説明

光ケーブルの製造方法

【課題】光ファイバユニットの捻れにより引裂き紐の位置ずれを解消でき、引裂き紐とシース被覆との密着力を所定値以上に維持して、シース被覆の切り裂きを確実に行うことができる光ケーブルの製造方法を提供する。
【解決手段】光ファイバユニット3に引裂き紐5を沿わせてシース被覆6で一括被覆する。被覆材料6’の押出成形用のニップル部13に、引裂き紐用のガイド管14cの先端を光ファイバユニット用のガイド管14aの先端より4.0mm〜11.0mmだけ後に配置する。(ケーブル被覆後外径D2/ダイス内径D1)を被覆外側の縮減率Raとし、(光ファイバユニット外径d2/光ファイバユニット用のガイド管外径d1)を被覆内側の縮減率Rbとしたとき、縮減率比(Ra/Rb)が0.9〜1.00となるようにケーブル被覆6を押出成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバユニットと共にテンションメンバ及び引裂き紐をシース内に埋設した光ケーブルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な光ケーブルとして、複数の光ファイバ心線を束ねたバンドル又は複数のテープ状光ファイバ心線を収納した光ファイバユニット(光ケーブルコアとも言う)の両側に、テンションメンバを配すると共に、光ファイバユニットに裂き紐を沿わせてシース被覆で被覆一体化する構成のものが知られている。図1は、前述の光ケーブルの概略を示す図で、図1(A)は光ケーブルを架空に張る場合の支持線を有する自己支持型の構成例、図1(B)は支持線を有しない構成例を示した図である。
【0003】
図1(A)の自己支持型の光ケーブル1は、ケーブル本体部2と支持線部8を首部9で一体に連結した構成で、図1(B)の光ケーブル1’は、支持線部8及び首部9を有しない断面円形状の図1(A)のケーブル本体部2のみで構成される。ケーブル本体部2は、中央に光ファイバユニット3を配し、その両側に光ケーブルに引張り強度を持たせるためのテンションメンバ(抗張力体ともいう)4を平行に配し、また、光ファイバユニット3に接するようにシース被覆を切り裂くための引裂き紐5を沿わせ、これらを一括被覆している。
【0004】
2本のテンションメンバ4は、光ファイバユニット3の中心を通る直線上に並べられ、シース被覆6に埋設されて一体性を高めた配置とされている。引裂き紐5は、テンションメンバ4と重ならない位置、例えば、2本のテンションメンバ4を通る直線と直交する線上に配置される。また、引裂き紐5は、光ファイバユニット3からシース被覆6を引き剥がすという目的から、光ファイバユニット3の表面に接するように沿わす必要がある。そして、シース被覆6の外面に引裂き紐5の埋設位置を示す突条7を設けて、引裂き紐5を取り出しやすいようにしている。
【0005】
しかし、シース被覆6を成形する際に、引裂き紐5がダイス出口に到達するまでに捻れたり相対的位置が安定しないことから、光ファイバユニット3の表面から離れてしまったり、また、突条7の位置からずれてしまうことがある。そこで、例えば、特許文献1に開示のように、ニップルを用いた押出成形装置で、引裂き紐をガイドするガイド管を、ニップル出口の手前で光ファイバユニット(ケーブルコア)のガイド管に連結させ、光ファイバユニットに引裂き紐を沿わせた状態で一括被覆することが知られている。
【特許文献1】特開2002−192591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示のように、引裂き紐用のガイド管をニップルの途中から光ファイバユニットのガイド管に合流させることで、引裂き紐を光ファイバユニットに接するように沿わせて一括被覆することは可能である。しかしながら、光ファイバユニットがニップル内を捻れて移動するような場合には、引裂き紐も光ファイバユニットに沿って回転し、埋設位置を示す突条からずれてしまうことがある。また、光ファイバユニットと一体になった状態で被覆されるので、引裂き紐が光ファイバユニット側に埋没して、引裂き紐とシース被覆との密着性が低下する。