説明

充電装置

【課題】充電端子において接触位置が集中することに起因する不具合を抑制し、より確実に充電することができる充電装置を提供する。
【解決手段】充電装置10は、外周部に充電端子21a,21bが設けられた充電電極本体20a,20bが携帯機器1を保持する機器保持部12を備えた筐体11に回動可能に取り付けられており、この充電電極本体20a,20bと連動して歯車23が回動するように構成されている。そして、携帯機器1の装着操作時又は離脱操作時に被押圧部31の変位に応じて作用部32が歯車23に作用したとき、規制部材40は歯車23が一方向に所定量回転することを許容し、充電端子21a,21bが歯車23と連動して回転することで、充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置が変化するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電池で駆動する携帯機器を充電する充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
充電池で駆動する携帯機器は、充電装置を用いて充電池を繰り返し充電して使用されている。例えば、充電装置に備えられた収容部に携帯機器を収容し、携帯機器の外部端子を収容部に設けられる充電端子に電気的に接触させることにより、充電池を充電する充電装置が知られている。この充電装置に設けられる充電端子の表面には、携帯機器の外部端子と良好な電気的接触を得るために、金などの金属によってメッキが施されていることがある。
【0003】
このような充電装置としては、例えば、特許文献1や特許文献2のようなものが提供されている。特許文献1の充電器(充電装置)(1)は、携帯型バーコードリーダ(携帯機器)(2)の受電端子(外部端子)(4)と電気的に導通する回転接触端子(16)と、回転接触端子(16)を回転可能に支承する導電性の支承端子(15)とから構成される充電端子(5)を備えている。そして、携帯型バーコードリーダ(携帯機器)(2)の受電端子(外部端子)(4)と接触する回転接触端子(16)の接点部(16a)の表面には、金メッキが施されている。
【0004】
特許文献2の充電装置(1)は回動可能な充電端子(24)を備えており、回動可能な充電端子(外部端子)(21)を備えた携帯用無線装置(2)に対して充電を行うように構成されている。そして、充電端子(24)と充電端子(外部端子)(21)には、メッキ処理が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−49123号公報
【特許文献2】特開平7−283852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このように表面に金属がメッキされた充電端子は、携帯機器の外部端子が繰り返し接触することによりメッキ部分が摩耗して剥がれやすい。そして、メッキが剥がれた箇所では酸化されて錆などが発生し、接触不良が発生する場合があった。特に、携帯機器を充電する毎に、携帯機器の外部端子が充電端子の一定箇所に接触する構造では、この一定箇所の摩耗が一層促進されるといった問題があった。また、充電端子において外部端子の接触位置が一定箇所に集中すると、その部分に塵や埃などが付着した場合に接触不良が生じやすいため、この面でも接触位置が一定箇所に集中しない構成が望まれる。
【0007】
また、上記特許文献1や特許文献2では、充電端子の摩耗を考慮して、充電端子を自由に回動できるようにした構成を採用しているが、これら技術では、充電端子の回転方向が特に規制されていないため、充電端子における接触位置の集中を確実に回避できないという問題がある。例えば、携帯機器の外部端子を充電装置の充電端子に接触させる際に、充電端子が外部端子によって一方向に回転させられたとしても、その後、反動などによって後にその回転方向とは逆方向に戻される場合があり、結果的に充電端子の一定箇所に外部端子が繰り返し接触する虞があった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、充電端子において接触位置が集中することに起因する不具合を抑制し、より確実に充電することができる充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、電池と、前記電池を収容するケースと、少なくとも一部が前記ケースの外側に露出して配置される外部端子とを備えた携帯機器を充電対象とし、前記外部端子を介して前記電池を充電する充電装置であって、前記携帯機器を保持する機器保持部を備えた筐体と、前記筐体に回転可能に取り付けられ、少なくとも外周部に充電端子が設けられた充電電極本体と、前記充電電極本体と連動して回転する歯車と、前記携帯機器が前記機器保持部に対して装着操作又は離脱操作されるときに前記携帯機器からの押圧動作を受けて変位する被押圧部と、前記被押圧部と連動すると共に前記被押圧部の変位動作を前記歯車に伝達する作用部とを備えた機器操作伝達部材と、前記歯車の歯部と、前記歯部と係止する係止部とを備え、前記歯部が前記係止部に対して所定方向に移動するときに前記歯部の移動を許容し、前記歯部が前記所定方向とは逆方向に移動することを規制することで前記歯車の回転を一方向に規制する規制手段と、を備え、前記携帯機器の装着操作時又は離脱操作時に前記被押圧部の変位に応じて前記作用部が前記歯車に作用したとき、前記規制手段は前記歯車が前記一方向に所定量回転することを許容し、前記充電端子が前記歯車と連動して回転することで、前記充電端子における前記外部端子の接触位置が変化することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の充電装置において、前記機器操作伝達部材を、所定の初期位置と所定の移動位置との間で移動可能となるように保持する保持手段と、前記機器操作伝達部材が前記初期位置から移動したときに前記初期位置に復帰させるように付勢する付勢手段と、を備え、前記携帯機器が前記機器保持部に対して前記装着操作又は前記離脱操作される前には、前記付勢手段の付勢により前記機器操作伝達部材が前記初期位置に維持され、前記装着操作又は前記離脱操作がなされた際には、前記携帯機器による前記被押圧部に対する押圧に応じて前記機器操作伝達部材が前記移動位置に移動し、前記携帯機器による前記被押圧部に対する押圧が解除されたときには、前記付勢手段が前記機器操作伝達部材を前記初期位置に復帰させる構成をなしており、前記作用部は、前記機器操作伝達部材が前記初期位置のときに前記歯車の一部と噛み合い、その噛み合い状態において、前記装着操作又は前記離脱操作に応じて前記機器操作伝達部材が前記初期位置から前記移動位置に移動するときには、前記歯車の一部と噛み合いながら変位して当該歯車を前記一方向に回転させ、その後、前記付勢手段の付勢によって前記機器操作伝達部材が前記移動位置から前記初期位置に復帰する際には、前記歯車の一部に対して前記一方向とは逆方向に相対変位して前記歯車の別の部分と噛み合うことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の充電装置において、前記機器操作伝達部材は、前記被押圧部に対する前記作用部の相対変位が可能となるように前記被押圧部と前記作用部とを連結する連結手段を備え、前記連結手段には、前記被押圧部に対する前記作用部の相対位置が所定の基準位置からずれた場合に前記基準位置に戻すように付勢する付勢部材が設けられており、前記機器操作伝達部材が前記初期位置から前記移動位置に移動する際には、前記被押圧部に対する前記作用部の相対位置が前記基準位置に維持された状態で前記作用部が前記歯車の一部と噛み合いながら当該歯車を前記一方向に回転させ、前記付勢手段によって前記機器操作伝達部材が前記移動位置から前記初期位置に復帰する際には、前記被押圧部に対する前記作用部の相対位置が前記基準位置からずれて前記作用部と前記歯車との噛み合いが解除した状態で前記作用部が前記一方向とは逆方向に相対変位し、前記機器操作伝達部材が前記移動位置から前記初期位置に復帰したときには、前記付勢部材の付勢により前記被押圧部に対する前記作用部の相対位置が前記基準位置に復帰して前記作用部が前記歯車の別の部分と噛み合うことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の充電装置において、前記被押圧部は、前記機器保持部において前記携帯機