作業車両
【課題】走行機体に作業機を連結すると共に、作業機をPTO軸を介して駆動する農業用トラクタ等の作業車両において、前記PTO軸の回転数を変更するPTO変速装置を入れ忘れた状態で作業走行を行なってしまうことを未然に防止する。
【解決手段】PTO軸21への動力伝達を入切するPTOクラッチ17が入り状態にあり、また作業機5が作業位置に下降しているにも拘らずPTO軸21が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置19の入れ忘れと判断してこれを報知するように構成した。
【解決手段】PTO軸21への動力伝達を入切するPTOクラッチ17が入り状態にあり、また作業機5が作業位置に下降しているにも拘らずPTO軸21が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置19の入れ忘れと判断してこれを報知するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に作業機を昇降自在に連結すると共に、該作業機に動力を伝達するPTO軸と、該PTO軸への動力伝達を入切するPTOクラッチと、前記PTO軸の回転数を変更するPTO変速装置を備える農業用トラクタ等の作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両の一例である乗用型田植機においては、走行変速レバーの植付速度位置を検出する変速センサと、作業機レバーの下降位置操作を検出する作業センサとにタイマ等の出力遅延部材を直列に設け、植付クラッチの入操作を検出する植付クラッチセンサの入れ忘れ出力を前記出力遅延部材により規制して、走行変速レバーによる植付速度操作並びに作業機レバーによる植付部の下降操作から、植付クラッチが入操作される間の通常の作業状態では、植付クラッチの入れ忘れ警報が不要に出力されないように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−134317号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1のものは、植付クラッチの入れ忘れは報知できるものの、農業用トラクタのように、作業機に動力を伝達するPTO軸の回転数を変更するPTO変速装置を別に備えるものでは、該PTO変速装置の入れ忘れを報知できるように構成したものはなく、例えば、走行機体の後部に備える昇降リンク機構を介してロータリ耕耘装置(作業機)が連結されている農業用トラクタの場合、ロータリ耕耘装置が所望の作業高さ位置に昇降調節され、且つPTO変速操作具によるPTO軸の正逆転切換操作を含む変速操作が行なわれていない状態、即ちPTO変速装置を入れ忘れた状態で作業走行がなされると、ロータリ耕耘装置が駆動することなく圃場に未耕部分が発生して作業効率が低下してしまうので、作業走行を開始した直後に後方確認を充分に行なうか、或いは農業用トラクタの周辺作業者にロータリ耕耘装置の駆動の有無を確認してもらう必要が有った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、走行機体に作業機を昇降自在に連結すると共に、作業機をPTO軸を介して駆動する作業車両において、前記PTO軸への動力伝達を入切するPTOクラッチと、PTO軸の回転数を変更するPTO変速装置を備え、前記PTOクラッチが入り状態にあり、また作業機が作業位置に下降しているにも拘らずPTO軸が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置の入れ忘れと判断してこれを報知するように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、作業車両が、例えば走行機体の後部に備える昇降リンク機構を介して作業機(ロータリ耕耘装置)が連結されている農業用トラクタの場合、作業機を駆動させるPTO軸への動力伝達を入切するPTOクラッチが入り状態にあり、また作業機が作業位置に下降しているにも拘らずPTO軸が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置の入れ忘れと判断してこれを報知するので、PTO変速装置を入れ忘れた状態で作業走行を行なって圃場に未耕部分が発生するといった従来の不具合を解消することができると共に、作業走行を開始した直後の後方確認や、農業用トラクタの周辺作業者に作業機の駆動の有無を確認してもらうことが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】農業用トラクタの側面図。
【図2】ミッションケースの側断面図。
【図3】PTO変速レバーの変速パターンを示す説明図。
【図4】農業用トラクタの油圧回路図。
【図5】操縦部の座席周辺を示す正面図。
【図6】操縦部の座席周辺を示す平面図。
【図7】サイドパネルの平面図。
【図8】操作パネルの平面図。
【図9】フロント操作部の要部背面図
【図10】制御部のブロック図。
【図11】PTO警報制御(実施例1)を示すフローチャート。
【図12】PTO警報制御(実施例1)の制御内容概略(要約)図。
【図13】PTO警報制御(実施例2)を示すフローチャート。
【図14】PTO警報制御(実施例2)の制御内容概略(要約)図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、作業車両の一例である農業用トラクタの側面図であって、農業用トラクタは、左右一対の前輪1及び後輪2を有する走行機体3と、該走行機体3の後部に三点リンク式の昇降リンク機構4を介して昇降自在に連結したロータリ耕耘装置(作業機)5を備えている。そして、走行機体3の後半部には、農業用トラクタの操縦部6を覆うキャビン7を設置すると共に、前半部のボンネット8内にエンジン9を収容固定している。
【0010】
また、図2は、農業用トラクタのトランスミッションの構成を示すミッションケース11の側断面図であって、エンジン9の動力は、ミッションケース11内のトランスミッション12を介して変速され、前後輪1,2及びロータリ耕耘装置5に伝達されるようになっている。
【0011】
更に詳しく説明すると、エンジン9の動力は、ミッションケース11の前側に連結固定したクラッチハウジング13内の主クラッチ14に伝達される。この主クラッチ14の入切操作によって、エンジン9から入力軸(筒軸)15への動力伝達を断続する。そして、入力軸15に伝達された動力は、走行変速機構の一部を構成する摩擦多板式油圧クラッチを用いて4段の変速を行なう主変速装置16に伝達される。また、摩擦多板式油圧クラッチを用いて構成されるPTOクラッチ17は、エンジン9から主クラッチ14を介さずにA軸によって直接動力が伝達される。
【0012】
PTOクラッチ17は、入切操作することによって入力軸15から作業機伝動軸18への動力伝達を断続する。そして、作業機伝動軸18に伝達された動力は、PTO変速装置19を介して変速され、走行機体3側からロータリ耕耘装置(作業機)5側に動力を出力するPTO軸21に伝達される。尚、PTO変速装置19の変速切換は、図5及び図6に示すPTO変速レバー(PTO変速操作具)20によってなされ、該PTO変速レバー20は、図3に示す変速パターンのように、ニュートラル位置Nを経由しての正逆転切換操作、即ち低速(1速)、中速(2速)、及び高速(3速)用の変速ギヤの噛合による正転時の3段の変速切換と、逆転用の変速ギヤの噛合による逆転時1段の変速切換を可能にしてあり、走行状態に影響されることのない独立したPTO動力の伝動系、所謂インディペンデントPTO仕様のPTO動力伝達経路を構成している。
