説明

個体管理装置及びプログラム

【課題】複数の個体の位置情報を正確に管理することが可能な個体管理装置を提供する。
【解決手段】複数の個体それぞれが保有する位置検出器(無線ICタグ52)を用いて検出される位置情報に応じた第1の行動履歴を保持する第1の保持手段(行動ログ収集サーバ50)と、第1の行動履歴とは異なる種類の、各個体に関する第2の行動履歴を保持する第2の保持手段(出退勤管理サーバ18)と、第1の行動履歴と第2の行動履歴とに基づいて、各個体と各個体が保有する位置検出器(無線ICタグ52)との関係を評価する評価手段(行動ログ収集サーバ50)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体管理装置及びプログラムに関し、特に、複数の個体の位置情報を管理する個体管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
組織的な活動を科学的に分析するためには、組織を構成する個々のメンバの行動を、実データに基づいて分析する必要がある。今日、人の位置を検出するために利用可能な基礎技術は非常に多岐にわたっており、その中には、アクティブRFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれる、電波を使った非接触の自動認識技術などの技術も含まれている。このアクティブRFIDとは、電池を内蔵し微弱電波を発信する無線ICタグを人に付与しておき、その無線ICタグからの微弱電波を専用のレシーバで受信することにより、人の位置を判断する(レシーバで受信可能な範囲内に無線ICタグを保有する人が存在するか否かを判断する)システムである。この種のアクティブRFIDについては、特許文献1等に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−034683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、個々のメンバの行動を分析するためには、どの人にどの無線ICタグが配布されているかを管理しておく必要があるが、分析対象の人の数が増えれば増えるほど、その管理は煩雑になる。また、管理者が無線ICタグを配布する場合、写真入りの無線ICタグなどを採用しない限り、配布ミスや取り違えが発生する可能性がある。
【0005】
更に、たとえ無線ICタグが正しく配布されていたとしても、無線ICタグの置き忘れ、紛失、故障や断線などの不具合、あるいは電源の入れ忘れなどがあると、実データの収集を正確に行うことができない可能性も出てくる。
【0006】
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、複数の個体の位置情報を正確に管理することが可能な個体管理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の個体管理装置は、複数の個体それぞれが保有する位置検出器を用いて検出される位置情報に基づく第1の情報を保持する第1の保持手段と、前記各個体の行動履歴に基づく第2の情報を保持する第2の保持手段と、前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて、前記各個体と各個体が保有する前記位置検出器との関係を評価する評価手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
これによれば、位置検出器を用いて検出される位置情報に基づく第1の情報と、各個体の行動履歴に基づく第2の情報とに基づいて、各個体と、各個体が保有する位置検出器との関係が評価されるので、予め定めていた各個体と位置検出器との組み合わせに矛盾が生じるような場合には、この組み合わせが妥当でないと評価される。したがって、この評価結果を用いることで、各個体と各個体が保有する位置検出器との妥当な組み合わせを見出すことが可能であり、これにより、複数の個体の位置情報を正確に管理することが可能となる。
【0009】
この場合において、前記位置検出器を用いて検出される位置情報に基づいて、前記第1の情報を収集する第1の収集手段を更に備えることとすることができる。また、前記第2の情報を収集する第2の収集手段を更に備えることとすることができる。
【0010】
本発明の個体管理装置では、前記位置検出器は、前記個体の位置を非接触で検出する検出システムの一部を構成することとすることができる。また、前記検出システムは、前記位置検出器を保有する個体が、複数のエリアを含むエリア群のうち、どのエリアに存在するかを検出することとすることができる。この場合において、前記第1の情報は、前記検出システムによる検出開始時刻と検出終了時刻とを含み、前記第2の情報は、前記各個体が前記エリア群内に進入した時刻と前記エリア群内から退出した時刻とを含むこととすることができる。この場合、前記第2の収集手段は、前記各個体が前記エリア群へ出入りする出入口周辺に設けられた入退出検出装置を含むこととしても良い。
【0011】
また、検出システムが、位置検出器の存在エリアを検出できる場合には、前記第1の情報は、前記検出システムによる前記各エリアでの検出履歴を含み、前記第2の情報は、前記各エリアへの各個体の進入履歴を含むこととすることができる。この場合、前記第2の収集手段は、前記個体を特定するとともに、その個体の前記各エリアへの進入を許可する進入許可装置を含み、前記進入許可装置は、前記進入を許可した個体の進入履歴を収集することとしても良い。更にこの場合、前記進入許可装置は、前記特定された個体とそれ以外の個体との、前記エリア内への同時侵入を許容することとしても良い。
【0012】
また、検出システムが、位置検出器の存在エリアを検出できる場合には、前記第1の情報は、所定の個体とそれ以外の個体とが同一のエリアで検出される頻度に関する履歴を含み、前記第2の情報は、複数個体間で情報伝達を行うための遠隔者間情報伝達手段を、前記所定の個体とそれ以外の個体との間で用いた頻度に関する履歴を含むこととすることができる。この場合、前記遠隔者間情報伝達手段としては、電子メール、電話及びファックスの少なくとも1つを含むこととすることができる。
【0013】
本発明の個体管理装置では、前記各個体の個体情報それぞれに対して、前記各個体が保有している可能性の高い位置検出器の検出器情報が、予め割り振られており、前記評価手段は、前記第1の情報と前記第2の情報とを用いて、前記個体情報と前記検出器情報との関係に矛盾があるか否かを評価することとすることができる。この場合、前記個体情報は、前記各個体の内容とは無関係な情報であることとしても良い。かかる場合には、個体のプライバシーを保護しつつ、個体管理を行うことが可能となる。
【0014】
また、本発明の個体管理装置では、前記評価手段の評価結果を保持する個体情報保持手段を更に備えることとすることができる。
【0015】
また、本発明の個体管理装置では、前記第1の情報と前記第2の情報とを用いて、前記位置検出器の異常を検知する異常検知手段を更に備えることができる。この場合、前記異常検出手段は、前記位置検出器自体の異常、及び前記位置検出器の前記個体による保持状態の異常、のいずれかを検知することとすることができる。また、前記異常検出手段による異常の検出に応じて、該検出情報を出力する出力手段を更に備えることができる。この場合、前記出力手段は、前記異常が検出された位置検出器を保有する個体に対して前記検出情報を出力することとしても良い。
【0016】
本発明のプログラムは、複数の個体それぞれが保有する位置検出器を用いて検出される位置情報に基づく第1の情報と、前記各個体の行動履歴に基づく第2の情報と、に基づいて、前記各個体と各個体が保有する前記位置検出器との関係を評価するステップ、をコンピュータに実行させるために用いられることを特徴とするプログラムである。
【0017】
