説明

光ディスク及び光ディスクの製造方法

【課題】 記録マークの短小化及びTPの狭小化が進められている追記型光ディスクにおいて、再生信号に基づく変調度を増大させる手段を提供すること。
【解決手段】 所定の高さ(h)のランド11間に、ランド11を含む断面凹型の円弧形状13の底面を有するグルーブ12が形成された基板1と、基板1上に設けられ、光照射により光情報の記録又は再生が行われる有機色素を含有する記録層と、を備え、断面凹型の円弧形状13の底面の最大深さ(q)が、ランド11の高さ(h)の3%〜20%の範囲である光ディスクは、レーザ光照射時の熱による基板1の変形が大きくなり、再生信号に基づく変調度を大きくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等に関し、より詳しくは、変調度が大きい光ディスク等に関する。
【背景技術】
【0002】
1980年代、レコードプレーヤー(以下、LP)に変わる媒体としてコンパクトディスク(以下、CD)が発売され、その後、急速に普及した。CDは、それまで使用されていた1.44MBの記憶容量を持つフレキシブルディスク(以下、FD)に比べ、640MBという大容量であり、コンピュータ用の頒布媒体としても大きな役割を果たした。
【0003】
次に、CDと互換性のある追記型光ディスクであるCD−Rが開発された。CD−Rは、CD−DAやCD−ROM等が有する、例えば、反射率が70%以上、光情報の未記録部と記録部の反射率の差に対応する信号の変調度が60%以上という特性を、有機色素や金属膜によって解決した媒体である。
【0004】
CD−Rの構成は、樹脂基板上に記録層が設けられ、さらにその上に、反射層、保護層等が形成されている。CD−Rに光情報を記録する際に、基板側から入射するレーザ光により加熱された記録層の一部分が溶解または分解し、このとき、記録層と供に基板も変形する。これにより、光情報が記録された記録部では、光照射に対する屈折率が減少し、光情報が記録されない未記録部の反射率65%以上という仕様に比べて、レーザ反射光が大幅に低下し、大きな変調度が得られる。
【0005】
近年、コンピュータソフトの容量は大きくなり、またAV面でも映像をディスクに記録する要求が高くなり、CDやCD−Rでは容量不足になってきた。そこで、近年CDから、さらに記憶容量の大きなデジタル・バーサタイル・ディスク(以下、DVD)が使用されるようになってきた。DVDにおいても再生専用のDVD−ROMの他に追記型のDVD+R、DVD−R、書き換え可能なDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどが開発された。追記型のDVD−Rは、CD−R同様にほとんどの場合、有機色素が用いられ基本的にはCD−Rと同様の層構造を有している(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2001−110096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、光ディスクの記録密度を向上させるため、記録マークの短小化及びトラックピッチ(以下、TP)の狭小化が進められている。例えば、従来のCD−Rでは、TPは1.5μm〜1.6μmであるのに対し、DVD−Rでは、TPはCD−Rの半分程度の0.74μmになっている。このため、有機色素を含有する記録層を備える光ディスクの場合は、記録マークの短小化及びTPの狭小化により、記録層の中の光照射により変質する部分と、基板における記録層の発熱変化により変形する部分とが、従来に比べて著しく小さくなり、この結果、光情報が記録される部分(記録部)と記録されない部分(未記録部)とで、反射率の差に対応する信号の変調度が従来に比べて大幅に低下するという問題が生じている。
【0008】
更に、次世代光ディスクとして開発されているブルーレイディスク(以下、BDディスク)やHD−DVD用の追記型ディスクの場合は、現行のDVDよりも、さらにTPの狭小化及び記録マークの短小化が進み、信号の変調度は取り難くなる。例えば、青色レーザを使用した光ディスクでは、TPは、320nm〜400nm程度であるから、追記型ディスクの場合も、これと同等の狭TPになることが予測され、記録部と未記録部の変調度を高める技術の開発は重要となる。
【0009】
