説明

光ディスク装置

【課題】 サポートする複数の記録再生倍速のうちの選択された倍速において、適切なフォーカス外れ検出を行って、対物レンズと光ディスクの衝突を回避することのできる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】 光ディスク装置1は、レーザー光を出射するレーザーユニット10と、対物レンズ13と、対物レンズ13を移動させるフォーカスアクチュエータ17およびフォーカス制御部21と、対物レンズ13が光ディスクODの面から離れる方向に移動するようにフォーカスアクチュエータ17の動作を制御する回避パルス出力部23と、AS信号の振幅が所定の検出レベル以下となる時間が、光ディスクODの倍速の違いに応じて決定される検出時間以上継続した場合にフォーカス外れの発生を検出するフォーカス外れ検出部29とを備え、フォーカス外れを検出したときに回避パルス出力部23によってフォーカスアクチュエータ17を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円盤状の情報担体(以下、「光ディスク」と称する。)に記録されたデータの記録および再生を行う光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量のデータが記録されている媒体としてCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、そしてBD(Blu−ray Disc)とする光ディスクが知られており、現在広く普及している。
【0003】
映像フォーマットや音声フォーマットの多様化に伴い、光ディスクには様々な形式のデータが記録されている。映像・音声データの再生に必要な転送速度は、記録されているデータにより異なる。映像・音声データをディスプレイやスピーカー等へ出力するホスト装置は、接続されている光ディスク装置に装填されている光ディスクからどのようなデータが記録されているか確認し、必要とする転送速度になるように光ディスク装置の倍速を変更する。
【0004】
光ディスクの記録密度は、レーザ光のスポット径の大きさにより決定される。スポット径が小さいほど、高密度化された光ディスクを実現できる。レーザ光のスポット径は、レーザの波長に比例し、対物レンズの開口数に反比例する関係にある。したがって、スポット径を小さくするためには、レーザの波長を短くするとともに、開口数を大きくする必要がある。
【0005】
しかしながら、対物レンズの開口数を大きくするとそれだけ焦点距離が短くなる。焦点距離が短くなると、ディスクへの記録またはディスクの再生時に、光ディスク表面と対物レンズまでの距離(ワーキングディスタンス:以下「WD」と称する)が狭くなる。光ピックアップはフォーカスサーボ制御がなされているため、通常は、対物レンズが光ディスク表面に接触することはない。しかし、外部からの振動やディスク表面上の傷や汚れにより、サーボが外れた場合には、対物レンズの位置制御が不能となり、対物レンズが光ディスク表面に衝突してディスクを傷つけるおそれがある。
【0006】
かかる状況を回避するため、例えば、特許文献1に記載された光ディスク装置では、信号再生手段により得られる信号振幅と所定の検出レベルとを比較することによって、フォーカス制御が外れたこと(以下、「フォーカス外れ」と称する)を検出する。すなわち、信号振幅が所定の検出レベルより低い場合には、フォーカス外れであると判定する。そして、フォーカス外れが検出されると、光ディスク装置は回避パルスを発生させて、対物レンズをディスク面から強制的に遠ざける。
【0007】
特許文献1に記載された光ディスク装置は、種類の異なるディスクに対応して適切にフォーカス外れを検出することができる。具体的には、BDの場合には、信号振幅が再生状態に対して35%低下したときにフォーカス外れを検出し、DVDの場合には55%低下したときにフォーカス外れを検出する。このように、特許文献1に記載の光ディスク装置は、フォーカス外れ検出のための閾値をディスクの種類に応じて変える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−210489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
反射光量の信号振幅を用いてフォーカス外れの検出を行う場合、光ディスク表面上に傷や汚れがあると、フォーカス外れを誤検出するおそれがある。傷や汚れの部分を通過する際には反射光量が低下することがあるので、実際にはフォーカス外れが起こっていないにも拘わらず、フォーカス外れを誤って検出してしまう。このような誤検出を防ぐために、カウンタを設けて、所定の検出時間以上継続して検出レベルを下回った場合にフォーカス外れを判断するという手法も知られている。
【0010】
