説明

光半導体装置及びその製造方法

【課題】光半導体装置及びその製造方法に関し、アクティブ素子部分の特性の向上とスポットサイズ変換器による結合効率の向上を両立させる。
【解決手段】少なくとも第2の積層構造からなるスポットサイズ変換器部6の両側に第2の積層構造と同じ積層構造の上に少なくとも第2上部クラッド層5を積層したテラス構造8を設け、スポットサイズ変換器とモノリシックに結合する導波路メサ部7の両側面のみを埋め込むとともに、スポットサイズ変換器部の両側面及び頂部を埋め込む埋込層9を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体装置及びその製造方法に関し、例えば、半導体レーザ或いは導波路型フォトダイオード等の光半導体素子とスポットサイズ変換器とをモノリシックに集積した光半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザや導波路型フォトダイオードと光ファイバとの光結合効率を向上させるための技術として、これらの素子にスポットサイズ変換器をモノリシックに集積する技術がある。
【0003】
図23は、スポットサイズ変換器の概略的斜視図であり、図23(a)は、端面に近づくにつれて導波路コア層62の幅が徐々に狭くなって幅テーパ型スポットサイズ変換器63となるタイプである。図23(b)は、端面に近づくにつれて導波路コア層62の厚さが徐々に薄くなって厚さテーパ型スポットサイズ変換器65となるタイプである。
【0004】
いずれの場合にも、スポットサイズ変換器部で導波路を伝播する光分布を拡大して光ファイバとの結合効率を高めている。なお、図における符号61,64は夫々下部クラッド層及び埋込層である。
【0005】
このようなスポットサイズ変換器を適用する場合、拡がった光分布が素子上面にかかるとスポットサイズの拡大が十分に機能しなくなるため、スポットサイズ変換器部では導波路コア層の上側のクラッド層を厚くする必要がある。一方で、半導体レーザやフォトダイオードなどのアクティブ素子部分では、その素子抵抗を低減するために、導波路コア層或いは活性層の上側のクラッド層はある程度薄い方が好ましい。
【0006】
図24は、スポットサイズ変換器の厚膜部の形成方法の説明図である(例えば、特許文献1参照)。まず、図24(a)に示すように、幅テーパ型スポットサイズ変換器63の両側にSiO膜等からなる選択成長マスク66を設ける。次いで、図24(b)に示すように、上部クラッド層となる埋込層64を成長させると、選択成長マスク66上には結晶成長が起こらないので、幅テーパ型スポットサイズ変換器63の近傍において原料ガスの供給量が相対的に多くなって厚膜部67が形成される。この場合、選択成長マスク66のサイズを拡大することによって、選択成長マスク66の近傍とそれ以外の部分の厚さの比率を増加することができる。
【0007】
埋め込み成長時にクラッド層を部分的に厚くする方法では、導波路メサを形成するまでは上部クラッド厚が一定であるため、メサ上面から導波路コア層までの距離が一定であり、導波路メサ形成時に場所ごとにメサ深さを変えるといった複雑な工程が不要になる。
【0008】
また、クラッド層の厚さが比較的薄い状態で導波路メサを形成するため、メサ高さを比較的低くすることが可能であり、導波路メサの形状の制御が容易であるという利点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平07−074396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、選択成長効果を利用する場合、選択成長マスクのサイズを拡大することによって、選択成長マスク近傍とそれ以外の部分の厚さの比率を増加することができる。しかし、選択成長マスク上に半導体材料が堆積するのを防止するためには選択成長マスクの面積をある程度小さくする必要があり、つけられる膜厚の比率には上限があった。
【0011】
このように、従来の技術ではスポットサイズ変換器部分の厚膜化とアクティブ素子部分の薄膜化の両立に限界があり、アクティブ素子の特性向上とスポットサイズ変換器による結合効率の向上の両立が不十分であった。
【0012】
したがって、本発明は、アクティブ素子部分の特性向上とスポットサイズ変換器による結合効率の向上を両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示する一観点からは、第1の下部クラッド層、第1の導波路コア層及び第1の第1上部クラッド層を順次積層した第1の積層構造からなるメサ状の導波路メサ部と、前記導波路メサ部と光学的に且つモノリシックに結合し、前記第1の積層構造と同じ材料或いは異なった材料からなり、第2の下部クラッド層、第2の導波路コア層及び第2の第1上部クラッド層を順次積層した第2の積層構造からなるとともに、前記導波路メサ部から離れた側の先端部が前記第1の導波路コア層の幅より狭い或いは厚さが薄いスポットサイズ変換器となるメサ状のスポットサイズ変換器部と、少なくとも前記スポットサイズ変換器部の両側に配置され、前記第2の積層構造と同じ積層構造の上に少なくとも第2上部クラッド層を積層した第1のテラス構造と、前記導波路メサ部の両側面のみを埋め込むとともに、前記スポットサイズ変換器部の両側面及び頂部を埋め込む埋込層とを有することを特徴とする光半導体装置が提供される。
【0014】
