保水性舗装構造および舗装用保水性ブロック
【課題】 長期にわたる安定した保水・蒸発機能を有し、かつ施工性が良く、維持管理が容易で、経済性にも優れた保水性舗装構造及び該構造に用いる保水性舗装ブロックを提供する。
【解決手段】 路床1上に複数のトレイ11を設置する。トレイ11の内外に砕石3aからなる路盤材層3を形成し、空練りモルタルなどの吸水材層4を介在させて、多孔質の保水性ブロック5を設置する。晴天時などに、路面の温度が上昇すると、保水性ブロック5の表面から水分が蒸発し、気化熱により路面の温度上昇を抑制し、ヒートアイランド化現象などを防止する。内部の水分が蒸発した保水性ブロック5に対しては、トレイ11を利用して路盤材層3に蓄えられている水が吸水材層4を通じて供給され、夏場の厳しい気象条件においても常に保水状態を保ち、路面の温度上昇抑制効果を持続させることができる。
【解決手段】 路床1上に複数のトレイ11を設置する。トレイ11の内外に砕石3aからなる路盤材層3を形成し、空練りモルタルなどの吸水材層4を介在させて、多孔質の保水性ブロック5を設置する。晴天時などに、路面の温度が上昇すると、保水性ブロック5の表面から水分が蒸発し、気化熱により路面の温度上昇を抑制し、ヒートアイランド化現象などを防止する。内部の水分が蒸発した保水性ブロック5に対しては、トレイ11を利用して路盤材層3に蓄えられている水が吸水材層4を通じて供給され、夏場の厳しい気象条件においても常に保水状態を保ち、路面の温度上昇抑制効果を持続させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保水性舗装構造およびそれに適した舗装用保水性ブロックに関するものであり、舗装表面部に保水される水分の気化熱を利用して路面温度を低減させ、ヒートアイランド現象を抑制し、夏季において熱的に快適な屋外生活空間を創造しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
ヒートアイランド現象の改善を図る舗装として、路面温度低減効果が期待できる保水性舗装や遮熱性舗装の技術の確立が望まれている。
【0003】
このうち、保水性舗装とは、舗装体内の保水材に蓄えられた水分が蒸発する際に発生する気化熱(潜熱)により、路面温度を低減させるものであり、その中に、さらに地下水や貯留した雨水等から連続的に吸水を行うことで、保水性舗装の保水維持機能を高める吸水型保水性舗装がある。
【0004】
非特許文献1には、このような保水性舗装の代表例として、図12〜図14に示すような構造、原理のものが記載されている。
【0005】
図12の保水性舗装は、路床に地下貯水槽を設け、不透水層に形成された保水性舗装内の保水材により、路面を構成する保水性舗装を湿潤状態に保ち、その気化熱によって路面温度を低減させようとするものである。
【0006】
この保水性舗装は、開粒度アスファルトなどの路盤骨材間に空隙を有し、その空隙を埋める保水材の保水能力を期待したものであり、例えば図に示されるように側溝などから誘導された雨水あるいは供給水が、不織布などの吸水シートあるいはサンドクッション層などの吸水材を介して保水性舗装内の保水材に供給される。
【0007】
図13の保水性舗装は、路面に保水性ブロックを敷設し、保水性ブロック自体の保水機能を利用するものである。図の例では保水性ブロックが敷設される路盤との間に、図12の場合と同様の吸水材を介在させ、路盤内の水分を保水性ブロックに供給しやすい構造としている。
【0008】
図14の保水性舗装は、図12のように路床に地下貯水槽を設ける代わりに、ポンプ等により外部からの積極的な給水を図ったものである。
【0009】
この他、特許文献1には、透水性および/または保水性を有する舗装路面施工法として、路面を構成する透水性ブロックの下に、従来のサンドクッション層に代えてまたはサンドクッション層に加え、JIS規格で規定される7号単粒度砕石による単粒度砕石層を形成することで、透水性または保水性舗装の材料および施工コストを低減させるとともに、従来のサンドクッション層における砂の流失による不陸やブロックの損傷の問題などの解決を図ったものが記載されている。
【0010】
また、特許文献2には、本願出願人の1名による陶器瓦の破砕屑を含む保水性の優れた舗装用ブロック等が記載されている。
【0011】
また、特許文献3には、透水性ブロックの下面に上面が開口したトレイ状の保水タンクを一体化し、透水性ブロックから保水タンクに垂らした不織布により透水性ブロックの表面から蒸発させ、路面温度を低減させるようにしたものが記載されている。
【0012】
また、特許文献4には、舗装材あるいは外壁材などに用いられる多孔質セラミックとして、微細な孔径の異なる2層以上の層を有する多孔質セラミックが記載されている。
【0013】
【特許文献1】特許第3209717号公報
【特許文献2】特開2004−019406号公報
【特許文献3】特許第2885085号公報
【特許文献4】特開2002−187784号公報
【非特許文献1】“吸水型保水性舗装の例 詳細図”、[online]、国土交通省関東地方整備局関東技術事務所、[平成17年3月2日検索]、インターネット<URL: http://www.ktr.mlit.go.jp/kangi/hosou/detail01.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述の図12の方式は、貯水槽の貯水量による持続的効果を狙ったものであるが、貯水槽の設置場所、水質管理の問題や施工コストの問題がある。
【0015】
図13の方式は、保水性ブロックのブロック自身の貯水機能に期待したものであり、従来の施工法で施工できるという利点があるが、ブロック内での保水量や、降雨後の持続的効果には限界がある。
【0016】
図14の方式は、温度センサーや水分センサーの利用によりタイムリーな効果が期待できるという利点はあるが、水源確保の問題や、施工やメンテナンスの問題などがある。
【0017】
特許文献1記載の発明は、単粒度砕石層によって形成される空隙を保水のために利用しようとするものであるが、表面の透水性ブロックは雨水などを通過させるだけであり、砕石層に溜まった水を吸い上げる機能はない。そのため、通常時は空隙率の高い単粒度砕石層の上部と透水性ブロックの裏面との間には空気層が形成され、路面における蒸発やそれに伴う路面温度低減効果はあまり期待できない。特に、最も路面温度低減効果が求められる日照り状態ではほとんど効果が得られない。
【0018】
また、特許文献3記載の発明の場合、保水は確保できるが、舗装内の保水タンク部分が構造的に大きな空洞になるため、透水性ブロックに作用する荷重を支持するためには保水タンクがかなりの強度を有するものでなければならない。
【0019】
以上述べたように、何れの技術もそれぞれ課題が残っており、確立された技術と呼べる段階には達していない。
【0020】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、主に雨水を利用して長期にわたる安定した保水機能を有し、かつ施工性が良く、維持管理が容易で、経済性にも優れた保水性舗装構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本願の請求項1に係る保水性舗装構造は、路床の上方に、路盤材の粒度を調整して必要な空隙を確保した路盤材層を設け、前記路盤材層の上方に多孔質の保水性ブロックを敷設し、前記保水性ブロック表面からの水分の蒸発により舗装表面の冷却効果を得るようにした保水性舗装構造であって、上面が開口する不透水性のトレイを前記路床上または路盤材層内に複数設置してあることを特徴とするものである。
