説明

充電装置

【課題】料金の支払いの煩わしさを軽減することを目的とする。
【解決手段】目的に応じて選択された蓄電池の充電量に応じた料金を算出し(300)、算出した料金をタッチパネル32に表示する(302)。そして、予め定めた利用単位(例えば、集合住宅の各部屋単位、家族単位、或いは個人単位)毎に料金データベースを更新する(306)。これによって、予め定めた時間単位毎に複数回の充電装置の使用に対する課金を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置にかかり、特に、各種蓄電池の充電量に応じて課金を行う充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蓄電池は充電すれば何度でも使用可能であるため、携帯電話、家電機器、自動車などの様々な装置で使用されるようになっており、様々な蓄電池を充電するための充電器が必要とされている。
【0003】
蓄電池を充電するための充電器の技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。特許文献1に記載の技術では、複数種類の携帯電話及び複数種類の2次電池に対応した複数の充電ブロックから装置利用者自身の保持する携帯電話にあった充電ブロックを見つけ、その充電ブロックに携帯電話を取り付け、硬貨投入口から適当な金額の硬貨を投入し、選択ボタンから所望の充電時間を指示し、キーによって充電ブロックの扉を施錠すると、受け入れられた硬貨の金額を計算し、その計算された金額と指示された充電時間とに従って、充電ブロックに備えられた急速充電器を制御し、その充電ブロックの充電ホルダに取り付けられた携帯電話の2次電池の充電を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−162241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、携帯電話の蓄電池を充電する際に課金することが提案されているが、個人毎の課金であると共に、充電の度に課金を行うため、料金の支払いの煩わしさの点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、料金の支払いの煩わしさを軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、蓄電池を充電する充電手段と、前記充電手段によって蓄電池を充電する利用者を識別する識別手段と、前記充電手段によって蓄電池に充電する充電量に応じて課金する料金を算出する算出手段と、前記識別手段によって識別された前記利用者が含まれる予め定めた利用単位毎に、前記算出手段によって算出した料金を複数回まとめて課金する課金手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、充電手段によって蓄電池を充電することができる。充電手段は、例えば、自動車用蓄電池や、家電機器用蓄電池、携帯電話用蓄電池等の各種蓄電池を充電可能としてもよい。
【0009】
識別手段では、充電手段によって蓄電池を充電する利用者を識別する。例えば、請求項3に記載の発明のように、暗証番号、自動車のキー、カード、または自宅のカードキーに基づいて利用者を識別することができる。
【0010】
算出手段では、充電手段によって蓄電池に充電する充電量に応じて課金する料金が算出される。
【0011】
そして、課金手段では、識別手段によって識別された利用者が含まれる予め定めた利用単位毎に、算出手段によって算出された料金を複数回まとめて課金する。例えば、請求項4に記載の発明のように、複数の個人がひとまとまりであることを表す情報に基づいて利用単位を判断し、判断した利用単位毎に算出手段によって算出した料金を複数回まとめて課金する。
【0012】
このように課金を行うことによって、充電の度に料金を支払うことがなくなると共に、個人単位の課金だけではなく、予め定めた利用単位毎にまとめて料金を支払うことができるので、料金の支払いの煩わしさを軽減することができる。
【0013】
課金手段は、例えば、請求項2に記載の発明のように、個人または家族単位を利用単位として、複数回まとめて課金するようにしてもよい。
【0014】
なお、請求項5に記載の発明のように、利用単位毎の利用履歴を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段によって蓄積された利用履歴を予め定めた期間毎に出力する出力手段と、を更に備えるようにしてもよい。すなわち、充電装置の利用履歴を蓄積しておいて、予め定めた期間(例えば、1ヶ月)毎に出力することによって、利用者に対して料金請求を行ったり、利用者が利用状況を確認したりすることができる。
【0015】
