先行車認識装置
【課題】 レーダー装置が電磁波を送信および受信する検知エリアの端部における物体の横方向位置の検知精度を簡単な演算で高める。
【解決手段】 レーダー装置は扇形の検知エリアに入った物体からの反射波の中心を物体の位置として検知する。レーダー装置の検知エリアの端部にターゲットの一部だけが入って検知された場合に、その検知位置はターゲットの中央位置であるB位置からずれたA位置になるが、ターゲットである車両の車幅の半分に相当する距離(例えば0.9m)だけ、前記A位置を横方向外側に移動させたB位置をターゲットの検知位置として算出することで、ターゲットの一部だけが検知エリアに入った場合でも、そのターゲットの横位置を正しく算出することができる。
【解決手段】 レーダー装置は扇形の検知エリアに入った物体からの反射波の中心を物体の位置として検知する。レーダー装置の検知エリアの端部にターゲットの一部だけが入って検知された場合に、その検知位置はターゲットの中央位置であるB位置からずれたA位置になるが、ターゲットである車両の車幅の半分に相当する距離(例えば0.9m)だけ、前記A位置を横方向外側に移動させたB位置をターゲットの検知位置として算出することで、ターゲットの一部だけが検知エリアに入った場合でも、そのターゲットの横位置を正しく算出することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車進行方向の所定領域に向けて電磁波を送信し、前記所定領域内に存在する物体からの反射波を受信する送受信手段と、前記送受信手段の送受信結果に基づいて少なくとも自車に対する物体の位置を算出する物体情報算出手段と、前記所定領域内に複数の物体が検知されたときに該物体の少なくとも位置に基づいて該複数の物体を一つの物体として纏める統合手段と、前記統合手段により纏められた物体からの反射波の中心を検知位置として算出する検知位置算出手段とを備えた先行車認識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行車のような物標がレーダービームの走査範囲の端部に位置した場合でも、物標の方位を正確に求めるべく、ビームの中心が物標に照射されている状態での受信レベルと、ビームの中心でのアンテナゲイン値と、検出した物標までの距離とに基づいて有効反射断面積を求め、ビームの走査範囲よりも少し外側に物標が存在する場合に、その有効反射断面積が既知であれば、受信信号レベルからアンテナゲインを求め、求めたアンテナゲインと予め登録したビームの角度−利得特性とから物標の方位を求めるものが、下記特許文献1により公知である。
【特許文献1】特開平11−64500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで上記従来のものは、レーダービームの走査範囲の端部に位置する物標の方位を求める際に、有効反射断面積の算出のような複雑な信号処理が必要になり、CPUの演算負荷が増大するという問題があった。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、送受信手段が電磁波を送信および受信する所定領域の端部における物体の横方向位置の検知精度を簡単な演算で高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、自車進行方向の所定領域に向けて電磁波を送信し、前記所定領域内に存在する物体からの反射波を受信する送受信手段と、前記送受信手段の送受信結果に基づいて少なくとも自車に対する物体の位置を算出する物体情報算出手段と、前記所定領域内に複数の物体が検知されたときに該物体の少なくとも位置に基づいて該複数の物体を一つの物体として纏める統合手段と、前記統合手段により纏められた物体からの反射波の中心を検知位置として算出する検知位置算出手段とを備えた先行車認識装置において、物体からの反射波が示す波形に基づいて物体が前記所定領域の左端または右端に位置するか否かを判定する領域端判定手段と、前記領域端判定手段の判定結果に基づいて前記検知位置を補正する検知位置補正手段とを備えたことを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0006】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前記領域端判定手段により物体が前記所定領域の端部にあると判定された場合には、前記検知位置算出手段により算出された物体の検知位置を予め定められた所定距離だけ横方向外側に補正することを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0007】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前回補正を行った物体に対して引き続き補正を行う場合には、検知された物体の前回検知位置と今回検知位置との横移動量を算出するとともに、算出された横移動量および前記補正のための所定距離に基づいて物体の検知位置を補正することを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0008】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前記物体が自車進行方向に接近している場合には、算出された横移動量を前記所定距離から減算した値に基づいて、また前記物体が自車進行方向から離反している場合には、算出された横移動量を前記所定距離に加算した値に基づいて物体の検知位置を補正することを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0009】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前記補正により物体の検知位置が前記所定領域内となる場合には、補正後の検知位置を前記所定領域外とすることを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0010】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前記領域端判定手段により前記所定領域の端部にあると判定された物体が前記所定領域内にほぼ入ったと判定された場合には、前記補正後の検知位置から前記検知位置算出手段により算出された位置へと徐々に変更することを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0011】
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記送受信手段はレーダー装置であり、前記所定領域はレーダー装置の検知エリアであることを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0012】
尚、実施例のレーダー装置14は本発明の送受信手段に対応する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の構成によれば、送受信手段の送受信結果に基づいて物体情報算出手段が所定領域内の物体の位置を算出し、所定領域内に複数の物体の位置が算出されると統合手段が該複数の物体を一つの物体として纏め、検知位置算出手段が纏められた物体からの反射波の中心を検知位置として算出する際に、領域端判定手段が物体からの反射波が示す波形に基づいて物体が所定領域の左端または右端に位置するか否かを判定すると、検知位置補正手段が前記検知位置を補正するので、所定領域に先行車の一部だけが入って検知された場合でも、その検知された一部を先行車の全体と誤認して位置検知精度が低下するのを防止することができ、所定領域の横方向両端においても先行車の位置を簡単な演算で正しく認識することが可能となる。これにより、至近距離から自車の前方に割り込む車両を先行車として素早く認識し、スムーズな車速制御や時間的余裕のある警報が可能になって複雑な交通環境下でのシステムの信頼性が向上する。
