充填ポートを持つ汚染物の抑制フィルタ
【発明の要約】
ディスクドライブ収容器などの電子機器の封入容器中に、ハウジングと、密封された多孔性および非多孔性空間の両方とを、汚染物の抑制媒体で充填するフィルタ、方法および装置を開示する。1つの実施例では、フィルタアセンブリは、汚染物の抑制媒体を収容するために構成された内部空洞と、内部空洞と連結する充填部と、内部空洞と連絡する開口部と、開口部を少なくとも部分的に被覆するフィルタ媒体と、内部空洞を占める汚染物の抑制媒体とを有する。内部空洞に負圧を生成し、汚染物の抑制媒体を充填ポートを通って内部空洞に配置する。部分的に真空にすることは、汚染物の抑制媒体が内部空洞へ移動するのを容易にし、フィルタと、ハウジングと、他のゆるやかな方法に共通する作業空間の汚染を最小にする。他の態様と実施例とを本明細書に記載する。
ディスクドライブ収容器などの電子機器の封入容器中に、ハウジングと、密封された多孔性および非多孔性空間の両方とを、汚染物の抑制媒体で充填するフィルタ、方法および装置を開示する。1つの実施例では、フィルタアセンブリは、汚染物の抑制媒体を収容するために構成された内部空洞と、内部空洞と連結する充填部と、内部空洞と連絡する開口部と、開口部を少なくとも部分的に被覆するフィルタ媒体と、内部空洞を占める汚染物の抑制媒体とを有する。内部空洞に負圧を生成し、汚染物の抑制媒体を充填ポートを通って内部空洞に配置する。部分的に真空にすることは、汚染物の抑制媒体が内部空洞へ移動するのを容易にし、フィルタと、ハウジングと、他のゆるやかな方法に共通する作業空間の汚染を最小にする。他の態様と実施例とを本明細書に記載する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ構造物、フィルタ構造物を製造する装置およびフィルタ構造物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国以外の全ての国を指定国とする出願人である米国国内企業であるドナルドソン会社と、米国のみを指定国とする出願人である米国人であるダニエル・エル・トゥーマとの名において、2008年7月11日にPCT国際特許出願として出願されたものであり、2007年7月13日に出願された「充填ポートを持つ汚染物の抑制フィルタ」と名付けられた米国特許出願第60/949,840号の優先権を主張するものであり、その内容は本明細書中に引用により合体される。
【0003】
汚染物の抑制および再循環フィルタには、電気機器における使用を含むさまざまな用途がある。コンピュータ工業では、汚染物の抑制および再循環フィルタは、電子部品を微粒子とガス状汚染物から保護するために電子デバイスの封入容器中で使用される。例えば、ディスクドライブは、水蒸気、有機蒸気、およびガス放出を含む汚染物からドライブ部品とディスクを保護するために、しばしばディスクドライブ封入容器内に汚染物の抑制および再循環フィルタを含んでいる。そのような保護がないと、これらの汚染物は、付着、腐食、および、ある場合には、ディスクドライブの故障を起こし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,077,335号明細書
【特許文献2】米国特許第5,876,487号明細書
【特許文献3】米国特許第6,146,446号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
汚染物の抑制および再循環フィルタは、しばしば、様々な形状に低充填された汚染物の抑制物(米国特許第6,077,335参照)かまたは、圧縮成形された汚染物の抑制物を有する(例えば、米国特許第5,876,487号または第6,146,446号参照)。これらの構成物は、しばしば異なる利点と欠点を示す。一般に、低充填された汚染物の抑制媒体は、圧縮成形されたものより安価である。しかしながら、低充填された汚染物の抑制媒体は、顆粒状あるいはビーズ状の特性により手で扱うことが困難であり、クリーンルームの汚染、フィルタハウジングの汚染、および低充填した汚染物の抑制媒体の充填後に溶接を必要とする表面を汚染する場合がある。圧縮成形された汚染物の抑制物は、一般に、手で扱うのが簡単であり、クリーンルーム環境下で使用するためにより清潔なものである。しかしながら、圧縮成形物は、かなり高価であり、費用と作業時間を増やす製造工程が必要であり、汚染物を吸着するのはあまり効率的でない。これらの課題を解決するための新しいフィルタデザインが、明らかに望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明は、一般に、ハードディスクドライブなどの電子機器の封入容器中に配置する吸着剤または再循環フィルタ、汚染物の抑制媒体を含むフィルタの充填方法、および充填を実現する装置に関する。
【0007】
実施例では、本発明は、フィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法を含む。本方法は、内部空洞と、前記内部空洞と連結する少なくとも1つの充填ポートと、開口部を少なくとも部分的に覆うフィルタ媒体を持つ前記開口部と、を有するハウジングを供給する工程と、汚染物の抑制媒体を供給する工程と、空気が前記充填ポートを通って流れるために、部分的な真空を前記フィルタ媒体にかけることによって前記内部空洞内を負圧にする工程と、前記汚染物の抑制媒体を前記内部空洞内に吸引する工程とを有する。また、部分的に真空にすることは、吸着剤を吸い込むことに加えて、吸着剤を取り扱う間あるいは空洞を充填する間に発生するほこりが飛散して製造ルームを汚染するのを防ぐ。フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことができ、汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質と中和物質とを含むことができる。フィルタアセンブリは、電子機器の封入容器に挿入されるように構成することができる。
【0008】
実施例では、本発明は、多孔性のフィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法を含む。本法は、フィルタ媒体によって少なくとも部分的に形成された多孔性の容器を提供する工程と、汚染物の抑制媒体を供給する工程と、前記多孔性の容器を部分的に真空にする工程と、部分的な真空下で前記汚染物の抑制媒体を前記多孔性の容器に吸引する工程とを有する。フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことができ、汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質と中和物質とを含むことができる。多孔性の容器は、フィルタバッグあるいは鋳込み成形したハウジングを含むことができ、フィルタアセンブリは、電子機器の封入容器に挿入するように構成することができる。
【0009】
実施例では、本発明は、電子機器の封入容器中で使用するためのフィルタアセンブリを含む。フィルタアセンブリは、汚染物の抑制媒体を収容するように構成された前記ハウジング内の内部空洞と、前記内部空洞に連結する少なくとも1つの充填ポートと、前記開口部を少なくとも部分的に被覆するフィルタ媒体とを有するハウジングを含む。前記汚染物の抑制媒体は前記内部空洞内を占有する。フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことができ、汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質と中和物質とを含むことができる。フィルタアセンブリは、電子機器の封入容器に挿入するように構成することができる。
【0010】
実施例では、本発明は、汚染物の抑制媒体の供給装置を含む。供給装置は、汚染物の抑制媒体を保持するように構成された保持ユニットと、前記汚染物の抑制媒体を密封空間に充填するように構成されたアセンブリと、前記汚染物の抑制媒体の前記密封空間への移動を容易にしかつ充填の間に生成したダスト(エーロゾル)の飛散を防ぐために前記密封空間に負圧を生成するデバイスと、を有する。
【0011】
本発明の概要は、本願のいくつかの教示を単に概説するものであり、本発明の開示された各実施例または全ての実施について記載することを意図していない。更なる実施例は、図、詳細な説明、および特許請求の範囲で見い出すことができる。本発明の範囲は、付属の特許請求範囲およびそれらと法的な同等物によって決定されるべきである。
【0012】
本発明は、以下の図面と関連してより完全に理解することができる。
【0013】
本発明は、様々な変形と代替形態が可能であり、その特別のものを、実施例と図面によって示し、詳細に記載する。しかしながら、本発明は、記載された特別の実施例に限定されるものではないことを理解すべきである。これに対して、本発明は、本発明の趣旨と範囲から逸脱しない変形、同等物、および代替物を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に基づくフィルタアセンブリの1つの実施例の斜視図である。
【図2】図1のフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。
【図3】図1のフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図4】図1のフィルタアセンブリの側面図である。
【図5】図2の線A−A’に沿ったフィルタアセンブリの概略的な断面図である。
【図6】フィルタアセンブリ用ハウジングの逆さの断面図であり、汚染物の抑制媒体を充填する前の図である。
【図7】フィルタ用ハウジングに汚染物の抑制媒体の充填装置の概略図であり、充填装置が汚染物の抑制媒体の供給源とハウジングの表面を真空にする連結デバイスとを含む図である。
【図8】図6のフィルタアセンブリ用ハウジングを取り付けた図7の汚染物の抑制媒体の充填装置を示す図であり、ハウジングを充填装置に取り付けているが、汚染物の抑制媒体をハウジングに充填する前の図である。
【図9】図6のフィルタアセンブリ用ハウジングを取り付けた図7の汚染物の抑制媒体の充填装置を示す図であり、汚染物の抑制媒体の一部をハウジングに充填している図である。
【図10】図6のフィルタアセンブリ用ハウジングを取り付けた図7の汚染物の抑制媒体の充填装置を示す図であり、ハウジングを汚染物の抑制媒体で充填した図である。
【図11】ハウジングを汚染物の抑制媒体の充填装置から除去した後の図6〜10のフィルタアセンブリ用ハウジングを示す図である。
【図12A】開放ライナを持つ取付ラベルを加えて、ハウジングの充填ホールを閉じた後の図6〜11のフィルタアセンブリ用ハウジングを示す図である。
【図12B】図12Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図13】フィルタアセンブリを電子機器の封入容器に取り付けた図6〜図12のフィルタアセンブリ用ハウジングを示す図である。
【図14A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、充填ホールをブリーザホールとして使用する構成を示す図である。
【図14B】図14Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図15A】代替のフィルタアセンブリを示す図であり、充填ホールを完全にシールし、フィルタアセンブリがブリーザホールを含まない図である。
【図15B】図15Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図16A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、充填ホールをフィルタアセンブリの側部に配置した図である。
【図16B】図16Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図17A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、フィルタ媒体をフィルタアセンブリの2つの側部に配置した図である。
【図17B】図17Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。
【図18A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、フィルタ媒体と充填ポートをフィルタアセンブリの同じ側部に配置した図である。
【図18B】図17Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。
【図19A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、フィルタ媒体と充填ポートをフィルタアセンブリの同じ表面に配置し、さらにブリーザホールの上方上にスクリムを有する図である。
【図19B】拡散流路を含むフィルタアセンブリの側部断面図である。
【図19C】図19Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。
【図20】代替のフィルタアセンブリの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、例えば、空気や他のガスなどの流体を濾過するフィルタ、フィルタの製造方法、フィルタの使用方法に応用できる。フィルタ構造物は、さまざまなプロセスで、ディスクドライブハウジングなどの電子機器の封入容器内の汚染物を減少させることができる。ディスクドライブハウジングの汚染を低減、除去または防ぐための1つのプロセスは、ディスクドライブハウジング(または、他のデバイス)の外側領域からディスクドライブハウジングに入る汚染物を減少または除去する工程である。このために、フィルタ構造物のブリーザ(通気管)の実施例は構成されている。ディスクドライブハウジング内から汚染物を減少、除去または防ぐための第2のプロセスは、ディスクドライブハウジング雰囲気に存在する汚染物を減少または除去することである。この目的のために、フィルタ構造物の再循環の実施例を構成することができる。さらに、吸着剤アセンブリはドライブ内部から汚染物を除去するために使用することができる。吸着剤アセンブリは、汚染物の抑制媒体を含み、電子機器の封入容器内に配置されているが、再循環機能を有しておらず、ブリーザホールによって電子機器の封入容器の外部と連通していない。しかしながら、吸着剤アセンブリは、それでもドライブ内部から汚染物を除去することができる。
【0016】
