説明

信号処理装置、情報処理装置、信号処理方法、データ表示方法、及びプログラム

【課題】GPSモジュールに流れる信号の観測又は解析を効率的に行うことを可能とすること。
【解決手段】全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号の拡散符号の同期を捕捉する同期捕捉部と、前記同期捕捉部により同期を捕捉された前記中間周波数信号に含まれるメッセージを復調する復調部と、前記復調部により復調された前記メッセージに基づいて装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを測定した結果を表す一次信号を所定の信号線に出力する測定部と、前記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号に所定のヘッダを付与して前記所定の信号線に出力する二次信号出力部と、を備える信号処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理装置、情報処理装置、信号処理方法、データ表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション機器や携帯電話、デジタルスチルカメラなどの様々な電子機器に、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用した測位機能が搭載されている。典型的には、電子機器においてGPSを利用する場合、GPSモジュールにおいて4個以上のGPS衛星からの信号を受信し、受信信号に基づいて機器の位置を測定し、測定結果が表示装置の画面などを介してユーザに通知される。より具体的には、GPSモジュールは、受信信号を復調して各GPS衛星の軌道データを獲得し、当該軌道データ、時間情報及び受信信号の遅延時間から機器の3次元位置を連立方程式により導き出す。受信の対象とするGPS衛星が4個以上必要となるのは、モジュール内部の時間と衛星の時間との間の誤差の影響を除去するためである。
【0003】
ここで、GPS衛星から送信される信号(L1帯、C/Aコード)は、50bpsのデータを符号長1023、チップレート1.023MHzのGold符号でスペクトラム拡散したスペクトラム拡散信号をさらに1575.42MHzのキャリアを用いてBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調した信号である。従って、GPSモジュールがGPS衛星から上記信号を受信するには、拡散符号、キャリア及びデータの同期をとる必要がある。
【0004】
一般的に、電子機器に搭載されるGPSモジュールは、受信信号のキャリア周波数を数MHz以内の中間周波数(IF:Intermediate Frequency)に周波数変換した後、上述した同期処理等を行う。典型的な中間周波数は、例えば、4.092MHz又は1.023MHz、0Hzなどである。通常、受信信号の信号強度は熱雑音の信号強度よりも小さく、S/Nは0dBを下回るものの、スペクトラム拡散方式の処理利得により信号を復調することが可能である。GPS信号の場合、データ長1bitに対する処理利得は、例えば10Log(1.023MHz/50)≒43dBである。
【0005】
ここで、上述したように、GPSモジュールを搭載した電子機器の市場は広がる傾向にある。性能面においては、受信感度の高度化が進み、受信感度−150〜−160dBmのGPSモジュールが普及してきている。しかし、GPSモジュールの普及が進む一方で、GPSモジュールが搭載される電子機器の高性能化も進んでいる。そして、それに応じて電子機器からの不要な電磁波の輻射がノイズとなり、モジュール本来の性能を体感できないケースが増えている。電子機器からのノイズとしては、例えば、電子機器内部の配線間の結合、空間を介して干渉するクロック、データバス等を通る高速信号の高調波、回路の負荷変動、又はスイッチングレギュレータによる電源変動などを原因とするものが挙げられる。
【0006】
電子機器からGPSモジュールのアナログ回路に上述した外来ノイズが加わると、受信感度は劣化する。外来ノイズの信号強度がGPSモジュールで発生する定常的な熱雑音の信号強度(帯域幅2MHzで換算した場合は約−111dBm)と同程度以下であれば受信感度の劣化はほとんど問題にならない。しかし、外来ノイズの信号強度が熱雑音の信号強度と同程度以上の場合、受信感度は定常的な熱雑音のレベルを超えた分だけ劣化する。そして、受信信号と熱雑音+外来ノイズとの比(以下、S/(N+I))の逆数が処理利得に近くなると、GPS信号を検出することができなくなる。また、S/(N+I)の逆数が処理利得より充分小さい場合であっても、例えば強い外来ノイズにより回路内の電圧値が飽和すると、熱雑音とGPS信号とが抑圧を受けるため、受信感度は急激に劣化する。特に、一般的なGPSモジュールの場合、通常、増幅度の合計値は100dB以上、またAD(Analog to Digital)変換の分解能は1又は2ビットである。この場合、基本的に熱雑音とGPS信号とがある程度飽和した状態で測位が行われる。そのため、信号強度の大きい外来ノイズが入力されると、アナログ回路の最終的な出力であるAD変換後の出力信号は飽和し易い。
【0007】
従って、電子機器に搭載されているGPSモジュールの性能を効率的に引き出すためには、例えばシールド材又はシールドケースを使用するなど、電子機器の不要な輻射等のノイズを抑える対策をとることが求められる。例えば、できるだけ上記ノイズがアンテナに入らないように、電子機器の設計時に回路基板の構成やアンテナ形状、素子の配置などを最適化しなければならない。これらの対策は、例えば、電子機器のデザイン、コスト、開発期間に影響し得る。
【0008】
そこで、例えば、下記特許文献1は、GPSモジュールに入力されるノイズのレベルに対して周波数に応じた重み付けを行うことで、高い精度で定量的にノイズを評価することのできるノイズ評価装置を提案している。また、下記特許文献2〜4には、例えば存在しない衛星のC/AコードとIF信号との間の相関等を用いてノイズであると推定される異常レベルを検出する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4060038号公報
【特許文献2】特許第3949576号公報
【特許文献3】特開2007−78703号公報
【特許文献4】特開2000−249754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、例えば、上記特許文献1に記載の手法では、装置自体の規模が大きくなってしまうため、電子機器の設計の最適化のために当該手法は必ずしも適していない。また、上記特許文献1に記載の手法は、GPSモジュールに流れる信号に現れるノイズを直接的に観測できるものではない。また、上記特許文献2〜4に記載の手法では、ノイズのレベルしか観測することができないため、ノイズの原因の特定のために十分な情報が提供されない。一般的に、電子機器の設計の最適化のためにGPSモジュールに入力される外来ノイズを直接的に観測することは、次の理由により困難である。
【0011】
即ち、例えば、アンテナ直後のRF(Radio Frequency)信号をスペクトラムアナライザで観測する場合、上記の通りGPS信号のレベルは熱雑音以下であるため、観測すべき外来ノイズのレベルも低い。よって、低雑音増幅器を前置するなどしてスペクトラムアナライザ自体のノイズに観測対象のノイズが埋もれないようにする必要がある。しかし、アンテナが基板一体型である場合のように、必ずしも観測に使用できる端子が無い場合がある。
【0012】
また、例えば、受信信号のキャリア周波数を中間周波数に変換したIF信号をスペクトラムアナライザで観測する場合、その時点で信号のレベルは十分増幅されているものの、IC化されたGPSモジュールにIF信号を取得するための端子が設けられていない場合もある。また、IF信号を端子を介して取得できたとしても、IF信号が2bit以上の分解能のAD変換後のデジタル信号である場合、アナログ信号を受け付けるスペクトラムアナライザをそのまま使用してIF信号を観測することは難しい。
【0013】
