光回路と、この光回路を用いた光増幅器、可変分散補償器、および可変光遅延器
【課題】励起光パワーを無駄にせず、一定の光パワーレベルで信号光を出力し、かつ雑音の増加と効率の低下を回避できる、光回路と、この光回路を用いた光増幅器、可変分散補償器、および可変光遅延器を提供する。
【解決手段】光回路10は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチ1と、1個のN×1主光スイッチ2と、1×j従光スイッチであってjが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチ4−1から4−(N−1)と、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチ3−1から3−(N−1)と、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートとから構成され、各光スイッチの切替えにより、光回路10に接続される増幅用光ファイバの組合せを変化させることができ、その結果、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計の長さが変化し、可変利得が得られる。
【解決手段】光回路10は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチ1と、1個のN×1主光スイッチ2と、1×j従光スイッチであってjが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチ4−1から4−(N−1)と、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチ3−1から3−(N−1)と、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートとから構成され、各光スイッチの切替えにより、光回路10に接続される増幅用光ファイバの組合せを変化させることができ、その結果、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計の長さが変化し、可変利得が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号光を増幅する光増幅器に供する光回路と、この光回路を用いた光増幅器、可変分散補償器、および可変光遅延器に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ・オン・デマンド等の映像データの急増によって通信トラフィックが増大する中で、光ファイバ1本あたりの伝送容量を増大させるために波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムが商用導入されている。WDM伝送システムにおいて、光増幅器は、帯域を広げ、雑音を低減し、出力を上昇させるために必要不可欠な光デバイスとなっている。WDM伝送システムでは、経年変化や温度変化などによりスパンロスが変動するため、時間の経過や温度変化に伴い光増幅器へ入力する信号光パワーが変化するが、光増幅器は一定レベルの信号光パワーで信号光を出力させる必要がある。この課題に対して従来は、光増幅器を2つ以上の光増幅部と可変光減衰器とで構成し、光増幅部間に可変光減衰器を配置し、可変光減衰器の減衰量を調整して入力信号光パワーの変動を補償する光増幅器が用いられていた(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3298396号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Y. Sun et al, ”Average Inversion level, modeling, and physics of erbium−doped fiber amplifier,” IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol.3, no.4, pp.991−1007, 1997.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来構成の光増幅器は、前段の光増幅部で信号光を一旦増幅した後、光増幅部間の可変光減衰器で信号光パワーを減衰させるため、可変光減衰器の前段の光増幅部における増幅に使用された励起光パワーの一部が無駄になっていた。これは特に、可変光減衰器の減衰量が大きくなる高入力信号光パワーのときに顕著である。
【0006】
また、後段の光増幅部へ入力される信号光のパワー範囲(入力ダイナミックレンジ)が大きいと、入力パワーの大きい方に合わせて可変光減衰器の減衰量を大きく設定するため、入力する信号光パワーが大きく低下する結果、後段の光増幅部で付加される雑音成分の寄与が大きくなり、光増幅器全体の雑音特性の劣化(雑音指数の増大)を招く。そのため、システム運用上、このような光増幅器の欠点を避けるために、大きな入力ダイナミックレンジを必要とされる光増幅器は、入力信号光パワー範囲を複数の小さな範囲に分割し、それぞれの入力信号光パワー範囲の光増幅器を使い分ける必要が生じる。複数の光増幅器を使い分けるようなシステム運用を行うと、故障時取り替えのために予備とする光増幅器も複数量持っておく必要が生じるなど、システム運用上のコストを上げる不都合も生じる。
【0007】
さらに、光増幅器の光増幅媒体によっては、利得スペクトルが励起光パワー依存性(すなわち、反転分布状態依存性)を有することから、利得を励起光パワーで調整すると、波長多重伝送において波長チャネルによる利得偏差が発生するという問題も生じる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、励起光パワーを無駄にせず、入力信号光パワー変動を補償して一定の光パワーレベル(1波長あたりの光パワーが一定)で信号光を出力し、かつ入力信号光パワーダイナミックレンジが広い場合の従来の光増幅器において生じていた雑音の増加と効率の低下を回避できる光増幅器を実現するための光回路と、この光回路を用いた光増幅器を提供することにある。さらに、本発明の回路を用いた、可変分散補償器、および可変光遅延器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものである。本発明の光回路は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートとから構成され、主入力ポートは、1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかったN個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、主出力ポートは、N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかったN個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個はN×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の従入力ポートに接続されなかったN×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の従出力ポートに接続されなかった1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちのN×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれはN−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、1×N主光スイッチおよび/またはN−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができることを特徴とする。
【0010】
さらに、N−1個のi×1従光スイッチの前または後またはN−1個の1×j従光スイッチの後に可変光減衰器を備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、N−1個のi×1従光スイッチの前または後またはN−1個の1×j従光スイッチの後に、損失スペクトルのピークとディップの差を可変にする動的利得等化手段を備えることを特徴とする。
【0012】
さらに、1×N主光スイッチと、N×1主光スイッチと、N−1個のi×1従光スイッチと、N−1個の1×j従光スイッチと、可変光減衰器と、動的利得等化手段とのうち少なくとも2つ以上が、単一の導波路基板内に集積されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の光増幅器は、N個の光増幅用光ファイバを更に備え、N個の従出力ポートはそれぞれN個の光増幅用光ファイバの入力ポートに接続されており、N個の光増幅用光ファイバのうちの1個の従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートはN−1個の1×j従光スイッチのうちのj=Nをみたす1×j従光スイッチに接続された従入力ポートに接続されており、N個の光増幅用光ファイバのうちのN−1個のi×1従光スイッチのうちのi=Nをみたすi×1従光スイッチに接続された従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは1個の従入力ポートに接続されており、N個の光増幅用光ファイバのうちの、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは、j=N−i+1をみたすように、前記N−1個の1×j従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従入力ポートに接続されており、1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、光増幅用光ファイバの組み合わせを切替えることによって光増幅用光ファイバの長さを変え、よって光増幅率を変化させることができることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の可変分散補償器は、本発明の光増幅器の光増幅用光ファイバを分散補償ファイバに置き換えることによって得られ、1×N主光スイッチおよび/またはN−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、分散補償ファイバの組み合わせを切替えることによって分散補償ファイバの長さを変え、よって分散補償量を変化させることができることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の可変光遅延器は、本発明の光増幅器の光増幅用光ファイバを光遅延導波路に置き換えることによって得られ、1×N主光スイッチおよび/またはN−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、光遅延導波路の組み合わせを切替えることによって光遅延導波路の長さを変え、よって光遅延量を変化させることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光回路を用いた光増幅器では、光スイッチの切替えにより増幅用光ファイバの組合せを変化させることができ、その結果、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計の長さが変化し、可変利得が得られる。本発明の光増幅器は、入力信号光パワーの変化に対し、増幅用光ファイバの組合せを切り替え、常に適切な長さの増幅用光ファイバで光増幅を行うため、広い入力信号光パワーダイナミックレンジで励起光パワーを無駄にせず、かつ入力信号光パワーダイナミックレンジが広い場合の従来の光増幅器において生じていた雑音の増加と効率の低下を回避できるという利点を有する。この利点により、システム運用上、複数の光増幅器を使い分けることが不要となる利点も有する。
【0017】
また、本技術では、増幅用光ファイバの利得を励起光パワーでなく増幅用光ファイバの長さで調整することから、増幅用光ファイバの利得スペクトルも利得に関わらず一定となり、波長多重伝送において、波長チャネル間の利得偏差が変化するという問題が回避できる。
【0018】
さらに、本発明の回路を用いた、可変分散補償器、および可変光遅延器に関しても、本発明の光回路を用いた光増幅器と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の作用を説明するための概念図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の光回路を示すブロック図である。
【図3】本発明の増幅ブロックの一例を示し、(a)は前方励起系、(b)は後方励起系、(c)は双方向励起系、(d)は図3(a)に光アイソレータを配置、(e)は図3(b)に光アイソレータを配置、(f)は図3(c)に光アイソレータを配置、(g)は増幅用光ファイバ間に光アイソレータを配置した増幅ブロックを示すブロック図である。
【図4】ファイバブロックによって光回路と増幅ブロックが接続されることを説明する概念図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における光回路例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における光回路例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における光回路例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における光回路例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における光回路を示すブロック図である。
【図10】ファイバブロックによって光回路と増幅用光ファイバが接続されることを説明する概念図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における光回路を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図13】本発明の第4の実施形態における光増幅器を示すブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施形態における光回路構成を示す図である。
【図15】(a)は本発明の第4の実施形態の光増幅器のレベルダイヤ、(b)は従来の光増幅器のレベルダイヤを示す図である。
【図16】本発明の第4の実施形態の光増幅器と従来の光増幅器の所要励起光パワーを比較する図である。
【図17】本発明の第4の実施形態の光増幅器と従来の光増幅器の雑音指数を比較する図である。
【図18】第5の実施形態における光増幅器を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の光回路は、2本以上の増幅用光ファイバを接続し、光スイッチの切替えにより該増幅用光ファイバの組合せを変化させ、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計の長さを変化させることを最も主要な特徴とする。
【0021】
<作用>
図1に示す概念図を用いて本発明の光回路及び光増幅器の機能を説明する。図1において、本発明の光回路は、1×N光スイッチ901、N×1光スイッチ902、N−1個のi×1光スイッチ903−1〜903−(N−1)、ただしiは2以上N以下の整数、およびN−1個の1×j光スイッチ904−1〜904−(N−1)、ただしjは2以上N以下の整数、から構成される。本発明の光回路がさらに増幅用光ファイバを備えたN+1個の増幅ブロックk905−0〜905−N、ただしkは0以上N以下の整数、を備えると、本発明の光回路は、複数の光スイッチ及び複数の増幅ブロックから構成される光増幅器となる。