このように、本発明は、記録マークの短小化及びTPの狭小化が進められている追記型の光ディスクを開発する際の技術的な課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、変調度が大きい光ディスクを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、変調度が大きい光ディスク用基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明者等は鋭意検討の結果、光ディスク用基板の溝の底面を凹状の円弧形状にすることによって表面自由エネルギーを大きくしたところ、溝の底面形状が平坦な場合よりも光照射の発熱による形状変化が大きくなり、その結果、再生時に未記録部と記録部との反射率の差に対応する信号の変調度が大きくなることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明によれば、所定の高さのランド間に、ランドを含む断面凹型の円弧形状の底面を有するグルーブが形成された基板と、基板上に設けられ、光照射により光情報の記録又は再生が行われる記録層と、を少なくとも備え、円弧形状の底面の最大深さが、ランドの高さの3%〜20%の範囲であることを特徴とする光ディスクが提供される。
本発明が適用される光ディスクは、基板上に凹型の円弧形状の底面を有するグルーブが形成されていることにより、レーザ光照射時の熱による基板形状の変形が大きくなり、再生信号に基づく変調度を大きくすることができる。
【0012】
特に、このような凹型の円弧形状の底面を有するグルーブが形成されている基板上に設けられる記録層としては、光照射により光情報の記録又は再生が可能な有機色素を含有する色素含有記録層が好ましく、有機色素の発熱反応により、基板の変形が大きくなる。また、記録層の上には、反射層をさらに設けられることが好ましい。
【0013】
また、円弧形状の底面の表面粗さ(Ra)が1nm以下である平滑な面であることを特徴とすれば、記録再生時におけるノイズが減少するので好ましい。
また、光ディスクのグルーブのトラックピッチが300nm〜450nm程度の狭小化されたものであれば、記録マークの短小化及びTPの狭小化が進められている追記型の光ディスクにおける再生信号の変調度を増大させることができる。
【0014】
一方、本発明が適用される光ディスクは、反応性イオンエッチング処理方法及びラジカルエッチングにより、光ディスク用基板を形成することが好ましい。即ち、本発明は、ランドとグルーブとが設けられた基板を有する光ディスクの製造方法であって、所定の原板の表面に塗布されたフォトレジスト薄膜に情報パターンの潜像を形成する潜像形成ステップと、潜像形成ステップにより形成された潜像に基づく微細な凹凸形状をエッチングマスクとして反応性イオンエッチングを行い、原板に潜像に基づく溝部を転写する転写ステップと、転写ステップにより転写された溝部の底面を、ラジカルエッチングにより断面凹型の円弧形状に形成するラジカルエッチングステップと、を有することを特徴とする光ディスクの製造方法として捉えられる。
反応性イオンエッチング処理に際して使用される気体としては、炭化フッ素ガス、中でも、六フッ化メタンが好ましく、ラジカルエッチング処理に際して使用される気体としては、酸素プラズマが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
かくして、本発明によれば、変調度が大きい光ディスクが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。
図1は、本実施の形態が適用される光ディスクの層構成を説明する図である。
図1に示される光ディスク10は、所定の高さのランド間にグルーブが形成され、例えば、ポリカーボネート等の光透過性材料からなる基板1と、基板1上に積層された有機色素を含有する記録層2と、記録層2上に積層された反射層3及び保護層4とが順番に積層されている。光ディスク10は、基板1側から照射されるレーザ光5により、情報の記録・再生が行われる。
【0017】
(基板)
図2は、本実施の形態が適用される光ディスクの基板を説明する図である。図2に示すように、基板1の表面には、所定の高さ(h)を有するランド11とグルーブ12とが交互に設けられ、所定のトラックピッチでランド/グルーブ構造が構成されている。ランド11間に設けられたグルーブ12の底面は、所定の深さ(q)で下側に凹型の円弧形状13が形成されている。円弧形状13を有する底面の、グルーブ12の両端を基準とした直線に対する最大深さ(q)は、ランド11の高さ(h)の3%〜20%、好ましくは、5%〜15%である。
【0018】
図3は、凹型の円弧形状の底面を説明する図である。図3に示すように、ランド11の高さ(h)は、円弧形状13の深さを含まない仮想的なグルーブ底103より、ランド11の頂上までの高さとする。この仮想的なグルーブ底103は、円弧形状13の形成されない場合の形状である。図3に示すように、実際の基板表面は、多少の凹凸等が存在するため、グルーブ12内部に水平線ABを記入し、水平線ABの両端を結んだ包絡線101が線形である線形部分102をランド11の側壁とし、包絡線101が2次曲線または楕円の一部を表す式で示される曲線部104をグルーブ12の底部の円弧形状13と定義する。したがって、グルーブ12の仮想的なグルーブ底103はAからBまでの直線部となり、凹部はAからBまでの曲線部104になる。
【0019】
