光プローブ及び内視鏡装置
【課題】ガイドワイヤに沿わせて、プローブを患部まで進めることが可能であると共に、ガイドワイヤのアーチファクト無しに、広範囲の断層画像を得る。
【解決手段】OCTプローブ600のシース部は、前記イメージコアを内部にOCTプローブ600のシース部の長手軸に沿って(延伸して)収納するイメージコアルーメン681と、イメージコアルーメン681の遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメン680と、先端部でさらにその外周に折りたたみ込まれて配されるバルーン710から構成される。両ルーメン680、681は、先端部で、光透過性かつ柔軟性素材からなる筒状の隔壁部材692により、隔てられた状態で接続されている。
【解決手段】OCTプローブ600のシース部は、前記イメージコアを内部にOCTプローブ600のシース部の長手軸に沿って(延伸して)収納するイメージコアルーメン681と、イメージコアルーメン681の遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメン680と、先端部でさらにその外周に折りたたみ込まれて配されるバルーン710から構成される。両ルーメン680、681は、先端部で、光透過性かつ柔軟性素材からなる筒状の隔壁部材692により、隔てられた状態で接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内の光干渉断層像を取得する光プローブ及び内視鏡装置に関し、さらに詳しくは体腔内への挿入を補助するガイドワイヤが挿通可能なガイドワイヤルーメンを有する光プローブ及び内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光プローブを胆管、膵管、胃、食道、大腸などの体腔内に挿入し、ラジアル走査をすることで、生体の断層画像を描出する画像診断が広く行われている。一例として先端に光学レンズ及び光学ミラーを取り付けた光ファイバを内蔵したプローブを体腔内に挿入し、光ファイバの先端側に配置した光学ミラーをラジアル走査させながら、体腔内に光を出射し、組織からの反射光をもとに体腔の断面画像を描出する光干渉断層診断装置(OCT: Optical Coherent Tomography)が利用されている。
【0003】
これら、プローブを体腔内に挿入する場合は、内視鏡の鉗子口を通して、ガイドワイヤをプローブに先行して患部に留置し、それに沿わせてプローブを患部まで、挿通することが一般的である。
【0004】
一方、OCTは原理上、生体組織への到達深度が1〜2mmと浅いため、細径のプローブを生体組織に密着させた場合、狭い範囲しか観察できない。広範囲を走査するためには、プローブを太径化する必要があるが、内視鏡の鉗子口から挿入するため、現実的ではない。そこで、それらを両立するため、体内挿入後、プローブ先端部のバルーンを拡張し、生体組織から一定間隔を維持した状態で、走査できるようにする方法が提案されている(特許文献1)。
【0005】
この特許文献1では、イメージコアルーメンとガイドワイヤルーメンを先端部で結合させ、プローブ先端部にバルーンを配して、観察時に拡張する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−329534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1においては、イメージコアルーメンの先端部が開放されているため、血液等の体液の浸入により、正常な画像が得られない。また、バルーンの内部にガイドワイヤルーメンがあるため、観察時にガイドワイヤが描出されるといった問題がある。
【0008】
すなわち、特許文献1では、プローブ先端部にバルーンを配して、観察時にバルーンを拡張すること、および、プローブにガイドワイヤルーメンを備え、ガイドワイヤに沿わせてプローブを挿入することが開示されているが、特許文献1で開示されているガイドワイヤルーメンとイメージコアルーメンを先端部で結合する方法では、体腔内に挿入したときに、血液等の体液がイメージコアルーメンにまで浸入し、正常な画像を描出できず不適切な構成であると言わざるを得ない。また、特許文献1に開示されているプローブ先端部にバルーンを有するとともに、イメージコアルーメンと並行してガイドワイヤルーメンを備える構成をとる場合は、観察時にガイドワイヤのアーチファクトが描出され、さらに、ガイドワイヤの背後の組織が描出できないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガイドワイヤに沿わせて、プローブを患部まで進めることが可能であると共に、ガイドワイヤのアーチファクト無しに、広範囲の断層画像を得ることのできる光プローブ及び内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の光プローブは、体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、前記シースは、前記光ファイバを長手軸に沿って進退自在に収納するイメージコアルーメンと、前記イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンと、前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続されているバルーンと、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光透過性のある隔壁と、前記イメージコアルーメンの近位部にありイメージコアルーメン内を加減圧するための加減圧ポートと、を備え、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは最遠位部において前記長手軸に沿って配されていると共に、前記イメージコアルーメンは、前記バルーンと接続されるとともに、遠位部で密閉されていて、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁が前記イメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記ガイドワイヤルーメンとして機能させると共に前記バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁が前記ガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記イメージコアルーメンとして機能させると共に前記バルーンを拡張させることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の光プローブでは、前記イメージコアルーメンが前記バルーンと接続されるとともに、遠位部で密閉されていて、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁が前記イメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記ガイドワイヤルーメンとして機能させると共に前記バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁が前記ガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記イメージコアルーメンとして機能させると共に前記バルーンを拡張させることで、ガイドワイヤに沿わせて、プローブを患部まで進めることが可能であると共に、ガイドワイヤのアーチファクト無しに、広範囲の断層画像を得ることを可能とする。
【0012】
請求項2に記載の光プローブのように、請求項1に記載の光プローブであって、前記光ファイバは、回転駆動する駆動シャフト内に配され、前記光学部品を回転駆動することで、前記体腔内にてラジアル走査することが好ましい。
【0013】
請求項3に記載の光プローブのように、請求項1に記載の光プローブであって、前記駆動シャフトは軸方向にも移動可能とし、前記光学部品を回転駆動かつ軸方向駆動範囲を進退駆動することで、前記体腔内にてスパイラル走査することが好ましい。
【0014】
請求項4に記載の光プローブのように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光プローブであって、前記光学部品は、前記光ファイバ内を伝送された前記光の進行方向を略直角に曲げる反射面を有するボールレンズを備えることが好ましい。
【0015】
請求項5に記載の光プローブのように、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光プローブであって、前記光ファイバは、前記体腔内に波長掃引レーザ光を伝達することが好ましい。
【0016】
請求項6に記載の光プローブのように、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光プローブであって、前記バルーンは、両端部の直径が中央部の直径より大きいことが好ましい。
【0017】
請求項7に記載の光プローブのように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光プローブであって、前記イメージコアルーメンは、複数のバルーンと接続されていていることが好ましい。
【0018】
請求項8に記載の光プローブのように、請求項3に記載の光プローブであって、前記複数のバルーンは、前記軸方向駆動範囲の前後に配置されていることが好ましい。
【0019】
請求項9に記載の内視鏡装置は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の光プローブと、該光プローブの前記シースを内視鏡の処置具チャンネルに挿通することを特徴とする。
請求項10に記載の光プローブは、体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、前記シースは、前記光学部品を有する光ファイバを長手軸に沿って収納するイメージコアルーメンと、前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配されているバルーンと、前記シースの近位部にあり前記バルーンを加圧/減圧により拡張/収縮するためのポートと、を備え、前記光学部品は、焦点可変機構を備え、前記バルーンは、加圧する圧力により径を可変できることを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の光プローブのように、請求項11に記載の光プローブであって、前記焦点可変機構による焦点は、バルーンの径とあわせて制御されることが好ましい。
【0021】
請求項12に記載の光プローブのように、請求項10または11に記載の光プローブであって、前記シースは、さらに、イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンを備えることが好ましい。
【0022】