【0013】
一方、主変速装置16は、この主変速装置16を構成する4つの摩擦多板式油圧クラッチ22,22,22,22のうち何れか1つを入操作して他を切操作することによって、4段階の変速を行い、変速後の動力を前後進切換装置23に伝達している。
【0014】
前後進切換装置23は、2つの摩擦多板式油圧クラッチ24,24を備え、一方の摩擦多板式油圧クラッチ24を入操作することにより、主変速装置16側の動力を伝動軸25に正転(走行機体3を前進させる方向への回転)伝達し、他方の摩擦多板式油圧クラッチ24を入操作することにより、主変速装置16側の動力を伝動軸25に逆転(走行機体3を後進させる方向への回転)伝達する。即ち、前後進切換装置23によって農業用トラクタの前後進切換を行なう。
【0015】
伝動軸25に伝達された動力は、走行変速機構の一部を構成する副変速装置26によって、後輪伝動軸27に伝達される。即ち、副変速装置26は、2つの摩擦多板式油圧クラッチ28,28の一方を入操作して他方を切操作することにより、二段階の変速切換を行い、変速後の動力を後輪伝動軸27に伝達するように構成している。
【0016】
そして、後輪伝動軸27に伝達された動力は、後輪2に伝達されるだけでなく、倍速伝動装置(前輪駆動切換装置)29にも伝達される。この倍速伝動装置29は、摩擦多板式油圧クラッチである四輪駆動クラッチ31及び増速クラッチ32を入切操作することにより、前輪1と後輪2が同一速度(通常速度)で駆動するように後輪伝動軸27から前輪伝動軸33に動力を伝達する四輪駆動モード(前輪1と後輪2が駆動する状態)と、後輪伝動軸27から前輪伝動軸33に動力を伝達しない二輪駆動モード(後輪2のみが駆動する状態)と、機体旋回時における前輪1の倍速駆動(後輪2の約2倍の速度で駆動する状態)を可能にする急旋回モードとに円滑な変速や切換えが行なえるようになっている。
【0017】
また、上述した昇降リンク機構4は、図1に示すように、左右一対のロワリンク36,36と、両ロワリンク36,36上方のトップリンク37等により構成されており、両ロワリンク36,36は、その基端部を走行機体3の後部に支持すると共に、その中途部を走行機体3の後部に備える図示しない左右一対のリフトアームの先端部にリフトロッド38,38を介して吊持連結している。尚、前記リフトアームは、油圧シリンダであるリフトシリンダ39(図4参照)の伸縮作動によって上下に揺動する。
【0018】
そして、左右のリフトロッド38,38の一方は、油圧シリンダであるリフトロッドシリンダ41からなり、このリフトロッドシリンダ41の伸縮作動によって、一方のロワリンク36とリフトアームの間隔に対して、他方のロワリンク36とリフトアームの間隔を変更し、走行機体3に対するロータリ耕耘装置5の左右の傾きを調整できるように構成している。即ち、この左右の傾き調整によって、圃場の凹凸や圃場の傾斜状態に関係なくロータリ耕耘装置5の左右傾斜を一定に保持するローリング制御(水平制御)を行なうことができる。
【0019】
また、図4は、農業用トラクタの油圧回路図であって、農業用トラクタは、上述したリフトシリンダ39やリフトロッドシリンダ41等の油圧シリンダ、及び主変速装置16やPTOクラッチ17等の摩擦多板式油圧クラッチへ作動油を供給する油圧装置42を搭載している。この油圧装置42は、エンジン9の動力によって駆動する第1油圧ポンプ43と第2油圧ポンプ44を備え、第1油圧ポンプ43によってミッションケース11内の作動油を分流弁46を介して分流し、分流した一方の作動油をPTOクラッチ17側に供給すると共に、他方の作動油をステアリングハンドル47用の油圧駆動ユニットであるパワーステアリングユニット48に供給している。
【0020】
分流弁46とPTOクラッチ17との間の油路には、比例制御電磁弁であるPTOバルブ49を設けている。このPTOバルブ49は、詳細は後述する制御部51(図10参照)から出力される制御信号に基づいて、PTOクラッチ17に作動油を供給する油路を形成することにより、PTOクラッチ17を入作動させて作業機伝動軸18に動力を伝達する状態と、PTOクラッチ17を切作動させて作業機伝動軸18への動力伝達を遮断する状態との切換を行なう。
【0021】
また、第2油圧ポンプ44によって作動油タンク45から圧送される作動油は、先ず四輪駆動クラッチ31及び増速クラッチ32側への作動油の供給を制限する四輪駆動バルブ52と、分流弁53に供給される。四輪駆動バルブ52は、制御部51から出力される制御信号に基づいて、四輪駆動クラッチ31または増速クラッチ32側へ作動油を供給する油路を形成する状態と、四輪駆動クラッチ31及び増速クラッチ32側から作動油を排出する油路を形成する状態との切換を行なう。
【0022】
そして、四輪駆動クラッチ31または増速クラッチ32側へ供給された作動油は、四輪駆動クラッチ31を入作動させると共に、電磁バルブである増速バルブ54に供給される。この増速バルブ54は、増速クラッチ32に作動油を供給する油路を形成して増速クラッチ32を入作動させる状態と、増速クラッチ32から作動油を排出する油路を形成して増速クラッチ32を切作動させる状態との切換を行なう。
【0023】
また、分流弁53に供給された作動油は、該分流弁53を介してリフトシリンダ39側とリフトロッドシリンダ41側とに分流される。リフトシリンダ39側に分流された作動油は、パイロット圧によって開度調節される油圧バルブである上昇バルブ55に供給される。この上昇バルブ55のパイロット圧は、比例制御電磁弁である上昇ソレノイドバルブ56によって調整される。そして、上昇ソレノイドバルブ56は、制御部51から出力される制御信号のデューティ比に応じた開度で開作動し、この開度に応じたパイロット圧の圧油を上昇バルブ55に供給する。即ち、上昇バルブ55は、前記パイロット圧に応じた開度で開作動し、当該開度に応じた量の作動油をリフトシリンダ39に供給し、その作動油供給量に応じた速度でロータリ耕耘装置5を上昇動作させる。
【0024】
一方、リフトシリンダ39内の作動油は、パイロット圧によって開度調節される油圧バルブである下降バルブ57を介して作動油タンクであるミッションケース11内に排出される。この下降バルブ57のパイロット圧は、比例制御電磁弁である下降ソレノイドバルブ58によって調整される。そして、下降ソレノイドバルブ58は、制御部51から出力される制御信号のデューティ比に応じた開度で開作動し、この開度に応じたパイロット圧の圧油を下降バルブ57に供給する。即ち、下降バルブ57は、前記パイロット圧に応じた開度で開作動し、当該開度に応じた量の作動油をリフトシリンダ39から作動油タンク45に排出し、その作動油排出量に応じた速度でロータリ耕耘装置5を下降動作させる。
【0025】
また、リフトロッドシリンダ41側に分流された作動油は、電磁バルブであるリフトロッドバルブ59に供給される。このリフトロッドバルブ59は、制御部51から出力される制御信号によって、分流弁53からの作動油をリフトロッドシリンダ41に供給する油路を形成してリフトロッドシリンダ41を伸作動させる状態と、リフトロッドシリンダ41内の作動油を作動油タンク45に排出する油路を形成してリフトロッドシリンダ41を縮作動させる状態と、リフトロッドシリンダ41への作動油の供給路及びリフトロッドシリンダ41からの作動油の排出路を遮断して、当該リフトロッドシリンダ41の伸縮作動を停止させる状態との切換を行なう。
