説明

光ピックアップ装置及びその組み立て方法

【課題】複数種類の光ディスクに対して1つの対物レンズで対応可能な光ピックアップ装置について、いずれの光ディスク種の場合にも適切にコマ収差を抑制できる構成を提供する。
【解決手段】対物レンズ17の傾き量の変化に対するコマ収差の発生量の変化度合いをレンズチルト感度、前記レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクDを用いる場合におけるコマ収差を打ち消すために必要となる対物レンズ17の傾き量を第1の傾き量、前記レンズチルト感度が最も小さくなる種類の光ディスクDを用いる場合におけるコマ収差を打ち消すために必要となる対物レンズ17の傾き量を第2の傾き量、とした場合に、対物レンズ17は、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量との中間の傾き量だけ傾いた状態となるように傾角調整されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ピックアップ装置及びその組み立て方法に関し、詳細には、複数種類の光ディスクに対して1つの対物レンズで対応可能な光ピックアップ装置における、対物レンズの傾角調整に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブルーレイディスク(以下BDと記載)、デジタル多用途ディスク(以下DVDと記載)、コンパクトディスク(以下CDと記載)といった3種類の光ディスクに対して、情報を読み取ったり、情報を書き込んだりすることが可能な光ピックアップ装置が提案されている。このような光ピックアップ装置には、光ディスクの種類によって切り換えて使用される2つの対物レンズ(BD用の対物レンズと、DVD及びCD用の対物レンズの2つ)を備えるものがある(例えば特許文献1参照)。なお、ここで言う対物レンズは、光源から出射される光を光ディスクの情報記録面に集光するレンズのことである。
【0003】
2つの対物レンズを備える光ピックアップ装置においては、例えば次のように対物レンズの傾角調整を行うことによって、コマ収差の発生を抑制している。すなわち、2つの対物レンズを、コマ収差の発生方向が特定方向(通常ラジアル方向)を向くように、対物レンズアクチュエータのレンズホルダに配置する。この際、一方の対物レンズ(通常、BD用対物レンズ)はレンズホルダに固定し、他方の対物レンズ(通常、DVD/CD用対物レンズ)はレンズホルダに固定しない。
【0004】
そして、前記他方の対物レンズの傾き調整を行い、前記一方の対物レンズと前記他方の対物レンズの光軸とが平行となる(相対チルトが小さくなる)ように調整して、前記他方のレンズをレンズホルダに固定する。その後、前記一方の対物レンズを用いてコマ収差が打ち消されるように対物レンズアクチュエータのベースの傾きを調整することで、対物レンズの傾角調整を行う。前記一方の対物レンズと前記他方の対物レンズは相対チルトがないように先に調整されているために、前記一方の対物レンズの傾角調整によって、前記他方の対物レンズについてもコマ収差が打ち消された状態となる。
【0005】
なお、ここでいう対物レンズアクチュエータは、フォーカスサーボ制御やトラックサーボ制御が可能となるように、対物レンズを少なくともフォーカス方向やトラック方向に移動可能とするものである。フォーカス方向とは光ディスクの情報記録面と略直交する方向であり、トラック方向とは光ディスクの半径方向(ラジアル方向)と略平行な方向である。また、フォーカスサーボ制御とは対物レンズの焦点位置が情報記録面から外れないように行う制御のことを指し、トラックサーボ制御とは対物レンズによって集光された光スポットが光ディスクのトラックに追随するように行う制御のことを指している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−346883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
装置の小型化や製造コストを考慮すると、光ピックアップ装置の構成は、上述の2つの対物レンズを備える構成(以下、2レンズ方式と表現することがある)とするよりも、1つの対物レンズのみでBD、DVD、CDといった複数種類の光ディスクに対応可能な構成(以下、1レンズ方式と表現することがある)とするのが好ましい。しかしながら、このような構成を採用する場合、2レンズ方式のような対物レンズの傾角調整が行えないために、いずれの光ディスク種の場合にもコマ収差が発生しないように、如何にして光ピックアップ装置の組み立てを行うかが問題となる。
【0008】
すなわち、光ピックアップ装置の光学構成として無限系(対物レンズに平行光を入射させることを想定して設計された構成)を採用すると、光ディスクの種類によって、対物レンズの傾き量の変化に対するコマ収差の発生量の変化度合いであるレンズチルト感度が異なったものとなる。このため、単に、いずれかの種類の光ディスクに対してコマ収差が発生しないようにしても、他の光ディスク種の場合には大きなコマ収差が発生してしまうといった問題が発生する。