このため、シース被覆を切り裂くときに引裂き紐の抜けが生じやすく、切り裂きができなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、光ファイバユニットの捻れにより引裂き紐の位置ずれを解消でき、引裂き紐とシース被覆との密着力を所定値以上に維持して、シース被覆の切り裂きを確実に行うことができる光ケーブルの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による光ケーブルの製造方法は、光ファイバユニットの両側に直線状に並ぶように2本のテンションメンバを平行に配すると共に、光ファイバユニットに引裂き紐を沿わせて一括被覆する。被覆材料の押出成形用のニップル部には、光ファイバユニット、テンションメンバ並びに引裂き紐をそれぞれ通すガイド管を備えていて、光ファイバユニット用のガイド管の先端をダイスの出口位置に配置し、引裂き紐用のガイド管の先端を光ファイバユニット用のガイド管の先端より4.0mm〜11.0mmだけ後に配置する。そして、(ケーブル被覆後外径D2/ダイス内径D1)を被覆外側の縮減率Raとし、(光ファイバユニット外径d2/光ファイバユニット用のガイド管外径d1)を被覆内側の縮減率Rbとしたとき、縮減率比(Ra/Rb)が0.9〜1.00となるようにケーブル被覆を押出成形する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光ファイバユニットと引裂き紐は、互いに独立してガイドされるので、光ファイバユニットの捻れにより引裂き紐の位置がずれるのを解消することができる。また、光ファイバユニット用と引裂き紐用のガイド管の先端間の距離差と、ダイス出口部分のシース被覆の縮減率の関係を制御することにより、引裂き紐とシース被覆との密着力を適正化し引き抜けを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図により本発明の実施の形態を説明する。図1は光ケーブルの概略を説明する図、図2は本発明で用いられる押出成形装置の概略を説明する図、図3は図2の部分断面を示す図、図4は本発明によるシース被覆の成形状態を説明する図、図5は本発明によるシース被覆の縮減状態を説明する図である。図中、1,1’は光ケーブル、2はケーブル本体部、3は光ファイバユニット、4はテンションメンバ、5は引裂き紐、6はシース被覆、6’は被覆材料、7は突条、8は支持線部、9は首部、10は支持線、11は押出成形装置、12はダイス部、12aは出口孔、12bは内室部、13はニップル部、14a,14b,14c,14dはガイド管を示す。
【0011】
本発明の製造方法により製造される自己支持型の光ケーブル1は、図1(A)に示すように、ケーブル本体部2と支持線部8を首部9で一体に連結した構成である。また、図1(B)の光ケーブル1’は、支持線部8及び首部9を有しない断面円形状のケーブル本体部2のみからなる構成である。ケーブル本体部2は、中央に光ファイバユニット3を配し、その両側に光ケーブルに引張り強度を持たせるためのテンションメンバ4を平行に配し、また、光ファイバユニット3に接するようにシース被覆6を切り裂くための引裂き紐5を沿わせ、これらをシース被覆6で一括被覆して構成される。
【0012】
光ファイバユニット3は、例えば、複数の光ファイバ心線を束ねたバンドルを複数本撚り合わせ、あるいは複数枚の光ファイバテープ心線を積層した外側に、ポリプロピレンヤーンなどの緩衝材を巻き付けた構造のものが用いられる。テンションメンバ4は鋼線等の高抗張力線からなり、光ファイバユニット3の中心を通る直線上で、光ファイバユニット3の両側に所定の間隔を開けて平行に並べ、シース被覆6に埋設させて密着一体化するように配置される。
【0013】
引裂き紐5は、テンションメンバ4と重ならない位置、例えば、2本のテンションメンバ4を通る直線と直交する線上に配置される。また、光ファイバユニット3からシース被覆6を引き剥がすという目的から、光ファイバユニット3の表面に接するように沿わせるとともに、シース被覆6から引き抜けないように埋設する。そして、シース被覆6の外面に引裂き紐5の埋設位置を示す突条7を設けて、引裂き紐5を取り出しやすいようにしている。
また、支持線部8の支持線10は、光ケーブルを架空するのに十分な強度を持つ鋼撚線等が用いられ、光ファイバユニット3及びテンションメンバ4の中心を通る直線の延長上に配置される。
【0014】