請求項13に記載の光プローブのように、10ないし12のいずれか1に記載の光プローブであって、前記バルーンは、前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配置され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続され、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは、最遠位部において同軸上に配され、前記ポートは、イメージコアルーメンに接続され、前記シースは、さらに、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光の透過性のある隔壁を備え、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁がイメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をガイドワイヤルーメンとして機能させるとともに、バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁がガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をイメージコアルーメンとして機能させるとともに、バルーンを拡張させることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、ガイドワイヤに沿わせて、プローブを患部まで進めることが可能であると共に、ガイドワイヤのアーチファクト無しに、広範囲の断層画像を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るOCTプローブ及びOCTプロセッサの内部構成を示すブロック図
【図2】図1の回転側光ファイバFB1を接続する光ロータリジョイントの構成を示す断面図
【図3】柔軟性隔壁部材の収縮時での図1のOCTプローブのシース部の断面図
【図4】図3のA-A線断面を示す図
【図5】図3のB-B線断面を示す図
【図6】図3のC-C線断面を示す図
【図7】柔軟性隔壁部材の膨張時での図1のOCTプローブのシース部の断面図
【図8】図6のD-D線断面を示す図
【図9】図1のOCTプローブが適用可能な内視鏡装置と併用した画像診断装置を示す図
【図10】変形例1の断面模式図
【図11】変形例2の断面模式図
【図12】変形例3の断面模式図
【図13】図12のイメージコア先端部の光学レンズ系を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
【0026】
図1に示すように、本実施形態のOCTプローブ600及びOCTプロセッサ400は、光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法による測定対象の光断層画像を取得するためのものである。
【0027】
[OCTプロセッサ]
OCTプロセッサ400は、測定のための光Laを射出する第1の光源(第1の光源ユニット)12と、第1の光源12から射出された光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2に分岐するとともに、被検体である測定対象Sからの戻り光L3と参照光L2を合波して干渉光L4を生成する光ファイバカプラ(分岐合波部)14と、光ファイバカプラ14で分岐された測定光L1を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光L3を導波する回転側光ファイバFB1を備えるOCTプローブ600と、測定光L1を回転側光ファイバFB1まで導波するとともに回転側光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を導波する固定側光ファイバFB2と、回転側光ファイバFB1を固定側光ファイバFB2に対して回転可能に接続し、測定光L1および戻り光L3を伝送する光コネクタ18と、光ファイバカプラ14で生成された干渉光L4を干渉信号として検出する干渉光検出部20と、この干渉光検出部20によって検出された干渉信号を処理して光構造情報を取得し、処理部22を有する。また、処理部22で取得された光構造情報に基づいて画像はモニタ装置500に表示される。
【0028】
また、OCTプロセッサ400は、測定の目印を示すためのエイミング光(第2の光束)Leを射出する第2の光源(第2の光源ユニット)13と、参照光L2の光路長を調整する光路長調整部26と、第1の光源12から射出された光Laを分光する光ファイバカプラ28と、光ファイバカプラ14で合波された戻り光L4およびL5を検出する検出部30aおよび30bと、処理部22への各種条件の入力、設定の変更等を行う操作制御部32とを有する。
【0029】
なお、図1に示すOCTプロセッサ400においては、上述した射出光La、エイミング光Le、測定光L1、参照光L2および戻り光L3などを含む種々の光を各光デバイスなどの構成要素間で導波し、伝送するための光の経路として、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2を含め種々の光ファイバFB(FB3、FB4、FB5、FB6、FB7、FB8など)が用いられている。
【0030】
第1の光源12は、OCTの測定のための光(例えば、波長1.3μmのレーザ光あるいは低コヒーレンス光)を射出するものであり、この第1の光源12は周波数を一定の周期で掃引させながら赤外領域である、例えば波長1.3μmを中心とするレーザ光Laを射出する光源である。この第1の光源12は、レーザ光あるいは低コヒーレンス光Laを射出する光源12aと、光源12aから射出された光Laを集光するレンズ12bとを備えている。また、詳しくは後述するが、第1の光源12から射出された光Laは、光ファイバFB4、FB3を介して光ファイバカプラ14で測定光L1と参照光L2に分割され、測定光L1は光コネクタ18に入力される。
【0031】
また、第2の光源13は、エイミング光Leとして測定部位を確認しやすくするために可視光を射出するものである。例えば、波長0.66μmの赤半導体レーザ光、波長0.63μmのHe−Neレーザ光、波長0.405μmの青半導体レーザ光などを用いることができる。そこで、第2の光源13としては、例えば赤色あるいは青色あるいは緑色のレーザ光を射出する半導体レーザ13aと、半導体レーザ13aから射出されたエイミング光Leを集光するレンズ13bを備えている。第2の光源13から射出されたエイミング光Leは、光ファイバFB8を介して光コネクタ18に入力される。
【0032】
光コネクタ18では、測定光L1とエイミング光Leとが合波され、OCTプローブ600内の回転側光ファイバFB1に導波される。
【0033】
光ファイバカプラ(分岐合波部)14は、例えば2×2の光ファイバカプラで構成されており、固定側光ファイバFB2、光ファイバFB3、光ファイバFB5、光ファイバFB7とそれぞれ光学的に接続されている。
【0034】
光ファイバカプラ14は、第1の光源12から光ファイバFB4およびFB3を介して入射した光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2とに分割し、測定光L1を固定側光ファイバFB2に入射させ、参照光L2を光ファイバFB5に入射させる。
【0035】
さらに、光ファイバカプラ14は、光ファイバFB5に入射され後述する光路長調整部26によって周波数シフトおよび光路長の変更が施されて光ファイバFB5を戻った光L2と、後述するOCTプローブ600で取得され固定側光ファイバFB2から導波された光L3とを合波し、光ファイバFB3(FB6)および光ファイバFB7に射出する。
【0036】
OCTプローブ600は、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2と接続されており、固定側光ファイバFB2から、光コネクタ18を介して、エイミング光Leと合波された測定光L1が回転側光ファイバFB1に入射される。入射されたこのエイミング光Leと合波された測定光L1を回転側光ファイバFB1によって伝送して測定対象Sに照射する。そして測定対象Sからの戻り光L3を取得し、取得した戻り光L3を回転側光ファイバFB1によって伝送して、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2に射出するようになっている。
【0037】
光コネクタ18は、測定光(第1の光束)L1とエイミング光(第2の光束)Leとを合波するものである。
【0038】
干渉光検出部20は、光ファイバFB6および光ファイバFB7と接続されており、光ファイバカプラ14で参照光L2と戻り光L3とを合波して生成された干渉光L4およびL5を干渉信号として検出するものである。
【0039】
ここで、OCTプロセッサ400は、光ファイバカプラ28から分岐させた光ファイバFB6上に設けられ、干渉光L4の光強度を検出する検出器30aと、光ファイバFB7の光路上に干渉光L5の光強度を検出する検出器30bとを有している。
【0040】
干渉光検出部20は、検出器30aおよび検出器30bの検出結果に基づいて、光ファイバFB6から検出する干渉光L4と光ファイバFB7から検出する干渉光L5をフーリエ変換することにより、測定対象Sの各深さ位置における反射光(あるいは後方散乱光)の強度を検出する。
【0041】
処理部22は、干渉光検出部20で抽出した干渉信号から、測定位置におけるOCTプローブ600と測定対象Sとの接触している領域、より正確にはOCTプローブ600のプローブ外筒(後述)の表面と測定対象Sの表面とが接触しているとみなせる領域を検出し、さらに、干渉光検出部20で検出した干渉信号から光構造情報を取得し、取得した光構造情報に基づいて光立体構造像を生成すると共に、この光立体構造像に対して各種処理を施した画像をモニタ装置500へ出力する。処理部22の詳細な構成は後述する。
【0042】
光路長調整部26は、光ファイバFB5の参照光L2の射出側(すなわち、光ファイバFB5の光ファイバカプラ14とは反対側の端部)に配置されている。
【0043】
光路長調整部26は、光ファイバFB5から射出された光を平行光にする第1光学レンズ80と、第1光学レンズ80で平行光にされた光を集光する第2光学レンズ82と、第2光学レンズ82で集光された光を反射する反射ミラー84と、第2光学レンズ82および反射ミラー84を支持する基台86と、基台86を光軸方向に平行な方向に移動させるミラー移動機構88とを有し、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変化させることで参照光L2の光路長を調整する。
【0044】
第1光学レンズ80は、光ファイバFB5のコアから射出された参照光L2を平行光にするとともに、反射ミラー84で反射された参照光L2を光ファイバFB5のコアに集光する。
【0045】
また、第2光学レンズ82は、第1光学レンズ80により平行光にされた参照光L2を反射ミラー84上に集光するとともに、反射ミラー84により反射された参照光L2を平行光にする。このように、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82とにより共焦点光学系が形成されている。
【0046】
さらに、反射ミラー84は、第2光学レンズ82で集光される光の焦点に配置されており、第2光学レンズ82で集光された参照光L2を反射する。
【0047】
これにより、光ファイバFB5から射出した参照光L2は、第1光学レンズ80により平行光になり、第2光学レンズ82により反射ミラー84上に集光される。その後、反射ミラー84により反射された参照光L2は、第2光学レンズ82により平行光になり、第1光学レンズ80により光ファイバFB5のコアに集光される。
【0048】
また、基台86は、第2光学レンズ82と反射ミラー84とを固定し、ミラー移動機構88は、基台86を第1光学レンズ80の光軸方向(図2矢印A方向)に移動させる。