【0009】
この点、光ピックアップ装置の光学構成として、例えば、BDの場合とDVD/CDの場合とで上述のレンズチルト感度が同等となるように、BDに対しては無限系、DVD/CDに対しては有限系となるように構成する(逆の構成でもよい)ことが考えられる。このようにすれば、いずれかの種類の光ディスクに対してコマ収差が発生しないようにすることで、いずれの種類の光ディスクに対してもコマ収差を適切に抑制できる光ピックアップ装置の提供が可能となる。しかし、この構成では、有限系側において、組み立てばらつき、レンズシフト等の影響でコマ収差が発生しやすくなるために、必ずしも好ましい構成とは言えない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、複数種類の光ディスクに対して1つの対物レンズで対応可能な光ピックアップ装置について、いずれの光ディスク種の場合にも適切にコマ収差が抑制されるように構成された光ピックアップ装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、そのような光ピックアップ装置の組み立て方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の光ピックアップ装置は、複数種類の光ディスクに対して対応可能であるとともに、光源から出射された光を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズを1つ有する光ピックアップ装置であって、前記対物レンズの傾き量の変化に対するコマ収差の発生量の変化度合いをレンズチルト感度、前記レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクを用いる場合におけるコマ収差を打ち消すために必要となる前記対物レンズの傾き量を第1の傾き量、前記レンズチルト感度が最も小さくなる種類の光ディスクを用いる場合におけるコマ収差を打ち消すために必要となる前記対物レンズの傾き量を第2の傾き量、とした場合に、前記対物レンズは、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量との中間の傾き量だけ傾いた状態となるように傾角調整されていることを特徴としている。
【0012】
本構成によれば、いずれかの光ディスク種の場合に偏ってコマ収差が抑制されるといったことがなく、いずれの光ディスク種に対してもコマ収差をある程度抑制することが可能となる。このために、いずれの光ディスク種に対しても、情報の読み取りや書き込みの良好な性能を確保することが可能となる。
【0013】
上記構成の光ピックアップ装置において、光軸方向への移動によって光学倍率を変動させる可動レンズを有し、前記複数種類の光ディスクの中に、使用する情報記録面の位置によって前記可動レンズの位置が変動される多層光ディスクが含まれ、前記多層光ディスクについて情報記録面の位置の違いによって別の種類の光ディスクであるものとみなして、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量が求められていることとしてもよい。
【0014】
光学倍率が変化するとレンズチルト感度が異なってくるために、本構成のように光ディスクの種別を取り扱うことで、より適切にコマ収差の抑制を図れる。なお、可動レンズとしては、コリメートレンズが好適である。
【0015】
上記構成の光ピックアップ装置において、光軸方向への移動によって光学倍率を変動させる可動レンズを有し、前記複数種類の光ディスクの中に、使用する情報記録面の位置によって前記可動レンズの位置が変動される多層光ディスクが含まれ、前記多層光ディスクについて、情報記録面の位置毎に異なる前記レンズチルト感度が平均化されたレンズチルト感度を有する1種類の光ディスクであるものとみなして、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量が求められていることとしてもよい。
【0016】
多層光ディスクの使われ方を考慮した場合に、本構成を採用した方が好ましい場合もあり得る。
【0017】
上記構成の光ピックアップ装置において、アクチュエータベースと前記対物レンズを保持するレンズホルダとを有して、前記レンズホルダを前記アクチュエータベースに対して移動可能とする対物レンズアクチュエータを備え、前記対物レンズの傾きが、前記アクチュエータベースの傾きによって調整されているのが好ましい。対物レンズ自身を傾けるよりも、本構成のようにアクチュエータベースを傾けて対物レンズの傾角調整を行う方が、作業性が良くなるために好ましい。
【0018】
