説明

光伝送システム、電気/光変換器、光回線切断検出装置及び受信側システム並びにそれらに対応する方法

【課題】送信側および受信側で、それぞれ、ベースバンドデジタルシリアル映像信号(映像信号)をスクランブラおよびデスクランブラする必要なしに入力信号の異常と光回線切断の原因の切り分けを行う。
【解決手段】映像信号の入力の有無を検出する検出手段、映像信号とは異なる周波数の信号を生成する発振器、検出手段が映像信号の入力が有ることを検出した時には、映像信号を選択し、検出手段が映像信号の入力が無いことを検出した時には、発振器が生成する信号を選択するセレクタ、セレクタの出力信号を光信号に変換する手段を備える電気/光変換器と、電気/光変換器から受信した光の強度を基に、光回線の切断を検出する光回線切断検出装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送システム、電気/光変換器、光回線切断検出装置及び受信側システム並びに光伝送方法、電気/光変換方法、光回線切断検出方法及び受信方法に関し、特にベースバンドデジタルシリアル映像信号を伝送する光伝送システム、電気/光変換器、光回線切断検出装置及び受信側システム並びに光伝送方法、電気/光変換方法、光回線切断検出方法及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光伝送システムの基本的な構成を図6に示す。
【0003】
図6を参照すると、基本的な光伝送システムは、E/O変換器(すなわち、電気/光変換器)202、光ファイバ3及びO/E変換器(すなわち、光/電気変換器)207を備える。
【0004】
E/O変換器202は、入力された電気的なベースバンドデジタルシリアル映像信号を光のベースバンドデジタルシリアル映像信号に変換する。
【0005】
光ファイバ3は、E/O変換器202が出力する光のベースバンドデジタルシリアル映像信号を伝送する。
【0006】
O/E変換器207は、E/O変換器202から光ファイバ3を経て入力されてきた光のベースバンドデジタルシリアル映像信号を電気的なベースバンドデジタルシリアル映像信号に変換して、出力する。
【0007】
図7は、図6に示すE/O変換器202の構成例を示す。
【0008】
図7を参照すると、E/O変換器202は、ケーブルイコライザ32、リクロッカ33、スクランブル回路38、レーザドライバ36、レーザダイオード37を備える。
【0009】
ケーブルイコライザ32は、電気的なベースバンドデジタルシリアル映像信号入力のケーブルで生じた伝送路歪みを補正する。
【0010】
リクロッカ33は、ケーブルイコライザ32により伝送路歪みが補正された電気的なベースバンドデジタル映像信号入力からクロックを抽出し、伝送路歪みが補正された電気的なベースバンドデジタル映像信号入力をこのクロックに同期させる。
【0011】
スクランブル回路38は、リクロッカによりクロックに同期した電気的なベースバンドデジタル映像信号入力を擬似ランダム信号(M系列信号など)によりスクランブルする。
【0012】
レーザドライバ36は、スクランブル回路38によりスクランブルされた電気的なベースバンドデジタル映像信号入力によりレーザダイオード37の発光強度を変調する。
【0013】
また、レーザドライバ36は、受光素子36−1、AGC(Automatic Gain Controller)36−2及び可変ゲインアンプ36−3を備え、レーザダイオードの平均発光強度を目標平均光強度にする。
【0014】
図8は、図6に示すO/E変換器207の構成例を示す。
【0015】
図8を参照すると、O/E変換器207は、フォトダイオード21、トランスインピーダンスアンプ22、リミティングアンプ23、リクロッカ、デスクランブル回路31、バッファ、フォーマット検出部29を備える。
【0016】
フォトダイオード21は、E/O変換器202から光ファイバ3を経てきた光信号入力を電流に変換する。
【0017】
トランスインピーダンスアンプ22は、フォトダイオード21から入力する電流を電圧に変換する。
【0018】
リミティングアンプ23は、トランスインピーダンスアンプ22と容量結合しており、トランスインピーダンス22から入力した電圧の交流成分を二値化する。また、リミティングアンプ23は、トランスインピーダンス22から入力した電圧の交流成分の振幅が不十分である場合には、変調信号振幅低下アラーム24を出力する。
【0019】
リクロッカ25は、リミティングアンプ23から入力した二値化された信号からクロックを抽出し、二値化された信号をこのクロックに同期させる。また、リクロッカ25は、クロックの抽出ができないときには、リクロッカアラームを出力する。
【0020】
デスクランブル回路31は、スクランブル回路38に対応したものであり、リクロッカ25から入力した信号を擬似ランダム信号によりデスクランブルする。
【0021】
バッファ26は、デスクランブルにより得られた電気的なベースバンドデジタルシリアル映像信号を一時的に格納する。バッファ26に一時的に格納された電気的なベースバンドデジタルシリアル映像信号は、バッファ26から読み出される。
【0022】
フォーマット検出部29は、正常なフォーマットをデスクランブル回路31の出力から得られない場合に、フォーマット未検出アラームを出力する。
【0023】
このような基本的な構成のベースバンドデジタルシリアル映像信号光伝送システムにおいて、受信側にて入力信号の異常を検出するために、ベースバンドデジタルシリアル映像信号のフォーマットまたは伝送速度から異常検出を行っている。すなわち、フォーマットに異常がある場合には、フォーマット未検出アラーム出力30を出し、伝送速度に異常がある場合には、リクロックアラーム出力28を出している。
【0024】
