説明

侵入検知システム

【課題】侵入物の検知能力が高い侵入検知システムを提供する。
【解決手段】侵入検知システム100は、送信機10と、受信機20とを備える。送信機10および受信機20は、部屋30内に設置される。送信機10は、アレーアンテナ11によって指向性を有する電波を送信する。受信機20は、送信機10から送信された電波をアンテナ21を介して受信し、その受信した電波の受信信号強度が基準値から一定以上離れているとき、侵入物の部屋30への侵入を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、室内に侵入する侵入物を検知する侵入検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、侵入物検知装置としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。この特許文献1に記載の侵入物検知装置は、送信手段と、受信手段と、位相検出手段と、侵入物検出手段とを備える。
【0003】
送信手段は、電波を送信し、受信手段は、送信手段によって送信された電波を受信し、受信信号を生成する。そして、位相検出手段は、受信信号の位相を検出し、侵入物検出手段は、位相検出手段によって検出された受信信号の位相の単位時間当たりの変化量が予め設定された範囲内にあるか否かを判定することによって検出空間内の侵入物を検出する。より具体的には、侵入物検出手段は、位相の単位時間当たりの変化量が予め設定された範囲を超えるとき、侵入物が検出空間内へ侵入したことを検出する。そして、予め設定された範囲は、無侵入時における位相の単位時間当たりの変化量に対する平均値および分散から求められ、例えば、標準偏差の3倍程度が閾値として設定される。
【0004】
このように、特許文献1に記載の侵入物検知装置は、電波を用いて検出空間内への侵入物の侵入を検知する。
【特許文献1】特開2004−286567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の侵入物検知装置は、無指向性の電波を送信して侵入物を検知するため、侵入物の検知能力が低いという問題がある。
【0006】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、侵入物の検知能力が高い侵入検知システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によれば、侵入検知システムは、室内へ侵入する侵入物を検知する侵入検知システムであって、送信機と、受信機とを備える。送信機は、指向性を有する電波を送信する。受信機は、送信機から送信された電波を受信し、その受信した電波の受信電波強度に基づいて、侵入物の室内への侵入を検知する。
【0008】
また、この発明によれば、侵入検知システムは、室内へ侵入する侵入物を検知する侵入検知システムであって、送信機と、受信機とを備える。送信機は、指向性を有する電波を送信する。受信機は、送信機から送信された電波を受信し、その受信した電波のパターンに基づいて、侵入物の室内への侵入を検知する。
【0009】
好ましくは、受信機は、受信電波強度が基準値から一定値以上離れているとき侵入物の室内への侵入を検知する。そして、基準値は、侵入物が室内へ侵入していないときの受信電波強度の平均値である。
【0010】
好ましくは、送信機は、任意の送信回数ごとに複数の指向性から選択した1つの指向性に指向性を切換えて電波を送信する。
【0011】
好ましくは、受信機は、相互に前記室内の異なる位置に配置された複数の受信機からなる。そして、複数の受信機の各々は、指向性のアンテナを介して送信機から送信された電波を受信する。
【0012】
好ましくは、受信機は、受信信号強度に基づいて、侵入物の侵入位置を更に検知する。
【0013】
好ましくは、送信機は、相互に異なる複数の周波数で複数の電波を送信する。受信機は、複数の周波数で送信された複数の電波の複数の受信信号強度に基づいて、侵入物の侵入位置を検知するム。
【0014】
好ましくは、送信機は、相互に異なる複数の方向に電波を送信する。受信機は、複数の方向に送信された複数の電波の複数の受信信号強度に基づいて、侵入物の侵入位置を検知する。
【発明の効果】
【0015】
この発明による侵入検知システムにおいては、送信機は、指向性を有する電波を送信し、受信機は、指向性を有する電波の受信信号強度に基づいて侵入物の部屋への侵入を検知する。そして、指向性を有する電波の受信信号強度の変動幅は、無指向性で送信された電波の受信信号強度の変動幅よりも小さい。
【0016】
従って、この発明によれば、侵入物の検知能力を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0018】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による侵入検知システムの構成を示す概略図である。この発明の実施の形態1による侵入検知システム100は、送信機10と、受信機20とを備える。
【0019】
送信機10および受信機20は、部屋30の内部に配置される。送信機10は、アレーアンテナ11を有する。そして、送信機10は、指向性を有する電波をアレーアンテナ11を介して送受信する。受信機20は、アンテナ21を有し、送信機10から送信された電波をアンテナ21を介して送受信する。そして、受信機20は、その受信した電波の受信電波強度を検出し、その検出した受信電波強度に基づいて、後述する方法によって、侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0020】
部屋30は、ガラス張りの窓31と、扉32とを有する。そして、部屋30は、縦が4.7mであり、横が6.8mであるサイズを有する。また、部屋30の内部には、机40、観葉植物50、電子白板60,70およびテレビジョン80が設置されている。
【0021】
図2は、図1に示す送信機10の構成を示す概略図である。送信機10は、アレーアンテナ11に加えて、指向性切換手段12と、強度検出手段13と、検知手段14と、通信手段15とを備える。アレーアンテナ11は、アンテナ素子111〜117と、バラクタダイオード121〜126とを含む。アンテナ素子111〜117は、x軸、y軸およびz軸からなるxyz直交座標におけるz軸に沿ってx−y平面(所定平面)に配置される。
【0022】
図3は、図2に示すx−y平面におけるアンテナ素子111〜117の平面配置図である。アンテナ素子111〜116は、アンテナ素子117を中心にして正六角形に配置される。そして、アンテナ素子111〜116の各々とアンテナ素子117との間隔は、約λ/4(λ:アレーアンテナ11によって送受信される電波の波長)であり、アンテナ素子111〜116の配置間隔も、約λ/4である。
【0023】
再び、図2を参照して、アンテナ素子111〜116は、無給電素子であり、アンテナ素子117は、給電素子である。バラクタダイオード121〜126は、それぞれ、アンテナ素子111〜116と接地ノードGNDとの間に接続される。これによって、無給電素子であるアンテナ素子111〜116には、可変容量素子であるバラクタダイオード121〜126がそれぞれ装荷される。
【0024】
このように、アレーアンテナ11は、1本の給電素子(アンテナ素子117)と、6本の無給電素子(アンテナ素子111〜116)とからなる7本のアンテナ素子が給電素子を中心にして正六角形に配列された構造からなる。
【0025】
指向性切換手段12は、バラクタダイオード121〜126に制御電圧セットCVL0〜CVL6を供給し、アレーアンテナ11から放射されるビームを切換える。バラクタダイオード121〜126は、それぞれ、制御電圧セットCVL0〜CVL6によって容量(リアクタンス値)が変化する。
【0026】
制御電圧セットCV0〜CV6の各々は、6個のバラクタダイオード121〜126に対応して6個の電圧V1〜V6からなる。従って、6個の電圧V1〜V6は、それぞれ、バラクタダイオード121〜126へ供給される。
【0027】
そして、6個の電圧V1〜V6の各々は、例えば、−20Vまたは0Vの直流電圧からなる。バラクタダイオード121〜126の各々は、−20Vの直流電圧を受けると、リアクタンス値が最大(“hi”)になり、0Vの直流電圧を受けると、リアクタンス値が最小(“lo”)になる。
【0028】
各アンテナ素子111〜116は、装荷されたバラクタダイオードのリアクタンス値が最大になれば、導波器として機能し、装荷されたバラクタダイオードのリアクタンス値が最小になれば、反射器として機能する。
【0029】
従って、各アンテナ素子111〜116は、装荷されたバラクタダイオードに−20Vの直流電圧が印加されると、導波器として機能し、装荷されたバラクタダイオードに0Vの直流電圧が印加されると、反射器として機能する。
【0030】
そこで、指向性切換手段12は、制御電圧セットCV0〜CV6の各々を構成する電圧V1〜V6の電圧パターンを決定し、その決定した電圧パターンからなる制御電圧セットCV0〜CV6をバラクタダイオード121〜126へ順次供給する。
【0031】
より具体的には、指向性切換手段12は、バラクタダイオード121〜126におけるリアクタンス値xm1〜xm6からなるリアクタンスセットxが表1に示すように変化するように電圧V1〜V6を決定して制御電圧セットCVL0〜CVL6を生成し、その生成した制御電圧セットCVL0〜CVL6をバラクタダイオード121〜126へ供給する。
【0032】
【表1】

リアクタンス値xm1〜xm6の全てが“hi”であるとき(m=0)、アレーアンテナ11は、全方位に感度があるオムニパターン(無指向性のビームパターン)からなるビームBM0を放射する。また、リアクタンス値xm1が“hi”であり、リアクタンス値xm2〜xm6が“lo”であるとき(m=1)、アレーアンテナ11は、0度の方向DIR1に指向性を有する指向性ビームBM1を放射する。なお、アンテナ素子117からアンテナ素子111への方向を0度の方向とする(図3参照)。
【0033】
更に、リアクタンス値xm2が“hi”であり、リアクタンス値xm1,xm3〜xm6が“lo”であるとき(m=2)、アレーアンテナ11は、60度の方向DIR2に指向性を有する指向性ビームBM2を放射する。
【0034】
更に、リアクタンス値xm3が“hi”であり、リアクタンス値xm1,xm2,xm4〜xm6が“lo”であるとき(m=3)、アレーアンテナ11は、120度の方向DIR3に指向性を有する指向性ビームBM3を放射する。
【0035】
更に、リアクタンス値xm4が“hi”であり、リアクタンス値xm1〜xm3,xm5,xm6が“lo”であるとき(m=4)、アレーアンテナ11は、180度の方向DIR4に指向性を有する指向性ビームBM4を放射する。
【0036】
更に、リアクタンス値xm5が“hi”であり、リアクタンス値xm1〜xm4,xm6が“lo”であるとき(m=5)、アレーアンテナ11は、240度の方向DIR5に指向性を有する指向性ビームBM5を放射する。
【0037】
更に、リアクタンス値xm6が“hi”であり、リアクタンス値xm1〜xm5が“lo”であるとき(m=6)、アレーアンテナ11は、300度の方向DIR6に指向性を有する指向性ビームBM6を放射する(図3参照)。
【0038】
このように、指向性切換手段12は、無給電素子であるアンテナ素子111〜116に装荷されたバラクタダイオード121〜126のリアクタンス値xm1〜xm6を変えることによってアレーアンテナ11から放射される指向性ビームを切換える。
【0039】
そして、指向性切換手段12は、検知手段14からの切換信号EXDに応じて、上述した方法によってアレーアンテナ11から放射される指向性ビームを指向性ビームBM1〜BM6に切換える。
【0040】
また、指向性切換手段12は、検知手段14からの設定信号BSETに応じて、アレーアンテナ11の指向性ビームを所定の指向性ビームに設定する。
【0041】
強度検出手段13は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117(給電素子)と同軸ケーブルによって接続される。そして、強度検出手段13は、アレーアンテナ11が受信した電波をアンテナ素子117から受け、その受けた電波の受信電波強度RSSIを検出して検知手段14へ出力する。
【0042】
また、強度検出手段13は、受信信号強度RSSIを検出すると、電波の送信を要求するための送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0043】
検知手段14は、強度検出手段13から受けた受信電波強度RSSIに基づいて、後述する方法によって、侵入物の部屋30への侵入を検知する。また、検知手段14は、アレーアンテナ11の指向性ビームを所定の指向性ビームに設定するための設定信号BSET、またはアレーアンテナ11の指向性ビームを切換えるための切換信号EXDを生成して指向性切換手段12へ出力する。更に、検知手段14は、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0044】
通信手段15は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117(=給電素子)から電波RFを受ける。また、通信手段15は、強度検出手段13または検知手段14からの送信要求信号RTに応じて、電力をアンテナ素子117(=給電素子)に給電して電波RFを送信する。
【0045】
なお、アレーアンテナ11は、送信機10から受信機20への方向が0度の方向になるように配置される。
【0046】
