッチ37の遮断状態、左側の操向クラッチ機構38の第1接続状態、右側
の操向クラッチ機構38の遮断状態、及び、操向ブレーキ39の非制動状態が現
出されるようになっており、もって、左側のクローラ式走行装置1が駆動される
一方で右側のクローラ式走行装置1が従動する走行機体2の右緩旋回状態を現出
できるようになっている。又、操作具70の右部に対する押圧操作を解除すると
、右スイッチ72の検出に基づく制御装置45の制御作動で、第1電磁切換弁4
0が右供給状態から排出状態に切り換えられて、操向クラッチ37の遮断状態、
左右の両操向クラッチ機構38の第1接続状態、及び、操向ブレーキ39の非制
動状態が現出されるようになっており、もって、左右のクローラ式走行装置1が
等速駆動される走行機体2の直進状態を現出できるようになっている。
【0060】
又、操作具70は、その上部の押圧操作を検出する上スイッチ74、その下部
の押圧操作を検出する下スイッチ75、及び、それら上下の各スイッチ74,7
5の検出に基づいて第3電磁切換弁48を操作する制御装置45、などを介して
昇降装置35に連係されている。そして、操作レバー15が前後方向での中立位
置に操作されている状態で操作具70の上部を押圧操作すると、上スイッチ74
の検出に基づく制御装置45の制御作動で、第3電磁切換弁48が停止状態から
下降状態に切り換えられて、第1油圧シリンダ47の作動で刈取搬送部3が下降
する下降状態を現出できるようになっている。又、操作具70の上部に対する押
圧操作を解除すると、上スイッチ74の検出に基づく制御装置45の制御作動で
、第3電磁切換弁48が下降状態から停止状態に切り換えられて、第1油圧シリ
ンダ47の作動停止による刈取搬送部3の昇降停止状態を現出できるようになっ
ている。
【0061】
逆に、操作レバー15が前後方向での中立位置に操作されている状態で操作具
70の下部を押圧操作すると、下スイッチ75の検出に基づく制御装置45の制
御作動で、第3電磁切換弁48が停止状態から上昇状態に切り換えられて、第1
油圧シリンダ47の作動で刈取搬送部3が上昇する上昇状態を現出できるように
なっている。又、操作具70の下部に対する押圧操作を解除すると、下スイッチ
75の検出に基づく制御装置45の制御作動で、第3電磁切換弁48が上昇状態
から停止状態に切り換えられて、第1油圧シリンダ47の作動停止による刈取搬
送部3の昇降停止状態を現出できるようになっている。
【0062】
つまり、走行機体2の操向や刈取搬送部3の昇降操作を多用する作業状況にお
いては、操作レバー15よりも操作ストロークが小さく操作の軽い指動式の操作
具70の操作で走行機体2操向や刈取搬送部3の昇降操作を行うようにすれば、
走行機体2の向きが所望の走行方向と一致するまでの間、又は、刈取搬送部3が
所望の高さ位置に到達するまでの間、操作具70よりも操作ストロークが大きく
操作の重い操作レバー15の揺動操作を継続する必要がないことから、操縦者に
与える疲労感を大幅に軽減できるようになっている。
【0063】
しかも、操作具70は、腕振り動作で揺動操作される操作レバー15よりも繊
細な操作が可能な指動式のものであることから、操作具70を操作することによ
って微妙な走行機体2操向や刈取搬送部3の昇降操作が行い易くなり、これによ
って、走行機体2の進路や刈取搬送部3の高さ位置(刈り高さ位置など)の微調
節を簡単かつ精度良く行えるようになっている。殊に、操作具70による旋回操
作の際には、走行機体2が大きい旋回半径で徐々に操向されるようになることか
ら、微妙な走行機体2の操向が更に行い易くなっており、これによって、収穫作
業走行時での微妙な進路修正や条合わせ走行時での微妙な方向転換をより簡単か
つ精度良く行えるようになっている。
【0064】
その上、走行機体2の操向や刈取搬送部3の昇降操作を行う際における操作レ
バー15の操作方向と操作具70の操作方向とを一致又は近似させていることか
ら、操作レバー15と操作具70とを併用するようにしても、走行機体2の操向
や刈取搬送部3の昇降操作を戸惑うことなく行えるようになり、更に、操作レバ
ー15による操作系と操作具70による操作系のいずれか一方に故障が発生して
も、機能している他方の操作系を使用することで走行機体2の操向や刈取搬送部
4の昇降操作を行うことも可能となっている。
【0065】
図9、図10及び図16に示すように、補助操作具71は、その上部の押圧操
作を検出する上スイッチ76、その下部の押圧操作を検出する下スイッチ77、
及び、それら上下の各スイッチ76,77の検出に基づいて各第4電磁切換弁5
7,58を操作する制御装置45、などを介して、対応する第4電磁切換弁57
,58の操作で作動油の流動状態が切り換えられる第2油圧シリンダ55,56
に連係されている。そして、補助操作具71の上部を押圧操作すると、上スイッ
チ76の検出に基づく制御装置45の制御作動で、所定の第4電磁切換弁57,
58が操作されて対応する第2油圧シリンダ55,56が作動することで、走行
機体2が前傾方向に姿勢変更されるようになり、又、補助操作具71の上部に対
する押圧操作を解除すると、上スイッチ76の検出に基づく制御装置45の制御
作動で、所定の第4電磁切換弁57,58が操作されて対応する第2油圧シリン
ダ55,56が作動停止することで、走行機体2の前傾方向への姿勢変更が中止
されるようになっている。
【0066】
逆に、補助操作具71の下部を押圧操作すると、下スイッチ77の検出に基づ
く制御装置45の制御作動で、所定の第4電磁切換弁57,58が操作されて対
応する第2油圧シリンダ55,56が作動することで、走行機体2が後傾方向に
姿勢変更されるようになり、又、補助操作具71の下部に対する押圧操作を解除
すると、下スイッチ77の検出に基づく制御装置45の制御作動で、所定の第4
