説明

光ジャイロおよびそれを用いたジャイロシステム

【課題】 ロックイン現象が生じない光ジャイロを提供する。
【解決手段】 半導体光アンプ(SOA)1は、レーザ光CW,CCWをそれぞれ端面1A,1Bから光ファイバ2中へ放射する。結合器3は、光ファイバ2中のレーザ光CW,CCWをそれぞれ光ファイバ4,5中へ99%:1%の割合で分岐させる。光検出器6,7は、それぞれ、光ファイバ4,5中のレーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWを検出して検出器8へ出力する。この場合、光強度ICW,ICCWは、回転角速度に対して変化する。検出器8は、光強度ICW,ICCWに基づいて、半導体光アンプ1および光ファイバ2の回転角速度を検出する。また、検出器8は、半導体光アンプ1および光ファイバ2の回転の前後における光強度ICW,ICCWの変化割合に基づいて回転方向を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転体の回転角速度および回転方向を検出可能な光ジャイロおよびそれを用いたジャイロシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ジャイロは、慣性空間に対する回転を測ることができるセンサであり、絶対回転を測定可能なセンサである。そして、このようなジャイロとして、機械式ジャイロと光ジャイロとがある。
【0003】
機械式ジャイロは、回転体の回転軸が慣性空間に対して常に一定方向を向き続ける性質を用いたジャイロである。しかし、機械式ジャイロは、保守が必要であり、高価であり、振動および加速度に弱い等の理由によって、その適用範囲は、航空機、船舶、ロケットおよび人工衛星等に制限されている。
【0004】
これに対し、最近、サニャック効果を用いた光ジャイロが実用化されている。この光ジャイロは、時計回りの光と反時計回りの光とを光路中で伝搬させ、回転体が回転したことに起因して生じる2つの光(時計回りの光および反時計回りの光)の周波数差が回転角速度に比例することを利用したジャイロである。
【0005】
そして、光ジャイロは、光ファイバジャイロおよびリングレーザジャイロに大別され、光ファイバジャイロには、干渉式光ファイバジャイロ、共振方式光ファイバジャイロおよびブリルアン光ファイバジャイロの3種類がある(非特許文献1)。
【非特許文献1】保立 和夫,“光ファイバジャイロの実用化と次世代技術の展開”,レーザー研究,第26巻第4号,1998年4月,p297−303.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の光ジャイロには、光路中に生じる後方散乱のために、時計回りの光および反時計回りの光に結合が生じ、回転体の回転角速度が小さくなると時計回りの光の発振周波数と反時計回りの光の発振周波数とが同一になってしまうという問題がある。この問題は、“ロックイン現象”と呼ばれている。そして、このロックイン現象が生じる領域は、およそ100Hz以下である。
【0007】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ロックイン現象が生じない光ジャイロを提供することである。
【0008】
また、この発明の別の目的は、ロックイン現象が生じない光ジャイロを備えたジャイロシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、光ジャイロは、リングレーザと、検出手段とを備える。リングレーザは、第1および第2のレーザ光を発振するとともに、第1のレーザ光を時計回りに回転させ、第2のレーザ光を反時計回りに回転させる。検出手段は、リングレーザが所定の平面内で回転しているときの第1および第2のレーザ光の少なくとも一方のレーザ光の強度に基づいてリングレーザの回転角速度および/または回転方向を検出する。
【0010】
好ましくは、検出手段は、リングレーザの回転の前後における光強度の変化割合に基づいて回転方向を検出する。
【0011】
好ましくは、光ジャイロは、光強度検出器と、周波数検出器とをさらに備える。光強度検出器は、少なくとも一方のレーザ光の光強度を検出する。周波数検出器は、第1および第2のレーザ光を重ね合わせた重ね合わせ光のビート信号の周波数を検出する。そして、検出手段は、光強度および周波数に基づいて回転角速度および/または回転方向を検出する。
【0012】
好ましくは、検出手段は、光強度が回転角速度に対して変化する回転角速度の特定領域においては光強度に基づいて回転角速度を検出し、特定領域以外の領域においては周波数に基づいて回転角速度を検出する。
【0013】
好ましくは、検出手段は、回転角速度に対して周波数が検出されない回転角速度の特定領域においては光強度に基づいて回転角速度を検出し、特定領域以外の領域においては周波数に基づいて回転角速度を検出する。
【0014】
