説明

保護シース

【課題】長尺体の先端部位から取り外す作業の簡素化を図り得る保護シースを提供する。
【解決手段】保護シース30は、長尺体としてのバルーンカテーテル10の先端部位11を覆うことによって先端部位に設けられた被保護部材としてのバルーン20を保護するために使用される。保護シースは、先端部位を覆うカバー部40と、カバー部を先端部位の外面に対して接近離反する方向に開閉自在に支持する支持部50と、カバー部を先端部位の外面に対して離反する方向に開く開放力Foをカバー部に付与する把持部60と、カバー部を閉じて先端部位を覆った状態に保持する保持力Fsをカバー部に付与する保持部70と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺体の先端部位を覆って先端部位に設けられた被保護部材を保護する保護シースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医療において、カテーテルと呼ばれる細長い中空管状の医療器具を用いて様々な形態の治療や検査が行われている。このような治療方法としては、カテーテルの長尺性を利用して直接患部に薬剤を投与する方法、加圧によって拡張するバルーンを先端に取り付けたカテーテルを用いて体腔内の狭窄部を押し広げて開く方法、先端部にカッターが取り付けられたカテーテルを用いて患部を削り取って開く方法、逆にカテーテルを用いて動脈瘤や出血箇所あるいは栄養血管に詰め物をして閉じる方法などがある。また、体腔内の狭窄部を開口した状態に維持するために、側面が網目状になっている管形状をしたステントをカテーテルを用いて体腔内に埋め込んで留置する治療方法などがある。さらに、体内の体にとって過剰となった液体を吸引することなどがある。
【0003】
カテーテルの保管時には、カテーテルの先端部位が保護シースによって覆われ、先端部位に設けたバルーンなどの被保護部材を保護している(特許文献1を参照)。保護シースは、カテーテルの先端部位が挿入される中空部が形成されたキャップ形状を有している。カテーテルは、その先端部位がねじ込まれるようにして保護シース内に挿入される。バルーンは、保護シースの中空部の中に収納されて保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願平11−262928
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カテーテルを使用するときには、保護シースを軸方向に引っ張って、カテーテル先端から抜き去る。バルーン外周が保護シース内面に付着したままの状態で、保護シースを無理に抜き去ると、バルーンが損傷してしまう虞がある。バルーンを傷つけないように、保護シースを慎重に抜き去らなければならない。このため、保護シースの取り外し作業が煩雑になるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、長尺体の先端部位を覆って先端部位に設けられた被保護部材を保護する保護シースであって、長尺体の先端部位から取り外す作業の簡素化を図り得る保護シースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、長尺体の先端部位を覆うことによって前記先端部位に設けられた被保護部材を保護する保護シースである。保護シースは、前記先端部位を覆うカバー部と、前記カバー部を前記先端部位の外面に対して接近離反する方向に開閉自在に支持する支持部と、前記カバー部を前記先端部位の外面に対して離反する方向に開く開放力を前記カバー部に付与する把持部と、前記カバー部を閉じて前記先端部位を覆った状態に保持する保持力を前記カバー部に付与する保持部と、を有している。
【発明の効果】
【0008】
長尺体の先端部位の外面に対して離反する方向に開く開放力を把持部によってカバー部に付与し、開いたカバー部から、長尺体の先端部位を取り出すことができる。このとき、カバー部が開いているので、長尺体をカバー部の内面から先端部位を離すような方向に揺動させることができ、引き抜きタイプの保護シースに比べて、被保護部材を保護シース内面から簡単に離すことができる。したがって、長尺体の先端部位から保護シースを取り外すための作業を、引き抜きタイプの保護シースに比べて、簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】バルーンカテーテルの先端部位を覆って先端部位に設けられたバルーンを保護する保護シースを示す斜視図である。