これによれば、位置検出器を用いて検出される位置情報に基づく第1の情報と、各個体の行動履歴に基づく第2の情報とに基づいて、各個体と各個体が保有する位置検出器との関係が評価されるので、予め定めていた各個体と位置検出器との組み合わせに矛盾が生じるような場合には、コンピュータにより、この組み合わせが妥当でないと評価される。したがって、コンピュータは、この評価結果を用いることで、各個体と各個体が保有する位置検出器との妥当な組み合わせを見出すことができ、これにより、複数の個体の位置情報を正確に管理することが可能となる。
【0018】
この場合において、本発明のプログラムは、前記第1の情報を収集するステップや、前記第2の情報を収集するステップを、コンピュータに更に実行させるために用いられることとすることができる。
【0019】
また、本発明のプログラムは、前記第1の情報と前記第2の情報とを用いて前記位置検出器の異常を検知するステップを、コンピュータに更に実行させるために用いられることとすることもできる。この場合、本発明のプログラムは、前記異常を検出するステップにおける検出結果を出力するステップを、コンピュータに更に実行させるために用いられることとしても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数の個体の位置情報を正確に管理することができる個体管理装置及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
《第1の実施形態》
以下、本発明を実施するための第1の実施形態を図1〜図15(b)に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1には、本発明の個体管理装置が利用されているオフィス100の模式図が示されている。このオフィス100は、特定の6人のユーザ(ユーザIDとして番号1〜6が割り振られているものとする)によって利用されるものである。このオフィス100は、図1に示されるように、出入口12を有するエントランスホール10と、エントランスホール10からの出入りが可能な3つのエリア(エリアA、エリアB、エリアC)と、を有している。エリアA〜Cは、セキュリティ(情報漏れ防止等)などの観点から、部屋として区分けされた状態となっている。
【0023】
エントランスホール10の出入口12の外側には、ユーザが、各自保持するカード(IDカードなど)を接触、近接等させることにより、出入口12を開放するとともに、そのユーザのオフィス100内への進入記録を取得する第2の収集手段としての出勤管理装置14が設けられている。また、出入口12の内側には、ユーザがカードを接触、近接等させることにより、出入口12を開放するとともに、そのユーザのオフィス100外への退出記録を取得する第2の収集手段としての退勤管理装置16が設けられている。出勤管理装置14及び退勤管理装置16は、出入口12を開放した時刻と、カードから読み取り可能なユーザ情報とを、図2の出退勤管理サーバ18内のメモリに格納する。この出退勤管理サーバ18内のメモリに格納されたデータの一例が、図9(b)に示されている。なお、出勤管理装置14と退勤管理装置16としては、上記のようにカード(IDカードなど)の情報を用いて個人を特定する装置に限らず、例えば、顔、網膜、指紋、静脈などの情報を用いて個人を特定する装置(生体認証装置)を採用することとしても良いし、その他の情報(ユーザIDとパスワードなどの組み合わせなど)を用いて個人を特定する装置を採用することとしても良い。
【0024】
図1に戻り、エリアAとエントランス10との間に設けられた出入口22のエントランス10側には、ユーザがカードを接触、近接等させることにより、出入口22を開放可能状態(開錠状態)に設定するとともに、そのユーザのエリアAへの入室記録を取得する入室管理装置24が設けられている。この入室管理装置24は、出入口22を開放可能状態(開錠状態)に設定した時刻と、カードから読み取り可能なユーザ情報とを図2の入室管理サーバ26内のメモリに格納する。この入室管理サーバ26内のメモリに格納されたデータの一例が、図16(b)に示されている。
【0025】
また、エリアA内には、アクティブRFIDシステムを構成する第1の収集手段としてのレシーバ28が設けられている。各ユーザは、内部に内蔵された電池の電力を利用して微弱電波を発信する無線ICタグ52を保有しており、レシーバ28は、これら無線ICタグ52から発信される微弱電波を所定時間おき(例えば10分おき)に受信することにより、無線ICタグの情報(タグID(ここでは、各無線ICタグに、タグIDとしてアルファベットa〜fがそれぞれ割り振られているものとする))と、検出開始時刻及び検出終了時刻とを取得して、図2の行動ログ収集サーバ50内のメモリに格納する。本実施形態では、レシーバ28が電波を取得することが可能な範囲として、エリアA全体が設定されている。
【0026】
なお、本実施形態では、管理者が、図15(b)に示される管理リストに従って、ユーザIDが1(以下、これを「ユーザID(1)」と略述する)であるユーザに、タグIDがa(以下、これを「タグID(a)」と略述する)の無線ICタグを配布したものとする。また、ユーザID(2)のユーザにタグID(b)、ユーザID(3)のユーザにタグID(c)、ユーザID(4)のユーザにタグID(d)、ユーザID(5)のユーザにタグID(e)、ユーザID(6)のユーザにタグID(f)の無線ICタグを配布したものとする。ただし、各ユーザに対する無線ICタグ52の配布においては、管理者の手違い等による配布ミスやユーザ間における取り違えなどが生じる可能性があるので、上記管理リストにおけるユーザと無線ICタグとの関係は必ずしも正しいとは限らない。
【0027】
図1に戻り、エリアBとエントランス10との間に設けられた出入口32のエントランス10側には、入室管理装置24と同様の入室管理装置34が設けられている。この入室管理装置34は、出入口32を開放可能状態(開錠状態)に設定した時刻と、カードから読み取り可能なユーザ情報(ユーザID)とを、図2の入室管理サーバ26内のメモリに格納する。なお、この入室管理サーバ26内のメモリに格納されたデータの一例が、図16(c)に示されている。また、エリアB内には、エリアA内に設けられたレシーバ28と同様の、第1の収集手段としてのレシーバ38が設けられている。レシーバ38は、エリアB内に入室した各ユーザが保有する無線ICタグの情報(タグID(a)〜タグID(f))と、検出開始時刻及び検出終了時刻とを取得して、図2の行動ログ収集サーバ50内のメモリに格納する。本実施形態では、レシーバ38が電波を取得することが可能な範囲として、エリアB全体が設定されている。
【0028】
更に、エリアCとエントランス10との間に設けられた出入口42のエントランス10側には、エリアA、Bの入室管理装置24、34と同様の入室管理装置44が設けられている。この入室管理装置44は、出入口42を開放可能状態(開錠状態)にした時刻と、カードから読み取り可能なユーザ情報とを図2の入室管理サーバ26内のメモリに格納する。なお、この入室管理サーバ26内のメモリに格納されたデータの一例が、図16(d)に示されている。また、エリアC内には、エリアA、B内に設けられたレシーバ28、38と同様の、第1の収集手段としてのレシーバ48が設けられている。レシーバ48は、エリアC内に入室した各ユーザが保有する無線ICタグの情報(タグID(a)〜タグID(f))と、検出開始時刻及び検出終了時刻とを取得して、図2の行動ログ収集サーバ50内のメモリに格納する。本実施形態では、レシーバ48が電波を取得することが可能な範囲として、エリアC全体が設定されている。
【0029】
なお、入室管理装置24,34,44としては、例えば、顔、網膜、指紋、静脈などの情報を用いて個人を特定する装置(生体認証装置)を採用することとしても良いし、その他の情報(ユーザIDとパスワードなどの組み合わせなど)を用いて個人を特定する装置を採用することとしても良い。
【0030】