好ましくは、リングレーザは、半導体レーザと、光ファイバとを含む、半導体レーザは、第1の端面と、第1の端面に対向する第2の端面とを有するとともに、第1および第2のレーザ光を発振して第1および第2の端面からそれぞれ第1および第2のレーザ光を出射する。光ファイバは、第1の端面から出射された第1のレーザ光を時計回りに回転させて第2の端面から半導体レーザに導くとともに、第2の端面から出射された第2のレーザ光を反時計回りに回転させて第1の端面から半導体レーザへ導く。
【0015】
また、この発明によれば、ジャイロシステムは、光ジャイロと、送信装置と、受信装置とを備える。光ジャイロは、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光ジャイロである。送信装置は、光ジャイロの検出手段によって検出された回転角速度および/または回転方向を無線信号に変換して送信する。受信装置は、送信装置から送信された無線信号を受信し、その受信した無線信号を復号して回転角速度および/または回転方向を取得する。
【発明の効果】
【0016】
この発明においては、回転するリングレーザ中を時計回りに伝搬する第1のレーザ光の第1の光強度と、回転するリングレーザ中を反時計回りに伝搬する第2のレーザ光の第2の光強度とのうち、少なくとも1つの光強度に基づいて、リングレーザの回転角速度および/または回転方向を検出する。この場合、リングレーザの回転角速度が従来の光ジャイロにおいてロックイン現象が生じる回転角速度の範囲である場合でも、光強度は、回転角速度に応じて変化し、光強度に基づいて回転角速度が検出される。
【0017】
従って、この発明によれば、ロックイン現象が生じない光ジャイロを作製できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0019】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による光ジャイロの構成を示す概略図である。図1を参照して、実施の形態1による光ジャイロ10は、半導体光アンプ(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)1と、光ファイバ2,4,5と、結合器3と、光検出器6,7と、検出器8とを備える。
【0020】
半導体光アンプ1は、インジウムガリウム砒素(InGaAs)からなる活性層を有する。そして、半導体光アンプ1は、例えば、1579nmの波長を有するレーザ光を発振するとともに、その発振したレーザ光を時計回りのレーザ光CWと反時計回りのレーザ光CCWとしてそれぞれ端面1A,1Bから光ファイバ2中へ出射する。また、半導体光アンプ1は、光ファイバ2中を1周したレーザ光CW,CCWを誘導放出によって増幅し、その増幅したレーザ光CW,CCWを光ファイバ2へ出射する。このように、半導体光アンプ1は、自己が発振したレーザ光CW,CCWを増幅する機能を有する。
【0021】
光ファイバ2は、半導体光アンプ1の両端にループ状に連結され、例えば、3.03mの長さおよび1.444の屈折率(コアの屈折率)を有する。そして、光ファイバ2は、半導体光アンプ1の端面1Aから出射されたレーザ光CWを時計回りに回転させ、その回転させたレーザ光CWを端面1Bから半導体光アンプ1中へ導くとともに、半導体光アンプ1の端面1Bから出射されたレーザ光CCWを反時計回りに回転させ、その回転させたレーザ光CCWを端面1Aから半導体光アンプ1中へ導く。
【0022】
結合器3は、光ファイバ2中を伝搬するレーザ光CW,CCWが99%であり、光ファイバ4,5中を伝搬するレーザ光CW,CCWが1%となるように、光ファイバ2を光ファイバ4,5と結合する。この場合、光ファイバ2中を時計回りに回転するレーザ光CWの一部(1%)のレーザ光CWは、光ファイバ5中を伝搬し、光ファイバ2中を反時計回りに回転するレーザ光CCWの一部(1%)のレーザ光CCWは、光ファイバ4中を伝搬する。
【0023】
光ファイバ4は、結合器3によって光ファイバ2と結合され、光ファイバ2中を伝搬するレーザ光CCWの一部(1%)のレーザ光CCWを光検出器6に導く。また、光ファイバ5は、結合器3によって光ファイバ2と結合され、光ファイバ2中を伝搬するレーザ光CWの一部(1%)のレーザ光CWを光検出器7に導く。
【0024】
光検出器6は、光ファイバ4中を伝搬するレーザ光CCWを受け、その受けたレーザ光CCWの光強度ICCWを検出する。そして、光検出器6は、その検出した光強度ICCWを検出器8へ出力する。
【0025】
光検出器7は、光ファイバ5中を伝搬するレーザ光CWを受け、その受けたレーザ光CWの光強度ICWを検出する。そして、光検出器7は、その検出した光強度ICWを検出器8へ出力する。
【0026】
検出器8は、光検出器6,7からそれぞれ光強度ICCW,ICWを受け、その受けた2つの光強度ICCW,ICWの少なくとも1つの光強度に基づいて、後述する方法によって、回転体の回転角速度および/または回転方向を検出する。
【0027】
光ジャイロ10における光強度ICW,ICCWと回転角速度との関係を調べる実験を行なう場合、光ジャイロ10は、テーブル20上に載せられる。そして、テーブル20は、サーボ機構30によって各種の回転角速度で時計回りまたは反時計回りに回転される。コントローラ40は、テーブル20を各種の回転角速度で時計回りまたは反時計回りに回転させるようにサーボ機構30を制御する。
