係止可能なハブを備えるドレナージカテーテル
基端26及び末端14を有するカテーテル管12と、カテーテル管12の回りに配置された係止可能なハブ20とを含む、組織内の余剰な体液を排液するときに使用される回復可能に係止可能なドレナージカテーテル10である。ドレナージカテーテル10の縫合材18は、係止可能なハブ20の1つ又はより多くの面22を押すことにより回復可能に緊張させ且つ緊張した形態にて係止することができる。次に、係止可能なハブ20の1つ又はより多くの面22を押し又は1つ又はより多くの追加的な安全解放機構を作動させることにより解放することもできる。例えば、安全解放部を基端方向に向けて引っ張って、緊張した縫合材18を解放することができる。同様に、縫合材18は、ドレナージカテーテル管12の取り付け点を延伸させ、また、縫合材18及び安全解放機構を非係合状態となるようにする程度まで緊張させることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液を患者から排液するシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を患者の身体から排液するため多岐に渡る医療分野にて排液カテーテルすなわちドレナージカテーテル(以下、ドレナージカテーテルと呼ぶ)が使用されている。例えば、患者は、負傷したり、身体組織に血液又はその他の身体血清のような、余剰な量の流体が溜まるという医学的問題があることがある。流体が除去されなかったならば、組織の断裂又は感染のような更なる合併症が患者にて生じる可能性がある。従って、これらの流体を患者から除去して圧力を解放するか、又は流体の蓄積の結果、組織が損傷されないことを保証するため、ドレナージカテーテルが開発されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のドレナージカテーテルは、典型的に、ハンドルと、ハンドルと連通可能に接続された細長いカテーテル管と、複数のドレナージボアを含む可撓性の先端とを備えている。可撓性の先端のドレナージボアは、細長いカテーテル管を通して流体と連通することを許容する。医師は、先端及びカテーテル管を患者の体内に挿入し先端が組織又は流体の蓄積領域に入るようにする。次に、ユーザは、ハンドルから伸びて、カテーテル管の長さに沿って進み且つ、先端に固定される縫合材を引っ張る。医師が縫合材を引っ張り又は後退させると、先端はカテーテル本体に向けて内方に撓み、これにより流体の蓄積領域内にてドレナージボアを有する湾曲したループを形成する。
【0004】
カテーテル管の湾曲した形態を維持するため、縫合材をその位置に保持すべく、医師は、縫合材及びカテーテルを両手で把持するか又は、縫合材をハンドルの回りに巻くことにより縫合材をカテーテルハブに固定しなければならない。残念なことに、このようにしてカテーテルハンドルを固定することは、特に、カテーテルが長期間、その位置に止まらなければならない場合、かなり不確実で且つ不便である。カテーテル管の追加的な操作又は再位置決めを利用しなければならない場合、カテーテルの長さを適正に操作するため、縫合材をハンドルから巻き戻すことは難しいであろう。
【0005】
カテーテル管の先端が適正に配置されたとき、その後、余剰な流体は、先端の個々のドレナージボア内に流れ、カテーテル管の長さに沿って流れ且つ、カテーテルハブから排液される。その後、医師は、カテーテルを局所領域から除去する。残念なことに、先端がカテーテル管に対して湾曲した形態をしていることは、ドレナージカテーテルをその排液位置から除去することを困難にするであろう。特に、先端が依然として内方に撓んだ位置にある間、ドレナージカテーテルを除去することは、ドレナージカテーテルを裂断させたり、又は身体組織を損傷させる可能性がある。従って、医師は、典型的に、カテーテルを除去する前に、先端を真直ぐにしようとする。一般に、このためには、最初に先端が撓むようにした縫合材を少なくとも解放することを必要とする。ドレナージカテーテルの先端の湾曲した形態を維持するため、縫合材が巻き付けられた場合、縫合材を巻き戻すことは、難しく且つ時間が掛かることになろう。
【0006】
更に、医師が縫合材を解放したとき、従来のカテーテルの可撓性の先端は、カテーテル先端を実質的に真直ぐな位置まで操作することを許容する態様にて完全には解放されないであろう。これは、多岐に渡るファクタが原因である。例えば、ドレナージカテーテルが長期間、患者の体内に止まる場合、体液又は体液と関係した物及び材料が縫合材糸上に固着し、ドレナージカテーテルの先端の湾曲した形態が解放されるのを阻止することになる。これにより医師が例えば、縫合材をハンドルの回りにて巻き戻した後でさえ、縫合材は引っ張り可能な形態に止まることになろう。このため、医師は、カテーテルを除去するため、侵襲的外科手術のような、追加的な治療法を実行する必要があろう。
【0007】
従って、患者の体内の流体を便宜に排液し、また、合併症が最小の状態にて除去することができるシステム及び装置により当該技術にて有利な効果を実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、流体を患者の身体から安全且つ便宜な仕方にて排液すると共に、完了時、カテーテル管及び装置を安全に除去するためのシステム及び装置に関する。特に、本発明の実施の形態は、縫合材が緊張されたとき、縫合材を固定する係止機構を有するドレナージカテーテルに関する。追加的な実施の形態は、組織を確実に解放し、先端が実質的に真直ぐな形態となるのを確実に許容する1つ又はより多くの解放機構を提供する。
【0009】
例えば、本発明の1つの実施の形態において、ドレナージカテーテルは、縫合材を固定し又は解放する押し可能なボタンを有するハブを備えている。縫合材は、ハブ内にてカテーテル管を通って伸び、先端から出る。縫合材は先端から出て、カテーテル管の末端部分の取り付け箇所にて終わる。医師が縫合材を引っ張ると、縫合材は、スタイレットに対して引っ張られて、先端がカテーテル管に向けてループ状の形態にて撓むようにする。次に、医師は、押し可能なボタンを押して、縫合材がハブの内部にて締め止めされ、このため、先端のループ状の形態を維持することができる。次に、流体が先端に入り、カテーテル管を通って流れ、カテーテル管の基端部分から出る。
【0010】
完了時、カテーテルハブは、縫合材が確実な態様にて解放するのを許容し、従って、先端が真直ぐとなり、カテーテル管を患者から除去することを許容する。例えば、医師は、押し可能なボタンを解除して、最早、縫合材が締め止めされないようにする。別の実施の形態において、医師は、スタイレットをハブに向けて基端方向に引っ張り、縫合材の末端がカテーテル管の取り付け点にてスタイレットから解放されるようにする。更に別の実施の形態において、カテーテル管の取り付け点は、その取り付け点が張力又は圧力を追加したとき、延伸して、また、縫合材がスタイレットから滑り出るのに十分なスペースを提供するような形態とすることができる。各場合にて、弛緩した縫合材は、先端が真直ぐとなることを許容する。
【0011】
本発明の一例としての実施の形態の追加的な特徴及び有利な効果は、以下の説明に記載され、また、一部分、この説明から明らかになり、又は、かかる一例としての実施の形態を実施することにより理解することができよう。かかる実施の形態の特徴及び有利な効果は、特許請求の範囲に特定的に指摘した実施例及びその組み合わせにより実現し且つ達成することができる。上記及びその他の特徴は、以下の説明及び特許請求の範囲の記載からより完全に明らかになるか又は、以下に記載したかかる一例としての実施の形態を実施することにより理解されよう。
【0012】
本発明の上述し且つその他の有利な効果及び特徴が実現できる態様を説明するため、添付図面に示したその特定の実施の形態に関して、上記に簡単に説明した本発明をより特定的に説明する。これらの図面は、本発明の典型的な例のみを示すものであり、このため、その範囲を限定するものとみなされるべきではないとの理解の下、本発明は、添付図面を用いて更に特定的に且つ詳細に記載し且つ説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、ドレナージカテーテル、特に、流体を患者の身体から安全に且つ便宜な仕方にて排液すると共に、完了時、カテーテル管及び装置を安全に除去するシステム及び装置に関する。特に、本発明の実施の形態は、縫合材が緊張されたとき、縫合材を固定する係止機構を有するドレナージカテーテルに関する。追加的な実施の形態は、縫合材を確実に解放し且つ先端が実質的に真直ぐな位置まで弛緩するのを確実に許容する1つ又はより多くの解放機構を提供する。
【0014】
例えば、以下の図面から理解されるように、本発明に従ったドレナージカテーテルは、主として2つの形態、すなわち弛緩した形態及び緊張した形態の一方について説明することができる。弛緩した形態にあるとき(例えば、図1A)、ドレナージカテーテルは、その自然に湾曲した形態から真直ぐとなり、これにより主としてカテーテルの基端から末端まで1つの軸線に沿って所定の形態となることができる。全体として、弛緩した形態は、ドレナージカテーテルを患者の身体に挿入し且つ患者の身体から除去する上で好ましい。スタイレット、ガイドワイヤー又はその他の直線化機構を使用して、カテーテル管を挿入する間、カテーテルの末端の真直ぐとなった形態を保証することができる。
【0015】
これに反して、緊張した形態(例えば、図1B)は、全体として体液を排液するために好ましい。例えば、緊張した形態にあるとき、カテーテル管の末端は、縫合材の緊張のため、ドレナージカテーテルのカテーテル管のより基端部分に隣接して固定される。緊張した形態にあるとき、カテーテル末端のドレナージボアは、典型的に、内方に又は患者の組織から離れる方向を向く。従って、緊張した形態は、ドレナージカテーテルを患者の身体内に維持し且つ余剰な流体を除去する上で好ましい。
【0016】
