光学フィルムロールセットおよび光学フィルムロールセットの製造方法。
【課題】帯状フィルムの状態で連続的に積層できない光学フィルムが光学セルの一方面に積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる光学フィルムロールセットを提供する。
【解決手段】各々フィルムを供給し、各々フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む。
【解決手段】各々フィルムを供給し、各々フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルムロールセットおよび光学フィルムロールセットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第1光学フィルムロールから長手方向に吸収軸を有する帯状の第1偏光フィルムを繰り出し、前記帯状の第1偏光フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1偏光フィルムを前記液晶セルの背面側の面に貼り合わせ、第2光学フィルムロールから長手方向に吸収軸を有する帯状の第2偏光フィルムを繰り出し、前記帯状の第2偏光フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第2偏光フィルムを前記液晶セルの視認側の面に貼り合わせる液晶表示パネルの連続製造方法(いわゆるRoll to Panel(RTP)システム)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このRTPシステムによれば、液晶表示パネルを高速に連続生産することができる。
【0003】
ところで、光利用効率の高い液晶表示パネルとして、液晶セルの視認側の面に偏光フィルムを含む第1光学フィルムが貼り合わされ、液晶セルの背面側の面に偏光フィルムおよび直線偏光分離フィルムがこの順に積層された第2光学フィルムが貼り合わされた液晶表示パネルが開示されている(例えば、特許文献2参照)。このような液晶表示パネルも高速に連続生産することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4406043号
【特許文献2】特開2002−196141号公報
【特許文献3】特開2004−250213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、通常、偏光フィルムと直線偏光分離フィルムの透過軸は互いに直交する。すなわち、通常、偏光フィルムは長手方向に吸収軸を有し、直線偏光分離フィルムは幅方向に反射軸を有する。そのため、このような偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとをRoll to Roll方式などで帯状フィルムの状態で連続的に積層することはできず、RTPシステム用の光学フィルムロールを製造することはできない。
【0006】
例えば、特許文献3に記載されている方法を参照し、偏光フィルムロールから繰り出された帯状の偏光フィルムに、所定サイズに切断された直線偏光分離フィルムを積層した後、そのまま枚葉切断することなく巻回することで光学フィルムロールを製造し、RTPシステムに供することも考えられなくもない。しかしながら、この場合、図9に示すように、帯状の偏光フィルム901において直線偏光分離フィルム902が積層されない部分(境目領域)Fが一定の面積を持って必然的に生じるなどするため、歩留りが大幅に低下せざるを得ない。逆に、そのような境目領域Fができる限り生じないように高精度に貼り合わせようとすると、タクトを大きく犠牲にする。また、帯状の偏光フィルム901に直線偏光分離フィルム902を積層する際、直線偏光分離フィルム902の供給方向と帯状の偏光フィルム901への貼合方向とが直交するため、供給された直線偏光分離フィルム902をそのまま円滑に帯状の偏光フィルム901に貼り合わせることができず、高速生産性の面でも課題がある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない光学フィルムが光学セルの一方面に積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる光学フィルムロールセットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、各々フィルムを供給し、各々フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、
前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、
前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む。
【0009】
この構成によれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま光学セルに対する貼合方向とし、かつ光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させることで、光学セルの背面側の面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、第1偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとが光学セルの背面側の面に適切な配置関係で積層されてなる光利用効率の高い光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0010】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムが積層された状態で巻回されており、および/または前記帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムが積層された状態で巻回されている。
【0011】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の直線偏光分離フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0012】
上記発明の一実施形態として、前記光学セルが、VAモードまたはIPSモードの液晶セルである。
【0013】
本発明は、高コントラストのVAモードまたはIPSモードの液晶表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産するのに特に好適である。
【0014】
また、他の本発明は、上記の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、を含む。
【0015】
本発明の製造方法は、本発明の光学フィルムロールセットを製造するのに好適である。
【0016】
また、他の本発明は、上記光学フィルムロールセット、または上記製造方法で製造された光学フィルムロールセットと、
フィルムを供給し、当該フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、当該光学フィルムロールセットの光学フィルムロールを用いて各々フィルムが積層される光学セルの他方面に当該フィルムを積層するのに用いられる光学フィルムロールであって、前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第3積層光学フィルムが巻回されてなる第3光学フィルムロールと、を含む、少なくとも3個のロールを含む光学フィルムロールセットである。
【0017】
この構成によれば、視認側の偏光フィルムと背面側の偏光フィルムの吸収軸が互いに直交する高コントラストの光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0018】
また、他の本発明は、各々フィルムを供給し、光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、
前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第1光学フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、
前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第2光学フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む。
【0019】