図4は、図1に示す受信機20の構成を示す概略図である。受信機20は、アンテナ21と、強度検出手段22と、検知手段23と、通信手段24とを含む。アンテナ21は、無指向性のアンテナである。そして、アンテナ21は、送信機10からの電波RFを受信し、その受信した電波RFを強度検出手段22および通信手段24へ出力する。また、アンテナ21は、通信手段24からの電波RFを送信する。
【0047】
強度検出手段22は、アンテナ21から電波RFを受け、その受けた電波RFに基づいて、受信信号強度RSSIを検出する。そして、強度検出手段22は、その検出した受信信号強度RSSIを検知手段23へ出力する。また、強度検出手段22は、受信信号強度RSSIを検出すると、送信要求信号RTを生成して通信手段24へ出力する。
【0048】
検知手段23は、強度検出手段22から受信信号強度RSSIを受け、その受けた受信信号居度RSSIに基づいて、後述する方法によって、侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0049】
通信手段24は、アンテナ21から電波RFを受ける。また、通信手段24は、強度検出手段22から送信要求信号RTを受けると、電力をアンテナ21に給電して電波RFを送信する。
【0050】
送信機10の検知手段14および受信機20の検知手段23が侵入物の部屋30への侵入を検知する方法について説明する。検知手段14,23は、侵入物が部屋30へ侵入していないときの受信信号強度RSSIの平均値を演算し、その演算した平均値を基準値RSSI_stdとして保持する。そして、検知手段14,23は、それぞれ、強度検出手段13,22から受信した受信信号強度RSSIを基準値RSSI_stdと比較し、受信信号強度RSSIが基準値RSSI_stdから一定値以上変化したとき、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知する。一方、検知手段13,23は、受信信号強度RSSIの基準値RSSI_stdからの変化が一定値よりも小さいとき、侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0051】
侵入検知システム100において、アレーアンテナ11が無指向性で電波RFを送受信したときの送信機10および受信機20における侵入検知について説明する。
【0052】
この場合、送信機10の検知手段14は、アレーアンテナ11の指向性を無指向性に設定するための設定信号BSETを生成して指向性切換手段12へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0053】
そして、指向性切換手段12は、検知手段14からの設定信号BSETに応じて、制御電圧セットCVL0(xm1〜xm6=hiを設定するための制御電圧セット)を生成してバラクタダイオード121〜126へ出力する。バラクタダイオード121〜126は、指向性切換手段12からの制御電圧セットCVL0に応じて、アレーアンテナ11の指向性を無指向性に設定する。
【0054】
また、通信手段15は、検知手段14からの送信要求信号RTに応じて、アレーアンテナ11のアンテナ素子117に給電してパケットを構成する電波RFを送信する。
【0055】
そうすると、アレーアンテナ11は、通信手段15から受けた電波RFを無指向性で送信する。
【0056】
受信機20のアンテナ21は、送信機10から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFを強度検出手段22へ出力する。強度検出手段22は、アンテナ21から受けた電波RFの受信信号強度RSSI_RXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_RXを検知手段23へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段24へ出力する。
【0057】
検知手段23は、強度検出手段22から受信信号強度RSSI_RXを受け、その受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較する。そして、検知手段23は、受信信号強度RSSI_RXが基準値RSSI_stdから一定値以上変化しているとき、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知し、受信信号強度RSSI_RXの基準値RSSI_stdからの変化が一定値よりも小さいとき、侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0058】
一方、通信手段24は、強度検出手段22から送信要求信号RTを受けると、アンテナ21へ給電してパケットを構成する電波RFを送信する。
【0059】
送信機10のアレーアンテナ11は、受信機20から送信された電波RFを無指向性で受信し、その受信した電波RFをアンテナ素子117から強度検出手段13へ出力する。
【0060】
強度検出手段13は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117から電波RFを受けると、その受けた電波RFの受信信号強度RSSI_TXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_TXを検知手段14へ出力する。また、強度検出手段13は、受信信号強度RSSI_TXを検出すると、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0061】
検知手段14は、強度検出手段13から受信信号強度RSSI_TXを受け、その受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較する。そして、検知手段14は、受信信号強度RSSI_TXが基準値RSSI_stdから一定値以上変化しているとき、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知し、受信信号強度RSSI_TXの基準値RSSI_stdからの変化が一定値よりも小さいとき、侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0062】
一方、通信手段15は、強度検出手段13からの送信要求信号RTに応じて、アレーアンテナ11のアンテナ素子117に給電してパケットを構成する電波RFを送信する。
【0063】
送信機10および受信機20は、上述した動作を繰り返して侵入物が部屋30へ侵入したことを検知する。
【0064】
図5は、アレーアンテナ11が無指向性で電波RFを送受信したときの侵入検知の実験結果を示す図である。
【0065】
図5の(a)は、送信機10における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示し、図5の(b)は、受信機20における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示す。
【0066】
なお、図5の(a),(b)において、縦軸は、受信信号強度を表し、横軸は、パケットの送受信回数を表す。
【0067】
図5の(a)において、領域REG1,REG3は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG2は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。また、図5の(b)において、領域REG4,REG6は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG5は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。
【0068】
従って、送信機10の検知手段14は、領域REG1,REG3においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG2においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0069】
また、受信機20の検知手段23は、領域REG4,REG6においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG5においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0070】
送信機10において、基準値RSSI_stdは、領域REG2における受信信号強度RSSI_TXに基づいて演算され、領域REG1,REG3における受信信号強度RSSI_TXは、領域REG2における受信信号強度RSSI_TXと大きく異なるので、送信機10の検知手段14は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0071】
また、受信機20において、基準値RSSI_stdは、領域REG5における受信信号強度RSSI_RXに基づいて演算され、領域REG4,REG6における受信信号強度RSSI_RXは、領域REG5における受信信号強度RSSI_RXと大きく異なるので、受信機20の検知手段23は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0072】
図5に示したように、アレーアンテナ11が無指向性で電波RFを送受信したとき、領域REG2における受信信号強度RSSI_TXおよび領域REG5における受信信号強度RSSI_RXは、約3〜5dBの幅で変動する。
【0073】
侵入検知システム100においては、送信機10がアレーアンテナ11の指向性を各種のパターンに設定してパケットを受信機20へ送受信したときの受信信号強度RSSIに基づいて、侵入物の部屋30への侵入が検知される。以下、その各種のパターンについて説明する。
【0074】
(パターン1)
パターン1においては、送信機10は、アレーアンテナ11の指向性を1つの指向性に設定してパケットを受信機20へ送受信する。この場合、送信機10は、例えば、アレーアンテナ11の指向性を受信機20と反対方向(=180度の方向)に設定してパケットを送受信する。
【0075】
送信機10の検知手段14は、アレーアンテナ11の指向性を180度の方向に設定するための設定信号BSETを生成して指向性切換手段12へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0076】
そして、指向性切換手段12は、検知手段14からの設定信号BSETに応じて、制御電圧セットCVL4(xm4=hi、xm1〜xm3,xm5,xm6=loを設定するための制御電圧セット)を生成してバラクタダイオード121〜126へ出力する。バラクタダイオード121〜126は、指向性切換手段12からの制御電圧セットCVL4に応じて、アレーアンテナ11の指向性を180度の方向に設定する。
【0077】
また、通信手段15は、検知手段14からの送信要求信号RTに応じて、パケットを構成する電波RFをアレーアンテナ11のアンテナ素子117に給電する。
【0078】
そうすると、アレーアンテナ11は、通信手段15から受けた電波RFを180度の方向へ向けて送信する。
【0079】
受信機20のアンテナ21は、送信機10から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFを強度検出手段22へ出力する。強度検出手段22は、アンテナ21から受けた電波RFの受信信号強度RSSI_RXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_RXを検知手段23へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段24へ出力する。
【0080】
検知手段23は、強度検出手段22から受信信号強度RSSI_RXを受け、その受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較する。そして、検知手段23は、受信信号強度RSSI_RXが基準値RSSI_stdから一定値以上変化しているとき、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知し、受信信号強度RSSI_RXの基準値RSSI_stdからの変化が一定値よりも小さいとき、侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0081】
一方、通信手段24は、強度検出手段22から送信要求信号RTを受けると、アンテナ21に給電してパケットを構成する電波RFを送信する。
【0082】
送信機10のアレーアンテナ11は、180度の方向に指向性を設定して受信機20から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFをアンテナ素子117から強度検出手段13へ出力する。
【0083】
強度検出手段13は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117から電波RFを受けると、その受けた電波RFの受信信号強度RSSI_TXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_TXを検知手段14へ出力する。また、強度検出手段13は、受信信号強度RSSI_TXを検出すると、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0084】
検知手段14は、強度検出手段13から受信信号強度RSSI_TXを受け、その受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較する。そして、検知手段14は、受信信号強度RSSI_TXが基準値RSSI_stdから一定値以上変化しているとき、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知し、受信信号強度RSSI_TXの基準値RSSI_stdからの変化が一定値よりも小さいとき、侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0085】