この検出時間は、対物レンズとディスク表面との衝突を回避するために、WD及び位置が制御不能の状態で想定されうる最悪条件での対物レンズの挙動や光ディスクの面振れ成分等を考慮して設定される。対物レンズと光ディスクの衝突を避けるためには、検出時間を極力短くすることが望ましいが、低倍速での記録再生の場合、検出時間が短いと、傷や汚れによりフォーカス外れを誤検出する可能性がある。一方、高倍速での記録再生の場合、光ディスクが面振れした際の対物レンズの単位時間当たりの変位が大きくなる。従って、検出時間が長いとフォーカス外れの検出が遅れ、対物レンズと光ディスクが衝突する危険性が高くなる。
【0011】
本発明は、上記背景に鑑み、サポートする複数の記録再生倍速のうちの選択された倍速において、適切なフォーカス外れ検出を行って、対物レンズと光ディスクの衝突を回避することのできる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の光ディスク装置は、複数の倍速での記録再生が可能な光ディスク装置であって、前記光ディスク装置に装填された光ディスクの記録層にレーザー光を出射する光源と、前記レーザー光を集束する対物レンズと、前記対物レンズを前記光ディスクのディスク面に対して垂直方向に移動させるフォーカスアクチュエータと、前記記録層からの反射光に基づいて電気信号を生成する電気信号生成部と、前記電気信号に基づいて前記フォーカスアクチュエータの動作を制御するフォーカス制御部と、前記対物レンズが前記光ディスクのディスク面から離れる方向に移動するように前記フォーカスアクチュエータの動作を制御する回避パルス出力部と、前記電気信号の振幅と所定の検出レベルとを比較し、前記電気信号の振幅が所定の検出レベル以下となる時間が、光ディスクの倍速に応じて決定される検出時間以上継続した場合にフォーカス外れの発生を検出するフォーカス外れ検出部と、前記フォーカス外れ検出部の検出結果に応じて前記フォーカス制御部による前記フォーカスアクチュエータの動作制御と前記回避パルス出力部による前記フォーカスアクチュエータの動作制御とを切り換える切換部とを備える。前記電気信号として、AS信号またはRF信号を用いてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光ディスクの倍速の違いに応じて決定される検出時間を用いて、フォーカス外れを検出するので、倍速に応じて適切にフォーカス外れを検出することができる。すなわち、光ディスク装置がサポートする何れの倍速においても、ディスク表面上の傷や汚れによるフォーカス外れの誤検出を回避しつつ、衝撃などでフォーカス制御が外れた場合でも、速やかに回避信号を生成して衝突を回避する機能を実現することができ、信頼性の高い光ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態の光ディスク装置の構成を示す図
【図2】第1の実施の形態にかかる光ディスク装置とホスト装置及び映像・音声出力装置との接続構成を示すブロック図
【図3】AS信号生成部の回路構成の例を示す図
【図4】FE信号生成部の回路構成の例を示す図
【図5】TE信号生成部の回路構成の例を示す図
【図6】フォーカス外れを検出したときの動作を示す図
【図7】(a)低倍速の場合において、光ディスクに傷や汚れがある場合のAS信号の出力を示す図、(b)高倍速の場合において、光ディスクに傷や汚れがある場合のAS信号の出力を示す図
【図8】(a)低倍速の場合に、面振れが起きたときのWDを示す図、(b)高倍速の場合に、面振れが起きたときのWDを示す図
【図9】第2の実施の形態の光ディスク装置の構成を示す図
【図10】第3の実施の形態の光ディスク装置の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る光ディスク装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る光ディスク装置1の構成を示すブロック図、図2は、第1の実施の形態にかかる光ディスク装置1とホスト装置40及び映像・音声出力装置44との接続構成を示すブロック図である。光ディスク装置1は、複数の倍速にて、光ディスクODの記録・再生を行うことができる。図2において、光ディスク装置1は、装填された光ディスクODに対して所定の起動倍速により起動処理を行う。光ディスク装置1は、起動処理が完了すると、起動処理完了通知をホスト装置40に送信する。ホスト装置40は、光ディスク装置1から光ディスクODに記録されているデータを取得し、映像・音声再生に必要となる読取り倍速を光ディスク装置1に設定する。光ディスク装置1は、設定された倍速の特性に合わせた、フォーカス制御、トラッキング制御等の設定を行う。
【0016】
ホスト装置40は、光ディスク装置1に装填された光ディスクODより、逐次必要なデータを外部インターフェース(例えばAPAPI)41を介して読取り、内部のデコーダー42によって映像・音声データに変換する。ホスト装置40は、変換後の映像・音声データを、外部インターフェイス(例えばHDMI)43から、映像・音声出力装置(例えば液晶TV)44に送信する。
【0017】