また、受信側にて光回線の切断を検出するために変調振幅レベルから光回線の切断検出を行っている。すなわち、光回線が切断されている場合には、変調信号振幅低下アラーム24を出力している。
【特許文献1】特開2002−330190号公報
【特許文献2】特開2007−274533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
上記の構成では、スクランブル回路38が常時信号にスクランブルをかけているために、伝送信号は常時交流となり、トランスインピーダンス22とリミティングアンプ23との容量結合部においても信号が伝達される。従って、変調信号振幅低下アラーム24、リクロッカアラーム出力28及びフォーマット未検出アラーム出力30を正しく得ることができる。
【0026】
ところで、スクランブル回路38及びデスクランブル回路31はコスト高を招き、できれば、これらの回路を削除したい。他方、ベースバンドデジタルシリアル映像信号入力31が無信号となる場合もある。すなわち、ベースバンドデジタルシリアル映像信号入力31が直流となる場合がある。
【0027】
そうすると、スクランブル回路38及びデスクランブル回路31を削除すると、ベースバンドデジタルシリアル映像信号入力31が無信号である場合、信号は、トランスインピーダンスアンプ22とリミティングアンプ23との間の容量で遮断されてしまい、リミティングアンプ23への入力が無くなってしまう。そうすると、変調信号振幅低下アラーム24、リクロックアラーム出力28及びフォーマット未検出アラーム出力30は、正しく正常/異常の区別を判断することができなくなってしまう。
【0028】
ここで、変調信号振幅低下アラーム24は、光回線の切断を示すアラームとして利用される。
【0029】
そこで、本発明は、スクランブル回路及びデスクランブル回路などのようなコストが嵩む回路が無くても、光回線の切断を示すアラーム出力、リクロックアラーム出力及びフォーマット未検出アラーム出力を正常に得ることができるような光伝送システム、電気/光変換器、光回線切断検出装置及び受信側システム並びに光伝送方法、電気/光変換方法、光回線切断検出方法及び受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明によれば、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出手段と、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数とは異なる周波数の信号を生成する発振器と、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記発振器が生成する信号を選択するセレクタと、前記セレクタの出力信号を光信号に変換する電気/光変換手段と、を備える電気/光変換器と、前記電気/光変換器から受信した光の強度を基に、光回線の切断を検出する光回線切断検出装置と、を備えることを特徴とする光伝送システムが提供される。
【0031】
また、本発明によれば、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出手段と、直流電源と、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記直流電源が生成する信号を選択するセレクタと、前記セレクタの出力信号を光信号に変換する電気/光変換手段と、を備える電気/光変換器と、前記電気/光変換器から受信した光の強度を基に、光回線の切断を検出する光回線切断検出装置と、を備えることを特徴とする光伝送システムが提供される。
【0032】
更に、本発明によれば、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出手段と、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数とは異なる周波数の信号を生成する発振器と、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記発振器が生成する信号を選択するセレクタと、前記セレクタの出力信号を光信号に変換する電気/光変換手段と、を備えることを特徴とする電気/光変換器が提供される。
【0033】
更に、本発明によれば、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出手段と、直流電源と、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記直流電源が生成する信号を選択するセレクタと、前記セレクタの出力信号を光信号に変換する電気/光変換手段と、を備えることを特徴とする電気/光変換器が提供される。
【0034】
更に、本発明によれば、受信した光の強度を電圧に変換する光/電圧変換手段と、前記電圧を所定の電圧と比較することにより二値化する比較手段と、二値化された前記電圧を積分する積分手段と、積分された前記電圧が比較電圧未満である時に、アラーム信号を出力するアラーム信号出力手段と、を備えることを特徴とする光回線切断検出装置が提供される。
【0035】
更に、本発明によれば、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出ステップと、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数とは異なる周波数の信号を生成する発振ステップと、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記発振器が生成する信号を選択する選択ステップと、前記選択ステップにより選択された信号を光信号に変換する電気/光変換ステップと、を送信側で行い、前記電気/光変換ステップで生成され、伝送路を経てきた光の強度を基に、光回路の切断を検出する光回路切断検出ステップを受信側で行うことを特徴とする光伝送方法が提供される。