また、上記目的を達成するために本発明の光ピックアップ装置の組み立て方法は、複数種類の光ディスクに対して対応可能であるとともに、光源から出射された光を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズを1つ有する光ピックアップ装置の組み立て方法であって、前記対物レンズの傾き量の変化に対するコマ収差の発生量の変化度合いをレンズチルト感度とした場合に、前記レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクを用いる場合における、コマ収差を打ち消すために必要となる前記対物レンズの傾き量である第1の傾き量を求めるステップと、前記レンズチルト感度が最も小さくなる種類の光ディスクを用いる場合における、コマ収差を打ち消すために必要となる前記対物レンズの傾き量である第2の傾き量を求めるステップと、前記対物レンズが前記第1の傾き量と前記第2の傾き量との中間の傾き量だけ傾いた状態となるように傾角調整するステップと、を備えることを特徴としている。
【0019】
上記構成の光ピックアップ装置の組み立て方法において、前記複数種類の光ディスクの中に、使用する情報記録面の位置によって前記光ピックアップ装置の光学倍率を変動させる必要がある多層光ディスクが含まれる場合には、前記多層光ディスクについて情報記録面の位置の違いによって別の種類の光ディスクであるものとみなして、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量を求める処理を行うこととしてもよい。
【0020】
上記構成の光ピックアップ装置の組み立て方法において、前記複数種類の光ディスクの中に、使用する情報記録面の位置によって前記光ピックアップ装置の光学倍率を変動させる必要がある多層光ディスクが含まれる場合には、前記多層光ディスクについて、情報記録面の位置毎に異なる前記レンズチルト感度が平均化されたレンズチルト感度を有する1種類の光ディスクであるものとみなして、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量を求める処理を行うこととしてもよい。
【0021】
上記構成の光ピックアップ装置の組み立て方法において、前記光ピックアップ装置は、アクチュエータベースと前記対物レンズを保持するレンズホルダとを有して、前記レンズホルダを前記アクチュエータベースに対して移動可能とする対物レンズアクチュエータを備え、前記対物レンズの傾角調整は、前記アクチュエータベースの傾きを調整することによって行われることとしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数種類の光ディスクに対して1つの対物レンズで対応可能な光ピックアップ装置について、いずれの光ディスク種の場合にも適切にコマ収差を抑制することが可能となる。また、光ピックアップ装置の光学構成として、上述のレンズチルト感度が全ての光ディスク種で同等となるように有限系の構成を採用しなくて済むために、組み立てばらつきやレンズシフトによるコマ収差の発生を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態の光ピックアップ装置の構成を示す概略平面図
【図2】第1実施形態の光ピックアップ装置の光学構成を示す概略図
【図3】第1実施形態の光ピックアップ装置において、光ディスクの種類によってレンズチルト感度が異なる様子を示すグラフ
【図4】第1実施形態の光ピックアップ装置における、レンズチルト量とコマ収差の補正残差の関係を示すグラフ
【図5】第1実施形態の光ピックアップ装置における、対物レンズの傾角調整方法(光ピックアップ装置の組み立て方法)の手順の一例を示すフローチャート
【図6】第2実施形態の光ピックアップ装置の光学構成を示す概略図
【図7】第2実施形態の光ピックアップ装置において、光ディスクの種類によってレンズチルト感度が異なる様子を示すグラフ
【図8】第2実施形態の光ピックアップ装置における、対物レンズの傾角調整方法(光ピックアップ装置の組み立て方法)の手順の一例を示すフローチャート
【図9】第3実施形態の光ピックアップ装置における、対物レンズの傾角調整方法(光ピックアップ装置の組み立て方法)の手順の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の光ピックアップ装置及びその組み立て方法の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の光ピックアップ装置の構成を示す概略平面図で、図1(a)は光ピックアップ装置の上面図、図1(b)は光ピックアップ装置の側面図である。なお、図1(b)は、図1(a)に示す矢印Aに沿って見た図である。また、図1(b)には、理解を容易とするために、光ディスクDも併せて示している。図1に示すように、第1実施形態の光ピックアップ装置1は、ピックアップベース10と、ピックアップベース10上に固定配置される対物レンズアクチュエータ20と、を備えた構成となっている。
【0026】
ピックアップベース10の左右の端部には軸受け部10a、10bが設けられている。ピックアップベース10は、この軸受け部10a、10bによって光ディスクDの再生や記録を行うための装置である光ディスク装置に設けられるガイドシャフト100(図1(a)に破線で示す)に摺動可能に支持されることになる。光ディスク装置に設けられるガイドシャフト100は光ディスクDの半径方向(ラジアル方向)に延びるように配置される。これにより、光ピックアップ装置1は、光ディスクDの所望のアドレスにアクセスして情報の読み取りや書き込みを行うことが可能になる。