さらに、例えば、小型化の進んだ近年のGPSモジュールからスペクトラムアナライザで信号を観測するための配線を引き出すことが困難である場合もある。また、検査工程のコストを考慮すると、高価なスペクトラムアナライザを使用すること自体がデメリットとなり得る。
【0014】
そこで、本発明は、GPSモジュールに流れる信号に現れるノイズの観測又は解析を効率的に行うことを可能とする、新規かつ改良された信号処理装置、情報処理装置、信号処理方法、データ表示方法、及びプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある実施形態によれば、全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号の拡散符号の同期を捕捉する同期捕捉部と、上記同期捕捉部により同期を捕捉された上記中間周波数信号に含まれるメッセージを復調する復調部と、上記復調部により復調された上記メッセージに基づいて装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを測定した結果を表す一次信号を所定の信号線に出力する測定部と、上記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号に所定のヘッダを付与して上記所定の信号線に出力する二次信号出力部と、を備える信号処理装置が提供される。
【0016】
かかる構成によれば、測位演算の結果を表す一次信号を出力するための信号線を用いて、IF信号(中間周波数信号)及び/又はIF信号から生成される信号を含む二次信号が上記信号処理装置から出力される。それにより、当該信号線に電子機器を接続することで、追加の配線等を要することなく、IF信号のスペクトラムや統計データなどを取得してノイズの状況を直接的に観測することが可能となる。なお、このような信号処理装置は、例えば、後述する本発明の一実施形態に係るGPSモジュール110に相当する。
【0017】
また、上記二次信号は、上記中間周波数信号をフーリエ変換することにより生成される周波数スペクトラムを表す信号を含んでもよい。
【0018】
また、上記二次信号は、上記中間周波数信号をフーリエ変換することにより生成される周波数スペクトラムを統計的に分析して得られたデータを表す信号を含んでもよい。
【0019】
また、上記信号処理装置は、全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換して上記中間周波数信号を生成する周波数変換部、をさらに備えてもよい。
【0020】
また、上記二次信号出力部は、上記二次信号に含まれる信号の種類を識別するための識別コードを有する上記所定のヘッダを上記二次信号に付与してもよい。
【0021】
また、本発明の別の実施形態によれば、全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号に基づいて測定された装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを表す一次信号を所定の信号線から取得する一次信号取得部と、上記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号を上記所定の信号線から取得する二次信号取得部と、上記一次信号取得部により取得される上記一次信号に応じたデータ、及び上記二次信号取得部により取得される上記二次信号に応じたデータを所定の画面上に表示可能な表示部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0022】
かかる構成によれば、測位演算の結果を表す一次信号を取得するための信号線から、当該一次信号だけでなく、IF信号及び/又はIF信号から生成される信号を含む二次信号が取得され、当該二次信号に応じたデータが所定の画面上に表示される。それにより、ユーザは、当該画面を参照してGPSモジュールに入力されたノイズの状況を直接的に観測することができる。なお、このような情報処理装置は、例えば、後述する本発明の一実施形態に係る表示モジュール160に相当する。
【0023】
また、上記二次信号は、上記中間周波数信号を含み、上記情報処理装置は、上記中間周波数信号をフーリエ変換することにより周波数スペクトラムを生成するデータ処理部、をさらに備え、上記表示部は、上記データ処理部により生成される上記周波数スペクトラムを上記所定の画面上に表示してもよい。
【0024】
また、上記二次信号は、上記中間周波数信号をフーリエ変換することにより生成された周波数スペクトラムを表す信号を含み、上記情報処理装置は、上記二次信号に含まれる上記周波数スペクトラムを統計的に分析するデータ処理部、をさらに備え、上記表示部は、上記データ処理部による分析の結果として得られるデータを上記所定の画面上に表示してもよい。
【0025】
また、上記二次信号取得部は、上記所定の信号線へ出力された信号のうち、当該信号に付与されたヘッダに含まれる識別コードが上記二次信号に対応する識別コードである信号を、上記二次信号として取得してもよい。
【0026】
また、本発明の別の実施形態によれば、全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号の拡散符号の同期を捕捉するステップと、同期を捕捉された上記中間周波数信号に含まれるメッセージを復調するステップと、復調された上記メッセージに基づいて装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを測定した結果を表す一次信号を所定の信号線に出力するステップと、上記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号に所定のヘッダを付与して上記所定の信号線に出力するステップと、を含む信号処理方法が提供される。
【0027】
また、本発明の別の実施形態によれば、信号処理装置を制御するコンピュータを、全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号の拡散符号の同期を捕捉する同期捕捉部と、上記同期捕捉部により同期を捕捉された上記中間周波数信号に含まれるメッセージを復調する復調部と、上記復調部により復調された上記メッセージに基づいて装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを測定した結果を表す一次信号を所定の信号線に出力する測定部と、上記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号に所定のヘッダを付与して上記所定の信号線に出力する二次信号出力部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0028】
また、本発明の別の実施形態によれば、所定の画面上にデータを表示可能な情報処理装置を用いて、全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号に基づいて測定された装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを表す一次信号を所定の信号線から取得するステップと、上記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号を上記所定の信号線から取得するステップと、上記一次信号に応じたデータ、及び上記二次信号に応じたデータを上記所定の画面上に表示させるステップと、を含むデータ表示方法が提供される。
【0029】
また、本発明の別の実施形態によれば、所定の画面上にデータを表示可能な情報処理装置を制御するコンピュータを、全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号に基づいて測定された装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを表す一次信号を所定の信号線から取得する一次信号取得部と、上記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号を上記所定の信号線から取得する二次信号取得部と、上記一次信号取得部により取得される上記一次信号に応じたデータ、及び上記二次信号取得部により取得される上記二次信号に応じたデータを上記所定の画面上に表示させる表示部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明に係る信号処理装置、情報処理装置、信号処理方法、データ表示方法、及びプログラムによれば、GPSモジュールに流れる信号に現れるノイズの観測又は解析を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に関連するGPSモジュールの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の同期捕捉部のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1の同期捕捉部のより詳細な構成の他の例を示すブロック図である。
