説明

光の薄層のスクリーンおよび光学的位置ディジタイザを用いたデータ入力装置のための装置および方法

【課題】タッチスクリーンまたはペンベースのデータエントリ装置および方法を提供する。
【解決手段】このデータエントリ装置(10)は、タッチスクリーン(14)に近接する自由空間に光の連続的なシートつまり「薄層」(12)を作る。光の薄層に光学的に結合された光学的位置検出装置(20、22、24)が提供され、入力装置にデータが入力されるときに生じた薄層中の遮断の位置を決定することによって入力装置へのデータエントリを検出する。この方法の動作のあいだ、ユーザは、装置へのデータエントリを、指、ペンまたはスタイラスのような入力デバイスを用いてスクリーンを触ることによって行う。スクリーンを触る動作のあいだ、スクリーンに近接する自由空間における光の薄層が遮断される。光学位置検出装置は、遮断の位置に基づいて入力の位置を検出する。決定された位置に基づいて、データエントリが決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にデータ入力デバイスに関し、より具体的にはタッチスクリーンに近接して自由空間に置かれた連続シート、つまり光の「薄層(lamina)」、およびデータエントリ操作のあいだにスクリーンに接触するときに指またはスタイラスのような入力装置によって生じた薄層中の「影」の位置を決定することによってデータエントリを検出する光位置ディジタイザに関する。
【背景技術】
【0002】
データ処理システムのためのユーザ入力デバイスは、さまざまな形態をとりえる。関連する2つのタイプは、タッチスクリーンおよびペンベースのスクリーンである。タッチスクリーンまたはペンベースのスクリーンのいずれを用いても、ユーザは、ディスプレイスクリーンを指またはスタイラスまたはペンのような入力デバイスで触ることによってデータを入力できる。
【0003】
タッチまたはペンベースの入力システムを提供する一つの従来のアプローチは、抵抗または容量フィルムをディスプレイスクリーン上に重ねることである。このアプローチは、多くの問題を有する。最も大きいのは、フィルムはディスプレイが暗く見えるようにし、下にあるディスプレイの見え方をぼやけさせる。補償するために、ディスプレイスクリーンの明るさがしばしば増される。しかし携帯電話、携帯情報端末、およびノートパソコンのような多くの携帯機器の場合、高輝度スクリーンは通常、提供されない。もしそれらが利用可能であるなら、増された輝度は、さらなる電力を必要とし、再充電するまでの機器の電池の寿命を減らすことになる。このフィルムはまた容易に傷つきやすい。加えて、フィルムのコストはスクリーンの大きさと共に飛躍的に大きくなる。したがって大きなスクリーンだと、コストは典型的には使えないほどになる。
【0004】
タッチまたはペンベースの入力システムへの他のアプローチは、入力ディスプレイの2つの隣接するX−Y辺に沿ってソース発光ダイオード(LED)のアレイ、および入力ディスプレイの対向する2つの隣接するX−Y辺に沿った対応するフォトダイオードの対になったアレイを使うことである。それぞれのLEDは、対になったフォトダイオードへ向けられた光ビームを発する。ユーザがディスプレイを指またはペンのいずれかで触るとき、光ビームの遮断が、ディスプレイの対向する辺上にある対応するXおよびYフォトダイオードによって検出される。データ入力はよってXおよびYフォトダイオードによって検出された光ビームの遮断の座標を計算することによって決定される。しかしこのタイプのデータ入力ディスプレイも多くの問題を有する。多数のLEDおよびフォトダイオードが典型的なデータ入力ディスプレイに要求される。LEDおよび対になったフォトダイオードの位置はアラインされなければならない。比較的多数のLEDおよびフォトダイオード、および正確なアライメントは、そのようなディスプレイを複雑に、高価に、かつ製造を困難にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、タッチスクリーンに近接する自由空間において提供される光の連続的なシートつまり光の「薄層」を有するデータエントリ装置および方法、およびデータエントリ操作のあいだにスクリーンに接触するときに指またはスタイラスのような入力装置によって生じた薄層中の「影」の位置を決定することによってデータエントリを検出する光位置ディジタイザに対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、データエントリ装置および方法に関する。このデータエントリ装置は、タッチスクリーンに近接する自由空間に光の連続的なシートつまり「薄層」を有する。