電磁切換弁57,58が操作されて対応する第2油圧シリンダ55,56が作動
停止することで、走行機体2の後傾方向への姿勢変更が中止されるようになって
いる。
【0067】
つまり、操作レバー15を把持する手の指で補助操作具71を操作することに
よって、走行機体2の前後方向での対地姿勢を簡単に変更することができるよう
になっており、これによって、畦などの隆起部を乗り越えるのに適した走行姿勢
を容易に現出することができて、無理なく隆起部を走破させることができるよう
になっている。
【0068】
又、刈取搬送装置3が第1油圧シリンダ47の作動による昇降操作での上限位
置又は下限位置に到達している状態において、補助操作具71を操作すると、各
第2油圧シリンダ55,56による走行機体2の前後方向での姿勢変更によって
、刈取搬送装置3を、第1油圧シリンダ47の作動による昇降操作での上限位置
よりも更に上方の位置、又は、第1油圧シリンダ47の作動による昇降操作での
下限位置よりも更に下方の位置に位置させることができ、これによって、刈り高
さ調節を、第1油圧シリンダ47の作動による刈取搬送装置3の昇降範囲よりも
広い範囲で行えることから、作業性の向上をも図れるようになっている。
【0069】
操作レバー15を左右方向の中立位置に向けて揺動付勢する付勢手段27(図
4、図5及び図7参照)において、第1連係アーム22を下方に向けて揺動付勢
する第2バネ24には、第2連係アーム23を上方に向けて揺動付勢する第2バ
ネ25よりも付勢力の弱いものが採用されている。つまり、付勢手段27は、操
作レバー15を把持する右手の甲側である右方向に操作レバー15を中立位置か
ら揺動操作する際の操作荷重が、その手の平側である左方向に揺動操作する際の
操作荷重よりも軽くなるように構成されており、これによって、操作レバー15
を中立位置から左右に揺動操作する上において、操作レバー15を力の入り難い
手の甲側に揺動操作する場合と力の入り易い手の平側に揺動操作する場合の操作
感を同じように感じさせることができ、もって、操作レバー15の左右方向への
揺動操作を違和感なく容易に操作できるようになっている。
【0070】
ちなみに、図10に示す符号78は、制御装置45が、第1設定器59及び第
2設定器60からの設定値、並びに、第1角度センサー61及び第2角度センサ
ー62からの検出値に基づいて、各第2油圧シリンダ55,56に対応する第4
電磁切換弁57,58の作動を制御する状態と制御しない状態とに切り換える切
換スイッチである。
【0071】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)作業機としては、全稈投入形コンバイン、作業装置3の一例である掘削装
置を備えたバックホー、あるいは、作業装置3の一例である草刈装置を備えたク
ローラ走行式の草刈機などであってもよい。
【0072】
(2)操作レバー15としては、操向専用に構成されたものや昇降操作専用に構
成されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】自脱形コンバインの全体右側面図
【図2】搭乗運転部の平面図
【図3】搭乗運転部の縦断背面図
【図4】操作レバーの構成及び連係構造を示す要部の縦断正面図
【図5】操作レバーの構成及び連係構造を示す要部の縦断右側面図
【図6】操作レバーの支持構造を示す要部の縦断正面図
【図7】操作レバーの支持構造及び連係構造を示す要部の縦断右側面図
【図8】エンジンから左右のクローラ式走行装置への伝動構造を示す伝動系統図
【図9】操作レバー及び操作具と操向装置との連係を示す操作系統図
【図10】操作レバー及び補助操作具と昇降装置との連係を示す操作系統図
【図11】走行機体を下限位置まで下降させた状態を示すクローラ式走行装置の左側面図
【図12】走行機体を上限位置まで上昇させた状態を示すクローラ式走行装置の左側面図
【図13】走行機体を前傾させた状態を示すクローラ式走行装置の左側面図
【図14】走行機体を後傾させた状態を示すクローラ式走行装置の左側面図
【図15】(イ)第1握り部分を把持した状態を示す操作レバーの正面図(ロ)第2握り部分を把持する状態を示す操作レバーの正面図
【図16】操作具及び補助操作具の配置を示す操作レバーの背面図
【符号の説明】
【0074】
15 操作レバー
65 握り部
65A 第1握り部分
65B 第2握り部分
66 パームレスト
69 アームレスト
70 操作具
71 操作具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作レバーの握り部を、該握り部に対する後方からの把持を可能にする縦長形状の第1握り部分と、該第1握り部分の上端に位置して前記握り部に対する上方からの把持を可能にする前方膨出形状の第2握り部分とを有するように形成し、
前記操作レバーに、指による操作が可能な指動式の操作具を装備するとともに、前記上端面に掌部分を当て付けた状態で、その上端面の裏面側へ指先が回り込むことを許す窪み部を備えて構成されている作業機の操作構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−99808(P2006−99808A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372710(P2005−372710)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【分割の表示】特願2000−396540(P2000−396540)の分割
【原出願日】平成12年12月27日(2000.12.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】