説明

光アシスト磁気ヘッド及び光アシスト磁気ディスク装置

【課題】高密度記録が可能で、光利用効率および信頼性を向上させた光アシスト磁気ヘッドおよび光アシスト磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】この光アシスト磁気ヘッド1は、浮上スライダ2の後端面2aに、半導体レーザからのレーザ光を出射する光導波路5と、磁気抵抗センサ3と、薄膜磁気トランスデューサ4とを集積し、光導波路5の出射端5cに磁気ギャップ34を形成している。近接場光の位置と薄膜磁気トランスデューサにより形成される磁界との距離は最短となる。そのため、近接場光によって加熱されると同時又は直後に記録されるため、熱拡散の影響は無視でき、レーザ光の利用効率を高めることができる。また、加熱部が熱拡散により広がらないため、記録部分を狭めることができ、高密度化が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光アシスト磁気ヘッド及び光アシスト磁気ディスク装置に関し、特に、高密度記録が可能で、光利用効率および信頼性を向上させた光アシスト磁気ヘッド及び光アシスト磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハード磁気記録装置(HDD)の記録密度は年率100%で増大しており、実験段階では、60Gbpsiを超えるに至っている。しかし、超常磁性効果や、磁気ヘッドのギャップ幅の狭窄の難しさから、そろそろ従来型のHDDの記録密度の限界が見え、100〜300Gbpsiが限界と言われている。また、その限界を超えるものとして、光アシスト磁気記録が期待されている。
【0003】
ここで、超常磁性効果とは、特に隣接磁区の形成する磁界により対象磁区の磁化が乱されて記録情報が失われていく現象である。これを防ぐには、磁化の大きな磁気媒体を使用することが一つの手段であるが、通常の磁気ヘッドでは記録できなくなる。それを解決する手段として、光アシスト磁気記録が提案されている。これは、レーザ光の照射により記録媒体をキュリー温度付近まで加熱してその磁化を下げたところで記録する方法である。
【0004】
この光アシスト磁気記録においては、レーザ光によって加熱された所だけが記録されるため、レーザ光のスポット径を小さくすることにより、磁気ギャップの幅よりも狭い幅の記録が可能となるため、高記録密度化に好適である。100Gbpsi以上の記録密度を達成するためには、トラック幅を0.1μm以下にする必要がある。このサイズの光スポットを得るためには、近接場光の利用が必須となる。この方法を用いた従来の光アシスト磁気記録・再生ヘッドとして、例えば、磁気ヘッドに光導波路を集積したものが知られている(非特許文献1参照。)。
【0005】
図11は、その従来の光磁気ヘッドを示す。この光アシスト磁気ヘッド1は、浮上スライダ2の後端面2aに、光導波路5と、再生用に磁気抵抗効果を用いた磁気抵抗センサすなわちGMR(Giant-magnetoresistive)センサ3と、薄膜磁気トランスデューサ4を順に積層したものであり、光導波路5中に光導波路レンズを形成して導波路出射端5cでの光スポットを微細化することにより高密度化を目指している。この方式では、光導波路5の出射端5cから出射される近接場光7aにより磁気ディスク6の基板6b上に形成された磁気記録層6aを加熱した後、薄膜磁気トランスデューサ4の漏れ磁界により記録するものである。なお、2bは、エアベアリング面であり、磁気記録層6a上を浮上走行する。
【非特許文献1】Tech‐Dig.Optical Datastorage 2000, PD−23(2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の光アシスト磁気ヘッドによると、光導波路5と薄膜磁気トランスデューサ4との間にGMRセンサ3を配置した構成であるので、光導波路5の出射端5cと薄膜磁気トランスデューサ4の磁気ギャップの位置が離れているため、光導波路5の出射端5cから出射される近接場光7aにより磁気ディスクの磁気記録層6aを加熱した後、かなり遅れて薄膜磁気トランスデューサ4の磁気ギャップ部の磁界により記録することから、その間の熱拡散により加熱部が冷え、レーザ光の利用効率が悪くなるという問題がある。
【0007】
また、熱勾配もなだらかになるため、記録部が広がりやすいという問題がある。さらに、レーザ光によってGMRセンサ3が加熱されやすく、GMRセンサ3の感度が熱揺らぎの影響を受け、再生出力が不安定、あるいは比較的熱に弱いGMRセンサ3が劣化するという問題がある。
【0008】
また、この光アシスト磁気ヘッドは、光導波路内のレンズにより固体浸(ソリッドイマージョン)型の集光を行っているが、この集光方法では、コアの屈折率の分だけ小さな光スポットが形成できる。しかし、せいぜい大気中の光スポット径の2分の1程度であり、青色レーザ(波長405nm)を用いても0.2μm程度が限界であり、高密度に記録するには限界がある。
【0009】
また、この光アシスト磁気ヘッドでは、光導波路にどのようにレーザ光を導入するかが提案されていない。通常、レーザと光導波路とのカップリング効率は悪く、それを高めるにはサイズの大きな光学素子が必要となるため、特別の工夫が必要となるとともに、ヘッドの高さが高くなると、全体の体積記録密度が低下するという問題がある。HDDのような非可換ディスクでは、体積記録密度は重要な尺度であり、これが低下することは致命的となる。
【0010】