また、開示する別の観点からは、第1の下部クラッド層、第1の導波路コア層及び第1の第1上部クラッド層を順次積層した第1の積層構造と、前記第1の積層構造と光学的に且つモノリシックに結合し、前記第1の積層構造と同じ材料或いは異なった材料からなり、第2の下部クラッド層、第2の導波路コア層及び第2の第1上部クラッド層を順次積層した第2の積層構造を形成する工程と、前記第1の積層構造及び第2の積層構造上にエッチングストップ層及び第2上部クラッド層を積層する工程と、前記第2上部クラッド層及び前記エッチングストップ層を順次エッチングして、少なくとも前記第2の積層構造の端面側の両側において幅の広いテラス構造を形成して、前記第1の積層構造及び前記第2の積層構造を露出させる工程と、絶縁体膜をマスクとして前記第1の積層構造をメサ状に加工して導波路メサ部を形成するとともに、前記第2の積層構造をメサ状に加工してその先端部をスポットサイズ変換器とするスポットサイズ変換器部を形成する工程と、前記導波路メサ部では前記絶縁体膜を残して両側面のみを埋込層で埋め込むと同時に、前記スポットサイズ変換器部では前記絶縁体膜を除去して両側面と頂部とを埋込層で埋め込む工程とを有することを特徴とする光半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
開示の光半導体装置及びその製造方法によれば、アクティブ素子部分の特性向上とスポットサイズ変換器による結合効率の向上を両立させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の概略的斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の構成説明図である。
【図3】本発明の実施の形態のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の光軸に垂直な断面図である。
【図4】本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の概略的斜視図である。
【図5】本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の構成説明図である。
【図6】本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の光軸に垂直な断面図である。
【図7】本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の途中までの製造工程の説明図である。
【図8】本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の図7以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図9】本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の図8以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図10】本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の図9以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図11】本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の図10以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図12】本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の図11以降の製造工程の説明図である。
【図13】本発明の実施例2のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の構成説明図である。
【図14】本発明の実施例2のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の光軸に垂直な断面図である。
【図15】本発明の実施例3のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の構成説明図である。
【図16】本発明の実施例3のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の光軸に垂直な断面図である。
【図17】本発明の実施例4のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の構成説明図である。
【図18】本発明の実施例4のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の光軸に垂直な断面図である。
【図19】本発明の実施例5のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の構成説明図である。
【図20】本発明の実施例5のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の光軸に垂直な断面図である。
【図21】本発明の実施例6のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の構成説明図である。
【図22】本発明の実施例6のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の光軸に垂直な断面図である。
【図23】スポットサイズ変換器の概略的斜視図である。