この構成によれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1光学フィルムと第2光学フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま光学セルに対する貼合方向とし、かつ光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることで、光学セルの一方面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、第1光学フィルムと第2光学フィルムとが光学セルの一方面に適切な配置関係で積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0020】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1光学フィルムと前記帯状の第2光学フィルムとは、光学的機能を共通にするフィルムを含まない。
【0021】
この構成によれば、第1光学フィルムロールおよび第2光学フィルムロールから光学的機能を共通にしないフィルムを各々供給し、光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させながら光学セルの一方面に積層することで、光学セルの一方面に一体となって複合的な光学的機能を形成することができる。
【0022】
光学的機能としては、偏光機能、直線偏光分離機能、円偏光分離機能、λ/4の位相差付与機能、λ/2の位相差付与機能などが挙げられる。よって、本明細書において、「光学的機能を共通にするフィルムを含まない」とは、例えば、一方の帯状の光学フィルムが偏光機能を有するフィルムである場合には、他方の帯状の光学フィルムが偏光機能を有するフィルムを含まず、かつ偏光機能とは異なる光学的機能(直線偏光分離機能など)を有するフィルムを含むことを意味する。
【0023】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に前記帯状の第1光学フィルムが積層された状態で巻回されており、および/または前記帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に前記帯状の第2光学フィルムが積層された状態で巻回されている。
【0024】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されており、および/または前記帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の第2光学フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0025】
上記発明の一実施形態として、フィルムを供給し、当該フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールであって、前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第3光学フィルムを含む帯状の第4積層光学フィルムが巻回されてなる第4光学フィルムロールをさらに含む。
【0026】
この構成によれば、第1光学フィルムと第2光学フィルムと第4光学フィルムとが光学セルの一方面に適切な配置関係で積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0027】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1光学フィルムと前記帯状の第2光学フィルムと前記帯状の第4光学フィルムとは、光学的機能を共通にするフィルムを含まない。
【0028】
この構成によれば、第1光学フィルムロール、第2光学フィルムロールおよび第4光学フィルムロールから光学的機能を共通にしないフィルムを各々供給し、光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させながら光学セルの一方面に積層することで、光学セルの一方面に一体となって複合的な光学的機能を形成することができる。
【0029】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第4積層光学フィルムは、第4キャリアフィルム上に前記帯状の第4光学フィルムが積層された状態で巻回されている。
【0030】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第4積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0031】
上記発明の一実施形態として、前記光学セルが、VAモードもしくはIPSモードの液晶セル、または有機ELセルである。
【0032】
本発明は、高コントラストのVAモードまたはIPSモードの光学表示パネルまたは有機ELパネルを高歩留りかつ高速に連続生産するのに特に好適である。
【0033】
また、他の本発明は、上記の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第2光学フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、を含む。
【0034】
本発明の製造方法は、本発明の光学フィルムロールセットを製造するのに好適である。
【0035】
また、他の本発明は、上記の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第2光学フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第4光学フィルム原反を含む帯状の第4積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第4積層光学フィルムを巻回する工程と、
を含む。
【0036】
本発明の製造方法は、本発明の光学フィルムロールセットを製造するのに好適である。
【0037】
上記光学フィルムロールセットの一実施形態として、前記帯状の第1光学フィルムが、長手方向に遅相軸を有する帯状のλ/4位相差フィルムと長手方向に対して67.5度の角度をなす方向に遅相軸を有する帯状のλ/2位相差フィルムとを積層した帯状の位相差フィルムであり、
前記帯状の第2光学フィルムが、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムである。
【0038】
また、上記光学フィルムロールセットの一実施形態として、前記帯状の第1光学フィルムが、幅方向に遅相軸を有する帯状のλ/4位相差フィルムであり、
前記帯状の第2光学フィルムが、長手方向に対して67.5度の角度をなす方向に遅相軸を有する帯状のλ/2位相差フィルムであり、前記帯状の第4光学フィルムが、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムである。
【0039】
また、他の本発明は、上記の光学フィルムロールセットを用いて、光学セルの一方面に第1光学フィルムと第2光学フィルムとがこの順に積層された光学表示パネルを連続的に製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを第1光学フィルムロールから供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合工程と、
帯状の第2光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第2光学フィルムを第2光学フィルムロールから供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記第2光学フィルムを前記光学セルの一方面に貼り合わされた前記第1光学フィルム上に、前記光学セルの対向するもう一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って貼り合わせる第2貼合工程とを含む。
【0040】
この構成によれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1光学フィルムと第2光学フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま光学セルに対する貼合方向とし、かつ光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させることで、光学セルの一方面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、第1光学フィルムと第2光学フィルムとが光学セルの一方面に適切な配置関係で積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0041】