従って、本発明の目的は、高密度記録が可能で、光利用効率および信頼性を向上させた光アシスト磁気ヘッドおよび光アシスト磁気ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、記録媒体を有するディスクの回転によって浮上走行する浮上スライダと、前記浮上スライダに設けられ、半導体レーザからのレーザ光を出射端から前記記録媒体に出射して前記記録媒体を加熱する光導波路と、前記浮上スライダに設けられ、前記レーザ光によって加熱された前記記録媒体の部分に磁気ギャップに形成された磁界によって情報を記録する薄膜磁気トランスデューサとを備え、前記磁気ギャップは、前記光導波路の前記出射端のレーザ光出射位置あるいはその近傍に形成されていることを特徴とする光アシスト磁気ヘッドを提供する。
この構成により、近接場光の位置と薄膜磁気トランスデューサにより形成される磁界との距離は最短となる。そのため、近接場光によって加熱されると同時又は直後に記録されるため、熱拡散の影響は無視でき、レーザ光の利用効率を高めることができる。また、加熱部が熱拡散により広がらないため、記録部分を狭めることができ、高密度化が可能となる。さらに、磁気抵抗センサの加熱を低減できるため、磁気抵抗センサの感度が熱の影響を受けず、高信頼性でSN比が高く、超寿命が可能となる。
【0012】
本発明は、前記目的を達成するために、記録媒体を有して回転するディスクに対してスイングアームにより光アシスト磁気ヘッドを走査して情報を記録する光アシスト磁気ディスク装置において、前記光アシスト磁気ヘッドは、前記ディスクの回転によって浮上走行する浮上スライダと、前記浮上スライダに設けられ、半導体レーザからのレーザ光を出射端から前記記録媒体に出射して前記記録媒体を加熱する光導波路と、前記浮上スライダに設けられ、前記レーザ光によって加熱された前記記録媒体の部分に磁気ギャップに形成された磁界によって情報を記録する薄膜磁気トランスデューサとを備え、前記磁気ギャップは、前記光導波路の前記出射端のレーザ光出射位置あるいはその近傍に形成されていることを特徴とする光アシスト磁気ディスク装置を提供する。
この構成により、小型、軽量、かつ、微小光スポットの形成が可能な光アシスト磁気ヘッドが使用でき、高密度の光アシスト磁気ディスク装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、近接場光の位置と薄膜磁気トランスデューサにより形成される磁界との距離は最短となる。そのため、近接場光によって加熱されると同時又は直後に記録されるため、熱拡散の影響は無視でき、レーザ光の利用効率を高めることができる。また、加熱部が熱拡散により広がらないため、記録部分を狭めることができ、高密度化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドを示す。同図(a)は、正面図、同図(b)は、A部における光アシスト磁気ヘッド長手方向の断面図、同図(c)は、同図(a)中の矢印R方向から見た側面図、同図(d)は、底面図である。
【0015】
この光アシスト磁気ヘッド1は、同図(a)に示すように、浮上スライダ2の後端面2aに、光導波路5と、磁気抵抗センサ3と、薄膜磁気トランスデューサ4とを集積し、同図(b)に示すように、光導波路5の出射端5cに形成される近接場光のサイズを微小化する矩形の開口11aが形成された金属膜11を配置したものである。この光アシスト磁気ヘッド1は、浮上スライダ2の凹部2cを有するエアベアリング面2bにより、磁気ディスク6の基板6b上に形成された磁気記録層6a上を浮上走行して磁気記録層6aに対して情報を記録・再生するものである。なお、本明細書おいて、浮上スライダ2の長手方向において浮上スライダ2に近い方を下、遠い方を上とする。
【0016】
磁気抵抗センサ3は、ここでは通常のGMR(Giant-magnetoresistive)を用いており、同図(b)に示すように、スピンバルブ膜30と、スピンバルブ膜30に接続された左右一対の電極31a,31b(ただし、同図(b)において、電極31aは、電極31bと対称な位置にあるため見えていない)と、スピンバルブ膜30および電極31a,31bの両側に形成された絶縁膜32a,32bと、絶縁膜32a,32bを挟むように形成された下部磁気シールド膜33および上部磁気シールド膜34とを備え、スピンバルブ膜30と差交する、磁気記録層6aからの磁界の強度を、スピンバルブ膜30の抵抗変化として検出するものである。なお、上部磁気シールド膜34は、薄膜磁気トランスデューサ4の下部ヨークを兼ねている。
【0017】
薄膜磁気トランスデューサ4は、同図(b)に示すように、上部磁極40a,ヨーク部40b,上部ヨーク接合部40cからなる上部ヨーク40を備え、下部ヨーク接合部34bと上部ヨーク接合部40cとを接合することにより、上部磁気シールド膜34および上部ヨーク40からなる磁気回路41を構成し、磁気回路41と差交するように薄膜コイル42を巻回し、下部磁極34aと上部磁極40aとの間に磁気ギャップ43を形成したものである。なお、同図(b),(d)において、45a,45bは絶縁膜である。
【0018】
薄膜コイル42の両端は、同図(c)に示すように、それぞれ引き出し部42aおよびパッド42bが形成されており、パッド42bから供給された薄膜コイル42に流れる電流に比例して磁気ギャップ43に磁界44が発生し、その磁界44により磁気記録層6aに記録を行う。なお、記録媒体として、遷移金属と希土類金属からなるフェリ磁性体を使用する場合には、加熱によって読み出し磁化の強度を上げることができ、その場合には、再生時に照射による加熱の効果を利用するために、磁気抵抗センサ3は、光アシスト磁気ヘッド1の後側に形成するとよい。それによって、記録層6aの加熱された部分だけからの信号を再生できるため、記録感度を上げられるのみならず、再生時の隣接トラックからのクロストークを下げることができる。