【0022】
1×N光スイッチの入力ポートは増幅ブロック0の出力ポートに接続されている。1×N光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個は増幅ブロック1に接続されている。1×N光スイッチのN個の出力ポートのうちの増幅ブロック1に接続されなかったN−1個の出力ポートは、N−1個のi×1光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されている。kが1以上N−1以下である増幅ブロックkの出力ポートは、N−1個の1×j光スイッチの入力ポートに、j=N−k+1を満たすように接続されている。増幅ブロックNの出力ポートは、N×1光スイッチの入力ポートに接続されている。1×j光スイッチの出力ポートのうちの1個は、増幅ブロックNの出力ポートに接続されなかったN×1光スイッチの入力ポートに接続されている。1×j光スイッチの出力ポートのうちN×1光スイッチの入力ポートに接続されなかった出力ポートは、それぞれ、iがN−j+2以上N以下を満たす、1×N光スイッチの出力ポートに接続されなかったi×1光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されている。i×1光スイッチの出力ポートは、i=kである増幅ブロックkの入力ポートに接続されている。
【0023】
入力する信号光は増幅ブロック0で増幅された後、1×Nスイッチである光スイッチ901に入力され、光スイッチ901の出力ポートから、信号光はN個の方路のいずれかに向けられる。光スイッチ901を通過した信号光は、増幅ブロック1、またはi×1光スイッチ903−1〜903−(N−1)を介して、増幅ブロックkに入力される。増幅ブロックkで増幅された光信号は、増幅ブロックkに接続された1×j光スイッチ、またはk=Nの場合N×1光スイッチ902に入力される。1×j光スイッチに入力された光信号はj個の出力ポートからいずれかの方路にむけられ、1×j光スイッチに接続されたi×1光スイッチ、またはN×1光スイッチへ入力される。このように信号光は、光スイッチ903−1〜903−(N−1)、増幅ブロック905−1〜905−N、光スイッチ904−1〜904−(N−1)の組み合わせによる増幅を1回または複数回繰り返した後、最終的に光スイッチ902を通過し、出力される。なお図1の構成は、光スイッチ901の損失が問題とならない場合は、増幅部0をなくして入力信号が直接光スイッチ901へ入力する構成とすることもある。
【0024】
このように、1×N光スイッチ901、N×1光スイッチ902、N−1個のi×1光スイッチ、及びN−1個の1×j光スイッチの方路切替によって信号光が通過する増幅ブロック(すなわち、増幅用光ファイバ)の組合せを変える、つまり、光スイッチを切り替え信号光の経路を変化させることにより、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計長を変化させる。その際、増幅用光ファイバがエルビウム添加ファイバである場合、非特許文献1に示されているように、増幅用光ファイバで得られる利得は単位長さに比例するので、前述のように増幅用光ファイバの合計長を変化させることで光増幅器の利得を変化させることができる。
【0025】
<発明の実施形態>
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態の光回路を示すブロック図である。図2において、本実施形態の光回路は、1個の主入力ポートと、lが1以上N以下の整数であるN個の従入力ポートlと、1個の1×N光スイッチと、1個のN×1光スイッチと、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j光スイッチと、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1光スイッチと、mが1以上N以下の整数であるN個の従出力ポートmと、1個の主出力ポートとから構成される。
【0026】
主入力ポートは、1×N光スイッチの入力ポートに接続されている。N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、N−1個の1×j光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、N−1個の1×j光スイッチの入力ポートに接続されなかった従入力ポートは、N×1光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されている。主出力ポートは、N×1光スイッチの出力ポートに接続されている。N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、N−1個のi×1光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、N−1個のi×1光スイッチの出力ポートと接続されなかった従出力ポートは、1×N光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されている。N−1個の1×j光スイッチのそれぞれの1×j光スイッチの出力ポートのうちの1個はN×1光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の従入力ポートに接続されなかったN−1個の入力端子それぞれに接続されている。1×N光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の従出力ポートに接続されなかった1×N光スイッチのN−1個の出力ポートは、N−1個のi×1光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されている。N−1個の1×j光スイッチのそれぞれの1×j光スイッチの出力ポートのうちのN×1光スイッチの入力ポートに接続されなかった出力ポートのそれぞれはN−1個のi×1光スイッチの入力ポートのうちの1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかった入力ポートのそれぞれに、iがN−j+2以上N以下の整数である条件を満たすように接続されている。主入力ポートに増幅ブロック0の出力を、従出力ポートlに増幅ブロックlの入力ポートをそれぞれ接続し、増幅ブロックlの出力ポートに従入力ポートlを接続すると、図1に示す構成になる。
【0027】
図3は増幅ブロックの一例を示しており、いずれも増幅用光ファイバ11と信号光と励起光を合波する合分波器12とで構成される。図3(a)は前方励起系、図3(b)は後方励起系、図3(c)は双方向励起系である。なお、図示していないが、合分波器の一つのポートは励起光を発生する励起光源(例えば半導体レーザ)や、励起光を複数のポートに分岐する光分岐器に接続されている。また、必要に応じて光アイソレータ13を配置したり(例えば図3(d)、(e)、(f))、増幅用光ファイバは複数本にしたうえで、増幅用光ファイバ間に光アイソレータ13や利得等化フィルタを配置したりする構成(例えば図3(g))でもよい。
【0028】
光回路と増幅ブロックとの接続は、図4に概念図で示したように、N+1本のファイバ21の一方の先端をV溝ガラスブロック20で固定し、ファイバ端面と同一面上の端面が研磨されているファイバブロックを介して接続される。ファイバブロック及び光回路の接続端面は、光軸に垂直な平面に対して7度以上の角度を付けて研磨されている。ファイバブロックの各ファイバの研磨されていないもう一方の側と増幅ブロックのピグテイルファイバとは融着接続される。
【0029】
以下、図2の従出力ポート、従入力ポートおよび主入力ポートに増幅ブロックが接続されているとして本実施形態の光回路の働きを説明する。信号光は増幅ブロック0で増幅された後、1×N光スイッチ1に入力され、1×N光スイッチ1の出力ポートでN個あるいずれかの方路に向けられる。信号光は振り向けられた先の増幅ブロックで増幅された後、光スイッチで振り向けられた次の増幅ブロックで増幅され、この工程が繰り返される。信号光は、所望の利得となる増幅用光ファイバ長を通過した後、N×1光スイッチ2を通過して出力される。このとき、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長を変化させることにより所望の可変利得が得られる。
【0030】
本実施形態における別の光回路の例を以下で説明する。図5は、図2の光回路に可変光減衰器5を備えた光回路である。図2の光回路では、光増幅器の利得は、各増幅ブロックの増幅用光ファイバ長に依存した利得単位で離散的に変化する。このため、この光増幅器では連続可変利得が得られない。一方で、図5の光回路では、増幅ブロックの可変光減衰器の減衰量を調整することで、増幅用光ファイバ長に依存した利得単位で離散的に変化する利得間を補間することができ、連続可変利得を得ることができる。このように、可変光減衰器をスイッチに集積しても良い。
【0031】
図6及び図7は、可変光減衰器を1つではなく、各増幅ブロック毎に可変光減衰器を備える光回路である。図5の光回路では、各増幅ブロックの増幅用光ファイバ長に依存した利得単位で離散的な利得間を1つの可変光減衰器の減衰量で補間することになるため、可変光減衰器を通過後の信号光パワーの減衰が大きくなり、その結果、光増幅器の雑音特性が悪くなりやすい(雑音指数が増加しやすい)。一方で、図6及び図7の光回路では、各増幅ブロックの増幅用光ファイバ長に依存した利得単位で離散的な利得間の補間を複数の可変光減衰器の減衰量調整で行うため、可変光減衰器通過後の信号光パワーの減衰が図5の光回路の場合より小さく、信号光パワーが高いレベルを保つため、光増幅器の雑音指数増加を抑制できる。
【0032】
図8は図6の光回路に動的利得等化器6を備えた光回路である。図2から図7に示した光回路を用いた光増幅器では、増幅ブロックに動的利得等化器を備えていなければ、光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長が変化したときに、利得スペクトルに生じるピークとディップの利得差が変化する。そのため、所望帯域内の利得の最大値と最小値の差(利得偏差)が光スイッチ切替えによって変化することになる。一方、図8の光回路では、動的利得等化器で等化フィルタのスペクトルを変化させることで、光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長が変化したときにでも利得偏差が一定に保つことができる。ここで、図8では動的利得等化器を1つだけ備えた光回路を示しているが、可変光減衰器と同様に、各増幅ブロック毎に利得等化器を備える光回路でも同じ効果が得られる。
【0033】
なお、本光回路における光導波路の形状・配置は、光スイッチ、可変光減衰器、動的利得等化器の結線が上記で説明したとおりであれば、必ずしも図2から図8に示したとおりである必要はない。
【0034】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態の光回路を示すブロック図である。図9に示す光回路は、図2に示す光回路に、図3(a)に示す増幅ブロックを接続した場合の、図3(a)中の信号光と励起光を合波する合分波器を、本発明の光回路に組み込んだ構成をなす。
【0035】
本実施形態の光回路と増幅用光ファイバとの接続は、図10に概念図で示したように、N+1本のファイバ121の一方の先端をV溝ガラスブロック120で固定し、ファイバ端面と同一面上の端面が研磨されているファイバブロックを介して接続される。ファイバブロック及び光回路の接続端面は光軸に垂直な平面に対して7度以上の角度を付けて研磨されている。ファイバブロックの各ファイバの研磨されていないもう一方の側と増幅ブロックのピグテイルファイバとは融着接続される。
【0036】
本実施形態の光回路の働きは、第1の実施形態と同様、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長が変化させることにより可変利得が得られることである。図9の光回路は各増幅用光ファイバの入力側だけに信号光と励起光を合波する合分波器を配置している(前方励起系)が、図11に示すように、各増幅用光ファイバの両端に合分波器を配置する光回路の方がよいこともある。図11に示す光回路は、図2に示す光回路に、図3(c)に示す増幅ブロックを接続した場合の、図3(c)中の信号光と励起光を合波する合分波器を、本発明の光回路に組み込んでいる。例えば、前方励起だけでは総励起光パワーが足りない場合は図11の光回路構成を用いて、増幅用光ファイバの入出力両側から励起光を入力する双方向励起光の構成を取る。或いは、前方励起光のみを増幅用ファイバに入力する場合でも増幅用光ファイバを透過する残留励起光があるときは、図11の光回路構成を用いて、増幅用ファイバ出力側の合分波器の励起光ポートを終端処理することで、残留励起光が反射して増幅用光ファイバへ戻ることを防止でき、安定した増幅が得られる。
【0037】
なお、本実施形態に示した光回路においても、第1の実施形態において図5から図8で示したように可変光減衰器や動的利得等化器を用いて連続可変利得を得たり、利得偏差を一定に保ったりすることができるのは、第1の実施形態と本実施形態の類似性から明らかである。また、本光回路における光導波路の形状・配置は、光スイッチ、合分波器、結線が上記で説明したとおりであれば(必要に応じて配置される可変光減衰器、動的利得等化器も同様)、必ずしも図9から図11に示したとおりである必要はない。
【0038】
(第3の実施形態)
図12は本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。図12において、本実施形態の光回路は、1×N光スイッチ201、N×1光スイッチ202、N−1個の2×1光スイッチ204−1〜204−(N−1)、N−1個の1×2光スイッチ203−1〜203−(N−1)、およびN+1個の増幅ブロックk、ただしkは0以上N以下の整数、から構成される。
【0039】
光スイッチ201の入力ポートには増幅ブロック0が接続されている。N×1光スイッチ201のN個の出力ポートのうち一つには増幅ブロック1が接続され、N×1スイッチ201のその他のN−1個の出力ポートはそれぞれ2×1光スイッチ204−1〜204−(N−1)の入力ポートに接続されている。これらN−1個の2×1光スイッチ204−1〜204−(N−1)の出力ポートにはそれぞれ増幅ブロック2〜増幅ブロックNの入力ポートが接続されている。増幅ブロック1〜増幅ブロックN−1の出力ポートはそれぞれ、N−1個の1×2光スイッチ203−1〜203−(N−1)の入力ポートに接続されている。増幅ブロックNの出力ポート及びN−1個の1×2光スイッチ203−1〜203−(N−1)の出力ポートはN×1光スイッチ202の入力ポートに接続されている。
【0040】
各増幅ブロックの構成は図3に示したものと同様である。また合分波器の一つのポートは励起光を発生する励起光源(例えば半導体レーザ)や、励起光を複数のポートに分岐する光分岐器に接続されている。また、必要に応じて光アイソレータを配置したり、増幅用光ファイバは複数本にしたうえで、増幅用光ファイバ間に光アイソレータや利得等化フィルタを配置したりする構成でもよいことも図3と同様である。
【0041】
