説明

光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム

【課題】 光ファイバ複合架空地線(OPGW)の気密性の監視を常時行えるようにした光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムを提供する。
【解決手段】 光ファイバ複合架空地線を構成する気密性を有する金属パイプ23,25と、内部が気密状態とされた光接続箱4A〜4Dと、いずれかの光接続箱4A〜4Dを介して一定の圧力の気体15を注入する気体注入手段7と、注入した気体15の圧力を計測する圧力検出手段とを備え、圧力検出手段5A,5B,12が減圧を検出することをもって金属パイプ23,25が破損してOPGW2の気密性に対する障害が発生したと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避雷用の架空地線に光ファイバを内蔵させて構成され、送電系統の鉄塔間に架設されている光ファイバ複合架空地線(optical fiber composite overhead ground wire:OPGW)の気密性監視システムに係り、特に、光ファイバを保護している金属パイプの亀裂等に起因するOPGWの異常を監視できるようにした光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高圧送電線が架設されている鉄塔間には、近年、避雷用アース線である架空地線に代えて光ファイバ複合架空地線(OPGW)が設置されている。このOPGWは、例えば、複数のアルミ被覆鋼撚り線の中心部に金属パイプ(例えば、アルミニウムパイプ、以下、アルミパイプという。)に挿入した光ファイバを収納して布設したものである。光ファイバは、金属ワイヤと異なり、雷や送電線の交流電磁界の影響を受けないため、安定した通信が行えるという利点がある。このため、OPGWの光ファイバは大容量の光通信回線として活用されている。
【0003】
ところで、OPGWにおいては、冬季に通信障害を多発することが電力会社等から報告されている。これは、微風振動などに起因してOPGWの金属パイプに亀裂が発生し、その亀裂個所から雨水がアルミパイプ内に浸入し、この雨水が冬季の気温低下によって凍結し、光ファイバに側圧を生じさせるためと推測されている。
【0004】
そこで、OPGWの異常を検出する装置の提案がなされている。例えば、特許文献1に示されるものがある。この異常検出装置は、密封構造の接続箱を鉄塔に設置し、この接続箱内でOPGWの金属パイプを部分的に切開して光ファイバの外被を露出させ、更に接続箱内の気圧状態に応じて変位する変位手段を光ファイバの露出部に対向させて配置し、接続箱内の気圧が低下したときに変位手段が変位して光ファイバを変形させ、その変形に応じて増加する光損失を測定手段により測定する構成にし、金属パイプや接続箱の損傷を集中管理的に早期発見することができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−80221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のOPGWの異常検出装置は、鉄塔に設けられた接続箱において異常を検出しているため、保守担当者等が定期的に各接続箱を点検するか、光ファイバに光損失が顕著に増加したり断心する等の異常が発生するまで、OPGWの異常検出がなされないという問題がある。
このように、従来、OPGWの気密性を常時監視することができなかったため、OPGWの光ファイバに伝送損失の増加、断心等の異常が発生した時点で光ファイバアナライザにより調査して異常個所の位置を特定するか、もしくは付近の接続箱から窒素ガス又は圧縮空気を注入し、更に作業者が鉄塔に昇塔し、ガス漏れ箇所を確認していた。このため、復旧に手間と時間を要していた。
【0007】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、OPGWの金属パイプ及び接続箱に対するガスの供給箇所を複数に分散しないことで、OPGWの気密性の監視を常時行えるようにした光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、複数の鉄塔間に架設された光ファイバ複合架空地線(OPGW)の気密性を常時監視する気密性監視システムであって、内部に光ファイバを収納して光ファイバ複合架空地線を構成する気密性を有する金属パイプと、鉄塔のうちのいずれか複数の鉄塔にそれぞれ設置され、光ファイバ及び金属パイプの各端部を収容し、且つ、内部が気密状態とされた光接続箱と、いずれかの光接続箱を介して金属パイプ及び他の光接続箱に一定の圧力の気体を注入する気体注入手段と、そして、注入した気体の圧力を計測する圧力検出手段とを備え、圧力検出手段が減圧を検出することをもって金属パイプが破損して光ファイバ複合架空地線の気密性に対する障害が発生したと判定することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、気体注入手段は、光接続箱内に引き込まれた光ファイバ複合架空地線の光ファイバと当該光接続箱内で連結される他の光ファイバが気