【0014】
請求項2の構成によれば、物体が所定領域の端部にあると判定された場合に、領域端判定手段が検知位置算出手段で算出した物体の検知位置を予め定められた所定距離だけ横方向外側に補正するので、所定領域に先行車の一部だけが入って検知された場合でも、その先行車の横方向中心位置を該先行車の位置として正しく認識することができる。
【0015】
請求項3の構成によれば、前回補正を行った物体に対して引き続き補正を行う場合に検知された物体の前回検知位置と今回検知位置との横移動量を算出し、算出された横移動量および前記所定距離に基づいて物体の検知位置を補正するので、自車の前方に割り込もうことする先行車の横位置を一層精度良く認識することができる。
【0016】
請求項4の構成によれば、物体が自車進行方向に接近している場合には横移動量を所定距離から減算した値に基づいて物体の検知位置を補正し、また物体が自車進行方向から離反している場合には横移動量を前記所定距離に加算した値に基づいて物体の検知位置を補正するので、自車の前方に割り込もうことする先行車の横位置をより一層精度良く認識することができる。
【0017】
請求項5の構成によれば、補正により物体の検知位置が所定領域内となる場合には、補正後の検知位置を所定領域外とするので、元々所定領域内に存在する先行車と自車の前方に割り込もうことする先行車とが区別できなくなるのを防止することができる。
【0018】
請求項6の構成によれば、所定領域の端部にあると判定された物体が所定領域内にほぼ入ったと判定されると、その物体の位置が検知位置算出手段により算出された位置へと戻されるが、その際に物体の位置を徐々に移動させることで不連続な移動や急激な移動を防止することができる。
【0019】
請求項7の構成によれば、送受信手段をレーダー装置で構成し、その検知エリアを所定領域としたので、レーダー装置による先行車の判定を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図13は本発明の一実施例を示すもので、図1はACCシステムの制御系のブロック図、図2〜図4は作用を説明するフローチャートの第1〜第3分図、図5は車両が検知エリアの端部に入ったときに横位置の検出誤差が起きる理由の説明図、図6はフローチャートのステップS5,S6に対応する説明図、図7はフローチャートのステップS9に対応する説明図、図8はフローチャートのステップS12に対応する説明図、図9はフローチャートのステップS17に対応する説明図、図10は先行車が割り込むときの作用説明図(従来例)、図11は先行車が割り込むときの作用説明図(実施例)、図12は先行車が割り込もうとして途中で中止したときの作用説明図(従来例)、図13は先行車が割り込もうとして途中で中止したときの作用説明図(実施例)である。
【0022】
図1に示すように、先行車が存在するときには予め設定した車間距離を保持して前記先行車に追従走行し、先行車が存在しないときには予め設定した車速で定速走行するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)システムは、予測軌跡推定手段M1と、制御対象領域設定手段M2と、制御対象決定手段M3と、物体情報算出手段M4と、統合手段M5と、検知位置算出手段M6と、領域端判定手段M7と、検知位置補正手段M8と、制御目標値決定手段M9と、車両制御手段M10とを備える。
【0023】
予測軌跡推定手段M1には車速センサ11およびヨーレートセンサ12が接続され、物体情報算出手段M4にはレーダー装置14が接続され、車両制御手段M10にはディスプレイ15、減速アクチュエータ16および加速アクチュエータ17が接続される。
【0024】
予測軌跡推定手段M1は、車速センサ11で検出した自車の車速とヨーレートセンサ12で検出した自車のヨーレートとに基づいて自車の将来の予測軌跡を推定する。即ち、現在の車速およびヨーレートから自車の旋回半径を算出し、この旋回半径の円弧を現在の自車の進行方向に連ねることで、自車の将来の予測軌跡を推定する。
【0025】
制御対象領域設定手段M2は、予測軌跡推定手段M1で推定した自車の将来の予測軌跡の左右両側にそれぞれ所定幅(実施例では2m)を加えた幅を持ち、かつ自車の前方の所定距離(実施例では100m)までの長さを持つ帯状の制御対象領域を設定する。前記所定幅の2mは、車線幅4mの半分に相当し、従って制御対象領域の幅は車線幅4mに相当することになる。また前記所定距離の100mは、レーダー装置14が先行車を確実に検知できる距離に相当する。
【0026】
制御対象決定手段M3は、レーダー装置14で検知した複数の先行車のうち、制御対象領域設定手段M2で設定した制御対象領域に存在する何れかの先行車を制御対象として判定する。
【0027】
物体情報算出手段M4は、レーダー装置14で検知した物体の相対距離、横位置および相対速度を算出する。
【0028】
統合手段M5は、レーダー装置14の扇形に広がる検知エリア内で検知された複数の物体のうち、一纏まりになった複数の物体を1台の車両として統合する。車両にはレーダー装置14が送信した電磁波を強く反射する部分と弱く反射する部分とが存在するため、1台のターゲットからの反射波が複数に分かれて複数の物体が存在するように検知される場合があるが、この統合手段M5によって前記複数の物体を1台のターゲットであると認識することができる。
【0029】
検知位置算出手段M6は、統合手段M5によって統合した1台のターゲットの幅の中央位置を車両の検知位置として算出する。ターゲットの全体が検知エリアの中に入っている場合には、検知位置算出手段M6で算出した検知位置は実際のターゲットの幅の中央位置にほぼ一致するが(図5(A)参照)、ターゲットが検知エリアの左右の端部に一部だけ入っている場合には、検知位置算出手段M6で算出した検知位置は実際のターゲットの幅の中央位置と不一致になる(図5(B)参照)。
【0030】
領域端判定手段M7は、ターゲットの一部だけが検知エリアの右または左の端部に入っている状態を判定する。ターゲットの全体が検知エリアに入っている場合には、レーダー装置14により受信される反射波の受信強度は中央部が最も高くて左右両側が次第に低くなるが、ターゲットの端部だけが検知エリアに入っている場合には、検知エリアの端部において反射波の受信強度が急激に落ち込むことから判定することができる。
【0031】
検知位置補正手段M8は、ターゲットの一部だけが検知エリアの右または左の端部に入っている状態では、ターゲットの位置を精度良く算出できないことに鑑み(図5(B)参照)、前記検知位置算出手段M6で算出したターゲットの位置を正しい位置に近づけるように補正する。そして補正されたターゲットの位置は前記制御対象決定手段M3に出力され、そこで何れかのターゲットが制御対象となる先行車として判定される。
【0032】
制御目標値決定手段M9は、制御対象となった先行車に自車を追従走行させるためのパラメータである目標車速、目標加減速度、目標車間距離等を決定する。そして車両制御手段M10は、制御目標値決定手段M9で決定した制御目標値に基づいて減速アクチュエータ16や加速アクチュエータ17を駆動し、スロットルバルブを開閉したりブレーキ装置を作動させたりして追従走行制御や定速走行制御を実行するとともに、ディスプレイ15に現在の車両の制御状態を表示してドライバーに報知する。
【0033】
次に、主として領域端判定手段M7および検知位置補正手段M8の機能を、図2〜図4のフローチャートと、図6〜図9の作用説明図とに基づいて説明する。
【0034】