一方、通信手段15は、強度検出手段13からの送信要求信号RTに応じて、アレーアンテナ11のアンテナ素子117に給電してパケットを構成する電波RFを送信する。
【0086】
送信機10および受信機20は、上述した動作を繰り返して侵入物が部屋30へ侵入したことを検知する。
【0087】
図6は、パターン1における侵入検知の実験結果を示す図である。図6の(a)は、送信機10における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示し、図6の(b)は、受信機20における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示す。
【0088】
なお、図6の(a),(b)において、縦軸は、受信信号強度を表し、横軸は、パケットの送受信回数を表す。
【0089】
図6の(a)において、領域REG7,REG9は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG8は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。また、図6の(b)において、領域REG10,REG12は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG11は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。
【0090】
従って、送信機10の検知手段14は、領域REG7,REG9においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG8においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0091】
また、受信機20の検知手段23は、領域REG10,REG12においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG11においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0092】
送信機10において、基準値RSSI_stdは、領域REG8における受信信号強度RSSI_TXに基づいて演算され、領域REG7,REG9における受信信号強度RSSI_TXは、領域REG8における受信信号強度RSSI_TXと大きく異なるので、送信機10の検知手段14は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0093】
また、受信機20において、基準値RSSI_stdは、領域REG11における受信信号強度RSSI_RXに基づいて演算され、領域REG10,REG12における受信信号強度RSSI_RXは、領域REG11における受信信号強度RSSI_RXと大きく異なるので、受信機20の検知手段23は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0094】
そして、領域REG8,REG11における受信信号強度の変動幅は、アレーアンテナ11が無指向性で電波RFを送受信したときの受信信号強度の変動幅(図5参照)よりも小さいので、指向性のアレーアンテナ11によって電波RFを送受信することによって、侵入物の部屋30への侵入検知能力を向上できる。
【0095】
(パターン2)
パターン2においては、送信機10のアレーアンテナ11は、1回の通信ごとに指向性を2つの指向性に切換えて電波RFを送受信する。この場合、送信機10は、1回の通信ごとに、例えば、アレーアンテナ11の指向性を受信機20の方向=0度の方向)と、受信機20と反対方向(=180度の方向)とに切換えてパケットを送受信する。
【0096】
送信機10の検知手段14は、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向に設定するための設定信号BSET1(設定信号BSETの一種)を生成して指向性切換手段12へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0097】
そして、指向性切換手段12は、検知手段14からの設定信号BSET1に応じて、制御電圧セットCVL1(xm1=hi、xm2〜xm6=loを設定するための制御電圧セット)を生成してバラクタダイオード121〜126へ出力する。バラクタダイオード121〜126は、指向性切換手段12からの制御電圧セットCVL1に応じて、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向に設定する。
【0098】
また、通信手段15は、検知手段14からの送信要求信号RTに応じて、パケットを構成する電波RFをアレーアンテナ11のアンテナ素子117へ給電する。
【0099】
そうすると、アレーアンテナ11は、通信手段15から受けた電波RFを0度の方向へ向けて送信する。
【0100】
受信機20のアンテナ21は、送信機10から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFを強度検出手段22へ出力する。強度検出手段22は、アンテナ21から受けた電波RFの受信信号強度RSSI_RXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_RXを検知手段23へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段24へ出力する。
【0101】
検知手段23は、強度検出手段22から受信信号強度RSSI_RXを受け、その受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較する。そして、検知手段23は、受信信号強度RSSI_RXが基準値RSSI_stdから一定値以上変化しているとき、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知し、受信信号強度RSSI_RXの基準値RSSI_stdからの変化が一定値よりも小さいとき、侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0102】
一方、通信手段24は、強度検出手段22から送信要求信号RTを受けると、パケットを構成する電波RFをアンテナ21へ給電してパケットを送信する。
【0103】
送信機10のアレーアンテナ11は、0度の方向に指向性を設定して受信機20から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFをアンテナ素子117から強度検出手段13へ出力する。
【0104】
強度検出手段13は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117から電波RFを受けると、その受けた電波RFの受信信号強度RSSI_TXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_TXを検知手段14へ出力する。また、強度検出手段13は、受信信号強度RSSI_TXを検出すると、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0105】
検知手段14は、強度検出手段13から受信信号強度RSSI_TXを受け、その受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較する。そして、検知手段14は、受信信号強度RSSI_TXが基準値RSSI_stdから一定値以上変化しているとき、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知し、受信信号強度RSSI_TXの基準値RSSI_stdからの変化が一定値よりも小さいとき、侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0106】
検知手段14は、侵入物の部屋30への侵入検知が終了すると、アレーアンテナ11の指向性を180度の方向に設定するための設定信号BSET2(設定信号BSETの一種)を生成して指向性切換手段12へ出力する。
【0107】
そして、指向性切換手段12は、検知手段14からの設定信号BSET2に応じて、制御電圧セットCVL4(xm4=hi、xm1〜xm3,xm5,xm6=loを設定するための制御電圧セット)を生成してバラクタダイオード121〜126へ出力する。バラクタダイオード121〜126は、指向性切換手段12からの制御電圧セットCVL4に応じて、アレーアンテナ11の指向性を180度の方向に設定する。
【0108】
また、通信手段15は、強度検出手段13からの送信要求信号RTに応じて、パケットを構成する電波RFをアレーアンテナ11のアンテナ素子117へ給電する。
【0109】
そうすると、アレーアンテナ11は、通信手段15から受けた電波RFを180度の方向へ向けて送信する。
【0110】
受信機20のアンテナ21は、送信機10から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFを強度検出手段22へ出力する。強度検出手段22は、アンテナ21から受けた電波RFの受信信号強度RSSI_RXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_RXを検知手段23へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段24へ出力する。
【0111】
検知手段23は、強度検出手段22から受信信号強度RSSI_RXを受け、その受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較する。そして、検知手段23は、受信信号強度RSSI_RXが基準値RSSI_stdから一定値以上変化しているとき、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知し、受信信号強度RSSI_RXの基準値RSSI_stdからの変化が一定値よりも小さいとき、侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0112】
一方、通信手段24は、強度検出手段22から送信要求信号RTを受けると、パケットを構成する電波RFをアンテナ21へ給電してパケットを送信する。
【0113】
送信機10のアレーアンテナ11は、180度の方向に指向性を設定して受信機20から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFをアンテナ素子117から強度検出手段13へ出力する。
【0114】
強度検出手段13は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117から電波RFを受けると、その受けた電波RFの受信信号強度RSSI_TXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_TXを検知手段14へ出力する。また、強度検出手段13は、受信信号強度RSSI_TXを検出すると、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0115】
検知手段14は、強度検出手段13から受信信号強度RSSI_TXを受け、その受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較する。そして、検知手段14は、受信信号強度RSSI_TXが基準値RSSI_stdから一定値以上変化しているとき、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知し、受信信号強度RSSI_TXの基準値RSSI_stdからの変化が一定値よりも小さいとき、侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0116】
図7は、パターン2における侵入検知の実験結果を示す第1の図である。また、図8は、パターン2における侵入検知の実験結果を示す第2の図である。
【0117】
図7の(a)および図8の(a)は、送信機10における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示し、図7の(b)および図8の(b)は、受信機20における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示す。
【0118】
なお、図7の(a),(b)および図8の(a),(b)において、縦軸は、受信信号強度を表し、横軸は、パケットの送受信回数を表す。
【0119】
図7の(a)において、領域REG13,REG15は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG14は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。また、図7の(b)において、領域REG16,REG18は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG17は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。
【0120】
