説明

側方のカルバメート基および化学線により活性化可能な基を有するコポリマー、その製造方法、およびその使用

I.第一の方法工程で、(a1)少なくとも1のモノマー、これは(a11)1の一般式(I):CH2=C(R)C(O)−O−(I)[式中、変項Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す]の基および(a12)1の第一級および/または第二級カルバメート基、を含有する、および(a2)1のモノマー、これは(a21)1の、ラジカルにより、もしくはイオンにより重合可能なオレフィン系不飽和二重結合、および(a22)1の、カルバメート基(a12)と反応しない、および二重結合(a21)と重合しない、反応性の官能基を含有する、を共重合させ、これにより、コポリマー(a1/a2)が得られ、かつII.次の工程で、該コポリマー(a1/a2)を、(a3)1の化合物、これは(a31)1の化学線により活性化可能な基および(a32)1の反応性の官能基(a22)に対して相補的な反応性の官能基を含む、と反応させ、このことによりコポリマー(A)が得られることにより製造することができる、側方の、第一級および/または第二級カルバメート基(a12)、および化学線により活性化可能な基(a31)を有するコポリマー(A)、該コポリマーの製造方法およびその使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、側方のカルバメート基および化学線により活性化可能な基を有する新規のコポリマーに関する。さらに本発明は、側方のカルバメート基および化学線により活性化可能な基を有するコポリマーを製造する新規の方法に関する。さらに本発明は、側方のカルバメート基および化学線により活性化可能な基を有するコポリマーの使用、および新規の熱および化学線により硬化可能な材料としての、および該材料を製造するための新規の方法により製造された側方のカルバメート基および化学線により活性化可能な基を有するコポリマーに関する。とりわけ本発明は、新規の熱および化学線により硬化した熱硬化性材料を製造するための熱および化学線により硬化可能な新規の材料の使用に関する。
【0002】
従来技術
本発明の範囲で、化学線とは、電磁線、たとえば近赤外線(NIR)、可視光、UV線、X線およびγ線、特にUV線、および粒子線、たとえば電子線、β線、プロトン線、α線および中性子線、特に電子線であると理解すべきである。
【0003】
本発明の範囲で、「(メタ)アクリレートコポリマー」という概念は、アクリレートコポリマー、メタクリレートコポリマー、および混合されたアクリレートコポリマーとメタクリレートコポリマーとを含む。相応して、「(メタ)アクリレート」という概念は、そのつど、モノマーのアクリレート、メタクリレートおよびアクリレートとメタクリレートとからなる混合物、またはアクリレート基、メタクリレート基およびアクリレート基とメタクリレート基とを含む。同様に、「(メタ)アクリロイル(基)」という概念は、アクリロイル(基)、メタクリロイル(基)およびアクリロイル(基)とメタクリロイル(基)とからなる混合物を含む。
【0004】
統計学的に平均して、少なくとも1の第一級または第二級カルバメート基および少なくとも1の、化学線により活性化可能な基を有するコポリマーは、国際特許出願WO01/46285から公知である。
【0005】
公知のコポリマーは、
1.第一の変法によれば、
1.1 第一の方法工程で、少なくとも2個のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する少なくとも1の多官能価化合物を、そのつどイソシアネート基、酸基もしくはエポキシ基、ならびに少なくとも1の、化学線により活性化可能な結合を有する少なくとも1の化合物と反応させ、その後、第二の方法工程で、統計学的に平均してなお少なくとも1の遊離のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する得られる中間生成物を、そのつどカルバメート基を導入する少なくとも1の化合物と反応させるか、あるいは、
1.2 第一の方法工程で、少なくとも2個のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する少なくとも1の多官能価化合物と、そのつどカルバメート基を導入する少なくとも1の化合物とを反応させ、その後、第二の方法工程で、統計学的に平均してなお少なくとも1の遊離のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する中間生成物と、そのつどイソシアネート基、酸基もしくはエポキシ基ならびに少なくとも1の、化学線により活性化可能な結合を有する少なくとも1の化合物と反応させるか、
2.第二の変法によれば、
2.1 第一の方法工程で、少なくとも1のポリイソシアネート、ポリ酸またはポリエポキシドを、そのつど少なくとも1の化学線により活性化可能な結合ならびに1のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する少なくとも1の化合物と反応させ、その後、統計学的に平均して、なお少なくとも1のイソシアネート基、酸基もしくはエポキシ基を有する得られる中間体を、第二の方法工程で、そのつど少なくとも1のカルバメート基もしくはカルバメート基に変換することができる少なくとも1の官能基、ならびに1のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する少なくとも1の化合物と反応させるか、あるいは、
2.2 第一の方法工程で、少なくとも1のポリイソシアネート、ポリカルボン酸またはポリエポキシドを、少なくとも1のカルバメート基またはカルバメート基に変換することができる少なくとも1の官能基ならびに1のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する少なくとも1の化合物と反応させ、その後、統計学的に平均してなお少なくとも1のイソシアネート基、酸基またはエポキシ基を有する得られる中間生成物を、第二の方法工程で、そのつど少なくとも1の、化学線により活性化可能な結合ならびに1のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する少なくとも1化合物と反応させるか、あるいは
3.第三の変法によれば、
少なくとも1のポリイソシアネート、ポリ酸またはポリエポキシドを、ワンポット法で、少なくとも1のカルバメート基またはカルバメート基に変換することができる少なくとも1の官能基ならびに1のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する少なくとも1の化合物、および少なくとも1の、化学線により活性化可能な結合ならびに1のイソシアネート反応性、酸反応性もしくはエポキシ反応性の官能基を有する少なくとも1の化合物と反応させる
ことにより製造される。
【0006】
合成および得られるコポリマー、特に(メタ)アクリレートコポリマーの構造の詳細についてのより詳しい記載はなされていない。
【0007】
公知のコポリマーは、熱および化学線により硬化可能な材料を製造するために使用される。公知のとおり、熱硬化および放射線硬化を一緒に適用することは、当業界では「デュアル・キュア」とよばれている。
【0008】
公知のデュアル・キュア硬化性材料は、特にデュアル・キュア硬化した熱硬化性材料を製造するために使用される。
【0009】
公知の製造方法の場合、カルバメート基も、化学線により活性化可能な基も、後からポリマー類似の反応により、予め形成された反応性のオリゴマーまたはポリマー中へ導入しなくてはならないことが欠点である。しかしこのポリマー類似の反応では、不所望の副反応、たとえばオリゴマーもしくはポリマーの出発化合物の分解、出発化合物自体の反応および/または架橋およびゲル化が現れうる。
【0010】
これらの不所望の副反応は、得られる公知のコポリマーが、熱および化学線により硬化可能な材料の製造のために限定的に適切であるのみであるか、または全く適していないということにつながりうる。というのは、これらはたとえば変色、ムラおよび/または不所望の高い粘度を有しているために、ここから製造される熱硬化性材料は特に高い要求を満足することができず、かつ技術的および/または美学的に特に要求の高い使用目的のために考慮することができないからである。
【0011】
課題の設定
本発明の根底には、従来技術の欠点をもはや有していない、側方のカルバメート基および化学線により活性化可能な基を有する新規のコポリマーを提供するという課題が存在している。
【0012】