【0036】
更に、本発明によれば、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出ステップと、直流電源より直流電圧を生成する直流電圧生成ステップと、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記直流電圧を選択する選択ステップと、前記選択ステップにより選択された信号を光信号に変換する電気/光変換ステップと、を送信側で行い、前記電気/光変換ステップで生成され、伝送路を経てきた光の強度を基に、光回路の切断を検出する光回路切断検出ステップを受信側で行うことを特徴とする光伝送方法が提供される。
【0037】
更に、本発明によれば、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出ステップと、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数とは異なる周波数の信号を生成する発振ステップと、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記発振ステップで生成した信号を選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択された出力信号を光信号に変換する電気/光変換ステップと、を備えることを特徴とする電気/光変換方法が提供される。
【0038】
更に、本発明によれば、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出ステップと、直流電源より直流電圧を生成する直流電圧生成ステップと、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記直流電圧を選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択された出力信号を光信号に変換する電気/光変換ステップと、を備えることを特徴とする電気/光変換方法が提供される。
【0039】
更に、本発明によれば、受信した光の強度を電圧に変換する光/電圧変換ステップと、前記電圧を所定の電圧と比較することにより二値化する比較ステップと、二値化された前記電圧を積分する積分ステップと、積分された前記電圧が比較電圧未満である時に、アラーム信号を出力するアラーム信号出力ステップと、を備えることを特徴とする光回線切断検出方法が提供される。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、ベースバンドデジタルシリアル映像信号をスクランブルしなくても、光回線が切断しているのか否かを検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0042】
本発明の実施の形態について図面を参照し詳細に説明する。
【0043】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態によるベースバンドデジタルシリアル映像信号の光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【0044】
図1と図6とを比較すると明らかなように、本発明の実施形態によるシステムは、基本的な構成のシステムに対し、光検知器4が追加されている。光検知器4は、光ファイバ3とO/E変換器7との間に挿入される。光検知器4は、カプラ5及び光回線切断検出部6を備える。
【0045】
カプラ5は、光ファイバ3から入力した光を9:1の割合でO/E変換器7と光回線切断検出部6とに分岐する。光回線切断検出部6は、光回線の切断を検出する。
【0046】
また、図1と図6とを比較すると明らかなように、E/O変換器202は、E/O変換器2に置き換わり、O/E変換器207は、O/E変換器7に置き換わっている。
【0047】
図2は、E/O変換器2の構成例を示すブロック図である。
【0048】
図2と図7とを比較すると明らかなように、本実施形態によるE/O変換器2は、基本的な構成のE/O変換器202と比べ、スクランブル回路38が削除され、周波数発振器35とセレクタ34とが追加されている。
【0049】
ケーブルイコライザ32は、ベースバンドデジタルシリアル映像信号が入力されているか否かを判断し、入力されている場合には、セレクタにリクロッカ33の出力を選択させ、入力されていない場合には、周波数発振器35の出力を選択させる。
【0050】
発振器35の発振周波数は、HDTV(High Definition Television)のベースバンドデジタルシリアル映像信号及びSDTV(Standard Television)のベースバンドデジタルシリアル信号と異なる周波数に設定する。すなわち、伝送するベースバンドデジタルシリアル信号と異なる周波数に設定する。こうすることにより受信側のリクロッカ25で、ベースバンドデジタルシリアル映像信号が送信されてきたのか、又は、発振器35が生成したシリアル信号が伝送されてきたのかを検出し、後者である場合に、リクロックアラームを出力することができるようになる。
【0051】
図3は、光検知器4の構成例を示す。
【0052】
フォトダイオード11は、カプラから入力した光信号を電流信号に変換する。
【0053】
トランスインピーダンスアンプ12は、フォトダイオード11から入力した電流信号を電圧信号に変換する。
【0054】