光回路と増幅ブロックの接続は、図4に概念図と同様で、N+1本のファイバの一方の先端をV溝ガラスブロックで固定し、ファイバ端面と同一面上の端面を研磨されているファイバブロックを介して接続される。ファイバブロック及び光回路の接続端面は光軸に垂直な平面に対して7度以上の角度を付けて研磨されている。ファイバブロックの各ファイバの研磨されていないもう一方の側と増幅ブロックのピグテイルファイバとは融着接続される。
【0042】
信号光は増幅ブロック0で増幅された後、1×N光スイッチ1の出力ポートでN個あるいずれかの方路に向けられる。信号光は振り向けられた先の増幅ブロックで増幅された後、光スイッチで振り向けられた次の増幅ブロックで増幅され、この工程が繰り返される。信号光は、所望の利得となる増幅用光ファイバ長を通過した後、N×1光スイッチを通過して出力される。このとき、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長が変化させることにより可変利得が得られる。
【0043】
なお、本実施形態に示した光回路においても、第1の実施形態において図5から図8で示したように可変光減衰器や動的利得等化器を用いて連続可変利得を得たり、利得偏差を一定に保ったりすることができるのは、第1の実施形態と本実施形態の類似性から明らかである。また、本光回路における光導波路の形状・配置は、光スイッチ、合分波器、結線が上記で説明したとおりであれば(必要に応じて配置される可変光減衰器、動的利得等化器も同様)、必ずしも図9から図11に示したとおりである必要はない。
【0044】
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態の光回路及びそれを用いた光増幅器を示すブロック図である。図13において、本実施形態の光回路は、1×3光スイッチ301、3×1光スイッチ302、2×1光スイッチ303−1、3×1光スイッチ303−2、1×3光スイッチ304−1、1×2光スイッチ304−2、可変光減衰器305−1〜305−6、信号光と励起光を合波する合分波器306−1〜306−8(分波器として使用する場合もある)、および動的利得等化器340が平面光波回路300上に作製された構成をなしている。さらに、平面光波回路300には、信号入力導波路351−1、信号入力導波路351−2〜351−5、信号出力導波路352−1〜352−5、励起光入力導波路361−1〜361−4、励起光出力導波路361−5〜361−8、増幅用光ファイバ320−0〜320−3、光アイソレータ330−1〜330−2、が接続されている。本実施形態では増幅用光ファイバとしてエルビウム添加ファイバを使用している。各エレメント間の接続関係は以下のとおりである。
【0045】
信号入力導波路351−2と合分波器306−5の共通ポート(合波された信号光及び励起光の入出力ポート)
信号入力導波路351−3と合分波器306−6の共通ポート
信号入力導波路351−4と合分波器306−7の共通ポート
信号入力導波路351−5と合分波器306−8の共通ポート
合分波器306−5の信号光ポートと動的利得等化器340の入力ポート
合分波器306−6の信号光ポートと1×2光スイッチ304−1の入力ポート(16)
合分波器306−7の信号光ポートと1×2光スイッチ304−2の入力ポート(20)
合分波器306−8の信号光ポートと3×1光スイッチ302の入力ポート(14)
動的利得等化器340の出力ポートと1×3光スイッチ301の入力ポート(1)
1×3光スイッチ301の出力ポート(2)と可変光減衰器305−1の入力ポート
1×3光スイッチ301の出力ポート(3)と可変光減衰器305−2の入力ポート
1×3光スイッチ301の出力ポート(4)と可変光減衰器305−4の入力ポート
1×3光スイッチ304−1の出力ポート(17)と可変光減衰器305−3の入力ポート
1×3光スイッチ304−1の出力ポート(18)と可変光減衰器305−5の入力ポート
1×3光スイッチ304−1の出力ポート(19)と3×1光スイッチ302の入力ポート(12)
1×2光スイッチ304−2の出力ポート(21)と可変光減衰器305−6の入力ポート
1×2光スイッチ304−2の出力ポート(22)と3×1光スイッチ302の入力ポート(13)
可変光減衰器305−1の出力ポートと合分波器306−2の信号ポート
可変光減衰器305−2の出力ポートと2×1光スイッチ303−1の入力ポート(5)
可変光減衰器305−3の出力ポートと2×1光スイッチ303−1の入力ポート(6)
可変光減衰器305−4の出力ポートと3×1光スイッチ303−2の入力ポート(8)
可変光減衰器305−5の出力ポートと3×1光スイッチ303−2の入力ポート(9)
可変光減衰器305−6の出力ポートと3×1光スイッチ303−2の入力ポート(10)
2×1光スイッチ303−1の出力ポート(7)と合分波器306−3の信号ポート
3×1光スイッチ303−2の出力ポート(11)と合分波器306−4の信号ポート
3×1光スイッチ302の出力ポート(15)と信号出力導波路352−5
合分波器306−1の共通ポートと信号出力導波路352−1
合分波器306−2の共通ポートと信号出力導波路352−2
合分波器306−3の共通ポートと信号出力導波路352−3
合分波器306−4の共通ポートと信号出力導波路352−4
各励起光入力導波路361−1〜361−4と合分波器306−1〜306−4の励起光ポート
各励起光出力導波路361−5〜361−8と合分波器306−1〜306−4の励起光ポート
【0046】
平面光波回路の各入出力導波路は、複数本の光ファイバをV溝ガラスブロック(310−1及び310−2)で固定したファイバブロックでエルビウム添加ファイバ320−0〜320−3と接続されている。本実施形態では、V溝ガラスブロックに増幅用光ファイバ(本実施形態ではエルビウム添加ファイバ)を固定したファイバブロックを使用したが、V溝ガラスブロックに増幅作用のないシングルモードファイバを固定したファイバブロックを使用して、シングルモードファイバと増幅用光ファイバを融着接続した形態でも、融着接続点が実装面の作業性が落ちるなどの欠点はあるものの、増幅特性上は問題なく利用できる。平面光波回路の各入出力導波路とエルビウム添加ファイバとの接続関係は以下のとおりである。
【0047】
信号出力導波路352−1とエルビウム添加ファイバ320−0の入力
信号出力導波路352−2とエルビウム添加ファイバ320−1の入力
信号出力導波路352−3とエルビウム添加ファイバ320−2の入力
信号出力導波路352−4とエルビウム添加ファイバ320−3の入力
【0048】
さらに、平面光波回路の信号入力導波路351−1には光アイソレータ330−1が、出力導波路352−5には光アイソレータ330−2が接続されている。
【0049】
なお、励起光源は図示していないが、光増幅器は少なくとも1つ以上の励起光源を搭載しており、励起光源は合分波器と接続されている。
【0050】
図14に、図13で示した平面光波回路300の回路構成を示す。図14中のそれぞれの符号で表された要素は、図13中の同じ符号で表された要素に対応する。図14中の2重線の四角で表した要素はすべて非対称マッハツェンダ干渉計(MZI)を示す。2重線の四角を囲んだ点線はそれぞれ、それぞれの光スイッチと可変光減衰器を表し、信号光が伝搬しない導波路を有する不完全4×4スイッチとなっている。各光スイッチ及び可変光減衰器は、2つのアームの光路差長が異なるMZIを単位要素として作製し、光スイッチによって切り替わる各経路は、2個以上のMZIを通過する。これによりMZIにおける漏れ光によるクロストークが十分小さく抑えられている。光スイッチと可変光減衰器とで独立にMZIを有するのではなく、光スイッチを構成するMZIの一部が可変光減衰器として動作する。各光スイッチと可変光減衰器を構成するMZIには点線で囲んだ部分の左側から右側へ信号光が伝搬し、増幅用光ファイバm(m=0,1,2,3)320−0〜320−3から、増幅用光ファイバn(n=1,2,3)320−1〜320−3または信号出力へ信号光が伝搬する。各MZIを表す2重線の四角の中に記載された記号mnA、mnBおよびnmCは、増幅用光ファイバmから増幅用光ファイバn(便宜的に信号出力のときはn=Sとする)へ伝播する場合にmnA、mnB、およびnmCのMZIに付随したヒータの電力をONにすることを意味する。
【0051】
合分波器306−1〜306−8はそれぞれ2個のMZIで構成されているが、980nm帯励起光とC帯(すなわち、1530−1565nmの波長)の信号光を合波すると共に、C帯の透過スペクトルが平坦になるように光路長が調整されている。動的利得等化器は、MZIの一方のアームに誘電体多層膜を挿入した構成を取っている。この構成により、MZIの分岐比を可変にする(他方のアームに取り付けたヒータにより位相をシフトさせることで、光路長差を可変にすることで分岐比を可変にする)ことが可能となり、利得等化フィルタのスペクトル形状を保ったまま、すなわちフィルタ損失の波長依存性を変えずに各波長の損失量を増減することができ、エルビウム添加ファイバの合計長変化による利得のピークとディップの差の変化を補償することができる。
【0052】
本実施形態では、エルビウム添加ファイバ320−0,1,2,3のファイバ長はそれぞれ5.4m,3.6m,5.4m,1.8mであり、平均利得はそれぞれ、9.0dB,6.0dB,9.0dB,3.0dBとしており、利得可変範囲は9.0〜27.0dBである。光増幅器利得とエルビウム添加ファイバ組合せパターンは表1に示すとおり6パターンがあり、入力信号光パワーに応じて適したエルビウム添加ファイバ組合せとなるように光スイッチが切り替わる。
【0053】
【表1】
【0054】
図15は本発明の光増幅器内レベルダイヤを示している。本実施形態のレベルダイヤは図15(a)に、従来の光増幅器のレベルダイヤは図15(b)に示されている。1波あたり(すなわち1チャネルあたり)入力信号光パワーは−25〜−7dBm/chであり、最大利得Gmax=27dB,最小Gmim=9dBである。図15からわかるように、本実施形態の光回路では、光スイッチによる利得の切替えで生じる離散的な利得差は3dBであるので、可変光減衰器の減衰量は最大でも3dBとなり、信号光パワーの減衰が小さく抑制される。ただし、図15では、各光スイッチ、導波路の透過損失及び動的利得等化器の過剰損失が0.1dBを十分下回ることから、各光スイッチ、導波路の透過損失及び動的利得等化器の過剰損失の影響は無視できるため、これらのエレメントの伝搬については省略している。一方、従来の光増幅器では、可変光減衰器の減衰量は最大で18dBになり、信号光パワーの減衰が大きくなる。このため、所要励起光パワーが増大すると共に、雑音指数が大幅に増加する。
【0055】
図16に本実施形態の光増幅器と従来の光増幅器の所要励起光パワーの光増幅器利得依存性を示す。本実施形態の光増幅器では従来の光増幅器と比較して、利得が大きいときに所要励起光パワーが大きくなるが、利得が小さいときには所要励起光パワーが1割程度小さくなる。また、本実施形態の最大の所要励起光パワーは従来光増幅器よりも小さく、光増幅器が搭載する励起光源の出力光パワークラスが従来の光増幅器より小さくてすみ、従来の光増幅器に比べて所要励起光パワーを低下できていることがわかる。
【0056】
図17に本実施形態の光増幅器と従来の光増幅器の雑音指数を示す。従来光増幅器では光増幅器利得が減少するにしたがって可変光減衰器の減衰量が増大し、それに伴って雑音指数が増加する。対して、本実施形態の光増幅器では、光増幅器利得が小さく成るにしたがって、1つのエルビウム添加ファイバ組合せパターン内の利得では可変光減衰器の減衰量が最大3dBあるために雑音指数が0.5dB程度増加するが、光スイッチが切り替わり異なるエルビウム添加ファイバ組合せパターンになると雑音指数は最小値に戻るということを繰り返し、従来の光増幅器に比べて大幅に雑音指数を低下できている。
【0057】
本実施形態の光増幅器が光伝送システムで運用されているときに、入力信号光パワー変動の範囲が光スイッチ切り替わる入力信号光パワーを含む場合に、光スイッチの切り替え瞬間の伝送エラーを避ける必要があることもある。その場合は、その光スイッチ切り替わる入力信号光パワー前後では光スイッチを切り替えず、可変光減衰器の減衰量で利得を可変にすることもある。この場合、可変光減衰器の最大減衰量は前述の3dBからは大きくなるが、この場合の入力信号光パワーの変化要因は主に経年変化や温度変化による伝送ファイバ損失であり、入力信号光パワーの変化は大きくても1〜2dB程度であるため、可変光減衰器の最大減衰量は4〜5dBとなり、雑音指数増加への影響は小さく、問題にならない。
【0058】
(第5の実施形態)
図18は、本発明の第5の実施形態の光回路及びそれを用いた光増幅器を示すブロック図である。本実施形態の光回路は第4の実施形態の光回路と類似しているが、第4の実施形態の光回路中のエレメントのうち、光スイッチ303−2が3×1光スイッチから2×1光スイッチへ、光スイッチ304−1が1×3光スイッチから1×2光スイッチへそれぞれ置き換えているところが異なる。このように特定の光スイッチのポート数を減らしても、本実施形態の光回路を用いた光増幅器は第4の実施形態の光回路を用いた光増幅器と全く同じエルビウム添加ファイバ組合せパターンを実現することができる。
【0059】
したがって、第4の実施形態のi×1光スイッチ及び1×j光スイッチのi及びjは連続的な整数である必要はないことがわかる。
【0060】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態は、図2の光回路に、各増幅ブロックの代わりに分散補償ファイバを接続した可変分散補償器である。信号光はまず分散補償ファイバで波長分散が一部補償された後、1×N光スイッチ1でN個あるいずれかの方路に向けられる。信号光は振り向けられた先の分散補償ファイバで波長分散が補償された後、光スイッチ3で次の分散補償ファイバで波長分散補償が繰り返される。信号光は、所望の波長分散量となる分散補償ファイバ長を通過した後、N×1光スイッチを通過して出力される。このとき、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって分散補償ファイバの合計長が変化させることにより可変分散補償が得られる。
【0061】
なお、図2の光回路では、分散補償量は、各分散補償ファイバのファイバ長に依存した分散補償単位で離散的に変化する。このため、本実施形態の分散補償器に連続可変の分散補償器を接続することで、単一の連続可変分散補償器では実現できない分散補償量範囲を実現できる。
【0062】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態は、図2の光回路に、各増幅ブロックの代わりに光遅延導波路を接続した可変光遅延器である。信号光はまず光遅延導波路で光遅延が与えられた後、1×N光スイッチ1でN個あるいずれかの方路に向けられる。信号光は振り向けられた先の光遅延導波路で光遅延が与えられた後、光スイッチ3で次の光遅延導波路で光遅延が繰り返される。信号光は、所望の光遅延量となる光遅延導波路長を通過した後、N×1光スイッチを通過して出力される。このとき、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって光遅延導波路の合計長が変化させることにより可変分光遅延が得られる。
【0063】
なお、図2の光回路では、光遅延量は、各光遅延導波路長に依存した光遅延量単位で離散的に変化する。このため、本実施形態の光遅延器に連続可変の光遅延器を接続することで、単一の連続可変光遅延器では実現できない光遅延量範囲を実現できる。
【0064】