側方のカルバメート基および化学線により活性化可能な基を有する新規のコポリマーは、特により少ない方法工程で、より容易におよび極めて良好に再現可能な方法で製造することができるべきである。これらは副生成物を生じないか、またはごくわずかに生じるのみである、つまり技術的に関連しない量の副生成物を含有するのみであるべきである。その際、その適用技術的な特性プロファイルは容易な方法で適切に調整可能であり、かつ変化させ、かつ最適化することができるべきである。
【0013】
側方のカルバメート基および化学線により活性化可能な基を有する新規のコポリマーは、特に広い範囲で適用可能であるべきである。特に該コポリマーは、熱および化学線により硬化可能な材料として、または該材料の製造のために特に適切であるべきである。
【0014】
新規のデュアル・キュア硬化可能な材料は、変色およびムラを有していないか、またはごくわずかに、つまり技術的に関連しない程度で有するにすぎないべきである。これらは極めて良好に加工可能であり、かつ適用可能であるべきである。これらは特に広い範囲で適用可能であるべきである。特に、これらは液状の、および固体のデュアル・キュア被覆材料、特にデュアル・キュア用の電着塗料、プライマー、サーフェイサー、プライマー・サーフェイサー、ソリッドカラーコート、ベースコートおよびクリアコート、特にデュアル・キュアクリアコートとして、またはこれらを製造するために適切であるべきである。
【0015】
新規のデュアル・キュア硬化可能な材料は、有利な適用特性を有する、熱および化学線硬化した新規の熱硬化性材料、特に新規の被覆、特に新規の電着コーティング、プライマーコーティング、サーフェイサーコーティングおよび下塗り、ソリッドカラーコーティング、ベースコーティングおよびクリアコーティング、特にクリアコーティングを提供すべきである。特に新規の熱硬化性材料、特に新規の被覆は、変色またはムラのような障害を有しているべきではなく、従って特に技術的および美学的に特に要求の高い使用目的、たとえば自動車の量産用コーティング(OEM)およびラインでの補修を含む自動車の補修用コーティングのために考慮される。
【0016】
特に新規のクリアコーティングは、たとえば欧州特許EP0352298B1、第15頁第42行目〜第17〜40行目に定義されているように、いわゆる自動車品質を有しているべきである。
【0017】
解決手段
これに応じて、
I.第一の方法工程で、
(a1)少なくとも1のモノマー、これは
(a11)少なくとも1の一般式I:
CH2=C(R)C(O)−O− (I)
[式中、変項Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基を表すか、または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す]の基および
(a12)少なくとも1の第一級および/または第二級カルバメート基
を含有する、
および
(a2)少なくとも1のモノマー、これは
(a21)少なくとも1の、ラジカルにより、もしくはイオンにより重合可能なオレフィン系不飽和二重結合、および
(a22)少なくとも1の、カルバメート基(a12)と反応しない、および二重結合(a21)と重合しない、反応性の官能基
を含有する、
を共重合させ、これにより、コポリマー(a1/a2)が得られ、かつ
II.次の工程で、該コポリマー(a1/a2)を、
(a3)少なくとも1の化合物、これは
(a31)少なくとも1の、化学線により活性化可能な基および
(a32)少なくとも1の、反応性の官能基(a22)に対して相補的な反応性の官能基を含有する
と反応させ、このことによりコポリマー(A)が得られる
ことにより製造することができる、側方の、第一級および/または第二級カルバメート基および化学線により活性化可能な基を有する、新規のコポリマー(A)が判明した。
【0018】
以下では、側方の、第一級および/または第二級カルバメート基、および化学線により活性化可能な基を有する新規のコポリマー(A)を、「本発明によるコポリマー(A)」とよぶ。
【0019】
さらに、
I.第一の方法工程で、
(a1)少なくとも1のモノマー、これは
(a11)少なくとも1の一般式I:
CH2=C(R)C(O)−O− (I)
[式中、変項Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基を表すか、または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す]の基および
(a12)少なくとも1の第一級および/または第二級カルバメート基
を含有する、
および
(a2)少なくとも1のモノマー、これは
(a21)少なくとも1の、ラジカルにより、もしくはイオンにより重合可能なオレフィン系不飽和二重結合、および
(a22)少なくとも1の、カルバメート基(a12)と反応しない、および二重結合(a21)と重合しない、反応性の官能基
を含有する、
を共重合させ、これにより、コポリマー(a1/a2)が得られ、かつ
II.次の工程で、該コポリマー(a1/a2)を、
(a3)少なくとも1の化合物、これは
(a31)少なくとも1の、化学線により活性化可能な基および
(a32)少なくとも1の、反応性の官能基(a22)に対して相補的な反応性の官能基を含有する
と反応させ、このことによりコポリマー(A)が得られる
側方の、第一級および/または第二級カルバメート基(a12)、および化学線により活性化可能な基(a31)を有するコポリマー(A)の新規の製造方法が判明した。
【0020】
以下では、側方の、第一級および/または第二級カルバメート基、および化学線により活性化可能な基を有するコポリマー(A)を製造する新規の方法を、「本発明による方法」とよぶ。
【0021】
特に、熱および化学線により硬化可能な材料としての、またはその製造のための、本発明によるコポリマー(A)および本発明による方法により製造したコポリマー(A)の新規の使用が判明し、これを以下では、「本発明による使用」とよぶ。
【0022】
その他の本発明の対象は、詳細な説明の記載から明らかになる。
【0023】
本発明の利点
従来技術を鑑みると、本発明の根底に存在していた課題を、本発明によるコポリマー(A)、本発明による方法および本発明による使用により解決することができたことは、以外であり、かつ当業者が予測することができたものではなかった。
【0024】
意外にも、本発明によるコポリマー(A)は、従来技術の欠点をもはや有していなかった。
【0025】
これらは特に通常の、および公知のコポリマーよりも、より容易に、かつ極めて再現性のある方法で、特に本発明による方法によれば、より少ない方法工程で製造することができた。これらは副生成物を含有していないか、またはごく少量、つまり技術的に関連しない副生成物を含有するのみであった。その際、その適用技術的な特性プロファイルは、容易な方法で適切に調節することができ、かつ変化させ、かつ最適化することができた。
【0026】
本発明によるコポリマー(A)は、特に広い範囲で適用可能である。特に本発明による使用の範囲では、新規の熱および化学線により硬化可能な(デュアル・キュア硬化可能な)材料として、またはその製造のために特に適切であった。
【0027】
本発明によるデュアル・キュア硬化性材料は、変色およびムラを有していないか、または極めてわずかに、つまり技術的に関連しない程度で有するにすぎなかった。これらは極めて良好に加工可能であり、かつ適用可能であった。これらは特に広い範囲で適用可能である。特にこれらは、新規の液状および固体状のデュアル・キュア被覆材料として、特に新規のデュアル・キュアの電着塗料、プライマー、サーフェイサー、プライマー・サーフェイサー、ソリッドカラーコート、ベースコートおよびクリアコート、特にデュアル・キュアのクリアコートとして、またはこれらの製造のために適切であった。
【0028】
本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料は、有利な適用技術的な特性を有する新規の熱および化学線により硬化した熱硬化性材料、特に新規の被覆、特に新規の電着コーティング、プライマーコーティング、サーフェイサーコーティングおよび下塗り、ソリッドカラーコーティング、ベースコーティングおよびクリアコーティング、特にクリアコーティングを提供した。特に本発明による熱硬化性材料、特に本発明による被覆は、変色またはムラのような障害を有していないため、技術的および美学的に特に要求の高い使用目的、たとえば自動車の量産用コーティング(OEM)およびラインでの補修を含む自動車補修用コーティングのために考慮することができた。
【0029】