緊張した形態と弛緩した形態との間にて効率良く転移するのを容易にするため、本発明に従ったドレナージカテーテルは、係止可能なハブを備えている。例えば、本明細書及び特許請求の範囲から一層良く理解し得るように、1つのハブ構成要素が押され又は「係止」されたとき、縫合材の基端方向又は末端方向への動きが実質的に阻止され、このため、ドレナージカテーテルが困難なく緊張された形態を保持することを許容することができる。同様に、ハブ構成要素を解放し又は別のハブ構成要素を作動させたとき、ハブは「非係止」状態となる。このことは、縫合材が必要に応じて基端方向又は末端方向の何れかに動くことを許容し、このことは、カテーテル先端を所望に応じて緊張させ又は弛緩させることを許容することになる。
【0017】
効率良く係止し且つ解放することを実現するため使用されるこれらのハブ構成要素は、形状、形態及び(又は)特定の機能の点にて変更可能であるが、以下の説明は、一例としての形態に対する多数の特定の特徴に関するものである。例えば、図示した係止可能なハブは、可逆的に押し可能なボタンを含み、このボタンは、押されたとき、構成要素が単独にて又は組み合わさって縫合材を基端方向に又は末端方向に動かないように固定するような態様にて1つ又はより多くのその他の構成要素と係合する。ボタンが逆方向に押されたとき、縫合材は解放され、このため縫合材は基端方向又は末端方向の何れかに動くことができる。本発明の実施の形態は、急速解放機構も含んでおり、該急速解放機構は、生物学的材料によるカテーテルの機械的障害又は妨害によって1つの解放機構が縫合材を解放しない場合、ドレナージカテーテルの可撓性の先端の解放を容易にする冗長的な機構を提供する。従って、本発明の実施の形態は、カテーテル管を再位置決めし又は患者から除去するため確実な解放作用を提供しつつ、効率的に、安全に且つ確実に緊張させた形態に固定することができるドレナージカテーテルを提供する。
【0018】
図1Aには、(i)基端26と、ドレナージボア16を含む弾性的に可撓性の末端14とを有するカテーテル管12を備えるドレナージカテーテル10が示されている。弾性的に可撓性の末端14は、カテーテル管12と流体的に連通している。ドレナージカテーテル10は、また、(ii)基端26と末端14との間の箇所に配置された係止可能なハブ20と、(iv)カテーテル管12の長さに沿ってハブ20のキャビティ24から伸びて、末端14から出て且つ後方にループ状となり、取り付け点19にて終わる縫合材18とを備えている。本明細書及び特許請求の範囲の記載から理解されるように、係止可能なハブ20は、縫合材18を効率的に固定し且つ解放する形態とされた多数の内部構成要素を更に備えている。更に、カテーテル管12の末端14は、天然ゴム又は合成ゴム、可撓性プラスチック等のような可撓性の弾性を提供する任意の型式の材料から成るものとすることができる。
【0019】
図1Aには、また、縫合材18が弛緩した状態にあり、このため、末端14は基端26に対して実質的に真直ぐであることも示されている。単に説明のため、縫合材18は、ストリングとなるように巻かれた天然又は合成繊維、ニチノール(Nitinol)ワイヤーのような形状記憶金属等のような引っ張り、解放、緊張又は弛緩可能な任意の材料から成るものとすることができる。全体として、縫合材18が弛緩した状態にあるとき、ドレナージカテーテル10は患者の身体内に挿入し又は患者の身体から引き抜くのに適した形態(例えば、真直ぐな又は弛緩した形態)にある。換言すれば、カテーテル管12及び末端14の真直ぐな形態又は弛緩した形態は、ドレナージカテーテル10を患者の身体に挿入し且つ患者の身体から除去する上で一層効率的である。1つの実施の形態において、縫合材18は、カテーテル管12の長さの少なくとも一部分に沿って伸びる別個の管腔である、側壁ボア(図示せず)を介してドレナージカテーテル10を通って進める。
【0020】
図1Aに示したドレナージカテーテル10は、非係止形態にあり、このため、係止可能なハブ20から伸びる押し可能なボタン22が外方に伸びる状態にて示されている。図示した非係止形態にあるとき、縫合材18は、カテーテル管12及びハブ20に対して基端方向又は末端方向に何れかに向けて自由に動くことができる。しかし、これらの説明及び以下の図面から一層良く理解されるように、医師は、ボタン22をハブ20に対して押して縫合材18をハブ20内にて固定し、縫合材18が一定程度の張力にて保持されることを保証することができる。ドレナージカテーテル10を患者の体内に挿入するため、医師は、弛緩した形態にあるドレナージカテーテル10の末端14を余剰な流体が存在する可能性がある身体組織又はキャビティ内に挿入する。
【0021】
次に、図1Bを参照すると、適正な位置となったならば、次に、医師は、縫合材18を基端方向に引っ張る等によって縫合材18を緊張させる。これによってドレナージカテーテル10の末端14は、カテーテル管12に向け且つループから内方に撓み、ドレナージボア16は、形成されたループの内側にて露出される。上述したように、ドレナージボア16は、この緊張した形態にて形成されたループの内側に面し、ドレナージボア16と身体組織(図示せず)との接触を回避する。このことは、身体組織によるドレナージボア16の妨害を最小にする。図1Bに示した緊張した形態にあるとき、体液は、末端14にてカテーテル管12のドレナージボア16に入り、末端14及びカテーテル管12の流体連通経路を通って流れる。体液は、最終的に、ドレナージカテーテル10の基端26にてキャビティ28から出る。
【0022】
カテーテル管12に対して縫合材18の緊張した形態、従って末端14の緊張した形態を保持するため、図1Bには、ボタン22が係合し、これによりハブ20を係止する状態が示されている。以下の図面にて更に説明するように、ボタン22がドレナージカテーテル10に向けて押されたとき、係止可能なハブ20内の1つ又はより多くの構成要素は、1つ又はより多くのその他の構成要素と組み合わさって縫合材18と係合し、縫合材18が溝24を通って動くことができないようにする。特に、図1Bに示した係合し又は係止した形態は、縫合材18がカテーテル管12及び末端14に沿って基端方向又は末端方向の何れかに動くのを実質的に阻止する。
【0023】
図1Cは、体液の排液が完了した後、ハブ20を非係止状態にすることを示すドレナージカテーテルの斜視図である。例えば、図1Cに示したように、医師は、ねじ回し、止血鉗子又はその他の適当な鋭利な器具を使用する等によりボタン22の反対側部23を押すことができる。ボタン22の反対側部23を押された位置に配置することにより、縫合材の偶発的な解放が回避される。ハブ20が非係止状態とされたならば、最初の場合に縫合材を固定するために使用した係止可能なハブの内部構成要素により縫合材18を解放する。従って、縫合材18は、追加的に緊張させることなく、典型的に且つ自然に弛緩し、これによりドレナージカテーテル10の可撓性の末端14の緊張状態を解放し、末端14が実質的に真直ぐな形態に弛緩する(又は実質的に真直ぐな形態に配置される)ことを許容することができる。例えば、医師は、ドレナージカテーテル10を基端方向に向けて引っ張ることができ、末端14は、真直ぐとなって挿入点に嵌まる。別の実施の形態において、縫合材が固着し又は緊張した状態に止まる場合に対応するため、本発明の実施の形態は、図2Aに関してより詳細に説明する安全解放部を更に含む。
【0024】
図2Aには、縫合材18を挟持し又はその他の1つ又はより多くの位置にて保持するため使用することができる本発明の1つの実施の形態に従ったハブ20及び多数の構成要素の分解図が示されている。図示したように、ドレナージカテーテルハブ20は、(i)上側溝24aが形成された上側キャップ30と、(ii)内方に押すことができる形態とされた押し可能なボタン22と、(iv)押し可能なボタン22と協働して動く形態とされた締め止め部材38と、(v)カテーテル管からドレナージカテーテル管20内への体液の漏洩を最小にする形態とされた縫合材シール40と、(vi)下側溝24bが形成された本体31と、(vii)ハブ20をカテーテル管12と接続するシース36と、(viii)下側キャップ32と、(ix)解放ワイヤー34と、(x)解放ワイヤー34を下側キャップ32に取り付ける固定部材35とを備えている。ハブ20及び関連した構成要素は、必要に応じて、プラスチック又はゴム及び(又は)金属のような任意の材料から成るものとすることができる。
【0025】
図2Aには、また、押し可能なボタン22は上側キャップ30に対してその位置に保持することができる形態とすることが可能であることも示されている。特に、ボタン22の主要面は、上側キャップ30の小さい面の1つ又はより多くの交番的なリブ29と相互係止する1つ又はより多くのリブ25を備えている。その双方の場合、ボタン22のリブ25及び上側キャップ30のリブ29は、所望に応じて可撓性又は剛性(又は交番的に可撓性及び(又は)剛性)とし、任意の数の適当な材料にて形成することができる。押し可能なボタン22は、締め止め部材38の傾斜した主要面と相補的な形態とされた傾斜した小さい面を更に備えている。締め止め部材38に対する押し可能なボタン22の動作について、以下の図2Bないし図2Fにてより詳細に説明する。
【0026】
図2Aには、ハブ20に対する解放ワイヤー34の1つの位置が更に示されている。全体として、解放ワイヤー34は、ハブ20から取り付け点19まで伸び可能な任意の細長い構成要素とすることができる(例えば、図1Aないし図1C)。例えば、解放ワイヤー34は、ニチノール(Nitinol)、金属又は金属合金、合成材料等のような任意の適した形状記憶材料から成るものとすることができる。解放ワイヤー34は、カテーテル管12の壁に形成された側壁スタイレット(図示せず)内に配置され、解放ワイヤー34が主カテーテル管12の管腔28を通って流れる流体と直接接触しないようにする。
【0027】
更に、解放ワイヤー34は、解放ワイヤー34を基端方向に向けて引っ張る実質的に主把持点である、安全解放部を形成するよう下側キャップ32に取り付けることができる。1つの実施の形態において安全解放部を作動させるため、医師は、少なくとも部分的に下側キャップ32をハブの主本体31から取り外し、摺動させ、ヒンジ解除し又は除去し、これにより解放ワイヤー34を露出させる。その他の実施の形態において、ハブ20は、ハブ20の何れかの部分を分離し又は除去することなく、安全解放部が全体として下側キャップ32から又はハブ20から伸びるような形態とされている。以下の図面から理解し得るように、安全解放部は、取り付け点19内にて縫合材18に対する解放可能な取り付け境界面を提供する(例えば、図1A)。