円弧形状13の最大深さ(q)が過度に大きいと、変調度が減少する傾向がある。即ち、例えば、記録層2が有機色素を含有する色素含有記録層の場合、基板1の光情報を記録する部位が凹型に変形する。このため、光情報を記録しないときのグルーブ形状が元々大きく窪んでいると、光情報を記録する部位との相対深さが小さくなり、その結果、記録後における凹形状の変調度が減少することになる。また、円弧形状13の最大深さ(q)が過度に小さいと、変調度が増大しない。
【0020】
また、グルーブ12の底部に凹型の円弧形状13が形成されていると、グルーブ12の両端のエッジ部分の角度が大きくなり、射出成型時における剥離が良好となる。このため、従来、離型性不良が原因と考えられるエッジ部に生じる欠陥が減少し、ノイズが低減する。
【0021】
グルーブ12の底面に形成された凹型の円弧形状13は、基板1の全体にわたり形成される。従って、円弧形状13の最大深さ(q)がランド11の高さ(h)の20%を超えると、従来の平坦な形状の底面を有するグルーブに比べて、反射率が減少する。一般に、追記型光ディスクは、ROM(Read Only Memory)型光ディスクと再生互換を求められる事が多いため、反射率が高いROM媒体に比べて、大幅な反射率の減少は好ましくない。
【0022】
ランド11の高さ(h)は、記録再生するレーザ光の波長に基づき計算され、最適な深さが設計されているため、円弧形状13の最大深さ(q)は、ランド11の高さ(h)に比例した深さが最適である。また、トラックピッチ(TP)は、通常、250μm〜500μm、好ましくは、300μm〜450μmである。ランド11の半値幅は、通常、TPの0.4〜0.5、好ましくは、0.425〜0.475である。グルーブ12の半値幅は、通常、TPの0.5〜0.6、好ましくは、0.525〜0.575である。
【0023】
尚、グルーブ12の底面の表面積を大きくする方法として、円弧形状13の表面に細かな周期で凹凸形状を設けることが考えられる。しかし、このような凹凸形状を円弧形状13の表面に設けると、製造工程において、例えば、射出成型における金型と基板1との剥離性が低下し、スループット(単位時間当たりの効率)が低下することにより製造コストが増大する。また、微細な凹凸に起因して反射率の低下し、記録再生時におけるノイズ源にもなる。
【0024】
このため、円弧形状13の表面は滑らかな面である必要があり、具体的には、円弧形状13の表面における基板1の半径方向の面粗さ(Ra)は1nm以下にすることにより、記録再生時におけるノイズが減少するので好ましい。同じ理由から基板1の円周方向の面粗さ(Ra)も1nm以下であることが望ましい。
【0025】
このように、ランド11間に設けられたグルーブ12の底面が、所定の深さ(q)で凹型の円弧形状13となるように形成されることにより、光情報の再生信号に基づく変調度が増大する理由は、次のように考えられる。
即ち、グルーブ12の底部を凹形の円弧形状13とした場合、底面が平坦な場合に比べて、表面積は大きくなる。基板1と記録膜との界面は、最小の面積になることが、最も安定な状態であるので、固体表面が大きくなると平坦な場合に比較して、一般に表面自由エネルギーは高い状態となっている。このため、記録時にレーザ照射により記録膜の溶解や分解が起きると、そのエネルギーにより基板1は安定な形状に変形しようとする。その後、更に熱が加わる事で、レーザ照射された記録部は大きく変形し、急冷されることにより、基板1上に通常よりも深いピットが形成されることになる。その結果、記録部分の反射率が小さくなり、再生時に未記録部と記録部の反射率の差に対応する信号の変調度が大きくなると考えられる。
【0026】
基板1は、記録光及び再生光の波長において光透過性材料であれば、種々の材料を使用することができる。例えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル産メチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、非晶質ポリオレフィン等の高分子材料;ガラス等の無機材料等が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0027】
次に、本実施の形態が適用される光ディスク10の他の層構成について説明する。
(記録層)
記録層2は、基板1上に直接又は他の層を介して形成される。記録層2の膜厚は、特に限定されないが、通常、仮想的なグルーブ底103から測定して、40nm〜120nmである。記録層2の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピナー法、浸漬法等、一般に行われている薄膜形成法が挙げられる。
【0028】