特に本発明によるクリアコーティングは、たとえば欧州特許EP0352298B1、第15頁第42行目〜第17頁第40行目に定義されているような、いわゆる自動車品質を示した。
【0030】
発明の詳細な説明
本発明によるコポリマー(A)は、側方の、つまり側位の第一級および/または第二級、有利には第一級カルバメート基(a12)を有する。有利には該コポリマーは、統計学的に平均して、1分子中に2より多くの、有利には3より多くの、および特に4より多くのカルバメート基(a12)を有する。
【0031】
さらに該コポリマーは、少なくとも1の末端の、つまり末端位の第一級および/または第二級、有利には第一級カルバメート基(a12)を有していてよい。
【0032】
有利には本発明によるコポリマー(A)は、主として側方のカルバメート基(a12)を有する、つまり少なくとも1の側方のカルバメート基(a12)は、末端のカルバメート基(a12)よりも多く存在している。
【0033】
第二級カルバメート基(a12)の窒素原子は、一価の有機基(a121)により置換されている。基(a121)として、熱および/または化学繊維より開始される共重合およびカルバメート基(a121)と相補的な反応性の官能基との反応の通常かつ公知の条件下で不活性である、つまり副反応を開始しない、かつ/または所望の反応を妨げない、全ての一価の有機基が考えられる。
【0034】
有利には一価の有機基(a121)は、
− 少なくとも1の基(a1211)により置換されている、および置換されていない、
− 少なくとも1の少なくとも二価の、特に二価のヘテロ原子(a1212)を含有する、およびヘテロ原子を含有していない、
− 少なくとも1の少なくとも二価の、特に二価の結合性の官能基(a1213)を含有する、および該基を含有しない
アルキルアリール−、アリールアルキル−、アルキルシクロアルキル−、シクロアルキルアルキル−、アリールシクロアルキル−、シクロアルキルアリール−、アルキルシクロアルキルアリール−、アルキルアリールシクロアルキル−、アリールシクロアルキルアルキル−、アリールアルキルシクロアルキル−、シクロアルキルアルキルアリール−およびシクロアルキルアリールアルキル−基からなる群から選択され、その際、ハイフンはそのつど、1の基の炭素原子とカルバメート基の窒素原子との間の共有結合を表している。
【0035】
基(a1211)として、前記の意味で不活性である全ての通例かつ公知の電子吸引性および電子供与性の原子および一価の有機基が考えられる。適切な基(a1211)の例は、ハロゲン原子、たとえばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であるか、ニトリル基またはニトロ基である。
【0036】
二価のヘテロ原子(a1212)として、特にたとえばエーテル基および/またはチオエーテル基を含有している基(a121)中に存在する酸素原子および硫黄原子が考えられる。
【0037】
少なくとも二価の、特に二価の結合性の官能基(a1213)として、前記の意味で不活性である全ての、有機化学で通例かつ公知の官能基、たとえばカルボン酸エステル基、チオカルボン酸エステル基、カーボネート基、チオカーボネート基、リン酸エステル基、チオリン酸エステル基、ホスホン酸エステル基、チオホスホン酸エステル基、ホスファイト基、チオホスファイト基、スルホン酸エステル基、アミド基、アミン基、チオアミド基、リン酸アミド基、チオリン酸アミド基、ホスホン酸アミド基、チオホスホン酸アミド基、スルホン酸アミド基、イミド基、ウレタン基、ヒドラジド基、尿素基、チオ尿素基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルホン基、スルホキシド基またはシロキサン基が考えられる。
【0038】
有利には一価の有機基(a121)は、置換されていない。有利には該基は、ヘテロ原子(a1212)を有していない。特に有利にはこれらは結合性の、官能基(a1213)を有していない。とりわけ有利にはこれらは置換されておらず、かつヘテロ原子(a1212)および官能性の基(a1213)を有していない。
【0039】
特に、基(a121)は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、アミル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキスおよびフェニルからなる群から選択される。
【0040】
本発明によるコポリマー(A)は、側方の、化学線により、特にUV線および/または電子線により活性化可能な基(a31)を有している。有利にはこれらは統計学的に平均して少なくとも2、有利には少なくとも3および特に少なくとも4の、側方の、化学線により活性化可能な基(a31)を有している。
【0041】
さらに、これらは少なくとも1の末端の、化学線により活性化可能な基(a31)を有していてよい。
【0042】
「化学線により活性化可能な」とは、本発明の範囲では、基(a31)が、少なくとも1の、特に1の、化学線によるエネルギーの供給により化学反応、たとえば通常かつ公知の光反応、環化、挿入反応またはラジカル重合もしくはイオン重合を開始することができる状態に移行する結合を有することを意味する。
【0043】
有利には化学線により活性化可能な結合(a311)は、炭素−水素の単結合、炭素−炭素、炭素−酸素、炭素−窒素、炭素−リンおよび炭素−ケイ素の単結合および二重結合ならびに炭素−炭素の三重結合からなる群から選択される。特に炭素−炭素の三重結合が使用される。
【0044】
化学線により活性化可能な結合(a311)は、種々の、通常かつ公知の有機基(a31)中に存在していてよい。有利には、化学線により活性化可能な基(a31)は、(メタ)アクリレート基、エタクリレート基、クロトネート基、シンナメート基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、エテニルアリーレン基、ジシクロペンタジエニル基、ノルボルネニル基、イソプレニル基、イソプレニル基、イソプロペニル基、アリル基およびブテニル基、エテニルアリーレンエーテル基、ジシクロペンタジエニルエーテル基、ノルボルネニルエーテル基、イソプレニルエーテル基、イソプロペニルエーテル基、アリルエーテル基およびブテニルエーテル基、ならびにエテニルアリーレンエステル基、ジシクロペンタジエニルエステル基、ノルボルネニルエステル基、イソプレニルエステル基、イソプロペニルエステル基、アリルエステル基およびブテニルエステル基からなる群から、有利には(メタ)アクリレート基、特にアクリレート基から選択される。
【0045】
前記の基(a12)および(a13)以外に、本発明によるコポリマー(A)は、さらに少なくとも1の、基(a12)および(a13)とは異なり、
1.モノマー(a1)および(a2)とは異なり、
1.1 少なくとも1の、以下に記載される、ラジカル重合もしくはイオン重合可能な、オレフィン系不飽和二重結合(a21)または少なくとも1の以下に記載される一般式Iの基(a11)および
1.2 以下の条件
− 以下に記載されるコポリマー(a1/a2)の製造および
− 該コポリマーと、前記のカルバメート基(a12)および以下に記載される反応性の官能基(a22)および(a32)を有する以下に記載される化合物(a3)との反応
下で、反応しないか、または極めて緩慢に反応するにすぎない、少なくとも1の、二重結合(a21)および基(a11)と重合することができない官能基(a41)
を含有するモノマー(a4)の共重合、および/または
2.以下に記載されるコポリマー(a1/a2)と、
2.1 少なくとも1の、前記の官能基(a41)および
2.2 少なくとも1の、以下に記載される反応性の官能基(a22)に対して相補的な、反応性の官能基(a32)を有する
を含有する少なくとも1の化合物(a6)との反応
により本発明によるコポリマー(A)中に導入することができる官能基(a41)を含有していてよい。
【0046】
当業者は、モノマー(a4)および化合物(a6)を、自身の一般的な専門知識に基づいて、一方では基(a12)、(a22)および(a32)の公知の反応性、他方では基(a41)の反応性に基づいて容易に選択することができる。
【0047】
本発明によるコポリマー(A)は、基(a41)が存在する場合には、該基を有利には副次的な量で、つまり必須として存在するカルバメート基(a12)および化学線により活性化可能な基(a11)により決定される本発明の本質的な特性プロファイルを変えることはあっても、著しく変化させることはなく、従って主として基(a41)により決定される量で含有するのみである。従って有利であるのは、当量比[(a11)+(a31)]:(a41)>2であり、特に有利には>5であり、かつ特に>10である。