【0027】
図2は、第1実施形態の光ピックアップ装置の光学構成を示す概略図である。なお、図2には理解を容易とするために光ディスクDも併せて示している。図2に示すように、第1実施形態の光ピックアップ装置1は、第1のレーザダイオード(LD)11と、第2のレーザダイオード(LD)12と、ダイクロプリズム13と、ビームスプリッタ14と、コリメートレンズ15と、立上げミラー16と、対物レンズ17と、センサーレンズ18と、フォトディテクタ19と、を備える。
【0028】
第1のLD11と第2のLD12とは異なる波長のレーザ光を出射する光源である。このように異なる波長のレーザ光を出射可能に設けるのは、光ピックアップ装置1によって複数種類(本実施形態では2種類)の光ディスクDに対して情報の読み取りや書き込みを行えるようにするためである。第1実施形態では、第1のLD11から405nm帯のレーザ光(BD用のレーザ光)が出射されるように、第2のLD12から650nmのレーザ光(DVD用のレーザ光)が出射されるように構成されている。
【0029】
なお、本実施形態では異なる波長のレーザ光を出射するために複数位置にLDを配置する構成としているが、複数波長のレーザ光を切り換えて出射可能なLDを用いてLDの数を減らすようにしてもよい。
【0030】
ダイクロプリズム13は、第1のLD11から出射されるレーザ光を透過するとともに、第2のLD12から出射されるレーザ光を反射する。ダイクロプリズム13から出射されるレーザ光の光軸が、第1のLD11から出射されるレーザ光と第2のLD12から出射されるレーザ光との間でほぼ一致するように、2つのLD11、12の位置は調整されている。
【0031】
ビームスプリッタ14は、ダイクロプリズム13からのレーザ光を透過して光ディスクD側へと導くとともに、光ディスクDからの戻り光(反射光)を反射してフォトディテクタ19側へと導く。コリメートレンズ15はビームスプリッタ14からのレーザ光を平行光に変換する。立上げミラー16はコリメートレンズ15からのレーザ光を反射して、レーザ光の光軸が光ディスクDの情報記録面RSと略直交する方向に変換する。対物レンズ17は、立上げミラー16からのレーザ光を集光して光ディスクDの情報記録面RSに光スポットを形成する。
【0032】
センサーレンズ18は、第1のLD11或いは第2のLDから出射されて光ディスクDに至り、光ディスクDで反射された戻り光(詳細には対物レンズ17、立上げミラー16、コリメートレンズ15を順に経て、ビームスプリッタ14で反射されて光)に非点収差を与える。フォトディテクタ19は受光した光信号を電気信号に変換する光電変換手段として機能する。フォトディテクタ19から出力された電気信号は図示しない信号処理手段で処理され、再生信号やサーボ信号の生成が行われる。
【0033】
第1のレーザダイオード(LD)11と、第2のレーザダイオード(LD)12と、ダイクロプリズム13と、ビームスプリッタ14と、コリメートレンズ15と、立上げミラー16と、センサーレンズ18と、フォトディテクタ19とはピックアップベース10(図1参照)に固定される。対物レンズ17は、対物レンズアクチュエータ20(図1参照)に搭載されて特定の方向に移動可能とされる。
【0034】
図1に示すように、対物レンズアクチュエータ20は、アクチュエータベース21と、対物レンズ17を保持するレンズホルダ22とを備える。アクチュエータベース21には、レンズホルダ22を挟むように一対の永久磁石23が配置されている。レンズホルダ22は、サスペンションホルダ24に一端を固定される複数のワイヤー25によって片持ち支持され、アクチュエータベース21に対して揺動可能となっている。
【0035】
レンズホルダ22には、その内部側壁に沿って対物レンズ17の光軸を取り巻くように配置されるフォーカスコイル26と、その2つの外部側壁(永久磁石23と対向する側壁)の対称位置に、それぞれ2つずつ配置される4つのトラックコイル27と、が取り付けられている。これらのコイル26、27のそれぞれは、いずれも略矩形状に巻回され、ワイヤー25を介して電流が供給されるようになっている。
【0036】
フォーカスコイル26に電流が流れると、永久磁石23によって作られる磁界との電磁気的な作用によって、電流が流れる向き及び電流の大きさに応じて、対物レンズ17はレンズホルダ22と共にフォーカス方向に移動する。同様に、トラックコイル27に電流が流れると、その向き及び大きさに応じて、対物レンズ17はレンズホルダ22と共にトラック方向に移動する。
【0037】
このように対物レンズ17をフォーカス方向及びトラック方向に移動可能とするのは、フォーカスサーボ制御やトラックサーボ制御を可能とするためである。なお、対物レンズアクチュエータ20の構成として、対物レンズ17をラジアル方向に傾けられるようにチルトコイルを設ける構成としても勿論よい。チルトコイルを設ける構成は公知であるために、ここでは、その詳細説明は省略する。
【0038】