【0028】
図2は、図1に示す半導体光アンプ1の平面図である。図2を参照して、半導体光アンプ1は、活性層11と、光閉込層12,13と、反射防止膜14,15とを含む。活性層11は、光閉込層12,13によって挟まれ、端面1A,1Bと斜めに接する。
【0029】
光閉込層12,13は、バリア層およびクラッド層等からなり、活性層11に接して活性層11の両側に設けられる。反射防止膜14,15は、それぞれ、端面1A,1Bに接して形成される。
【0030】
図2に示すように、活性層11が端面1A,1Bに対して斜めに配置された構造は、活性層11および光閉込層12,13等を積層した積層体を形成し、その形成した積層体を活性層11が斜めに配置されるようにカッティングすることによって作製される。
【0031】
電流を活性層11に注入してレーザ発振させると、レーザ光は、光閉込層12,13によって閉じ込められ、活性層11を端面1A,1B方向へ伝搬する。そして、レーザ光は、レーザ光CWとして端面1Aから出射するとともに、レーザ光CCWとして端面1Bから出射する。
【0032】
レーザ光CWは、光ファイバ2中を時計回りに1周して反射防止膜15を介して端面1Bから活性層11中へ導入される。そして、活性層11中へ導入されたレーザ光CWは、誘導放出によって増幅され、再び、端面1Aから出射される。
【0033】
また、レーザCCWは、光ファイバ2中を反時計回りに1周して反射防止膜14を介して端面1Aから活性層11中へ導入される。そして、活性層11中へ導入されたレーザ光CCWは、誘導放出によって増幅され、再び、端面1Bから出射される。
【0034】
このように、半導体光アンプ1は、レーザ光CW,CCWを発振して光ファイバ2中へ出射するとともに、光ファイバ2中を伝搬したレーザ光CW,CCWを誘導放出によって増幅して、再び、光ファイバ2中へ出射する。
【0035】
従って、端面1Aと端面1Bとの間がレーザ光CW,CCWに対して共振器として振舞わないように、端面1A,1Bにおけるレーザ光CW,CCWの反射率は、10−5以下に設定されている。
【0036】
このように、端面1A,1Bにおける反射率を低く抑えるために、活性層11を端面1A,1Bに対して斜めに配置するとともに、端面1A,1Bにそれぞれ反射防止膜14,15を形成する。
【0037】
なお、光ファイバ2は、活性層11からのレーザ光CW,CCWがコアに入射するように、レンズ(図示せず)を介して半導体光アンプ1の反射防止膜14,15に連結される。
【0038】
図3は、図1に示す結合器3の構成を示す概略図である。図3を参照して、結合器3は、ガイド31,32を有する。ガイド31,32は、相互に接した2つの光ファイバを挟み込むことにより、2つの光ファイバを結合する。
【0039】
光ファイバ4,5を光ファイバ2に結合する場合、光ファイバ4,5を光ファイバ2に接するようにガイド31,32間に配置する。この場合、光ファイバ2のコア21は、光ファイバ4のコア41および光ファイバ5のコア51に近接して配置される。
【0040】
光ファイバ2中を時計回りに伝搬するレーザ光CWは、コア21とコア51との近接部において1%がコア21からコア51へ漏れる。そして、コア51へ漏れた1%のレーザ光CWは、光ファイバ5中を伝搬する。
【0041】
また、光ファイバ2中を反時計回りに伝搬するレーザ光CCWは、コア21とコア41との近接部において1%がコア21からコア41へ漏れる。そして、コア41へ漏れた1%のレーザ光CCWは、光ファイバ4中を伝搬する。
【0042】
このように、光ファイバ4,5中を伝搬するレーザ光CCW,CWは、光ファイバ2中で結合する前のレーザ光CCW,CWの一部(1%)である。
【0043】
光ジャイロ10をテーブル20上に載せ、サーボ機構30およびコントローラ40によってテーブル20の回転角速度を変化させてレーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWを検出した実験結果について説明する。なお、実験においては、しきい値電流(約59mA)よりも大きい電流領域において半導体光アンプ1を駆動させてレーザ光CW,CCWを生成した。
【0044】
図4は、光強度と回転角速度との関係を示す図である。図4において、横軸は、回転角速度を表し、縦軸は、光強度を表す。また、曲線k1は、半導体光アンプ1の駆動電流値が100mAであるときのレーザ光CWの光強度と回転角速度との関係を示し、曲線k2は、半導体光アンプ1の駆動電流値が100mAであるときのレーザ光CCWの光強度と回転角速度との関係を示す。更に、曲線k3は、半導体光アンプ1の駆動電流値が90mAであるときのレーザ光CWの光強度と回転角速度との関係を示し、曲線k4は、半導体光アンプ1の駆動電流値が90mAであるときのレーザ光CCWの光強度と回転角速度との関係を示す。
【0045】