器と対向する対向面から突出する突出部からなり、前記保持手段は、前記突出部が前記対向面から突出する所定の突出位置とこの突出位置から退避した退避位置とで変位可能となるように前記機器操作伝達部材を保持しており、前記作用部は、前記突出部が前記突出位置から前記退避位置に変位する際に前記歯車を前記一方向に回転させる構成をなしており、前記突出部は、前記携帯機器が前記機器保持部に対して前記装着操作されるとき、その装着される前記携帯機器の外面部によって押圧されることで前記退避位置に変位し、前記携帯機器が前記機器保持部から取り外されたときに、前記突出部に対する前記携帯機器の押圧が解除されることで前記突出位置に復帰することを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項2又は請求項3に記載の充電装置において、前記被押圧部は、前記機器保持部において前記携帯機器と対向する対向面から突出する突出部からなり、前記保持手段は、前記突出部が前記対向面から突出する所定の突出位置とこの突出位置から退避した退避位置とで変位可能となるように前記機器操作伝達部材を保持しており、前記作用部は、前記突出部が前記突出位置から前記退避位置に変位する際に前記歯車を前記一方向に回転させる構成をなし、前記携帯機器には、前記機器保持部に装着された際に前記突出部と対向する位置に凹部が形成されており、前記突出部は、前記携帯機器が前記機器保持部に前記装着されているときには、前記凹部内に挿入されて前記突出位置で維持され、前記携帯機器が前記機器保持部から前記離脱操作されるときに、前記凹部の変位に応じて前記退避位置に移動することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項3又は請求項4に記載の充電装置において、前記連結手段は、前記被押圧部と前記作用部とを一体的に連結する弾性変形可能な連結部材を備え、前記連結部材が前記付勢部材に兼用されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の充電装置において、前記充電端子の回転数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によってカウントされた前記回転数を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充電装置において、前記充電端子において前記携帯機器の前記外部端子と接触可能な外周面にメッキ加工が施されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明では、外周部に充電端子が設けられた充電電極本体が携帯機器を保持する機器保持部を備えた筐体に回動可能に取り付けられており、この充電電極本体と連動して歯車が回動するように構成されている。この構成によれば、充電電極本体が筐体に回動可能に取り付けられていない場合と比較して、携帯機器の外部端子が充電端子の一定箇所に集中して接触し難くなる。
さらに、携帯機器が機器保持部に対して装着操作又は離脱操作されるときに、機器操作伝達部材の被押圧部が携帯機器からの押圧動作を受けて変位し、作用部がこの被押圧部の変位動作を歯車に伝達するようにしている。また、歯車の歯部とこの歯部と係止する係止部とから構成される規制手段により、歯部が所定方向とは逆方向に移動することを規制することで歯車の回転を一方向に規制するようにしている。そして、携帯機器の装着操作時又は離脱操作時に被押圧部の変位に応じて作用部が歯車に作用したとき、規制手段は歯車が一方向に所定量回転することを許容し、充電端子が歯車と連動して回転することで、充電端子における外部端子の接触位置が変化するように構成されている。この構成によれば、例えば、携帯機器の外部端子を充電装置の充電端子に接触させる際(装着操作時)又は携帯機器の外部端子を充電装置の充電端子から離す際(離脱操作時)に、充電端子を一方向に回転させることができるため、携帯機器の着脱毎に充電端子をずらすことができ、接触位置の集中をより回避できる。一方、この着脱時に、反動などによって歯車に対して一方向とは逆方向に力が働いても、規制手段により歯車の回転が一方向に規制されているので、逆方向への歯車の回転が抑制され、充電端子が一方向とは逆方向に戻されることがなくなる。従って、着脱の際に充電端子を確実に一方向にずらすことができ充電端子の一定箇所に外部端子が繰り返し接触することを確実に防止することができる。さらに、着脱の際に歯車が所定量ずつ回転するので、充電端子の回転量のばらつきが抑えられ、充電端子の接触位置をより満遍なく分散させることができる。
【0018】
請求項2の発明では、携帯機器が機器保持部に対して装着操作又は離脱操作される前には、付勢手段の付勢により機器操作伝達部材が初期位置に維持され、装着操作又は離脱操作がなされた際には、携帯機器による被押圧部に対する押圧に応じて機器操作伝達部材が移動位置に移動し、携帯機器による被押圧部に対する押圧が解除されたときには、付勢手段が機器操作伝達部材を初期位置に復帰させるようにしている。そして、作用部は、機器操作伝達部材が初期位置のときに歯車の一部と噛み合い、その噛み合い状態において、装着操作又は離脱操作に応じて機器操作伝達部材が初期位置から移動位置に移動するときには、歯車の一部と噛み合いながら変位して当該歯車を一方向に回転させている。この構成によれば、装着操作又は離脱操作される際にはより確実に歯車を一方向に回転させ充電端子における外部端子の接触位置を変化させることができる。また、作用部は、歯車を一方向に回転させた後、付勢手段の付勢によって機器操作伝達部材が移動位置から初期位置に復帰する際に、歯車の一部に対して一方向とは逆方向に相対変位して歯車の別の部分と噛み合うように構成されている。従って、歯車が一方向に回動した後には、歯車に対する作用部の噛み合い位置を確実にずらすことができ、この噛み合い位置において歯車の逆方向への回転を確実に防止できる。また、装着操作又は離脱操作がなされる以外のときには、付勢手段の付勢により機器操作伝達部材が初期位置に維持されており歯車の回転が抑制されているため、充電端子が不必要に回動されることがない。
【0019】
請求項3の発明では、被押圧部と作用部とを連結する連結手段には、被押圧部に対する作用部の相対位置が所定の基準位置からずれた場合に基準位置に戻すように付勢する付勢部材が設けられている。そして、機器操作伝達部材が初期位置から移動位置に移動する際には、被押圧部に対する作用部の相対位置が基準位置に維持された状態で作用部が歯車の一部と噛み合いながら当該歯車を一方向に回転させている。この構成によれば、装着操作又は離脱操作される際にはより確実に歯車を一方向に回転させ充電端子における外部端子の接触位置を変化させることができる。また、付勢手段によって機器操作伝達部材が移動位置から初期位置に復帰する際には、被押圧部に対する作用部の相対位置が基準位置からずれて作用部と歯車との噛み合いが解除した状態で作用部が一方向とは逆方向に相対変位する。そして、機器操作伝達部材が移動位置から初期位置に復帰したときには、付勢部材の付勢により被押圧部に対する作用部の相対位置が基準位置に復帰して作用部が歯車の別の部分と噛み合うように構成されている。従って、歯車が一方向に回動した後には、歯車に対する作用部の噛み合い位置を確実にずらすことができ、この噛み合い位置において歯車の逆方向への回転を確実に防止できる。また、付勢部材の付勢により機器操作伝達部材が基準位置に戻されるように付勢されており歯車の回転が抑制されているため、充電端子が不必要に回動されることがない。
【0020】
請求項4の発明では、被押圧部は、機器保持部において携帯機器と対向する対向面から突出する突出部から構成されている。そして、突出部は、携帯機器が機器保持部に対して装着操作されるとき、その装着される携帯機器の外面部によって押圧されることで退避位置に変位し、歯車を一方向に回転させている。この構成によれば、携帯機器が機器保持部に対して装着操作される際には、より確実に歯車を一方向に回転させ充電端子における外部端子の接触位置を変化させることができる。
【0021】
請求項5の発明では、携帯機器が機器保持部に装着されているときに、機器保持部の対向面(携帯機器と対向する面)から突出する突出部が、携帯機器の凹部内に挿入されて突出位置で維持され、携帯機器が機器保持部から離脱操作されるときには、凹部の変位に応じて退避位置に移動するようになっている。