【0022】
路盤の下部の構造は特に限定されず、従来一般的な構造を適用することができる。
【0023】
路盤材層は路盤において、車両等の活荷重その他の外力によって、路面に不陸が生じたり、それによって上部に位置するブロックが傾いたり、損傷したりすることを防止する機能が期待されており、それに必要な強度及び層厚が必要である。
【0024】
路盤材としては、従来から砕石等が用いられているが、砕石に限定されず、例えばそれ自体保水性を有する多孔質の人工軽量骨材などを用いることもできる。
【0025】
大きな保水量を確保するという意味では層厚を大きくすればよいが、その分、路盤材量も増すため、施工面、コスト面での制約が生じる。また、層厚が大き過ぎると路盤からブロックへの水の吸い上げという面でも不利になる。路盤材の種類にもよるが、例えば、大きな空隙率を確保するために、特許文献1に記載されているJIS規格の7号単粒度砕石を用いた場合、路盤材層の厚さの好ましい範囲としては50〜200mm程度である。
【0026】
保水性ブロックとしては、路面温度の上昇によるヒートアイランド現象の対策として、従来ある透水性ブロックに比べ、透水係数の小さいブロックが開発されている。前述した特許文献2記載のものはブロックの骨材に陶器瓦の破砕屑を用いることで、廃材利用を図りつつ、所定の保水性あるいは透水保水性を与えたものであるが、その他、原料の一部に廃材を利用した保水性ブロックとしては使用済み発泡スチロールを温風減容処理してなる再生骨材を混入した軽量保水性ブロックなども知られている。
【0027】
この他、後述するような路盤に貯留した水を毛管現象により上部に速やかに吸い上げるよう、材料配合を調整したブロックを使用することで、吸い上げ性能を高めることができる。
【0028】
本発明におけるトレイの機能に関しては、例えば、夏季晴天時が長期間継続する場合を考慮すると、設置場所やその土地の気象条件等よっては、かなり長期にわたる保水機能の持続が要求される。
【0029】
本発明では、路盤材層に設置されたトレイにより、路盤材層の保水部としての機能がさらに高められ、夏季晴天時などの悪条件においても長期にわたる保水機能の持続が可能となる。
【0030】
歩行者や車両の荷重は路盤材層が受けるため、トレイにはそれほど強度は要求されず、内部に充填される骨材等によって大きく損傷しないものであればよく、材質は特に限定されないが、加工性、コスト、軽量で取扱いやすいといった面で、軟質または硬質樹脂製のものが適している。
【0031】
トレイは路盤材層の形成前に路盤の上部に複数並べ、その後、路盤材層の骨材を充填してもよいし、路盤上に骨材の一部を施工した後、トレイを設置し、さらにその上部に骨材を充填して行くのでも良い。
【0032】
複数設置されるトレイどうしは、適当な間隔をおいて設置することで、過剰な水を隙間から排水することができ、トレイの寸法や間隔等は現場の施工条件、気象条件等に応じて設計することができる。
【0033】
このトレイは水平方向の仕切りとしての機能も有する。仕切としての機能により、路盤材層の施工における骨材の充填作業が容易となり、均一な充填が可能となる。また、路盤材層内の水平方向の水の流れがトレイで区画された範囲ごとで抑制され、保水機能や水分の蒸発による路面温度低減効果のバラツキを抑えることができる。
【0034】
請求項2は、請求項1に係る保水性舗装構造において、前記トレイは内部が複数の区画に仕切られ、敷設現場で容易に切断可能な材料で、または容易に切断可能な形態に形成されていることを特徴とするものである。
【0035】
トレイを複数の区画に仕切ることで、トレイの内側に充填される骨材を均等に施工しやすくなる他、トレイとしての剛性が高まることで、薄肉の軟質樹脂等で成形した場合でも取扱いが容易となる。また、一部の区画に孔があいても全体としての保水性を保つことができる。
【0036】
また、薄肉の樹脂等、敷設現場で容易に切断可能な材料とすれば、区画の境で切断して使用することで、施工現場に合せて寸法調整が可能である。容易に切断可能な形態というのは、例えば植栽用のビニールポットのように多数の凹部を集合させたような形態のものを凹部間の上部で切断できるようにしたもの(ただし、厚みや強度は骨材を充填するのに適した厚さ、強度が必要である)等である。
【0037】
請求項3は、請求項1または2に係る保水性舗装構造において、前記トレイの一部に排水部を設けてあることを特徴とするものである。
【0038】
トレイの一部に排水部を設けることで、保水量の調整をすることができるが、寒冷地、日陰など冬季における凍結やコケの発生対策の面でも効果がある。
【0039】
また、排水部に弁を設け、温度が高い夏季には弁を閉じて水密性を保ちトレイの貯留機能を十分に発揮させ、温度が低い冬季には弁を開き水密性をなくしトレイ内の自由水が路床に排出されるようにすることもできる。
【0040】
さらに、弁として温度に応じて自動開閉するものを用いれば、特にメンテナンスを要することなく、夏季、冬季での切り替えが可能である。そのような機構としては、例えば温室の窓の開閉機構があり、その他、温度感受性の繊維、多孔質樹脂、形状記憶合金等を使用するものなどで自動開閉の弁を構成することができる。
【0041】
請求項4は、請求項1、2または3に係る保水性舗装構造において、前記路盤材層の上に前記多孔質の保水性ブロックに加え、透水性ブロックおよび/または非透水性ブロックを混在させて敷設してあることを特徴とするものである。
【0042】
多孔質の透水性ブロックに関しては、排水機能を期待して、従来から、種々の材質、透水係数のものが開発されている。
【0043】
請求項4に係る発明では、このような保水性ブロックや透水性ブロックを組み合わせて用いる。なお、これらの保水性ブロックや透水性ブロックに加え、透水係数の低い一般的な路面用ブロックを組み合わせて使用してもよい。
【0044】
組み合わせて使用するメリットとしては、保水性舗装構造の路面全体について均一な透水性能、排水性能とするのではなく、ある部分については透水性ブロックを使用して、雨天時の排水の促進と保水部としての路盤材層への雨水の供給の促進を図る部分とし、ある部分については保水性ブロックを使用して、その部分での水分の気化熱による路面温度の低減を重視し、ある部分についてはコスト低減や路面からの側溝などへの排水を考慮して普通のブロックを使用するなど、舗装全体のトータルの設計により、設計条件に応じた最適な設計が可能となる。
【0045】
請求項5は、請求項1〜4に係る保水性舗装構造において、前記路盤材がJIS規格で規定される7号単粒度砕石であることを特徴とするものである。
【0046】
従来技術の項で述べたように、7号単粒度砕石により単粒度砕石層を形成した場合、従来のサンドクッション層における砂の流失による不陸やブロックの損傷の問題やコストの面で有利であり、本発明における保水性ブロックやトレイとの組み合わせにより、長期にわたる安定した保水機能、施工性、維持管理の容易さ、経済性の面などにおいて優れた保水性舗装構造が得られる。
【0047】
請求項6は、請求項1〜5に係る保水性舗装構造において、前記多孔質の保水性ブロックの下面側に貯水用の凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【0048】