記録層2を形成する有機色素としては、通常、光ディスク分野において使用されている有機色素であれば特に限定されない。例えば、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素等の大環状アザアヌレン系色素;シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等のポリメチン系色素;更に、ピロメテン系色素、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。
【0029】
グルーブ12の底部を凹形の円弧形状13とした場合、グルーブ底部の端部の角度が緩やかになり、グルーブ底部の形状が平坦な場合よりもスピンコートした色素の塗布ムラが減少し、欠陥の発生が抑制される。更に、凹型の円弧形状13には色素が溜まりやすく、記録時における変形が大きくなり、再生時に変調度が大きく取れるようになる。
【0030】
(反射層)
反射層3は、記録層2の上に形成され、反射層3の厚さは、通常、80nm〜300nmである。反射層3を形成する材料としては、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を、単独又は合金にして用いることができる。反射層3を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。
【0031】
(保護層)
保護層4は、反射層3を保護するものであれば、材料は特に限定されない。例えば、有機物質としては、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。また、無機物質としては、SiO、SiN、MgF、SnO等が挙げられる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。
【0032】
保護層4の形成の方法としては、記録層2と同様に、スピンコート法又はキャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法等の方法が用いられる。この中でもスピンコート法が好ましい。保護層4の膜厚は、通常、3μm〜6μmである。
【0033】
(その他)
尚、本実施の形態が適用される光ディスク10には、基板1、記録層2、反射層3及び保護層4に加えて、必要に応じて他の層を設けることができる。
【0034】
(光ディスクの製造方法)
次に、本実施の形態が適用される光ディスク10の製造方法について説明する。
光ディスク10の製造方法は、通常、ガラス板等の基板にフォトレジストを塗布した原板にランド/グルーブの潜像を形成し、現像液に曝してフォトレジストパターンを顕在化させ、続いて、フォトレジストパターンをエッチングマスクとして反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:以下、RIE)処理後、基板表面に残ったフォトレジストを除去し、フォトレジストパターンが転写されたガラス原盤を調製し、このように調製したガラス原盤表面をラジカルエッチング処理の後、ガラス原盤表面に導電膜を形成し、ニッケル電気めっきを行い、ニッケル層をフォトレジストパターンを形成したガラス原盤から剥離することによってマスタースタンパを調製し、このマスタースタンパを用いて、2P法、射出成型法等によりフォトレジストパターンを表面に形成した基板を得、これに記録層、反射層等を設けて光ディスクを作成する。
【0035】
図4は、本実施の形態が適用される光ディスクの光ディスク用基板の製造方法を説明する図である。
先ず、図4(a)に示すようにディスク状のガラス基板41上にシランカップリング剤42をスピンコートし、ポジ型のフォトレジスト43を塗布する(レジスト塗布)。次に、図4(b)に示すように、露光装置を用いてレーザ光でフォトレジスト43にランド/グルーブの潜像を形成する(レーザカッティング)。ガラス基板41は、ガラス(SiO)の他、シリコン(Si)基板でも良いが、後工程のエッチング工程において面荒れを防ぐ為に、母材の純度が少なくとも99.99%以上の材料を使用することが望ましい。また、レーザ光によりフォトレジスト43を露光する際に、ディスクの回転数を一定に制御するため、レーザ光をディスク半径方向に規定の周波数で蛇行させる。次に、図4(c)に示すように、アルカリ現像液を用いる現像処理により、ガラス基板41上にフォトレジストパターン44を顕在化させる(現像)。尚、ネガ型のフォトレジストを用いた場合でも基本的には同様の工程になる。
【0036】
続いて、図4(d)に示すように、フォトレジストパターン44をエッチングマスクとしてRIE処理(例えば、CHFガスを使用。)を行い(反応性イオンエッチング)、図4(e)に示すように、ガラス基板41表面に残ったフォトレジストを苛性ソーダに30分間浸漬処理することにより除去し、フォトレジストパターン44が転写されたガラス原盤45を調製する(レジスト除去)。次に、図4(f)に示すように、フォトレジストパターン44が転写されたガラス原盤45上に、例えば、酸素ガスを用いてラジカルエッチング処理(ラジカルエッチング)を行い、図4(g)に示すように、ガラス原盤45上の溝部の底部を凹型に形成する。続いて、図4(h)に示すように、ガラス原盤45表面にNiをスパッタして導電膜46を形成し(電極形成)、その後、図4(i)に示すように、導電膜46が形成されたガラス原盤45上に、電鋳により、例えば、厚さ300μm程度のめっき膜47を形成し(めっき(電鋳))、その後、めっき膜47を剥離し、洗浄、打ち抜き加工を行いマスタースタンパを作製する。次いで、図4(j)に示すように、マスタースタンパを成型機の金型に取り付け射出成型を行い、厚さ約0.6mm程度のプラスチック製の光ディスク用基板48を作製する。