光の薄層に光学的に結合された光学的位置検出装置が提供され、入力装置にデータが入力されるときに生じた薄層中の遮断の位置を決定することによって入力装置へのデータエントリを検出する。この方法の動作のあいだ、ユーザは、装置へのデータエントリを、指、ペンまたはスタイラスのような入力デバイスを用いてスクリーンを触ることによって行う。スクリーンを触る動作のあいだ、スクリーンに近接する自由空間における光の薄層が遮断される。光学位置検出装置は、遮断の位置に基づいて入力の位置を検出する。決定された位置に基づいて、データエントリが決定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、そのさらなる優位性と共に、添付の図面と併せて以下の記載を参照して最もよく理解されよう。
【0008】
図において、同様の参照番号は同様の構成部分および要素を表す。
【0009】
図1を参照して、本発明のある実施形態によるタッチスクリーンディスプレイシステムが示される。このタッチスクリーンディスプレイシステム10は、ディスプレイスクリーン14に近接する、または直上の自由空間において生成された光の連続的な面、つまり「薄層」12を含む。薄層12は、X軸入力光源16およびY軸入力光源18によって発生され、それぞれXおよびY方向にスクリーンの表面の直上の自由空間を横切って光を伝搬するよう構成される。自由空間は、スクリーン14の表面に大まかには平行であり、スクリーン14のちょうど前に位置する。ユーザの指またはハンドヘルドスタイラスまたはペンのような入力デバイス(不図示)が用いられてデータエントリ操作のあいだにスクリーン14に触れるとき、よって薄層12は遮断される。X軸受光アレイ20およびY軸受光アレイ22は、それぞれX軸およびY軸光源16および18に対向する、スクリーン14の2つの対向する側に配置される。受光アレイ20および22は、データエントリ操作のあいだにスクリーン14上の自由空間における薄層12を遮る入力デバイスによって生じた薄層12中の任意の遮断つまり「影」のX軸およびY軸座標を検出する。X軸およびY軸アレイ20および22に結合されるプロセッサ24は、その遮断のX軸およびY軸座標を計算するのに用いられる。共に、XおよびY軸アレイ20および22およびプロセッサ24は、薄層12中の遮断の位置を検出する光学的位置検出装置を構成する。遮断の座標に基づいて、スクリーン上でのデータエントリが決定されえる。
【0010】
光薄層12は、本発明のある実施形態によれば実質的に均質な強度である。したがって受光X軸およびY軸アレイ20および22における感光回路の必要とされるダイナミックレンジは最小化され、高い補間精度が維持される。しかし代替実施形態においては、不均一な薄層12が用いられえる。この場合、薄層12の最低強度領域は、X軸およびY軸アレイ20および22によって用いられる光検出要素の光励起スレッショルドよりも高くなければならない。
【0011】
ディスプレイスクリーン14は、本発明のさまざまな実施形態によるとデータディスプレイの任意のタイプでありえる。例えば、スクリーン14は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ、携帯コンピュータ、ノートパソコン、売り場端末、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、これらの任意の組み合わせ、またはデータエントリを受け取り処理する任意のタイプの装置のためのディスプレイでありえる。
【0012】
本発明のある実施形態によれば、XおよびY入力光源16および18は、それぞれ、平行にされた光ビームの光源である。平行にされた光は、多くの異なるやり方のうちの任意のもので発生されえる。例えば、コリメーティングレンズの焦点に配置された単一の光源からである。代替として、平行にされた光ビームは、複数の点光源から発生され、それぞれ平行にされえる。さらに他の実施形態において、XおよびY入力光源16および18は、蛍光灯およびディフューザから作られえる。点光源または光源群は、発光ダイオード(LED)または垂直共振器表面発光レーザ(VCSEL)でありえる。
【0013】
さらに他の実施形態において、この光源は、垂直レーザによって供給される間隔の置かれたファセットを持つ光発生器でありえる。この実施形態についてのさらなる詳細については、本願と同日に出願された本願の共同発明者であるDavid Grahamによる「Apparatus and Method for Generating Parallel Beams of Light」と題された米国特許出願(未定/弁護士整理番号NSC1P307)を参照されたく、全ての目的のためにここで参照によって援用される。
【0014】
