説明

光受信回路用信号増幅器

【課題】受信した光信号を電流信号に変換する受光素子に接続される信号増幅器において、メインアンプの入力段の入力インピーダンスが無視できないときに設けられるレベル調整抵抗の影響を少なくし、広帯域の周波数特性と高い光受信感度特性とを得る。
【解決手段】信号増幅器は、電流信号を電圧に変換して出力するプリアンプと、少なくとも入力段が差動回路からなりプリアンプから出力された電圧信号を増幅するメインアンプと、プリアンプとメインアンプとの間に設けられ電圧信号が供給される2個以上のフォロワ回路と、プリアンプの出力とメインアンプの各入力との間の経路において各フォロワ回路ごとに設けられる抵抗値が等しい抵抗と、抵抗のうちの1つに対して一端が接続し、他端が接地されたコンデンサと、を備えている。コンデンサとそのコンデンサに接続する抵抗とによって、電圧信号の平均電位を検出するローパスフィルタが構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速光通信システムにおいて光信号を受信するために用いられる光受信回路に関し、特に、光受信回路内で用いられ、光電変換素子からの電流信号を電流−電圧変換して増幅する信号増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報信号処理の分野においてより高度の処理が求められており、それにつれて、より広帯域な信号を処理できる半導体集積回路が必要になってきている。特に光通信システムにおいては、伝送速度が著しく向上し、例えば、2.4ギガビット/秒(Gb/s)あるいは10Gb/sの伝送速度での光伝送が実用化されており、さらには40Gb/s以上の伝送速度を有するシステムの研究開発も行われている。光受信回路は、光ファイバなどの伝送媒体から出射された光信号を電気信号に変換するための回路であり、光信号を電流信号に変換する受光素子(すなわち光電変換素子)と、受光素子からの電流信号を電圧信号に変換し、後段に接続される回路に必要な電圧にまでその電圧信号を増幅する信号増幅器と、から構成されている。
【0003】
図1は、関連技術における光受信回路の回路構成の一例を示している。図1に示される光受信回路400は、光ファイバなどから出射された光信号401を電流信号に変換する受光素子402と、受光素子402の出力に接続され、帰還抵抗404を有するトランスインピーダンスアンプで構成されたプリアンプ(前置増幅器)403と、抵抗値がRである抵抗406と容量値がCであるコンデンサ407とで構成されたローパスフィルタ(LPF)405と、縦続接続された2段の差動増幅回路で構成されたメインアンプ(主増幅器)410と、を有している。LPF405は、プリアンプ403の出力信号のうちの低周波成分を透過させて低周波信号として出力するものである。プリアンプ403、LPF405及びメインアンプ410によって信号増幅器が構成されている。プリアンプ403及びメインアンプ410は、いずれも、FET(電界効果トランジスタ)を基本トランジスタとして用いて構成された回路である。基本トランジスタとは、能動素子として、増幅回路において電気信号の増幅動作に関係するトランジスタのことである。
【0004】
受光素子402としては、例えば、フォトダイオードなどの半導体受光素子が使用される。受光素子402のカソードは、受光素子用の電源414に接続されており、このカソードには逆電圧が印加されている。受光素子402のアノードは、プリアンプ403の入力端子に接続している。受光素子402は、光ファイバなどから出射された光信号401を受光し、光信号に対応する電流信号(Photo Current)に変換し、その電流信号を出力する。プリアンプ403において、受光素子402で発生した電流は帰還抵抗404に流れ、これによって帰還抵抗404の両端に電位差が生じ、これに対応してプリアンプ403の出力電位が変化する。このようなプリアンプ403の動作を電流−電圧変換という。
【0005】
メインアンプ410は、プリアンプ403の出力である電圧信号を増幅する。プリアンプ403の出力OUTAは、メインアンプ410の初段の差動増幅回路の一方の入力端子(非反転入力端子)INAに導かれる。このように非反転入力端子INAに供給される信号のことを主信号と呼ぶ。メインアンプ410の初段の差動増幅回路の他方の入力端子(反転入力端子)INABには、プリアンプ403の出力からLPF405を通した低周波信号が入力される。LPF405からの低周波信号は、抵抗406とコンデンサ407による時定数Tの程度以下の時間幅における、プリアンプ403から出力される信号についての瞬時平均値を与える。時定数Tは、T=CRで表わされる。
【0006】
メインアンプ410は、2つ信号入力、すなわち光信号に重畳されたデータに対応する主信号(非反転入力端子INAへの信号)とその瞬時平均値(反転入力端子INABへの信号)との差を増幅して、相補的な1対の出力OUT,OUTBを生成する。したがってこの光受信回路では、LPF405から得られる瞬時平均値に対して光信号の瞬時値が大きいか小さいかに応じて出力OUT,OUTBの極性が変化することになる。このような相補出力OUT,OUTBを用いることによって、光信号に応じた処理を行うことが可能になる。プリアンプ403及びメインアンプ410に対して共通の電源411が設けられており、メインアンプ410では、差動増幅回路ごとに定電流源回路412が設けられている。
【0007】