1つの実施例では、本発明は、フィルタアセンブリを最小量の外部汚染で満たされるように、部分的に真空にしてフィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法を含む。実施例では、充填方法は、内部空洞と、前記内部空洞と連結する少なくとも1つの充填ポートと、開口部を少なくとも部分的に覆うフィルタ媒体を持つ前記開口部とを有するハウジングを提供する工程を含む。多孔性のフィルタ媒体の外側を部分的に真空にすることによって、前記充填ポートを通る空気が生成し、この空気流は、汚染物の抑制媒体の吸引を補助し、ダストが充填ホールから飛散するのを防ぐ。フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことができ、汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質と中和物質とを含むことができ、フィルタアセンブリは電子機器の封入容器へ挿入するように構成することができる。
【0017】
フィルタ構造物は、一般に、微粒子あるいは固体除去エレメントと、汚染物の抑制エレメントとを含んでいる。微粒子あるいは固体除去エレメントは、ポリマー、不織布物質、ファイバ、紙、および同等物などのろ過物質を含むが、これらに限定されない。例示の汚染物の抑制エレメントは、吸着性の物質、中和物質、および同等物を含むが、これらに限定されない。さらにあるいは代替物として、フィルタ構造物がブリーザフィルタとして使用するとき、汚染物の電子機器の封入容器への侵入を制限するために、拡散通路などのねじれたあるいは伸びた流路を使用することができる。
【0018】
本発明の様々な態様が図面を参照して以下に議論する。図1と図2を参照すると、本発明の1つの実施例は、頂部20、基部30、側壁24、および頂部20に固定されたフィルタ媒体50を持つハウジング40を含むフィルタアセンブリ10を含む。図1と図2は、一般に筒状としてハウジング40を図示するが、様々な実施例がフィルタアセンブリ10の様々な形状と大きさを画定する複数の側壁を含むことを理解される。例えば、ハウジング40は、長方形、楕円形、正方形、三角形、あるいは一般にいかなる所望の形状でもあり得る。
【0019】
多くの応用では、ハウジングは特定の電子機器の封入容器用にカスタマイズされるように構成されており、ハウジングは封入容器中の他のデバイスを妨害しないで封入容器の適切な部分内に適合している。例えば、ディスクドライブアセンブリ中に配置される場合、ハウジング40を持つフィルタアセンブリ10は、ディスクドライブの回転盤および読み出し/書き込みヘッドの接触を避け、かつ好ましくない空気の乱流の発生を避けるために、可動部に十分なすきまを可能にしなければならない。本発明の利益の1つは、フィルタアセンブリ10のさまざまな形状と大きさが異なるアセンブリ構成物に対して最小の再編成で製造することを可能にすることである。
【0020】
図1と図2は、一般に、円形形状が頂部20の大部分を覆うようなフィルタ媒体50を示すが、フィルタ媒体50はいかなる形状でもある得るし、フィルタアセンブリ10は、異なる大きさ、面積、および寸法(1つまたはそれ以上の側壁と基部30を含む)を含み得ることが理解される。フィルタ媒体50は、鋳込み成形、溶接、接着剤、機械的結合、および同等物を含むさまざまな方法で固定することができることが理解される。
【0021】
図3は、図1と図2に示すフィルタアセンブリの実施例の底部からの平面図である。フィルタアセンブリ10の基部30は、充填ポート60(点線の円で示される)を画定する。充填ポート60は、ハウジング40の内部空洞を汚染物の抑制媒体90(図5で示す)で充填するために使用される。ハウジング40の内部空洞を充填した後に、充填ポート60をシールすることができる。本発明の1つの実施例では、充填ポート60は接着剤を取り付けたラベル70でシールされる。
【0022】
取付ラベル70は、図1、2、3、4、5で示される本発明の実施例で2つの目的を提供する。取付ラベル70は、電子機器の封入容器中で充填ポート60をシールしフィルタアセンブリ10を保持する。例えば、取付ラベル70は、接着剤を両面に配置した接着剤キャリヤを含む両面接着膜であってもよい。実施例では、取付ラベル70は、製造中に充填ポート60をシールし、その後、フィルタアセンブリ10を固定して、ハードディスクドライブの内壁などの取付表面に固定することができる。接着剤キャリヤは、通常は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、またはポリ塩化ビニル膜などのポリマー膜である。適切な接着剤は、エポキシ、樹脂、感圧接着剤、熱溶融接着剤、溶液型接着剤、乳剤型接着剤、および接触接着剤を含むが、これらに限定されない。適切な接着剤の1つの実施例は、3M社(ミネソタ州セントポール)製の3M502FL接着剤である。
【0023】
また、充填ポート60は、すべりばめプラグ(snug fit plugs)、フィルタ媒体、超音波溶接、および同等物を含むさまざまな方法でシールすることができることが理解される。取付ラベル70が使用されない場合、追加の接着性媒体を必要としてもよい。または、代替手段で、フィルタアセンブリ10は、限定無しにクリップ、フレーム、溶接、または同等物を含む機械的技術によって電子機器の封入容器で保持することができる。図3は、一般に円形形状として充填ポート60を示すが、充填ポート60はどんな形状であってもよいことが理解される。
【0024】
また図3を参照すると、本発明の図示された実施例では、フィルタアセンブリ10の基部30は、ブリーザポート80を画定する。ブリーザポート80は、電子機器の封入容器外側の外部からの流体の流れが電子機器の封入容器へ入るのを可能にする。ブリーザポート80は、空気流がフィルタアセンブリ10を出る前に、フィルタハウジング40の内部空洞中に配置された汚染物の抑制媒体90と接触するのを可能する。図3は、一般に円形形状としてブリーザがポート80を示しているが、ブリーザポート80はどんな形状のものでもあり得ることが理解される。また、本明細書に図示されていないが、ブリーザポートは、基部70中に成形された、または、1つまたはそれ以上の薄膜で形成された、または、フィルタアセンブリ10を最終的に取り付ける表面(ディスクドライブの内壁など)に形成された拡散通路に接続されている。
【0025】
図4は、図1、図2、図3に示す本発明の実施例の概略を示す側面図である。取付ラベル70を本発明の1つの実施例の基部30上に見ることができる。
【0026】
図5は、図2の線A−A’に沿って得られる図1〜4に示された本発明の実施例の断面図である。フィルタ媒体50は、頂部20に固定されている。ハウジング40の基部30は、取付ラベル70によってシールでされた充填ポート60を画定し、ハウジング40の基部30は、取付ラベル70と協働してブリーザポート80を画定するのを補助する。また、ハウジング40は、汚染物の抑制媒体90が充填ポート60を通って配置される内部空洞を画定する。汚染物の抑制媒体90は、図示された実施例中でブリーザポート60を通って飛散しないような十分な大きさ、形状または組成物であることが理解される。したがって、例えば、ブリーザポートが直径2mmであるなら、直径3mm(または少なくとも直径2mmより大きい)の汚染物の抑制媒体を使用することが好ましい。代替手段で、スクリムあるいは他の物質は、汚染物の抑制媒体の飛散を防ぐためにブリーザポートの内部あるいは外部上に配置することができる。以下に、汚染物の抑制媒体の更なる詳細な説明を記載する。
【0027】
図6は、ハウジングを汚染物の抑制媒体で充填する前の本発明の1つの実施例の逆さの断面図である。フィルタアセンブリ110は、頂部120、基部130、側壁124、および頂部20に固定したフィルタ媒体150を持つハウジング140によって画定される。ハウジング140の基部130は、充填ポート160とブリーザポート180を画定する。
【0028】
図7〜図10は、汚染物の抑制媒体をフィルタアセンブリのハウジングに充填する充填装置の1つの実施例の概略図であり、作動機構を示す図である。充填装置191は、充填ユニット192に配置された汚染物の抑制媒体190を含む。充填装置191はさらに、フィルタアセンブリ110のハウジング140が配置される充填ステーション194を含む。充填ステーション194は、また、フィルタ媒体150を含むハウジング140の表面を通って真空に吸引することができ、したがって、さらに真空発生装置を含む。充填ステーション194は、ハウジング140を充填ステーション194に取り付けるための、およびフィルタ媒体150を含むハウジング140の表面を通って部分的に真空に吸引するのに充分なシールを容易に形成するための、接続デバイス196を含む。
【0029】
図8は、充填ステーション194が図6で示すフィルタアセンブリ110のハウジング140によって占められている充填装置191を示す。充填ユニット192は、基部130の充填ポート160でハウジング140と係合し、ハウジング140の内部空洞に汚染物の抑制媒体190を充填することができる。フィルタ媒体150を通る部分的な真空によって吸引して汚染物の抑制媒体190の送出を容易にする。真空発生装置は、充填ステーション194に連結され、充填ステーション194に配置された接続デバイス196により、フィルタ媒体150を通って真空に吸引するシールを容易にする。この実施例では、充填ユニット192がブリーザポート180をシールし、ブリーザポート180が部分的な真空を発生させるようにシールされなければならないことが理解される。また、ブリーザポート180は、例えば、取り外し可能な接着テープまたはラベルなどのいかなる一時的な機構でシールすることができることが理解される。
【0030】
図9は、汚染物の抑制媒体を図6のフィルタアセンブリの内部空洞に充填する充填装置で、部分的に汚染物の抑制媒体を充填した図である。部分的な真空を適用することにより、充填ユニット192からハウジング140の基部130上の充填ポート160を通ってフィルタアセンブリ110のハウジング140の内部空洞への汚染物の抑制媒体190の移動が容易になる。部分真空を生み出す充分なシールは、1)ブリーザポート180の一時的なシールと、2)充填ユニット(ステーション)194の接続デバイス196がハウジング140のフィルタ媒体150を通るシールを生成することによって生成する。
【0031】
図10は、フィルタアセンブリの内部空洞に汚染物の抑制媒体を充填する充填装置で、充填が完成した図である。フィルタアセンブリ110のハウジング140の内部空洞は、ハウジング140のフィルタ媒体150とブリーザポート180の一時的なシールによる部分的な真空を適用することによって、汚染物の抑制媒体190を完全に効率的に充填することができる。
【0032】
図7〜図10は、単一の簡単な充填装置191を示すが、フィルタアセンブリの様々な実施例を充填にするために充填装置の様々な実施例が存在することが理解される。充填装置の一般的な目的は、フィルタハウジングの内部空洞を汚染物の抑制媒体で充填するための機構を提供することである。汚染物の抑制媒体は、固定されたフィルタ媒体で少なくとも部分的に覆われたフィルタハウジングの1つの表面の少なくとも一部を少なくとも部分的に真空にすることにより、フィルタハウジングの内部空洞に吸引される。
【0033】
図11は、充填装置からフィルタアセンブリを取り除いた後の逆さの配置で図6〜10のフィルタアセンブリ用のハウジングを示す。フィルタアセンブリ110のハウジング140の内部空洞は、充填ポート160を通って充填された汚染物の抑制媒体190によって完全に占有されている。この実施例では、汚染物の抑制媒体190がフィルタアセンブリ110のハウジング140の内部空洞からブリーザポート180を通って飛散しないような十分な大きさ、形状または組成物であることが理解される。
【0034】
図12Aは、取付ラベルをハウジング140の基部130に取り付け後で正しい位置のフィルタアセンブリ110を示す。取付ラベル170は、充填ポート160を閉じ、その結果、汚染物の抑制媒体190がハウジング140の内部空洞から飛散するのを防ぐ。取付ラベル170は、フィルタアセンブリ110のハウジング140の基部130に位置するブリーザポート180をさらに画定する。取付ラベル170は、例えば、両面に配置された接着剤を有する接着剤キャリヤを含む両面接着膜であり得る。第1接着面は、フィルタアセンブリ110の基部130に結合し、第2接着面は、剥離ライナ174によって保護することができる。剥離ライナ174は、取り外すことができ、その結果、電子機器の封入容器の内面にフィルタアセンブリ110を固定するために使用する第2接着面を露出することができる。
【0035】
図12Bは、図12Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。フィルタアセンブリ110のハウジング140の基部130は、ブリーザポート180と充填ポート160(点線の円で示される)を画定する。基部130は、取付ラベル170で部分的に被覆される。取付ラベル170は、例えば、両面に配置された接着剤を持つ接着剤キャリヤを含む両面接着膜であり得る。取付ラベル170は、充填ポート160をシールするが、ブリーザポート180が外部環境との流体連絡を維持するのを可能する。取付ラベル170は、さらに、第2の接着剤表面が環境にさらされるのを保護する剥離ライナ174を含む。剥離ライナ174は取り除くことができ、その結果、電子機器の封入容器の内面にフィルタアセンブリ110を固定するのに使用できる第2接着面を露出する。充填ポート160とブリーザポート180は、一般に円形として図示されているが、どのような形状でもあり得ることが理解される。
【0036】
図13は、フィルタアセンブリが電子機器の封入容器中に取り付けるときの図6〜図12のフィルタアセンブリを示す。フィルタアセンブリ110は、取付ラベル170を通って電子機器の封入容器105に固定される。図12Bの剥離ライナ174が取り外され、第2接着面が露出し、この表面は、電子機器の封入容器105にフィルタアセンブリ110を固定するために使用される。フィルタアセンブリ110はブリーザポート180を通って外部環境と流体連結する。汚染物の抑制媒体190は、ブリーザポート180を通って飛散しないように十分な大きさ、形状、または組成物であることが理解される。本発明のこの実施例では、フィルタアセンブリ110は吸着剤ブリーザフィルタとして働く。
【0037】
図14Aは、本発明の別の実施例の概要を示す断面図であり、充填ポートがブリーザポートとして使用するように構成されている。したがって、充填ポートは、初めは、汚染物の抑制媒体でハウジングを充填するために使用され、その後、充填ポートの直径は、通常、汚染物の抑制媒体の飛散を防ぐが充填ポートがブリーザポートとして機能するのを可能にするように減らされる。充填ポートの直径を減少する代替手段として、汚染物の抑制物を保持するために充填ポートの上に多孔質媒体あるいはスクリムを配置することができる。フィルタアセンブリ210のハウジング240の内部空洞は、汚染物の抑制媒体290を含んでいる。汚染物の抑制媒体290は、フィルタアセンブリ210の基部230上にある充填ポート260を通ってハウジング240の内部空洞に充填される。ハウジング240はさらに、フィルタ媒体250を固定している頂部220を含む。本発明のこの実施例では、充填ポート260の直径を減らすために取付ラベル270を基部230に取り付け。
【0038】