密性を有する収容パイプ内に収容されて形成された光ケーブルの所定部分に装着され、光ケーブルの収容パイプの内部と気密に連通する気体注入管を介して気体供給源から供給される気体を収容パイプに注入することによって光接続箱及び金属パイプ内に気体を供給する気体供給具を備えてなることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、気体供給具は、光ケーブルに外嵌されるパイプ状の本体と、そして、本体の両端の開口部を気密に塞ぐようにして本体の両側に設けられた一対の封止具とを備えてなることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、気体供給具の本体は、半割状とされ、光接続箱と連結された光ケーブルに対して後付け可能とされたことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、圧力検出手段は、金属パイプ内の気体の圧力が所定値以下になったときに動作する接点又は電気信号を発生する圧力計であり、圧力計には接点の動作又は電気信号の発生に基づいて発光手段による警報を行う警報装置が接続されていることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、警報装置は、太陽電池又は風力発電の少なくとも一方からなる充電用電源と、充電用電源によって充電される二次電池と、二次電池を電源にして接点の動作又は電気信号の発生に基づいて点灯する発光手段としてのランプと、を備えることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために請求項7に記載の本発明は、請求項5又は6に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、ランプは、LEDを発光源に用いていることを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するために請求項8に記載の本発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、金属パイプ内の気体の圧力を計測する圧力検出手段としての接点又は電気信号を発生するデジタル圧力計と、携帯電話通信網に接続可能であると共に光接続箱が設置されている鉄塔に設置された携帯電話機と、デジタル圧力計の圧力計測値が設定値以下になったときに信号を発生する圧力変化検出手段と、圧力変化検出手段からの出力信号に基づいて予め定めた音声メッセージを指定した通報先へ発信するように携帯電話機を動作させる非常通報装置とを備えてなることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために請求項9に記載の本発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、非常通報装置は、携帯電話機を充電する機能及び音声メッセージの書き込み・読み出しの機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムによれば、1箇所でOPGWの金属パイプ及び接続箱におけるガス圧の変化を測定できるようにしたことで、OPGWの気密性の監視を常時行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第一の実施形態及び適用される送電系統を示す図である。
【図2】OPGWの構成例を示す断面図である。
【図3】気密性監視システムの気体供給部の構成を示す図である。
【図4】気体供給具の詳細を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第二の実施形態を示す図である。
【図6】本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第三の実施形態を示す図である。
【図7】図6に示す警報装置の配線図である。
【図8】本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第四の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.第一の実施形態
[気密性監視システムの構成]
以下、本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムについて、好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第一の実施形態及び適用される送電系統を示す図である。この光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム100は、図示しない高圧送電線が架設されている複数の鉄塔1A〜1Fと、鉄塔1A〜1Fの上端に架設された光ファイバ複合架空地線(以下、「OPGW」という。)2を備えた送電系統3に設けられている。
【0020】