図2には、上記オフィス100内で利用されている個体管理装置200の概略構成が示されている。この個体管理装置200は、前述したレシーバ28,38,48と、レシーバ28,38,48による検出結果を保持する第1の保持手段及び評価手段としての行動ログ収集サーバ50と、前述した入室管理装置24,34,44と、入室管理装置24,34,44による検出結果を保持する入室管理サーバ26と、前述した出勤管理装置14及び退勤管理装置16と、出勤管理装置14及び退勤管理装置16による検出結果を保持する第2の保持手段としての出退勤管理サーバ18と、メールサーバ59とを備えている。行動ログ収集サーバ50、入室管理サーバ26、出退勤管理サーバ18、及びメールサーバ59のそれぞれは、ネットワーク(例えば、社内LANなど)に接続されている。
【0031】
次に、本第1の実施形態に係る個体管理装置200による、図15(b)の管理リストの評価方法について説明する。この管理リストの評価とは、図15(b)の管理リストに記載されているユーザIDとタグIDとの対応関係どおりに、無線ICタグが各ユーザに配布されているか否かを評価するものである。図4には、この管理リストの評価に関する動作の一連の流れがフローチャートにて示されている。この図4の処理は、基本的には、図2の行動ログ収集サーバ50において行われるものである。したがって、以下においては、説明の煩雑化を避けるため、特に必要な部分を除いて、処理の主体(行動ログ収集サーバ50)についての記載を省略するものとする。
【0032】
前提として、タグID(a)〜タグID(f)の無線ICタグ52のいずれかを保有する6人のユーザ(ユーザID(1)〜ユーザID(6))が、ある一日において、図3に示されるような行動(エリア間の移動)を実際に行ったものとする。具体的には、タグID(a)の無線ICタグ52を保有するユーザが、図3に示されるように、午前8時(08:00)から午前9時40分(09:40)までエリアA内に存在し、午前9時40分(09:40)から午前11時50分(11:50)までエリアB内に存在し、午前11時50分(11:50)から午後4時20分(16:20)までエリアC内に存在し、午後4時20分(16:20)から午後6時30分(18:30)までエリアAに存在していたものとする。また、その他のタグID(b)〜タグID(f)の無線ICタグ52を保有する各ユーザについても、図3に示される通りに各エリアに存在していたものとする。
【0033】
まず、図4のステップS10では、無線ICタグ52の検出結果から導き出される「第1の行動履歴」の読み出しが行われる。
【0034】
以下、この処理について具体的に説明する。
【0035】
エリアA内に設けられたレシーバ28では、例えば、午前8時5分(08:05)、午前8時15分(08:15)、午前8時25分(08:25)、午前8時35分(08:35)…というように、10分おきに、レシーバ28の電波取得可能範囲内(エリアA内)に存在する無線ICタグ52からの微弱電波を取得している。そして、検出された無線ICタグ52のタグID(a)〜タグID(f)と、検出エリアと、検出時刻とを関連付けて、行動ログ収集サーバ50内のメモリに順次記憶している。したがって、各ユーザが図3に示されるような行動をとった場合、図5に示されるようなデータが、行動ログ収集サーバ50内のメモリに記憶されることになる。
【0036】
また、エリアB、C内に設けられたレシーバ38、48によっても、同様の検出が行われているので、その結果も、行動ログ収集サーバ50内のメモリに記憶される。
【0037】
行動ログ収集サーバ50では、このようにして収集されたデータのうち、エリアAに関するデータを、図6(a)のように整理する。具体的には、所定時刻(例えば、08:05)に検出されたタグIDの無線ICタグ52を保有するユーザは、その前5分と後5分の間(例えば、08:00〜08:10の間)、エリアA内に存在したものとみなして(近似して)、タグIDごとに、そのエリアへの到着時刻と退去時刻とを整理する。また、同様にして、エリアB,Cに関するデータについても、図6(b)、図6(c)のように整理する。
【0038】
次いで、行動ログ収集サーバ50では、上記のようにエリアごとに整理された図6(a)〜図6(c)のデータを用いて、図7(a)〜図7(f)のように、タグIDごとにデータを整理する。なお、本実施形態では、図6(a)〜図6(c)のようなエリアごとのデータ整理を一旦行った後、図7(a)〜図7(f)のようなタグIDごとのデータ整理を行うこととしているが、これに限らず、図5のデータから、直接的に図7(a)〜図7(f)のようなタグIDごとのデータ整理を行うこととしても良い。
【0039】
更に、行動ログ収集サーバ50では、図8(a)〜図8(f)に示されるように、各タグIDごとに、レシーバ28,38,48のいずれかによる検出が開始された時刻(検出開始時刻)と、レシーバ全てによる検出が終了した時刻(検出終了時刻)のそれぞれ(図8(a)〜図8(f)において灰色が付された時刻)を特定し、図8(g)に示されるように、タグIDごとに検出開始時刻と検出終了時刻とを整理する。
【0040】
本実施形態では、図8(g)に示されるような、検出開始時刻と検出終了時刻とをタグIDごとにまとめたデータが、無線ICタグ52を用いて検出された「第1の行動履歴」として取り扱われる。したがって、図4のステップS10における「第1の行動履歴」の読み出しでは、この図8(g)のデータが読み出されることになる。
【0041】
次のステップS12では、出退勤管理サーバ18による、出勤管理装置14と退勤管理装置16の検出結果を用いた「第2の行動履歴」の読み出しが行われる。具体的には、各ユーザがその日の最初に出勤管理装置14に対して、カード(IDカードなど)を接触、近接等させた時刻を「出勤時刻」とみなすことができるとともに、そのユーザがその日の最後に退勤管理装置16に対してカードを接触、近接等させた時刻を「退勤時刻」とみなすことができる。したがって、各ユーザが、図9(a)において灰色が付された期間、実際にオフィス100内に居た場合には、この図9(a)に対応した、図9(b)のようなデータを得ることができる。本実施形態では、図4のステップS12における「第2の行動履歴」の読み出しでは、図9(b)のデータが読み出されることになる。
【0042】
次いで、ステップS14(履歴比較サブルーチン)では、図10に示される、ステップS20(対応候補抽出サブルーチン)とステップS22(候補絞込みサブルーチン)とが実行される。
【0043】
このうち、ステップS20(対応候補抽出サブルーチン)は、各ユーザが保有している可能性のある無線ICタグ52を抽出する処理である。このステップS20では、まず、図11に示されるステップS29においてユーザIDの番号を示すカウンタ「n」を1に設定する。次いで、ステップS30においてユーザID(n)(ここでは、ユーザID(1))を取得する。
【0044】
次いで、ステップS31において、タグIDを取得する。ここでは、タグID(a)〜タグID(f)の中から、昇順に、タグID(a)を取得する。
【0045】
次のステップS32では、「ユーザID(1)のユーザの出勤時刻≦タグID(a)の検出開始時刻」かつ「タグID(a)の検出終了時刻≦ユーザID(1)のユーザの退勤時刻」の条件を満たすか否かが判断される。前述のように、出勤時刻は、各ユーザがその日の最初に出勤管理装置14に対して、カードを接触、近接等させた時刻であり、退勤時刻は、各ユーザがその日の最後に退勤管理装置16に対して、カードを接触、近接等させた時刻であるから、出勤時刻と退勤時刻との間に、検出開始時刻と検出終了時刻とが少なくとも含まれていれば、ユーザID(1)のユーザが、タグID(a)の無線ICタグ52を保有している可能性があることになる。このような判断を行うことで、ユーザが一時外出したり、自宅から取引先へ直行したり、取引先から自宅へ直帰したりしても、矛盾無く判断を行うことが可能である。
【0046】
ここでは、図9(b)のユーザID(1)の出勤時刻(08:00)と、図8(g)のタグID(a)の検出開始時刻(08:00)とを比較し、図8(g)のタグID(a)の検出終了時刻(18:30)と図9(b)のユーザID(1)の退勤時刻(18:30)とを比較すると、それぞれが一致しているので、「出勤時刻≦検出開始時刻」かつ「検出終了時刻≦退勤時刻」の条件を満たすことから、判断は肯定される。
【0047】
図11に戻り、次のステップS33では、タグID(a)が、ユーザID(1)の候補タグに設定される。
【0048】