この構成によれば、携帯機器が機器保持部に装着されている状態では、突出部が凹部内で安定的に維持されて作用部の変位が抑制されるため、充電端子は回転せずに携帯機器の外部端子と安定して接触する。また、携帯機器が機器保持部から取り外される場合には、携帯機器の凹部の変位を受けて突出部が確実に変位し、これに応じて作用部が歯車を確実に回転させることとなる。従って、装着時には、充電端子を安定的に位置保持することができ、且つ離脱操作毎に充電端子における外部端子の接触位置を確実に変化させることができる。
【0022】
請求項6の発明では、被押圧部と作用部とを一体的に連結する弾性変形可能な連結部材が設けられており、この連結部材が付勢部材に兼用されている。このように、連結部材を付勢部材に兼用すれば、充電端子において接触位置の集中を抑制しうる構成を、部品点数を抑えて実現できる。さらに、被押圧部、作用部、連結部材が一体的に形成されているため、部品点数がより効果的に抑えられる。
【0023】
請求項7の発明では、充電端子の回転数をカウントするカウント手段と、カウント手段によってカウントされた回転数を表示する表示手段とを備えている。この構成によれば、ユーザが充電端子の回転数を容易に把握することができるため、ユーザが適切な時期に充電装置の充電端子をメンテナンスしやすくなる。
【0024】
請求項8の発明では、充電端子において携帯機器の外部端子と接触可能な外周面にメッキ加工が施されている。この構成により、充電端子は携帯機器の外部端子と良好な電気的接触を得ることができる。そして、このように充電端子の外周面にメッキが施される構成であっても、上述した構成によって、充電端子において外部端子の接触位置が集中することを防ぐことができるため、メッキ部分の摩耗を抑えてより確実に充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、第1実施形態に係る充電装置を概略的に例示する説明図であり、図1(A)は、充電装置の一部の平面図であり、図1(B)は、図1(A)の充電装置の一部部品を側方から見た図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る充電装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【図3】図3は、機器保持部における携帯機器1の脱着動作を説明する図であり、図3(A)は、携帯機器が機器保持部に装着される前の状態を示す説明図であり、図3(B)は、携帯機器が機器保持部に装着された状態を示す説明図であり、図3(C)は、携帯機器が機器保持部から離脱された状態を示す説明図である。
【図4】図4は、第1実施形態の変形例に係る充電装置を概略的に例示する説明図である。
【図5】図5は、第2実施形態に係る充電装置の機器保持部における携帯機器の装着動作を説明する図であり、図5(A)は、携帯機器が機器保持部に装着される前の状態を示す説明図であり、図5(B)は、携帯機器を機器保持部に装着中の状態であって被押圧部に接触した状態を示す説明図であり、図5(C)は、携帯機器が機器保持部に装着された状態を示す説明図である。
【図6】図6は、第2実施形態に係る充電装置の機器保持部における携帯機器の離脱動作を説明する図であり、図6(A)は、携帯機器が上方側へ移動中であって、被押圧部が初期位置に復帰する途中の状態を示す説明図であり、図6(B)は、携帯機器が図6(A)の状態から更に上方へ移動して、被押圧部が初期位置に復帰する直前の状態を示す説明図であり、図6(C)は、携帯機器が被押圧部から離脱して、被押圧部が初期位置に復帰した直後の状態を示す説明図である。
【図7】図7は、第3実施形態に係る充電装置を概略的に例示する説明図であり、図7(A)は、充電装置の一部の平面図であり、図7(B)は、図7(A)の充電装置の一部部品を側方から見た図である。
【図8】図8(A)は、第3実施形態に係る機器操作伝達部材の構成を概略的に例示する平面図であり、図8(B)は、図8(A)のA−A断面図である。
【図9】図9は、第3実施形態に係る充電装置の機器保持部における携帯機器の装着動作を説明する図であり、図9(A)は、携帯機器が機器保持部に装着される前の状態を示す説明図であり、図9(B)は、携帯機器を機器保持部に装着中の状態であって突出部に接触した状態を示す説明図であり、図9(C)は、携帯機器が機器保持部に装着された状態を示す説明図である。
【図10】図10は、第3実施形態に係る充電装置の機器保持部における携帯機器の離脱動作を説明する図であり、図10(A)は、携帯機器が上方側へ移動中であって、突出部が退避位置に変位し歯部を押圧している状態を示す説明図であり、図10(B)は、携帯機器が図10(A)の状態から更に上方へ移動して、歯車が回転した直後の状態を示す説明図であり、図10(C)は、携帯機器が突出部から離れ、突出部が突出位置に復帰する途中の状態を示す説明図である。
【図11】図11(A)は、作用部が歯部と噛み合う直前の状態を示す説明図であり、図11(B)は、突出部が突出位置に復帰し作用部が歯部と噛み合った状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、本発明の充電装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1および図2等を参照して第1実施形態に係る充電装置10の全体構成について説明する。なお、図1は、第1実施形態に係る充電装置を概略的に例示する説明図であり、図1(A)は、充電装置の一部の平面図であり、図1(B)は、図1(A)の充電装置の一部部品を側方から見た図である。図2は、第1実施形態に係る充電装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係る充電装置10は、携帯機器1を充電対象とし、携帯機器1内の電池(図示略)を充電可能に構成されている。
携帯機器1には、ケース2内に制御回路やメモリ等の各種電気部品(図示略)と、各種電気部品の電源として機能する電池(図示略)とが収容されている。携帯機器1は、制御回路等により、外部から取得した情報を制御して所定のデータを作成した後、そのデータ等をメモリに記憶するように構成されている。そして、図1に示すように、携帯機器1の下端部には、電池を充電するための携帯機器1側の端子である外部端子3a,3bがケース2の外側に露出して配置されており、この外部端子3a,3bを介して充電装置10側から電力が供給されるようになっている。
【0028】
充電装置10は、携帯機器1を保持するための機器保持部12が筐体11に設けられている。この機器保持部12は、携帯機器1の外郭よりも若干大きい寸法で形成されており、携帯機器1を所定の位置(携帯機器1の外部端子3a,3bと充電装置10の充電端子21a,21bとが接触する位置)で保持(収容)するように構成されている。また、機器保持部12には、複数の開口部(図示略)が設けられており、後述する充電端子21a,21bがこの開口部から機器保持部12内に露出していると共に、被押圧部31が突出している。
なお、本実施形態では、機器保持部12において携帯機器11が脱着される方向を上下方向とし、携帯機器11を機器保持部12に対して上方側から差し込むことで充電装置10に携帯機器11が装着(装着操作)される。
【0029】
そして、充電装置10は、携帯機器1の外部端子3a,3bと電気的に接触する充電端子21a,21bが設けられた充電電極本体20a,20bと、充電電極本体20a,20bと連動して回転する歯車23と、携帯機器1の脱着操作を歯車23に伝達する機器操作伝達部材30と、歯車23の回転を一方向に規制する規制部材40とを備えている。
【0030】
充電電極本体20a,20bは、円盤状に構成されており、各充電電極本体20a,20bの円盤の中心には円盤の厚さ方向に貫通する貫通孔(図示略)が形成されており、この貫通孔に軸部26が挿通固定されている。そして、充電電極本体20a,20bは、軸部26により筐体11に対して回転可能に軸支されている。充電電極本体20a,20bの外周部22a,22bには、充電端子21a,21bがそれぞれ設けられており、後述する充電回路25(図2参照)と接続されている。充電電極本体20a,20bと充電端子21a,21bは、例えば、金属等からなる板材を打抜き加工するなどして一体的に形成することができる。また、樹脂等から形成される充電電極本体20a,20bの外周部22a,22bに金属材を貼り付けたりコーティングすることで充電端子21a,21bを形成してもよい。そして、充電端子21a,21bの外部端子3a,3bと接触可能な外周面には、金などの金属を用いてメッキ加工が施されている。メッキ加工は、例えば、電気メッキや電解メッキなどの湿式メッキのほか、スパッタリングや真空蒸着など乾式メッキなどの方法を用いて行うことができる。