また、充電装置は、請求項6に記載の発明のように、複数世帯が居住する集合住宅に設置するようにしてもよい。この場合には、請求項7に記載の発明のように、識別手段によって識別された利用者が集合住宅に居住する利用者か否かを判断し、集合住宅に居住する利用者のみの利用を許可するための認証を行う認証手段を更に備えるようにしてもよい。これによって、充電装置の利用を集合住宅の居住者のみに限定することができる。この場合、認証手段は、請求項8に記載の発明のように、暗証番号、自動車のキー、カード、または自宅のカードキーに基づいて、集合住宅に居住する利用者か否かを判断して認証を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、予め定めた利用単位毎に、料金を複数回まとめて課金することによって、充電の度に料金を支払うことがなくなると共に、個人単位の課金だけではなく、予め定めた利用単位毎にまとめて料金を支払うことができるので、料金の支払いの煩わしさを軽減することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係わる充電装置の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる充電装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる充電装置の制御部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】目的毎の蓄電池選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】課金処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】蓄電池充電処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】精算処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる充電装置の概略を示す図である。
【0019】
本発明の実施の形態に係わる充電装置10は、複数世帯が居住する集合住宅の共有スペース等に設置される。充電装置10は、集合住宅の住人のみが利用することができ、各種蓄電池を充電して、充電に対する課金を行うようになっている。具体的には、既に充電された各種蓄電池を交換して充電した電力に対して課金を行う。
【0020】
本実施の形態における充電装置10は、各種蓄電池として、ハイブリッド自動車や電気自動車などの自動車に使用する蓄電池、掃除機やオーディオ機器などの家電機器で使用する蓄電池、携帯電話用蓄電池等の蓄電池を充電する。すなわち、充電装置10は、サイズ、用途、及び容量がそれぞれ異なる複数種類の蓄電池を充電することが可能とされている。
【0021】
充電装置10には、サイズ、用途、及び容量等がそれぞれ異なる複数種類の蓄電池を収納するための蓄電池収納部11が複数設けられており、サイズに応じてそれぞれ異なる大きさとされている。蓄電池収納部11に収納する蓄電池のサイズとしては、例えば、幅×高さ×奥行が、80×115×200の蓄電池、40×115×200の蓄電池、120×115×200の蓄電池、20×40×40の蓄電池などを適用することができ、図1では、一例として、蓄電池収納部11A〜11Cは、自動車、バイク、車いす等の蓄電池を収納し、蓄電池収納部11Dは、携帯電話などの携帯用電化製品用の蓄電池を収納する。
【0022】
また、各蓄電池収納部11には、表示ランプ28が設けられており、蓄電池収納部11の外枠部分に光源を設けて点灯することにより、目的や用途に応じた蓄電池を選択表示するようになっている。
【0023】
また、充電装置10には、タッチパネル32が設けられており、各種入力画面の表示や、該入力画面等に対する入力が可能とされている。
【0024】
また、充電装置10には、認証パネル44が設けられており、認証パネル44によって読み取られた情報の認証が許可された場合のみ使用可能とされる。認証パネル44は、例えば、認証カード(例えば、自宅のカードキーや自動車のスマートキー、或いはICカード等からなる専用の認証カード)を読み取ることができるカードリーダー等を適用してもよいし、暗証番号入力でもよい。
【0025】
さらに、充電装置10には、充電用蓄電池22が設けられており、充電用蓄電池22の電力を用いて、蓄電池収納部11に収納された各蓄電池を充電する。充電用蓄電池22は、本実施の形態では、深夜電力を用いて充電したり、太陽電池等の自然エネルギーを用いて充電することによって安価な電源を用いて充電することが可能とされている。
【0026】
次に、本発明の実施の形態に係わる充電装置10の詳細な構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係わる充電装置10の構成を示すブロック図である。
【0027】
