説明

健康食品

【課題】 アムラの活性酸素抑制効能をより高める天然素材の配合と、日常生活での摂食を容易とする性状と風味を兼ね備えたアムラを主成分とするジャムまたは飴状の健康食品の提供を課題とする。
【解決手段】 種を取り除いたアムラの果肉を蒸し、前記アムラ果肉100重量部に対しサトウキビを搾ったジュースを煮つめた後の甘蔗糖が50〜150重量部になるように加えて加熱し煮詰まったものを裏漉ししてジャムとし、或いはさらに煮詰めて一口量を成型して飴としたことを特徴とする健康食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アムラを主成分とする健康食品に関する。
【背景技術】
【0002】
インドの伝統的医療アーユルヴェーダで処方される薬用植物の代表的な果実にアムラ(学名:Emblica officinalis Gaertn)が利用され、眼病、肺炎、貧血、細菌性下痢などに処方されていた。
【0003】
アムラは、インド、インドシナ、台湾、中国南部の海抜1500メートル以上の山の斜面に自生するトウダイグサ科の樹高3〜8メートルの落葉亜高木で、4〜5月に黄色の花が咲き、18〜25ミリ径のやや6角を帯びた球形の果実を付ける。
【0004】
アムラの果実の薬効作用についてはヴェーダの時代から知られており、生の果実100グラム中に720ミリグラムもの豊富なビタミンCが含有されている。この含有量はオレンジの20倍にあたる。現代では、インドの伝統的な医療の検証研究がなされ、活性酸素を抑制する効果から天然の健康食品として期待されている。
【0005】
しかしながら、強い酸味、苦味、刺激味、渋味など、食品としての摂取が摂り難い性質を持つため、日常生活において容易に節食可能な性状で、且つより効能を高める配合、性状が望まれていた。
【0006】
この様な風味に関する問題を解決する発明が特許文献1に開示されている。特許文献1は、アムラに、カビ、細菌、酵母、或いは遺伝子組み換え技術により生産される酵素「ペクチナーゼ」を添加して酵素反応によって処理することにより風味を改良し、アムラの溶液またはその乾燥粉末を得るものである。しかし、風味の改良に対しての効果はあるものの、アムラの薬効を最大に引出すには問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開2005−73503号公報(第2、3頁、表2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、アムラの活性酸素抑制効能をより高める天然素材の配合と、日常生活での摂食を容易とする性状と風味を兼ね備えたアムラを主成分とするジャム叉は飴の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の健康食品は、種を取り除いたアムラの果肉を蒸し、前記アムラ果肉100重量部に対しサトウキビを搾ったジュースを煮つめた後の甘蔗糖が50〜150重量部になるように加熱し煮詰まったものを裏漉ししてジャムとし、或いはさらに煮詰めて一口量を成型して飴としたことを特徴とする。
【0010】
また、前記加熱の後に、セイロンテツボク、カルダモン、長コショウ、精製バター、シナモン、黒コショウ、の中から選択した一つ以上をまたは加えて混ぜ合わせることを特徴とする。
【0011】
また、前記加熱の後に、イチジク、アーモンド、カパリスセピリア、レモングラス、インド月桂樹、アスパラガス、アシュワガンダ、ピスタチオ、ケシの種、ショウガ、クローブ、ナツメグ、サフラン、ターメリック、ツボクサ、ルヴンガスカンデスの中から選択した一つ以上をさらに加えて混ぜ合わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アムラの薬効成分をサトウキビのジュースで包み込み抗酸化食品として機能させ、保存期間の長い健康食品を提供することができる。
【0013】