光レベル検出部13は、トランスインピーダンスから入力した電圧信号の電圧を光切断検出レベル調整14により示される電圧と比較し、前者のほうが後者よりも高い場合には、HIGHレベルの電圧(例えば、5ボルト)を出力し、そうでない場合には、LOWレベルの電圧(例えば、0ボルト)の電圧を出力する。
【0055】
RC積分器15は、光レベル検出部13の出力を時間積分する。こうすることにより、ベースバンドデジタルシリアル映像信号入力の変調出力がある場合にも光入力レベルの平均化が行われる。
【0056】
RC積分器15の時定数は、ベースバンドデジタルシリアル映像信号ではパソロジカルパターン(例えば、特許文献2、第9段落、図2参照)と呼ばれるマーク率異常継続期間を考慮して100msと設定する。
【0057】
シュミット回路16にて光切断検出レベル付近でヒステリシスをもつことによりアラームの安定を行う。
【0058】
シュミット回路16の出力を基にアラーム検出部17でアラームを検出し、アラーム出力18から光回線の切断を検出する。すなわち、アラーム出力18は、ベースバンドデジタルシリアル映像信号が入力されているか否かにかかわらず、光回線が切断されているか否かを示す信号となる。
【0059】
図4は、O/E変換器207の構成例を示す。
【0060】
図4と図8とを比較すると明らかなように、本実施形態によるO/E変換器207は、基本的な構成のO/E変換器207と比べ、デスクランブル回路31が削除され、リミティングアンプが変調信号振幅低下アラームを出力しない点が異なる。
【0061】
光回線が切断されている場合には、アラーム出力18(図3)により、これを検出することができる。この場合、リミティングアンプ23以降には信号が伝達されないため、リクロックアラーム出力28(図4)とフォーマット未検出アラーム出力30(図4)とは無効となる。
【0062】
光回線が切断されていない場合には、ベースバンドデジタルシリアル映像信号が入力されているか否かにかかわらず、アラーム出力18は出されない。従って、ベースバンドデジタルシリアル映像信号が入力されているか否かにかかわらず、アラーム出力18は出されないことを確認することにより、光回線が切断されていないことを確認することができる。
【0063】
光回線が切断されておらず、ベースバンドデジタルシリアル映像信号が入力されていない場合には、リクロッカ25(図4)がリクロックアラーム出力28を出す。従って、アラーム出力18が出されていない状態において、リクロッカ25(図4)がリクロックアラーム出力28を出すか否かにより、ベースバンドデジタルシリアル映像信号が入力されているか否かを確認することができる。
【0064】
光回線が切断されておらず、ベースバンドデジタルシリアル映像信号のフォーマットに異常がある場合には、フォーマット検出部29(図4)は、フォーマット未検出アラーム出力30を出す。従って、アラーム出力18が出されていない状態において、フォーマット検出部29(図4)が、フォーマット未検出アラーム出力30を出すか否かにより、フォーマットに異常があるか否かを確認することができる。
【0065】
[実施形態2]
図5は、実施形態2におけるE/O変換器2の構成を示すブロック図である。
【0066】
図5を図2と比較すると明らかなように、周波数発振器35の代わりに直流電源35Bを利用する。
【0067】
レーザードライバ36のAGC機能により、実施形態1の場合には、ベースバンドデジタルシリアル映像信号入力が選択された場合も、周波数発振器35の出力が選択された場合も、レーザダイオードから出る光の平均強度は、目標平均光強度であった。これと同様に、実施形態2の場合にも、レーザードライバ36のAGC機能により、ベースバンドデジタルシリアル映像信号入力が選択された場合も、直流電源35Bの出力が選択された場合も、レーザダイオードから出る光の平均強度は、目標平均光強度となる。
【0068】
従って、光回線切断検出部6は、実施形態2でも、実施形態1と同様に動作する。すなわち、光回線切断検出部6は、光回線が切断されているか否かを実施形態1と同様に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態による光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すE/O変換器の実施形態1における構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す光検知器の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すO/E変換器の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示すE/O変換器の実施形態2における構成を示すブロック図である。
【図6】光伝送システムの基本的な構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示すE/O変換器の基本的な構成を示すブロック図である。
【図8】図6に示すO/E変換器の基本的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ベースバンドデジタルシリアル映像信号入力
2 E/O変換器
3 光ファイバ
4 光検知器
5 カプラ光分岐部
6 光回線切断検出部
7 O/E変換器
8 ベースバンドデジタルシリアル映像信号出力
9 光信号入力
11 フォトダイオード
12 トランスインピーダンスアンプ
13 光レベル検出部
14 光切断検出レベル調整
15 RC積分器
16 シュミット回路
17 アラーム検出部
18 アラーム出力
19 光信号出力
20 光信号入力
21 フォトダイオード
22 トランスインピーダンスアンプ
23 リミティングアンプ
24 変調信号振幅低下アラーム