次に、図1を参照して光ディスク装置1について説明する。光ディスク装置1は、光ピックアップのための構成として、レーザーユニット10と、コリメータレンズ11と、ビームスプリッタ12と、対物レンズ13と、レンズホルダー14と、ホログラム素子15と、受光素子16とを有している。レーザーユニット10から出射された光ビームがコリメータレンズ11を通過してビームスプリッタ12に入射され、ビームスプリッタ12によって光路を変更されて対物レンズ13に入射する。対物レンズ13は、入射された光ビームを、光ディスクODの記録層に焦点を生ずるように集光する。
【0018】
光ディスクODの記録層で回折・反射した反射光は、再び対物レンズ13を通り、平行光となる。平行光となった反射光は、ビームスプリッタ12を通過する。ビームスプリッタ12を通過した反射光は、ホログラム素子15によって照射面積が所定の大きさになるよう絞られて、受光素子16に届く。受光素子16は、入射領域がA,B,C,Dの4つの領域に分割された4分割ディテクタである。受光素子16は、入射した光をA,B,C,Dそれぞれの領域で照射光量に応じた電気信号に変換する。
【0019】
光ディスク装置1は、対物レンズ13およびレンズホルダー14を光ディスクODの記録層と垂直の方向に駆動させるフォーカスアクチュエータ17と、平行な方向に駆動させるトラッキングアクチュエータ18と、フォーカスアクチュエータ17およびトラッキングアクチュエータ18を光ディスクODの面振れや偏心に追従するように制御するフォーカス制御部21およびトラッキング制御部22とを有している。フォーカス制御部21は、駆動回路19に対してフォーカス制御信号を送信することによりフォーカスアクチュエータ17を制御する。トラッキング制御部22は、駆動回路20に対してトラッキング制御信号を送信することによりトラッキングアクチュエータ18を制御する。
【0020】
また、光ディスク装置1は、対物レンズ13およびレンズホルダー14を光ディスクODから遠ざけるようにフォーカスアクチュエータ17を制御する回避パルス出力部23を有している。回避パルス出力部23とフォーカス制御部21は、切換部24を介してフォーカスアクチュエータ17と接続されている。切換部24が回避パルス出力部23とフォーカス制御部21を切り換えることにより、面振れに追従する通常のフォーカスアクチュエータ17の制御と、対物レンズ13およびレンズホルダー14を光ディスクODから遠ざける衝突回避の制御とを切り換えることができる。
【0021】
光ディスク装置1は、受光素子16にて変換された電気信号に基づいて、オールサム(AS)信号を生成するAS信号生成部25と、フォーカスエラー(FE)信号を生成するFE信号生成部26と、トラッキングエラー(TE)信号を生成するTE信号生成部27と、データ信号である高周波(RF)信号を生成するRF信号生成部28を有している。図3〜図5は、それぞれ、AS信号生成部25、FE信号生成部26、TE信号生成部27の回路構成の例を示す図である。
【0022】
AS信号生成部25は、生成したAS信号をフォーカス外れ検出部29に入力する。フォーカス外れ検出部29は、入力されたAS信号に基づいてフォーカス外れ検出を行い、フォーカス外れを検出した場合には、切換部24にフォーカス外れの検出信号を入力する。これを受けて、切換部24は、フォーカスアクチュエータ17の制御を、フォーカス制御部21から回避パルス出力部23に切り換える。
【0023】
FE信号生成部26は、生成したFE信号をフォーカス制御部21に入力する。フォーカス制御部21は、入力されたFE信号に基づいて、光ビームが光ディスクODの記録層で合焦する状態になるようフォーカスアクチュエータ17を制御する。TE信号生成部27は、生成したTE信号をトラッキング制御部22に入力する。トラッキング制御部22は、入力されたTE信号に基づいて、光ビームがトラックを正しく走査するようにトラッキングアクチュエータ18を制御する。
【0024】
光ディスク装置1は、RF信号生成部28にて生成されたRF信号を再生処理するための構成として、波形等価器32と、2値化部33と、PLL部34と、復調部35と、エラー訂正部36と、I/F部37とを有している。RF信号生成部28にて生成されたRF信号を波形等価器32にてイコライジングし、波形整形する。整形された電気信号は2値化部33にて、2値化信号に変換する。2値化信号がPLL部34に入力されることでリードクロックと同期することでデータ抽出され、復調部35、エラー訂正部36を経由して、デジタルデータとして読み出される。読み出されたデジタルデータはI/F部37を介してホスト装置40へ転送される。また、I/F部37は、ホスト装置40からの要求を受信する機能も有する。I/F部37は、ホスト装置40から受けた要求を、システムマイコン38に送信し、システムマイコン38は要求に応じて光ディスク装置1の全体を制御する。
【0025】
次に、フォーカス外れ検出部29の構成について説明する。フォーカス外れ検出部29は、外れ検出レベル比較部30と、外れ検出カウンター部31とを有している。外れ検出レベル比較部30は、AS信号生成部25から入力されたAS信号と所定の検出レベルとを比較し、その比較結果を外れ検出カウンター部31に入力する機能を有する。外れ検出カウンター部31は、外れ検出レベル比較部30から入力された比較結果の情報に基づいて、AS信号が所定の検出レベル以下となる状態が、所定の検出時間以上継続したか否かを判断する。