以上説明したように、本発明の光回路を用いた光増幅器では、光スイッチの切替えにより増幅用光ファイバの組合せを変化させることができ、その結果、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計の長さを変化し、可変利得が得られる。本発明の光回路は、入力信号光パワーの変化に対し、増幅用光ファイバの組合せを切り替え、常に適切な長さの増幅用光ファイバで光増幅を行うため、広い入力信号光パワーダイナミックレンジで励起光パワーを無駄にせず、高効率で低雑音であるという利点を有する。この利点により、システム運用上、複数の光増幅器を使い分けることが不要となる利点も有する。
【0065】
また、本発明の光回路を用いた可変分散補償器、および可変光遅延器に関しても、本発明の光増幅器と同様の利点を有する。
【符号の説明】
【0066】
1、101、201、901 1×N光スイッチ
2、102、202、902 N×1光スイッチ
5 可変光減衰器
6、340 動的利得等化器
11 増幅用光ファイバ
12 合分波器
13 光アイソレータ
20、120、310 V溝ガラスブロック
21、121 ファイバ
300 平面光波回路
301 1×3光スイッチ
302 3×1光スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号光を増幅する光増幅器に供する光回路と、この光回路を用いた光増幅器、可変分散補償器、および可変光遅延器に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ・オン・デマンド等の映像データの急増によって通信トラフィックが増大する中で、光ファイバ1本あたりの伝送容量を増大させるために波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムが商用導入されている。WDM伝送システムにおいて、光増幅器は、帯域を広げ、雑音を低減し、出力を上昇させるために必要不可欠な光デバイスとなっている。WDM伝送システムでは、経年変化や温度変化などによりスパンロスが変動するため、時間の経過や温度変化に伴い光増幅器へ入力する信号光パワーが変化するが、光増幅器は一定レベルの信号光パワーで信号光を出力させる必要がある。この課題に対して従来は、光増幅器を2つ以上の光増幅部と可変光減衰器とで構成し、光増幅部間に可変光減衰器を配置し、可変光減衰器の減衰量を調整して入力信号光パワーの変動を補償する光増幅器が用いられていた(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3298396号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Y. Sun et al, ”Average Inversion level, modeling, and physics of erbium−doped fiber amplifier,” IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol.3, no.4, pp.991−1007, 1997.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来構成の光増幅器は、前段の光増幅部で信号光を一旦増幅した後、光増幅部間の可変光減衰器で信号光パワーを減衰させるため、可変光減衰器の前段の光増幅部における増幅に使用された励起光パワーの一部が無駄になっていた。これは特に、可変光減衰器の減衰量が大きくなる高入力信号光パワーのときに顕著である。
【0006】
また、後段の光増幅部へ入力される信号光のパワー範囲(入力ダイナミックレンジ)が大きいと、入力パワーの大きい方に合わせて可変光減衰器の減衰量を大きく設定するため、入力する信号光パワーが大きく低下する結果、後段の光増幅部で付加される雑音成分の寄与が大きくなり、光増幅器全体の雑音特性の劣化(雑音指数の増大)を招く。そのため、システム運用上、このような光増幅器の欠点を避けるために、大きな入力ダイナミックレンジを必要とされる光増幅器は、入力信号光パワー範囲を複数の小さな範囲に分割し、それぞれの入力信号光パワー範囲の光増幅器を使い分ける必要が生じる。複数の光増幅器を使い分けるようなシステム運用を行うと、故障時取り替えのために予備とする光増幅器も複数量持っておく必要が生じるなど、システム運用上のコストを上げる不都合も生じる。
【0007】
さらに、光増幅器の光増幅媒体によっては、利得スペクトルが励起光パワー依存性(すなわち、反転分布状態依存性)を有することから、利得を励起光パワーで調整すると、波長多重伝送において波長チャネルによる利得偏差が発生するという問題も生じる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、励起光パワーを無駄にせず、入力信号光パワー変動を補償して一定の光パワーレベル(1波長あたりの光パワーが一定)で信号光を出力し、かつ入力信号光パワーダイナミックレンジが広い場合の従来の光増幅器において生じていた雑音の増加と効率の低下を回避できる光増幅器を実現するための光回路と、この光回路を用いた光増幅器を提供することにある。さらに、本発明の回路を用いた、可変分散補償器、および可変光遅延器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものである。本発明の光回路は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートとから構成され、主入力ポートは、1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかったN個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、主出力ポートは、N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかったN個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個はN×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の従入力ポートに接続されなかったN×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の従出力ポートに接続されなかった1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちのN×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれはN−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、1×N主光スイッチおよび/またはN−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができることを特徴とする。
【0010】
さらに、N−1個のi×1従光スイッチの前または後またはN−1個の1×j従光スイッチの後に可変光減衰器を備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、N−1個のi×1従光スイッチの前または後またはN−1個の1×j従光スイッチの後に、損失スペクトルのピークとディップの差を可変にする動的利得等化手段を備えることを特徴とする。
【0012】
さらに、1×N主光スイッチと、N×1主光スイッチと、N−1個のi×1従光スイッチと、N−1個の1×j従光スイッチと、可変光減衰器と、動的利得等化手段とのうち少なくとも2つ以上が、単一の導波路基板内に集積されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の光増幅器は、N個の光増幅用光ファイバを更に備え、N個の従出力ポートはそれぞれN個の光増幅用光ファイバの入力ポートに接続されており、N個の光増幅用光ファイバのうちの1個の従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートはN−1個の1×j従光スイッチのうちのj=Nをみたす1×j従光スイッチに接続された従入力ポートに接続されており、N個の光増幅用光ファイバのうちのN−1個のi×1従光スイッチのうちのi=Nをみたすi×1従光スイッチに接続された従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは1個の従入力ポートに接続されており、N個の光増幅用光ファイバのうちの、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは、j=N−i+1をみたすように、前記N−1個の1×j従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従入力ポートに接続されており、1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、光増幅用光ファイバの組み合わせを切替えることによって光増幅用光ファイバの長さを変え、よって光増幅率を変化させることができることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の可変分散補償器は、本発明の光増幅器の光増幅用光ファイバを分散補償ファイバに置き換えることによって得られ、1×N主光スイッチおよび/またはN−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、分散補償ファイバの組み合わせを切替えることによって分散補償ファイバの長さを変え、よって分散補償量を変化させることができることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の可変光遅延器は、本発明の光増幅器の光増幅用光ファイバを光遅延導波路に置き換えることによって得られ、1×N主光スイッチおよび/またはN−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、光遅延導波路の組み合わせを切替えることによって光遅延導波路の長さを変え、よって光遅延量を変化させることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光回路を用いた光増幅器では、光スイッチの切替えにより増幅用光ファイバの組合せを変化させることができ、その結果、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計の長さが変化し、可変利得が得られる。本発明の光増幅器は、入力信号光パワーの変化に対し、増幅用光ファイバの組合せを切り替え、常に適切な長さの増幅用光ファイバで光増幅を行うため、広い入力信号光パワーダイナミックレンジで励起光パワーを無駄にせず、かつ入力信号光パワーダイナミックレンジが広い場合の従来の光増幅器において生じていた雑音の増加と効率の低下を回避できるという利点を有する。この利点により、システム運用上、複数の光増幅器を使い分けることが不要となる利点も有する。
【0017】
また、本技術では、増幅用光ファイバの利得を励起光パワーでなく増幅用光ファイバの長さで調整することから、増幅用光ファイバの利得スペクトルも利得に関わらず一定となり、波長多重伝送において、波長チャネル間の利得偏差が変化するという問題が回避できる。
【0018】
さらに、本発明の回路を用いた、可変分散補償器、および可変光遅延器に関しても、本発明の光回路を用いた光増幅器と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の作用を説明するための概念図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の光回路を示すブロック図である。
【図3】本発明の増幅ブロックの一例を示し、(a)は前方励起系、(b)は後方励起系、(c)は双方向励起系、(d)は図3(a)に光アイソレータを配置、(e)は図3(b)に光アイソレータを配置、(f)は図3(c)に光アイソレータを配置、(g)は増幅用光ファイバ間に光アイソレータを配置した増幅ブロックを示すブロック図である。
【図4】ファイバブロックによって光回路と増幅ブロックが接続されることを説明する概念図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における光回路例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における光回路例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における光回路例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における光回路例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における光回路を示すブロック図である。
【図10】ファイバブロックによって光回路と増幅用光ファイバが接続されることを説明する概念図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における光回路を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図13】本発明の第4の実施形態における光増幅器を示すブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施形態における光回路構成を示す図である。
【図15】(a)は本発明の第4の実施形態の光増幅器のレベルダイヤ、(b)は従来の光増幅器のレベルダイヤを示す図である。
【図16】本発明の第4の実施形態の光増幅器と従来の光増幅器の所要励起光パワーを比較する図である。
【図17】本発明の第4の実施形態の光増幅器と従来の光増幅器の雑音指数を比較する図である。
【図18】第5の実施形態における光増幅器を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の光回路は、2本以上の増幅用光ファイバを接続し、光スイッチの切替えにより該増幅用光ファイバの組合せを変化させ、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計の長さを変化させることを最も主要な特徴とする。
【0021】
<作用>
図1に示す概念図を用いて本発明の光回路及び光増幅器の機能を説明する。図1において、本発明の光回路は、1×N光スイッチ901、N×1光スイッチ902、N−1個のi×1光スイッチ903−1〜903−(N−1)、ただしiは2以上N以下の整数、およびN−1個の1×j光スイッチ904−1〜904−(N−1)、ただしjは2以上N以下の整数、から構成される。本発明の光回路がさらに増幅用光ファイバを備えたN+1個の増幅ブロックk905−0〜905−N、ただしkは0以上N以下の整数、を備えると、本発明の光回路は、複数の光スイッチ及び複数の増幅ブロックから構成される光増幅器となる。
【0022】
1×N光スイッチの入力ポートは増幅ブロック0の出力ポートに接続されている。1×N光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個は増幅ブロック1に接続されている。1×N光スイッチのN個の出力ポートのうちの増幅ブロック1に接続されなかったN−1個の出力ポートは、N−1個のi×1光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されている。kが1以上N−1以下である増幅ブロックkの出力ポートは、N−1個の1×j光スイッチの入力ポートに、j=N−k+1を満たすように接続されている。増幅ブロックNの出力ポートは、N×1光スイッチの入力ポートに接続されている。1×j光スイッチの出力ポートのうちの1個は、増幅ブロックNの出力ポートに接続されなかったN×1光スイッチの入力ポートに接続されている。1×j光スイッチの出力ポートのうちN×1光スイッチの入力ポートに接続されなかった出力ポートは、それぞれ、iがN−j+2以上N以下を満たす、1×N光スイッチの出力ポートに接続されなかったi×1光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されている。i×1光スイッチの出力ポートは、i=kである増幅ブロックkの入力ポートに接続されている。
