作業機
【課題】 苗の植付をする田植え機等の作業機において、作業装置を圃場に接地させ、油圧の感度を鈍感側から設定値に戻す際に、作業装置のハンチングを誘発することなく、しかもフロートによる泥押等を発生させないようにした作業機を提供する。
【解決手段】 作業装置を下降させ、植付部(検知体)の圃場への接地を検知して油圧バルブの開度を調整して感度調整を行う際に、作業装置の下降開始時には、検知ワイヤに位置を11/11(鈍感側)に設定し、検知体の接地を検出した後、設定された鈍感側の検知感度と作業時の検知感度1/11(敏感側)との中間位置まで1、5秒(1〜2秒)、作業時の検知感度1/11まで3秒(2〜4秒)の時間をかけてゆっくりと変化させ、検知感度の切換によるハンチングの誘発や泥押しを防止する。
【解決手段】 作業装置を下降させ、植付部(検知体)の圃場への接地を検知して油圧バルブの開度を調整して感度調整を行う際に、作業装置の下降開始時には、検知ワイヤに位置を11/11(鈍感側)に設定し、検知体の接地を検出した後、設定された鈍感側の検知感度と作業時の検知感度1/11(敏感側)との中間位置まで1、5秒(1〜2秒)、作業時の検知感度1/11まで3秒(2〜4秒)の時間をかけてゆっくりと変化させ、検知感度の切換によるハンチングの誘発や泥押しを防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、該作業装置に設けた感知体の土圧感知による姿勢変化に基づいて作業装置の対地高さを制御する作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、該作業装置に配置された検知体の姿勢変化に基づいて該作業装置の対泥面高さを所定値に維持するように昇降制御して、田植え等の作業を行うようにした田植え機等の作業機において、圃場面に対して作業装置を下降させ、検知体が圃上面に接触した時に発生するハンチングを防止するために、作業装置を下降させる際には、検知体の変位を検知する油圧の感度を鈍感側に設定し、作業装置を作動させる植付けクラッチのON操作検出して、或いは単位時間当たりの作業装置のリフト角の変化(検知体が圃場面に接触していること)を検出して油圧感度を所要の設定値に戻すようにした作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−284413号公報(第3頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来技術のように、検知体が圃場面と接触した状態で油圧の感度を鈍感側から設定値(敏感側)に急激に戻すとハンチングを誘発し、作業装置の姿勢が不安定となることがある。
【0005】
上記の事情に鑑み、本発明は、油圧の感度を鈍感側から設定値に戻す際にハンチングを誘発することなく、しかも泥押等を発生させないようにした作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、走行機体(11)に対して昇降自在に作業装置(31)を連結し、該作業装置(31)に設けた感知体(35)の土圧感知による姿勢変化に基づいて作業装置(31)の対地高さを制御する作業機(10)において、
前記感知体(35)の土圧感知感度を調整する感度調整手段(41)と、
前記感度調整手段(41)を、前記感知体(35)が接地するまでは感度を最も鈍感にし、設置直後からゆっくりと設定感度に戻す制御手段(71)と、
を備える作業機にある。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記接地直後から、前記最も鈍感と前記設定感度の中間までの時間が1〜2[秒]である、
請求項1記載の作業機にある。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記接地直後から、前記設定感度を最も敏感にした状態での前記設定感度までの時間が2〜4[秒]である、
請求項1記載の作業機にある。
【0009】
なお、前記した括弧内の符号等は、図面を参照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、接地後ゆっくりと設定感度まで戻すので、作業装置の設置時にハンチングを誘発することがなく、かつ例えば設定感度の中間位置まで1〜2[秒]、最敏感位置まで2〜4[秒]等の戻し時間があまり長くない適正な時間であるため、感知体による泥押し等の実作業での問題もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る作業機の側面図、図2は、図1に示す作業機の運転席の前部を示し、(a)は、操作パネルの平面図、(b)は、油圧切換ダイヤルの拡大図、図3は、土圧感知感度調整機構の側面図、図4は、土圧検知感度調整機構を敏感側に操作した状態を示す側面図、図5は、土圧検知感度調整機構を鈍感側に操作した状態を示す側面図、図6は、作業機の制御系を示すブロック線図、図7は、油圧感度の制御手順を示すプログラムフローチャート、図8は、油圧感度調整経過の第1の例を示す特性図、図9は、油圧感度調整経過の第2の例を示す特性図、図10は、油圧感度調整経過の第3の例を示す特性図、図11は、油圧感度調整経過の第4の例を示す特性図である。