【0019】
図2(a)から(e)は、光導波路5の詳細を示す。光導波路5は、SiNからなる誘電体膜50と、誘電体膜50の上下に配置されたAgからなる金属薄膜51a,51bとから構成される。
【0020】
図2(a)に示す光導波路5の誘電体膜50は、入射端5aから数ミクロン幅で平行に形成されており、磁気ギャップ43に相当する部位から先細り形状のテーパー部5bを有し、金属薄膜51a,51bも誘電体膜50と同様の形状を呈し、先端で30nm幅を有する。誘電体膜50と金属薄膜51a,51bの厚さは、それぞれ50nm、30nmである。また、上下の金属薄膜51a,51bの形状を非対称にしてもよい。これにより、光導波路中心に最大強度を有し、カットオフのモード(HE11モード)7bの励起を抑えることができ、更にテーパー部5bの金属薄膜51a,51bの幅を磁極34a,40aの幅よりも狭くしているので、光導波路5による磁気記録層6aの加熱領域を磁気ギャップ43の幅よりも狭くすることができる。
【0021】
ここで、金属薄膜51a,51bの材質としては、Agのほか、Alなど導電性の高いものが、プラズモン励起効率が高くて好ましいが、それらに限定されるものではなく、パーマロイなどの磁極材料も可能である。なお、この場合は、磁気回路用の金属膜のみで、光導波路用の金属膜は不要にできる。ただし、この場合、光導波路内に固体浸型のレンズを形成することにより、出射端での光スポット径を絞る必要がある。また、近接場光のサイズよりも小さな開口やスリット、金属散乱体、複数の金属散乱体で形成したギャップなどを設けることにより、近接場光の大きさを更に小さくすることができる。
【0022】
この構成により、光導波路5の入射端5aから入射したレーザ光は、光導波路5内を伝播し、テーパー部5bで集光され、出射端5cから近接場光7aを出射する。この際、光導波路5内では、図2(b)に示すように、金属薄膜51a,51bと誘電体膜50の境界部において、界面に最大強度を有する表面プラズモンモード(HEモード)7bが励起される。このモードは、光導波路5の断面サイズに対してカットオフを持たないモードであり、光導波路5の幅および厚さを波長以下に狭めても光導波路5内を効率よく伝播できる。
【0023】
なお、光導波路5は、フォトニック結晶により形成することにより、出射端5cにおいて、効率よく微小スポットを形成することが可能となる。
【0024】
図2(c)に示す光導波路5は、光導波路用の金属薄膜51bを誘電体膜50の片側にのみ形成したものである。この場合、近接場光7aは磁気ギャップ43により接近させることができる。また、近接場光7aは金属薄膜51b側で最大強度となるのが好ましい。
【0025】
図2(d)に示す光導波路5は、誘電体膜50をL字状にし、角部に平面ミラー53を形成して入射端5aから入射するレーザ光を平面ミラー53により90度曲げるようにしたものである。これにより、ヘッド1側面からのレーザ光入射が可能となり、ヘッド1の高さをその分小さくすることができる。
【0026】
図2(e)に示す光導波路5は、図2(d)に示す平面ミラー53の代わりに、集光性を有する非球面ミラー54を被着形成したものである。図示しない半導体レーザからの平行ビーム7cは、非球面ミラー54によって反射され、集光点から近接場光7aが出力される。これにより、テーパー部5b無しに集光することができ、光利用効率を上げることが可能となる。
【0027】
しかし、上記の方式によって形成される出射端5cでのスポット径は、せいぜい波長の2分の1程度であり、それ以下に絞るには、金属遮光体で形成した微小開口、ドーナツ型の開口や金属散乱体などを近接場光の出力位置に設ける必要がある。
【0028】
図3(a)から(e)は、微小開口やスリットを有する微小金属体、金属散乱体、複数の金属散乱体を光導波路5の出射端5cに配置した例を示す。
【0029】
図3(a)は、矩形の開口11aが形成された金属膜11を示す。金属膜11は、光導波路5の出射端5cに配置することにより、近接場光の大きさを微小化することができる。この場合、レーザ光の偏光方向12が矩形の短辺に平行となるようにレーザ光を入射することにより、出射光を増大できるので、出射光の大きさを大幅に狭めることができるため、出射効率を高め、記録密度の増大が可能となる。
【0030】
図3(b)は、金属片11bを出射端5cに配したものである。このような金属片であっても近接場光を形成することができる。
【0031】
図3(c)は、台形状の金属膜11c、11cの上底を対向させて配したものである。この2枚の金属膜11c、11cを照射する収束光の偏光方向12を2枚の金属膜11c、11cを横切るように配することにより、それぞれの金属膜11c、11cで励起されるプラズモンの位相が逆となり、両者がダイポールアンテナとして働くため、更に近接場の発生効率を高めることができる。
【0032】
図3(d)は、図3(c)の金属膜の配置を90度ずらしたものであるが、図3(c)と同様の効果を奏する。
【0033】
図3(e)は、短径が長径の3分の1となる楕円形の金属膜11e、11eを長径の先端同士を相対して並べたものである。短径が長径の3分の1となる楕円形の金属膜のものでも、プラズモン励起の効率を更に向上させることができ、発生するプラズモンの幅を更に狭めることができる。