先ずステップS1でレーダー装置14によりターゲットからの反射波を検知し、ステップS2で物体情報算出手段M4、統合手段M5および検知位置算出手段M6によりターゲットの相対距離、横位置および相対速度を算出する。続くステップS3で反射波が検知エリアの端部からのものであると判定され、続くステップS4で領域端判定手段M7により前記反射波がレーダー装置14の検知エリアの右側の端部からのものであると判定されれば、即ちターゲットの一部が検知エリアの右端に入っていれば、ステップS5でターゲットの横位置を検知された横位置から車幅の半分に相当する0.9mだけ右側にずらし、前記ステップS4で領域端判定手段M7により前記反射波がレーダー装置14の検知エリアの左側の端部からのものであると判定されれば、即ちターゲットの一部が検知エリアの左端に入っていれば、ステップS6でターゲットの横位置を検知された横位置から車幅の半分に相当する0.9mだけ左側にずらす。
【0035】
これを図6に基づいて詳しく説明すると、例えばターゲットの一部が検知エリアの右端に入ったとき、ターゲットの横位置はその左端のA位置として検知されてしまうが、実際のターゲットの横位置は車幅の中央のB位置であることから、A位置を車幅の半分に相当する0.9mだけ右側にずらしたB位置をターゲットの横位置とすることで、検知エリアの端部におけるターゲットの横位置検知精度を高めることができる。
【0036】
続くステップS7で前回ターゲットと引き継ぎ確認を行い、ステップS8で今回ターゲットが前回ターゲットを引き継いだターゲットであれば、ステップS9で前回ターゲットの横位置と今回のターゲットの横位置との差を、今回ターゲットの横位置を0.9mずらした横位置に対して減算あるいは加算して補正した後、ステップS10でターゲット継続カウンタをインクリメントする。前記ステップS8の答えがNOの場合は後述するステップS11に移行する。
【0037】
前記ステップS9の補正を行う理由は、検知エリアの端部に入ってから自車の正面に向かって横移動してくるターゲットの横移動量は、検知されたターゲットの横移動量の2倍に相当するということに起因している。即ち、図7(A)に示すように、前回ターゲットの横位置に対して今回ターゲットの横位置が0.3m横方向内側に移動したとき、ターゲットの中央位置における真の横移動量は0.3mの2倍の0.6mとなる。つまり、ターゲットの実際の横移動量が0.6mであっても、検知される横移動量は半分の0.3mになってしまう。
【0038】
図7(B)に示すように、前記ステップS5の補正(ターゲットの横位置を車幅の半分の0.9mずらす補正)を行っても、前回ターゲットの補正横位置と今回ターゲットの補正横位置との差である横移動量はやはり0.3mとなり、実際の横移動量である0.6mの半分になってしまう。
【0039】
そこで本実施例では、図7(C)に示すように、前回ターゲットの横位置aと今回のターゲットの横位置bとの差である0.3mを、今回ターゲットの横位置を0.9mずらした横位置cから減算して今回ターゲットの真の横位置dを求めている。尚、ターゲットが自車の正面から遠ざかるように横移動する場合には、前回ターゲットの横位置aと今回のターゲットの横位置bとの差である0.3mを、今回ターゲットの横位置を0.9mずらした横位置cに加算して今回ターゲットの真の横位置dを求めることができる。
【0040】
続くステップS11で前記ステップS9で補正したターゲットの横位置が検知エリアの内部に入れば、そのターゲットの横位置を検知エリアの端部上(厳密には端部のすぐ外側)に再度補正する。即ち、図8において、最初に検知されたターゲットの横位置eを前記図6の補正で0.9m外側のf位置に補正し、更に前記図7の補正で0.3m内側のg位置に補正し、その結果ターゲットの横位置gが検知エリアの内部に入れば、ステップS12で前記ターゲットの横位置を検知エリアの端部上のh位置に移動させる。これにより、検知エリア内で通常検知(補正を行わない検知)されたターゲットと、検知エリアの端部で検知されたターゲットとが区別できなくなるのを防止することができる。前記ステップS11の答えがNOの場合には後述するステップS19に移行する。
【0041】
前記ステップS3で反射波が検知エリアの端部からのものでないと判定されれば、ステップS13で前回ターゲットと引き継ぎ確認を行い、ステップS14で今回ターゲットが前回ターゲットを引き継いだターゲットであるとき、ステップS15で前回ターゲットが検知エリアの端部のターゲットであり、かつステップS16で前回ターゲットの補正位置(検知エリアの端部上の位置)と今回ターゲットの算出位置との差が所定値(本実施例では1.5m)以上であれば、ステップS17で前回ターゲットの補正位置を今回ターゲットの算出位置に戻す際に、移動量が3分の2になる位置を今回ターゲットの位置とし、続くステップS18でターゲット継続カウンタをインクリメントする。前記ステップS14の答えがNOの場合には後述するステップS19に移行し、前記ステップS15、S16の答えがNOの場合にはステップS18に移行する。
【0042】
前記ステップS17の意味するところを、図9に基づいて説明する。前記ステップS12で前記ターゲットの横位置を検知エリアの端部上のi位置に設定し、今回ターゲットが検知エリア内に完全に入って真の位置がj位置になったとき、前回ターゲットの真の位置がk位置であることから、ターゲットの本来の横移動量がk位置→j位置であるにも関わらず、i位置→j位置と算出されてしまうことで横移動量が過大になってしまう。そこで、前記横移動量が1.5m以上の場合には、今回ターゲットの位置を真の位置であるj位置から外側のm位置へと移動させることで、横移動量が過大になるのを防止する。本実施例では、m位置は、i位置→j位置の移動量の3分の2になる位置に設定される。
【0043】
しかして、ステップS19で全てのターゲットの相対距離、横位置および相対速度を算出すると、ステップS20で予測軌跡推定手段M1が車速センサ11により検出した車速と、ヨーレートセンサ12により検出したヨーレートとから自車の将来の予測軌跡を推定する。続くステップS21で記憶されているターゲットデータを呼び出し、ステップS22で前記ターゲットが、ターゲット継続カウンタが3以上のターゲットであり、ステップS23で前記ターゲットが、制御対象領域設定手段M2が自車の予測軌跡の左右両側に各2mずつの幅で設定した制御対象領域内にあるターゲットであり、ステップS24で先行車候補バッファに先行車候補があり、かつステップS25で前記ターゲットが、先行車候補バッファの先行車候補よりも自車との距離が短いターゲットであれば、ステップS26で前記ターゲットを先行車候補バッファに入れる。
【0044】
尚、前記ステップS19の答えがNOであればステップS2に復帰し、前記ステップS24の答えがNOであればステップS26に移行し、前記ステップS22、S23、S25の答えがNOであれば後述するステップS27に移行する。
【0045】
そしてステップS27で全てのターゲットデータを呼び出したら、ステップS28で先行車候補バッファにあるターゲットを先行車として出力し、その先行車に対する追従走行制御を実行する。前記ステップS27の答えがNOであれば前記ステップS21に復帰する。
【0046】
次に、ターゲットが自車の前方に割り込む場合の作用を、図10および図11に基づいて説明する。
【0047】
図10は従来例であって、ターゲットの一部が検知エリア内に入っただけでは検知されず(図10(A)〜図10(C)参照)、ターゲットがほぼ完全に検知エリアに入ると検知される(図10(D)参照)。最初にターゲットが検知されてから3回連続して検知されるとターゲットが確定し、その後にターゲットの位置と予測軌跡との関係から先行車であると認識される(図10(E)参照)。ターゲットが先行車であると認識されると車間距離を開くべく自車の減速制御が開始されるが、先行車の認識が遅れたために車間距離が詰まってしまい(図10(F)参照)、詰まった車間距離を広げるための減速度が大きくなって乗り心地が悪くなってしまう(図10(G)参照)。