【0026】
ところで、図5及び図6は、操縦部6の座席61周辺を示す正面図と平面図であって、農業用トラクタのオペレータが着座する座席62の右側方には、機体の前後方向に延びるサイドパネル63を配置し、このサイドパネル63上部の機体外側寄りには、各種制御用の操作具を配置した操作パネル64を設けると共に、サイドパネル63の前端部下側にPTO変速レバー(PTO変速操作具)20を設けている。一方、座席62の左側方には、常時噛合い式の歯車変速装置を用いて3段の変速を行なう高中低変速装置65(図2参照)を変速操作する変速操作レバー(変速操作具)66を設けている。また、座席61の前方には、ステアリングハンドル47を配置したフロント操作部67を設けている。
【0027】
そして、図7は、サイドパネル63の平面図であって、サイドパネル63の前側には、ロータリ耕耘装置5の昇降高さの調整操作を行なう上下回動自在なポジションコントロールレバー68を設け、このポジションコントロールレバー68の後方に、上述したローリング制御の入切操作を行う押しボタン式のローリング制御入切スイッチ69を設けると共に、該ローリング制御入切スイッチ69の後方には、ロータリ耕耘装置5の最大上昇高さを設定するダイヤル式の上げ高さボリュ−ム70を設けている。
【0028】
また、図8は、操作パネル64の平面図であて、操作パネル64の前部には、走行機体3の走行または走行停止にPTO軸21の駆動の入切を連動させる連動モードと、連動させない独立モードとのモード切換を行なうモード切換スイッチ71を配置すると共に、操作パネル64の後部には、ロータリ耕耘装置5の昇降動作にPTO軸21の駆動の入切を連動させる昇降連動モードと、連動させない非昇降連動モードとのモード切換を行なう昇降連動切換スイッチ72を配置している。更に、前記モード切換スイッチ71と昇降連動切換スイッチ72の間には、PTOクラッチ17を入切操作するPTOスイッチ73を設けている。
【0029】
尚、昇降連動切換スイッチ72は、押しボタン式のスイッチであり、1回の押圧操作毎に昇降連動モードと非昇降連動モードの切換を行なう。昇降連動モード時は、昇降連動切換スイッチ72の近傍に設けた制御ランプ74が点灯する一方、非昇降連動モード時は、制御ランプ74が消灯する。そして、前記昇降連動モード時、制御部51は、ロータリ耕耘装置5が上昇動作する過程で、走行機体3に対してロータリ耕耘装置5が所定高さ以上に上昇すると、PTOクラッチ17を切作動させてPTO軸21の駆動を停止させ、また、ロータリ耕耘装置5が下降動作する過程で、走行機体3に対してロータリ耕耘装置5が所定高さ以下に下降すると、PTOクラッチ17を入作動させてPTO軸21の駆動させ
る制御を実行する。
【0030】
そして、PTOスイッチ73は、押圧操作可能且つ左右回動操作可能に構成してあり、当該PTOスイッチ73は、図示しない弾性部材等により回動操作可能範囲の始端側に常時付勢されて切操作状態を保持している。この切操作状態からPTOスイッチ73を回動操作可能範囲の終端側まで押し回しすると、PTOスイッチ73は、前記回動操作可能範囲の終端側、即ちPTOクラッチ17が入状態となる位置で係止される。更に、この状態でPTOスイッチ73を1回押圧操作すると、PTOスイッチ73の回動操作可能範囲の終端側における係止が解除され、前記弾性部材によりPTOスイッチ73が回動操作可能範囲の始端側に付勢されて切操作状態になる。
【0031】
また、図9は、フロント操作部67の要部背面図であって、フロント操作部67には、ステアリングハンドル47の他、該ステアリングハンドル47の前方にメータ76や表示部(液晶パネル)77等を配置したメータパネル78を設けている。一方、ステアリングハンドル47の左側方には、走行機体3の前後進切換操作を行なう前後揺動自在な前後進切換レバー79(図1参照)、ステアリングハンドル47の右側方には、上下揺動操作自在な簡易昇降レバー81を設けている。この簡易昇降レバー81は、図示しない弾性部材等により中立位置で保持してあり、上方へ1回揺動操作すると、ロータリ耕耘装置5は、最大上昇高さまで上昇し、下方へ1回揺動操作すると、ロータリ耕耘装置5は、作業高さまで下降するように制御部51によって昇降制御される。
【0032】
更に、メータパネル78の左側下方には、各種制御の入切を行う制御操作パネル82を設けてあり、この制御操作パネル82には、走行機体3の後進時、ロータリ耕耘装置5が所定の昇降高さ以下である場合には、自動的に所定の高さ位置(最大上昇高さ)までロータリ耕耘装置5を上昇動作させるバックアップ制御の入切操作を行うバックアップスイッチ83や、走行機体3の旋回時、ロータリ耕耘装置5が所定の昇降高さ以下である場合には、自動的に所定の高さ位置(最大上昇高さ)までロータリ耕耘装置5を上昇動作させる旋回アップ制御の入切操作を行う旋回アップスイッチ84等を配設している。
【0033】
一方、メータパネル78の右側下方には、上述した表示部77の画面を操作する表示部操作パネル85を設けてあり、この表示部操作パネル85には、表示部77に表示される選択事項の選択、数値の変更等を行なう上ボタン86、下ボタン87、左ボタン88、右ボタン89、及び設定ボタン(決定ボタン)91等を配設している。
【0034】
また、図10は、上述した制御部51のブロック図であって、制御部51は、PTO軸21の駆動を入切する制御やロータリ耕耘装置5の昇降制御を実行するマイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM等を含む)からなる主制御部92と、表示部77の表示制御を行なうマイクロコンピュータなる表示制御部93と、表示部操作パネル85の各種操作具が入力側に接続されるマイクロコンピュータなる表示部操作パネル制御部94とを備え、これらをCAN(Control Area Network)によって接続している。
【0035】
そして、主制御部92の入力側には、上述した上げ高さボリュ−ム70、モード切換スイッチ71、昇降連動切換スイッチ72、PTOスイッチ73、簡易昇降レバー81の上下揺動操作をそれぞれ検出可能なクイックアップスイッチ95、ポジションコントロールレバー67の上下回動角を検出するポジションセンサ(昇降操作検出手段)96、ロータリ耕耘装置5の昇降高さ(動作)を検出するリフトアームセンサ(昇降動作検出手段)97、走行機体3の後進走行を検出するバックスイッチ(後進走行検出手段)98、走行機体3の走行または走行停止状態を検出するクラッチベダルスイッチ(走行状態検出手段)99、及び走行機体3の旋回操作を検出する前輪切れ角検出スイッチ(旋回操作検出手段)101、及びPTO変速レバー(PTO変速操作具)20のニュートラル位置Nを検出するニュートラル位置検出スイッチ(操作位置検出手段)102等を所定の入力インタフェース回路を介して接続している。
【0036】
