説明

光レベル測定装置、光レベル測定システム、光レベル測定方法及びプログラム

【課題】データ送受信を中断することなく光レベルの測定を行う。
【解決手段】複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断し、該計算結果に従って各ONUへの帯域を割当する。そして、対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を計算した帯域許可時間に割り込ませて割当して、該帯域許可時間を複数のONUへ通知し、割当した対象のONUの帯域許可時間を基に、光トランシーバに光レベル測定の開始信号を送信し、送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PON(Passive Optical Network)システムにおいて受信する光レベルの測定を行う光レベル測定装置、光レベル測定システム、光レベル測定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
図6を参照に、PONシステムについて説明する。PONシステムは、OLT(Optical Line Terminal)と、複数のONU(Optical Network Unit)と、を有して構成される。
【0003】
OLTは、各ONUからの受信データが衝突などを起こすことがないように各ONUへデータ送信のタイミングを指示して時分割に送信させる。すなわち、接続されている各ONUの使用する帯域の使用許可時間を割り当て、各ONUへデータの送信を許可する時間を通知することで、各ONUのデータ送信タイミングを制御する。OLTは、通知した時間を基にデータ受信のタイミングを計算し、各ONUから送信されたデータの受信を行う。
【0004】
また、各ONUでは、OLTにて許可されたタイミングでデータの送信を行う。なお、各ONUから送信された各々のデータは、OLT−ONU間で合波されて、その後OLTへと送信される。
【0005】
図7は、関連する技術のOLTにおける各ONUからの受信データの帯域割当例を示す図である。図は、横軸の時間tに対して、各ONUが許可されたデータ送信タイミングを示している。なお、(a)は、通常時における帯域割当を示し、(b)は、受信光レベル測定時における帯域割当を示している。
【0006】
図7(a)に示すように通常時における帯域割当は、接続されている各ONUに対し順次データが送信されるよう、帯域割当に必要な情報を基に帯域計算をして帯域割当が行われる。
【0007】
一方、図7(b)に示すように受信光レベル測定時には、通常の帯域割当に加えて、受信光レベルを測定する特定のONUにのみ受信光レベル測定用に専用帯域を設けて、該専用帯域を用いて受信光のレベル測定を行っている。
【0008】
例えば特許文献1には、パケットの「Preamble」と「delimiter」からなるヘッダ部の時間内でのみ光レベルのモニタを行い、ペイロード部では光パワーを保持することで、ペイロード部での光レベルの測定値の偏りを回避し、高精度でのモニタを実現する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−11299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、測定時に帯域を割当する場合にOLT−ONU間におけるデータ送受信への配慮が行われていないため、専用帯域を測定に必要な時間以上に大きく割当することになる。
【0011】
測定専用帯域が割当されると、測定されるONUしかデータ送信が許可されず、その他のONUがデータを送信できなくなるために、その他のONUのデータ送受信を停止して測定を行っていた。
【0012】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、データ送受信を中断させることなく光レベルの測定を行う光レベル測定装置、光レベル測定システム、光レベル測定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明における光レベル測定装置は、複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算手段と、帯域計算手段の計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当手段と、帯域割当手段にて割り当てた帯域許可時間を複数のONUへ通知する帯域割当通知手段と、帯域割当手段により割当した対象のONUの帯域許可時間を基に、光トランシーバに光レベル測定の開始信号を送信する測定制御手段と、測定制御手段にて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明における光レベル測定システムは、複数のONUと、ONUからの光信号を電気信号へ変換する信号変換手段を有する光トランシーバと、信号変換手段にて電気信号に変換されたデータを受信するデータ受信手段を有する光レベル測定装置と、を備える光レベル測定システムにおいて、光レベル測定装置は、複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算手段と、帯域計算手段の計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