また、他の本発明は、上記光学フィルムロールセットを用いて、光学セルの一方面に第1光学フィルムと第2光学フィルムとがこの順に積層された光学表示パネルを連続的に製造するシステムであって、
前記光学セルおよび前記光学表示パネルを搬送する一連の搬送部と、
帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを第1光学フィルムロールから供給する第1光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された前記光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルム供給部によって供給された前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合部と、
帯状の第2光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第2光学フィルムを第2光学フィルムロールから供給する第2光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された前記光学セルを搬送しながら、前記第2光学フィルム供給部によって供給された前記第2光学フィルムを前記光学セルの一方面に貼り合わされた前記第1光学フィルム上に、前記光学セルの対向するもう一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って貼り合わせる第2貼合部とを含む。
【0042】
この構成によれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1光学フィルムと第2光学フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま光学セルに対する貼合方向とし、かつ光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させることで、光学セルの一方面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、第1光学フィルムと第2光学フィルムとが光学セルの一方面に適切な配置関係で積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0043】
光学セルの形状は、対向する一組の辺と対向するもう一組の辺とを有する形状である限り、正方形であってもよく、長方形であってもよく、特に制限されない。なお、通常、光学セルの対向する一組の辺と対向するもう一組の辺とは互いに直交する。
【0044】
光学表示パネルおよび光学セルの形状は、一般的に、横長長方形である。この場合、通常、帯状の第1偏光フィルムは、光学セルの長辺に対応する幅を有し、帯状の直線偏光分離フィルムは、光学セルの短辺に対応する幅を有し、帯状の第2偏光フィルムは、光学セルの短辺に対応する幅を有する。
【0045】
光学表示パネルおよび光学セルの形状は、縦長長方形であってもよい。この場合、通常、帯状の第1偏光フィルムは、光学セルの短辺に対応する幅を有し、帯状の直線偏光分離フィルムは、光学セルの長辺に対応する幅を有し、帯状の第2偏光フィルムは、光学セルの長辺に対応する幅を有する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施形態1の光学表示パネルの連続製造システムの概略図
【図2A】実施形態1の第1貼合部を示す図
【図2B】実施形態1の第2貼合部を示す図
【図2C】実施形態1の第3貼合部を示す図
【図3A】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3B】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3C】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3D】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3E】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3F】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図4】実施形態2の光学表示パネルの連続製造システムの概略図
【図5A】実施形態2の第1貼合部を示す図
【図5B】実施形態2の第2貼合部を示す図
【図6】実施形態3の光学表示パネルの連続製造システムの概略図
【図7A】実施形態3の第1貼合部を示す図
【図7B】実施形態3の第2貼合部を示す図
【図7C】実施形態3の第3貼合部を示す図
【図8】光学フィルムロールの製造方法の概略図
【図9】帯状の偏光フィルムに直線偏光分離フィルムを積層するプロセスを示す図
【発明を実施するための形態】
【0047】
<光学フィルムロールセット>
光学フィルムロールセットは、第1光学フィルムロールと、第2光学フィルムロールを少なくとも含む。
【0048】
第1光学フィルムロールは、光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第1光学フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる。実施形態の一例として、帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に帯状の第1光学フィルムが積層された状態で巻回されている。なお、別実施形態として、帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の第1光学フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0049】
第2光学フィルムロールは、光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第2光学フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる。実施形態の一例として、帯状の第2積層光学フィルムは、第2キャリアフィルム上に帯状の第2光学フィルムが積層された状態で巻回されている。なお、別実施形態として、帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の第2光学フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0050】
<光学フィルム>
偏光フィルムのフィルム本体は、例えば、偏光子(厚さは一般的に1〜80μm程度)と、偏光子の片面または両面に偏光子保護フィルム(厚さは一般的に1〜500μm程度)が接着剤または接着剤なしで形成される。偏光子は、通常、延伸方向が吸収軸となっている。長手方向に吸収軸を有する長尺の偏光子を含む偏光フィルムを「MD偏光フィルム」ともいい、幅方向に吸収軸を有する長尺の偏光子を含む偏光フィルムものを「TD偏光フィルム」ともいう。フィルム本体を構成する他のフィルムとして、例えば、λ/4板、λ/2板等の位相差フィルム(厚さは一般的に10〜200μm)、視角補償フィルム、輝度向上フィルム、表面保護フィルム等が挙げられる。積層光学フィルムの厚みは、例えば、10μm〜500μmの範囲が挙げられる。
【0051】
直線偏光分離フィルムのフィルム本体は、例えば、反射軸と透過軸を有する多層構造の反射偏光フィルムが挙げられる。反射偏光フィルムは、例えば、2種類の異なる材料のポリマーフィルムA、Bを交互に複数枚積層して延伸することで得られる。延伸方向に材料Aのみの屈折率が増加変化し、複屈折性が発現され、材料AB界面の屈折率差がある延伸方向が反射軸となり、屈折率差の生じない方向(非延伸方向)が透過軸となる。この反射偏光フィルムは、その長手方向に透過軸を有し、その短手方向(幅方向)に反射軸を有している。反射偏光フィルムは、市販品をそのまま用いてもよく、市販品を2次加工(例えば、延伸)して用いてもよい。市販品としては、例えば、3M社製の商品名DBEF、3M社製の商品名APFが挙げられる。
【0052】
粘着剤は、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。粘着剤の層厚みは、例えば、10μm〜50μmの範囲が好ましい。粘着剤とキャリアフィルムとの剥離力としては、例えば、0.15(N/50mm幅サンプル)が例示されるが、特にこれに限定されない。剥離力は、JIS Z0237に準じて測定される。
【0053】
(キャリアフィルム)
キャリアフィルムは、例えばプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、ポリオレフィン系フィルム等)等の従来公知のフィルムを用いることができる。また、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。なお、キャリアフィルムは、一般的に離型フィルム(セパレータフィルム)ともいわれる。