【0034】
この第1の実施の形態の光アシスト磁気ヘッドによれば、磁気ギャップ43の幅よりも狭い近接場光により、磁気記録層6aの微小部分の加熱が可能となり、その加熱により抗磁力の低下した部分のみ磁極34a,40aからの漏れ磁界44により記録することができ、高密度の光アシスト磁気記録が可能となり、磁気抵抗センサ3による信号再生が可能となる。また、光アシスト磁気記録の一般的特長として、抗磁力の高い磁気記録膜にも記録することができ、超常磁性効果による消磁の影響を減じられるため、高密度の磁気記録に好適なヘッドを提供することができる。さらに、近接場光微小化手段を光導波路5の出射端5cに配置して出射光の大きさを微小化することができ、出射効率を高め、記録密度の増大が可能となる。
【0035】
図4は、第2の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドを示す図である。この光磁気ヘッド1は、第1の実施の形態において、図示しない半導体レーザを浮上スライダ2上に配置し、光導波路5への光導入系として、光ファイバ9と、集光面8aに反射膜8bを被着形成したガラスからなる非球面ミラー8との組合せを用いたものである。すなわち、光ファイバ9のコア9aに図示しない半導体レーザからの平行ビーム7cが入射すると、光ファイバ9の出力光7dを非球面ミラー8の集光面8aにより光導波路5の入射端5aに集光する。これにより、単一モードの光ファイバ9を使用した場合、直径はクラッド9bも含めて100μmであり、非球面ミラー8もそれと同程度のサイズに加工することが可能であり、それによって浮上スライダ2の高さ約300μmに対して、3割増し程度の高さに抑えることができる。なお、近接場光微小化手段は省略してある。
【0036】
また、光ファイバ9にレーザ光を入射するための光源である半導体レーザ(図示せず)は、浮上スライダ2上に配置する。これにより、光アシスト磁気ヘッド1の側面からレーザ光入射が可能となり、光アシスト磁気ヘッド1のサイズを小さくすることができる。なお、半導体レーザは、光アシスト磁気ヘッド1を支持して走査するためのスイングアームあるいはサスペンション上に取り付けてもよい。これにより、半導体レーザの発熱の磁気抵抗センサ3等に与える影響を避けることができ、高信頼性を保つことができ、かつ、ヘッドの重量を軽くでき、高速走査が可能となる。
【0037】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドを示す。同図(a)は、正面図、同図(b)は、半導体レーザの出射面を示す図である。この光アシスト磁気ヘッド1は、図2(d)に示す構成において、半導体レーザ10を光導波路5の入射端5aに直結したものである。半導体レーザ10の活性層10aのサイズは、2×0.1μm程度であるが、半導体レーザ10内部での発振モードのサイズは2〜3μm径程度と広がっている。一方、光導波路5のサイズは、3×0.11μmであるため、それとマッチするように、半導体レーザ10の出力位置に開口11aを有する金属膜11を配置する。金属膜11により半導体レーザ10内部への反射光とレーザ内部の発振モードの位相が同位相となるように金属膜11の位置を調整することにより、開口11aは、半導体レーザ10に対して損失を与えず、また、開口10aのサイズを光導波路5のサイズ(3×0.11μm)に揃えることにより、光損失を最小限に抑えて、レーザ光を光導波路5内に入射させることが可能となる。出射端5cに微小開口11aを形成した金属膜11を配置する。このように構成することで、出力されるレーザ光のサイズをさらに小さくすることができ、高密度で記録媒体に記録することが可能となる。
【0038】
本発明の第3の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドによると、磁気ギャップの幅よりも狭い近接場光により、磁気記録層6aの微小部分の加熱が可能となり、その過熱により抗磁量の低下した部分のみ上部磁極付近の漏れ磁界により記録することができ、高密度の光アシスト磁気記録が可能となる。また、光アシスト磁気記録の一般的特徴として、抗磁力の高い磁気記録膜にも記録することができ、超常磁性効果による消磁の影響を減少することができるため、高密度の磁気記録に適した光アシスト磁気ヘッドを提供することができる。
【0039】
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドを示し、同図(a)は正面図、同図(b)は要部詳細図である。この光アシスト磁気ヘッド1は、図4に示す構成において、非球面ミラー8の入射面8cに半導体レーザ10を直結したものである。半導体レーザ10の活性層10aから出射されたレーザ光は、非球面ミラー8で反射され、光導波路5に導かれる。光導波路5の上に薄膜磁気トランスデューサ4と磁気抵抗センサ3が順次形成されている。また、光導波路5の出射端5cに微小開口11aを形成した金属膜11を配置する。このように構成することで、出力されるレーザ光のサイズをさらに小さくすることができ、高密度で記録媒体に記録することが可能となる。また、製造が容易で、小型化が図れる。
【0040】
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドを示し、同図(a)は光アシスト磁気ヘッドの主要部を示す断面図、同図(b)はレーザ光出力面側の端面図、同図(c)は上面図である。この光アシスト磁気ヘッド1は、光導波路5と、光導波路5の表面に集積された薄膜磁気トランスデューサ4とを有する。