LPF405では、プリアンプ403の出力OUTAとメインアンプ410の反転入力INABとの間に抵抗406が設けられるとともに、コンデンサ407の一端は抵抗403と反転入力INABとの接続点に接続し、他端は接地されている。このようなLPF405のカットオフ周波数fcは、
【0008】
【数1】

【0009】
で与えられる。したがって、この光受信回路で処理しようとするデータ信号の低域側の周波数によって、抵抗406の抵抗値Rとコンデンサ407の容量値Cが決定される。
【0010】
図1に示した光受信回路は、ゲートに電流が流れないFETを基本トランジスタとして用いる信号増幅器によって構成されているが、図2に示すように、基本トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いた信号増幅器によって光信号受信回路を構成することも可能である。図2に示す光受信回路420は、図1に示した光受信回路の信号増幅器における各FETをそれぞれNPN型バイポーラトランジスタで置き換えたものである。すなわち図2に示した回路は、図1に示したプリアンプ403の代わりにバイポーラトランジスタを用いたプリアンプ423が設けられ、図1に示したメインアンプ410の代わりにバイポーラトランジスタを用いたメインアンプ430が設けられたものである。プリアンプ423、LPF405及びメインアンプ430によって信号増幅器が構成されている。
【0011】
基本トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いる信号増幅器を有する光受信回路420では、抵抗406と容量407からなるLPF405を用いても、バイポーラトランジスタに流れるベース電流によって、主信号の非反転入力端子INAでのDC(直流)レベルと、LPF405から出力されて反転入力端子INABに印加される信号での瞬時平均値とでは、電圧レベルにおいて若干の差が生じる。長距離を伝送してきた微弱な光信号を受光する場合には、この電圧差によって信号の増幅ができないことがある。つまり受信感度が低下する。このような差に起因する問題を解決する方法として、図2に示した回路では、プリアンプ423の出力OUTAとメインアンプ430の非反転入力INAとの間に、LPF405に設けられている抵抗406と同じ抵抗値を有するレベル調整抵抗408が挿入されている。しかしながら、差動回路への主信号の入力経路にレベル調整抵抗408を挿入すると、光受信回路用信号増幅器全体としての帯域が狭くなり、特に、高域側での利得が低下する。
【0012】
図3は、図2に示す光受信回路420において信号増幅器のレベル調整抵抗408の値を変化させた場合における、信号増幅器全体としてのトランスインピーダンス利得の周波数特性を示している。レベル調整抵抗408の抵抗値Rが増加するにつれて高域側での利得が大きく低下することが分かる。前述したように、レベル調整抵抗408の値、すなわちLPF405の抵抗406の値Rは、データ信号の低域側の周波数で決定される。例えば、光受信回路を内蔵するモジュール内部に実装可能な容量値(例えば0.11μF)を考慮すると、低域の遮断周波数を30kHzとする場合には、必要な抵抗値Rは50Ω以上となるが、かかる大きさの抵抗値のレベル調整抵抗408を有する従来の光受信回路用信号増幅器では、信号増幅器における高域側のトランスインピーダンス利得が著しく低下する。
【0013】
バイポーラトランジスタを基本トランジスタとして用いる光受信回路用信号増幅器であっても、高い受信感度と高域側での高い利得を維持することが望まれる。
【0014】
本発明に関連する技術として、日本国:特開2000−31914号公報(特許文献1)には、受光素子としてアバランシェフォトダイオード(APD)を用いる光受信回路が開示されている。この光受信回路では、プリアンプとメインアンプとの間に設けられるLPFとしてベッセル特性を有するものを使用するともに、メインアンプの出力レベルを検出し、検出されたレベルに応じてAPDに印加される電圧を変化させることにより、広いダイナミックレンジにわたって遮断周波数と群遅延の変動を小さくしている。
【0015】
日本国:特開2000−269590号公報(特許文献2)は、光受信回路ではなく光送信回路に係るものではあるが、送信すべき光信号に対応する電気信号を受けるエミッタフォロワ回路を設け、このエミッタフォロワ回路の出力によってレーザダイオード駆動用のトランジスタを駆動することを開示している。
【0016】
日本国:特開2003−51723号公報(特許文献3)は、受光素子に直結するプリアンプとして差動増幅回路を用いるとともに、メインアンプの初段をエミッタフォロワ回路としてプリアンプの出力とメインアンプの入力とを直結し、さらに、ローパスフィルタを含む自動オフセット調整回路をプリアンプの反転入力側に接続した光受信回路を開示している。
【0017】
日本国:特開平9−205331号公報(特許文献4)は、第1の差動増幅段と第1のエミッタフォロワと第2の差動増幅段と第2のエミッタフォロワとがこの順で縦続接続された差動増幅回路において、第1のエミッタフォロワと第2の差動増幅段との間に抵抗を挿入することを開示している。
【0018】
日本国:特開平9−233030号公報(特許文献5)は、受光素子に接続するプリアンプとメインアンプとの間にLPFを設けることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2000−31914号公報
【特許文献2】特開2000−269590号公報
【特許文献3】特開2003−51723号公報
【特許文献4】特開平9−205331号公報