25 リクロッカ
26 バッファ
27 ベースバンドデジタルシリアル映像信号出力
28 リクロックアラーム出力
29 フォーマット検出部
30 フォーマット未検出アラーム出力
31 ベースバンドデジタルシリアル映像信号入力
32 ケーブルイコライザ
33 リクロッカ
34 セレクタ
35 発振器
36 レーザドライバ
37 レーザダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出手段と、
前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数とは異なる周波数の信号を生成する発振器と、
前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記発振器が生成する信号を選択するセレクタと、
前記セレクタの出力信号を光信号に変換する電気/光変換手段と、
を備える電気/光変換器と、
前記電気/光変換器から受信した光の強度を基に、光回線の切断を検出する光回線切断検出装置と、
を備えることを特徴とする光伝送システム。
【請求項2】
ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出手段と、
直流電源と、
前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記直流電源が生成する信号を選択するセレクタと、
前記セレクタの出力信号を光信号に変換する電気/光変換手段と、
を備える電気/光変換器と、
前記電気/光変換器から受信した光の強度を基に、光回線の切断を検出する光回線切断検出装置と、
を備えることを特徴とする光伝送システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光伝送システムにおいて、
前記光回線切断検出装置は、
前記電気/光変換器から受信した光の強度を電圧に変換する光/電圧変換手段と、
前記電圧を所定の電圧と比較することにより二値化する比較手段と、
二値化された前記電圧を積分する積分手段と、
積分された前記電圧が比較電圧未満である時に、アラーム信号を出力するアラーム信号出力手段と、
を備えることを特徴とする光伝送システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の光伝送システムにおいて、
前記電気/光変換器は、
前記電気/光変換手段が出力する光の平均強度が目標平均光強度となるように制御をする手段を更に備えることを特徴とする光伝送システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の光伝送システムにおいて、
前記電気/光変換器は、
入力したベースバンドデジタルシリアル映像信号に対して、ケーブル補償を行うケーブルイコライザを更に備えることを特徴とする光伝送システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の光伝送システムにおいて、
前記電気/光変換器は、
前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号からクロック成分を抽出し、該抽出したクロック成分を基に前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号のリタイミングを行う送信側リクロッカを更に備えることを特徴とする光伝送システム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の光伝送システムにおいて、
前記光/電圧変換手段は、
受信した光の強度に対応した電流を生成するフォトダイオードと、
前記電流を電圧に変換するアンプと、
を備えることを特徴とする光伝送システム。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の光伝送システムにおいて、
受信側に、光の強度から変換された電圧を有する信号からクロック成分を抽出し、該抽出したクロック成分を基に前記信号のリタイミングを行う受信側リクロッカを更に備え、該受信側リクロッカは、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数でのリタイミングが正常にできない時に、リクロックアラームを出力することを特徴とする光伝送システム。
【請求項9】
請求項8に記載の光伝送システムにおいて、
受信側に、前記リクロッカが出力する信号のフォーマットをチェックするフォーマット検出手段を更に備え、該フォーマット検出手段は、前記リクロッカが出力する信号からフォーマットを検出できない時に、フォーマット未検出アラームを出力することを特徴とする光伝送システム。
【請求項10】
ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出手段と、
前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数とは異なる周波数の信号を生成する発振器と、
前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記発振器が生成する信号を選択するセレクタと、
前記セレクタの出力信号を光信号に変換する電気/光変換手段と、
を備えることを特徴とする電気/光変換器。
【請求項11】
ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出手段と、
直流電源と、
前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出手段が、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記直流電源が生成する信号を選択するセレクタと、