【0031】
この充電端子21a,21bは、機器保持部12に設けられる開口部から一部が露出しており、これら充電端子21a,21bが携帯機器1の脱着操作により回転されると、開口部から露出する露出部位が変化するように構成されている。即ち、充電端子21a,21bが回転されると、充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置が変化するようになっている。
【0032】
歯車23は、充電電極本体20a,20bより小さい円盤の外周に歯部24が複数形成されて構成される。各歯部24は山形形状に形成されており、後述する機器操作伝達部材30の作用部32と噛み合う噛合部24aと、作用部32が滑合する滑合部24bとから構成されている。また、歯車23の円盤の中心には、円盤の厚さ方向に貫通する貫通孔(図示略)が形成されている。そして、歯車23の円盤の中心が、充電電極本体20a,20bの円盤の中心と同軸上に配置されるように、歯車23の貫通孔に軸部26が挿通固定されており、歯車23は充電電極本体20a,20bと連動して回転するように構成されている。
【0033】
機器操作伝達部材30は、携帯機器1が機器保持部12に対して装着されるとき(装着操作時)に、携帯機器1からの押圧動作を受けて変位する被押圧部31と、被押圧部31と連動すると共に被押圧部31の変位動作を歯車23に伝達する作用部32と、被押圧部31と作用部32とを連結する連結部材34とを備えている。また、機器操作伝達部材30は、所定の初期位置(後述)と所定の移動位置(後述)との間で移動可能となるように筐体11に保持されている。なお、機器操作伝達部材30を保持する筐体11は、「保持手段」の一例に相当する。また、連結部材34は、「連結手段」の一例に相当する。
【0034】
被押圧部31は、矩形平板形状をなし、機器保持部12に設けられる開口部から機器保持部12内に突出している。そして、被押圧部31の一端面31aは、携帯機器1が機器保持部12に装着されるときに携帯機器1によって、面全体が下方向へ押圧されるように構成されている。また、被押圧部31の他端面31bは、連結部材34と連結されている。そして、この連結部材34との連結部位には、図1(B)に示すようにコイルバネなどの弾性材から構成される付勢部材43が設けられており、被押圧部31はこの付勢部材43によって常時上方側へ付勢されており、携帯機器1が機器保持部12から取り外されると(離脱されると)、携帯機器1による被押圧部31に対する押圧が解除されて、被押圧部31は携帯機器1により押圧される前の位置(後述する初期位置)まで上昇する(復帰する)ように構成されている。なお、機器操作伝達部材30の被押圧部31を上方側へ(後述する初期位置に復帰させるように)付勢する付勢部材43は、「付勢手段」の一例に相当する。
【0035】
作用部32は、歯部24の噛合部24aと噛み合う噛合面32aを備えている。また、作用部32先端には傾斜面32bが設けられており、歯車23の回転方向とは逆方向の力が作用部32に伝達されたときに、歯部24の滑合部24b上を傾斜面32bが滑りながら(スライドしながら)歯部24を一歯分乗り越えるように構成されている。また、作用部32は、弾性変形可能なように弾性材などから構成されており、歯部24を乗り越えるときに弾性変形することで、歯部24を乗り越えるために必要なスライド力を小さくして、歯部24を容易に(円滑に)乗り越えることができる。
【0036】
連結部材34は、棒状部材をコの字形状に加工して形成されており、被押圧部31の一端面31aと作用部32とを連結しており、一部が筐体11に固定されている。そして、連結部材34は、機器保持部12の下面側に配置される被押圧部31の変位動作を作用部32へ伝達するように構成されている。この連結部材34は、被押圧部31及び作用部32と一体的に形成することができる。
【0037】
規制部材40は、歯車23の歯部24と、歯部24と係止する係止部41とから構成されており、歯車23の回転を一方向に規制するように構成されている。係止部41は、歯部24と係止する係止面41aと、歯車23が一方向に所定量回転するときに滑合する滑合面41bとから構成されている。また、係止部41は、筐体の所定の位置(歯部24と係止する位置)に設けられており、筐体と一体的に構成されている。そして、規制部材40は、歯部24が係止部41に対して所定方向(図1(B)において、反時計回り)に移動するときに歯部24の移動を許容し、歯部24が所定方向とは逆方向(図1(B)において、時計回り)に移動することを規制することで歯車23の回転を一方向に規制している。なお、歯車23の歯部24と係止部41とは、「規制手段」の一例に相当する。
【0038】
次に、充電装置10の電気的構成について説明する。
充電装置10は、図2に示すように、充電装置10全体を制御可能な制御手段としてCPU61を備えており、このCPU61には、充電回路63及び表示部47が電気的に接続されている。
【0039】
充電回路63は、AC電源等の電源(図示略)を介して供給される電力を充電端子21a,21bを介して携帯機器1側へ供給するための回路である。充電回路63は、図略のプリント配線板に実装されており、筐体11に内装されている。なお、充電回路63から充電端子21a,21bに電圧が供給されると、CPU61に出力されるようになっている。そして、充電回路63と接続されている充電端子21a,21bは、携帯機器1の外部端子3a,3bが電気的に接触すると、携帯機器1側へ電力を供給するように構成されている。
【0040】
表示部47は、CPU61から出力される信号に基づき、充電エラーや充電終了などの状態を使用者に視覚的に報知するように構成されている。表示部47は、例えばLED等から構成することができ、充電エラーや充電中、充電終了などの各状態に応じて発光強度や発光色を変化させることで、その旨を使用者へ報知するようにしている。
【0041】
(携帯機器1の脱着動作)
次に、上述のように構成される充電装置10に対して携帯機器1を装着及び離脱する動作について、図3を用いて説明する。
図3は、機器保持部における携帯機器の脱着動作を説明する図であり、図3(A)は、携帯機器が機器保持部に装着される前の状態を示す説明図であり、図3(B)は、携帯機器が機器保持部に装着された状態を示す説明図であり、図3(C)は、携帯機器が機器保持部から離脱された状態を示す説明図である。なお、図3では、説明の便宜上、外部端子3b及び充電端子21bを省略して示している。
【0042】
まず、図3(A)に示すように、携帯機器1の外部端子3a,3bが、充電装置10の充電端子21a,21b側に向いた状態で、上方から機器保持部12に挿入される。この状態では、携帯機器1により機器操作伝達部材30の被押圧部31に対して押圧操作がまだなされておらず、機器操作伝達部材30は付勢部材43の付勢により初期位置に維持されている。
【0043】
そして、図3(B)に示すように、携帯機器1の底部が機器操作伝達部材30の被押圧部31に接触し、さらに携帯機器1が機器保持部12に装着されることで携帯機器1により被押圧部31が押圧される。なお、本実施形態では、携帯機器1の自重によって、被押圧部31が押圧されるように構成されている。そして、被押圧部31が携帯機器1によりα方向へ押圧されると、この押圧動作が被押圧部31に連結される連結部材34を介して作用部32に伝達され、作用部32の噛合面32aは歯部24の噛合部24aと噛み合った状態で歯部24をβ方向へ押圧する。そして、歯部24の滑合部24bが係止部41の滑合面41bに対して滑合しながら歯車23が一歯分回転されて、充電端子21a,21bも連動して回転し、充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置がP1からP2へ変化する。このとき、規制部材40により、歯車23がβ方向(図3において、反時計回り)に所定量回転することが許容されているとともに、β方向とは反対方向(図3において、時計回り)に回転することが規制されているので、反動などによって歯車23の回転が元の位置に戻されることがなく、確実に充電端子21a、21bを所定量変位させることができる。なお、図3(B)は、機器操作伝達部材30が移動位置に移動した状態を示している。そして、充電装置10側から外部端子3a,3bを介して携帯機器1の電池に電力が供給される。