【0028】
再度、押し可能なボタン22及び締め止め部材38の作動について説明すると、図2Bには、押し可能なボタン22が内方に又は係止可能なハブ20の反対側部に向けて押されたとき、押し可能なボタン22は、締め止め部材38を上方に動くよう付勢することが示されている。特に、押し可能なボタン22を内方に(係止可能なハブ20の反対側部に向けて)押すと、ボタン22の小さい面の相応する傾斜路又は下降部が締め止め部材38の主要面と係合する。これらの面が係合したとき、上側キャップ30は、ボタン22が上方に動くのを阻止し、このため締め止め部材38の頂部は下方に押される。更に、上側キャップ30のリブ29は、係止可能なハブ内にて押されているため、ボタン22を1つ又はより多くの位置にて保持する。締め止め部材38が下方に押されると、締め止め部材38は、縫合材シール40に圧力を加え、これにより縫合材18をその位置にて締め止めする。
【0029】
図2Bには、押し可能なボタン22及び締め止め部材38し、押し可能なボタン22を固定するためリ、ブ25、29に加えて使用することができる相応する溝42、44を有することも示されている。すなわち、図2Bには、押し可能なボタン22はその小さい傾斜面に溝42を含む一方、締め止め部材38は、同様に傾斜したその主要面に相応する溝44を含む。このように、押し可能なボタン22がドレナージカテーテル10の反対側部に向けて内方に押されたとき、押し可能なボタンは、押し可能なボタンの一端部分が締め止め部材38の溝44内にきちっと嵌まる箇所である点に到達する迄、締め止め部材38に沿って摺動する。従って、少なくともこれらの相応する溝42、44は、押し可能なボタン22が偶発的に解放され又は逆方向に向けて後方に摺動するのを実質的に阻止することができる。
【0030】
図2Cないし図2Fには、押し可能なボタン22及び締め止め部材38は、押し可能なボタン22及び締め止め部材38を共に案内し且つ(又は)固定するよう同様の形態とされた1つ又はより多くの追加的な突出部及び(又は)溝を含むことも示されている。例えば、図2C及び図2Dには、押し可能なボタン22の代替的な図が示されており、この場合、図2Cは側面図を示し、図2Dは図2Aに示した押し可能な側面図に対向する正面図を示す。特に、図2Cには、押し可能なボタンはリブ25と、押し可能なボタン22が少なくとも1つの位置にて締め止め部材38と相互係止することを許容する形態とされた溝42とを含むことが示されている。図2Dには、押し可能なボタン22が溝42に対して垂直な別の溝48を含むことが更に示されている。1つの実施の形態において、溝48は、押し可能なボタンを締め止め部材38の上に又は締め止め部材38内に形成された相応する軌道又は突出部に沿って案内する形態とされている。
【0031】
特に、図2Eには、締め止め部材38が押し可能なボタン22の溝48と摺動可能に係合する形態とされた、その主要面における軌道又は突出部46を含むことが示されている。軌道又は突出部46は、溝48が押し可能なボタン22の溝42に対して垂直であるのと同様に、溝44に対して垂直である(図2Fも参照)。このように、押し可能なボタン22が軌道又は突出部46に沿って押されたとき、締め止め部材38は、溝42、44が係止可能又は重なり合う態様にて整合される迄、押し可能なボタン22を案内する。
【0032】
押し可能なボタン22及び締め止め部材38は、押し可能なボタン22の反対側部に十分な圧力を提供するだけで非係合状態にすることもできる。このことは、押し可能なボタン22及び(又は)締め止め部材38を少なくとも部分的に可撓性の材料にて形成することができるため、少なくとも1つの実施の形態にて可能である。1つの形態において、材料は、偶発的な係合解除を阻止するのに十分に全体として剛性であり、また、意図的な係合解除を許容するのに十分に可撓性である。従って、十分な圧力によって押し可能なボタン22の係止した部分及び(又は)締め止め部材38の溝無し部分は、多少曲がり、これにより押し可能なボタン22及び締め止め部材28が軌道又は突出部46に沿って反対方向に向けて動くのを許容する。従って、図2Aないし図2Fには、係止可能なハブ20は縫合材18を確実に、効率的に且つ可逆的に係止すべく多岐に渡る形態にて形成された広範囲の代替的な形態の構成要素を含むことができることが示されている。
【0033】
図3A及び図3Bには、係止可能なハブ20の特徴である安全解放部35の代替的な図面が示されている。特に、図3A及び図3Bには、縫合材18が取り付け点19にて解放ワイヤー34に固定され、また、下側キャップ32が基端方向に向けて動かされたとき、その後、解放ワイヤー34が縫合材18から分離される形態が示されている。例えば、図3Aの緊張した形態にて示したように、解放ワイヤー34は、縫合材18の端部のループ又は結目を通して挿入されている。このことは、縫合材が基端方向に引っ張られたとき、縫合材18が解放ワイヤー34に押し付けられ、これにより、カテーテル管12内の解放ワイヤーがカテーテル管12の長さに対して相対的に更に短くなるから、縫合材18を緊張させることを許容する。このため、この縫合材18の短縮により可撓性の末端14はカテーテル管12に向けて内方に曲げられる。図3Aには、医師はボタン22を係止可能なハブ20の反対側部に向けて押すことによりこの形態を係止したことが更に示されている。上述したように、このハブ20の係止は、縫合材18を緊張した形態に保持し、末端14は、治療法を行う経過の間、必要とされるように、緊張した形態すなわち湾曲した形態に保持される。
【0034】
図3Bに示したように、医師は、解放ワイヤー34を基端方向に引き抜くことにより末端14を弛緩した形態に解放することができる。この実施の形態において、医師は、下側キャップ32を下降させ又は除去し、これにより解放ワイヤー34を後退させる。医師が下側キャップ32の後退又は引っ張りを続けると、解放ワイヤー34は、基端方向に向けて動かされる。この動作によって、スタイレット34は、例えば、取り付け点19にて縫合材18のループから取り外される。その結果、縫合材18は、弛緩した形態すなわち「自由な」形態に自由に動くことができる。更に、縫合材18は弛緩されているため、ドレナージカテーテル10の末端14に追加的な張力が加えられることはなく、このため、可撓性の末端14は、所望に応じて再調節し又は除去するため真直ぐにすることもできる。
【0035】
図4には、カテーテル管12が安全解放部35を不必要に引っ張ることを必要とせずに、解放ワイヤー34及び縫合材18を取り外すことを許容する形態とされた1つ又はより多くの形状記憶材料から成るドレナージカテーテル10の別の実施の形態が示されている。図4には、取り付け点19が配置され、過剰な量の力がカテーテル管12に加えられたとき、自動的に縫合材18が解放されることが示されている。この縫合材18の自動的な解放は、カテーテル管に加えられた力の量によって患者が負傷する前に、行われる。換言すれば、医師がカテーテル管12の末端14のループ状の形態を最初に解放せずに、カテーテル管12を患者から後退させようとする場合、カテーテル管12の張力が患者を負傷させるのに十分となる前に、縫合材は、カテーテル管の末端14のループ状の形態を自動的に解放する。
【0036】
例えば、カテーテル管12及び(又は)末端14(又は単に、取り付け境界面19にてカテーテル管12の部分を形成する材料)は、天然ゴム又は合成ゴム、可撓性のプラスチック、形状記憶金属及び同様のもののような可撓性又は弾性的な材料から成るものとすることができる。カテーテル管14における張力が増大すると、カテーテル管14は延伸し、取り付け点19は、解放ワイヤー34の端部を経て動き、解放ワイヤー34が後方に動くことなく、縫合材18が解放ワイヤーから滑り出るのを許容する。解放ワイヤー34を取り付け点19に対して配置すること、また、カテーテル管が弾性的な性質は、末端14を安全に且つ確実に弛緩させるための更に別の手段を提供する形態とされている。別の実施の形態において、取り付け点の形態は、過剰な力がカテーテル管に加えられたとき、取り付け点が延伸して縫合材を解放するようなものとされている。
【0037】
従って、ドレナージカテーテルを緊張し又は弛緩した形態にて安全に、確実に、効率的に且つ回復可能に固定する多岐に渡る実施の形態が提供される。特に、本発明の実施の形態は、医師が望むように縫合材が1つ又はより多くの位置にて係止することを保証すべく使用することができる多数の構成要素を提供する。本発明の追加的な実施の形態は、縫合材を弛緩した形態にて保持することを許容し、また、このため、ドレナージカテーテルが実質的に真直ぐな形態に動いて戻るのを許容する上述した係止構成要素のその他の構成要素又は形態を提供する。更に別の実施の形態は、縫合材の詰まり又は固着のようなその他の面倒な状況の場合、ドレナージカテーテルが弛緩した形態を保持することを保証する多数の安全機構を提供する。
【0038】
本明細書に記載された実施の形態は、互いに組み合わせ、また、本発明の範囲内にて1つ又はより多くのその他の適した構成要素にて置換することができることも理解されよう。例えば、ドレナージカテーテル10の別の代替的な実施の形態は、本明細書に記載した係止可能なハブを備え、また、安全解放部及び解放ワイヤー34並びに延伸可能な取り付け点19を含むこともできる。これと代替的に、本発明に従ったドレナージカテーテルは、その他の構成要素を含み、1つ又はより多くの構成要素を押すことによって縫合材が特定の位置を保持することもできる。例えば、係止可能なハブの別の実施の形態は、係止可能なハブの一側部に配置された弾性的に変形可能なドームを含むことも可能であろう。ドームが最初に押されたとき、係止機構は、縫合材を係止する第一の位置まで動く。ボタンが2回目に押されたとき、係止機構は、第二の位置まで動き、これにより縫合材を解放する。
【0039】