次のステップS34では、次の判断対象となるタグIDが存在するか否かが判断される。ここでは、まだタグID(a)についてのみ判断したのみなので、判断が肯定され、ステップS31に戻る。そして、次のタグID(b)を取得した後、ステップS32において上記と同様の判断を行う。この場合においても判断は肯定されるので、ステップS33において、タグID(a)が、ユーザID(1)の候補タグIDに追加された後、ステップS31に戻る。
【0049】
更に、ステップS31では、タグID(c)が取得され、ステップS32において、上記と同様の判断が行われる。この場合、検出終了時刻(20:40)と退勤時刻(18:30)とが、「検出終了時刻≦退勤時刻」の条件を満たしていないので、ここでの判断は否定され、ステップS34の判断を経て、ステップS31に戻る。
【0050】
以下、同様の処理・判断が行われ、ステップS34において判断が否定された段階(タグID(a)〜タグID(f)の全てについて判断をした段階)で、ステップS35に移行する。なお、ここまでの処理・判断により、ユーザID(1)の候補タグIDとして、タグID(a)、タグID(b)、及びタグID(d)の3つが設定されている(図12(a)参照)。
【0051】
次のステップS35では、カウンタ「n」が全ユーザID数(本実施形態では6)か否かの判断により、次の判断対象となるユーザIDがあるか否かが判断されるが、n=1であり、ユーザID(1)について候補タグIDを抽出したのみなので、ここでの判断は否定される。そして、次のステップS36で、nが1インクリメントされた後、ステップS30に戻り、このステップS30において、ユーザID(2)が取得される。
【0052】
その後は、ユーザID(2)についても、ユーザID(1)と同様の処理・判断が行われるとともに、ユーザID(3)からユーザID(6)についても同様の処理・判断が行われる。このような処理・判断により、ユーザID(2)の候補タグIDとして、図12(b)に示されるように、タグID(a)〜タグID(f)が設定され、ユーザID(3)の候補タグIDとして、図12(c)に示されるように、タグID(b)が設定され、ユーザID(4)の候補タグIDとして、図12(d)に示されるように、タグID(d)が設定され、ユーザID(5)の候補タグIDとして、図12(e)に示されるように、タグID(b)、タグID(d)、タグID(e)、タグID(f)が設定され、ユーザID(6)の候補タグIDとして、図12(f)に示されるように、タグID(b)、タグID(f)が設定される。
【0053】
そして、上記のようにして全てのユーザIDについての判断が終了した段階で、ステップS35の判断が肯定され、図10のステップS22に移行する。
【0054】
次のステップS22(候補絞込みサブルーチン)は、上述したステップS20(対応候補抽出サブルーチン)において抽出された候補タグIDの中から、ユーザが保有している無線ICタグ52のタグIDを絞り込んで、ユーザIDとタグIDとを1対1で対応付ける処理である。
【0055】
この候補絞込みサブルーチンでは、まず、図13のステップS40においてユーザIDの番号を示すカウンタ「n」が1に設定される。次いで、ステップS41では、nが全ユーザID数+1(本実施形態では7)であるか否かが判断されるが、nは1であるので、判断は否定され、次のステップS42において、ユーザID(n)(ここでは、ユーザID(1))に対応するタグIDが未確定であるか否かの判断が行われる。ここでは、ユーザID(1)のタグIDは未確定であるので、判断は肯定され、次のステップS43において、ユーザID(1)の候補タグが取得される。
【0056】
次のステップS44では、ユーザID(1)の候補タグIDの数が1つであるか否かが判断される。この場合、ユーザIDと候補タグIDとの組み合わせを示す図14(a)からもわかるように、ユーザID(1)の候補タグIDは3つあるので、ここでの判断は否定され、ステップS45において、nが1インクリメント(n←2)された後、ステップS41に戻る。
【0057】
そして、ステップS41で、nが全ユーザID数+1(本実施形態では7)であるか否かが判断されるが、nは2であるので、判断は否定され、次のステップS42において、ユーザID(2)に対応するタグIDが未確定であるか否かの判断が行われる。ここでの判断が肯定されると、次のステップS43において、ユーザID(2)の候補タグIDが取得され、次のステップS44において、ユーザID(2)の候補タグIDの数が1つであるか否かが判断される。この場合においても、ユーザID(2)の候補タグIDは、図14(a)に示されるように5つあるので、判断は否定され、ステップS45において、nが1インクリメント(n←3)された後、ステップS41に戻る。
【0058】
そして、ステップS41でnが全ユーザID数+1(本実施形態では7)であるか否かが判断されるが、nは3であるので、判断は否定され、次のステップS42において、ユーザID(3)に対応するタグIDが未確定であるか否かの判断が行われる。ここでの判断が肯定されると、次のステップS43において、ユーザID(3)の候補タグIDが取得され、次のステップS44において、ユーザID(3)の候補タグIDの数が1つであるか否かが判断される。この場合、図14(a)に示されるように候補タグIDの数が1つであるので、判断が肯定され、次のステップS46において、対応確定リストにユーザID(3)とタグID(b)とが1対1で対応する旨が書き込まれる。なお、この段階で確定したタグIDが、図14(b)において、太線で囲まれた状態で示されている。
【0059】
次のステップS47では、対応確定リストに書き込まれたタグIDが別のユーザIDの候補タグIDから除外される。すなわち、タグID(b)は、ユーザID(3)と1対1で対応付けられたので、タグID(b)は、他のユーザIDと対応する可能性がなくなったことを意味する。このため、ユーザID(1),(2),(5),(6)の候補タグIDの中から、タグID(b)を除外する。この除外された状態が、図14(c)において灰色にて示されている。
【0060】
次いで、ステップS40に戻ると、nが再度1に設定され、ステップS41、ステップS42の判断及びステップS43の処理を経た後、ステップS44において、ユーザID(1)の候補タグIDの数が1か否かが判断されるが、この時点でもユーザID(1)の候補タグIDは2つ(a、d)存在するので、判断は否定され、ステップS45の処理(n←2)を経て、ステップS41に戻る。
【0061】
その後、ステップS41、S42の判断及びステップS43の処理を経た後、ステップS44において、ユーザID(2)の候補タグIDの数が1か否かが判断されるが、この時点でもユーザID(2)の候補タグIDは4つ存在するので、判断は否定され、ステップS45の処理(n←3)を経て、ステップS41に戻る。このステップS41における判断が否定されると、次のステップS42に移行するが、ユーザID(3)のタグIDは既に確定しているので、ここでの判断は否定され、ステップS45において、nが1インクリメント(n←4)された後、ステップS41、S42の判断及びステップS43の処理が行われる。そして、次のステップS44において、ユーザID(4)の候補タグIDの数が1つであるか否かが判断される。この場合、図14(d)に示されるように候補タグIDの数が1つであるので、判断は肯定され、次のステップS46において、対応確定リストにユーザID(4)とタグID(d)とが1対1で対応する旨が書き込まれるとともに、ステップS47において、ユーザID(1),(2),(5)の候補タグIDの中から、タグID(d)が除外される(図14(e)参照)。
【0062】
次いで、ステップS40に戻り、nが1に設定されると、ステップS41,S42の判断及びステップS43の処理を経た後、ステップS44の判断が行われるが、この場合、図14(f)に示されるように、ユーザID(1)の候補タグIDが、1つのみであるので、判断が肯定され、ステップS46において、対応確定リストに、ユーザID(1)とタグID(a)とが対応する旨が書き込まれるとともに、ステップS47において、ユーザID(2)の候補タグIDの中から、タグID(a)が除外される(図14(g)参照)。