【0041】
光導波路5は、本実施の形態では、例えば、基板60の上に形成されたSiO2クラッド層80と、SiO2クラッド層80の上に形成されたSiNコア層81と、SiNコア層81を覆うように形成されたSiO2クラッド層82と、その上に形成されたSiO2平坦化埋め込み層86とからなる。
【0042】
薄膜磁気トランスデューサ4は、パーマロイ等の軟磁性体からなるコア24、ヨーク27および磁極部83から構成され、光導波路5の出射端に磁気ギャップ43を有する磁気回路41と、磁気回路41のコア24に巻回されたコイル25(25a,25b)、コイル25a,25bからそれぞれ延在する一対のリード線28、および一対のリード線28の先端にそれぞれ設けられたパッド29から構成され、光導波路5の上面に配置されたCu薄膜からなるコイル部21とを備える。なお、磁気ギャップ43と一対の磁極先端部84とからギャップ部85を構成する。
【0043】
次に、光アシスト磁気ヘッド1の製造方法の一例を説明する。基板60上に光導波路5を形成した後、SiO2等からなる絶縁膜87により平坦化を行い、その後に薄膜磁気トランスデューサ4を形成する。すなわち、通常の薄膜プロセスによりCu薄膜からなる下部コイル25aをスパッタリングおよびリソグラフィにより形成し、さらに絶縁膜23により平坦化埋め込みを行い、Cu薄膜からなるコア24、上部コイル25bおよびヨーク27を絶縁膜26に埋め込んで形成する。このようにしてコイル部21を完成する。その後、導波路出射端上に、磁極部83及び磁気ギャップ43をスパッタリングおよびリソグラフィにより形成し、本実施の形態の光アシスト磁気ヘッド1を完成する。磁極部83は、絶縁膜に埋め込んで両者の表面が同一平面となるように作製する。
【0044】
次に、この第5の実施の形態の動作を説明する。記録時は、レーザ光10bと磁界を磁気記録媒体(図示せず)の同一場所に印加することが可能であるので、レーザ光の照射によって磁気記録媒体の記録部を昇温してその部分の保磁力を下げ、変調磁界により記録を行う、いわゆる光アシスト磁気記録を行う。本実施の形態では、レーザ光10bのサイズは特に制限されていない。レーザ光10bの照射により、レーザ光10bのサイズと同程度の記録領域が加熱され、その加熱領域内に位置する磁極先端部84から発生する磁界により記録がなされる。その記録領域のサイズは、磁極先端部84の長さ(以下「ギャップ幅」という。)と磁気ギャップ43の長さ(以下「ギャップ長」という。)程度となる。再生時は、磁気記録媒体からの漏れ磁界上を磁気ギャップ43が通過する時に磁極部83に入射する磁束の変化をコイル25により電流に変換することにより、記録媒体に記録された情報を再生する。
【0045】
上述した第5の実施の形態によれば、光導波路5に薄膜磁気トランスデューサ4のギャップ部85を配置した構成であるので、非常に小型な光磁気素子を提供できる。また、磁気記録媒体を近接場光により加熱昇温して記録するため、室温で保磁力の高い媒体でも記録でき、記録の安定性を増すことができる。また、再生時にも近接場光を記録マークに照射できるため、室温において磁化が弱く、昇温によって磁化が増加するTeFeCo等の膜を使用して、昇温により再生感度を増大させることも可能である。その場合には、半導体レーザを連続的に点灯してもよく、また、記録マーク位置に同期してパルス的に点灯してもよい。前者の場合には、同期が不要なため、点灯回路を単純化でき、後者の場合には、レーザ光のエネルギー効率を上げることができ、出射部の加熱を防ぐことができる。また、コイル25から磁気ギャップ43までの距離を10μm程度あるいはそれ以下に短縮できるとともに、磁極部83の幅を広くすることができるので、磁気抵抗を下げることができる。また、コイル25はコア24に円筒状に巻回しているため、円盤状に巻回する場合に比べてコイル長を短くできるので、電気抵抗を減らすことができる。従って、これらにより高速度・高密度の記録が可能となる。
【0046】
図8は、本発明の第6の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドの光導波路の出射端を示す。この光アシスト磁気ヘッド1は、光導波路の出射端に開口90を有する遮光体22を形成し、その遮光体22の上に磁気ギャップ43を形成したものであり、遮光体22の材料としては、Auを用いることができるが、AgやAl等の金属材料でもよい。
【0047】
なお、遮光体22は、磁極部83と同一平面をなし、磁極部83を囲むように形成してもよい。これにより、開口と磁気ギャップ43とが同一平面上に形成されるため、それぞれの加工精度を上げることができる。
【0048】
図8(a)〜(f)は、開口90とギャップ43の変形例を示す。図8(a)は、開口90のサイズを磁気ギャップ43よりも一回り大きく形成した例であり、開口90は、主に磁気ギャップ43の記録上流側Aに広く形成されている。このため、レーザ光の出力を比較的大きくできるとともに、磁気ギャップ43での磁界が印加される直前に磁気記録媒体を加熱し、昇温されたところで記録がなされるため、効率良く加熱ができる。
【0049】