従って、本明細書に記載された機能を実現するのに適した多岐に渡る手段、構成要素及び装置が存在する。特に、本発明は、その精神又は必須の特徴から逸脱せずにその他の特定的な形態にて具体化することができる。説明した実施の形態は、全ての点にて単に一例にしか過ぎず、限定的なものではないものと見なすべきである。このため、本発明の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって規定される。請求の範囲の意義及び等価物の範囲に属する全ての変更はその範囲に包含されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】縫合材が弛緩した位置にあり、係止可能なハブが本発明の1つの実施の形態に従って非係止状態にある、ドレナージカテーテルの図である。
【図1B】縫合材が緊張した形態にあり、縫合材の緊張した形態を固定すべく係止可能なハブが係止された、図1Aのドレナージカテーテルの図である。
【図1C】係止可能なハブを係止解除する機構を更に示す、図1Bのドレナージカテーテルの図である。
【図2A】本発明の1つの実施の形態に従ったドレナージカテーテルハブの分解図である。
【図2B】押し可能なボタンと、係止可能なハブ内に配置された締め止め部材とを示す拡大側面図である。
【図2C】図2A及び図2Bに示した押し可能なボタンの側面断面図である。
【図2D】押し可能なボタンの端面図である。
【図2E】図2A及び図2Bに示した締め止め部材の斜視図である。
【図2F】図2A及び図2Bに示した締め止め部材の後方図である。
【図3A】本発明の1つの実施の形態に従って縫合材がスタイレットに固定された、ドレナージカテーテルの斜視図である。
【図3B】スタイレットが後退して縫合材を解放する、図3Aのドレナージカテーテルの斜視図である。
【図4】過剰な力がカテーテル管に加えられたとき、縫合材がスタイレットから自動的に解放され、カテーテル管の先端が本発明の1つの実施の形態に従って真直ぐとなるようなカテーテル管の形態とされた、ドレナージカテーテルの図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液を患者から排液するシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を患者の身体から排液するため多岐に渡る医療分野にて排液カテーテルすなわちドレナージカテーテル(以下、ドレナージカテーテルと呼ぶ)が使用されている。例えば、患者は、負傷したり、身体組織に血液又はその他の身体血清のような、余剰な量の流体が溜まるという医学的問題があることがある。流体が除去されなかったならば、組織の断裂又は感染のような更なる合併症が患者にて生じる可能性がある。従って、これらの流体を患者から除去して圧力を解放するか、又は流体の蓄積の結果、組織が損傷されないことを保証するため、ドレナージカテーテルが開発されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のドレナージカテーテルは、典型的に、ハンドルと、ハンドルと連通可能に接続された細長いカテーテル管と、複数のドレナージボアを含む可撓性の先端とを備えている。可撓性の先端のドレナージボアは、細長いカテーテル管を通して流体と連通することを許容する。医師は、先端及びカテーテル管を患者の体内に挿入し先端が組織又は流体の蓄積領域に入るようにする。次に、ユーザは、ハンドルから伸びて、カテーテル管の長さに沿って進み且つ、先端に固定される縫合材を引っ張る。医師が縫合材を引っ張り又は後退させると、先端はカテーテル本体に向けて内方に撓み、これにより流体の蓄積領域内にてドレナージボアを有する湾曲したループを形成する。
【0004】
カテーテル管の湾曲した形態を維持するため、縫合材をその位置に保持すべく、医師は、縫合材及びカテーテルを両手で把持するか又は、縫合材をハンドルの回りに巻くことにより縫合材をカテーテルハブに固定しなければならない。残念なことに、このようにしてカテーテルハンドルを固定することは、特に、カテーテルが長期間、その位置に止まらなければならない場合、かなり不確実で且つ不便である。カテーテル管の追加的な操作又は再位置決めを利用しなければならない場合、カテーテルの長さを適正に操作するため、縫合材をハンドルから巻き戻すことは難しいであろう。
【0005】
カテーテル管の先端が適正に配置されたとき、その後、余剰な流体は、先端の個々のドレナージボア内に流れ、カテーテル管の長さに沿って流れ且つ、カテーテルハブから排液される。その後、医師は、カテーテルを局所領域から除去する。残念なことに、先端がカテーテル管に対して湾曲した形態をしていることは、ドレナージカテーテルをその排液位置から除去することを困難にするであろう。特に、先端が依然として内方に撓んだ位置にある間、ドレナージカテーテルを除去することは、ドレナージカテーテルを裂断させたり、又は身体組織を損傷させる可能性がある。従って、医師は、典型的に、カテーテルを除去する前に、先端を真直ぐにしようとする。一般に、このためには、最初に先端が撓むようにした縫合材を少なくとも解放することを必要とする。ドレナージカテーテルの先端の湾曲した形態を維持するため、縫合材が巻き付けられた場合、縫合材を巻き戻すことは、難しく且つ時間が掛かることになろう。
【0006】
更に、医師が縫合材を解放したとき、従来のカテーテルの可撓性の先端は、カテーテル先端を実質的に真直ぐな位置まで操作することを許容する態様にて完全には解放されないであろう。これは、多岐に渡るファクタが原因である。例えば、ドレナージカテーテルが長期間、患者の体内に止まる場合、体液又は体液と関係した物及び材料が縫合材糸上に固着し、ドレナージカテーテルの先端の湾曲した形態が解放されるのを阻止することになる。これにより医師が例えば、縫合材をハンドルの回りにて巻き戻した後でさえ、縫合材は引っ張り可能な形態に止まることになろう。このため、医師は、カテーテルを除去するため、侵襲的外科手術のような、追加的な治療法を実行する必要があろう。
【0007】
従って、患者の体内の流体を便宜に排液し、また、合併症が最小の状態にて除去することができるシステム及び装置により当該技術にて有利な効果を実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、流体を患者の身体から安全且つ便宜な仕方にて排液すると共に、完了時、カテーテル管及び装置を安全に除去するためのシステム及び装置に関する。特に、本発明の実施の形態は、縫合材が緊張されたとき、縫合材を固定する係止機構を有するドレナージカテーテルに関する。追加的な実施の形態は、組織を確実に解放し、先端が実質的に真直ぐな形態となるのを確実に許容する1つ又はより多くの解放機構を提供する。
【0009】
例えば、本発明の1つの実施の形態において、ドレナージカテーテルは、縫合材を固定し又は解放する押し可能なボタンを有するハブを備えている。縫合材は、ハブ内にてカテーテル管を通って伸び、先端から出る。縫合材は先端から出て、カテーテル管の末端部分の取り付け箇所にて終わる。医師が縫合材を引っ張ると、縫合材は、スタイレットに対して引っ張られて、先端がカテーテル管に向けてループ状の形態にて撓むようにする。次に、医師は、押し可能なボタンを押して、縫合材がハブの内部にて締め止めされ、このため、先端のループ状の形態を維持することができる。次に、流体が先端に入り、カテーテル管を通って流れ、カテーテル管の基端部分から出る。
【0010】
完了時、カテーテルハブは、縫合材が確実な態様にて解放するのを許容し、従って、先端が真直ぐとなり、カテーテル管を患者から除去することを許容する。例えば、医師は、押し可能なボタンを解除して、最早、縫合材が締め止めされないようにする。別の実施の形態において、医師は、スタイレットをハブに向けて基端方向に引っ張り、縫合材の末端がカテーテル管の取り付け点にてスタイレットから解放されるようにする。更に別の実施の形態において、カテーテル管の取り付け点は、その取り付け点が張力又は圧力を追加したとき、延伸して、また、縫合材がスタイレットから滑り出るのに十分なスペースを提供するような形態とすることができる。各場合にて、弛緩した縫合材は、先端が真直ぐとなることを許容する。
【0011】
本発明の一例としての実施の形態の追加的な特徴及び有利な効果は、以下の説明に記載され、また、一部分、この説明から明らかになり、又は、かかる一例としての実施の形態を実施することにより理解することができよう。かかる実施の形態の特徴及び有利な効果は、特許請求の範囲に特定的に指摘した実施例及びその組み合わせにより実現し且つ達成することができる。上記及びその他の特徴は、以下の説明及び特許請求の範囲の記載からより完全に明らかになるか又は、以下に記載したかかる一例としての実施の形態を実施することにより理解されよう。
【0012】
本発明の上述し且つその他の有利な効果及び特徴が実現できる態様を説明するため、添付図面に示したその特定の実施の形態に関して、上記に簡単に説明した本発明をより特定的に説明する。これらの図面は、本発明の典型的な例のみを示すものであり、このため、その範囲を限定するものとみなされるべきではないとの理解の下、本発明は、添付図面を用いて更に特定的に且つ詳細に記載し且つ説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、ドレナージカテーテル、特に、流体を患者の身体から安全に且つ便宜な仕方にて排液すると共に、完了時、カテーテル管及び装置を安全に除去するシステム及び装置に関する。特に、本発明の実施の形態は、縫合材が緊張されたとき、縫合材を固定する係止機構を有するドレナージカテーテルに関する。追加的な実施の形態は、縫合材を確実に解放し且つ先端が実質的に真直ぐな位置まで弛緩するのを確実に許容する1つ又はより多くの解放機構を提供する。
【0014】
例えば、以下の図面から理解されるように、本発明に従ったドレナージカテーテルは、主として2つの形態、すなわち弛緩した形態及び緊張した形態の一方について説明することができる。弛緩した形態にあるとき(例えば、図1A)、ドレナージカテーテルは、その自然に湾曲した形態から真直ぐとなり、これにより主としてカテーテルの基端から末端まで1つの軸線に沿って所定の形態となることができる。全体として、弛緩した形態は、ドレナージカテーテルを患者の身体に挿入し且つ患者の身体から除去する上で好ましい。スタイレット、ガイドワイヤー又はその他の直線化機構を使用して、カテーテル管を挿入する間、カテーテルの末端の真直ぐとなった形態を保証することができる。
