説明

使い捨て式接触要素を備えた固体排出遠心分離機

【解決手段】密閉型固体排出遠心分離機は、供給材料の低剪断充填、加速、及び分離を提示する。この分離機は、敏感な固体、例えば化学又は生物学的物質の分離及び回収に特に有用である。この分離機は使い捨て式試料接触要素を収容して、定置洗浄及び定置滅菌操作の必要性をなくす。この分離機のいくつかの実施形態は、二重固体排出ピストンを特徴としている。これは貴重な固体の回収を十分に最適化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
この出願は、「使い捨て式接触要素を備えた固体排出遠心分離機」なる名称で2008年12月29日に出願された米国仮出願第61/141,040号の優先権を主張し、ここにその全体を参照によって組み入れる。
【背景技術】
【0002】
複数の異種混合物を比重に基づいて複数の成分に分離するための多くの異なるタイプの遠心分離機が知られている。典型的には、供給材料または液体とも呼ばれる1つの異種混合物が、遠心分離機の回転式ボウル内に注入される。この回転式ボウルは、高速でスピンして、高い比重を持つ成分を沈殿分離によって混合物から分離させる。この結果、高濃度の固体はケーキとしてボウルの内面又は壁に密接して縮む。そして浄化された液体、即ち分離液は、ケーキよりも半径方向内側に形をなす。ボウルは、分離液から固体を分離するように、重力より20,000倍も大きな力を作るのに十分な速度でスピンすることがある。固体はボウルの壁に沿って蓄積するので、分離液はボウルから出て、分離機を離れる。ひとたび所望量の固体が蓄積したら、分離機は排出モードにされ、固体が分離機から取り除かれる。しばしば、例えば内部のスクレーパが使用されて、ボウルの壁から固体をこすり落とす。
【0003】
従来の分離機は、特別な種類の固体や液体を排出するときに多くの欠点を有する。例えば、いくつかの分離機は、粘着性の固体を完全に排出することはできず、結果的に不十分な歩留まりを生じさせる。不十分な歩留まりは、高価値の固体、例えば医薬品プロセスで遭遇するものにとって、特に問題となる。伝統的な分離機はまた、供給材料をボウルの回転速度に加速するときに、供給材料を非常に高い剪断力にさらすので、例えば敏感な化学又は生物学的物質、例えば無傷細胞を損傷する可能性がある。他の分離機は、敏感な固体を扱い、そして回収することに便利な手段を与えない。例えば、オペレータは通常、固体排出及び回収を補助することが必要とされ、汚染の潜在性を導入してしまう。更には、従来の分離機は、定置洗浄や滅菌をすることが難しい傾向にあり、有意に保守費用を増加させる操作を必要とし、また異なる調製品間に相互汚染の潜在性を作りだす。
【0004】
生物工学及び医薬品産業は、製造用の使い捨て式プロセス部品を益々当てにするようになっている。使い捨て式の事前滅菌された試料接触材料は、非常に多くの利点、例えば時間、労力、及びコストの節約を、初期設定と操業間分解検査の双方に対して与えている。それらはまた、汚染のリスクを劇的に減少させ、且つプロセス確認を単純化する。細胞や他の生体適合物質を処理するに好適な従来の製造規模の遠心分離機は、定置洗浄及び滅菌に対し特別な注意を必要とする。にもかかわらず、我々の知る限りでは、事前滅菌された使い捨て式試料接触材料を提供する利用可能な分離機はない。
【発明の概要】
【0005】
本発明によれば、粘着性の固体を効率的に回収すると共に、供給材料の低剪断充填及び加速を提示する一方で、使い捨て式プロセス接触要素を収容して、定置洗浄及び定置滅菌操作の必要性をなくす遠心分離機が開示される。この分離機の使い捨て式要素は、ユーザが単一使用に好適であると考えるに十分安価な材料で作られており、したがって一般的には金属ではなくプラスチック製である。ただし、ある種の金属、ゴム、又は他の材料を使い捨て式要素中に存在させることも可能である。使い捨て式要素はまた、事前滅菌されたユニットとして供給され、そして包装され得る。また、それらの使用は、操作中の洗浄及び滅菌ステップの必要性を回避することができる。この分離機はまた、密閉形態で操作され得る。この分離機は特に、敏感な固体、例えば化学又は生物学的物質に対して有用である。この発明の分離機は、敏感な固体、液体、材料又はそれらの組み合わせを、オペレータの介在や追加の機械的設備なしに回収できる。
【0006】
この遠心分離機は、分離機ボウルと、分離機ハウジングと、可変速駆動モータとを有する。ハウジングは、上側、中間、及び下側部分を有する。中間部分は、分離機ボウルを囲う。いくつかの実施形態では、ハウジングのこの部分は、例えば冷却液流用のジャケットを通して、温度制御されている。ボウルは、上側及び下側部分を有する。一実施形態では、上側部分は円筒形で、下側部分は円錐形である。ボウルは、入口ポートをボウルの底部に、そして出口ポートをボウルの上部に、又はボウルから上向きに伸びたスピンドル軸の上部に有する。ハウジングの上側部分は、ボウルの上側部分、又はボウルから上向きに伸びたスピンドル軸に係合する上側軸受組立体を含む。ハウジングの下側部分は、ボウルの下側部分に係合する下側軸受組立体を含む。いくつかの実施形態はまた、ボウル又はスピンドル軸の上部における出口ポートに連結する上側弁及びシール組立体を有する。いくつかの実施形態はまた、ボウルの底部における入口ポートに連結する下側弁及びシール組立体を有する。ある種の実施形態では、分離機には、精密で自動化された固体排出サイクルの規制用ピストン位置検知システムが設けられる。
【0007】
下側弁及びシール組立体は、供給ポートと、固体排出ポートと、弁とを有する。この弁は、流れを供給ポート又は固体排出ポートのいずれかからボウルの底部分の入口ポートへ切り替えるためのものである。一実施形態では、この弁は三方ボール弁である。下側弁及びシール組立体はまた、ボウルの下側部分、又はボウルの下側部分からの延長部に接して、分離機ハウジングを下側軸受組立体において密閉するための1以上のシールを有する。
【0008】
上側弁及びシール組立体は、分離液ポート及び光学ポート、並びに弁を有する。この弁は、出口ポートへのアクセスを、分離液ポートとレーザピストン位置検知システムで使用する光学ポートとの間で切り替えるためのものである。一実施形態では、この弁は、三方ボール弁である。上側弁及びシール組立体はまた1以上のシールを有する。これはボウルの上側部分、又はボウルの上側部分から伸びたスピンドル軸に接して、分離機ハウジングを上側軸受組立体において密閉するためのものである。
【0009】
本発明のもう1つの形態は、円筒形分離機ボウルである。このボウルは、その形状が例えば円筒形である上側部分と、その形状が例えば円錐形である下側部分とを有する。このボウルの下側部分は、例えばボウルの底部に入口ポートを有し、そこを通して供給材料や液体が供給モードの操作時に注入される。ボウルは高速回転するので、注入された供給液体は、ボウルの円錐形下側端の傾斜面に遭遇する。回転加速力は、液体が半径方向外側に移動するに従って次第に損なわれる。その後、固体は供給液体から分離し、ボウルの内面に沿って例えばケーキのように蓄積する。一体的なスピンドル軸は、ボウルの上部からボウルの円筒形上側部分を超えて伸びている。スピンドル軸は、分離機ボウル用の駆動機構、例えばモータに取り付けられた駆動ベルトに係合することができる。スピンドル軸の上部の出口ポートは、流体、例えば分離液が、ボウルを出ることを可能にする。いくつかの実施形態では、分離機ボウルは、ボウルの底部の入口ポートとボウルの上部又はスピンドル軸の上部の出口ポートとの間に更なる入口又は出口ポートが全くない。これは、ボウル内の試料によって経験される剪断力を最小にするためである。
【0010】
ボウルはさらに、ボウルの内面と密着嵌合関係でボウル内に配設されたピストンを有する。このピストンは、形状が例えば円筒形である上側部分と、形状が例えば円錐形である下側部分を特徴とする。このピストンは、異なるモードの分離機操作中に気圧又は液圧をピストンに加える流体によって接触されている。例えば、固体排出モードでは、流体、例えば圧縮ガスや水力学的液体が、ピストンの上側部分に作用し、それを軸方向下向きに押し込んで、蓄積した固体をボウルから円錐形下側端の開口を通して押し出す。ピストンを移動させるための例示的タイプの圧縮ガスは、窒素とアルゴンである。同様に、ボウル内でピストンを移動させるための例示的な水力学的液体は、蒸留水である。一実施形態では、ボウルの下側端とピストンの下側部分は相補的形状を持ち、比較的完全な固体の排出を促進する。例えば、ボウルの下側部分とピストンの下側部分は、実質的に円錐形状又は円錐台形状を特徴とする。
【0011】
分離機ボウルのある種の実施形態はまた、使い捨て式ボウルライナーを備える。使い捨て式ボウルライナーの使用は、定置洗浄及び定置滅菌操作の必要性をなくすことができる。この結果、本発明の使い捨て式ボウルライナーは、従来の設計に対していくつかの利点を有する。例えば、削減されたセットアップ及び分解検査時間、削減又は排除されたバッチ間汚染、容易な確認、及び低い労働コストである。使い捨て式ボウルライナーを使用する実施形態では、分離機ボウルの下側部分は通常ボウルの上側部分から取り外されて、使い捨て式ボウルライナーの交換を可能にする。使い捨て式ボウルライナーは典型的に、ボウルライナー空洞内に、上述したような使い捨て式ピストンを含む。ボウルライナーが分離機ボウルで使用されると、ピストンはボウルライナー内を移動し、そして蓄積された固体を、ボウルそれ自体からではなく、ボウルライナーの内面から配設することに使用される。ボウルライナーが使用されるとき、分離機ボウルは構造要素として機能し、ボウルライナーを支持する。いくつかの実施形態では、分離機ボウルには、使い捨て式下側弁及びシール組立体及び/又は使い捨て式上側弁及びシール組立体を備えることができる。これらの組立体は、ボウルを充填及び排水するための流体経路の切り替えを仲介することができ、しかも密閉シールを与えることもできる。このシールは、ボウル内容物がボウル内部から出ることを防止し、且つ環境汚染物や微生物がボウルに入ることを防止するものである。これにより、ボウル内容物の滅菌性及び純度を確保すると共に、外部環境をボウル内容物による汚染から保護する。
【0012】
本発明のもう1つの形態は、固体排出遠心分離機用のピストン組立体である。ピストンは、上側部分及び下側部分を有する。下側部分は、上述したボウルのように、分離機ボウルの下側部分の内面と一致する。いくつかの実施形態では、ピストンの上側部分はまた、分離機ボウルの上側部分と実質的に一致する。一実施形態では、ピストンの上側部分は円筒形であり、ピストンの下側部分は円錐形である。このピストンは、流体、例えば供給液体、分離液、又は駆動流体をピストンを通して輸送するための流体経路を含む。ピストン内部に配設され、そして流体経路内に配置されているのは、シャトル弁である。このシャトル弁は、この弁にかかる圧力に応答して、前記経路を通る流体流を規制する。この流体経路は、ピストンの上部で開きシャトル弁の上側で終了する第1の経路を有する。この流体経路はまた、ピストンの下側部分で開きシャトル弁の下側で終了する第2の経路を有する。シャトル弁は、第2の経路内の圧力が第1の経路内の圧力よりも大きいときに第1の経路を封止し、また第1の経路内の圧力が第2の経路内の圧力よりも大きいときに第2の経路を封止する。
【0013】
本発明の更にもう1つの形態は、遠心分離機用のピストン位置検知システムである。このシステムは、分離機ボウルと、ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンと、レーザと、信号プロセッサとを有する。分離機ボウルは、軸方向に位置決めされた光学ポート又は窓をその上部端に有し、且つ出口ポートを底部端に有する。ピストンは、レーザからの光を上向きに反射して信号プロセッサ方向に戻すようにピストンの上面に位置決めされたミラーを有する。ボウル内のピストンの位置は、信号プロセッサによって、既知の方法、例えば三角測量法、飛翔時間測定法、又は干渉計使用法を用いて決定される。一実施形態では、ピストンは、ピストンを通る流体経路と、その流体経路内に配設されたシャトル弁とを有する。この実施形態では、ミラーはシャトル弁上に搭載されるか、その代わりにシャトル弁がミラー付きの表面を持つ。この実施形態では、流体経路は、シャトル弁上のミラーにつながる光学経路として機能して、ピストン位置情報を信号プロセッサに与える。
【0014】
この発明はまた、前述した遠心分離機を操作するための方法を提供する。一実施形態では、この方法は、(a)供給液体を入口ポートを通して分離機ボウル中に流すステップと、(b)分離機ボウルを回転させることによって、供給液体の固体成分がボウルの内面に蓄積するステップと、(c)供給液体を入口ポート中に流しながら、分離機ボウルの回転を継続して、浄化された分離液液体が出口ポートを通して流出するステップと、(d)ボウル回転を停止し且つ残りの液体を入口ポートを通してボウルから排水するステップと、(e)出口ポートを通して流体を流し戻すことによって、ピストンがボウル内で下向きに位置換えされ、そして蓄積された固体が入口ポートを通して排出されるステップを備える。ある実施形態では、この方法は更に、(f)流体を入口ポート中に流すことによって、ピストンがボウル内で上向きに位置換えされるステップを備える。これにより、更なる分離サイクルが行われる。