【0023】
入力する信号光は増幅ブロック0で増幅された後、1×Nスイッチである光スイッチ901に入力され、光スイッチ901の出力ポートから、信号光はN個の方路のいずれかに向けられる。光スイッチ901を通過した信号光は、増幅ブロック1、またはi×1光スイッチ903−1〜903−(N−1)を介して、増幅ブロックkに入力される。増幅ブロックkで増幅された光信号は、増幅ブロックkに接続された1×j光スイッチ、またはk=Nの場合N×1光スイッチ902に入力される。1×j光スイッチに入力された光信号はj個の出力ポートからいずれかの方路にむけられ、1×j光スイッチに接続されたi×1光スイッチ、またはN×1光スイッチへ入力される。このように信号光は、光スイッチ903−1〜903−(N−1)、増幅ブロック905−1〜905−N、光スイッチ904−1〜904−(N−1)の組み合わせによる増幅を1回または複数回繰り返した後、最終的に光スイッチ902を通過し、出力される。なお図1の構成は、光スイッチ901の損失が問題とならない場合は、増幅部0をなくして入力信号が直接光スイッチ901へ入力する構成とすることもある。
【0024】
このように、1×N光スイッチ901、N×1光スイッチ902、N−1個のi×1光スイッチ、及びN−1個の1×j光スイッチの方路切替によって信号光が通過する増幅ブロック(すなわち、増幅用光ファイバ)の組合せを変える、つまり、光スイッチを切り替え信号光の経路を変化させることにより、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計長を変化させる。その際、増幅用光ファイバがエルビウム添加ファイバである場合、非特許文献1に示されているように、増幅用光ファイバで得られる利得は単位長さに比例するので、前述のように増幅用光ファイバの合計長を変化させることで光増幅器の利得を変化させることができる。
【0025】
<発明の実施形態>
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態の光回路を示すブロック図である。図2において、本実施形態の光回路は、1個の主入力ポートと、lが1以上N以下の整数であるN個の従入力ポートlと、1個の1×N光スイッチと、1個のN×1光スイッチと、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j光スイッチと、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1光スイッチと、mが1以上N以下の整数であるN個の従出力ポートmと、1個の主出力ポートとから構成される。
【0026】
主入力ポートは、1×N光スイッチの入力ポートに接続されている。N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、N−1個の1×j光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、N−1個の1×j光スイッチの入力ポートに接続されなかった従入力ポートは、N×1光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されている。主出力ポートは、N×1光スイッチの出力ポートに接続されている。N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、N−1個のi×1光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、N−1個のi×1光スイッチの出力ポートと接続されなかった従出力ポートは、1×N光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されている。N−1個の1×j光スイッチのそれぞれの1×j光スイッチの出力ポートのうちの1個はN×1光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の従入力ポートに接続されなかったN−1個の入力端子それぞれに接続されている。1×N光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の従出力ポートに接続されなかった1×N光スイッチのN−1個の出力ポートは、N−1個のi×1光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されている。N−1個の1×j光スイッチのそれぞれの1×j光スイッチの出力ポートのうちのN×1光スイッチの入力ポートに接続されなかった出力ポートのそれぞれはN−1個のi×1光スイッチの入力ポートのうちの1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかった入力ポートのそれぞれに、iがN−j+2以上N以下の整数である条件を満たすように接続されている。主入力ポートに増幅ブロック0の出力を、従出力ポートlに増幅ブロックlの入力ポートをそれぞれ接続し、増幅ブロックlの出力ポートに従入力ポートlを接続すると、図1に示す構成になる。
【0027】
図3は増幅ブロックの一例を示しており、いずれも増幅用光ファイバ11と信号光と励起光を合波する合分波器12とで構成される。図3(a)は前方励起系、図3(b)は後方励起系、図3(c)は双方向励起系である。なお、図示していないが、合分波器の一つのポートは励起光を発生する励起光源(例えば半導体レーザ)や、励起光を複数のポートに分岐する光分岐器に接続されている。また、必要に応じて光アイソレータ13を配置したり(例えば図3(d)、(e)、(f))、増幅用光ファイバは複数本にしたうえで、増幅用光ファイバ間に光アイソレータ13や利得等化フィルタを配置したりする構成(例えば図3(g))でもよい。
【0028】
光回路と増幅ブロックとの接続は、図4に概念図で示したように、N+1本のファイバ21の一方の先端をV溝ガラスブロック20で固定し、ファイバ端面と同一面上の端面が研磨されているファイバブロックを介して接続される。ファイバブロック及び光回路の接続端面は、光軸に垂直な平面に対して7度以上の角度を付けて研磨されている。ファイバブロックの各ファイバの研磨されていないもう一方の側と増幅ブロックのピグテイルファイバとは融着接続される。
【0029】
以下、図2の従出力ポート、従入力ポートおよび主入力ポートに増幅ブロックが接続されているとして本実施形態の光回路の働きを説明する。信号光は増幅ブロック0で増幅された後、1×N光スイッチ1に入力され、1×N光スイッチ1の出力ポートでN個あるいずれかの方路に向けられる。信号光は振り向けられた先の増幅ブロックで増幅された後、光スイッチで振り向けられた次の増幅ブロックで増幅され、この工程が繰り返される。信号光は、所望の利得となる増幅用光ファイバ長を通過した後、N×1光スイッチ2を通過して出力される。このとき、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長を変化させることにより所望の可変利得が得られる。
【0030】
本実施形態における別の光回路の例を以下で説明する。図5は、図2の光回路に可変光減衰器5を備えた光回路である。図2の光回路では、光増幅器の利得は、各増幅ブロックの増幅用光ファイバ長に依存した利得単位で離散的に変化する。このため、この光増幅器では連続可変利得が得られない。一方で、図5の光回路では、増幅ブロックの可変光減衰器の減衰量を調整することで、増幅用光ファイバ長に依存した利得単位で離散的に変化する利得間を補間することができ、連続可変利得を得ることができる。このように、可変光減衰器をスイッチに集積しても良い。
【0031】
図6及び図7は、可変光減衰器を1つではなく、各増幅ブロック毎に可変光減衰器を備える光回路である。図5の光回路では、各増幅ブロックの増幅用光ファイバ長に依存した利得単位で離散的な利得間を1つの可変光減衰器の減衰量で補間することになるため、可変光減衰器を通過後の信号光パワーの減衰が大きくなり、その結果、光増幅器の雑音特性が悪くなりやすい(雑音指数が増加しやすい)。一方で、図6及び図7の光回路では、各増幅ブロックの増幅用光ファイバ長に依存した利得単位で離散的な利得間の補間を複数の可変光減衰器の減衰量調整で行うため、可変光減衰器通過後の信号光パワーの減衰が図5の光回路の場合より小さく、信号光パワーが高いレベルを保つため、光増幅器の雑音指数増加を抑制できる。
【0032】
図8は図6の光回路に動的利得等化器6を備えた光回路である。図2から図7に示した光回路を用いた光増幅器では、増幅ブロックに動的利得等化器を備えていなければ、光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長が変化したときに、利得スペクトルに生じるピークとディップの利得差が変化する。そのため、所望帯域内の利得の最大値と最小値の差(利得偏差)が光スイッチ切替えによって変化することになる。一方、図8の光回路では、動的利得等化器で等化フィルタのスペクトルを変化させることで、光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長が変化したときにでも利得偏差が一定に保つことができる。ここで、図8では動的利得等化器を1つだけ備えた光回路を示しているが、可変光減衰器と同様に、各増幅ブロック毎に利得等化器を備える光回路でも同じ効果が得られる。
【0033】
なお、本光回路における光導波路の形状・配置は、光スイッチ、可変光減衰器、動的利得等化器の結線が上記で説明したとおりであれば、必ずしも図2から図8に示したとおりである必要はない。
【0034】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態の光回路を示すブロック図である。図9に示す光回路は、図2に示す光回路に、図3(a)に示す増幅ブロックを接続した場合の、図3(a)中の信号光と励起光を合波する合分波器を、本発明の光回路に組み込んだ構成をなす。
【0035】
本実施形態の光回路と増幅用光ファイバとの接続は、図10に概念図で示したように、N+1本のファイバ121の一方の先端をV溝ガラスブロック120で固定し、ファイバ端面と同一面上の端面が研磨されているファイバブロックを介して接続される。ファイバブロック及び光回路の接続端面は光軸に垂直な平面に対して7度以上の角度を付けて研磨されている。ファイバブロックの各ファイバの研磨されていないもう一方の側と増幅ブロックのピグテイルファイバとは融着接続される。
【0036】
本実施形態の光回路の働きは、第1の実施形態と同様、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長が変化させることにより可変利得が得られることである。図9の光回路は各増幅用光ファイバの入力側だけに信号光と励起光を合波する合分波器を配置している(前方励起系)が、図11に示すように、各増幅用光ファイバの両端に合分波器を配置する光回路の方がよいこともある。図11に示す光回路は、図2に示す光回路に、図3(c)に示す増幅ブロックを接続した場合の、図3(c)中の信号光と励起光を合波する合分波器を、本発明の光回路に組み込んでいる。例えば、前方励起だけでは総励起光パワーが足りない場合は図11の光回路構成を用いて、増幅用光ファイバの入出力両側から励起光を入力する双方向励起光の構成を取る。或いは、前方励起光のみを増幅用ファイバに入力する場合でも増幅用光ファイバを透過する残留励起光があるときは、図11の光回路構成を用いて、増幅用ファイバ出力側の合分波器の励起光ポートを終端処理することで、残留励起光が反射して増幅用光ファイバへ戻ることを防止でき、安定した増幅が得られる。
【0037】
なお、本実施形態に示した光回路においても、第1の実施形態において図5から図8で示したように可変光減衰器や動的利得等化器を用いて連続可変利得を得たり、利得偏差を一定に保ったりすることができるのは、第1の実施形態と本実施形態の類似性から明らかである。また、本光回路における光導波路の形状・配置は、光スイッチ、合分波器、結線が上記で説明したとおりであれば(必要に応じて配置される可変光減衰器、動的利得等化器も同様)、必ずしも図9から図11に示したとおりである必要はない。
【0038】
(第3の実施形態)
図12は本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。図12において、本実施形態の光回路は、1×N光スイッチ201、N×1光スイッチ202、N−1個の2×1光スイッチ204−1〜204−(N−1)、N−1個の1×2光スイッチ203−1〜203−(N−1)、およびN+1個の増幅ブロックk、ただしkは0以上N以下の整数、から構成される。
【0039】
光スイッチ201の入力ポートには増幅ブロック0が接続されている。N×1光スイッチ201のN個の出力ポートのうち一つには増幅ブロック1が接続され、N×1スイッチ201のその他のN−1個の出力ポートはそれぞれ2×1光スイッチ204−1〜204−(N−1)の入力ポートに接続されている。これらN−1個の2×1光スイッチ204−1〜204−(N−1)の出力ポートにはそれぞれ増幅ブロック2〜増幅ブロックNの入力ポートが接続されている。増幅ブロック1〜増幅ブロックN−1の出力ポートはそれぞれ、N−1個の1×2光スイッチ203−1〜203−(N−1)の入力ポートに接続されている。増幅ブロックNの出力ポート及びN−1個の1×2光スイッチ203−1〜203−(N−1)の出力ポートはN×1光スイッチ202の入力ポートに接続されている。
【0040】
各増幅ブロックの構成は図3に示したものと同様である。また合分波器の一つのポートは励起光を発生する励起光源(例えば半導体レーザ)や、励起光を複数のポートに分岐する光分岐器に接続されている。また、必要に応じて光アイソレータを配置したり、増幅用光ファイバは複数本にしたうえで、増幅用光ファイバ間に光アイソレータや利得等化フィルタを配置したりする構成でもよいことも図3と同様である。
【0041】
光回路と増幅ブロックの接続は、図4に概念図と同様で、N+1本のファイバの一方の先端をV溝ガラスブロックで固定し、ファイバ端面と同一面上の端面を研磨されているファイバブロックを介して接続される。ファイバブロック及び光回路の接続端面は光軸に垂直な平面に対して7度以上の角度を付けて研磨されている。ファイバブロックの各ファイバの研磨されていないもう一方の側と増幅ブロックのピグテイルファイバとは融着接続される。
【0042】
信号光は増幅ブロック0で増幅された後、1×N光スイッチ1の出力ポートでN個あるいずれかの方路に向けられる。信号光は振り向けられた先の増幅ブロックで増幅された後、光スイッチで振り向けられた次の増幅ブロックで増幅され、この工程が繰り返される。信号光は、所望の利得となる増幅用光ファイバ長を通過した後、N×1光スイッチを通過して出力される。このとき、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって増幅用光ファイバの合計長が変化させることにより可変利得が得られる。
【0043】
なお、本実施形態に示した光回路においても、第1の実施形態において図5から図8で示したように可変光減衰器や動的利得等化器を用いて連続可変利得を得たり、利得偏差を一定に保ったりすることができるのは、第1の実施形態と本実施形態の類似性から明らかである。また、本光回路における光導波路の形状・配置は、光スイッチ、合分波器、結線が上記で説明したとおりであれば(必要に応じて配置される可変光減衰器、動的利得等化器も同様)、必ずしも図9から図11に示したとおりである必要はない。