【特許文献5】特開平9−233030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、光受信回路に用いられ、プリアンプと差動増幅回路からなるメインアンプとを有し、プリアンプとメインアンプとの間にLPFが挿入され、光信号の瞬時値とLPFから得られる瞬時平均値との差をメインアンプで増幅するようにした信号増幅器であって、メインアンプの入力段の入力インピーダンスが無視できないときに設けられるレベル調整抵抗の影響を少なくし、広帯域の周波数特性と高い光受信感度特性とを得ることができるようにした信号増幅器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の例示態様によれば、受信した光信号を電流信号に変換する受光素子に接続される信号増幅器は、電流信号を電圧に変換して出力するプリアンプと、一対の出力を備え、少なくとも入力段が差動回路からなりプリアンプから出力された電圧信号を増幅するメインアンプと、プリアンプとメインアンプとの間に設けられ電圧信号が供給される2個以上のフォロワ回路と、プリアンプの出力とメインアンプの各入力との間の経路において各フォロワ回路ごとに設けられる抵抗値が等しい抵抗と、抵抗のうちの1つに対して一端が接続し、他端が接地されたコンデンサと、を備え、コンデンサとそのコンデンサに接続する抵抗とによって、電圧信号の平均電位を検出するローパスフィルタが構成され、メインアンプの一対の出力から、振幅が等しく直流レベルも同じである相補出力を得る。
【0022】
本発明の第2の例示態様によれば、受信した光信号を電流信号に変換する受光素子に接続される信号増幅器は、電流信号を電圧に変換して出力するプリアンプと、一対の出力を備え、少なくとも入力段が差動回路からなりプリアンプから出力された電圧信号を増幅するメインアンプと、第1及び第2のエミッタフォロワ回路と、一端が第1のエミッタフォロワ回路の入力に接続する第1の抵抗と、一端が第2のエミッタフォロワ回路の入力に接続し、第1の抵抗と同じ抵抗値の第2の抵抗と、第2の抵抗の一端と接地点との間に挿入されたコンデンサと、を備え、第1の抵抗の他端と第2の抵抗の他端とが共通接続され、この共通接続点に対してプリアンプの出力が供給され、第1及び第2のエミッタフォロワ回路の出力がそれぞれ差動回路の1対の入力に接続し、コンデンサと第2の抵抗とによって、電圧信号の平均電位を検出するローパスフィルタが構成され、メインアンプの一対の出力から、振幅が等しく直流レベルも同じである相補出力を得る。
【0023】
本発明の第3の例示態様によれば、受信した光信号を電流信号に変換する受光素子に接続される信号増幅器は、電流信号を電圧に変換して出力するプリアンプと、少なくとも入力段が差動回路からなりプリアンプから出力された電圧信号を増幅するメインアンプと、第1及び第2のエミッタフォロワ回路と、第1のエミッタフォロワ回路においてトランジスタと第1のエミッタフォロワ回路の出力との間に設けられた第1の抵抗と、第2のエミッタフォロワ回路においてトランジスタと第2のエミッタフォロワ回路の出力との間に設けられ、第1の抵抗と同じ抵抗値の第2の抵抗と、第2の抵抗の一端と接地点との間に挿入されたコンデンサと、を備え、第1のエミッタフォロワ回路の入力と第2のエミッタフォロワ回路の入力とが共通接続され、この共通接続点に対してプリアンプの出力が供給され、第1及び第2のエミッタフォロワ回路の出力がそれぞれ差動回路の1対の入力に接続し、コンデンサと第2の抵抗とによって、電圧信号の平均電位を検出するローパスフィルタが構成されている。
【0024】
トランジスタなどを能動素子として用いる増幅回路のうち、エミッタフォロワ回路やソースフォロワ回路などのフォロワ回路は、一般に、差動増幅回路よりも高い入力インピーダンスと広い周波数帯域とを有する。そこで、光受信回路に設けられる信号増幅器においてプリアンプとメインアンプとの間に並列に2個以上のフォロワ回路を設け、一方のフォロワ回路に対してレベル調整抵抗を接続し他方のフォロワ回路に対してローパスフィルタを接続することによって、レベル調整抵抗を接続した場合の帯域減少や感度低下を防止することができる。これによって、バイポーラトランジスタなどの入力インピーダンスが低い能動素子を用いて光受信回路用信号増幅器を構成する場合であっても、広帯域の周波数特性と高い光受信感度特性を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】関連技術における光受信回路の構成の一例を示す回路図である。
【図2】関連技術における光受信回路の構成の別の例を示す回路図である。
【図3】図2に示す光受信回路での信号増幅器のトランスインピーダンス利得の周波 数特性を示すグラフである。
【図4】本発明の第1の例示実施形態の光受信回路の構成を示す回路図である。
【図5】図4に示す光受信回路での信号増幅器のトランスインピーダンス利得の周波数特性を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の例示実施形態の光受信回路の構成を示す回路図である。
【図7】本発明の第3の例示実施形態の光受信回路の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第4の例示実施形態の光受信回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
《第1の例示実施形態》