【0054】
(液晶セル、液晶表示パネル)
液晶セルは、対向配置される一対の基板(第1基板(視認側面)Pa、第2基板(背面)Pb)間に液晶層が封止された構成である。液晶セルは、任意のタイプのものを用いることができるが、高コントラストを実現するためには、垂直配向(VA)モード、面内スイッチング(IPS)モードの液晶セルを用いることが好ましい。液晶表示パネルは、液晶セルの片面または両面に偏光フィルムが貼り合わされたものであり、必要に応じて駆動回路が組込まれる。
【0055】
(有機ELセル、有機EL表示パネル)
有機ELセルは、一対の電極間に電界発光層が挟持された構成である。有機ELセルは、例えば、トップエミッション方式、ボトムエミッション方式、ダブルエミッション方式などの任意のタイプのものを用いることができる。有機EL表示パネルは、有機ELセルの片面または両面に偏光フィルムが貼り合わされたものであり、必要に応じて駆動回路が組込まれる。
【0056】
<実施形態1>
実施形態1の光学フィルムロールセットは、第1光学フィルムロール、第2光学フィルムロール、第3光学フィルムロールとで構成されている。第1光学フィルムロールおよび第2光学フィルムロールは、光学セルの一方面にフィルムを積層するのに用いられ、第3光学フィルムロールは、光学セルの他方面にフィルムを積層するのに用いられる。
【0057】
実施形態1の第1光学フィルムロールは、光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる。帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムが積層された状態で巻回されている。偏光フィルム(11)は、フィルム本体(11a)と粘着剤層(11b)を有し、粘着剤層(11b)を介して第1キャリアフィルム(12)上に積層されている(図2A参照)。
【0058】
また、第2光学フィルムロールは、光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる。帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムが積層された状態で巻回されている。直線偏光分離フィルム(21)は、フィルム本体(21a)と粘着剤層(21b)を有し、粘着剤層(21b)を介して第1キャリアフィルム(22)上に積層されている(図2B参照)。
【0059】
また、第3光学フィルムロールは、光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第3積層光学フィルムが巻回されてなる。帯状の第3積層光学フィルムは、第3キャリアフィルム上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムが積層された状態で巻回されている。偏光フィルム(31)は、フィルム本体(31a)と粘着剤層(31b)を有し、粘着剤層(31b)を介して第3キャリアフィルム(32)上に積層されている(図2C参照)。
【0060】
<光学フィルムロールの製造>
光学フィルムロールセットを製造する方法は、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム原反を含む帯状の第3積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第3積層光学フィルムを巻回する工程と、を含む。
【0061】
図8は、光学フィルムロールセットを製造する方法に使用できるロールの製造装置の一例を示すものである。この製造装置は、帯状の第1積層光学フィルム原反855のロールR0の巻き戻し機構840と、原反855の切断機構850と、第1積層光学フィルムのロールR1,R2の巻回装置860とを備えている。帯状の第1積層光学フィルムの製造ラインにおいて、スリット工程を行う場合、巻き戻し機構40は不要になる。
【0062】
スリット加工は、スリット前フィルム原反を巻き戻しながら行う方法と、巻き戻さずに行う方法とがあり、いずれも採用できる。また、本実施形態では、帯状の第1積層光学フィルム原反の製造ラインにおいて、その巻回前にスリット加工を行ってもよい。
【0063】
巻き戻し機構840は、ニップローラ857によって生じる張力等により、第1積層光学フィルム原反855をロールR0から巻き戻すものであり、ニップローラ857とロールR0を回転・支持するロール支持部とを備える。このロール支持部には、制動機構、駆動機構、張力制御機構などを設けてもよい。
【0064】
切断機構850は、第1積層光学フィルム原反855の裏面側に設けられた切断テーブル854と、第1積層光学フィルム原反855の上方に設けられたレーザ装置851を備える。レーザの照射位置は固定され、第1積層光学フィルム原反855の連続搬送により切断が進行する。レーザ装置851の代わりに、切断刃等を備えた切断装置を用いることも可能である。その場合、例えば、回転自在な円形の切断刃をスリットの方向に向けて所定間隔で配置し、前記切断刃と支持ロールとの間に第1積層光学フィルム原反855を通過させながら、連続的にスリットを行うことが可能である。
【0065】
切断機構850は、第1積層光学フィルム原反855の幅方向の複数箇所に設けられ(図には単数のみ記載)、スリット幅を変更できるように、第1積層光学フィルム原反855の幅方向に移動して固定できる。例えば、切断機構850を3箇所に設けて、各々の照射位置の2つの間隔を光学セルの短辺と長辺とに対応する幅に設定してもよい。
【0066】
巻回装置860は、スリットされたロールR1,R2を巻回する装置である。巻回装置860は、スリット後のロールの数に合わせて、単数又は複数設けられ、端材を同様に巻回するための巻回装置を更に設けることが好ましい。図示した例では、端材をロールR3に巻回する巻回装置が設けられている。
【0067】
巻回装置860は、例えば、ロールR1,R2の巻回部861,862を備え、これが張力制御可能な回転駆動機構を有している。また、巻回部861,862はロールR1,R2又はその芯材を固定する機能を有する。巻回装置860では、例えば、巻回部861,862より前段に設けたニップローラ857で速度制御しながら、巻回部861,862により一定の速度でスリット後の、帯状の第1積層光学フィルム856を巻回することができる。本実施形態では、1本のロールR0から2本の帯状の第1積層光学フィルム856のロールR1、R2を同時に製造していたが、特にこれに制限されず、1本あるいは3本以上を同時に製造してもよい。
【0068】
上記説明において、帯状の第1積層光学フィルムのロールを製造する形態を説明したが、上記と同様に帯状の第2積層光学フィルムおよび帯状の第3積層光学フィルムのロールを製造でき、光学フィルムロールセットとすることができる。
【0069】
<光学フィルムロールセットを用いた光学表示パネルの製造>
図1及び図2A〜2Cは、上記で製造された光学フィルムロールセットを用いた光学表示パネルの連続製造システムの概略図である。以下、図1及び図2A〜2Cを参照しながら、本実施形態に係る光学表示パネルの連続製造システムを具体的に説明する。
【0070】
なお、本実施形態では、光学セルとして横長長方形の液晶セル、光学表示パネルとして横長長方形の液晶表示パネルを例に挙げて説明する。光学フィルムロールとしては、図1、図2A〜2Cに示すようなものを用いる。すなわち、第1光学フィルムロール1としては、第1キャリアフィルム12上に長手方向に吸収軸を有する帯状の第1偏光フィルム11(第1光学フィルムに相当する)が積層されてなり、液晶セルPの長辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム10が巻回されたものを用いる。第2光学フィルムロール2としては、第2キャリアフィルム22上に幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルム21(第2光学フィルムに相当する)が積層されてなり、液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム20が巻回されたものを用いる。さらに、第3光学フィルムロール3としては、第3キャリアフィルム32上に長手方向に吸収軸を有する帯状の第2偏光フィルム31(第3光学フィルムに相当する)が積層されてなり、液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第3積層光学フィルム30が巻回されたものを用いる。さらに、本実施形態では、帯状の第1偏光フィルム11は、図2Aに示すように、帯状のフィルム本体11aおよび粘着剤11bを有して構成される。帯状の直線偏光分離フィルム21は、図2Bに示すように、帯状のフィルム本体21aおよび粘着剤21bを有して構成される。帯状の第2偏光フィルム31は、図2Cに示すように、帯状のフィルム本体31aおよび粘着剤31bを有して構成される。