【図24】スポットサイズ変換器の厚膜部の形成方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態の光半導体装置を説明する。図1は、本発明の実施の形態のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の概略的斜視図である。図2は、本発明の実施の形態のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の構成説明図であり、図2(a)は平面図であり、図2(b)は図2(a)におけるa−a′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。図3は、本発明の実施の形態のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の光軸に垂直な断面図であり、図3(c)は図2(a)におけるb−b′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図で、図3(d)は図2(a)におけるc−c′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0018】
図1乃至図3に示すように、下部クラッド層1、導波路コア層2及び第1上部クラッド層3を順次積層した第1の積層構造をメサ状に加工して導波路メサ部7を形成する。また、第1の積層構造と同じ材料或いは異なった材料からなり、下部クラッド層1、導波路コア層2及び第1上部クラッド層3を順次積層した第2の積層構造をメサ状に加工してスポットサイズ変換器部6を形成する。なお、図においては第1の積層構造と第2の積層構造を同じ材料で形成した場合を示している。
【0019】
このスポットサイズ変換器部6は、導波路メサ部7から離れた側の先端部が導波路メサ部7の導波路コア層2の幅より狭い或いは厚さが薄いスポットサイズ変換器となっている。なお、図においては、幅テーパ型スポットサイズ変換器の例を示している。また、図においては、スポットサイズ変換器部6を導波路メサ部7の一方の側にのみ設けているが、両側に設けても良い。
【0020】
また、埋込層9は、導波路メサ部7の両側面のみを埋め込むとともに、前スポットサイズ変換器部6の両側面及び頂部を埋め込むように形成する。このような埋込層9を形成することによって、アクティブ素子部分の特性向上とスポットサイズ変換器による結合効率の向上を両立させることが可能になる。
【0021】
このような埋込構造を形成するためには、第1或いは第2の積層構造と同じ積層構造の上にエッチングストップ層4及び第2上部クラッド層5を積層したテラス構造8を利用する。なお、エッチングの制御精度を上げればエッチングストップ層4は必ずしも必要ではない。
【0022】
テラス構造8は、導波路メサ部7の両側には必ずしも設ける必要はないが、設ける場合には、導波路メサ部7とテラス構造8との間隔が、スポットサイズ変換器部6とテラス構造8との間隔より広くなるようにする。各間隔を夫々一定にする場合には、導波路メサ部7とテラス構造8との間隔が、スポットサイズ変換器部6とテラス構造8との間隔より3倍以上広くなるようにする。3倍という間隔は、スポットサイズ変換器部6とテラス構造8の間隔が、その側面の埋込層9が横方向に成長する幅よりも小さくするのに対して、導波路メサ7とテラス構造8の間隔が、導波路メサ部7からの埋込層9の幅(1倍)+テラス構造8の側面からの埋込層9の幅(1倍)+マージン分(1倍)となるようにするための基準である。また、一定の間隔でない場合には、スポット変換器部6から導波路メサ部7に向かって徐々に間隔が広がっているテーパ部を有するようにテラス構造8を形成すれば良い。
【0023】
導波路メサ部7をスポットサイズ変換器部6と異なった材料で形成する場合には、導波路メサ部7に半導体レーザ、半導体光増幅器或いは半導体受光素子等の光アクティブ素子を形成すれば良い。なお、半導体光変調素子を形成する場合には、スポットサイズ変換器部6と同じ材料でも良い。
【0024】
このように、本発明の実施の形態においては、導波路とテラス構造の距離を調整することによって、一部で導波路コア層上のクラッド層の厚さを厚くし、一部では薄くすることが可能となる。さらに、クラッド層の厚さは、テラス構造の高さを調整することによって任意に設定することが可能となるため、厚い部分と薄い部分のクラッド層の厚さの比率を高くすることが可能となる。その結果、光アクティブ素子のクラッド厚を薄くして、アクティブ素子の特性を確保しつつ、スポットサイズ変換器部のクラッド層を十分厚くして、光ファイバとの結合効率を向上させることが可能となる。
【実施例1】
【0025】
次に、図4乃至図12を参照して、本発明の実施例1の光半導体装置を説明する。図4は、本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の概略的斜視図である。図5は、本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の構成説明図であり、図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)におけるa−a′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。図6は、本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の光軸に垂直な断面図であり、図6(c)は図5(a)におけるb−b′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図で、図6(d)は図5(a)におけるc−c′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。なお、ここでは、スポットサイズ変換器と分布帰還型(DFB)半導体レーザをモノリシックに集積化した光半導体装置として説明する。