また、ジャム或いは飴として、そのままでも所要量を毎日摂食しやすい性状、風味とすることができる。
【0014】
さらに、セイロンテツボク、カルダモン、長コショウ、精製バター、シナモン、黒コショウ、イチジク、アーモンド、カパリスセピリア、レモングラス、インド月桂樹、アスパラガス、アシュワガンダ、ピスタチオ、ケシの種、ショウガ、クローブ、ナツメグ、サフラン、ターメリック、ツボクサ、ルヴンガスカンデスなどのインド伝統医療、漢方医療に用いられる天然素材を加えることによりその相乗作用によりアムラの薬効成分の効果をさらに高め、健康促進、予防効果の高い健康食品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の健康食品の成分及び製造方法について図を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明のアムラを主成分とするジャムの製造工程のフローチャートである。
【0017】
先ず、主成分であるアムラの果実を採取する。アムラの薬効が最も発揮される秋に完熟した果実を収穫する。(S1)
【0018】
次に、採取直後の新鮮なうちに、果実を洗浄し、付着物を除去する。(S2)
【0019】
洗浄したアムラの果実を割り、種を取り除く。(S3)
【0020】
種を取り除いた果実の身(果肉)を蒸し器にいれ、果肉がやわらかくなるまで所定時間蒸す。(S4)
【0021】
次に、蒸した果肉を取り出し、同重量のサトウキビのジュースを加えてアムラの果肉をすりつぶす。(S5)
【0022】
果肉がすりつぶされたアムラとサトウキのビジュースを6〜8時間煮詰め水分を飛ばす。(S6)
【0023】
水分が飛ばされた、アムラ・サトウキビジュースは、粘度が高まり、ジャム状となっている。この状態で、アムラの薬効成分は、サトウキビのジュースに含まれる砂糖成分とあいまって、さらに抗酸化作用を高めている。
【0024】
本発明の最良の実施の形態では、これにアーユルヴェーダに伝わる伝統医療で用いられる薬効が高い自然食品及び薬草を加える。
【0025】
セイロンテツボク、カルダモン、長コショウ、精製バター、シナモン、黒コショウ、イチジク、アーモンド、カパリスセピリア、レモングラス、インド月桂樹、アスパラガス、アシュワガンダ、ピスタチオ、ケシの種、ショウガ、クローブ、ナツメグ、サフラン、ターメリック、ツボクサ、ルヴンガスカンデスなどのインド伝統医療で使用される薬効素材を粉末状に摺り潰し、ジャム状に煮詰められたアムラジュースに加える。(S7)
【0026】
本実施例では、もっとも望ましい天然素材の添加例を示したが、セイロンテツボク、カルダモン、長コショウ、精製バター、シナモン、黒コショウの中から選択した一つ以上の添加、及びイチジク、アーモンド、カパリスセピリア、レモングラス、インド月桂樹、アスパラガス、アシュワガンダ、ピスタチオ、ケシの種、ショウガ、クローブ、ナツメグ、サフラン、ターメリック、ツボクサ、ルヴンガスカンデスの中から選択した1つ以上の添加であっても本発明の健康食品として製造することができる。
【0027】
さらに、サトウキビのジュースを所定量加えて、2〜3時間攪拌しながら加熱し、所定の粘度のジャムとする。(S8)
【0028】
最後に、網状のふるいで、裏漉しして香辛料或いは添加物の固形物を取り除く。(S9)
【0029】
出来上がったジャムを殺菌桶に収容し、90度、20〜30分の殺菌を行う。(S10)
【0030】
殺菌を終えたジャムをガスバリア製の密閉容器(または袋)に詰め、冷却する。(S11)
【0031】
尚、飴に加工する場合は、S8の工程で、さらに煮詰め、粘度を高くして、成型冷却して飴とする。
【0032】
以上、本発明の健康食品である、アムラを主成分とするジャムの製造工程を説明したが、サトウキビのジュースを混ぜて煮詰めることにより、アムラの強い酸味、苦味、刺激味、渋味などが、サトウキビの砂糖成分に包まれ食べやすいジャムとすることができる。