【0063】
その後は、上記と同様の処理・判断が行われ、図14(h)に示される、ユーザID(6)とタグID(f)との対応付け、図14(i)に示される、ユーザID(2),(5)の候補タグIDからのタグID(f)の除外、及び図14(j)に示される、ユーザID(5)とタグID(e)との対応付け、図14(k)に示される、ユーザID(2)の候補タグIDからのタグID(e)の除外、並びに、図14(l)に示される、ユーザID(2)とタグID(c)との対応付けが行われることにより、全てのユーザIDとタグIDとの対応付けが完了する。その後、ステップS40に戻るとともに、ステップS45においてnが全ユーザID数+1(本実施形態では7)に設定されるまで、ステップS41→S42→S45のループが繰り返される。そして、nが全ユーザID数+1(本実施形態では7)になった段階で、ステップS41における判断が肯定されることにより、ステップS22(候補絞込みサブルーチン)を終了し、図4のステップS16に戻る。
【0064】
図4のステップS16では、対応付けられたユーザIDとタグIDとを図15(a)に示されるような対応確定リストとして、行動ログ収集サーバ50内のメモリに格納し、次のステップS18に移行する。
【0065】
次のステップS18では、上述したような処理を行うことにより得られた対応確定リスト(図15(a))と、前述した管理リスト(図15(b))とを比較する。この場合、ユーザID(2)とユーザID(3)との間には矛盾が生じていることから、ユーザID(2)のユーザとユーザID(3)のユーザとの間で、無線ICタグ52の配布ミスや取り違えがあったものと判断することができる。したがって、行動ログ収集サーバ50では、ユーザID(2)のタグIDを新たにタグID(c)に置き換えるとともに、ユーザID(3)のタグIDを新たにタグID(b)に置き換えて、以降の個体管理を行うようにする。
【0066】
このようにして、本実施形態の個体管理装置200による、図15(b)の管理リストの評価に関する一連の処理が終了する。
【0067】
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によると、第1の行動履歴(無線ICタグ52を用いて検出された行動履歴)と、第2の行動履歴(出勤管理装置14及び退勤管理装置16を用いて検出された行動履歴)とに基づいて、各ユーザと各ユーザが保有する無線ICタグ52との関係が評価される(対応付けられる)ので、この対応付けによる対応確定リスト(図15(a))と、予め定められていた管理リスト(図15(b))の間に矛盾が生じるような場合には、各ユーザIDとそのユーザが保有する無線ICタグ52との組み合わせが妥当でないと判断できる。したがって、この評価結果を用いることで、各ユーザと各ユーザが保有する無線ICタグ52との妥当な組み合わせを見出すことが可能であり、これにより、複数のユーザの管理を正確に行うことが可能である。
【0068】
また、本第1の実施形態によると、ユーザを、そのユーザとは全く無関係な文字・記号であるユーザIDによって管理しても、ユーザIDとタグIDとを対応付けることができるので、ユーザのプライバシーを保護しつつ、各種データを収集することが可能である。例えば、実験や研修等のために、位置検出データと、アンケート調査データを対応付けて収集したい場合に、記入したアンケートとタグIDを厳密に管理しなくても、退出時刻とアンケート提出時刻で対応付けられるため、退出後にタグを次の対象者に使い回すようなこともできる。これにより、大量のタグを準備しなくても大量のデータを取得することが可能となる。
【0069】
また、本第1の実施形態では、ユーザIDとタグIDとが1対1で対応付けられた後において、あるユーザの出退勤のデータが取得されているにもかかわらず、そのユーザの保有する無線ICタグ52による検出がないような事態が発生することがある。このような場合、無線ICタグ52の不具合(故障や電池切れ)が発生したと推定されるので、行動ログ収集サーバ50が、メールサーバ59を介して、ユーザに対してその旨を通知することで、ユーザに対して無線ICタグの不具合を迅速に通知することが可能である。なお、各ユーザに通知するとともに、又はこれに代えて、個体管理装置200の管理者に通知することとしても良い。
【0070】
なお、上記第1の実施形態では、一日の行動履歴を用いたのみでは、全てのユーザIDとタグIDとの対応付けを行うことができない場合もある。このような場合には、全てのユーザIDとタグIDとの対応付けができるまで、次の日の行動履歴、その次の行動履歴というように、行動履歴のデータを追加することとしても良い。
【0071】
なお、上記第1の実施形態では、「第2の行動履歴」として、入室管理装置24,34,44のデータを用いていないことから、入室管理装置24,34,44及び入室管理サーバ26やメールサーバ59は必ずしも設ける必要は無いが、入室管理装置24,34,44によるデータなどは、個体管理において用いることができるので、入室管理装置24,34,44とアクティブRFIDシステムとをオフィス100内に並存させておくことができる。なお、この入室管理装置24,34,44によるデータを「第2の行動履歴」として用いた例が、次に説明する第2の実施形態である。
【0072】
《第2の実施形態》
次に、本発明を実施するための第2の実施形態について、図16(a)〜図18(f)に基づいて、説明する。なお、本第2の実施形態は、本発明の第2の収集手段が入室管理装置24,34,44であり、本発明の第2の保持手段が入室管理サーバ26であって、図4のステップS12において読み出される「第2の行動履歴」が、図16(a)に示されるような入室管理データを基にして得られるデータである点が、前述の第1の実施形態と比較して特に異なるので、以下においては、この点について具体的に説明するものとする。
【0073】
図16(a)の入室管理データは、ユーザが前述した入室管理装置24,34,44に対してカード(IDカード等)を接触、近接等させることにより、入室管理装置24,34,44において取得される、各エリアへの入室記録を時系列的にまとめたものである。なお、この場合の入室管理装置24,34,44は、カードを接触、近接等させたユーザの入室のみを許容するものであり、1枚のカードで2人以上が同時に入室した場合には、エラーとなり、警告音などが発せられるようになっているものとする。
【0074】
本第2の実施形態では、図4のステップS12(「第2の行動履歴」の読み出し)の際に、図16(a)のデータを、図16(b)〜図16(d)のようにエリアごとに整理し、これら図16(b)〜図16(d)のデータを、図17(a)〜図17(f)のようにユーザIDごとに整理し、これデータを「第2の行動履歴」として読み出すこととしている。なお、本実施形態では、図16(a)のデータから直接的に図17(a)〜図17(f)のようなデータ整理を行うこととしても良い。
【0075】
また、本第2の実施形態では、「第1の行動履歴」として、上記第1の実施形態と同様のデータ(図7(a)〜図7(f)参照)を用いることとしているが、実際には、図18(a)〜図18(f)に示されるような、図7(a)〜図7(f)のデータから退去時刻に関するデータを除いたものを「第1の行動履歴」として読み出すこととしている。
【0076】
そして、図4のステップS14(履歴比較サブルーチン)では、図17(a)〜図17(f)のデータと、図18(a)〜図18(f)のデータとを単純比較して、データ同士が略一致するもの同士を1対1で対応付ける。このような処理を行うことにより、ユーザID(1)とタグID(a)、ユーザID(2)とタグID(c)、ユーザID(3)とタグID(b)、ユーザID(4)とタグID(d)、ユーザID(5)とタグID(e)、ユーザID(6)とタグID(f)が対応付けられるので、第1の実施形態の対応確定リスト(図15(a)参照)と同様のリストを作成することが可能である。その後、図4のステップS16で、対応確定リストをメモリに格納し、ステップS18で、対応確定リスト(図15(a))と、管理リスト(図15(b))とを比較し、矛盾する箇所を置き換え、以降の個体管理が行われるようになっている。