図4に示す第1の例示実施形態の光受信回路100は、光ファイバなどから出射された光信号101を電流信号に変換する受光素子102と、受光素子102の出力に接続され、帰還抵抗104を有するトランスインピーダンスアンプで構成されたプリアンプ(前置増幅器)103と、抵抗値がRである抵抗106と容量値がCであるコンデンサ107とで構成されたローパスフィルタ(LPF)105と、縦続接続された2段の差動増幅回路で構成されたメインアンプ(主増幅器)110とを有している。LPF105は、プリアンプ103の出力信号のうちの低周波成分を透過させて低周波信号として出力するものである。さらにこの光受信回路100では、プリアンプ103とメインアンプ110との間に後述するエミッタフォロワ部109が設けられており、LPF105は、このエミッタフォロワ部109の前段に形成されている。プリアンプ103からメインアンプ110に至るまでの各回路によって、受光素子102に接続される信号増幅器が構成されている。プリアンプ103、エミッタフォロワ部109及びメインアンプ110は、いずれも基本トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いている。また、プリアンプ103、エミッタフォロワ部109及びメインアンプ110に対して共通に電源111が設けられており、これらの回路に例えば+5Vの電源電圧を供給している。この構成において、プリアンプ103、エミッタフォロワ部109及びメインアンプ110は、半導体集積回路として、同一の半導体基板上に形成されている。
【0027】
受光素子102は、光信号401を受光して電流信号に変換し、その電流信号を出力するものであって、例えば、フォトダイオードなどの半導体受光素子によって構成されている。特にこの例示実施形態では、受光素子102として、例えば、InGaAs系のピン(PIN)フォトダイオード(Photo Diode)またはアバランシェフォトダイオード(APD;Avalanche Photo Diode)が好ましく使用される。受光素子102の受光波長帯としては、InGaAsにおける各元素の組成を調整することにより1.3μm帯や1.55μm帯を選択することができる。
【0028】
プリアンプ103は、バイポーラトランジスタ1個からなる増幅段と、2個のバイポーラトランジスタが直列に接続された出力段とを有するとともに、例えば抵抗値が400Ωである帰還抵抗104を備え、上述したように、トランスインピーダンスアンプとして構成されている。帰還抵抗104の値は、電流−電圧変換効率や周波数特性により、適宜選択される。増幅段のバイポーラトランジスタのゲートには受光素子102のアノードが接続し、受光素子102のカソードには、受光素子用の電源114から、逆電圧が印加されている。プリアンプ103において、受光素子102からの電流信号は帰還抵抗104に流れ、これによって帰還抵抗104の両端には電位差が生じ、これに対応してプリアンプ103の出力電位が変化する。
【0029】
プリアンプ103及びメインアンプ110の構成は、それぞれ、基本トランジスタとしてバイポーラトランジスタが用いられている図2に示した関連技術の光受信回路420における、プリアンプ423及びメインアンプ430と同様のものである。
【0030】
エミッタフォロワ部109は、2個のエミッタフォロワ回路、すなわちトランジスタQ1を有する第1のエミッタフォロワ回路とトランジスタQ2を有する第2のエミッタフォロワ回路とを備えるものである。プリアンプ103の出力OUTAは、レベル調整抵抗108を介して第1のエミッタフォロワ回路の入力すなわちトランジスタQ1のベースに接続し、第1のエミッタフォロワ回路の出力はメインアンプ110の非反転入力端子INAに直接接続されている。また、プリアンプ103の出力OUTAは、抵抗106とコンデンサ107で構成されたLPF105を介して、第2のエミッタフォロワ回路の入力すなわちトランジスタQ2のベースに接続され、第2のエミッタフォロワ回路の出力はメインアンプ110の反転入力端子INABに直接接続される。レベル調整抵抗108の抵抗値は、LPF105の抵抗106の抵抗値Rと等しく、抵抗値Rは典型的には50Ωである。コンデンサ107は、この光受信回路を構成する半導体集積回路の内部に構成できる場合もあるが、ここに示す例ではその容量値Cを0.11μFとして、半導体集積回路の外部に設けられるチップコンデンサによって構成している。
【0031】
このようにLPF105では、プリアンプ103の出力OUTAと第2のエミッタフォロワ回路との間に抵抗106が設けられるとともに、コンデンサ107の一端は抵抗103とエミッタフォロワ回路との接続点に接続し他端は接地されている。LPF105のカットオフ周波数fcは、
【0032】
【数2】

【0033】
で与えられ、上述したRとCの値により、およそ30kHzとなる。LPF105からは、このカットオフ周波数fcよりも低い周波数である低域濾波信号が出力し、この低域濾波信号は、プリアンプ103から出力される主信号の瞬時平均値を与え、第2のエミッタフォロワ回路を介して、メインアンプ110の反転入力端子INABに入力される。これに対し、カットオフ周波数fcよりも高い周波数の信号成分は、LPF105により阻止されて、メインアンプ110の反転入力端子INABには入力されない。
【0034】