なお、縦軸の光強度は、図1に示す光検出器6,7の出力電圧値によって表わされており、この出力電圧値が大きい方が、光強度が強いことを意味する。また、回転角速度が正である領域は、時計回りの回転を表し、回転角速度が負である領域は、反時計回りの回転を表す。更に、回転角速度は、図1に示すテーブル20の回転角速度を表し、サーボ機構30およびコントローラ40によって変えられた。
【0046】
レーザ光CWの光強度ICWは、−150deg/sec〜+150deg/secの領域において、時計回りへの回転角速度が大きくなるに従って強くなる。そして、レーザ光CWの光強度ICWは、−270deg/sec〜−150deg/sec,+150deg/sec〜+270deg/secの領域では、回転角速度に対して略一定である(曲線k1,k3参照)。
【0047】
また、レーザ光CCWの光強度ICCWは、−100deg/sec〜+180deg/secの領域において、時計回りへの回転角速度が大きくなるに従って弱くなる。そして、レーザ光CCWの光強度ICCWは、−280deg/sec〜−100deg/secの領域では、回転角速度に対して略一定である(曲線k2,k4参照)。
【0048】
このように、光ジャイロ10におけるレーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWは、従来の光ジャイロにおいてロックイン現象が生じる−100deg/sec〜+100deg/secの範囲において、回転角速度の変化に伴って変化する。
【0049】
従って、レーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWを検出することによって、ロックイン現象が生じる−100deg/sec〜+100deg/secの範囲においても回転角速度を検出できる。つまり、光ジャイロ10は、ロックイン現象を生じない光ジャイロである。
【0050】
このように、光ファイバ2中を伝搬するレーザ光CW,CCWの結合する前のレーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWを用いることによってロックイン現象が生じない光ジャイロを作製できる。
【0051】
また、図4においては、半導体光アンプ1を発振させるときの2つの駆動電流値(90mAおよび100mA)に対して、上述した光強度ICW,ICCWと回転角速度との関係が得られているので、従来の光ジャイロにおいてロックイン現象が生じる−100deg/sec〜+100deg/secの範囲において光強度ICW,ICCWが回転角速度に対して変化する実験結果は、信頼性のある実験結果である。
【0052】
検出器8は、図4に示す曲線k1〜k4をマップとして保持しており、光検出器6,7からそれぞれ受けた光強度ICW,ICCWに対応する回転角速度を曲線k1〜k4を参照して検出する。
【0053】
この場合、検出器8は、光強度ICW,ICCWのうち、少なくとも1つの光強度に基づいて回転角速度を検出する。検出器8は、光強度ICWに基づいて回転角速度を検出する場合、光検出器7から受けた光強度ICWに対応する回転角速度を曲線k1またはk3を参照して検出する。また、検出器8は、光強度ICCWに基づいて回転角速度を検出する場合、光検出器6から受けた光強度ICCWに対応する回転角速度を曲線k2またはk4を参照して検出する。更に、検出器8は、光強度ICW,ICCWに基づいて回転角速度を検出する場合、光検出器7,6からそれぞれ受けた光強度ICW,ICCWに対応する回転角速度を曲線k1,k2またはk3,k4を参照して検出する。
【0054】
2つの光強度ICW,ICCWに基づいて回転角速度を検出することによって、より正確に回転角速度を検出できる。即ち、一方の光強度に対応する回転角速度と、他方の光強度に対応する回転角速度とが一致することを確認することによって1つの光強度によって回転角速度を検出する場合の誤りを抑制できる。
【0055】
検出器8は、光強度ICW,ICCWに基づいて回転方向を検出する。光強度ICWは、半導体光アンプ1および光ファイバ2が停止状態から時計回りへ回転すると、強くなり、半導体光アンプ1および光ファイバ2が停止状態から反時計回りへ回転すると、弱くなる(曲線k1,k3参照)。また、光強度ICCWは、半導体光アンプ1および光ファイバ2が停止状態から時計回りへ回転すると、弱くなり、半導体光アンプ1および光ファイバ2が停止状態から反時計回りへ回転すると、強くなる(曲線k2,k4参照)。
【0056】
従って、検出器8は、半導体光アンプ1および光ファイバ2の回転の前後における光強度ICW,ICCWの変化割合に基づいて回転方向を検出できる。
【0057】
即ち、光強度ICWに基づいて回転方向を検出する場合、半導体光アンプ1および光ファイバ2の回転の前後における光強度ICWの変化割合が“正”であれば、回転方向は時計回りであり、半導体光アンプ1および光ファイバ2の回転の前後における光強度ICWの変化割合が“負”であれば、回転方向は反時計回りである。
【0058】