【0015】
この発明のもう1つの形態は、ピストン内のシャトル弁を有し、且つ上述したような上側及び下側弁組立体を有する遠心分離機を操作するための方法である。この方法は、(a)供給液体を下側弁組立体の供給液体ポートを通して分離機ボウル中に流すステップと、(b)分離機ボウルを回転させることによって、供給液体の固体成分がボウルの内面に蓄積するステップと、(c)シャトル弁を開放形態に維持するに十分な流速で供給液体を供給液体ポート中に流しながら、分離機ボウルの回転を継続して、浄化された分離液液体が分離液弁を通して流出するステップと、(d)ボウル回転を停止し且つ残りの液体を供給液体ポートを通してボウルから排水することにより、シャトル弁が閉鎖形態となるステップと、(e)シャトル弁を開放形態に維持するに十分な流速で流体を供給液体ポートを通してボウル中に流すことによって、液体経路からピストン、スピンドル軸、上側弁組立体、及び分離液ポートを通して液体を追い出すステップと、(f)下側弁組立体を切り替えて、入口ポートから固体排出ポートへの経路を開くと共にシャトル弁を閉鎖形態に駆動するに十分な流速で流体を分離液ポートを通して流し戻すことによって、ピストンはボウル内で下向きに位置換えされ、そして蓄積された固体は固体排出ポートを通して排出されるステップを備える。ある種の実施形態では、この方法は、(g)下側弁組立体を切り替えて供給液体ポートから固体排出ポートへの経路を開くと共に流体を供給液体ポートへ流すことによって、残りの固体が固体排出ポートを通して追い出されるステップと、(h)下側弁組立体を切り替えて供給液体ポートから入口ポートへの経路を開くと共に流体を供給液体ポートへ流すことによって、シャトル弁が閉鎖形態となると共にピストンがボウル内で上向きに位置換えされるステップとを更に備える。この実施形態では、ピストンはリセットされ、そして分離機は、もう1つの分離サイクルを行うことが可能になる。
【0016】
この発明のもう1つの形態は、固体排出遠心分離機用のボウルライナー組立体である。この組立体は、ボウルライナーと、中空の中央コアと、第1ピストン組立体と、第2ピストン組立体とを有する。ボウルライナーは、分離機のボウルの内壁に一致する。分離機ボウルは、上側部分、円筒形の中間部分、及び円錐形の下側部分を有する。ボウルの上側部分は、駆動モータと係合可能なスピンドル軸を有する。このスピンドル軸は、その上端で出口ポートに終結する。ボウルの下側部分は、その下端で入口/固体排出ポートに終結する円筒形の延長部を有する。ボウルライナーは、入口ポートから出口ポートまで連続的に伸びて、ボウルの壁に沿って完全な試料接触表面を形成する。中空の中央コアは、ボウルの中心軸を中心として配設され、そしてスピンドル軸におけるライナーから下側延長部におけるライナーまで伸びている。第1ピストンはライナー内に移動可能に配設され、ライナーの内面に一致する。第1ピストンはまた中央コアを囲んでいる。第2ピストンは中央コア内に移動可能に配設され、中央コアの内面に一致する。第2ピストンは円筒形延長部を通して伸びて、第1ピストンが固体の大部分をボウルから押し出した後に、最後に残存している固体をボウルから排出することが可能である。組立体のボウルライナー及び他の部品は各々オプションでプラスチックにより作られる。またボウルライナー組立体は好ましくは単一の使い捨て式ユニットとして構成され、事前滅菌された状態で提供される。ある実施形態では、中央コアは、第1及び第2ピストンの一方又は双方を駆動する駆動流体又はガス用の溝に適合する。好ましい実施形態では、ライナー組立体は、取り外し可能な下側端を持つ分離機ボウルで使用されるように構成される。このことにより、ボウルが開かれて、ボウル組立体の交換を可能にする。
【0017】
この発明の更にもう1つの形態は、固体排出遠心分離機用の二重ピストン分離機ボウル組立体である。この組立体は、分離機ボウルと、中空の中央コアと、第1ピストンと、第2ピストンとを備える。分離機ボウルは、上側部分、円筒形の中間部分、及び円錐形の下側部分を有する。ボウルの上側部分は、駆動モータと係合可能なスピンドル軸を有する。このスピンドル軸は、その上端で出口ポートに終結する。ボウルの下側部分は、その下端で入口/固体排出ポートに終結する円筒形の延長部を有する。中空の中央コアは、ボウルの中心軸を中心として配設され、スピンドル軸からボウルの下側延長部まで伸びている。第1ピストンはボウル内に移動可能に配設され、ボウルの内面に一致する。第1ピストンはまた中央コアを囲んでいる。第2ピストンは中央コア内に移動可能に配設され、中央コアの内面に一致する。第2ピストンは円筒形延長部を通して伸びて、第1ピストンが固体の大部分をボウルから押し出した後に、最後に残存している固体をボウルから排出することが可能である。ある実施形態では、ボウル組立体は、ボウルライナーを有するか、又は使い捨て式ボウルライナーと共に使用されるように構成される。いくつかの実施形態では、ボウルの下側部分は取り外し可能で、ボウル内の部品が交換されることを可能にする。
【0018】
この発明の別の1つの形態は、固体排出遠心分離機用の分離液弁組立体である。この組立体は、分離液弁と、固体排出ピストン作動器とを有する。分離液弁は、開放位置及び閉鎖位置を有する。開放位置では、この弁は、分離機からの分離液の流れを収集用に分離液ポートに向けて導くことが可能である。閉鎖位置では、この分離液弁は分離機からの分離液の流れを停止することが可能である。固体排出ピストン作動器は、ピストンを分離機の分離機ボウル内で移動させて、ボウルから固体を排出することが可能である。分離液弁及びピストン作動器は組み合わされて、単一の組立体になる。この組立体は、好ましくは使い捨て式ユニットとして構成され、事前滅菌された状態で提供される。ある実施形態では、分離液弁組立体はまた、分離機に向かう出口ポートを密閉するシール組立体を有する。ある実施形態では、弁組立体は、1以上の冷却液用ポート及び溝を有し、組立体を通る冷却液の流れを可能にして、シールを冷却する。ある実施形態では、ピストン作動器はピストン位置センサを有する。ある実施形態では、組立体はまた1以上のポートを有し、ボウル内でのピストンの移動を駆動する駆動流体又はガスを供給する。
【0019】
この発明のもう1つの形態は、固体排出遠心分離機用の供給/排出弁組立体である。この組立体は、供給ポートと、固体ポートと、三方弁とを有する。供給ポートは、供給ラインへの接続を形成して、供給材料を分離機に導入することが可能である。固体ポートは、固体収集容器への接続を形成することができる。この容器は、分離機の作用によって供給材料から分離された固体を収集することに使用される。三方弁は、第1の開放形態及び第2の開放形態を有する。第1の開放形態では、この弁は、供給ポートからの供給液体を分離機の分離ボウルの下側端の入口ポートに向けて導く。第2の開放形態では、この弁は、入口ポートから固体ポートへの経路を与える。この経路は、分離機ボウル内に存在する固体排出ピストンに一致している。ピストンは、残りの固体を弁及び固体ポートを通してボウルから押し出すことに使用される。供給/排出弁組立体は、使い捨て式ユニットとして構成され、事前滅菌された状態で提供されることが好ましい。ある実施形態では、供給/排出弁組立体はまた、分離機に向かう入口ポートを密閉するシール組立体を有する。ある実施形態では、弁組立体は、1以上の冷却液用ポート及び溝を有し、組立体を通る冷却液の流れを可能にして、例えばシールを冷却する。ある実施形態では、三方弁は回転して、第1及び第2の開放形態を切り替える。いくつかの実施形態では、第2の開放形態の経路は、直径が少なくとも10mmであるが、他の実施形態では、濃厚な固体ペーストでの使用又は大きな塊の固体を伴う大きな分離での使用が意図されているため、その経路は、直径が少なくとも30mmである。
【0020】
この発明の別のもう1つの形態は、固体排出遠心分離機用のピストン位置検知システムである。このシステムは、分離機ボウルと、ボウル内のピストンと、光源と、信号プロセッサとを有する。分離機ボウルは、周方向に位置決めされ且つボウルの上側部分と一体化された光学ポートを有する。ピストンはボウルの内面に接して移動可能に配設されている。このピストンは、その上側部分に光反射性表面を有する。これは、光源からの光を反射して光学ポートを通して信号プロセッサに向けて戻すことが可能である。光反射性表面は光学ポートと整列され、ボウルを通してピストンへ向かう連続した光学経路を与える。光源は、ボウルの外側に位置決めされ、ボウルの回転の少なくとも一部分の間は、光学ポートを通してボウル上の反射性表面を照明する。信号プロセッサは、反射性表面で反射され光学ポートを通して戻る光を受信し、ボウル内のピストンの位置を示す出力値を与える。いくつかの実施形態では、このシステムは、ボウルライナーの上面に周方向に位置決めされた光学窓を持つボウルライナーを有する。この窓は、ボウルライナーの上部の一部分であるか、ボウルライナーの上部全体である。この窓が一部分だけである場合、それはボウルの上部において光学ポートと整列される。
【0021】
この発明の更に別の形態は、二重ピストン固体排出遠心分離機である。この分離機は、二重ピストン分離機ボウル組立体を備える。この組立体は、分離機ボウルと、中空の中央コアと、第1ピストンと、第2ピストンとを有する。分離機ボウルは、上側部分、円筒形の中間部分、及び円錐形の下側部分を有する。ボウルの上側部分は、駆動モータと係合可能なスピンドル軸を有する。このスピンドル軸は、その上端で出口ポートに終結する。ボウルの下側部分は、その下端で入口/固体排出ポートに終結する円筒形の延長部を有する。中空の中央コアはボウルの中心軸を中心として配設され、スピンドル軸からボウルの下側延長部まで伸びている。第1ピストンはボウル内に移動可能に配設され、ボウルの内面に一致する。第1ピストンはまた中央コアを囲んでいる。第2ピストンは中央コア内に移動可能に配設され、中央コアの内面に一致する。第2ピストンは円筒形延長部を通して伸びて、第1ピストンが固体の大部分をボウルから押し出した後に、最後に残存している固体をボウルから排出することが可能である。ある実施形態では、分離機ボウルの下側部分は取り外し可能であり、また下側部分固定ナットを取り付け可能である。いくつかの実施形態では、分離機はまた、ボウルライナー、分離液弁組立体、供給/排出弁組立体、又はピストン位置検知システムを有する。ピストン位置検知システムは、第1及び/又は第2ピストンのボウル内の位置を動作中に測定するように構成される。分離機のいくつかの実施形態は、速度及び角度位置を検知する可変速ベクター型の駆動モータを有することがある。分離機のある実施形態は、ピストン空気供給作動器を有する。これは、駆動ガスを供給するポートによって上昇又は下降駆動される。いくつかの実施形態では、分離機は、分離機ボウル、又はボウルライナーの上側及び下側端において、シール/スリーブ組立体によって密閉される。このシールには、冷却液流がシール及びシール組立体を冷却するための冷却ポート及び排水ポートが設けられる。ある実施形態では、分離機は、安定性を維持し且つ振動を減衰させるための構造体を有する。そのような構造体は、球状又は部分的に球状の搭載部を持つ上側軸受組立体と、回転防止ピンを持つ上側及び下側軸受組立体とを有する。いくつかの実施形態では、分離機ボウルは、冷却ジャケットを含むハウジングによって囲まれる。いくつかの実施形態では、ハウジングは、上側及び下側部分に分離される。ある実施形態では、分離機は、1以上の使い捨て部品、例えば使い捨て式ボウルライナー、使い捨て式ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離機ボウル/ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離液弁組立体、使い捨て式第2ピストン組立体、使い捨て式分離液弁/第2ピストン組立体、又は使い捨て式供給/排出弁組立体を有する。いくつかの実施形態では、全ての試料接触表面は使い捨て式である。いくつかの実施形態では、全ての試料接触表面は使い捨て式であり、また分離機は密閉されている。
【0022】