2段の差動増幅回路により構成されたメインアンプ110は、差動増幅段ごとに定電流源回路112を備えている。初段の差動増幅回路の非反転入力端子INAには、プリアンプ103によって電流−電圧変換された信号が、主信号として、レベル調整抵抗108と第1のエミッタフォロワ回路を介して入力される。一方、初段の差動増幅回路の反転入力端子INABには、LPF105の作用により、非反転入力端子INAへの主信号の瞬時平均値が与えられる。その結果、図1に示した光受信回路の場合と同様に、メインアンプ110の一対の出力OUT,OUTBには、振幅が等しく直流レベルも同じである相補出力が得られる。
【0035】
図5は、図4に示す光受信回路100において信号増幅器のレベル調整抵抗108の値を変化させた場合における、信号増幅器全体としてのトランスインピーダンス利得の周波数特性を示している。レベル調整抵抗108の抵抗値を0Ωから100Ωと増加させても、帯域や周波数特性にほとんど変化がないことが分かる。これは、差動増幅回路よりもエミッタフォロア回路の方が、帯域幅が広くて入力抵抗による帯域低下の影響を受けにくいためである。このように、エミッタフォロワ部109を設け、レベル調整抵抗108を第1のエミッタフォロワ回路の入力側に設けることにより、光受信回路100に設けられる信号増幅器の全体としての帯域特性の向上を実現できる。
【0036】
特に、LPF105におけるコンデンサ107の容量値Cを小さくする必要がある場合には、その分、抵抗106の抵抗値Rを大きくしなければならないが、その場合には、レベル調整抵抗108の値も大きくなる。本例示実施形態によれば、レベル調整抵抗108の抵抗値が大きい場合であっても、光受信回路用信号増幅器において十分な帯域特性、周波数特性を得ることができる。
【0037】
《第2の例示実施形態》
図6に示す第2の例示実施形態の光受信回路200は、図4に示す光受信回路と同様のものであって、光ファイバから出射された光信号201を電流信号に変換する受光素子202と、受光素子202の出力に接続され、帰還抵抗204を有するトランスインピーダンスアンプで構成されたプリアンプ203と、抵抗値がRである抵抗206と容量値がCであるコンデンサ207で構成されたLPF205と、縦続接続された2段の差動増幅回路で構成されたメインアンプ210と、プリアンプ203とメインアンプ210との間に設けられ2個のエミッタフォロワ回路を有するエミッタフォロワ部209とを備えている。プリアンプ203、エミッタフォロワ部209及びメインアンプ210は、いずれも、基本回路としてバイポーラトランジスタを用いて構成されている。
【0038】
図6に示す光受信回路200が図4に示す光受信回路と異なるところは、プリアンプ203の出力OUTAと、エミッタフォロワ部209内の第1及び第2のエミッタフォロワ回路の共通接続された入力との間に、レベルアップ回路213が設けられている点である。レベルアップ回路213は、基本トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いた回路として構成されている。プリアンプ203は、図4に示す光受信回路におけるプリアンプ103と同様のものであって、抵抗値が500Ωである帰還抵抗204を備えるトランスインピーダンスアンプとして構成されている。プリアンプ203からメインアンプ210に至るまでの各回路によって、受光素子202に接続される信号増幅器が構成されている。ここでプリアンプ203、エミッタフォロワ部209、メインアンプ210及びレベルアップ回路213は、同一の半導体基板上に集積化されている。また、プリアンプ203、エミッタフォロワ部209、メインアンプ210及びレベルアップ回路213に対して、電圧が例えば+3.3Vである電源211が共通に設けられている。
【0039】
この光受信回路200においても、受光素子202に対して逆電圧を印加する電源214が設けられている。LPF205及びエミッタフォロワ部209は、それぞれ、図4に示した光受信回路におけるLPF105及びエミッタフォロワ部109と同じ構成のものである。
【0040】
プリアンプ203の出力OUTAは、レベルアップ回路213に直接接続されている。レベルアップ回路213の出力は、レベル調整抵抗208を介して第1のエミッタフォロワ回路の入力に接続され、第1のエミッタフォロワ回路209の出力はメインアンプ210の非反転入力端子INAに直接接続されている。レベルアップ回路213の出力は、また抵抗206とコンデンサ207で構成されたLPF205を介して、第2のエミッタフォロワ回路の入力にも接続され、第2のエミッタフォロワ回路の出力は、メインアンプ210の反転入力端子INABに接続されている。この例示実施形態では、レベル調整抵抗208の抵抗値とLPF205の抵抗206の抵抗値は、同じ値Rであって100Ωである。コンデンサ207は、光受信回路200を構成する半導体集積回路の内部に構成できる場合もあるが、ここに示す例ではその容量値Cを0.11μFとして、半導体集積回路の外部に設けられるチップコンデンサによって構成している。
【0041】
LPF205のカットオフ周波数fcは、
【0042】
【数3】

【0043】
で与えられ、上述したRとCの値により、およそ15kHzとなる。LPF205からは、このカットオフ周波数fcよりも低い周波数である低域濾波信号が出力し、この低域濾波信号は、プリアンプ203から出力される信号の瞬時平均値を与え、第2のエミッタフォロワ回路を介して、メインアンプ210の反転入力端子INABに入力される。これに対し、カットオフ周波数fcよりも高い周波数の信号成分は、LPF205により阻止されて、メインアンプ210の反転入力端子INABには入力されない。
【0044】