【0044】
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態の光回路及びそれを用いた光増幅器を示すブロック図である。図13において、本実施形態の光回路は、1×3光スイッチ301、3×1光スイッチ302、2×1光スイッチ303−1、3×1光スイッチ303−2、1×3光スイッチ304−1、1×2光スイッチ304−2、可変光減衰器305−1〜305−6、信号光と励起光を合波する合分波器306−1〜306−8(分波器として使用する場合もある)、および動的利得等化器340が平面光波回路300上に作製された構成をなしている。さらに、平面光波回路300には、信号入力導波路351−1、信号入力導波路351−2〜351−5、信号出力導波路352−1〜352−5、励起光入力導波路361−1〜361−4、励起光出力導波路361−5〜361−8、増幅用光ファイバ320−0〜320−3、光アイソレータ330−1〜330−2、が接続されている。本実施形態では増幅用光ファイバとしてエルビウム添加ファイバを使用している。各エレメント間の接続関係は以下のとおりである。
【0045】
信号入力導波路351−2と合分波器306−5の共通ポート(合波された信号光及び励起光の入出力ポート)
信号入力導波路351−3と合分波器306−6の共通ポート
信号入力導波路351−4と合分波器306−7の共通ポート
信号入力導波路351−5と合分波器306−8の共通ポート
合分波器306−5の信号光ポートと動的利得等化器340の入力ポート
合分波器306−6の信号光ポートと1×2光スイッチ304−1の入力ポート(16)
合分波器306−7の信号光ポートと1×2光スイッチ304−2の入力ポート(20)
合分波器306−8の信号光ポートと3×1光スイッチ302の入力ポート(14)
動的利得等化器340の出力ポートと1×3光スイッチ301の入力ポート(1)
1×3光スイッチ301の出力ポート(2)と可変光減衰器305−1の入力ポート
1×3光スイッチ301の出力ポート(3)と可変光減衰器305−2の入力ポート
1×3光スイッチ301の出力ポート(4)と可変光減衰器305−4の入力ポート
1×3光スイッチ304−1の出力ポート(17)と可変光減衰器305−3の入力ポート
1×3光スイッチ304−1の出力ポート(18)と可変光減衰器305−5の入力ポート
1×3光スイッチ304−1の出力ポート(19)と3×1光スイッチ302の入力ポート(12)
1×2光スイッチ304−2の出力ポート(21)と可変光減衰器305−6の入力ポート
1×2光スイッチ304−2の出力ポート(22)と3×1光スイッチ302の入力ポート(13)
可変光減衰器305−1の出力ポートと合分波器306−2の信号ポート
可変光減衰器305−2の出力ポートと2×1光スイッチ303−1の入力ポート(5)
可変光減衰器305−3の出力ポートと2×1光スイッチ303−1の入力ポート(6)
可変光減衰器305−4の出力ポートと3×1光スイッチ303−2の入力ポート(8)
可変光減衰器305−5の出力ポートと3×1光スイッチ303−2の入力ポート(9)
可変光減衰器305−6の出力ポートと3×1光スイッチ303−2の入力ポート(10)
2×1光スイッチ303−1の出力ポート(7)と合分波器306−3の信号ポート
3×1光スイッチ303−2の出力ポート(11)と合分波器306−4の信号ポート
3×1光スイッチ302の出力ポート(15)と信号出力導波路352−5
合分波器306−1の共通ポートと信号出力導波路352−1
合分波器306−2の共通ポートと信号出力導波路352−2
合分波器306−3の共通ポートと信号出力導波路352−3
合分波器306−4の共通ポートと信号出力導波路352−4
各励起光入力導波路361−1〜361−4と合分波器306−1〜306−4の励起光ポート
各励起光出力導波路361−5〜361−8と合分波器306−1〜306−4の励起光ポート
【0046】
平面光波回路の各入出力導波路は、複数本の光ファイバをV溝ガラスブロック(310−1及び310−2)で固定したファイバブロックでエルビウム添加ファイバ320−0〜320−3と接続されている。本実施形態では、V溝ガラスブロックに増幅用光ファイバ(本実施形態ではエルビウム添加ファイバ)を固定したファイバブロックを使用したが、V溝ガラスブロックに増幅作用のないシングルモードファイバを固定したファイバブロックを使用して、シングルモードファイバと増幅用光ファイバを融着接続した形態でも、融着接続点が実装面の作業性が落ちるなどの欠点はあるものの、増幅特性上は問題なく利用できる。平面光波回路の各入出力導波路とエルビウム添加ファイバとの接続関係は以下のとおりである。
【0047】
信号出力導波路352−1とエルビウム添加ファイバ320−0の入力
信号出力導波路352−2とエルビウム添加ファイバ320−1の入力
信号出力導波路352−3とエルビウム添加ファイバ320−2の入力
信号出力導波路352−4とエルビウム添加ファイバ320−3の入力
【0048】
さらに、平面光波回路の信号入力導波路351−1には光アイソレータ330−1が、出力導波路352−5には光アイソレータ330−2が接続されている。
【0049】
なお、励起光源は図示していないが、光増幅器は少なくとも1つ以上の励起光源を搭載しており、励起光源は合分波器と接続されている。
【0050】
図14に、図13で示した平面光波回路300の回路構成を示す。図14中のそれぞれの符号で表された要素は、図13中の同じ符号で表された要素に対応する。図14中の2重線の四角で表した要素はすべて非対称マッハツェンダ干渉計(MZI)を示す。2重線の四角を囲んだ点線はそれぞれ、それぞれの光スイッチと可変光減衰器を表し、信号光が伝搬しない導波路を有する不完全4×4スイッチとなっている。各光スイッチ及び可変光減衰器は、2つのアームの光路差長が異なるMZIを単位要素として作製し、光スイッチによって切り替わる各経路は、2個以上のMZIを通過する。これによりMZIにおける漏れ光によるクロストークが十分小さく抑えられている。光スイッチと可変光減衰器とで独立にMZIを有するのではなく、光スイッチを構成するMZIの一部が可変光減衰器として動作する。各光スイッチと可変光減衰器を構成するMZIには点線で囲んだ部分の左側から右側へ信号光が伝搬し、増幅用光ファイバm(m=0,1,2,3)320−0〜320−3から、増幅用光ファイバn(n=1,2,3)320−1〜320−3または信号出力へ信号光が伝搬する。各MZIを表す2重線の四角の中に記載された記号mnA、mnBおよびnmCは、増幅用光ファイバmから増幅用光ファイバn(便宜的に信号出力のときはn=Sとする)へ伝播する場合にmnA、mnB、およびnmCのMZIに付随したヒータの電力をONにすることを意味する。
【0051】
合分波器306−1〜306−8はそれぞれ2個のMZIで構成されているが、980nm帯励起光とC帯(すなわち、1530−1565nmの波長)の信号光を合波すると共に、C帯の透過スペクトルが平坦になるように光路長が調整されている。動的利得等化器は、MZIの一方のアームに誘電体多層膜を挿入した構成を取っている。この構成により、MZIの分岐比を可変にする(他方のアームに取り付けたヒータにより位相をシフトさせることで、光路長差を可変にすることで分岐比を可変にする)ことが可能となり、利得等化フィルタのスペクトル形状を保ったまま、すなわちフィルタ損失の波長依存性を変えずに各波長の損失量を増減することができ、エルビウム添加ファイバの合計長変化による利得のピークとディップの差の変化を補償することができる。
【0052】
本実施形態では、エルビウム添加ファイバ320−0,1,2,3のファイバ長はそれぞれ5.4m,3.6m,5.4m,1.8mであり、平均利得はそれぞれ、9.0dB,6.0dB,9.0dB,3.0dBとしており、利得可変範囲は9.0〜27.0dBである。光増幅器利得とエルビウム添加ファイバ組合せパターンは表1に示すとおり6パターンがあり、入力信号光パワーに応じて適したエルビウム添加ファイバ組合せとなるように光スイッチが切り替わる。
【0053】
【表1】
【0054】
図15は本発明の光増幅器内レベルダイヤを示している。本実施形態のレベルダイヤは図15(a)に、従来の光増幅器のレベルダイヤは図15(b)に示されている。1波あたり(すなわち1チャネルあたり)入力信号光パワーは−25〜−7dBm/chであり、最大利得Gmax=27dB,最小Gmim=9dBである。図15からわかるように、本実施形態の光回路では、光スイッチによる利得の切替えで生じる離散的な利得差は3dBであるので、可変光減衰器の減衰量は最大でも3dBとなり、信号光パワーの減衰が小さく抑制される。ただし、図15では、各光スイッチ、導波路の透過損失及び動的利得等化器の過剰損失が0.1dBを十分下回ることから、各光スイッチ、導波路の透過損失及び動的利得等化器の過剰損失の影響は無視できるため、これらのエレメントの伝搬については省略している。一方、従来の光増幅器では、可変光減衰器の減衰量は最大で18dBになり、信号光パワーの減衰が大きくなる。このため、所要励起光パワーが増大すると共に、雑音指数が大幅に増加する。
【0055】
図16に本実施形態の光増幅器と従来の光増幅器の所要励起光パワーの光増幅器利得依存性を示す。本実施形態の光増幅器では従来の光増幅器と比較して、利得が大きいときに所要励起光パワーが大きくなるが、利得が小さいときには所要励起光パワーが1割程度小さくなる。また、本実施形態の最大の所要励起光パワーは従来光増幅器よりも小さく、光増幅器が搭載する励起光源の出力光パワークラスが従来の光増幅器より小さくてすみ、従来の光増幅器に比べて所要励起光パワーを低下できていることがわかる。
【0056】
図17に本実施形態の光増幅器と従来の光増幅器の雑音指数を示す。従来光増幅器では光増幅器利得が減少するにしたがって可変光減衰器の減衰量が増大し、それに伴って雑音指数が増加する。対して、本実施形態の光増幅器では、光増幅器利得が小さく成るにしたがって、1つのエルビウム添加ファイバ組合せパターン内の利得では可変光減衰器の減衰量が最大3dBあるために雑音指数が0.5dB程度増加するが、光スイッチが切り替わり異なるエルビウム添加ファイバ組合せパターンになると雑音指数は最小値に戻るということを繰り返し、従来の光増幅器に比べて大幅に雑音指数を低下できている。
【0057】
本実施形態の光増幅器が光伝送システムで運用されているときに、入力信号光パワー変動の範囲が光スイッチ切り替わる入力信号光パワーを含む場合に、光スイッチの切り替え瞬間の伝送エラーを避ける必要があることもある。その場合は、その光スイッチ切り替わる入力信号光パワー前後では光スイッチを切り替えず、可変光減衰器の減衰量で利得を可変にすることもある。この場合、可変光減衰器の最大減衰量は前述の3dBからは大きくなるが、この場合の入力信号光パワーの変化要因は主に経年変化や温度変化による伝送ファイバ損失であり、入力信号光パワーの変化は大きくても1〜2dB程度であるため、可変光減衰器の最大減衰量は4〜5dBとなり、雑音指数増加への影響は小さく、問題にならない。
【0058】
(第5の実施形態)
図18は、本発明の第5の実施形態の光回路及びそれを用いた光増幅器を示すブロック図である。本実施形態の光回路は第4の実施形態の光回路と類似しているが、第4の実施形態の光回路中のエレメントのうち、光スイッチ303−2が3×1光スイッチから2×1光スイッチへ、光スイッチ304−1が1×3光スイッチから1×2光スイッチへそれぞれ置き換えているところが異なる。このように特定の光スイッチのポート数を減らしても、本実施形態の光回路を用いた光増幅器は第4の実施形態の光回路を用いた光増幅器と全く同じエルビウム添加ファイバ組合せパターンを実現することができる。
【0059】
したがって、第4の実施形態のi×1光スイッチ及び1×j光スイッチのi及びjは連続的な整数である必要はないことがわかる。
【0060】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態は、図2の光回路に、各増幅ブロックの代わりに分散補償ファイバを接続した可変分散補償器である。信号光はまず分散補償ファイバで波長分散が一部補償された後、1×N光スイッチ1でN個あるいずれかの方路に向けられる。信号光は振り向けられた先の分散補償ファイバで波長分散が補償された後、光スイッチ3で次の分散補償ファイバで波長分散補償が繰り返される。信号光は、所望の波長分散量となる分散補償ファイバ長を通過した後、N×1光スイッチを通過して出力される。このとき、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって分散補償ファイバの合計長が変化させることにより可変分散補償が得られる。
【0061】
なお、図2の光回路では、分散補償量は、各分散補償ファイバのファイバ長に依存した分散補償単位で離散的に変化する。このため、本実施形態の分散補償器に連続可変の分散補償器を接続することで、単一の連続可変分散補償器では実現できない分散補償量範囲を実現できる。
【0062】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態は、図2の光回路に、各増幅ブロックの代わりに光遅延導波路を接続した可変光遅延器である。信号光はまず光遅延導波路で光遅延が与えられた後、1×N光スイッチ1でN個あるいずれかの方路に向けられる。信号光は振り向けられた先の光遅延導波路で光遅延が与えられた後、光スイッチ3で次の光遅延導波路で光遅延が繰り返される。信号光は、所望の光遅延量となる光遅延導波路長を通過した後、N×1光スイッチを通過して出力される。このとき、使用条件、例えば、入力信号光パワーや環境温度などに応じて光スイッチの切替えによって光遅延導波路の合計長が変化させることにより可変分光遅延が得られる。
【0063】
なお、図2の光回路では、光遅延量は、各光遅延導波路長に依存した光遅延量単位で離散的に変化する。このため、本実施形態の光遅延器に連続可変の光遅延器を接続することで、単一の連続可変光遅延器では実現できない光遅延量範囲を実現できる。
【0064】
以上説明したように、本発明の光回路を用いた光増幅器では、光スイッチの切替えにより増幅用光ファイバの組合せを変化させることができ、その結果、信号光が通過する増幅用光ファイバの合計の長さを変化し、可変利得が得られる。本発明の光回路は、入力信号光パワーの変化に対し、増幅用光ファイバの組合せを切り替え、常に適切な長さの増幅用光ファイバで光増幅を行うため、広い入力信号光パワーダイナミックレンジで励起光パワーを無駄にせず、高効率で低雑音であるという利点を有する。この利点により、システム運用上、複数の光増幅器を使い分けることが不要となる利点も有する。
【0065】
また、本発明の光回路を用いた可変分散補償器、および可変光遅延器に関しても、本発明の光増幅器と同様の利点を有する。
【符号の説明】
【0066】
1、101、201、901 1×N光スイッチ
2、102、202、902 N×1光スイッチ
5 可変光減衰器
6、340 動的利得等化器
11 増幅用光ファイバ
12 合分波器
13 光アイソレータ
20、120、310 V溝ガラスブロック
21、121 ファイバ
300 平面光波回路
301 1×3光スイッチ
302 3×1光スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光回路であって、
前記光回路は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートとから構成され、