図8(b)は、極磁部83の先端に台形状の上底を対向させギャップ幅を狭くした例であり、これにより、磁気記録媒体の昇温部をギャップ幅よりも狭くできる。磁極先端部84では、通常周辺部に磁界が広がり、その漏れ磁界により、記録幅が抑えられ、記録トラック幅を狭くすることが難しいが、この例によれば、ギャップ43の間隔で決まる近接場光により、記録幅が抑えられるため、より高密度の記録が可能となる。また、記録媒体の記録トラックと平行な方向にギャップを形成することとなり、先に記録したマークを消去しながら記録をすることができ、これにより高密度記録が可能になる。また、ギャップを90度回転したように配すると、記録媒体の記録トラックと垂直な方向にギャップを形成することになり、ギャップ43の間隔で決まる近接場光により、記録幅が抑えられるため、より高密度の記録が可能となる。
【0050】
図8(c)は、開口90の中に開口90のサイズよりも小さな微小金属体91を形成した例である。このように開口90を微小金属体91に対し同軸上に形成することにより、開口90のサイズがレーザの波長の1/10と微小な場合でも伝播光を放出でき、レーザ光の強度を増すことができる。また、中心の微小金属体91により、近接場光を散乱したり、微小金属体91において励起されるプラズモンから放射される近接場光を記録媒体の昇温に利用することができ、さらに高強度のレーザ光を使用することが可能となる。
【0051】
図8(d)は、一対の磁極先端部84,84を相対向するように形成した例であり、これにより、磁気ギャップ43及び磁極先端部84をより微細に加工でき、磁界印加範囲を狭めることができる。開口90は、この磁気ギャップ43を含むように大きく形成してもよく、また磁気ギャップ43の内側に形成してもよい。これらによりさらに記録範囲を狭めることができ、高密度化が可能となる。
【0052】
図8(e),(f)は、一対の磁極先端部84,84の一方の近傍に開口90を設け、その磁極先端部84付近の磁気記録媒体のみを加熱昇温し、他方の磁極先端部84周辺の温度上昇をできるだけ抑えるものである。磁気ギャップ43下のギャップ垂直方向(紙面に垂直方向)の磁界は、それぞれの磁極先端部84において最大となり、それぞれの磁極先端部84での磁界方向は互いに反対方向となる。従って、この構成により、その磁界の一方向が通る記録媒体の一部のみを加熱することができ、微小領域の光アシスト磁気記録が可能となり、さらに高密度化ができる。この構成では、磁界が記録媒体に対しての垂直部分のみを使用するため、実質的に単極方の磁極が形成され、特に垂直磁気記録媒体の記録に適し、垂直磁気記録において微小領域の記録を可能とする。
【0053】
上述した第6の実施の形態によれば、第5の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、レーザ光10bのサイズが開口90程度となるため、加熱領域を微細化でき、記録媒体の記録部分以外の加熱を低減することができる。また、図8(b)を除いて開口90以外の部分のレーザ光は遮光体22により反射されてレーザに戻り、レーザ発振に寄与するため、光利用効率を高めることができる。また、開口90と磁気ギャップ43両者の重ね合わせにより、記録領域を限定できるため、それぞれ単独で行うよりも微小な記録マークが形成でき、高密度化が可能となる。また、開口90と磁気ギャップ43両者の重ね合わせにより、垂直方向の磁界が存在する部分のみを記録できるため、垂直磁気媒体の記録に適した光磁気ヘッドが構成できる。
【0054】
図9に、本発明の第7の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドを示す。この第7の実施の形態は、光導波路の出射端に開口90を有する遮光体22と、遮光体22の開口90上に2つの磁気ギャップ43a,43bを有する磁気回路(図示せず)と、2つの磁気ギャップ43a,43bに入射する磁束の変化をそれぞれ独立して検出するコイル部(図示せず)とを有する。
【0055】
図9(a)は、中心に位置する共通磁極部83aと、その両側に位置する個別磁極部83bとを有し、中心の磁極先端部84aを共通にして、左右に磁気ギャップ43a,43bを介して磁極先端部84bを形成したものである。コイル部のコイルは独立して2個有するが、コア中心部は共通磁極部83aに接続され、構造の簡素化がなされている。遮光体22は、単一の開口90を有し、単一の開口90から出力されるレーザ光は、両方の磁気ギャップ43a,43bを同時に照射する。この構成により、独立に磁界を変調できるギャップ部が2つ相接近して形成されるため、この素子を用いて、相隣接した2つの記録トラック(図示せず)に対し同時に記録・再生を行うことができ、記録再生の転送レートを2倍にできる。なお、磁気ギャップの個数は2つに限らず、さらに用途に応じて増加することが可能である。また、磁気ギャップは、面発光型半導体レーザ上に形成してもよい。なお、このとき、遮光体22は電極を兼ねてもよい。
【0056】
図9(b)は、図9(a)の変形例であり、遮光体22に対角線上に2つの開口90a,90bを形成し、2つの開口90a,90bの上部に磁気ギャップ43a,43bを配置したものである。これにより、記録領域を開口90a,90bのサイズで規定でき、記録領域の微小化、高密度化が可能となる。
【0057】
図9(c)は、図9(a)のさらに別の変形例であり、遮光体22に対向するように2つの開口90a,90bを形成し、4つの個別の磁極部84によって2つの開口90a,90bの上部に磁気ギャップ43a,43bを配置したものである。これにより、磁気回路の構成の自由度を増すことができる。また、2つのコア(図示せず)を相対向して配置するため、面発光型半導体レーザに適用する場合に特に適する変形例である。
【0058】