鉄塔1A〜1Fのうち、鉄塔1Cおよび1Eを除く、鉄塔1A,1B,1D,1Fのそれぞれには光接続箱4A〜4Dが設置されており、また、光接続箱4B,4Cには圧力計5A,5Bが設置されている。また、圧力計5A,5Bは光接続箱4B,4Cに設置されているが、これに限るものではなく、光接続箱4A〜4Dの一部又は全部に設置することができる。一方、光接続箱4Aには後述する光ケーブル6の一端が連結されると共に、この光ケーブル6の途中に気体供給具7が配置される。そして、この気体供給具7を介して光ケーブル6を構成する後述する収容パイプ61内に気体が注入され、光接続箱4Aを介してOPGW2の後述する金属パイプであるアルミパイプ23,25内に気体が注入されるようになっている。注入される気体は取り扱いが容易でアルミパイプ23,25や光ファイバ20,26の被覆に対して影響のない気体、例えば、窒素ガスや圧縮空気等が含まれていることが好ましい。尚、送電系統3の電力制御は変電所30で行われるが、図1に示すように、変電所30は通信制御室31を備えており、光ケーブル6は通信制御室31内に引き込まれている。そして、気体供給具7はこの通信制御室31内で光ケーブル6に取り付けられている。また、通信制御室31内には、気体供給源である窒素ガスボンベ11が配置され、圧力計5A,5Bで計測した圧力値データ及び窒素ガスボンベ11に取り付けられた圧力計12で計測した圧力値データが信号線14又はその他の信号線を介して通信制御室31内に設けられた警報装置32に送られるようになっている。
【0021】
図2はOPGW2の構成例を示す断面図である。まず、図2(a)に示すOPGW2は、スペーサ21の側部に設けられた3つの収容溝22に3本の光ファイバ20を収容し、この状態でスペーサ21と光ファイバ20をアルミパイプ23に挿入し、このアルミパイプ23の外側に避雷用アース線である複数(ここでは8本)のアルミ覆鋼線(AC線)24を添わせた構成となっている。また、図2(b)に示すOPGW2は、光ファイバ26がアルミパイプ25内に隙間を有した状態で挿入されており、このアルミパイプ25の外側に複数のアルミ覆鋼線24を添わせた構成になっている。
【0022】
図3は気密性監視システム100の主要部の概略構成を示す図である。ここでは図1に示す光接続箱4Aに取り付けられる気体注入手段について説明する。この気体注入手段は、光接続箱4A内に引き込まれたOPGW2の光ファイバ20,26と光接続箱4A内で連結される光ファイバ60を気密性を有する収容パイプ61内に収容した光ケーブル6に装着される気体供給具7と、気体注入管であるホース8を介して気体(窒素ガス)を気体供給具7へ供給する窒素ガスボンベ11とを備えている。
【0023】
光ケーブル6は、多数の光ファイバ心線60と、この光ファイバ心線60を内部に収容して被覆する金属製の収容パイプ61とを備えて構成されている。この収容パイプ61は、気密性を備えている。尚、収容パイプ61は、例えば、アルミ製のパイプによって形成することができる。光ファイバ心線60は、光通信回線の設備等から引き込まれている。そして、光ケーブル6の途中には、図4に示すような、パイプ状を有すると共に両端が密封された気体供給具7が外嵌されており、気体供給具7の本体の外周には、ホース8の一端が連結されて気体供給具7の内部に窒素ガスが注入されるようになっている。気体供給具7が外嵌される部分の光ケーブル6の収容パイプ61の一部は切開して開口されており、収容パイプ61の内部と気体供給具7内とは連通されている。また、収容パイプ61の開口端(図3における左側端)には、収容パイプ61内の気密性を保持するため、封止部材10によって封止されている。封止部材10は、例えば、有底の筒状部材で蓋をして隙間を樹脂接着剤等で封止することによって収容パイプ61内の気密性を確保することができる。
【0024】
一方、ホース8の他端は、窒素ガスが充填されている窒素ガスボンベ11に連結されている。窒素ガスボンベ11には、圧力検出手段としてのデジタル式の圧力計(例えば、長野計器株式会社製、モデル「GC31」小型デジタル圧力計)12、及びガス圧を調整するレギュレータ13が取り付けられている。尚、圧力計12から出力される計測信号は、信号線14を通して図1に示す通信制御室31の警報装置32へ送られるようになっている。
【0025】
さらに、気体供給具7の詳細を図4に示す。図示された気体供給具7は、金属又は樹脂製の短いパイプを主体にした本体71と、この本体71の両端を封止して本体71内を気密状態とする封止具72,73を備えている。封止具72,73は、例えば、本体71に螺合する合成樹脂製の蓋状部材し、隙間にパッキン部材や接着剤等を配することによって気体供給具7内の気密性を確保することができる。そして、気体供給具7に外嵌される部分の光ケーブル6には、ホース8からの気体を収容パイプ61内に注入できるように、収容パイプ61の表面には外部と連通する貫通孔(図示せず)が穿設されている。
【0026】
[気密性監視システムの動作]
次に、上述した気密性監視システム100の動作について説明する。先ず、図1に示すように、所定の鉄塔(ここでは、鉄塔1A,1B,1D,1F)に設置された光接続箱4A〜4Dのうち、光接続箱4Aに光ケーブル6が接続(光接続箱4Dについては図示せず)されている。そして、図1、図3及び図4に示すように、気体供給具7を取り付ける部分の光ケーブル6の収容パイプ61の表面に図示しない貫通孔を穿設し、当該貫通孔を覆うようにしてホース8が取り付けられた気体供給具7を光ケーブル6に気密に取り付ける。そして、図3に示すように、窒素ガスボンベ11から窒素ガス15を気体供給具7内に注入する。この窒素ガス15の注入はOPGW2の片側、すなわち光接続箱4A側からのみ行うこともできるが、図1に示すように、光接続箱4Dの光ケーブル6にも気体供給具7を取り付けることによって光接続箱4A,4Dを介して送電系統の両側から行うこともできる。