当手段と、帯域割当手段にて割り当てた帯域許可時間を複数のONUへ通知する帯域割当通知手段と、帯域割当手段により割当した対象のONUの帯域許可時間を基に光トランシーバに光レベル測定の開始信号を送信する測定制御手段と、測定制御手段にて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集手段と、を備え、光トランシーバは、測定制御手段による開始信号を受けてONUより送信されるデータの光レベルを測定する光レベル測定手段を備え、ONUは、帯域割当通知手段にて通知された帯域許可時間に従って光トランシーバにデータを送信するデータ送信手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明における光レベル測定装置の光レベル測定方法は、複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算ステップと、帯域計算ステップによる計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当ステップと、帯域割当ステップにて割り当てた帯域許可時間を複数のONUへ通知する帯域割当通知ステップと、帯域割当ステップにより割当した対象のONUの帯域許可時間を基に光レベル測定の開始信号を送信する測定制御ステップと、測定制御ステップにて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集ステップと、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明における光レベル測定システムの光レベル測定方法は、光レベル測定装置による複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算ステップと、帯域計算ステップによる計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当ステップと、帯域割当ステップにて割り当てた帯域許可時間を複数のONUへ通知する帯域割当通知ステップと、帯域割当ステップにより割当した対象のONUの帯域許可時間を基に光トランシーバに光レベル測定の開始信号を送信する測定制御ステップと、ONUによる帯域割当通知ステップにて通知された帯域許可時間に従って光トランシーバにデータを送信するデータ送信ステップと、光トランシーバによる測定制御ステップの開始信号を受けてデータ送信ステップにより送信されるデータの光レベルを測定する光レベル測定ステップと、測定制御ステップにて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集ステップと、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明におけるプログラムは、複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算処理と、帯域計算処理による計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当処理と、帯域割当処理にて割り当てた帯域許可時間を複数のONUへ通知する帯域割当通知処理と、帯域割当処理により割当した対象のONUの帯域許可時間を基に光レベル測定の開始信号を送信する測定制御処理と、測定制御処理にて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明におけるプログラムは、光レベル測定装置による複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算処理と、帯域計算処理による計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当処理と、帯域割当処理にて割り当てた帯域許可時間を複数のONUへ通知する帯域割当通知処理と、帯域割当処理により割当した対象のONUの帯域許可時間を基に光トランシーバに光レベル測定の開始信号を送信する測定制御処理と、ONUによる帯域割当通知処理にて通知された帯域許可時間に従って光トランシーバにデータを送信するデータ送信処理と、光トランシーバによる測定制御ステップの開始信号を受けてデータ送信ステップにより送信されるデータの光レベルを測定する光レベル測定処理と、測定制御処理にて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、データ送受信を中断させることなく光レベルの測定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る光レベル測定システムの構成図である。
【図2】各ONUに対する帯域割当例(その1)である。
【図3】各ONUに対する帯域割当例(その2)である。
【図4】本発明の実施形態に係る光レベル測定装置のフローチャート図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光レベル測定システムのシーケンスチャートである。
【図6】PONシステムの説明図である。