【0013】
図1に示すように、作業機10は、走行機体11と、該走行機体11に接続された作業装置31で構成される。前記走行機体11は、前輪12と後輪13に支持された機体15を有し、該機体15の前部にはエンジン(図示せず)が搭載され、ボンネット16で覆われている。
【0014】
また、前記機体15の中央部には、運転席17が設置され、座席シート18、運転操作用のハンドル20、変速操作用の変速レバー21、前記作業装置31の昇降操作、植付クラッチの入・切操作、マーカーの左右操作等の各種操作を行うクイックアップレバー22(図2参照)、その他運転操作に必要な各種レバーやペダル類と、各種スイッチ類を配置した操作パネル23が配置されている。
【0015】
前記操作パネル23には、図2に示すように、各種スイッチ類のほか、油圧感度切換ダイヤル25が配置されている。前記油圧感度切換ダイヤル25は、図2(b)に示すように、圃場の硬さに応じて油圧感度を、最も敏感な1/11から最も鈍感な11/11まで11段階に切り替えられるようになっている。
【0016】
前記機体15の後部には、図1に示すように、油圧シリンダ26の作動により一端が上下方向に揺動する昇降リンク26を介して前記作業装置31が着脱可能に連結され、該昇降リンク機構26の搖動により、該作業装置31が上下方向に移動する。なお、前記作業装置31には、PTO軸(図示せず)を介して前記エンジンの動力が伝達される。
【0017】
前記作業装置31は、複数条に仕切られ、マット状の苗を載置する苗のせ台32と、該苗のせ台32上のマット状の苗から苗を掻き取って圃場に植付ける複数の植付部33と、該植付部33の下方に、前記苗のせ台32の幅方向に所定の間隔で配置され、圃場の上面に沿って滑動する複数のフロート35等を備えている。なお、複数の前記フロート35の内、中央部に位置するフロート35は、該フロート35と圃場上面との接触圧(土圧)を感知する感知体を兼ねている。
【0018】
図3に示すように、前記感知体を兼ねるフロート35(以下、感知体35という)は、その中央部が、前記作業装置31の伝動ケース36に回動自在に支持された軸37に、植付深さ調節レバー40と一体に固定されたアーム38に揺動自在に支持されている。
【0019】
図3に示すように、前記検知体35の土圧感知感度を調整する土圧検知感度調整機構41は、ベース42に揺動自在に支持された扇形ギヤ43と、該扇形ギヤ43を駆動する感知ワイヤモータ45を有し、前記扇形ギヤ43に前記検知体35の姿勢を調節する姿勢調節ワイヤ46と、前記検知体35で検知する土圧の検知荷重を調節する検知ワイヤ47のそれぞれ一端が接続されている。なお、前記扇形ギヤ43には、感知ワイヤポテンショメータ49が配置されている。
【0020】
前記姿勢調節ワイヤ46の他端は、感知プレート48を介して前記検知体35の先端部に接続されている。従って、前記扇形ギヤ43の搖動によって前記姿勢調節ワイヤ46が前記作業機10の前方(図3では、紙面の右側)へ引っ張られると、前記検知体35の先端部が引き上げられる。また、前記扇形ギヤ43の搖動によって前記姿勢調節ワイヤ46が前記作業機10の後方(図3では、紙面の左側)へ押されると、前記検知体35の先端部が押し下げられて、該検知体35の姿勢を調節することができる。
【0021】
前記検知ワイヤ47の他端は、荷重スプリング50、連係プレーと51、連係アーム52及び連係ロッド53を介して前記植付深さ調節レバー40に連係している。前記植付深さ調節レバー40と前記感知プレート48は、搖動アーム55及び戻しスプリング56を介して連結されている。
【0022】
従って、前記扇形ギヤ43の搖動によって前記検知ワイヤ47が前記作業機10の前方(図3では、紙面の右側)へ押されると、前記感知体35の後部を下降させる方向に作用する。また、前記扇形ギヤ43の搖動によって前記検知ワイヤ47が前記作業機10の後方(図3では、紙面の左側)に引っ張られると、前記感知体35の後部を上昇させる方向に作用する。
【0023】
図4に示すように、検知体35の先端部を後端部より下がった姿勢とすると、度圧検知感度を敏感にすることができ、また、図5に示すように、検知体35の先端部を後端部より上がった姿勢とすると、度圧検知感度を鈍感にすることができる。
【0024】