【0037】
光ディスク用基板48の成型は射出成型が製造コストの面から優れているが、加熱したマスタースタンパを樹脂に押し当て転写するホットスタンピング、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用して転写する方法でも作製可能である。
また、マスタースタンパを形成する方法としては湿式めっき法が適している。マスタースタンパの厚さは約300μm程度であるため、成膜速度の遅い物理蒸着法に比べて膜堆積速度の大きい湿式めっき法、特に電解めっき法がプロセス面で最適である。
尚、光ディスクは、このように作成した光ディスク用基板48上に、記録層、反射層及び保護層の順番で各層を積層し調製する。また、記録層の前後に、熱緩衝層や光干渉層として、SiO又は金属とSiOとを混合した膜を形成しても良い。
【0038】
図5は、反応性イオンエッチング処理及びラジカルエッチング処理を説明する図である。図5(a)は、反応性イオンエッチング処理を説明する図であり、図5(b)〜図5(d)は、ラジカルエッチング処理を説明する図である。
図5(a)に示すように、RIE処理では、電荷をもつ粒子であるイオンにより、陰極であるガラス基板41及びフォトレジストパターン44に対して垂直方向に選択的にエッチングが進む。この現象は以下の2つのスパッタリングに起因している。即ち、1つには、イオンの持つ運動量が陰極の原子に与えられ、陰極の原子の結合が切断されて気相中に飛び出す物理的スパッタリングであり、2つには、陰極表面に入射してきた反応性イオンと陰極の原子とが入射エネルギーにより化学反応し、反応生成物が気相中に脱離する化学的スパッタリングである。
【0039】
図5(b)に示すラジカルエッチングにおいては、電気的に中性な原子または分子(ラジカル)により、陰極であるガラス原盤45のエッチングが支配的になる。ラジカルは、励起されているが電気的には中性である中性活性種であり、イオンが介在せずに拡散によりガラス原盤45に到達するため、ラジカルの運動方向はガラス原盤45に対してランダムである。したがって、RIE処理とは異なり、ウエットエッチングのような等方性エッチングとなる。このとき、ラジカルはグルーブ及びランドに対して確率的には均等な割合で到達するが、グルーブ底部はランド表面に対して窪んでいるため、その形状によりグルーブ内におけるラジカルの到達分布が異なってしまう。
【0040】
図5(c)は、ラジカル分布を説明する図である。図5(c)に示すラジカル分布曲線によれば、片側にランドがあるグルーブの両端は、ラジカルの到達が極端に少なく、このため、グルーブ中央部と比較してエッチングレートが遅くなる。一方、グルーブ中央部はグルーブ内で最もラジカルが到達しやすい条件にあるためにエッチングが進み、その結果、グルーブ底部が凹型の溝形状になる。
【0041】
尚、本実施の形態においては、図4に示した光ディスク用基板の製造方法に示すように、RIE処理による異方性エッチング(図4(d)反応性イオンエッチング)に続き、ラジカルエッチングである等方性エッチング(図4(f)ラジカルエッチング)にドライプロセスを用いているが、等方性エッチングとしてウエットプロセスを用いても同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、本実施の形態においては、図4の光ディスク用基板の製造方法に示すように、反応性イオンエッチングとラジカルエッチングとの2段階処理によるエッチングを行っているが、最初から、ラジカルあるいはウエットプロセスによる等方性エッチングによりこの様な形状を作成することもできる。尤も、等方性エッチングの場合は、横へ広がりながらエッチングが進行するので、図5(d)に示すように、ガラス基板のエッチング部が、必要以上に広がるおそれがある。このため、形状の制御が難しい傾向があるので、図4の光ディスク用基板の製造方法に示すように、2段階処理によるエッチングを行ってグルーブ底部の形状を調製する方法がより好ましい。
【0043】
次に、図6は、本実施の形態が適用される光ディスクの光ディスク用基板の他の製造方法を説明する図である。図6には、2段マスク法により、光ディスク用基板を製造する方法が示されている。2段マスク法によれば、ランド形状の変形を抑制することができる。