この発明のもう1つの形態は、先の段落で説明された固体排出遠心分離機を操作する方法である。この方法は、以下のようなステップ(a)〜(g)を有する。ステップ(a)では、供給液体が入口ポートを通して分離機ボウル中に流入される。ステップ(b)では、分離機ボウルが回転させられることによって、供給液体の固体成分がボウルの内面に蓄積する。ステップ(c)では、供給液体が入口ポート中に流れながら、ボウルが回転し続けて、浄化された分離液液体が出口ポートを通して流出する。ステップ(d)では、ボウルの回転が停止され、残りの液体が入口ポートを通してボウルから排水される。ステップ(e)では、加圧された流体又は駆動ガスがボウル内に押し込まれることによって、第1ピストンがボウル内で下向きに位置換えさせられ、そして蓄積された固体が入口ポートを通して排出される。ステップ(f)では、第2ピストン用の作動器が下向きに駆動されることによって、第2ピストンが中央コア内で下向きに移動して、最終的な残りの固体が入口ポートを通して排出されるようにする。ある実施形態では、この方法はまた、ステップ(g)を有し、そこでは加圧された流体またはガスを入口ポートを通してボウル内に導入することによって、第1ピストンがボウル内で上向きに位置換えさせられる。いくつかの実施形態では、分離機は、1以上の使い捨て部品を有する。またこの方法は、ステップ(h)を有し、そこではステップ(a)を繰り返す前に、使い捨て部品の1以上を交換する。この方法のいくつかの実施形態では、ステップ(a)〜(g)又は(a)〜(h)は、単一タイプの供給液体での動作、あるいはサイクル間で異なるタイプの供給液体に切り替える動作の2又は3サイクルの間繰り返される。ある実施形態では、ピストン位置検知システムが使用され、ステップ(a)〜(g)のいずれかの間に、ボウル内の第1及び/又は第2ピストンの運動を追跡する。
【0023】
この発明の更にもう1つの形態は、固体排出遠心分離機を操作又は改造するためのキットである。このキットは、以下の使い捨て部品の1以上を含んでいる。即ち、使い捨て式ボウルライナー、使い捨て式ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離機ボウル/ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離液弁組立体、使い捨て式第2ピストン組立体、使い捨て式分離液弁/第2ピストン組立体、又は使い捨て式供給/排出弁組立体である。このキットはまた、遠心分離機に関連した使い捨て部品を使用するための使用説明書を有する。
【0024】
本発明の他の形態、特徴、及び利点は、後続する発明の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明は、添付の図面を参照することによって、より十分に理解される。
【図1】この発明に係る遠心分離機の1つの実施形態の断面図である。
【図2】供給モードで動作している図1の分離機の断面図である。
【図3】排水モードで動作している図1の分離機の断面図である。
【図4】分離液追出しモードで動作している図1の分離機の断面図である。
【図5】固体排出モードで動作している図1の分離機の断面図である。
【図6】固体追出しモードで動作している図1の分離機の断面図である。
【図7】固体排出後のピストンの最高位置への復帰を示す図1の分離機の断面図である。
【図8】使い捨て式部品の交換用分解形態において、動作に後続する図1の分離機の断面図である。
【図9A】この発明に係る遠心分離機の1つの実施形態の断面図であり、図9Aは大きな供給/排出弁実施形態の分離機を示す。
【図9B】この発明に係る遠心分離機の1つの実施形態の断面図であり、図9Bは上側密閉領域の拡大図を示す。
【図9C】この発明に係る遠心分離機の1つの実施形態の断面図であり、図9Cは小さな供給/排出弁実施形態の下側部分を示す。
【図10】供給モードで動作している図9の分離機の断面図である。
【図11】排水モードで動作している図9の分離機の断面図である。
【図12】固体排出モードで動作している図9の分離機の断面図である。
【図13】最終固体排出モードで動作している図9の分離機の断面図である。
【図14】固体排出後のピストンの最高位置への復帰を示す図9の分離機の断面図である。
【図15】使い捨て式部品の交換用分解形態において、動作に後続する図1の分離機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[発明の詳細な説明]
図1は、この発明に係る遠心分離機の1つの実施形態を縦断面で示しているが、中間部は取り除かれている。分離機100は、分離機ボウル150と、分離機ハウジング110と、可変速駆動モータ300とを有する。
【0027】
ハウジングは、上側、中間、及び下側部分を有する。分離機ハウジングの中間部分は、分離機ボウル150を包囲する。図1に示された実施形態では、ハウジングのこの部分は、流体ジャケット113によって温度制御されている。このジャケットは、制御された温度の流体、例えば水を、ハウジングの下側部分にある冷却入口ポート114を通して流入させ、またハウジングの中間部分の上部付近にある冷却出口ポート116を通して流出させるためのものである。用途に応じて、ハウジングの流体ジャケットは、分離機内部を、したがって分離中の試料を、冷やすか温めるかのいずれかに使用される。敏感な材料、例えば細胞懸濁液の分離に際しては、冷却水を使用して、分離機を例えば4℃のような温度まで冷却することが一般的である。これは、生物学的材料、例えば細胞、タンパク質、又は核酸の構造及び機能を保つためである。
【0028】
ハウジングの上側部分は、分離機ボウルから上向きに伸びたスピンドル軸160と係合する上側軸受組立体115を有する。この実施形態では、軸受組立体115は、半球状の上側部分と、短円筒形の中間部分と、下側の半球状部分とを有する。オプションで、半球状部分は、1以上の座の相手表面に接して静置することができる。この発明の分離機で使用され得る例示的な半球状部分は、ここに参照により組み入れられる米国特許第6,986,734号によって記載されている。ハウジングの下側部分は、供給円錐及び下側軸受組立体120を有する。供給円錐は、ボウルの下側部分として機能し、供給円錐固定ナット122によって、ボウルの上側部分に連結する。このナットは、円筒形ボウル部分の底部のねじ部に連結する。下側軸受組立体は、供給円錐から下向きに伸びる下側ボウル延長部154と一体化されている。ボウル固定ハンドル124は、供給円錐及び下側軸受組立体の取り付け又は取り外し中にボウルを固定することに使用される。ハウジングの下側部分は、下側ハウジングクランプリング112を取り外し、供給円錐及びボウル組立体にアクセスすることによって開かれる。上側及び下側のハウジング部分の他の特徴は、下側(117)及び上側(118)回転防止ピン及びゴム振動抑制リング119である。
【0029】
分離機ボウル150は、円筒形の上側部分及び円錐形の下側部分を有する。ボウルの下側部分は、ボウルの底部に入口ポート170を有し、そこを通して供給モードの動作中に供給液体が注ぎ込まれる。ボウルの回転によって、供給液体はボウルの円錐形下側端の内面を上昇し、そして半径方向外側に移動する。その後固体は供給液体から分離し、ボウルの内面に沿って、例えばケーキとして蓄積する。スピンドル軸160は、駆動プーリ162を介して駆動ベルト310に係合する。スピンドル軸の上部の出口ポート180は、分離液がボウルを出ることを可能にする。入口及び出口ポートをそれぞれボウルの底部及び上部に位置決めすると、ボウルは徐々に且つ完全にボウルの底部から上部にかけて供給液体で充填され、空気を残すことがない。したがって、例えば他の設計では生じる表面張力効果と剪断力による試料成分に有害な気泡又は泡沫の形成を、回避又は最小にすることができる。
【0030】
ピストン200は、ボウルライナー220内に配設されている。このピストンは、ボウルライナーの上側部分に一致する上側部分と、ボウルライナーの下側部分に一致する下側部分を特徴とする。図1に示された実施形態では、ピストンの上側部分は円筒形であり、また下側部分は形状が円錐形である。ピストンはボウルの中心軸に沿って上下動可能である。供給モードの動作中、ピストンはボウルの上部まで上昇させられる。また固体排出モードの動作中、ピストンはボウル内で次第に低下させられて、蓄積された固体をボウルライナーの内壁からボウルの底部の入口ポートを通して外に排除する。図1に示された実施形態では、ボウルライナーの下端とピストンの下側部分は近接した相補形状を持ち、ピストンの下面はボウルライナーの底部内面内でぴったりと適合して、単一サイクルの動作で固体の最大放出を達成する。
【0031】
ピストンは、流体、例えば供給液体、分離液、又は駆動流体(不活性な液体又はガス)輸送用の流体経路をピストンを通して有する。ピストン内に配設され且つ流体経路内に配置されているはシャトル弁250であり、これは弁にかかる圧力に応答して、前記経路を通る流体流を規制する。シャトル弁については2つの代替設計が描かれている。円筒形又は歯車形のシャトル弁250の詳細図が分離機の左側に示されており、これはミラー付き表面260を上部に持つ。代替のボール状シャトル弁250が分離機の右側に描かれている。このボールはミラー付き表面を持つ。ピストン空洞に対し、及び/又はシャトル弁に対し、シールを適切に加えて、弁の移動の上限及び下限における効率的な封止を促進することができる。流体経路は2つの部分を持つ:第1の経路212は、ピストンの上部で開き、ピストンの中心軸に沿って伸び、そしてシャトル弁の上側で終了する。第2の経路214は、シャトル弁の下側と連通し、通路を半径方向外向きに伸ばし、ピストンの下側円錐部分のほぼ中間部に開口を与える。ピストン軸に沿う第2の経路の高さが次のように選択されている点に留意されたい。即ち、ピストンの下側部分の経路開口は適切な直径であり、流体経路に詰まる可能性のある蓄積された固体をボウルライナーの壁から取り込むことを回避するように、である。固体放出サイクルの間のように、圧力が第1の経路に加えられると、シャトル弁は、第1の経路からの流れが第2の経路を通して下降することを防止する。第1の経路に加えられる圧力が存在しない状態では、シャトル弁は開いたままで、流体流がピストン流体経路を通ることを許容する。同様に固体放出後にピストンを上昇させるときのように、第2の経路内の圧力が第1の経路内の圧力を更に1つのしきい値量だけ超えると、シャトル弁は第2の経路からの流れが第1の経路を通して上昇することを防止する。
【0032】
分離機ボウルには使い捨て式ボウルライナー220が設けられている。このライナーは、各動作後に又は異なる試料を含んだ動作の間に交換され得る。このことで、定置洗浄及び定置滅菌処置の必要性を低減又はなくすことができる。これは、清浄で滅菌された使い捨て式ボウルライナーが、必要とされる時に、設置され得るからである。図1に示されたもののような実施形態では、ピストン200は、使い捨て式の、例えばプラスチック製ピストンとして提供され得る。このピストンは、単一の交換可能な組立体として、ボウルライナー内で事前封止されたものである。交換は、供給円錐ナット122を取り外し、供給円錐及び下側軸受組立体120を取り外し、囲い込まれたピストンを含むボウルライナーを交換し、それから供給円錐及び下側軸受組立体を再び取り付け、そして供給円錐固定ナットを締め付けることによって遂行される。
【0033】
上側弁及びシール組立体230と下側弁及びシール組立体232は、それぞれ出口及び入口ポートにおいて、ボウル組立体の上側及び下側端に取り付けられている。これらの組立体は、ボウル充填及び排水用流体経路の切り替えを仲介する。それらはまた、材料がボウル内部へ入ること又はそこを出ることを防止する密閉シールを有して、ボウル内容物の滅菌性及び純度を確保すると共に、外部環境をボウル内容物による汚染から保護する。上側及び下側の弁及びシール組立体に埋設されたリップシール(176,186)は、図1に示されたように、弁組立体本体と下側ボウル延長部154及びスピンドル軸160の双方との間に、適切な封止機構を与える。このタイプの封止機構は摩擦加熱にさらされるので、上側及び下側の弁及びシール組立体内に冷却ポート(178,188)が設けられ、冷却液、例えば水を流す。シール漏出排水ポート189はまた、上側リップシールからの冷却液漏れを排水するために設けられている。
【0034】
下側弁及びシール組立体は、供給ポート172と固体排出ポート174とを有する。これらは、三方ボール弁175を経由して切り替え可能であり、いずれかのポートを入口ポート170に接続する。上側弁及びシール組立体は、分離液ポート182と光学ポート184とを有する。三方ボール弁185は、これらのポートから出口ポート180へのアクセスを切り替える。
【0035】
図1に示された分離機には、固体排出サイクルの自動化と増加された精度のために、ピストン位置検知システムが設けられる。レーザ280が分離機ハウジングの上側部分に搭載され、レーザビーム282が上側弁及びシール組立体230の上部の光学窓164を通して導かれる。レーザビームは、光学ポート184を通して、ボール弁185の開放経路を通して、スピンドル軸160を通して下側に、そしてピストン200内の第1の流体経路212を通して下側に投影され、シャトル弁250に搭載されたミラー260の表面で反射される。このビームは、同じ光学経路を戻って信号処理ユニット290に入り、そこで光は信号プロセッサによって分析され、ボウル内のピストンの位置の尺度である出力信号を生じる。信号処理ユニットはまた、電子部品、例えば1以上のマイクロプロセッサ、メモリーチップ、ディスプレイ、及びボタンやキーボードのような入力デバイスを有し、そのため動作サイクルパラメータ及び設定値がオペレータによって入力されるようにするか、あるいは実際の動作サイクルパラメータ値がオペレータによって読み取られるか又は後の検索のために記憶され得る。入力及び/又は出力接続もまた供給され、そのため動作パラメータの入力及び出力、信号処理用の計算、及びデータ記憶が、デバイス、例えば信号処理ユニットを経由して分離機に接続されたコンピュータによってなされる。