【0026】
図4乃至図6示すように、下部クラッド層41、MQW活性層27及び上部クラッド層42を順次積層した積層構造をメサ状に加工して導波路メサ46を形成する。ここでは、導波路メサ46に分布帰還型半導体レーザを形成するので、下部クラッド層41の表面近傍には回折格子25を形成する。なお、後述するように、下部クラッド層41は基板、バッファ層、クラッド層の積層体を便宜上名付けたものであり、上部クラッド層42は複数のクラッド層の積層体を便宜上名付けたものである。
【0027】
この導波路メサ46に対してバットジョイント結合するようにスポットサイズ変換器47を設ける。このスポットサイズ変換器47は、下部クラッド層41、InGaAsPコア層30及び上部クラッド層42を順次積層した積層構造を出射端面側が幅テーパ状になるようにメサ状に加工して形成する。
【0028】
スポットサイズ変換器47の先端部は、例えば、幅が2.0μmから0.5μmまで狭くなる幅テーパ構造とする。なお、スポットサイズ変換器47における下部クラッド層41及び上部クラッド層42は導波路メサ46における下部クラッド層41及び上部クラッド層42とは異なった積層構造となる。
【0029】
スポットサイズ変換器47の両側には、導波路メサ46の両側の間隔より狭くなるようにテラス44を形成し、導波路メサ46の頂面に絶縁体マスクを設け、スポットサイズ変換器部47の頂面の絶縁体マスクがない状態で成長することによりスポットサイズ変換器47の頂部を厚く埋め込む半絶縁性InP埋込層49を形成する。この時、スポットサイズ変換器47とテラス44との間隔が、スポットサイズ変換器部47とテラス44との間隔より広いので、導波路メサ46の両側面を埋め込む半絶縁性InP埋込層49は高く積層せずに凹部50が形成される。
【0030】
例えば、スポットサイズ変換器47とテラス44との間隔を5μmとし、導波路メサ46とテラス44との間隔を3倍以上の50μmとすると、導波路メサ46の両端及びテラス44の端部から5μm程度の距離まで厚い半絶縁性InP埋込層49が形成されるように成長時間を調整した場合、導波路メサ46とテラス44は十分離れているために、その間が凹部50となる。この時、テラス44の間隔が狭くなる位置から、MQW活性層27が存在する端の間には、パッシブなInGaAsPコア層30からなる幅一定の導波路が少なくとも、20μm程度存在するように構成する。
【0031】
導波路メサ46の頂面にp側電極52を形成するとともに、下部クラッド層41の裏面にn側電極51を形成する。このn側電極51とp側電極52との間に順バイアスを印加すると、回折格子25の周期で決まる波長でレーザ発振して、InGaAsPコア層30中を伝播し、スポットサイズ変換器47で光分布が広がって光ファイバに結合する。
【0032】
次に、図7乃至図12を参照して、本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の製造工程を説明する。まず、図7(a)に示すように、n型InP基板21上に、MOCVD法によって、n型InPバッファ層22、組成波長1.15μmのInGaAsP回折格子層23及びn型InPキャップ層24を順次堆積する。
【0033】
次いで、図7(b)に示すように、電子ビーム描画法によって、DFBレーザを形成する部分に回折格子パターンマスク(図示せず)を形成し、回折格子パターンマスクをマスクとしてInGaAsP回折格子層23の一部をエッチングして回折格子25を形成する。
【0034】
次いで、図7(c)に示すように、再び、MOCVD法によってInPバッファ層26、InGaAsP系のMQW活性層27及びp型InPクラッド層28を順次堆積する。このn型InP基板21乃至n型InPバッファ層26をまとめて便宜的に下部クラッド層(41)と称する。
【0035】
次いで、図7(d)に示すように、SiO膜を堆積させた後、DFBレーザを形成する部分にのみ残してSiOマスク29を形成する。このSiOマスク29をマスクとして、ウェットエッチングを施すことによって、露出しているp型InPクラッド層28及びMQW活性層27を除去する。
【0036】
次いで、図8(e)に示すように、SiOマスク29をそのまま選択成長マスクとしたMOCVD法によってパッシブ導波路のコア層となる組成波長1.05μmのInGaAsPコア層30及びi型InPクラッド層31を順次堆積させる。これにより、MQW活性層27とスポットサイズ変換器部分の導波路コア層となるInGaAsPコア層30がバットジョイントされた構造となる。
【0037】
次いで、図8(f)に示すように、SiOマスク29を除去したのち、MOCVD法によって全面にp型InPクラッド層32を堆積させる。DFBレーザ側では、p型InPクラッド層28とp型InPクラッド層32を合わせたものを、一方、パッシブ導波路側では、i型InPクラッド層31とp型InPクラッド層32を合わせたものを便宜的に上部クラッド層(42)と称し、この上部クラッド層(42)厚さは1μmとする。
【0038】
次いで、図8(g)に示すように、MOCVD法により、全面に組成波長1.15μmのInGaAsPからなるエッチングストップ層33と厚さが3.0μmのi型InPクラッド層34を順次堆積させる。
【0039】