尚、走行機体3の後進走行検出手段であるバックスイッチ98は、前後進切換レバー79の基端部に設けてあり、この前後進切換レバー79の後進側への操作を検出するが、後輪伝動軸27の回転を検出する回転センサを設けて直接的に走行機体3の後進走行を検出してもよい。また、走行機体3の旋回操作を検出する旋回操作検出手段である前輪切れ角検出スイッチ101は、前輪1の直進時からの左右回動角度である切れ角を直接的に検出しているが、ステアリングハンドル47の基端部において、該ステアリングハンドル47の回転操作に連動して回転移動する図示しないカムリンクの両端を左右一対のセンサで検出するように構成してもよい。
【0037】
そして、走行機体3の走行状態検出手段であるクラッチベダルスイッチ99は、主クラッチ14を入切操作するクラッチペダル103(図1参照)の踏み込み操作を検出しているが、後輪伝動軸27の回転を検出する図示しない回転センサを設けて直接的に走行機体3の走行状態を検出してもよい。ちなみに、クラッチペダル103を踏み込み操作すると、クラッチベダルスイッチ99が入状態になると共に主クラッチ14は切作動し、前輪1及び後輪2への動力伝達が遮断される。一方、クラッチペダル103の踏み込みを解除すると、図示しない弾性部材等の付勢力により主クラッチ14が入作動すると共に、クラッチベダルスイッチ99は切状態となる。
【0038】
また、主制御部92の出力側には、上述したPTOバルブ49、上昇ソレノイドバルブ56、下降ソレノイドバルブ58、制御ランプ74、及び警報ブザー104等を所定の出力インタフェース回路を介して接続している。
【0039】
次に、本発明のPTO警報制御、即ちPTO変速操作具の変速操作忘れ警報(実施例1)の制御内容を、図11に示すフローチャートと、図12に示す制御内容概略(要約)図に基づいて説明する。
【0040】
図11に示すフローチャートのステップS1では、PTOクラッチ17の入状態を判断するPTOスイッチ73の操作状態の読込み、PTO変速レバー20のニュートラル位置Nを検出するニュートラル位置検出スイッチ102(変速ポジションセンサ)の入切状態の読込み、そして例えば、クラッチペダル103を踏み込んで主クラッチ14切った状態で主変速レバーを操作して走行機体3の変速を行なう農業用トラクタの場合は、図示しない主変速レバーのニュートラル位置Nを検出するニュートラル位置検出スイッチ(変速ポジションセンサ)の入切状態の読込み、走行機体3の走行または走行停止状態を検出するクラッチベダルスイッチ(走行状態検出手段)99の入切状態、または後輪伝動軸27の回転を検出する図示しない回転センサの検出値、及びロータリ耕耘装置5の昇降高さ(昇降動作)を検出するリフトアームセンサ97の検出値等の状態読込みを実行する。
【0041】
そして、ステップS2からステップS6では、ステップS1における状態読込みに基づいて、走行機体3の走行変速とPTOクラッチ17が入り状態で且つ走行機体3の走行状態が検出されると共に、ロータリ耕耘装置5が作業高さ位置に下降しており、更にPTO変速レバー20が変速操作されずにニュートラル位置Nある時のみステップS7に進み、このステップS7でPTO変速レバー20の変速操作忘れを農業用トラクタのオペレータに報知せしめるといった一連の制御を実行する。尚、前記PTO変速レバー20の変速操作忘れの具体的な報知は、警報ブザー104による警報音の出力と併せて、メータパネル78に設けた表示部(液晶パネル)77へ、例えば「PTO変速が入っていません」と表示するように構成している。
【0042】
以上説明した実施例1では、走行機体3の走行または走行停止状態を検出する走行状態検出手段であるクラッチベダルスイッチ99と、走行機体3に連結したロータリ耕耘装置5の昇降動作を検出する昇降動作検出手段であるリフトアームセンサ97と、走行機体3側からロータリ耕耘装置5側に動力を出力するPTO軸21と、該PTO軸21への動力伝達を入切するPTOクラッチ17と、前記PTO軸21の回転数を変更するPTO変速装置19と、該PTO変速装置19の変速切換を行なうPTO変速レバー20を備えた農業用トラクタにおいて、前記PTO変速レバー20の操作位置を検出する操作位置検出手段としてニュートラル位置検出スイッチ102を設け、走行機体3が走行状態で、且つロータリ耕耘装置5が作業高さ位置に下降している時、前記ニュートラル位置検出スイッチ102によりPTO変速レバー20の変速操作忘れを検出すると、この変速操作忘れを警報音および/または表示出力せしめる警報出力制御手段としての制御部51を設けたことによって、PTO変速レバー20の変速操作を忘れた状態、即ちPTO変速装置19を入れ忘れた状態で作業走行を行なって圃場に未耕部分が発生するといった従来の不具合を解消することができると共に、作業走行を開始した直後の後方確認や、農業用トラクタの周辺作業者にロータリ耕耘装置5の駆動の有無を確認してもらうことが不要になる。そして、前記PTO変速レバー20のニュートラル位置Nを操作位置検出手段であるニュートラル位置検出スイッチ102で検出することによって、確実にPTO変速レバー20の変速操作忘れを検出することができる。
【実施例2】
【0043】
また、図13及び図14は、PTO警報制御(PTO変速操作具の変速操作忘れ警報)の別実施例(実施例2)を示すフローチャートと制御内容概略(要約)図であって、この実施例2では、PTO変速装置19の入れ忘れを、PTO軸21の回転を直接的に検出可能な図10に示すピックアップセンサ(回転センサ)106を設けることによって判断できるように構成したものであり(図13のステップS3参照)、その他の制御ステップは、実施例1と同一であり説明を省略するが、実施例2では、ロータリ耕耘装置5を駆動させるPTO軸21への動力伝達を入切するPTOクラッチ17が入り状態にあり、またロータリ耕耘装置5が作業高さ位置に下降しているにも拘らずPTO軸21が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置19の入れ忘れと判断してこれを報知するので、PTO変速装置19を入れ忘れた状態で作業走行を行なって圃場に未耕部分が発生するといった従来の不具合を解消することができると共に、作業走行を開始した直後の後方確認や、農業用トラクタの周辺作業者にロータリ耕耘装置5の駆動の有無を確認してもらうことが不要になる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、走行機体に作業機を連結すると共に、該作業機に動力を伝達するPTO軸と、該PTO軸への動力伝達を入切するPTOクラッチと、前記PTO軸の回転数を変更するPTO変速装置を備える農業用トラクタだけでなく、例えばコンプレッサ、ウインチ、クレーン等の作業機を駆動させるオイルポンプに原動機の動力を取り出すPTO装置を備えた塵芥車、ダンプカー、バキュームカー、レッカー車、及びクレーン車等の建設作業車両にも適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
3 走行機体
5 作業機
17 PTOクラッチ
19 PTO変速装置