【0036】
図2は、供給モードの動作中の図1の遠心機を描いている。分離機ハウジングの下側及び中間部分は、冷却液113の流れによって冷却されている。下側及び上側リップシールは、下側軸受組立体と同様に、冷却剤流179によって冷却されている。分離機ボウルの回転(152)は駆動モータによって引き起こされる。このときの速度は、所望の分離に必要とされるような、適切なレベルの遠心力をボウル内で達成するに十分なものである。下側三方ボール弁175は、供給液体ポート172から入口ポート170への経路を開くようにセットされる。上側三方ボール弁185は、分離液ポート183から出口ポート180への経路を開くようにセットされる。供給液体171は、下からボウル内に注ぎ込まれる。供給液体がボウル空洞に入るにつれ、固体はボウルライナーの内壁上に沈積され、そして浄化された分離液流体はボウルの中心軸の周りに蓄積する。分離液流体はピストンの第2の流体経路214に流入する。その流速はシャトル弁250を開かせるのに十分であって、分離液流体183がピストンを通して上に、そして分離液ポート182を通して外に流れることを可能にする。しかしながら、その流速は、シャトル弁がその上面で封止するほどには高くない。この上面は第1の流体経路212を通る流れを阻止するものである。供給モードは、十分な固体がボウルの内部に蓄積して、ボウルの排水及び固体排出サイクルの稼働を正当化又は必要とするまで続く。
【0037】
図3は、排水モードにある図1の遠心機を描いている。駆動モータ及びボウル150は、制動されて停止している。残りの供給液体371は、供給液体ポートを通して排水又は注ぎ戻され、そして供給液体保持タンク内に収集又は回収されている。下からの分離液液体圧力の欠乏に起因して、シャトル弁250は閉じ、ピストンの第1の流体経路を通ってボウル室に入る分離液の逆流を防止する。収集された固体173は、ボウルライナーに固着して残存する。
【0038】
図4は、図3に示された排水動作直後の図1の遠心機を描いている。図4において、遠心機は分離液追出しモードで示されている。不活性駆動ガス190(例えば、空気、窒素、又はアルゴン)は、供給液体ポート172を通してボウル内に、そしてピストンを通して上に流れる。このガスの流速は、シャトル弁を第2の流体経路から開くには十分であるが、シャトル弁を第1の流体経路に向けて閉じるには十分ではない。排水サイクルから残存している分離液液体183は、駆動ガスによって分離液ポート182から追い出される。
【0039】
図5は、固体排出モードにある図1の遠心分離機を描いている。下側三方ボール弁175は切り替えられていて、入口ポートから固体排出ポート174への経路を与えている。上側三方ボール弁185は切り替えられていて、出口ポートから分離液ポート182及び光学ポート184の双方への経路を与えている。これは、レーザビーム282を双方向へ伝達するための窓を有する。駆動ガス190は、分離液ポート182を通して導入され、シャトル弁250がその下面で閉じて、ピストン内の第2の流体経路を通るガスの流れを防止する。駆動ガスの圧力によって、ピストンはボウル内で下向きに移動し、蓄積された固体をボウルライナーの内壁から、収集用の固体排出弁を通して外に排除する。ピストンの運動はレーザビームによって追跡される。このレーザビームはシャトル弁上のミラーで反射され、分離機ハウジングに取り付けられた信号処理ユニットに向けて戻される。固体の一貫性は変化することがあるので、固体排出を完了させるに要する時間もまた変化する。自動化されたピストン位置検知システムの使用は、ボウル内のピストン位置が知られることを可能にする。このため駆動ガスの流れを適切な時に、例えばピストンがボウルの底部に到達したときに停止することによってサイクルは決定される。
【0040】
図6は、ボウルの底部で、ピストンがフルストロークにある図1の分離機を示している。駆動ガス190からの圧力は分離液ポート182で維持され、ピストンをその最低位置に保つ。一方、下側三方ボール弁175は切り替えられて、供給液体ポート172から固体排出ポート174への経路を与えている。このことにより、弁に捕捉された固体(373)は、供給液体ポートで加えられた駆動気体によって追い出される。
【0041】
図7において、図1の分離機はピストン収縮モードで示されている。固体排出サイクルに続いて、更に1つの供給サイクルを開始する前に、ピストンはその最高位置へ戻される。下側三方ボール弁175は切り替えられていて、供給液体ポート172だけを入口ポートへ接続する。駆動ガス190は供給液体ポート172を通して加えられ、ピストンを上向きに押し上げる。ガス圧は、シャトル弁をピストン内の第1の流体経路に接して閉じるのに十分である。分離液ポート182での駆動ガスの供給は遮断されているが、弁は開いたままである。これはピストンが上昇するにつれ、ガスが逃れることを許容するためである。レーザ280は、ピストンの移動を追跡して、いつピストンがそのストロークの最上部に到達したかを検知することに使用される。
【0042】
図8は、いかにして分離機の使い捨て式要素が取り外され、交換されたかを模式的に描いている。上側弁及びシール組立体230と下側弁及びシール組立体232は取り外され、廃棄される。分離機ハウジングの下側部分は取り外され、それから供給円錐ナットが緩められ、そして供給円錐及び下側弁及びシール組立体が取り外される。これらの部品は再使用のために取っておく。シャトル弁250のついたピストン200を含むボウルライナー220は取り外され、廃棄される。新たなピストン及びシャトル弁を含む新たなボウルライナー組立体は、それからハウジング内に設置される。供給円錐及び下側軸受組立体は交換され、そして供給円錐固定ナットを使用して保持される。下側ハウジング部分は交換され、そして新たな上側及び下側の弁及びシール組立体が設置される。分離機は、それから新たな試料を分離するように準備される。
【0043】
図9は、この発明に係る遠心分離機の、二重固体排出ピストンを有したもう1つの実施形態を示す。この分離機は縦断面で示されているが、中間部は取り除かれている。殆どの部品は、図1に描かれた実施形態と同じであるか、同様である。相違点が以下で論じられる。二重ピストン設計は、単一ピストン設計と比べて、より完全な固体の抽出と、より少ないサイクル間相互汚染を考慮したものである。
【0044】
分離機ボウル150はボウルライナー220を覆っている。このボウルライナーはボウルから取り外し可能で、好ましくは使い捨て式である。ボウルライナーの内壁に沿って蓄積された固体の大半を排出する役目を担う第1ピストン200は、ライナーによって覆われており、そしてこのピストンの側面はボウルライナーの内面と一致している。ボウルライナーの中心縦軸と整列しているのは中央コア225であり、これはボウルライナーの上部から底部まで伸びている。ボウルライナーの下側内面は、好ましくは第1ピストンの下面に一致している。第1ピストンは中心穴を有して、そこに中央コアを収容する。それに沿って、第1ピストンはボウルライナー内を移動する。中央コアの内部には第2ピストン205があり、これはその上面で押出しロッド208に取り付けられている。この押出しロッドは、第2ピストンを下向きに駆動して、排出サイクル中に残りの固体を追い出すことに使用される。第2ピストンは、分離の必要性に従って、異なる直径に構成され得る。例えば、図9Aは、より濃厚で、より粘り気のある固体ペーストに適切な大きな第2ピストン設計を描いている。これに対し図9Cは、より希薄で、粘り気の少ない固体ペーストに好適な小ピストン径の小さな第2ピストン設計を描いている。第2ピストンの大きな構成は好ましくは直径が約30から約40mmであり、また小さな構成は好ましくは直径が約10から約30mmである。ただし、特定の用途の必要性に従って、他のサイズも使用され得る。円筒形の延長部154はボウルライナーの底部から伸びて、分離中に分離機へ供給液体を加えること並びに蓄積された固体を固体排出プロセス中に除去することの双方に供される経路を形成する。
【0045】
ボウルライナーの上側部分は、図9Bに描かれているように、ボウルのスピンドル部分を通して上へ伸ばされ、そして分離液弁組立体中に嵌入されることが好ましい。分離液弁組立体は、図9Aに示されているような第2ピストン作動器ユニット206と組み合わされ得るか、あるいは分離液弁組立体と第2ピストン作動器は、別々のユニットとして構成され得る。上側ボウルライナーの最上部分は、スピンドルから伸びて分離液弁組立体に嵌入し、そこで分離液弁組立体シール187と接する。光学シールは、分離機動作中にボウルライナー内に密閉された環境を与える。オプションでライナー延長部にはスリーブ187が適合され、それはシールに接触する。例えばシールは“Flexlip”全プラスチック製リップシール(パーカー社、オハイオ州クリーブランド)であり、またスリーブはCR“Speedi Sleeve”(登録商標)(SKFシーリングソリューション社、イリノイ州エルギン)である。シール冷却液用のポート188は、シール漏出排水ポート189と同様に、分離液弁組立体に含められる。
【0046】
ボウルライナーの下側延長部153は下側ボウル延長部154に嵌入し、これは次に下側軸受組立体121に嵌合される。この下側軸受組立体は次に下側ハウジングクランプリング112に取り付けられ、これは軸受組立体と分離機ボウルを分離機ハウジング110の下側部分に固定する。軸受組立体は回転防止ピン117によって安定化され得る。クランプリングは取り外し可能で、分離機ボウル及びそのライナー組立体へのアクセスを可能にする。下側ボウル延長部154の取り外し及びボウルライナー組立体の交換のために、ボウル底部固定ナット156はアクセスを与える。固定ナットを取り出すために、分離機ボウルは、ボウル固定ハンドル124を使用して定位置に固定され得る。
【0047】
供給/排出弁組立体175は、下側軸受組立体121の下端に取り付けられており、そして三方弁を有する。この三方弁は、供給液体へのアクセスを与える1つの経路と、分離機からの固体排出用出口ポートを与えるもう1つの経路との間の切り替えを可能にするものである。この弁を通る固体排出路の直径は、第2ピストンを収容するだけのものである。第2ピストンは、この弁を通して伸ばされていて、最後に残存している残りの固体を最終排出動作中に弁から取り除くものである。三方弁は例えばボール弁でありうる。供給/排出弁組立体は、上述したように、第2ピストンの大小の実施形態での使用向けに、大小のバージョンに構成することができる。好ましくは供給/排出弁組立体は使い捨て式であり、そして1以上のプラスチック材料で作られることが好ましい。動作中に分離機が密閉されるべきである場合は、供給/排出弁組立体にリップシールを設けることができる。またボウルライナーの下側延長部には、分離液弁組立体について先に論じたように、シールに接触するためのスリーブを設けることができる。この弁にはシール冷却液用ポート178を設けることができる。
【0048】
図10は、供給及び分離モードにある図9の分離機を示している。第1及び第2ピストンは、それらの最高位置にある。ボウルは、分離に適切な速度で回転152させられている。駆動モータ300は、好ましくは速度及び角度位置を検知する可変速ベクター型モータである。好ましくは、冷却液113は分離機ハウジングを通して循環させられる。固体173はボウルライナーの内壁に沿って蓄積する。中央コアの存在はボウル内の空気スペースの大半をなくし、これにより分離と、分離中の供給液体の成分の双方を害する乱流源をなくす。分離液は、分離機ボウルから中央コア内の分離液溝309を通して流れ、そして供給ポンプ372からの圧力で開いている分離液弁382を通して流出する。この間、排水弁383と供給収縮弁376は閉じたままである。ピストン通気弁375と排出弁374も閉じたままである。第2ピストン押出しロッド308は、第2ピストンとの接触点のすぐ上に1以上の開口を有する。これらの開口は、分離液流体が中空の押出しロッド308を通して上向きに逃げることを可能にする。冷却液はシール冷却ポート178及び188を通して循環させられる。
【0049】
図11は、分離に後続した排水モードにおける図9の分離機を示している。モータは、減速して停止させられている。反転可能な供給ポンプ372は、残りの供給液体を貯蔵容器に注ぎ戻している。このとき、排水通気弁383は開放位置にある。弁382,375,374及び376は閉じられている。
【0050】