【0048】
本発明によるコポリマー(A)の数平均分子量Mn、質量平均分子量Mwおよび均一性Uは、広い範囲で変化することができ、かつそのつどの適用分野の要求に応じて適合させることができる。たとえば特定の適用が、固体の熱可塑性加工可能な本発明によるコポリマー(A)を要求する場合、これらは比較的高い分子量MnおよびMwを有する。これに対して特定の適用が、比較的低い温度、特に室温で液状の、本発明によるコポリマー(A)を必要とする場合、これらは比較的低い分子量MnおよびMwを有する。
【0049】
有利には本発明によるコポリマー(A)は、数平均分子量Mn500〜250000ダルトン、有利には1000〜200000ダルトン、特に有利には1500〜150000ダルトン、とりわけ有利には1500〜100000ダルトン、および殊に1500〜50000ダルトンを有する。
【0050】
有利には本発明によるコポリマー(A)は、質量平均分子量Mw1000〜500000ダルトン、有利には2000〜400000ダルトン、特に有利には2500〜300000ダルトン、とりわけ有利には2500〜200000ダルトンおよびことに2500〜100000ダルトンを有する。
【0051】
有利には分子量の均一性Uは小さい。有利にはU<15であり、特に有利には<10、とりわけ有利には<8、およびことに<5である。
【0052】
本発明によるコポリマー(A)自体は、異なった方法で製造することができる。しかし有利には本発明によるコポリマーは、本発明による方法により製造する。
【0053】
本発明による方法では、
I.第一の方法工程で、
(a1)少なくとも1の、特に1のモノマー、これは
(a11)少なくとも1の、特に1の一般式I:
CH2=C(R)C(O)−O− (I)
[式中、変項Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基を表すか、または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す]の基および
(a12)少なくとも1の、特に1の前記の第一級および/または第二級カルバメート基、特に第一級カルバメート基
を含有する、
および
(a2)少なくとも1のモノマー、特に少なくとも1のモノマー、これは
(a21)少なくとも1の、特に1の、ラジカルにより、もしくはイオンにより重合可能なオレフィン系不飽和二重結合、および
(a22)少なくとも1の、特に1の、カルバメート基(a12)と反応しない、および二重結合(a21)と重合しない、反応性の官能基
を含有する、
を共重合させ、これにより、コポリマー(a1/a2)が得られ、かつ
II.次の工程で、該コポリマー(a1/a2)を、
(a3)少なくとも1の、特に1の化合物、これは
(a31)少なくとも1の、特に1の、化学線、特にUV線および/または電子線により活性化可能な基および
(a32)少なくとも1の、特に1の、反応性の官能基(a22)に対して相補的な反応性の官能基を含有する、
と反応させ、このことによりコポリマー(A)が得られる。
【0054】
本発明により使用されるモノマー(a1)は、一般式Iの基(a11)を含有する。
【0055】
一般式I中で、基Rは、有利には水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基を表すか、または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表す。特に基Rは、水素原子またはメチル基を表す。
【0056】
本発明により有利に使用されるモノマー(a1)は、一般式Iの基(a11)であり、かつカルバメート基(a12)は、有利には二価の、結合性の、前記の意味で不活性な基(a13)を介して結合している。
【0057】
有利には基(a13)は、
− 少なくとも1の基(a131)により置換されている、および置換されていない、
− 少なくとも1の少なくとも二価の、特に二価のヘテロ原子(a132)を含有する、およびヘテロ原子を含有していない、
− 少なくとも1の少なくとも二価の、特に二価の結合性の官能基(a133)を含有する、および該基を含有しない、
脂肪族、脂環式、芳香族、脂肪族−脂環式、脂肪族−芳香族、脂環式−芳香族および脂肪族−脂環式−芳香族の基からなる群から選択される。
【0058】
適切な基(a131)の例は、前記の基(a1211)である。
【0059】
適切なヘテロ原子(a132)の例は、前記のヘテロ原子(a1212)である。
【0060】
適切な結合性の、官能基(a133)の例は、前記の基(a1213)である。
【0061】
適切な基(a13)の例は、国際特許出願WO03/016411号、第8頁第22行目〜第10頁第18行目から公知である。
【0062】
モノマー(a1)は、通常かつ公知であり、部分的に市販されている製品である。
【0063】
適切なモノマー(a1)の例およびその製造方法は、米国特許
− US3,479,328号第1欄第11行目〜第5欄第30行目、第7欄第19行〜53行目、および第8欄第61行目〜第9欄第6行目および
− US3,674,838号、第1欄第9行目〜第4欄第75行目、および第5欄第20行目〜第6欄第21行目
から公知である。モノマー(a1)であるブチル−N−ウレタン−O−エチルアクリレートは、商品名Ebecryl(登録商標)CL1039でUCB社から市販されている。
【0064】
モノマー(a2)は、ラジカル重合またはイオン重合、つまりカチオンもしくはアニオン重合可能なオレフィン系不飽和二重結合(a21)を有する。
【0065】
適切なオレフィン系不飽和二重結合(a21)の例は、前記の、化学線により活性化可能な炭素−炭素の二重結合(a311)、有利には前記の化学線により活性化可能な基(a31)中に存在する。特にオレフィン系不飽和二重結合(a21)は、(メタ)アクリロイル基および/またはエテニルアリーレン基中に存在する。適切なエテニルアリーレン基の例は、ドイツ特許出願
− DE19948004A1、第8頁第23行目〜第9頁第31行目との関連において第10頁第6〜13行目、
から公知である。特に(メタ)アクリロイル基を使用する。
【0066】
モノマー(a2)は、カルバメート基(a12)と反応しない、および二重結合(a21)と重合しない、反応性の官能基(a22)を有する。「反応しない」とは、基(a22)が、ラジカル重合またはイオン重合の条件下で、および得られるコポリマー(a1/a2)の貯蔵、取り扱いの条件下で、カルバメート基(a12)と反応しないか、または極めて緩慢に反応するにすぎないことを意味する。
【0067】
基本的に、前記の特性プロファイルを有する全ての反応性の官能基が、基(a22)として考慮される。有利には基(a22)は、ヒドロキシル基、チオール基、第一級および第二級アミノ基、酸基、特にスルホン酸基、ホスホン酸基、酸性のスルフェートエステル基、酸性のホスフェートエステル基およびカルボキシル基、エポキシ基、カルボン酸アミド基、カルボニルハロゲン化物基、特にカルボニル塩化物基、アルデヒド官能基またはケトン官能基中のカルボニル基ならびにイソシアネート基からなる群から選択される。特にカルボキシル基またはエポキシ基(a22)が使用される。
【0068】
モノマー(a2)中で、一方ではオレフィン系不飽和二重結合(a21)またはオレフィン系不飽和二重結合(a21)を有する基、および他方では反応性官能基(a22)は相互に直接に、または前記の、特に二価の不活性な結合性の官能基(a13)の1つを介して結合していてもよい。
【0069】
適切なモノマー(a2)の例は、特許出願
− DE19948004A1、第8頁第23行目〜第9頁第40行目、第11頁第33〜48行目、第11頁第65行目〜第12頁第6行目および第12頁第22〜30行目、
− WO03/016411、第22頁第25行目〜第23頁第21行目または
− EP0650970A1、第5欄第10〜39行目、および第6欄第35〜48行目
から公知である。
【0070】
方法工程Iでは、モノマー(a1)および(a2)を共重合し、これによりコポリマー(a1/a2)が得られる。
【0071】
有利にはなお少なくとも1の、別の、モノマー(a1)および(a2)とラジカル共重合またはイオン共重合、有利にはラジカル共重合可能なモノマー(a4)を共重合して、コポリマー(a1/a2)および本発明によるコポリマー(A)の化学的特性プロファイルを有利な方法で、前記の官能基(A41)により変えることができる。
【0072】