【0077】
以上説明したように、本第2の実施形態によると、第1の行動履歴(無線ICタグ52を用いて検出された到着時刻)と、第2の行動履歴(入室管理装置を用いて検出された入室時刻)とに基づいて、各ユーザと各ユーザが保有する無線ICタグ52との関係が評価される(対応付けられる)ので、この対応付けによる対応確定リスト(図15(a))と、予め定められていた管理リスト(図15(b))の間に矛盾が生じるような場合には、各ユーザIDとそのユーザが保有する無線ICタグ52との組み合わせが妥当でないと判断できる。したがって、この評価結果を用いることで、各ユーザと各ユーザが保有する無線ICタグ52との妥当な組み合わせを見出すことが可能であり、これにより、複数のユーザの管理を正確に行うことが可能である。
【0078】
また、本第2の実施形態によると、図17(a)〜図17(f)と、図18(a)〜図18(f)とを比較するとわかるように、ユーザIDでまとめた入室時刻と、タグIDでまとめた到着時刻とが、ほぼ1対1で対応するようになっている。このため、例えば、あるユーザがあるエリアへ入室した場合に、その入室時刻が検出されたにもかかわらず、これに対応するタグIDの到着時刻が検出されない事態が発生した場合には、無線ICタグ52が故障していたり、無線ICタグ52の電源がオフになっていたり、無線ICタグ52内の電池が切れたものと予測することができる。また、例えば、あるユーザの入室エリアと到着エリアとが異なって検出される事態が発生した場合には、そのユーザが無線ICタグ52をどこかに置き忘れているものと予測することができる。したがって、このような場合には、行動ログ収集サーバ50が、メールサーバ59を介して、ユーザに対してその旨を通知することで、ユーザに対して無線ICタグの情報を的確かつ迅速に通知することが可能である。なお、各ユーザに通知するとともに、又はこれに代えて、個体管理装置200の管理者に通知することとしても良い。
【0079】
なお、上記第2の実施形態では、入室管理装置24,34,44が、カードを接触、近接等させたユーザのみの入室を許容する場合について説明したが、第2の行動履歴としては、図19(a)に示されるような、入室管理データを用いることとすることができる。
【0080】
この図19(a)に示される入室管理データは、いわゆる「共連れ」を許容した入室管理データであり、(i)1人のユーザが入室管理装置にカードを接触、近接等させるのみで、同一エリアに同時に複数人が入室できるとともに、(ii)所定のエリア内にいたユーザが出入り口を開放してエリア外に出る際に、エリア外にいた別のユーザがそのエリア内に入室できる、というシステムを採用した場合のデータである。
【0081】
すなわち、図16(a)と図19(a)を比較するとわかるように、図16(a)において表示されている、午前8時(08:00)におけるユーザID(2)のユーザのエリアAへの入室と、午前11時50分(11:50)におけるユーザID(1)のユーザのエリアCへの入室が、図19(a)に表示されていないのは、上記(i)によるものであり、午前8時50分(08:50)におけるユーザID(4)のユーザのエリアBへの入室と、午後4時20分(16:20)におけるユーザID(5)のユーザのエリアCへの入室と、午後6時30分(18:30)におけるユーザID(5)のユーザのエリアAへの入室と、午後7時30分(19:30)におけるユーザID(2)のユーザのエリアAへの入室とが、図19(a)において表示されていないのは、上記(ii)によるものである。
【0082】
本例では、図4のステップS12(「第2の行動履歴」の読み出し)において、図19(a)のデータを、図19(b)〜図19(d)のようにエリアごとに整理し、これら図19(b)〜図19(d)のデータを、図20(a)〜図20(f)のように、ユーザIDごとに整理し、これを「第2の行動履歴」として読み出すこととしている。なお、この場合にも、図19(a)から直接的に図20(a)〜図20(f)のようなデータ整理を行うこととしても良い。
【0083】
また、本例では、上記第2の実施形態と同様、図18(a)〜図18(f)に示されるデータを「第1の行動履歴」として取り扱う。
【0084】
そして、本例では、図4のステップS14(履歴比較サブルーチン)においては、上記第1の実施形態と同様、図10のステップS20(対応候補抽出サブルーチン)で、ユーザIDごとに、候補となるタグIDを抽出する。この抽出においては、ユーザIDに対応する「エリア」及び「入室時刻」の組み合わせの全てが、タグIDに対応する「エリア」及び「到着時刻」の組み合わせの中に包含されるものを候補タグIDに設定する。
【0085】
具体的には、図20(a)に示されるユーザID(1)に対応する「エリア」及び「入室時刻」の組み合わせ(A,08:00)、(B,09:40)、(A,16:20)の全てが包含されるタグIDを、図18(a)〜図18(f)のデータ内から選択する。この場合、タグID(a)にのみ、ユーザID(1)に対応する「エリア」及び「入室時刻」の組み合わせの全てが包含されているので、ユーザID(1)の候補タグとして、タグID(a)が設定されることになる。以下、ユーザID(2)〜ユーザID(6)についても、同様の作業を行うことで、図21(a)〜図21(f)に示されるように、各ユーザIDの候補タグIDが設定される。
【0086】
次いで、図10のステップS22(候補絞込みサブルーチン)では、上記第1の実施形態と同様の処理が行われる。この結果、ユーザID(1)とタグID(a)、ユーザID(2)とタグID(b)、ユーザID(3)とタグID(c)、ユーザID(5)とタグID(e)、ユーザID(6)とタグID(f)は、自動的に対応付けられ、残りのユーザID(4)は、残りのタグID(d)と1対1で対応付けられる。これにより、上記第1、第2の実施形態と同様の対応確定リスト(図15(a))を得ることが可能である。
【0087】
以上のように、本例においても、上記第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
《第3の実施形態》
次に、本発明を実施するための第3の実施形態について、図22(a)〜図22(e)に基づいて説明する。なお、本第3の実施形態では、「第1の行動履歴」として、複数人のユーザが同一エリアで同時に検出される頻度を用いることとし、「第2の行動履歴」として、2人のユーザが内線電話によって通話した頻度を用いることとする。
【0089】
通常、所属部門等が同じであれば、居室は近くなることが多く、同一エリアでの検出が多くなると予想される。その一方で、同一エリアにいる時間が多い場合には、内線電話を利用する頻度が低くなると予想される。したがって、本第3の実施形態では、このような傾向に矛盾が生じた場合に、管理リスト(図15(b)参照)に矛盾がある(無線ICタグ52の配布ミスや取り違えがあった)ものと判断することとしている。
【0090】
図22(a)には、ある週において、2つ以上の無線ICタグが同一エリアで同時検出された回数をまとめた表が示されている。また、この図22(a)において、5以上の値を「1」とし、5より小さい値を「0」とする二値化処理を行ったものが、図22(b)に示されている。本実施形態では、この図22(b)のデータを「第1の行動履歴」とする。
【0091】
一方、図22(c)には、図22(a)のデータをとった週と同一の週における、内線電話による通話回数をまとめた表が示されている。また、この図22(c)において、0より大きい値を「1」とし、0を「0」とする二値化処理を行ったものが、図22(d)に示されている。本実施形態では、この図22(d)のデータを「第2の行動履歴」とする。
【0092】
そして、本第3の実施形態においては、管理リストの評価方法として、図22(b)と図22(d)の対応する各要素の積を求める(図22(e)参照)。この場合において、同一エリアにおける同時検出の頻度が多く、内線電話での通話頻度が高いという矛盾する組の要素が、「1」と表示されることになる。すなわち、本実施形態では、図22(e)に示されるように、ユーザID(3)とユーザID(5)との組の要素が「1」となるので、ユーザID(3)とユーザID(5)との間に、矛盾があることが発見される。