【0026】
ここで、所定の検出時間は、光ディスクODの倍速の違いに応じて決定される時間である。システムマイコン38が、光ディスクODの倍速の情報に基づいて、所定の検出時間を決定し、外れ検出カウンター部31に入力する。検出時間は、倍速が低倍速の場合には、高倍速の場合よりも長くなるように設定する。同じ大きさの傷や汚れであっても、その部分を読む(読取用の光ビームが通過する)のに要する時間は、低倍速の場合の方が長時間かかるためである。なお、システムマイコン38が、光ディスクODの倍速の情報を外れ検出カウンター部31に入力し、外れ検出カウンター部31にて、所定の検出時間を決定してもよい。
【0027】
次に、上記のように構成された光ディスク装置1の動作について説明する。光ディスク装置1は、光ディスクODの記録層からの反射光に基づいてRF信号を生成して光ディスクODを再生すると共に、FE信号、TE信号を生成し、FE信号およびTE信号に基づいてフォーカスエラー制御およびトラッキングエラー制御を行う。また、光ディスク装置1は、システムマイコン38により光ディスクODの再生倍速の情報に基づいてフォーカス外れを検出するための検出時間を決定し、その検出時間のデータをフォーカス外れ検出部29に入力する。フォーカス外れ検出部29は、反射光に基づいてAS信号を生成し、AS信号に基づいてフォーカス外れの検出処理を行い、フォーカス外れを検出した際には、フォーカスアクチュエータ17の制御を、フォーカス制御部21から回避パルス出力部23に切り換えることにより、衝突回避の制御を行う。
【0028】
図6は、フォーカス外れを検出したときの動作を示す図である。図6の上段は光ディスクODの記録面に対する対物レンズ13の位置を示し、図6の中段はAS信号の出力を示し、図6の下段はフォーカスアクチュエータ17に対するフォーカス制御信号を示す。図6に示す例では、時刻t1にAS信号が低下し始め、時刻t2に所定の検出レベル以下となり、AS信号が所定の検出レベル以下の状態が時刻t3まで継続している。この例では、時間(t3−t2)が、システムマイコン38から与えられた所定の検出時間であり、時刻t3になると、フォーカス外れ検出部29は、フォーカス外れを検出する。
【0029】
フォーカス外れ検出部29がフォーカス外れを検出すると、フォーカスアクチュエータ17に対する制御は、フォーカス制御部21から回避パルス出力部23に切り替わる。回避パルス出力部23は、図6の下段に示すように、フォーカスアクチュエータ17に対するフォーカス制御信号として回避パルスを送信する。回避パルスは、時刻t3から時刻t4までの間、送信される。これにより、図6の上段に示すように、対物レンズ13がディスク表面から遠ざかり、対物レンズ13と光ディスクODとの衝突を回避することができる。
【0030】
本実施の形態の光ディスク装置1は、システムマイコン38が、光ディスクODの再生・記録倍速に応じて、フォーカス外れ検出に用いる検出時間を決定し、決定された検出時間を用いてフォーカス外れを検出するので、光ディスク装置1がサポートする何れの倍速においても、適切に衝突を回避することができる。
【0031】
図7(a)及び図7(b)は、光ディスクODに傷や汚れがある場合のAS信号の出力を示す図である。図7(a)は倍速が低倍速の場合、図7(b)は倍速が高倍速の場合を示す。図7(a)及び図7(b)を比較すると分かるように、同じ大きさの傷や汚れによりAS信号の低下が継続する時間は、低倍速と高倍速の場合では異なる。従って、低倍速の場合と高倍速の場合とで同じ検出時間を用いると、高倍速の場合にはフォーカス外れを検出しないが、低倍速の場合にはフォーカス外れであると誤検出してしまう。本実施の形態では、倍速が低倍速の場合には高倍速の場合より、長い検出時間を設定しているので、低倍速の場合におけるフォーカス外れの誤検出を防止できる。また、倍速が高倍速の場合には、検出時間を短くすることが好ましい。この理由は、図8を参照して説明する。
【0032】
図8(a)及び図8(b)は、面振れが起きたときのWDを示す図である。図8(a)は、倍速が低倍速の場合、図8(b)は、倍速が高倍速の場合を示す。図8(a)と図8(b)を比較すると分かるとおり、高倍速の場合の方が低倍速の場合よりも、高速に面振れするため、短時間でWDが0となって、対物レンズ13と光ディスクODが衝突する。倍速が高倍速の場合には、フォーカス外れを検出するための検出時間を短くすることにより、フォーカス外れをより早く検出し、面振れによる衝突を防止することができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図9は、第2の実施の形態の光ディスク装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態の光ディスク装置2の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じである。第2の実施の形態では、フォーカス外れ検出部29aは、AS信号ではなく、RF信号を用いてフォーカス外れの検出を行う。