次いで、図9に示すように、一方の端部側で幅広部を有するSiOマスク43を形成し、このSiOマスク43をマスクとしたウェットエッチングによって、i型InPクラッド層34及びエッチングストップ層33を順次除去してテラス44を形成する。なお、図9(A)は平面図であり、図9(B)は図9(A)におけるa−a′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、図9(C)は図9(A)におけるb−b′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、以下同様である。なお、次の図10に示すように、テラス44の形状は、スポットサイズ変換器部分ではメサ構造との間隔を5μmとし、DFBレーザ部分ではメサ構造との間隔を50μmとする。
【0040】
次いで、図10に示すように、SiOマスク43を除去したのち、新たなSiOマスク45を形成し、このSiOマスク45をマスクとしてドライエッチングを施すことによってメサ構造を形成する。この時、テラス44がエッチングされないようにテラス44の側面もSiOマスク45で覆う。メサ構造としては、DFBレーザ部においては、幅が2.0μmの幅が一定の導波路メサ46とし、パッシブ導波路側ではその先端部において幅が2.0μmから0.5μmに狭くなるスポットサイズ変換器47とする。
【0041】
次いで、図11に示すように、SiOマスク45のうち、スポットサイズ変換器47の部分及びテラス44の側面部は除去して、導波路メサ46の部分及びテラス44の上面の部分を残してSiOマスク48とする。
【0042】
次いで、図12に示すように、MOCVD法によって、塩素材料、例えば、ジクロロエチレンを添加しながら半絶縁性InP埋込層49を成長させて、導波路メサ46、スポットサイズ変換器47の側面及びテラス44の側面を埋め込む。この時、ジクロロエチレンを添加しているので、導波路メサ46、スポットサイズ変換器47及びテラス44の側面から、横方向に半絶縁性InP埋込層49が堆積されていく。
【0043】
その結果、導波路メサ46及びテラス44の側面からそれぞれ導波路メサ46及びテラス44の上面とほぼ同じ高さで、横方向に数μm〜数10μm程度ほぼ平坦に厚く堆積される。平坦部が終わると急激にその厚さが減少し、薄い埋め込み層が堆積される構造となる。なお、ここでは、導波路メサ46及びテラス44の側面から半絶縁性InP埋込層49が5μm程度、横方向に成長するように成長量を調整する。横方向の埋め込み層の成長量は、例えば、埋め込み層の厚さが、テラス44の上面からメサ底面までの高さの半分になる位置として定義する。
【0044】
このような条件で、半絶縁性InP埋込層49を成長させると、DFBレーザ部では、図12(B)に示すように、テラス44から横方向に堆積される半絶縁性InP埋込層49は、導波路メサ46のところまで届かずに凹部50が形成される。また、DFBレーザ部の導波路メサ46上にはSiOマスク48が残っているため、導波路メサ46の上には、半絶縁性InP埋込層49は堆積されない。その結果、DFBレーザ部分の上部クラッド層の厚さは、上部クラッド層41の厚さ1μmに等しくなり、素子抵抗の増大を回避することができる。
【0045】
一方、図12(C)に示すように、スポットサイズ変換器部分は、テラス44との間隔が狭いため、テラス44同士の間の凹部は半絶縁性InP埋込層49により完全に埋め込まれる。また、スポットサイズ変換器部分にはSiOマスクがないため、上部クラッド層の上にも半絶縁性InP埋込層49が堆積される。その結果、スポットサイズ変換器47の上には、i型InPクラッド層34とほぼ同じ厚さの半絶縁性InP埋込層49が存在するので、光ファイバとの結合効率が向上する。上記の説明では、半絶縁性InP埋込層49の横方向の成長量を5μmとし、これに対して、スポットサイズ変換器47とテラス44の間隔を5μmとし、DFB部のメサ構造とテラス構造との間隔を50μmとした場合の例を示したが、適切なテラス構造との間隔は、埋込層の横方向の成長量に応じて変化し、スポットサイズ変換器部とテラス構造の間隔が埋込層の横方向の成長量以下であり、DFBレーザ部のメサ構造とテラス構造の間隔が埋込層の横方向の成長量の3倍以上となるようにすれば良い。
【0046】
最後に、図4乃至図6に示したように、SiOマスク48を除去して、DFBレーザ部にn側電極51とp側電極52とを設けることによって、本発明の実施例1のスポットサイズ変換器付き光半導体装置の基本的構成が完成する。
【実施例2】
【0047】
次に、図13及び図14を参照して、本発明の実施例2のスポットサイズ変換器付き光半導体装置を説明するが、基本的な製造工程は上記の実施例1と同様であるので構造のみを説明する。また、ここでは、説明を簡単にするために、導波路メサ46とスポットサイズ変換器47とを同じ材料で構成した例として説明する。なお、図13(a)は平面図であり、図13(b)は図13(a)におけるa−a′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。また、図14(c)は図13(a)におけるb−b′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図、図14(d)は図13(a)におけるc−c′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図、図14(e)は図13(a)におけるd−d′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0048】
図13(a)に示すように、実施例2においては、テラス44の平面形状を端面からある距離はなれた位置から、テラス44が徐々に導波路から遠ざかる構造となっている。このような構造では、図14(e)に示すように、テーパ部においては、テラス44との間隔がある程度広くなっているので、導波路の両側のテラス44の側面を埋め込んでいる埋込層の結合が弱くなる。