【図4】デジタルマッチドフィルタから出力される相関信号のピークの一例を示す説明図である。
【図5】AD変換前のIF信号のスペクトラムについて説明するための説明図である。
【図6】AD変換後のIF信号のスペクトラムについて説明するための説明図である。
【図7】一実施形態に係るGPSシステムの構成の一例を示す模式図である。
【図8】一実施形態に係るGPSシステムの構成の他の例を示す模式図である。
【図9】一実施形態に係るGPSモジュールの論理的な構成の一例を示すブロック図である。
【図10】一実施形態に係る二次信号出力部の処理パターンについて説明するための説明図である。
【図11】一実施形態に係る二次信号のフォーマットの一例を示す説明図である。
【図12】一実施形態に係る二次信号のデータ例を示す説明図である。
【図13】一実施形態に係る表示モジュールの論理的な構成の一例を示すブロック図である。
【図14】一実施形態において画面上に表示されるデータの一例を示す説明図である。
【図15】アンテナ又は周波数変換部のテストを行うためのシステム構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0033】
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.本発明に関連するGPSモジュールの説明
2.一実施形態の説明
2−1.システムの概要
2−2.GPSモジュールの構成例
2−3.二次信号のフォーマットの例
2−4.表示モジュールの構成例
3.変形例の説明
【0034】
<1.本発明に関連するGPSモジュールの説明>
図1は、本発明に関連するGPSモジュール10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
図1を参照すると、GPSモジュール10は、アンテナ12、周波数変換部20、同期捕捉部40、復調部50、CPU(Central Processing Unit)60、RTC(Real Time Clock)64、タイマ68、メモリ70、XO(水晶発振器、X’tal Oscillator)72、TCXO(Temperature Compensated X’tal Oscillator)74、及び逓倍/分周器76を備える。
【0036】
XO72は、所定の周波数(例えば、32.768kHz程度)を有する信号D1を発振させ、発振した信号D1をRTC64へ供給する。TCXO74は、XO72と異なる周波数(例えば、16.368MHz程度)を有する信号D2を発振し、発振した信号D2を逓倍/分周器76及び周波数シンセサイザ28へ供給する。
【0037】
逓倍/分周器76は、TCXO74から供給された信号D2を、CPU60からの指示に基づいて、逓倍若しくは分周、又はそれら双方を行なう。そして、逓倍/分周器76は、逓倍、分周又はその双方を行った信号D4を、周波数変換部20の周波数シンセサイザ28、ADC36、CPU60、タイマ68、メモリ70、同期捕捉部40、及び復調部50へ供給する。
【0038】
アンテナ12は、全地球測位システムの衛星であるGPS衛星から送信された航法メッセージなどを含む無線信号(例えば、1575.42MHzのキャリアが拡散されたRF信号)を受信し、当該無線信号を電気信号D5に変換して周波数変換部20へ供給する。
【0039】
周波数変換部20は、LNA(Low Noise Amplifier)22、BPF(Band Pass Filter)24、増幅器26、周波数シンセサイザ28、乗算器30、増幅器32、LPF(Low Pass Filter)34、及びADC(Analog Digital Converter)36を備える。この周波数変換部20は、以下に示すように、アンテナ12により受信された1575.42MHzの高い周波数を有する信号D5を、デジタル信号処理の容易化のために、例えば1.023MHz程度の周波数を有する信号D14にダウンコンバージョンする。
【0040】
LNA22は、アンテナ12から供給された信号D5を増幅し、BPF24へ供給する。BPF24は、SAWフィルタ(Surface Acoustic Wave Filter)から構成され、LNA22により増幅された信号D6の周波数成分のうちで、特定の周波数成分のみを抽出して増幅器26へ供給する。増幅器26は、BPF24により抽出された周波数成分を有する信号D7(周波数FRF)を増幅し、乗算器30へ供給する。
【0041】
周波数シンセサイザ28は、TCXO74から供給される信号D2を利用し、CPU60からの指示D9に基づいて周波数FLOを有する信号D10を生成する。そして、周波数シンセサイザ28は、生成した周波数FLOを有する信号D10を乗算器30へ供給する。
【0042】
乗算器30は、増幅器26から供給される周波数FRFを有する信号D8と、周波数シンセサイザ28から供給される周波数FLOを有する信号D10を乗算する。即ち、乗算器30は、高周波信号をIF(Intermediate Frequency)信号D11(例えば、1.023MHz程度の周波数を有する中間周波数信号)にダウンコンバージョンする。
【0043】
増幅器32は、乗算器30によりダウンコンバージョンされたIF信号D11を増幅し、LPF34へ供給する。
【0044】
LPF34は、増幅器30により増幅されたIF信号D12の周波数成分のうちの低周波成分を抽出し、抽出した低周波成分を有する信号D13をADC36へ供給する。なお、図1においては増幅器32とADC36の間にLPF34が配置される例を説明しているが、増幅器32とADC36の間にはBPFが配置されてもよい。
【0045】
ADC36は、LPF34から供給されたアナログ形式のIF信号D13をサンプリングすることによりデジタル形式に変換し、デジタル形式に変換したIF信号D14を、1ビットずつ同期捕捉部40及び復調部50へ供給する。
【0046】
同期捕捉部40は、CPU60による制御に基づき、逓倍/分周器76から供給される信号D3を利用し、ADC36から供給されるIF信号D14の疑似ランダム(PRN:Pseudo-Random Noise)符号での同期捕捉を行う。また、同期捕捉部40は、IF信号D14のキャリア周波数を検出する。そして、同期捕捉部40は、PRN符号の位相やIF信号D14のキャリア周波数などを復調部50及びCPU60へ供給する。
【0047】
復調部50は、CPU60による制御に基づき、逓倍/分周器76から供給される信号D3を利用し、ADC36から供給されるIF信号D14のPRN符号とキャリアの同期を保持する。より詳細には、復調部50は、同期捕捉部40から供給されるPRN符号の位相やIF信号D14のキャリア周波数を初期値として動作する。そして、復調部50は、ADC36から供給されるIF信号D14に含まれる航法メッセージを復調し、復調された航法メッセージ、精度の高いPRN符号の位相及びキャリア周波数をCPU60へ供給する。
【0048】
CPU60は、復調部50から供給される航法メッセージ、PRN符号の位相及びキャリア周波数に基づいて、各GPS衛星の位置や速度を算出し、GPSモジュール10の位置を計算する。また、CPU60は、航法メッセージに基づいてRTC64の時間情報を補正してもよい。また、CPU60は、制御端子、I/O端子、及び付加機能端子などに接続され、その他の各種制御処理を実行してもよい。
【0049】
RTC64は、XO72から供給される所定の周波数を有する信号D1を利用して時間を計測する。RTC64が計測する時間は、CPU60により適宜補正される。