21 PTO軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に作業機を昇降自在に連結すると共に、該作業機に動力を伝達するPTO軸と、該PTO軸への動力伝達を入切するPTOクラッチと、前記PTO軸の回転数を変更するPTO変速装置を備える農業用トラクタ等の作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両の一例である乗用型田植機においては、走行変速レバーの植付速度位置を検出する変速センサと、作業機レバーの下降位置操作を検出する作業センサとにタイマ等の出力遅延部材を直列に設け、植付クラッチの入操作を検出する植付クラッチセンサの入れ忘れ出力を前記出力遅延部材により規制して、走行変速レバーによる植付速度操作並びに作業機レバーによる植付部の下降操作から、植付クラッチが入操作される間の通常の作業状態では、植付クラッチの入れ忘れ警報が不要に出力されないように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−134317号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1のものは、植付クラッチの入れ忘れは報知できるものの、農業用トラクタのように、作業機に動力を伝達するPTO軸の回転数を変更するPTO変速装置を別に備えるものでは、該PTO変速装置の入れ忘れを報知できるように構成したものはなく、例えば、走行機体の後部に備える昇降リンク機構を介してロータリ耕耘装置(作業機)が連結されている農業用トラクタの場合、ロータリ耕耘装置が所望の作業高さ位置に昇降調節され、且つPTO変速操作具によるPTO軸の正逆転切換操作を含む変速操作が行なわれていない状態、即ちPTO変速装置を入れ忘れた状態で作業走行がなされると、ロータリ耕耘装置が駆動することなく圃場に未耕部分が発生して作業効率が低下してしまうので、作業走行を開始した直後に後方確認を充分に行なうか、或いは農業用トラクタの周辺作業者にロータリ耕耘装置の駆動の有無を確認してもらう必要が有った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、走行機体に作業機を昇降自在に連結すると共に、作業機をPTO軸を介して駆動する作業車両において、前記PTO軸への動力伝達を入切するPTOクラッチと、PTO軸の回転数を変更するPTO変速装置を備え、前記PTOクラッチが入り状態にあり、また作業機が作業位置に下降しているにも拘らずPTO軸が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置の入れ忘れと判断してこれを報知するように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、作業車両が、例えば走行機体の後部に備える昇降リンク機構を介して作業機(ロータリ耕耘装置)が連結されている農業用トラクタの場合、作業機を駆動させるPTO軸への動力伝達を入切するPTOクラッチが入り状態にあり、また作業機が作業位置に下降しているにも拘らずPTO軸が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置の入れ忘れと判断してこれを報知するので、PTO変速装置を入れ忘れた状態で作業走行を行なって圃場に未耕部分が発生するといった従来の不具合を解消することができると共に、作業走行を開始した直後の後方確認や、農業用トラクタの周辺作業者に作業機の駆動の有無を確認してもらうことが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】農業用トラクタの側面図。
【図2】ミッションケースの側断面図。
【図3】PTO変速レバーの変速パターンを示す説明図。
【図4】農業用トラクタの油圧回路図。
【図5】操縦部の座席周辺を示す正面図。
【図6】操縦部の座席周辺を示す平面図。
【図7】サイドパネルの平面図。
【図8】操作パネルの平面図。
【図9】フロント操作部の要部背面図
【図10】制御部のブロック図。
【図11】PTO警報制御(実施例1)を示すフローチャート。
【図12】PTO警報制御(実施例1)の制御内容概略(要約)図。
【図13】PTO警報制御(実施例2)を示すフローチャート。
【図14】PTO警報制御(実施例2)の制御内容概略(要約)図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、作業車両の一例である農業用トラクタの側面図であって、農業用トラクタは、左右一対の前輪1及び後輪2を有する走行機体3と、該走行機体3の後部に三点リンク式の昇降リンク機構4を介して昇降自在に連結したロータリ耕耘装置(作業機)5を備えている。そして、走行機体3の後半部には、農業用トラクタの操縦部6を覆うキャビン7を設置すると共に、前半部のボンネット8内にエンジン9を収容固定している。
【0010】
また、図2は、農業用トラクタのトランスミッションの構成を示すミッションケース11の側断面図であって、エンジン9の動力は、ミッションケース11内のトランスミッション12を介して変速され、前後輪1,2及びロータリ耕耘装置5に伝達されるようになっている。
【0011】
更に詳しく説明すると、エンジン9の動力は、ミッションケース11の前側に連結固定したクラッチハウジング13内の主クラッチ14に伝達される。この主クラッチ14の入切操作によって、エンジン9から入力軸(筒軸)15への動力伝達を断続する。そして、入力軸15に伝達された動力は、走行変速機構の一部を構成する摩擦多板式油圧クラッチを用いて4段の変速を行なう主変速装置16に伝達される。また、摩擦多板式油圧クラッチを用いて構成されるPTOクラッチ17は、エンジン9から主クラッチ14を介さずにA軸によって直接動力が伝達される。
【0012】
PTOクラッチ17は、入切操作することによって入力軸15から作業機伝動軸18への動力伝達を断続する。そして、作業機伝動軸18に伝達された動力は、PTO変速装置19を介して変速され、走行機体3側からロータリ耕耘装置(作業機)5側に動力を出力するPTO軸21に伝達される。尚、PTO変速装置19の変速切換は、図5及び図6に示すPTO変速レバー(PTO変速操作具)20によってなされ、該PTO変速レバー20は、図3に示す変速パターンのように、ニュートラル位置Nを経由しての正逆転切換操作、即ち低速(1速)、中速(2速)、及び高速(3速)用の変速ギヤの噛合による正転時の3段の変速切換と、逆転用の変速ギヤの噛合による逆転時1段の変速切換を可能にしてあり、走行状態に影響されることのない独立したPTO動力の伝動系、所謂インディペンデントPTO仕様のPTO動力伝達経路を構成している。
【0013】
一方、主変速装置16は、この主変速装置16を構成する4つの摩擦多板式油圧クラッチ22,22,22,22のうち何れか1つを入操作して他を切操作することによって、4段階の変速を行い、変速後の動力を前後進切換装置23に伝達している。
【0014】
前後進切換装置23は、2つの摩擦多板式油圧クラッチ24,24を備え、一方の摩擦多板式油圧クラッチ24を入操作することにより、主変速装置16側の動力を伝動軸25に正転(走行機体3を前進させる方向への回転)伝達し、他方の摩擦多板式油圧クラッチ24を入操作することにより、主変速装置16側の動力を伝動軸25に逆転(走行機体3を後進させる方向への回転)伝達する。即ち、前後進切換装置23によって農業用トラクタの前後進切換を行なう。
【0015】
伝動軸25に伝達された動力は、走行変速機構の一部を構成する副変速装置26によって、後輪伝動軸27に伝達される。即ち、副変速装置26は、2つの摩擦多板式油圧クラッチ28,28の一方を入操作して他方を切操作することにより、二段階の変速切換を行い、変速後の動力を後輪伝動軸27に伝達するように構成している。