薄層12を作るために用いられるX軸およびY軸光源16および18によって発生された光の波長は、本発明の異なる実施形態によって変わりえる。例えば、光は、白熱光源からの白色光のような、350ナノメートルから1100ナノメートルに分布する拡張された波長スペクトル範囲を有する広帯域光でありえる。代替として、入力光は、2ナノメートル未満に分布する制限されたスペクトル範囲を有する狭帯域光でありえる。狭帯域光の使用は、広帯域の周囲雑音光のフィルタリングを可能にする。また狭帯域光の使用は、X軸受光アレイ20およびY軸受光アレイ22の応答レスポンスへの波長の実質的な整合を可能にする。さらに他の実施形態において、同質の、単一の光源が用いられえる。例えば、無線または遠隔データ転送通信においてよく用いられる赤外つまりIR光がこの応用例において用いられえる。
【0015】
そのタイプにかかわらず光源は、連続的またはオン/オフサイクルで用いた周期的のいずれかでも動作されえる。オン/オフサイクルは電力を節約し、光源によって発生される熱を最小化し、かつロックイン検出のような雑音を減らすための時間的フィルタリングを可能にする。オフサイクルのあいだ、X受光アレイ20およびY受光アレイ22は、受動つまり「暗い」光(雑音)を計測する。暗い光の計測は、それからオンサイクルのあいだに検出された能動光から引かれる。よってこの差分は、周囲光によって起こるDCバックグラウンドをフィルタリングして消す。それぞれのオフサイクルのあいだ、受動光は、較正されえ、これによりシステムは変化する周囲光パターンに適応できる。
【0016】
さらに他の実施形態において、X軸およびY軸光源16および18は、オンおよびオフで断続的にサイクルが作られえる。交互のサイクルのあいだ、X軸光源16がオンのとき、Y軸光源18はオフであり、その逆も成り立つ。この構成は、より少ないピーク電力しか必要としないが、これは一つの光源しか一度にオンにならないからであり、それでいながらそれぞれのXおよびYのオン/オフサイクルのあいだには差分フィルタリングが各々可能となる。
【0017】
電力消費を減らすために、「スリープ」モードもX軸およびY軸光源16および18について用いられえる。もし所定の期間についてデータ入力がなされないなら、X軸およびY軸光源16および18の輝度は暗くされえる。影による遮断がサンプリングされるレートも低いレートでなされ、例えば1秒にほぼ5回である。影による遮断が検出されるとき、X軸およびY軸光源16および18の輝度およびサンプリングレートは、通常の動作モードへと全て増される。もし影による遮断が所定の期間の後、検出されないとき、X軸およびY軸光源16および18は再び暗くされ、サンプリングレートは低減される。
【0018】
X軸およびY軸アレイ20および22は、基板導波アレイおよび感光要素をそれぞれ含む。感光要素は、光信号を、受け取られた光の強度を表す電気信号に変換するよう構成される。具体的には、それぞれの基板は複数の導波路を有する。それぞれの導波路は、薄層12の近傍の自由空間端および感光要素の近傍の出力端を有する。感光要素群は、それぞれの導波路群の出力端に固定されるか、または隣接して配置されるかのいずれかである。導波路の使用および製造の詳細な説明については、本願の発明者であるDavid Grahamらによる米国特許第5,914,709号を参照されたく、全ての目的のためにここで参照によって援用される。感光要素は、多くの既知のやり方を用いて実現されえ、例えば、電荷結合素子(CCD)またはCMOS/フォトダイオードアレイである。いずれのタイプの画像化要素も多くの形態で実現されえ、これらには特定用途向け集積回路のような専用の集積回路、プログラム可能な回路、または感光領域または要素を含む集積または個別回路の任意の他のタイプが含まれる。再び、本発明と共に用いられえるさまざまなタイプの感光要素についてのさらなる詳細は、上述の特許において説明されている。用いられる感光要素のタイプにかかわらず、XおよびY座標に沿って受け取られた光強度を表す出力電気信号は、プロセッサ24に与えられる。プロセッサ24は、入力動作のあいだに薄層12中の遮断によって生じた薄層中の任意の影の位置をこの電気信号に基づいて決定する。
【0019】