【図7】関連する各ONUに対する帯域割当例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態における光レベル測定システムの全体構成を示すブロック図である。本光レベル測定システムは、受信光レベル測定部1と帯域割当管理部2と上りデータ処理部3と下りデータ処理部4とを有する光レベル測定装置100と、光トランシーバ200と、を有して構成される。なお、図示しないが本光レベル測定システムには、複数のONUが備えられ、データの送受信を行う。
【0023】
光レベル測定装置100は、信号変換部201と受信光レベル測定部202を有する光トランシーバ200で電気信号へと変換されたONUからの入力データを受信して各種処理を行う。なお、光レベル測定装置100に光トランシーバを備えて構成しても良い。
【0024】
受信光レベル測定部1は、受信光レベルの測定に関する処理を行う制御部であり、測定結果収集部11と、測定制御部12と、測定結果処理部13と、を有して構成される。
【0025】
測定結果収集部11は、測定制御部12より送られた測定結果収集タイミングに従って、光トランシーバ200より測定用データを収集し、収集したデータを測定結果処理部13に送信する。
【0026】
測定制御部12は、受信光レベル測定指示がなされたときに帯域割当管理部2に対して、受信光レベル測定用の帯域割当要求を行う。このとき、指定された測定対象となるONUの識別子とともに要求を行う。また、帯域割当部23から受信した受信光レベル測定タイミングに従い、受信光レベル測定制御信号を光トランシーバ200へ送信する。また、受信光レベル測定制御のタイミングから光トランシーバ200での受信光レベル測定終了までの時間を考慮した測定結果収集タイミングを測定結果収集部11へ送信する。
【0027】
測定結果処理部13は、測定結果収集部11で収集した測定結果の各種処理を行い、測定結果の出力を行う。
【0028】
帯域割当管理部2は、接続されている各ONUに対し、データ送信の許可を行う帯域割当に関する処理を行う制御部であり、情報管理部21と、帯域計算部22と、帯域割当部23と、を有して構成される。
【0029】
情報管理部21は、各ONUの状態及び情報を管理しており、受信光レベル測定部1から受信光レベル測定用の帯域割当要求を受けると、帯域計算部22へと帯域計算を行うために必要な各種情報を送信する。このときの情報としては、測定対象ONUの識別し、ONUから定期的に受信している送信データ量などのデータ、光トランシーバ200で受信光レベルを測定するために必要とされる時間などである。
【0030】
帯域計算部22は、情報管理部21より取得した情報を基に各ONUへの帯域割当値の計算を行い、計算結果を帯域割当部23へと送信する。このとき、各ONUの帯域を割当したときの占有時間と、受信光レベル測定にかかる時間と、を比較検証する。
【0031】
帯域割当部23は、帯域計算部22の計算結果を具体的な上りデータ送信タイミング指示として送信開始時刻及び送信終了時刻とし、下りデータ処理部4へと送信する。また、帯域計算部22の比較結果から専用帯域の割当が必要と判断されている場合には、受信光レベル測定用の専用帯域をさらに割当して下りデータ処理部4へと送信する。同時に測定制御部12へ受信光レベル測定を行うタイミング(測定対象ONUの送信開始時刻及び送信終了時刻)を通知する。
【0032】
下りデータ処理部4は、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)G984.3などの規格に準じて、各ONUの信号の送信開始時刻と終了時刻を下りデータに組み込んで指定されたONUに送信する。
【0033】
上りデータ処理部3は、下りデータ処理部4にて各ONUへ通知した上りデータ送信タイミング指示に従い、ONUからの入力データを光トランシーバ200を介して受信し、上りデータの処理を行い、該データを出力する。
【0034】
図2及び図3は、本発明の実施形態における帯域割当部によって割当された帯域割当の説明図である。ここでは、ONU1の受信光レベルが測定されるよう指示されたものとする。
【0035】
図2は、各ONUの帯域が割当された際に、ONU1の一度に割り当てられる帯域許可時間がONU1の受信光レベルの測定に要する時間より短い場合、図3は、ONU1の一度に割り当てられる帯域許可時間がONU1の受信光レベルの測定に要する時間より長い場合を示している。
【0036】
ONU1の一度に割り当てられる帯域許可時間がONU1の受信光レベルの測定に要する時間より短い場合には、許可された帯域占有時間だけでは受信光レベルの測定を完了することができない。そこで、図2に示すようにONU1の帯域割当直後、あるいは直前に測定を行う時間に不足する分を受信光レベル測定用専用帯域に割当することで、ONU1の受信光レベル測定を可能とする。
【0037】
なお、測定対象の直前、あるいは直後に専用帯域を割当しなくとも、測定を行う時間分だけ他の帯域の占有直後に受信光レベル測定用専用帯域を割当しても良い。
【0038】
一方、図3に示すように各帯域許可時間を計算した際に、ONU1の一度に割り当てられる帯域許可時間がONU1の受信光レベルを測定するための時間より長い場合には、そのONU1が長く帯域を占有している時に測定を行う。すなわち、受信光レベル測定用専用帯域を割当することはない。
【0039】
次に、本発明の実施形態における光レベル測定装置の受信光レベル測定処理について図4に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0040】