【0033】
また、サトウキビから抽出された砂糖成分は天然の防腐剤として働き、ジャムの保存期間、賞味期限を延ばすことができる。
【0034】
さらに、サトウキビは健康食品として摂取した際に、体内で抗酸化食品として機能する媒体としての働きをする。
【0035】
また、S6で加えられる伝統医療で用いられる主な天然素材について健康食品としての効果を以下に述べる。
【0036】
セイロンテツボク(学名:Mesua ferrea)は、炎症を抑え、抗菌作用と駆虫作用を有する薬用植物である。
【0037】
カルダモンは、呼吸器系の病気の改善、消化促進、熱冷まし作用、抗菌作用があり、また、抗炎症剤、鎮痛剤として作用する。
【0038】
長コショウ(学名:Piper longum)は、新陳代謝や血流を良くし、消化を促す働きを有し、叉、身体にたまった毒素の除去作用がある。
【0039】
精製バター(ギー)は、バターから作られる純粋なオイルで、体内の毒素、脂肪の派出を促進し、身体内の栄養吸収を高める働きがある。
【0040】
シナモンは、体を温め消化を促す効果と共に痛みや麻痺を取り去る効果があり、叉、呼吸器系の病気予防、駆風剤、防腐剤として作用する。
【0041】
黒コショウは、細菌発育阻止効果、心臓、腎臓の活動を活発にする効果、消化不良、下痢、他の胃腸病を改善する効果があり、健胃消化剤、鼓腸、駆風、吐き気、コレラなど様々な症状の改善に作用します。カパリスセピリアは、解熱作用と共に皮膚疾患に有用で、また強壮剤としての働きがある。
【0042】
イチジクは、食物繊維(主としてペクチン)を多量に含み、腸の運動を活発にして便通を整える効果を呈すると共に、血中コレストロールや血圧の上昇を抑制することが期待できる。
【0043】
アーモンドは、鎮経性の強壮剤、粘滑剤、利尿剤として働き、脳の発達やスピーチ力の改善にこうかがあり、セイロンテツボクは、抗真菌剤、駆虫剤として働き、レモングラスは、神経症、婦人病、神経痛、けいれん症状に良く、また解熱のための発汗作用を促す効果および強壮剤として働き、ターメリックは肝機能を高める効果がある。
【0044】
また、カルダモンは、呼吸器系の病気の改善、消化促進、食欲促進、熱冷まし、抗炎症、鎮痛剤としての効果と、甘い芳香の揮発背成分に抗菌作用があり、長コショウは、活力を与え、また鎮痛剤、駆虫剤、強壮剤、駆風剤、去痰剤として働き、呼吸器疾患の抑制作用がある。
【0045】
インド月桂樹(学名:Cinnamomum tamala)は、胃腸や消化を整え、ガスをぬき、下痢にも効果的であり、アスパラガス(学名:Asparagus racemosus)は、女性ホルモンの自然なバランスをとり、女性特有の症状の改善、男女の生殖システムの活発化、母乳や精液の増加、不妊、更年期障害、免疫力の向上などに効果があり、さらに、癌の科学治療の副作用の緩和効果、AIDS感染症者の免疫系向上にも効果がある。
【0046】
アシュワガンダ(学名:Withania somnifera)は、強壮剤として知られ、精神的ストレスを和らげ、高齢者の痴呆症(ボケ)、病気から回復しつつある患者や妊娠中の女性に有効な成分を含む。
【0047】
ピスタチオは、肝臓、胸および腹部疾患、循環器問題、硬い腫瘍などに効果があり、また強壮剤として作用します。ケシの種は、喉の炎症や咳を抑え、鎮静剤及、鎮痛剤、抗生物質として作用する。
【0048】
ショウガは、血液循環を良くし体の浄化促進、呼吸器障害、胃腸障害、アレルギーの抑制、抗ヒスタミン、関節炎、吐き気止め、寄生虫病、高コレステロール、インフルエンザに効果がある。
クローブは、消化不良、吐き気、鼓腸、消化促進、歯痛、咽頭炎、頭痛、呼吸器疾病等に効果がある。
【0049】
ナツメグ(ジャイファル)は、食欲増進、強壮、抗炎症、抗菌の効果があり、サフランは、女性特有の症状、月経不順、生理痛、イライラや不眠などの更年期障害、また、記憶学習障害の回復、痴呆予防、不眠症、気持ちを落ち着かせる、喘息や百日咳の鎮静効果と共に、腫瘍の成長抑制に効果がみとめられている。