【0093】
したがって、例えば、ユーザID(3)のタグIDが正しいと仮定すると、管理リスト(図15(b))のうち、ユーザID(5)とユーザID(2)の間で、無線ICタグ52の配布ミス又は取り違えが生じている可能性が高く、ユーザID(5)のタグIDが正しいと仮定すると、ユーザID(3)とユーザID(4)の間で、無線ICタグ52の配布ミス又は取り違えが生じている可能性が高いことが推定されることになる。
【0094】
以上説明したように、本第3の実施形態によると、第1の行動履歴(同一エリアで同時検出された頻度)と、第2の行動履歴(内線電話での通話頻度)とに基づいて、各ユーザと各ユーザが保有する無線ICタグ52との関係が評価されるので、予め定められていた管理リスト(図15(b))に矛盾が生じているような場合には、各ユーザIDとそのユーザが保有する無線ICタグ52との組み合わせが妥当でないと判断できる。したがって、この評価結果を用いることで、各ユーザと各ユーザが保有する無線ICタグ52との妥当な組み合わせを見出すことが可能であり、これにより、複数のユーザの管理を正確に行うことが可能である。
【0095】
なお、上記第3の実施形態では、第2の行動履歴として内線電話での通話頻度を用いることとしているが、これに限られるものではなく、例えば、第2の行動履歴として、FAXのやり取りの頻度、メールやファイルのやりとりの頻度などを用いることとしても良い。この場合において、メールやファイルのやりとりの頻度については、内線電話の場合とは逆に、所属部門等が同じであれば、その頻度が増える傾向にあると予想される。したがって、この場合には、同一エリアで同時検出されるユーザ間においてメールやファイルのやり取りが少ないと判断されたときに、無線ICタグの配布ミスや取り違えが生じていると評価することが可能である。なお、メールのやり取りについては、誰から誰にメールが出されたかの頻度を検出し、ファイルのやり取りについては、誰が作成したファイルに誰がアクセスしたかの頻度を検出すればよい。
【0096】
なお、上記第3の実施形態では、同一エリアでの同時検出頻度や内線電話による通話頻度のみで比較を行っているが、これに限らず、同一エリアで同時に検出されていた時間の長さや、内線電話の発着信の方向や通話時間などを加味したり、会議エリア(会議室)での検出を除外するなどして、第1の行動履歴と第2の行動履歴とを用いた管理リストの評価を行うこととしても良い。また、上記第3の実施形態では、第1の行動履歴と第2の行動履歴とが同一の週のデータに基づくものである場合について説明したが、これに限らず、異なる週の第1の行動履歴と第2の行動履歴を収集することとしても良い。
【0097】
《第4の実施形態》
次に、本発明を実施するための第4の実施形態について、図23(a)〜図25に基づいて説明する。なお、本第4の実施形態は、図1のエリアCが会議室であるような場合を想定したものである。
【0098】
本第4の実施形態では、「第1の行動履歴」として、会議室(エリアC)で複数のユーザが同時に検出された場合、各ユーザが同一の会合に出席しているものと推定し、その会合の頻度(例えば、1週間〜1ヶ月の間に会合が行われた回数)を採用することとしている。すなわち、図23(a)には、会議室(エリアC)で複数のユーザが同時に検出された回数をまとめた表が示されているが、この図23(a)のうち、0より大きい値を「1」とし、0を「0」とする二値化処理を行った、図23(b)の表を「第1の行動履歴」として取り扱う。
【0099】
一方、本第4の実施形態では、メールのやり取りの頻度(例えば、1週間〜1ヶ月の間にやり取りされたメールの回数)を「第2の行動履歴」として採用することとしている。すなわち、メールサーバ59の送受信履歴(図24(a)参照)から送受信回数を抽出したものが、図24(b)に示されているが、メールの場合、特定多数のユーザに対する連絡を目的とする同報メールもあり、かつ、この同報メールと二者間でやり取りされるメールとは性質が異なることから、二者間でのみやり取りされたメールの回数をまとめ(図24(c)参照)、更に、上記と同様に二値化処理した図24(d)の表を「第2の行動履歴」として取り扱う。
【0100】
そして、本実施形態では、管理リストの評価方法として、図23(b)の各要素と図24(d)の各要素の差分をとり、図25のような表を得る。
【0101】
この場合、無線ICタグ52の配布ミスや取り違えがなければ、要素の差分が「0」となることが期待される。これに対し、図25に示されるような結果が得られているため、これについて解析すると、行又は列をベクトルとして比較したときに、ベクトルの大きさが0ではなく、ベクトルの和が0又はほぼ0に近いものは、無線ICタグ52の配布ミスや取り違えが発生している可能性が高いと考えられる。したがって、図25の場合には、5列と6列のベクトルの和が0であり、各列の上から1番目の要素と、上から3番目の要素とが互いに「1」と「−1」であるので、ユーザID(1)とユーザID(3)に割り当てられたタグID(a)とタグID(c)の配布ミスや取り違えが発生している可能性が高いと推測できる。
【0102】
以上説明したように、本第4の実施形態によると、第1の行動履歴(会議室(エリアC)で同時検出された頻度)と、第2の行動履歴(二者間でメールをやり取りした回数)とに基づいて、各ユーザと各ユーザが保有する無線ICタグ52との関係が評価されるので、予め定められていた管理リスト(図15(b))に矛盾が生じているような場合には、各ユーザIDとそのユーザが保有する無線ICタグ52との組み合わせが妥当でないと判断できる。したがって、この評価結果を用いることで、各ユーザと各ユーザが保有する無線ICタグ52との妥当な組み合わせを見出すことが可能であり、これにより、複数のユーザの管理を正確に行うことが可能である。
【0103】
なお、上記各実施形態は、適宜組み合わせることが可能である。例えば、データの性質上、ある実施形態で説明した方法では、ユーザIDとタグIDとを1対1で対応付けることができない場合に、それ以外の実施形態で説明した方法を用いて、ユーザIDとタグIDとを1対1で対応付けることとしても良い。
【0104】
なお、上記各実施形態では、オフィスの構成が図1の構成であり、ユーザの数が6人であることを前提にして説明を行っているが、これに限らず、どのような構成のオフィスであっても、ユーザが何人いても、上記と同様に個体管理を行うことが可能である。
【0105】
なお、上記各実施形態では、アクティブRFIDシステムを用いる場合について説明したが、これに限らず、パッシブRFIDシステムを用いることとしても、上記と同様の個体管理を行うことが可能である。また、微弱電波を用いて通信を行うシステムに限らず、赤外線など別の手段を用いて通信を行うシステムを用いることとしても良い。
【0106】
なお、上記各実施形態では、行動ログ収集サーバ50、入室管理サーバ26、出退勤管理サーバ18、メールサーバ59をそれぞれ別の装置として構成したが、CPU、ROM、及びRAMなどを組み合わせて計算機システムを構成し、上記の各装置の機能を計算機システムに内蔵されたプログラムによって実現することも可能である。
【0107】
上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の個体管理装置が利用されているオフィスの模式図である。
【図2】オフィス内で利用されている個体管理装置の概略構成を示す図である。
【図3】6人のユーザが実際に行った行動を時系列的に示す図である。
【図4】個体管理装置による一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】行動ログ収集サーバ内のメモリに記憶されるデータを示す図である。
【図6】図5のデータをエリアごとに整理したデータを示す図である。
【図7】図6のデータをタグIDごとに整理したデータを示す図である。