油圧感度調整機構61は、前記土圧検知感度調整手段41の前方(図3では、紙面の右側)に配置された油圧バルブ62と、前記連携プレーと51と該油圧バルブ62の油圧バルブアーム63との間に掛け渡された検知荷重スプリング65を有している。そして、油圧バルブアーム63を回動させ、油圧バルブ62の開度を開くと敏感になり、絞ると鈍感になるように調節することができる。
【0025】
図6に示すように、前記作業機10の制御手段71は、マイコン(マイクロコンピュータ)72で構成され、その入力部には、前記油圧感度切換ダイヤル25、エンジン回転パルス73、ピッチングセンサ75、前記昇降リンク機構27昇降角度を検出するリフト角ポテンショメータ76の他、該作業機10の運転操作に必要な、各種のボリューム、センサが接続されている。また、前記マイコン72の出力部には、前記感知ワイヤモータ45の他、前記作業機10の運転操作に必要な各種のモニタ、モータ、警報ブザー等が接続されている。
【0026】
前記の構成で、油圧感度の制御手順を図7に示すプログラムフローチャートに基づいて説明する。植付深さ調節レバー40の操作位置に対応して、検知体35の先端部の位置、即ち、扇形ギヤ43の角度目標値を計算する(図7のステップS1、以下、単にステップ○○という)。
【0027】
エンジンの回転数によりエンジン回転目標値を算出する(ステップS2)。即ち、エンジンの回転数が高くなるほど検知体35の基本姿勢が前上がりになるような値が算出される。角度目標値とエンジン回転目標値及び油圧感度切換ダイヤル25の設定値から感知目標値を設定する(ステップS3)。圃場が軟らかいほど感知体35の姿勢は、前下がりとなるような値が設定される。
【0028】
油圧感度切換ダイヤル25の設定値が敏感側にあるとき、感知目標値を判定する(ステップS4)。油圧感度切換ダイヤル25の設定値が1/11(最も敏感な位置)より鈍感な位置にあるときには、感知目標値を1/11に設定する(ステップS5)。油圧感度切換ダイヤル25の設定値が鈍感側にあるとき、感知目標値を判定する(ステップS6)。油圧感度設定ダイヤルの設定値が11/11(最も鈍感な位置)より敏感な位置にあるときには、感知目標値を11/11に設定する(ステップS7)。
【0029】
作業装置31の状態を判定する(ステップS8)。作業装置31が下降位置或いは苗の植付状態である時には、植付部33が接地しているか否かを判定する(ステップS9)。
【0030】
なお、前記植付部33の接地は、検知体35の圃場への接地を検出することにより行われる。即ち、植付部33が上がっている状態では、検知体35は前下がりの状態にあり、植付部33の下降指令があると、油圧バルブ62は自動モードに切替えられ、検知体35が前下がりの状態で植付部33が下降する。植付部33の下降により検知体35の前部が圃場に接地し、さらに植付部33が下降すると、検知体35はその前部を上げるように回動する。この検知体35の回動が、図5に示すように、感知プレート48、搖動アーム55、連係ロッド53、連係アーム52、連携プレーと51及び感知荷重スプリング65を介して油圧バルブアーム63に伝達され、油圧バルブ62の開度を絞り、植付部33の下降速度を減速させる。この植付部33の下降速度は、リフト角ポテンショメータ76で検出され、その出力の一定時間当たりの変化量が、一定レベルを下回ったときを植付部33の接地として検出する。
【0031】
作業装置31が上昇位置或いは固定されている場合、又は植付部33が設置していない場合、感知目標値を11/11に設定する(ステップS10)。
【0032】
感知ワイヤポテンショメータ49の出力の異常の有無を判定する(ステップS11)。感知ワイヤポテンショメータ49の出力に異常がない場合、出力の周期を判定する(ステップS12)。出力の周期が0の場合、感知目標値と感知ワイヤポテンショメータの出力との偏差を算出する(ステップS13)。
【0033】
算出された偏差が予め設定された不感帯より大きい場合、偏差と予め設定された係数により出力ON時間を算出する(ステップS15)。算出された出力ON時間に基づいて出力周期をセットする(ステップS16)。同時に、駆動方向フラグをセット摺(ステップS17)。
【0034】
前記ステップS11で感知ワイヤポテンショメータ49の出力に異常がある場合、又は前記ステップS14で偏差が不感帯より小さい場合、感知ワイヤモータ45の出力を停止する(ステップS18)。同時に、駆動方向フラグをクリアする(ステップS19)。
【0035】
前記ステップS12で、出力周期が0でない場合、出力ON時間を判定する(ステップS20)。出力ON時間が0でない場合、駆動方向フラグ(敏感方向又は鈍感方向)を判定する(ステップS21)。駆動方向フラグが1/11(敏感方向)である場合には、感知ワイヤモータ45を1/11方向(敏感方向)に駆動する(ステップS22)。同時に、駆動方向フラグを1/11(敏感方向)にセットする(ステップS23)。