有利にはなお少なくとも1の別の、モノマー(a1)および(a2)によりラジカル共重合またはイオン共重合、有利にはラジカル共重合可能な、少なくとも1の前記のオレフィン系不飽和二重結合(a21)を有し、かつ反応性の官能基(a12)、(a22)、(a32)および(a41)を有していないモノマー(a5)を共重合する。特になお少なくとも2のこれらのモノマー(a5)を共重合する。このことにより、本発明によるコポリマー(A)の物理的な特性プロファイル、特にガラス転移温度を有利な方法で変えることができる。
【0073】
適切なモノマー(a4)および(a5)の例は、国際特許出願
− WO03/016411号、第24頁第9行目〜第28頁第8行目
から公知である。
【0074】
本発明による方法の方法工程Iにおけるコポリマー(a1/a2)の製造は、方法論的に特別なところはなく、たとえば特許出願
− WP03/016411号、第29頁第3行目〜第30頁第15行目または
− DE19850210A1、第4頁第48行目〜第5頁第35行目
に記載されているとおりに実施することができる。
【0075】
本発明による方法の方法工程IIでは、コポリマー(a1/a2)を、化合物(a3)と反応させる。
【0076】
化合物(a3)のために適切な、化学線により活性化可能な基(a31)の例は、化学線により活性化可能な結合(a311)を有する前記の、化学線により活性化可能な基である。
【0077】
適切な、反応性の官能基(a22)に対して相補的な反応性の官能基(a32)の例は、特許出願
− WO03/016411号、第26頁第1行目〜第22頁、第18行目、または
− EP0650970A1、第5欄、第10〜39行目および第6欄第35〜48行目
から公知である。有利には相補的な反応性の官能基(a32)は、ヒドロキシル基、チオール基、第一級および第二級アミノ基、N−ヒドロキシアルキルアミノ基、N−アルコキシアルキルアミノ基、酸基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選択される。
【0078】
有利には相補的な反応性の官能基(a22)/(a32)の対として、
− 一方ではヒドロキシル基、チオール基または第一級および第二級アミノ基、および他方ではイソシアネート基、または
− 一方ではアミノ基またはカルボキシル基、および他方ではエポキシ基
を使用する。特に一方ではカルボキシル基および他方では、エポキシ基を使用する。
【0079】
化合物(a3)中で、化学線により活性化可能な基(a31)および反応性の官能基(a32)は、直接相互に、または前記の二価の不活性な結合性の官能基(a13)を介して結合していてもよい。従って、前記のモノマー(a2)は、化合物(a3)として使用することができる。補足的に、欧州特許出願EP0650979A1、第6欄第25〜48行目を参照のこと。
【0080】
特に(メタ)アクリル酸をモノマー(a2)として使用する場合には、グリシジル(メタ)アクリレートを化合物(a3)として使用し、かつその逆にグリシジル(メタ)アクリレートをモノマー(a2)として使用する場合には、(メタ)アクリル酸を化合物(a3)として使用する。
【0081】
方法工程IIで、コポリマー(a1/a2)を、化合物(a3)以外にさらに、前記の化合物(a6)と反応させて、前記の方法で選択された前記の官能基(a41)を本発明によるコポリマー(A)中に導入することができる。
【0082】
方法論的に見れば、コポリマー(a1/a2)と化合物(a3)ならびに場合により化合物(a5)との、本発明による方法の方法工程IIにおけるポリマー類似の反応は、特別なところはなく、有利には前記の出発化合物を適切な混合装置、たとえば攪拌反応器、攪拌ミル、押出機、混練機、ウルトラツラックス、インライン溶解機、スタチックミキサー、マイクロミキサー、歯車式分散装置、放圧ノズルおよび/またはマイクロ流動化装置中で混合することにより行われる。有利にはこの場合、本発明によるコポリマー(A)の早すぎる架橋を防止するために、λ<550nmの波長の光を排除して、または光を完全に排除して作業をする。
【0083】
有利には、方法工程IIのポリマー類似の反応を、0〜200℃、有利には20〜150℃および特に30〜120℃の温度で行う。有利にはこの場合、相補的な反応性の官能基(a22)および(a32)の反応のために通例かつ公知の触媒を使用する。適切な触媒の例は、欧州特許出願EP0650979A1、第6欄、第56行目〜第7欄第7行目に記載されている。特に有利には、ポリマー類似の反応を通例かつ公知の熱架橋およびラジカル重合の防止剤の存在下に実施する。適切な防止剤の例は、欧州特許出願EP0650979A1、第6欄第20〜27行目から公知である。特に有利にはポリマー類似の反応において、当量比(a22):(a32)が0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.3、特に有利には0.8〜1.2であり、かつ特に0.9〜1.1を適用する。
【0084】
得られる本発明によるコポリマー(A)、特に本発明による(メタ)アクリレートコポリマー(A)は、特に広い範囲で適用可能である。たとえばこれらは熱可塑性材料として使用することができる。
【0085】
特に本発明によるコポリマーは、熱および化学線により(デュアル・キュア)硬化可能な材料として、または該材料を製造するために、とりわけ好適であり、その際、該コポリマーは結合剤(Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、「結合剤(Bindemittel)」を参照のこと)の機能を担う。
【0086】
本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料は、変色およびムラを有していないか、またはごくわずかに、つまり技術的に関連しない程度で有しているにすぎない。該材料は極めて良好に加工可能であり、かつ適用可能である。該材料は特に広い範囲で適用可能である。特に該材料は、新規の液状および固体状のデュアル・キュア被覆材料として、特にデュアル・キュアの電着塗料、プライマー、サーフェイサー、プライマーサーフェイサー、ソリッドカラーコート、ベースコートおよびクリアコートとして、特にデュアル・キュアクリアコートとして、またはこれらを製造するために適切である。さらに、該材料は新規のデュアル・キュアの接着剤および封止材料として、新規の接着層および封止を製造するために考慮される。特に該材料は、新規の成形部材および自由支持シートを製造するために適切である。
【0087】
本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料は、たとえばドイツ特許
− DE19709467C1、第4頁第30行目〜第6頁第30行目
または特許出願
− WO03/016411、第33頁第6行目〜第35行目第19行目
− DE19948004A1、第14頁第4行目〜第17頁第5行目または
− DE10048849A1、第5頁段落[0053]〜[0055]
に記載されているような、デュアル・キュア硬化可能な材料の全ての通例かつ公知の成分を含有していてもよい。これらの成分によりその特性プロファイルは、有利な方法で変化させることができる。従ってたとえば本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料は、通例かつ公知の、熱により活性化可能な開始剤、たとえば過酸化物、アゾ化合物およびC−C不安定な化合物、TPPを添加した後に、純粋に熱により硬化させることもできる。
【0088】
本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料の製造は、有利には前記の成分を、適切な混合装置、たとえば攪拌容器、攪拌ミル、押出機、混練機、ウルトラツラックス、インライン溶解機、スタチックミキサー、マイクロミキサー、歯車式分散装置、放圧ノズルおよび/またはマイクロ流動化装置中で混合することにより行う。有利にはこの場合、本発明による材料の早すぎる硬化を防止するために、λ<550nmの光を排除して、または光を完全に排除して作業する。
【0089】
本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料は、種々の凝集状態で存在していてよい。従ってこれらは通例の有機溶剤を含有する材料、水性材料、実質的に、もしくは完全に溶剤不含および水不含の液状材料(100%系)、実質的に、もしくは完全に溶剤不含および水不含の固体の粉末、または実質的に、もしくは完全に溶剤不含の粉末懸濁液(粉末スラリー)であってよい。さらにこれらは、その中に結合剤および架橋剤が相互に存在している一成分系であるか、またはその中で結合剤および架橋剤が、適用の直前まで相互に別々に存在している2成分系もしくは多成分系であってよい。