図2を参照して、本発明のある実施形態において用いられる受光要素が示される。具体的には、X軸20および/またはY軸アレイ22によって用いられる導波基板30の一部分が示される。導波基板30は、複数のチャネル32を含む。それぞれのチャネルは、光入力端34および光出力端36を含む。このチャネルは、薄層12からアレイ上の感光要素(不図示)への入射光を提供する。光入力端34において、集積受光要素38が設けられる。受光要素群にわたって配置された波長フィルタ39も提供される。フィルタ39は、周囲光をフィルタリングして消し、感光要素の応答レスポンスに実質的に合う波長を有する光を通す。さまざまな実施形態において、フィルタ39は、吸収フィルタまたは干渉フィルタのいずれかでありえる。簡単のために、3つのチャネル32および受光要素38しか図2では示されない。本発明のある実施形態によれば、受光要素は、X軸およびY軸アレイ20および22の両方のうちのそれぞれの、それぞれの導波チャネル32について提供されることに注意されたい。代替実施形態において、受光要素は、X軸および/またはY軸アレイのいずれかにおいて、チャネル32のいずれにも用いられないか、または一部について用いられえる。
【0020】
受光要素38は、入射薄層光をそれぞれの導波チャネル32の受光端34へそれぞれ導くよう構成される。さまざまな実施形態によれば、受光要素38は、単一のレンズ、複合レンズ、または他のタイプの光学システムでありえる。いずれの場合にも、受光要素38は、薄層光を集め、それをそれぞれの導波チャネル32の受光端34にそれぞれフォーカシングするよう構成される。よって受光要素38は、多くのやり方で感光要素の信号対雑音比を改善する。最も大きくは、受光要素38は、レンズまたは他の種類の光学アセンブリの使用なしで他の場合に可能なよりも、より多くの薄層光の集光を可能にする。薄層光のコリメーティングは、信号対雑音比をさらに改善する方向性フィルタリングも提供する。最後に、受光要素38は、角度のついた光、周囲光、反射フレア、および発散または収束光を阻止するのに役立つ。再び、このようなノイズの阻止は、信号対雑音比を改善するのに役立つ。
【0021】
図3A〜3Cを参照して、本発明のある実施形態によるデータエントリのデコーディングおよび遮断影補間を示す一連の概略図が示される。この例では、薄層12は均質光からなる。それぞれの図3A〜3Cは、導波チャネル32a〜32cに対する影の遮断42a〜42cの異なる位置を示す。それぞれの場合においてそれぞれの導波チャネル32a〜32cによって受け取られる光の強度は、強度グラフ42a〜42cによってそれぞれ表される。影40a〜40cは、スクリーン14に接触するとき、薄層12を遮断する、指またはスタイラスのような入力デバイスによって作られる。図3Aにおいて、遮断影40aは、受光要素38aのどこもブロックしない。その結果、対応する光強度42aはフルレベルであり、これは影の遮断42aが、光の薄層12のどこも要素38aによって受け取られることを妨げられないことを意味する。図3Bにおいて、影の遮断40bは、薄層12からの光のうちのほぼ半分をブロックしている。結果として、強度グラフ42bは、フルの量のほぼ半分である。最後に、図3Cにおいて、影の遮断40cは、薄層12からの光を完全にブロックするよう示される。強度レベル42cはしたがって無視できる程度である。受け取られた光強度値42a〜42cに基づいて、遮断の位置は、42cにおいてであると補間されえる。補間は、薄層の均質性によって向上される。入射信号における不均質性は、補間の不確実性を増す。
【0022】
光の連続平面、つまり薄層12の使用は、よって、「レジストレーション不要の」環境を提供する。X軸およびY軸アレイ20および22は、そうでなければ薄層光12の連続的である平面における遮断を検出し、これは個別の光ビームにおける遮断とは対照的である。したがって、個別の光放射要素を、ディスプレイの反対側にある対になった受光要素とアラインさせる必要がなくなる。薄層12はまた、改良された影遮断検出および補間を提供する。最後に、薄層12を発生するのに利用可能な装置および方法は典型的には、個別の光ビームを発生するのに必要とされるよりも、スペース効率および電力効率がより良い。
【0023】
前述の本発明は、理解を明瞭するためにある程度詳細に説明されてきたが、ある種の変更および改変が添付の特許請求の範囲内で実施されえることは明らかだろう。例えば、本発明は、2次元(X軸およびY軸)の薄層12と共に用いるよう記載されてきた。しかし本発明は、1次元薄層平面(すなわちライン)、または3次元薄層空間(X軸、Y軸およびZ軸)のいずれとも用いられえる。いずれの場合においても、光源および受光アレイの個数は、必ずしもそうである必要はないが、一般には、システムにおいて用いられる軸の個数と同じである。例えば、図1に示される2次元薄層12において、X軸およびY軸光源16および18が用いられる。しかし、代替の実施形態においては、単一の軸の光源がX軸またはY軸のいずれかに沿って薄層を作るために用いられえる。したがって、記載された実施形態は、例示的であって、限定的ではなく、本発明は、ここに与えられた詳細に限定されるべきではなく、むしろ以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物の完全な範囲によって規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるタッチスクリーンディスプレイの図である。
【図2】本発明のある実施形態において用いられる受光要素の図である。
【図3A】本発明のある実施形態によるデータエントリのデコーディングおよび遮断影補間を示す概略図である。
【図3B】本発明のある実施形態によるデータエントリのデコーディングおよび遮断影補間を示す概略図である。
【図3C】本発明のある実施形態によるデータエントリのデコーディングおよび遮断影補間を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力装置を備える装置であって、
前記データ入力装置は、
光の薄層、および
前記光の薄層に光学的に結合され、前記入力装置にデータが入力されるときに生じた前記薄層中の遮断の位置を決定することによって前記入力装置へのデータエントリを検出するよう構成された光学位置検出装置
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記薄層は、
(i)第1軸によって規定される1次元平面、
(ii)第1軸および第2軸によって規定される2次元平面、または
(iii)第1軸、第2軸、および第3軸によって規定される3次元空間
のうちの1つを備える装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の装置であって、ディスプレイスクリーンをさらに備え、前記光の薄層は、前記ディスプレイスクリーンに近接する自由空間に配置され、それによって前記ディスプレイスクリーンに近接する自由空間における前記光の薄層は、前記ディスプレイスクリーンに向けられたデータエントリが前記ディスプレイスクリーンに接触することによってなされるときに、遮断される装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の装置であって、前記光の薄層は、実質的に均質な強度である装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の装置であって、前記光の薄層は、実質的に不均質な強度である装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の装置であって、前記光の薄層は、コリメーティングされた光源から発生される装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の装置であって、前記光の薄層は、
(i)350から1100ナノメートルの拡張された波長範囲、
(ii)2ナノメートル内の狭い波長範囲、または
(iii)実質的に均質な波長
のうちのいずれかを有する装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の装置であって、前記光の薄層は、
(i)前記光の薄層を発生するために用いられる白熱光源、
(ii)前記光学位置検出装置において用いられる受光要素の応答プロファイルに実質的に適合する特定波長範囲、
(iii)発光ダイオード、
(iv)VCSEL、および/または
(v)前記光の薄層を発生するために用いられるIR波長発生器
のうちの1つ以上によって決定される波長を有する装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の装置であって、前記光の薄層は、前記データ入力装置の動作のあいだ、連続的にオンである装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の装置であって、前記光の薄層は、前記データ入力装置の動作のあいだ、周期的にオンおよびオフのサイクルが作られる装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の装置であって、前記光の薄層のオフサイクルのあいだに計測された周囲光を、前記光の薄層のオンサイクルのあいだに計測された光から引くよう構成されたフィルタ装置をさらに備える装置。
【請求項12】
請求項3に記載の装置であって、前記ディスプレイスクリーンは、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、コンピュータサーバ、売り場端末、携帯コンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、これらの任意の組み合わせ、または任意の他のタイプのデータエントリ装置のうちの1つのためのものである装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、