図12は、排水モードに後続した初期固体排出モードにおける図9の分離機を示している。駆動モータは停止させられている。供給/排出弁175は排出位置へ回転させられ、そして蓄積された固体373は排出ポートを通して排出される。供給収縮弁376は閉じられ、また供給ポンプ372はオフにされている。駆動ガス190は固体排出弁374を通して加えられる。固体排出ピストン空気供給分離作動器201は、分離作動器ポート202に加えられた駆動ガスによって下向きに押し込まれている。この位置で、分離作動器は第1ピストンダウンポート204からの経路を開き、排出弁からの駆動ガスが第1ピストン上方のスペースに到達し、これによりピストンを下向きに押し込むことができるようにする。弁375,376,382及び383は閉じられたままである。第1ピストンのボウル内の位置は、飛翔時間レーザユニット280を使用して追跡され得る。このユニットは、レーザビーム282を上側軸受組立体とボウル及びボウルライナー内の窓を通して送る。このビームは、第1ピストンの上面のミラー付き表面または反射性テープ260で反射される。
【0051】
図13は、図12に示された初期排出モードに後続する最終排出モードにおける図9の分離機を示している。駆動モータは停止させられている。第1ピストン200はボウルの底部に至るまで低下させられる。また第2ピストン205は供給/排出弁を通して低下させられて、最後に残存している固体373を弁から除去する。第2ピストンは中空押出しロッド208の作用により下向きに駆動され、このロッドは次に第2ピストン作動器206によって駆動される。この作動器は第2ピストンダウンポート209に加えられたガスによって駆動される。第2ピストン作動器駆動ロッド208は第2ピストン押出しロッド308と接触する。押出しロッド308排出弁374は開いたままであり、また第1ピストン分離作動器は、ポート202及び204で加えられたガスによって下降位置にとどまる。このガスは第1ピストンをその最下位置に維持するものである。ボウル又は排出弁内の第2ピストンの位置は、第2ピストン位置センサ207を使用して追跡され得る。このセンサは、例えば作動器206内の磁気又は容量式位置センサである。残りの弁376,375,382及び383は閉じたままである。
【0052】
図14は、図13に示された最終排出モードに後続するピストン収縮モードにおける図9の分離機を示している。駆動モータは停止させられている。収縮弁376は開かれ、供給位置にある。そして駆動ガスは供給/排出弁を通して加えられて、第1ピストンを上昇させる。ガスはまたピストン分離作動器ダウンポート202に加えられ、分離作動器202を低下姿勢に維持する。この姿勢は、ポート203からの駆動ガスが第2ピストンの下側に到達することを可能にする経路を開く。駆動ガスは第2ピストンを上向きにその開始位置まで駆動し、そして第2ピストンは次に押出しロッド308を同様に上向きにその開始位置まで分離機ボウルスピンドル内で駆動する。駆動ガスはまた第2ピストン作動器上昇ポート210に加えられ、第2ピストン駆動ロッド208を収縮させる。ピストン通気弁375は開かれ、第1ピストン上方に捕捉されたガスがポート204を通して逃げることを可能にする。このことは分離作動器の低下姿勢によっても可能にされる。この作動器は、ポート204と第1ピストン上方のスペースとの間の経路を開く。弁374、382及び383は閉じられている。第1及び第2ピストンの位置は、収縮中にそれぞれの位置検知システムを使用して監視され得る。ひとたび第1ピストンが十分に収縮されると、駆動ガスを分離作動器上昇ポート302に加えることによって、分離作動器もまた上昇姿勢へ収縮される。
【0053】
図15は、使い捨て式パーツの運用間交換用に分解された図9の分離機を示している。変位変換器207は、再使用又は交換用に使い捨て式分離液弁/第2ピストン作動器組立体306から取り外される。この組立体は、新鮮な、好ましくは滅菌された組立体と交換される。同様に、供給/排出弁組立体232は取り外され、新たな、好ましくは滅菌された組立体と交換される。ボウルライナー及びピストン組立体を交換するために、下側ハウジングクレームリング112と下側ハウジングキャップ312が先ず取り外される。それから、固定ハンドル124を締め付けることによってボウルが定位置に固定されると、下側軸受組立体121とボウル底部固定ナット156が取り外され得る。このことで、ボウルライナー200、第1ピストン200、分離液コア225、下側ライナー延長部153、及び上側ライナー延長部353を含んだ組立体が露出される。この組立体は取り外され、そして新たな、好ましくは滅菌された組立体と交換される。
【0054】
この発明はまた、この発明に係る二重ピストン遠心分離機で使用される使い捨て式要素又は組立体の任意の組み合わせを含んだキットを予測している。例えば、そのようなキットは以下のいずれか、あるいはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。即ち、使い捨て式ボウルライナー、使い捨て式ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離機ボウル/ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離液弁組立体、使い捨て式第2ピストン組立体、使い捨て式分離液弁/第2ピストン組立体、又は使い捨て式供給/排出弁組立体である。そのようなキットはまた、分離機内の与えられた使い捨て部品の設置及び/又は使用のための使用説明書を有することもある。
【0055】
更に、この発明は、図9に描かれたもののような、この発明に係る二重ピストン遠心分離機を操作する方法を予測している。そのような方法の一実施形態は、以下のステップを有する。ステップ(a)では、供給液体が入口ポートを通して分離機ボウル中に流されるか、注ぎ込まれる。分離機ボウルは、中空の中央コアと、このコアを囲む第1ピストンと、コア内の第2ピストンとを有する。ステップ(b)では、分離機ボウルが駆動モータの作用で回転させられ、そしてその過程で、固体又は供給液体の濃厚な成分がボウル又はボウルライナーの内面に蓄積する。ステップ(c)では、供給液体が入口ポート中に流れながら、分離機ボウルが回転し続けられる結果、浄化された分離液液体が製造され、それが出口ポートを通して流出する。ステップ(d)では、ボウル回転は停止され、そして残りの液体が入口ポートを通してボウルから排水される。ステップ(e)では、加圧された流体、例えば駆動ガスがボウル内に導入されることによって、第1ピストンがボウル内で下向きに変位させられ、そして蓄積された固体が入口ポートを通して排出される。ステップ(f)では、第2ピストン用の作動器が下向きに駆動されることによって、第2ピストンが中央コア内で下向きに移動し、そして残りの固体が入口ポートを通して排出される。オプションのステップ(g)では、加圧された流体または駆動ガスが入口ポートを通してボウル内に導入され、これにより第1ピストンがボウル内で上向きに変位させられ、またステップ(a)用の開始条件が再度作られる。この方法のいくつかの実施形態では、ステップ(a)〜(g)が2又は3サイクルの間繰り返される。このことは、例えば大量の単一供給液体材料を処理するのに有用である。オプションのステップ(h)では、ステップ(f)又はステップ(g)に後続して分離機は部分的に分解され、そしてステップ(a)を繰り返す前に、分離機の1以上の使い捨て部品が交換される。このことは供給材料を異なる材料に切り替えるときに有用であり、異なるタイプの供給材料間の相互汚染を回避すると共に、滅菌性を維持することを助ける。
【0056】
本発明は好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、当業者は、先の明細書を読んだ後に、ここで述べられた組成、物品、方法及び装置に対する種々の変更、均等物の置換及び他の変形をなすことが可能になるであろう。例えば、流体圧は他の実施形態では、限定されるものではないが、電気機械的な力によって置き換えることができる。同様に、ピストン及びボウルの下側部分及び端部はそれぞれ、その形状が非円錐形であってもよい。ただし、固体回収には、それらの形状が相補的であることが好ましい。弁は手動操作されるか、あるいは例えば電気的又は圧力駆動式作動器によって操作され得る。
【0057】
更には、この発明はまた、ここで説明された種々の通路、弁、ピストン、作動器、組立体、ポート、部材等が、遠心分離機の動作に好適な任意の形態や配置にもなり得ると予測している。上述した実施形態は各々、全ての他の実施形態の変形のいずれかを含んだり組み入れたりしてもよい。例えば、ここで説明されたレーザピストン位置センサ組立体は、本発明の実施形態のいずれか又は全てに関連して使用され得る。遠心分離機は密閉されることも、密閉シールを欠くこともできる。種々の部品、例えばボウル、ボウルライナー、ピストン、又は弁は、別々のアイテムとして、あるいは関連したアイテムと組み合わされたキットとして提供され得る。このキットは、この発明に係る分離機又は方法で用いられる使用説明書を含む。更には、ここで説明された実施形態は、米国公開特許出願第2007−0049479号及び2007−0114161号、米国特許第7,261,683号、米国特許第7,052,451号、及び米国特許第6,986,734号のいずれかに記載された部品又は構成のいずれかを含んでもよい。これらの全ては、参照によりここに組み入れられる。従って、ここで特許によって認められる保護は、添付された請求の範囲及びその均等物に含まれる定義によってのみ制限されることが意図されている。
【符号の説明】
【0058】
100 分離機
110 分離機ハウジング
112 ハウジングクランプリング
113 流体ジャケット、冷却液
114 冷却入口ポート
115 上側軸受組立体
116 冷却出口ポート
117 回転防止ピン
119 回転防止ピン及びゴム振動抑制リング
120、121 下側軸受組立体
122 供給円錐ナット
124 固定ハンドル
150 分離機ボウル、駆動モータ
152 分離機ボウルの回転
153 下側延長部
154 ボウル延長部
156 ボウル底部固定ナット
160 スピンドル軸
162 駆動プーリ
164 上部の光学窓
170 入口ポート
171 供給液体
172 供給液体ポート
173、373 固体
174 固体排出ポート
175 下側三方ボール弁、供給/排出弁
176,186 リップシール
178、188 シール冷却液用ポート
179 冷却剤流
180 出口ポート
182、183 分離液ポート
184 光学ポート
185 ボール弁
189 シール漏出排水ポート
187 分離液弁組立体シール
188 シール冷却液用のポート
190 駆動ガス
200 ピストン、ボウルライナー
201 固体排出ピストン空気供給分離作動器
202 分離作動器ポート
204 第1ピストンダウンポート
205 第2ピストン
206 第2ピストン作動器ユニット
207 第2ピストン位置センサ、変位変換器
208、308 第2ピストン押出しロッド
209 第2ピストンダウンポート
210 第2ピストン作動器上昇ポート
212 第1の流体経路
214 第2の流体経路
220 ボウルライナー
225 中央コア、分離液コア
230 上側弁及びシール組立体
232 下側弁及びシール組立体、供給/排出弁組立体
250 シャトル弁
260 ミラー、反射性テープ
280 レーザ
282 レーザビーム
290 信号処理ユニット
300 可変速駆動モータ
302 分離作動器上昇ポート
306 第2ピストン作動器組立体
309 分離液溝
310 駆動ベルト
312 下側ハウジングキャップ
353 上側ライナー延長部
371 供給液体
372 供給ポンプ
374 排出弁
375 ピストン通気弁
376 供給収縮弁
382 分離液弁
383 排水通気弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体排出遠心分離機用の低剪断分離機ボウル組立体であって、
円筒形の上側部分、円錐形の下側部分、及び下側部分の底部の入口ポートを有する分離機ボウルと、
ボウル上側部分から伸びて駆動モータと係合するスピンドル軸であって、上部に出口ポートを備え、この出口ポートはスピンドル軸内の流体通路を通してボウルの内部と流体連通しているスピンドル軸と、
ボウル内のピストンであって、ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンと
を備えることを特徴とするボウル組立体。
【請求項2】
ボウルの壁とピストンとの間に配置されて入口ポートから出口ポートに伸びる使い捨て式ボウルライナーを更に備え、ボウルの下側部分は、ボウルの上側部分から取り外されて、ボウルライナーの交換を容易にする請求項1に記載のボウル組立体。
【請求項3】
下側弁組立体を更に備え、この弁組立体は、入口ポートと供給液体ポート又は固体排出ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える請求項1に記載のボウル組立体。
【請求項4】
下側弁組立体は、使い捨て式である請求項3に記載のボウル組立体。
【請求項5】
下側弁組立体は、ボール弁を備える請求項3に記載のボウル組立体。
【請求項6】
下側弁組立体は、使用中にボウル内部を密閉するシールを備える請求項3に記載のボウル組立体。
【請求項7】
シールは、リップシールである請求項6に記載のボウル組立体。
【請求項8】
上側弁組立体を更に備え、この弁組立体は、出口ポートと分離液ポート又は光学ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える請求項1に記載のボウル組立体。