以上のように構成される光ピックアップ装置1を組み立てる場合、コマ収差の発生を抑制するために対物レンズ17の傾き調整(傾角調整)が行われる。ところで、対物レンズ17を1つのみ有する光ピックアップ装置1においては、図3に示すように、対物レンズ17の傾き量(レンズチルト量)の変化に対するコマ収差の発生量の変化度合いであるレンズチルト感度が、光ディスクDの種類によって異なる。
【0039】
レンズチルト感度が異なる場合、図4に示すように、BDを用いてコマ収差がゼロとなるようにレンズチルト量を調整する(レンズチルト量LT1)と、レンズチルト量が大きくなり過ぎてDVDを使用する場合に発生するコマ収差の量が大きくなってしまう。一方、DVDを用いてコマ収差がゼロとなるようにレンズチルト量を調整する(レンズチルト量LT1)と、レンズチルト量が小さすぎてBDを使用する場合に発生するコマ収差の量が大きくなってしまう。
【0040】
なお、ここでは、レンズチルト量は、対物レンズ17の光軸が光ディスクDの情報記録面RSに対して垂直である状態からラジアル方向に傾けられた量のことを指している。また、図4においては、対物レンズ17そのものがコマ収差を有していることを前提としている。
【0041】
そこで、第1実施形態の光ピックアップ装置1においては、BDの場合に最適なレンズチルト量(LT1)と、DVDの場合に最適なレンズチルト量(LT2)との中間のレンズチルト量M(M=(LT1+LT2)/2)となるように、対物レンズ17の傾きを調整(傾角調整)している。このようにした場合、BDの場合と、DVDとの場合とで、いずれもコマ収差をゼロとすることはできないが、いずれの光ディスクDの場合にも、情報の読み取りや書き込みにコマ収差が及ぼす影響を適切に抑制することが可能となる。
【0042】
図5は、第1実施形態の光ピックアップ装置における、対物レンズの傾角調整方法(光ピックアップ装置の組み立て方法)の手順の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、対物レンズ17の傾角調整を行うにあたって、まず、光ピックアップ装置1の設定をBD用の設定(BDの情報の読み取り等を行う設定)とする(ステップS1)。第1実施形態の光ピックアップ装置1においては、BDはレンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクに該当する。
【0043】
次に、対物レンズ17の傾きを例えば予め定められた複数の傾きとし、それぞれの傾きにおいてコマ収差を測定する(ステップS2)。そして、コマ収差測定の結果から、レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクDにおける、コマ収差を打ち消すために必要な対物レンズ17の傾き量(最適な傾き量)である第1の傾き量を求める(ステップS3)。第1の傾き量は、例えば直線近似等を利用して求めてもよい。
【0044】
第1の傾き量を求めると、光ピックアップ装置1の設定をDVD用の設定(DVDの情報の読み取り等を行う設定)とする(ステップS4)。第1実施形態の光ピックアップ装置1においては、DVDはレンズチルト感度が最も小さくなる種類の光ディスクに該当する。そして、BDの場合と同様に、対物レンズ17の傾きを例えば予め定められた複数の傾きとし、それぞれの傾きにおいてコマ収差を測定し(ステップS5)、レンズチルト感度が最も小さくなる種類の光ディスクDにおける、コマ収差を打ち消すために必要な対物レンズ17の傾き量(最適な傾き量)である第2の傾き量を求める(ステップS6)。
【0045】
なお、第1の傾き量と第2の傾き量を求める順番は、以上の説明とは逆でもよい。
【0046】
第1の傾き量と第2の傾き量とを求めると、2つの傾き量の中間の傾き量を算出する(ステップS7)。そして、対物レンズ17の傾きが求めた中間の傾き量となるように、対物レンズ17の傾きを調整する(ステップS8)。対物レンズ17の傾き調整は、レンズホルダ22(図1参照)に保持される対物レンズ17を傾けることによる調整でもよい。しかし、本実施形態においては、その調整のし易さから、対物レンズ17自身はレンズホルダ22に固定しておき、対物レンズアクチュエータ20のアクチュエータベース21を傾けることで、対物レンズ17の傾き調整を行うようにしている(ステップS2、S5においても同様)。
【0047】
なお、本実施形態では、対物レンズ17のコマ収差がラジアル方向(特定の方向の一例であり、これに限定される趣旨ではない)に発生するように対物レンズ17をレンズホルダ22に貼り付け、対物レンズ17をラジアル方向に傾けることによって傾角調整するようにしている。
【0048】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の光ピックアップ装置の光学構成を示す概略図である。第2実施形態の光ピックアップ装置2は、おおよその構成は第1実施形態の光ピックアップ装置1と同じである。第1実施形態の光ピックアップ装置1と重複する構成については同一の符号を付し、特に説明の必要がある場合を除いて、その説明省略する。
【0049】
