説明

充電器

【課題】従来の充電器に配設されたケースの開口部では、電池パックの前記ケースの開口部に隣接していない領域において、電池パックを冷却するための空気が対流しないという課題を有しており、その対策を目的とする。
【解決手段】充電回路を内蔵した充電器本体に充電する電池パックを収納する電池パック収納部を設けた充電器において、この電池パック収納部の底面に外部に連通する通気孔を設けるとともに電池パックの底面との間に隙間を形成する突部を設け、かつ、電池パック収納部の周壁面と電池パックの周面との間に隙間を設けた充電器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、電動アシスト自転車、電動耕うん機、電動工具などの電気機器に用いられる電池パックを充電するために使用される充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電池パックを充電する機器において、電池パックを充電器に収納するために充電器のケースによって電池パックが囲われていることが知られており、充電器のケースに開口部を設けて空気を対流させることで充電中に発熱する電池パックを冷却させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−131090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の充電器に配設されたケースの開口部では、電池パックの前記ケースの開口部に隣接していない領域において、電池パックを冷却するための空気が対流しないという課題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の充電回路を内蔵した充電器本体に充電する電池パックを収納する電池パック収納部を設けた充電器において、この電池パック収納部の底面に外部に連通する通気孔を設けるとともに電池パックの底面との間に隙間を形成する突部を設け、かつ、電池パック収納部の周壁面と電池パックの周面との間に隙間を設けたことを特徴とする充電器である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、充電中の電池パックが発熱することで電池パック周辺の空気が温められて上昇することで発生する空気の対流に伴い、充電器の電池パック収納部の底面部に配設された貫通穴を介して、充電器の底面部から充電器外部の空気を吸入することが可能となり、電池パック収納部に配設された空隙を利用し空気が対流することで、電池パックに充電器外部の空気を触れさせることが可能となり、充電中に発熱する電池パックを冷却することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態2に示す断面図
【図2】本発明の実施の形態1に示す上面外観図
【図3】本発明の実施の形態3に示す底面外観図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
(実施の形態1)
図2は本発明の実施の形態1における充電器の上面外観図である。
【0010】
同図を用いて、本実施の形態における通気孔101と底面の隙間102にあたる領域と凸形状103を説明する。電池パックを充電器11に収納する電池パック収納部の底面12に前記電池パック収納部の底面から前記充電器の底面に至るまでを貫通する通気孔101を配設する。
【0011】
前記通気孔101の大きさは、空気が通過できるものであればその大きさ、形状、及び、数を特定するものではない。しかし、ここでは、例えば、この通気孔101の大きさとして直径14mmのものを想定している。また、この充電器11の外観の樹脂は、材料例として、PPEおよびABS樹脂を想定している。
【0012】
前記電池パック収納部の底面12には、電池パックと前記電池パック収納部の底面12との間に底面の隙間102が設けられている。
【0013】
前記底面の隙間102は、前記電池パック収納部の底面12の一部分に凸形状103を設ける、または、前記電池パック収納部の底面に凹形状104を設ける。
【0014】
この凸形状103の突起の大きさは、例えば、直径15mmレベルで電池パックを充電器11へ搭載した場合、底面の隙間102は、約0.5mmできることを想定している。
【0015】
または、そのいずれをも設けることで配設される。前記底面の隙間102は空気が通過できるものであれば、その大きさ、形状、及び、数を特定するものではない。
【0016】
前記電池パック収納部の底面12に設けた通気孔101の電池パック収納部側の面の周囲に凹部104を設けた充電器である。
【0017】
またその際、電池パック収納部の側壁13に電池パックと前記側壁13との間に側面の隙間105を設けるための凸形状のリブ106が複数配設されることを特徴とする充電器である。
【0018】
前記リブ106は前記側壁13と前記電池パックとの間に隙間を設けるものであれば、その大きさ、形状、及び、数を特定するものではない。
【0019】
前記電池パック収納部の周壁と電池パックの周囲との間の隙間は、電池パック収納部の周壁または電池パックの周囲の少なくともいずれか一方に設けた複数のリブまたは突起によって形成した充電器である。
【0020】
(実施の形態2)
図1は本発明の実施の形態1における充電器の断面図である。
【0021】
同図を用いて、本発明の形態における底面の隙間102と凸形状103と凹形状104を説明する。
【0022】
電池パック21を充電器に収納する電池パック収納部の底面12の一部分に凸形状103を設ける、または、前記電池パック収納部の底面12に凹形状104を設ける、または、そのいずれをも設けることで、前記電池パック21との間に隙間102を設ける。
【0023】
また、その際電池パック収納部の周壁13または前記電池パック21の周囲の少なくともいずれかに一方を設けた複数のリブ106または突起によって隙間105が形成される。
【0024】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態1における充電器の底面外観図である。
【0025】
同図を用いて、本発明の形態における通気孔101を説明する。充電器の底面14には、電池パック収納部の底面12に設けた通気孔101が貫通し配設されて、前記電池パック収納部の底面12に充電器11の外部の空気を吸入させることを可能としている。
【0026】
上記実施の形態1から形態3で用いた充電用の電池は、主として、電動アシスト自転車、電動耕うん機、電動工具などの消費電力の比較的大きな電気機器に用いられるものを想定しており、そのために発熱した熱量を低減できる構成とした充電器である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明にかかる通気孔、及び、隙間は、充電中に発熱する電池パックに対し充電器外部の空気を吸入し電池パックに充電器外部の空気を触れさせることが可能となり、充電中に発熱する電池パックの冷却が可能になるので、特に中容量、及び、高容量電池パックの充電器の電池パック収納部への配設として有用である。
【符号の説明】
【0028】
11 充電器
12 電池パック収納部の底面
13 電池パック収納部の周壁
14 充電器の底面
21 電池パック
101 通気孔
102 底面の隙間
103 凸形状
104 凹形状
105 側面の隙間
106 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電回路を内蔵した充電器本体に充電する電池パックを収納する電池パック収納部を設けた充電器において、この電池パック収納部の底面に外部に連通する通気孔を設けるとともに電池パックの底面との間に隙間を形成する突部を設け、かつ、電池パック収納部の周壁面と電池パックの周面との間に隙間を設けたことを特徴とする充電器。
【請求項2】
前記電池パック収納部の底面に設けた通気孔の電池パック収納部側の面の周囲に凹部を設けた請求項1記載の充電器。
【請求項3】
前記電池パック収納部の周壁と電池パックの周囲との間の隙間は、電池パック収納部の周壁または電池パックの周囲の少なくともいずれか一方に設けた複数のリブまたは突起によって形成した請求項1記載の充電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−78199(P2013−78199A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216360(P2011−216360)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】