メインアンプ210は、図4に示した光受信回路でのメインアンプ110と同じ構成のものであって、上述したように2段の差動増幅回路により構成され、差動増幅回路ごとに定電流源回路212を備えている。初段の差動増幅回路の非反転入力端子INAには、プリアンプ203によって電流−電圧変換された信号が、レベル調整抵抗208と第1のエミッタフォロワ回路を介して入力される。一方、初段の差動増幅回路の反転入力端子INABには、LPF205の作用により、非反転入力端子INAへの信号の瞬時平均値が与えられる。その結果、図4に示した光受信回路用信号増幅器の場合と同様に、メインアンプ210の一対の出力OUT,OUTBには、振幅が等しく直流レベルも同じである相補出力が得られる。
【0045】
図6に示す光受信回路200では、プリアンプ203とエミッタフォロワ部209の間にレベルアップ回路213を設けることにより、エミッタフォロア回路において主信号や瞬時平均値のレベルが下がることを補償でき、メインアンプ210の入力INA,INABにそれぞれ適切なレベルの主信号や瞬時平均値が入力される。例えば、光受信回路200の電源211の電圧が低い場合には、レベルアップ回路213が必要となる。
【0046】
第2の例示実施形態においても、差動増幅回路よりもエミッタフォロア回路の方が、広帯域であって入力抵抗による帯域低下の影響を受けにくいことから、レベル調整抵抗208を第1のエミッタフォロワ回路の入力に設けることにより、光受信回路200に設けられる信号増幅器の全体としての帯域の向上を実現できる。
【0047】
《第3の例示実施形態》
図7に示す第3の例示実施形態の光受信回路300は、光ファイバから出射された光信号301を電流信号に変換する受光素子302と、受光素子302の出力に接続されたプリアンプ303と、抵抗306及びコンデンサ307を有するLPF305と、縦続接続された2段の差動増幅回路で構成されたメインアンプ310と、プリアンプ303とメインアンプ310との間に設けられたエミッタフォロワ部309と、を有している。プリアンプ303からメインアンプ310に至るまでの各回路によって、受光素子302に接続される信号増幅器が構成されている。プリアンプ303、エミッタフォロワ部309及びメインアンプ310は、いずれも基本トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いて、同一の半導体基板上に集積化されて構成されている。この光受信回路300においても、受光素子302に対して逆電圧を印加する電源314が設けられている。また、プリアンプ303、エミッタフォロワ部309及びメインアンプ310に対して共通に、電源電圧が例えば+5Vである電源311が設けられている。
【0048】
プリアンプ303は、図4に示した光受信回路におけるプリアンプ103と同様の構成のものであり、バイポーラトランジスタ1個からなる増幅段と、2個のバイポーラトランジスタが直列に接続された出力段とを有するとともに、抵抗値が400Ωである帰還抵抗304を備え、トランスインピーダンスアンプとして構成されている。
【0049】
エミッタフォロワ部309は、2個のエミッタフォロワ回路、すなわちトランジスタQ1を有する第1のエミッタフォロワ回路とトランジスタQ2を有する第2のエミッタフォロワ回路とを備えるものである。第1及び第2のエミッタフォロワ回路の入力は共通接続されて、プリアンプ303の出力OUTAに接続している。第1のエミッタフォロワ回路においては、その出力とトランジスタQ1のエミッタとの間に、レベル調整抵抗308が挿入されており、第1のエミッタフォロワ回路の出力は、メインアンプ310の非反転入力端子INAに接続している。第2のエミッタフォロワ回路においては、その出力とトランジスタQ2のエミッタとの間に、LPF305の抵抗306が挿入されており、第2のエミッタフォロワ回路の出力は、メインアンプ310の反転入力端子INABに接続している。LPF305のコンデンサは、抵抗306のメインアンプ310側の端部、すなわち第2のエミッタフォロワ回路の出力と接地点との間に設けられている。レベル調整抵抗308の抵抗値とLPF305の抵抗306の抵抗値とは等しく、この抵抗値Rは50Ωである。コンデンサ307は、この光受信回路を構成する半導体集積回路の内部に構成できる場合もあるが、ここに示す例ではその容量値Cを0.11μFとして、半導体集積回路の外部に設けられるチップコンデンサによって構成している。
【0050】
このようなLPF305のカットオフ周波数fcは、
【0051】
【数4】

【0052】
で与えられ、上述したRとCの値により、およそ30kHzとなる。LPF305からは、このカットオフ周波数fcよりも低い周波数である低域濾波信号が出力し、この低域濾波信号は、プリアンプ303から出力される主信号の瞬時平均値を与え、第2のエミッタフォロワ回路を介して、メインアンプ310の反転入力端子INABに入力される。これに対し、カットオフ周波数fcよりも高い周波数の信号成分は、LPF305により阻止されて、メインアンプ310の反転入力端子INABには入力されない。
【0053】
2段の差動増幅回路により構成されたメインアンプ310は、図4に示した光受信回路でのメインアンプ110と同じ構成のものであって、差動増幅回路ごとに定電流源回路312を備えている。初段の差動増幅回路の非反転入力端子INAには、プリアンプ303によって電流−電圧変換された信号が、主信号として、レベル調整抵抗308と第1のエミッタフォロワ回路を介して入力される。一方、初段の差動増幅回路の反転入力端子INABには、LPF305の作用により、非反転入力端子INAへの主信号の瞬時平均値が与えられる。その結果、第1及び第2の例示実施形態の光受信回路の信号増幅器の場合と同様に、メインアンプ310の一対の出力OUT,OUTBには、振幅が等しく直流レベルも同じである相補出力が得られる。