充填ポート260の直径は、1)充填ポート260をブリーザポートに適するようにすることができ、かつ2)汚染物の抑制媒体290が充填ポート260を通って飛散しないように減らすべきである。汚染物の抑制媒体290は、ブリーザポートを通って飛散しないような十分な大きさ、形状、または組成物のものであることが理解される。例えば、取付ラベル270は、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含む両面接着膜であり得る。また取付ラベル270は、フィルタアセンブリ210を電子機器の封入容器に固定するのを可能する。
【0039】
図14Bは、図14Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。フィルタアセンブリ210の基部230は、充填ポート260(点線の円で示される)を画定する。最初に、充填ポート260は、ハウジング240の内部空洞を汚染物の抑制媒体290で充填にするために使用される。その後、充填ポート260は、取付ラベル270を付けることによりブリーザポート(充填ポート260を画定した点線の円中に完全な円で示される)に適するように構成される。取付ラベル270は、汚染物の抑制媒体290が飛散しないように、充填ポート260の大きさを十分に減らす。さらに、取付ラベル270は、フィルタアセンブリ210が電子機器の封入容器中に固定されるのを可能にする。充填ポート260とブリーザポートは、一般に円形として図示されているが、いかなる形状のものであってもよいことが理解される。本発明のこの実施例では、フィルタアセンブリ210は吸着剤ブリーザフィルタとして働く。
【0040】
図15Aは、本発明の別の実施例であり、充填ポートを完全にシールしブリーザポートが全く無いものである。フィルタアセンブリ310のハウジング340の内部空洞は、汚染物の抑制媒体390を含む。汚染物の抑制媒体390は、フィルタアセンブリ310の基部330上にある充填ポート360を通ってハウジング340の内部空洞に充填される。ハウジング340は、さらに、フィルタ媒体350を固定した頂部320を含む。基部330は、取付ラベル370で、例えば、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含み得る両面接着膜で、部分的に被覆されている。取付ラベル370は、汚染物の抑制媒体390がハウジング340の内部空洞に充填された後に、充填ポート360をシールする。取付ラベル370は、さらに、第2接着面が環境に露出するのを保護する剥離ライナを含み得る。剥離ライナを除去し、それにより、第2接着面を露出させ、電子機器の封入容器の内面にフィルタアセンブリ310全体を固定することができる。図15Aのアセンブリは、電子機器の封入容器中の吸着剤アセンブリとして特に有用である。
【0041】
図15Bは、図15Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。フィルタアセンブリ310の基部330は、充填ポート360(実線の円で示される)を画定する。充填ポート360は、ハウジング340の内部空洞を汚染物の抑制媒体390で充填するために使用する。取付ラベル370は、充填ポート360をシールするためにフィルタアセンブリ310の基部330に付けられる。本発明のこの実施例は、ブリーザポートが無いので、吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0042】
図16Aは、フィルタアセンブリの別の実施例であり、充填ポートをフィルタアセンブリの側壁に配置している。フィルタアセンブリ410のハウジング440の内部空洞は、汚染物の抑制媒体490を含む。汚染物の抑制媒体490は、フィルタアセンブリ410の側壁424上にある充填ポート460を通ってハウジング440の内部空洞に充填される。ハウジング440はさらに、フィルタ媒体450を固定した頂部420を含む。
【0043】
基部430は、取付ラベル470で、例えば、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含む両面接着膜で、部分的に被覆されている。取付ラベル470は、電子機器の封入容器の内面などの取付表面にフィルタアセンブリ410を固定するために使用される。充填ポート460は、接着ラベル464で、例えば、ただ一面に配置された接着剤を持つ接着性キャリヤを含む片面接着膜で、シールすることができる。代替の実施例では、充填ポート460は、硬い取付プラグでシールきるように設計することができる。
【0044】
図16Bは、図16Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。フィルタアセンブリ410のハウジング440の基部330に取付ラベル470が固定されている。取付ラベル470は、さらに、第2接着面が環境にさらされるのを保護する剥離ライナを含むことができる。剥離ライナを除去して、それにより、第2接着面を露出させて、電子機器の封入容器の内面にフィルタアセンブリ410全体を固定することができる。図16Aの充填ポート460は、ハウジング440の側壁424にあり、接着ラベル464でシールすることができる。この実施例のフィルタアセンブリ410は形状が立方体であるが、フィルタアセンブリ410はいかなる形状でもよいことが理解される。本発明のこの実施例は、ブリーザポートが無いので、吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0045】
図17Aは、本発明の別の実施例であり、フィルタ媒体をフィルタアセンブリの二面に固定している。フィルタアセンブリ510のハウジング540の内部空洞は、汚染物の抑制媒体590を含む。汚染物の抑制媒体590は、フィルタアセンブリ510の側壁524上にある充填ポート560を通ってハウジング540の内部空洞に充填される。ハウジング540は、さらにフィルタ媒体550が固定される頂部520と基部530を含む。フィルタ媒体550は、限定無しに、鋳込み成形、溶接、接着剤、機械的結合、および同等物を含むさまざまな方法で固定されることができるのが理解される。フィルタアセンブリ510は、限定無しに、クリップ、フレーム、溶接、または同等物を含む機械技術によって電子機器の封入容器中に保持することができるのがさらに理解される。充填ポート560は、接着ラベル564で、例えば、接着剤が一面に配置されている接着性キャリヤを含む片面接着膜で、シールすることができる。代替の実施例では、充填ポート560は、硬い取付プラグでシールできるように設計することができる。
【0046】
図17Bは、図17Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。フィルタアセンブリ510のハウジング540の頂部520は、部分的に固定されたフィルタ媒体550を含む。側壁424に配置された図17Aの充填ポート560は、接着ラベル464でシールされている。この実施例ではフィルタアセンブリ510は立方体形状であるが、フィルタアセンブリ410はどんな形状でもよいことが理解される。本発明のこの実施例は、ブリーザポートが無いので、吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0047】
図18Aは、固定されたフィルタ媒体と充填ポートがフィルタアセンブリの同じ表面にある本発明の別の実施例である。フィルタアセンブリ610のハウジング640の内部空洞は、汚染物の抑制媒体690を含む。汚染物の抑制媒体690は、固定されたフィルタ媒体650が配置されている同じ表面にある充填ポート660を通ってハウジング640の内部空洞に充填される。図18Aの充填ポート660は「シールされない」で示されている。超音波溶接の溶接ホーンは、フィルタアセンブリ610をシールするために充填ポート660の突起物664上で使用することができる。ハウジング640は、さらにフィルタ媒体650が固定された頂部620と、ブリーザポート680を画定する基部630とを含む。ブリーザポートは、さらに、取付ラベル670によって画定される。基部630は、取付ラベル670で、例えば、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含んでいる両面接着膜で、部分的に被覆される。取付ラベル670は、電子機器の封入容器の内面などの取付表面に、フィルタアセンブリ610を固定するために使用する。
【0048】
図18Bは、図18Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。フィルタアセンブリ610のハウジング640の頂部は、部分的に固定されたフィルタ媒体650を含む。図18Aの充填ポート660は、頂部620に配置され、超音波溶接に関連する溶接ホーンでシールされている。この実施例のフィルタアセンブリ610が一般的に楕円形形状であるが、フィルタアセンブリ610はいかなる形状でもよいことが理解される。本発明のこの実施例は、ブリーザ吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0049】
図19Aは、本発明の別の実施例であり、固定されたフィルタ媒体と充填ポートがフィルタアセンブリの同じ表面に配置され、ブリーザポートを覆うスクリムがハウジングの内部空洞中に配置されている。フィルタアセンブリ710のハウジング740の内部空洞は、汚染物の抑制媒体790を含む。汚染物の抑制媒体790は、固定されたフィルタ媒体750を配置する同じ表面ある充填ポート760を通ってハウジング740の内部空洞に充填される。充填ポート760は、接着ラベル764で、例えば、接着剤が単一の面に配置された接着性キャリヤを含んむ片面接着膜で、シールすることができる。
【0050】
代替の実施例では、充填ポート760は、硬い取付プラグでシールできるように設計することができる。ハウジング740は、さらに、フィルタ媒体750を固定した頂部720とブリーザがポート780を画定する基部730とを含む。ブリーザポートは、取付ラベル770によってさらに画定される。基部730は、取付ラベル770で、例えば、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含む両面の接着膜で、部分的に被覆される。取付ラベル770は、電子機器の封入容器の内面などの取付表面にフィルタアセンブリ710を固定するために使用される。スクリム752は、ハウジング740内で基部730に隣接し、ブリーザポート780の上方に配置される。このスクリム752は、フィルタ媒体750と同様の物質で構成することができ、スクリム752は、入って来る流体を濾過し、汚染物の抑制媒体790がブリーザポート780を通って飛散するのを防ぐ機能がある。
【0051】
図19Bに示す実施例では、スクリム752は、拡散通路756とブリーザポート780を画定する。拡散通路756は、ねじれたまたは伸びた経路を提供し、汚染物が電子機器の封入容器に入るのを制限するように使用することができる。拡散通路756は、まっすぐなまたはカーブした経路として形成することができる。あるいはまた、拡散通路756は、曲がりくねった経路やらせん状経路のような、より複雑な経路を持つものとして形成してもよい。例えば、拡散通路は、内側にらせん形の流路、外側にらせん形の流路、または、迷宮のような構成として構成することができる。拡散通路756は、いくつかの実施例では、2つまたはそれ以上の分岐を持ち得る。
【0052】
コンピュータディスクドライブシステムでの使用のための拡散通路の実施例は、本明細書に引用により合体する米国特許第4,863,499号に記載されている。膜の拡散通路層で画定された拡散通路の他の実施例は、本明細書に引用により合体する米国特許第5,997,614号に記載されている。流体は、ブリーザポート780に入って、拡散通路756を通って、次に、フィルタハウジング740の内部空洞に入る。また流体は、相対的な空気圧に依存する反対の方向に、この経路を通って移動することができる。
【0053】
再び図19Bを参照すると、基部730はスクリム752を含む。スクリム752は、拡散通路756を画定する。境界層754は、ポリマー膜または金属膜またはプラスチック層を使用して形成することができる。境界層754は、通常は、孔が無く、濾過される流体に対してフィルタアセンブリ710の作動で予想される流体圧力において特に低い透過性を有する。境界層754で使用するための適切なポリマー膜の例は、ポリエステル(例えば、マイラー)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、およびポリビニルアセテート膜を含む。好ましくは、ポリマー膜のガス放出は、比較的低いかまたは無い。拡散境界層754で使用するための適切な金属膜は、例えば、銅、アルミニウム、例えば、ステンレス鋼などの合金などのような金属を使用することにより形成された膜を含む。好ましい金属膜は、実質的に腐食しない、すなわち、フィルタの予想される動作条件下で膜から取り除かれる反応生成物(例えば、さび)を生成しない。いくつかの実施例では、金属膜は、例えば、ポリマー膜のような基部物質に上に配置するかまたは別の方法で形成してもよい。
【0054】
図19Cは、図19Aと図19Bのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。フィルタアセンブリ710のハウジング740の頂部720は、部分的に固定されたフィルタ媒体750を含む。充填ポート760は、接着ラベル764で、例えば、ただ一面に配置された接着剤を持つ接着性キャリヤを含む片面接着膜で、シールすることができる。代替の実施例では、充填ポート760は、硬い取付プラグでシールできるように設計することができる。この実施例のフィルタアセンブリ710は、一般に楕円形形状であるが、フィルタアセンブリ710はどんな形状でもよいことが理解される。本発明のこの実施例は、ブリーザ吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0055】
図20は、本発明の別の実施例の頂部からの平面図である。矢印は、流体がフィルタアセンブリ810を入って、固定されたフィルタ媒体850を通り、第2の固定されたフィルタ媒体850を通ってハウジング840のフィルタアセンブリ810を出ることを示す。ハウジング840はさらに充填ポート860がある頂部820を画定し、充填ポート860は、汚染物の抑制媒体をハウジング840の内部空洞中に充填するために使用される。代替の実施例では、充填ポート860は、ハウジング840の基部か側壁に配置することができる。充填ポート860は、接着ラベル864で、例えば、ただ一面に配置され接着剤を持つる接着性キャリヤを含む片面接着膜で、シールすることができる。代替の実施例では、充填ポート860は、硬い取付プラグでシールすることができるように設計することができる。この実施例では、本発明は、再循環フィルタとして使用することができる。
【0056】