また、光強度ICCWに基づいて回転方向を検出する場合、半導体光アンプ1および光ファイバ2の回転の前後における光強度ICCWの変化割合が“正”であれば、回転方向は反時計回りであり、半導体光アンプ1および光ファイバ2の回転の前後における光強度ICCWの変化割合が“負”であれば、回転方向は時計回りである。
【0059】
なお、検出器8は、半導体光アンプ1および光ファイバ2の回転の前後における2つの光強度ICW,ICCWの変化割合に基づいて回転方向を検出してもよい。このように、2つの光強度ICW,ICCWの変化割合に基づいて回転方向を検出することによって、回転角速度を検出する場合と同様に、より正確に回転方向を検出できる。
【0060】
実施の形態1によれば、光ジャイロ10は、光ファイバ2中を時計回りに伝搬するレーザ光CWと、光ファイバ2中を反時計回りに伝搬するレーザ光CCWとが結合する前のレーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWに基づいて回転角速度および/または回転方向を検出するので、0〜±100deg/secの低回転角速度の範囲においても回転角速度を検出できる。その結果、ロックイン現象を生じないジャイロを作製できる。
【0061】
[実施の形態2]
図5は、実施の形態2による光ジャイロの構成を示す概略図である。図5を参照して、光ジャイロ10Aは、図1に示す光ジャイロ10に光ファイバ100〜103,107、結合器104〜106、光検出器108およびスペクトルアナライザ109を追加したものであり、その他は、光ジャイロ10と同じである。
【0062】
光ファイバ100,102は、結合器104によって光ファイバ4に結合される。光ファイバ101,103は、結合器105によって光ファイバ5に結合される。結合器104は、光ファイバ100,102を光ファイバ4を結合させ、結合器105は、光ファイバ101,103を光ファイバ5に結合させる。また、結合器106は、光ファイバ107を光ファイバ100,101に結合させる。なお、結合器104〜106は、図3に示す方法によって3つの光ファイバを結合させる。また、結合器104は、光ファイバ4中を伝搬するレーザ光CCWをおよそ50%:50%の比で光ファイバ100および光ファイバ102に分岐し、結合器105は、光ファイバ5中を伝搬するレーザ光CWをおよそ50%:50%の比で光ファイバ101および光ファイバ103に分岐する。更に、結合器106は、光ファイバ100,101中のレーザ光CCW,CWをおよそ50%:50%で合波して光ファイバ107へ導く。
【0063】
光検出器108は、光ファイバ107中の重ね合わせ光を2乗検波し、レーザ光CWの発振周波数とレーザ光CCWの発振周波数との差に起因して生じるビート信号を生成する。
【0064】
レーザ光CWおよびレーザ光CCWの電界成分をそれぞれECW,ECCWとすると、
CW=aCWcos(2πfCWt+φCW)・・・(1)
CCW=aCCWcos(2πfCCWt+φCCW)・・・(2)
となる。ここで、aCW,aCCWは、それぞれ、レーザ光CW,CCWの振幅であり、fCW,fCCWは、半導体光アンプ1および光ファイバ2が回転しているときのそれぞれレーザ光CW,CCWの発振周波数であり、φCW,φCCWは、それぞれ、レーザ光CW,CCWの位相である。
【0065】
2つのレーザ光CW,CCWを重ね合わせると、検出される光強度Iは、電界成分の2乗に等しくなるので、次のようになる。
【0066】
I=<|ECW+ECCW
=(aCW+aCCW)/2+2aCWCCWcos{2π(fCW−fCCW)t+(φCW−φCCW)}
=(aCW+aCCW)/2+2aCWCCWcos{2πft+Δ}・・・(3)
なお、f=fCW−fCCWであり、Δ=φCW−φCCWである。また、<>は、時間平均を表す。
【0067】
レーザ光CW,CCWを重ね合わせた重ね合わせ光の直流成分は、(aCW+aCCW)/2であり、交流成分は、2aCWCCWcos{2πft+Δ}である。そして、この交流成分がビート信号であり、f=fCW−fCCWがビート信号の周波数である。
【0068】
従って、光検出器108は、レーザ光CW,CCWを重ね合わせた重ね合わせ光の2乗検波を行なうことにより、式(3)に示す光強度Iを生成し、ビート信号(=式(3)の交流成分)を検出してスペクトルアナライザ109へ出力する。
【0069】
スペクトルアナライザ109は、光検出器108によって生成されたビート信号の周波数fを検出し、その検出した周波数fを検出器8へ出力する。
【0070】
光ジャイロ10Aをテーブル20上に載せ、サーボ機構30およびコントローラ40によってテーブル20の回転角速度を変化させてレーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWおよびレーザ光CW,CCWを重ね合わせたときのビート信号の周波数fを検出した実験結果について説明する。
【0071】
光強度ICW,ICCWと回転角速度との関係については、図4に示すとおりである。図6は、ビート信号のパワーと周波数との関係を示す図であり、図7は、ビート信号の周波数およびパワーと回転角速度との関係を示す図である。
【0072】