【0049】
ミラー移動機構88で、基台86を矢印A方向に移動させることで、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変更することができ、参照光L2の光路長を調整することができる。
【0050】
操作制御部32は、キーボード、マウス等の入力手段と、入力された情報に基づいて各種条件を管理する制御手段とを有し、処理部22に接続されている。操作制御部32は、入力手段から入力されたオペレータの指示に基づいて、処理部22における各種処理条件等の入力、設定、変更等を行う。
【0051】
なお、操作制御部32は、操作画面をモニタ装置500に表示させてもよいし、別途表示部を設けて操作画面を表示させてもよい。また、操作制御部32で、第1の光源12、第2の光源13、光コネクタ18、干渉光検出部20、光路長ならびに検出部30aおよび30bの動作制御や各種条件の設定を行うようにしてもよい。
【0052】
図2に示すように、回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2とは、光コネクタ18によって接続されており、回転側光ファイバFB1の回転が固定側光ファイバFB2に伝達しない状態で、光学的に接続されている。また、回転側光ファイバFB1は、イメージコアルーメン681に対して回転自在、及びイメージコアルーメン681の軸方向に移動自在な状態で配置されている。
【0053】
トルク伝達コイル624は、回転側光ファイバFB1の外周に固定されている。また、回転側光ファイバFB1及びトルク伝達コイル624は、光コネクタ18の光ロータリジョイントに接続されている。
【0054】
さらに、回転側光ファイバFB1、トルク伝達コイル624、及びボールレンズ(光学レンズ)690(図3参照)は、光コネクタ18に設けられた後述する進退駆動部により、イメージコアルーメン681内部を矢印S1方向(鉗子口方向)、及びS2方向(イメージコアルーメン681の先端方向)に移動可能に構成されている。
【0055】
イメージコアルーメン681は、固定部材670に固定されている。これに対し、回転側光ファイバFB1およびトルク伝達コイル624は、回転筒656に接続されており、回転筒656は、モータ652の回転に応じてギア654を介して回転するように構成されている。回転筒656は、光コネクタ18の光ロータリジョイントに接続されており、測定光L1及び戻り光L3は、光コネクタ18を介して回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2間を伝送される。
【0056】
また、これらを内蔵するフレーム650は支持部材662を備えており、支持部材662は、図示しないネジ孔を有している。フレーム650は、支持部材662のネジ孔(不図示)にて進退移動用ボールネジ664が咬合しており、進退移動用ボールネジ664には、モータ660が接続されて、ネジ孔、進退移動用ボールネジ664、モータ660等により進退移動手段としての進退駆動部を構成している。したがって、光コネクタ18の光ロータリジョイントの進退駆動部は、モータ660を回転駆動することによりフレーム650を進退移動させ、これにより回転側光ファイバFB1、トルク伝達コイル624、固定部材626、及びボールレンズ628を図2のS1及びS2方向に移動させることが可能となっている。
【0057】
なお、モータ660は、所定のピッチ、例えば1mm間隔にて進退駆動し、この所定のピッチ毎にモータ652が回転側光ファイバFB1、トルク伝達コイル624、及びボールレンズ628を一回転させることで、測定光L1をラジアル走査にて測定対象Sに照射する。
【0058】
OCTプローブ600は、以上のような構成により、光コネクタ18の光ロータリジョイントにより回転側光ファイバFB1およびトルク伝達コイル624が、図2中の矢印R方向に回転されることで、ボールレンズ628から射出される測定光L1を測定対象Sに対し、矢印R方向(イメージコアルーメン681の円周方向)に対しラジアル走査しながら照射し、戻り光L3を取得する。
【0059】
これにより、イメージコアルーメン681の円周方向の全周において、測定対象Sの所望の部位を正確にとらえることができ、測定対象Sを反射した戻り光L3を取得することができる。
【0060】
さらに、光立体構造像を生成するための複数の光構造情報を取得する場合は、光コネクタ18の光ロータリジョイントの進退駆動部によりボールレンズ628が図2中の矢印S1方向の移動可能範囲の終端まで移動され、断層像からなる光構造情報を取得しながら所定量ずつS2方向に移動し、又は光構造情報取得と図2中のS2方向への所定量移動を交互に繰り返しながら、移動可能範囲の終端まで移動する。
【0061】
このように測定対象Sに対して所望の範囲の複数の光構造情報を得て、取得した複数の光構造情報に基づいて光立体構造像を得ることができる。
【0062】
つまり、干渉信号により測定対象Sの深さ方向(第1の方向)の光構造情報を取得し、測定対象Sに対し図2矢印R方向(イメージコアルーメン681の円周方向)にラジアル走査することで、測定対象Sの深さ方向(第1の方向)と、該深さ方向と略直交する方向(第2の方向)とからなるスキャン面での光構造情報を取得することができ、さらには、このスキャン面に略直交する方向(第3の方向)に沿ってスキャン面を移動させることで、光立体構造像を生成するための複数の光構造情報が取得できる。
【0063】
図3に示すように、駆動シャフト682と、駆動シャフト682内の光ファイバFB1及びトルク伝達コイル624、光ファイバFB1の先端に設けられたボールレンズ690から構成される本OCTプローブ600のイメージコアに関しては、従来の光プローブと同様の構成をしているが、本実施形態のイメージコアにおいては、駆動シャフト682内において、先端にボールレンズ690を配した光ファイバFB1を、その外側に配したトルク伝達コイル624を回転させることで回転させ、ラジアル走査を行う。また、駆動シャフト682は手元部に配した直動機構により軸方向走査も同時に行い、スパイラル走査を行う(図2参照)。
【0064】
本OCTプローブ600のシース部が本実施形態に係る主要な構成要素になる。OCTプローブ600のシース部は、前記イメージコアを内部にOCTプローブ600のシース部の長手軸に沿って(延伸して)収納するイメージコアルーメン681と、イメージコアルーメン681の遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメン680と、先端部でさらにその外周に折りたたみ込まれて配されるバルーン710から構成される(図3のA-A線断面である図4参照)。両ルーメン680、681は、先端部で、光透過性かつ柔軟性素材からなる筒状の隔壁部材692により、隔てられた状態で接続されている。 イメージコアルーメン681は、図3のB-B線断面である図5に示すように、下側のところで隔壁部材692に直線状に固定されているとともに、遠位側で小孔(連通孔)720によりバルーン710に接続されている。また、イメージコアルーメン681は、図3のC-C線断面である図6に示すように、小孔720周囲において隔壁部材692と、接着剤722にて小孔720でのイメージコアルーメン681とバルーン710との連通を確保した状態で水密に固定される。
【0065】
手元部には加圧/減圧用のポート694が設けられ、図示はしないが、ロック付シリンジやインデフレータを接続することで、イメージコアルーメン681内の圧力を可減圧することが可能となっている。
【0066】
以下、本OCTプローブ600を患部に挿入する場合の動作について説明する。加減圧ポート694にロックつきシリンジ(不図示)を接続し、シリンジで吸引することで、イメージコアルーメン681は減圧される。その際、柔軟性隔壁部材692はイメージコアルーメン681の容積が最小になるように収縮し、ガイドワイヤルーメン680は先端部まで開放されることになる。そこで、事前に患部まで挿通したガイドワイヤ700の端部をガイドワイヤルーメン680に通し、ガイドワイヤ700に沿って押し込むことで、容易に患部までOCTプローブ600を推し進めることが可能になる。
【0067】
次に、観察時の動作を図7を用いて説明する。OCTプローブ600を患部に留置したところで、ガイドワイヤ700をガイドワイヤルーメン680近位部まで引き込む。その際、透視上で造影マーカ699を確認しながら、ガイドワイヤ700をガイドワイヤルーメン680から抜き取らないように行う。
【0068】
次に、シリンジを用いてイメージコアルーメン681を加圧することで、図7のD-D線断面である図8に示すように、バルーン710が拡張し、イメージコアと観察部位が一定間隔に保たれる。さらに、このとき、イメージコアルーメン681の空間が先端部まで形成される。この状態で、駆動シャフト682を最前部まで前進させることで観察が可能となる。次に、駆動シャフト682を回転させることで、ラジアル走査を行い、同時に軸方向に一定速度で走査することで、スパイラル操作が可能となり、体腔の3次元断層画像データを取得することが可能となる。
【0069】
このように本実施形態では、ガイドワイヤ700に沿わせて、プローブを患部まで進めることが可能であると共に、ガイドワイヤ700のアーチファクト無しに、バルーン710の拡張により、広範囲の断層画像を得ることができる。
【0070】
なお、本実施形態のOCTプローブ600は、内視鏡装置と併用した画像診断装置に適用することが可能である。
【0071】
詳細に説明すると、図9に示すように、本実施形態のOCTプローブ600と内視鏡装置と併用した画像診断装置10は、主として内視鏡100、内視鏡プロセッサ200、光源装置300、生体断層画像生成装置としてのOCTプロセッサ400、及び表示手段としてのモニタ装置500とから構成されている。尚、内視鏡プロセッサ200は、光源装置300を内蔵するように構成されていてもよい。
【0072】
内視鏡100は、手元操作部112と、この手元操作部112に連設される挿入部114とを備える。術者は手元操作部112を把持して操作し、挿入部114を被検者の体内に挿入することによって観察を行う。
【0073】
手元操作部112には、鉗子挿入部138が設けられており、この鉗子挿入部138が挿入部114内に設けられている鉗子チャンネル(不図示)を介して先端部144の鉗子口156に連通されている。画像診断装置10では、プローブとしてのOCTプローブ600を鉗子挿入部138から挿入することによって、OCTプローブ600を鉗子口156から導出する。OCTプローブ600は、鉗子挿入部138から挿入され、鉗子口156から導出される挿入部602と、術者がOCTプローブ600を操作するための操作部604、及びコネクタ410を介してOCTプロセッサ400と接続されるケーブル606から構成されている。
【0074】
内視鏡100の先端部144には、観察光学系150、照明光学系152、及びCCD(不図示)が配設されている。
【0075】
観察光学系150は、被検体を図示しないCCDの受光面に結像させ、CCDは受光面上に結像された被検体像を各受光素子によって電気信号に変換する。この実施の形態のCCDは、3原色の赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが所定の配列(ベイヤー配列、ハニカム配列)で各画素ごとに配設されたカラーCCDである。
【0076】