【0049】
その結果、導波路メサ46の直上に堆積される半絶縁性InP埋込層49の厚さが徐々に薄くなり、導波路方向に対して緩やかに変化し、クラッド層の全体の厚さの不連続な変化を抑制し、不要な反射・散乱などを抑制することが可能となる。
【0050】
なお、この実施例2においては、テラス44の位置が端面から離れるにしたがって直線的に導波路とテラス44の間隔が広がっていく例を示しているが、テラス44と導波路構造の位置関係の変化はこれに限らず、曲線上に変化していくのでも構わない。少なくとも、スポットサイズ変換器47における光分布の広がりよりも各位置におけるクラッド層の厚さが厚くなるように、適宜テラス構造の距離を導波路の軸方向に対して調整すれば良い。
【0051】
この実施例2の導波路メサ46の一部に実施例1と同様にDFBレーザ等の光アクティブ素子を形成することによって、スポットサイズ変換器付き光半導体装置となる。
【実施例3】
【0052】
次に、図15及び図16を参照して、本発明の実施例3のスポットサイズ変換器付き光半導体装置を説明するが、ここでも、説明を簡単にするために、導波路メサ46とスポットサイズ変換器47とを同じ材料で構成した例として説明する。なお、図15(a)は平面図であり、図15(b)は図15(a)におけるa−a′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。また、図16(c)は図15(a)におけるb−b′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、図16(d)は図15(a)におけるc−c′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0053】
図15(a)に示すように、この実施例3においては、スポットサイズ変換器47の近傍の両側にのみテラス44を設けている。これは、アクティブ素子が配置される導波路メサ46とテラス44との間隔が無限大となる極端な例である。
【0054】
その結果、図16(d)に示すように、スポットサイズ変換器47の近傍における埋込構造は実施例1と同様であるが、図16(c)に示すように、導波路メサ46においては、半絶縁性InP埋込層49はメサ状に導波路メサ46の側面に成長するだけになる。
【実施例4】
【0055】
次に、図17及び図18を参照して、本発明の実施例4のスポットサイズ変換器付き光半導体装置を説明するが、基本的な製造工程は実施例1と同じであるので、構造のみ説明する。なお、図17(a)は平面図であり、図17(b)は図17(a)におけるa−a′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。また、図18(c)は図17(a)におけるb−b′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、図18(d)は図17(a)におけるc−c′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0056】
図17及び図18に示すように、本発明の実施例4においては、導波路メサ46における導波路コア層をInGaAs光吸収層54とすることによって、光アクティブ素子をフォトダイオードにしている。なお、下部クラッド層41の構造は、導波路メサ46とスポットサイズ変換器47とにおいて同じ構造であり、また、回折格子を形成しないので、InGaAsP回折格子層23は設けていない。
【0057】
本発明の実施例4においては、フォトダイオードの入力部にスポットサイズ変換器47を配置しているので、光ファイバとの結合効率が向上し、フォトダイオードの受光効率を増加させることが可能となる。また、光アクティブ素子であるフォトダイオード部分ではクラッド層の厚さを薄くしているので、フォトダイオードの素子抵抗を下げることが可能であり、結果としてCR時定数で決定されるフォトダイオードの高周波帯域を増加させることが可能となる。
【実施例5】
【0058】
次に、図19及び図20を参照して、本発明の実施例5のスポットサイズ変換器付き光半導体装置を説明するが、光アクティブ素子を半導体光増幅器とし、スポットサイズ変換器をその両側に設けただけで、その他の構造及び製造工程は実施例1と同じである。なお、図19(a)は平面図であり、図19(b)は図19(a)におけるa−a′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。また、図20(c)は図19(a)におけるb−b′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、図20(d)は図19(a)におけるc−c′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0059】
この実施例5においては、光の入射側と出射側とにスポットサイズ変換器47を配置しているので、両方の光ファイバとの結合効率を向上することが可能になる。また、半導体光増幅器の上側のクラッド層を薄くすることができるので、半導体光増幅器の素子抵抗を増加させることがない。また、活性層をMQW活性層としているが、バルクの半導体層でも良い。
【実施例6】
【0060】