上述した光ケーブルは、図2に示すような押出成形装置11によりシース被覆6が施される。押出成形装置11は、ダイス部12とニップル部13を備え、ニップル部13は複数のガイド管14a〜14dを有している。図3(A)は図2のA−A断面を示し、ダイス部12の出口孔12aは、光ケーブルの外形にほぼ等しい形状となっている。また、図3(B)は図2のB−B断面を示し、ダイス部12の出口孔12aとニップル部13の先端部との間のダイス部12の内室部12bで、例えば、断面円形の室で形成される。そして、光ファイバユニット3、テンションメンバ4、引裂き紐5並びに支持線10が、図3(A)に示すような所定の配列状態になるように、それぞれのガイド管14a〜14dがニップル部13の先端側から突き出るように設けられる。
【0015】
図2に示すように、押出成形装置11のダイス部12の内室部12bとニップル部13との間に形成される間隙部分に、被覆材料が押出される。この被覆材料は、内室部12bから出口孔12aに押出され、ニップル部13の後方から導入されガイド管14a〜14dの先端から引き出される光ファイバユニット3、テンションメンバ4、引裂き紐5並びに支持線10の周囲を一括して被覆する。
【0016】
ガイド管14aは、光ファイバユニット3をガイドするもので、このガイド管14aの先端は、ダイス部12の出口孔12aの先端位置とほぼ一致するように配置される。ガイド管14bは、テンションメンバ4をガイドするもので、このガイド管14bの先端は、ダイス部12の出口孔12aより内側に位置するように配置される。ガイド管14cは、引裂き紐5をガイドするもので、このガイド管14cの先端はダイス部12の出口孔12aの近傍で光ファイバユニット3のガイド管14aより、所定の距離だけ内側に配置される。ガイド管14dは、支持線10をイドするもので、このガイド管14dの先端は、テンションメンバ4のガイド管14bと同様にダイス部12の出口孔12aより内側に位置するように配置される。
【0017】
テンションメンバ4のガイド管14bと支持線10のガイド管14dは、その先端が短く(ダイス部の出口孔12aより後方にある)形成されるが、シース被覆内に完全に埋設させて密着一体性を高めるために、ダイス部12内で周囲に被覆材料が十分充填(付着)されるようにする。引裂き紐5のガイド管14cは、引裂き紐5の外周全体がシース被覆内に完全に埋設されず、一部が光ファイバユニット3の外面に接している状態で埋設されているのが望ましい。しかし、シース被覆との密着力が弱いとシース被覆の切り裂き時に引き抜けが生じるため、ある程度の密着一体性を有していることも必要である。このため、引裂き紐5のガイド管14cは、光ファイバユニット3のガイド管14aより、後述するように所定距離だけ後方に位置させる。
【0018】
上述した押出成形装置によるシース被覆の形成は、図3(A)のC−C断面で示す図4の形態で実施される。ダイス部12とニップル部13の間の内室部12b内に押出された被覆材料6’は、所定の粘度の溶融状態で出口孔12aからチューブ状に押出される。このチューブ状に押出された被覆材料6’は、ダイス部12の出口孔12aと出口端がほぼ同じ位置にあるガイド管14aから引き出される光ファイバユニット3の表面に、チューブ径を縮小するように縮減して付与され、シース被覆6とされる。
【0019】
引裂き紐5も光ファイバユニット3と同時にガイド管14cから引き出されるが、光ファイバユニット3のガイド管14aの先端と引裂き紐5のガイド管14cの先端との長さの差(距離)Lが大きいと、加圧された被覆材料6’が光ファイバユニット3のガイド管14aと引裂き紐5との間にも流れ込み、引裂き紐5はシース被覆6内に埋まってしまう。この距離Lが小さいと、被覆材料6’が光ファイバユニット3のガイド管14aと引裂き紐5との間に十分流れ込まないうちに引裂き紐5は光ファイバユニット3に接して、チューブ状に押出された被覆材料6’の縮減により光ファイバユニット3の表面に沿った状態で一体に被覆される。しかし、引裂き紐5とシース被覆6との密着性は多少低下し、引裂き紐5の引き抜け力は小さくなる。
【0020】