ユーザ、あるいは予め決められた所定時間などにより、受信光レベル測定指示が行われると(ステップS11)、各ONUの各種情報を基に、各ONUへ帯域を割り当てるための帯域計算を行う(ステップS12)。
【0041】
計算の結果、受信光レベル測定対象となるONUに割り当てる帯域占有時間が、受信光レベルの測定に必要な時間より長いか否かの判断を行う(ステップS13)。
【0042】
対象ONUへ割り当てられた帯域占有時間が受信光レベル測定に必要な時間を満たしていれば、そのまま計算により得られた通常の割り当てを行う(ステップS14)。
【0043】
一方、対象ONUへ割り当てられた帯域占有時間が受信光レベル測定に必要な時間を満たさない場合には、受信光レベル測定に必要な時間分を占有するための測定専用帯域を算出した帯域割当に割り込ませて、帯域割当を行う(ステップS15)。
【0044】
その後、各ONUへと帯域割当を通知し、光トランシーバを介して各ONUからのデータの入力を受け付ける(ステップS16)。
【0045】
その後、測定する帯域が入力され始めると、受信光レベル測定タイミングに従って光トランシーバに測定開始信号を通知し、測定結果の収集を行い(ステップS17)、測定結果の出力を行う(ステップS18)。
【0046】
続いて、本発明の実施形態における光レベル測定システムの受信光レベル測定処理について図5に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。なお、本光レベル測定システムは、光レベル測定装置100と、光トランシーバ200と、ONU300と、と、ONU400と、を有して構成される。なお、ONU300は、受信光レベル測定対象となるONUであり、ONU400は、受信光レベル測定非対象のONUである。
【0047】
光レベル測定装置100は、受信光レベル測定の指示があると、各ONUの各種情報を基に、各ONUへ帯域を割り当てるための帯域計算を行う(ステップS21)。このとき、ONU300へ割り当てられた帯域占有時間が、受信光レベル測定に必要な時間を満たさないと判断される場合には、受信光レベル測定に必要な時間分の測定専用帯域を、算出した帯域割当に割り込ませる。また、上記条件を満たしていれば、計算結果に従ってそのまま帯域割当を行う。
【0048】
その後、光レベル測定装置100は、割り当てた帯域割当を各ONUへと通知する(ステップS22)。
【0049】
ONU300及びONU400は、光レベル測定装置100より送信された帯域割当を受け取る(ステップS23)。
【0050】
受け取った帯域割当からデータ送信タイミングとなったONU400は、該帯域割当に従ってデータの送信を行う(ステップS24)。
【0051】
光トランシーバ200は、ONU400より送信されたデータを受信して光信号から電気信号へと変換を行う(ステップS25)。
【0052】
光レベル測定装置は、光トランシーバ200により変換された電気信号データを受信して処理を行い、該データを外部の出力装置などへ出力して当該出力装置に結果を表示させる(ステップS26)。
【0053】
次にデータ送信タイミングとなったONU300は、受け取った帯域割当に従ってデータの送信を行う(ステップS27)。
【0054】
光トランシーバ200は、ONU300より送信されたデータを受信し、受信光レベル測定タイミングに従って受信光レベルの測定を開始し(ステップS28)、光レベル測定装置100は、測定結果収集タイミングに従って光トランシーバ200より測定された受信光レベルの収集を開始する(ステップS29)。
【0055】
光トランシーバ200は、受信光レベル測定タイミングに応じて受信光レベル測定を終了し(ステップS30)、また、光レベル測定装置100は、測定結果収集タイミングに応じて光トランシーバ200より測定された受信光レベルの収集を終了する(ステップS31)。
【0056】
その後、光レベル測定装置100は、収集した測定結果の各種処理を行って測定結果の出力を行う(ステップS32)。
【0057】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、運用サービスに影響することなく、つまり、データ送受信の影響なく、OLTの受信光レベルをONU単位に測定することができる。
【0058】
また、受信光レベル測定を行うONUのために、測定に必要な時間分の帯域割当を、通常の帯域割り当てに割り込ませることにより、測定を行わないONUのデータ送受信の停止を発生させない。
【0059】
また、受信光レベル測定時において、受信光レベル測定専用の帯域時間以上の帯域割当なされる場合には、通常の帯域割当結果の割当のみとする。すなわち、受信光レベル測定用の専用の帯域割当を追加しないことにより、測定を行わないONUのデータ送受信の停止を発生させない。
【0060】
また、起動中のONUが存在しても、起動を行うための専用の帯域割当とは排他的に受信光レベル測定用の帯域割当を行うため、受信光レベル測定が可能である。また、この場合も通常の帯域割当は行われるため、受信光レベル測定を行わないONUのデータ送受信をさせることも可能である。
【0061】