充電装置10は、制御部20、充放電制御部18、及び充電用蓄電池22を備えており、制御部20が充放電制御部18を制御することによって充電用蓄電池22の充放電が制御される。
【0028】
充放電制御部18には、充電用蓄電池22が接続されると共に、蓄電池収納部11に収納される蓄電池と電気的に接続するための複数の蓄電池接続部24(図2では、1つのみ示す)、蓄電池収納部11に収納された蓄電池の取り出しをロックするためのロック機構を作動するロック機構部26、及び、上述の表示ランプ28が接続されている。なお、ロック機構部26についても蓄電池収納部11に対応して複数設けられている。
【0029】
また、充放電制御部18には、インバータ変換器14を介して商用電源12が接続されていると共に、太陽電池16が接続されており、充電用蓄電池22へ充電するための電力や充電装置10の各部を作動するための電力を商用電源12、または太陽電池16等の自然エネルギーから得るようになっている。
【0030】
商用電源12または太陽電池16の電源の切替は、制御部20が充放電制御部18を制御することによって行われる。例えば、制御部20は、昼間は太陽電池16からの電力を主に使用し、太陽電池16からの電力が不足する場合には商用電源12から電力供給を用いて充電用蓄電池22を充電するように充放電制御部18を制御する。一方、夜間は、商用電源12の深夜電力を使用して充電用蓄電池22を充電するように制御する。また、制御部20は、充電用蓄電池22に蓄電された電力を充電装置10内で必要とされる部分に供給するように制御し、充電用蓄電池22に蓄電された電力が不足する場合には、商用電源12や太陽電池16からの電力を用いるように充放電制御部18を制御する。なお、基本的には、充電用蓄電池22の電力を用いて蓄電池接続部24に接続された蓄電池を充電するが、商用電源12や太陽電池16からの直接充電が利用者によって指示された場合には指示に応じた電源を用いて蓄電池接続部24に接続された蓄電池を充電する。
【0031】
制御部20は、充放電制御部18を制御することによって、充電装置10の蓄電池収納部11に収納された蓄電池の充電制御や、目的に応じた蓄電池の選択表示等を行う。なお、蓄電池の選択表示は、上述の表示ランプ28を点灯することによって行う。
【0032】
また、制御部20には、課金処理部30、上述のタッチパネル32、上述の認証パネル44、及び通信部34が接続されている。
【0033】
課金処理部30は、本実施の形態では、蓄電池に蓄電する電力量、または蓄電池の充電時間に応じて課金を行う。課金方法としては、本実施の形態では、銀行引き落としにより課金の精算を行うが、現金、カード等の各種方法を適用するようにしてもよい。
【0034】
タッチパネル32は、使用する蓄電池の用途や、使用時間、充電時間等の入力を行うための条件設定画面の表示や、表示された設定画面に対する入力を行うために設けられており、入力結果が制御部20に出力され、制御部20によって必要な電力が充電された最適容量の蓄電池の検出や、電力量に対する課金等が制御される。
【0035】
認証パネル44は、上述したように、認証カード(例えば、自宅のカードキーや自動車のスマートキー、或いはICカード等からなる認証カード等)を読み取るカードリーダを適用することができ、読み取った認証カードの情報(使用者を識別するための情報)を制御部20へ出力するようになっている。これによって制御部20では、認証パネル44で読み取った情報に基づいて、充電装置10の利用者の認証を行うようになっている。
【0036】
通信部34は、ネットワーク38に接続されたサーバ36に接続されている。サーバ36には、充電装置10の利用者の登録データ(例えば、利用者を認証するための認証データを含む登録データ)や、登録された利用者の利用履歴等の各種データがデータベースとして記憶されており、通信部34と通信を行うことによって、充電装置10とサーバ36間で利用者に関する情報の授受を行う。なお、データベースとしては、予め定めた利用単位(例えば、集合住宅の各部屋単位、家族単位、或いは個人単位)毎の料金の履歴や総料金が料金データベースとして記憶されている。また、本実施の形態では、データベースをサーバ36に記憶する構成とするが、制御部20に記憶するようにしてもよい。
【0037】
また、ネットワーク38には、利用者(集合住宅の住人)が所有する複数(図2では1つのみを示す)のクライアントコンピュータ40等が接続され、利用履歴や料金の総額等を暗証番号等の認証を行うことによって閲覧可能とされている。
【0038】
さらに、通信部34は、自動車に搭載されたナビゲーション装置42と通信を行うために設けられており、例えば、充電装置10のタッチパネル32によって設定された目的地を通信部34によってナビゲーション装置42に送信して、ナビゲーション装置42の目的地設定等が可能とされている。
【0039】