前記主入力ポートは、前記1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、前記N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、前記N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかった前記N個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、
前記主出力ポートは、前記N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、前記N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかった前記N個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個は前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの前記1個の従入力ポートに接続されなかった前記N×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、
前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの前記1個の従出力ポートに接続されなかった前記1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちの前記N×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれは前記N−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの前記1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、前記1個の主入力ポートと、前記N個の従入力ポートと、前記N個の従出力ポートと、前記1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができることを特徴とする光回路。
【請求項2】
前記N−1個のi×1従光スイッチの前または後または前記N−1個の1×j従光スイッチの後に可変光減衰器を備えることを特徴とする請求項1に記載の光回路。
【請求項3】
前記N−1個のi×1従光スイッチの前または後または前記N−1個の1×j従光スイッチの後に、損失スペクトルのピークとディップの差を可変にする動的利得等化手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光回路。
【請求項4】
前記1×N主光スイッチと、前記N×1主光スイッチと、前記N−1個のi×1従光スイッチと、前記N−1個の1×j従光スイッチと、前記可変光減衰器と、前記動的利得等化手段とのうち少なくとも2つ以上が、単一の導波路基板内に集積されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の光回路。
【請求項5】
光増幅器であって、
前記光増幅器は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートと、N個の光増幅用光ファイバから構成され、
前記主入力ポートは、前記1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、前記N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、前記N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかった前記N個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、
前記主出力ポートは、前記N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、前記N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかった前記N個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個は前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの前記1個の従入力ポートに接続されなかった前記N×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、
前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの前記1個の従出力ポートに接続されなかった前記1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちの前記N×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれは前記N−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの前記1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、前記1個の主入力ポートと、前記N個の従入力ポートと、前記N個の従出力ポートと、前記1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができ、
前記N個の従出力ポートはそれぞれ前記N個の光増幅用光ファイバの入力ポートに接続されており、
前記N個の光増幅用光ファイバのうちの前記1個の従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは前記N−1個の1×j従光スイッチのうちのj=Nをみたす1×j従光スイッチに接続された従入力ポートに接続されており、
前記N個の光増幅用光ファイバのうちの前記N−1個のi×1従光スイッチのうちのi=Nをみたすi×1従光スイッチに接続された従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは前記1個の従入力ポートに接続されており、
前記N個の光増幅用光ファイバのうちの、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは、j=N−i+1をみたすように、前記N−1個の1×j従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従入力ポートに接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、光増幅用光ファイバの組み合わせを切替えることによって光増幅用光ファイバの長さを変え、よって光増幅率を変化させることができることを特徴とする光増幅器。
【請求項6】
前記N−1個のi×1従光スイッチの前または後または前記N−1個の1×j従光スイッチの後に可変光減衰器を備えることを特徴とする請求項5に記載の光増幅器。
【請求項7】
前記N−1個のi×1従光スイッチの前または後または前記N−1個の1×j従光スイッチの後に、損失スペクトルのピークとディップの差を可変にする動的利得等化手段を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の光増幅器。
【請求項8】
前記1×N主光スイッチと、前記N×1主光スイッチと、前記N−1個のi×1従光スイッチと、前記N−1個の1×j従光スイッチと、前記可変光減衰器と、前記動的利得等化手段とのうち少なくとも2つ以上が、単一の導波路基板内に集積されていることを特徴とする請求項5乃至7に記載の光増幅器。
【請求項9】
可変分散補償器であって、
前記可変分散補償器は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートと、N個の分散補償ファイバから構成され、
前記主入力ポートは、前記1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、前記N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、前記N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかった前記N個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、
前記主出力ポートは、前記N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、前記N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかった前記N個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個は前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの前記1個の従入力ポートに接続されなかった前記N×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、
前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの前記1個の従出力ポートに接続されなかった前記1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちの前記N×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれは前記N−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの前記1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、前記1個の主入力ポートと、前記N個の従入力ポートと、前記N個の従出力ポートと、前記1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができ、
前記N個の従出力ポートはそれぞれ前記N個の分散補償ファイバの入力ポートに接続されており、
前記N個の分散補償ファイバのうちの前記1個の従出力ポートに接続された分散補償ファイバの出力ポートは前記N−1個の1×j従光スイッチのうちのj=Nをみたす1×j従光スイッチに接続された従入力ポートに接続されており、
前記N個の分散補償ファイバのうちの前記N−1個のi×1従光スイッチのうちのi=Nをみたすi×1従光スイッチに接続された従出力ポートに接続された分散補償ファイバの出力ポートは前記1個の従入力ポートに接続されており、
前記N個の分散補償ファイバのうちの、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従出力ポートに接続された分散補償ファイバの出力ポートは、j=N−i+1をみたすように、前記N−1個の1×j従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従入力ポートに接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、分散補償ファイバの組み合わせを切替えることによって分散補償ファイバの長さを変え、よって分散補償量を変化させることができることを特徴とする請求項1に記載の可変分散補償器。
【請求項10】
可変光遅延器であって、
前記可変光遅延器は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートと、N個の光遅延導波路から構成され、
前記主入力ポートは、前記1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、前記N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、前記N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかった前記N個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、
前記主出力ポートは、前記N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、前記N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかった前記N個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個は前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの前記1個の従入力ポートに接続されなかった前記N×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、
前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの前記1個の従出力ポートに接続されなかった前記1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちの前記N×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれは前記N−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの前記1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、前記1個の主入力ポートと、前記N個の従入力ポートと、前記N個の従出力ポートと、前記1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができ、
前記N個の従出力ポートはそれぞれ前記N個の光遅延導波路の入力ポートに接続されており、
前記N個の光遅延導波路のうちの前記1個の従出力ポートに接続された光遅延導波路の出力ポートは前記N−1個の1×j従光スイッチのうちのj=Nをみたす1×j従光スイッチに接続された従入力ポートに接続されており、
前記N個の光遅延導波路のうちの前記N−1個のi×1従光スイッチのうちのi=Nをみたすi×1従光スイッチに接続された従出力ポートに接続された光遅延導波路の出力ポートは前記1個の従入力ポートに接続されており、
前記N個の光遅延導波路のうちの、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従出力ポートに接続された光遅延導波路の出力ポートは、j=N−i+1をみたすように、前記N−1個の1×j従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従入力ポートに接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、光遅延導波路の組み合わせを切替えることによって光遅延導波路の長さを変え、よって光遅延量を変化させることができることを特徴とする可変光遅延器。
【請求項1】
光回路であって、
前記光回路は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートとから構成され、
前記主入力ポートは、前記1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、前記N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、前記N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかった前記N個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、