光源装置300は、可視光を図示しないライトガイドに入射させる。ライトガイドの一端はLGコネクタ120を介して光源装置300に接続され、ライトガイドの他端は照明光学系152に対面している。光源装置300から発せられた光は、ライトガイドを経由して照明光学系152から出射され、観察光学系150の視野範囲を照明する。
【0077】
内視鏡プロセッサ200には、CCDから出力される画像信号が電気コネクタ110を介して入力される。このアナログの画像信号は、内視鏡プロセッサ200内においてデジタルの画像信号に変換され、モニタ装置500の画面に表示するための必要な処理が施される。
【0078】
このように、内視鏡100で得られた観察画像のデータが内視鏡プロセッサ200に出力され、内視鏡プロセッサ200に接続されたモニタ装置500に画像が表示される。
【0079】
(変形例1) 図10は本実施形態の変形例1の断面模式図である。変形例1では、本実施形態との違いを示す。本実施形態で示すバルーン710を脆弱性の病変部で拡張させた場合、病変部を損傷させる恐れがある。そのため、変形例1では、バルーン710の両端における径φXを中心部における径φYより大きくし(φX>φY、例えばX=10mm、Y=12mm)、観察対象との距離は両端のバルーン710の径φXで確保し、ボールレンズ690を走査する範囲(軸方向走査範囲)は病変と密着しないようにしたものである。
【0080】
(変形例2) 図11は本実施形態の変形例2の断面模式図である。変形例1との違いは、軸方向走査範囲の前後に独立した2つのバルーン710を備えることである。これにより、観察範囲(軸方向走査範囲)にはバルーン710が存在しないため、バルーン710によるレーザ光の減衰がなく、かつ、バルーン710により一定の距離を保った状態での観察が可能になる。
【0081】
(変形例3) 図12は本実施形態の変形例3の断面模式図である。また、図13は図12のイメージコア先端部の光学レンズ系を示す図である。変形例3では、本実施形態との違いを説明する。変形例3における、バルーン710はコンプライアンス性を有し、加圧する圧力により径を制御できる。そのため、病変部とイメージコアの距離を調整し、適切な範囲を観察することが可能になる。また、イメージコア先端部の光学レンズ系851は固定焦点ではなく、図12に示すように、移動レンズ850が軸方向に移動することで、固定反射ミラー852と移動レンズ850により焦点を可変できるになっている。そのため、バルーン710の拡張径にあわせて焦点距離を調節できるようにしている。そのため、OCT装置により、バルーン710の径と焦点距離が最適になるように同時に調整される。拡張径は、例えばバルーン710への送気量あるいはバルーン710の内圧、またはOCT画像を画像処理することで計測可能である。
【0082】
この変形例3の光プローブは、体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、前記シースは、前記光学部品を有する光ファイバを長手軸に沿って収納するイメージコアルーメンと、前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配されているバルーンと、前記シースの近位部にあり前記バルーンを加圧/減圧により拡張/収縮するためのポートと、を備え、前記光学部品は、焦点可変機構を備え、前記バルーンは、加圧する圧力により径を可変できることを特徴とする(変形例3の第1構成)。
【0083】
変形例3の光プローブの構成では、本実施形態及び変形例1、2の効果に加え、バルーンの径と光学系の焦点を可変とすることで、広範囲を適切な焦点で観察できるという特有の効果を奏する。
【0084】
また、変形例3の光プローブにおいては、上記第1構成であって、前記焦点可変機構による焦点は、バルーンの径とあわせて制御されることが好ましい(変形例3の第2構成)。
【0085】
さらに、変形例3の光プローブにおいては、上記第1または第2構成であって、前記シースは、さらに、イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンを備えることが好ましい(変形例3の第3構成)。
【0086】
変形例3の光プローブにおいては、上記第1ないし第3構成のいずれか1つの構成であって、前記バルーンは、前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配置され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続され、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは、最遠位部において同軸上に配され、前記ポートは、イメージコアルーメンに接続され、前記シースは、さらに、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光の透過性のある隔壁を備え、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁がイメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をガイドワイヤルーメンとして機能させるとともに、バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁がガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をイメージコアルーメンとして機能させるとともに、バルーンを拡張させることが好ましい(変形例3の第4構成)。
【0087】
以上、本発明の光プローブ及び内視鏡装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0088】
400…OCTプロセッサ、600…OCTプローブ、680…ガイドワイヤルーメン、681…イメージコアルーメン、692…隔壁部材、694…加圧/減圧用ポート、700…ガイドワイヤ、710…バルーン、720…小孔(連通孔)
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内の光干渉断層像を取得する光プローブ及び内視鏡装置に関し、さらに詳しくは体腔内への挿入を補助するガイドワイヤが挿通可能なガイドワイヤルーメンを有する光プローブ及び内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光プローブを胆管、膵管、胃、食道、大腸などの体腔内に挿入し、ラジアル走査をすることで、生体の断層画像を描出する画像診断が広く行われている。一例として先端に光学レンズ及び光学ミラーを取り付けた光ファイバを内蔵したプローブを体腔内に挿入し、光ファイバの先端側に配置した光学ミラーをラジアル走査させながら、体腔内に光を出射し、組織からの反射光をもとに体腔の断面画像を描出する光干渉断層診断装置(OCT: Optical Coherent Tomography)が利用されている。
【0003】
これら、プローブを体腔内に挿入する場合は、内視鏡の鉗子口を通して、ガイドワイヤをプローブに先行して患部に留置し、それに沿わせてプローブを患部まで、挿通することが一般的である。
【0004】
一方、OCTは原理上、生体組織への到達深度が1〜2mmと浅いため、細径のプローブを生体組織に密着させた場合、狭い範囲しか観察できない。広範囲を走査するためには、プローブを太径化する必要があるが、内視鏡の鉗子口から挿入するため、現実的ではない。そこで、それらを両立するため、体内挿入後、プローブ先端部のバルーンを拡張し、生体組織から一定間隔を維持した状態で、走査できるようにする方法が提案されている(特許文献1)。
【0005】
この特許文献1では、イメージコアルーメンとガイドワイヤルーメンを先端部で結合させ、プローブ先端部にバルーンを配して、観察時に拡張する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−329534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1においては、イメージコアルーメンの先端部が開放されているため、血液等の体液の浸入により、正常な画像が得られない。また、バルーンの内部にガイドワイヤルーメンがあるため、観察時にガイドワイヤが描出されるといった問題がある。
【0008】
すなわち、特許文献1では、プローブ先端部にバルーンを配して、観察時にバルーンを拡張すること、および、プローブにガイドワイヤルーメンを備え、ガイドワイヤに沿わせてプローブを挿入することが開示されているが、特許文献1で開示されているガイドワイヤルーメンとイメージコアルーメンを先端部で結合する方法では、体腔内に挿入したときに、血液等の体液がイメージコアルーメンにまで浸入し、正常な画像を描出できず不適切な構成であると言わざるを得ない。また、特許文献1に開示されているプローブ先端部にバルーンを有するとともに、イメージコアルーメンと並行してガイドワイヤルーメンを備える構成をとる場合は、観察時にガイドワイヤのアーチファクトが描出され、さらに、ガイドワイヤの背後の組織が描出できないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガイドワイヤに沿わせて、プローブを患部まで進めることが可能であると共に、ガイドワイヤのアーチファクト無しに、広範囲の断層画像を得ることのできる光プローブ及び内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の光プローブは、体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、前記シースは、前記光ファイバを長手軸に沿って進退自在に収納するイメージコアルーメンと、前記イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンと、前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続されているバルーンと、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光透過性のある隔壁と、前記イメージコアルーメンの近位部にありイメージコアルーメン内を加減圧するための加減圧ポートと、を備え、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは最遠位部において前記長手軸に沿って配されていると共に、前記イメージコアルーメンは、前記バルーンと接続されるとともに、遠位部で密閉されていて、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁が前記イメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記ガイドワイヤルーメンとして機能させると共に前記バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁が前記ガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記イメージコアルーメンとして機能させると共に前記バルーンを拡張させることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の光プローブでは、前記イメージコアルーメンが前記バルーンと接続されるとともに、遠位部で密閉されていて、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁が前記イメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記ガイドワイヤルーメンとして機能させると共に前記バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁が前記ガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記イメージコアルーメンとして機能させると共に前記バルーンを拡張させることで、ガイドワイヤに沿わせて、プローブを患部まで進めることが可能であると共に、ガイドワイヤのアーチファクト無しに、広範囲の断層画像を得ることを可能とする。