また、制御部20は、地図データを記憶しており、タッチパネル32を用いて目的地を入力することによって経路検索したり、目的地までの所要時間等を算出するナビゲーション機能を備えている。例えば、制御部20は、タッチパネル32によって目的地が入力された場合には、ナビゲーション機能によって経路検索して距離や所要時間等を算出する。そして、目的地の往復に必要な自動車の電力量を算出し、算出した電力が蓄電された蓄電池を検索し、検索した蓄電池が収納された蓄電池収納部11に対応する表示ランプ28を点灯するようになっている。なお、ナビゲーション機能は、充電装置10ではなく、サーバ36に備えるようにして、サーバ36との通信によって必要な電力量を算出するようにしてもよい。
【0040】
また、制御部20は、集合住宅の住人の間取り図を記憶しており、タッチパネル32を用いて掃除する範囲を入力することによって、当該掃除範囲を掃除するために必要な電力量を算出し、算出した電力量が蓄電された蓄電池を検索し、検索した蓄電池が収納された蓄電池収納部11に対応する表示ランプ28を点灯するようになっている。
【0041】
なお、充電装置10に接続された充電用蓄電池22及び蓄電池収納部11に収納された蓄電池は、使用しない場合には、集合住宅の共有スペース等で必要な電量として使用するようにしてもよい。
【0042】
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる充電装置10で行われる処理の一例について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係わる充電装置10の制御部20で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0043】
まず、ステップ100では、認証が行われたか否か判定される。すなわち、認証パネル44によって認証カードの情報を読み取って、読み取った情報が、サーバ36に予め登録されているか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ102へ移行する。
【0044】
ステップ102では、蓄電池使用目的選択画面が表示されてステップ104へ移行する。例えば、蓄電池使用目的として、自動車、家電機器、携帯電話などを選択するための選択画面が蓄電池使用目的選択画面として表示される。
【0045】
ステップ104では、選択入力があるか否か判定される。該判定は、利用者によってタッチパネル32が操作されて蓄電池使用目的選択画面に対して蓄電池使用目的の入力が行われたか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ106へ移行する。
【0046】
ステップ106では、目的毎の蓄電池選択処理が行われてステップ108へ移行する。目的毎の蓄電池選択処理は、例えば、使用目的(自動車用蓄電池、家電機器用蓄電池、携帯電話用蓄電池等)毎の処理で、使用目的に対応する蓄電池を検索して表示する処理である。ここで、目的毎の蓄電池選択処理について図4を参照して説明する。図4は、目的毎の蓄電池選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0047】
目的毎の蓄電池選択処理へ移行すると、ステップ200では、蓄電池選択入力画面がタッチパネル32に表示されてステップ202へ移行する。蓄電池選択入力画面としては、例えば、蓄電池使用目的が自動車の場合には、使用時間や目的地などの選択入力画面を表示し、蓄電池使用目的が家電機器等の場合には、使用する時間などを選択するための画面をタッチパネル32に表示する。
【0048】
ステップ202では、条件が入力されたか否か判定される。該判定は、表示された蓄電池選択入力画面に対して利用者によってタッチパネル32が操作されて条件が入力されたか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ204へ移行する。
【0049】
ステップ204では、条件に対応するデータがサーバ36にあるか否か判定される。該判定は、例えば、通信部34を介してサーバ36と通信することによって、サーバ36に記憶された認証された利用者が過去に使用した履歴(データベース)から入力された条件(例えば、自動車使用時間や目的地、或いは家電機器の使用時間等)に対応する必要な電力量を表すデータがあるか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ206へ移行し、否定された場合にはステップ208へ移行する。
【0050】
ステップ206では、サーバ36に記憶されているデータベースから入力された条件に対して必要な電力量を表すデータが読み出されてステップ212へ移行する。
【0051】