【請求項9】
上側弁組立体は、使い捨て式である請求項8に記載のボウル組立体。
【請求項10】
上側弁組立体は、ボール弁を備える請求項8に記載のボウル組立体。
【請求項11】
上側弁組立体は、使用中にボウル内部を密閉するシールを備える請求項8に記載のボウル組立体。
【請求項12】
シールは、リップシールである請求項11に記載のボウル組立体。
【請求項13】
ピストンの形状は、実質的にボウルの下側部分と一致する請求項1に記載のボウル組立体。
【請求項14】
出口ポートは、ピストンを通る流体経路につながり、流体がボウルに加えられたり、取り除かれたりすることを可能にする請求項1に記載のボウル組立体。
【請求項15】
ピストンは、前記流体経路内に配設されたシャトル弁を備え、このシャトル弁は、この弁のいずれかの側の流体圧に応答して、前記経路を通る流体流の方向を規制する請求項14に記載のボウル組立体。
【請求項16】
シャトル弁は、本質的に円筒形であるか、円盤状であるか、球状である請求項15に記載のボウル組立体。
【請求項17】
シャトル弁の表面の少なくとも一部分は、反射性材料を備え、そしてピストン、スピンドル軸、及び上側弁組立体を通る光学経路は、反射性材料を光学ポートに接続する請求項15に記載のボウル組立体。
【請求項18】
ボウル内のピストンの移動は、流体駆動式である請求項1に記載のボウル組立体。
【請求項19】
固体排出遠心分離機用のピストン位置検知システムであって、
軸方向に位置決めされた光学ポートを上部端に有し、且つ入口ポートを底部端に有する分離機ボウルと、
ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンであって、入口ポートを通して固体排出するためにボウルの軸に沿って移動可能であり、また光を上向きに反射するミラーを備えたピストンと、
光学ポートを通してミラーを照明するためのレーザと、
前記ミラーで反射され光学ポートを通して戻るレーザ光を受信し、ボウル内のピストンの位置を示す出力値を与える信号プロセッサと
を備えることを特徴とするピストン位置検知システム。
【請求項20】
ピストンは、前記ピストンを通る流体経路内の流れを規制するためのシャトル弁を備え、また前記ミラーは、このシャトル弁の上面に配設されている請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
低剪断分離機ボウル組立体を備えた固体排出遠心分離機であって、前記ボウル組立体は、
円筒形の上側部分、円錐形の下側部分、及び下側部分の底部に入口ポートを有する分離機ボウルと、
ボウル上側部分から伸びて駆動モータと係合するスピンドル軸であって、その上部に出口ポートを備え、この出口ポートはスピンドル軸内の流体通路を通してボウルの内部と流体連通しているスピンドル軸と、
ボウル内のピストンであって、ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンと
を備えることを特徴とする遠心分離機。
【請求項22】
入口ポートと供給液体ポート又は固体排出ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える下側弁組立体と、
出口ポートと分離液ポート又は光学ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える上側弁組立体であって、出口ポートは、流体がボウルに加えられたり、取り除かれたりすることを可能にするピストンを通る流体経路に流体的に結合されている上側弁組立体と、
弁のいずれかの側の流体圧に応答して、前記経路を通る流体流の方向を規制するシャトル弁と
を更に備える請求項21に記載の遠心分離機。
【請求項23】
ピストン上の上向き反射ミラーと、
このミラーを照明するためのレーザと、
前記ミラーで反射されたレーザ光を受信し、ボウル内のピストンの位置を示す出力値を与える信号プロセッサと
を更に備える請求項21に記載の遠心分離機。
【請求項24】
前記ミラーは、シャトル弁の表面に配設されている請求項23に記載の遠心分離機。
【請求項25】
上側及び下側弁組立体は各々、使用中にボウル内部を密閉する1以上のシールを備える請求項22に記載の遠心分離機。
【請求項26】
上側及び下側弁組立体内のシールに隣接した液体を冷却するための溝を更に備える請求項25に記載の遠心分離機。
【請求項27】
使い捨て式ボウルライナーを更に備え、ボウルの下側部分は、ボウルの上側部分から取り外し可能であって、ボウルライナーの交換を容易にする請求項22に記載の遠心分離機。
【請求項28】
ボウルライナーは、ボウル内部の全長を伸びて、上側及び下側弁組立体に接続されている請求項27に記載の遠心分離機。
【請求項29】
可変速駆動モータを更に備え、スピンドル軸との結合配置を介して分離機ボウルを回転させる請求項22に記載の遠心分離機。
【請求項30】
結合配置は、駆動ベルトである請求項29に記載の遠心分離機。
【請求項31】
分離機ボウルを囲む分離機ハウジングを更に備える請求項22に記載の遠心分離機。
【請求項32】
分離機ハウジングは、温度制御されている請求項31に記載の遠心分離機。
【請求項33】
分離機ハウジングの上側部分に球状の台を有する上側軸受組立体を更に備え、この上側軸受組立体はスピンドル軸と係合する請求項22に記載の遠心分離機。
【請求項34】
上側軸受組立体の球状の台を分離機ハウジングに結合する1以上の回転防止ピンを更に備える請求項33に記載の遠心分離機。
【請求項35】
分離機ハウジングの下側部分に搭載される下側軸受組立体を更に備え、この下側軸受組立体は分離機ボウルの底部端と係合する請求項33に記載の遠心分離機。
【請求項36】
分離機ボウルの下側部分は、着脱自在な供給円錐組立体によって形成され、この組立体は下側軸受組立体に取り付けられる請求項35に記載の遠心分離機。
【請求項37】
ピストン位置検知システムを備えた固体排出遠心分離機であって、前記システムは、
軸方向に位置決めされた光学ポートを上部端に有し、且つ入口ポートを底部端に有する分離機ボウルと、
ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンであって、入口ポートを通して固体排出するためにボウルの軸に沿って移動可能であり、また光を上向きに反射するミラーを備えたピストンと、
光学ポートを通してミラーを照明するためのレーザと、
前記ミラーで反射され光学ポートを通して戻るレーザ光を受信し、ボウル内のピストンの位置を示す出力値を与える信号プロセッサと
を備えることを特徴とする遠心分離機。
【請求項38】
ピストンは、前記ピストンを通る流体経路内の流れを規制するためのシャトル弁を備え、また前記ミラーは、このシャトル弁の表面に配設されている請求項37に記載の遠心分離機。
【請求項39】
密閉型固体排出遠心分離機であって、
上側、中間、及び下側部分を備えた分離機ハウジングであって、上側部分は上側軸受組立体を備え、また下側部分は下側軸受組立体を備える分離機ハウジングと、
分離機ハウジング内に配設された分離機ボウル組立体と
を備え、ボウル組立体は、
ハウジングの中間部分内に配設された円筒形の上側部分、ハウジングの下側部分内に配設された円錐形の下側部分、及び下側部分の底部の入口ポートを有する分離機ボウルと、
ボウル上側部分からハウジングの上側部分内に伸びたスピンドル軸であって、駆動モータに結合され、上部に出口ポートを備え、この出口ポートはスピンドル軸内の流体通路を通してボウルの内部と流体連通しているスピンドル軸と、
ボウル内のピストンであって、ボウルの内面に接して移動可能に配設され、ボウルはボウルのスピンドル軸を通して上側軸受組立体と係合し、またボウルの下側部分を通して下側軸受組立体と係合するピストンと、
ボウルの出口ポートと分離液ポート又は光学ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える上側弁組立体であって、使用中にボウル内部を密閉する1以上のシールを備えた上側弁組立体と、
ボウルの入口ポートと供給液体ポート又は固体排出ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える下側弁組立体であって、使用中にボウル内部を密閉する1以上のシールを備えた下側弁組立体と、
スピンドル軸との結合配置を介して分離機ボウルを回転させる可変速駆動モータと
を更に備えることを特徴とする遠心分離機。
【請求項40】
出口ポートは、ピストンを通る流体経路につながり、流体がボウルに加えられたり、取り除かれたりすることを可能にする請求項39に記載の遠心分離機。
【請求項41】
分離機ボウル内のピストンは、流体経路内に配設されたシャトル弁を備え、このシャトル弁は、この弁のいずれかの側の流体圧に応答して、前記経路を通る流体流の方向を規制する請求項40に記載の遠心分離機。
【請求項42】
シャトル弁は、本質的に円筒形であるか、円盤状であるか、球状である請求項41に記載の遠心分離機。
【請求項43】
ボウル内のピストンの移動は、流体駆動式である請求項39に記載の遠心分離機。
【請求項44】
ピストン位置検知システムを更に備え、このシステムは、
軸方向に位置決めされた光学ポートを上部端に有し、且つ入口ポートを底部端に有する分離機ボウルと、
ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンであって、入口ポートを通して固体排出するためにボウルの軸に沿って移動可能であり、また光を上向きに反射するミラーを備えるピストンと、
光学ポートを通してミラーを照明するためのレーザと、
前記ミラーで反射され光学ポートを通して戻るレーザ光を受信し、ボウル内のピストンの位置を示す出力値を与える信号プロセッサと
を備える請求項39に記載の遠心分離機。
【請求項45】
シャトル弁の表面の少なくとも一部分は、反射性であり、そしてピストン、スピンドル軸、及び上側弁組立体を通る光学経路は、反射性材料を光学ポートに接続する請求項44に記載の遠心分離機。
【請求項46】
ボウルの壁とピストンとの間に配置されて入口ポートから出口ポートに伸びる使い捨て式ボウルライナーを更に備え、ボウルの下側部分は、ボウルの上側部分から取り外し可能であって、ボウルライナーの交換を容易にする請求項39に記載の遠心分離機。
【請求項47】
上側及び下側弁組立体は使い捨て式であり、そして使い捨て式ボウルライナーに対し出口及び入口ポートでそれぞれ取り付けられる請求項46に記載の遠心分離機。
【請求項48】
固体排出遠心分離機用のピストン組立体であって、
上側部分及び下側部分を備えたピストンであって、下側部分は前記遠心分離機の分離機ボウルの内面と一致し、上側部分は分離機ボウルとの間で流体を輸送するための流体経路を備えたピストンと、
前記流体経路内に配設されたシャトル弁であって、この弁のいずれかの側の流体圧に応答して、前記経路を通る流体流の方向を規制するシャトル弁と
を備えることを特徴とするピストン組立体。
【請求項49】
下側部分は、形状が円錐形である請求項48に記載のピストン組立体。
【請求項50】
上側部分は、形状が円筒形である請求項48に記載のピストン組立体。
【請求項51】
シャトル弁は、本質的に球状であるか、円筒形であるか、円盤状である請求項48に記載のピストン組立体。
【請求項52】
ピストンは、光を上向きに反射するミラーを備える請求項48に記載のピストン組立体。
【請求項53】
ミラーは、シャトル弁の表面に配設され、ピストンは、ピストンの上面からミラーまで連続した光学経路を備える請求項52に記載のピストン組立体。
【請求項54】
流体経路は、第1の経路及び第2の経路を備え、第1の経路は、ピストンの上側部分の1つの開口とシャトル弁の一方の側を軸方向に接続し、また第2の経路は、シャトル弁の他方の側とピストンの下側部分の複数の横向き開口を接続している請求項48に記載のピストン組立体。
【請求項55】
円筒形の上側部分、円錐形の下側部分、及び下側部分の底部の入口ポートを有する分離機ボウルと、
ボウル上側部分から伸びて駆動モータと係合するスピンドル軸であって、上部に出口ポートを備え、この出口ポートはスピンドル軸内の流体通路を通してボウルの内部と流体連通しているスピンドル軸と、
ボウル内のピストンであって、ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンとを備える固体排出遠心分離機を操作する方法であって、
(a)供給液体を入口ポートを通して分離機ボウル中に流すステップと、
(b)分離機ボウルを回転させることによって、供給液体の固体成分がボウルの内面に蓄積するステップと、
(c)供給液体を入口ポート中に流しながら、分離機ボウルの回転を継続して、浄化された分離液の液体が出口ポートを通して流出するステップと、
(d)ボウル回転を停止し且つ残りの液体を入口ポートを通してボウルから排水するステップと、
(e)出口ポートを通して流体を流し戻すことによって、ピストンがボウル内で下向きに変位され、そして蓄積された固体が入口ポートを通して排出されるステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項56】