まず、図6(a)に示すように、ガラス基板61上に金属膜62を形成し、金属膜62上にフォトレジスト63を塗布する(レジスト塗布)。金属膜62を形成する金属としては、例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、タングステン、モリブデン、チタン、白金等が挙げられる。なかでも、アルミニウムが好ましい。金属膜62の形成方法としては、例えば、無電解めっき法、CVD法、スパッタリング法等が挙げられる。
【0044】
次に、図6(b)に示すように、露光装置を用いてレーザ光をレンズを通してフォトレジスト63に照射し、フォトレジスト63にランド/グルーブの潜像を形成する(レーザカッティング)。続いて、図6(c)に示すように、アルカリ現像液を用いる現像処理により、ガラス基板61上にフォトレジストパターン64を顕在化させる(現像)。尚、ネガ型のフォトレジストを用いた場合でも基本的には同様の工程になる。次に、図6(d)に示すように、フォトレジストパターン64をエッチングマスクとして塩素系のガスによりエッチングする(エッチング)。続いて、図6(e)に示すように、エッチングマスクとして使用したフォトレジスト層を苛性ソーダで除去し、ガラス基板61上に金属マスク66を形成する(レジスト除去)。
【0045】
次に、図6(f)に示すように、金属マスク66をエッチングマスクとしてRIE処理(例えば、CHFガスを使用。)を行い(ドライエッチング)、続いて、図6(g)に示すように、酸素ガスを用いて等方性エッチング処理を行い(ラジカルエッチング)、図6(h)に示すように、溝部の底部が凹型に形成されたガラス原盤65を得る。エッチングマスクに用いた金属膜62は、例えば硝酸または塩酸等、金属のみを溶解しガラス基板61の形状を変形させない溶液に浸漬することによれば除去可能である。尚、金属マスク66上にフォトレジストが付着したままの状態で酸素ガスを用いて等方性エッチング処理を行うと、フォトレジストのエッチングレートが極端に早くなり、ガラス基板61面に痕が残るおそれがある。このため、異方性エッチングと等方性エッチングとを同じエッチングマスクを用いる場合は、本実施の形態のように、酸素エッチングに対して十分な耐久性がある金属マスク66が好適である。
【0046】
続いて、図6(i)に示すように、ガラス原盤65表面にNiをスパッタして導電膜を形成し、その後、導電膜が形成されたガラス原盤65上に、電鋳により、例えば、厚さ300μm程度のめっき膜67を形成し(めっき(電鋳))、その後、めっき膜67を剥離し、洗浄、打ち抜き加工を行いマスタースタンパを作製する。次いで、図6(j)に示すように、マスタースタンパを成型機の金型に取り付け射出成型を行い(射出成型)、プラスチック製の光ディスク用基板68を作製する。
【0047】
このように、本実施の形態が適用される光ディスク10は、凹型の円弧形状の底面を有するグルーブを形成することにより、レーザ光照射時の熱による基板形状の変形が大きくなり、追記型ディスクにおける変調度を大きくすることができる。
また、本実施の形態によれば、グルーブ底面の形状を変更するだけで、現状のディスク製造工程や記録層の種類を変更することなく、DVD−Rのような狭TP、短マークの追記型ディスクにおける記録後の変調度を増大し、更に、次世代光ディスクにおける同様の問題も解決する事ができる。
また、基板の表面形状のみを変更するため、記録層に有機色素膜を用いた光ディスク及び金属膜を使用した追記型記録媒体の両者に適用可能である。
【実施例】
【0048】
以下、実施例に基づき本実施の形態をより詳細に説明する。尚、本実施の形態は実施例に限定されない。
(光ディスクの調製)
表1に示す条件でRIE処理を行って調製したマスタースタンパを用いて、射出成型により、表1に示すように、所定のランド深さ(h)及び凹型の円弧形状のグルーブ底面の最大深さ(q)に形成されたランド/グルーブ構造を有する光ディスク用基板を形成した。光ディスク用基板の厚さは約0.6mm、トラックピッチ、グルーブ半値幅、ランド半値幅は表1に示すとおりである。この光ディスク用基板上に、アゾ系の有機色素をスピンコートし、厚さ60nmの記録層を形成し、その上に、スパッタリング法により厚さ150nmのAgの反射層を形成し、さらに、反射層の上に紫外線硬化樹脂にて厚さ3μmの保護層を設けた。このように調製した2枚のディスクを、保護層が対向するように接着剤により張り合わせ、厚さ約1.2mmの光ディスクを調製した。
【0049】
また、反応性イオンエッチング処理及びラジカルエッチング処理を行わずに、グルーブの底面が円弧形状である光ディスク用基板を形成し、この光ディスク用基板上に、記録層、反射層、保護層を設けた後、同様に光ディスクを作成した。
図7は、反応性イオンエッチング処理及びラジカルエッチング処理を行わずにグルーブの底面が円弧形状である光ディスク用基板を製造する方法を説明する図である。図7には、フォトレジストを低エネルギーの光ビームで露光した後、現像過程においてガラス原盤面まで溝が到達する前に現像を中止することにより、溝部の底面形状を円弧状に形成する光ディスク用基板の製造方法が示されている。