【0027】
窒素ガス15の供給が開始されると気体供給具7を介して窒素ガス15が光ケーブル6の収容パイプ61内に注入され、さらに光接続箱4A〜4D内及び図2に示すOPGW2のアルミパイプ23(25)内には一定圧力の窒素ガスが充填される。注入した窒素ガス15の圧力が所定の圧力になったらその圧力状態を維持する。このような状態において、OPGW2の内圧を常時監視する。そして、何らかの原因によってアルミパイプ23(25)に亀裂等が生じてOPGW2内に気密不良の箇所が発生した場合、その付近の接続箱4の圧力が低下すると共に、窒素ガスボンベ11内のガスが減圧する。そこで、窒素ガスボンベ11に設けられている圧力計12で窒素ガス15の圧力を計測し、その計測データを信号線14を通して通信制御室31の警報装置32で取り込んで常時監視することにより、OPGW2の気密性を常時監視することが可能になる。警報装置32は、窒素ガス15に減圧が発生した時点で警報を発し、この警報に基づいて必要な対策を講じる。また、圧力計5A,5Bの圧力計測値も有人の通信センターに送られ、この計測値に対し、減圧の大きい圧力計の設置位置から障害発生箇所を特定することができる。
【0028】
[第一の実施形態の効果]
第一の実施形態に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムによれば、複数の鉄塔を経由するように架設されているOPGW2の金属パイプ内に光接続箱4Aを通して窒素ガス15を注入し、OPGW2の金属パイプ内及び光接続箱4A〜4D内の窒素ガス15の減圧の有無を変電所等で監視することにより、OPGW2の気密性を常時監視することが可能になり、OPGW2の光ファイバ心線60に障害が発生する前に障害の判定が可能になるという効果がある。これにより、光伝送に障害が発生する前に異常箇所の調査及びOPGW2の張り替え等の対策をとることが可能になる。
さらに、複数の光接続箱4A〜4Dに設けられている各圧力計5A,5Bの圧力計測値を比較し、その減圧状態から障害発生箇所を特定することができるという効果がある。
【0029】
2.第二の実施形態
[気密性監視システムの構成]
次に、本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第二の実施形態について説明する。図5は気密性監視システムの第二の実施形態に係る気体供給具を示す斜視図である。この第二の実施形態は、第一の実施形態において、気体供給具7の本体71を光ケーブル6の収納方向に沿って半割状となるように第一,第二の本体71A,71Bに2分割し、これに伴って封止具72を第一,第二の封止具72A,72Bに2分割すると共に封止具73を第三,第四の封止具73A,73Bに2分割したものであり、その他の構成は第一の実施形態と同様である。尚、第一の本体71A、第一の封止具72A及び第三の封止具73Aは、予め一体化されて第一の部品74を形成しており、同様に、第二の本体71B、第二の封止具72B及び第四の封止具73Bも予め一体化されて第二の部品75を形成している。従って、光ケーブル6に装着する時点では、気体供給具7は第一,第二の部品74,75の2つの部品に集約されている。
【0030】
[気密性監視システムの動作]
第二の実施形態における全体の動作は第一の実施形態と同じであるので説明を省略し、気体供給具7の装着手順について説明する。まず、光ケーブル6内の収容パイプ61の表面に外部と連通する所定の大きさの図示しない貫通孔を穿設する。次に、この貫通孔にホース8の供給口が対面するようにして、第一の部品74を光ケーブル6の所定位置に配置する。そして、第一の部品74の断面であって第二の部品75の断面と突き合わされる部分及び必要があれば光ケーブル6の表面に接着剤等を塗布する。次に、接着剤が乾かないうちに、第一の部品74に突き合わせるようにして第二の部品75を密着させると共に必要があれば光ケーブル6の表面に接着剤等を塗布して光ケーブル6に接着する。尚、気体供給具7の光ケーブル6への固定は、ガス漏れを防止できさえすれば、接着以外の手段であってもよく、例えば、バックルやバンド等の固定具を用いる構成、気体供給具7の全体を粘着テープで被覆する方法等を利用することも可能である。
【0031】
[第二の実施形態の効果]
第二の実施形態に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムによれば、気体供給具7の後付けが可能であるため、既に光ケーブル6が設置済みであっても、これを取り外すことなく気体供給具7を取り付けることができるという効果がある。その他、第一の実施形態と同様の効果がある。
【0032】
3.第三の実施形態
[気密性監視システムの構成]