図20の代替の実施例では、本発明は、さらに、フィルタアセンブリのハウジングの内部空洞と外部環境との両方との流体連結するブリーザポートを画定することができる基部を含む。この実施例では、本発明は、ブリーザ再循環フィルタとして使用することができる。図20の代替の実施例では、本発明はさらにブリーザポートと拡散通路を含む。この実施例では、本発明は、ブリーザ再循環フィルタとして使用することができる。
【0057】
汚染物の抑制物質
通常は、汚染物の抑制媒体は、ハウジングの内部空洞内に、あるいは多孔性または無孔性の密封空間内に配置される。汚染物抑制物質は、汚染物の除去、低減、捕集、固定化、吸着、吸収、および中和のための適切な物質であり得る。
【0058】
汚染物の抑制媒体は、化学的汚染物除去のために通常は提供される。汚染物の抑制媒体は、封入容器の雰囲気に入ってくる空気または既に封入容器雰囲気に存在する空気から汚染物を吸着、中和、または固定化によって除去することができる。本出願で使用されるように、用語「吸着する」、「吸着」、「吸着剤」、および同等物は、また、吸収機構を含むことを意図する。通常は、汚染物の抑制媒体は、約−40℃〜100℃の範囲で、通常のディスクドライブ運転温度で汚染物を安定化する、吸着する、または中和するように選択される。
【0059】
汚染物の抑制媒体は、例えば、水、水蒸気、酸性ガス、および揮発性有機物化合物を含む汚染物の1つまたはそれ以上の種類を吸着するかまたは中和する。汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質(物理吸着または化学吸着する物質)、例えば、乾燥剤(すなわち、水か水蒸気を吸着または吸収する物質)または揮発有機化合物、酸性ガス、または両方を吸着または吸収する物質などを含むことができる。適切な吸着性の物質は、例えば、活性炭、活性アルミナ、分子ふるい、シリカゲル、過マンガン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸カルシウム、またはそれらの混合物を含む。たいていの実施において、炭素は適切であり、本発明の使用に適切な炭素は、引用によりその全体が本明細書に合体される米国特許第6,077,335号に開示されている。
【0060】
さらに、汚染物の抑制媒体は、中和物質を含むことができる。中和物質は、ハウジングまたは電子機器の封入容器中に見出されるガス状汚染物を効率的に中和することができる酸または塩基を含浸した物質を含むことができる。また、中和物質は、酵素あるいはハウジングまたは電子機器の封入容器に存在するガス状汚染物の分解速度を増加させる物質を含浸した触媒を含むことができる。
【0061】
汚染物の抑制媒体は、単一物質から製造することができるが、また、物質の混合物もまた有用であり、例えば、シリカゲルは、カーボン粒子と混合することができる。いくつかの実施例では、汚染物の抑制媒体は、異なる汚染物が通過するときに異なる物質によって選択的に除去される複数の物質の層あるいは組合せを含む。
【0062】
汚染物の抑制媒体は、粉末(100メッシュを通過する)、顆粒(28〜200メッシュを通過する)、ビーズ、スラリー、ペースト、およびそれらの組合せを含む多くの形態で実施することができることが理解される。
【0063】
フィルタ媒体
本発明のフィルタ媒体は、粒子状汚染物がフィルタアセンブリから電子機器の封入容器に入るのを防ぐように、1つまたはそれ以上の微粒子のろ過層を含んでもよい。そのような微粒子状の汚染物は、電子機器の封入容器の外部で発生するか、または汚染物の抑制媒体から発生してもよい。また、本発明のフィルタは、粒子状汚染物が電子機器の封入容器の外部からフィルタアセンブリに入るのを防ぐために微粒子のろ過層を含んでもよい。微粒子のろ過層は、フィルタアセンブリ外部またはフィルタアセンブリ内部に配置される。
【0064】
フィルタ媒体は、さまざまな多孔性あるいは微多孔性膜を含んでもよい。膜中の細孔の大きさと膜の厚さは、しばしば、膜とフィルタを通ることが許容される粒子の大きさを少なくとも部分的に決定する。
【0065】
しばしば、多孔性または微多孔性の膜はポリマーから形成される。適切な多孔性あるいは微多孔性の膜の例は、多孔性あるいは微多孔性のポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と他のポリマー膜を含んでいる。特に適切なろ過層は、良いろ過性能、吸着剤層を被覆するための適合性、および清潔性のために拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。好ましいePTFE膜は、10.5フィート/分の面速度の気流で約20mm水柱の気流に対する抵抗を有し、0.1μm直径の微粒子を99.99%の効率でろ過する。ePTFEは、W.L.Gore & Associates Inc.によって登録商標GORE-Texとして市販され、利用可能である。
【0066】
1つの実施例では、フィルタアセンブリは、フィルタハウジングの内部空洞中に配置した多孔性支持体で示される。汚染物の抑制媒体は、多孔性支持体層に配置される。例えば、メッシュあるいはスクリムは、汚染物の抑制媒体を保持する多孔性支持体層として使用することができる。ポリエステルと他の適切な物質(ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンおよびPTFE)をメッシュあるいはスクリムとして使用することができる。多孔性支持体層は、吸着剤媒体が配置された基部として使用することができる。
【0067】
通常は、多孔性支持体層は、吸着性の物質の重量の約40%を超えず、一般に、総フィルタ媒体重量の約10〜20%である。
【0068】
フィルタハウジング
フィルタハウジングは、例えば、外部カバー、ケーシング、またはシェルであってもよい。ハウジングは、通常は、プラスチック材料から、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタラートなどから形成される。ハウジングは、単一ピースであってもよいし、その代わりに、ツーピースとして形成し、例えば、周囲シールを形成するために、例えば接着剤、機械的コネクター、熱シール、超音波溶接を使用して一緒に結合しても良い。
【0069】
本発明の文脈では、汚染物の「減少」または「除去」は、濾過する流体(例えば、ガスまたは液体)の浄化を言うことが着目される。通常、ハードディスクドライブの封入容器中で浄化される流体は、空気流れである。しかしながら、また、本発明のフィルタ構造物により他のガスあるいは液体流を浄化できることを理解すべきである。フィルタ構造物による液体またはガス流から汚染物の低減または除去は、フィルタ構造物の内部または表面の汚染物の捕集、固定化、吸着、吸収、中和、または、他の結合(例えば、共有結合、イオン結合、配位、水素結合、ファンデルワールス結合、またはそれの組合せ)と呼ぶことができる。
【0070】
本明細書および付属の特許請求に範囲で使用されるように、単数形態の「1つ(aとan)」、「前記(the)」は、その内容が明確に定義されていない場合には、複数形態を含むことが注目される。また、一般に、用語「または(or)」は、その内容が明確に定義されていない場合には、「および/または(and/or)」を含む意味で使われることが注目される。
【0071】
本明細書におけるすべての刊行物と特許出願は、本発明が関係する当業者レベルで示されている。すべての刊行物と特許出願は、各個々の刊行物と特許出願が特に個別に引用により示されている場合には、引用により本明細書に同じ内容で合体される。
【0072】
本出願は、本発明の要旨の適合と変形を含むことを意図する。上記の記載は、例示であることを意図し、それに制限されないことを意図することが理解される。本発明の要旨の範囲は付属の特許請求の範囲およびとの特許請求の範囲の同等物を引用して決定されるするべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ構造物、フィルタ構造物を製造する装置およびフィルタ構造物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国以外の全ての国を指定国とする出願人である米国国内企業であるドナルドソン会社と、米国のみを指定国とする出願人である米国人であるダニエル・エル・トゥーマとの名において、2008年7月11日にPCT国際特許出願として出願されたものであり、2007年7月13日に出願された「充填ポートを持つ汚染物の抑制フィルタ」と名付けられた米国特許出願第60/949,840号の優先権を主張するものであり、その内容は本明細書中に引用により合体される。
【0003】
汚染物の抑制および再循環フィルタには、電気機器における使用を含むさまざまな用途がある。コンピュータ工業では、汚染物の抑制および再循環フィルタは、電子部品を微粒子とガス状汚染物から保護するために電子デバイスの封入容器中で使用される。例えば、ディスクドライブは、水蒸気、有機蒸気、およびガス放出を含む汚染物からドライブ部品とディスクを保護するために、しばしばディスクドライブ封入容器内に汚染物の抑制および再循環フィルタを含んでいる。そのような保護がないと、これらの汚染物は、付着、腐食、および、ある場合には、ディスクドライブの故障を起こし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,077,335号明細書
【特許文献2】米国特許第5,876,487号明細書
【特許文献3】米国特許第6,146,446号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
汚染物の抑制および再循環フィルタは、しばしば、様々な形状に低充填された汚染物の抑制物(米国特許第6,077,335参照)かまたは、圧縮成形された汚染物の抑制物を有する(例えば、米国特許第5,876,487号または第6,146,446号参照)。これらの構成物は、しばしば異なる利点と欠点を示す。一般に、低充填された汚染物の抑制媒体は、圧縮成形されたものより安価である。しかしながら、低充填された汚染物の抑制媒体は、顆粒状あるいはビーズ状の特性により手で扱うことが困難であり、クリーンルームの汚染、フィルタハウジングの汚染、および低充填した汚染物の抑制媒体の充填後に溶接を必要とする表面を汚染する場合がある。圧縮成形された汚染物の抑制物は、一般に、手で扱うのが簡単であり、クリーンルーム環境下で使用するためにより清潔なものである。しかしながら、圧縮成形物は、かなり高価であり、費用と作業時間を増やす製造工程が必要であり、汚染物を吸着するのはあまり効率的でない。これらの課題を解決するための新しいフィルタデザインが、明らかに望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明は、一般に、ハードディスクドライブなどの電子機器の封入容器中に配置する吸着剤または再循環フィルタ、汚染物の抑制媒体を含むフィルタの充填方法、および充填を実現する装置に関する。
【0007】
実施例では、本発明は、フィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法を含む。本方法は、内部空洞と、前記内部空洞と連結する少なくとも1つの充填ポートと、開口部を少なくとも部分的に覆うフィルタ媒体を持つ前記開口部と、を有するハウジングを供給する工程と、汚染物の抑制媒体を供給する工程と、空気が前記充填ポートを通って流れるために、部分的な真空を前記フィルタ媒体にかけることによって前記内部空洞内を負圧にする工程と、前記汚染物の抑制媒体を前記内部空洞内に吸引する工程とを有する。また、部分的に真空にすることは、吸着剤を吸い込むことに加えて、吸着剤を取り扱う間あるいは空洞を充填する間に発生するほこりが飛散して製造ルームを汚染するのを防ぐ。フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことができ、汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質と中和物質とを含むことができる。フィルタアセンブリは、電子機器の封入容器に挿入されるように構成することができる。
【0008】
実施例では、本発明は、多孔性のフィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法を含む。本法は、フィルタ媒体によって少なくとも部分的に形成された多孔性の容器を提供する工程と、汚染物の抑制媒体を供給する工程と、前記多孔性の容器を部分的に真空にする工程と、部分的な真空下で前記汚染物の抑制媒体を前記多孔性の容器に吸引する工程とを有する。フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことができ、汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質と中和物質とを含むことができる。多孔性の容器は、フィルタバッグあるいは鋳込み成形したハウジングを含むことができ、フィルタアセンブリは、電子機器の封入容器に挿入するように構成することができる。
【0009】
実施例では、本発明は、電子機器の封入容器中で使用するためのフィルタアセンブリを含む。フィルタアセンブリは、汚染物の抑制媒体を収容するように構成された前記ハウジング内の内部空洞と、前記内部空洞に連結する少なくとも1つの充填ポートと、前記開口部を少なくとも部分的に被覆するフィルタ媒体とを有するハウジングを含む。前記汚染物の抑制媒体は前記内部空洞内を占有する。フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことができ、汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質と中和物質とを含むことができる。フィルタアセンブリは、電子機器の封入容器に挿入するように構成することができる。
【0010】
実施例では、本発明は、汚染物の抑制媒体の供給装置を含む。供給装置は、汚染物の抑制媒体を保持するように構成された保持ユニットと、前記汚染物の抑制媒体を密封空間に充填するように構成されたアセンブリと、前記汚染物の抑制媒体の前記密封空間への移動を容易にしかつ充填の間に生成したダスト(エーロゾル)の飛散を防ぐために前記密封空間に負圧を生成するデバイスと、を有する。
【0011】
本発明の概要は、本願のいくつかの教示を単に概説するものであり、本発明の開示された各実施例または全ての実施について記載することを意図していない。更なる実施例は、図、詳細な説明、および特許請求の範囲で見い出すことができる。本発明の範囲は、付属の特許請求範囲およびそれらと法的な同等物によって決定されるべきである。
【0012】
本発明は、以下の図面と関連してより完全に理解することができる。
【0013】
本発明は、様々な変形と代替形態が可能であり、その特別のものを、実施例と図面によって示し、詳細に記載する。しかしながら、本発明は、記載された特別の実施例に限定されるものではないことを理解すべきである。これに対して、本発明は、本発明の趣旨と範囲から逸脱しない変形、同等物、および代替物を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に基づくフィルタアセンブリの1つの実施例の斜視図である。