【0071】
本実施形態に係る液晶表示パネルの連続製造システム100は、図1に示すように、液晶セルPおよび液晶表示パネルLDを搬送する一連の搬送部Xと、第1光学フィルム供給部101と、第1貼合部81と、第2光学フィルム供給部102と、第2貼合部82と、第3光学フィルム供給部103と、第3貼合部83とを含む。
【0072】
(搬送部)
搬送部Xは、液晶セルPおよび液晶表示パネルLDを搬送する。搬送部Xは、複数の搬送ローラX1および吸着プレート等を有して構成される。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部81と第2貼合部82との間に、液晶セルPの搬送方向に対し、液晶セルPの長辺と短辺との配置関係を入れ替える配置入替部75を含む。
【0073】
(第1光学フィルム供給部)
第1光学フィルム供給部101は、第1光学フィルムロール1から液晶セルPの長辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム10を繰り出し、帯状の第1偏光フィルム11を液晶セルPの短辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた第1偏光フィルム111を第1貼合部81に供給する。本実施形態では、第1光学フィルム供給部101は、第1繰出部101a、第1切断部41、第1張力調整部51、第1剥離部61、第1巻取部71、および複数の搬送ローラ部を有する。
【0074】
第1繰出部101aは、第1光学フィルムロール1が設置される繰出軸を有し、第1光学フィルムロール1から帯状の第1積層光学フィルム10を繰り出す。なお、第1繰出部101aには、2つの繰出軸が備えられていてもよい。これにより、ロール1を新たなロールに交換することなく、他方の繰出軸に設置されたロールのフィルムに速やかに継ぎ合わせることができる。
【0075】
第1切断部41は、切断手段41aおよび吸着手段41bを有して構成され、帯状の第1積層光学フィルム10を液晶セルPの短辺に対応する長さで幅方向にハーフカットする(第1キャリアフィルム12を切断せずに帯状の第1偏光フィルム11を幅方向に切断する)。本実施形態では、第1切断部41は、吸着手段41bを用いて帯状の第1積層光学フィルム10を第1キャリアフィルム12側から吸着固定しながら、切断手段41aを用いて帯状の第1偏光フィルム11(フィルム本体11aおよび粘着剤11b)を幅方向に切断し、第1キャリアフィルム12上に液晶セルPに対応する大きさの第1偏光フィルム111を形成する。なお、切断手段41aとしては、カッター、レーザー装置、それらの組合せなどが挙げられる。
【0076】
第1張力調整部51は、帯状の第1積層光学フィルム10の張力を保持する機能を有する。本実施形態では、第1張力調整部51は、ダンサーロールを有して構成されるが、これに限定されるものではない。
【0077】
第1剥離部61は、第1キャリアフィルム12を内側にして帯状の第1積層光学フィルム10を折り返すことで、第1キャリアフィルム12から第1偏光フィルム111を剥離する。第1剥離部61としては、楔型部材、ローラなどが挙げられる。
【0078】
第1巻取部71は、第1偏光フィルム111が剥離された第1キャリアフィルム12を巻き取る。第1巻取部71は、第1キャリアフィルム12を巻き取るためのロールが設置される巻取軸を有して構成される。
【0079】
(第1貼合部)
第1貼合部81は、搬送部Xによって搬送された液晶セルPをその短辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第1光学フィルム供給部101によって供給された(第1剥離部61によって剥離された)第1偏光フィルム111を液晶セルPの長辺側から第1偏光フィルム111の供給方向(液晶セルPの短辺方向)に沿って液晶セルPの背面側の面Pbに粘着剤11bを介して貼り合わせる。なお、第1貼合部81は、一対の貼合ローラ81a、81bを有して構成され、貼合ローラ81a、81bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0080】
(第2光学フィルム供給部)
第2光学フィルム供給部102は、第2光学フィルムロール2から液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム20を繰り出し、帯状の直線偏光分離フィルム21を液晶セルPの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた直線偏光分離フィルム211を第2貼合部82に供給する。本実施形態では、第2光学フィルム供給部102は、第2繰出部102a、第2切断部42、第2張力調整部52、第2剥離部62、第2巻取部72、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第2繰出部102a、第2切断部42、第2張力調整部52、第2剥離部62、第2巻取部72はそれぞれ第1繰出部101a、第1切断部41、第1張力調整部51、第1剥離部61、第1巻取部71と同様の構成および機能を有する。
【0081】
(第2貼合部)
第2貼合部82は、搬送部Xによって搬送された液晶セルPをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第2光学フィルム供給部102によって供給された(第2剥離部62によって剥離された)直線偏光分離フィルム211を液晶セルPの短辺側から直線偏光分離フィルム211の供給方向(液晶セルPの長辺方向)に沿って液晶セルPの背面側の面Pb上の第1偏光フィルム111に粘着剤21bを介して貼り合わせる。なお、第2貼合部82は、一対の貼合ローラ82a、82bを有して構成され、貼合ローラ82a、82bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0082】
(第3光学フィルム供給部)
第3光学フィルム供給部103は、第3光学フィルムロール3から液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第3積層光学フィルム30を繰り出し、帯状の第2偏光フィルム31を液晶セルPの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた第2偏光フィルム311を第3貼合部83に供給する。本実施形態では、第3光学フィルム供給部103は、第3繰出部103a、第3切断部43、第3張力調整部53、第3剥離部63、第3巻取部73、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第3繰出部103a、第3切断部43、第3張力調整部53、第3剥離部63、第3巻取部73はそれぞれ第1繰出部101a、第1切断部41、第1張力調整部51、第1剥離部61、第1巻取部71と同様の構成および機能を有する。
【0083】
(第3貼合部)
第3貼合部83は、搬送部Xによって搬送された液晶セルPをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第3光学フィルム供給部103によって供給された(第3剥離部63によって剥離された)第2偏光フィルム311を液晶セルPの短辺側から第2偏光フィルム311の供給方向(液晶セルPの長辺方向)に沿って液晶セルPの視認側の面Paに粘着剤31bを介して貼り合わせる。なお、第3貼合部83は、一対の貼合ローラ83a、83bを有して構成され、貼合ローラ83a、83bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0084】
(配置入替部)
本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部81と第2貼合部82との間に、液晶セルPの搬送方向に対し、第1偏光フィルム111が貼り合わされた液晶セルPの長辺と短辺との配置関係を入れ替える配置入替部75を含む。本実施形態では、配置入替部75は、液晶セルPを吸着して90°水平回転させる回転部と、液晶セルPを吸着し、液晶セルPの搬送方向に対して平行または直交するセル面内方向を回転軸にして液晶セルPの表裏を反転させる反転部とを有する。配置入替部75を含むことにより、帯状の第1偏光フィルム10の搬送ラインと帯状の直線偏光分離フィルム20の搬送ラインとを直交させることなく、液晶セルPに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることができるため、装置スペースを削減することができる。
【0085】