図10は、本発明の第8の実施の形態に係る光磁気ディスク装置を示す。この光磁気ディスク装置100は、Pt/Cr等の垂直磁気記録層103を有する磁気ディスク101と、磁気ディスク101を回転するためのモータ102と、垂直磁気記録層103上を浮上走行して、垂直磁気記録層103に記録・再生を行う第1乃至第7の実施の形態と同様の光アシスト磁気ヘッド104と、この光アシスト磁気ヘッド104を支えるスイングアーム105と、スイングアーム105を走査するためのボイスコイルモータ106と、記録時には記録信号を処理し、光アシスト磁気ヘッド104のレーザ光を変調し、再生時には光アシスト磁気ヘッド104からの光強度信号を用いて記録情報を再生する信号処理回路107と、記録・再生時にモータ102やボイスコイルモータ106を制御する制御回路108とを備える。光アシスト磁気ヘッド104としては、例えば、第1の実施の形態のものを用いることができる。
【0059】
半導体レーザは、スイングアーム105あるいはサスペンダ109上に配置されている。また、半導体レーザは、レーザ光を案内する光ファイバと光学的に接続されている。サスペンダ109は、ヘッド104の自重、浮上力とのバランスで一定の浮上高さを与えるばね力を有する。
【0060】
この構成において、記録時には、信号入力に基づいて強度変調されたレーザ光が半導体レーザから出射され、光導波路5の出射端5cから出射された近接場光は近接場光微小化手段によって微小化され、その直下に配置された垂直磁気記録層103に入射して、記録層103を加熱し、磁極40a,34a間に流れる磁界44によって情報が記録される。また、再生時には、磁気記録層103からの磁界の強度を磁気抵抗センサ3によって検出する(図1参照)。また、記録・再生時には、ヘッド104から出射した光を記録層103上の特定の記録トラック(図示せず)上に移動し、かつ、トラッキングさせる必要がある。これは、ボイスコイルモータ106の駆動による位置制御により行う。すなわち、磁気ディスク101のアドレス情報を読み取り、その情報に基づいて形成した駆動信号により、ボイスコイルモータ106を駆動してヘッド104を所定のトラック付近に移動させた後、ボイスコイルモータ106とビームスポット走査型半導体レーザの駆動により、精細に所定のトラックを追従させる。
【0061】
この第8の実施の形態によれば、小型・軽量の光磁気ヘッドを磁気ディスクの記録・再生に使用することができ、高速記録・再生、高密度、特に高体積記録密度の光アシスト磁気記録・再生が可能なディスク装置を提供することが可能となる。なお、ヘッド自体、小型・軽量であるため、このヘッド全体を圧電素子(図示せず)により、駆動させて精細なトラッキングをさせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドに関し、(a)は正面図、(b)はA部における光アシスト磁気ヘッド長手方向の断面図、(c)は(a)中の矢印R方向から見た側面図、(d)は底面図である。。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態に係る光導波路を示す図である。
【図3】(a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態に係る光導波路の出射端を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドを示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドに関し、(a)は正面図、(b)は半導体レーザの出射面を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドに関し、(a)は正面図、(b)は要部詳細図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドに関し、(a)は光アシスト磁気ヘッドの主要部を示す断面図、(b)はレーザ光出力面側の端面図、(c)は上面図である。
【図8】(a)〜(f)は、本発明の第6の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドのレーザ出射端を示す図である。
【図9】(a),(b),(c)は、本発明の第7の実施の形態に係る光アシスト磁気ヘッドのレーザ出射端を示す図である。
【図10】本発明の第8の実施の形態に係る光磁気ディスク装置を示す図である。
【図11】従来の光磁気ヘッドを示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 光アシスト磁気ヘッド
2 浮上スライダ
2a 後端面
2b エアベアリング面
2c 凹部
3 磁気抵抗センサ
4 薄膜磁気トランスデューサ
5 光導波路
5a 入射端
5b テーパー部
5c 出射端
6 磁気ディスク
6a 記録層
6b 基板
7a 近接場光
7b モード
7c 平行ビーム
7d 出力光
8 非球面ミラー
8a 集光面
8b 反射膜
8c 入射面
9 光ファイバ
9a コア
9b クラッド
10 半導体レーザ
10a 活性層
10b レーザ光
11,11c,11e 金属膜
11a 開口
11b 金属片
12 偏光方向
13 開口
14 微小金属体
21 コイル部
22 遮光体
22,23 絶縁膜
24 コア
25 コイル
25a 下部コイル
25b 上部コイル
26 絶縁膜
27 ヨーク
28 リード線
29 パッド
30 スピンバルブ膜
31a,31b 電極
32a,32b 絶縁膜
33 下部磁気シールド膜
34 上部磁気シールド膜
34a 下部磁極
34b 下部ヨーク接合部