【0050】
ターメリックは、美肌、肝臓、健胃消化剤、強壮、血液清浄、抗炎症、眼病、糖尿病、高血圧、心臓病、抗血栓、利尿、リュウマチ、老化等に効果があり、近年では、副作用の無い抗炎症剤、気管支喘息にも使用され、科学的に癌抑制効果も認められている。
【0051】
ツボクサ(学名:Centella asiatica)は、皮膚、爪、髪の成長促進、皮膚疾患、神経及び血管の病気の代謝機能改善効果があり、また学習、記憶能力の改善、血管強化、血液サラサラ、静脈炎の改善、免疫の向上に作用するものである。
【0052】
ルヴンガスカンデンス(学名:Luvunga Scandens)は、小型のレモンの実で、菌類の繁殖を抑え、皮膚の感染症に効果があります。銀箔は、心臓を鎮める効果と共に、各種の薬草素材の効果を長く保持する働きがある。
【0053】
ここで、本発明の健康食品の望ましい構成比の一実施例を示す。
アムラ 30重量%
サトウキビ 30重量%
セイロンテツボク 5重量%
カルダモン 1重量%
長コショウ 1重量%
精製バター 5重量%
シナモン 0.5重量%
黒コショウ 0.5重量%
イチジク 10重量%
アーモンド 5重量%
カパリスセピリア 4重量%
レモングラス 2重量%
インド月桂樹 0.5重量%
アスパラガス 0.5重量%
アシュワガンダ 0.5重量%
ピスタチオ 0.5重量%
ケシの種 0.5重量%
ショウガ 0.5重量%
クローブ 0.5重量%
ナツメグ 0.5重量%
サフラン 0.2重量%
ターメリック 0.5重量%
ツボクサ 0.5重量%
ルヴンガスカンデス 0.5重量%
なお、本発明においてはアムラとサトウキビからなる主成分以外の構成については、この実施例の構成比に限るものではない。
【0054】
本発明の健康食品は、そのままで摂食することができ、1日に2回、それぞれスプーンに1杯量または、飴1個を摂食することにより、容易に抗酸化作用による健康促進、癌の予防、疾病に対する免疫力の向上をはかることができることが、各種研究機関により確かめられている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の健康食品の製造工程を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種を取り除いたアムラの果肉を蒸し、前記アムラ果肉100重量部に対しサトウキビを搾ったジュースを煮つめた後の甘蔗糖が50〜150重量部になるように加えて加熱し煮詰まったものを裏漉ししてジャムとし、或いはさらに煮詰めて一口量を成型して飴としたことを特徴とする健康食品。
【請求項2】
前記加熱の後に、セイロンテツボク、カルダモン、長コショウ、精製バター、シナモン、黒コショウ、の中から選択した一つ以上を加えて混ぜ合わせることを特徴とする請求項1記載の健康食品。
【請求項3】
前記加熱の後に、さらにイチジク、アーモンド、カパリスセピリア、レモングラス、インド月桂樹、アスパラガス、アシュワガンダ、ピスタチオ、ケシの種、ショウガ、クローブ、ナツメグ、サフラン、ターメリック、ツボクサ、ルヴンガスカンデスの中から選択した一つ以上を加えて混ぜ合わせることを特徴とする請求項2記載の健康食品。

【図1】
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【公開番号】特開2007−135493(P2007−135493A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334963(P2005−334963)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(505430263)ヘルスアンドヘルス株式会社 (3)
【Fターム(参考)】