請求項6は、保水性ブロックの形状を工夫することで、さらに保水性舗装構造としての保水・吸い上げ機能の向上を図ったものであり、トレイにより下方への排水を制限した状態で、保水性ブロックの下面側の凹部に水を貯めることができる。また、空間に貯留される水は自由水の状態であるため、ブロックへと速やかに吸水される。そのため、路盤強度が確保できる範囲で路盤材の厚さ、使用量を抑え、材料および施工コストを低減することができる。
【0049】
請求項7は、請求項1〜6に係る保水性舗装構造において、前記多孔質の保水性ブロックが、空隙を形成する細孔の孔径を厚さ方向に変化させてあることを特徴とするものである。
【0050】
ブロックにおける細孔分布と保水あるいは透水性能との関係については、およそ細孔の径が0.05mm以上では透水性の高いブロック、0.006mm〜0.05mmでは毛管移動水の割合が多い保水性あるいは吸い上げ高さに優れたブロック、0.006mm以下では毛管非移動水の割合が多い吸湿に優れたブロックとなる。この関係を利用して、保水性ブロックの細孔の孔径を厚さ方向に変化させることで、保水性ブロックの性能を調整し、合理的な保水性舗装構造とすることができる。
【0051】
本願の請求項8に係る舗装用保水性ブロックは、本発明の保水性舗装構造に用いることができる保水性ブロックであり、下面側に貯水用の凹部を有し、前記凹部外側の鉛直断面をアーチ状としてあることを特徴とするものである。
【0052】
ブロック自体の保水性能に加え、請求項6に関して説明したように、保水性ブロックの下面側の凹部に水を貯めることができる。そのため、路盤強度が確保できる範囲で路盤材の厚さ、使用量を抑え、材料および施工コストを低減することができる。
【0053】
また、請求項8では、貯水用の凹部の外側の鉛直断面をアーチ状としてあることで、空隙として凹部が存在するにもかかわらず、鉛直荷重に対しアーチ効果による支持性能の向上により、断面欠損による強度の低下を補うことができる。
【0054】
本願の請求項9に係る舗装用保水性ブロックは、本発明の保水性舗装構造に用いることができる多孔質の保水性ブロックであり、空隙を形成する細孔の細孔径を厚さ方向に変化させ、底部に相対的に細孔径が小さく空隙率の小さい毛管現象による水の吸い上げ性能の高い層を有し、その上方に底部に比べ相対的に細孔径が大きく空隙率の大きい保水性能の高い層を有することを特徴とするものである。
【0055】
ブロックにおける細孔分布と保水あるいは透水性能との関係については、請求項7に関して説明した通りであるが、それぞれの層において細孔径が一定ということではなく、配合する材料の特性等にも関連した細孔分布や空隙率に応じて各層の吸い上げ性能や保水性能を調節することができる。
【0056】
本発明では毛管現象を利用することで、水の吸い上げ性能を高めることができ、長期にわたり舗装表面温度低減効果を持続させることができる。
【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、舗装構造としての強度的な要求を満足させつつ、路面が高温となったときには、骨材部に保水されている水分を保水性ブロックを通じて蒸発させ、その気化熱によって、路面温度の上昇を抑えることができる。
【0058】
特に、路床上または路盤材層内に設置したトレイ内に水分が貯留されることで、夏季に晴天時が長期間継続するなどの悪条件においても保水・蒸発機能を長期にわたって持続させることができる。
【0059】
また、保水性ブロックの微細な孔径を厚さ方向に変化させ、ブロック表面からの吸湿力を高めたり、部分的に毛細管現象を利用するようにすれば、路面温度の上昇低減効果を効率良く長期にわたり維持することができる。
【0060】
下面にアーチ状の凹部を形成した舗装用保水性ブロックは、アーチ効果により大きな荷重を支持しつつ、凹部内を貯留空間として活用することができる。
【0061】
このようにして、本発明によれば、長期にわたる安定した保水・蒸発機能を有し、かつ施工性が良く、維持管理が容易で、経済性にも優れた保水性舗装構造が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
図1は本発明の第1の実施形態を示したもので、図2はその第1の実施形態におけるトレイ11の配置例を示したものである。
【0063】
この例では、舗装における通常の路床1上に後に詳述するトレイ11を設置し、トレイ11の内外に砕石3aからなる路盤材層3を形成し、空練りモルタルなどの吸水材層4を介在させて、保水性ブロック5および透水性ブロック6を混在させた形で配置している。
【0064】
路盤材層3については、粒度を調整した、好ましくは7号単粒度砕石などの砕石3aを用いる。砕石3a間の空隙には保水性を高めるための保水材を充填してもよい。その場合の保水材としては、各種廃材利用のものやそれ以外のものがあり、あらかじめ砕石3aと混合した状態で敷設することもでき、また細かい粒状のものであれば、路盤材層3への転圧の前あるいは転圧の際などに充填することもできる。
【0065】
吸水材層4は、目地砂などの流失を防止しつつ、路盤材層3に保水されている水分を吸い上げ、路面の保水性ブロック5に水分を補給する役割を有するが、空練りモルタルの代わりに不織布などを用いてもよい。
【0066】
雨水は、その一部が主として透水性ブロック6部分から浸透する形で、路盤材層3に流れ込み、その他は路面から側溝その他の排水施設に排水されたり、地盤に浸透して行く。
【0067】
一方、晴天時などに、路面の温度が上昇すると、主として保水性ブロック5の表面から水分が蒸発し、気化熱により路面の温度上昇が抑制され、このことが都市のヒートアイランド化現象の抑制効果につながる。
【0068】
また、本実施形態において、複数のトレイ11が路床1の上面に設置され、上述のようにその内外に路盤材層3を形成しており、透水性ブロック6や目地から入り込む雨水などをトレイ11内で受け、路盤材層3の砕石間に長期にわたって保水できるようにしている。
【0069】
内部の水分が蒸発した保水性ブロック5に対しては、トレイ11を利用して路盤材層3に蓄えられている水が吸水材層4を通じて供給され、夏場の厳しい気象条件においても常に保水状態を保ち、路面の温度上昇抑制効果を持続させることができる。
【0070】
トレイ11の材料としては軟質または硬質の樹脂等が用いられる。この例で、トレイ11のサイズは一辺が約1mの正方形であり、底部11aおよび側部11bの内側が十字に配置した大仕切り11cで4つに分割され、さらにその内側が小仕切り11dで4つに分割されている。
【0071】
本実施形態において、トレイ11どうしの間には、スペーサー12を介するなどして、5cm程度の隙間13を設けており、集中豪雨等による余剰水の排水部とし、路面へのオーバーフローを回避している。
【0072】
このトレイ11は大仕切り11c部分などで、容易に切断することができ、工事の際、必要に応じて分割して使用することができる。また、道路補修等により、部分的に工事を行う場合もトレイ単位での補修、改修が可能である。
【0073】
トレイ11の内部に空隙率の大きい(例えば、空隙率約40%)単粒度砕石3aを敷き詰めることにより、路盤としての保持力を確保し、かつ貯水量も維持される。また、トレイ自体の負荷も軽減、平均化され、トレイ11の要求される強度は水密性を保持できる最低限の強度でもよいことになる。
【0074】
図3は上述した第1の実施形態におけるトレイ11のより具体的な形態例を示したものである。この例は、トレイ11を植栽用のビニールポットのように多数の凹部を集合させた形態とし、必要に応じ、大仕切り11c部分で切り離して使用できるようにしている。
【0075】