【図2】図1のフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。
【図3】図1のフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図4】図1のフィルタアセンブリの側面図である。
【図5】図2の線A−A’に沿ったフィルタアセンブリの概略的な断面図である。
【図6】フィルタアセンブリ用ハウジングの逆さの断面図であり、汚染物の抑制媒体を充填する前の図である。
【図7】フィルタ用ハウジングに汚染物の抑制媒体の充填装置の概略図であり、充填装置が汚染物の抑制媒体の供給源とハウジングの表面を真空にする連結デバイスとを含む図である。
【図8】図6のフィルタアセンブリ用ハウジングを取り付けた図7の汚染物の抑制媒体の充填装置を示す図であり、ハウジングを充填装置に取り付けているが、汚染物の抑制媒体をハウジングに充填する前の図である。
【図9】図6のフィルタアセンブリ用ハウジングを取り付けた図7の汚染物の抑制媒体の充填装置を示す図であり、汚染物の抑制媒体の一部をハウジングに充填している図である。
【図10】図6のフィルタアセンブリ用ハウジングを取り付けた図7の汚染物の抑制媒体の充填装置を示す図であり、ハウジングを汚染物の抑制媒体で充填した図である。
【図11】ハウジングを汚染物の抑制媒体の充填装置から除去した後の図6〜10のフィルタアセンブリ用ハウジングを示す図である。
【図12A】開放ライナを持つ取付ラベルを加えて、ハウジングの充填ホールを閉じた後の図6〜11のフィルタアセンブリ用ハウジングを示す図である。
【図12B】図12Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図13】フィルタアセンブリを電子機器の封入容器に取り付けた図6〜図12のフィルタアセンブリ用ハウジングを示す図である。
【図14A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、充填ホールをブリーザホールとして使用する構成を示す図である。
【図14B】図14Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図15A】代替のフィルタアセンブリを示す図であり、充填ホールを完全にシールし、フィルタアセンブリがブリーザホールを含まない図である。
【図15B】図15Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図16A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、充填ホールをフィルタアセンブリの側部に配置した図である。
【図16B】図16Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。
【図17A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、フィルタ媒体をフィルタアセンブリの2つの側部に配置した図である。
【図17B】図17Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。
【図18A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、フィルタ媒体と充填ポートをフィルタアセンブリの同じ側部に配置した図である。
【図18B】図17Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。
【図19A】本発明の代替のフィルタアセンブリを示す図であり、フィルタ媒体と充填ポートをフィルタアセンブリの同じ表面に配置し、さらにブリーザホールの上方上にスクリムを有する図である。
【図19B】拡散流路を含むフィルタアセンブリの側部断面図である。
【図19C】図19Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。
【図20】代替のフィルタアセンブリの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、例えば、空気や他のガスなどの流体を濾過するフィルタ、フィルタの製造方法、フィルタの使用方法に応用できる。フィルタ構造物は、さまざまなプロセスで、ディスクドライブハウジングなどの電子機器の封入容器内の汚染物を減少させることができる。ディスクドライブハウジングの汚染を低減、除去または防ぐための1つのプロセスは、ディスクドライブハウジング(または、他のデバイス)の外側領域からディスクドライブハウジングに入る汚染物を減少または除去する工程である。このために、フィルタ構造物のブリーザ(通気管)の実施例は構成されている。ディスクドライブハウジング内から汚染物を減少、除去または防ぐための第2のプロセスは、ディスクドライブハウジング雰囲気に存在する汚染物を減少または除去することである。この目的のために、フィルタ構造物の再循環の実施例を構成することができる。さらに、吸着剤アセンブリはドライブ内部から汚染物を除去するために使用することができる。吸着剤アセンブリは、汚染物の抑制媒体を含み、電子機器の封入容器内に配置されているが、再循環機能を有しておらず、ブリーザホールによって電子機器の封入容器の外部と連通していない。しかしながら、吸着剤アセンブリは、それでもドライブ内部から汚染物を除去することができる。
【0016】
1つの実施例では、本発明は、フィルタアセンブリを最小量の外部汚染で満たされるように、部分的に真空にしてフィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法を含む。実施例では、充填方法は、内部空洞と、前記内部空洞と連結する少なくとも1つの充填ポートと、開口部を少なくとも部分的に覆うフィルタ媒体を持つ前記開口部とを有するハウジングを提供する工程を含む。多孔性のフィルタ媒体の外側を部分的に真空にすることによって、前記充填ポートを通る空気が生成し、この空気流は、汚染物の抑制媒体の吸引を補助し、ダストが充填ホールから飛散するのを防ぐ。フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことができ、汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質と中和物質とを含むことができ、フィルタアセンブリは電子機器の封入容器へ挿入するように構成することができる。
【0017】
フィルタ構造物は、一般に、微粒子あるいは固体除去エレメントと、汚染物の抑制エレメントとを含んでいる。微粒子あるいは固体除去エレメントは、ポリマー、不織布物質、ファイバ、紙、および同等物などのろ過物質を含むが、これらに限定されない。例示の汚染物の抑制エレメントは、吸着性の物質、中和物質、および同等物を含むが、これらに限定されない。さらにあるいは代替物として、フィルタ構造物がブリーザフィルタとして使用するとき、汚染物の電子機器の封入容器への侵入を制限するために、拡散通路などのねじれたあるいは伸びた流路を使用することができる。
【0018】
本発明の様々な態様が図面を参照して以下に議論する。図1と図2を参照すると、本発明の1つの実施例は、頂部20、基部30、側壁24、および頂部20に固定されたフィルタ媒体50を持つハウジング40を含むフィルタアセンブリ10を含む。図1と図2は、一般に筒状としてハウジング40を図示するが、様々な実施例がフィルタアセンブリ10の様々な形状と大きさを画定する複数の側壁を含むことを理解される。例えば、ハウジング40は、長方形、楕円形、正方形、三角形、あるいは一般にいかなる所望の形状でもあり得る。
【0019】
多くの応用では、ハウジングは特定の電子機器の封入容器用にカスタマイズされるように構成されており、ハウジングは封入容器中の他のデバイスを妨害しないで封入容器の適切な部分内に適合している。例えば、ディスクドライブアセンブリ中に配置される場合、ハウジング40を持つフィルタアセンブリ10は、ディスクドライブの回転盤および読み出し/書き込みヘッドの接触を避け、かつ好ましくない空気の乱流の発生を避けるために、可動部に十分なすきまを可能にしなければならない。本発明の利益の1つは、フィルタアセンブリ10のさまざまな形状と大きさが異なるアセンブリ構成物に対して最小の再編成で製造することを可能にすることである。
【0020】
図1と図2は、一般に、円形形状が頂部20の大部分を覆うようなフィルタ媒体50を示すが、フィルタ媒体50はいかなる形状でもある得るし、フィルタアセンブリ10は、異なる大きさ、面積、および寸法(1つまたはそれ以上の側壁と基部30を含む)を含み得ることが理解される。フィルタ媒体50は、鋳込み成形、溶接、接着剤、機械的結合、および同等物を含むさまざまな方法で固定することができることが理解される。
【0021】
図3は、図1と図2に示すフィルタアセンブリの実施例の底部からの平面図である。フィルタアセンブリ10の基部30は、充填ポート60(点線の円で示される)を画定する。充填ポート60は、ハウジング40の内部空洞を汚染物の抑制媒体90(図5で示す)で充填するために使用される。ハウジング40の内部空洞を充填した後に、充填ポート60をシールすることができる。本発明の1つの実施例では、充填ポート60は接着剤を取り付けたラベル70でシールされる。
【0022】
取付ラベル70は、図1、2、3、4、5で示される本発明の実施例で2つの目的を提供する。取付ラベル70は、電子機器の封入容器中で充填ポート60をシールしフィルタアセンブリ10を保持する。例えば、取付ラベル70は、接着剤を両面に配置した接着剤キャリヤを含む両面接着膜であってもよい。実施例では、取付ラベル70は、製造中に充填ポート60をシールし、その後、フィルタアセンブリ10を固定して、ハードディスクドライブの内壁などの取付表面に固定することができる。接着剤キャリヤは、通常は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、またはポリ塩化ビニル膜などのポリマー膜である。適切な接着剤は、エポキシ、樹脂、感圧接着剤、熱溶融接着剤、溶液型接着剤、乳剤型接着剤、および接触接着剤を含むが、これらに限定されない。適切な接着剤の1つの実施例は、3M社(ミネソタ州セントポール)製の3M502FL接着剤である。
【0023】
また、充填ポート60は、すべりばめプラグ(snug fit plugs)、フィルタ媒体、超音波溶接、および同等物を含むさまざまな方法でシールすることができることが理解される。取付ラベル70が使用されない場合、追加の接着性媒体を必要としてもよい。または、代替手段で、フィルタアセンブリ10は、限定無しにクリップ、フレーム、溶接、または同等物を含む機械的技術によって電子機器の封入容器で保持することができる。図3は、一般に円形形状として充填ポート60を示すが、充填ポート60はどんな形状であってもよいことが理解される。
【0024】
また図3を参照すると、本発明の図示された実施例では、フィルタアセンブリ10の基部30は、ブリーザポート80を画定する。ブリーザポート80は、電子機器の封入容器外側の外部からの流体の流れが電子機器の封入容器へ入るのを可能にする。ブリーザポート80は、空気流がフィルタアセンブリ10を出る前に、フィルタハウジング40の内部空洞中に配置された汚染物の抑制媒体90と接触するのを可能する。図3は、一般に円形形状としてブリーザがポート80を示しているが、ブリーザポート80はどんな形状のものでもあり得ることが理解される。また、本明細書に図示されていないが、ブリーザポートは、基部70中に成形された、または、1つまたはそれ以上の薄膜で形成された、または、フィルタアセンブリ10を最終的に取り付ける表面(ディスクドライブの内壁など)に形成された拡散通路に接続されている。
【0025】
図4は、図1、図2、図3に示す本発明の実施例の概略を示す側面図である。取付ラベル70を本発明の1つの実施例の基部30上に見ることができる。
【0026】
図5は、図2の線A−A’に沿って得られる図1〜4に示された本発明の実施例の断面図である。フィルタ媒体50は、頂部20に固定されている。ハウジング40の基部30は、取付ラベル70によってシールでされた充填ポート60を画定し、ハウジング40の基部30は、取付ラベル70と協働してブリーザポート80を画定するのを補助する。また、ハウジング40は、汚染物の抑制媒体90が充填ポート60を通って配置される内部空洞を画定する。汚染物の抑制媒体90は、図示された実施例中でブリーザポート60を通って飛散しないような十分な大きさ、形状または組成物であることが理解される。したがって、例えば、ブリーザポートが直径2mmであるなら、直径3mm(または少なくとも直径2mmより大きい)の汚染物の抑制媒体を使用することが好ましい。代替手段で、スクリムあるいは他の物質は、汚染物の抑制媒体の飛散を防ぐためにブリーザポートの内部あるいは外部上に配置することができる。以下に、汚染物の抑制媒体の更なる詳細な説明を記載する。
【0027】
図6は、ハウジングを汚染物の抑制媒体で充填する前の本発明の1つの実施例の逆さの断面図である。フィルタアセンブリ110は、頂部120、基部130、側壁124、および頂部20に固定したフィルタ媒体150を持つハウジング140によって画定される。ハウジング140の基部130は、充填ポート160とブリーザポート180を画定する。
【0028】
図7〜図10は、汚染物の抑制媒体をフィルタアセンブリのハウジングに充填する充填装置の1つの実施例の概略図であり、作動機構を示す図である。充填装置191は、充填ユニット192に配置された汚染物の抑制媒体190を含む。充填装置191はさらに、フィルタアセンブリ110のハウジング140が配置される充填ステーション194を含む。充填ステーション194は、また、フィルタ媒体150を含むハウジング140の表面を通って真空に吸引することができ、したがって、さらに真空発生装置を含む。充填ステーション194は、ハウジング140を充填ステーション194に取り付けるための、およびフィルタ媒体150を含むハウジング140の表面を通って部分的に真空に吸引するのに充分なシールを容易に形成するための、接続デバイス196を含む。
【0029】
図8は、充填ステーション194が図6で示すフィルタアセンブリ110のハウジング140によって占められている充填装置191を示す。充填ユニット192は、基部130の充填ポート160でハウジング140と係合し、ハウジング140の内部空洞に汚染物の抑制媒体190を充填することができる。フィルタ媒体150を通る部分的な真空によって吸引して汚染物の抑制媒体190の送出を容易にする。真空発生装置は、充填ステーション194に連結され、充填ステーション194に配置された接続デバイス196により、フィルタ媒体150を通って真空に吸引するシールを容易にする。この実施例では、充填ユニット192がブリーザポート180をシールし、ブリーザポート180が部分的な真空を発生させるようにシールされなければならないことが理解される。また、ブリーザポート180は、例えば、取り外し可能な接着テープまたはラベルなどのいかなる一時的な機構でシールすることができることが理解される。