前記光の薄層を発生するよう構成された光源であって、前記光源は、前記光の薄層の反対側に配置された前記光学位置検出装置に対向する前記光の薄層の1つの側上に配置される装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記光源は、
(i)点光源およびコリメーティングレンズ、
(ii)間隔の置かれたファセットを有する光発生器、
(iii)ファセットまたはレンズを持つLED
のうちの1つから発生される装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の装置であって、前記光位置検出装置は、
受光アレイであって、前記受光アレイは、前記データ入力装置へのデータエントリのあいだ生じた前記光の薄層における遮断の位置を検出するよう構成される、受光アレイ、および
前記受光アレイに結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記受光アレイによって検出された前記遮断の前記位置に基づいて前記光の薄層上の前記遮断の座標を計算するよう構成される、プロセッサ
をさらに備える装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記受光アレイは導波基板であって、前記導波基板は、
複数の導波チャネルであって、それぞれの導波チャネルは、前記光の薄層の近傍にある光入力端および出力端を有する、導波チャネル、および
複数の感光要素であって、それぞれの感光要素は、前記導波チャネルのうちの1つの出力端の近傍に配置され、前記導波チャネルを通して受け取られた光信号を変換し、それを電気信号に変換するよう構成される、感光要素
を含む装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記感光要素は、電荷結合素子またはMOS画像化デバイスのうちの1つを備える装置。
【請求項18】
請求項16または17に記載の装置であって、前記受光アレイは、前記薄層からの入射光を前記複数の導波チャネルのそれぞれの前記光入力端へとそれぞれ導くよう構成される複数の受光要素をさらに備える装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記受光要素は、
(i)単一のレンズ、
(ii)複合レンズ、または
(iii)光学システム
のうちの1つを備える装置。
【請求項20】
請求項15〜19のいずれかに記載の装置であって、光学位置検出装置は、前記薄層からの光の選択された波長範囲をフィルタリングする光フィルタをさらに備える装置。
【請求項21】
請求項1に記載の装置であって、前記光の薄層は、2次元平面を規定し、前記光位置検出装置は、前記薄層の第1の側に沿って配置された第1受光アレイ、および前記薄層の第2の側に沿って配置された第2受光アレイさらに備え、前記第1の側および前記第2の側は互いに近接する装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置であって、前記薄層の第3の側および第4の側に沿って配置された第1光源および第2光源をさらに備え、前記第3の側および前記第4の側は互いに近接し、それぞれ前記第1の側および第2の側と対向する装置。
【請求項23】
請求項1に記載の装置であって、所定の期間の後に、前記光位置検出装置によってデータエントリが検出されないなら、前記光の薄層を暗くするよう構成されるスリープモード要素をさらに備える装置。
【請求項24】
選択された位置において光の薄層を遮断することであって、前記選択された位置はデータ入力装置へのデータエントリを表す、遮断すること、および
前記光の薄層における前記遮断の座標を計算することによって、前記データエントリを決定すること
を含む方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、前記選択された位置において前記光の薄層を前記遮断することは、
データエントリに対応するディスプレイスクリーン上の位置を特定すること、
前記データエントリに対応する前記ディスプレイスクリーン上の前記位置を入力デバイスで接触すること、
前記入力デバイスでの前記ディスプレイスクリーンの前記接触のあいだに前記ディスプレイスクリーンに近接する自由空間に位置する前記光の薄層を遮断すること、および
前記光の薄層における前記遮断の前記座標を決定することによって前記データエントリを特定すること
をさらに含む方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、前記遮断の前記座標を決定することは、