次に、本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第三の実施形態について説明する。図6は光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第三の実施形態を示す図、図7は図6に示す警報装置の配線図である。この第三の実施形態は、第一の実施形態において、光接続箱4B,4Cに設置された圧力計5A,5Bを接点付きにするとともに、この圧力計5A,5Bに警告装置9A,9Bを接続したものであり、その他の構成は第一の実施形態と同様である。本実施形態における圧力計5A,5Bは後述する接点50を有している。この接点50は警告装置9A,9Bを動作させるスイッチとして用いられる。なお、圧力計5A,5Bには、上記接点付き圧力計のほかデジタル式圧力計も使用可能である。デジタル式圧力計の場合、この圧力計から出力されるデジタル信号(電気信号)を基に動作する半導体スイッチによって警告装置9A,9Bを動作させればよい。
【0033】
警告装置9A,9Bは同一構成であるので、ここでは警告装置9Aについて説明する。警告装置9Aは、概略として、充電用電源96を形成している風力発電機90又は太陽電池91と、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等による二次電池92と、風力発電機90又は太陽電池91と二次電池92との間に設けられ二次電池92に対する充電を制御する充電制御回路93と、二次電池92に接続されて予め設定した時間帯をオン状態にするタイマ94と、二次電池92の一方(例えば陽極(+))に接続された圧力計5Aの接点50の出力端と二次電池92の陰極(−)との間に接続されたランプ95とを備えて構成されている。風力発電機90及び太陽電池91は鉄塔1B,1Dの所定の高さ位置に設置されており、これらはいずれか一方のみでもよいが、風力発電機90と太陽電池91を併用すれば雨天や夜間でも風力発電機90によって電力が得られ、無風状態の時には太陽電池91によって電力を確保することもできる。
【0034】
充電制御回路93は、風力発電機90及び太陽電池91の出力電圧が或る値以上のときに、これらの出力電圧を二次電池92へ充電用電圧として印加するとともに、二次電池92の過充電及び過放電等を防止する機能、二次電池92の寿命等を判断する機能等を備えている。さらに、充電制御回路93は、電池寿命等の判断結果を電波、赤外光、超音波等により外部へ通信する機能等も必要に応じて備えている。
【0035】
タイマ94は、予め設定した時間の間、二次電池92の陽極と接点50との接続を導通状態(オン)、例えば7〜18時の11時間をオンにしてランプ95への通電を可能にし、夜間における二次電池92の消費を防止するために設けられている。通常、夜間に監視員が送電系の点検に来ることはない。したがって、必ずしも夜間にランプ95を点灯する必要は無く、点灯を続けることで二次電池92が過放電に至る可能性がある。そこで、本実施形態ではタイマ94を設けている。本実施形態では、タイマ94はランプ95に連続通電を行う構成としたが、断続的に通電する構成であってもよい。この場合、ランプ95は点滅点灯になる。この様にすれば、二次電池92の電力消費を低減することができる。なお、時間の把握及び設定はタイマ95に設けられている時計機能によって行われるが、図示しない日照センサを用いてもよい。なお、ランプ95を夜間を通して点灯できるだけの容量の二次電池92を用いた場合には、タイマ94を設けないことも可能である。
【0036】
ランプ95は、その点灯を監視員が鉄塔1B,1Dの近傍の地上から目視可能な光照射面積及び輝度を有し、その光照射面は水平又は地上方向に向けられている。ランプ95は、その発光源として消費電力の少ないLEDが好ましいが、LEDは素子当たりの輝度が小さいので、複数のLED素子によって1つのランプを構成するのが望ましい。なお、ランプ95は、LED以外の光源、例えば、白熱電球、小型蛍光灯、冷陰極管、エレクトロルミネセンス(EL)等であってもよい。この場合、光源の種類に応じて駆動回路、インバータ回路等を必要とすることがある。
【0037】
また、本実施形態においては、ランプ95に代えて他の警報手段、例えば接点50のオンによってモータを駆動し、このモータによって渦模様や色分け等が施されている円板を回転させるようにしてもよい。或いは、警報装置9A,9Bに送信器を設けて接点50の開閉を処理して警報信号に変換し、この警報信号を電波、赤外光等によって送信し、送信された警報信号を巡回する監視員が所持する受信機、携帯端末機で受信する送受信システムにしてもよい。
【0038】
[気密性監視システムの動作]
第三の実施形態における全体の動作は第一の実施形態と同じであるので説明を省略し、警報装置9A,9Bの動作について説明する。二次電池92は風力発電機90と太陽電池91の両方又は一方を充電用電源96にして、充電制御回路93の制御の基に充電が行われている。また、タイマ94は設定した時間帯が来る毎に通電のオン/オフを繰り返している。この状態において、圧力計5A,5Bが窒素ガス15の圧力低下を検出していないときには、ランプ94は接点50がオフであるために点灯しない。
【0039】