【0050】
タイマ68は、逓倍/分周器76から供給される信号D4を利用して計時する。かかるタイマ68は、CPU60による各種制御の開始タイミングを決定する際などに参照される。例えば、CPU60は、同期捕捉部40により捕捉されたPRN符号の位相に基づいて復調部50のPRN符号発生器の動作を開始させるタイミングを決定する際に、タイマ68を参照する。
【0051】
メモリ70は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read-Only Memory)などからなり、CPU60による作業空間、プログラムの記憶部、航法メッセージの記憶部などとしての機能を有する。メモリ70においては、CPU60等による各種処理を行う際のワークエリアとしてRAMが用いられる。また、RAMは、入力された各種データのバッファリング、並びに、復調部50より得られたGPS衛星の軌道情報であるエフェメリス及びアルマナック、及び演算過程で生成される中間データ又は演算結果データの保持などのためにも用いられ得る。また、メモリ70においては、各種プログラムや固定データ等を記憶する手段としてROMが用いられる。また、メモリ70においては、GPSモジュール10の電源が切られている間に、GPS衛星の軌道情報であるエフェメリス及びアルマナック、並びに測位結果の位置情報又はTCXO1の誤差量などを記憶する手段として、不揮発メモリが用いられる場合がある。
【0052】
なお、図1に示したGPSモジュール10の構成のうち、XO72、TCXO74、アンテナ12及びBPF24を除く各ブロックを、1チップからなる集積回路に実装することも可能である。
【0053】
なお、上述した同期捕捉部40は、例えば、拡散符号の同期捕捉を高速に行うために、マッチドフィルタを利用する。具体的には、同期捕捉部40は、マッチドフィルタとして、例えば図2に示す所謂トランスバーサルフィルタ40aを用いてもよい。その代わりに、同期捕捉部40は、マッチドフィルタとして、例えば図3に示す高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を利用したデジタルマッチドフィルタ40bを用いてもよい。
【0054】
例えば、図3を参照すると、デジタルマッチドフィルタ40bは、メモリ41、FFT部42、メモリ43、拡散符号発生器44、FFT部45、メモリ46、乗算器47、IFFT(Inversed Fast Fourier Transform)部48、及びピーク検出器49を有する。
【0055】
メモリ41は、周波数変換部20のADC36によってサンプリングされたIF信号をバッファリングする。FFT部42は、メモリ41によりバッファリングされたIF信号を読み出して高速フーリエ変換する。メモリ43は、FFT部42における高速フーリエ変換により時間領域のIF信号から変換された周波数領域信号をバッファリングする。
【0056】
一方、拡散符号発生器44は、GPS衛星からのRF信号における拡散符号と同じ拡散符号を発生する。FFT部45は、拡散符号発生器44により発生された拡散符号を高速フーリエ変換する。メモリ部46は、FFT部45における高速フーリエ変換により時間領域の拡散符号から変換された周波数領域の拡散符号をバッファリングする。
【0057】
乗算器47は、メモリ43にバッファリングされている周波数領域信号とメモリ46にバッファリングされている周波数領域の拡散符号とを乗算する。IFFT部48は、乗算器47から出力される乗算後の周波数領域信号を逆高速フーリエ変換する。それにより、GPS衛星からのRF信号における拡散符号と拡散符号発生器44により発生された拡散符合との間の時間領域での相関信号が取得される。そして、ピーク検出器49は、IFFT部48から出力される相関信号のピークを検出する。
【0058】
かかるデジタルマッチドフィルタ40bは、FFT部42及び45、拡散符号発生器44、乗算器47、IFFT部48、及びピーク検出器49の各部の処理をDSP(Digital Signal Processor)を用いて実行するソフトウェアとして実現されてもよい。
【0059】
図4は、上述したデジタルマッチドフィルタ40a又は40bにより捕捉される相関信号のピークの一例を示す説明図である。図4を参照すると、1周期分の相関信号の出力波形の中で、相関レベルが突出したピークP1が検出されている。かかるピークP1の時間軸上の位置は、拡散符号の先頭に相当する。即ち、同期捕捉部40は、このようなピークP1を検出することにより、GPS衛星から受信された受信信号の同期を検出(即ち、拡散符号の位相を検出)することができる。
【0060】
図5及び図6は、GPSモジュール10に外来ノイズが入力された場合の、AD変換前後のIF信号のスペクトラムについて説明するための説明図である。
【0061】
図5(A)は、GPSモジュール10に例えばPC(Personal Computer)のクロックなどを原因とする単一周波数の強い外来ノイズが入力された場合の、ADC36によるAD変換前のIF信号のスペクトラムを示している。なお、ここでは、周波数軸(横軸)の中央を境にして周波数の正負が反転したスペクトラムが現れている。図5(A)を参照すると、6MHz弱の周波数を有する突出した強度のノイズが観測されている。かかるノイズが、PCのクロックなどを原因とする単一周波数の外来ノイズである。また、約1MHzから約7MHzまでの周波数帯において、一様な強度のノイズが観測されている。かかるノイズは、BPFを通過した後の熱雑音に相当する。一方、図5(B)は、図5(A)のようなスペクトラムを有するIF信号を所定の拡散符号を用いて逆拡散した結果を示している。図5(B)を参照すると、1023bitの拡散符号の位相の範囲の中央部分においてピークP2が検出されている。かかるピークP2は、逆拡散により捕捉されたGPS信号の位相を表している。従って、IF信号をAD変換する前であれば、信号が飽和しておらずGPS信号の同期を捕捉することができることが分かる。
【0062】
これに対し、図6(A)は、GPSモジュール10に上述した単一周波数の強い外来ノイズが入力された場合の、ADC36によるAD変換後のIF信号のスペクトラムを示している。なお、ここではADC36の分解能を2ビットとしている。図6(A)を参照すると、外来ノイズでADC36からの出力信号が飽和したことにより、複数個所の周波数で突出したノイズが観測されている。そして、図6(B)に示した逆拡散の結果では、GPS信号が抑圧された結果、GPS信号の位相がピークとして現れず、GPS信号の同期を捕捉することができていない。即ち、アナログのIF信号の時点では信号が飽和しておらず逆拡散処理の処理利得がS/(N+I)の逆数より充分高い場合であっても、2ビットの分解能のAD変換後のデジタル信号では信号が飽和し、GPS信号を検出できない可能性があることが分かる。
【0063】
このような外来ノイズが存在する状況下では、GPSモジュールは本来の性能を発揮することができない。従って、GPSモジュールを搭載する電子機器を設計、製造又は検査する際に、電子機器が発するノイズがGPSモジュールにどのような影響を与えているかを観測し、対策を講ずることが求められる。しかしながら、上で列挙した理由により、GPSモジュールに入力される外来ノイズを直接的に観測することは容易ではない。そこで、次節において説明する本発明の一実施形態に係る構成により、追加の配線や専用の測定器を要することなく、GPSモジュールに入力される外来ノイズの観測又は解析を行うことを可能とする。
【0064】
<2.一実施形態の説明>
[2−1.システムの概要]
図7は、本発明の一実施形態に係るGPSシステムの概略的な構成の一例を示す模式図である。図7を参照すると、アンテナ102、信号線104、GPSモジュール110、及び表示モジュール160を含むGPSシステム100aが示されている。
【0065】
アンテナ102は、図1に示したアンテナ12と同様、GPS衛星から送信された航法メッセージなどを含む無線信号としてのGPS信号を受信し、受信した信号をGPSモジュール110へ供給する。
【0066】
信号線104は、GPSモジュール110と表示モジュール160とを接続する。信号線104は、典型的には、GPSモジュール110と表示モジュール160との間のシリアル方式での信号の伝送に使用される。