図4は本発明の第2の実施形態におけるトレイ11の配置例を示したものである。この例では、トレイ11に透水孔14を設け、余剰水の排水部としているため、第1の実施形態のようにトレイ11どうしの間に隙間を設けなくてもよい。ただし、透水孔14を設けつつ、トレイ11どうしの間に隙間を設けることも差し支えない。
【0076】
また、この透水孔14部分に、前述したような温度に応じて自動開閉する弁を設け、保水能力を夏季、冬季での切り替えるようにしてもよい。
【0077】
図5および図6は、本発明の保水性舗装構造の性能試験に用いた試験体の一例を示したものである。
【0078】
この例では、保水性ブロック5として、下面側に断面が半円状の凹部5aを有するアーチ状のブロックを用いており、保水性を持たせるため山砂を配合した多孔質のブロックとしている。ブロック寸法は平面視が200mm×100mmの長方形で、高さが140mmである。
【0079】
厚さ100mmのポリスチレンフォームで作成した断熱枠体21の凹部にトレイを想定した止水性の合成樹脂シート22を敷き、その上にJIS規格で規定される7号単粒度砕石3aを10mmの厚さで敷き詰め、その上に保水性ブロック5を8個並べた。このモデルの他、比較用のモデルも含め、数種のモデルについて、それぞれ実験条件を変えて測定を行った。保水性ブロック5間の上部は目詰め23を行っている。
【0080】
実験方法としては、各試験体に十分散水を行い、ブロックの乾燥過程における熱・水収支を測定した。具体的には、蒸発量は試験体の重量を秤量法により測定し、表面濡れ率は近赤外線水分計25を用いて測定した。保水性ブロック5の表面温度と断面温度は熱電対26で常時測定した。乾燥後は再び十分な散水を行い、再度測定を行うこととした。
【0081】
図7は、試験結果としての保水性ブロックの表面温度と外気温との温度差および表面濡れ率の経日変化を示したもので、測定期間は2005年8月1日から9月12日までである。
【0082】
保水性ブロックの表面温度と外気温との温度差5℃以内および表面濡れ率(絶乾状態を0、飽和含水状態を1とした濡れ状態の指標)も0.7以上が試験期間にわたって持続され、長期の保水・蒸発機能と路面温度の上昇の抑制機能が実証された。
【0083】
図8〜図10は、本発明の第3の実施形態を示したもので、上記の試験結果を踏まえ、保水性ブロック5として、凹部5aを有するアーチ状の保水性ブロック5を用いたものである。
【0084】
この例では、路床1の上方に複数のトレイ11を設置し、トレイ11内に保水性ブロック5を縦横に敷き詰めてその上部に路面を形成している。
【0085】
トレイ11内に水を溜める機能に加え、それ自体保水性を有する保水性ブロック5の下面側に凹部5aが形成されていることで、夏場における厳しい乾燥状態においても長期にわたり保水機能を維持することが期待できる。
【0086】
また、本実施形態では、保水性ブロック5の下部の断面が内側にすぼませる形で四周に段差5bを設け、一方、トレイ11の側部11bおよび仕切り11fの上端に水平方向に延びる係止部11gを設けているため、保水性ブロック5どうしが動かず、施工性が上がるとともに、目地がほとんどなくなり、ゴミの流入を防止できる。
【0087】
図11は、保水性ブロックの他の実施形態を示したものである。前述のように、ブロックにおける細孔分布と保水あるいは透水性能との関係について、およそ細孔の径が0.05mm以上では透水性の高いブロック、0.006mm〜0.05mmでは毛管移動水の割合が多い保水性あるいは吸い上げ高さに優れたブロック、0.006mm以下では毛管非移動水の割合が多い吸湿に優れたブロックとなる。
【0088】
例えば、図11のように表層部と中間部および底部で、ブロックの骨材を変えるなどして、各層の細孔分布を変えることで、表層部には吸湿性、透水性を持たせ、夜間における空気中からの吸湿、多量の雨の浸透を図り、中間部には透水性、保水性を持たせ、最大限の保水量を確保し(例えば、空隙率40%)、底部には吸上げ性、保水性を持たせ、最大限の吸上げ能力、保水量(例えば、空隙率25%)を確保することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す鉛直断面図である。
【図2】第1の実施形態におけるトレイの配置例を示す平面図である。
【図3】第1の実施形態におけるトレイの具体的な形態例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるトレイの配置例を示す平面図である。
【図5】本発明の保水性舗装構造の性能試験に用いた試験体の鉛直断面図である。
【図6】図5の試験体の平面図である。
【図7】試験結果としての保水性ブロックの表面温度と外気温との温度差および表面濡れ率の経日変化を示したグラフである。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す鉛直断面図である。
【図9】第3の実施形態に用いた保水性ブロックの斜視図である。
【図10】第3の実施形態におけるトレイと保水性ブロックの配置関係を示す鉛直断面図である。
【図11】保水性ブロックの他の実施形態を示す鉛直断面とその要部の説明図である。
【図12】従来例を示す鉛直断面図である。
【図13】他の従来例を示す鉛直断面図である。
【図14】さらに他の従来例を示す鉛直断面図である。
【符号の説明】
【0090】
1…路床、3…路盤材層、3a…砕石、4…吸水材層、5…保水性ブロック、5a…凹部、5b…段差、6…透水性ブロック、
11…トレイ、11a…底部、11b…側部、11c…大仕切り、11d…小仕切り、11e…凹部、11f…仕切り、11g…係止部、12…スペーサー、13…隙間、14…透水孔、
21…断熱枠体、22…シート、23…目詰め、25…赤外線水分計の測定位置、26…熱電対
【技術分野】
【0001】
本発明は、保水性舗装構造およびそれに適した舗装用保水性ブロックに関するものであり、舗装表面部に保水される水分の気化熱を利用して路面温度を低減させ、ヒートアイランド現象を抑制し、夏季において熱的に快適な屋外生活空間を創造しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
ヒートアイランド現象の改善を図る舗装として、路面温度低減効果が期待できる保水性舗装や遮熱性舗装の技術の確立が望まれている。
【0003】
このうち、保水性舗装とは、舗装体内の保水材に蓄えられた水分が蒸発する際に発生する気化熱(潜熱)により、路面温度を低減させるものであり、その中に、さらに地下水や貯留した雨水等から連続的に吸水を行うことで、保水性舗装の保水維持機能を高める吸水型保水性舗装がある。
【0004】
非特許文献1には、このような保水性舗装の代表例として、図12〜図14に示すような構造、原理のものが記載されている。
【0005】
図12の保水性舗装は、路床に地下貯水槽を設け、不透水層に形成された保水性舗装内の保水材により、路面を構成する保水性舗装を湿潤状態に保ち、その気化熱によって路面温度を低減させようとするものである。
【0006】
この保水性舗装は、開粒度アスファルトなどの路盤骨材間に空隙を有し、その空隙を埋める保水材の保水能力を期待したものであり、例えば図に示されるように側溝などから誘導された雨水あるいは供給水が、不織布などの吸水シートあるいはサンドクッション層などの吸水材を介して保水性舗装内の保水材に供給される。
【0007】
図13の保水性舗装は、路面に保水性ブロックを敷設し、保水性ブロック自体の保水機能を利用するものである。図の例では保水性ブロックが敷設される路盤との間に、図12の場合と同様の吸水材を介在させ、路盤内の水分を保水性ブロックに供給しやすい構造としている。