一方、ステップ208では、入力された条件に対して必要な電力量が算出されてステップ210へ移行する。例えば、予め定めた自動車の消費電力や家電機器等の消費電力を用いて、入力された自動車の使用時間や目的地、或いは家電機器の使用時間などに対して必要な電力量を算出する。
【0052】
ステップ210では、条件に対応する電力量のデータベースの更新が行われてステップ212へ移行する。例えば、自動車用蓄電池の場合には、算出された走行距離や走行時間を走行するために必要な電力量のデータベースを認証された利用者に対応して記憶することによってデータベースを更新する。また、掃除機用蓄電池の場合には、使用時間や掃除範囲などを記憶することでデータベースを更新することによって、いつも掃除する範囲や、その時間などを正確に割り出すことが可能となり、最適な蓄電池を選択表示することが可能となる。
【0053】
ステップ212では、対応する蓄電池が検出されてステップ214へ移行する。すなわち、ステップ206またはステップ208で得られる電力量分の電力が充電されている、使用目的に合う蓄電池が検出されてステップ214へ移行する。なお、最適容量の蓄電池の充電量が不充分の場合は、使用条件を満たす充電量の少し容量が多いセカンドベストの蓄電池を検出する。
【0054】
ステップ214では、検出した蓄電池が収納されている蓄電池収納部11に対応する表示ランプ28が点灯されて目的毎の蓄電池選択処理がリターンされて図4のステップ108へ移行する。
【0055】
図3に戻ってステップ108では、課金処理が行われてステップ110へ移行する。課金処理は、必要な電力が既に充電された代替蓄電池と交換し、交換した代替蓄電池に応じた課金を行う処理である。ここで、課金処理について図5を参照して説明する。図5は、課金処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0056】
課金処理へ移行すると、ステップ300では、選択された蓄電池の充電量に応じた料金が算出されてステップ302へ移行する。すなわち、上述のステップ214で表示ランプ28が点灯された蓄電池収納部11に格納された蓄電池の充電量に応じた料金を算出する。なお、充電装置10で充電されている蓄電池自体の料金については、本実施の形態では、加算しないで充電量に応じた料金だけを課金するが、蓄電池自体の料金を加算するようにしてもよい。
【0057】
ステップ302では、算出した料金がタッチパネル32に表示されてステップ304へ移行する。
【0058】
ステップ304では、取消されたか否か判定される。該判定は、利用者によって取消を表す操作がタッチパネル32に対して行われたか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ306へ移行し、否定された場合には図3の110へリターンせずにそのまま一連の処理を終了する。
【0059】
ステップ306では、予め定めた利用単位(例えば、集合住宅の各部屋単位、家族単位、或いは個人単位)毎に料金データベースが更新されてステップ308へ移行する。すなわち、通信部34を介してサーバ36と接続して、今回使用した料金を利用者単位毎に加算して料金データベースを更新する。これによって、予め定めた時間単位毎に複数回の充電装置10の使用に対する課金を行うことができる。なお、このとき、充電装置10にプリンタを備えて、ステップ302で表示された料金や、エネルギー使用量等をプリントアウトするようにしてもよい。
【0060】
ステップ308では、目的、選択した蓄電池のエネルギー量、料金等が利用者に対応してデータベースとしてサーバ36に記憶されてステップ310へ移行する。
【0061】
ステップ310では、表示ランプ28が点灯している蓄電池収納部11に対応するロック機構部26が作動されてロックが解除されて課金処理がリターンされて図3のステップ110へ移行する。これによって、利用者が充電装置10で充電した蓄電池を使用することができる。
【0062】
一方、図3のステップ110へ移行すると、蓄電池が入れ替えられたか否か判定される。すなわち、上述のステップ214で表示ランプ28が点灯された蓄電池収納部11に収納された蓄電池が取り出されたか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ112へ移行する。なお、蓄電池が蓄電池収納部11から取り出されたか否かの判定は、蓄電池接続部24の接続が解除されたか否か等を判断することで判定できる。また、表示ランプ28が点灯された蓄電池収納部11に収納された蓄電池が取り出されたか否かだけではなく、取り出されて使用済みの蓄電池が新たに収納されたか否かを判定するようにしてもよい。
【0063】
ステップ112では、点灯されていた表示ランプ28が消灯されてステップ114へ移行する。
【0064】