【0044】
充電が終了するなどして、図3(C)に示すように、携帯機器1が機器保持部12から取り外される(離脱される)と、携帯機器1による被押圧部31に対する押圧が解除される。上述したように、被押圧部31は付勢部材43によって常時上方側へ付勢されており、この付勢部材43の付勢力によって、被押圧部31は携帯機器1により押圧される前の状態(即ち、初期位置)に復帰する(α’方向に移動する)。この携帯機器1の離脱操作が被押圧部31から連結部材34を介して作用部32に伝達される。そして、作用部32には歯車23から離れる方向(γ方向)に力が伝達されて、作用部32の傾斜面32bが歯部24の滑合部24b上を滑りながら(スライドしながら)歯部24を一歯分乗り越え、作用部32の噛合面32aが歯部24の噛合部24aと噛み合い固定される。このとき、作用部32と噛合しない別の歯部24が規制部材40の係止部41に係止されているので、作用部材32は、歯車23をβ方向とは反対方向に回転させることなく、歯部24を乗り越えることができる。なお、作用部32は、歯部24に引っ掛かることなく弾性変形しながら(γ方向に変位しながら)当該歯部24を乗り越えることができる。
【0045】
(本実施形態の主な効果)
以上説明したように、本第1実施形態に係る充電装置10では、外周部22a,22bに充電端子21a,21bが設けられた充電電極本体20a,20bが携帯機器1を保持する機器保持部12を備えた筐体11に回動可能に取り付けられており、この充電電極本体20a,20bと連動して歯車23が回動するように構成されている。この構成によれば、充電電極本体20a,20bが筐体11に回動可能に取り付けられていない場合と比較して、携帯機器1の外部端子3a,3bが充電端子21a,21bの一定箇所に集中して接触し難くなる。
さらに、携帯機器1が機器保持部12に対して装着操作又は離脱操作されるときに、機器操作伝達部材30の被押圧部31が携帯機器1からの押圧動作を受けて変位し、作用部32がこの被押圧部31の変位動作を歯車23に伝達するようにしている。また、歯車23の歯部24とこの歯部24と係止する係止部41とから構成される規制部材40により、歯部24が所定方向とは逆方向に移動することを規制することで歯車23の回転を一方向に規制するようにしている。そして、携帯機器1の装着操作時又は離脱操作時に被押圧部31の変位に応じて作用部32が歯車23に作用したとき、規制部材40は歯車23が一方向に所定量回転することを許容し、充電端子21a,21bが歯車23と連動して回転することで、充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置が変化するように構成されている。この構成によれば、例えば、携帯機器1の外部端子3a,3bを充電装置10の充電端子21a,21bに接触させる際(装着操作時)又は携帯機器1の外部端子3a,3bを充電装置10の充電端子21a,21bから離す際(離脱操作時)に、充電端子21a,21bを一方向に回転させることができるため、携帯機器1の着脱毎に充電端子21a,21bをずらすことができ、接触位置の集中をより回避できる。一方、この着脱時に、反動などによって歯車23に対して一方向とは逆方向に力が働いても、規制部材40により歯車23の回転が一方向に規制されているので、逆方向への歯車23の回転が抑制され、充電端子21a,21bが一方向とは逆方向に戻されることがなくなる。従って、着脱の際に充電端子21a,21bを確実に一方向にずらすことができ充電端子21a,21bの一定箇所に外部端子3a,3bが繰り返し接触することを確実に防止することができる。さらに、着脱の際に歯車23が所定量ずつ回転するので、充電端子21a,21bの回転量のばらつきが抑えられ、充電端子21a,21bの接触位置をより満遍なく分散させることができる。
【0046】
また、携帯機器1が機器保持部12に対して装着操作又は離脱操作される前には、付勢部材43の付勢により機器操作伝達部材30が初期位置に維持され、装着操作又は離脱操作がなされた際には、携帯機器1による被押圧部31に対する押圧に応じて機器操作伝達部材30が移動位置に移動し、携帯機器1による被押圧部31に対する押圧が解除されたときには、付勢部材43が機器操作伝達部材30を初期位置に復帰させるようにしている。そして、作用部32は、機器操作伝達部材30が初期位置のときに歯車23の一部と噛み合い、その噛み合い状態において、装着操作又は離脱操作に応じて機器操作伝達部材30が初期位置から移動位置に移動するときには、歯車23の一部と噛み合いながら変位して当該歯車23を一方向に回転させている。この構成によれば、装着操作又は離脱操作される際にはより確実に歯車23を一方向に回転させ充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置を変化させることができる。また、作用部32は、歯車23を一方向に回転させた後、付勢部材43の付勢によって機器操作伝達部材30が移動位置から初期位置に復帰する際に、歯車23の一部に対して一方向とは逆方向に相対変位して歯車23の別の部分と噛み合うように構成されている。従って、歯車23が一方向に回動した後には、歯車23に対する作用部32の噛み合い位置を確実にずらすことができ、この噛み合い位置において歯車23の逆方向への回転を確実に防止できる。また、装着操作又は離脱操作がなされる以外のときには、付勢部材43の付勢により機器操作伝達部材30が初期位置に維持されており歯車23の回転が抑制されているため、充電端子21a,21bが不必要に回動されることがない。
【0047】
また、被押圧部31は、機器保持部12において携帯機器1と対向する対向面から突出する突出部から構成されている。そして、突出部は、携帯機器1が機器保持部12に対して装着操作されるとき、その装着される携帯機器1の外面部によって押圧されることで退避し、歯車23を一方向に回転させている。この構成によれば、携帯機器1が機器保持部12に対して装着操作される際には、より確実に歯車23を一方向に回転させ充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置を変化させることができる。
【0048】
また、充電端子21a,21bにおいて携帯機器1の外部端子3a,3bと接触可能な外周面にメッキ加工が施されている。この構成により、充電端子21a,21bは携帯機器1の外部端子3a,3bと良好な電気的接触を得ることができる。そして、このように充電端子21a,21bの外周面にメッキが施される構成であっても、上述した構成によって、充電端子21a,21bにおいて外部端子3a,3bの接触位置が集中することを防ぐことができるため、メッキ部分の摩耗を抑えてより確実に充電することができる。
【0049】
次に、本発明の第1実施形態における変形例に係る充電装置10について、図4を参照して説明する。図4に示すように、本第1実施形態における変形例では、上述した充電装置10の構成に加えて、カウンタ45及びカウンタ表示部46を備える点が異なる以外は、上記第1実施形態と同様である。以下、これ以外の上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。なお、上記第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
図4は、第1実施形態の変形例に係る充電装置を概略的に例示する説明図であり、図4に示すように、本変形例では、上記第1実施形態で示した構成に加え、充電端子21a,21bの回転数をカウントするカウンタ45と、カウンタ45によってカウントされた回転数を表示するカウンタ表示部46とを備えている。なお、カウンタ45は、「カウント手段」の一例に相当する。また、カウンタ表示部46は、「表示手段」の一例に相当する。
【0051】