【0015】
これに反して、緊張した形態(例えば、図1B)は、全体として体液を排液するために好ましい。例えば、緊張した形態にあるとき、カテーテル管の末端は、縫合材の緊張のため、ドレナージカテーテルのカテーテル管のより基端部分に隣接して固定される。緊張した形態にあるとき、カテーテル末端のドレナージボアは、典型的に、内方に又は患者の組織から離れる方向を向く。従って、緊張した形態は、ドレナージカテーテルを患者の身体内に維持し且つ余剰な流体を除去する上で好ましい。
【0016】
緊張した形態と弛緩した形態との間にて効率良く転移するのを容易にするため、本発明に従ったドレナージカテーテルは、係止可能なハブを備えている。例えば、本明細書及び特許請求の範囲から一層良く理解し得るように、1つのハブ構成要素が押され又は「係止」されたとき、縫合材の基端方向又は末端方向への動きが実質的に阻止され、このため、ドレナージカテーテルが困難なく緊張された形態を保持することを許容することができる。同様に、ハブ構成要素を解放し又は別のハブ構成要素を作動させたとき、ハブは「非係止」状態となる。このことは、縫合材が必要に応じて基端方向又は末端方向の何れかに動くことを許容し、このことは、カテーテル先端を所望に応じて緊張させ又は弛緩させることを許容することになる。
【0017】
効率良く係止し且つ解放することを実現するため使用されるこれらのハブ構成要素は、形状、形態及び(又は)特定の機能の点にて変更可能であるが、以下の説明は、一例としての形態に対する多数の特定の特徴に関するものである。例えば、図示した係止可能なハブは、可逆的に押し可能なボタンを含み、このボタンは、押されたとき、構成要素が単独にて又は組み合わさって縫合材を基端方向に又は末端方向に動かないように固定するような態様にて1つ又はより多くのその他の構成要素と係合する。ボタンが逆方向に押されたとき、縫合材は解放され、このため縫合材は基端方向又は末端方向の何れかに動くことができる。本発明の実施の形態は、急速解放機構も含んでおり、該急速解放機構は、生物学的材料によるカテーテルの機械的障害又は妨害によって1つの解放機構が縫合材を解放しない場合、ドレナージカテーテルの可撓性の先端の解放を容易にする冗長的な機構を提供する。従って、本発明の実施の形態は、カテーテル管を再位置決めし又は患者から除去するため確実な解放作用を提供しつつ、効率的に、安全に且つ確実に緊張させた形態に固定することができるドレナージカテーテルを提供する。
【0018】
図1Aには、(i)基端26と、ドレナージボア16を含む弾性的に可撓性の末端14とを有するカテーテル管12を備えるドレナージカテーテル10が示されている。弾性的に可撓性の末端14は、カテーテル管12と流体的に連通している。ドレナージカテーテル10は、また、(ii)基端26と末端14との間の箇所に配置された係止可能なハブ20と、(iv)カテーテル管12の長さに沿ってハブ20のキャビティ24から伸びて、末端14から出て且つ後方にループ状となり、取り付け点19にて終わる縫合材18とを備えている。本明細書及び特許請求の範囲の記載から理解されるように、係止可能なハブ20は、縫合材18を効率的に固定し且つ解放する形態とされた多数の内部構成要素を更に備えている。更に、カテーテル管12の末端14は、天然ゴム又は合成ゴム、可撓性プラスチック等のような可撓性の弾性を提供する任意の型式の材料から成るものとすることができる。
【0019】
図1Aには、また、縫合材18が弛緩した状態にあり、このため、末端14は基端26に対して実質的に真直ぐであることも示されている。単に説明のため、縫合材18は、ストリングとなるように巻かれた天然又は合成繊維、ニチノール(Nitinol)ワイヤーのような形状記憶金属等のような引っ張り、解放、緊張又は弛緩可能な任意の材料から成るものとすることができる。全体として、縫合材18が弛緩した状態にあるとき、ドレナージカテーテル10は患者の身体内に挿入し又は患者の身体から引き抜くのに適した形態(例えば、真直ぐな又は弛緩した形態)にある。換言すれば、カテーテル管12及び末端14の真直ぐな形態又は弛緩した形態は、ドレナージカテーテル10を患者の身体に挿入し且つ患者の身体から除去する上で一層効率的である。1つの実施の形態において、縫合材18は、カテーテル管12の長さの少なくとも一部分に沿って伸びる別個の管腔である、側壁ボア(図示せず)を介してドレナージカテーテル10を通って進める。
【0020】
図1Aに示したドレナージカテーテル10は、非係止形態にあり、このため、係止可能なハブ20から伸びる押し可能なボタン22が外方に伸びる状態にて示されている。図示した非係止形態にあるとき、縫合材18は、カテーテル管12及びハブ20に対して基端方向又は末端方向に何れかに向けて自由に動くことができる。しかし、これらの説明及び以下の図面から一層良く理解されるように、医師は、ボタン22をハブ20に対して押して縫合材18をハブ20内にて固定し、縫合材18が一定程度の張力にて保持されることを保証することができる。ドレナージカテーテル10を患者の体内に挿入するため、医師は、弛緩した形態にあるドレナージカテーテル10の末端14を余剰な流体が存在する可能性がある身体組織又はキャビティ内に挿入する。
【0021】
次に、図1Bを参照すると、適正な位置となったならば、次に、医師は、縫合材18を基端方向に引っ張る等によって縫合材18を緊張させる。これによってドレナージカテーテル10の末端14は、カテーテル管12に向け且つループから内方に撓み、ドレナージボア16は、形成されたループの内側にて露出される。上述したように、ドレナージボア16は、この緊張した形態にて形成されたループの内側に面し、ドレナージボア16と身体組織(図示せず)との接触を回避する。このことは、身体組織によるドレナージボア16の妨害を最小にする。図1Bに示した緊張した形態にあるとき、体液は、末端14にてカテーテル管12のドレナージボア16に入り、末端14及びカテーテル管12の流体連通経路を通って流れる。体液は、最終的に、ドレナージカテーテル10の基端26にてキャビティ28から出る。
【0022】
カテーテル管12に対して縫合材18の緊張した形態、従って末端14の緊張した形態を保持するため、図1Bには、ボタン22が係合し、これによりハブ20を係止する状態が示されている。以下の図面にて更に説明するように、ボタン22がドレナージカテーテル10に向けて押されたとき、係止可能なハブ20内の1つ又はより多くの構成要素は、1つ又はより多くのその他の構成要素と組み合わさって縫合材18と係合し、縫合材18が溝24を通って動くことができないようにする。特に、図1Bに示した係合し又は係止した形態は、縫合材18がカテーテル管12及び末端14に沿って基端方向又は末端方向の何れかに動くのを実質的に阻止する。
【0023】
図1Cは、体液の排液が完了した後、ハブ20を非係止状態にすることを示すドレナージカテーテルの斜視図である。例えば、図1Cに示したように、医師は、ねじ回し、止血鉗子又はその他の適当な鋭利な器具を使用する等によりボタン22の反対側部23を押すことができる。ボタン22の反対側部23を押された位置に配置することにより、縫合材の偶発的な解放が回避される。ハブ20が非係止状態とされたならば、最初の場合に縫合材を固定するために使用した係止可能なハブの内部構成要素により縫合材18を解放する。従って、縫合材18は、追加的に緊張させることなく、典型的に且つ自然に弛緩し、これによりドレナージカテーテル10の可撓性の末端14の緊張状態を解放し、末端14が実質的に真直ぐな形態に弛緩する(又は実質的に真直ぐな形態に配置される)ことを許容することができる。例えば、医師は、ドレナージカテーテル10を基端方向に向けて引っ張ることができ、末端14は、真直ぐとなって挿入点に嵌まる。別の実施の形態において、縫合材が固着し又は緊張した状態に止まる場合に対応するため、本発明の実施の形態は、図2Aに関してより詳細に説明する安全解放部を更に含む。
【0024】
図2Aには、縫合材18を挟持し又はその他の1つ又はより多くの位置にて保持するため使用することができる本発明の1つの実施の形態に従ったハブ20及び多数の構成要素の分解図が示されている。図示したように、ドレナージカテーテルハブ20は、(i)上側溝24aが形成された上側キャップ30と、(ii)内方に押すことができる形態とされた押し可能なボタン22と、(iv)押し可能なボタン22と協働して動く形態とされた締め止め部材38と、(v)カテーテル管からドレナージカテーテル管20内への体液の漏洩を最小にする形態とされた縫合材シール40と、(vi)下側溝24bが形成された本体31と、(vii)ハブ20をカテーテル管12と接続するシース36と、(viii)下側キャップ32と、(ix)解放ワイヤー34と、(x)解放ワイヤー34を下側キャップ32に取り付ける固定部材35とを備えている。ハブ20及び関連した構成要素は、必要に応じて、プラスチック又はゴム及び(又は)金属のような任意の材料から成るものとすることができる。
【0025】
図2Aには、また、押し可能なボタン22は上側キャップ30に対してその位置に保持することができる形態とすることが可能であることも示されている。特に、ボタン22の主要面は、上側キャップ30の小さい面の1つ又はより多くの交番的なリブ29と相互係止する1つ又はより多くのリブ25を備えている。その双方の場合、ボタン22のリブ25及び上側キャップ30のリブ29は、所望に応じて可撓性又は剛性(又は交番的に可撓性及び(又は)剛性)とし、任意の数の適当な材料にて形成することができる。押し可能なボタン22は、締め止め部材38の傾斜した主要面と相補的な形態とされた傾斜した小さい面を更に備えている。締め止め部材38に対する押し可能なボタン22の動作について、以下の図2Bないし図2Fにてより詳細に説明する。
【0026】