【0050】
図7(a)に示すように、表面を平坦に研磨したガラス基板71上にシランカップリング剤72を介してフォトレジスト73を塗布し(レジスト塗布)、次に、図7(b)に示すように、露光装置を用いて低エネルギーのレーザ光をレンズを通してフォトレジスト73に照射し、パターンを露光した(レーザカッティング)。フォトレジスト73の厚さは、例えば、200nmであり、現像後にランドの高さが100nmになるように現像状態をモニターしながら作製した。露光は、光ディスク用基板を成型後にディスクの回転数を一定に制御するため、レーザ光をディスク半径方向に規定の周波数で蛇行させた。次に、図7(c)に示すように、パターンを露光したフォトレジスト73をアルカリ現像液で現像し、ガラス基板71上にフォトレジストパターン74を作製した(現像)。フォトレジスト73の現像は、ガラス基板71の表面が露出する前に途中で止めている。現像処理後のフォトレジストパターン74の溝の底部はU字型に形成され、レジスト面が露出している。続いて、図7(d)に示すように、フォトレジストパターン74の表面にNiを用いてスパッタリング法により導電膜76を形成しガラス原盤75を得た(電極作製)。次に、図7(e)に示すように、導電膜76上にめっきを行い、めっき膜77を形成した(電鋳)。その後、図7(f)に示すように、めっき膜77を剥離してマスタースタンパを作製した(マスタースタンパ剥離)。続いて、図7(g)に示すように、マスタースタンパを成型機の金型に取り付け、射出成型により、グルーブ底が凹型の光ディスク用基板78を作成した。
【0051】
また、比較のため、底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板を形成し、記録層、反射層、保護層を設けた後、同様に光ディスクを作成した。
図8は、底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板の製造方法を説明する図である。図8(a)に示すように表面を平坦に研磨したガラス基板上にレジストを塗布した原板を調製し(レジスト塗布)、図8(b)に示すように、露光装置を用いてレーザ光でパターンを露光した(レーザカッティング)。レジストの厚さは102nmとし、現像後にランドの高さが100nmになるよう設計した。露光は、基板成型後にディスクの回転数を一定に制御するため、レーザ光をディスク半径方向に規定の周波数で蛇行させた。
【0052】
次に、図8(c)に示すように、この原板をアルカリ現像液で現像し、ガラス基板上にパターン形状が形成されたガラス原盤を作製した(現像)。このガラス原盤のグルーブの底面は、研磨されたガラス面が露出するため、非常に平坦で平滑な面である。次に、図8(d)に示すように、スパッタリング法によりNi導電膜形成後(電極作成)、図8(e)に示すように、めっきを行い(めっき(電鋳))、その後、図8(f)に示すように、電鋳部分を剥離し、マスタースタンパを作製した(マスタースタンパ剥離)。続いて、図8(g)に示すように、このマスタースタンパを成型機の金型に取り付け、射出成型によりグルーブ底が平坦な光ディスク用基板を作成した(射出成型)。
【0053】
(実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例3)
表1に示す所定のランド高さ(h)及び凹型の円弧形状のグルーブ底面の深さ(q)に形成されたランド/グルーブ構造を有する光ディスクを、線速6.6m/secで回転させ、開口数0.65の対物レンズで集光した波長405nmのレーザ光で記録再生を行い、記録パワー11mW、再生パワー0.3mWの条件で、短マークである3T(0.306μm)の孤立ピット及び3Tスペースを連続して記録し再生した。また、同様に、長マークである8T(0.816μm)の孤立ピット及び8Tのスペースを連続して記録し再生した。3T及び8Tの変調度、ジッターは、それぞれ10回の測定値を平均したものである。また、光情報が記録されていない部分の未記録部反射率(単位:%)を測定した。さらに、グルーブ底部の表面粗さ(Ra)を、光ディスクの円周方向及び半径方向について測定した。尚、実施例6は、反応性イオンエッチング処理及びラジカルエッチング処理を行わずに形成した、グルーブの底面が円弧形状である光ディスク用基板を用いて調製した光ディスクを使用した。また、比較例3は、グルーブ底が平坦な光ディスク用基板を用いて調製した光ディスクを使用した。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
表1に示す結果から、底面が凹型の円弧形状であるグルーブを有する光ディスク用基板上に記録層を設けた光ディスクは、円弧形状の底面の最大深さ(q)がランドの高さ(h)の3%〜20%の場合(実施例1〜実施例6)、底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板上に記録層を設けた光ディスク(比較例3)と比べ、記録時におけるレーザ光の照射により、光ディスク用基板が記録層と供に大きく変形し、その結果、光情報の記録部と未記録部との反射率に起因する変調度が増大し、また、ジッターが減少することが分かる。