カウンタ45としては、例えば、既存のカウンタの構成を用いることができ、カウンタ表示部46と一体的に構成することができる。例えば、軸部26に突起(図示略)を設け、軸部26が一回転する毎に、軸部26の突起がカウンタ45のスイッチ(図示略)を押すことで、カウンタ45にてカウントされるように構成することができる。即ち、この構成により、軸部26に固定されている充電端子21a,21bが一回転するごとに、カウンタ45により1カウントとしてカウントされる。そして、カウンタ45によりカウントされたカウント数が、カウンタ45のカウンタ動作と連動してカウンタ表示部46に随時表示される。このカウンタ表示部46は図4に示すように、使用者によって視認可能な位置に設けられており、使用者は、このカウンタ表示部46に表示されるカウント数によって、充電端子21a,21bの回転数を把握することができる。
【0052】
以上説明したように、本第1実施形態の変形例に係る充電装置10では、充電端子21a,21bの回転数をカウントするカウンタ45と、カウンタ45によってカウントされた回転数を表示するカウンタ表示部46とを備えている。この構成によれば、ユーザが充電端子21a,21bの回転数を容易に把握することができるため、ユーザが適切な時期に充電装置10の充電端子21a,21bをメンテナンスしやすくなる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る充電装置10について、図5及び図6を参照して説明する。本第2実施形態では、上述した連結部材34に代えて連結部材234を採用し、機器操作伝達部材30に代えて230を採用する点が、上記第1実施形態にて述べた充電装置10と主に異なる。したがって、第1実施形態の充電装置10と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
図5は、第2実施形態に係る充電装置の機器保持部における携帯機器の装着動作を説明する図であり、図5(A)は、携帯機器が機器保持部に装着される前の状態を示す説明図であり、図5(B)は、携帯機器を機器保持部に装着中の状態であって被押圧部に接触した状態を示す説明図であり、図5(C)は、携帯機器が機器保持部に装着された状態を示す説明図である。図6は、第2実施形態に係る充電装置の機器保持部における携帯機器の離脱動作を説明する図であり、図6(A)は、携帯機器が上方側へ移動中であって、被押圧部が初期位置に復帰する途中の状態を示す説明図であり、図6(B)は、携帯機器が図6(A)の状態から更に上方へ移動して、被押圧部が初期位置に復帰する直前の状態を示す説明図であり、図6(C)は、携帯機器が被押圧部から離脱して、被押圧部が初期位置に復帰した直後の状態を示す説明図である。
【0055】
本第2実施形態では、機器操作伝達部材230において、被押圧部31と作用部32とを一体的に連結する連結部材234が弾性変形可能に構成されている。そして、上記第1実施形態と同様に、機器操作伝達部材230は、所定の初期位置と所定の移動位置との間で移動可能となるように筐体11に保持されている。また、連結部材234は、被押圧部31に対する作用部32の相対位置が所定の基準位置からずれた場合に基準位置に戻すように付勢する機能を有している(即ち、連結部材234が付勢部材に兼用されている)。
【0056】
このように構成される充電装置10に対して携帯機器1を装着及び離脱する動作について、図5及び図6を用いて説明する。
まず、図5(A)に示すように、携帯機器1の外部端子3a,3bが、充電装置10の充電端子21a,21b側に向いた状態で、上方から機器保持部12に挿入される。この状態では、携帯機器1により機器操作伝達部材230の被押圧部31に対して押圧操作がまだなされておらず、機器操作伝達部材230は付勢部材43の付勢により初期位置に維持されている。
【0057】
そして、図5(B)に示すように、携帯機器1が機器保持部12に更に挿入されて、携帯機器1の底部が機器操作伝達部材230の被押圧部31に接触し、携帯機器1により被押圧部31が下方側(α方向)へ押圧される。被押圧部31が携帯機器1により押圧されると、この押圧動作が被押圧部31に連結される連結部材234を介して作用部32に伝達されて、作用部32の噛合面32aが歯部24の噛合部24aに接触する。
【0058】
図5(C)に示すように、携帯機器1が被押圧部31を下方側(α方向)へ更に押し下げると、携帯機器1が機器保持部12に装着される。なお、図5(C)は、機器操作伝達部材230が移動位置に移動した状態を示している。このように、被押圧部31が携帯機器1により押圧されると、この押圧動作が被押圧部31に連結される連結部材234を介して作用部32に伝達される。押圧動作が作用部32に伝達されると、作用部32は歯部24の噛合部24aと噛み合った状態で歯部24を押圧する。機器操作伝達部材230が図5(A)に示す初期位置から図5(C)に示す移動位置に移動する際には、被押圧部31に対する作用部32の相対位置が基準位置に維持された状態で作用部32が歯車23の一部と噛み合っている。そして、歯部24の滑合部24bが係止部41の滑合面41bに対して滑合しながら歯車23がβ方向(図5において、反時計回り)に一歯分回転されて、充電端子21a,21bも連動して回転し、充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置がP1からP2へ変化する。そして、充電装置10側から外部端子3a,3bを介して携帯機器1の電池に電力が供給される。
【0059】
充電が終了するなどして、図6(A)に示すように、携帯機器1が機器保持部12から持ち上げられると、携帯機器1による被押圧部31に対する押圧力が小さくなり、被押圧部31は付勢部材43の付勢力によって、上方側(α’方向)に変位する。このように、機器操作伝達部材230が移動位置から初期位置に復帰する際には、被押圧部31に対する作用部32の相対位置が基準位置(図6中一点鎖線で示す位置)からずれて作用部32と歯車23との噛み合いが解除した状態で作用部32が歯部24から離れる方向(γ方向)に相対変位する。図6(B)に示すように、携帯機器1が機器保持部12から上方側(α’方向)へさらに持ち上げられると、被押圧部31はさらに上昇すると共に、作用部32はγ方向へより変位する。
【0060】
そして、図6(C)に示すように、携帯機器1が機器保持部12から取り外される(離脱される)と、携帯機器1による被押圧部31に対する押圧が解除されて、被押圧部31は携帯機器1により押圧される前の状態(即ち、初期位置)に復帰する(α’方向に移動する)。このように、被押圧部31が移動位置から初期位置に復帰したときには、連結部材234の付勢力により被押圧部31に対する作用部32の相対位置が基準位置に復帰して(γ’方向へ変位して)、作用部32の噛合面32aが歯車23の別の歯部24と噛み合い固定される。
【0061】
(本実施形態の主な効果)
以上説明したように、本第2実施形態に係る充電装置10では、被押圧部31と作用部32とを連結する連結部材234には、被押圧部31に対する作用部32の相対位置が所定の基準位置からずれた場合に基準位置に戻すように付勢する付勢部材が設けられている。そして、機器操作伝達部材230が初期位置から移動位置に移動する際には、被押圧部31に対する作用部32の相対位置が基準位置に維持された状態で作用部32が歯車23の一部と噛み合いながら当該歯車23を一方向に回転させている。この構成によれば、装着操作又は離脱操作される際にはより確実に歯車23を一方向に回転させ充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置を変化させることができる。また、付勢部材43によって機器操作伝達部材230が移動位置から初期位置に復帰する際には、被押圧部31に対する作用部32の相対位置が基準位置からずれて作用部32と歯車23との噛み合いが解除した状態で作用部32が一方向とは逆方向に相対変位する。そして、機器操作伝達部材230が移動位置から初期位置に復帰したときには、付勢部材の付勢により被押圧部31に対する作用部32の相対位置が基準位置に復帰して作用部32が歯車23の別の部分と噛み合うように構成されている。従って、歯車23が一方向に回動した後には、歯車23に対する作用部32の噛み合い位置を確実にずらすことができ、この噛み合い位置において歯車23の逆方向への回転を確実に防止できる。また、付勢部材の付勢により機器操作伝達部材230が基準位置に戻されるように付勢されており歯車23の回転が抑制されているため、充電端子21a,21bが不必要に回動されることがない。
【0062】