図2Aには、ハブ20に対する解放ワイヤー34の1つの位置が更に示されている。全体として、解放ワイヤー34は、ハブ20から取り付け点19まで伸び可能な任意の細長い構成要素とすることができる(例えば、図1Aないし図1C)。例えば、解放ワイヤー34は、ニチノール(Nitinol)、金属又は金属合金、合成材料等のような任意の適した形状記憶材料から成るものとすることができる。解放ワイヤー34は、カテーテル管12の壁に形成された側壁スタイレット(図示せず)内に配置され、解放ワイヤー34が主カテーテル管12の管腔28を通って流れる流体と直接接触しないようにする。
【0027】
更に、解放ワイヤー34は、解放ワイヤー34を基端方向に向けて引っ張る実質的に主把持点である、安全解放部を形成するよう下側キャップ32に取り付けることができる。1つの実施の形態において安全解放部を作動させるため、医師は、少なくとも部分的に下側キャップ32をハブの主本体31から取り外し、摺動させ、ヒンジ解除し又は除去し、これにより解放ワイヤー34を露出させる。その他の実施の形態において、ハブ20は、ハブ20の何れかの部分を分離し又は除去することなく、安全解放部が全体として下側キャップ32から又はハブ20から伸びるような形態とされている。以下の図面から理解し得るように、安全解放部は、取り付け点19内にて縫合材18に対する解放可能な取り付け境界面を提供する(例えば、図1A)。
【0028】
再度、押し可能なボタン22及び締め止め部材38の作動について説明すると、図2Bには、押し可能なボタン22が内方に又は係止可能なハブ20の反対側部に向けて押されたとき、押し可能なボタン22は、締め止め部材38を上方に動くよう付勢することが示されている。特に、押し可能なボタン22を内方に(係止可能なハブ20の反対側部に向けて)押すと、ボタン22の小さい面の相応する傾斜路又は下降部が締め止め部材38の主要面と係合する。これらの面が係合したとき、上側キャップ30は、ボタン22が上方に動くのを阻止し、このため締め止め部材38の頂部は下方に押される。更に、上側キャップ30のリブ29は、係止可能なハブ内にて押されているため、ボタン22を1つ又はより多くの位置にて保持する。締め止め部材38が下方に押されると、締め止め部材38は、縫合材シール40に圧力を加え、これにより縫合材18をその位置にて締め止めする。
【0029】
図2Bには、押し可能なボタン22及び締め止め部材38し、押し可能なボタン22を固定するためリ、ブ25、29に加えて使用することができる相応する溝42、44を有することも示されている。すなわち、図2Bには、押し可能なボタン22はその小さい傾斜面に溝42を含む一方、締め止め部材38は、同様に傾斜したその主要面に相応する溝44を含む。このように、押し可能なボタン22がドレナージカテーテル10の反対側部に向けて内方に押されたとき、押し可能なボタンは、押し可能なボタンの一端部分が締め止め部材38の溝44内にきちっと嵌まる箇所である点に到達する迄、締め止め部材38に沿って摺動する。従って、少なくともこれらの相応する溝42、44は、押し可能なボタン22が偶発的に解放され又は逆方向に向けて後方に摺動するのを実質的に阻止することができる。
【0030】
図2Cないし図2Fには、押し可能なボタン22及び締め止め部材38は、押し可能なボタン22及び締め止め部材38を共に案内し且つ(又は)固定するよう同様の形態とされた1つ又はより多くの追加的な突出部及び(又は)溝を含むことも示されている。例えば、図2C及び図2Dには、押し可能なボタン22の代替的な図が示されており、この場合、図2Cは側面図を示し、図2Dは図2Aに示した押し可能な側面図に対向する正面図を示す。特に、図2Cには、押し可能なボタンはリブ25と、押し可能なボタン22が少なくとも1つの位置にて締め止め部材38と相互係止することを許容する形態とされた溝42とを含むことが示されている。図2Dには、押し可能なボタン22が溝42に対して垂直な別の溝48を含むことが更に示されている。1つの実施の形態において、溝48は、押し可能なボタンを締め止め部材38の上に又は締め止め部材38内に形成された相応する軌道又は突出部に沿って案内する形態とされている。
【0031】
特に、図2Eには、締め止め部材38が押し可能なボタン22の溝48と摺動可能に係合する形態とされた、その主要面における軌道又は突出部46を含むことが示されている。軌道又は突出部46は、溝48が押し可能なボタン22の溝42に対して垂直であるのと同様に、溝44に対して垂直である(図2Fも参照)。このように、押し可能なボタン22が軌道又は突出部46に沿って押されたとき、締め止め部材38は、溝42、44が係止可能又は重なり合う態様にて整合される迄、押し可能なボタン22を案内する。
【0032】
押し可能なボタン22及び締め止め部材38は、押し可能なボタン22の反対側部に十分な圧力を提供するだけで非係合状態にすることもできる。このことは、押し可能なボタン22及び(又は)締め止め部材38を少なくとも部分的に可撓性の材料にて形成することができるため、少なくとも1つの実施の形態にて可能である。1つの形態において、材料は、偶発的な係合解除を阻止するのに十分に全体として剛性であり、また、意図的な係合解除を許容するのに十分に可撓性である。従って、十分な圧力によって押し可能なボタン22の係止した部分及び(又は)締め止め部材38の溝無し部分は、多少曲がり、これにより押し可能なボタン22及び締め止め部材28が軌道又は突出部46に沿って反対方向に向けて動くのを許容する。従って、図2Aないし図2Fには、係止可能なハブ20は縫合材18を確実に、効率的に且つ可逆的に係止すべく多岐に渡る形態にて形成された広範囲の代替的な形態の構成要素を含むことができることが示されている。
【0033】
図3A及び図3Bには、係止可能なハブ20の特徴である安全解放部35の代替的な図面が示されている。特に、図3A及び図3Bには、縫合材18が取り付け点19にて解放ワイヤー34に固定され、また、下側キャップ32が基端方向に向けて動かされたとき、その後、解放ワイヤー34が縫合材18から分離される形態が示されている。例えば、図3Aの緊張した形態にて示したように、解放ワイヤー34は、縫合材18の端部のループ又は結目を通して挿入されている。このことは、縫合材が基端方向に引っ張られたとき、縫合材18が解放ワイヤー34に押し付けられ、これにより、カテーテル管12内の解放ワイヤーがカテーテル管12の長さに対して相対的に更に短くなるから、縫合材18を緊張させることを許容する。このため、この縫合材18の短縮により可撓性の末端14はカテーテル管12に向けて内方に曲げられる。図3Aには、医師はボタン22を係止可能なハブ20の反対側部に向けて押すことによりこの形態を係止したことが更に示されている。上述したように、このハブ20の係止は、縫合材18を緊張した形態に保持し、末端14は、治療法を行う経過の間、必要とされるように、緊張した形態すなわち湾曲した形態に保持される。
【0034】
図3Bに示したように、医師は、解放ワイヤー34を基端方向に引き抜くことにより末端14を弛緩した形態に解放することができる。この実施の形態において、医師は、下側キャップ32を下降させ又は除去し、これにより解放ワイヤー34を後退させる。医師が下側キャップ32の後退又は引っ張りを続けると、解放ワイヤー34は、基端方向に向けて動かされる。この動作によって、スタイレット34は、例えば、取り付け点19にて縫合材18のループから取り外される。その結果、縫合材18は、弛緩した形態すなわち「自由な」形態に自由に動くことができる。更に、縫合材18は弛緩されているため、ドレナージカテーテル10の末端14に追加的な張力が加えられることはなく、このため、可撓性の末端14は、所望に応じて再調節し又は除去するため真直ぐにすることもできる。
【0035】
図4には、カテーテル管12が安全解放部35を不必要に引っ張ることを必要とせずに、解放ワイヤー34及び縫合材18を取り外すことを許容する形態とされた1つ又はより多くの形状記憶材料から成るドレナージカテーテル10の別の実施の形態が示されている。図4には、取り付け点19が配置され、過剰な量の力がカテーテル管12に加えられたとき、自動的に縫合材18が解放されることが示されている。この縫合材18の自動的な解放は、カテーテル管に加えられた力の量によって患者が負傷する前に、行われる。換言すれば、医師がカテーテル管12の末端14のループ状の形態を最初に解放せずに、カテーテル管12を患者から後退させようとする場合、カテーテル管12の張力が患者を負傷させるのに十分となる前に、縫合材は、カテーテル管の末端14のループ状の形態を自動的に解放する。
【0036】
例えば、カテーテル管12及び(又は)末端14(又は単に、取り付け境界面19にてカテーテル管12の部分を形成する材料)は、天然ゴム又は合成ゴム、可撓性のプラスチック、形状記憶金属及び同様のもののような可撓性又は弾性的な材料から成るものとすることができる。カテーテル管14における張力が増大すると、カテーテル管14は延伸し、取り付け点19は、解放ワイヤー34の端部を経て動き、解放ワイヤー34が後方に動くことなく、縫合材18が解放ワイヤーから滑り出るのを許容する。解放ワイヤー34を取り付け点19に対して配置すること、また、カテーテル管が弾性的な性質は、末端14を安全に且つ確実に弛緩させるための更に別の手段を提供する形態とされている。別の実施の形態において、取り付け点の形態は、過剰な力がカテーテル管に加えられたとき、取り付け点が延伸して縫合材を解放するようなものとされている。
【0037】
従って、ドレナージカテーテルを緊張し又は弛緩した形態にて安全に、確実に、効率的に且つ回復可能に固定する多岐に渡る実施の形態が提供される。特に、本発明の実施の形態は、医師が望むように縫合材が1つ又はより多くの位置にて係止することを保証すべく使用することができる多数の構成要素を提供する。本発明の追加的な実施の形態は、縫合材を弛緩した形態にて保持することを許容し、また、このため、ドレナージカテーテルが実質的に真直ぐな形態に動いて戻るのを許容する上述した係止構成要素のその他の構成要素又は形態を提供する。更に別の実施の形態は、縫合材の詰まり又は固着のようなその他の面倒な状況の場合、ドレナージカテーテルが弛緩した形態を保持することを保証する多数の安全機構を提供する。
【0038】