(f)流体を入口ポート中に流すことによって、ピストンがボウル内で上向きに変位されるステップを更に備える請求項55に記載の方法。
【請求項57】
ステップ(a)〜(f)の1以上の追加のサイクルを行うステップを更に備える請求項56に記載の方法。
【請求項58】
円筒形の上側部分、円錐形の下側部分、及び下側部分の底部の入口ポートを有する分離機ボウルと、
ボウル上側部分から伸びて駆動モータと係合するスピンドル軸であって、上部に出口ポートを備え、この出口ポートはスピンドル軸内の流体通路を通してボウルの内部と流体連通しているスピンドル軸と、
ボウル内のピストンであって、ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンと、
ピストン上の上向き反射ミラーと、
このミラーを照明するためのレーザと、
前記ミラーで反射されたレーザ光を受信し、ボウル内のピストンの位置を示す出力値を与える信号プロセッサとを備える固体排出遠心分離機を操作する方法であって、
(a)供給液体を入口ポートを通して分離機ボウル中に流すステップと、
(b)分離機ボウルを回転させることによって、供給液体の固体成分がボウルの内面に蓄積するステップと、
(c)供給液体を入口ポート中に流しながら、分離機ボウルの回転を継続して、浄化された分離液の液体が出口ポートを通して流出するステップと、
(d)ボウル回転を停止し且つ残りの液体を入口ポートを通してボウルから排水するステップと、
(e)出口ポートを通して流体を流し戻すことによって、ピストンがボウル内で下向きに位置換えされ、そして蓄積された固体が入口ポートを通して排出されるステップと、
(f)レーザからの光でミラーを照明すると共に、信号プロセッサからのピストン位置情報を使用してピストンの移動を監視するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項59】
信号プロセッサの出力値が、ボウル内移動のプリセットされた終点にピストンが到達したことを示すレベルに達したときに、ピストンの移動は自動的に終了される請求項58に記載の方法。
【請求項60】
円筒形の上側部分、円錐形の下側部分、及び下側部分の底部の入口ポートを有する分離機ボウルと、
ボウル上側部分から伸びて駆動モータと係合するスピンドル軸であって、上部に出口ポートを備え、この出口ポートはスピンドル軸内の流体通路を通してボウルの内部と流体連通しているスピンドル軸と、
ボウル内のピストンであって、ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンと、
入口ポートと供給液体ポート又は固体排出ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える下側弁組立体と、
出口ポートと分離液ポート又は光学ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える上側弁組立体であって、出口ポートは、流体がボウルに加えられたり、取り除かれたりすることを可能にするピストンを通る流体経路に流体的に結合されている上側弁組立体と、
弁のいずれかの側の流体圧に応答して、前記経路を通る流体流の方向を規制するシャトル弁とを備える固体排出遠心分離機を操作する方法であって、
(a)供給液体を下側弁組立体の供給液体ポートを通して分離機ボウル中に流すステップと、
(b)分離機ボウルを回転させることによって、供給液体の固体成分がボウルの内面に蓄積するステップと、
(c)シャトル弁を開放形態に維持するに十分な流速で供給液体を供給液体ポート中に流しながら、分離機ボウルの回転を継続することによって、浄化された分離液が分離液弁を通して流出するステップと、
(d)ボウル回転を停止し且つ残りの液体を供給液体ポートを通してボウルから排水することにより、シャトル弁が閉鎖形態となるステップと、
(e)シャトル弁を開放形態に維持するに十分な流速で流体を供給液体ポートを通してボウル中に流すことによって、液体経路からピストン、スピンドル軸、上側弁組立体、及び分離液ポートを通して液体を追い出すステップと、
(f)下側弁組立体を切り替えて、入口ポートから固体排出ポートへの経路を開くと共にシャトル弁を閉鎖形態に駆動するに十分な流速で流体を分離液ポートを通して流し戻すことによって、ピストンはボウル内で下向きに位置換えされ、そして蓄積された固体は固体排出ポートを通して排出されるステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項61】
(g)下側弁組立体を切り替えて供給液体ポートから固体排出ポートへの経路を開くと共に流体を供給液体ポートへ流すことによって、残りの固体が固体排出ポートを通して追い出されるステップと、
(h)下側弁組立体を切り替えて供給液体ポートから入口ポートへの経路を開くと共に流体を供給液体ポートへ流すことによって、シャトル弁が閉鎖形態となると共にピストンがボウル内で上向きに位置換えされるステップと
を更に備える請求項60に記載の方法。
【請求項62】
請求項60及び61のステップ(a)〜(h)の1以上の追加のサイクルを行うことを更に備える請求項61に記載の方法。
【請求項63】
遠心分離機は、ピストン上の上向き反射ミラーと、このミラーを照明するためのレーザと、前記ミラーで反射されたレーザ光を受信し、ボウル内のピストンの位置を示す出力値を与える信号プロセッサとを更に備え、この 方法は、レーザからの光でミラーを照明すると共に、信号プロセッサからのピストン位置情報を使用してピストンの移動を監視するステップを更に備える請求項60に記載の方法。
【請求項64】
信号プロセッサの出力値が、ボウル内移動のプリセットされた終点にピストンが到達したことを示すレベルに達したときに、ピストンの移動は自動的に終了される請求項63に記載の方法。
【請求項65】
遠心分離機用の使い捨て式分離機ボウルライナー組立体であって、
固体排出遠心分離機ボウルの内壁に一致する使い捨て式ボウルライナーであって、分離機ボウルは底部端に入口ポートを、また上部端に出口ポートを備え、ボウルライナーは、入口ポートから出口ポートまで伸びるボウルライナーと、
ボウルライナー内のピストンであって、ボウルライナーの内面に接して移動可能に配設され、ボウルライナーの内面に接して移動可能に配設されたピストンと
を備えることを特徴とするボウルライナー組立体。
【請求項66】
ピストンの形状は、実質的にボウルライナーの下側部分と一致する請求項65に記載のボウルライナー組立体。
【請求項67】
ピストンは、前記ピストン内の流体経路内に配設されたシャトル弁を備え、このシャトル弁は、この弁のいずれかの側の流体圧に応答して、前記経路を通る流体流の方向を規制する請求項65に記載のボウルライナー組立体。
【請求項68】
ボウルライナー組立体及びそれを使用するための使用説明書を備えたキットであって、前記組立体は、
固体排出遠心分離機ボウルの内壁に一致する使い捨て式ボウルライナーであって、分離機ボウルは底部端に入口ポートを、また上部端に出口ポートを備え、ボウルライナーは、入口ポートから出口ポートまで伸びるボウルライナーと、
ボウルライナー内の使い捨て式ピストンであって、ボウルライナーの内面に接して移動可能に配設されたピストンと
を備えることを特徴とするキット。
【請求項69】
ボウルの出口ポートと分離液ポート又は光学ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える使い捨て式上側弁組立体であって、使用中にボウル内部を密閉する1以上のシールを備えた使い捨て式上側弁組立体と、
ボウルの入口ポートと供給液体ポート又は固体排出ポートとの間に切り替え可能な流体経路を与える使い捨て式下側弁組立体であって、使用中にボウル内部を密閉する1以上のシールを備えた使い捨て式下側弁組立体と
を更に備える請求項68に記載のキット。
【請求項70】
固体排出遠心分離機用のボウルライナー組立体であって、
前記分離機の分離機ボウルの内壁に一致するボウルライナーであって、分離機ボウルは、上側部分、円筒形の中間部分、及び円錐形の下側部分を備え、上側部分は、駆動モータと係合可能なスピンドル軸を備え、このスピンドル軸は、その上端で出口ポートに終結し、下側部分は、その下端で入口/固体排出ポートに終結する円筒形の延長部を備え、ボウルライナーは、入口ポートから出口ポートまで伸びるボウルライナーと、
ボウルの中心軸を中心として配設され、前記スピンドル軸におけるライナーから前記下側延長部におけるライナーまで伸びる中空の中央コアと、
ライナー内に移動可能に配設され、ライナーの内面に一致すると共に、中央コアを囲む第1ピストンと、
中央コア内に移動可能に配設され、中央コアの内面に一致すると共に、前記円筒形延長部を通して延長して、ボウルから固体を排出することが可能な第2ピストンと
を備えることを特徴とするボウルライナー組立体。
【請求項71】
ボウルライナーは、プラスチック材料で作られている請求項70に記載のボウルライナー組立体。
【請求項72】
ボウルライナー、分離機ボウル、スピンドル軸、第1ピストン、第2ピストン、及び中央コアは、プラスチック材料で作られている請求項70に記載のボウルライナー組立体。
【請求項73】
事前滅菌された使い捨て式ユニットとして構成された請求項70に記載のボウルライナー組立体。
【請求項74】
中央コアは、第1及び第2ピストンの一方又は双方を駆動する流体用の溝を備える請求項70に記載のボウルライナー組立体。
【請求項75】
分離機ボウルの下側端は取り外し可能で、ライナー組立体の交換を可能する請求項70に記載のボウルライナー組立体。
【請求項76】
固体排出遠心分離機用の二重ピストン分離機ボウル組立体であって、
上側部分、円筒形の中間部分、及び円錐形の下側部分を備える分離機ボウルであって、上側部分は、駆動モータと係合可能なスピンドル軸を備え、このスピンドル軸は、その上端で出口ポートに終結し、下側部分は、その下端で入口/固体排出ポートに終結する円筒形の延長部を備えた分離機ボウルと、
ボウルの中心軸を中心として配設され、前記スピンドル軸の下側端から前記円筒形延長部の上側端まで伸びる中空の中央コアと、
ボウル内に移動可能に配設され、ボウルの内面に一致すると共に、中央コアを囲む第1ピストンと、
中央コア内に移動可能に配設され、中央コアの内面に一致すると共に、前記円筒形延長部を通して延長して、ボウルから固体を排出することが可能な第2ピストンと
を備えることを特徴とするボウル組立体。
【請求項77】
分離機ボウルの内壁に一致するボウルライナーを更に備える請求項76に記載のボウル組立体。
【請求項78】
分離機ボウルの下側端は取り外し可能で、ライナー組立体の交換を可能する請求項76に記載のボウル組立体。
【請求項79】
固体排出遠心分離機用の分離液弁組立体であって、
開放位置及び閉鎖位置を有する分離液弁であって、開放位置にあるときは、分離機からの分離液の流れを収集用の分離液ポートに向けて方向付けることが可能であり、また閉鎖位置にあるときは、分離機からの分離液の流れを停止することが可能な分離液弁と、
ピストンを分離機の分離機ボウル内で移動させて、ボウルから固体を排出することが可能な固体排出ピストン作動器と
を備えることを特徴とする分離液弁組立体。
【請求項80】
ボウルの出口ポートを密閉するシール組立体を更に備える請求項79に記載の分離液弁組立体。
【請求項81】
1以上のシール冷却ポートを更に備える請求項79に記載の分離液弁組立体。
【請求項82】
作動器は、ピストン位置センサを備える請求項79に記載の分離液弁組立体。
【請求項83】
作動器は、1以上のポートを有し、ボウル内でのピストンの移動を駆動する流体を供給する請求項79に記載の分離液弁組立体。
【請求項84】
分離液弁及びピストン作動器は、1以上のプラスチック材料で作られている請求項79に記載の分離液弁組立体。
【請求項85】
事前滅菌された使い捨て式ユニットとして構成された請求項79に記載の分離液弁組立体。
【請求項86】
固体排出遠心分離機用の供給/排出弁組立体であって、
供給ラインに接続するための供給ポートと、
固体収集容器に接続するための固体ポートと、
第1の開放形態及び第2の開放形態を有する三方弁であって、第1の開放形態は、供給ポートからの供給液体を前記分離機の分離機ボウルの下側端の入口ポートに向けて導き、また第2の開放形態は、前記入口ポートから固体ポートへの経路を与え、この経路は、分離機ボウル内の固体排出ピストンに一致している三方弁と
を備えることを特徴とする供給/排出弁組立体。
【請求項87】
入口ポートを密閉するシール組立体を更に備える請求項86に記載の供給/排出弁組立体。
【請求項88】
1以上のシール冷却ポートを更に備え、各シール冷却ポートは、冷却液を組立体内のシールに向けて導く経路に接続されている請求項86に記載の供給/排出弁組立体。
【請求項89】
事前滅菌された使い捨て式ユニットとして構成された請求項86に記載の供給/排出弁組立体。
【請求項90】
三方弁は回転して、第1及び第2の開放形態を切り替える請求項86に記載の供給/排出弁組立体。