【0048】
図11は実施例であって、ターゲットが自車の前方に割り込みを開始し(図11(A)参照)、その車体の一部が検知エリアに入ると即座に検知されるが、その際のターゲットの検知位置は横方向外側に補正される(図11(B)参照)。ターゲットが更に自車の前方に近づいて車体の半分が検知エリアに入ると、横方向外側に補正された検知位置が検知エリアの端部に達するため、ターゲットの位置が検知エリアの端部として出力され、その間に3回連続して検知されてターゲットが確定する(図11(C)参照)。ターゲットのほぼ全体が検知エリアに入ると、検知された位置そのものがターゲットの横位置となり、既にターゲットとして確定しているので、先行車として認識される(図11(D)参照)。ターゲットが先行車として認識されると車間距離を開くべく自車の減速制御が開始されるが、ターゲットが先行車として認識された時期が早いので車間距離にまだ余裕があり、緩やかな減速が可能になって乗り心地が向上する(図11(E)〜図11(G)参照)。
【0049】
次に、ターゲットが自車の前方に割り込んできたが、中止して元に戻った場合の作用を、図12および図13に基づいて説明する。
【0050】
図12は従来例であって、ターゲットが自車の前方に割り込みを開始し(図12(A)参照)、その車体の一部が検知エリアに入ると即座に検知されるが、その際のターゲットの検知位置は検知エリアに入った部分となり、その間にターゲットとして確定する回数だけ検知される(図12(B)参照)。車両の半分が検知エリアに入って検知された位置が出力されると、既にターゲットとして確定されているので先行車として認識され、車間距離を開くべく減速制御が開始される(図12(C)参照)。先行車が車線変更を中止して元の車線に戻ろうとしても、検知が続くために減速制御も継続する(図12(D)参照)。先行車が検知エリアの外に出ると先行車なしと認識され、加速制御が開始されてセット車速まで加速し、セット車速で走行を継続する(図12(E)および図12(F)参照)。このように、従来例では加速および減速が繰り返されるため、乗り心地が悪くなる問題がある。
【0051】
図13は実施例であって、ターゲットが自車の前方に割り込みを開始し(図13(A)参照)、その車体の一部が検知エリアに入ると即座に検知されるが、その際のターゲットの検知位置は横方向外側に補正される(図13(B)参照)。ターゲットが更に自車の前方に近づいて車体の半分が検知エリアに入っても、横方向外側に補正された検知位置が検知エリアの端部に残るため、ターゲットの位置が検知エリアの端部として出力され続け、その間に3回連続して検知されてターゲットが確定しても先行車と認識されることはない(図13(C)参照)。ターゲットが車線変更を中止して元の車線に戻ろうとすると、検知は続くが検知位置が自車線の外側にあって先行車と認識されないため、やはり減速制御が行われずにセット車速での走行が継続する(図13(D)参照)。先行車が検知エリアの外に出ると先行車なしと認識され、セット車速での走行が継続する(図13(E)参照)。このように、実施例では不必要な加速および減速が行われないため、乗り心地が向上する。
【0052】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0053】
例えば、実施例ではACCシステムについて説明したが、本発明はACCシステム以外の任意の用途の車両用先行車認識装置に対して適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】ACCシステムの制御系のブロック図
【図2】作用を説明するフローチャートの第1分図
【図3】作用を説明するフローチャートの第2分図
【図4】作用を説明するフローチャートの第3分図
【図5】車両が検知エリアの端部に入ったときに横位置の検出誤差が起きる理由の説明図
【図6】フローチャートのステップS5,S6に対応する説明図
【図7】フローチャートのステップS9に対応する説明図
【図8】フローチャートのステップS12に対応する説明図
【図9】フローチャートのステップS17に対応する説明図
【図10】先行車が割り込むときの作用説明図(従来例)
【図11】先行車が割り込むときの作用説明図(実施例)
【図12】先行車が割り込もうとして途中で中止したときの作用説明図(従来例)
【図13】先行車が割り込もうとして途中で中止したときの作用説明図(実施例)
【符号の説明】
【0055】
M4 物体情報算出手段
M5 統合手段
M6 検知位置算出手段
M7 領域端判定手段
M8 検知位置補正手段
14 レーダー装置(送受信手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車進行方向の所定領域に向けて電磁波を送信し、前記所定領域内に存在する物体からの反射波を受信する送受信手段と、前記送受信手段の送受信結果に基づいて少なくとも自車に対する物体の位置を算出する物体情報算出手段と、前記所定領域内に複数の物体が検知されたときに該物体の少なくとも位置に基づいて該複数の物体を一つの物体として纏める統合手段と、前記統合手段により纏められた物体からの反射波の中心を検知位置として算出する検知位置算出手段とを備えた先行車認識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行車のような物標がレーダービームの走査範囲の端部に位置した場合でも、物標の方位を正確に求めるべく、ビームの中心が物標に照射されている状態での受信レベルと、ビームの中心でのアンテナゲイン値と、検出した物標までの距離とに基づいて有効反射断面積を求め、ビームの走査範囲よりも少し外側に物標が存在する場合に、その有効反射断面積が既知であれば、受信信号レベルからアンテナゲインを求め、求めたアンテナゲインと予め登録したビームの角度−利得特性とから物標の方位を求めるものが、下記特許文献1により公知である。
【特許文献1】特開平11−64500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで上記従来のものは、レーダービームの走査範囲の端部に位置する物標の方位を求める際に、有効反射断面積の算出のような複雑な信号処理が必要になり、CPUの演算負荷が増大するという問題があった。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、送受信手段が電磁波を送信および受信する所定領域の端部における物体の横方向位置の検知精度を簡単な演算で高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、自車進行方向の所定領域に向けて電磁波を送信し、前記所定領域内に存在する物体からの反射波を受信する送受信手段と、前記送受信手段の送受信結果に基づいて少なくとも自車に対する物体の位置を算出する物体情報算出手段と、前記所定領域内に複数の物体が検知されたときに該物体の少なくとも位置に基づいて該複数の物体を一つの物体として纏める統合手段と、前記統合手段により纏められた物体からの反射波の中心を検知位置として算出する検知位置算出手段とを備えた先行車認識装置において、物体からの反射波が示す波形に基づいて物体が前記所定領域の左端または右端に位置するか否かを判定する領域端判定手段と、前記領域端判定手段の判定結果に基づいて前記検知位置を補正する検知位置補正手段とを備えたことを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0006】