【0008】
図14の保水性舗装は、図12のように路床に地下貯水槽を設ける代わりに、ポンプ等により外部からの積極的な給水を図ったものである。
【0009】
この他、特許文献1には、透水性および/または保水性を有する舗装路面施工法として、路面を構成する透水性ブロックの下に、従来のサンドクッション層に代えてまたはサンドクッション層に加え、JIS規格で規定される7号単粒度砕石による単粒度砕石層を形成することで、透水性または保水性舗装の材料および施工コストを低減させるとともに、従来のサンドクッション層における砂の流失による不陸やブロックの損傷の問題などの解決を図ったものが記載されている。
【0010】
また、特許文献2には、本願出願人の1名による陶器瓦の破砕屑を含む保水性の優れた舗装用ブロック等が記載されている。
【0011】
また、特許文献3には、透水性ブロックの下面に上面が開口したトレイ状の保水タンクを一体化し、透水性ブロックから保水タンクに垂らした不織布により透水性ブロックの表面から蒸発させ、路面温度を低減させるようにしたものが記載されている。
【0012】
また、特許文献4には、舗装材あるいは外壁材などに用いられる多孔質セラミックとして、微細な孔径の異なる2層以上の層を有する多孔質セラミックが記載されている。
【0013】
【特許文献1】特許第3209717号公報
【特許文献2】特開2004−019406号公報
【特許文献3】特許第2885085号公報
【特許文献4】特開2002−187784号公報
【非特許文献1】“吸水型保水性舗装の例 詳細図”、[online]、国土交通省関東地方整備局関東技術事務所、[平成17年3月2日検索]、インターネット<URL: http://www.ktr.mlit.go.jp/kangi/hosou/detail01.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述の図12の方式は、貯水槽の貯水量による持続的効果を狙ったものであるが、貯水槽の設置場所、水質管理の問題や施工コストの問題がある。
【0015】
図13の方式は、保水性ブロックのブロック自身の貯水機能に期待したものであり、従来の施工法で施工できるという利点があるが、ブロック内での保水量や、降雨後の持続的効果には限界がある。
【0016】
図14の方式は、温度センサーや水分センサーの利用によりタイムリーな効果が期待できるという利点はあるが、水源確保の問題や、施工やメンテナンスの問題などがある。
【0017】
特許文献1記載の発明は、単粒度砕石層によって形成される空隙を保水のために利用しようとするものであるが、表面の透水性ブロックは雨水などを通過させるだけであり、砕石層に溜まった水を吸い上げる機能はない。そのため、通常時は空隙率の高い単粒度砕石層の上部と透水性ブロックの裏面との間には空気層が形成され、路面における蒸発やそれに伴う路面温度低減効果はあまり期待できない。特に、最も路面温度低減効果が求められる日照り状態ではほとんど効果が得られない。
【0018】
また、特許文献3記載の発明の場合、保水は確保できるが、舗装内の保水タンク部分が構造的に大きな空洞になるため、透水性ブロックに作用する荷重を支持するためには保水タンクがかなりの強度を有するものでなければならない。
【0019】
以上述べたように、何れの技術もそれぞれ課題が残っており、確立された技術と呼べる段階には達していない。
【0020】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、主に雨水を利用して長期にわたる安定した保水機能を有し、かつ施工性が良く、維持管理が容易で、経済性にも優れた保水性舗装構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本願の請求項1に係る保水性舗装構造は、路床の上方に、路盤材の粒度を調整して必要な空隙を確保した路盤材層を設け、前記路盤材層の上方に多孔質の保水性ブロックを敷設し、前記保水性ブロック表面からの水分の蒸発により舗装表面の冷却効果を得るようにした保水性舗装構造であって、上面が開口する不透水性のトレイを前記路床上または路盤材層内に複数設置してあることを特徴とするものである。
【0022】
路盤の下部の構造は特に限定されず、従来一般的な構造を適用することができる。
【0023】
路盤材層は路盤において、車両等の活荷重その他の外力によって、路面に不陸が生じたり、それによって上部に位置するブロックが傾いたり、損傷したりすることを防止する機能が期待されており、それに必要な強度及び層厚が必要である。
【0024】
路盤材としては、従来から砕石等が用いられているが、砕石に限定されず、例えばそれ自体保水性を有する多孔質の人工軽量骨材などを用いることもできる。
【0025】
大きな保水量を確保するという意味では層厚を大きくすればよいが、その分、路盤材量も増すため、施工面、コスト面での制約が生じる。また、層厚が大き過ぎると路盤からブロックへの水の吸い上げという面でも不利になる。路盤材の種類にもよるが、例えば、大きな空隙率を確保するために、特許文献1に記載されているJIS規格の7号単粒度砕石を用いた場合、路盤材層の厚さの好ましい範囲としては50〜200mm程度である。
【0026】
保水性ブロックとしては、路面温度の上昇によるヒートアイランド現象の対策として、従来ある透水性ブロックに比べ、透水係数の小さいブロックが開発されている。前述した特許文献2記載のものはブロックの骨材に陶器瓦の破砕屑を用いることで、廃材利用を図りつつ、所定の保水性あるいは透水保水性を与えたものであるが、その他、原料の一部に廃材を利用した保水性ブロックとしては使用済み発泡スチロールを温風減容処理してなる再生骨材を混入した軽量保水性ブロックなども知られている。
【0027】
この他、後述するような路盤に貯留した水を毛管現象により上部に速やかに吸い上げるよう、材料配合を調整したブロックを使用することで、吸い上げ性能を高めることができる。
【0028】
本発明におけるトレイの機能に関しては、例えば、夏季晴天時が長期間継続する場合を考慮すると、設置場所やその土地の気象条件等よっては、かなり長期にわたる保水機能の持続が要求される。
【0029】
本発明では、路盤材層に設置されたトレイにより、路盤材層の保水部としての機能がさらに高められ、夏季晴天時などの悪条件においても長期にわたる保水機能の持続が可能となる。
【0030】
歩行者や車両の荷重は路盤材層が受けるため、トレイにはそれほど強度は要求されず、内部に充填される骨材等によって大きく損傷しないものであればよく、材質は特に限定されないが、加工性、コスト、軽量で取扱いやすいといった面で、軟質または硬質樹脂製のものが適している。
【0031】
トレイは路盤材層の形成前に路盤の上部に複数並べ、その後、路盤材層の骨材を充填してもよいし、路盤上に骨材の一部を施工した後、トレイを設置し、さらにその上部に骨材を充填して行くのでも良い。
【0032】
複数設置されるトレイどうしは、適当な間隔をおいて設置することで、過剰な水を隙間から排水することができ、トレイの寸法や間隔等は現場の施工条件、気象条件等に応じて設計することができる。
【0033】
このトレイは水平方向の仕切りとしての機能も有する。仕切としての機能により、路盤材層の施工における骨材の充填作業が容易となり、均一な充填が可能となる。また、路盤材層内の水平方向の水の流れがトレイで区画された範囲ごとで抑制され、保水機能や水分の蒸発による路面温度低減効果のバラツキを抑えることができる。