【0036】
前記ステップS21で、駆動方向フラグが11/11(鈍感方向)である場合には、感知ワイヤモータ45を11/11(鈍感方向)に駆動する(ステップS24)。同時に、駆動方向フラグを11/11(鈍感方向)にセットする(ステップS25)。前記ステップS20で出力ON時間が0の場合には、感知ワイヤモータ45の出力を停止する(ステップS26)。
【0037】
前記の手順で油圧感度を調整した場合、検知体35の接地後の時間経過における検知ワイヤ47の位置の制御は、図8乃至図11に示すような各種の制御を行うことができる。
【0038】
図8に示す制御は、8/11に設定した感値目標値を1/11の感知感度に戻す場合を示し、検知体35が接地した後、戻し待ち時間0、5秒待機し、感知目標値8/11と感知感度1/11の中間まで1秒で戻す。そして、検知体35の接地から1、5秒後に感知感度まで戻すようにしたものである。
【0039】
このような制御特性とすることにより、検知体35の接地時にハンチングを誘発することがなく、かつ戻し時間があまり長くない適正な時間であるため、感知体による泥押し等の問題を発生させることなく作業を行うことができる。
【0040】
図9に示す制御は、11/11に設定して感知目標値を1/11の感知感度に戻す場合を示し、検知体35が接地した後、3秒後に感知感度1/11になるように感知荷重調節ワイヤ47の調節を開始するようにしたものである。感知目標値11/11と感知感度1/11との中間値6/11には、検知体35が接地してから1、5秒後となる。
【0041】
このような制御特性とすることにより、検知体35の接地時にハンチングを誘発することがなく、かつ戻し時間があまり長くない適正な時間であるため、感知体による泥押し等の問題を発生させることなく作業を行うことができる。また、制御を単純化することができる。
【0042】
図10に示す制御は、11/11に設定して感知目標値を1/11の感知感度に戻す場合を示し、検知体35が接地した後、3秒後に感知感度1/11になるように感知荷重調節ワイヤ47の調節するもので、調節開始直後の1、5秒は、感知荷重調節ワイヤ47の位置をゆっくりと調節し、2秒後に中間値6/11、3秒後に設定された感知感度1/11となるようにしている。
【0043】
このような制御特性とすることにより、感知体35の接地時に急激に感知感度を切替えることにより誘発されるハンチングを確実に防止することができる。
【0044】
図11に示す制御は、11/11に設定して感知目標値を1/11の感知感度に戻す場合を示し、検知体35が接地した後、3秒後に感知感度1/11になるように感知荷重調節ワイヤ47の調節するもので、調節開始直後の1、5秒間、最初の1秒で中間値6/11となるように感知荷重調節ワイヤ47の位置を変化させ、その後3秒までに感知感度1/11へゆっくりと調節するようにしている。
【0045】
このような制御特性とすることにより、短時間で感知感度1/11に近づけることができ、検知体35による泥押し等をなくし、作業開始タイミングを早くすることができる。
【0046】
なお、制御特性は、前記例示したものだけでなく、検知体35が圃場に接地した瞬間に検知感度を切換るのではなく、中間値まで1〜2秒、設定感度まで2〜4秒かけてゆっくりと制御するように、圃場の状態や作業機10の特性に応じて適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る作業機の側面図である。
【図2】図1に示す作業機の運転席の前部を示し、(a)は、操作パネルの平面図、(b)は、油圧切換ダイヤルの拡大図である。
【図3】土圧検知感度調整機構の側面図である。
【図4】土圧検知感度調整機構を敏感側に操作した状態を示す側面図である。
【図5】土圧検知感度調整機構を鈍感側に操作した状態を示す側面図である。
【図6】作業機の制御系を示すブロック線図である。
【図7】油圧感度の制御手順を示すプログラムフローチャートである。
【図8】油圧感度調整経過の第1の例を示す特性図である。
【図9】油圧感度調整経過の第2の例を示す特性図である。
【図10】油圧感度調整経過の第3の例を示す特性図である。
【図11】油圧感度調整経過の第4の例を示す特性図である。
【符号の説明】
【0048】
10 作業機
11 走行機体
31 作業装置
35 検知体(フロート)