図8の(a)において、領域REG19,REG21は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG20は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。また、図8の(b)において、領域REG22,REG24は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG23は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。
【0121】
従って、送信機10の検知手段14は、領域REG13,REG15;REG19,REG21においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG14;REG20においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0122】
また、受信機20の検知手段23は、領域REG16,REG18;REG22,REG24においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG17;REG23においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0123】
送信機10において、基準値RSSI_stdは、領域REG14;REG20における受信信号強度RSSI_TXに基づいて演算され、領域REG13,REG15;REG19,REG21における受信信号強度RSSI_TXは、領域REG14;REG20における受信信号強度RSSI_TXと大きく異なるので、送信機10の検知手段14は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0124】
また、受信機20において、基準値RSSI_stdは、領域REG17;REG23における受信信号強度RSSI_RXに基づいて演算され、領域REG16,REG18;REG22,REG24における受信信号強度RSSI_RXは、領域REG17;REG23における受信信号強度RSSI_RXと大きく異なるので、受信機20の検知手段23は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0125】
そして、領域REG14,REG17,REG20,REG23における受信信号強度の変動幅は、アレーアンテナ11が無指向性で電波RFを送受信したときの受信信号強度の変動幅(図5参照)よりも小さいので、指向性のアレーアンテナ11によって電波RFを送受信することによって、侵入物の部屋30への侵入検知能力を向上できる。
【0126】
このように、アレーアンテナ11が1回の通信ごとに指向性を2つの指向性に切換えて電波RFを送受信したときも、送信機10および受信機20は、侵入物の部屋30への侵入を正確に検知できる。
【0127】
また、図7および図8に示す実験結果から、送信機10および受信機20は、再現性良く侵入を検知できる。
【0128】
なお、上記においては、アレーアンテナ11の指向性は、1回の通信ごとに、0度の方向および180度の方向に切換えられると説明したが、この発明においては、これに限らず、アレーアンテナ11の指向性は、1回の通信ごとに、0度の方向、60度の方向、120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向から任意に選択された2つの方向に切換えられればよい。
【0129】
(パターン3)
パターン3においては、送信機10は、128回の通信ごとにアレーアンテナ11の指向性を6個の方向に切換えて電波RFを送受信する。この場合、送信機10は、128回の通信ごとに、例えば、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向、60度の方向、120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向へ順次切換える。
【0130】
送信機10の検知手段14は、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向に設定するための設定信号BSETを生成して指向性切換手段12へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0131】
そして、指向性切換手段12は、検知手段14からの設定信号BSETに応じて、制御電圧セットCVL1(xm1=hi、xm2〜xm6=loを設定するための制御電圧セット)を生成してバラクタダイオード121〜126へ出力する。バラクタダイオード121〜126は、指向性切換手段12からの制御電圧セットCVL1に応じて、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向に設定する。
【0132】
また、通信手段15は、検知手段14からの送信要求信号RTに応じて、パケットを構成する電波RFをアレーアンテナ11のアンテナ素子117へ給電する。
【0133】
そうすると、アレーアンテナ11は、通信手段15から受けた電波RFを0度の方向へ向けて送信する。
【0134】
受信機20のアンテナ21は、送信機10から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFを強度検出手段22へ出力する。強度検出手段22は、アンテナ21から受けた電波RFの受信信号強度RSSI_RXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_RXを検知手段23へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段24へ出力する。
【0135】
検知手段23は、強度検出手段22から受信信号強度RSSI_RXを受けると、受信信号強度RSSI_RXおよび基準値RSSI_stdに基づいて、上述した方法によって、侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0136】
一方、通信手段24は、強度検出手段22から送信要求信号RTを受けると、パケットを構成する電波RFをアンテナ21へ給電してパケットを送信する。
【0137】
送信機10のアレーアンテナ11は、受信機20から送信された電波RFを0度の方向に指向性を設定して受信し、その受信した電波RFをアンテナ素子117から強度検出手段13へ出力する。
【0138】
強度検出手段13は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117から電波RFを受けると、その受けた電波RFの受信信号強度RSSI_TXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_TXを検知手段14へ出力する。また、強度検出手段13は、受信信号強度RSSI_TXを検出すると、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0139】
検知手段14は、強度検出手段13から受信信号強度RSSI_TXを受けると、受信信号強度RSSI_TXおよび基準値RSSI_stdに基づいて、上述した方法によって、侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0140】
送信機10および受信機20は、アレーアンテナ11の指向性が0度の方向に設定された状態で、上述した動作を128回繰り返し行なう。
【0141】
そして、検知手段14は、強度検出手段13から128個目の受信信号強度RSSI_TXを受けると、アレーアンテナ11の指向性を60度の方向に切換えるための切換信号EXDを生成して指向性切換手段12へ出力する。
【0142】
そして、指向性切換手段12は、検知手段14からの切換信号EXDに応じて、制御電圧セットCVL2(xm2=hi、xm1,xm3〜xm6=loを設定するための制御電圧セット)を生成してバラクタダイオード121〜126へ出力する。バラクタダイオード121〜126は、指向性切換手段12からの制御電圧セットCVL2に応じて、アレーアンテナ11の指向性を60度の方向に設定する。
【0143】
そして、送信機10および受信機20は、アレーアンテナ11の指向性が60度の方向に設定された状態で上述した動作を128回繰り返し行ない、侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0144】
その後、送信機10および受信機20は、アレーアンテナ11の指向性が120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に設定された状態でそれぞれ上述した動作を128回繰り返し行ない、侵入物の部屋30への侵入を検知する。この場合、送信機10の検知手段14は、128個の受信信号強度RSSI_TXを強度検出手段13から受けるごとに切換信号EXDを生成して指向性切換手段12へ出力し、指向性切換手段12は、切換信号EXDに応じてアレーアンテナ11の指向性を120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に順次設定する。
【0145】
図9から図14は、それぞれ、パターン3における侵入検知の実験結果を示す第1から第6の図である。
【0146】
図9から図14において、(a)は、送信機10における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示し、(b)は、受信機20における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示す。
【0147】
なお、図9から図14の(a),(b)において、縦軸は、受信信号強度を表し、横軸は、パケットの送受信回数を表す。
【0148】
図9の(a)において、領域REG25,REG27は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG26は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。また、図9の(b)において、領域REG28,REG30は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG29は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。
【0149】
同様に、図10の領域REG31,REG33,REG34,REG36、図11の領域REG37,REG39,REG40,REG42、図12の領域REG43,REG45,REG46,REG48、図13の領域REG49,REG51,REG52,REG54および図14の領域REG55,REG57,REG58,REG60は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、図10の領域REG32,REG35、図11の領域REG38,REG41、図12の領域REG44,REG47、図13の領域REG50,REG53および図14の領域REG56,REG59は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。
【0150】
従って、送信機10の検知手段14は、領域REG25,REG27;REG31,REG33;REG37,REG39;EG43,REG45;REG49,REG51;REG55,REG57においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG26,REG32,REG38,REG44,REG50,REG56においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0151】
また、受信機20の検知手段23は、領域REG28,REG30;REG34,REG36;REG40,REG42;REG46,REG48;REG52,REG54;REG58,REG60においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG29,REG35,REG41,REG47,REG53,REG59においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0152】
送信機10において、基準値RSSI_stdは、領域REG26,REG32,REG38,REG44,REG50,REG56における受信信号強度RSSI_TXに基づいて演算され、領域REG25,REG27;REG31,REG33;REG37,REG39;EG43,REG45;REG49,REG51;REG55,REG57における受信信号強度RSSI_TXは、領域REG26,REG32,REG38,REG44,REG50,REG56における受信信号強度RSSI_TXと大きく異なるので、送信機10の検知手段14は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0153】
また、受信機20において、基準値RSSI_stdは、領域REG29,REG35,REG41,REG47,REG53,REG59における受信信号強度RSSI_RXに基づいて演算され、領域REG28,REG30;REG34,REG36;REG40,REG42;REG46,REG48;REG52,REG54;REG58,REG60における受信信号強度RSSI_RXは、領域REG29,REG35,REG41,REG47,REG53,REG59における受信信号強度RSSI_RXと大きく異なるので、受信機20の検知手段23は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0154】