【0034】
請求項2は、請求項1に係る保水性舗装構造において、前記トレイは内部が複数の区画に仕切られ、敷設現場で容易に切断可能な材料で、または容易に切断可能な形態に形成されていることを特徴とするものである。
【0035】
トレイを複数の区画に仕切ることで、トレイの内側に充填される骨材を均等に施工しやすくなる他、トレイとしての剛性が高まることで、薄肉の軟質樹脂等で成形した場合でも取扱いが容易となる。また、一部の区画に孔があいても全体としての保水性を保つことができる。
【0036】
また、薄肉の樹脂等、敷設現場で容易に切断可能な材料とすれば、区画の境で切断して使用することで、施工現場に合せて寸法調整が可能である。容易に切断可能な形態というのは、例えば植栽用のビニールポットのように多数の凹部を集合させたような形態のものを凹部間の上部で切断できるようにしたもの(ただし、厚みや強度は骨材を充填するのに適した厚さ、強度が必要である)等である。
【0037】
請求項3は、請求項1または2に係る保水性舗装構造において、前記トレイの一部に排水部を設けてあることを特徴とするものである。
【0038】
トレイの一部に排水部を設けることで、保水量の調整をすることができるが、寒冷地、日陰など冬季における凍結やコケの発生対策の面でも効果がある。
【0039】
また、排水部に弁を設け、温度が高い夏季には弁を閉じて水密性を保ちトレイの貯留機能を十分に発揮させ、温度が低い冬季には弁を開き水密性をなくしトレイ内の自由水が路床に排出されるようにすることもできる。
【0040】
さらに、弁として温度に応じて自動開閉するものを用いれば、特にメンテナンスを要することなく、夏季、冬季での切り替えが可能である。そのような機構としては、例えば温室の窓の開閉機構があり、その他、温度感受性の繊維、多孔質樹脂、形状記憶合金等を使用するものなどで自動開閉の弁を構成することができる。
【0041】
請求項4は、請求項1、2または3に係る保水性舗装構造において、前記路盤材層の上に前記多孔質の保水性ブロックに加え、透水性ブロックおよび/または非透水性ブロックを混在させて敷設してあることを特徴とするものである。
【0042】
多孔質の透水性ブロックに関しては、排水機能を期待して、従来から、種々の材質、透水係数のものが開発されている。
【0043】
請求項4に係る発明では、このような保水性ブロックや透水性ブロックを組み合わせて用いる。なお、これらの保水性ブロックや透水性ブロックに加え、透水係数の低い一般的な路面用ブロックを組み合わせて使用してもよい。
【0044】
組み合わせて使用するメリットとしては、保水性舗装構造の路面全体について均一な透水性能、排水性能とするのではなく、ある部分については透水性ブロックを使用して、雨天時の排水の促進と保水部としての路盤材層への雨水の供給の促進を図る部分とし、ある部分については保水性ブロックを使用して、その部分での水分の気化熱による路面温度の低減を重視し、ある部分についてはコスト低減や路面からの側溝などへの排水を考慮して普通のブロックを使用するなど、舗装全体のトータルの設計により、設計条件に応じた最適な設計が可能となる。
【0045】
請求項5は、請求項1〜4に係る保水性舗装構造において、前記路盤材がJIS規格で規定される7号単粒度砕石であることを特徴とするものである。
【0046】
従来技術の項で述べたように、7号単粒度砕石により単粒度砕石層を形成した場合、従来のサンドクッション層における砂の流失による不陸やブロックの損傷の問題やコストの面で有利であり、本発明における保水性ブロックやトレイとの組み合わせにより、長期にわたる安定した保水機能、施工性、維持管理の容易さ、経済性の面などにおいて優れた保水性舗装構造が得られる。
【0047】
請求項6は、請求項1〜5に係る保水性舗装構造において、前記多孔質の保水性ブロックの下面側に貯水用の凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【0048】
請求項6は、保水性ブロックの形状を工夫することで、さらに保水性舗装構造としての保水・吸い上げ機能の向上を図ったものであり、トレイにより下方への排水を制限した状態で、保水性ブロックの下面側の凹部に水を貯めることができる。また、空間に貯留される水は自由水の状態であるため、ブロックへと速やかに吸水される。そのため、路盤強度が確保できる範囲で路盤材の厚さ、使用量を抑え、材料および施工コストを低減することができる。
【0049】
請求項7は、請求項1〜6に係る保水性舗装構造において、前記多孔質の保水性ブロックが、空隙を形成する細孔の孔径を厚さ方向に変化させてあることを特徴とするものである。
【0050】
ブロックにおける細孔分布と保水あるいは透水性能との関係については、およそ細孔の径が0.05mm以上では透水性の高いブロック、0.006mm〜0.05mmでは毛管移動水の割合が多い保水性あるいは吸い上げ高さに優れたブロック、0.006mm以下では毛管非移動水の割合が多い吸湿に優れたブロックとなる。この関係を利用して、保水性ブロックの細孔の孔径を厚さ方向に変化させることで、保水性ブロックの性能を調整し、合理的な保水性舗装構造とすることができる。
【0051】
本願の請求項8に係る舗装用保水性ブロックは、本発明の保水性舗装構造に用いることができる保水性ブロックであり、下面側に貯水用の凹部を有し、前記凹部外側の鉛直断面をアーチ状としてあることを特徴とするものである。
【0052】
ブロック自体の保水性能に加え、請求項6に関して説明したように、保水性ブロックの下面側の凹部に水を貯めることができる。そのため、路盤強度が確保できる範囲で路盤材の厚さ、使用量を抑え、材料および施工コストを低減することができる。
【0053】
また、請求項8では、貯水用の凹部の外側の鉛直断面をアーチ状としてあることで、空隙として凹部が存在するにもかかわらず、鉛直荷重に対しアーチ効果による支持性能の向上により、断面欠損による強度の低下を補うことができる。
【0054】
本願の請求項9に係る舗装用保水性ブロックは、本発明の保水性舗装構造に用いることができる多孔質の保水性ブロックであり、空隙を形成する細孔の細孔径を厚さ方向に変化させ、底部に相対的に細孔径が小さく空隙率の小さい毛管現象による水の吸い上げ性能の高い層を有し、その上方に底部に比べ相対的に細孔径が大きく空隙率の大きい保水性能の高い層を有することを特徴とするものである。
【0055】
ブロックにおける細孔分布と保水あるいは透水性能との関係については、請求項7に関して説明した通りであるが、それぞれの層において細孔径が一定ということではなく、配合する材料の特性等にも関連した細孔分布や空隙率に応じて各層の吸い上げ性能や保水性能を調節することができる。
【0056】
本発明では毛管現象を利用することで、水の吸い上げ性能を高めることができ、長期にわたり舗装表面温度低減効果を持続させることができる。
【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、舗装構造としての強度的な要求を満足させつつ、路面が高温となったときには、骨材部に保水されている水分を保水性ブロックを通じて蒸発させ、その気化熱によって、路面温度の上昇を抑えることができる。
【0058】
特に、路床上または路盤材層内に設置したトレイ内に水分が貯留されることで、夏季に晴天時が長期間継続するなどの悪条件においても保水・蒸発機能を長期にわたって持続させることができる。
【0059】