前記入射薄層光が複数の受光要素のうちの1つ以上においてブロックされている位置を決定すること
をさらに含む方法。
【請求項27】
請求項24に記載の方法であって、前記光の薄層を遮断する前に前記光の薄層を生成することをさらに含む方法。
【請求項28】
データ入力装置を提供することを含む方法であって、前記データ入力装置は、
光の薄層を提供すること、および
前記光の薄層に光学的に結合され、前記入力装置にデータが入力されるときに生じた前記薄層中の遮断の位置を決定することによって前記入力装置へのデータエントリを検出するよう構成された光学位置検出装置を提供すること
を含む方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、ディスプレイスクリーンを提供することをさらに含み、前記提供された光の薄層は、前記提供されたディスプレイスクリーンに近接した自由空間に配置され、それにより前記提供されたディスプレイスクリーンに近接した自由空間における前記光の薄層が、前記提供されたディスプレイスクリーンに向けられたデータエントリが前記ディスプレイスクリーンに接触することによってなされるとき遮断される方法。
【請求項30】
請求項28または29のいずれかに記載の方法であって、前記提供された光の薄層は、2次元平面を規定し、前記提供された光位置検出装置は、前記薄層の第1の側に沿って配置された第1受光アレイを提供すること、および前記薄層の第2の側に沿って配置された第2受光アレイを提供することをさらに備え、前記第1の側および前記第2の側は互いに近接する方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、前記薄層の第3の側および第4の側に沿って配置された第1光源を提供すること、および第2光源を提供することをさらに含み、前記第3の側および前記第4の側は互いに近接し、それぞれ前記第1の側および第2の側と対向する方法。
【請求項32】
請求項28〜31のいずれかに記載の方法であって、前記薄層は、
(i)第1軸によって規定される1次元平面、
(ii)第1軸および第2軸によって規定される2次元平面、または
(iii)第1軸、第2軸、および第3軸によって規定される3次元空間
のうちの1つを備える方法。
【請求項33】
請求項28〜32のいずれかに記載の方法であって、前記提供された光の薄層は、実質的に均質な強度である方法。
【請求項34】
請求項28〜32のいずれかに記載の方法であって、前記光の薄層は、実質的に不均質な強度である方法。
【請求項35】
請求項28〜34のいずれかに記載の方法であって、前記光の薄層は、前記提供されたデータ入力装置の動作のあいだ、周期的にオンおよびオフのサイクルが作られる方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法であって、前記光の薄層のオフサイクルのあいだに計測された周囲光を、前記光の薄層のオンサイクルのあいだに計測された光から引くよう構成されたフィルタ装置を提供することをさらに含む方法。
【請求項37】
請求項29〜36に記載の方法であって、前記ディスプレイスクリーンは、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、コンピュータサーバ、売り場端末、携帯コンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、これらの任意の組み合わせ、または任意の他のタイプのデータエントリ装置のうちの1つのためのものである方法。
【請求項38】
請求項28〜37のいずれかに記載の方法であって、前記光の薄層は、コリメーティングされた光源から発生される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公表番号】特表2006−522987(P2006−522987A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509663(P2006−509663)
【出願日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/010297
【国際公開番号】WO2004/093045
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(505377164)ポア・サナ・インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】POA SANA INCORPORATED
【Fターム(参考)】