【0012】
請求項2に記載の光プローブのように、請求項1に記載の光プローブであって、前記光ファイバは、回転駆動する駆動シャフト内に配され、前記光学部品を回転駆動することで、前記体腔内にてラジアル走査することが好ましい。
【0013】
請求項3に記載の光プローブのように、請求項1に記載の光プローブであって、前記駆動シャフトは軸方向にも移動可能とし、前記光学部品を回転駆動かつ軸方向駆動範囲を進退駆動することで、前記体腔内にてスパイラル走査することが好ましい。
【0014】
請求項4に記載の光プローブのように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光プローブであって、前記光学部品は、前記光ファイバ内を伝送された前記光の進行方向を略直角に曲げる反射面を有するボールレンズを備えることが好ましい。
【0015】
請求項5に記載の光プローブのように、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光プローブであって、前記光ファイバは、前記体腔内に波長掃引レーザ光を伝達することが好ましい。
【0016】
請求項6に記載の光プローブのように、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光プローブであって、前記バルーンは、両端部の直径が中央部の直径より大きいことが好ましい。
【0017】
請求項7に記載の光プローブのように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光プローブであって、前記イメージコアルーメンは、複数のバルーンと接続されていていることが好ましい。
【0018】
請求項8に記載の光プローブのように、請求項3に記載の光プローブであって、前記複数のバルーンは、前記軸方向駆動範囲の前後に配置されていることが好ましい。
【0019】
請求項9に記載の内視鏡装置は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の光プローブと、該光プローブの前記シースを内視鏡の処置具チャンネルに挿通することを特徴とする。
請求項10に記載の光プローブは、体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、前記シースは、前記光学部品を有する光ファイバを長手軸に沿って収納するイメージコアルーメンと、前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配されているバルーンと、前記シースの近位部にあり前記バルーンを加圧/減圧により拡張/収縮するためのポートと、を備え、前記光学部品は、焦点可変機構を備え、前記バルーンは、加圧する圧力により径を可変できることを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の光プローブのように、請求項11に記載の光プローブであって、前記焦点可変機構による焦点は、バルーンの径とあわせて制御されることが好ましい。
【0021】
請求項12に記載の光プローブのように、請求項10または11に記載の光プローブであって、前記シースは、さらに、イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンを備えることが好ましい。
【0022】
請求項13に記載の光プローブのように、10ないし12のいずれか1に記載の光プローブであって、前記バルーンは、前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配置され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続され、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは、最遠位部において同軸上に配され、前記ポートは、イメージコアルーメンに接続され、前記シースは、さらに、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光の透過性のある隔壁を備え、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁がイメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をガイドワイヤルーメンとして機能させるとともに、バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁がガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をイメージコアルーメンとして機能させるとともに、バルーンを拡張させることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、ガイドワイヤに沿わせて、プローブを患部まで進めることが可能であると共に、ガイドワイヤのアーチファクト無しに、広範囲の断層画像を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るOCTプローブ及びOCTプロセッサの内部構成を示すブロック図
【図2】図1の回転側光ファイバFB1を接続する光ロータリジョイントの構成を示す断面図
【図3】柔軟性隔壁部材の収縮時での図1のOCTプローブのシース部の断面図
【図4】図3のA-A線断面を示す図
【図5】図3のB-B線断面を示す図
【図6】図3のC-C線断面を示す図
【図7】柔軟性隔壁部材の膨張時での図1のOCTプローブのシース部の断面図
【図8】図6のD-D線断面を示す図
【図9】図1のOCTプローブが適用可能な内視鏡装置と併用した画像診断装置を示す図
【図10】変形例1の断面模式図
【図11】変形例2の断面模式図
【図12】変形例3の断面模式図
【図13】図12のイメージコア先端部の光学レンズ系を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
【0026】
図1に示すように、本実施形態のOCTプローブ600及びOCTプロセッサ400は、光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法による測定対象の光断層画像を取得するためのものである。
【0027】
[OCTプロセッサ]
OCTプロセッサ400は、測定のための光Laを射出する第1の光源(第1の光源ユニット)12と、第1の光源12から射出された光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2に分岐するとともに、被検体である測定対象Sからの戻り光L3と参照光L2を合波して干渉光L4を生成する光ファイバカプラ(分岐合波部)14と、光ファイバカプラ14で分岐された測定光L1を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光L3を導波する回転側光ファイバFB1を備えるOCTプローブ600と、測定光L1を回転側光ファイバFB1まで導波するとともに回転側光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を導波する固定側光ファイバFB2と、回転側光ファイバFB1を固定側光ファイバFB2に対して回転可能に接続し、測定光L1および戻り光L3を伝送する光コネクタ18と、光ファイバカプラ14で生成された干渉光L4を干渉信号として検出する干渉光検出部20と、この干渉光検出部20によって検出された干渉信号を処理して光構造情報を取得し、処理部22を有する。また、処理部22で取得された光構造情報に基づいて画像はモニタ装置500に表示される。
【0028】
また、OCTプロセッサ400は、測定の目印を示すためのエイミング光(第2の光束)Leを射出する第2の光源(第2の光源ユニット)13と、参照光L2の光路長を調整する光路長調整部26と、第1の光源12から射出された光Laを分光する光ファイバカプラ28と、光ファイバカプラ14で合波された戻り光L4およびL5を検出する検出部30aおよび30bと、処理部22への各種条件の入力、設定の変更等を行う操作制御部32とを有する。
【0029】
なお、図1に示すOCTプロセッサ400においては、上述した射出光La、エイミング光Le、測定光L1、参照光L2および戻り光L3などを含む種々の光を各光デバイスなどの構成要素間で導波し、伝送するための光の経路として、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2を含め種々の光ファイバFB(FB3、FB4、FB5、FB6、FB7、FB8など)が用いられている。
【0030】
第1の光源12は、OCTの測定のための光(例えば、波長1.3μmのレーザ光あるいは低コヒーレンス光)を射出するものであり、この第1の光源12は周波数を一定の周期で掃引させながら赤外領域である、例えば波長1.3μmを中心とするレーザ光Laを射出する光源である。この第1の光源12は、レーザ光あるいは低コヒーレンス光Laを射出する光源12aと、光源12aから射出された光Laを集光するレンズ12bとを備えている。また、詳しくは後述するが、第1の光源12から射出された光Laは、光ファイバFB4、FB3を介して光ファイバカプラ14で測定光L1と参照光L2に分割され、測定光L1は光コネクタ18に入力される。
【0031】
また、第2の光源13は、エイミング光Leとして測定部位を確認しやすくするために可視光を射出するものである。例えば、波長0.66μmの赤半導体レーザ光、波長0.63μmのHe−Neレーザ光、波長0.405μmの青半導体レーザ光などを用いることができる。そこで、第2の光源13としては、例えば赤色あるいは青色あるいは緑色のレーザ光を射出する半導体レーザ13aと、半導体レーザ13aから射出されたエイミング光Leを集光するレンズ13bを備えている。第2の光源13から射出されたエイミング光Leは、光ファイバFB8を介して光コネクタ18に入力される。
【0032】
光コネクタ18では、測定光L1とエイミング光Leとが合波され、OCTプローブ600内の回転側光ファイバFB1に導波される。
【0033】
光ファイバカプラ(分岐合波部)14は、例えば2×2の光ファイバカプラで構成されており、固定側光ファイバFB2、光ファイバFB3、光ファイバFB5、光ファイバFB7とそれぞれ光学的に接続されている。
【0034】
光ファイバカプラ14は、第1の光源12から光ファイバFB4およびFB3を介して入射した光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2とに分割し、測定光L1を固定側光ファイバFB2に入射させ、参照光L2を光ファイバFB5に入射させる。
【0035】