【0034】
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施の形態の光ディスク装置3の構成を示す図である。第3の実施の形態の光ディスク装置3の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じである。第3の実施の形態では、フォーカス外れ検出部29bは、AS信号とRF信号を切り換えて何れか信号を用いてフォーカス外れ検出を行う。
【0035】
フォーカス外れ検出部29は、AS信号生成部25からAS信号を受信し、受信したAS信号と所定の検出レベルとの比較を行う外れ検出レベル比較部30とRF信号生成部28からRF信号を受信し、受信したRF信号と所定の検出レベルとの比較を行う外れ検出レベル比較部30を有している。外れ検出レベル比較部30と外れ検出レベル比較部30aは、切換部39を介して外れ検出カウンター部31に接続されている。切換部39は、システムマイコン38に接続されている。切換部39は、システムマイコン38からの指令に従って、AS信号かRF信号のいずれかの比較結果を外れ検出カウンター部31に入力する。
【0036】
このようにAS信号とRF信号を切り換え、何れかの信号を用いてフォーカス外れ検出を行うことにより、例えば、ブランクディスクのようにRF信号が得られない場合にはAS信号を用いるように切り替える等、適切にフォーカス外れを検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上説明したように、本発明は、サポートする複数の記録・再生倍速のうちの選択された倍速において、適切なフォーカス外れ検出を行うことができるという効果を有し、対物レンズ13と光ディスクの衝突を回避することのできる光ディスク装置等として有用である。
【符号の説明】
【0038】
1〜3 光ディスク装置
10 レーザーユニット
11 コリメータレンズ
12 ビームスプリッタ
13 対物レンズ
14 レンズホルダー
15 ホログラム素子
16 受光素子
17 フォーカスアクチュエータ
18 トラッキングアクチュエータ
19,20 駆動回路
21 フォーカス制御部
22 トラッキング制御部
23 回避パルス出力部
24 切換部
25 AS信号生成部
26 FE信号生成部
27 TE信号生成部
28 RF信号生成部
29 フォーカス外れ検出部
30 外れ検出レベル比較部
31 外れ検出カウンター部
32 波形等価器
33 2値化部
34 PLL部
35 復調部
36 エラー訂正部
37 I/F部
38 システムマイコン
39 切換部
40 ホスト装置
41 APAPI I/F
42 デコーダー
43 HDMI I/F
44 映像・音声出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の倍速での記録再生が可能な光ディスク装置であって、
前記光ディスク装置に装填された光ディスクの記録層にレーザー光を出射する光源と、
前記レーザー光を集束する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクのディスク面に対して垂直方向に移動させるフォーカスアクチュエータと、
前記記録層からの反射光に基づいて電気信号を生成する電気信号生成部と、
前記電気信号に基づいて前記フォーカスアクチュエータの動作を制御するフォーカス制御部と、
前記対物レンズが前記光ディスクのディスク面から離れる方向に移動するように前記フォーカスアクチュエータの動作を制御する回避パルス出力部と、
前記電気信号の振幅と所定の検出レベルとを比較し、前記電気信号の振幅が所定の検出レベル以下となる時間が、光ディスクの倍速に応じて決定される検出時間以上継続した場合にフォーカス外れの発生を検出するフォーカス外れ検出部と、
前記フォーカス外れ検出部の検出結果に応じて前記フォーカス制御部による前記フォーカスアクチュエータの動作制御と前記回避パルス出力部による前記フォーカスアクチュエータの動作制御とを切り換える切換部と、
を備える光ディスク装置。
【請求項2】
前記電気信号生成部はAS信号を生成し、前記フォーカス外れ検出部は前記AS信号と前記所定の検出レベルとを比較してフォーカス外れを検出する請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記電気信号生成部はRF信号を生成し、前記フォーカス外れ検出部は前記RF信号と前記所定の検出レベルとを比較してフォーカス外れを検出する請求項1に記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−155797(P2012−155797A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14648(P2011−14648)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】