71 制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、該作業装置に設けた感知体の土圧感知による姿勢変化に基づいて作業装置の対地高さを制御する作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、該作業装置に配置された検知体の姿勢変化に基づいて該作業装置の対泥面高さを所定値に維持するように昇降制御して、田植え等の作業を行うようにした田植え機等の作業機において、圃場面に対して作業装置を下降させ、検知体が圃上面に接触した時に発生するハンチングを防止するために、作業装置を下降させる際には、検知体の変位を検知する油圧の感度を鈍感側に設定し、作業装置を作動させる植付けクラッチのON操作検出して、或いは単位時間当たりの作業装置のリフト角の変化(検知体が圃場面に接触していること)を検出して油圧感度を所要の設定値に戻すようにした作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−284413号公報(第3頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来技術のように、検知体が圃場面と接触した状態で油圧の感度を鈍感側から設定値(敏感側)に急激に戻すとハンチングを誘発し、作業装置の姿勢が不安定となることがある。
【0005】
上記の事情に鑑み、本発明は、油圧の感度を鈍感側から設定値に戻す際にハンチングを誘発することなく、しかも泥押等を発生させないようにした作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、走行機体(11)に対して昇降自在に作業装置(31)を連結し、該作業装置(31)に設けた感知体(35)の土圧感知による姿勢変化に基づいて作業装置(31)の対地高さを制御する作業機(10)において、
前記感知体(35)の土圧感知感度を調整する感度調整手段(41)と、
前記感度調整手段(41)を、前記感知体(35)が接地するまでは感度を最も鈍感にし、設置直後からゆっくりと設定感度に戻す制御手段(71)と、
を備える作業機にある。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記接地直後から、前記最も鈍感と前記設定感度の中間までの時間が1〜2[秒]である、
請求項1記載の作業機にある。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記接地直後から、前記設定感度を最も敏感にした状態での前記設定感度までの時間が2〜4[秒]である、
請求項1記載の作業機にある。
【0009】
なお、前記した括弧内の符号等は、図面を参照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、接地後ゆっくりと設定感度まで戻すので、作業装置の設置時にハンチングを誘発することがなく、かつ例えば設定感度の中間位置まで1〜2[秒]、最敏感位置まで2〜4[秒]等の戻し時間があまり長くない適正な時間であるため、感知体による泥押し等の実作業での問題もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る作業機の側面図、図2は、図1に示す作業機の運転席の前部を示し、(a)は、操作パネルの平面図、(b)は、油圧切換ダイヤルの拡大図、図3は、土圧感知感度調整機構の側面図、図4は、土圧検知感度調整機構を敏感側に操作した状態を示す側面図、図5は、土圧検知感度調整機構を鈍感側に操作した状態を示す側面図、図6は、作業機の制御系を示すブロック線図、図7は、油圧感度の制御手順を示すプログラムフローチャート、図8は、油圧感度調整経過の第1の例を示す特性図、図9は、油圧感度調整経過の第2の例を示す特性図、図10は、油圧感度調整経過の第3の例を示す特性図、図11は、油圧感度調整経過の第4の例を示す特性図である。
【0013】
図1に示すように、作業機10は、走行機体11と、該走行機体11に接続された作業装置31で構成される。前記走行機体11は、前輪12と後輪13に支持された機体15を有し、該機体15の前部にはエンジン(図示せず)が搭載され、ボンネット16で覆われている。
【0014】
また、前記機体15の中央部には、運転席17が設置され、座席シート18、運転操作用のハンドル20、変速操作用の変速レバー21、前記作業装置31の昇降操作、植付クラッチの入・切操作、マーカーの左右操作等の各種操作を行うクイックアップレバー22(図2参照)、その他運転操作に必要な各種レバーやペダル類と、各種スイッチ類を配置した操作パネル23が配置されている。
【0015】
前記操作パネル23には、図2に示すように、各種スイッチ類のほか、油圧感度切換ダイヤル25が配置されている。前記油圧感度切換ダイヤル25は、図2(b)に示すように、圃場の硬さに応じて油圧感度を、最も敏感な1/11から最も鈍感な11/11まで11段階に切り替えられるようになっている。
【0016】