図6において、横軸は、ビート信号の周波数を表し、縦軸は、ビート信号のパワーを表す。また、図7において、横軸は、回転角速度を表し、縦軸は、ビート信号の周波数およびパワーを表す。
【0073】
図6を参照して、90度/s、180度/s、270度/sおよび360度/sの各回転角速度においてビート信号のピーク値が観測され、回転角速度を90度/s、180度/s、270度/sおよび360度/sと変化させた場合、ビート信号のピーク値が高周波数側へシフトする。
【0074】
従って、光ジャイロ10Aにおいては、レーザ光CW,CCWを重ね合わせたときのビート信号を観測でき、その周波数が回転角速度によって変化することが解った。
【0075】
図7を参照して、直線k5は、周波数と回転角速度との関係を示し、曲線k6は、パワーと回転角速度との関係を示す。ビート信号の周波数は、回転角速度に対して直線的に変化する。より具体的には、ビート信号の周波数は、回転角速度が負である領域においては、回転角速度に対して直線的に低下し、回転角速度が正である領域においては、回転角速度に対して直線的に高くなる(直線k5参照)。そして、直線k5における比例係数(スケールファクター)の絶対値は、4.014(kHz・sec/deg)であり、この比例係数は、理論的に計算された比例係数との誤差が0.62%である。一方、ビート信号のパワーは、回転角速度の変化に対して振動し、その振動幅は、3dBと比較的安定である。
【0076】
従って、ビート信号の周波数を検出することによって回転角速度を検出できる。しかし、直線k5においては、−100deg/sec〜+100deg/secの範囲においてビート信号の周波数が観測されていない。一方、図4に示すように、−100deg/sec〜+100deg/secの範囲においてレーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWを用いて回転角速度を検出できる。
【0077】
そこで、実施の形態2においては、回転角速度が−100deg/sec〜+100deg/secの範囲においては、レーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWを用いて回転角速度を検出し、回転角速度が−100deg/sec以下または+100deg/sec以上の範囲においては、レーザ光CW,CCWを重ね合わせたビート信号の周波数を用いて回転角速度を検出する。
【0078】
従って、検出器8は、光検出器6,7から受けた光強度ICCW,ICWを用いて−100deg/sec〜+100deg/secの範囲の回転角速度を検出し、スペクトルアナライザ109から受けたビート信号の周波数fを用いて−100deg/sec以下または+100deg/sec以上の範囲の回転角速度を検出する。
【0079】
これによって、光ジャイロ10Aにおいて、ロックイン現象が発生しなくなる。
【0080】
回転角速度が−100deg/sec〜+100deg/secの範囲においては、レーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWを用いて回転角速度を検出し、回転角速度が−100deg/sec以下または+100deg/sec以上の範囲においては、レーザ光CW,CCWを重ね合わせたビート信号の周波数を用いて回転角速度を検出することは、−100deg/sec〜+100deg/secの範囲の回転角速度においてロックイン現象が生じる場合、「ビート信号の周波数が検出されない回転角速度の特定領域においては、光強度ICW,ICCWに基づいて回転角速度を検出し、特定領域以外の領域においては、ビート信号の周波数に基づいて回転角速度を検出する」ことに相当する。
【0081】
また、回転角速度が−100deg/sec〜+100deg/secの範囲においては、レーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWを用いて回転角速度を検出し、回転角速度が−100deg/sec以下または+100deg/sec以上の範囲においては、レーザ光CW,CCWを重ね合わせたビート信号の周波数を用いて回転角速度を検出することは、−100deg/sec〜+100deg/secの範囲の回転角速度においてロックイン現象が生じない場合、「光強度ICW,ICCWが回転角速度に対して変化する回転角速度の特定領域においては光強度ICW,ICCWに基づいて回転角速度を検出し、特定領域以外の領域においては、ビート信号の周波数に基づいて回転角速度を検出する」ことに相当する。
【0082】
図4および図7を比較すると明らかなように、光強度ICW,ICCWが回転角速度に対して変化する回転角速度の範囲(−100deg/sec〜100deg/sec)以外において、ビート信号の周波数は、回転角速度に比例するからである。
【0083】