次に、図6に示す圧力計5AがOPGW2内の窒素ガスの圧力低下を検出したとする。このとき、タイマ94が導通状態にあれば圧力計5Aの接点50はオンになっており、ランプ95はタイマ94を介して二次電池92に接続され、ランプ95が点灯する。この点灯は、鉄塔1Bへ巡回点検に来た監視員によって目視され、接続箱4Bの近傍のOPGW2の金属パイプ内から窒素ガス15が漏れていることを把握できる。さらに、鉄塔1Bに近い鉄塔1Dの圧力計5Bのランプ95が点灯していない場合、OPGW2内の窒素ガス15のガス漏れ区間は鉄塔1Bの直近の鉄塔までであることが分かる。
【0040】
[第三の実施形態の効果]
第三の実施形態に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムによれば、鉄塔に設けられている圧力計5A,5Bを接点付きにし、それぞれに警報装置9A,9Bを接続し、圧力計5A,5BがOPGW2の窒素ガス15の圧力低下を検出したときに警報装置9A,9Bを駆動するようにしたため、そのランプ95の点灯の有無から監視員の巡視点検の際に地上からOPGW2の異常区間を把握することができるという効果がある。そのほか、第一の実施形態と同様の効果がある。
【0041】
4.第四の実施形態
[気密性監視システムの構成]
次に、本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第四の実施形態について説明する。図8は光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムの第四の実施形態を示す図である。この第四の実施形態は第一の実施形態において、光接続箱4B,4Cに設置された圧力計5A,5Bをデジタル圧力計97に代えるとともに、このデジタル圧力計97に塔上収納箱98を接続したものであり、その他の構成は第一の実施形態と同様である。
【0042】
塔上収納箱98は、例えば鉄塔1B,1Dの作業踊場に設置されており、本実施形態においては後述する指示計200の表示部分を外部から見ることができるようになっている。この塔上収納箱98は、概略として、図示しない筐体と、この筐体に収納される以下の機器、即ち、デジタル圧力計97からの圧力計測信号Dmに基づいて圧力計測値を数値によって表示器200aに表示すると共に圧力設定値に応じた接点信号Scを出力する圧力変化検出手段としての指示計200と、指示計200からの接点信号Scに対応して制御信号Saを発生する非常通報装置201と、非常通報装置201からの制御信号Saに基づいて音声合成による警報メッセージを監視員等が所持する携帯電話機へ発信する携帯電話機202と、指示計200、非常通報装置201及びデジタル圧力計97のそれぞれに所定の電圧の直流電源を供給する電源部204とを備えている。
【0043】
デジタル圧力計97は、例えば、「株式会社東京測器研究所」製のフラッシュダイヤフラム型圧力計「PWF1MPA」を用いることができ、その仕様は、容量1MPa、定格出力15mV(3000×10−6歪み)±25%となっている。
【0044】
指示計200は、例えば、「株式会社東京測器研究所」製のデジタル指示器「TD−95A」を用いることができ、その表示器200aに表示される数値により巡回中の監視員が圧力計測値を直読できるようになっていると共に、予め設定した圧力値以下のときに上記した接点信号Scを発生する。
【0045】
また、非常通報装置201は、例えば「株式会社アドコン」製の「Whitelock 110F」(携帯電話機対応音声通報装置)を用いることができ、携帯電話通信網に接続可能な携帯電話機、具体的には株式会社ドコモの携帯電話機にUSB(universal serial bus)により接続する機能、携帯電話機を外部信号(本実施形態では接点信号Sc)によって起動する機能、最大6カ所の通報先に接続する機能、携帯電話機202のバッテリー電圧が規定値の1/3に下がると携帯電話機202のバッテリーの充電を自動的に開始し満充電になると充電を終了する充電回路等を備えている。さらに「Whitelock 110F」は、パーソナルコンピュータ(PC)及び専用のソフトウェアによって各種の設定や処理、具体的には、通報したい携帯電話番号の指定、入力条件の設定、停電の通報等の設定、音声メッセージの録音(書き込み)及び読み出しの処理等を行うことができる。そして、その設定内容及び音声データ等はPCに保存することができる。なお、「Whitelock 110F」は、その仕様から文字メッセージには対応していないが、製品改良によっては対応が可能になる。さらに、非常通報装置201は、既製品である「Whitelock 110F」を用いない構成、例えば、CPU、メモリ、インターフェース回路等によって構成することもできる。
【0046】
携帯電話機202は携帯電話会社から市販されているものの中から適宜選択して携帯電話会社と契約し、常時電源オンの状態にして塔上収納箱98の図示しない筐体内に設置する。この携帯電話機202は購入時に付属するバッテリーを電源として動作し、その充電は上記したように非常通報装置201によって行われる。さらに電源部204は、図7に示した二次電池92、充電制御回路93及び充電用電源96を備えて構成され、その動作は第三の実施形態で説明した通りである。
【0047】