【0090】
本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料は、有利な適用特性を有する新規の、熱および化学線により硬化した、熱硬化性材料、特に新規の被覆、とりわけ新規の電着コーティング、プライマーコーティング、サーフェイサーコーティングおよび下塗り、ソリッドカラーコーティング、ベースコーティングおよびクリアコーティング、特にクリアコーティング、ならびに新規の接着層、封止、成形部材および自由支持シートを提供する。特に新規の熱硬化性材料、特に新規の被覆は、変色またはムラのような障害を有していないので、技術的および美学的に特に要求の高い使用目的、たとえば自動車の量産用コーティング(OEM)およびラインでの補修を含む自動車の補修用コーティングのために考慮される。
【0091】
本発明による熱硬化性材料を製造するために、本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料は、通例かつ公知の一次的な、もしくは恒久的な支持体上に適用される。
【0092】
有利には本発明によるシートおよび成形部材を製造するために、本発明によるシートおよび成形部材を損傷することなく容易に除去することができる通例かつ公知の一次的な支持体、たとえば金属もしくはプラスチックのバンド、または金属、ガラス、プラスチック、木材もしくはセラミックからなる中空体が使用される。
【0093】
本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料を、本発明による被覆、接着層および封止を製造するために使用するために、恒久的な支持体、たとえば移動手段、特に航空機、船舶、鉄道車両、自動車およびこれらの部材、屋内および屋外領域の建造部材およびこれらの部材、ドア、窓および家具、ガラス中空体、コイル、コンテナおよび包装材料、工業用小部品、光学部材、電子工学部材および機械的な部材ならびにホワイト・ウェア用の部材が使用される。本発明によるシートおよび成形部材は同様に支持体として使用することができる。
【0094】
方法論的に、液状の本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料の適用は、特別なところはなく、通例かつ公知の適用法、たとえば射出塗布、噴霧塗布、ドクターナイフ塗布、刷毛塗り、流し塗り、浸漬塗布、散布塗布またはロール塗布により行うことができる。
【0095】
粉末状の本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料の適用もまた、方法論的に特別なところはなく、たとえば通例かつ公知の、たとえばBASF Coatings AG社の刊行物である「Pulverlacke fuer industrielle Anwendungen」、2000年1月、または「Coatings Partner,Pulverlack Spezial」、1/2000、またはRoempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998年、第187〜188頁、「Elektostatisches Pulverspruehen」、「Elektrostatisches Spruehen」および「Elektrostatisches Wirbelbadverfahren」から公知のような流動層法により行う。
【0096】
適用の際に、本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料の早すぎる架橋を回避するために、化学線の排除下で作業することが推奨される。
【0097】
有利には適用された本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料を、UV線により硬化させる。有利には照射の際に、100〜6000、好ましくは200〜3000、有利に300〜2000および特に有利には500〜1800mJcm-2の線量を使用し、その際、<1700mJcm-2の範囲がとりわけ有利である。
【0098】
その際、放射線強度は、広い範囲で変化することができる。放射線強度は、特に一方では線量により、および他方では照射時間に合わせて適合させる。照射時間は、規定の線量で、照射装置のバンド速度および支持体の前進速度に合わせて、またはその反対にして適合させる。
【0099】
UV放射線のための放射線源として、全ての通例かつ公知のUVランプを使用することができる。フラッシュランプもまた考慮される。
【0100】
有利にはUVランプとして、水銀蒸気ランプ、有利には水銀低圧ランプ、水銀中圧ランプおよび水銀高圧ランプ、特に水銀中圧ランプを使用する。特に有利には、変性されていない水銀蒸気ランプと、適切なフィルターとを使用するか、または変性された、特にドープされた水銀蒸発ランプを使用する。
【0101】
有利には、ガリウムドープされたおよび/または鉄ドープされた、特に鉄ドープされた水銀蒸発ランプ、たとえばR.Stephen Davidson、「Exploring the Science,Technology and Applications of U.V.and E.B.Curing」、Sita Technology Ltd.London、1999年、第I章、「An Overview」、第16頁、図10、またはPeter Klamann工業学士、「eltosch System−Kompetenz, UV−Technik, Leitfaden fuer Anwender」、第2頁、1998年10月に記載されているような水銀蒸気ランプを使用する。この場合、特にドイツ特許出願DE10202565A1に記載されている分光分布を有するUV線を使用する。
【0102】
適切なフラッシュランプの例は、VISIT社のフラッシュランプである。
【0103】
適用された本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料のUV線源の間隔は、意外にも広い範囲で変化してよく、従って個別の事例の要求に極めて良好に適合させることができる。有利にはこの間隔は、2〜200cm、好ましくは2〜100cm、特に有利には2〜50cmおよびとりわけ2〜30cmである。その配置はさらに、支持体の性質および方法パラメーターに合わせて適合させることができる。複雑な形状の支持体、たとえば自動車の車体のためのような支持体の場合、直接に放射線が到達しない領域(影領域)、たとえば中空、溝およびその他の構造により条件付けられるアンダーカットは、点照射、小面積照射または回転照射を、中空部またはエッジの照射のための自動化された移動装置と組み合わせて用いて硬化させることができる。
【0104】
照射は酸素が低減された雰囲気中で実施することができる。「酸素が低減された」とは、該雰囲気の酸素の含有率が、空気の酸素含有率(20.95体積%)よりも少ないことを意味する。該雰囲気は基本的に酸素不含であってもよい、つまり不活性ガスであってもよい。しかしこれは、酸素の妨害作用がないため、放射線硬化の著しい促進をもたらし、これにより本発明による熱硬化性材料中の不均一性および応力が生じる可能性がある。従って、雰囲気の酸素含有率は、0体積%まで低下させないことが有利である。
【0105】
熱による効果は本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料の場合、たとえば気体状の、液状の、および/または固体の、高温媒体、たとえば熱い空気、加熱された油または加熱されたローラーを用いて、あるいはマイクロ波照射、赤外光および/または近赤外光(NIR)を用いて行うことができる。有利には加熱は換気炉中で、またはIRランプおよび/またはNIRランプを用いた照射により行う。化学線による硬化の場合のように、熱による効果もまた、段階的に行うことができる。有利には熱による効果は、室温〜200℃の温度で行う。
【0106】
硬化のために近赤外線(NIR)を使用する場合、デュアル・キュア硬化は、1つの工程で行うことができる(たとえば米国特許US6,432,490B1を参照のこと)。
【0107】
熱による硬化も、化学線による硬化も、段階的に実施することができる。この場合、これらを前後させて(連続的に)または同時に行うことができる。連続的な硬化の場合、本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料は、まず熱により、および次いで化学線により、あるいはまず化学線により、および次いで熱により硬化させることができる。全ての硬化工程を複数回実施することもできる。
【0108】