ここで、光ケーブルのケーブル本体部2を成形するダイス部12の出口孔12aの内径をD1、ケーブル本体部2のシース被覆(突条7を含まず)6の外径をD2とし、この時のシース被覆6の外側の縮減率Raを(D2/D1)とする。また、光ファイバユニット3のガイド管14aの外径をd1、ケーブル本体部2のシース被覆6の内径をd2とし、この時のシース被覆6の内側の縮減率Rbを(d2/d1)とする。そして、シース被覆6の外側と内側の縮減率の比(Ra/Rb)が、後述するように所定の範囲内になるように成形条件を設定する。
【0021】
図5は、上記の縮減率比(Ra/Rb)によるシース被覆6の作用状態を説明する図で、図5(A)は外側の縮減率Raが内側の縮減率Rbに対して大きい場合で、縮減率の内外差を解消しようとしてシース被覆6の内側が、光ファイバユニット3を締め付けようとする。このため、引裂き紐5の引抜力は大きくなるが、シース被覆6内に埋め込まれてしまう。図5(B)は外側の縮減率Raが内側の縮減率Rbに対して小さい場合で、縮減率の内外差を解消しようとしてシース被覆6の内側が、光ファイバユニット3から離れて外側に脹らもうとする。このため、引裂き紐5の周囲に空洞ができて、引抜力が低下する。
【0022】
図6及び図7は、上述した光ケーブルの試験品を作製し、引裂き紐のシース被覆への埋設状態を試験した評価結果を示す図である。なお、試験用の光ケーブルとして、図1(A)に示した自己支持型の光ケーブル構造で、光ファイバユニット3には、8心の光ファイバ心線をバンドルしたもの3本を撚って、ポリプロピレンヤーンを巻いて外径5.1mmとしたものを用いた。また、支持線10には、外径1.4mmの鋼線を7本撚りした鋼撚線を用い、テンションメンバ4には、外径が0.72mmの鋼線を用いた。引裂き紐5は、外径が0.9mmのポリエチレンテレフタレート(PET)紐を用いた。そして、シース被覆6の材料としては、直鎖低密度ポリエチレン(L-LDPE)を用い、ケーブル本体部2の外径を10.5mm、支持線部8を含めたケーブル高さが18.0mmとなるように押出成形した。
【0023】
試験品の光ケーブルは、光ファイバユニット3のガイド管14aの先端と引裂き紐5のガイド管14cの先端との長さの差(距離)Lが、0.0mm(ガイド管14aとガイド管14cの先端位置が同じ)、5.0mm、10.0mm、15.00mmで設定して、複数種を作製した。また、前記の長さの差Lを異ならせるとともに、それぞれについてシース被覆6の縮減率比(Ra/Rb)が0.80、0.90、1.00、1.10になるように成形条件(例えば、被覆材料の粘度、成形線速等)を設定して、複数種を作製した。
【0024】
この結果、引裂き紐のガイド管14cと光ファイバユニットのガイド管14aとの長さの差Lを0.0mmとした場合は、引裂き紐5と光ファイバユニット3の間に被覆材料6’が入り込む余裕がなく、引裂き紐5はシース被覆6内に埋まることなく光ファイバユニット3に接した状態で被覆される。しかし、縮減率比(Ra/Rb)が0.80〜1.10のいずれの場合も引裂き紐5の引抜力が小さく(12.0N/10m以下)、判定結果はいずれも不良であった。なお、引裂き紐5の引抜力は、30N/10m以上でないとシース被覆6を切り裂く際に抜けてしまうため、引抜力が30N/10m未満の場合は不良とされる。
【0025】
前記の長さの差Lを5.0mmとした場合は、縮減率比(Ra/Rb)が0.80〜1.00では、引裂き紐5はシース被覆6内に埋まることなく光ファイバユニット3に接した状態で被覆され、良好であった。しかし、縮減率比(Ra/Rb)を1.10とすると、シース被覆6の内側が、光ファイバユニット3から離れて外側に脹らみ、引裂き紐5と光ファイバユニット3との間に被覆材料6’が回り込むため、引裂き紐5はシース被覆6内に埋まってしまい、不良となった。引裂き紐5の引抜力は、縮減率比(Ra/Rb)が0.80では、16N/10mで不足し、0.90〜1.10では30N/10m以上が確保できた。結果として、長さの差Lを5.0mmとした場合は、縮減率比(Ra/Rb)を0.90〜1.00とするのが良好であった。
【0026】