[気密性監視システムの動作]
第四の実施形態における全体の動作は第一の実施形態と同じであるので説明を省略し、塔上収納箱98の動作について説明する。非常通報装置201には予め音声メッセージのデータが書き込まれており、また、各種の設定がPCによって設定済みになっている。電源部204は指示計200、非常通報装置201、充電器203及びデジタル圧力計97に常時電源を供給している。また、携帯電話機202は常に送信可能な状態で動作している。このとき、デジタル圧力計97から圧力計測値(圧力計測信号Dm)が出力されており、その圧力計測値は指示計200の表示器200aに表示されている。
【0048】
この状態において、図6に示す圧力計5Aに置換されたデジタル圧力計97がOPGW2内の窒素ガスの圧力低下を検出した場合、その圧力計測値が設定値以下になると、指示計200は接点信号Scを発生する。非常通報装置201は一定時間毎に指示計200からの接点信号Scの有無を監視しており、接点信号Scを受信すると制御信号Saを携帯電話機202へUSBにより送出する。携帯電話機202は制御信号Saによって起動し、予め指定された音声合成によるメッセージの1つが非常通報装置201から携帯電話機202へ送られ、さらに携帯電話機202によって監視員の携帯電話機が呼び出される。監視員は呼び出しに応じて所持する携帯電話機を受信状態にすると、携帯電話機202からの音声合成によるメッセージを受信でき、このメッセージ内に含まれる鉄塔番号等から鉄塔1Bにおいてガス漏れが発生したことを、鉄塔1Bから離れた集中センターや遠隔地において把握することができる。
【0049】
なお、携帯電話機202の内蔵バッテリーは、その出力電圧が電源ライン(pow)を通して非常通報装置201で監視されており、バッテリーの電圧が規定値の1/3にまで下がると非常通報装置201に内蔵されている充電回路によって充電が開始され、満充電になると充電が終了するという工程を繰り返し、或る時間又は日数毎に充電が行われる。
【0050】
[第四の実施形態の効果]
第四の実施形態に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムによれば、OPGW2の窒素ガス15の圧力低下をデジタル圧力計97が検出すると、これに応じて指示計200から接点信号Scが発生し、この接点信号Scに基づいて非常通報装置201が携帯電話機202を起動させ、監視員の携帯電話機を呼び出して音声メッセージを伝えることができるため、鉄塔の近くにいない監視員等にガス漏れが発生したことを迅速に伝達することができるという効果がある。そのほか、第一の実施形態と同様の効果がある。
【0051】
なお、上記各実施形態においては、OPGW2及び光接続箱4A,4Dに注入する気体として金属腐食を招かない窒素ガスを用いたが、発火等のおそれのない気体であれば窒素ガス以外の気体であってもよい。
【0052】
以上のように、好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムは、光ファイバ複合架空地線(OPGW)に限らず、損傷を受ける可能性のあるパイプ内に布線される光ファイバ及び側圧の付与によって特性が変化する線状体の全般に採用可能である。
【0053】
尚、上記各実施形態において、気体供給具7は図1及び図3〜図5に示した構成に限定されるものではなく、窒素ガス15を光ケーブル6を構成する収容パイプ61内に供給できさえすればどの様な構成であってもよい。また、気体供給具7を光ケーブル6に設ける構成にしたが、光ケーブル6を介さずに気体供給具7に代わるものを光接続箱4Aに直接に接続する構成であってもよい。
【0054】
また、上記各実施形態において、圧力計12は、デジタル式としたが、アナログ式であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、光ファイバは内挿されていないが、その気密性が問題になるパイプを長い距離にわたって布設された設備において、そのパイプの気密状態を監視する必要があるシステムにも適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1A 鉄塔
1B 鉄塔
1C 鉄塔
1D 鉄塔
1E 鉄塔
1F 鉄塔
2 OPGW(光ファイバ複合架空地線)
3 送電系統
4A 光接続箱
4B 光接続箱
4C 光接続箱
4D 光接続箱
5A 圧力計
5B 圧力計
6 光ケーブル
7 気体供給具
8 ホース
9A 警告装置
9B 警告装置
10 封止部材
11 窒素ガスボンベ
12 圧力計
13 レギュレータ
14 信号線
15 窒素ガス
20 光ファイバ
21 スペーサ
22 収容溝
23 アルミパイプ
24 アルミ覆鋼線
25 アルミパイプ
26 光ファイバ
30 変電所
31 通信制御室
32 警報装置
50 接点
60 光ファイバ心線
61 収容パイプ
71 本体
71A 第一の本体
71B 第二の本体
72 封止具
72 第一の封止具
72 第二の封止具
73 封止具
73A 第三の封止具
73B 第四の封止具
74 第一の部品
75 第二の部品
90 風力発電機
91 太陽電池
92 充電制御回路
93 二次電池
94 タイマ
95 ランプ
96 充電用電源