【図2】図2(A)は、図1の2A−2A線に沿う断面図、図2(B)は、カバー部を閉じた状態の保護シースを示す正面図、図2(C)は、カバー部を開いた状態の保護シースを示す正面図である。
【図3】図3は、図1の3−3線に沿う断面図である。
【図4】図4(A)(B)は、保持部を構成する弾性部材の改変例を適用した保護シースを示す正面図である。
【図5】図5(A)(B)は、保持部を構成する弾性部材の他の改変例を適用した保護シースを示す正面図である。
【図6】図6(A)は、保持部を構成するチューブ部材の改変例を適用した保護シースを示す要部断面図、図6(B)は、図6(A)の6B部を拡大して示す断面図である。
【図7】内部構造を改変した保護シースを示す断面図である。
【図8】支持部を改変した保護シースを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の保護シースを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、図面において、理解を容易にするために誇張して図示される部分を含んでおり、寸法比率が実際の比率と異なる場合がある。
【0011】
図1〜図3を参照して、本実施形態の保護シース30は、長尺体としてのバルーンカテーテル10(「医療用のカテーテル」に相当する)の先端部位11を覆うことによって、先端部位11に設けられた被保護部材20としてのバルーン20を保護するために使用される。保護シース30は、概説すれば、先端部位11を覆うカバー部40と、カバー部40を先端部位11の外面に対して接近離反する方向に開閉自在に支持する支持部50と、カバー部40を先端部位11の外面に対して離反する方向に開く開放力Foをカバー部40に付与する把持部60と、カバー部40を閉じて先端部位11を覆った状態に保持する保持力Fsをカバー部40に付与する保持部70と、を有している。本実施形態では、保護シース30は、カバー部40、支持部50、把持部60、および保持部70が一体的に形成されている。保護シース30は、中空円筒形状を有し、全体として、洗濯ばさみのような形態を有している。保護シース30は、例えば、樹脂材料から形成されている。以下、詳述する。
【0012】
バルーンカテーテル10は、周知のように、駆動流体を移送可能な可撓性を有する管体12と、管体12の先端に設けられ駆動流体の流入排出によって拡張収縮可能なバルーン20と、管体12の先端に取り付けられた先端チップ13と、を有している。管体12内には、一端がバルーン20に連通するルーメン(図示せず)が形成されている。ルーメンの他端は、管体12の基端に設けたインジェクションポート(図示せず)に連通している。このインジェクションポートを介して、バルーン20への駆動流体の流入と、バルーン20からの駆動流体の排出とを行う。
【0013】
カバー部40は、その内部に、バルーンカテーテル10の先端部位11を収納する収納室41が形成されている。先端部位11は、バルーン20が管体12の周りに折り畳まれた状態で、収納室41に収納されている。バルーン20の外面の一部は、カバー部40の内周面に密着している(図3を参照)。
【0014】
カバー部40は、先端部位11を覆うように周方向に複数個(図示例では2個)に分割された分割体42、43から構成されている。先端部位11を覆った状態において、分割体42、43の周方向端部42a、43a同士の間にスリット44が介在している(図1、図2(B)、図3を参照)。
【0015】
支持部50は、カバー部40のスリット44に隣接する部位から構成されている。支持部50は、先端部位11の外面に対して接近離反する方向、つまりバルーンカテーテル10の径方向にカバー部40を開閉自在に支持する。
【0016】
把持部60は、支持部50を間に挟んでカバー部40とは反対側の位置に配置されている。把持部60は、カバー部40の分割体42、43の個数にあわせて2個設けられている。把持部60は、分割体42、43の位置に合わせて配置されている。把持部60を摘んで互いに接近変位させると、その弾性変形力が、支持部50を介してカバー部40に伝わり、カバー部40の分割体42、43を互いに離反変位させる。このようにして、カバー部40は、開放力Foが付与され、先端部位11の外面に対して離反する方向に開く(図2(C)を参照)。
【0017】