そして、領域REG26,REG29,REG32,REG35,REG38,REG41,REG44,REG47,REG50,REG53,REG56,REG59における受信信号強度の変動幅は、アレーアンテナ11が無指向性で電波RFを送受信したときの受信信号強度の変動幅(図5参照)よりも小さいので、指向性のアレーアンテナ11によって電波RFを送受信することによって、侵入物の部屋30への侵入検知能力を向上できる。
【0155】
このように、アレーアンテナ11が128回の通信ごとに指向性を6個の指向性に順次切換えて電波RFを送受信したときも、送信機10および受信機20は、侵入物の部屋30への侵入を正確に検知できる。
【0156】
また、図9から図14に示す実験結果から、送信機10および受信機20は、再現性良く侵入を検知できる。
【0157】
(パターン4)
パターン4においては、送信機10は、1回の通信ごとにアレーアンテナ11の指向性を6個の方向に切換えて電波RFを送受信する。この場合、送信機10は、1回の通信ごとに、例えば、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向、60度の方向、120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向へ順次切換える。
【0158】
送信機10の検知手段14は、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向に設定するための設定信号BSETを生成して指向性切換手段12へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0159】
そして、指向性切換手段12は、検知手段14からの設定信号BSETに応じて、制御電圧セットCVL1(xm1=hi、xm2〜xm6=loを設定するための制御電圧セット)を生成してバラクタダイオード121〜126へ出力する。バラクタダイオード121〜126は、指向性切換手段12からの制御電圧セットCVL1に応じて、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向に設定する。
【0160】
また、通信手段15は、検知手段14からの送信要求信号RTに応じて、パケットを構成する電波RFをアレーアンテナ11のアンテナ素子117へ給電する。
【0161】
そうすると、アレーアンテナ11は、通信手段15から受けた電波RFを0度の方向へ向けて送信する。
【0162】
受信機20のアンテナ21は、送信機10から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFを強度検出手段22へ出力する。強度検出手段22は、アンテナ21から受けた電波RFの受信信号強度RSSI_RXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_RXを検知手段23へ出力するとともに、送信要求信号RTを生成して通信手段24へ出力する。
【0163】
検知手段23は、強度検出手段22から受信信号強度RSSI_RXを受けると、受信信号強度RSSI_RXおよび基準値RSSI_stdに基づいて、上述した方法によって、侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0164】
一方、通信手段24は、強度検出手段22から送信要求信号RTを受けると、パケットを構成する電波RFをアンテナ21へ給電してパケットを送信する。
【0165】
送信機10のアレーアンテナ11は、受信機20から送信された電波RFを0度の方向に指向性を設定して受信し、その受信した電波RFをアンテナ素子117から強度検出手段13へ出力する。
【0166】
強度検出手段13は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117から電波RFを受けると、その受けた電波RFの受信信号強度RSSI_TXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_TXを検知手段14へ出力する。また、強度検出手段13は、受信信号強度RSSI_TXを検出すると、送信要求信号RTを生成して通信手段15へ出力する。
【0167】
検知手段14は、強度検出手段13から受信信号強度RSSI_TXを受けると、受信信号強度RSSI_TXおよび基準値RSSI_stdに基づいて、上述した方法によって、侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0168】
そして、検知手段14は、侵入物の部屋30への侵入検知が終了すると、アレーアンテナ11の指向性を60度の方向に切換えるための切換信号EXDを生成して指向性切換手段12へ出力する。
【0169】
指向性切換手段12は、検知手段14からの切換信号EXDに応じて、制御電圧セットCVL2(xm2=hi、xm1,xm3〜xm6=loを設定するための制御電圧セット)を生成してバラクタダイオード121〜126へ出力する。バラクタダイオード121〜126は、指向性切換手段12からの制御電圧セットCVL2に応じて、アレーアンテナ11の指向性を60度の方向に設定する。
【0170】
そして、送信機10および受信機20は、アレーアンテナ11の指向性が60度の方向に設定された状態で上述した動作を行ない、侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0171】
その後、送信機10および受信機20は、アレーアンテナ11の指向性が120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に設定された状態でそれぞれ上述した動作を繰り返し行ない、侵入物の部屋30への侵入を検知する。この場合、送信機10の検知手段14は、1個の受信信号強度RSSI_TXを強度検出手段13から受けるごとに切換信号EXDを生成して指向性切換手段12へ出力し、指向性切換手段12は、切換信号EXDに応じてアレーアンテナ11の指向性を120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に順次設定する。
【0172】
図15から図20は、それぞれ、パターン4における侵入検知の実験結果を示す第1から第6の図である。
【0173】
図15から図20において、(a)は、送信機10における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示し、(b)は、受信機20における受信信号強度とパケットの送受信回数との関係を示す。
【0174】
なお、図15から図20の(a),(b)において、縦軸は、受信信号強度を表し、横軸は、パケットの送受信回数を表す。
【0175】
図15の(a)において、領域REG61,REG63は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG62は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。また、図15の(b)において、領域REG64,REG66は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、領域REG65は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。
【0176】
同様に、図16の領域REG67,REG69,REG70,REG72、図17の領域REG73,REG75,REG76,REG78、図18の領域REG79,REG81,REG82,REG84、図19の領域REG85,REG87,REG88,REG90および図20の領域REG91,REG93,REG94、REG96は、侵入物が部屋30へ侵入している状態を表し、図16の領域REG68,REG71、図17の領域REG74,REG77、図18の領域REG80,REG83、図19の領域REG86,REG89および図20の領域REG92,REG95は、侵入物が部屋30へ侵入していない状態を表す。
【0177】
従って、送信機10の検知手段14は、領域REG61,REG63;REG67,REG69;REG73,REG75;EG79,REG81;REG85,REG87;REG91,REG93においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG62,REG68,REG74,REG80,REG86,REG92においては、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_TXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0178】
また、受信機20の検知手段23は、領域REG64,REG66;REG70,REG72;REG76,REG78;REG82,REG84;REG88,REG90;REG94,REG96においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していることを検知し、領域REG65,REG71,REG77,REG83,REG89,REG95においては、強度検出手段22から受けた受信信号強度RSSI_RXを基準値RSSI_stdと比較して侵入物が部屋30へ侵入していないことを検知する。
【0179】
送信機10において、基準値RSSI_stdは、領域REG62,REG68,REG74,REG80,REG86,REG92における受信信号強度RSSI_TXに基づいて演算され、領域REG61,REG63;REG67,REG69;REG73,REG75;REG79,REG81;REG85,REG87;REG91,REG93における受信信号強度RSSI_TXは、領域REG62,REG68,REG74,REG80,REG86,REG92における受信信号強度RSSI_TXと大きく異なるので、送信機10の検知手段14は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0180】
また、受信機20において、基準値RSSI_stdは、領域REG65,REG71,REG77,REG83,REG89,REG95における受信信号強度RSSI_RXに基づいて演算され、領域REG64,REG66;REG70,REG72;REG76,REG78;REG82,REG84;REG88,REG90;REG94,REG96における受信信号強度RSSI_RXは、領域REG65,REG71,REG77,REG83,REG89,REG95における受信信号強度RSSI_RXと大きく異なるので、受信機20の検知手段23は、上述した方法によって、侵入物が部屋30へ侵入したことを正確に検知できる。
【0181】
そして、領域REG62,REG65,REG68,REG71,REG74,REG77,REG80,REG83,REG86,REG89,REG92,REG95における受信信号強度の変動幅は、アレーアンテナ11が無指向性で電波RFを送受信したときの受信信号強度の変動幅(図5参照)よりも小さいので、指向性のアレーアンテナ11によって電波RFを送受信することによって、侵入物の部屋30への侵入検知能力を向上できる。
【0182】
このように、アレーアンテナ11が1回の通信ごとに指向性を6個の指向性に順次切換えて電波RFを送受信したときも、送信機10および受信機20は、侵入物の部屋30への侵入を正確に検知できる。
【0183】
また、図15から図20に示す実験結果から、送信機10および受信機20は、再現性良く侵入を検知できる。
【0184】
なお、上述したパターン3およびパターン4においては、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向、60度の方向、120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に順次切換えると説明したが、この発明においては、これに限らず、パターン3およびパターン4においては、アレーアンテナ11の指向性は、任意の順序で6個の指向性に切換えられてもよい。
【0185】
また、上述したパターン3においては、128回の通信ごとにアレーアンテナ11の指向性を6個の指向性に切換え、パターン4においては、1回の通信ごとにアレーアンテナ11の指向性を6個の指向性に切換えると説明したが、この発明においては、アレーアンテナ11の指向性は、任意の通信回数ごとに任意数の指向性に切換えられてもよい。
【0186】
更に、上記においては、受信機20は、無指向性のアンテナ21によって電波RFを送受信すると説明したが、この発明においては、これに限らず、受信機20は、指向性のアンテナによって電波RFを送受信してもよい。この場合、受信機20は、1個の指向性において電波RFを送受信した後、アンテナの指向性を次の指向性に切換える。
【0187】
更に、上記においては、送信機10および受信機20は、相互に電波RFを送受信して侵入物の部屋30への侵入を検知すると説明したが、この発明においては、これに限らず、送信機10は、電波RFの送信のみを行ない、受信機20は、電波RFの受信のみを行なって上述した方法によって侵入物の部屋30への侵入を検知するようにしてもよい。
【0188】
上述したように、実施の形態1によれば、アレーアンテナ11によって指向性を有する電波RFを送信し、指向性を有する電波RFの受信信号強度RSSIが基準値RSSI_std(=侵入物が侵入していないときの受信信号強度)から一定値以上変化しているとき、侵入物の部屋30への侵入が検知される。そして、指向性を有する電波RFの受信信号強度RSSIの変動幅は、無指向性で送信された電波RFの受信信号強度の変動幅よりも小さい。