【0016】
そして、後輪伝動軸27に伝達された動力は、後輪2に伝達されるだけでなく、倍速伝動装置(前輪駆動切換装置)29にも伝達される。この倍速伝動装置29は、摩擦多板式油圧クラッチである四輪駆動クラッチ31及び増速クラッチ32を入切操作することにより、前輪1と後輪2が同一速度(通常速度)で駆動するように後輪伝動軸27から前輪伝動軸33に動力を伝達する四輪駆動モード(前輪1と後輪2が駆動する状態)と、後輪伝動軸27から前輪伝動軸33に動力を伝達しない二輪駆動モード(後輪2のみが駆動する状態)と、機体旋回時における前輪1の倍速駆動(後輪2の約2倍の速度で駆動する状態)を可能にする急旋回モードとに円滑な変速や切換えが行なえるようになっている。
【0017】
また、上述した昇降リンク機構4は、図1に示すように、左右一対のロワリンク36,36と、両ロワリンク36,36上方のトップリンク37等により構成されており、両ロワリンク36,36は、その基端部を走行機体3の後部に支持すると共に、その中途部を走行機体3の後部に備える図示しない左右一対のリフトアームの先端部にリフトロッド38,38を介して吊持連結している。尚、前記リフトアームは、油圧シリンダであるリフトシリンダ39(図4参照)の伸縮作動によって上下に揺動する。
【0018】
そして、左右のリフトロッド38,38の一方は、油圧シリンダであるリフトロッドシリンダ41からなり、このリフトロッドシリンダ41の伸縮作動によって、一方のロワリンク36とリフトアームの間隔に対して、他方のロワリンク36とリフトアームの間隔を変更し、走行機体3に対するロータリ耕耘装置5の左右の傾きを調整できるように構成している。即ち、この左右の傾き調整によって、圃場の凹凸や圃場の傾斜状態に関係なくロータリ耕耘装置5の左右傾斜を一定に保持するローリング制御(水平制御)を行なうことができる。
【0019】
また、図4は、農業用トラクタの油圧回路図であって、農業用トラクタは、上述したリフトシリンダ39やリフトロッドシリンダ41等の油圧シリンダ、及び主変速装置16やPTOクラッチ17等の摩擦多板式油圧クラッチへ作動油を供給する油圧装置42を搭載している。この油圧装置42は、エンジン9の動力によって駆動する第1油圧ポンプ43と第2油圧ポンプ44を備え、第1油圧ポンプ43によってミッションケース11内の作動油を分流弁46を介して分流し、分流した一方の作動油をPTOクラッチ17側に供給すると共に、他方の作動油をステアリングハンドル47用の油圧駆動ユニットであるパワーステアリングユニット48に供給している。
【0020】
分流弁46とPTOクラッチ17との間の油路には、比例制御電磁弁であるPTOバルブ49を設けている。このPTOバルブ49は、詳細は後述する制御部51(図10参照)から出力される制御信号に基づいて、PTOクラッチ17に作動油を供給する油路を形成することにより、PTOクラッチ17を入作動させて作業機伝動軸18に動力を伝達する状態と、PTOクラッチ17を切作動させて作業機伝動軸18への動力伝達を遮断する状態との切換を行なう。
【0021】
また、第2油圧ポンプ44によって作動油タンク45から圧送される作動油は、先ず四輪駆動クラッチ31及び増速クラッチ32側への作動油の供給を制限する四輪駆動バルブ52と、分流弁53に供給される。四輪駆動バルブ52は、制御部51から出力される制御信号に基づいて、四輪駆動クラッチ31または増速クラッチ32側へ作動油を供給する油路を形成する状態と、四輪駆動クラッチ31及び増速クラッチ32側から作動油を排出する油路を形成する状態との切換を行なう。
【0022】
そして、四輪駆動クラッチ31または増速クラッチ32側へ供給された作動油は、四輪駆動クラッチ31を入作動させると共に、電磁バルブである増速バルブ54に供給される。この増速バルブ54は、増速クラッチ32に作動油を供給する油路を形成して増速クラッチ32を入作動させる状態と、増速クラッチ32から作動油を排出する油路を形成して増速クラッチ32を切作動させる状態との切換を行なう。
【0023】
また、分流弁53に供給された作動油は、該分流弁53を介してリフトシリンダ39側とリフトロッドシリンダ41側とに分流される。リフトシリンダ39側に分流された作動油は、パイロット圧によって開度調節される油圧バルブである上昇バルブ55に供給される。この上昇バルブ55のパイロット圧は、比例制御電磁弁である上昇ソレノイドバルブ56によって調整される。そして、上昇ソレノイドバルブ56は、制御部51から出力される制御信号のデューティ比に応じた開度で開作動し、この開度に応じたパイロット圧の圧油を上昇バルブ55に供給する。即ち、上昇バルブ55は、前記パイロット圧に応じた開度で開作動し、当該開度に応じた量の作動油をリフトシリンダ39に供給し、その作動油供給量に応じた速度でロータリ耕耘装置5を上昇動作させる。
【0024】
一方、リフトシリンダ39内の作動油は、パイロット圧によって開度調節される油圧バルブである下降バルブ57を介して作動油タンクであるミッションケース11内に排出される。この下降バルブ57のパイロット圧は、比例制御電磁弁である下降ソレノイドバルブ58によって調整される。そして、下降ソレノイドバルブ58は、制御部51から出力される制御信号のデューティ比に応じた開度で開作動し、この開度に応じたパイロット圧の圧油を下降バルブ57に供給する。即ち、下降バルブ57は、前記パイロット圧に応じた開度で開作動し、当該開度に応じた量の作動油をリフトシリンダ39から作動油タンク45に排出し、その作動油排出量に応じた速度でロータリ耕耘装置5を下降動作させる。
【0025】
また、リフトロッドシリンダ41側に分流された作動油は、電磁バルブであるリフトロッドバルブ59に供給される。このリフトロッドバルブ59は、制御部51から出力される制御信号によって、分流弁53からの作動油をリフトロッドシリンダ41に供給する油路を形成してリフトロッドシリンダ41を伸作動させる状態と、リフトロッドシリンダ41内の作動油を作動油タンク45に排出する油路を形成してリフトロッドシリンダ41を縮作動させる状態と、リフトロッドシリンダ41への作動油の供給路及びリフトロッドシリンダ41からの作動油の排出路を遮断して、当該リフトロッドシリンダ41の伸縮作動を停止させる状態との切換を行なう。
【0026】
ところで、図5及び図6は、操縦部6の座席61周辺を示す正面図と平面図であって、農業用トラクタのオペレータが着座する座席62の右側方には、機体の前後方向に延びるサイドパネル63を配置し、このサイドパネル63上部の機体外側寄りには、各種制御用の操作具を配置した操作パネル64を設けると共に、サイドパネル63の前端部下側にPTO変速レバー(PTO変速操作具)20を設けている。一方、座席62の左側方には、常時噛合い式の歯車変速装置を用いて3段の変速を行なう高中低変速装置65(図2参照)を変速操作する変速操作レバー(変速操作具)66を設けている。また、座席61の前方には、ステアリングハンドル47を配置したフロント操作部67を設けている。
【0027】
そして、図7は、サイドパネル63の平面図であって、サイドパネル63の前側には、ロータリ耕耘装置5の昇降高さの調整操作を行なう上下回動自在なポジションコントロールレバー68を設け、このポジションコントロールレバー68の後方に、上述したローリング制御の入切操作を行う押しボタン式のローリング制御入切スイッチ69を設けると共に、該ローリング制御入切スイッチ69の後方には、ロータリ耕耘装置5の最大上昇高さを設定するダイヤル式の上げ高さボリュ−ム70を設けている。