従って、実施の形態2による光ジャイロ10Aは、ロックイン現象が生じる回転角速度の範囲においては、光強度ICW,ICCWの少なくとも一方に基づいて回転角速度を検出し、ロックイン現象が生じない回転角速度の範囲においては、ビート信号の周波数に基づいて回転角速度を検出する光ジャイロ、および光強度ICW,ICCWが回転角速度に対して変化する回転角速度の特定領域においては光強度ICW,ICCWの少なくとも一方に基づいて回転角速度を検出し、特定領域以外の領域においては、ビート信号の周波数に基づいて回転角速度を検出する光ジャイロのいずれであってもよい。
【0084】
また、光ジャイロ10Aにおいては、検出器8は、光強度ICW,ICCWに基づいて回転角速度を検出する領域およびビート信号の周波数に基づいて回転角速度を検出する領域において、実施の形態1において説明したように、半導体光アンプ1および光ファイバ2の回転の前後における光強度ICW,ICCWの変化割合に基づいて回転方向を検出する。
【0085】
その結果、検出器8は、光強度ICW,ICCWに基づいて回転角速度および回転方向を検出し、周波数fに基づいて回転角速度を検出する。
【0086】
実施の形態2によれば、光ジャイロ10Aは、ロックイン現象が生じる回転角速度の範囲では、光強度ICW,ICCWに基づいて回転角速度を検出するので、ロックイン現象が生じる範囲においても回転角速度を検出できる。その結果、ロックイン現象を生じないジャイロを作製できる。
【0087】
図8は、図1に示す光ジャイロ10を用いたジャイロシステムの構成を示す概略図である。図8を参照して、ジャイロシステム200は、光検出器8に代えて無線装置60を用いて光ジャイロ10を構成し、その構成した光ジャイロ10にリモートコントローラ70を追加した構成からなる。
【0088】
無線装置60は、デジタイザ61、コントローラ62およびアンテナ63からなる。また、リモートコントローラ70は、パーソナルコンピュータ71と、アンテナ72とからなる。
【0089】
デジタイザ61は、2チャネルのデジタイザであり、光検出器6,7からの2つの光強度ICCW,ICWを同時に受け、その受けた光強度ICCW,ICWをコントローラ62へ出力する。コントローラ62は、光強度ICCW,ICWに基づいて、上述した方法によって回転角速度および/または回転方向を検出するとともに、その検出した回転角速度および/または回転方向を所定の方式に変調してアンテナ63を介して送信する。
【0090】
アンテナ72は、無線装置60からの電波を受信し、その受信した電波をパーソナルコンピュータ71へ出力する。パーソナルコンピュータ71は、アンテナ72からの電波を復調等して光ジャイロ10において検出された回転角速度および/または回転方向を得る。
【0091】
このように、ジャイロシステム200においては、光ジャイロ10は、検出した回転角速度および/または回転方向を無線信号によって送信する無線装置60と、無線装置60からの電波を受信し、光ジャイロ10で検出された回転角速度および/または回転方向を取得するリモートコントローラ70とを備えるので、光ジャイロ10がテーブル20上で高速に回転しても、光ジャイロ10によって検出された回転角速度および/または回転方向を静止しているリモートコントローラ70において取得できる。
【0092】
なお、ジャイロシステム200においては、光ジャイロ10の代わりに光ジャイロ10Aを用いてもよい。この場合、デジタイザ61は、3チャネルのデジタイザからなり、光検出器6,7からの光強度ICCW,ICWと、スペクトルアナライザ109からの周波数fとを同時に受け、その受けた光強度ICCW,ICWおよび周波数fをコントローラ62へ出力する。また、コントローラ62は、光強度ICCW,ICWおよび周波数fに基づいて、上述した方法によって、回転角速度および/または回転方向を検出し、その検出した回転角速度および/または回転方向を無線信号に変換し、その変換した無線信号をアンテナ63を介して送信する。
【0093】
上述した実施の形態1,2においては、光ファイバを用いた光ジャイロについて説明したが、この発明においては、これに限らず、リングレーザジャイロにおいて、レーザ光CW,CCWの光強度ICW,ICCWに基づいて回転角速度を検出する光ジャイロであってもよい。この場合、リング状に形成された経路中でレーザ光CW,CCWが発振され、その発振されたレーザ光CW,CCWが結合する前の光強度ICW,ICCWが検出され、上述した方法によって回転角速度が検出される。
【0094】
また、光強度ICW,ICCWと、リング形状の経路中におけるレーザ光CW,CCWを重ね合わせてリング形状の経路中から取り出し、その取り出した重ね合わせ光を2乗検波して生成したビート信号の周波数fとに基づいて、上述した方法によって、回転角速度および/または回転方向が検出される。
【0095】
このように、この発明は、光ファイバを用いた光ファイバジャイロに限らず、光ファイバジャイロおよびリングレーザジャイロ等の一般の光ジャイロに適用できる。
【0096】
なお、半導体光アンプ1および光ファイバ2は、「リングレーザ」を構成する。
【0097】
また、コントローラ62およびアンテナ63は、「送信装置」を構成する。
【0098】
更に、リモートコントローラ70は、「受信装置」を構成する。
【0099】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0100】