さらに、本発明の実施形態における受信光レベル測定の測定結果を用いて、ONUの送信光レベルの強さ調整の制御、通信に影響を及ぼしてしまうようなONUの有無の調査を行うことが可能となり、保守運用を行う上で大変有効である。
【0062】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 受信光レベル測定部
11 測定結果収集部
12 測定制御部
13 測定結果処理部
2 帯域割当管理部
21 情報管理部
22 帯域計算部
23 帯域割当部
3 上りデータ処理部
4 下りデータ処理部
100 光レベル測定装置
200 光トランシーバ
201 信号変換部
202 受信光レベル測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算手段と、
前記帯域計算手段の計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、前記対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が前記測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を前記計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当手段と、
前記帯域割当手段にて割り当てた帯域許可時間を前記複数のONUへ通知する帯域割当通知手段と、
前記帯域割当手段により割当した前記対象のONUの帯域許可時間を基に、光トランシーバに光レベル測定の開始信号を送信する測定制御手段と、
前記測定制御手段にて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集手段と、を備えることを特徴とする光レベル測定装置。
【請求項2】
前記帯域割当手段は、前記帯域許可時間の直前又は直後に、前記帯域許可時間における光レベル測定が行われる時間に不足する分の専用帯域を割当することを特徴とする請求項1記載の光レベル測定装置。
【請求項3】
前記帯域割当手段は、前記対象とは別のONUの帯域占有直後に光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を割当することを特徴とする請求項1記載の光レベル測定装置。
【請求項4】
前記帯域割当通知手段は、各ONUにデータ送信を許可する開始時刻と終了時刻を前記各ONUへの送信データに組み込んで送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光レベル測定装置。
【請求項5】
複数のONUと、前記ONUからの光信号を電気信号へ変換する信号変換手段を有する光トランシーバと、前記信号変換手段にて電気信号に変換されたデータを受信するデータ受信手段を有する光レベル測定装置と、を備える光レベル測定システムにおいて、
前記光レベル測定装置は、
前記複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算手段と、
前記帯域計算手段の計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、前記対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が前記測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を前記計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当手段と、
前記帯域割当手段にて割り当てた帯域許可時間を前記複数のONUへ通知する帯域割当通知手段と、
前記帯域割当手段により割当した前記対象のONUの帯域許可時間を基に前記光トランシーバに光レベル測定の開始信号を送信する測定制御手段と、
前記測定制御手段にて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集手段と、を備え、
前記光トランシーバは、
前記測定制御手段による開始信号を受けて前記ONUより送信されるデータの光レベルを測定する光レベル測定手段を備え、
前記ONUは、
前記帯域割当通知手段にて通知された帯域許可時間に従って前記光トランシーバにデータを送信するデータ送信手段を備えることを特徴とする光レベル測定システム。
【請求項6】
前記帯域割当手段は、前記帯域許可時間の直前又は直後に、前記帯域許可時間における光レベル測定が行われる時間に不足する分の専用帯域を割当することを特徴とする請求項5記載の光レベル測定システム。
【請求項7】
前記帯域割当手段は、前記対象とは別のONUの帯域占有直後に光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を割当することを特徴とする請求項5記載の光レベル測定システム。
【請求項8】
前記帯域割当通知手段は、各ONUにデータ送信を許可する開始時刻と終了時刻を前記各ONUへの送信データに組み込んで送信することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の光レベル測定システム。
【請求項9】
複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算ステップと、