さらに、光ファイバカプラ14は、光ファイバFB5に入射され後述する光路長調整部26によって周波数シフトおよび光路長の変更が施されて光ファイバFB5を戻った光L2と、後述するOCTプローブ600で取得され固定側光ファイバFB2から導波された光L3とを合波し、光ファイバFB3(FB6)および光ファイバFB7に射出する。
【0036】
OCTプローブ600は、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2と接続されており、固定側光ファイバFB2から、光コネクタ18を介して、エイミング光Leと合波された測定光L1が回転側光ファイバFB1に入射される。入射されたこのエイミング光Leと合波された測定光L1を回転側光ファイバFB1によって伝送して測定対象Sに照射する。そして測定対象Sからの戻り光L3を取得し、取得した戻り光L3を回転側光ファイバFB1によって伝送して、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2に射出するようになっている。
【0037】
光コネクタ18は、測定光(第1の光束)L1とエイミング光(第2の光束)Leとを合波するものである。
【0038】
干渉光検出部20は、光ファイバFB6および光ファイバFB7と接続されており、光ファイバカプラ14で参照光L2と戻り光L3とを合波して生成された干渉光L4およびL5を干渉信号として検出するものである。
【0039】
ここで、OCTプロセッサ400は、光ファイバカプラ28から分岐させた光ファイバFB6上に設けられ、干渉光L4の光強度を検出する検出器30aと、光ファイバFB7の光路上に干渉光L5の光強度を検出する検出器30bとを有している。
【0040】
干渉光検出部20は、検出器30aおよび検出器30bの検出結果に基づいて、光ファイバFB6から検出する干渉光L4と光ファイバFB7から検出する干渉光L5をフーリエ変換することにより、測定対象Sの各深さ位置における反射光(あるいは後方散乱光)の強度を検出する。
【0041】
処理部22は、干渉光検出部20で抽出した干渉信号から、測定位置におけるOCTプローブ600と測定対象Sとの接触している領域、より正確にはOCTプローブ600のプローブ外筒(後述)の表面と測定対象Sの表面とが接触しているとみなせる領域を検出し、さらに、干渉光検出部20で検出した干渉信号から光構造情報を取得し、取得した光構造情報に基づいて光立体構造像を生成すると共に、この光立体構造像に対して各種処理を施した画像をモニタ装置500へ出力する。処理部22の詳細な構成は後述する。
【0042】
光路長調整部26は、光ファイバFB5の参照光L2の射出側(すなわち、光ファイバFB5の光ファイバカプラ14とは反対側の端部)に配置されている。
【0043】
光路長調整部26は、光ファイバFB5から射出された光を平行光にする第1光学レンズ80と、第1光学レンズ80で平行光にされた光を集光する第2光学レンズ82と、第2光学レンズ82で集光された光を反射する反射ミラー84と、第2光学レンズ82および反射ミラー84を支持する基台86と、基台86を光軸方向に平行な方向に移動させるミラー移動機構88とを有し、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変化させることで参照光L2の光路長を調整する。
【0044】
第1光学レンズ80は、光ファイバFB5のコアから射出された参照光L2を平行光にするとともに、反射ミラー84で反射された参照光L2を光ファイバFB5のコアに集光する。
【0045】
また、第2光学レンズ82は、第1光学レンズ80により平行光にされた参照光L2を反射ミラー84上に集光するとともに、反射ミラー84により反射された参照光L2を平行光にする。このように、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82とにより共焦点光学系が形成されている。
【0046】
さらに、反射ミラー84は、第2光学レンズ82で集光される光の焦点に配置されており、第2光学レンズ82で集光された参照光L2を反射する。
【0047】
これにより、光ファイバFB5から射出した参照光L2は、第1光学レンズ80により平行光になり、第2光学レンズ82により反射ミラー84上に集光される。その後、反射ミラー84により反射された参照光L2は、第2光学レンズ82により平行光になり、第1光学レンズ80により光ファイバFB5のコアに集光される。
【0048】
また、基台86は、第2光学レンズ82と反射ミラー84とを固定し、ミラー移動機構88は、基台86を第1光学レンズ80の光軸方向(図2矢印A方向)に移動させる。
【0049】
ミラー移動機構88で、基台86を矢印A方向に移動させることで、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変更することができ、参照光L2の光路長を調整することができる。
【0050】
操作制御部32は、キーボード、マウス等の入力手段と、入力された情報に基づいて各種条件を管理する制御手段とを有し、処理部22に接続されている。操作制御部32は、入力手段から入力されたオペレータの指示に基づいて、処理部22における各種処理条件等の入力、設定、変更等を行う。
【0051】
なお、操作制御部32は、操作画面をモニタ装置500に表示させてもよいし、別途表示部を設けて操作画面を表示させてもよい。また、操作制御部32で、第1の光源12、第2の光源13、光コネクタ18、干渉光検出部20、光路長ならびに検出部30aおよび30bの動作制御や各種条件の設定を行うようにしてもよい。
【0052】
図2に示すように、回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2とは、光コネクタ18によって接続されており、回転側光ファイバFB1の回転が固定側光ファイバFB2に伝達しない状態で、光学的に接続されている。また、回転側光ファイバFB1は、イメージコアルーメン681に対して回転自在、及びイメージコアルーメン681の軸方向に移動自在な状態で配置されている。
【0053】
トルク伝達コイル624は、回転側光ファイバFB1の外周に固定されている。また、回転側光ファイバFB1及びトルク伝達コイル624は、光コネクタ18の光ロータリジョイントに接続されている。
【0054】
さらに、回転側光ファイバFB1、トルク伝達コイル624、及びボールレンズ(光学レンズ)690(図3参照)は、光コネクタ18に設けられた後述する進退駆動部により、イメージコアルーメン681内部を矢印S1方向(鉗子口方向)、及びS2方向(イメージコアルーメン681の先端方向)に移動可能に構成されている。
【0055】
イメージコアルーメン681は、固定部材670に固定されている。これに対し、回転側光ファイバFB1およびトルク伝達コイル624は、回転筒656に接続されており、回転筒656は、モータ652の回転に応じてギア654を介して回転するように構成されている。回転筒656は、光コネクタ18の光ロータリジョイントに接続されており、測定光L1及び戻り光L3は、光コネクタ18を介して回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2間を伝送される。
【0056】
また、これらを内蔵するフレーム650は支持部材662を備えており、支持部材662は、図示しないネジ孔を有している。フレーム650は、支持部材662のネジ孔(不図示)にて進退移動用ボールネジ664が咬合しており、進退移動用ボールネジ664には、モータ660が接続されて、ネジ孔、進退移動用ボールネジ664、モータ660等により進退移動手段としての進退駆動部を構成している。したがって、光コネクタ18の光ロータリジョイントの進退駆動部は、モータ660を回転駆動することによりフレーム650を進退移動させ、これにより回転側光ファイバFB1、トルク伝達コイル624、固定部材626、及びボールレンズ628を図2のS1及びS2方向に移動させることが可能となっている。
【0057】
なお、モータ660は、所定のピッチ、例えば1mm間隔にて進退駆動し、この所定のピッチ毎にモータ652が回転側光ファイバFB1、トルク伝達コイル624、及びボールレンズ628を一回転させることで、測定光L1をラジアル走査にて測定対象Sに照射する。
【0058】
OCTプローブ600は、以上のような構成により、光コネクタ18の光ロータリジョイントにより回転側光ファイバFB1およびトルク伝達コイル624が、図2中の矢印R方向に回転されることで、ボールレンズ628から射出される測定光L1を測定対象Sに対し、矢印R方向(イメージコアルーメン681の円周方向)に対しラジアル走査しながら照射し、戻り光L3を取得する。
【0059】
これにより、イメージコアルーメン681の円周方向の全周において、測定対象Sの所望の部位を正確にとらえることができ、測定対象Sを反射した戻り光L3を取得することができる。
【0060】
さらに、光立体構造像を生成するための複数の光構造情報を取得する場合は、光コネクタ18の光ロータリジョイントの進退駆動部によりボールレンズ628が図2中の矢印S1方向の移動可能範囲の終端まで移動され、断層像からなる光構造情報を取得しながら所定量ずつS2方向に移動し、又は光構造情報取得と図2中のS2方向への所定量移動を交互に繰り返しながら、移動可能範囲の終端まで移動する。
【0061】
このように測定対象Sに対して所望の範囲の複数の光構造情報を得て、取得した複数の光構造情報に基づいて光立体構造像を得ることができる。
【0062】
つまり、干渉信号により測定対象Sの深さ方向(第1の方向)の光構造情報を取得し、測定対象Sに対し図2矢印R方向(イメージコアルーメン681の円周方向)にラジアル走査することで、測定対象Sの深さ方向(第1の方向)と、該深さ方向と略直交する方向(第2の方向)とからなるスキャン面での光構造情報を取得することができ、さらには、このスキャン面に略直交する方向(第3の方向)に沿ってスキャン面を移動させることで、光立体構造像を生成するための複数の光構造情報が取得できる。
【0063】
図3に示すように、駆動シャフト682と、駆動シャフト682内の光ファイバFB1及びトルク伝達コイル624、光ファイバFB1の先端に設けられたボールレンズ690から構成される本OCTプローブ600のイメージコアに関しては、従来の光プローブと同様の構成をしているが、本実施形態のイメージコアにおいては、駆動シャフト682内において、先端にボールレンズ690を配した光ファイバFB1を、その外側に配したトルク伝達コイル624を回転させることで回転させ、ラジアル走査を行う。また、駆動シャフト682は手元部に配した直動機構により軸方向走査も同時に行い、スパイラル走査を行う(図2参照)。
【0064】
本OCTプローブ600のシース部が本実施形態に係る主要な構成要素になる。OCTプローブ600のシース部は、前記イメージコアを内部にOCTプローブ600のシース部の長手軸に沿って(延伸して)収納するイメージコアルーメン681と、イメージコアルーメン681の遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメン680と、先端部でさらにその外周に折りたたみ込まれて配されるバルーン710から構成される(図3のA-A線断面である図4参照)。両ルーメン680、681は、先端部で、光透過性かつ柔軟性素材からなる筒状の隔壁部材692により、隔てられた状態で接続されている。 イメージコアルーメン681は、図3のB-B線断面である図5に示すように、下側のところで隔壁部材692に直線状に固定されているとともに、遠位側で小孔(連通孔)720によりバルーン710に接続されている。また、イメージコアルーメン681は、図3のC-C線断面である図6に示すように、小孔720周囲において隔壁部材692と、接着剤722にて小孔720でのイメージコアルーメン681とバルーン710との連通を確保した状態で水密に固定される。