【0054】
第3の例示実施形態においても、差動増幅回路よりもエミッタフォロア回路の方が、広帯域であって入力抵抗による帯域低下の影響を受けにくいことから、レベル調整抵抗308を第1のエミッタフォロワ回路内に設けることにより、光受信回路300に設けられる信号増幅器の全体としての帯域の向上を実現できる。
【0055】
以上の説明では、エミッタフォロワ部309内の第1及び第2のエミッタフォロワ回路に対してそれぞれレベル調整抵抗308及びLPF307の抵抗306を挿入するものとしたが、第3の例示実施形態において、エミッタフォロワ回路に対するレベル調整抵抗及びLPFの抵抗の接続の形態は、上述したものに限られない。また、第3の例示実施形態においては、第2の例示実施形態の場合と同様に、プリアンプ303の出力OUTAと第1及び第2のエミッタフォロワ回路の共通接続された入力との間に、レベルアップ回路を挿入するようにしてもよい。その場合、レベルアップ回路が、基本トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いて、プリアンプ303、エミッタフォロワ部309及びメインアンプ310とともに同一の半導体基板上に集積化されて構成されるようにしてもよい。
【0056】
《第4の例示実施形態》
以上説明した第1乃至第3の例示実施形態では、基本トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いて、半導体集積回路として光受信回路用信号増幅器を構成する場合を説明した。しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。例えば、接合型FETやMOS(金属−酸化物−半導体)FETなどの他のデバイスを能動素子として用いる光受信回路用信号増幅器においても、上述と同様に構成することができる。FETを能動素子として用いる場合には、上述したエミッタフォロワ回路の代わりにソースフォロワ回路を用いることが好ましい。
【0057】
図8に示す第4の例示実施形態の光受信回路150は、図1に示す光受信回路において、基本トランジスタとして、バイポーラトランジスタの代わりにFETを用いたものである。すなわち図8に示す光受信回路は、光信号151を電流信号に変換する受光素子152と、受光素子152の出力に接続され、帰還抵抗154を有するトランスインピーダンスアンプで構成されたプリアンプ153と、抵抗値がRである抵抗156と容量値がCであるコンデンサ157で構成されたLPF155と、縦続接続された2段の差動増幅回路で構成されたメインアンプ160と、プリアンプ153とメインアンプ160との間に設けられたソースフォロワ部159とを備えている。プリアンプ153からメインアンプ160に至るまでの各回路によって、受光素子152に接続される信号増幅器が構成されている。プリアンプ153、ソースフォロワ部159及びメインアンプ160に対して共通に電源161が設けられており、また、受光素子152に対して逆電圧を印加する電源164が設けられている。
【0058】
プリアンプ153は、図4に示す光受信回路のプリアンプ103におけるバイポーラトランジスタを全てFETに置き換えた構成のものである。メインアンプ160は、図4に示す光受信回路のメインアンプ110におけるバイポーラトランジスタを全てFETに置き換えた構成のものであって、差動増幅回路ごとに定電流源回路162を備えている。
【0059】
ソースフォロワ部159は、2個のソースフォロワ回路、すなわちトランジスタM1を有する第1のソースフォロワ回路とトランジスタM2を有する第2のソースフォロワ回路とを備えるものである。プリアンプ153の出力OUTAは、レベル調整抵抗158を介して第1のソースフォロワ回路の入力すなわちトランジスタM1のゲートに接続し、第1のソースフォロワ回路の出力はメインアンプ160の非反転入力端子INAに直接接続されている。また、プリアンプ153の出力OUTAは、抵抗156とコンデンサ157で構成されたLPF155を介して、第2のソースフォロワ回路の入力すなわちトランジスタM2のゲートに接続され、第2のソースフォロワ回路の出力はメインアンプ160の反転入力端子INABに直接接続される。レベル調整抵抗158の抵抗値は、LPF155の抵抗156の抵抗値Rと等しいものとされている。
【0060】
第4の例示実施形態の光受信回路150は、第1の例示実施形態の光受信回路100と同様に動作する。そして第4の例示実施形態においても、差動増幅回路よりもソースフォロア回路の方が、広帯域であって入力抵抗による帯域低下の影響を受けにくいことから、レベル調整抵抗158を第1のソースフォロワ回路の入力に設けることにより、光受信回路150に設けられる信号増幅器の全体としての帯域の向上を実現できる。
【0061】
本発明の別の例示実施形態では、本発明の各例示態様の光受信回路において、プリアンプの出力と共通接続点との間に、レベルアップ回路を設ける。
【0062】
以上、例示実施形態及び実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の例示実施形態及び実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0063】