本実施形態に係る液晶表示パネルの連続製造システムによれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま液晶セルに対する貼合方向とし、かつ液晶セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることで、液晶セルの背面側の面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。また、第2偏光フィルムもロールから連続的に供給し、ロールからの供給方向をそのまま液晶セルに対する貼合方向とすることで、液晶セルの視認側の面に高速かつ連続的に貼り合わせることができる。それらの結果、第1偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとが液晶セルの背面側の面に適切な配置関係で積層され、液晶セルの視認側の面に第2偏光フィルムが第1偏光フィルムとクロスニコルの関係となるように貼り合わされた光利用効率の高い液晶表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。また、本実施形態では、第1偏光フィルム、直線偏光分離フィルムおよび第2偏光フィルムの供給方向が互いに平行になるように、第1光学フィルム供給部、第2光学フィルム供給部および第3光学フィルム供給部が配置されているため、装置の占有スペースを削減することができる。
【0086】
(実施形態1の変形例)
本実施形態では、第1貼合部、第2貼合部および第3貼合部は、搬送部Xによる液晶セルPの搬送方向に沿ってこの順に並んでいるが、第1貼合部、第2貼合部、第3貼合部の順序は、第1貼合部、第2貼合部がこの順に並んでいる限り、これに限定されない。例えば、搬送部Xによる液晶セルPの搬送方向に沿って、第1貼合部、第3貼合部、第2貼合部がこの順に並んでいてもよく、第3貼合部、第1貼合部、第2貼合部がこの順に並んでいてもよい。
【0087】
本実施形態では、第1貼合部、第2貼合部および第3貼合部は、第1偏光フィルム、直線偏光分離フィルムを液晶セルの下側から貼り合わせ、第2偏光フィルムを液晶セルの上側から貼り合わせるが、これに限定されない。いずれか2枚を液晶セルの上側から貼り合わせ、残り1枚を液晶セルの下側から貼り合わせてもよく、すべてを液晶セルの上側または下側から貼り合わせてもよい。
【0088】
本実施形態では、第3光学フィルム供給部は、第1偏光フィルムおよび直線偏光分離フィルムと同様、第3光学フィルムロールから第2偏光フィルムを供給するが、この構成に限定されない。第3光学フィルム供給部は、枚葉状態の第2偏光フィルムが収容された容器から第2偏光フィルムを取り出して供給するものであってもよい。例えば、第3光学フィルム供給部は、枚葉状態の第2積層光学フィルムが収容された容器から第2積層光学フィルムを取り出して搬送する移動部と、前記移動部によって搬送される第2積層光学フィルムから枚葉状態のキャリアフィルムを剥離する剥離部とを有し、前記剥離部によって枚葉状態のキャリアフィルムが剥離された第2偏光フィルムを前記移動部が供給するものであってもよい。このような第3光学フィルム供給部は、第2偏光フィルムが、RTP方式で液晶セルに貼り合せるのに適していないまたは貼り合わせことができない偏光フィルムである場合などに好適である。
【0089】
図3A〜3Fに、第1、第2、第3貼合工程の順序、および各貼合工程における光学フィルムの貼付方向の例を示す。なお、本実施形態は図3A〜3Fの順序、貼付方向、光学フィルムの種類に制限されない。
【0090】
図3Aでは、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って(すなわち液晶セルの短辺側から)貼り付け(ステップS1)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って(すなわち液晶セルの短辺側から)貼り付け(ステップS2)、次いで、直線偏光分離フィルム(反射偏光フィルム)を液晶セルの背面側のMD偏光フィルムの上に、液晶セルの長辺方向に沿って(すなわち液晶セルの短辺側から)貼り付ける(ステップS3)。
【0091】
図3Bでは、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS11)、次いで、直線偏光分離フィルム(反射偏光フィルム)を液晶セルの背面側のMD偏光フィルムの上に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付け(ステップS12)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付ける(ステップS13)。
【0092】
図3Cでは、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付け(ステップS21)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS22)、次いで、直線偏光分離フィルム(反射偏光フィルム)を液晶セルの背面側のMD偏光フィルムの上に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付ける(ステップS23)。
【0093】
図3Dでは、位相差フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS31)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付け(ステップS32)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側の位相差フィルムの上に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付ける(ステップS33)。
【0094】
図3Eでは、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付け(ステップS41)、次いで、位相差フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS42)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側の位相差フィルムの上に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付ける(ステップS43)。
【0095】
図3Fでは、位相差フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS51)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側の位相差フィルムの上に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS52)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付ける(ステップS53)。
【0096】
なお、液晶セルの視認側と背面側とのそれぞれの偏光フィルムの吸収軸が直交(クロスニコル)していればよく、視認側のMD偏光フィルムを液晶セルの長辺方向に沿って貼り付けることに制限されず、短辺方向に沿って貼り付けてもよく、それに応じて、背面側のMD偏光フィルムを液晶セルの長辺方向に沿って貼り付けてもよい。また、MD偏光フィルムに限定されず、TD偏光フィルムを用いることもできる。
【0097】
<実施形態2>
実施形態2の光学フィルムロールセットは、第1光学フィルムロールと第2光学フィルムロールとで構成されている。図4、図5A〜5Bに示すように、第1光学フィルムロール4としては、第1キャリアフィルム412上に長手方向に遅相軸を有する帯状のλ/4位相差フィルムと長手方向に対して67.5度の角度をなす方向に遅相軸を有する帯状のλ/2位相差フィルムとをこの順に積層した帯状の位相差フィルム411(第1光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの長辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム410が巻回されたものを用いる。第2光学フィルムロール5としては、第2キャリアフィルム522上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム521(第2光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム520が巻回されたものを用いる。さらに、本実施形態では、帯状の位相差フィルム411は、図5Aに示すように、帯状のフィルム本体411aおよび粘着剤411bを有して構成される。帯状の偏光フィルム521は、図5Bに示すように、帯状のフィルム本体521aおよび粘着剤521bを有して構成される。