本明細書に記載された実施の形態は、互いに組み合わせ、また、本発明の範囲内にて1つ又はより多くのその他の適した構成要素にて置換することができることも理解されよう。例えば、ドレナージカテーテル10の別の代替的な実施の形態は、本明細書に記載した係止可能なハブを備え、また、安全解放部及び解放ワイヤー34並びに延伸可能な取り付け点19を含むこともできる。これと代替的に、本発明に従ったドレナージカテーテルは、その他の構成要素を含み、1つ又はより多くの構成要素を押すことによって縫合材が特定の位置を保持することもできる。例えば、係止可能なハブの別の実施の形態は、係止可能なハブの一側部に配置された弾性的に変形可能なドームを含むことも可能であろう。ドームが最初に押されたとき、係止機構は、縫合材を係止する第一の位置まで動く。ボタンが2回目に押されたとき、係止機構は、第二の位置まで動き、これにより縫合材を解放する。
【0039】
従って、本明細書に記載された機能を実現するのに適した多岐に渡る手段、構成要素及び装置が存在する。特に、本発明は、その精神又は必須の特徴から逸脱せずにその他の特定的な形態にて具体化することができる。説明した実施の形態は、全ての点にて単に一例にしか過ぎず、限定的なものではないものと見なすべきである。このため、本発明の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって規定される。請求の範囲の意義及び等価物の範囲に属する全ての変更はその範囲に包含されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】縫合材が弛緩した位置にあり、係止可能なハブが本発明の1つの実施の形態に従って非係止状態にある、ドレナージカテーテルの図である。
【図1B】縫合材が緊張した形態にあり、縫合材の緊張した形態を固定すべく係止可能なハブが係止された、図1Aのドレナージカテーテルの図である。
【図1C】係止可能なハブを係止解除する機構を更に示す、図1Bのドレナージカテーテルの図である。
【図2A】本発明の1つの実施の形態に従ったドレナージカテーテルハブの分解図である。
【図2B】押し可能なボタンと、係止可能なハブ内に配置された締め止め部材とを示す拡大側面図である。
【図2C】図2A及び図2Bに示した押し可能なボタンの側面断面図である。
【図2D】押し可能なボタンの端面図である。
【図2E】図2A及び図2Bに示した締め止め部材の斜視図である。
【図2F】図2A及び図2Bに示した締め止め部材の後方図である。
【図3A】本発明の1つの実施の形態に従って縫合材がスタイレットに固定された、ドレナージカテーテルの斜視図である。
【図3B】スタイレットが後退して縫合材を解放する、図3Aのドレナージカテーテルの斜視図である。
【図4】過剰な力がカテーテル管に加えられたとき、縫合材がスタイレットから自動的に解放され、カテーテル管の先端が本発明の1つの実施の形態に従って真直ぐとなるようなカテーテル管の形態とされた、ドレナージカテーテルの図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
余剰な体液を吸引するときに使用されるドレナージカテーテルにおいて、
末端と流体的に連通した基端を有するカテーテル管であって、末端にて1つ又はより多くのドレナージボアに入る流体が基端にてカテーテル管から出るようにした前記カテーテル管と、
取り付け点にてカテーテル管に取り付けられた縫合材であって、カテーテル管の末端の位置からカテーテル管の基端部分まで伸びる前記縫合材と、
本体と、押し可能なボタンとを備える係止可能なハブとを備え、ユーザが押し可能な部材をカテーテル管の伸長軸線に対して横方向に偏倚させ、係止可能なハブに対する縫合材の位置を固定する、ドレナージカテーテル。
【請求項2】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、係止可能なハブは、押し可能なボタンが1方向に押されたとき、縫合材を1つの位置にて固定し、押し可能なボタンが反対方向に向けて押されたとき、縫合材を解放する、ドレナージカテーテル。
【請求項3】
請求項2に記載のドレナージカテーテルにおいて、押し可能なボタンは、締め止め部材と協働可能に係合し、押し可能なボタンを押すことにより締め止め部材が縫合材をその位置にて実質的に保持する、ドレナージカテーテル。
【請求項4】
請求項3に記載のドレナージカテーテルにおいて、押し可能なボタンは、1つ又はより多くの溝を有する傾斜した小さい面を備え、締め止め部材は、ボタンの1つ又はより多くの溝と整合する相応する1つ又はより多くの溝又は軌道を有する傾斜した主要面を備える、ドレナージカテーテル。
【請求項5】
請求項4に記載のドレナージカテーテルにおいて、押し可能なボタンの溝の少なくとも1つは、締め止め部材の突出部と摺動可能に係合する形態とされ、押し可能なボタンの溝の少なくとも別のものは、締め止め部材の溝と回復可能に係止する形態とされる、ドレナージカテーテル。
【請求項6】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、カテーテル管は、側壁ボアを備え、縫合材は、前記側壁ボアに通されて、これにより縫合材はカテーテル管を通って流れる体液から分離される、ドレナージカテーテル。
【請求項7】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、ハブからカテーテル管の取り付け点まで伸びる解放ワイヤーを更に備える、ドレナージカテーテル。
【請求項8】
請求項7に記載のドレナージカテーテルにおいて、解放ワイヤーは、ニチノールのような形状記憶材料から成る、ドレナージカテーテル。
【請求項9】
請求項7に記載のドレナージカテーテルにおいて、カテーテル管は、カテーテル管の取り付け点と連通した側壁ボアを備え、解放ワイヤーは側壁ボアに通される、ドレナージカテーテル。
【請求項10】
請求項7に記載のドレナージカテーテルにおいて、解放ワイヤーは、基端方向に向けて引っ張ることができる安全解放部を含み、安全解放部を基端方向に向けて引っ張ることにより、解放ワイヤーが取り付け点にて縫合材から外れる、ドレナージカテーテル。
【請求項11】
請求項7に記載のドレナージカテーテルにおいて、カテーテル管は、取り付け点に弾性的なキャビティを有する形態とされ、縫合材に力が加わったとき、弾性的なキャビティがより大きい寸法に延伸し、縫合材が解放ワイヤーから外れるのを許容する、ドレナージカテーテル。
【請求項12】
ドレナージカテーテル内の縫合材の解放システムにおいて、
流体を受け取る末端と、末端から受け取った流体を分散させる基端とを有する中空のカテーテル管と、
中空のカテーテル管に沿って伸び且つ中空のカテーテル管の末端にて取り付け点に取り付けられる縫合材と、
中空のカテーテル管と連通した係止可能なハブとを備え、
前記係止可能なハブは、
小さい面から伸びる1つ又はより多くのリブを有する上側キャップと、
主要面に形成された1つ又はより多くのリブを有する押し可能なボタンと、
押し可能なボタンと協働可能に係合する形態とされ、押し可能なボタンと1方向に向けて係合することにより締め止め部材が縫合材を保持し、押し可能なボタンと反対方向に向けて係合することにより締め止め部材が縫合材を解放する形態とされた締め止め部材とを備える、ドレナージカテーテル内の縫合材解放システム。
【請求項13】
請求項12に記載の縫合材解放システムにおいて、係止可能なハブは、安全解放部を隠す取り外し可能な下側キャップを備え、取り外し可能な下側キャップは、安全解放部を基端方向に向けて引っ張る前に除去される、縫合材解放システム。
【請求項14】
請求項12に記載の縫合材解放システムにおいて、締め止め部材は、締め止め部材の主要面における1つ又はより多くの溝及び1つ又はより多くの軌道が押し可能なボタンの小さい面における相応する溝と協働可能に係合する形態とされる、縫合材解放システム。
【請求項15】
請求項14に記載の縫合材解放システムにおいて、締め止め部材の主要面に対向して配置された板を更に備え、押し可能なボタンが締め止め部材と協働可能に係合することにより締め止め部材が板に対して押し付けられるようにした、縫合材解放システム。
【請求項16】
ドレナージカテーテル内の縫合材の係止システムにおいて、
流体を受け取る末端と、末端から受け取った流体を分散させる基端とを有する中空のカテーテル管と、
中空のカテーテル管に沿って伸び且つ中空のカテーテル管の末端にて取り付け点に取り付けられる縫合材と、
中空のカテーテル管と連通した係止可能なハブとを備え、
前記係止可能なハブは、
押し可能な面に対して垂直な角度付き部分を有する押し可能なボタンと、
1側部にてボタンの角度付き部分と当接し且つ反対側部にて縫合材と当接する相互的な角度付き部分を有する締め止め部材とを備え、締め止め部材は、押し可能なボタンが締め止め部材に向けて側方向に向けて動かされたとき、縫合材に対して長手方向に向けて押される、ドレナージカテーテル内の縫合材の係止システム。
【請求項17】
請求項16に記載の縫合材の係止システムにおいて、係止可能なハブは、係止可能なハブから中空のカテーテル管における取り付け点まで伸びる解放ワイヤーを更に備える、縫合材の係止システム。
【請求項18】
余剰な体液を患者の組織から排液する方法において、
ドレナージカテーテル管の末端を体液を有する領域内に挿入するステップと、
ドレナージカテーテルの係止可能なハブ内に配置された縫合材を基端方向に向けて後退させ、ドレナージカテーテルの末端がカテーテルのカテーテル管に向けて撓むようにするステップと、