【0067】
GPSモジュール110は、例えば、信号線104を介して表示モジュール160から入力されるコマンドに応じて、アンテナ102から供給される受信信号の周波数の変換、IF信号の同期の捕捉、航法メッセージの復調、及び測位処理などを行う。そして、GPSモジュール110は、測位処理の結果などを表す一次信号を信号線104へ出力する。また、本実施形態において、GPSモジュール110は、後にさらに説明するように、GPSモジュール110に入力されるノイズの観測又は解析に使用される二次信号を信号線104へ出力する。なお、GPSモジュール110が出力する一次信号及び二次信号のフォーマットは、例えばNMEA(National Marine Electronics Association)0183などの標準仕様に従ったフォーマット、又は独自に定義されたフォーマットなどであってよい。
【0068】
表示モジュール160は、例えば、測位処理の開始、二次信号の出力開始又は処理のリセットなどを指示するコマンドを、信号線104を介してGPSモジュール110へ出力する。また、表示モジュール160は、GPSモジュール110から出力される上述した一次信号及び二次信号を信号線104を介して取得する。そして、表示モジュール160は、例えば、一次信号により表される測位処理の結果、又は二次信号の内容などを表示モジュール160に設けられる所定の画面に表示する。
【0069】
図8は、一実施形態に係るGPSシステムの概略的な構成の他の例を示す模式図である。図8を参照すると、アンテナ102、信号線104a及び104b、接続線106、GPSモジュール110、及び表示モジュール160を含むGPSシステム100bが示されている。
【0070】
GPSシステム100bにおいては、GPSモジュール110と表示モジュール160との間の信号線が信号線104a及び104bに分離され、それらの間を接続線106が接続している。接続線106は、例えば、RS232C、USB、又はBluetooth(登録商標)などのシリアル通信規格に基づくケーブルなどであってよい。この場合、各信号線104a及び104bと接続線106との間には、上述したいずれかのシリアル通信規格に従った変換ポートが設けられる。
【0071】
図7に示したGPSシステム100aの構成は、例えば、携帯電話端末やカーナビゲーション機器、デジタルスチルカメラなど、GPSモジュール110が回路基板上に予め組み込まれる電子機器に適用され得る。この場合、表示モジュール160は、電子機器のホスト側のモジュールとして実装される。一方、図8に示したGPSシステム100bの構成は、例えば、GPSモジュール110を外付けする電子機器に適用され得る。この場合、表示モジュール160は、例えば、モバイルPC(Personal Computer)や携帯情報端末などの電子機器の本体として実装される。
【0072】
次に、上述したGPSモジュール110及び表示モジュール160のより具体的な構成について説明する。
【0073】
[2−2.GPSモジュールの構成例]
図9は、本実施形態に係るGPSモジュール110の論理的な構成を具体的に示すブロック図である。図9を参照すると、GPSモジュール110は、周波数変換部120、同期捕捉部130、復調部132、測定部140、及び二次信号出力部150を主に備える。
【0074】
周波数変換部120は、図1に示した周波数変換部20と同様、GPS衛星からアンテナ102を介して受信された信号を増幅し、受信信号の周波数を所定の中間周波数に変換してIF信号を生成する。また、周波数変換部120は、アナログ信号であるIF信号をサンプリングしてデジタル信号に変換する。そして、周波数変換部120は、デジタル信号に変換されたIF信号を、同期捕捉部130、復調部132、及び二次信号出力部150に供給する。
【0075】
同期捕捉部130は、図1に示した同期捕捉部40と同様、周波数変換部120から供給されるIF信号の同期を所定の拡散符号を用いて捕捉する。また、同期捕捉部130は、IF信号のキャリア周波数を検出する。そして、同期捕捉部130は、捕捉した拡散符号の位相とIF信号のキャリア周波数とを、復調部132及び測定部140へ供給する。同期捕捉部130は、例えば、図2に例示したトランスバーサルフィルタ40aを用いて構成されてもよい。その代わりに、同期捕捉部130は、例えば、図3に例示したデジタルマッチドフィルタ40bを用いて構成されてもよい。また、同期捕捉部130は、後述するように、IF信号を高速フーリエ変換して得た周波数スペクトラムを二次信号出力部150へ出力してもよい。
【0076】
復調部132は、図1に示した復調部50と同様、同期捕捉部130から入力される拡散符号の位相とキャリア周波数とに基づいて、IF信号に含まれる航法メッセージを復調し、及び精度の高いPRN符号の位相及びキャリア周波数を検出する。そして、復調部132は、復調した航法メッセージ、精度の高いPRN符号の位相及びキャリア周波数を測定部140へ供給する。
【0077】
測定部140は、図1に示したCPU60を用いて、復調部132から供給される航法メッセージ、PRN符号の位相及びキャリア周波数に基づき、各GPS衛星の位置や速度を算出し、GPSモジュール110の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを測定する。そして、測定部140は、測定の結果を表す一次信号を、信号線104へ出力する
【0078】
二次信号出力部150は、周波数変換部120から供給されるIF信号又は当該IF信号から所定の処理を経て生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号に所定のヘッダを付与し、当該二次信号を信号線104へ出力する。
【0079】
図10は、二次信号出力部150の処理パターンについて説明するための説明図である。図10を参照すると、二次信号出力部150によるパターン1からパターン5までの5つの処理パターンが例示されている。また、処理パターンごとに、二次信号出力部150への入力信号の供給元、入力信号の種類、処理内容、及び出力信号の種類が示されている。
【0080】
まず、パターン1の場合、IF信号が周波数変換部120から二次信号出力部150に供給される。そうすると、二次信号出力部150は、連続するIF信号から所定の有限長の信号列を切り出す。次に、二次信号出力部150は、有限長のIF信号の信号列に信号の種類がIF信号であることを示す識別コードを含むヘッダを付与し、二次信号を生成する。二次信号に付与されるヘッダには、識別コードのほかに、例えばデータ長などの任意の情報が含められてもよい。そして、二次信号出力部150は、生成した二次信号を信号線104へ出力する。
【0081】
また、パターン2の場合、パターン1と同様、IF信号が周波数変換部120から二次信号出力部150に供給される。そうすると、二次信号出力部150は、連続するIF信号から切り出した有限長の信号列に対して高速フーリエ変換を行う。次に、二次信号出力部150は、高速フーリエ変換の結果として取得される周波数スペクトラムに信号の種類がIF信号の周波数スペクトラムであることを示す識別コードを含むヘッダを付与し、二次信号を生成する。そして、二次信号出力部150は、生成した二次信号を信号線104へ出力する。
【0082】
また、パターン3の場合、パターン1又は2と同様、IF信号が周波数変換部120から二次信号出力部150に供給される。そうすると、二次信号出力部150は、まず、連続するIF信号から切り出した有限長の信号列に対して高速フーリエ変換を行う。次に、二次信号出力部150は、高速フーリエ変換の結果として取得される周波数スペクトラムを統計分析する。より具体的には、二次信号出力部150は、例えば、周波数スペクトラムにおいて高いノイズレベルを示す上位数点の周波数、予め測定された理想状態での電力に対する測定された電力の比、又はノイズレベルの時間平均若しくは分散などを算出することができる。そして、二次信号出力部150は、統計分析により算出された統計データにデータの種類を示す識別コードを含むヘッダを付与し、二次信号を生成する。そして、二次信号出力部150は、生成した二次信号を信号線104へ出力する。
【0083】