前記機体15の後部には、図1に示すように、油圧シリンダ26の作動により一端が上下方向に揺動する昇降リンク26を介して前記作業装置31が着脱可能に連結され、該昇降リンク機構26の搖動により、該作業装置31が上下方向に移動する。なお、前記作業装置31には、PTO軸(図示せず)を介して前記エンジンの動力が伝達される。
【0017】
前記作業装置31は、複数条に仕切られ、マット状の苗を載置する苗のせ台32と、該苗のせ台32上のマット状の苗から苗を掻き取って圃場に植付ける複数の植付部33と、該植付部33の下方に、前記苗のせ台32の幅方向に所定の間隔で配置され、圃場の上面に沿って滑動する複数のフロート35等を備えている。なお、複数の前記フロート35の内、中央部に位置するフロート35は、該フロート35と圃場上面との接触圧(土圧)を感知する感知体を兼ねている。
【0018】
図3に示すように、前記感知体を兼ねるフロート35(以下、感知体35という)は、その中央部が、前記作業装置31の伝動ケース36に回動自在に支持された軸37に、植付深さ調節レバー40と一体に固定されたアーム38に揺動自在に支持されている。
【0019】
図3に示すように、前記検知体35の土圧感知感度を調整する土圧検知感度調整機構41は、ベース42に揺動自在に支持された扇形ギヤ43と、該扇形ギヤ43を駆動する感知ワイヤモータ45を有し、前記扇形ギヤ43に前記検知体35の姿勢を調節する姿勢調節ワイヤ46と、前記検知体35で検知する土圧の検知荷重を調節する検知ワイヤ47のそれぞれ一端が接続されている。なお、前記扇形ギヤ43には、感知ワイヤポテンショメータ49が配置されている。
【0020】
前記姿勢調節ワイヤ46の他端は、感知プレート48を介して前記検知体35の先端部に接続されている。従って、前記扇形ギヤ43の搖動によって前記姿勢調節ワイヤ46が前記作業機10の前方(図3では、紙面の右側)へ引っ張られると、前記検知体35の先端部が引き上げられる。また、前記扇形ギヤ43の搖動によって前記姿勢調節ワイヤ46が前記作業機10の後方(図3では、紙面の左側)へ押されると、前記検知体35の先端部が押し下げられて、該検知体35の姿勢を調節することができる。
【0021】
前記検知ワイヤ47の他端は、荷重スプリング50、連係プレーと51、連係アーム52及び連係ロッド53を介して前記植付深さ調節レバー40に連係している。前記植付深さ調節レバー40と前記感知プレート48は、搖動アーム55及び戻しスプリング56を介して連結されている。
【0022】
従って、前記扇形ギヤ43の搖動によって前記検知ワイヤ47が前記作業機10の前方(図3では、紙面の右側)へ押されると、前記感知体35の後部を下降させる方向に作用する。また、前記扇形ギヤ43の搖動によって前記検知ワイヤ47が前記作業機10の後方(図3では、紙面の左側)に引っ張られると、前記感知体35の後部を上昇させる方向に作用する。
【0023】
図4に示すように、検知体35の先端部を後端部より下がった姿勢とすると、度圧検知感度を敏感にすることができ、また、図5に示すように、検知体35の先端部を後端部より上がった姿勢とすると、度圧検知感度を鈍感にすることができる。
【0024】
油圧感度調整機構61は、前記土圧検知感度調整手段41の前方(図3では、紙面の右側)に配置された油圧バルブ62と、前記連携プレーと51と該油圧バルブ62の油圧バルブアーム63との間に掛け渡された検知荷重スプリング65を有している。そして、油圧バルブアーム63を回動させ、油圧バルブ62の開度を開くと敏感になり、絞ると鈍感になるように調節することができる。
【0025】
図6に示すように、前記作業機10の制御手段71は、マイコン(マイクロコンピュータ)72で構成され、その入力部には、前記油圧感度切換ダイヤル25、エンジン回転パルス73、ピッチングセンサ75、前記昇降リンク機構27昇降角度を検出するリフト角ポテンショメータ76の他、該作業機10の運転操作に必要な、各種のボリューム、センサが接続されている。また、前記マイコン72の出力部には、前記感知ワイヤモータ45の他、前記作業機10の運転操作に必要な各種のモニタ、モータ、警報ブザー等が接続されている。
【0026】
前記の構成で、油圧感度の制御手順を図7に示すプログラムフローチャートに基づいて説明する。植付深さ調節レバー40の操作位置に対応して、検知体35の先端部の位置、即ち、扇形ギヤ43の角度目標値を計算する(図7のステップS1、以下、単にステップ○○という)。
【0027】
エンジンの回転数によりエンジン回転目標値を算出する(ステップS2)。即ち、エンジンの回転数が高くなるほど検知体35の基本姿勢が前上がりになるような値が算出される。角度目標値とエンジン回転目標値及び油圧感度切換ダイヤル25の設定値から感知目標値を設定する(ステップS3)。圃場が軟らかいほど感知体35の姿勢は、前下がりとなるような値が設定される。
【0028】