また、被押圧部31と作用部32とを一体的に連結する弾性変形可能な連結部材234が設けられており、この連結部材234が付勢部材に兼用されている。このように、連結部材234を付勢部材に兼用すれば、充電端子21a,21bにおいて接触位置の集中を抑制しうる構成を、部品点数を抑えて実現できる。さらに、被押圧部31、作用部32、連結部材234が一体的に形成されているため、部品点数がより効果的に抑えられる。
【0063】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る充電装置10について、図7〜図11を参照して説明する。本第3実施形態では、上述した連結部材34に代えて連結部材334を採用し、機器操作伝達部材30に代えて330を採用する点及び、被押圧部31が突出部333から構成される点が、上記第1実施形態にて述べた充電装置10と主に異なる。したがって、第1実施形態の充電装置10と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
図7は、第3実施形態に係る充電装置を概略的に例示する説明図であり、図7(A)は、充電装置の一部の平面図であり、図7(B)は、図7(A)の充電装置の一部部品を側方から見た図である。図8(A)は、第3実施形態に係る機器操作伝達部材の構成を概略的に例示する平面図であり、図8(B)は、図8(A)のA−A断面図である。図9は、第3実施形態に係る充電装置の機器保持部における携帯機器の装着動作を説明する図であり、図9(A)は、携帯機器が機器保持部に装着される前の状態を示す説明図であり、図9(B)は、携帯機器を機器保持部に装着中の状態であって突出部に接触した状態を示す説明図であり、図9(C)は、携帯機器が機器保持部に装着された状態を示す説明図である。図10は、第3実施形態に係る充電装置の機器保持部における携帯機器の離脱動作を説明する図であり、図10(A)は、携帯機器が上方側へ移動中であって、突出部が退避位置に変位し歯部を押圧している状態を示す説明図であり、図10(B)は、携帯機器が図10(A)の状態から更に上方へ移動して、歯車が回転した直後の状態を示す説明図であり、図10(C)は、携帯機器が突出部から離れ、突出部が突出位置に復帰する途中の状態を示す説明図である。図11(A)は、作用部が歯部と噛み合う直前の状態を示す説明図であり、図11(B)は、突出部が突出位置に復帰し作用部が歯部と噛み合った状態を示す説明図である。
【0065】
本第3実施形態では、図7に示すように、機器操作伝達部材330の被押圧部は、機器保持部12において携帯機器1と対向する対向面から突出する突出部333から構成されている。そして、携帯機器1には、機器保持部12に装着された際に突出部333と対向する位置に凹部4が形成されている。そして、機器操作伝達部材330の突出部333(被押圧部)と作用部332は、図8に示すように、略同一形状をなしている。突出部333(被押圧部)と作用部332は、図8(B)に示すように、バネ336を内部にそれぞれ有しており、機器操作伝達部材330全体が図8(B)中矢印方向(即ち、突出部333と作用部332とが互いに近づく方向)に収縮可能に構成されている。突出部333と作用部332とを連結する連結部材334は、軸部335により筐体11に回動可能に軸支されている。また、突出部333が携帯機器1と対向する対向面から突出する所定の突出位置とこの突出位置から退避した退避位置とで変位可能となる位置に、機器操作伝達部材330は配置されている(即ち、携帯機器1の外面部によって突出部333が押圧されることで退避位置に変位するように構成されている)。軸部335には、捻りバネからなる付勢部材343が設けられており、機器操作伝達部材330が突出位置(初期位置)へ常時付勢するように構成されている。
【0066】
次に、このように構成される充電装置10に対して携帯機器1を装着及び離脱する動作について、図9〜図11を用いて説明する。
まず、図9(A)に示すように、携帯機器1の外部端子3a,3bが、充電装置10の充電端子21a,21b側に向いた状態で、上方から機器保持部12に挿入される。この状態では、携帯機器1により機器操作伝達部材330の突出部333(被押圧部)に対して押圧操作がまだなされておらず、突出部333は機器保持部12内へ突出している。
【0067】
そして、携帯機器1の底部が突出部333に接触した後、携帯機器1がα方向へ更に挿入されて、図9(B)に示すように、携帯機器1の側壁部が突出部333を機器保持部12内部側へ押圧する。図9(B)の状態から更に携帯機器1がα方向へ挿入されると、図9(C)に示すように、突出部333は、携帯機器1に設けられる凹部4内に挿入されて、携帯機器1が機器保持部12に装着される。なお、図9(C)は、突出部333が突出位置で維持されている状態を示している。そして、充電装置10側から外部端子3a,3bを介して携帯機器1の電池に電力が供給される。
【0068】
そして、充電が終了するなどして、図10(A)に示すように、携帯機器1が機器保持部12から持ち上げられると(α’方向へ移動すると)、突出部333は上方側へ(δ方向)へ変位すると共に、作用部332は下方側(ε方向)へ変位する。即ち、図10中のRで示した円の軌道上を突出部333及び作用部332の先端が移動するように、機器操作伝達部材330が回転する。そして、作用部332は下方側へ変位することで、噛合面332aが歯部24を押圧し、歯車23をβ方向(図10において、反時計回り)に一歯分回転させ、充電端子21a,21bも連動して回転し、充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置がP2からP1へ変化する。即ち、本実施形態では、携帯機器1の離脱操作時に歯車23が回転される。
【0069】
さらに、携帯機器1が機器保持部12から持ち上げられると(α’方向へ移動すると)、図10(B)に示すように、凹部4の変位に応じて作用部332が歯部24から離れる位置に変位するように、機器操作伝達部材330が回転される。そして、付勢部材343の付勢力により、図10(C)に示すように、機器操作伝達部材330は突出位置(初期位置)へ復帰する方向へ戻される。即ち、突出部333は下方側へ(δ’方向へ)変位すると共に、作用部332は上方側(ε’方向)へ変位する。なお、図10(A)〜(C)は、突出部333が突出位置から退避位置に変位した状態を示している。
【0070】
そして、図11(A)に示すように、機器操作伝達部材330は突出部333が、突出位置に復帰する位置まで戻される。このとき、作用部332は、歯部24の先端に押圧されてξ方向へ収縮しながら歯部24を乗り越えた後、ξ’方向へ突出し作用部332の噛合面332aが歯車23の別の歯部24と噛み合い固定される(図11(B))。
【0071】
(本実施形態の主な効果)
以上説明したように、本第3実施形態に係る充電装置10では、携帯機器1が機器保持部12に装着されているときに、機器保持部12の対向面(携帯機器1と対向する面)から突出する突出部333が、携帯機器1の凹部4内に挿入されて突出位置で維持され、携帯機器1が機器保持部12から離脱操作されるときには、凹部4の変位に応じて退避位置に移動するようになっている。
この構成によれば、携帯機器1が機器保持部12に装着されている状態では、突出部333が凹部4内で安定的に維持されて作用部332の変位が抑制されるため、充電端子21a,21bは回転せずに携帯機器1の外部端子3a,3bと安定して接触する。また、携帯機器1が機器保持部12から取り外される場合には、携帯機器1の凹部4の変位を受けて突出部333が確実に変位し、これに応じて作用部332が歯車23を確実に回転させることとなる。従って、装着時には、充電端子21a,21bを安定的に位置保持することができ、且つ離脱操作毎に充電端子21a,21bにおける外部端子3a,3bの接触位置を確実に変化させることができる。
【0072】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0073】
上記第1実施形態の変形例において、更に、カウンタ45は、CPU61に電気的に接続されていてもよく、例えば、カウンタ45でカウントされた充電端子21a,21bの回転数に基づく情報をCPU61から表示部47に出力し、メンテナンス時期(例えば、充電端子21a,21bの交換時期等)を知らせるメッセージなどを表示部47にて表示するように構成することができる。
【0074】
上記第1実施形態の変形例では、充電端子21a,21bの回転数を1カウントとしてカウントする構成としたが、歯車23の一歯分の回転(変位)を1カウントとしてカウントするように構成されていてもよい。