次に、図21及び図22を参照して、本発明の実施例6のスポットサイズ変換器付き光半導体装置を説明するが、基本的な構造及び製造工程は実施例5と同じであるが、ここでは、導波路コア層全体をInGaAsPコア層として半導体光変調器としたものである。なお、図21(a)は平面図であり、図21(b)は図21(a)におけるa−a′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。また、図22(c)は図21(a)におけるb−b′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、図22(d)は図21(a)におけるc−c′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0061】
変調器活性層は、一般的に電圧印加などをしていない場合には比較的吸収が小さい材料で構成されているため、この実施例6においては、パッシブ導波路のコア層としても用いている。このような構造を採用することによって、実施例5と同様に半導体光変調器部分の抵抗を増加させずに、光ファイバとの結合効率を改善することが可能となる。
【0062】
以上、各実施例を説明してきたが、本発明は、各実施例に示した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能である。例えば、上記の各実施例においては、スポットサイズ変換器の上に堆積する埋込層の高さを、テラス構造の頂面と同じかそれ以上にしているが、第2上部クラッド層の厚さを厚くして埋込層を十分厚くすれば、テラス構造の頂面以下の高さでも良い。
【0063】
また、単一のアクティブ素子だけではなく、複数のレーザ、変調器、フォトダイオード、光半導体増幅器などとスポットサイズ変換器を集積したような構造にも適用可能である。
【0064】
また、多モード干渉導波路などの特定の機能を持ったパッシブ導波路などとこれらのアクティブ素子およびスポットサイズ変換器を集積した素子にも同様に適用することが可能である。このように、本発明においては、スポットサイズ変換器付き光半導体装置において、素子抵抗を抑制しつつ光ファイバとの結合効率を改善し、高効率動作を実現することが可能となる。
【0065】
ここで、実施例1乃至実施例6を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。
(付記1)
第1の下部クラッド層、第1の導波路コア層及び第1の第1上部クラッド層を順次積層した第1の積層構造からなるメサ状の導波路メサ部と、
前記導波路メサ部と光学的に且つモノリシックに結合し、前記第1の積層構造と同じ材料或いは異なった材料からなり、第2の下部クラッド層、第2の導波路コア層及び第2の第1上部クラッド層を順次積層した第2の積層構造からなるとともに、前記導波路メサ部から離れた側の先端部が前記第1の導波路コア層の幅より狭い或いは厚さが薄いスポットサイズ変換器となるメサ状のスポットサイズ変換器部と、
少なくとも前記スポットサイズ変換器部の両側に配置され、前記第2の積層構造と同じ積層構造の上に少なくとも第2上部クラッド層を積層した第1のテラス構造と、
前記導波路メサ部の両側面のみを埋め込むとともに、前記スポットサイズ変換器部の両側面及び頂部を埋め込む埋込層と
を有することを特徴とする光半導体装置。
(付記2)
前記導波路メサ部の両側に配置され、前記第1の積層構造と同じ積層構造の上に少なくとも前記第2上部クラッド層を積層した第2のテラス構造を有し、
前記導波路メサ部と前記第2のテラス構造との間隔が、前記スポットサイズ変換器部と前記第1のテラス構造との間隔の3倍以上であることを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記3)
前記導波路メサ部の両側に配置され、前記第1の積層構造と同じ積層構造の上に少なくとも前記第2上部クラッド層を積層した第2のテラス構造を有し、
前記スポットサイズ変換器部と前記第1のテラス構造との間隔と前記導波路メサ部と前記第2のテラス構造との間隔が、前記スポット変換器部から前記導波路メサ部に向かって徐々に間隔が広がっているテーパ部を有することを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記4)
前記導波路メサ部の両側に、テラス構造が存在しないことを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記5)
前記スポットサイズ変換器部が、前記導波路メサ部の両側に光学的に且つモノリシックに結合されていることを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1に記載の光半導体装置。
(付記6)
前記第2上部クラッド層の下地層が、エッチングストップ層であることを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか1に記載の光半導体装置。
(付記7)
前記導波路メサ部の少なくとも一部が、半導体レーザ、半導体光増幅器、フォトダイオード、或いは、半導体光変調器のうちの少なくとも一つに置き換えられていることを特徴とする付記1乃至付記6のいずれか1に記載の光半導体装置。
(付記8)
第1の下部クラッド層、第1の導波路コア層及び第1の第1上部クラッド層を順次積層した第1の積層構造と、
前記第1の積層構造と光学的に且つモノリシックに結合し、前記第1の積層構造と同じ材料或いは異なった材料からなり、第2の下部クラッド層、第2の導波路コア層及び第2の第1上部クラッド層を順次積層した第2の積層構造を形成する工程と、
前記第1の積層構造及び第2の積層構造上にエッチングストップ層及び第2上部クラッド層を積層する工程と、
前記第2上部クラッド層及び前記エッチングストップ層を順次エッチングして、少なくとも前記第2の積層構造の端面側の両側において幅の広いテラス構造を形成して、前記第1の積層構造及び前記第2の積層構造を露出させる工程と、