保持部70が保持力Fsをカバー部40に付与することによって、カバー部40を閉じて先端部位11を覆った状態が保持され、バルーン20の保護を維持することができる。保持部70は、具体的には、カバー部40を閉じる方向の弾発力を保持力Fsとしてカバー部40に付与する弾性部材71から構成することができる。保護シース30は樹脂材料から形成されており、形成材料が備える弾性力によって、カバー部40を閉じて先端部位11を覆った状態に確実に保持することができる。したがって、本実施形態では、保持部70を構成する弾性部材71は、保護シース30の形成材料から構成されている。
【0018】
保護シース30の形成材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、シリコーン樹脂などを用いることができる。本実施形態のように、カバー部40、支持部50、把持部60、および保持部70を一体的に形成した保護シース30にあっては、把持部60に対する把持力を、カバー部40を開く開放力Foとしてカバー部40に付与できる程度の剛性は必要となる。
【0019】
保持部70はまた、バルーンカテーテル10が挿通されるホルダーチューブ72(チューブ部材に相当する)から構成され、ホルダーチューブ72をカバー部40に接続することによって保持力Fsをカバー部40に付与することもできる。図1および図2(A)に示すように、カバー部40をホルダーチューブ72の中に挿入することによって、カバー部40にホルダーチューブ72を接続してある。このようにホルダーチューブ72を利用することによって、カバー部40を閉じて先端部位11を覆った状態に保持することができる。したがって、保護シース30の形成材料が備える弾性力だけでは十分な保持力Fsを得ることができない場合であっても、ホルダーチューブ72を接続することによって得られる保持力Fsをもカバー部40に付与して、バルーン20の保護を維持することができる。
【0020】
次に、保護シース30の作用について説明する。
【0021】
バルーンカテーテル10を保管するときには、まず、把持部60を摘んで互いに接近変位させ、カバー部40を、先端部位11の外面に対して離反する方向に開く。開いたカバー部40の収納室41に、バルーンカテーテル10の先端部位11を収納する(図2(C))。
【0022】
把持部60を離すと、保護シース30の形成材料が備える弾性力によって、カバー部40が閉じられ、先端部位11を覆った状態に保持する保持力Fsがカバー部40に付与される(図2(B))。
【0023】
さらに、保持部70を構成するホルダーチューブ72の中に、カバー部40が挿入され、カバー部40にホルダーチューブ72が接続される(図1、図2(A))。ホルダーチューブ72を利用することによって、保護シース30の形成材料が備える弾性力だけでは十分な保持力Fsを得ることができない場合であっても、ホルダーチューブ72を接続することによって得られる保持力Fsをもカバー部40に付与して、先端部位11を覆った状態に保持することができる。
【0024】
バルーン20は、管体12の周りに折り畳まれた状態で収納室41に収納され、閉じられたカバー部40によって保護される。バルーン20の外面の一部は、カバー部40の内周面に密着している(図3)。
【0025】
バルーンカテーテル10を使用するときには、まず、バルーンカテーテル10を、先端部位11に保護シース30を取り付けたままの状態で、ホルダーチューブ72から取り出す(図2(A)(B))。
【0026】
把持部60を摘んで互いに接近変位させ、カバー部40を、先端部位11の外面に対して離反する方向に開く(図2(C))。把持部60を摘まずにカバー部40を把持した場合には、スリット44の幅が減少して、バルーンカテーテル10の先端部位11がカバー部40によって挟持され、バルーンカテーテル10を取り出すことができなくなる。これにより、使用者に、摘む部位が間違っていることを認識させることができる。
【0027】
そして、開いたカバー部40の収納室41から、バルーンカテーテル10の先端部位11を取り出す。このとき、カバー部40が開いているので、バルーンカテーテル10の管体12は、図2(C)に矢印14によって示されるように、先端チップ13を中心にして、カバー部40の内面から先端部位11を離すような方向に揺動させることができる。バルーンカテーテル10を保管している間にバルーン20が保護シース30内面に比較的強く付着したような場合であっても、バルーンカテーテル10の管体12を揺動させることによって、バルーン20を保護シース30内面から簡単に離すことができる。従来の引き抜きタイプの保護シースにあっては、付着状態を開放しにくい軸方向にしが力を与えることができない。したがって、バルーンカテーテル10の先端部位11から保護シース30を取り外すための作業を、従来の引き抜きタイプの保護シースに比べて、簡素化することができる。