また、パターン4の場合、IF信号の周波数スペクトラムが同期捕捉部130から二次信号出力部150に供給される。ここで供給される周波数スペクトラムは、例えば、同期捕捉部130が図3に例示したデジタルマッチドフィルタ40bを用いて構成される場合に、デジタルマッチドフィルタ40bのFFT部42によりIF信号がFFTされた周波数スペクトラムであってよい。そうすると、二次信号出力部150は、供給された周波数スペクトラムに信号の種類が周波数スペクトラムであることを示す識別コードを含むヘッダを付与し、二次信号を生成する。そして、二次信号出力部150は、生成した二次信号を信号線104へ出力する。
【0084】
また、パターン5の場合、パターン4と同様、IF信号の周波数スペクトラムが同期捕捉部130から二次信号出力部150に供給される。そうすると、二次信号出力部150は、供給された周波数スペクトラムを統計分析する。ここでの統計分析処理は、上述したパターン3に関する統計分析処理と同様の処理であってよい。そして、二次信号出力部150は、統計分析により得られた統計データにデータの種類を示す識別コードを含むヘッダを付与し、二次信号を生成する。そして、二次信号出力部150は、生成した二次信号を信号線104へ出力する。
【0085】
二次信号出力部150は、例えば、このような5つの処理パターンのうちいずれかの処理を、例えば表示モジュール160から入力されるコマンドに応じて実行する。また、二次信号出力部150は、例えば、5つの処理パターンのうちの複数の処理を実行し、各処理の結果を共に含む二次信号を生成してもよい。
【0086】
ここで、二次信号出力部150が二次信号を出力する信号線は、測定部140が一次信号を出力する信号線と共通の信号線104である。そこで、二次信号出力部150は、例えば、二次信号が測定部140からの一次信号と衝突しないように、信号線104に測定部140からの一次信号が出力されていないタイミングで二次信号を出力する。例えば、上述したパターン2又は4のように、二次信号にIF信号の周波数スペクトラムが含まれていたとする。IF信号の周波数スペクトラムのデータ長は、FFTの点数を1024点、周波数成分ごとの絶対値のビット数を8bitとすると、全体で8kbitとなる。従って、例えば二次信号の出力頻度を数秒に1回などとすれば、図7又は図8に示した低速のシリアル伝送方式を用いる場合であっても、一次信号と共通する信号線を用いて二次信号を送受信することが可能である。
【0087】
なお、図10に示した二次信号出力部150による各処理は、物理的には、例えば測定部140と共通のCPU(例えば図1に示したGPSモジュール10のCPU60)を用いて行われてもよい。その代わりに、二次信号出力部150による各処理は、物理的には、例えば同期捕捉部130若しくは復調部132が使用するDSP、又は追加的に設けられるハードウェアを用いて行われてもよい。二次信号出力部150による高速フーリエ変換処理又は統計解析処理などを汎用的なCPUで行う場合には、DSP又は専用のハードウェアで行う場合と比較すると演算に時間を要する。しかし、例えば測定部140による測位演算の合間に低い頻度で又は単発的にCPUを使用することとすれば、二次信号出力部150は、CPUのリソースを圧迫することなく二次信号を出力することができる。
【0088】
[2−3.二次信号のフォーマットの例]
図11は、本実施形態において二次信号出力部150が出力する二次信号のフォーマットの一例を示す説明図である。
【0089】
図11を参照すると、二次信号のフォーマットは、ヘッダ部152、データ部154及びトレイラ部156を有する。このうち、ヘッダ部152には、二次信号に含まれる信号の種類を識別するための識別コード、及び所定のデータ属性が含まれる。データ属性とは、例えば、二次信号の全体又はデータ部154のデータ長などに相当する。また、データ部154には、例えば、図10の出力信号の欄に示した有限長のIF信号、IF信号の周波数スペクトラム、及び/又は周波数スペクトラムの分析結果としての統計データなどが保持される。また、トレイラ部156には、ヘッダ部152と同じ識別コード、及び二次信号の終了を表す終了コードが含まれ得る。なお、図11では一定のバイト数で折り返した形の二次元のフォーマットを示しているが、実際には、通常、二次信号は1次元のビット列である。
【0090】
図12は、二次信号のデータ例を示す説明図である。なお、ここでは、NMEA0183に規定されたユーザによる拡張用のフォーマットを用いて、二次信号にIF信号の周波数スペクトラムが含まれる場合を例にとって説明する。
【0091】
図12を参照すると、二次信号のヘッダ部152には、例えば、識別コード152aが含まれている。識別コード152aの文字列“$PCMF”のうち、記号$はフォーマットの開始記号である。また、記号$の次の1バイト“P”は、当該二次信号がユーザにより拡張されたフォーマットであることを表す。また、さらに次の2バイト“CM”は所定の企業コードを表す。また、さらに次の1バイト“F”は、当該二次信号のデータ部154にIF信号の周波数スペクトラムが含まれていることを表す。即ち、例えば識別コード152aの5バイト目の文字を二次信号に含まれる信号の種類に応じて変化させることで、信号の種類を識別可能な識別コードを形成することができる。なお、NMEA0183によれば、例えば測定部140から出力される位置データを表す一次信号の識別コードは“$GSV”で開始されるように定められている。従って、例えば、二次信号を受信する後述する表示モジュール160は、かかる識別コードを参照して一次信号と二次信号とを見分けることができる。
【0092】
図12の二次信号のデータ部154の2行目以降には、IF信号の周波数スペクトラム154aが含まれている。ここでは、周波数スペクトラム154aは、1行当たり16点×16行=256点分の16進イメージで表されている。二次信号出力部150は、例えばこのような二次信号を生成し、信号線104へ出力する。
【0093】
なお、ここではNMEA0183に応じた二次信号のフォーマットについて説明したが、二次信号のフォーマットはかかる例に限定されない。例えば、二次信号のフォーマットとして独自に定義されたフォーマットを用いることで、二次信号に任意のビット列を自由に含めて効率的に信号を伝送することができる。
【0094】
[2−4.表示モジュールの構成例]
図13は、本実施形態に係る表示モジュール160の論理的な構成を具体的に示すブロック図である。図13を参照すると、表示モジュール160は、一次信号取得部170、二次信号取得部172、データ処理部174、制御部180、及び表示部190を主に備える。
【0095】
一次信号取得部170は、GPSモジュール110の測定部140においてIF信号に基づいて測定された位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを表す一次信号を、信号線104から取得する。より具体的には、例えば、一次信号取得部170は、信号線104を介して受信される信号のうち、一次信号に対応する識別コードにより開始する1まとまりの信号を一次信号として取得する。一次信号に対応する識別コードとは、例えば上述したNMEA0183における“$GSV”で始まる識別コードなどであってよい。そして、一次信号取得部170は、取得した一次信号をデータ処理部174へ出力する。
【0096】
二次信号取得部172は、GPSモジュール110の二次信号出力部150により生成された二次信号であって、上述したIF信号、又はIF信号から生成される周波数スペクトラム又は統計データなどを含む二次信号を、信号線104から取得する。より具体的には、例えば、二次信号取得部172は、信号線104を介して受信される信号のうち、二次信号に対応する識別コードにより開始する1まとまりの信号を二次信号として取得する。二次信号に対応する識別コードとは、例えば、図12に例示した識別コードなどであってよい。そして、二次信号取得部172は、取得した二次信号をデータ処理部174へ出力する。
【0097】