【0030】
図9は、汚染物の抑制媒体を図6のフィルタアセンブリの内部空洞に充填する充填装置で、部分的に汚染物の抑制媒体を充填した図である。部分的な真空を適用することにより、充填ユニット192からハウジング140の基部130上の充填ポート160を通ってフィルタアセンブリ110のハウジング140の内部空洞への汚染物の抑制媒体190の移動が容易になる。部分真空を生み出す充分なシールは、1)ブリーザポート180の一時的なシールと、2)充填ユニット(ステーション)194の接続デバイス196がハウジング140のフィルタ媒体150を通るシールを生成することによって生成する。
【0031】
図10は、フィルタアセンブリの内部空洞に汚染物の抑制媒体を充填する充填装置で、充填が完成した図である。フィルタアセンブリ110のハウジング140の内部空洞は、ハウジング140のフィルタ媒体150とブリーザポート180の一時的なシールによる部分的な真空を適用することによって、汚染物の抑制媒体190を完全に効率的に充填することができる。
【0032】
図7〜図10は、単一の簡単な充填装置191を示すが、フィルタアセンブリの様々な実施例を充填にするために充填装置の様々な実施例が存在することが理解される。充填装置の一般的な目的は、フィルタハウジングの内部空洞を汚染物の抑制媒体で充填するための機構を提供することである。汚染物の抑制媒体は、固定されたフィルタ媒体で少なくとも部分的に覆われたフィルタハウジングの1つの表面の少なくとも一部を少なくとも部分的に真空にすることにより、フィルタハウジングの内部空洞に吸引される。
【0033】
図11は、充填装置からフィルタアセンブリを取り除いた後の逆さの配置で図6〜10のフィルタアセンブリ用のハウジングを示す。フィルタアセンブリ110のハウジング140の内部空洞は、充填ポート160を通って充填された汚染物の抑制媒体190によって完全に占有されている。この実施例では、汚染物の抑制媒体190がフィルタアセンブリ110のハウジング140の内部空洞からブリーザポート180を通って飛散しないような十分な大きさ、形状または組成物であることが理解される。
【0034】
図12Aは、取付ラベルをハウジング140の基部130に取り付け後で正しい位置のフィルタアセンブリ110を示す。取付ラベル170は、充填ポート160を閉じ、その結果、汚染物の抑制媒体190がハウジング140の内部空洞から飛散するのを防ぐ。取付ラベル170は、フィルタアセンブリ110のハウジング140の基部130に位置するブリーザポート180をさらに画定する。取付ラベル170は、例えば、両面に配置された接着剤を有する接着剤キャリヤを含む両面接着膜であり得る。第1接着面は、フィルタアセンブリ110の基部130に結合し、第2接着面は、剥離ライナ174によって保護することができる。剥離ライナ174は、取り外すことができ、その結果、電子機器の封入容器の内面にフィルタアセンブリ110を固定するために使用する第2接着面を露出することができる。
【0035】
図12Bは、図12Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。フィルタアセンブリ110のハウジング140の基部130は、ブリーザポート180と充填ポート160(点線の円で示される)を画定する。基部130は、取付ラベル170で部分的に被覆される。取付ラベル170は、例えば、両面に配置された接着剤を持つ接着剤キャリヤを含む両面接着膜であり得る。取付ラベル170は、充填ポート160をシールするが、ブリーザポート180が外部環境との流体連絡を維持するのを可能する。取付ラベル170は、さらに、第2の接着剤表面が環境にさらされるのを保護する剥離ライナ174を含む。剥離ライナ174は取り除くことができ、その結果、電子機器の封入容器の内面にフィルタアセンブリ110を固定するのに使用できる第2接着面を露出する。充填ポート160とブリーザポート180は、一般に円形として図示されているが、どのような形状でもあり得ることが理解される。
【0036】
図13は、フィルタアセンブリが電子機器の封入容器中に取り付けるときの図6〜図12のフィルタアセンブリを示す。フィルタアセンブリ110は、取付ラベル170を通って電子機器の封入容器105に固定される。図12Bの剥離ライナ174が取り外され、第2接着面が露出し、この表面は、電子機器の封入容器105にフィルタアセンブリ110を固定するために使用される。フィルタアセンブリ110はブリーザポート180を通って外部環境と流体連結する。汚染物の抑制媒体190は、ブリーザポート180を通って飛散しないように十分な大きさ、形状、または組成物であることが理解される。本発明のこの実施例では、フィルタアセンブリ110は吸着剤ブリーザフィルタとして働く。
【0037】
図14Aは、本発明の別の実施例の概要を示す断面図であり、充填ポートがブリーザポートとして使用するように構成されている。したがって、充填ポートは、初めは、汚染物の抑制媒体でハウジングを充填するために使用され、その後、充填ポートの直径は、通常、汚染物の抑制媒体の飛散を防ぐが充填ポートがブリーザポートとして機能するのを可能にするように減らされる。充填ポートの直径を減少する代替手段として、汚染物の抑制物を保持するために充填ポートの上に多孔質媒体あるいはスクリムを配置することができる。フィルタアセンブリ210のハウジング240の内部空洞は、汚染物の抑制媒体290を含んでいる。汚染物の抑制媒体290は、フィルタアセンブリ210の基部230上にある充填ポート260を通ってハウジング240の内部空洞に充填される。ハウジング240はさらに、フィルタ媒体250を固定している頂部220を含む。本発明のこの実施例では、充填ポート260の直径を減らすために取付ラベル270を基部230に取り付け。
【0038】
充填ポート260の直径は、1)充填ポート260をブリーザポートに適するようにすることができ、かつ2)汚染物の抑制媒体290が充填ポート260を通って飛散しないように減らすべきである。汚染物の抑制媒体290は、ブリーザポートを通って飛散しないような十分な大きさ、形状、または組成物のものであることが理解される。例えば、取付ラベル270は、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含む両面接着膜であり得る。また取付ラベル270は、フィルタアセンブリ210を電子機器の封入容器に固定するのを可能する。
【0039】
図14Bは、図14Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。フィルタアセンブリ210の基部230は、充填ポート260(点線の円で示される)を画定する。最初に、充填ポート260は、ハウジング240の内部空洞を汚染物の抑制媒体290で充填にするために使用される。その後、充填ポート260は、取付ラベル270を付けることによりブリーザポート(充填ポート260を画定した点線の円中に完全な円で示される)に適するように構成される。取付ラベル270は、汚染物の抑制媒体290が飛散しないように、充填ポート260の大きさを十分に減らす。さらに、取付ラベル270は、フィルタアセンブリ210が電子機器の封入容器中に固定されるのを可能にする。充填ポート260とブリーザポートは、一般に円形として図示されているが、いかなる形状のものであってもよいことが理解される。本発明のこの実施例では、フィルタアセンブリ210は吸着剤ブリーザフィルタとして働く。
【0040】
図15Aは、本発明の別の実施例であり、充填ポートを完全にシールしブリーザポートが全く無いものである。フィルタアセンブリ310のハウジング340の内部空洞は、汚染物の抑制媒体390を含む。汚染物の抑制媒体390は、フィルタアセンブリ310の基部330上にある充填ポート360を通ってハウジング340の内部空洞に充填される。ハウジング340は、さらに、フィルタ媒体350を固定した頂部320を含む。基部330は、取付ラベル370で、例えば、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含み得る両面接着膜で、部分的に被覆されている。取付ラベル370は、汚染物の抑制媒体390がハウジング340の内部空洞に充填された後に、充填ポート360をシールする。取付ラベル370は、さらに、第2接着面が環境に露出するのを保護する剥離ライナを含み得る。剥離ライナを除去し、それにより、第2接着面を露出させ、電子機器の封入容器の内面にフィルタアセンブリ310全体を固定することができる。図15Aのアセンブリは、電子機器の封入容器中の吸着剤アセンブリとして特に有用である。
【0041】
図15Bは、図15Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。フィルタアセンブリ310の基部330は、充填ポート360(実線の円で示される)を画定する。充填ポート360は、ハウジング340の内部空洞を汚染物の抑制媒体390で充填するために使用する。取付ラベル370は、充填ポート360をシールするためにフィルタアセンブリ310の基部330に付けられる。本発明のこの実施例は、ブリーザポートが無いので、吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0042】
図16Aは、フィルタアセンブリの別の実施例であり、充填ポートをフィルタアセンブリの側壁に配置している。フィルタアセンブリ410のハウジング440の内部空洞は、汚染物の抑制媒体490を含む。汚染物の抑制媒体490は、フィルタアセンブリ410の側壁424上にある充填ポート460を通ってハウジング440の内部空洞に充填される。ハウジング440はさらに、フィルタ媒体450を固定した頂部420を含む。
【0043】
基部430は、取付ラベル470で、例えば、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含む両面接着膜で、部分的に被覆されている。取付ラベル470は、電子機器の封入容器の内面などの取付表面にフィルタアセンブリ410を固定するために使用される。充填ポート460は、接着ラベル464で、例えば、ただ一面に配置された接着剤を持つ接着性キャリヤを含む片面接着膜で、シールすることができる。代替の実施例では、充填ポート460は、硬い取付プラグでシールきるように設計することができる。
【0044】
図16Bは、図16Aのフィルタアセンブリの底部からの平面図である。フィルタアセンブリ410のハウジング440の基部330に取付ラベル470が固定されている。取付ラベル470は、さらに、第2接着面が環境にさらされるのを保護する剥離ライナを含むことができる。剥離ライナを除去して、それにより、第2接着面を露出させて、電子機器の封入容器の内面にフィルタアセンブリ410全体を固定することができる。図16Aの充填ポート460は、ハウジング440の側壁424にあり、接着ラベル464でシールすることができる。この実施例のフィルタアセンブリ410は形状が立方体であるが、フィルタアセンブリ410はいかなる形状でもよいことが理解される。本発明のこの実施例は、ブリーザポートが無いので、吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0045】
図17Aは、本発明の別の実施例であり、フィルタ媒体をフィルタアセンブリの二面に固定している。フィルタアセンブリ510のハウジング540の内部空洞は、汚染物の抑制媒体590を含む。汚染物の抑制媒体590は、フィルタアセンブリ510の側壁524上にある充填ポート560を通ってハウジング540の内部空洞に充填される。ハウジング540は、さらにフィルタ媒体550が固定される頂部520と基部530を含む。フィルタ媒体550は、限定無しに、鋳込み成形、溶接、接着剤、機械的結合、および同等物を含むさまざまな方法で固定されることができるのが理解される。フィルタアセンブリ510は、限定無しに、クリップ、フレーム、溶接、または同等物を含む機械技術によって電子機器の封入容器中に保持することができるのがさらに理解される。充填ポート560は、接着ラベル564で、例えば、接着剤が一面に配置されている接着性キャリヤを含む片面接着膜で、シールすることができる。代替の実施例では、充填ポート560は、硬い取付プラグでシールできるように設計することができる。
【0046】
図17Bは、図17Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。フィルタアセンブリ510のハウジング540の頂部520は、部分的に固定されたフィルタ媒体550を含む。側壁424に配置された図17Aの充填ポート560は、接着ラベル464でシールされている。この実施例ではフィルタアセンブリ510は立方体形状であるが、フィルタアセンブリ410はどんな形状でもよいことが理解される。本発明のこの実施例は、ブリーザポートが無いので、吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0047】
図18Aは、固定されたフィルタ媒体と充填ポートがフィルタアセンブリの同じ表面にある本発明の別の実施例である。フィルタアセンブリ610のハウジング640の内部空洞は、汚染物の抑制媒体690を含む。汚染物の抑制媒体690は、固定されたフィルタ媒体650が配置されている同じ表面にある充填ポート660を通ってハウジング640の内部空洞に充填される。図18Aの充填ポート660は「シールされない」で示されている。超音波溶接の溶接ホーンは、フィルタアセンブリ610をシールするために充填ポート660の突起物664上で使用することができる。ハウジング640は、さらにフィルタ媒体650が固定された頂部620と、ブリーザポート680を画定する基部630とを含む。ブリーザポートは、さらに、取付ラベル670によって画定される。基部630は、取付ラベル670で、例えば、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含んでいる両面接着膜で、部分的に被覆される。取付ラベル670は、電子機器の封入容器の内面などの取付表面に、フィルタアセンブリ610を固定するために使用する。
【0048】
図18Bは、図18Aのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。フィルタアセンブリ610のハウジング640の頂部は、部分的に固定されたフィルタ媒体650を含む。図18Aの充填ポート660は、頂部620に配置され、超音波溶接に関連する溶接ホーンでシールされている。この実施例のフィルタアセンブリ610が一般的に楕円形形状であるが、フィルタアセンブリ610はいかなる形状でもよいことが理解される。本発明のこの実施例は、ブリーザ吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0049】