【0189】
従って、この発明によれば、侵入物の検知能力を向上できる。
【0190】
[実施の形態2]
図21は、実施の形態2による侵入検知システムの構成を示す概略図である。実施の形態2による侵入検知システム100Aは、図1に示す侵入検知システム100に受信機90,130を追加したものであり、その他は、侵入検知システム100と同じである。
【0191】
送信機10および受信機20,90,130は、部屋30内に配置される。受信機90は、無指向性のアンテナ91を有し、アンテナ91を介して電波を送受信する。受信機130は、無指向性のアンテナ131を有し、アンテナ131を介して電波を送受信する。
【0192】
そして、受信機90,130の各々は、図4に示す受信機20と同じ構成からなる。
【0193】
侵入検知システム100Aにおいては、送信機10は、アレーアンテナ11の指向性を所定の指向性に設定して電波RFを送受信し、受信機20,90,130は、それぞれ、アンテナ21,91,131を介して電波RFを送受信する。そして、送信機10および受信機20,90,130は、受信した電波RFの受信信号強度RSSIを検出して侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0194】
この場合、送信機10および受信機20,90,130は、実施の形態1において説明したパターン1〜パターン4を用いて侵入物の部屋30への侵入を検知する。
【0195】
このように、侵入検知システム100Aは、送信機10と、複数の受信機20,90,130とを備えた侵入検知システムである。そして、複数の受信機20,90,130を備えることによって、部屋30の複数の場所において侵入物が部屋30へ侵入したときの電波RFの変化を検出できるので、侵入検知の能力を更に向上できる。
【0196】
侵入検知システム100Aにおいては、送信機10が指向性のアレーアンテナ11を介して電波RFを送信する機能のみを有し、受信機20,90,130が送信機10から送信された電波RFの受信信号強度RSSIを検出して侵入物の部屋30への侵入を検知する機能を有するようにしてもよい。
【0197】
また、受信機20,90,130は、指向性のアンテナを有していてもよい。
【0198】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0199】
[実施の形態3]
図22は、実施の形態3による侵入検知システムの構成を示す概略図である。実施の形態3による侵入検知システム100Bは、図1に示す侵入検知システム100にネットワーク140、カメラ150および警備部門160を追加したものであり、その他は、侵入検知システム100と同じである。
【0200】
侵入検知システム100Bにおいては、送信機10、受信機20およびカメラ150は、部屋30内に配置され、警備部門160は、部屋30外に設置される。そして、送信機10、受信機20、カメラ150および警備部門160は、ネットワーク140に接続される。
【0201】
送信機10および受信機20は、上述した方法によって、侵入物の部屋30への侵入を検知するとともに、侵入物の部屋30への侵入を検知すると、侵入物が部屋30へ侵入したことを示す信号INVDをネットワーク140を介してカメラ150へ送信する。
【0202】
カメラ150は、送信機10または受信機20から信号INVDを受信すると、部屋30内の映像を撮影し、その撮影した映像をネットワーク140を介して警備部門160へ送信する。
【0203】
警備部門160は、ネットワーク140を介してカメラ150から部屋30内の映像を受け、その受けた映像をCRT161に写す。これによって、警備部門160の警備員は、侵入物が部屋30へ侵入したことを検知し、部屋30へ駆けつける。そして、警備員は、侵入物を排除する。
【0204】
このように、実施の形態3による侵入検知システム100Bは、侵入物の部屋30への侵入を検知するとともに、侵入物を排除する機能を有するものである。
【0205】
[実施の形態4]
図23は、実施の形態4による侵入検知システムの構成を示す概略図である。実施の形態4による侵入検知システム100Cは、送信機170と受信機180とを備える。
【0206】
送信機170および受信機180は、部屋30内に設置される。そして、送信機170および受信機180は、アレーアンテナ11を有する。
【0207】
送信機170は、アレーアンテナ11を介して電波RFを送受信するとともに、受信した電波RFの受信信号強度RSSIに基づいて、後述する方法によって、侵入物の部屋30への侵入および侵入位置を検知する。
【0208】
また、受信機180は、アレーアンテナ11を介して電波RFを送受信するとともに、受信した電波RFの受信信号強度RSSIに基づいて、後述する方法によって、侵入物の部屋30への侵入および侵入位置を検知する。
【0209】
図24は、図23に示す送信機170の構成を示す概略図である。送信機170は、図2に示す送信機10の検知手段14を検知手段14Aに代えたものであり、その他は、送信機10と同じである。
【0210】
検知手段14Aは、侵入物が部屋30の各位置へ侵入したときの複数の受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14を予め保持しており、強度検出手段13から受信信号強度RSSI_TXを受けると、その受けた受信信号強度RSSI_TXに一致する侵入時の受信信号強度RSSI_INVDを複数の受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14の中から検出して侵入および侵入位置を検知する。この場合、複数の受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14の各々は、アレーアンテナ11の6個の指向性で受信した6個の受信信号強度のうち、基準値RSSI_std(侵入がないときの受信信号強度の平均値)からの変化が最も大きい受信信号強度である。そして、複数の受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14の各々は、部屋30内の各位置PS1〜PS14に障害物を実際に配置したときの受信信号強度RSSIの実測値から決定された値からなる。
【0211】
具体的に説明する。図25は、侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示すテーブルの概念図である。強度検出手段13は、侵入物が部屋30の各位置PS1〜PS14に侵入したときの受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14を予め検出し、検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14を予め保持している。また、検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14と位置PS1〜PS14との対応関係を示すテーブルTBL1(図25参照)も予め保持している。
【0212】
そして、検知手段14Aは、一定時間ごとに強度検出手段13から受信信号強度RSSI_TXを受け、その受けた受信信号強度RSSI_TXを複数の受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14と比較し、複数の受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14の中から受信信号強度RSSI_TXに一致する受信信号強度RSSI_INVD(受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14のいずれか)を検出する。例えば、侵入物が位置PS1へ侵入した場合、検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_TXに一致する受信信号強度RSSI_INVD1を検出する。
【0213】
そうすると、検知手段14Aは、テーブルTBL1を参照して、受信信号強度RSSI_INVD1に対応する位置PS1を検出して侵入物が位置PS1へ侵入したことを検知する。
【0214】
侵入物が部屋30の位置PS2〜PS14に侵入したときも、検知手段14Aは、同様にして侵入物が位置PS2〜PS14に侵入したことを検知する。
【0215】
また、検知手段14Aは、次の方法によって侵入物の侵入および侵入位置を検知してもよい。図26は、侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示すテーブルの概念図である。
【0216】
侵入物が部屋30の各位置PS1〜PS14へ侵入したときの受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14は、バラクタダイオード121〜126のリアクタンスセットを所定のリアクタンスセットに設定したときに得られる。従って、検知手段14Aは、各受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14が得られるときのリアクタンスセットxmINVD1〜xmINVD14(各々はxm1〜xm6のいずれか)と、リアクタンスセットxmINVD1〜xmINVD14と位置PS1〜PS14との対応関係を示すテーブルTBL2(図26参照)とを保持しており、受信信号強度RSSI_TXが得られたときのリアクタンスセットxmTXに一致するリアクタンスセットを複数のリアクタンスセットxmINVD1〜xmINVD14の中から検出する。例えば、検知手段14Aは、複数のリアクタンスセットxmINVD1〜xmINVD14の中からリアクタンスセットxmINVD5を検出する。
【0217】
そうすると、検知手段14Aは、テーブルTBL2を参照して、リアクタンスセットxmINVD5に対応する位置PS5を検出して侵入物が部屋30の位置PS5へ侵入したことを検知する。
【0218】
その他、検知手段14Aは、検知手段14と同じ機能を果たす。なお、図23に示す受信機180は、図24に示す送信機170と同じ構成からなり、上述した方法によって、侵入物の部屋30への侵入および侵入位置を検知する。
【0219】
送信機170および受信機180は、電波RFを送受信する機能を有するが、侵入検知システム100Cが実際に動作する場合、送信機170は、電波RFを送信する動作だけを行ない、受信機180は、送信機170から送信された電波RFを受信し、上述した方法によって侵入物の侵入および侵入位置を検知する動作を行なう。
【0220】
従って、送信機170の検知手段14Aは、アレーアンテナ11の指向性を所定の指向性に設定するための設定信号BSETを生成して指向性切換手段12へ出力し、指向性切換手段12は、設定信号BSETに応じて、制御電圧セットCVL(制御電圧セットCVL1〜CVL6のいずれか)をバラクタダイオード121〜126へ出力してアレーアンテナ11の指向性を所定の指向性に設定する。そして、通信手段15は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117に給電して電波RFをアレーアンテナ11を介して送信する。これによって、送信機170は、所定の指向性で電波RFを送信する。
【0221】
そうすると、受信機180は、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向、60度の方向、120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に順次切換えながら、送信機170から送信された電波RFを受信し、その受信した電波RFの受信信号強度RSSI_RXに基づいて、上述した方法によって、侵入物の部屋30への侵入および侵入位置を検知する。
【0222】
より具体的には、受信機180の検知手段14Aは、アレーアンテナ11の指向性を0度の方向、60度の方向、120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に順次切換えるための切換信号EXDを生成して指向性切換手段12へ出力し、指向性切換手段12は、切換信号EXDに応じて、制御電圧セットCVL1〜CVL6をバラクタダイオード121〜126へ順次出力してアレーアンテナ11の指向性を0度の方向、60度の方向、120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に順次切換える。
【0223】
そうすると、受信機180のアレーアンテナ11は、指向性を0度の方向、60度の方向、120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に順次切換えながら、送信機170からの電波RFを受信し、その受信した電波RFをアンテナ素子117から強度検出手段13へ出力する。受信機180の強度検出手段13は、アレーアンテナ11のアンテナ素子117から受けた電波RFの受信信号強度RSSI_RXを検出して検知手段14Aへ出力する。
【0224】
そして、受信機180の検知手段14Aは、強度検出手段13から受けた受信信号強度RSSI_RXを複数の受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14と比較し、受信信号強度RSSI_RXに一致する受信信号強度RSSI_INVDを複数の受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14から検出する。その後、受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_INVD(受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14のいずれか)を検出すると、テーブルTBL1を参照して、受信信号強度RSSI_INVDに対応する位置(位置PS1〜PS14のいずれか)を検出して侵入物の部屋30への侵入および侵入位置を検知する。