【0075】
上記第2実施形態において、更に、作用部32が弾性変形可能なように構成されていてもよい。このように構成することで、作用部材32が、歯部24をより円滑に乗り越えることができる。
【0076】
上記第2、3実施形態において、更に、カウンタ45及びカウンタ表示部46が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…携帯機器
2…ケース
3a,3b…外部端子
4…凹部
10…充電装置
11…筐体(保持手段)
12…機器保持部
20a,20b…充電電極本体
21a,21b…充電端子
22a,22b…外周部
23…歯車
24…歯部
24a…噛合部
24b…滑合部
26…軸部
30,230,330…機器操作伝達部材
31…被押圧部
31a…一端面
31b…他端面
32,332…作用部
32a,332a…噛合面
32b,332b…傾斜面
34,234,334…連結部材(連結手段)
40…規制部材(規制手段)
41…係止部
41a…係止面
41b…滑合面
43,343…付勢部材(付勢手段)
45…カウンタ(カウント手段)
46…カウンタ表示部(表示手段)
47…表示部
61…CPU
63…充電回路
333…突出部
335…軸部
336…バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池と、前記電池を収容するケースと、少なくとも一部が前記ケースの外側に露出して配置される外部端子とを備えた携帯機器を充電対象とし、
前記外部端子を介して前記電池を充電する充電装置であって、
前記携帯機器を保持する機器保持部を備えた筐体と、
前記筐体に回転可能に取り付けられ、少なくとも外周部に充電端子が設けられた充電電極本体と、
前記充電電極本体と連動して回転する歯車と、
前記携帯機器が前記機器保持部に対して装着操作又は離脱操作されるときに前記携帯機器からの押圧動作を受けて変位する被押圧部と、前記被押圧部と連動すると共に前記被押圧部の変位動作を前記歯車に伝達する作用部とを備えた機器操作伝達部材と、
前記歯車の歯部と、前記歯部と係止する係止部とを備え、前記歯部が前記係止部に対して所定方向に移動するときに前記歯部の移動を許容し、前記歯部が前記所定方向とは逆方向に移動することを規制することで前記歯車の回転を一方向に規制する規制手段と、
を備え、
前記携帯機器の装着操作時又は離脱操作時に前記被押圧部の変位に応じて前記作用部が前記歯車に作用したとき、前記規制手段は前記歯車が前記一方向に所定量回転することを許容し、前記充電端子が前記歯車と連動して回転することで、前記充電端子における前記外部端子の接触位置が変化することを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記機器操作伝達部材を、所定の初期位置と所定の移動位置との間で移動可能となるように保持する保持手段と、
前記機器操作伝達部材が前記初期位置から移動したときに前記初期位置に復帰させるように付勢する付勢手段と、
を備え、
前記携帯機器が前記機器保持部に対して前記装着操作又は前記離脱操作される前には、前記付勢手段の付勢により前記機器操作伝達部材が前記初期位置に維持され、
前記装着操作又は前記離脱操作がなされた際には、前記携帯機器による前記被押圧部に対する押圧に応じて前記機器操作伝達部材が前記移動位置に移動し、
前記携帯機器による前記被押圧部に対する押圧が解除されたときには、前記付勢手段が前記機器操作伝達部材を前記初期位置に復帰させる構成をなしており、
前記作用部は、
前記機器操作伝達部材が前記初期位置のときに前記歯車の一部と噛み合い、
その噛み合い状態において、前記装着操作又は前記離脱操作に応じて前記機器操作伝達部材が前記初期位置から前記移動位置に移動するときには、前記歯車の一部と噛み合いながら変位して当該歯車を前記一方向に回転させ、
その後、前記付勢手段の付勢によって前記機器操作伝達部材が前記移動位置から前記初期位置に復帰する際には、前記歯車の一部に対して前記一方向とは逆方向に相対変位して前記歯車の別の部分と噛み合うことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記機器操作伝達部材は、前記被押圧部に対する前記作用部の相対変位が可能となるように前記被押圧部と前記作用部とを連結する連結手段を備え、
前記連結手段には、前記被押圧部に対する前記作用部の相対位置が所定の基準位置からずれた場合に前記基準位置に戻すように付勢する付勢部材が設けられており、
前記機器操作伝達部材が前記初期位置から前記移動位置に移動する際には、前記被押圧部に対する前記作用部の相対位置が前記基準位置に維持された状態で前記作用部が前記歯車の一部と噛み合いながら当該歯車を前記一方向に回転させ、
前記付勢手段によって前記機器操作伝達部材が前記移動位置から前記初期位置に復帰する際には、前記被押圧部に対する前記作用部の相対位置が前記基準位置からずれて前記作用部と前記歯車との噛み合いが解除した状態で前記作用部が前記一方向とは逆方向に相対変位し、
前記機器操作伝達部材が前記移動位置から前記初期位置に復帰したときには、前記付勢部材の付勢により前記被押圧部に対する前記作用部の相対位置が前記基準位置に復帰して前記作用部が前記歯車の別の部分と噛み合うことを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記被押圧部は、前記機器保持部において前記携帯機器と対向する対向面から突出する突出部からなり、
前記保持手段は、前記突出部が前記対向面から突出する所定の突出位置とこの突出位置から退避した退避位置とで変位可能となるように前記機器操作伝達部材を保持しており、
前記作用部は、前記突出部が前記突出位置から前記退避位置に変位する際に前記歯車を前記一方向に回転させる構成をなしており、
前記突出部は、
前記携帯機器が前記機器保持部に対して前記装着操作されるとき、その装着される前記携帯機器の外面部によって押圧されることで前記退避位置に変位し、
前記携帯機器が前記機器保持部から取り外されたときに、前記突出部に対する前記携帯機器の押圧が解除されることで前記突出位置に復帰することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記被押圧部は、前記機器保持部において前記携帯機器と対向する対向面から突出する突出部からなり、
前記保持手段は、前記突出部が前記対向面から突出する所定の突出位置とこの突出位置から退避した退避位置とで変位可能となるように前記機器操作伝達部材を保持しており、
前記作用部は、前記突出部が前記突出位置から前記退避位置に変位する際に前記歯車を前記一方向に回転させる構成をなし、
前記携帯機器には、前記機器保持部に装着された際に前記突出部と対向する位置に凹部が形成されており、
前記突出部は、
前記携帯機器が前記機器保持部に前記装着されているときには、前記凹部内に挿入されて前記突出位置で維持され、
前記携帯機器が前記機器保持部から前記離脱操作されるときに、前記凹部の変位に応じて前記退避位置に移動することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の充電装置。
【請求項6】
前記連結手段は、前記被押圧部と前記作用部とを一体的に連結する弾性変形可能な連結部材を備え、前記連結部材が前記付勢部材に兼用されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の充電装置。
【請求項7】
前記充電端子の回転数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によってカウントされた前記回転数を表示する表示手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項8】
前記充電端子において前記携帯機器の前記外部端子と接触可能な外周面にメッキ加工が施されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−59618(P2012−59618A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203346(P2010−203346)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】