第2実施形態の光ピックアップ装置2も、光源として2つのレーザダイオード(LD)11、12´を備える。第1のLD11は第1実施形態と同様に、BD用のレーザ光を出射する構成となっている。第2のLD12´は、DVD用のレーザ光(波長650nm帯のレーザ光)とCD用のレーザ光(波長780nm帯のレーザ光)とを切り換えて出射可能となっている。すなわち、第2実施形態の光ピックアップ装置2は、BD、DVD及びCDに対応可能となっている。
【0050】
また、光ピックアップ装置2においては、レンズ移動装置30によって、コリメートレンズ15が光軸と平行な方向(図6の矢印B方向)に移動可能となっている点においても、第1実施形態の光ピックアップ装置1と異なる。レンズ移動装置30の構成は特に限定されるものではなく、例えば、コリメートレンズ15を保持するホルダを、ステッピングモータ等によって回転されるリードスクリュによって移動可能とする構成等できる。
【0051】
コリメートレンズ15を移動可能とすることにより、対物レンズ17に入射するレーザ光の状態(収束状態或いは発散状態)を変更することが可能になる。BDには、厚み方向に複数(2つ)の情報記録面RSを有する多層光ディスクがある。BDに対応する場合、その開口数が大きいこと等が原因となって、情報の読み取り等の品質に対する球面収差の影響を無視し難い。すなわち、BDのL0層(ディスク表面より遠い側;図6参照)とL1層(ディスク表面に近い側;図6参照)との両方で良好な読み取り等の品質を得ようとすると、球面収差の補正を行うことが必要となる。このために、本実施形態においてはコリメートレンズ15を可動レンズとして、L0層とL1層とでコリメートレンズ15の位置を変更し、球面収差の補正を行うようにしている。
【0052】
本実施形態の光ピックアップ装置2においては、レンズチルト感度が図7に示すようになる。図7に示すように、BD、DVD、CDの場合でレンズチルト感度が異なる。更に、BDの場合においては、L0層とL1層との場合でレンズチルト感度が大きく異なっている。なお、L0層とL1層との場合でレンズチルト感度が異なるのは、コリメートレンズ15の位置を移動すると、光学系の光学倍率が変化することが関係している。
【0053】
第2実施形態の光ピックアップ装置2を組み立てる場合には、BDのL0層と、BDのL1層とは、別種類の光ディスクであるものとみなして、対物レンズ17の傾角調整を行うことにしている。図8に示すフローチャートを参照しながら、第2実施形態の光ピックアップ装置2における、対物レンズ17の傾角調整方法(光ピックアップ装置の組み立て方法)の手順について説明する。
【0054】
図8に示すように、対物レンズ17の傾角調整を行うにあたって、まず、光ピックアップ装置1の設定をBD(L1層)用の設定(BD(L1層)の情報の読み取りを行う設定)とする(ステップS11)。第2実施形態の光ピックアップ装置2においては、BD(L1層)、BD(L0層)、DVD、CDのうち、レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクはBD(L1層)が該当する。このため、BD(L1層)の設定とすることによって、レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクDにおける、コマ収差を打ち消すために必要な対物レンズ17の傾き量(第1の傾き量)を求める処理を行う。
【0055】
第1の傾き量を求める手順(ステップS12、S13)については、第1実施形態の場合と同様であるために、詳細な説明は省略する。
【0056】
次に、光ピックアップ装置1の設定をDVD用の設定(DVDの情報の読み取りを行う設定)とする(ステップS14)。第2実施形態の光ピックアップ装置2においては、BD(L1層)、BD(L0層)、DVD、CDのうち、レンズチルト感度が最も小さくなる種類の光ディスクはDVDが該当する。このため、DVDの設定とすることによって、レンズチルト感度が最も小さくなる種類の光ディスクDにおける、コマ収差を打ち消すために必要な対物レンズ17の傾き量(第2の傾き量)を求める処理を行う。
【0057】
第2の傾き量を求める手順(ステップS15、S16)については、第1実施形態の場合と同様であるために、詳細な説明は省略する。
【0058】
第1の傾き量と第2の傾き量とを求めると、第1実施形態の場合と同様に、2つの傾き量の中間の傾き量を算出して(ステップS17)、求めた中間の傾き量となるように対物レンズ17の傾きを調整する(ステップS18)。このように光ピックアップ装置2を構成することで、BD(L1層)、BD(L0層)、DVD、及びCDの場合で、いずれもコマ収差をゼロとすることはできないが、いずれの光ディスク種の場合にも、情報の読み取りや書き込みにコマ収差が及ぼす影響を適切に抑制することが可能となる。
【0059】
(第3実施形態)
第3実施形態の光ピックアップ装置は、第2実施形態の光ピックアップ装置の構成と同様である。ただし、対物レンズ17の傾角調整の方法が異なる。以下、傾角調整の方法の違いについてのみ説明する。
【0060】