【0028】
また、図8は、操作パネル64の平面図であて、操作パネル64の前部には、走行機体3の走行または走行停止にPTO軸21の駆動の入切を連動させる連動モードと、連動させない独立モードとのモード切換を行なうモード切換スイッチ71を配置すると共に、操作パネル64の後部には、ロータリ耕耘装置5の昇降動作にPTO軸21の駆動の入切を連動させる昇降連動モードと、連動させない非昇降連動モードとのモード切換を行なう昇降連動切換スイッチ72を配置している。更に、前記モード切換スイッチ71と昇降連動切換スイッチ72の間には、PTOクラッチ17を入切操作するPTOスイッチ73を設けている。
【0029】
尚、昇降連動切換スイッチ72は、押しボタン式のスイッチであり、1回の押圧操作毎に昇降連動モードと非昇降連動モードの切換を行なう。昇降連動モード時は、昇降連動切換スイッチ72の近傍に設けた制御ランプ74が点灯する一方、非昇降連動モード時は、制御ランプ74が消灯する。そして、前記昇降連動モード時、制御部51は、ロータリ耕耘装置5が上昇動作する過程で、走行機体3に対してロータリ耕耘装置5が所定高さ以上に上昇すると、PTOクラッチ17を切作動させてPTO軸21の駆動を停止させ、また、ロータリ耕耘装置5が下降動作する過程で、走行機体3に対してロータリ耕耘装置5が所定高さ以下に下降すると、PTOクラッチ17を入作動させてPTO軸21の駆動させ
る制御を実行する。
【0030】
そして、PTOスイッチ73は、押圧操作可能且つ左右回動操作可能に構成してあり、当該PTOスイッチ73は、図示しない弾性部材等により回動操作可能範囲の始端側に常時付勢されて切操作状態を保持している。この切操作状態からPTOスイッチ73を回動操作可能範囲の終端側まで押し回しすると、PTOスイッチ73は、前記回動操作可能範囲の終端側、即ちPTOクラッチ17が入状態となる位置で係止される。更に、この状態でPTOスイッチ73を1回押圧操作すると、PTOスイッチ73の回動操作可能範囲の終端側における係止が解除され、前記弾性部材によりPTOスイッチ73が回動操作可能範囲の始端側に付勢されて切操作状態になる。
【0031】
また、図9は、フロント操作部67の要部背面図であって、フロント操作部67には、ステアリングハンドル47の他、該ステアリングハンドル47の前方にメータ76や表示部(液晶パネル)77等を配置したメータパネル78を設けている。一方、ステアリングハンドル47の左側方には、走行機体3の前後進切換操作を行なう前後揺動自在な前後進切換レバー79(図1参照)、ステアリングハンドル47の右側方には、上下揺動操作自在な簡易昇降レバー81を設けている。この簡易昇降レバー81は、図示しない弾性部材等により中立位置で保持してあり、上方へ1回揺動操作すると、ロータリ耕耘装置5は、最大上昇高さまで上昇し、下方へ1回揺動操作すると、ロータリ耕耘装置5は、作業高さまで下降するように制御部51によって昇降制御される。
【0032】
更に、メータパネル78の左側下方には、各種制御の入切を行う制御操作パネル82を設けてあり、この制御操作パネル82には、走行機体3の後進時、ロータリ耕耘装置5が所定の昇降高さ以下である場合には、自動的に所定の高さ位置(最大上昇高さ)までロータリ耕耘装置5を上昇動作させるバックアップ制御の入切操作を行うバックアップスイッチ83や、走行機体3の旋回時、ロータリ耕耘装置5が所定の昇降高さ以下である場合には、自動的に所定の高さ位置(最大上昇高さ)までロータリ耕耘装置5を上昇動作させる旋回アップ制御の入切操作を行う旋回アップスイッチ84等を配設している。
【0033】
一方、メータパネル78の右側下方には、上述した表示部77の画面を操作する表示部操作パネル85を設けてあり、この表示部操作パネル85には、表示部77に表示される選択事項の選択、数値の変更等を行なう上ボタン86、下ボタン87、左ボタン88、右ボタン89、及び設定ボタン(決定ボタン)91等を配設している。
【0034】
また、図10は、上述した制御部51のブロック図であって、制御部51は、PTO軸21の駆動を入切する制御やロータリ耕耘装置5の昇降制御を実行するマイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM等を含む)からなる主制御部92と、表示部77の表示制御を行なうマイクロコンピュータなる表示制御部93と、表示部操作パネル85の各種操作具が入力側に接続されるマイクロコンピュータなる表示部操作パネル制御部94とを備え、これらをCAN(Control Area Network)によって接続している。
【0035】
そして、主制御部92の入力側には、上述した上げ高さボリュ−ム70、モード切換スイッチ71、昇降連動切換スイッチ72、PTOスイッチ73、簡易昇降レバー81の上下揺動操作をそれぞれ検出可能なクイックアップスイッチ95、ポジションコントロールレバー67の上下回動角を検出するポジションセンサ(昇降操作検出手段)96、ロータリ耕耘装置5の昇降高さ(動作)を検出するリフトアームセンサ(昇降動作検出手段)97、走行機体3の後進走行を検出するバックスイッチ(後進走行検出手段)98、走行機体3の走行または走行停止状態を検出するクラッチベダルスイッチ(走行状態検出手段)99、及び走行機体3の旋回操作を検出する前輪切れ角検出スイッチ(旋回操作検出手段)101、及びPTO変速レバー(PTO変速操作具)20のニュートラル位置Nを検出するニュートラル位置検出スイッチ(操作位置検出手段)102等を所定の入力インタフェース回路を介して接続している。
【0036】
尚、走行機体3の後進走行検出手段であるバックスイッチ98は、前後進切換レバー79の基端部に設けてあり、この前後進切換レバー79の後進側への操作を検出するが、後輪伝動軸27の回転を検出する回転センサを設けて直接的に走行機体3の後進走行を検出してもよい。また、走行機体3の旋回操作を検出する旋回操作検出手段である前輪切れ角検出スイッチ101は、前輪1の直進時からの左右回動角度である切れ角を直接的に検出しているが、ステアリングハンドル47の基端部において、該ステアリングハンドル47の回転操作に連動して回転移動する図示しないカムリンクの両端を左右一対のセンサで検出するように構成してもよい。
【0037】
そして、走行機体3の走行状態検出手段であるクラッチベダルスイッチ99は、主クラッチ14を入切操作するクラッチペダル103(図1参照)の踏み込み操作を検出しているが、後輪伝動軸27の回転を検出する図示しない回転センサを設けて直接的に走行機体3の走行状態を検出してもよい。ちなみに、クラッチペダル103を踏み込み操作すると、クラッチベダルスイッチ99が入状態になると共に主クラッチ14は切作動し、前輪1及び後輪2への動力伝達が遮断される。一方、クラッチペダル103の踏み込みを解除すると、図示しない弾性部材等の付勢力により主クラッチ14が入作動すると共に、クラッチベダルスイッチ99は切状態となる。
【0038】
また、主制御部92の出力側には、上述したPTOバルブ49、上昇ソレノイドバルブ56、下降ソレノイドバルブ58、制御ランプ74、及び警報ブザー104等を所定の出力インタフェース回路を介して接続している。