また、保水性ブロックの微細な孔径を厚さ方向に変化させ、ブロック表面からの吸湿力を高めたり、部分的に毛細管現象を利用するようにすれば、路面温度の上昇低減効果を効率良く長期にわたり維持することができる。
【0060】
下面にアーチ状の凹部を形成した舗装用保水性ブロックは、アーチ効果により大きな荷重を支持しつつ、凹部内を貯留空間として活用することができる。
【0061】
このようにして、本発明によれば、長期にわたる安定した保水・蒸発機能を有し、かつ施工性が良く、維持管理が容易で、経済性にも優れた保水性舗装構造が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
図1は本発明の第1の実施形態を示したもので、図2はその第1の実施形態におけるトレイ11の配置例を示したものである。
【0063】
この例では、舗装における通常の路床1上に後に詳述するトレイ11を設置し、トレイ11の内外に砕石3aからなる路盤材層3を形成し、空練りモルタルなどの吸水材層4を介在させて、保水性ブロック5および透水性ブロック6を混在させた形で配置している。
【0064】
路盤材層3については、粒度を調整した、好ましくは7号単粒度砕石などの砕石3aを用いる。砕石3a間の空隙には保水性を高めるための保水材を充填してもよい。その場合の保水材としては、各種廃材利用のものやそれ以外のものがあり、あらかじめ砕石3aと混合した状態で敷設することもでき、また細かい粒状のものであれば、路盤材層3への転圧の前あるいは転圧の際などに充填することもできる。
【0065】
吸水材層4は、目地砂などの流失を防止しつつ、路盤材層3に保水されている水分を吸い上げ、路面の保水性ブロック5に水分を補給する役割を有するが、空練りモルタルの代わりに不織布などを用いてもよい。
【0066】
雨水は、その一部が主として透水性ブロック6部分から浸透する形で、路盤材層3に流れ込み、その他は路面から側溝その他の排水施設に排水されたり、地盤に浸透して行く。
【0067】
一方、晴天時などに、路面の温度が上昇すると、主として保水性ブロック5の表面から水分が蒸発し、気化熱により路面の温度上昇が抑制され、このことが都市のヒートアイランド化現象の抑制効果につながる。
【0068】
また、本実施形態において、複数のトレイ11が路床1の上面に設置され、上述のようにその内外に路盤材層3を形成しており、透水性ブロック6や目地から入り込む雨水などをトレイ11内で受け、路盤材層3の砕石間に長期にわたって保水できるようにしている。
【0069】
内部の水分が蒸発した保水性ブロック5に対しては、トレイ11を利用して路盤材層3に蓄えられている水が吸水材層4を通じて供給され、夏場の厳しい気象条件においても常に保水状態を保ち、路面の温度上昇抑制効果を持続させることができる。
【0070】
トレイ11の材料としては軟質または硬質の樹脂等が用いられる。この例で、トレイ11のサイズは一辺が約1mの正方形であり、底部11aおよび側部11bの内側が十字に配置した大仕切り11cで4つに分割され、さらにその内側が小仕切り11dで4つに分割されている。
【0071】
本実施形態において、トレイ11どうしの間には、スペーサー12を介するなどして、5cm程度の隙間13を設けており、集中豪雨等による余剰水の排水部とし、路面へのオーバーフローを回避している。
【0072】
このトレイ11は大仕切り11c部分などで、容易に切断することができ、工事の際、必要に応じて分割して使用することができる。また、道路補修等により、部分的に工事を行う場合もトレイ単位での補修、改修が可能である。
【0073】
トレイ11の内部に空隙率の大きい(例えば、空隙率約40%)単粒度砕石3aを敷き詰めることにより、路盤としての保持力を確保し、かつ貯水量も維持される。また、トレイ自体の負荷も軽減、平均化され、トレイ11の要求される強度は水密性を保持できる最低限の強度でもよいことになる。
【0074】
図3は上述した第1の実施形態におけるトレイ11のより具体的な形態例を示したものである。この例は、トレイ11を植栽用のビニールポットのように多数の凹部を集合させた形態とし、必要に応じ、大仕切り11c部分で切り離して使用できるようにしている。
【0075】
図4は本発明の第2の実施形態におけるトレイ11の配置例を示したものである。この例では、トレイ11に透水孔14を設け、余剰水の排水部としているため、第1の実施形態のようにトレイ11どうしの間に隙間を設けなくてもよい。ただし、透水孔14を設けつつ、トレイ11どうしの間に隙間を設けることも差し支えない。
【0076】
また、この透水孔14部分に、前述したような温度に応じて自動開閉する弁を設け、保水能力を夏季、冬季での切り替えるようにしてもよい。
【0077】
図5および図6は、本発明の保水性舗装構造の性能試験に用いた試験体の一例を示したものである。
【0078】
この例では、保水性ブロック5として、下面側に断面が半円状の凹部5aを有するアーチ状のブロックを用いており、保水性を持たせるため山砂を配合した多孔質のブロックとしている。ブロック寸法は平面視が200mm×100mmの長方形で、高さが140mmである。
【0079】
厚さ100mmのポリスチレンフォームで作成した断熱枠体21の凹部にトレイを想定した止水性の合成樹脂シート22を敷き、その上にJIS規格で規定される7号単粒度砕石3aを10mmの厚さで敷き詰め、その上に保水性ブロック5を8個並べた。このモデルの他、比較用のモデルも含め、数種のモデルについて、それぞれ実験条件を変えて測定を行った。保水性ブロック5間の上部は目詰め23を行っている。
【0080】
実験方法としては、各試験体に十分散水を行い、ブロックの乾燥過程における熱・水収支を測定した。具体的には、蒸発量は試験体の重量を秤量法により測定し、表面濡れ率は近赤外線水分計25を用いて測定した。保水性ブロック5の表面温度と断面温度は熱電対26で常時測定した。乾燥後は再び十分な散水を行い、再度測定を行うこととした。
【0081】
図7は、試験結果としての保水性ブロックの表面温度と外気温との温度差および表面濡れ率の経日変化を示したもので、測定期間は2005年8月1日から9月12日までである。
【0082】
保水性ブロックの表面温度と外気温との温度差5℃以内および表面濡れ率(絶乾状態を0、飽和含水状態を1とした濡れ状態の指標)も0.7以上が試験期間にわたって持続され、長期の保水・蒸発機能と路面温度の上昇の抑制機能が実証された。
【0083】
図8〜図10は、本発明の第3の実施形態を示したもので、上記の試験結果を踏まえ、保水性ブロック5として、凹部5aを有するアーチ状の保水性ブロック5を用いたものである。
【0084】
この例では、路床1の上方に複数のトレイ11を設置し、トレイ11内に保水性ブロック5を縦横に敷き詰めてその上部に路面を形成している。
【0085】
トレイ11内に水を溜める機能に加え、それ自体保水性を有する保水性ブロック5の下面側に凹部5aが形成されていることで、夏場における厳しい乾燥状態においても長期にわたり保水機能を維持することが期待できる。
【0086】
また、本実施形態では、保水性ブロック5の下部の断面が内側にすぼませる形で四周に段差5bを設け、一方、トレイ11の側部11bおよび仕切り11fの上端に水平方向に延びる係止部11gを設けているため、保水性ブロック5どうしが動かず、施工性が上がるとともに、目地がほとんどなくなり、ゴミの流入を防止できる。
【0087】