前記帯域計算ステップによる計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、前記対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が前記測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を前記計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当ステップと、
前記帯域割当ステップにて割り当てた帯域許可時間を前記複数のONUへ通知する帯域割当通知ステップと、
前記帯域割当ステップにより割当した前記対象のONUの帯域許可時間を基に光レベル測定の開始信号を送信する測定制御ステップと、
前記測定制御ステップにて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集ステップと、を備えることを特徴とする光レベル測定装置の光レベル測定方法。
【請求項10】
光レベル測定装置による複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算ステップと、
前記帯域計算ステップによる計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、前記対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が前記測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を前記計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当ステップと、
前記帯域割当ステップにて割り当てた帯域許可時間を前記複数のONUへ通知する帯域割当通知ステップと、
前記帯域割当ステップにより割当した前記対象のONUの帯域許可時間を基に光トランシーバに光レベル測定の開始信号を送信する測定制御ステップと、
ONUによる前記帯域割当通知ステップにて通知された帯域許可時間に従って前記光トランシーバにデータを送信するデータ送信ステップと、
前記光トランシーバによる前記測定制御ステップの開始信号を受けて前記データ送信ステップにより送信されるデータの光レベルを測定する光レベル測定ステップと、
前記測定制御ステップにて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集ステップと、を備えることを特徴とする光レベル測定システムの光レベル測定方法。
【請求項11】
複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算処理と、
前記帯域計算処理による計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、前記対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が前記測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を前記計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当処理と、
前記帯域割当処理にて割り当てた帯域許可時間を前記複数のONUへ通知する帯域割当通知処理と、
前記帯域割当処理により割当した前記対象のONUの帯域許可時間を基に光レベル測定の開始信号を送信する測定制御処理と、
前記測定制御処理にて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
光レベル測定装置による複数のONUに対してデータ送信を許可する時間である帯域許可時間を計算し、光レベルを測定する対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が光レベルの測定時間より長いか否かを判断する帯域計算処理と、
前記帯域計算処理による計算結果に従って各ONUへの帯域を割当し、前記対象のONUに割り当てられる帯域許可時間が前記測定時間より短いと判断された場合には、光レベル測定が行われる時間分の専用帯域を前記計算した帯域許可時間に割り込ませて割当する帯域割当処理と、
前記帯域割当処理にて割り当てた帯域許可時間を前記複数のONUへ通知する帯域割当通知処理と、
前記帯域割当処理により割当した前記対象のONUの帯域許可時間を基に光トランシーバに光レベル測定の開始信号を送信する測定制御処理と、
ONUによる前記帯域割当通知処理にて通知された帯域許可時間に従って前記光トランシーバにデータを送信するデータ送信処理と、
前記光トランシーバによる前記測定制御ステップの開始信号を受けて前記データ送信ステップにより送信されるデータの光レベルを測定する光レベル測定処理と、
前記測定制御処理にて送信した開始信号と連動して光レベル測定結果を収集する測定結果収集処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−10068(P2011−10068A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151921(P2009−151921)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】