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前記領域端判定手段により物体が前記所定領域の端部にあると判定された場合には、前記検知位置算出手段により算出された物体の検知位置を予め定められた所定距離だけ横方向外側に補正することを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0007】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前回補正を行った物体に対して引き続き補正を行う場合には、検知された物体の前回検知位置と今回検知位置との横移動量を算出するとともに、算出された横移動量および前記補正のための所定距離に基づいて物体の検知位置を補正することを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0008】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前記物体が自車進行方向に接近している場合には、算出された横移動量を前記所定距離から減算した値に基づいて、また前記物体が自車進行方向から離反している場合には、算出された横移動量を前記所定距離に加算した値に基づいて物体の検知位置を補正することを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0009】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前記補正により物体の検知位置が前記所定領域内となる場合には、補正後の検知位置を前記所定領域外とすることを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0010】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記検知位置補正手段は、前記領域端判定手段により前記所定領域の端部にあると判定された物体が前記所定領域内にほぼ入ったと判定された場合には、前記補正後の検知位置から前記検知位置算出手段により算出された位置へと徐々に変更することを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0011】
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記送受信手段はレーダー装置であり、前記所定領域はレーダー装置の検知エリアであることを特徴とする先行車認識装置が提案される。
【0012】
尚、実施例のレーダー装置14は本発明の送受信手段に対応する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の構成によれば、送受信手段の送受信結果に基づいて物体情報算出手段が所定領域内の物体の位置を算出し、所定領域内に複数の物体の位置が算出されると統合手段が該複数の物体を一つの物体として纏め、検知位置算出手段が纏められた物体からの反射波の中心を検知位置として算出する際に、領域端判定手段が物体からの反射波が示す波形に基づいて物体が所定領域の左端または右端に位置するか否かを判定すると、検知位置補正手段が前記検知位置を補正するので、所定領域に先行車の一部だけが入って検知された場合でも、その検知された一部を先行車の全体と誤認して位置検知精度が低下するのを防止することができ、所定領域の横方向両端においても先行車の位置を簡単な演算で正しく認識することが可能となる。これにより、至近距離から自車の前方に割り込む車両を先行車として素早く認識し、スムーズな車速制御や時間的余裕のある警報が可能になって複雑な交通環境下でのシステムの信頼性が向上する。
【0014】
請求項2の構成によれば、物体が所定領域の端部にあると判定された場合に、領域端判定手段が検知位置算出手段で算出した物体の検知位置を予め定められた所定距離だけ横方向外側に補正するので、所定領域に先行車の一部だけが入って検知された場合でも、その先行車の横方向中心位置を該先行車の位置として正しく認識することができる。
【0015】
請求項3の構成によれば、前回補正を行った物体に対して引き続き補正を行う場合に検知された物体の前回検知位置と今回検知位置との横移動量を算出し、算出された横移動量および前記所定距離に基づいて物体の検知位置を補正するので、自車の前方に割り込もうことする先行車の横位置を一層精度良く認識することができる。
【0016】
請求項4の構成によれば、物体が自車進行方向に接近している場合には横移動量を所定距離から減算した値に基づいて物体の検知位置を補正し、また物体が自車進行方向から離反している場合には横移動量を前記所定距離に加算した値に基づいて物体の検知位置を補正するので、自車の前方に割り込もうことする先行車の横位置をより一層精度良く認識することができる。
【0017】
請求項5の構成によれば、補正により物体の検知位置が所定領域内となる場合には、補正後の検知位置を所定領域外とするので、元々所定領域内に存在する先行車と自車の前方に割り込もうことする先行車とが区別できなくなるのを防止することができる。
【0018】
請求項6の構成によれば、所定領域の端部にあると判定された物体が所定領域内にほぼ入ったと判定されると、その物体の位置が検知位置算出手段により算出された位置へと戻されるが、その際に物体の位置を徐々に移動させることで不連続な移動や急激な移動を防止することができる。
【0019】
請求項7の構成によれば、送受信手段をレーダー装置で構成し、その検知エリアを所定領域としたので、レーダー装置による先行車の判定を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図13は本発明の一実施例を示すもので、図1はACCシステムの制御系のブロック図、図2〜図4は作用を説明するフローチャートの第1〜第3分図、図5は車両が検知エリアの端部に入ったときに横位置の検出誤差が起きる理由の説明図、図6はフローチャートのステップS5,S6に対応する説明図、図7はフローチャートのステップS9に対応する説明図、図8はフローチャートのステップS12に対応する説明図、図9はフローチャートのステップS17に対応する説明図、図10は先行車が割り込むときの作用説明図(従来例)、図11は先行車が割り込むときの作用説明図(実施例)、図12は先行車が割り込もうとして途中で中止したときの作用説明図(従来例)、図13は先行車が割り込もうとして途中で中止したときの作用説明図(実施例)である。
【0022】
図1に示すように、先行車が存在するときには予め設定した車間距離を保持して前記先行車に追従走行し、先行車が存在しないときには予め設定した車速で定速走行するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)システムは、予測軌跡推定手段M1と、制御対象領域設定手段M2と、制御対象決定手段M3と、物体情報算出手段M4と、統合手段M5と、検知位置算出手段M6と、領域端判定手段M7と、検知位置補正手段M8と、制御目標値決定手段M9と、車両制御手段M10とを備える。
【0023】
予測軌跡推定手段M1には車速センサ11およびヨーレートセンサ12が接続され、物体情報算出手段M4にはレーダー装置14が接続され、車両制御手段M10にはディスプレイ15、減速アクチュエータ16および加速アクチュエータ17が接続される。
【0024】
予測軌跡推定手段M1は、車速センサ11で検出した自車の車速とヨーレートセンサ12で検出した自車のヨーレートとに基づいて自車の将来の予測軌跡を推定する。即ち、現在の車速およびヨーレートから自車の旋回半径を算出し、この旋回半径の円弧を現在の自車の進行方向に連ねることで、自車の将来の予測軌跡を推定する。
【0025】