この出願は、2007年3月29日に出願された日本国特許出願:特願2007−88261を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0064】
100,150,200,300,400,420 光受信回路
101,151,201,301,401 光
102,152,202,302,402 受光素子
103,153,203,303,403,423 プリアンプ
104,154,204,304,404 帰還抵抗
105,155,205,305,405 ローパスフィルタ(LPF)
106,156,206,306,406 抵抗
107,157,207,307,407 容量
108,158,208,308,408 レベル調整抵抗
109,209,309 エミッタフォロワ部
110,160,210,310,410,430 メインアンプ
111,114,154,161,211,214,311,314,411,414 電源
112,162,212,312,412 定電流源回路
159 ソースフォロワ部
213 レベルアップ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した光信号を電流信号に変換する受光素子に接続される信号増幅器であって、
前記電流信号を電圧に変換して出力するプリアンプと、
一対の出力を備え、少なくとも入力段が差動回路からなり前記プリアンプから出力された電圧信号を増幅するメインアンプと、
前記プリアンプと前記メインアンプとの間に設けられ前記電圧信号が供給される2個以上のフォロワ回路と、
前記プリアンプの出力と前記メインアンプの各入力との間の経路において各フォロワ回路ごとに設けられる抵抗値が等しい抵抗と、
前記抵抗のうちの1つに対して一端が接続し、他端が接地されたコンデンサと、
を備え、
前記コンデンサと該コンデンサに接続する抵抗とによって、前記電圧信号の平均電位を検出するローパスフィルタが構成され、
前記メインアンプの前記一対の出力から、振幅が等しく直流レベルも同じである相補出力を得る、信号増幅器。
【請求項2】
前記フォロワ回路はエミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路である、請求項1に記載の信号増幅器。
【請求項3】
能動素子としてバイポーラトランジスタを用いる、請求項1に記載の信号増幅器。
【請求項4】
前記メインアンプの前記入力段がバイポーラトランジスタを用いて構成されている、請求項1または2に記載の信号増幅器。
【請求項5】
前記プリアンプはトランスインピーダンスアンプとして構成されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の信号増幅器。
【請求項6】
受信した光信号を電流信号に変換する受光素子に接続される信号増幅器であって、
前記電流信号を電圧に変換して出力するプリアンプと、
一対の出力を備え、少なくとも入力段が差動回路からなり前記プリアンプから出力された電圧信号を増幅するメインアンプと、
第1及び第2のエミッタフォロワ回路と、
一端が前記第1のエミッタフォロワ回路の入力に接続する第1の抵抗と、
一端が前記第2のエミッタフォロワ回路の入力に接続し、前記第1の抵抗と同じ抵抗値の第2の抵抗と、
前記第2の抵抗の前記一端と接地点との間に挿入されたコンデンサと、
を備え、
前記第1の抵抗の他端と前記第2の抵抗の他端とが共通接続され、該共通接続点に対して前記プリアンプの出力が供給され、
前記第1及び第2のエミッタフォロワ回路の出力がそれぞれ前記差動回路の1対の入力に接続し、
前記コンデンサと前記第2の抵抗とによって、前記電圧信号の平均電位を検出するローパスフィルタが構成され、
前記メインアンプの前記一対の出力から、振幅が等しく直流レベルも同じである相補出力を得る、信号増幅器。
【請求項7】
前記プリアンプの出力と前記共通接続点との間にレベルアップ回路をさらに備える請求項6に記載の信号増幅器。
【請求項8】
能動素子としてバイポーラトランジスタを用いる、請求項6または7に記載の信号増幅器。
【請求項9】
前記メインアンプの前記入力段がバイポーラトランジスタを用いて構成されている、請求項6または7に記載の信号増幅器。
【請求項10】
前記プリアンプはトランスインピーダンスアンプとして構成されている、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の信号増幅器。
【請求項11】
前記メインアンプ、前記プリアンプ及び前記各エミッタフォロワ回路が同一の半導体基板上に集積化されている、請求項6乃至10のいずれか1項に記載の信号増幅器。
【請求項12】
前記メインアンプ、前記プリアンプ、前記各エミッタフォロワ回路及び前記レベルアップ回路が同一の半導体基板上に集積化されている、請求項7に記載の信号増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−102558(P2013−102558A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−45176(P2013−45176)
【出願日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【分割の表示】特願2009−507495(P2009−507495)の分割
【原出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】