前記の長さの差Lを10.0mmとした場合も、縮減率比(Ra/Rb)が0.80〜1.00では、引裂き紐5はシース被覆6内に埋まることなく光ファイバユニット3に接した状態で被覆され、良好であった。しかし、縮減率比(Ra/Rb)を1.10とすると、シース被覆6の内側が、光ファイバユニット3から離れて外側に脹らみ、引裂き紐5と光ファイバユニット3との間に被覆材料6’が回り込むため、引裂き紐5はシース被覆6内に埋まってしまい、不良となった。引裂き紐5の引抜力は、縮減率比(Ra/Rb)が0.80では、22N/10mで不足し、0.90〜1.10では40N/10m以上が確保できた。結果として、長さの差Lを10.0mmとした場合は、縮減率比(Ra/Rb)を0.90〜1.00とするのが良好であった。
【0027】
前記の長さの差Lを15.0mmとした場合は、縮減率比(Ra/Rb)が0.80〜1.10のいずれの場合も、引裂き紐5はシース被覆6内に埋まってしまい、不良となった。これは、長さの差Lが大きいため、加圧された被覆材料6’が光ファイバユニット3のガイド管14aと引裂き紐5との間にも流れ込み、引裂き紐5はシース被覆6内に埋め込まれてしまうことによる。引裂き紐5の引抜力は、いずれの場合も30N/10m以上が確保できるが、引裂き紐5がシース被覆6内に埋まってしまうことから、良好な切り裂きを行うことができないので総合的には不良となった。
【0028】
以上の評価結果から、図7(A)及び図7(B)に示すように、点線で囲った範囲で光ファイバユニット3のガイド管と引裂き紐5のガイド管との長さの差L(両ガイド管の先端間の距離)及び縮減率比(Ra/Rb)でケーブル被覆を押出成形する必要がある。すなわち、ガイド管との長さの差Lは、5.0mm〜10.0mmの範囲が好ましく、多少の裕度を持たせて4.0mm〜11.0mmに収める。また、(ケーブル被覆後外径D2/ダイス内径D1)を被覆外側の縮減率Raとし、(光ファイバユニット外径d2/光ファイバユニット用のガイド管外径d1)を被覆内側の縮減率Rbとしたとき、縮減率比(Ra/Rb)が0.9〜1.0となるように成形条件を設定する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明で対象とする光ケーブルの概略を説明する図である。
【図2】本発明で用いられる押出成形装置の概略を説明する図である。
【図3】図2の部分断面を示す図である。
【図4】本発明によるシース被覆の成形状態を説明する図である。
【図5】本発明によるシース被覆の縮減状態を説明する図である。
【図6】本発明の評価結果を説明する図である。
【図7】図6の評価結果をグラフ化した図である。
【符号の説明】
【0030】
1,1’…光ケーブル、2…ケーブル本体部、3…光ファイバユニット、4…テンションメンバ、5…引裂き紐、6…シース被覆、6’…被覆材料、7…突条、8…支持線部、9…首部、10…支持線、11…押出成形装置、12…ダイス部、12a…出口孔、12b…内室部、13…ニップル部、14a,14b,14c,14d…ガイド管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバユニットの両側に直線状に並ぶように2本のテンションメンバを平行に配すると共に、前記光ファイバユニットに引裂き紐を沿わせて一括被覆する光ケーブルの製造方法であって、
被覆材料の押出成形用のニップル部には、前記光ファイバユニット、前記テンションメンバ並びに前記引裂き紐をそれぞれ通すガイド管を備えていて、
前記光ファイバユニット用のガイド管の先端をダイスの出口位置に配置し、前記引裂き紐用のガイド管の先端を前記光ファイバユニット用のガイド管の先端より4.0mm〜11.0mm内方に配置し、
(シース被覆後外径D2/ダイス内径D1)を被覆外側の縮減率Raとし、(光ファイバユニット外径d2/光ファイバユニット用のガイド管外径d1)を被覆内側の縮減率Rbとしたとき、縮減率比(Ra/Rb)が0.9〜1.00となるようにシース被覆を押出成形することを特徴とする光ケーブルの製造方法。
【請求項2】
前記2本のテンションメンバの中心を通る直線の延長上に支持線を配して一括被覆することを特徴とする請求項1に記載の光ケーブルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−249020(P2007−249020A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−75028(P2006−75028)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】