【0039】
次に、本発明のPTO警報制御、即ちPTO変速操作具の変速操作忘れ警報(実施例1)の制御内容を、図11に示すフローチャートと、図12に示す制御内容概略(要約)図に基づいて説明する。
【0040】
図11に示すフローチャートのステップS1では、PTOクラッチ17の入状態を判断するPTOスイッチ73の操作状態の読込み、PTO変速レバー20のニュートラル位置Nを検出するニュートラル位置検出スイッチ102(変速ポジションセンサ)の入切状態の読込み、そして例えば、クラッチペダル103を踏み込んで主クラッチ14切った状態で主変速レバーを操作して走行機体3の変速を行なう農業用トラクタの場合は、図示しない主変速レバーのニュートラル位置Nを検出するニュートラル位置検出スイッチ(変速ポジションセンサ)の入切状態の読込み、走行機体3の走行または走行停止状態を検出するクラッチベダルスイッチ(走行状態検出手段)99の入切状態、または後輪伝動軸27の回転を検出する図示しない回転センサの検出値、及びロータリ耕耘装置5の昇降高さ(昇降動作)を検出するリフトアームセンサ97の検出値等の状態読込みを実行する。
【0041】
そして、ステップS2からステップS6では、ステップS1における状態読込みに基づいて、走行機体3の走行変速とPTOクラッチ17が入り状態で且つ走行機体3の走行状態が検出されると共に、ロータリ耕耘装置5が作業高さ位置に下降しており、更にPTO変速レバー20が変速操作されずにニュートラル位置Nある時のみステップS7に進み、このステップS7でPTO変速レバー20の変速操作忘れを農業用トラクタのオペレータに報知せしめるといった一連の制御を実行する。尚、前記PTO変速レバー20の変速操作忘れの具体的な報知は、警報ブザー104による警報音の出力と併せて、メータパネル78に設けた表示部(液晶パネル)77へ、例えば「PTO変速が入っていません」と表示するように構成している。
【0042】
以上説明した実施例1では、走行機体3の走行または走行停止状態を検出する走行状態検出手段であるクラッチベダルスイッチ99と、走行機体3に連結したロータリ耕耘装置5の昇降動作を検出する昇降動作検出手段であるリフトアームセンサ97と、走行機体3側からロータリ耕耘装置5側に動力を出力するPTO軸21と、該PTO軸21への動力伝達を入切するPTOクラッチ17と、前記PTO軸21の回転数を変更するPTO変速装置19と、該PTO変速装置19の変速切換を行なうPTO変速レバー20を備えた農業用トラクタにおいて、前記PTO変速レバー20の操作位置を検出する操作位置検出手段としてニュートラル位置検出スイッチ102を設け、走行機体3が走行状態で、且つロータリ耕耘装置5が作業高さ位置に下降している時、前記ニュートラル位置検出スイッチ102によりPTO変速レバー20の変速操作忘れを検出すると、この変速操作忘れを警報音および/または表示出力せしめる警報出力制御手段としての制御部51を設けたことによって、PTO変速レバー20の変速操作を忘れた状態、即ちPTO変速装置19を入れ忘れた状態で作業走行を行なって圃場に未耕部分が発生するといった従来の不具合を解消することができると共に、作業走行を開始した直後の後方確認や、農業用トラクタの周辺作業者にロータリ耕耘装置5の駆動の有無を確認してもらうことが不要になる。そして、前記PTO変速レバー20のニュートラル位置Nを操作位置検出手段であるニュートラル位置検出スイッチ102で検出することによって、確実にPTO変速レバー20の変速操作忘れを検出することができる。
【実施例2】
【0043】
また、図13及び図14は、PTO警報制御(PTO変速操作具の変速操作忘れ警報)の別実施例(実施例2)を示すフローチャートと制御内容概略(要約)図であって、この実施例2では、PTO変速装置19の入れ忘れを、PTO軸21の回転を直接的に検出可能な図10に示すピックアップセンサ(回転センサ)106を設けることによって判断できるように構成したものであり(図13のステップS3参照)、その他の制御ステップは、実施例1と同一であり説明を省略するが、実施例2では、ロータリ耕耘装置5を駆動させるPTO軸21への動力伝達を入切するPTOクラッチ17が入り状態にあり、またロータリ耕耘装置5が作業高さ位置に下降しているにも拘らずPTO軸21が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置19の入れ忘れと判断してこれを報知するので、PTO変速装置19を入れ忘れた状態で作業走行を行なって圃場に未耕部分が発生するといった従来の不具合を解消することができると共に、作業走行を開始した直後の後方確認や、農業用トラクタの周辺作業者にロータリ耕耘装置5の駆動の有無を確認してもらうことが不要になる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、走行機体に作業機を連結すると共に、該作業機に動力を伝達するPTO軸と、該PTO軸への動力伝達を入切するPTOクラッチと、前記PTO軸の回転数を変更するPTO変速装置を備える農業用トラクタだけでなく、例えばコンプレッサ、ウインチ、クレーン等の作業機を駆動させるオイルポンプに原動機の動力を取り出すPTO装置を備えた塵芥車、ダンプカー、バキュームカー、レッカー車、及びクレーン車等の建設作業車両にも適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
3 走行機体
5 作業機
17 PTOクラッチ
19 PTO変速装置
21 PTO軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体(3)に作業機(5)を昇降自在に連結すると共に、作業機(5)をPTO軸(21)を介して駆動する作業車両において、前記PTO軸(21)への動力伝達を入切するPTOクラッチ(17)と、PTO軸(21)の回転数を変更するPTO変速装置(19)を備え、前記PTOクラッチ(17)が入り状態にあり、また作業機(5)が作業位置に下降しているにも拘らずPTO軸(21)が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置(19)の入れ忘れと判断してこれを報知するように構成してある作業車両。
【請求項1】
走行機体(3)に作業機(5)を昇降自在に連結すると共に、作業機(5)をPTO軸(21)を介して駆動する作業車両において、前記PTO軸(21)への動力伝達を入切するPTOクラッチ(17)と、PTO軸(21)の回転数を変更するPTO変速装置(19)を備え、前記PTOクラッチ(17)が入り状態にあり、また作業機(5)が作業位置に下降しているにも拘らずPTO軸(21)が回転しないことを検出した場合、PTO変速装置(19)の入れ忘れと判断してこれを報知するように構成してある作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−172197(P2010−172197A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14888(P2009−14888)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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