制御対象領域設定手段M2は、予測軌跡推定手段M1で推定した自車の将来の予測軌跡の左右両側にそれぞれ所定幅(実施例では2m)を加えた幅を持ち、かつ自車の前方の所定距離(実施例では100m)までの長さを持つ帯状の制御対象領域を設定する。前記所定幅の2mは、車線幅4mの半分に相当し、従って制御対象領域の幅は車線幅4mに相当することになる。また前記所定距離の100mは、レーダー装置14が先行車を確実に検知できる距離に相当する。
【0026】
制御対象決定手段M3は、レーダー装置14で検知した複数の先行車のうち、制御対象領域設定手段M2で設定した制御対象領域に存在する何れかの先行車を制御対象として判定する。
【0027】
物体情報算出手段M4は、レーダー装置14で検知した物体の相対距離、横位置および相対速度を算出する。
【0028】
統合手段M5は、レーダー装置14の扇形に広がる検知エリア内で検知された複数の物体のうち、一纏まりになった複数の物体を1台の車両として統合する。車両にはレーダー装置14が送信した電磁波を強く反射する部分と弱く反射する部分とが存在するため、1台のターゲットからの反射波が複数に分かれて複数の物体が存在するように検知される場合があるが、この統合手段M5によって前記複数の物体を1台のターゲットであると認識することができる。
【0029】
検知位置算出手段M6は、統合手段M5によって統合した1台のターゲットの幅の中央位置を車両の検知位置として算出する。ターゲットの全体が検知エリアの中に入っている場合には、検知位置算出手段M6で算出した検知位置は実際のターゲットの幅の中央位置にほぼ一致するが(図5(A)参照)、ターゲットが検知エリアの左右の端部に一部だけ入っている場合には、検知位置算出手段M6で算出した検知位置は実際のターゲットの幅の中央位置と不一致になる(図5(B)参照)。
【0030】
領域端判定手段M7は、ターゲットの一部だけが検知エリアの右または左の端部に入っている状態を判定する。ターゲットの全体が検知エリアに入っている場合には、レーダー装置14により受信される反射波の受信強度は中央部が最も高くて左右両側が次第に低くなるが、ターゲットの端部だけが検知エリアに入っている場合には、検知エリアの端部において反射波の受信強度が急激に落ち込むことから判定することができる。
【0031】
検知位置補正手段M8は、ターゲットの一部だけが検知エリアの右または左の端部に入っている状態では、ターゲットの位置を精度良く算出できないことに鑑み(図5(B)参照)、前記検知位置算出手段M6で算出したターゲットの位置を正しい位置に近づけるように補正する。そして補正されたターゲットの位置は前記制御対象決定手段M3に出力され、そこで何れかのターゲットが制御対象となる先行車として判定される。
【0032】
制御目標値決定手段M9は、制御対象となった先行車に自車を追従走行させるためのパラメータである目標車速、目標加減速度、目標車間距離等を決定する。そして車両制御手段M10は、制御目標値決定手段M9で決定した制御目標値に基づいて減速アクチュエータ16や加速アクチュエータ17を駆動し、スロットルバルブを開閉したりブレーキ装置を作動させたりして追従走行制御や定速走行制御を実行するとともに、ディスプレイ15に現在の車両の制御状態を表示してドライバーに報知する。
【0033】
次に、主として領域端判定手段M7および検知位置補正手段M8の機能を、図2〜図4のフローチャートと、図6〜図9の作用説明図とに基づいて説明する。
【0034】
先ずステップS1でレーダー装置14によりターゲットからの反射波を検知し、ステップS2で物体情報算出手段M4、統合手段M5および検知位置算出手段M6によりターゲットの相対距離、横位置および相対速度を算出する。続くステップS3で反射波が検知エリアの端部からのものであると判定され、続くステップS4で領域端判定手段M7により前記反射波がレーダー装置14の検知エリアの右側の端部からのものであると判定されれば、即ちターゲットの一部が検知エリアの右端に入っていれば、ステップS5でターゲットの横位置を検知された横位置から車幅の半分に相当する0.9mだけ右側にずらし、前記ステップS4で領域端判定手段M7により前記反射波がレーダー装置14の検知エリアの左側の端部からのものであると判定されれば、即ちターゲットの一部が検知エリアの左端に入っていれば、ステップS6でターゲットの横位置を検知された横位置から車幅の半分に相当する0.9mだけ左側にずらす。
【0035】
これを図6に基づいて詳しく説明すると、例えばターゲットの一部が検知エリアの右端に入ったとき、ターゲットの横位置はその左端のA位置として検知されてしまうが、実際のターゲットの横位置は車幅の中央のB位置であることから、A位置を車幅の半分に相当する0.9mだけ右側にずらしたB位置をターゲットの横位置とすることで、検知エリアの端部におけるターゲットの横位置検知精度を高めることができる。
【0036】
続くステップS7で前回ターゲットと引き継ぎ確認を行い、ステップS8で今回ターゲットが前回ターゲットを引き継いだターゲットであれば、ステップS9で前回ターゲットの横位置と今回のターゲットの横位置との差を、今回ターゲットの横位置を0.9mずらした横位置に対して減算あるいは加算して補正した後、ステップS10でターゲット継続カウンタをインクリメントする。前記ステップS8の答えがNOの場合は後述するステップS11に移行する。
【0037】
前記ステップS9の補正を行う理由は、検知エリアの端部に入ってから自車の正面に向かって横移動してくるターゲットの横移動量は、検知されたターゲットの横移動量の2倍に相当するということに起因している。即ち、図7(A)に示すように、前回ターゲットの横位置に対して今回ターゲットの横位置が0.3m横方向内側に移動したとき、ターゲットの中央位置における真の横移動量は0.3mの2倍の0.6mとなる。つまり、ターゲットの実際の横移動量が0.6mであっても、検知される横移動量は半分の0.3mになってしまう。
【0038】
図7(B)に示すように、前記ステップS5の補正(ターゲットの横位置を車幅の半分の0.9mずらす補正)を行っても、前回ターゲットの補正横位置と今回ターゲットの補正横位置との差である横移動量はやはり0.3mとなり、実際の横移動量である0.6mの半分になってしまう。
【0039】
そこで本実施例では、図7(C)に示すように、前回ターゲットの横位置aと今回のターゲットの横位置bとの差である0.3mを、今回ターゲットの横位置を0.9mずらした横位置cから減算して今回ターゲットの真の横位置dを求めている。尚、ターゲットが自車の正面から遠ざかるように横移動する場合には、前回ターゲットの横位置aと今回のターゲットの横位置bとの差である0.3mを、今回ターゲットの横位置を0.9mずらした横位置cに加算して今回ターゲットの真の横位置dを求めることができる。
【0040】
続くステップS11で前記ステップS9で補正したターゲットの横位置が検知エリアの内部に入れば、そのターゲットの横位置を検知エリアの端部上(厳密には端部のすぐ外側)に再度補正する。即ち、図8において、最初に検知されたターゲットの横位置eを前記図6の補正で0.9m外側のf位置に補正し、更に前記図7の補正で0.3m内側のg位置に補正し、その結果ターゲットの横位置gが検知エリアの内部に入れば、ステップS12で前記ターゲットの横位置を検知エリアの端部上のh位置に移動させる。これにより、検知エリア内で通常検知(補正を行わない検知)されたターゲットと、検知エリアの端部で検知されたターゲットとが区別できなくなるのを防止することができる。前記ステップS11の答えがNOの場合には後述するステップS19に移行する。
【0041】