【0098】
図4及び図5A〜5Bは、実施形態2に係る有機EL表示パネルの連続製造システムの概略図である。以下、図4及び図5A〜5Bを参照しながら、本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システム400を具体的に説明する。
【0099】
なお、本実施形態では、光学セルとして横長長方形の有機ELセル、光学表示パネルとして横長長方形の有機EL表示パネルを例に挙げて説明する。
【0100】
本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システム400は、図4に示すように、有機ELセルELおよび有機EL表示パネルOELを搬送する一連の搬送部Xと、第1光学フィルム供給部401と、第1貼合部481と、第2光学フィルム供給部402と、第2貼合部482とを含む。
【0101】
(搬送部)
搬送部Xは、有機ELセルELおよび有機EL表示パネルOELを搬送する。搬送部Xは、複数の搬送ローラX1および吸着プレート等を有して構成される。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部481と第2貼合部482との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、位相差フィルム4111が貼り合わされた有機ELセルELの長辺と短辺との配置関係を入れ替える配置入替部575を含む。
【0102】
(第1光学フィルム供給部)
第1光学フィルム供給部401は、第1光学フィルムロール4から有機ELセルELの長辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム410を繰り出し、帯状の位相差フィルム411を有機ELセルELの短辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた位相差フィルム4111を第1貼合部81に供給する。本実施形態では、第1光学フィルム供給部401は、第1繰出部401a、第1切断部441、第1張力調整部451、第1剥離部461、第1巻取部471、および複数の搬送ローラ部を有する。
【0103】
第1繰出部401aは、第1光学フィルムロール4が設置される繰出軸を有し、第1光学フィルムロール4から帯状の第1積層光学フィルム410を繰り出す。なお、第1繰出部401aには、2つの繰出軸が備えられていてもよい。これにより、ロール4を新たなロールに交換することなく、他方の繰出軸に設置されたロールのフィルムに速やかに継ぎ合わせることができる。
【0104】
第1切断部441は、切断手段441aおよび吸着手段441bを有して構成され、帯状の第1積層光学フィルム410を有機ELセルELの短辺に対応する長さで幅方向にハーフカットする(第1キャリアフィルム412を切断せずに帯状の位相差フィルム411を幅方向に切断する)。本実施形態では、第1切断部441は、吸着手段441bを用いて帯状の第1積層光学フィルム410を第1キャリアフィルム412側から吸着固定しながら、切断手段441aを用いて帯状の位相差フィルム411(フィルム本体411aおよび粘着剤411b)を幅方向に切断し、第1キャリアフィルム412上に有機ELセルELに対応する大きさの位相差フィルム4111を形成する。なお、切断手段441aとしては、カッター、レーザー装置、それらの組合せなどが挙げられる。
【0105】
第1張力調整部451は、帯状の第1積層光学フィルム410の張力を保持する機能を有する。本実施形態では、第1張力調整部451は、ダンサーロールを有して構成されるが、これに限定されるものではない。
【0106】
第1剥離部461は、第1キャリアフィルム412を内側にして帯状の第1積層光学フィルム410を折り返すことで、第1キャリアフィルム412から位相差フィルム4111を剥離する。第1剥離部461としては、楔型部材、ローラなどが挙げられる。
【0107】
第1巻取部471は、位相差フィルム4111が剥離された第1キャリアフィルム412を巻き取る。第1巻取部471は、第1キャリアフィルム412を巻き取るためのロールが設置される巻取軸を有して構成される。
【0108】
(第1貼合部)
第1貼合部481は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその短辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第1光学フィルム供給部401によって供給された(第1剥離部461によって剥離された)位相差フィルム4111を有機ELセルELの長辺側から位相差フィルム4111の供給方向(有機ELセルELの短辺方向)に沿って有機ELセルELの視認側の面ELbに粘着剤411bを介して貼り合わせる。なお、第1貼合部481は、一対の貼合ローラ481a、481bを有して構成され、貼合ローラ481a、481bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0109】
(第2光学フィルム供給部)
第2光学フィルム供給部402は、第2光学フィルムロール5から有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム520を繰り出し、帯状の偏光フィルム521を有機ELセルELの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた偏光フィルム5211を第2貼合部482に供給する。本実施形態では、第2光学フィルム供給部402は、第2繰出部402a、第2切断部442、第2張力調整部452、第2剥離部462、第2巻取部472、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第2繰出部402a、第2切断部442、第2張力調整部452、第2剥離部462、第2巻取部472はそれぞれ第1繰出部401a、第1切断部441、第1張力調整部451、第1剥離部461、第1巻取部471と同様の構成および機能を有する。
【0110】
(第2貼合部)
第2貼合部482は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第2光学フィルム供給部402によって供給された(第2剥離部462によって剥離された)偏光フィルム5211を有機ELセルELの短辺側から偏光フィルム5211の供給方向(有機ELセルELの長辺方向)に沿って有機ELセルELの視認側の面ELb上の位相差フィルム4111に粘着剤521bを介して貼り合わせる。なお、第2貼合部482は、一対の貼合ローラ482a、482bを有して構成され、貼合ローラ482a、482bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0111】
(配置入替部)
本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部481と第2貼合部482との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、位相差フィルム4111が貼り合わされた有機ELセルELの長辺と短辺との配置関係を入れ替える配置入替部475を含む。本実施形態では、配置入替部475は、有機ELセルELを吸着して90°水平回転させる回転部を有する。配置入替部475を含むことにより、帯状の位相差フィルム411の搬送ラインと帯状の偏光フィルム521の搬送ラインとを直交させることなく、有機ELセルELに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることができるため、装置スペースを削減することができる。
【0112】
本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システムによれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない位相差フィルムと偏光フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま有機ELセルに対する貼合方向とし、かつ有機ELセルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることで、有機ELセルの視認側の面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、位相差フィルムと偏光フィルムとが適切な配置関係で重ねられてなる円偏光フィルムによって反射防止機能が付与された有機EL表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。また、本実施形態では、位相差フィルムおよび偏光フィルムの供給方向が互いに平行になるように、第1光学フィルム供給部および第2光学フィルム供給部が配置されているため、装置の占有スペースを削減することができる。