図11は、保水性ブロックの他の実施形態を示したものである。前述のように、ブロックにおける細孔分布と保水あるいは透水性能との関係について、およそ細孔の径が0.05mm以上では透水性の高いブロック、0.006mm〜0.05mmでは毛管移動水の割合が多い保水性あるいは吸い上げ高さに優れたブロック、0.006mm以下では毛管非移動水の割合が多い吸湿に優れたブロックとなる。
【0088】
例えば、図11のように表層部と中間部および底部で、ブロックの骨材を変えるなどして、各層の細孔分布を変えることで、表層部には吸湿性、透水性を持たせ、夜間における空気中からの吸湿、多量の雨の浸透を図り、中間部には透水性、保水性を持たせ、最大限の保水量を確保し(例えば、空隙率40%)、底部には吸上げ性、保水性を持たせ、最大限の吸上げ能力、保水量(例えば、空隙率25%)を確保することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す鉛直断面図である。
【図2】第1の実施形態におけるトレイの配置例を示す平面図である。
【図3】第1の実施形態におけるトレイの具体的な形態例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるトレイの配置例を示す平面図である。
【図5】本発明の保水性舗装構造の性能試験に用いた試験体の鉛直断面図である。
【図6】図5の試験体の平面図である。
【図7】試験結果としての保水性ブロックの表面温度と外気温との温度差および表面濡れ率の経日変化を示したグラフである。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す鉛直断面図である。
【図9】第3の実施形態に用いた保水性ブロックの斜視図である。
【図10】第3の実施形態におけるトレイと保水性ブロックの配置関係を示す鉛直断面図である。
【図11】保水性ブロックの他の実施形態を示す鉛直断面とその要部の説明図である。
【図12】従来例を示す鉛直断面図である。
【図13】他の従来例を示す鉛直断面図である。
【図14】さらに他の従来例を示す鉛直断面図である。
【符号の説明】
【0090】
1…路床、3…路盤材層、3a…砕石、4…吸水材層、5…保水性ブロック、5a…凹部、5b…段差、6…透水性ブロック、
11…トレイ、11a…底部、11b…側部、11c…大仕切り、11d…小仕切り、11e…凹部、11f…仕切り、11g…係止部、12…スペーサー、13…隙間、14…透水孔、
21…断熱枠体、22…シート、23…目詰め、25…赤外線水分計の測定位置、26…熱電対
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路床の上方に、路盤材の粒度を調整して必要な空隙を確保した路盤材層を設け、前記路盤材層の上方に多孔質の保水性ブロックを敷設し、前記保水性ブロック表面からの水分の蒸発により舗装表面の冷却効果を得るようにした保水性舗装構造であって、上面が開口する不透水性のトレイを前記路床上または路盤材層内に複数設置してあることを特徴とする保水性舗装構造。
【請求項2】
前記トレイは内部が複数の区画に仕切られ、敷設現場で容易に切断可能な材料で、または容易に切断可能な形態に形成されていることを特徴とする請求項1記載の保水性舗装構造。
【請求項3】
前記トレイの一部に排水部を設けてあることを特徴とする請求項1または2記載の保水性舗装構造。
【請求項4】
前記路盤材層の上に前記多孔質の保水性ブロックに加え、透水性ブロックおよび/または非透水性ブロックを混在させて敷設してあることを特徴とする請求項1、2または3記載の保水性舗装構造。
【請求項5】
前記路盤材がJIS規格で規定される7号単粒度砕石であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の保水性舗装構造。
【請求項6】
前記多孔質の保水性ブロックの下面側に貯水用の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保水性舗装構造。
【請求項7】
前記多孔質の保水性ブロックは、空隙を形成する細孔の細孔径を厚さ方向に変化させてあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の保水性舗装構造。
【請求項8】
下面側に貯水用の凹部を有し、前記凹部外側の鉛直断面をアーチ状としてあることを特徴とする舗装用保水性ブロック。
【請求項9】
空隙を形成する細孔の細孔径を厚さ方向に変化させた多孔質の保水性ブロックであり、底部に相対的に細孔径が小さく空隙率の小さい毛管現象による水の吸い上げ性能の高い層を有し、その上方に底部に比べ相対的に細孔径が大きく空隙率の大きい保水性能の高い層を有することを特徴とする舗装用保水性ブロック。
【請求項1】
路床の上方に、路盤材の粒度を調整して必要な空隙を確保した路盤材層を設け、前記路盤材層の上方に多孔質の保水性ブロックを敷設し、前記保水性ブロック表面からの水分の蒸発により舗装表面の冷却効果を得るようにした保水性舗装構造であって、上面が開口する不透水性のトレイを前記路床上または路盤材層内に複数設置してあることを特徴とする保水性舗装構造。
【請求項2】
前記トレイは内部が複数の区画に仕切られ、敷設現場で容易に切断可能な材料で、または容易に切断可能な形態に形成されていることを特徴とする請求項1記載の保水性舗装構造。
【請求項3】
前記トレイの一部に排水部を設けてあることを特徴とする請求項1または2記載の保水性舗装構造。
【請求項4】
前記路盤材層の上に前記多孔質の保水性ブロックに加え、透水性ブロックおよび/または非透水性ブロックを混在させて敷設してあることを特徴とする請求項1、2または3記載の保水性舗装構造。
【請求項5】
前記路盤材がJIS規格で規定される7号単粒度砕石であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の保水性舗装構造。
【請求項6】
前記多孔質の保水性ブロックの下面側に貯水用の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保水性舗装構造。
【請求項7】
前記多孔質の保水性ブロックは、空隙を形成する細孔の細孔径を厚さ方向に変化させてあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の保水性舗装構造。
【請求項8】
下面側に貯水用の凹部を有し、前記凹部外側の鉛直断面をアーチ状としてあることを特徴とする舗装用保水性ブロック。
【請求項9】
空隙を形成する細孔の細孔径を厚さ方向に変化させた多孔質の保水性ブロックであり、底部に相対的に細孔径が小さく空隙率の小さい毛管現象による水の吸い上げ性能の高い層を有し、その上方に底部に比べ相対的に細孔径が大きく空隙率の大きい保水性能の高い層を有することを特徴とする舗装用保水性ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−270487(P2007−270487A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96624(P2006−96624)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(300082335)太平洋プレコン工業株式会社 (14)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(300082335)太平洋プレコン工業株式会社 (14)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]