ステップ114では、蓄電池充電処理が行われて一連の処理を終了する。蓄電池充電処理は、充電装置10の蓄電池収納部11に収納された蓄電池に対して充電を行う処理であり、該蓄電池終了処理は、図6のフローチャートに従って行われる。図6は、蓄電池充電処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、蓄電池充電処理は、この他に所定のタイミング(例えば、予め定めた時間等)に行うようにしてもよい。
【0065】
蓄電池充電処理へ移行すると、ステップ400では、蓄電池接続部24に接続されている蓄電池の残量が検出されてステップ402へ移行する。すなわち、蓄電池収納部11に収納され、蓄電池接続部24に接続されている全ての蓄電池の残量が検出される。蓄電池の残量は、例えば、電流や電圧等を蓄電池接続部24が検出することで各蓄電池の残量を検出することができる。
【0066】
ステップ402では、全て満充電か否か判定され、該判定が肯定された場合には、蓄電池充電処理を終了し、否定された場合にはステップ404へ移行する。
【0067】
ステップ404では、充電が必要な蓄電池の種類が検出されてステップ406へ移行する。蓄電池の種類の検出方法としては、例えば、蓄電池収納部11毎に蓄電池の種類を予め定めておくことにより、残量が少ない蓄電池がどの蓄電池収納部11に収納されているかを蓄電池接続部24の接続状態から検出することで蓄電池の種類を検出することができる。
【0068】
ステップ406では、検出した蓄電池の種類に対応する電流及び電圧で蓄電池の充電が行われて蓄電池充電処理を終了する。このとき、充電池は、深夜の電力等の安い時間帯の電力や太陽電池16等の自然エネルギーを用いた電力によって充電した充電用蓄電池22を用いて充電することで、充電に必要な電気料金を安くすることができる。なお、本実施の形態では、深夜電力や太陽電池16の電力等によって充電した充電用蓄電池22からの電力を用いて充電装置10に接続された蓄電池を充電するが、深夜電力や太陽電池16からの電力を直接用いて充電装置10の蓄電池接続部24に接続された蓄電池を充電するようにしてもよい。
【0069】
このように充電装置10で処理を行うことによって、蓄電池の充電を待つことなく、既に充電された蓄電池を使用することができるので、利便的となる。例えば、自動車を使用する場合には、まず、タッチパネル32を操作して蓄電池使用目的の入力を行う。このとき、蓄電池使用目的として自動車を選択する。続いて、使用時間または、目的地等の必要な電力量に係わる情報をタッチパネル32を用いて入力する。これによって、充電装置10は、最適な充電量の蓄電池を検索し、表示ランプ28を点灯することによって、利用者に既に充電された蓄電池がどれであるかを知らせる。利用者は、自動車に搭載された自動車用蓄電池と充電装置10で充電された蓄電池を交換することによって、充電を完了するまで待つことなる既に充電された蓄電池を交換することによって自動車を使用することができる。また、自動車に搭載されていた自動車用蓄電池は、利用者によって使用する蓄電池の代りに充電装置10に戻すことにより、深夜電力や自然エネルギー等を利用して充電することができる。なお、ドライブ中の渋滞や目的地変更によって走行距離や走行時間が延びた場合には、自動車のナビゲーション装置42によって自動車用蓄電池の残量を監視し、充電が必要になった場合に、ナビゲーション装置42によって近くの充電ステーション等を検索して自動車用蓄電池の充電や交換を音声や表示によって促すようにしてもよい。
【0070】
他の例では、掃除するために掃除機用蓄電池が必要な場合には、タッチパネル32を操作して蓄電池の使用目的として、掃除機を選択する。続いて、使用時間または、掃除範囲等の必要な電力量に係わる情報をタッチパネル32を用いて入力する。これによって、充電装置10は、最適な充電量の蓄電池を検索し、表示ランプ28を点灯することによって、利用者に既に充電された蓄電池がどれであるかを知らせる。利用者は、掃除機の蓄電池を既に充電された蓄電池と交換することによって、充電を完了するまで待つことなく、掃除を開始することができる。また、掃除機に搭載されていた蓄電池は、利用者によって使用する蓄電池の代りに充電装置10に戻すことにより、深夜電力や自然エネルギー等を利用して充電することができる。
【0071】
次に、制御部20で行われる精算処理について説明する。精算処理は、上述の課金処理によって課金されることによって更新された料金データベースを使用して行われる精算に関する処理である。図7は、精算処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、精算処理は、予め定めた期間(例えば、1ヶ月等)毎に行われる処理としてもよいし、集合住宅の管理人等によって実行指示された場合に行われる処理としてもよい。
【0072】
まず、ステップ500では、料金データベースがサーバ36から読み出されてステップ502へ移行する。
【0073】