【図8】無線ICタグによる、検出開始時刻と検出終了時刻を示す図である。
【図9】出勤時刻と退勤時刻を示す図である。
【図10】図4のステップS14(履歴比較サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図11】図10のステップS20(対応候補抽出サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図12】図11の処理の結果得られる候補タグを示す図である。
【図13】図10のステップS22(候補絞込みサブルーチン)を示すフローチャートである。
【図14】図13のフローチャートに沿って行われる処理を具体的に説明するための図である。
【図15】対応確定リスト及び管理リストを示す図である。
【図16】第2の実施形態における「第2の行動履歴」を説明するための図である。
【図17】エリアと入室時刻とをユーザIDごとにまとめた図である。
【図18】第2の実施形態における「第1の行動履歴」を説明するための図である。
【図19】第2の実施形態の変形例における「第2の行動履歴」を説明するための図である。
【図20】エリアと入室時刻とをユーザIDごとにまとめた図である。
【図21】第2の実施形態の変形例における対応候補抽出処理の結果を示す図である。
【図22】第3の実施形態を説明するための図である。
【図23】第4の実施形態における「第1の行動履歴」を示す図である。
【図24】第4の実施形態における「第2の行動履歴」を示す図である。
【図25】第4の実施形態における「第1の行動履歴」と「第2の行動履歴」の比較結果を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
12 出入口
14 出勤管理装置
16 退勤管理装置
18 出退勤管理サーバ
24 入室管理装置
26 入室管理サーバ
34 入室管理装置
44 入室管理装置
50 行動ログ収集サーバ
52 無線ICタグ
59 メールサーバ
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個体それぞれが保有する位置検出器を用いて検出される位置情報に基づく第1の情報を保持する第1の保持手段と、
前記各個体の行動履歴に基づく第2の情報を保持する第2の保持手段と、
前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて、前記各個体と、各個体が保有する前記位置検出器との関係を評価する評価手段と、を備える個体管理装置。
【請求項2】
前記位置検出器を用いて検出される位置情報に基づいて、前記第1の情報を収集する第1の収集手段を更に備える請求項1に記載の個体管理装置。
【請求項3】
前記第2の情報を収集する第2の収集手段を更に備える請求項1又は2に記載の個体管理装置。
【請求項4】
前記位置検出器は、前記個体の位置を非接触で検出する検出システムの一部を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の個体管理装置。
【請求項5】
前記検出システムは、前記位置検出器を保有する個体が、複数のエリアを含むエリア群のうち、どのエリアに存在するかを検出することを特徴とする請求項4に記載の個体管理装置。
【請求項6】
前記第1の情報は、前記検出システムによる検出開始時刻と検出終了時刻とを含み、
前記第2の情報は、前記各個体が前記エリア群内に進入した時刻と前記エリア群内から退出した時刻とを含むことを特徴とする請求項5に記載の個体管理装置。
【請求項7】
前記第2の収集手段は、前記各個体が前記エリア群へ出入りする出入口周辺に設けられた入退出検出装置を含むことを特徴とする請求項6に記載の個体管理装置。
【請求項8】
前記第1の情報は、前記検出システムによる前記各エリア内での検出履歴を含み、
前記第2の情報は、前記各エリアへの前記各個体の進入履歴を含む請求項5に記載の個体管理装置。
【請求項9】
前記第2の収集手段は、前記個体を特定するとともに、その個体の前記各エリアへの進入を許可する進入許可装置を含み、
前記進入許可装置は、前記進入を許可した個体の進入履歴を収集することを特徴とする請求項8に記載の個体管理装置。
【請求項10】
前記進入許可装置は、前記特定された個体とそれ以外の個体との、前記エリア内への同時侵入を許容することを特徴とする請求項9に記載の個体管理装置。
【請求項11】
前記第1の情報は、所定の個体とそれ以外の個体とが同一のエリアで検出される頻度に関する履歴を含み、
前記第2の情報は、複数個体間で情報伝達を行うための遠隔者間情報伝達手段を、前記所定の個体とそれ以外の個体との間で用いた頻度に関する履歴を含むことを特徴とする請求項5に記載の個体管理装置。
【請求項12】
前記遠隔者間情報伝達手段は、電子メール、電話及びファックスの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項11に記載の個体管理装置。
【請求項13】
前記各個体の個体情報それぞれに対して、前記各個体が保有している可能性の高い位置検出器の検出器情報が、予め割り振られており、
前記評価手段は、前記第1の情報と前記第2の情報とを用いて、前記個体情報と前記検出器情報との関係に矛盾があるか否かを評価することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の個体管理装置。
【請求項14】
前記個体情報は、前記各個体の内容とは無関係な情報であることを特徴とする請求項13に記載の個体管理装置。
【請求項15】
前記評価手段の評価結果を保持する個体情報保持手段を更に備える請求項1〜14のいずれか一項に記載の個体管理装置。
【請求項16】
前記第1の情報と前記第2の情報とを用いて、前記位置検出器の異常を検知する異常検知手段を更に備える請求項1〜15のいずれか一項に記載の個体管理装置。
【請求項17】
前記異常検出手段は、前記位置検出器自体の異常、及び前記位置検出器の前記個体による保持状態の異常、のいずれかを検知することを特徴とする請求項16に記載の個体管理装置。
【請求項18】
前記異常検出手段による異常の検出に応じて、該検出情報を出力する出力手段を更に備える請求項16又は17に記載の個体管理装置。
【請求項19】
前記出力手段は、前記異常が検出された位置検出器を保有する個体に対して前記検出情報を出力することを特徴とする請求項18に記載の個体管理装置。
【請求項20】
複数の個体それぞれが保有する位置検出器を用いて検出される位置情報に基づく第1の情報と、前記各個体の行動履歴に基づく第2の情報と、に基づいて、前記各個体と各個体が保有する前記位置検出器との関係を評価するステップ、をコンピュータに実行させるために用いられることを特徴とするプログラム。
【請求項21】
前記第1の情報を収集するステップを、コンピュータに更に実行させるために用いられることを特徴とする請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記第2の情報を収集するステップを、コンピュータに更に実行させるために用いられることを特徴とする請求項20又は21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記第1の情報と前記第2の情報とを用いて、前記位置検出器の異常を検知するステップを、コンピュータに更に実行させるために用いられることを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項24】
前記異常を検出するステップにおける検出結果を出力するステップを、コンピュータに更に実行させるために用いられることを特徴とする請求項23に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−293137(P2008−293137A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135966(P2007−135966)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】