図19Aは、本発明の別の実施例であり、固定されたフィルタ媒体と充填ポートがフィルタアセンブリの同じ表面に配置され、ブリーザポートを覆うスクリムがハウジングの内部空洞中に配置されている。フィルタアセンブリ710のハウジング740の内部空洞は、汚染物の抑制媒体790を含む。汚染物の抑制媒体790は、固定されたフィルタ媒体750を配置する同じ表面ある充填ポート760を通ってハウジング740の内部空洞に充填される。充填ポート760は、接着ラベル764で、例えば、接着剤が単一の面に配置された接着性キャリヤを含んむ片面接着膜で、シールすることができる。
【0050】
代替の実施例では、充填ポート760は、硬い取付プラグでシールできるように設計することができる。ハウジング740は、さらに、フィルタ媒体750を固定した頂部720とブリーザがポート780を画定する基部730とを含む。ブリーザポートは、取付ラベル770によってさらに画定される。基部730は、取付ラベル770で、例えば、接着剤が両面に配置されている接着性キャリヤを含む両面の接着膜で、部分的に被覆される。取付ラベル770は、電子機器の封入容器の内面などの取付表面にフィルタアセンブリ710を固定するために使用される。スクリム752は、ハウジング740内で基部730に隣接し、ブリーザポート780の上方に配置される。このスクリム752は、フィルタ媒体750と同様の物質で構成することができ、スクリム752は、入って来る流体を濾過し、汚染物の抑制媒体790がブリーザポート780を通って飛散するのを防ぐ機能がある。
【0051】
図19Bに示す実施例では、スクリム752は、拡散通路756とブリーザポート780を画定する。拡散通路756は、ねじれたまたは伸びた経路を提供し、汚染物が電子機器の封入容器に入るのを制限するように使用することができる。拡散通路756は、まっすぐなまたはカーブした経路として形成することができる。あるいはまた、拡散通路756は、曲がりくねった経路やらせん状経路のような、より複雑な経路を持つものとして形成してもよい。例えば、拡散通路は、内側にらせん形の流路、外側にらせん形の流路、または、迷宮のような構成として構成することができる。拡散通路756は、いくつかの実施例では、2つまたはそれ以上の分岐を持ち得る。
【0052】
コンピュータディスクドライブシステムでの使用のための拡散通路の実施例は、本明細書に引用により合体する米国特許第4,863,499号に記載されている。膜の拡散通路層で画定された拡散通路の他の実施例は、本明細書に引用により合体する米国特許第5,997,614号に記載されている。流体は、ブリーザポート780に入って、拡散通路756を通って、次に、フィルタハウジング740の内部空洞に入る。また流体は、相対的な空気圧に依存する反対の方向に、この経路を通って移動することができる。
【0053】
再び図19Bを参照すると、基部730はスクリム752を含む。スクリム752は、拡散通路756を画定する。境界層754は、ポリマー膜または金属膜またはプラスチック層を使用して形成することができる。境界層754は、通常は、孔が無く、濾過される流体に対してフィルタアセンブリ710の作動で予想される流体圧力において特に低い透過性を有する。境界層754で使用するための適切なポリマー膜の例は、ポリエステル(例えば、マイラー)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、およびポリビニルアセテート膜を含む。好ましくは、ポリマー膜のガス放出は、比較的低いかまたは無い。拡散境界層754で使用するための適切な金属膜は、例えば、銅、アルミニウム、例えば、ステンレス鋼などの合金などのような金属を使用することにより形成された膜を含む。好ましい金属膜は、実質的に腐食しない、すなわち、フィルタの予想される動作条件下で膜から取り除かれる反応生成物(例えば、さび)を生成しない。いくつかの実施例では、金属膜は、例えば、ポリマー膜のような基部物質に上に配置するかまたは別の方法で形成してもよい。
【0054】
図19Cは、図19Aと図19Bのフィルタアセンブリの頂部からの平面図である。フィルタアセンブリ710のハウジング740の頂部720は、部分的に固定されたフィルタ媒体750を含む。充填ポート760は、接着ラベル764で、例えば、ただ一面に配置された接着剤を持つ接着性キャリヤを含む片面接着膜で、シールすることができる。代替の実施例では、充填ポート760は、硬い取付プラグでシールできるように設計することができる。この実施例のフィルタアセンブリ710は、一般に楕円形形状であるが、フィルタアセンブリ710はどんな形状でもよいことが理解される。本発明のこの実施例は、ブリーザ吸着剤フィルタとして使用することができる。
【0055】
図20は、本発明の別の実施例の頂部からの平面図である。矢印は、流体がフィルタアセンブリ810を入って、固定されたフィルタ媒体850を通り、第2の固定されたフィルタ媒体850を通ってハウジング840のフィルタアセンブリ810を出ることを示す。ハウジング840はさらに充填ポート860がある頂部820を画定し、充填ポート860は、汚染物の抑制媒体をハウジング840の内部空洞中に充填するために使用される。代替の実施例では、充填ポート860は、ハウジング840の基部か側壁に配置することができる。充填ポート860は、接着ラベル864で、例えば、ただ一面に配置され接着剤を持つる接着性キャリヤを含む片面接着膜で、シールすることができる。代替の実施例では、充填ポート860は、硬い取付プラグでシールすることができるように設計することができる。この実施例では、本発明は、再循環フィルタとして使用することができる。
【0056】
図20の代替の実施例では、本発明は、さらに、フィルタアセンブリのハウジングの内部空洞と外部環境との両方との流体連結するブリーザポートを画定することができる基部を含む。この実施例では、本発明は、ブリーザ再循環フィルタとして使用することができる。図20の代替の実施例では、本発明はさらにブリーザポートと拡散通路を含む。この実施例では、本発明は、ブリーザ再循環フィルタとして使用することができる。
【0057】
汚染物の抑制物質
通常は、汚染物の抑制媒体は、ハウジングの内部空洞内に、あるいは多孔性または無孔性の密封空間内に配置される。汚染物抑制物質は、汚染物の除去、低減、捕集、固定化、吸着、吸収、および中和のための適切な物質であり得る。
【0058】
汚染物の抑制媒体は、化学的汚染物除去のために通常は提供される。汚染物の抑制媒体は、封入容器の雰囲気に入ってくる空気または既に封入容器雰囲気に存在する空気から汚染物を吸着、中和、または固定化によって除去することができる。本出願で使用されるように、用語「吸着する」、「吸着」、「吸着剤」、および同等物は、また、吸収機構を含むことを意図する。通常は、汚染物の抑制媒体は、約−40℃〜100℃の範囲で、通常のディスクドライブ運転温度で汚染物を安定化する、吸着する、または中和するように選択される。
【0059】
汚染物の抑制媒体は、例えば、水、水蒸気、酸性ガス、および揮発性有機物化合物を含む汚染物の1つまたはそれ以上の種類を吸着するかまたは中和する。汚染物の抑制媒体は、吸着性の物質(物理吸着または化学吸着する物質)、例えば、乾燥剤(すなわち、水か水蒸気を吸着または吸収する物質)または揮発有機化合物、酸性ガス、または両方を吸着または吸収する物質などを含むことができる。適切な吸着性の物質は、例えば、活性炭、活性アルミナ、分子ふるい、シリカゲル、過マンガン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸カルシウム、またはそれらの混合物を含む。たいていの実施において、炭素は適切であり、本発明の使用に適切な炭素は、引用によりその全体が本明細書に合体される米国特許第6,077,335号に開示されている。
【0060】
さらに、汚染物の抑制媒体は、中和物質を含むことができる。中和物質は、ハウジングまたは電子機器の封入容器中に見出されるガス状汚染物を効率的に中和することができる酸または塩基を含浸した物質を含むことができる。また、中和物質は、酵素あるいはハウジングまたは電子機器の封入容器に存在するガス状汚染物の分解速度を増加させる物質を含浸した触媒を含むことができる。
【0061】
汚染物の抑制媒体は、単一物質から製造することができるが、また、物質の混合物もまた有用であり、例えば、シリカゲルは、カーボン粒子と混合することができる。いくつかの実施例では、汚染物の抑制媒体は、異なる汚染物が通過するときに異なる物質によって選択的に除去される複数の物質の層あるいは組合せを含む。
【0062】
汚染物の抑制媒体は、粉末(100メッシュを通過する)、顆粒(28〜200メッシュを通過する)、ビーズ、スラリー、ペースト、およびそれらの組合せを含む多くの形態で実施することができることが理解される。
【0063】
フィルタ媒体
本発明のフィルタ媒体は、粒子状汚染物がフィルタアセンブリから電子機器の封入容器に入るのを防ぐように、1つまたはそれ以上の微粒子のろ過層を含んでもよい。そのような微粒子状の汚染物は、電子機器の封入容器の外部で発生するか、または汚染物の抑制媒体から発生してもよい。また、本発明のフィルタは、粒子状汚染物が電子機器の封入容器の外部からフィルタアセンブリに入るのを防ぐために微粒子のろ過層を含んでもよい。微粒子のろ過層は、フィルタアセンブリ外部またはフィルタアセンブリ内部に配置される。
【0064】
フィルタ媒体は、さまざまな多孔性あるいは微多孔性膜を含んでもよい。膜中の細孔の大きさと膜の厚さは、しばしば、膜とフィルタを通ることが許容される粒子の大きさを少なくとも部分的に決定する。
【0065】
しばしば、多孔性または微多孔性の膜はポリマーから形成される。適切な多孔性あるいは微多孔性の膜の例は、多孔性あるいは微多孔性のポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と他のポリマー膜を含んでいる。特に適切なろ過層は、良いろ過性能、吸着剤層を被覆するための適合性、および清潔性のために拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。好ましいePTFE膜は、10.5フィート/分の面速度の気流で約20mm水柱の気流に対する抵抗を有し、0.1μm直径の微粒子を99.99%の効率でろ過する。ePTFEは、W.L.Gore & Associates Inc.によって登録商標GORE-Texとして市販され、利用可能である。
【0066】
1つの実施例では、フィルタアセンブリは、フィルタハウジングの内部空洞中に配置した多孔性支持体で示される。汚染物の抑制媒体は、多孔性支持体層に配置される。例えば、メッシュあるいはスクリムは、汚染物の抑制媒体を保持する多孔性支持体層として使用することができる。ポリエステルと他の適切な物質(ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンおよびPTFE)をメッシュあるいはスクリムとして使用することができる。多孔性支持体層は、吸着剤媒体が配置された基部として使用することができる。
【0067】
通常は、多孔性支持体層は、吸着性の物質の重量の約40%を超えず、一般に、総フィルタ媒体重量の約10〜20%である。
【0068】
フィルタハウジング
フィルタハウジングは、例えば、外部カバー、ケーシング、またはシェルであってもよい。ハウジングは、通常は、プラスチック材料から、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタラートなどから形成される。ハウジングは、単一ピースであってもよいし、その代わりに、ツーピースとして形成し、例えば、周囲シールを形成するために、例えば接着剤、機械的コネクター、熱シール、超音波溶接を使用して一緒に結合しても良い。
【0069】
本発明の文脈では、汚染物の「減少」または「除去」は、濾過する流体(例えば、ガスまたは液体)の浄化を言うことが着目される。通常、ハードディスクドライブの封入容器中で浄化される流体は、空気流れである。しかしながら、また、本発明のフィルタ構造物により他のガスあるいは液体流を浄化できることを理解すべきである。フィルタ構造物による液体またはガス流から汚染物の低減または除去は、フィルタ構造物の内部または表面の汚染物の捕集、固定化、吸着、吸収、中和、または、他の結合(例えば、共有結合、イオン結合、配位、水素結合、ファンデルワールス結合、またはそれの組合せ)と呼ぶことができる。
【0070】
本明細書および付属の特許請求に範囲で使用されるように、単数形態の「1つ(aとan)」、「前記(the)」は、その内容が明確に定義されていない場合には、複数形態を含むことが注目される。また、一般に、用語「または(or)」は、その内容が明確に定義されていない場合には、「および/または(and/or)」を含む意味で使われることが注目される。
【0071】
本明細書におけるすべての刊行物と特許出願は、本発明が関係する当業者レベルで示されている。すべての刊行物と特許出願は、各個々の刊行物と特許出願が特に個別に引用により示されている場合には、引用により本明細書に同じ内容で合体される。
【0072】
本出願は、本発明の要旨の適合と変形を含むことを意図する。上記の記載は、例示であることを意図し、それに制限されないことを意図することが理解される。本発明の要旨の範囲は付属の特許請求の範囲およびとの特許請求の範囲の同等物を引用して決定されるするべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法であって、
a)内部空洞と、前記内部空洞に連結する少なくとも1つの充填ポートと、開口部を少なくとも部分的に覆うフィルタ媒体を持つ前記開口部と、を有するハウジングを供給する工程と、
b)汚染物の抑制媒体を供給する工程と、
c)空気が前記充填ポートを通って流れるために、部分的な真空を前記フィルタ媒体にかけることによって前記内部空洞内を負圧にする工程と、
d)前記汚染物の抑制媒体を前記内部空洞内に吸引する工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記汚染物の抑制媒体は、活性炭、シリカゲル、およびそれらの組合せを含む吸着性の物質であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記吸着性の物質は、粉末状、顆粒状、粒状、スラリー状、ペースト状、およびそれらの組合せのグループから選択されるものであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記汚染物の抑制媒体は、固定化された酸、塩基、酵素、または触媒、およびそれらの組合せを含む中和物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記吸着性の物質を前記内部空洞に吸引後に前記充填ポートをシールする工程をさらに含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの充填ポートは、約.5ミリメートル未満の直径を持つことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項8】