97 デジタル圧力計
98 塔上収納箱
100 気密性監視システム
200 指示計
201 非常通報装置
202 携帯電話機
203 電源部
Dm 圧力計測信号
Sa 制御信号
Sc 接点信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鉄塔間に架設された光ファイバ複合架空地線(OPGW)の気密性を常時監視する気密性監視システムであって、
内部に光ファイバを収納して前記光ファイバ複合架空地線を構成する気密性を有する金属パイプと、
前記鉄塔のうちのいずれか複数の鉄塔にそれぞれ設置され、前記光ファイバ及び前記金属パイプの各端部を収容し、且つ、内部が気密状態とされた光接続箱と、
いずれかの前記光接続箱を介して前記金属パイプ及び他の光接続箱に一定の圧力の気体を注入する気体注入手段と、そして、
注入した前記気体の圧力を計測する圧力検出手段と、
を備え、
前記圧力検出手段が減圧を検出することをもって前記金属パイプが破損して前記光ファイバ複合架空地線の気密性に対する障害が発生したと判定することを特徴とする光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、
前記気体注入手段は、
前記光接続箱内に引き込まれた前記光ファイバ複合架空地線の光ファイバと当該光接続箱内で連結される他の光ファイバが気密性を有する収容パイプ内に収容されて形成された光ケーブルの所定部分に装着され、前記光ケーブルの前記収容パイプの内部と気密に連通する気体注入管を介して気体供給源から供給される気体を前記収容パイプに注入することによって前記光接続箱及び前記金属パイプ内に気体を供給する気体供給具を備えてなることを特徴とする光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、
前記気体供給具は、
前記光ケーブルに外嵌されるパイプ状の本体と、そして、
前記本体の両端の開口部を気密に塞ぐようにして前記本体の両側に設けられた一対の封止具と、
を備えてなることを特徴とする光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム。
【請求項4】
請求項3に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、
前記気体供給具の前記本体は、半割状とされ、前記光接続箱と連結された前記光ケーブルに対して後付け可能とされたことを特徴とする光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、
前記圧力検出手段は、前記金属パイプ内の前記気体の圧力が所定値以下になったときに動作する接点又は電気信号を発生する圧力計であり、前記圧力計には前記接点の動作又は前記電気信号の発生に基づいて発光手段による警報を行う警報装置が接続されていることを特徴とする光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム。
【請求項6】
請求項5に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、
前記警報装置は、太陽電池又は風力発電の少なくとも一方からなる充電用電源と、
前記充電用電源によって充電される二次電池と、
前記二次電池を電源にして前記接点の動作又は前記電気信号の発生に基づいて点灯する前記発光手段としてのランプと、
を備えることを特徴とする光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、
前記ランプは、LEDを発光源に用いていることを特徴とする光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、

前記金属パイプ内の前記気体の圧力を計測する前記圧力検出手段としての接点又は電気信号を発生するデジタル圧力計と、
携帯電話通信網に接続可能であると共に前記光接続箱が設置されている鉄塔に設置された携帯電話機と、
前記デジタル圧力計の圧力計測値が設定値以下になったときに信号を発生する圧力変化検出手段と、
前記圧力変化検出手段からの出力信号に基づいて予め定めた音声メッセージを指定した通報先へ発信するように前記携帯電話機を動作させる非常通報装置と、
を備えてなることを特徴とする光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の光ファイバ複合架空地線の気密性監視システムにおいて、
前記非常通報装置は、前記携帯電話機を充電する機能及び前記音声メッセージの書き込み・読み出しの機能を有することを特徴とする光ファイバ複合架空地線の気密性監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−227435(P2011−227435A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163566(P2010−163566)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(591160268)北日本電線株式会社 (41)
【Fターム(参考)】