この発明は、ロックイン現象が生じない光ジャイロに適用される。また、この発明は、ロックイン現象が生じない光ジャイロを備えたジャイロシステムに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】この発明の実施の形態1による光ジャイロの構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す半導体光アンプの平面図である。
【図3】図1に示す結合器の構成を示す概略図である。
【図4】光強度と回転角速度との関係を示す図である。
【図5】実施の形態2による光ジャイロの構成を示す概略図である。
【図6】ビート信号のパワーと周波数との関係を示す図である。
【図7】ビート信号の周波数およびパワーと回転角速度との関係を示す図である。
【図8】図1に示す光ジャイロを用いたジャイロシステムの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0102】
1 半導体光アンプ、1A,1B 端面、2,4,5,100〜103,107 光ファイバ、3,104〜106 結合器、6,7,108 光検出器、8 検出器、10,10A 光ジャイロ、11 活性層、12,13 光閉込層、14,15 反射防止膜、20 テーブル、30 サーボ機構、31,32 ガイド、40,62 コントローラ、21,41,51 コア、60 無線装置、61 デジタイザ、63,72 アンテナ、70 リモートコントローラ、109 スペクトルアナライザ、200 ジャイロシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2のレーザ光を発振するとともに、前記第1のレーザ光を時計回りに回転させ、前記第2のレーザ光を反時計回りに回転させるリングレーザと、
前記リングレーザが所定の平面内で回転しているときの前記第1および第2のレーザ光の少なくとも一方のレーザ光の強度に基づいて前記リングレーザの回転角速度および/または回転方向を検出する検出手段とを備える光ジャイロ。
【請求項2】
前記検出手段は、前記リングレーザの回転の前後における前記光強度の変化割合に基づいて前記回転方向を検出する、請求項1に記載の光ジャイロ。
【請求項3】
前記少なくとも一方のレーザ光の光強度を検出する光強度検出器と、
前記第1および第2のレーザ光を重ね合わせた重ね合わせ光のビート信号の周波数を検出する周波数検出器とをさらに備え、
前記検出手段は、前記光強度および前記周波数に基づいて前記回転角速度および/または前記回転方向を検出する、請求項1に記載の光ジャイロ。
【請求項4】
前記検出手段は、前記光強度が前記回転角速度に対して変化する前記回転角速度の特定領域においては前記光強度に基づいて前記回転角速度を検出し、前記特定領域以外の領域においては前記周波数に基づいて前記回転角速度を検出する、請求項3に記載の光ジャイロ。
【請求項5】
前記検出手段は、前記回転角速度に対して前記周波数が検出されない前記回転角速度の特定領域においては前記光強度に基づいて前記回転角速度を検出し、前記特定領域以外の領域においては前記周波数に基づいて前記回転角速度を検出する、請求項3に記載の光ジャイロ。
【請求項6】
前記リングレーザは、
第1の端面と、前記第1の端面に対向する第2の端面とを有するとともに、前記第1および第2のレーザ光を発振して前記第1および第2の端面からそれぞれ前記第1および第2のレーザ光を出射する半導体レーザと、
前記第1の端面から出射された前記第1のレーザ光を前記時計回りに回転させて前記第2の端面から前記半導体レーザに導くとともに、前記第2の端面から出射された前記第2のレーザ光を前記反時計回りに回転させて前記第1の端面から前記半導体レーザへ導く光ファイバとを含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光ジャイロ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光ジャイロと、
前記検出手段によって検出された前記回転角速度および/または前記回転方向を無線信号に変換して送信する送信装置と、
前記送信装置から送信された無線信号を受信し、その受信した無線信号を復号して前記回転角速度および/または前記回転方向を取得する受信装置とを備えるジャイロシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−57457(P2007−57457A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−245397(P2005−245397)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度独立行政法人情報通信研究機構、研究テーマ「シームレスな位置情報検出を実現する高精度角速度センサチップの研究開発」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】