係止可能なハブの第一の面を押して縫合材が基端方向又は基端方向に動くのが実質的に阻止されるようにするステップとを備える、余剰な体液を患者の組織から排液する方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、係止可能なハブの第二の面を押して縫合材が弛緩した形態に実質的に自由に動くようにするステップを更に備える、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、係止可能なハブの第一の面及び第二の面は押し可能なボタンの対向する面である、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法において、縫合材をドレナージカテーテルのカテーテル管のカテーテル管取り付け点にて解放ワイヤーから取り外すステップを更に備える、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法において、縫合材を解放ワイヤーから取り外すステップは、カテーテルの管取り付け点を延伸させ、縫合材が解放ワイヤーから滑り出ることができるようにするのに十分な力にて縫合材を引っ張るステップを含む、方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法において、縫合材を解放ワイヤーから取り外すステップは、安全解放部を基端方向に向けて引っ張り、安全解放部の解放ワイヤーが縫合材から分離するようにするステップを含む、方法。
【請求項1】
余剰な体液を吸引するときに使用されるドレナージカテーテルにおいて、
末端と流体的に連通した基端を有するカテーテル管であって、末端にて1つ又はより多くのドレナージボアに入る流体が基端にてカテーテル管から出るようにした前記カテーテル管と、
取り付け点にてカテーテル管に取り付けられた縫合材であって、カテーテル管の末端の位置からカテーテル管の基端部分まで伸びる前記縫合材と、
本体と、押し可能なボタンとを備える係止可能なハブとを備え、ユーザが押し可能な部材をカテーテル管の伸長軸線に対して横方向に偏倚させ、係止可能なハブに対する縫合材の位置を固定する、ドレナージカテーテル。
【請求項2】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、係止可能なハブは、押し可能なボタンが1方向に押されたとき、縫合材を1つの位置にて固定し、押し可能なボタンが反対方向に向けて押されたとき、縫合材を解放する、ドレナージカテーテル。
【請求項3】
請求項2に記載のドレナージカテーテルにおいて、押し可能なボタンは、締め止め部材と協働可能に係合し、押し可能なボタンを押すことにより締め止め部材が縫合材をその位置にて実質的に保持する、ドレナージカテーテル。
【請求項4】
請求項3に記載のドレナージカテーテルにおいて、押し可能なボタンは、1つ又はより多くの溝を有する傾斜した小さい面を備え、締め止め部材は、ボタンの1つ又はより多くの溝と整合する相応する1つ又はより多くの溝又は軌道を有する傾斜した主要面を備える、ドレナージカテーテル。
【請求項5】
請求項4に記載のドレナージカテーテルにおいて、押し可能なボタンの溝の少なくとも1つは、締め止め部材の突出部と摺動可能に係合する形態とされ、押し可能なボタンの溝の少なくとも別のものは、締め止め部材の溝と回復可能に係止する形態とされる、ドレナージカテーテル。
【請求項6】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、カテーテル管は、側壁ボアを備え、縫合材は、前記側壁ボアに通されて、これにより縫合材はカテーテル管を通って流れる体液から分離される、ドレナージカテーテル。
【請求項7】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、ハブからカテーテル管の取り付け点まで伸びる解放ワイヤーを更に備える、ドレナージカテーテル。
【請求項8】
請求項7に記載のドレナージカテーテルにおいて、解放ワイヤーは、ニチノールのような形状記憶材料から成る、ドレナージカテーテル。
【請求項9】
請求項7に記載のドレナージカテーテルにおいて、カテーテル管は、カテーテル管の取り付け点と連通した側壁ボアを備え、解放ワイヤーは側壁ボアに通される、ドレナージカテーテル。
【請求項10】
請求項7に記載のドレナージカテーテルにおいて、解放ワイヤーは、基端方向に向けて引っ張ることができる安全解放部を含み、安全解放部を基端方向に向けて引っ張ることにより、解放ワイヤーが取り付け点にて縫合材から外れる、ドレナージカテーテル。
【請求項11】
請求項7に記載のドレナージカテーテルにおいて、カテーテル管は、取り付け点に弾性的なキャビティを有する形態とされ、縫合材に力が加わったとき、弾性的なキャビティがより大きい寸法に延伸し、縫合材が解放ワイヤーから外れるのを許容する、ドレナージカテーテル。
【請求項12】
ドレナージカテーテル内の縫合材の解放システムにおいて、
流体を受け取る末端と、末端から受け取った流体を分散させる基端とを有する中空のカテーテル管と、
中空のカテーテル管に沿って伸び且つ中空のカテーテル管の末端にて取り付け点に取り付けられる縫合材と、
中空のカテーテル管と連通した係止可能なハブとを備え、
前記係止可能なハブは、
小さい面から伸びる1つ又はより多くのリブを有する上側キャップと、
主要面に形成された1つ又はより多くのリブを有する押し可能なボタンと、
押し可能なボタンと協働可能に係合する形態とされ、押し可能なボタンと1方向に向けて係合することにより締め止め部材が縫合材を保持し、押し可能なボタンと反対方向に向けて係合することにより締め止め部材が縫合材を解放する形態とされた締め止め部材とを備える、ドレナージカテーテル内の縫合材解放システム。
【請求項13】
請求項12に記載の縫合材解放システムにおいて、係止可能なハブは、安全解放部を隠す取り外し可能な下側キャップを備え、取り外し可能な下側キャップは、安全解放部を基端方向に向けて引っ張る前に除去される、縫合材解放システム。
【請求項14】
請求項12に記載の縫合材解放システムにおいて、締め止め部材は、締め止め部材の主要面における1つ又はより多くの溝及び1つ又はより多くの軌道が押し可能なボタンの小さい面における相応する溝と協働可能に係合する形態とされる、縫合材解放システム。
【請求項15】
請求項14に記載の縫合材解放システムにおいて、締め止め部材の主要面に対向して配置された板を更に備え、押し可能なボタンが締め止め部材と協働可能に係合することにより締め止め部材が板に対して押し付けられるようにした、縫合材解放システム。
【請求項16】
ドレナージカテーテル内の縫合材の係止システムにおいて、
流体を受け取る末端と、末端から受け取った流体を分散させる基端とを有する中空のカテーテル管と、
中空のカテーテル管に沿って伸び且つ中空のカテーテル管の末端にて取り付け点に取り付けられる縫合材と、
中空のカテーテル管と連通した係止可能なハブとを備え、
前記係止可能なハブは、
押し可能な面に対して垂直な角度付き部分を有する押し可能なボタンと、
1側部にてボタンの角度付き部分と当接し且つ反対側部にて縫合材と当接する相互的な角度付き部分を有する締め止め部材とを備え、締め止め部材は、押し可能なボタンが締め止め部材に向けて側方向に向けて動かされたとき、縫合材に対して長手方向に向けて押される、ドレナージカテーテル内の縫合材の係止システム。
【請求項17】
請求項16に記載の縫合材の係止システムにおいて、係止可能なハブは、係止可能なハブから中空のカテーテル管における取り付け点まで伸びる解放ワイヤーを更に備える、縫合材の係止システム。
【請求項18】
余剰な体液を患者の組織から排液する方法において、
ドレナージカテーテル管の末端を体液を有する領域内に挿入するステップと、
ドレナージカテーテルの係止可能なハブ内に配置された縫合材を基端方向に向けて後退させ、ドレナージカテーテルの末端がカテーテルのカテーテル管に向けて撓むようにするステップと、
係止可能なハブの第一の面を押して縫合材が基端方向又は基端方向に動くのが実質的に阻止されるようにするステップとを備える、余剰な体液を患者の組織から排液する方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、係止可能なハブの第二の面を押して縫合材が弛緩した形態に実質的に自由に動くようにするステップを更に備える、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、係止可能なハブの第一の面及び第二の面は押し可能なボタンの対向する面である、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法において、縫合材をドレナージカテーテルのカテーテル管のカテーテル管取り付け点にて解放ワイヤーから取り外すステップを更に備える、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法において、縫合材を解放ワイヤーから取り外すステップは、カテーテルの管取り付け点を延伸させ、縫合材が解放ワイヤーから滑り出ることができるようにするのに十分な力にて縫合材を引っ張るステップを含む、方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法において、縫合材を解放ワイヤーから取り外すステップは、安全解放部を基端方向に向けて引っ張り、安全解放部の解放ワイヤーが縫合材から分離するようにするステップを含む、方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【公表番号】特表2009−502427(P2009−502427A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525045(P2008−525045)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/029304
【国際公開番号】WO2007/019074
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(500173402)メリット・メディカル・システムズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/029304
【国際公開番号】WO2007/019074
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(500173402)メリット・メディカル・システムズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】
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