第2実施形態の光ピックアップ装置2においては、レンズチルト感度が異なる、BD(L0層)とBD(L1層)とを別々の光ディスク種であると見なして、対物レンズ17の傾角調整を行う構成とした。第3実施形態では、BD(L0層)とBD(L1層)とを別の光ディスク種とみなすのではなく、それぞれのレンズチルト感度が平均化されたレンズチルト感度を有する1種類の光ディスクであるとみなして、対物レンズ17の傾角調整を行う構成としている。
【0061】
図9は、第3実施形態の光ピックアップ装置における、対物レンズの傾角調整方法(光ピックアップ装置の組み立て方法)の手順の一例を示すフローチャートである。第3実施形態の光ピックアップ装置においては、BD(L0層)とBD(L1層)のレンズチルト感度を平均化したレンズチルト感度を有する1種類の光ディスク(みなしの光ディスク)が、レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクである。このため、このみなしの光ディスクのコマ収差を打ち消すために必要となる対物レンズ17の傾き量を求めることにより、第1の傾き量が得られることになる(ステップS21〜ステップS23)。
【0062】
具体的には、例えば、まず、BD(L1層)用の設定の場合における、対物レンズ17の最適な傾き量を求める(ステップS21)。これは、対物レンズ17の傾きを例えば予め定められた複数の傾きとし、それぞれの傾きにおいてコマ収差を測定し、コマ収差を打ち消すために必要な対物レンズ17の傾き量を求める。次に、BD(L0層)用の設定の場合における、対物レンズ17の最適な傾き量を、ステップS21と同様の手法で求める(ステップS22)。BD(L1層)とBD(L0層)とにおける、対物レンズ17の最適な傾き量を求めると、この2つの平均値を求める(ステップS23)。この平均値が、レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクDにおける、コマ収差を打ち消すために必要な対物レンズ17の傾き量である第1の傾き量となる。
【0063】
次に、DVD用の設定の場合における、対物レンズ17の最適な傾き量を求める(ステップS23)。ここで、DVDを選択したのは、DVDが最もレンズチルト感度が小さくなる光ディスクの種類に該当するからである。最適な傾き量は、コマ収差を打ち消すために必要となる対物レンズ17の傾き量のことであり、第2実施形態の場合の第2の傾き量と同じで、その求め方も同様である。
【0064】
第1の傾き量と第2の傾き量とを求めると、第1及び第2実施形態の場合と同様に、2つの傾き量の中間の傾き量を算出して(ステップS25)、求めた中間の傾き量となるように対物レンズ17の傾きを調整する(ステップS26)。
【0065】
BDはL0層が普段よく使用される。このために、対物レンズ17の傾角調整を行う際に、単にレンズチルト感度の高いBD(L1層)における対物レンズ17の傾きのみを考慮するのではなく、本実施形態のように使用頻度の高いBD(L0層)のことも考慮して傾角調整するのも一手である。この構成の場合、BD(L1層)の情報の読み取り等を行う際におけるコマ収差の影響が大きくなることが考えられる。しかし、従来、対物レンズアクチュエータ20によって対物レンズ17をラジアル方向に傾ける構成が採用されているために、対物レンズアクチュエータ20によって対物レンズ17をチルトさせて、読み取り性能等を確保することも可能である。
【0066】
(その他)
以上に示した第1から第3実施形態の光ピックアップ装置及びその組み立て方法は本発明の例示であり、本発明の光ピックアップ装置及びその組み立て方法は以上の構成に限定されるものではない。例えば、光ピックアップ装置の光学構成について、例えば回折素子や液晶素子等の光学部材を適宜加えても構わない。また、光ピックアップ装置において対応可能な光ディスクの種類も例示であり、適宜変更可能である。また、対物レンズアクチュエータの構成も例示であり、例えば、対物レンズを保持するレンズホルダをアクチュエータベースに支持された摺動軸に対して上下、或いは回転させてフォーカス方向やトラック方向に対物レンズを移動させるタイプのものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、複数種類の光ディスクに対して1つの対物レンズで対応可能な光ピックアップ装置に好適である。
【符号の説明】
【0068】
1、2 光ピックアップ装置
11、12、12´ LD(光源)
15 コリメートレンズ(可動レンズ)
17 対物レンズ
20 対物レンズアクチュエータ
21 アクチュエータベース
22 レンズホルダ
D 光ディスク
RS 情報記録面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の光ディスクに対して対応可能であるとともに、光源から出射された光を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズを1つ有する光ピックアップ装置であって、
前記対物レンズの傾き量の変化に対するコマ収差の発生量の変化度合いをレンズチルト感度、前記レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクを用いる場合におけるコマ収差を打ち消すために必要となる前記対物レンズの傾き量を第1の傾き量、前記レンズチルト感度が最も小さくなる種類の光ディスクを用いる場合におけるコマ収差を打ち消すために必要となる前記対物レンズの傾き量を第2の傾き量、とした場合に、