生じる本発明によるシート、成形部材、被覆、接着層および封止は、移動手段、たとえば航空機、船舶、鉄道車両、自動車およびこれらの部材、屋内および屋外領域における建造材料およびこれらの部材、ドア、窓および家具、ガラス中空球、コイル、コンテナおよび包装材料、工業用の小部品、たとえばナット、ネジ、リムまたはホールキャップ、電気工学部品、たとえば巻成体(スプルー、固定子、回転子)、光学部材、機械部材ならびにホワイト・ウェア、たとえばラジエーター、家庭用機器、冷蔵庫被覆材または洗濯機被覆材、接着、封止、カプセル化および包装のために好適である。
【0109】
しかし特に本発明によるデュアル・キュア硬化可能な材料は、本発明による被覆材料として、有利には本発明によるトップコートまたはクリアコートとして、特に本発明によるクリアコートとして、新規の着色および/または効果を付与する、導電性の、電磁遮蔽性の、または蛍光の多層コーティングの製造のために、特に着色および/または効果を付与する多層コーティングの製造のために使用される。本発明による多層コーティングを製造するために、通例かつ公知のウェット・オン・ウェット法および塗料構造を適用することができるが、これらはたとえばドイツ特許出願DE19948004A1、第17頁第37行目〜第18頁第2行目、第18頁第36〜50行目、および第18頁第66行目〜第19頁第3行目に記載されている。
【0110】
得られる本発明によるクリアコーティングは、本発明による多層コーティングの最も外側の層であり、これは本質的に光学的な全体の印象(外観)を決定し、かつ着色および/または効果を付与する層を機械的および化学的な損傷および放射線による損傷から保護するものである。従って、クリアコーティングの場合、硬度、耐引掻性、耐薬品性における欠陥および黄変に対する安定性も、特に極めて顕著である。しかしたとえば本発明によるクリアコーティングは、わずかな黄変を有するのみである。該コーティングは耐引掻性が高く、かつ引っ掻き後に、極めてわずかな光沢の損失を有するのみである。該コーティングは同時に、高い硬度を有する。特にこれらは特に高い耐薬品性を有し、かつ極めて強固に着色および/または効果を付与する層上に付着する。従ってこれらは、たとえば欧州特許EP0352298B1、第15頁第42行目〜第17頁第40行目に定義されているような、いわゆる自動車品質を有している。
【0111】
総じて本発明による被覆により被覆された、本発明による接着層により接着された、本発明による封止により封止された、および/または本発明によるシートおよび/または成形部材により包囲された、もしくはカプセル化された本発明による支持体は、優れた耐久性および特に長い耐用期間を有する。
【0112】
実施例
メタクリレートコポリマー(A)の製造
攪拌機、還流冷却器および開始剤供給部、モノマー供給部および窒素導入管を備えた加熱可能な特殊鋼反応器中に、ソルベントナフサ(登録商標)18.54質量部を装入し、かつ撹拌下に158℃に加熱した。この温度で、開始剤供給流(=ジ−t−ブチルペルオキシド2.95質量部およびソルベントナフサ(登録商標)0.48質量部からなる混合物)の開始後15分で、スチレン9.41質量部、ブチル−N−ウレタン−O−エチルアクリレート11.41質量部、ブチルメタクリレート7.44質量部、グリシジルメタクリレート15.4質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート2.62質量部およびメチルメタクリレート10.77質量部からなるモノマー混合物を、4時間で同時に計量供給した。開始剤供給流は4.75時間で均一に計量供給した。反応混合物の温度は、この時間の間、徐々に135℃に低下した。開始剤供給の終了後、開始剤含有率が<0.2質量%となるまで、この温度で後重合させたが、これは一般に約9時間後であった。引き続き、得られるメタクリレートコポリマーの溶液(a1/a2)を、100℃に冷却し、かつソルベントナフサ(登録商標)20.98質量部で希釈した。該溶液は、60.9質量%の固体含有率を有する(135℃/1時間)。
【0113】
攪拌機、還流冷却器、供給容器およびリーンな空気のための導入管を備えた加熱可能な特殊鋼反応器中に、固体樹脂88.29質量部に相応するメタクリレートコポリマー(a1/a2)の溶液155質量部、市販の触媒(Rutherford Chemicals社のCoscat(登録商標))0.1質量部およびメチルヒドロキノン0.12質量部を装入し、かつ撹拌下で120℃に加熱した。この温度でアクリル酸11.49質量部を1時間で均一に計量供給した。供給の終了後に、反応混合物をさらに、酸価が4mgKOH/gより低くなるまで120℃に加熱した。
【0114】
得られるメタクリレートコポリマー(A)の溶液は、67.6質量%の固体含有率(135℃/1時間)および23℃で474dPasの粘度(当初)を有していた。該メタクリレートコポリマー(A)は、113mgKOH/gの理論ヒドロキシル価および4.51質量%の理論二重結合含有率(>C=Cとして計算、24ダルトン)を有していた。
【0115】
メタクリレートコポリマー(A)は、デュアル・キュア硬化可能なクリアコートとして好適であった。さらに、デュアル・キュア硬化可能なクリアコートの結合剤として好適であった。これらは、カルバメート基によるのみでなく、ヒドロキシル基によっても熱架橋することができるという特別な利点を有していた。従ってこれらは極めて広い範囲で変化し、かつ種々の要求に最適に適合させることができた。
【0116】
ここから製造される、熱およびUV線もしくは電子線により硬化したクリアコーティングは、優れた適用技術的な特性プロファイルを有していた。特にこれらは清澄で、輝きがあり、光沢が高く、強固に付着し、塗料欠陥、たとえばクレーター、ムラ、応力亀裂および流れを有しておらず、耐摩耗性であり、耐引掻性であり、フレキシブルであり、硬質であり、耐薬品性であり、湿分抵抗性であり、耐候性であり、かつ耐食性であった。従ってこれらは容易に欧州特許EP0352298B1、第15頁第42行目〜第17頁第40行目に定義されている自動車品質を達成した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
I.第一の方法工程で、
(a1)少なくとも1のモノマー、これは
(a11)少なくとも1の一般式I:
CH2=C(R)C(O)−O− (I)
[式中、変項Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基を表すか、または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す]の基および
(a12)少なくとも1の第一級および/または第二級カルバメート基
を含有する、
および
(a2)少なくとも1のモノマー、これは
(a21)少なくとも1の、ラジカルにより、もしくはイオンにより重合可能なオレフィン系不飽和二重結合、および
(a22)少なくとも1の、カルバメート基(a12)と反応しない、および二重結合(a21)と重合しない、反応性の官能基
を含有する、
を共重合させ、これにより、コポリマー(a1/a2)が得られ、かつ
II.次の工程で、該コポリマー(a1/a2)を、
(a3)少なくとも1の化合物、これは
(a31)少なくとも1の、化学線により活性化可能な基および
(a32)少なくとも1の、反応性の官能基(a22)に対して相補的な反応性の官能基を含有する
と反応させ、このことによりコポリマー(A)が得られる
ことにより製造することができる、側方の、第一級および/または第二級カルバメート基(a12)、および化学線により活性化可能な基(a31)を有するコポリマー(A)。
【請求項2】
コポリマー(A)が、(メタ)アクリレートコポリマーであることを特徴とする、請求項1記載のコポリマー(A)。
【請求項3】
化学線により活性化可能な基(a31)が、UV線および/または電子線により活性化可能であることを特徴とする、請求項1または2記載のコポリマー(A)。
【請求項4】
モノマー(a1)が、一般式Iの基(a11)および第一級または第二級カルバメート基(a12)を含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のコポリマー(A)。
【請求項5】
モノマー(a1)中で、一般式Iの基(a11)が、二価の結合性の不活性の基(a13)を介してカルバメート基(a12)と結合していることを特徴とする、請求項4記載のコポリマー(A)。
【請求項6】
基(a13)が、
− 少なくとも1の基(a131)により置換されている、および置換されていない、
− 少なくとも1の少なくとも二価のヘテロ原子(a132)を含有する、およびヘテロ原子を含有していない、