前記ステップS3で反射波が検知エリアの端部からのものでないと判定されれば、ステップS13で前回ターゲットと引き継ぎ確認を行い、ステップS14で今回ターゲットが前回ターゲットを引き継いだターゲットであるとき、ステップS15で前回ターゲットが検知エリアの端部のターゲットであり、かつステップS16で前回ターゲットの補正位置(検知エリアの端部上の位置)と今回ターゲットの算出位置との差が所定値(本実施例では1.5m)以上であれば、ステップS17で前回ターゲットの補正位置を今回ターゲットの算出位置に戻す際に、移動量が3分の2になる位置を今回ターゲットの位置とし、続くステップS18でターゲット継続カウンタをインクリメントする。前記ステップS14の答えがNOの場合には後述するステップS19に移行し、前記ステップS15、S16の答えがNOの場合にはステップS18に移行する。
【0042】
前記ステップS17の意味するところを、図9に基づいて説明する。前記ステップS12で前記ターゲットの横位置を検知エリアの端部上のi位置に設定し、今回ターゲットが検知エリア内に完全に入って真の位置がj位置になったとき、前回ターゲットの真の位置がk位置であることから、ターゲットの本来の横移動量がk位置→j位置であるにも関わらず、i位置→j位置と算出されてしまうことで横移動量が過大になってしまう。そこで、前記横移動量が1.5m以上の場合には、今回ターゲットの位置を真の位置であるj位置から外側のm位置へと移動させることで、横移動量が過大になるのを防止する。本実施例では、m位置は、i位置→j位置の移動量の3分の2になる位置に設定される。
【0043】
しかして、ステップS19で全てのターゲットの相対距離、横位置および相対速度を算出すると、ステップS20で予測軌跡推定手段M1が車速センサ11により検出した車速と、ヨーレートセンサ12により検出したヨーレートとから自車の将来の予測軌跡を推定する。続くステップS21で記憶されているターゲットデータを呼び出し、ステップS22で前記ターゲットが、ターゲット継続カウンタが3以上のターゲットであり、ステップS23で前記ターゲットが、制御対象領域設定手段M2が自車の予測軌跡の左右両側に各2mずつの幅で設定した制御対象領域内にあるターゲットであり、ステップS24で先行車候補バッファに先行車候補があり、かつステップS25で前記ターゲットが、先行車候補バッファの先行車候補よりも自車との距離が短いターゲットであれば、ステップS26で前記ターゲットを先行車候補バッファに入れる。
【0044】
尚、前記ステップS19の答えがNOであればステップS2に復帰し、前記ステップS24の答えがNOであればステップS26に移行し、前記ステップS22、S23、S25の答えがNOであれば後述するステップS27に移行する。
【0045】
そしてステップS27で全てのターゲットデータを呼び出したら、ステップS28で先行車候補バッファにあるターゲットを先行車として出力し、その先行車に対する追従走行制御を実行する。前記ステップS27の答えがNOであれば前記ステップS21に復帰する。
【0046】
次に、ターゲットが自車の前方に割り込む場合の作用を、図10および図11に基づいて説明する。
【0047】
図10は従来例であって、ターゲットの一部が検知エリア内に入っただけでは検知されず(図10(A)〜図10(C)参照)、ターゲットがほぼ完全に検知エリアに入ると検知される(図10(D)参照)。最初にターゲットが検知されてから3回連続して検知されるとターゲットが確定し、その後にターゲットの位置と予測軌跡との関係から先行車であると認識される(図10(E)参照)。ターゲットが先行車であると認識されると車間距離を開くべく自車の減速制御が開始されるが、先行車の認識が遅れたために車間距離が詰まってしまい(図10(F)参照)、詰まった車間距離を広げるための減速度が大きくなって乗り心地が悪くなってしまう(図10(G)参照)。
【0048】
図11は実施例であって、ターゲットが自車の前方に割り込みを開始し(図11(A)参照)、その車体の一部が検知エリアに入ると即座に検知されるが、その際のターゲットの検知位置は横方向外側に補正される(図11(B)参照)。ターゲットが更に自車の前方に近づいて車体の半分が検知エリアに入ると、横方向外側に補正された検知位置が検知エリアの端部に達するため、ターゲットの位置が検知エリアの端部として出力され、その間に3回連続して検知されてターゲットが確定する(図11(C)参照)。ターゲットのほぼ全体が検知エリアに入ると、検知された位置そのものがターゲットの横位置となり、既にターゲットとして確定しているので、先行車として認識される(図11(D)参照)。ターゲットが先行車として認識されると車間距離を開くべく自車の減速制御が開始されるが、ターゲットが先行車として認識された時期が早いので車間距離にまだ余裕があり、緩やかな減速が可能になって乗り心地が向上する(図11(E)〜図11(G)参照)。
【0049】
次に、ターゲットが自車の前方に割り込んできたが、中止して元に戻った場合の作用を、図12および図13に基づいて説明する。
【0050】
図12は従来例であって、ターゲットが自車の前方に割り込みを開始し(図12(A)参照)、その車体の一部が検知エリアに入ると即座に検知されるが、その際のターゲットの検知位置は検知エリアに入った部分となり、その間にターゲットとして確定する回数だけ検知される(図12(B)参照)。車両の半分が検知エリアに入って検知された位置が出力されると、既にターゲットとして確定されているので先行車として認識され、車間距離を開くべく減速制御が開始される(図12(C)参照)。先行車が車線変更を中止して元の車線に戻ろうとしても、検知が続くために減速制御も継続する(図12(D)参照)。先行車が検知エリアの外に出ると先行車なしと認識され、加速制御が開始されてセット車速まで加速し、セット車速で走行を継続する(図12(E)および図12(F)参照)。このように、従来例では加速および減速が繰り返されるため、乗り心地が悪くなる問題がある。
【0051】
図13は実施例であって、ターゲットが自車の前方に割り込みを開始し(図13(A)参照)、その車体の一部が検知エリアに入ると即座に検知されるが、その際のターゲットの検知位置は横方向外側に補正される(図13(B)参照)。ターゲットが更に自車の前方に近づいて車体の半分が検知エリアに入っても、横方向外側に補正された検知位置が検知エリアの端部に残るため、ターゲットの位置が検知エリアの端部として出力され続け、その間に3回連続して検知されてターゲットが確定しても先行車と認識されることはない(図13(C)参照)。ターゲットが車線変更を中止して元の車線に戻ろうとすると、検知は続くが検知位置が自車線の外側にあって先行車と認識されないため、やはり減速制御が行われずにセット車速での走行が継続する(図13(D)参照)。先行車が検知エリアの外に出ると先行車なしと認識され、セット車速での走行が継続する(図13(E)参照)。このように、実施例では不必要な加速および減速が行われないため、乗り心地が向上する。
【0052】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0053】
例えば、実施例ではACCシステムについて説明したが、本発明はACCシステム以外の任意の用途の車両用先行車認識装置に対して適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】ACCシステムの制御系のブロック図
【図2】作用を説明するフローチャートの第1分図
【図3】作用を説明するフローチャートの第2分図
【図4】作用を説明するフローチャートの第3分図
【図5】車両が検知エリアの端部に入ったときに横位置の検出誤差が起きる理由の説明図
【図6】フローチャートのステップS5,S6に対応する説明図
【図7】フローチャートのステップS9に対応する説明図
【図8】フローチャートのステップS12に対応する説明図