前記セレクタの出力信号を光信号に変換する電気/光変換手段と、
を備えることを特徴とする電気/光変換器。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の電気/光変換器において、
前記電気/光変換手段が出力する光の平均強度が目標平均光強度となるように制御する手段を更に備えることを特徴とする電気/光変換器。
【請求項13】
請求項10乃至12の何れか1項に記載の電気/光変換器において、
入力したベースバンドデジタルシリアル映像信号に対して、ケーブル補償を行うケーブルイコライザを更に備えることを特徴とする電気/光変換器。
【請求項14】
請求項10乃至13の何れか1項に記載の電気/光変換器において、
前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号からクロック成分を抽出し、該抽出したクロック成分を基に前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号のリタイミングを行う送信側リクロッカを更に備えることを特徴とする電気/光変換器。
【請求項15】
受信した光の強度を電圧に変換する光/電圧変換手段と、
前記電圧を所定の電圧と比較することにより二値化する比較手段と、
二値化された前記電圧を積分する積分手段と、
積分された前記電圧が比較電圧未満である時に、アラーム信号を出力するアラーム信号出力手段と、
を備えることを特徴とする光回線切断検出装置。
【請求項16】
請求項15に記載の光回線切断検出装置において、
前記光/電圧変換手段は、
受信した光の強度に対応した電流を生成するフォトダイオードと、
前記電流を電圧に変換するアンプと、
を備えることを特徴とする光回線切断検出装置。
【請求項17】
請求項15に記載の光回線切断検出装置の各手段と、
光の強度から変換された電圧を有する信号からクロック成分を抽出し、該抽出したクロック成分を基に前記信号のリタイミングを行う受信側リクロッカを更に備え、該受信側リクロッカは、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数でのリタイミングが正常にできない時に、リクロックアラームを出力することを特徴とする受信側システム。
【請求項18】
請求項17に記載の受信側システムにおいて、
前記リクロッカが出力する信号のフォーマットをチェックするフォーマット検出手段を更に備え、該フォーマット検出手段は、前記リクロッカが出力する信号からフォーマットを検出できない時に、フォーマット未検出アラームを出力することを特徴とする受信側システム。
【請求項19】
ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出ステップと、
前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数とは異なる周波数の信号を生成する発振ステップと、
前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記発振器が生成する信号を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択された信号を光信号に変換する電気/光変換ステップと、
を送信側で行い、
前記電気/光変換ステップで生成され、伝送路を経てきた光の強度を基に、光回路の切断を検出する光回路切断検出ステップを受信側で行うことを特徴とする光伝送方法。
【請求項20】
ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出ステップと、
直流電源より直流電圧を生成する直流電圧生成ステップと、
前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記直流電圧を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択された信号を光信号に変換する電気/光変換ステップと、
を送信側で行い、
前記電気/光変換ステップで生成され、伝送路を経てきた光の強度を基に、光回路の切断を検出する光回路切断検出ステップを受信側で行うことを特徴とする光伝送方法。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の光伝送方法において、
前記光回路切断検出ステップは、
前記電気/光変換ステップで生成され、伝送路を経てきた光の強度を電圧に変換する光/電圧変換ステップと、
前記電圧を所定の電圧と比較することにより二値化する比較ステップと、
二値化された前記電圧を積分する積分ステップと、
積分された前記電圧が比較電圧未満である時に、アラーム信号を出力するアラーム信号出力ステップと、
を備えることを特徴とする光伝送方法。
【請求項22】
請求項19又は20に記載の光伝送方法において、
送信側で、前記電気/光変換ステップで出力する光の平均強度が目標平均光強度となるように制御をするステップを更に備えることを特徴とする光伝送方法。
【請求項23】
請求項19乃至22の何れか1項に記載の光伝送方法において、
送信側で入力したベースバンドデジタルシリアル映像信号に対して、ケーブル補償を行うステップを更に備えることを特徴とする光伝送方法。
【請求項24】
請求項19乃至23の何れか1項に記載の光伝送方法において、
送信側で前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号からクロック成分を抽出し、該抽出したクロック成分を基に前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号のリタイミングを行うステップを更に備えることを特徴とする光伝送方法。