油圧感度切換ダイヤル25の設定値が敏感側にあるとき、感知目標値を判定する(ステップS4)。油圧感度切換ダイヤル25の設定値が1/11(最も敏感な位置)より鈍感な位置にあるときには、感知目標値を1/11に設定する(ステップS5)。油圧感度切換ダイヤル25の設定値が鈍感側にあるとき、感知目標値を判定する(ステップS6)。油圧感度設定ダイヤルの設定値が11/11(最も鈍感な位置)より敏感な位置にあるときには、感知目標値を11/11に設定する(ステップS7)。
【0029】
作業装置31の状態を判定する(ステップS8)。作業装置31が下降位置或いは苗の植付状態である時には、植付部33が接地しているか否かを判定する(ステップS9)。
【0030】
なお、前記植付部33の接地は、検知体35の圃場への接地を検出することにより行われる。即ち、植付部33が上がっている状態では、検知体35は前下がりの状態にあり、植付部33の下降指令があると、油圧バルブ62は自動モードに切替えられ、検知体35が前下がりの状態で植付部33が下降する。植付部33の下降により検知体35の前部が圃場に接地し、さらに植付部33が下降すると、検知体35はその前部を上げるように回動する。この検知体35の回動が、図5に示すように、感知プレート48、搖動アーム55、連係ロッド53、連係アーム52、連携プレーと51及び感知荷重スプリング65を介して油圧バルブアーム63に伝達され、油圧バルブ62の開度を絞り、植付部33の下降速度を減速させる。この植付部33の下降速度は、リフト角ポテンショメータ76で検出され、その出力の一定時間当たりの変化量が、一定レベルを下回ったときを植付部33の接地として検出する。
【0031】
作業装置31が上昇位置或いは固定されている場合、又は植付部33が設置していない場合、感知目標値を11/11に設定する(ステップS10)。
【0032】
感知ワイヤポテンショメータ49の出力の異常の有無を判定する(ステップS11)。感知ワイヤポテンショメータ49の出力に異常がない場合、出力の周期を判定する(ステップS12)。出力の周期が0の場合、感知目標値と感知ワイヤポテンショメータの出力との偏差を算出する(ステップS13)。
【0033】
算出された偏差が予め設定された不感帯より大きい場合、偏差と予め設定された係数により出力ON時間を算出する(ステップS15)。算出された出力ON時間に基づいて出力周期をセットする(ステップS16)。同時に、駆動方向フラグをセット摺(ステップS17)。
【0034】
前記ステップS11で感知ワイヤポテンショメータ49の出力に異常がある場合、又は前記ステップS14で偏差が不感帯より小さい場合、感知ワイヤモータ45の出力を停止する(ステップS18)。同時に、駆動方向フラグをクリアする(ステップS19)。
【0035】
前記ステップS12で、出力周期が0でない場合、出力ON時間を判定する(ステップS20)。出力ON時間が0でない場合、駆動方向フラグ(敏感方向又は鈍感方向)を判定する(ステップS21)。駆動方向フラグが1/11(敏感方向)である場合には、感知ワイヤモータ45を1/11方向(敏感方向)に駆動する(ステップS22)。同時に、駆動方向フラグを1/11(敏感方向)にセットする(ステップS23)。
【0036】
前記ステップS21で、駆動方向フラグが11/11(鈍感方向)である場合には、感知ワイヤモータ45を11/11(鈍感方向)に駆動する(ステップS24)。同時に、駆動方向フラグを11/11(鈍感方向)にセットする(ステップS25)。前記ステップS20で出力ON時間が0の場合には、感知ワイヤモータ45の出力を停止する(ステップS26)。
【0037】
前記の手順で油圧感度を調整した場合、検知体35の接地後の時間経過における検知ワイヤ47の位置の制御は、図8乃至図11に示すような各種の制御を行うことができる。
【0038】
図8に示す制御は、8/11に設定した感値目標値を1/11の感知感度に戻す場合を示し、検知体35が接地した後、戻し待ち時間0、5秒待機し、感知目標値8/11と感知感度1/11の中間まで1秒で戻す。そして、検知体35の接地から1、5秒後に感知感度まで戻すようにしたものである。
【0039】
このような制御特性とすることにより、検知体35の接地時にハンチングを誘発することがなく、かつ戻し時間があまり長くない適正な時間であるため、感知体による泥押し等の問題を発生させることなく作業を行うことができる。
【0040】
図9に示す制御は、11/11に設定して感知目標値を1/11の感知感度に戻す場合を示し、検知体35が接地した後、3秒後に感知感度1/11になるように感知荷重調節ワイヤ47の調節を開始するようにしたものである。感知目標値11/11と感知感度1/11との中間値6/11には、検知体35が接地してから1、5秒後となる。
【0041】