前記フィルタアセンブリは、電子機器の封入容器中に挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項9】
多孔性のフィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法であって、
a)フィルタ媒体によって少なくとも部分的に形成された多孔性の容器を提供する工程と、
b)汚染物の抑制媒体を供給する工程と、
c)前記多孔性の容器を部分的に真空にする工程と、
d)部分的な真空下で前記汚染物の抑制媒体を前記多孔性の容器に吸引する工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記多孔性の容器内の負圧は、前記フィルタ媒体の外側を部分的に真空にすることによって生成されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記汚染物の抑制媒体は、活性炭、シリカゲル、およびそれらの組合せを含む吸着性の物質であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記吸着性の物質は、粉末状、顆粒状、粒状、スラリー状、ペースト状、およびそれらの組合せのグループから選択されるものであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記汚染物の抑制媒体は、固定化された酸、塩基、酵素、触媒、およびそれらの組合せを含む中和物質を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記汚染物の抑制媒体を前記内部空洞に吸引後に前記充填ポートをシールする工程をさらに含むことを特徴とする請求項9の方法。
【請求項16】
前記多孔性の容器は、フィルタバッグを含むことを特徴とする請求項9の方法。
【請求項17】
前記多孔性の容器は、鋳込み成形したハウジングを含むことを特徴とする請求項9の方法。
【請求項18】
前記フィルタアセンブリは電子機器の封入容器に挿入されるように構成されていることを特徴とする請求項9の方法。
【請求項19】
電子機器の封入容器中で使用するためのフィルタアセンブリであって、
汚染物の抑制媒体を収容するように構成されたハウジング内の内部空洞と、
前記内部空洞に連結する少なくとも1つの充填ポートと、
前記内部空洞と流体連結する開口部と、
前記開口部を少なくとも部分的に被覆するフィルタ媒体と、
前記内部空洞内にある汚染物の抑制媒体と、
を有するハウジングを含む、
ことを特徴とするフィルタアセンブリ。
【請求項20】
前記ハウジングの少なくとも1面は、無孔性の表面によって部分的に構成されていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項21】
前記充填ポートは、前記無孔性の表面を完全に通り抜けることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項22】
前記充填ポートは、接着ラベルでシールされていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項23】
前記充填ポートは、適合する取付プラグでシールされていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項24】
前記充填ポートは、フィルタ媒体でシールされていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項25】
前記充填ポートは、超音波溶接の溶接ホーンでシールされていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項26】
前記フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項27】
前記汚染物の抑制媒体は、活性炭、シリカゲル、およびそれらの組合せを含む吸着性の物質であることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項28】
前記吸着性の物質は、粉末状、顆粒状、粒状、スラリー状、ペースト状、およびそれらの組合せを含むグループから選択されるものであることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項29】
前記汚染物の抑制媒体は、固定化された酸、塩基、酵素、触媒、またはそれらの組合せを含む中和物質を含むことを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項30】
前記中和物質は、粉末状、顆粒状、粒状、スラリー状、ペースト状、およびそれらの組合せのグループから選択されるものであることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項31】
汚染物の抑制媒体の供給装置であって、
汚染物の抑制媒体を保持するための保持ユニットと、
前記汚染物の抑制媒体を密封空間に充填するためのアセンブリと、
前記汚染物の抑制媒体の前記密封空間への移動を容易にするために空気流を前記密封空間に生成するデバイスと、
を有することを特徴とする供給装置。
【請求項32】
前記密封空間に配置される充填量を規制する手段をさらに有することを特徴とする請求項31に記載の供給装置。
【請求項33】
圧縮空気または同等物によって前記密封空間中への前記汚染物の抑制媒体の充填を容易にするための手段をさらに含むことを特徴とする請求項31に記載の供給装置。
【請求項34】
前記充填ポートを通過する空気流は、部分的な真空を前記フィルタ媒体にかけることによって生成されることを特徴とする請求項31に記載の供給装置。
【請求項1】
フィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法であって、
a)内部空洞と、前記内部空洞に連結する少なくとも1つの充填ポートと、開口部を少なくとも部分的に覆うフィルタ媒体を持つ前記開口部と、を有するハウジングを供給する工程と、
b)汚染物の抑制媒体を供給する工程と、
c)空気が前記充填ポートを通って流れるために、部分的な真空を前記フィルタ媒体にかけることによって前記内部空洞内を負圧にする工程と、
d)前記汚染物の抑制媒体を前記内部空洞内に吸引する工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記汚染物の抑制媒体は、活性炭、シリカゲル、およびそれらの組合せを含む吸着性の物質であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記吸着性の物質は、粉末状、顆粒状、粒状、スラリー状、ペースト状、およびそれらの組合せのグループから選択されるものであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記汚染物の抑制媒体は、固定化された酸、塩基、酵素、または触媒、およびそれらの組合せを含む中和物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記吸着性の物質を前記内部空洞に吸引後に前記充填ポートをシールする工程をさらに含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの充填ポートは、約.5ミリメートル未満の直径を持つことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項8】
前記フィルタアセンブリは、電子機器の封入容器中に挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項9】
多孔性のフィルタアセンブリを汚染物の抑制媒体で充填する方法であって、
a)フィルタ媒体によって少なくとも部分的に形成された多孔性の容器を提供する工程と、
b)汚染物の抑制媒体を供給する工程と、
c)前記多孔性の容器を部分的に真空にする工程と、
d)部分的な真空下で前記汚染物の抑制媒体を前記多孔性の容器に吸引する工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記多孔性の容器内の負圧は、前記フィルタ媒体の外側を部分的に真空にすることによって生成されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記汚染物の抑制媒体は、活性炭、シリカゲル、およびそれらの組合せを含む吸着性の物質であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記吸着性の物質は、粉末状、顆粒状、粒状、スラリー状、ペースト状、およびそれらの組合せのグループから選択されるものであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記汚染物の抑制媒体は、固定化された酸、塩基、酵素、触媒、およびそれらの組合せを含む中和物質を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記汚染物の抑制媒体を前記内部空洞に吸引後に前記充填ポートをシールする工程をさらに含むことを特徴とする請求項9の方法。
【請求項16】
前記多孔性の容器は、フィルタバッグを含むことを特徴とする請求項9の方法。
【請求項17】
前記多孔性の容器は、鋳込み成形したハウジングを含むことを特徴とする請求項9の方法。
【請求項18】
前記フィルタアセンブリは電子機器の封入容器に挿入されるように構成されていることを特徴とする請求項9の方法。
【請求項19】
電子機器の封入容器中で使用するためのフィルタアセンブリであって、
汚染物の抑制媒体を収容するように構成されたハウジング内の内部空洞と、
前記内部空洞に連結する少なくとも1つの充填ポートと、
前記内部空洞と流体連結する開口部と、
前記開口部を少なくとも部分的に被覆するフィルタ媒体と、
前記内部空洞内にある汚染物の抑制媒体と、
を有するハウジングを含む、
ことを特徴とするフィルタアセンブリ。
【請求項20】
前記ハウジングの少なくとも1面は、無孔性の表面によって部分的に構成されていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項21】
前記充填ポートは、前記無孔性の表面を完全に通り抜けることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項22】
前記充填ポートは、接着ラベルでシールされていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項23】
前記充填ポートは、適合する取付プラグでシールされていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項24】
前記充填ポートは、フィルタ媒体でシールされていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項25】
前記充填ポートは、超音波溶接の溶接ホーンでシールされていることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項26】
前記フィルタ媒体は、ePTFE(拡張ポリテトラフルオロエチレン)を含むことを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項27】
前記汚染物の抑制媒体は、活性炭、シリカゲル、およびそれらの組合せを含む吸着性の物質であることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項28】
前記吸着性の物質は、粉末状、顆粒状、粒状、スラリー状、ペースト状、およびそれらの組合せを含むグループから選択されるものであることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項29】
前記汚染物の抑制媒体は、固定化された酸、塩基、酵素、触媒、またはそれらの組合せを含む中和物質を含むことを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項30】
前記中和物質は、粉末状、顆粒状、粒状、スラリー状、ペースト状、およびそれらの組合せのグループから選択されるものであることを特徴とする請求項19に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項31】
汚染物の抑制媒体の供給装置であって、
汚染物の抑制媒体を保持するための保持ユニットと、
前記汚染物の抑制媒体を密封空間に充填するためのアセンブリと、
前記汚染物の抑制媒体の前記密封空間への移動を容易にするために空気流を前記密封空間に生成するデバイスと、
を有することを特徴とする供給装置。
【請求項32】
前記密封空間に配置される充填量を規制する手段をさらに有することを特徴とする請求項31に記載の供給装置。
【請求項33】
圧縮空気または同等物によって前記密封空間中への前記汚染物の抑制媒体の充填を容易にするための手段をさらに含むことを特徴とする請求項31に記載の供給装置。
【請求項34】
前記充填ポートを通過する空気流は、部分的な真空を前記フィルタ媒体にかけることによって生成されることを特徴とする請求項31に記載の供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【公表番号】特表2010−533571(P2010−533571A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516292(P2010−516292)
【出願日】平成20年7月13日(2008.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/069902
【国際公開番号】WO2009/012188
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(591163214)ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド (96)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月13日(2008.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/069902
【国際公開番号】WO2009/012188
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(591163214)ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド (96)
【Fターム(参考)】
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