【請求項25】
請求項19又は20に記載の光伝送方法において、
前記光/電圧変換ステップは、
受信した光の強度に対応した電流を生成するステップと、
前記電流を電圧に変換するステップと、
を備えることを特徴とする光伝送方法。
【請求項26】
請求項19又は20に記載の光伝送方法において、
受信側で、光の強度から変換された電圧を有する信号からクロック成分を抽出し、該抽出したクロック成分を基に前記信号のリタイミングを行う受信側リクロックステップを更に備え、該受信側リクロックステップでは、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数でのリタイミングが正常にできない時に、リクロックアラームを出力することを特徴とする光伝送方法。
【請求項27】
請求項26に記載の光伝送方法において、
受信側で、前記リクロッカが出力する信号のフォーマットをチェックするフォーマット検出ステップを更に備え、該フォーマット検出ステップでは、前記リクロッカが出力する信号からフォーマットを検出できない時に、フォーマット未検出アラームを出力することを特徴とする光伝送方法。
【請求項28】
ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出ステップと、
前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数とは異なる周波数の信号を生成する発振ステップと、
前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記発振ステップで生成した信号を選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択された出力信号を光信号に変換する電気/光変換ステップと、
を備えることを特徴とする電気/光変換方法。
【請求項29】
ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力の有無を検出する検出ステップと、
直流電源より直流電圧を生成する直流電圧生成ステップと、
前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が有ることを検出した時には、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号を選択し、前記検出ステップで、前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号の入力が無いことを検出した時には、前記直流電圧を選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択された出力信号を光信号に変換する電気/光変換ステップと、
を備えることを特徴とする電気/光変換方法。
【請求項30】
請求項28又は29に記載の電気/光変換方法において、
前記電気/光変換ステップで出力する光の平均強度が目標平均光強度となるように制御するステップを更に備えることを特徴とする電気/光変換方法。
【請求項31】
請求項28乃至30の何れか1項に記載の電気/光変換方法において、
入力したベースバンドデジタルシリアル映像信号に対して、ケーブル補償を行うステップを更に備えることを特徴とする電気/光変換方法。
【請求項32】
請求項28乃至31の何れか1項に記載の電気/光変換方法において、
前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号からクロック成分を抽出し、該抽出したクロック成分を基に前記ベースバンドデジタルシリアル映像信号のリタイミングを行う送信側リクロックステップを更に備えることを特徴とする電気/光変換方法。
【請求項33】
受信した光の強度を電圧に変換する光/電圧変換ステップと、
前記電圧を所定の電圧と比較することにより二値化する比較ステップと、
二値化された前記電圧を積分する積分ステップと、
積分された前記電圧が比較電圧未満である時に、アラーム信号を出力するアラーム信号出力ステップと、
を備えることを特徴とする光回線切断検出方法。
【請求項34】
請求項33に記載の光回線切断検出方法において、
前記光/電圧変換ステップは、
受信した光の強度に対応した電流を生成するステップと、
前記電流を電圧に変換するステップと、
を備えることを特徴とする光回線切断検出方法。
【請求項35】
請求項33に記載の光回線切断検出方法の各ステップと、
光の強度から変換された電圧を有する信号からクロック成分を抽出し、該抽出したクロック成分を基に前記信号のリタイミングを行う受信側リクロックステップを更に備え、該受信側リクロックステップは、ベースバンドデジタルシリアル映像信号の周波数でのリタイミングが正常にできない時に、リクロックアラームを出力することを特徴とする受信方法。
【請求項36】
請求項35に記載の受信方法において、
前記リクロックステップで出力する信号のフォーマットをチェックするフォーマット検出ステップを更に備え、該フォーマット検出ステップでは、前記リクロックステップで出力する信号からフォーマットを検出できない時に、フォーマット未検出アラームを出力することを特徴とする受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−182598(P2009−182598A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19196(P2008−19196)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】