このような制御特性とすることにより、検知体35の接地時にハンチングを誘発することがなく、かつ戻し時間があまり長くない適正な時間であるため、感知体による泥押し等の問題を発生させることなく作業を行うことができる。また、制御を単純化することができる。
【0042】
図10に示す制御は、11/11に設定して感知目標値を1/11の感知感度に戻す場合を示し、検知体35が接地した後、3秒後に感知感度1/11になるように感知荷重調節ワイヤ47の調節するもので、調節開始直後の1、5秒は、感知荷重調節ワイヤ47の位置をゆっくりと調節し、2秒後に中間値6/11、3秒後に設定された感知感度1/11となるようにしている。
【0043】
このような制御特性とすることにより、感知体35の接地時に急激に感知感度を切替えることにより誘発されるハンチングを確実に防止することができる。
【0044】
図11に示す制御は、11/11に設定して感知目標値を1/11の感知感度に戻す場合を示し、検知体35が接地した後、3秒後に感知感度1/11になるように感知荷重調節ワイヤ47の調節するもので、調節開始直後の1、5秒間、最初の1秒で中間値6/11となるように感知荷重調節ワイヤ47の位置を変化させ、その後3秒までに感知感度1/11へゆっくりと調節するようにしている。
【0045】
このような制御特性とすることにより、短時間で感知感度1/11に近づけることができ、検知体35による泥押し等をなくし、作業開始タイミングを早くすることができる。
【0046】
なお、制御特性は、前記例示したものだけでなく、検知体35が圃場に接地した瞬間に検知感度を切換るのではなく、中間値まで1〜2秒、設定感度まで2〜4秒かけてゆっくりと制御するように、圃場の状態や作業機10の特性に応じて適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る作業機の側面図である。
【図2】図1に示す作業機の運転席の前部を示し、(a)は、操作パネルの平面図、(b)は、油圧切換ダイヤルの拡大図である。
【図3】土圧検知感度調整機構の側面図である。
【図4】土圧検知感度調整機構を敏感側に操作した状態を示す側面図である。
【図5】土圧検知感度調整機構を鈍感側に操作した状態を示す側面図である。
【図6】作業機の制御系を示すブロック線図である。
【図7】油圧感度の制御手順を示すプログラムフローチャートである。
【図8】油圧感度調整経過の第1の例を示す特性図である。
【図9】油圧感度調整経過の第2の例を示す特性図である。
【図10】油圧感度調整経過の第3の例を示す特性図である。
【図11】油圧感度調整経過の第4の例を示す特性図である。
【符号の説明】
【0048】
10 作業機
11 走行機体
31 作業装置
35 検知体(フロート)
71 制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、該作業装置に設けた感知体の土圧感知による姿勢変化に基づいて作業装置の対地高さを制御する作業機において、
前記感知体の土圧感知感度を調整する感度調整手段と、
前記感度調整手段を、前記感知体が接地するまでは感度を最も鈍感にし、設置直後からゆっくりと設定感度に戻す制御手段と、
を備える作業機。
【請求項2】
前記接地直後から、前記最も鈍感と前記設定感度の中間までの時間が1〜2[秒]である、
請求項1記載の作業機。
【請求項3】
前記接地直後から、前記設定感度を最も敏感にした状態での前記設定感度までの時間が2〜4[秒]である、
請求項1記載の作業機。
【請求項1】
走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、該作業装置に設けた感知体の土圧感知による姿勢変化に基づいて作業装置の対地高さを制御する作業機において、
前記感知体の土圧感知感度を調整する感度調整手段と、
前記感度調整手段を、前記感知体が接地するまでは感度を最も鈍感にし、設置直後からゆっくりと設定感度に戻す制御手段と、
を備える作業機。
【請求項2】
前記接地直後から、前記最も鈍感と前記設定感度の中間までの時間が1〜2[秒]である、
請求項1記載の作業機。
【請求項3】
前記接地直後から、前記設定感度を最も敏感にした状態での前記設定感度までの時間が2〜4[秒]である、
請求項1記載の作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−166813(P2006−166813A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364722(P2004−364722)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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