さらに、保護シース30を無理に取り外すことも少なくなり、バルーン20を損傷する虞も低減される。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の保護シース30によれば、カバー部40を先端部位11の外面に対して離反する方向に開く開放力Foを把持部60によってカバー部40に付与し、開いたカバー部40から、バルーンカテーテル10の先端部位11を取り出すことができる。このとき、カバー部40が開いているので、バルーンカテーテル10の管体12をカバー部40の内面から先端部位11を離すような方向(図2(C)の矢印14)に揺動させることができ、引き抜きタイプの保護シースに比べて、バルーン20を保護シース30内面から簡単に離すことができる。したがって、バルーンカテーテル10の先端部位11から保護シース30を取り外すための作業を、引き抜きタイプの保護シースに比べて、簡素化することができる。さらに、保護シース30を無理に取り外すことも少なくなり、バルーン20を損傷する虞も低減される。
【0029】
カバー部40は、先端部位11を覆った状態において分割体42、43の周方向端部42a、43a同士の間にスリット44が介在しているので、使用者が、間違って、把持部60を摘まずにカバー部40を把持した場合には、スリット44の幅が減少して、バルーンカテーテル10の先端部位11がカバー部40によって挟持され、バルーンカテーテル10を取り出すことができなくなる。これにより、使用者に、摘む部位が間違っていることを認識させることができる。
【0030】
保持部70は、カバー部40を閉じる方向の弾発力を保持力Fsとしてカバー部40に付与する弾性部材71から構成されているので、カバー部40を閉じて先端部位11を覆った状態に確実に保持することができ、バルーン20の保護を維持することができる。
【0031】
保持部70は、バルーンカテーテル10が挿通されるチューブ部材72から構成され、チューブ部材72をカバー部40に接続することによって保持力Fsをカバー部40に付与するようにしたので、ホルダーチューブ72を接続することによって得られる保持力Fsをもカバー部40に付与して、バルーン20の保護を維持することができる。
【0032】
(保持部70を構成する弾性部材71の改変例)
図4(A)(B)および図5(A)(B)には、保持部70を構成する弾性部材71の改変例が示されている。
【0033】
保持部70を構成する弾性部材71を、保護シース30の形成材料から構成した実施形態について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。保持部70を構成する弾性部材71は、カバー部40を閉じる方向の弾発力を保持力Fsとしてカバー部40に付与し得る限りにおいて適宜の形態に改変することができる。
【0034】
図4(A)(B)を参照して、保持部70を構成する弾性部材71は、一方の把持部60から伸びるように形成した舌部73を、他方の把持部60に係止させるように折り曲げた板バネ74から形成することができる。板バネ74によって、先端部位11を覆った状態に保持する保持力Fsがカバー部40に付与される。
【0035】
図5(A)(B)を参照して、保持部70を構成する弾性部材71は、対をなす把持部60の間に配置した弾性を有するボール75から形成することができる。弾性を有するボール75によって、先端部位11を覆った状態に保持する保持力Fsがカバー部40に付与される。
【0036】
(保持部70を構成するチューブ部材の接続形態の改変例)
図6(A)(B)には、保持部70を構成するチューブ部材の接続形態の改変例が示されている。
【0037】
チューブ部材としてのホルダーチューブ72をカバー部40に接続するにあたり、ホルダーチューブ72の中にカバー部40を挿入し、この接続形態によって保持力Fsをカバー部40に付与する実施形態について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。
【0038】
図6(A)(B)を参照して、ホルダーチューブ76をカバー部40の中に挿入し、この接続形態によって保持力Fsをカバー部40に付与することもできる。この接続形態では、保持力Fsをカバー部40に付与するため、ホルダーチューブ76の端部76aを挿し込むためのポケット45をカバー部40の内面に形成することが好ましい。
【0039】
(保護シース30の内部構造の改変例)
図7には、内部構造を改変した保護シース30が示されている。
【0040】