前記対物レンズは、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量との中間の傾き量だけ傾いた状態となるように傾角調整されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
光軸方向への移動によって光学倍率を変動させる可動レンズを有し、
前記複数種類の光ディスクの中に、使用する情報記録面の位置によって前記可動レンズの位置が変動される多層光ディスクが含まれ、
前記多層光ディスクについて情報記録面の位置の違いによって別の種類の光ディスクであるものとみなして、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量が求められていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項3】
光軸方向への移動によって光学倍率を変動させる可動レンズを有し、
前記複数種類の光ディスクの中に、使用する情報記録面の位置によって前記可動レンズの位置が変動される多層光ディスクが含まれ、
前記多層光ディスクについて、情報記録面の位置毎に異なる前記レンズチルト感度が平均化されたレンズチルト感度を有する1種類の光ディスクであるものとみなして、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量が求められていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項4】
アクチュエータベースと前記対物レンズを保持するレンズホルダとを有して、前記レンズホルダを前記アクチュエータベースに対して移動可能とする対物レンズアクチュエータを備え、
前記対物レンズの傾きが、前記アクチュエータベースの傾きによって調整されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
【請求項5】
複数種類の光ディスクに対して対応可能であるとともに、光源から出射された光を光ディスクの情報記録面に集光する対物レンズを1つ有する光ピックアップ装置の組み立て方法であって、
前記対物レンズの傾き量の変化に対するコマ収差の発生量の変化度合いをレンズチルト感度とした場合に、
前記レンズチルト感度が最も大きくなる種類の光ディスクを用いる場合における、コマ収差を打ち消すために必要となる前記対物レンズの傾き量である第1の傾き量を求めるステップと、
前記レンズチルト感度が最も小さくなる種類の光ディスクを用いる場合における、コマ収差を打ち消すために必要となる前記対物レンズの傾き量である第2の傾き量を求めるステップと、
前記対物レンズが前記第1の傾き量と前記第2の傾き量との中間の傾き量だけ傾いた状態となるように傾角調整するステップと、
を備えることを特徴とする光ピックアップ装置の組み立て方法。
【請求項6】
前記複数種類の光ディスクの中に、使用する情報記録面の位置によって前記光ピックアップ装置の光学倍率を変動させる必要がある多層光ディスクが含まれる場合には、前記多層光ディスクについて情報記録面の位置の違いによって別の種類の光ディスクであるものとみなして、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量を求める処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置の組み立て方法。
【請求項7】
前記複数種類の光ディスクの中に、使用する情報記録面の位置によって前記光ピックアップ装置の光学倍率を変動させる必要がある多層光ディスクが含まれる場合には、前記多層光ディスクについて、情報記録面の位置毎に異なる前記レンズチルト感度が平均化されたレンズチルト感度を有する1種類の光ディスクであるものとみなして、前記第1の傾き量と前記第2の傾き量を求める処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置の組み立て方法。
【請求項8】
前記光ピックアップ装置は、アクチュエータベースと前記対物レンズを保持するレンズホルダとを有して、前記レンズホルダを前記アクチュエータベースに対して移動可能とする対物レンズアクチュエータを備え、
前記対物レンズの傾角調整は、前記アクチュエータベースの傾きを調整することによって行われることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の光ピックアップ装置の組み立て方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−248954(P2011−248954A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119962(P2010−119962)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】