− 少なくとも1の少なくとも二価の結合性の官能基(a133)を含有する、および該基を含有しない、
脂肪族、脂環式、芳香族、脂肪族−脂環式、脂肪族−芳香族、脂環式−芳香族および脂肪族−脂環式−芳香族の基からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項5記載のコポリマー(A)。
【請求項7】
モノマー(a2)が、ラジカル重合可能な、オレフィン系不飽和二重結合(a21)を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のコポリマー(A)。
【請求項8】
モノマー(a2)が、カルバメート基(a12)と反応しない、および二重結合(a21)と重合しない、反応性の官能基(a22)を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のコポリマー(A)。
【請求項9】
反応性の官能基(a22)が、ヒドロキシル基、チオール基、第一級および第二級アミノ基、酸基、エポキシ基、カルボン酸アミド基、カルボニルハロゲン化物基、アルデヒド官能基もしくはケトン官能基中のカルボニル基およびイソシアネート基からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のコポリマー(A)。
【請求項10】
化合物(a3)が、化学線により活性化可能な基(a31)を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のコポリマー(A)。
【請求項11】
化学線により活性化可能な基(a31)が、少なくとも1の、化学線により活性化可能な結合(a311)を有する基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のコポリマー(A)。
【請求項12】
化学線により活性化可能な結合(a311)が、炭素−水素の単結合、炭素−炭素、炭素−酸素、炭素−窒素、炭素−リンおよび炭素−ケイ素の単結合および二重結合ならびに炭素−炭素の三重結合からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項11記載のコポリマー(A)。
【請求項13】
化学線により活性化可能な結合(a311)が、炭素−炭素の二重結合であることを特徴とする、請求項12記載のコポリマー(A)。
【請求項14】
化学線により活性化可能な基(a31)が、(メタ)アクリレート基、エタクリレート基、クロトネート基、シンナメート基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、エテニルアリーレン基、ジシクロペンタジエニル基、ノルボルネニル基、イソプレニル基、イソプレニル基、イソプロペニル基、アリル基およびブテニル基、エテニルアリーレンエーテル基、ジシクロペンタジエニルエーテル基、ノルボルネニルエーテル基、イソプレニルエーテル基、イソプロペニルエーテル基、アリルエーテル基およびブテニルエーテル基、ならびにエテニルアリーレンエステル基、ジシクロペンタジエニルエステル基、ノルボルネニルエステル基、イソプレニルエステル基、イソプロペニルエステル基、アリルエステル基およびブテニルエステル基からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項記載のコポリマー(A)。
【請求項15】
化学線により活性化可能な基(a31)が、(メタ)アクリレート基であることを特徴とする、請求項14記載のコポリマー(A)。
【請求項16】
化合物(a3)が、反応性の官能基(a22)に対して相補的な反応性の官能基(a32)を含有することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載のコポリマー(A)。
【請求項17】
相補的な、反応性の官能基(a32)が、ヒドロキシル基、チオール基、第一級および第二級アミノ基、N−ヒドロキシアルキルアミノ基、N−アルコキシアルキルアミノ基、酸基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項16記載のコポリマー(A)。
【請求項18】
第二級カルバメート基(a12)の窒素原子が、
− 少なくとも1の基(a1211)により置換されている、および置換されていない、
− 少なくとも1の少なくとも二価のヘテロ原子(a1212)を含有する、およびヘテロ原子を含有していない、
− 少なくとも1の少なくとも二価の結合性の官能基(a1213)を含有する、および該基を含有しない
アルキルアリール−、アリールアルキル−、アルキルシクロアルキル−、シクロアルキルアルキル−、アリールシクロアルキル−、シクロアルキルアリール−、アルキルシクロアルキルアリール−、アルキルアリールシクロアルキル−、アリールシクロアルキルアルキル−、アリールアルキルシクロアルキル−、シクロアルキルアルキルアリール−およびシクロアルキルアリールアルキル−基からなる群から選択される一価の基(a121)により置換されており、その際、ハイフンはそのつど、1の基の炭素原子とカルバメート基の窒素原子との間の共有結合を表していることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載のコポリマー(A)。
【請求項19】
請求項1から18までのいずれか1項記載の、側方の、第一級および/または第二級カルバメート基(a12)、および化学線により活性化可能な基(a31)を有するコポリマー(A)を製造する方法において、
I.第一の方法工程で、
(a1)少なくとも1のモノマー、これは
(a11)少なくとも1の一般式I:
CH2=C(R)C(O)−O− (I)
[式中、変項Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基を表すか、または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す]の基および
(a12)少なくとも1の第一級および/または第二級カルバメート基
を含有する、
および
(a2)少なくとも1のモノマー、これは
(a21)少なくとも1の、ラジカルにより、もしくはイオンにより重合可能なオレフィン系不飽和二重結合、および
(a22)少なくとも1の、カルバメート基(a12)と反応しない、および二重結合(a21)と重合しない、反応性の官能基
を含有する、
を共重合させ、これにより、コポリマー(a1/a2)が得られ、かつ
II.次の工程で、該コポリマー(a1/a2)を、
(a3)少なくとも1の化合物、これは
(a31)少なくとも1の、化学線により活性化可能な基および
(a32)少なくとも1の、反応性の官能基(a22)に対して相補的な反応性の官能基を含む
と反応させ、このことによりコポリマー(A)が得られる
ことを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項記載の、側方の、第一級および/または第二級カルバメート基(a12)、および化学線により活性化可能な基(a31)を有するコポリマー(A)の製造方法。
【請求項20】
請求項1から18までのいずれか1項記載の、側方の、第一級および/または第二級カルバメート基および化学線により活性化可能な基を有するコポリマー(A)、および請求項19記載の方法により製造された側方の、第一級および/または第二級カルバメート基および化学線により活性化可能な基を有するコポリマー(A)の、熱および化学線により硬化可能な材料としての、または該材料を製造するための使用。
【請求項21】
熱および化学線により硬化可能な材料が、デュアル・キュア被覆材料であることを特徴とする、請求項20記載の使用。
【請求項22】
前記デュアル・キュア被覆材料が、デュアル・キュアクリアコートであることを特徴とする、請求項21記載の使用。
【請求項23】
前記デュアル・キュア硬化可能な材料を、デュアル・キュア硬化した熱硬化性材料の製造のために使用することを特徴とする、請求項20から22までのいずれか1項記載の使用。

【公表番号】特表2009−501817(P2009−501817A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521874(P2008−521874)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007058
【国際公開番号】WO2007/009750
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】