保護シース30の内部がカバー部40から把持部60に至るまで貫通している実施形態について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。
【0041】
図7を参照して、保護シース30は、カバー部40の収納室41を仕切る壁部46を設けた内部構造を有することができる。壁部46の厚さや配置位置は、把持部60に対する把持力を、カバー部40を開く開放力Foとしてカバー部40に付与できるように定められている。
【0042】
(支持部50の改変例)
図8には、支持部50の構造を改変した保護シース30が示されている。
【0043】
保護シース30の支持部50が、カバー部40と把持部60とを接続する部位における保護シース30の形成材料から構成される実施形態について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。支持部50は、カバー部40を先端部位11の外面に対して接近離反する方向に開閉自在に支持し得る限りにおいて適宜改変できる。
【0044】
図8を参照して、保護シース30を、第1のアーム部51と、第2のアーム部52とに分割し、支持部50を、第1と第2のアーム部51、52をピン53を介して連結する構成としてもよい。
【0045】
以上、本発明の保護シース30を図示の実施形態および改変例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、保護シース30を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明の保護シース30は、前記実施形態および前記改変例のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0046】
さらに、保護シース30は、バルーンカテーテル10におけるバルーン20以外の被保護部材を保護するために用いてもよい。例えば、ステント、種々のセンサ、あるいはカッターなどの処置器具などを保護するために用いることができる。
【符号の説明】
【0047】
10 バルーンカテーテル(長尺体)、
11 先端部位、
12 管体、
14 管体を揺動させる方向、
20 バルーン(被保護部材)、
30 保護シース、
40 カバー部、
41 収納室、
42、43 分割体、
42a、43a 周方向端部、
44 スリット、
50 支持部、
53 ピン、
60 把持部、
70 保持部、
71 弾性部材、
72 チューブ部材、
74 板バネ、
75 弾性を有するボール、
76 チューブ部材、
Fo 開放力、
Fs 保持力。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺体の先端部位を覆うことによって前記先端部位に設けられた被保護部材を保護する保護シースであって、
前記先端部位を覆うカバー部と、
前記カバー部を前記先端部位の外面に対して接近離反する方向に開閉自在に支持する支持部と、
前記カバー部を前記先端部位の外面に対して離反する方向に開く開放力を前記カバー部に付与する把持部と、
前記カバー部を閉じて前記先端部位を覆った状態に保持する保持力を前記カバー部に付与する保持部と、を有する保護シース。
【請求項2】
前記カバー部は、前記先端部位を覆うように周方向に複数個に分割された分割体から構成され、前記先端部位を覆った状態において前記分割体の周方向端部同士の間にスリットが介在する請求項1に記載の保護シース。
【請求項3】
前記保持部は、前記カバー部を閉じる方向の弾発力を前記保持力として前記カバー部に付与する弾性部材から構成されている請求項1または請求項2に記載の保護シース。
【請求項4】
前記保持部は、前記長尺体が挿通されるチューブ部材から構成され、前記チューブ部材を前記カバー部に接続することによって前記保持力を前記カバー部に付与する請求項1または請求項2に記載の保護シース。
【請求項5】
前記長尺体が医療用のカテーテルであり、前記被保護部材がバルーン、ステント、および撮像手段のうちの少なくとも1つである、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の保護シース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−183239(P2012−183239A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49444(P2011−49444)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】