【図9】フローチャートのステップS17に対応する説明図
【図10】先行車が割り込むときの作用説明図(従来例)
【図11】先行車が割り込むときの作用説明図(実施例)
【図12】先行車が割り込もうとして途中で中止したときの作用説明図(従来例)
【図13】先行車が割り込もうとして途中で中止したときの作用説明図(実施例)
【符号の説明】
【0055】
M4 物体情報算出手段
M5 統合手段
M6 検知位置算出手段
M7 領域端判定手段
M8 検知位置補正手段
14 レーダー装置(送受信手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車進行方向の所定領域に向けて電磁波を送信し、前記所定領域内に存在する物体からの反射波を受信する送受信手段(14)と、
前記送受信手段(14)の送受信結果に基づいて少なくとも自車に対する物体の位置を算出する物体情報算出手段(M4)と、
前記所定領域内に複数の物体が検知されたときに該物体の少なくとも位置に基づいて該複数の物体を一つの物体として纏める統合手段(M5)と、
前記統合手段(M5)により纏められた物体からの反射波の中心を検知位置として算出する検知位置算出手段(M6))と、
を備えた先行車認識装置において、
物体からの反射波が示す波形に基づいて物体が前記所定領域の左端または右端に位置するか否かを判定する領域端判定手段(M7)と、
前記領域端判定手段(M7)の判定結果に基づいて前記検知位置を補正する検知位置補正手段(M8)と、
を備えたことを特徴とする先行車認識装置。
【請求項2】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前記領域端判定手段(M7)により物体が前記所定領域の端部にあると判定された場合には、前記検知位置算出手段(M6)により算出された物体の検知位置を予め定められた所定距離だけ横方向外側に補正することを特徴とする、請求項1に記載の先行車認識装置。
【請求項3】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前回補正を行った物体に対して引き続き補正を行う場合には、検知された物体の前回検知位置と今回検知位置との横移動量を算出するとともに、算出された横移動量および前記補正のための所定距離に基づいて物体の検知位置を補正することを特徴とする、請求項2に記載の先行車認識装置。
【請求項4】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前記物体が自車進行方向に接近している場合には、算出された横移動量を前記所定距離から減算した値に基づいて、また前記物体が自車進行方向から離反している場合には、算出された横移動量を前記所定距離に加算した値に基づいて物体の検知位置を補正することを特徴とする、請求項3に記載の先行車認識装置。
【請求項5】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前記補正により物体の検知位置が前記所定領域内となる場合には、補正後の検知位置を前記所定領域外とすることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の先行車認識装置。
【請求項6】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前記領域端判定手段(M7)により前記所定領域の端部にあると判定された物体が前記所定領域内にほぼ入ったと判定された場合には、前記補正後の検知位置から前記検知位置算出手段(M6)により算出された位置へと徐々に変更することを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の先行車認識装置。
【請求項7】
前記送受信手段(14)はレーダー装置であり、前記所定領域はレーダー装置の検知エリアであることを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の先行車認識装置。
【請求項1】
自車進行方向の所定領域に向けて電磁波を送信し、前記所定領域内に存在する物体からの反射波を受信する送受信手段(14)と、
前記送受信手段(14)の送受信結果に基づいて少なくとも自車に対する物体の位置を算出する物体情報算出手段(M4)と、
前記所定領域内に複数の物体が検知されたときに該物体の少なくとも位置に基づいて該複数の物体を一つの物体として纏める統合手段(M5)と、
前記統合手段(M5)により纏められた物体からの反射波の中心を検知位置として算出する検知位置算出手段(M6))と、
を備えた先行車認識装置において、
物体からの反射波が示す波形に基づいて物体が前記所定領域の左端または右端に位置するか否かを判定する領域端判定手段(M7)と、
前記領域端判定手段(M7)の判定結果に基づいて前記検知位置を補正する検知位置補正手段(M8)と、
を備えたことを特徴とする先行車認識装置。
【請求項2】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前記領域端判定手段(M7)により物体が前記所定領域の端部にあると判定された場合には、前記検知位置算出手段(M6)により算出された物体の検知位置を予め定められた所定距離だけ横方向外側に補正することを特徴とする、請求項1に記載の先行車認識装置。
【請求項3】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前回補正を行った物体に対して引き続き補正を行う場合には、検知された物体の前回検知位置と今回検知位置との横移動量を算出するとともに、算出された横移動量および前記補正のための所定距離に基づいて物体の検知位置を補正することを特徴とする、請求項2に記載の先行車認識装置。
【請求項4】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前記物体が自車進行方向に接近している場合には、算出された横移動量を前記所定距離から減算した値に基づいて、また前記物体が自車進行方向から離反している場合には、算出された横移動量を前記所定距離に加算した値に基づいて物体の検知位置を補正することを特徴とする、請求項3に記載の先行車認識装置。
【請求項5】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前記補正により物体の検知位置が前記所定領域内となる場合には、補正後の検知位置を前記所定領域外とすることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の先行車認識装置。
【請求項6】
前記検知位置補正手段(M8)は、
前記領域端判定手段(M7)により前記所定領域の端部にあると判定された物体が前記所定領域内にほぼ入ったと判定された場合には、前記補正後の検知位置から前記検知位置算出手段(M6)により算出された位置へと徐々に変更することを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の先行車認識装置。
【請求項7】
前記送受信手段(14)はレーダー装置であり、前記所定領域はレーダー装置の検知エリアであることを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の先行車認識装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−258545(P2006−258545A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74889(P2005−74889)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]