40 上部ヨーク
40a 上部磁極
40b ヨーク部
40c 上部ヨーク接合部
41 磁気回路
42 薄膜コイル
42a 引き出し部
42b パッド
43,43a,43b 磁気ギャップ
44 磁界
50 誘電体膜
51a,51b 金属薄膜
53 平面ミラー
54 非球面ミラー
60 基板
80 クラッド層
81 コア層
82 クラッド層
83 磁極部
83a 共通磁極部
83b 個別磁極部
84,84a,84b 磁極先端部
85 ギャップ部
86 SiO2平坦化埋め込み層
87 絶縁膜
90,90a,90b 開口
91 微小金属体
100 光磁気ディスク装置
101 磁気ディスク
102 モータ
103 垂直磁気記録層
104 光アシスト磁気ヘッド
105 スイングアーム
106 ボイスコイルモータ
107 信号処理回路
108 制御回路
109 サスペンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を有するディスクの回転によって浮上走行する浮上スライダと、
前記浮上スライダに設けられ、半導体レーザからのレーザ光を出射端から前記記録媒体に出射して前記記録媒体を加熱する光導波路と、
前記浮上スライダに設けられ、前記レーザ光によって加熱された前記記録媒体の部分に磁気ギャップに形成された磁界によって情報を記録する薄膜磁気トランスデューサとを備え、
前記磁気ギャップは、前記光導波路の前記出射端のレーザ光出射位置あるいはその近傍に形成されていることを特徴とする光アシスト磁気ヘッド。
【請求項2】
前記磁気ギャップは、近接場光発生用のギャップを兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項3】
前記磁気ギャップは、前記記録媒体の記録トラックを横切る方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項4】
前記磁気ギャップは、前記記録媒体の記録トラックと平行な方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項5】
前記光導波路は、その上に前記薄膜磁気トランスデューサと前記記録媒体の記録信号を検出する磁気抵抗センサとが順次形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項6】
前記光導波路は、その上に前記磁気抵抗センサと前記薄膜磁気トランスデューサが順次形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項7】
前記半導体レーザは、前記記録媒体に平行にレーザ光を出射するように前記浮上スライダに設けられ、前記光導波路は、前記半導体レーザからの前記レーザ光を反射させて前記出射端から出射させるミラーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項8】
前記半導体レーザは、前記記録媒体に平行にレーザ光を出射するように前記浮上スライダに設けられ、前記光導波路は、前記半導体レーザからの前記レーザ光を案内する導光路と、前記導光路と交差するように設けられた光導波路と、前記導光路と前記光導波路の交差部に設けられ、前記導光路によって案内された前記レーザ光を反射して前記出射端から出射させるミラーとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項9】
前記導光路は、光ファイバであることを特徴とする請求項8に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項10】
前記半導体レーザは、出射面に微小開口を有する微小金属体を供えたことを特徴とする請求項1に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項11】
前記磁気ギャップを形成する磁極先端部は、前記半導体レーザからの前記レーザ光により前記光導波路の前記出射端に形成された近接場光を微小化することを特徴とする請求項1に記載の光アシスト磁気ヘッド。
【請求項12】
記録媒体を有して回転するディスクに対してスイングアームにより光アシスト磁気ヘッドを走査して情報を記録する光アシスト磁気ディスク装置において、
前記光アシスト磁気ヘッドは、
前記ディスクの回転によって浮上走行する浮上スライダと、
前記浮上スライダに設けられ、半導体レーザからのレーザ光を出射端から前記記録媒体に出射して前記記録媒体を加熱する光導波路と、
前記浮上スライダに設けられ、前記レーザ光によって加熱された前記記録媒体の部分に磁気ギャップに形成された磁界によって情報を記録する薄膜磁気トランスデューサとを備え、
前記磁気ギャップは、前記光導波路の前記出射端のレーザ光出射位置あるいはその近傍に形成されていることを特徴とする光アシスト磁気ディスク装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2007−52918(P2007−52918A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270552(P2006−270552)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【分割の表示】特願2001−227475(P2001−227475)の分割
【原出願日】平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】