尚、グルーブ底面が平滑で表面粗さ(Ra)が小さいほど、特に、Raが1以下である場合(実施例1〜実施例5)、ジッターがさらに減少する傾向があることが分かる。これは、ノイズ源として考えられるディスクの溝底の微小な凹凸に起因する反射率変動が低減し、その結果、信号の時間軸方向の揺らぎであるジッターが良好となると考えられる。
これに対して、円弧形状の底面の最大深さ(q)がランドの高さ(h)の20%を超える場合(比較例1〜比較例2)は、光情報の記録部と未記録部との反射率に起因する変調度が、底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板上に記録層を設けた光ディスク(比較例3)より更に減少することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施の形態が適用される光ディスクの層構成を説明する図である。
【図2】本実施の形態が適用される光ディスクの基板を説明する図である。
【図3】凹型の円弧形状の底面を説明する図である。
【図4】本実施の形態が適用される光ディスクの光ディスク用基板の製造方法を説明する図である。
【図5】反応性イオンエッチング処理及びラジカルエッチング処理を説明する図である。
【図6】本実施の形態が適用される光ディスクの光ディスク用基板の他の製造方法を説明する図である。
【図7】反応性イオンエッチング処理及びラジカルエッチング処理を行わずにグルーブの底面が円弧形状である光ディスク用基板を製造する方法を説明する図である。
【図8】底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0057】
1…基板、2…記録層、3…反射層、4…保護層、6…レーザ光、10…光ディスク、11…ランド、12…グルーブ、13…円弧形状、41,61,71…ガラス基板、42,72…シランカップリング剤、43,63,73…フォトレジスト、44,64,74…フォトレジストパターン、45,65,75…ガラス原盤、46,76…導電膜、47,67,77…めっき膜、48,68,78…光ディスク用基板、56…金属マスク、101…包絡線、102…線形部分、103…仮想的なグルーブ底、104…曲線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の高さのランド間に、ランドを含む断面凹型の円弧形状の底面を有するグルーブが形成された基板と、
前記基板上に設けられ、光照射により光情報の記録又は再生が行われる記録層と、を少なくとも備え、
前記円弧形状の底面の最大深さが、前記ランドの高さの3%〜20%の範囲であることを特徴とする光ディスク。
【請求項2】
前記記録層が、光照射により光情報の記録又は再生が可能な有機色素を含有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項3】
前記記録層上に設けられた反射層をさらに有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項4】
前記円弧形状の底面の表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項5】
前記グルーブのトラックピッチが300nm〜450nmであることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項6】
ランドとグルーブとが設けられた基板を有する光ディスクの製造方法であって、
所定の原板の表面に塗布されたフォトレジスト薄膜に情報パターンの潜像を形成する潜像形成ステップと、
潜像形成ステップにより形成された前記潜像に基づく微細な凹凸形状をエッチングマスクとして反応性イオンエッチングを行い、前記原板に当該潜像に基づく溝部を転写する転写ステップと、
転写ステップにより転写された前記溝部の底面を、ラジカルエッチングにより断面凹型の円弧形状に形成するラジカルエッチングステップと、
を有することを特徴とする光ディスクの製造方法。
【請求項7】
前記反応性イオンエッチングは、炭化フッ素ガスを用い、前記ラジカルエッチングは、酸素プラズマを用いることを特徴とする請求項6記載の光ディスクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−48848(P2006−48848A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229704(P2004−229704)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】