絶縁体膜をマスクとして前記第1の積層構造をメサ状に加工して導波路メサ部を形成するとともに、前記第2の積層構造をメサ状に加工してその先端部をスポットサイズ変換器とするスポットサイズ変換器部を形成する工程と、
前記導波路メサ部では前記絶縁体膜を残して両側面のみを埋込層で埋め込むと同時に、前記スポットサイズ変換器部では前記絶縁体膜を除去して両側面と頂部とを埋込層で埋め込む工程と
を有することを特徴とする光半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0066】
1 下部クラッド層
2 導波路コア層
3 第1上部クラッド層
4 エッチングストップ層
5 第2上部クラッド層
6 スポットサイズ変換器部
7 導波路メサ部
8 テラス構造
9 埋込層
10 凹部
21 n型InP基板
22 n型InPバッファ層
23 InGaAsP回折格子層
24 n型InPキャップ層
25 回折格子
26 InPバッファ層
27 MQW活性層
28 p型InPクラッド層
29 SiOマスク
30 InGaAsPコア層
31 i型InPクラッド層
32 p型InPクラッド層
33 エッチングストップ層
34 i型InPクラッド層
41 下部クラッド層
42 上部クラッド層
43 SiOマスク
44 テラス
45 SiOマスク
46 導波路メサ
47 スポットサイズ変換器
48 SiOマスク
49 半絶縁性InP埋込層
50 凹部
51 n側電極
52 p側電極
53 凹部
54 InGaAs光吸収層
55 InGaAsPコア層
61 下部クラッド層
62 導波路コア層
63 幅テーパ型スポットサイズ変換器
64 埋込層
65 厚さテーパ型スポットサイズ変換器
66 選択成長マスク
67 厚膜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の下部クラッド層、第1の導波路コア層及び第1の第1上部クラッド層を順次積層した第1の積層構造からなるメサ状の導波路メサ部と、
前記導波路メサ部と光学的に且つモノリシックに結合し、前記第1の積層構造と同じ材料或いは異なった材料からなり、第2の下部クラッド層、第2の導波路コア層及び第2の第1上部クラッド層を順次積層した第2の積層構造からなるとともに、前記導波路メサ部から離れた側の先端部が前記第1の導波路コア層の幅より狭い或いは厚さが薄いスポットサイズ変換器となるメサ状のスポットサイズ変換器部と、
少なくとも前記スポットサイズ変換器部の両側に配置され、前記第2の積層構造と同じ積層構造の上に少なくとも第2上部クラッド層を積層した第1のテラス構造と、
前記導波路メサ部の両側面のみを埋め込むとともに、前記スポットサイズ変換器部の両側面及び頂部を埋め込む埋込層と
を有することを特徴とする光半導体装置。
【請求項2】
前記導波路メサ部の両側に配置され、前記第1の積層構造と同じ積層構造の上に少なくとも前記第2上部クラッド層を積層した第2のテラス構造を有し、
前記導波路メサ部と前記第2のテラス構造との間隔が、前記スポットサイズ変換器部と前記第1のテラス構造との間隔の3倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
【請求項3】
前記導波路メサ部の両側に配置され、前記第1の積層構造と同じ積層構造の上に少なくとも前記第2上部クラッド層を積層した第2のテラス構造を有し、
前記スポットサイズ変換器部と前記第1のテラス構造との間隔と前記導波路メサ部と前記第2のテラス構造との間隔が、スポット変換器部から前記導波路メサ部に向かって徐々に間隔が広がっているテーパ部を有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
【請求項4】
前記導波路メサ部の両側に、テラス構造が存在しないことを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
【請求項5】
第1の下部クラッド層、第1の導波路コア層及び第1の第1上部クラッド層を順次積層した第1の積層構造と、
前記第1の積層構造と光学的に且つモノリシックに結合し、前記第1の積層構造と同じ材料或いは異なった材料からなり、第2の下部クラッド層、第2の導波路コア層及び第2の第1上部クラッド層を順次積層した第2の積層構造を形成する工程と、
前記第1の積層構造及び第2の積層構造上にエッチングストップ層及び第2上部クラッド層を積層する工程と、
前記第2上部クラッド層及び前記エッチングストップ層を順次エッチングして、少なくとも前記第2の積層構造の端面側の両側において幅の広いテラス構造を形成して、前記第1の積層構造及び前記第2の積層構造を露出させる工程と、
絶縁体膜をマスクとして前記第1の積層構造をメサ状に加工して導波路メサ部を形成するとともに、前記第2の積層構造をメサ状に加工してその先端部をスポットサイズ変換器とするスポットサイズ変換器部を形成する工程と、
前記導波路メサ部では前記絶縁体膜を残して両側面のみを埋込層で埋め込むと同時に、前記スポットサイズ変換器部では前記絶縁体膜を除去して両側面と頂部とを埋込層で埋め込む工程と
を有することを特徴とする光半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−110346(P2013−110346A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255925(P2011−255925)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】