【0225】
また、受信機180の検知手段14Aは、強度検出手段13から受信信号強度RSSI_RXを受けると、その受けた受信信号強度RSSI_RXに一致する受信信号強度RSSI_INVDを複数の受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14から検出する。そして、受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_INVD(受信信号強度RSSI_INVD1〜RSSI_INVD14のいずれか)が得られたときのリアクタンスセット(リアクタンスセットxmINVD1〜xmINVD14のいずれか)を検出し、テーブルTBL2を参照して、リアクタンスセット(リアクタンスセットxmINVD1〜xmINVD14のいずれか)に対応する位置(位置PS1〜PS14のじずれか)を検出する。これによって、受信機180の検知手段14Aは、侵入物の部屋30への侵入および侵入位置を検知する。
【0226】
なお、侵入検知システム100Cにおいては、受信機180がアレーアンテナ11の指向性を所定の指向性に設定して電波RFを送信し、送信機170がアレーアンテナ11の指向性を0度の方向、60度の方向、120度の方向、180度の方向、240度の方向および300度の方向に順次切換えながら、受信機180から送信された電波RFを検出し、上述した方法によって、侵入物の部屋30への侵入および侵入位置を検知するようにしてもよい。
【0227】
部屋30内で送受信される電波RFを検出して侵入物の検知を行なう場合、受信電波のフェージングが問題になる。そこで、送信機170および受信機180は、フェージングを抑制して侵入物の侵入および侵入位置を検知する。フェージングの抑制は、次の2つの方法によって行なわれる。
【0228】
(フェージングの抑制方法1)
送信機170は、アレーアンテナ11の指向性を所定の指向性に設定して異なる2つの周波数f1,f2で電波RFを送信し、受信機180は、アレーアンテナ11の指向性を切換えながら、2つの周波数f1,f2で送信された2つの電波RFを受信するとともに、その受信した2つの電波に対応する2つの受信信号強度RSSI_RX1,RSSI_RX2に基づいて、侵入物の侵入および侵入位置を検知する。
【0229】
この場合、受信機180の強度検出手段13は、侵入物が各位置PS1〜PS14へ侵入したときの周波数f1における受信信号強度RSSI_INVD1(f1)〜RSSI_INVD14(f1)と、侵入物が各位置PS1〜PS14へ侵入したときの周波数f2における受信信号強度RSSI_INVD1(f2)〜RSSI_INVD14(f2)とを予め検出する。そして、受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_INVD1(f1)〜RSSI_INVD14(f1)と、受信信号強度RSSI_INVD1(f2)〜RSSI_INVD14(f2)とを予め保持している。
【0230】
図27は、侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示す他のテーブルの概念図である。図27の(a)は、周波数f1で送信された電波RFの侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示し、図27の(b)は、周波数f2で送信された電波RFの侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示す。
【0231】
受信機180の検知手段14Aは、テーブルTBL3,TBL4を予め保持している。受信機180のアレーアンテナ11は、周波数f1で送信された電波RF1を受信し、その受信した電波RF1を強度検出手段13へ出力するとともに、周波数f2で送信された電波RF2を受信し、その受信した電波RF2を強度検出手段13へ出力する。
【0232】
受信機180の強度検出手段13は、電波RF1,RF2の受信信号強度RSSI_RX(f1),RSSI_RX(f2)を検出し、その検出した受信信号強度RSSI_RX(f1),RSSI_RX(f2)を検知手段14Aへ出力する。
【0233】
受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_RX(f1)を強度検出手段13から受けると、受信信号強度RSSI_RX(f1)に一致する侵入時の受信信号強度RSSI_INVD(f1)(受信信号強度RSSI_INVD1(f1)〜RSSI_INVD14(f1)のいずれか)を検出し、テーブルTBL3を参照して、侵入時の受信信号強度RSSI_INVD(f1)に対応する位置PS(f1)(位置PS1〜PS14のいずれか)を検出する。また、受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_RX(f2)を強度検出手段13から受けると、受信信号強度RSSI_RX(f2)に一致する侵入時の受信信号強度RSSI_INVD(f2)(受信信号強度RSSI_INVD1(f2)〜RSSI_INVD14(f2)のいずれか)を検出し、テーブルTBL4を参照して、侵入時の受信信号強度RSSI_INVD(f2)に対応する位置PS(f2)(位置PS1〜PS14のいずれか)を検出する。そして、受信機180の検知手段14Aは、位置PS(f1)が位置PS(f2)に一致するときに、位置PS(f1)=PS(f2)を侵入物の侵入位置として検知する。一方、受信機180の検知手段14Aは、位置PS(f1)が位置PS(f2)に一致しないとき、位置PS(f1),PS(f2)を侵入物の侵入位置として検知しない。
【0234】
図28は、侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示す他のテーブルの概念図である。図28の(a)は、周波数f1で送信された電波RFの侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示し、図28の(b)は、周波数f2で送信された電波RFの侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示す。
【0235】
受信機180の検知手段14Aは、各受信信号強度RSSI_INVD1(f1)〜RSSI_INVD14(f1)が得られるときのリアクタンスセットxmINVD1(f1)〜xmINVD14(f1)(各々はxm1〜xm6のいずれか)と、各受信信号強度RSSI_INVD1(f2)〜RSSI_INVD14(f2)が得られるときのリアクタンスセットxmINVD1(f2)〜xmINVD14(f2)(各々はxm1〜xm6のいずれか)と、テーブルTBL5,TBL6とを予め保持している。受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_RX(f1)を強度検出手段13から受けると、受信信号強度RSSI_RX(f1)が得られたときのリアクタンスセットx(f1)を検出し、その検出したリアクタンスセットx(f1)に一致する侵入時のリアクタンスセットxmINVD(f1)(リアクタンスセットxmINVD1(f1)〜xmINVD14(f1)のいずれか)を検出し、テーブルTBL5を参照して、侵入時のリアクタンスセットxmINVD(f1)に対応する位置PS(f1)(位置PS1〜PS14のいずれか)を検出する。また、受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_RX(f2)を強度検出手段13から受けると、受信信号強度RSSI_RX(f2)が得られたときのリアクタンスセットx(f2)を検出し、その検出したリアクタンスセットx(f2)に一致する侵入時のリアクタンスセットxmINVD(f2)(リアクタンスセットxmINVD1(f2)〜xmINVD14(f2)のいずれか)を検出し、テーブルTBL6を参照して、侵入時のリアクタンスセットxmINVD(f2)に対応する位置PS(f2)(位置PS1〜PS14のいずれか)を検出する。そして、受信機180の検知手段14Aは、位置PS(f1)が位置PS(f2)に一致するときに、位置PS(f1)=PS(f2)を侵入物の侵入位置として検知する。一方、受信機180の検知手段14Aは、位置PS(f1)が位置PS(f2)に一致しないとき、位置PS(f1),PS(f2)を侵入物の侵入位置として検知しない。
【0236】
このように、2つの周波数f1,f2で送信された電波RF1,RF2の受信信号強度RSSI_RX(f1),RSSI_RX(f2)に基づいて検出された2つの位置が一致する場合、その一致した位置を侵入物の侵入位置として検知する。
【0237】
送信機170から送信された周波数の異なる2つの電波RF1,RF2は、異なる伝搬経路を経て受信機180へ到達するので、上述した方法によって侵入物の侵入位置を検知すると、フェージングの影響を抑制できる。
【0238】
なお、上記においては、送信機170は、アレーアンテナ11の指向性を所定の指向性に設定して、相互に異なる2つの周波数f1,f2で電波RFを送信すると説明したが、この発明においては、これに限らず、送信機170は、アレーアンテナ11の指向性を所定の指向性に設定して、相互に異なる3つ以上の周波数で電波を送信してもよく、一般的には、アレーアンテナ11の指向性を所定の指向性に設定して、相互に異なる複数の周波数で電波を送信すればよい。そして、受信機180は、アレーアンテナ11の指向性を6個の指向性に順次切換えながら、送信機170から送信された複数の電波を受信し、その受信した複数の電波に対応する複数の受信信号強度または複数の受信信号強度が得られたときの複数のリアクタンスセットに基づいて、上述した方法によって侵入物の侵入位置を検知する。
【0239】
(フェージングの抑制方法2)
送信機170は、電波の送信方向を2つの方向に一定時間ごとに切換えながら電波を送信し、受信機180は、アレーアンテナ11の指向性を6個の指向性に順次切換えながら、2つの方向に送信された2つの電波を受信し、その受信した2つの電波に対応する2つの受信信号強度に基づいて侵入物の侵入位置を検知する。
【0240】
この場合、電波の送信方向を2つの方向に一定時間ごとに切換えることは、送信機170のアレーアンテナ11の指向性を2つの指向性に一定時間ごとに切換えることに相当する。従って、送信機170は、アレーアンテナ11の指向性を2つの指向性に一定時間ごとに切換えて電波を送信する。
【0241】
また、受信機180の強度検出手段13は、侵入物が各位置PS1〜PS14へ侵入したときの方向θ1に送信された電波の受信信号強度RSSI_INVD1(θ1)〜RSSI_INVD14(θ1)と、侵入物が各位置PS1〜PS14へ侵入したときの方向θ2に送信された受信信号強度RSSI_INVD1(θ2)〜RSSI_INVD14(θ2)とを予め検出する。そして、受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_INVD1(θ1)〜RSSI_INVD14(θ1)と、受信信号強度RSSI_INVD1(θ2)〜RSSI_INVD14(θ2)とを予め保持している。
【0242】
図29は、侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示す更に他のテーブルの概念図である。図29の(a)は、方向θ1に送信された電波RFの侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示し、図29の(b)は、方向θ2に送信された電波RFの侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示す。
【0243】
受信機180の検知手段14Aは、テーブルTBL7,TBL8を予め保持している。受信機180のアレーアンテナ11は、方向θ1に送信された電波RF1を受信し、その受信した電波RF1をアンテナ素子117によって強度検出手段13へ出力するとともに、方向θ2に送信された電波RF2を受信し、その受信した電波RF2をアンテナ素子117によって強度検出手段13へ出力する。
【0244】
受信機180の強度検出手段13は、電波RF1,RF2の受信信号強度RSSI_RX(θ1),RSSI_RX(θ2)を検出し、その検出した受信信号強度RSSI_RX(θ1),RSSI_RX(θ2)を検知手段14Aへ出力する。
【0245】
受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_RX(θ1)を強度検出手段13から受けると、受信信号強度RSSI_RX(θ1)に一致する侵入時の受信信号強度RSSI_INVD(θ1)(受信信号強度RSSI_INVD1(θ1)〜RSSI_INVD14(θ1)のいずれか)を検出し、テーブルTBL7を参照して、侵入時の受信信号強度RSSI_INVD(θ1)に対応する位置PS(θ1)(位置PS1〜PS14のいずれか)を検出する。また、受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_RX(θ2)を強度検出手段13から受けると、受信信号強度RSSI_RX(θ2)に一致する侵入時の受信信号強度RSSI_INVD(θ2)(受信信号強度RSSI_INVD1(θ2)〜RSSI_INVD14(θ2)のいずれか)を検出し、テーブルTBL8を参照して、侵入時の受信信号強度RSSI_INVD(θ2)に対応する位置PS(θ2)(位置PS1〜PS14のいずれか)を検出する。そして、受信機180の検知手段14Aは、位置PS(θ1)が位置PS(θ2)に一致するときに、位置PS(θ1)=PS(θ2)を侵入物の侵入位置として検知する。一方、受信機180の検知手段14Aは、位置PS(θ1)が位置PS(θ2)に一致しないとき、位置PS(θ1),PS(θ2)を侵入物の侵入位置として検知しない。