前記主出力ポートは、前記N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、前記N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかった前記N個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個は前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの前記1個の従入力ポートに接続されなかった前記N×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、
前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの前記1個の従出力ポートに接続されなかった前記1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちの前記N×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれは前記N−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの前記1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、前記1個の主入力ポートと、前記N個の従入力ポートと、前記N個の従出力ポートと、前記1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができることを特徴とする光回路。
【請求項2】
前記N−1個のi×1従光スイッチの前または後または前記N−1個の1×j従光スイッチの後に可変光減衰器を備えることを特徴とする請求項1に記載の光回路。
【請求項3】
前記N−1個のi×1従光スイッチの前または後または前記N−1個の1×j従光スイッチの後に、損失スペクトルのピークとディップの差を可変にする動的利得等化手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光回路。
【請求項4】
前記1×N主光スイッチと、前記N×1主光スイッチと、前記N−1個のi×1従光スイッチと、前記N−1個の1×j従光スイッチと、前記可変光減衰器と、前記動的利得等化手段とのうち少なくとも2つ以上が、単一の導波路基板内に集積されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の光回路。
【請求項5】
光増幅器であって、
前記光増幅器は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートと、N個の光増幅用光ファイバから構成され、
前記主入力ポートは、前記1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、前記N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、前記N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかった前記N個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、
前記主出力ポートは、前記N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、前記N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかった前記N個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個は前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの前記1個の従入力ポートに接続されなかった前記N×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、
前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの前記1個の従出力ポートに接続されなかった前記1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちの前記N×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれは前記N−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの前記1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、前記1個の主入力ポートと、前記N個の従入力ポートと、前記N個の従出力ポートと、前記1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができ、
前記N個の従出力ポートはそれぞれ前記N個の光増幅用光ファイバの入力ポートに接続されており、
前記N個の光増幅用光ファイバのうちの前記1個の従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは前記N−1個の1×j従光スイッチのうちのj=Nをみたす1×j従光スイッチに接続された従入力ポートに接続されており、
前記N個の光増幅用光ファイバのうちの前記N−1個のi×1従光スイッチのうちのi=Nをみたすi×1従光スイッチに接続された従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは前記1個の従入力ポートに接続されており、
前記N個の光増幅用光ファイバのうちの、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従出力ポートに接続された光増幅用光ファイバの出力ポートは、j=N−i+1をみたすように、前記N−1個の1×j従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従入力ポートに接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、光増幅用光ファイバの組み合わせを切替えることによって光増幅用光ファイバの長さを変え、よって光増幅率を変化させることができることを特徴とする光増幅器。
【請求項6】
前記N−1個のi×1従光スイッチの前または後または前記N−1個の1×j従光スイッチの後に可変光減衰器を備えることを特徴とする請求項5に記載の光増幅器。
【請求項7】
前記N−1個のi×1従光スイッチの前または後または前記N−1個の1×j従光スイッチの後に、損失スペクトルのピークとディップの差を可変にする動的利得等化手段を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の光増幅器。
【請求項8】
前記1×N主光スイッチと、前記N×1主光スイッチと、前記N−1個のi×1従光スイッチと、前記N−1個の1×j従光スイッチと、前記可変光減衰器と、前記動的利得等化手段とのうち少なくとも2つ以上が、単一の導波路基板内に集積されていることを特徴とする請求項5乃至7に記載の光増幅器。
【請求項9】
可変分散補償器であって、
前記可変分散補償器は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートと、N個の分散補償ファイバから構成され、
前記主入力ポートは、前記1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、前記N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、前記N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかった前記N個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、
前記主出力ポートは、前記N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、前記N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかった前記N個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個は前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの前記1個の従入力ポートに接続されなかった前記N×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、
前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの前記1個の従出力ポートに接続されなかった前記1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちの前記N×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれは前記N−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの前記1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、前記1個の主入力ポートと、前記N個の従入力ポートと、前記N個の従出力ポートと、前記1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができ、
前記N個の従出力ポートはそれぞれ前記N個の分散補償ファイバの入力ポートに接続されており、
前記N個の分散補償ファイバのうちの前記1個の従出力ポートに接続された分散補償ファイバの出力ポートは前記N−1個の1×j従光スイッチのうちのj=Nをみたす1×j従光スイッチに接続された従入力ポートに接続されており、
前記N個の分散補償ファイバのうちの前記N−1個のi×1従光スイッチのうちのi=Nをみたすi×1従光スイッチに接続された従出力ポートに接続された分散補償ファイバの出力ポートは前記1個の従入力ポートに接続されており、
前記N個の分散補償ファイバのうちの、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従出力ポートに接続された分散補償ファイバの出力ポートは、j=N−i+1をみたすように、前記N−1個の1×j従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従入力ポートに接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、分散補償ファイバの組み合わせを切替えることによって分散補償ファイバの長さを変え、よって分散補償量を変化させることができることを特徴とする請求項1に記載の可変分散補償器。
【請求項10】
可変光遅延器であって、
前記可変光遅延器は、1個の主入力ポートと、N個の従入力ポートと、1個の1×N主光スイッチと、1個のN×1主光スイッチと、1×j従光スイッチであって、jが2以上N以下の整数であるN−1個の1×j従光スイッチと、i×1従光スイッチであって、iが2以上N以下の整数であるN−1個のi×1従光スイッチと、N個の従出力ポートと、1個の主出力ポートと、N個の光遅延導波路から構成され、
前記主入力ポートは、前記1×N主光スイッチの入力ポートに接続されており、前記N個の従入力ポートのうちN−1個の従入力ポートのそれぞれは、前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、前記N−1個の1×j従光スイッチの入力ポートに接続されなかった前記N個の従入力ポートのうちの1個の従入力ポートは、前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの1個の入力ポートと接続されており、
前記主出力ポートは、前記N×1主光スイッチの出力ポートに接続されており、前記N個の従出力ポートのうちN−1個の従出力ポートのそれぞれは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの出力ポートに接続されており、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートと接続されなかった前記N個の従出力ポートのうちの1個の従出力ポートは、前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの1個の出力ポートと接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのそれぞれの1×j従光スイッチの出力ポートのうちの1個は前記N×1主光スイッチのN個の入力ポートのうちの前記1個の従入力ポートに接続されなかった前記N×1主光スイッチのN−1個の入力端子それぞれに接続されており、
前記1×N主光スイッチのN個の出力ポートのうちの前記1個の従出力ポートに接続されなかった前記1×N主光スイッチのN−1個の出力ポートは、前記N−1個のi×1従光スイッチのそれぞれの入力ポートに接続されており、
前記N−1個の1×j従光スイッチのk番目の1×j従光スイッチの出力ポートのうちの前記N×1主光スイッチの入力ポートに接続されなかったj−1個の出力ポートのそれぞれは前記N−1個のi×1従光スイッチのl番目のi×1従光スイッチの入力ポートのうちの前記1×N主光スイッチの出力ポートに接続されなかったi−1個の入力ポートのそれぞれにlがk以上の整数である条件を満たすように接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、前記1個の主入力ポートと、前記N個の従入力ポートと、前記N個の従出力ポートと、前記1個の主出力ポートとの間の接続の組み合わせを切替えることができ、
前記N個の従出力ポートはそれぞれ前記N個の光遅延導波路の入力ポートに接続されており、
前記N個の光遅延導波路のうちの前記1個の従出力ポートに接続された光遅延導波路の出力ポートは前記N−1個の1×j従光スイッチのうちのj=Nをみたす1×j従光スイッチに接続された従入力ポートに接続されており、
前記N個の光遅延導波路のうちの前記N−1個のi×1従光スイッチのうちのi=Nをみたすi×1従光スイッチに接続された従出力ポートに接続された光遅延導波路の出力ポートは前記1個の従入力ポートに接続されており、
前記N個の光遅延導波路のうちの、前記N−1個のi×1従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従出力ポートに接続された光遅延導波路の出力ポートは、j=N−i+1をみたすように、前記N−1個の1×j従光スイッチの出力ポートのそれぞれに接続された前記N−1個の従入力ポートに接続されており、
前記1×N主光スイッチおよび/または前記N−1個の1×j従光スイッチの切替えにより、光遅延導波路の組み合わせを切替えることによって光遅延導波路の長さを変え、よって光遅延量を変化させることができることを特徴とする可変光遅延器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−242677(P2012−242677A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113919(P2011−113919)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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