【0065】
手元部には加圧/減圧用のポート694が設けられ、図示はしないが、ロック付シリンジやインデフレータを接続することで、イメージコアルーメン681内の圧力を可減圧することが可能となっている。
【0066】
以下、本OCTプローブ600を患部に挿入する場合の動作について説明する。加減圧ポート694にロックつきシリンジ(不図示)を接続し、シリンジで吸引することで、イメージコアルーメン681は減圧される。その際、柔軟性隔壁部材692はイメージコアルーメン681の容積が最小になるように収縮し、ガイドワイヤルーメン680は先端部まで開放されることになる。そこで、事前に患部まで挿通したガイドワイヤ700の端部をガイドワイヤルーメン680に通し、ガイドワイヤ700に沿って押し込むことで、容易に患部までOCTプローブ600を推し進めることが可能になる。
【0067】
次に、観察時の動作を図7を用いて説明する。OCTプローブ600を患部に留置したところで、ガイドワイヤ700をガイドワイヤルーメン680近位部まで引き込む。その際、透視上で造影マーカ699を確認しながら、ガイドワイヤ700をガイドワイヤルーメン680から抜き取らないように行う。
【0068】
次に、シリンジを用いてイメージコアルーメン681を加圧することで、図7のD-D線断面である図8に示すように、バルーン710が拡張し、イメージコアと観察部位が一定間隔に保たれる。さらに、このとき、イメージコアルーメン681の空間が先端部まで形成される。この状態で、駆動シャフト682を最前部まで前進させることで観察が可能となる。次に、駆動シャフト682を回転させることで、ラジアル走査を行い、同時に軸方向に一定速度で走査することで、スパイラル操作が可能となり、体腔の3次元断層画像データを取得することが可能となる。
【0069】
このように本実施形態では、ガイドワイヤ700に沿わせて、プローブを患部まで進めることが可能であると共に、ガイドワイヤ700のアーチファクト無しに、バルーン710の拡張により、広範囲の断層画像を得ることができる。
【0070】
なお、本実施形態のOCTプローブ600は、内視鏡装置と併用した画像診断装置に適用することが可能である。
【0071】
詳細に説明すると、図9に示すように、本実施形態のOCTプローブ600と内視鏡装置と併用した画像診断装置10は、主として内視鏡100、内視鏡プロセッサ200、光源装置300、生体断層画像生成装置としてのOCTプロセッサ400、及び表示手段としてのモニタ装置500とから構成されている。尚、内視鏡プロセッサ200は、光源装置300を内蔵するように構成されていてもよい。
【0072】
内視鏡100は、手元操作部112と、この手元操作部112に連設される挿入部114とを備える。術者は手元操作部112を把持して操作し、挿入部114を被検者の体内に挿入することによって観察を行う。
【0073】
手元操作部112には、鉗子挿入部138が設けられており、この鉗子挿入部138が挿入部114内に設けられている鉗子チャンネル(不図示)を介して先端部144の鉗子口156に連通されている。画像診断装置10では、プローブとしてのOCTプローブ600を鉗子挿入部138から挿入することによって、OCTプローブ600を鉗子口156から導出する。OCTプローブ600は、鉗子挿入部138から挿入され、鉗子口156から導出される挿入部602と、術者がOCTプローブ600を操作するための操作部604、及びコネクタ410を介してOCTプロセッサ400と接続されるケーブル606から構成されている。
【0074】
内視鏡100の先端部144には、観察光学系150、照明光学系152、及びCCD(不図示)が配設されている。
【0075】
観察光学系150は、被検体を図示しないCCDの受光面に結像させ、CCDは受光面上に結像された被検体像を各受光素子によって電気信号に変換する。この実施の形態のCCDは、3原色の赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが所定の配列(ベイヤー配列、ハニカム配列)で各画素ごとに配設されたカラーCCDである。
【0076】
光源装置300は、可視光を図示しないライトガイドに入射させる。ライトガイドの一端はLGコネクタ120を介して光源装置300に接続され、ライトガイドの他端は照明光学系152に対面している。光源装置300から発せられた光は、ライトガイドを経由して照明光学系152から出射され、観察光学系150の視野範囲を照明する。
【0077】
内視鏡プロセッサ200には、CCDから出力される画像信号が電気コネクタ110を介して入力される。このアナログの画像信号は、内視鏡プロセッサ200内においてデジタルの画像信号に変換され、モニタ装置500の画面に表示するための必要な処理が施される。
【0078】
このように、内視鏡100で得られた観察画像のデータが内視鏡プロセッサ200に出力され、内視鏡プロセッサ200に接続されたモニタ装置500に画像が表示される。
【0079】
(変形例1) 図10は本実施形態の変形例1の断面模式図である。変形例1では、本実施形態との違いを示す。本実施形態で示すバルーン710を脆弱性の病変部で拡張させた場合、病変部を損傷させる恐れがある。そのため、変形例1では、バルーン710の両端における径φXを中心部における径φYより大きくし(φX>φY、例えばX=10mm、Y=12mm)、観察対象との距離は両端のバルーン710の径φXで確保し、ボールレンズ690を走査する範囲(軸方向走査範囲)は病変と密着しないようにしたものである。
【0080】
(変形例2) 図11は本実施形態の変形例2の断面模式図である。変形例1との違いは、軸方向走査範囲の前後に独立した2つのバルーン710を備えることである。これにより、観察範囲(軸方向走査範囲)にはバルーン710が存在しないため、バルーン710によるレーザ光の減衰がなく、かつ、バルーン710により一定の距離を保った状態での観察が可能になる。
【0081】
(変形例3) 図12は本実施形態の変形例3の断面模式図である。また、図13は図12のイメージコア先端部の光学レンズ系を示す図である。変形例3では、本実施形態との違いを説明する。変形例3における、バルーン710はコンプライアンス性を有し、加圧する圧力により径を制御できる。そのため、病変部とイメージコアの距離を調整し、適切な範囲を観察することが可能になる。また、イメージコア先端部の光学レンズ系851は固定焦点ではなく、図12に示すように、移動レンズ850が軸方向に移動することで、固定反射ミラー852と移動レンズ850により焦点を可変できるになっている。そのため、バルーン710の拡張径にあわせて焦点距離を調節できるようにしている。そのため、OCT装置により、バルーン710の径と焦点距離が最適になるように同時に調整される。拡張径は、例えばバルーン710への送気量あるいはバルーン710の内圧、またはOCT画像を画像処理することで計測可能である。
【0082】
この変形例3の光プローブは、体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、前記シースは、前記光学部品を有する光ファイバを長手軸に沿って収納するイメージコアルーメンと、前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配されているバルーンと、前記シースの近位部にあり前記バルーンを加圧/減圧により拡張/収縮するためのポートと、を備え、前記光学部品は、焦点可変機構を備え、前記バルーンは、加圧する圧力により径を可変できることを特徴とする(変形例3の第1構成)。
【0083】
変形例3の光プローブの構成では、本実施形態及び変形例1、2の効果に加え、バルーンの径と光学系の焦点を可変とすることで、広範囲を適切な焦点で観察できるという特有の効果を奏する。
【0084】
また、変形例3の光プローブにおいては、上記第1構成であって、前記焦点可変機構による焦点は、バルーンの径とあわせて制御されることが好ましい(変形例3の第2構成)。
【0085】
さらに、変形例3の光プローブにおいては、上記第1または第2構成であって、前記シースは、さらに、イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンを備えることが好ましい(変形例3の第3構成)。
【0086】
変形例3の光プローブにおいては、上記第1ないし第3構成のいずれか1つの構成であって、前記バルーンは、前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配置され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続され、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは、最遠位部において同軸上に配され、前記ポートは、イメージコアルーメンに接続され、前記シースは、さらに、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光の透過性のある隔壁を備え、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁がイメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をガイドワイヤルーメンとして機能させるとともに、バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁がガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をイメージコアルーメンとして機能させるとともに、バルーンを拡張させることが好ましい(変形例3の第4構成)。
【0087】
以上、本発明の光プローブ及び内視鏡装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0088】
400…OCTプロセッサ、600…OCTプローブ、680…ガイドワイヤルーメン、681…イメージコアルーメン、692…隔壁部材、694…加圧/減圧用ポート、700…ガイドワイヤ、710…バルーン、720…小孔(連通孔)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、
前記シースは、
前記光ファイバを長手軸に沿って進退自在に収納するイメージコアルーメンと、
前記イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンと、
前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続されているバルーンと、
前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光透過性のある隔壁と、
前記イメージコアルーメンの近位部にありイメージコアルーメン内を加減圧するための加減圧ポートと、
を備え、
前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは最遠位部において前記長手軸に沿って配されていると共に、