データ処理部174は、例えば、一次信号又は二次信号から所定の画面上に表示すべきデータを抽出し、及び必要に応じてデータを加工する。例えば、図10に示した処理パターン1に従ってGPSモジュール110の二次信号出力部150から出力された二次信号に有限長のIF信号が含まれていたとする。その場合、データ処理部174は、まず、二次信号から有限長のIF信号を抽出する。そして、データ処理部174は、必要に応じて、抽出したIF信号を高速フーリエ変換して周波数スペクトラムを生成し、又は当該周波数スペクトラムを統計的に解析して統計データを算出する。統計データとは、典型的には、上述した周波数スペクトラムにおいて高いノイズレベルを示す上位数点の周波数、予め測定された理想状態での電力に対する測定された電力の比、又はノイズレベルの時間平均若しくは分散などに相当する。
【0098】
また、例えば、図10に示した処理パターン2又は4に従って二次信号出力部150から出力された二次信号にIF信号の周波数スペクトラムが含まれていたとする。その場合、データ処理部174は、まず、二次信号からIF信号の周波数スペクトラムを抽出する。そして、データ処理部174は、必要に応じて、抽出した周波数スペクトラムを統計的に解析して統計データを算出する。
【0099】
また、例えば、図10に示した処理パターン3又は5に従って二次信号出力部150から出力された二次信号にIF信号の周波数スペクトラムを統計分析した結果としての統計データが含まれていたとする。その場合、データ処理部174は、二次信号から統計データを抽出する。
【0100】
そして、データ処理部174は、このように一次信号又は二次信号に応じて抽出され又は生成されたデータを、制御部180へ出力する。なお、例えば表示モジュール160がPCなどであって比較的処理能力の高いCPUを有している場合には、例えば高速フーリエ変換処理又は統計解析処理などを表示モジュール160のデータ処理部174で行うのが好適である。一方、例えば表示モジュール160が携帯型の小型端末などであって比較的処理能力の低いCPUのみを有している場合には、例えば高速フーリエ変換処理又は統計解析処理などをGPSモジュール110で行うのが好適である。
【0101】
制御部180は、例えば、信号線104を介してGPSモジュール110へ所定のコマンドを送信し、GPSモジュール110による動作を制御する。また、制御部180は、例えば、GPSモジュール110から受信された一次信号又は二次信号に応じたデータがデータ処理部174から入力されると、当該データを表示部190へ出力して所定の画面上へ表示させる。その他、制御部180は、表示モジュール110の機能全般を制御する。
【0102】
なお、上述した一次信号取得部170、二次信号取得部172、データ処理部174、及び制御部180は、典型的には、携帯電話端末、カーナビゲーション機器、又はPCなどといった電子機器のホストCPUにより実行されるソフトウェアとして実現され得る。そうした場合には、ソフトウェアを構成するプログラムが、表示モジュール160によりアクセス可能なハードディスク又はROMなどの半導体メモリに予め格納される。
【0103】
表示部190は、例えば、表示モジュール160が搭載される電子機器に設けられた所定の画面上へ制御部180から入力される様々なデータを表示する。図14は、表示部190により画面上に表示されるデータの一例を示す説明図である。
【0104】
図14を参照すると、表示部190により表示され得る一例としての観測用画面192が示されている。観測用画面192には、測定結果表示領域194、衛星データ表示領域195、周波数スペクトラム表示領域197、統計データ表示領域198、及びコマンドボタン領域199が含まれている。
【0105】
測定結果表示領域194は、GPSモジュール110の測定部140による測定処理の結果算出された位置及び速度など、一次信号により表されるデータを表示するための領域である。図14の例では、測定結果表示領域194には、GPSモジュール110の現在の緯度(Lat.)と経度(Lon.)、高度(Alt.)、及び速度(Vel.)の値がそれぞれ表示されている。また、衛星データ表示領域195には、一次信号に含まれ得る付加的なデータであるGPS衛星ごとの信号強度(Lv.)及びドップラーシフト周波数(Freq.)が衛星IDごとに表示されている。
【0106】
また、周波数スペクトラム表示領域197は、IF信号の周波数スペクトラムを表示するための領域である。周波数スペクトラム表示領域197には、例えば、二次信号から抽出された周波数スペクトラム、又は二次信号に含まれるIF信号から表示モジュール160のデータ処理部174により生成された周波数スペクトラムがグラフ表示される。また、統計データ表示領域198は、IF信号の周波数スペクトラムを統計的に分析して得られた統計データを表示するための領域である。図14の例では、統計データ表示領域198には、周波数スペクトラムの中で高いレベルを示す上位3つの周波数の値(Peak Freq.1〜3)、及び理想状態での電力に対する測定された電力の比(Power Ratio)が表示されている。さらに、コマンドボタン領域199には、周波数スペクトラムを生成する際のFFTの点数(256bit,512bit,1024bit)を変更するコマンドをGPSモジュール110へ送信するためのコマンドボタンが配置されている。
【0107】
表示部190は、例えば、制御部180から入力される一次信号又は二次信号に応じた様々なデータを、かかる観測用画面192などを介して画面上に表示する。
【0108】
ここまで、図9〜図14を用いて、本発明の一実施形態に係るGPSモジュール110及び表示モジュール160の詳細な構成について説明した。かかる構成によれば、GPSモジュール110に入力されたノイズのスペクトラムやスペクトラムの統計データを表示モジュール160の画面を用いて直接的に観測することができる。従って、例えば、電子機器にGPSモジュール110を搭載する場合のモジュールの本来の性能を得るための設計の最適化の検討を、従来のように手探り的ではなく、直接的かつ定量的なデータに基づいて行うことが可能となる。
【0109】
また、このとき、GPSモジュール110と表示モジュール160との間の信号線の追加若しくは変更、又は追加的な測定装置の接続などは必要とされない。そのため、設計の最適化又はノイズの分析及び対策検討のための作業は容易化され、設計、製造又は検査工程をより効率的に進めることができる。
【0110】
また、仮に電子機器のホスト側のモジュールが二次信号の受信をサポートしていなければ二次信号は無視されるだけであるため、既存の電子機器との互換性も保たれる。
【0111】
さらに、上述した一実施形態に係るGPSモジュール110及び表示モジュール160の構成は、各モジュール又は電子機器を製造する者のみならず、電子機器を使用するユーザにとっても有益である。即ち、例えば、ユーザは、GPSモジュール110及び表示モジュール160の構成を採用したカーナビゲーション機器を用いて、当該機器のアンテナ又は本体を設置するための最適な位置を画面を見ながら判断することができる。
【0112】
<3.変形例の説明>
なお、上述した本発明の一実施形態に係る構成は、ノイズの観測だけではなく、例えばアンテナ又はGPSモジュールの周波数変換部のテストにも応用され得る。図15は、上述した実施形態に係るGPSモジュール110及び表示モジュールの構成160を応用し、アンテナ又はGPSモジュールの周波数変換部のテストを行うためのシステム構成の一例を示す模式図である。
【0113】
図15を参照すると、図7に例示した一実施形態に係るアンテナ102、信号線104、GPSモジュール110、及び表示モジュール160が示されている。さらに、アンテナ102に相対する位置にテスト用アンテナ202が配置され、テスト用アンテナ202に信号発生器210が接続されている。
【0114】
信号発生器210は、例えば、テスト用信号として、−110dBmなどの所定のレベルのGPSのキャリア周波数1575.42MHzのCW(Continuous Wave)を発生させ、テスト用アンテナ202へ出力する。そうすると、テスト用アンテナ202からアンテナ102へ、テスト信号が伝送される。そして、アンテナ102により受信されGPSモジュール110の周波数変換部120において周波数変換されたIF信号の周波数スペクトラム又は統計データを、表示モジュール160の画面上に表示させる。それにより、例えば周波数スペクトラムにおけるCWのレベルとその他の周波数成分のレベルの比などに基づいて、GPSモジュール110の周波数変換部120の性能の良否をテストすることができる。また、GPSモジュール110に接続されるアンテナ102を交換しながら観測を行うことで、アンテナ102のテストを行うこともできる。