ステップ502では、所定期間の利用単位毎の料金が算出されてステップ504へ移行する。すなわち、料金データベースから利用単位毎の所定期間(例えば、1ヶ月)の利用料金や総計を算出する。
【0074】
ステップ504では、所定期間の利用単位毎の料金の請求書が生成されてステップ506へ移行する。例えば、利用年月、内訳、料金等を含む予め定めたフォーマットの請求書をデータとして生成する。
【0075】
ステップ506では、所定期間の利用単位毎の料金の請求書が出力されてステップ508へ移行する。請求書の出力としては、例えば、サーバ36に接続されたクライアントコンピュータ40にメール等で送信するようにしてもよいし、各利用者へ渡すために紙で出力するようにしてもよい。
【0076】
ステップ508では、引き落とし処理が行われて一連の精算処理を終了する。引き落とし処理は、本実施の形態、予め銀行口座からの引き落とし等を申請しておくことにより、利用単位毎に複数回課金した料金をまとめて引き落とす。これによって、まとめて課金して精算することができる。
【0077】
以上のように充電装置10で処理を行うことによって、種々の蓄電池の充電、或いは、充電した蓄電池の交換に対して課金を行うことが可能となる。また、課金の際には、予め定めた利用単位毎に複数回の課金をまとめて精算することができるので、利用毎に精算する必要が無くなり、料金の支払いの煩わしさを軽減して利便的に利用することができる。
【0078】
また、充電する際の電力として、昼間の商用電源12、夜間の商用電源12(深夜電力)、太陽電池16等を使用して充電することができるので、深夜電力や太陽電池16等を利用して充電することによって安価な電力を用いて蓄電池を充電することができる。
【0079】
なお、上記の実施の形態では、自然エネルギーを利用した電力として、太陽電池16を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、水力発電、風力発電、地熱発電等の各種自然エネルギーを利用した電力を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 充電装置
11 蓄電池収納部
12 商用電源
14 インバータ変換器
16 太陽電池
18 充放電制御部
20 制御部
22 充電用蓄電池
24 蓄電池接続部
30 課金処理部
32 タッチパネル
34 通信部
36 サーバ
44 認証パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を充電する充電手段と、
前記充電手段によって蓄電池を充電する利用者を識別する識別手段と、
前記充電手段によって蓄電池に充電する充電量に応じて課金する料金を算出する算出手段と、
前記識別手段によって識別された前記利用者が含まれる予め定めた利用単位毎に、前記算出手段によって算出した料金を複数回まとめて課金する課金手段と、
を備えた充電装置。
【請求項2】
前記課金手段は、個人または家族単位を前記利用単位として、前記複数回まとめて課金する請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記識別手段は、暗証番号、自動車のキー、カード、または自宅のカードキーに基づいて、前記利用者を識別する請求項1又は請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記課金手段は、複数の個人が一まとまりであることを予め定めた情報に基づいて前記利用単位を判断し、判断した前記利用単位毎に前記算出手段によって算出した料金を複数回まとめて課金する請求項1〜3の何れか1項に記載の充電装置。
【請求項5】
前記利用単位毎の利用履歴を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段によって蓄積した前記利用履歴を予め定めた期間毎に出力する出力手段と、を更に備えた請求項1〜4の何れか1項に記載の充電装置。
【請求項6】
複数世帯が居住する集合住宅に設置した請求項1〜5の何れか1項に記載の充電装置。
【請求項7】
前記識別手段によって識別された前記利用者が前記集合住宅に居住する利用者か否かを判断し、前記集合住宅に居住する利用者のみの利用を許可するためのを認証を行う認証手段を更に備えた請求項6に記載の充電装置。
【請求項8】
前記認証手段は、暗証番号、自動車のキー、カード、または自宅のカードキーに基づいて、前記集合住宅に居住する利用者か否かを判断して前記認証を行う請求項7に記載の充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−213555(P2010−213555A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60009(P2009−60009)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】