【請求項91】
第2の開放形態の経路は、直径が少なくとも10mmである請求項86に記載の供給/排出弁組立体。
【請求項92】
第2の開放形態の経路は、直径が少なくとも30mmである請求項86に記載の供給/排出弁組立体。
【請求項93】
固体排出遠心分離機用のピストン位置検知システムであって、
周方向に位置決めされた光学ポートをボウルの上側部分に有する分離機ボウルと、
ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンであって、ピストンの上面に周方向に位置決めされた光反射性表面を備え、この光反射性表面は、光学ポートと整列されているピストンと、
光学ポートを通して反射性表面を照明するための光源と、
前記反射性表面で反射され光学ポートを通して戻る光を受信し、ボウル内のピストンの位置を示す出力値を与える信号プロセッサと
を備えることを特徴とするピストン位置検知システム。
【請求項94】
分離機ボウルの内壁に一致するボウルライナーを更に備える請求項93に記載のピストン位置検知システム。
【請求項95】
ボウルライナーは、ライナーの上面に周方向に位置決めされ且つ光学ポートと整列された光学窓を備える請求項94に記載のピストン位置検知システム。
【請求項96】
ライナーの全上面は本質的に半透明である請求項95に記載のピストン位置検知システム。
【請求項97】
二重ピストン分離機ボウル組立体を備えた固体排出遠心分離機であって、前記組立体は、
上側部分、円筒形の中間部分、及び円錐形の下側部分を備える分離機ボウルであって、上側部分は、駆動モータと係合可能なスピンドル軸を備え、このスピンドル軸は、その上端で出口ポートに終結し、下側部分は、その下端で入口/固体排出ポートに終結する円筒形の延長部を備えた分離機ボウルと、
ボウルの中心軸を中心として配設され、前記スピンドル軸の下側端から前記円筒形延長部の上側端まで伸びる中空の中央コアと、
ボウル内に移動可能に配設され、ボウルの内面に一致すると共に、中央コアを囲む第1ピストンと、
中央コア内に移動可能に配設され、中央コアの内面に一致すると共に、前記円筒形延長部を通して延長して、ボウルから固体を排出することが可能な第2ピストンと
を備えることを特徴とする固体排出遠心分離機。
【請求項98】
分離機ボウルの下側部分は、取り外し可能である請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項99】
下側部分固定ナットを更に備える請求項98に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項100】
ボウルライナーを更に備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項101】
分離液弁組立体を更に備え、この組立体は、
開放位置及び閉鎖位置を有する分離液弁であって、開放位置にあるときは、分離機からの分離液の流れを収集用の分離液ポートに向けて導くことが可能であり、また閉鎖位置にあるときは、分離機からの分離液の流れを停止することが可能な分離液弁と、
ピストンを分離機の分離機ボウル内で移動させて、ボウルから固体を排出することが可能な固体排出ピストン作動器と
を備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項102】
供給/排出弁組立体を更に備え、この組立体は、
供給ラインに接続するための供給ポートと、
固体収集容器に接続するための固体ポートと、
第1の開放形態及び第2の開放形態を有する三方弁であって、第1の開放形態は、供給ポートからの供給液体を前記分離機の分離機ボウルの下側端の入口ポートに向けて導き、また第2の開放形態は、前記入口ポートから固体ポートへの経路を与え、この経路は、分離機ボウル内の固体排出ピストンに一致している三方弁と
を備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項103】
ピストン位置検知システムを更に備え、このシステムは、
周方向に位置決めされた光学ポートをボウルの上側部分に有する分離機ボウルと、
ボウルの内面に接して移動可能に配設されたピストンであって、ピストンの上面に周方向に位置決めされた光反射性表面を備え、この光反射性表面は、光学ポートと整列されているピストンと、
光学ポートを通して反射性表面を照明するための光源と、
前記反射性表面で反射され光学ポートを通して戻る光を受信し、ボウル内のピストンの位置を示す出力値を与える信号プロセッサと
を備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項104】
位置検知システムは、第1ピストンの位置を検知するように構成され、この分離機は、第2ピストンの位置を検知するように構成された追加の位置検知システムを更に備える請求項103に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項105】
速度及び角度位置を検知する可変速ベクター型駆動モータを更に備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項106】
駆動モータは、駆動ベルトによって分離機ボウルスピンドルに結合されている請求項105に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項107】
第1ピストン空気供給分離作動器を更に備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項108】
空気を供給して分離作動器を上昇駆動する第1のポート及び分離作動器を下降駆動する第2のポートを更に備える請求項107に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項109】
前記スピンドル上のスリーブに接触する上側密閉シール及び前記円筒形延長部上のスリーブに接触する下側密閉シールを更に備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項110】
1以上のシール冷却ポートを更に備え、各ポートは、冷却液を前記密閉シールの1つに向けて導く経路に接続する請求項109に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項111】
1以上のシール漏出排水ポートを更に備える請求項109に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項112】
1つの球状台及び1以上の軸受ハウジング回転防止ピンを有する上側軸受組立体を更に備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項113】
回転防止ピン付きの下側軸受組立体を更に備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項114】
最終排出ピストン上昇及び下降ポートを更に備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項115】
分離機ハウジングを更に備え、このハウジングは、冷却ジャケットを備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項116】
上側及び下側部分を有する分離機ハウジングを更に備え、下側部分は上側部分から取り外し可能である請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項117】
使い捨て式ボウルライナー、使い捨て式ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離機ボウル/ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離液弁組立体、使い捨て式第2ピストン組立体、使い捨て式分離液弁/第2ピストン組立体、及び使い捨て式供給/排出弁組立体からなる群から選択された1以上の使い捨て部品を備える請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項118】
全ての試料接触部品は使い捨て式である請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項119】
密閉された請求項97に記載の固体排出遠心分離機。
【請求項120】
固体排出遠心分離機を操作する方法であって、前記分離機は、
上側部分、円筒形の中間部分、及び円錐形の下側部分を備える分離機ボウルであって、上側部分は、駆動モータと係合可能なスピンドル軸を備え、このスピンドル軸は、上端で出口ポートに終結し、下側部分は、下端で入口/固体排出ポートに終結する円筒形の延長部を備えた分離機ボウルと、
ボウルの中心軸を中心として配設され、前記スピンドル軸の下側端から前記円筒形延長部の上側端まで伸びる中空の中央コアと、
ボウル内に移動可能に配設され、ボウルの内面に一致すると共に、中央コアを囲む第1ピストンであって、その移動はボウル内の加圧された流体によって規制される第1ピストンと、
中央コア内に移動可能に配設され、中央コアの内面に一致すると共に、前記円筒形延長部を通して延長して、ボウルから固体を排出することが可能な第2ピストンであって、その移動は第2ピストンと機械的に結合された作動器によって規制される第2ピストンとを備え、前記方法は、
(a)供給液体を入口ポートを通して分離機ボウル中に流すステップと、
(b)分離機ボウルを回転させることによって、供給液体の固体成分がボウルの内面に蓄積するステップと、
(c)供給液体を入口ポート中に流しながら、分離機ボウルの回転を継続して、浄化された分離液液体が出口ポートを通して流出するステップと、
(d)ボウル回転を停止し且つ残りの液体を入口ポートを通してボウルから排水するステップと、
(e)加圧された流体をボウル内に導入することによって、第1ピストンがボウル内で下向きに位置換えさせられ、そして蓄積された固体が入口ポートを通して排出されるステップと、
(f)作動器を下向きに駆動することによって、第2ピストンが中央コア内で下向きに移動して、残りの固体が入口ポートを通して排出されるようにするステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項121】
(g)加圧された流体を入口ポートを通してボウル内に導入することによって、第1ピストンがボウル内で上向きに位置換えさせられるステップを更に備える請求項120に記載の方法。
【請求項122】
ステップ(a)〜(g)の1以上の追加のサイクルを行うことを更に備える請求項121に記載の方法。
【請求項123】
分離機は、使い捨て式ボウルライナー、使い捨て式ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離機ボウル/ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離液弁組立体、使い捨て式第2ピストン組立体、使い捨て式分離液弁/第2ピストン組立体、及び使い捨て式供給/排出弁組立体からなる群から選択された1以上の使い捨て部品を備え、この方法は、
(h)ステップ(a)を繰り返す前に、前記使い捨て部品の1以上を交換するステップ
を更に備える請求項122に記載の方法。
【請求項124】
分離機は、ピストン位置決めシステムを更に備え、この位置決めシステムは、前記分離機ボウル内の前記第1ピストン及び/又は前記第2ピストンの移動を規制することに使用される請求項120に記載の方法。
【請求項125】
固体排出遠心分離機を操作するためのキットであって、このキットは、使い捨て式ボウルライナー、使い捨て式ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離機ボウル/ボウルライナー/第1ピストン組立体、使い捨て式分離液弁組立体、使い捨て式第2ピストン組立体、使い捨て式分離液弁/第2ピストン組立体、及び使い捨て式供給/排出弁組立体からなる群から選択された1以上の使い捨て部品と、この使い捨て部品を使用するための使用説明書とを、遠心分離機の一部として備えることを特徴とするキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−513888(P2012−513888A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542924(P2011−542924)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007990
【国際公開番号】WO2010/076657
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(504348334)ワグナー デベロップメント, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】