【0115】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属すものと了解される。
【0116】
例えば、本明細書では主にGPSなどのGNSS(Global Navigation Satellite System)に関連する信号処理について説明したが、上述した本発明の一実施形態は一般的なスペクトラム拡散型の無線システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0117】
100 GPSシステム
102 アンテナ
104 信号線
110 GPSモジュール(信号処理装置)
120 周波数変換部
130 同期捕捉部
132 復調部
140 測定部
150 二次信号出力部
160 表示モジュール(情報処理装置)
170 一次信号取得部
172 二次信号取得部
174 データ処理部
180 制御部
190 表示部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号の拡散符号の同期を捕捉する同期捕捉部と;
前記同期捕捉部により同期を捕捉された前記中間周波数信号に含まれるメッセージを復調する復調部と;
前記復調部により復調された前記メッセージに基づいて装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを測定した結果を表す一次信号を所定の信号線に出力する測定部と;
前記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号に所定のヘッダを付与して前記所定の信号線に出力する二次信号出力部と;
を備える信号処理装置。
【請求項2】
前記二次信号は、前記中間周波数信号をフーリエ変換することにより生成される周波数スペクトラムを表す信号を含む、請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記二次信号は、前記中間周波数信号をフーリエ変換することにより生成される周波数スペクトラムを統計的に分析して得られたデータを表す信号を含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記信号処理装置は、
全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換して前記中間周波数信号を生成する周波数変換部、
をさらに備える、請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記二次信号出力部は、前記二次信号に含まれる信号の種類を識別するための識別コードを有する前記所定のヘッダを前記二次信号に付与する、請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項6】
全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号に基づいて測定された装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを表す一次信号を所定の信号線から取得する一次信号取得部と;
前記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号を前記所定の信号線から取得する二次信号取得部と;
前記一次信号取得部により取得される前記一次信号に応じたデータ、及び前記二次信号取得部により取得される前記二次信号に応じたデータを所定の画面上に表示可能な表示部と;
を備える情報処理装置。
【請求項7】
前記二次信号は、前記中間周波数信号を含み、
前記情報処理装置は、前記中間周波数信号をフーリエ変換することにより周波数スペクトラムを生成するデータ処理部、をさらに備え、
前記表示部は、前記データ処理部により生成される前記周波数スペクトラムを前記所定の画面上に表示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記二次信号は、前記中間周波数信号をフーリエ変換することにより生成された周波数スペクトラムを表す信号を含み、
前記情報処理装置は、前記二次信号に含まれる前記周波数スペクトラムを統計的に分析するデータ処理部、をさらに備え、
前記表示部は、前記データ処理部による分析の結果として得られるデータを前記所定の画面上に表示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記二次信号取得部は、前記所定の信号線へ出力された信号のうち、当該信号に付与されたヘッダに含まれる識別コードが前記二次信号に対応する識別コードである信号を、前記二次信号として取得する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号の拡散符号の同期を捕捉するステップと;
同期を捕捉された前記中間周波数信号に含まれるメッセージを復調するステップと;
復調された前記メッセージに基づいて装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを測定した結果を表す一次信号を所定の信号線に出力するステップと;
前記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号に所定のヘッダを付与して前記所定の信号線に出力するステップと;
を含む信号処理方法。
【請求項11】
信号処理装置を制御するコンピュータを:
全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号の拡散符号の同期を捕捉する同期捕捉部と;
前記同期捕捉部により同期を捕捉された前記中間周波数信号に含まれるメッセージを復調する復調部と;
前記復調部により復調された前記メッセージに基づいて装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを測定した結果を表す一次信号を所定の信号線に出力する測定部と;
前記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号に所定のヘッダを付与して前記所定の信号線に出力する二次信号出力部と;
として機能させるための、プログラム。
【請求項12】
所定の画面上にデータを表示可能な情報処理装置を用いて:
全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号に基づいて測定された装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを表す一次信号を所定の信号線から取得するステップと;
前記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号を前記所定の信号線から取得するステップと;
前記一次信号に応じたデータ、及び前記二次信号に応じたデータを前記所定の画面上に表示させるステップと;
を含むデータ表示方法。
【請求項13】
所定の画面上にデータを表示可能な情報処理装置を制御するコンピュータを:
全地球測位システムの衛星から受信された信号の周波数を所定の中間周波数に変換することにより得られる中間周波数信号に基づいて測定された装置の位置若しくは速度又は時刻のうちの少なくとも1つを表す一次信号を所定の信号線から取得する一次信号取得部と;
前記中間周波数信号又は当該中間周波数信号から生成される信号のうちの少なくとも1つを含む二次信号を前記所定の信号線から取得する二次信号取得部と;
前記一次信号取得部により取得される前記一次信号に応じたデータ、及び前記二次信号取得部により取得される前記二次信号に応じたデータを前記所定の画面上に表示させる表示部と;
として機能させるための、プログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−243198(P2010−243198A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89218(P2009−89218)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】