前記イメージコアルーメンは、前記バルーンと接続されるとともに、遠位部で密閉されていて、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁が前記イメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記ガイドワイヤルーメンとして機能させると共に前記バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁が前記ガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記イメージコアルーメンとして機能させると共に前記バルーンを拡張させる
ことを特徴とする光プローブ。
【請求項2】
前記光ファイバは、回転駆動する駆動シャフト内に配され、前記光学部品を回転駆動することで、前記体腔内にてラジアル走査することを特徴とする請求項1に記載の光プローブ。
【請求項3】
前記駆動シャフトは軸方向にも移動可能とし、前記光学部品を回転駆動かつ軸方向駆動範囲を進退駆動することで、前記体腔内にてスパイラル走査することを特徴とする請求項1に記載の光プローブ。
【請求項4】
前記光学部品は、前記光ファイバ内を伝送された前記光の進行方向を略直角に曲げる反射面を有するボールレンズを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項5】
前記光ファイバは、前記体腔内に波長掃引レーザ光を伝達することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項6】
前記バルーンは、両端部の直径が中央部の直径より大きいことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項7】
前記イメージコアルーメンは、複数のバルーンと接続されていていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項8】
前記複数のバルーンは、前記軸方向駆動範囲の前後に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光プローブ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1つに記載の光プローブと、該光プローブの前記シースを内視鏡の処置具チャンネルに挿通することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項10】
体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、
前記シースは、
前記光学部品を有する光ファイバを長手軸に沿って収納するイメージコアルーメンと、
前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配されているバルーンと、
前記シースの近位部にあり前記バルーンを加圧/減圧により拡張/収縮するためのポートと、
を備え、
前記光学部品は、焦点可変機構を備え、
前記バルーンは、加圧する圧力により径を可変できる
ことを特徴とする光プローブ。
【請求項11】
前記焦点可変機構による焦点は、バルーンの径とあわせて制御されることを特徴とする請求項10に記載の光プローブ。
【請求項12】
前記シースは、さらに、イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンを備えることを特徴とする請求項10ないし11のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項13】
前記バルーンは、前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配置され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続され、
前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは、最遠位部において同軸上に配され、
前記ポートは、イメージコアルーメンに接続され、
前記シースは、さらに、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光の透過性のある隔壁を備え、
前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁がイメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をガイドワイヤルーメンとして機能させるとともに、バルーンを収縮させ、
前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁がガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をイメージコアルーメンとして機能させるとともに、バルーンを拡張させる
ことを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項1】
体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、
前記シースは、
前記光ファイバを長手軸に沿って進退自在に収納するイメージコアルーメンと、
前記イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンと、
前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続されているバルーンと、
前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光透過性のある隔壁と、
前記イメージコアルーメンの近位部にありイメージコアルーメン内を加減圧するための加減圧ポートと、
を備え、
前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは最遠位部において前記長手軸に沿って配されていると共に、
前記イメージコアルーメンは、前記バルーンと接続されるとともに、遠位部で密閉されていて、前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁が前記イメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記ガイドワイヤルーメンとして機能させると共に前記バルーンを収縮させ、前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁が前記ガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部を前記イメージコアルーメンとして機能させると共に前記バルーンを拡張させる
ことを特徴とする光プローブ。
【請求項2】
前記光ファイバは、回転駆動する駆動シャフト内に配され、前記光学部品を回転駆動することで、前記体腔内にてラジアル走査することを特徴とする請求項1に記載の光プローブ。
【請求項3】
前記駆動シャフトは軸方向にも移動可能とし、前記光学部品を回転駆動かつ軸方向駆動範囲を進退駆動することで、前記体腔内にてスパイラル走査することを特徴とする請求項1に記載の光プローブ。
【請求項4】
前記光学部品は、前記光ファイバ内を伝送された前記光の進行方向を略直角に曲げる反射面を有するボールレンズを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項5】
前記光ファイバは、前記体腔内に波長掃引レーザ光を伝達することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項6】
前記バルーンは、両端部の直径が中央部の直径より大きいことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項7】
前記イメージコアルーメンは、複数のバルーンと接続されていていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項8】
前記複数のバルーンは、前記軸方向駆動範囲の前後に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光プローブ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1つに記載の光プローブと、該光プローブの前記シースを内視鏡の処置具チャンネルに挿通することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項10】
体腔内に挿入されるシース内に、光ファイバと該光ファイバの先端部に取り付けられた光学部品とを備え、前記光ファイバ内を伝送された光を前記光学部品より、前記体腔内の生体組織に向けて出射する光プローブであって、
前記シースは、
前記光学部品を有する光ファイバを長手軸に沿って収納するイメージコアルーメンと、
前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配されているバルーンと、
前記シースの近位部にあり前記バルーンを加圧/減圧により拡張/収縮するためのポートと、
を備え、
前記光学部品は、焦点可変機構を備え、
前記バルーンは、加圧する圧力により径を可変できる
ことを特徴とする光プローブ。
【請求項11】
前記焦点可変機構による焦点は、バルーンの径とあわせて制御されることを特徴とする請求項10に記載の光プローブ。
【請求項12】
前記シースは、さらに、イメージコアルーメンの遠位部に略並行して配されるガイドワイヤルーメンを備えることを特徴とする請求項10ないし11のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項13】
前記バルーンは、前記ガイドワイヤルーメンと前記イメージコアルーメンの外側を覆うように配置され、かつ一部で前記イメージコアルーメンと接続され、
前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンと前記バルーンは、最遠位部において同軸上に配され、
前記ポートは、イメージコアルーメンに接続され、
前記シースは、さらに、前記イメージコアルーメンと前記ガイドワイヤルーメンを分離する柔軟性、かつ光の透過性のある隔壁を備え、
前記イメージコアルーメンを減圧することで、前記隔壁がイメージコアルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をガイドワイヤルーメンとして機能させるとともに、バルーンを収縮させ、
前記イメージコアルーメンを加圧することで、前記隔壁がガイドワイヤルーメンを塞ぎ、前記最遠位部をイメージコアルーメンとして機能させるとともに、バルーンを拡張させる
ことを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載の光プローブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−72402(P2011−72402A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225046(P2009−225046)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]