【0246】
図30は、侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示す更に他のテーブルの概念図である。図30の(a)は、方向θ1に送信された電波RFの侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示し、図30の(b)は、方向θ2に送信された電波RFの侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示す。
【0247】
受信機180の検知手段14Aは、各受信信号強度RSSI_INVD1(θ1)〜RSSI_INVD14(θ1)が得られるときのリアクタンスセットxmINVD1(θ1)〜xmINVD14(θ1)(各々はxm1〜xm6のいずれか)と、各受信信号強度RSSI_INVD1(θ2)〜RSSI_INVD14(θ2)が得られるときのリアクタンスセットxmINVD1(θ2)〜xmINVD14(θ2)(各々はxm1〜xm6のいずれか)と、テーブルTBL9,TBL10とを予め保持している。受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_RX(θ1)を強度検出手段13から受けると、受信信号強度RSSI_RX(θ1)が得られたときのリアクタンスセットx(θ1)を検出し、その検出したリアクタンスセットx(θ1)に一致する侵入時のリアクタンスセットxmINVD(θ1)(リアクタンスセットxmINVD1(θ1)〜xmINVD14(θ1)のいずれか)を検出し、テーブルTBL9を参照して、侵入時のリアクタンスセットxmINVD(θ1)に対応する位置PS(θ1)(位置PS1〜PS14のいずれか)を検出する。また、受信機180の検知手段14Aは、受信信号強度RSSI_RX(θ2)を強度検出手段13から受けると、受信信号強度RSSI_RX(θ2)が得られたときのリアクタンスセットx(θ2)を検出し、その検出したリアクタンスセットx(θ2)に一致する侵入時のリアクタンスセットxmINVD(θ2)(リアクタンスセットxmINVD1(θ2)〜xmINVD14(θ2)のいずれか)を検出し、テーブルTBL10を参照して、侵入時のリアクタンスセットxmINVD(θ2)に対応する位置PS(θ2)(位置PS1〜PS14のいずれか)を検出する。そして、受信機180の検知手段14Aは、位置PS(θ1)が位置PS(θ2)に一致するときに、位置PS(θ1)=PS(θ2)を侵入物の侵入位置として検知する。一方、受信機180の検知手段14Aは、位置PS(θ1)が位置PS(θ2)に一致しないとき、位置PS(θ1),PS(θ2)を侵入物の侵入位置として検知しない。
【0248】
このように、2つの方向θ1,θ2に送信された電波RF1,RF2の受信信号強度RSSI_RX(θ1),RSSI_RX(θ2)に基づいて検出された2つの位置が一致する場合、その一致した位置を侵入物の侵入位置として検知する。
【0249】
送信機170から送信された方向が異なる2つの電波RF1,RF2は、異なる伝搬経路を経て受信機180へ到達するので、上述した方法によって侵入物の侵入位置を検知すると、フェージングの影響を抑制できる。
【0250】
なお、上記においては、送信機170は、アレーアンテナ11を用いて、相互に異なる2つの方向θ1,θ2に電波RFを送信すると説明したが、この発明においては、これに限らず、送信機170は、アレーアンテナ11を用いて、相互に異なる3つ以上の方向に電波を送信してもよく、一般的には、アレーアンテナ11を用いて、相互に異なる複数の方向に電波を送信すればよい。そして、受信機180は、アレーアンテナ11の指向性を6個の指向性に順次切換えながら、送信機170から送信された複数の電波を受信し、その受信した複数の電波に対応する複数の受信信号強度または複数の受信信号強度が得られたときの複数のリアクタンスセットに基づいて、上述した方法によって侵入物の侵入位置を検知する。
【0251】
また、実施の形態4による侵入検知システム100Cは、図22に示すネットワーク140、カメラ150および警備部門160を更に備えていてもよい。この場合、送信機170および受信機180は、ネットワーク140に接続される。そして、受信機180は、侵入物の部屋30への侵入および侵入位置を検知すると、ネットワーク140を介して信号INVDをカメラ150へ送信する。その他は、実施の形態1,3において説明したとおりである。
【0252】
上述したように、この発明によれば、送信機は、指向性を有する電波を送信し、受信機は、指向性を有する電波の受信信号強度に基づいて、侵入物の侵入および/または侵入位置を検知する。そして、指向性を有する電波の受信号強度の変動幅は、無指向性の電波の受信信号強度の変動幅よりも小さい。
【0253】
従って、この発明によれば、侵入検知能力を向上できる。
【0254】
また、この発明によれば、送信機は、異なる複数の周波数で電波を送信し、または異なる複数の方向に電波を送信し、受信機は、異なる複数の周波数を有する複数の電波に対応する複数の受信信号強度に基づいて侵入物の侵入および/または侵入位置を検知し、または異なる複数の方向に送信された複数の電波に対応する複数の受信信号強度に基づいて侵入物の侵入および/または侵入位置を検知する。
【0255】
従って、この発明によれば、電波のフェージングを抑制して侵入物の侵入および侵入位置を検知できる。その結果、侵入検知能力を向上できる。
【0256】
なお、上記においては、アレーアンテナ11のアンテナ素子111〜116(=無給電素子)の1本に装荷されたバラクタダイオードのリアクタンス値を“hi”に設定し、それ以外の無給電素子に装荷されたバラクタダイオードのリアクタンス値を“lo”に設定して指向性の電波を送信すると説明したが、この発明においては、これに限らず、隣接する2本または3本の無給電素子に装荷されたバラクタダイオードのリアクタンス値を“hi”に設定し、それ以外の無給電素子に装荷されたバラクタダイオードのリアクタンス値を“lo”に設定して指向性の電波を送信するようにしてもよい。これによって、アレーアンテナ11から放射されるビームのビーム幅を小さくできるので、侵入物の侵入検知感度(侵入検知能力)を更に向上できる。
【0257】
また、上記においては、電波の受信信号強度に基づいて、侵入物が侵入したことを検知すると説明したが、この発明においては、これに限らず、電波のパターンに基づいて、侵入物が部屋30内に侵入したことを検知してもよい。侵入物が部屋30内に侵入すると、部屋30内の電波のパターンが変化し、その結果、受信機20,90,130,180における電波の受信信号強度が図5から図20に示すように変化する。従って、電波の受信信号強度に基づいて侵入物が部屋30内に侵入したことを検知することは、電波のパターンに基づいて侵入物が部屋30内に侵入したことを検知することに相当するからである。
【0258】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0259】
この発明は、侵入物の検知能力が高い侵入検知システムに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0260】
【図1】この発明の実施の形態1による侵入検知システムの構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す送信機の構成を示す概略図である。
【図3】図2に示すx−y平面におけるアンテナ素子の平面配置図である。
【図4】図1に示す受信機の構成を示す概略図である。
【図5】アレーアンテナが無指向性で電波を送受信したときの侵入検知の実験結果を示す図である。
【図6】パターン1における侵入検知の実験結果を示す図である。
【図7】パターン2における侵入検知の実験結果を示す第1の図である。
【図8】パターン2における侵入検知の実験結果を示す第2の図である。
【図9】パターン3における侵入検知の実験結果を示す第1の図である。
【図10】パターン3における侵入検知の実験結果を示す第2の図である。
【図11】パターン3における侵入検知の実験結果を示す第3の図である。
【図12】パターン3における侵入検知の実験結果を示す第4の図である。
【図13】パターン3における侵入検知の実験結果を示す第5の図である。
【図14】パターン3における侵入検知の実験結果を示す第6の図である。
【図15】パターン4における侵入検知の実験結果を示す第1の図である。
【図16】パターン4における侵入検知の実験結果を示す第2の図である。
【図17】パターン4における侵入検知の実験結果を示す第3の図である。
【図18】パターン4における侵入検知の実験結果を示す第4の図である。
【図19】パターン4における侵入検知の実験結果を示す第5の図である。
【図20】パターン4における侵入検知の実験結果を示す第6の図である。
【図21】実施の形態2による侵入検知システムの構成を示す概略図である。
【図22】実施の形態3による侵入検知システムの構成を示す概略図である。
【図23】実施の形態4による侵入検知システムの構成を示す概略図である。
【図24】図23に示す送信機の構成を示す概略図である。
【図25】侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示すテーブルの概念図である。
【図26】侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示すテーブルの概念図である。
【図27】侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示す他のテーブルの概念図である。
【図28】侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示す他のテーブルの概念図である。
【図29】侵入時の受信信号強度と位置との対応関係を示す更に他のテーブルの概念図である。
【図30】侵入時のリアクタンスセットと位置との対応関係を示す更に他のテーブルの概念図である。
【符号の説明】
【0261】
10,170 送信機、11 アレーアンテナ、12 指向性切換手段、13,22 強度検出手段、14,14A,23 検知手段、15,24 通信手段、20,90,130,180 受信機、21,91,131 アンテナ、30 部屋、31 窓、32 扉、40 机、50 観葉植物、60,70 白板、80 テレビジョン、100,100A,100B,100C 侵入検知システム、111〜117 アンテナ素子、121〜126 バラクタダイオード、140 ネットワーク、150 カメラ、160 警備部門、161 CRT。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内へ侵入する侵入物を検知する侵入検知システムであって、
指向性を有する電波を送信する送信機と、
前記送信機から送信された電波を受信し、その受信した電波の受信電波強度に基づいて、前記侵入物の前記室内への侵入を検知する受信機とを備える侵入検知システム。
【請求項2】
室内へ侵入する侵入物を検知する侵入検知システムであって、
指向性を有する電波を送信する送信機と、
前記送信機から送信された電波を受信し、その受信した電波のパターンに基づいて、前記侵入物の前記室内への侵入を検知する受信機とを備える侵入検知システム。
【請求項3】
前記受信機は、前記受信電波強度が基準値から一定値以上離れているとき前記侵入物の前記室内への侵入を検知し、
前記基準値は、前記侵入物が前記室内へ侵入していないときの前記受信電波強度の平均値である、請求項1に記載の侵入検知システム。
【請求項4】
前記送信機は、任意の送信回数ごとに複数の指向性から選択した1つの指向性に前記指向性を切換えて前記電波を送信する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の侵入検知システム。
【請求項5】
前記受信機は、相互に前記室内の異なる位置に配置された複数の受信機からなり、
前記複数の受信機の各々は、指向性のアンテナを介して前記送信機から送信された電波を受信する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の侵入検知システム。
【請求項6】
前記受信機は、前記受信信号強度に基づいて、前記侵入物の侵入位置を更に検知する、請求項1に記載の侵入検知システム。
【請求項7】
前記送信機は、相互に異なる複数の周波数で複数の電波を送信し、
前記受信機は、前記複数の周波数で送信された複数の電波の複数の受信信号強度に基づいて、前記侵入物の侵入位置を検知する、請求項6に記載の侵入検知システム。
【請求項8】
前記送信機は、相互に異なる複数の方向に電波を送信し、
前記受信機は、前記複数の方向に送信された複数の電波の複数の受信信号強度に基づいて、前記侵入物の侵入位置を検知する、請求項7に記載の侵入検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2008−151510(P2008−151510A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336556(P2006−336556)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度独立行政法人情報通信研究機構、研究テーマ「超高速ギガビット無線LANの研究開発」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】