【0113】
(実施形態2の変形例)
本実施形態では、第1貼合部および第2貼合部は、位相差フィルム4111および偏光フィルム5211を有機ELセルの下側から貼り合わせるが、これに限定されない。第1貼合部および第2貼合部は、いずれか1枚を有機ELセルの上側から貼り合わせ、残り1枚を有機ELセルの下側から貼り合わせてもよく、2枚とも有機ELセルの上側から貼り合わせてもよい。
【0114】
<実施形態3>
実施形態3の光学フィルムロールセットは、第1光学フィルムロールと第2光学フィルムロールと第4光学フィルムロールとで構成されている。図6、図7A〜7Cに示すように、第1光学フィルムロール7としては、第1キャリアフィルム712上に幅方向に遅相軸を有する帯状のλ/4位相差フィルム711(第1光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム710が巻回されたものを用いる。また、第2光学フィルムロール8としては、第2キャリアフィルム822上に長手方向に対して67.5度の角度をなす方向に遅相軸を有する帯状のλ/2位相差フィルム821(第2光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの長辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム820が巻回されたものを用いる。さらに、第4光学フィルムロール9としては、第4キャリアフィルム932上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム931(第4光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第4積層光学フィルム930が巻回されたものを用いる。本実施形態では、帯状のλ/4位相差フィルム711は、図7Aに示すように、帯状のフィルム本体711aおよび粘着剤711bを有して構成される。帯状のλ/2位相差フィルム821は、図7Bに示すように、帯状のフィルム本体821aおよび粘着剤821bを有して構成される。帯状の偏光フィルム931は、図7Cに示すように、帯状のフィルム本体931aおよび粘着剤931bを有して構成される。
【0115】
図6及び図7A〜7Cは、実施形態3に係る有機EL表示パネルの連続製造システムの概略図である。以下、図6及び図7A〜7Cを参照しながら、本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システム600を具体的に説明する。
【0116】
なお、本実施形態では、光学セルとして横長長方形の有機ELセル、光学表示パネルとして横長長方形の有機EL表示パネルを例に挙げて説明する。
【0117】
本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システム600は、図6に示すように、有機ELセルELおよび有機EL表示パネルOELを搬送する一連の搬送部Xと、第1光学フィルム供給部601と、第1貼合部681と、第2光学フィルム供給部602と、第2貼合部682と、第4光学フィルム供給部603と、第4貼合部683とを含む。
【0118】
(搬送部)
搬送部Xは、有機ELセルELおよび有機EL表示パネルOELを搬送する。搬送部Xは、複数の搬送ローラX1および吸着プレート等を有して構成される。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部681と第2貼合部682との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、λ/4位相差フィルム7111が貼り合わされた有機ELセルELの短辺と長辺との配置関係を入れ替える第1配置入替部675を含む。また、搬送部Xは、第2貼合部682と第4貼合部683との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、λ/4位相差フィルム7111およびその上にλ/2位相差フィルム8211が貼り合わされた有機ELセルELの短辺と長辺との配置関係を入れ替える第2配置入替部676を含む。
【0119】
(第1光学フィルム供給部)
第1光学フィルム供給部601は、第1光学フィルムロール7から有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム710を繰り出し、帯状のλ/4位相差フィルム711を有機ELセルELの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られたλ/4位相差フィルム7111を第1貼合部661に供給する。本実施形態では、第1光学フィルム供給部601は、第1繰出部601a、第1切断部641、第1張力調整部651、第1剥離部661、第1巻取部671、および複数の搬送ローラ部を有する。
【0120】
第1繰出部601aは、第1光学フィルムロール7が設置される繰出軸を有し、第1光学フィルムロール7から帯状の第1積層光学フィルム710を繰り出す。なお、第1繰出部601aには、2つの繰出軸が備えられていてもよい。これにより、ロール7を新たなロールに交換することなく、他方の繰出軸に設置されたロールのフィルムに速やかに継ぎ合わせることができる。
【0121】
第1切断部641は、切断手段641aおよび吸着手段641bを有して構成され、帯状の第1積層光学フィルム710を有機ELセルELの長辺に対応する長さで幅方向にハーフカットする(第1キャリアフィルム712を切断せずに帯状のλ/4位相差フィルム711を幅方向に切断する)。本実施形態では、第1切断部641は、吸着手段641bを用いて帯状の第1積層光学フィルム710を第1キャリアフィルム712側から吸着固定しながら、切断手段641aを用いて帯状のλ/4位相差フィルム711(フィルム本体711aおよび粘着剤711b)を幅方向に切断し、第1キャリアフィルム712上に有機ELセルELに対応する大きさのλ/4位相差フィルム7111を形成する。なお、切断手段641aとしては、カッター、レーザー装置、それらの組合せなどが挙げられる。
【0122】
第1張力調整部651は、帯状の第1積層光学フィルム710の張力を保持する機能を有する。本実施形態では、第1張力調整部651は、ダンサーロールを有して構成されるが、これに限定されるものではない。
【0123】
第1剥離部661は、第1キャリアフィルム712を内側にして帯状の第1積層光学フィルム710を折り返すことで、第1キャリアフィルム712からλ/4位相差フィルム7111を剥離する。第1剥離部661としては、楔型部材、ローラなどが挙げられる。
【0124】
第1巻取部671は、λ/4位相差フィルム7111が剥離された第1キャリアフィルム712を巻き取る。第1巻取部671は、第1キャリアフィルム712を巻き取るためのロールが設置される巻取軸を有して構成される。
【0125】
(第1貼合部)
第1貼合部681は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第1光学フィルム供給部601によって供給された(第1剥離部661によって剥離された)λ/4位相差フィルム7111を有機ELセルELの短辺側からλ/4位相差フィルム7111の供給方向(有機ELセルELの長辺方向)に沿って有機ELセルELの視認側の面ELbに粘着剤711bを介して貼り合わせる。なお、第1貼合部681は、一対の貼合ローラ681a、681bを有して構成され、貼合ローラ681a、681bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0126】
(第2光学フィルム供給部)
第2光学フィルム供給部602は、第2光学フィルムロール8から有機ELセルELの長辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム820を繰り出し、帯状のλ/2位相差フィルム821aを有機ELセルELの短辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られたλ/2位相差フィルム8211を第2貼合部682に供給する。本実施形態では、第2光学フィルム供給部602は、第2繰出部602a、第2切断部642、第2張力調整部652、第2剥離部662、第2巻取部672、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第2繰出部602a、第2切断部642、第2張力調整部652、第2剥離部662、第2巻取部672はそれぞれ第1繰出部601a、第1切断部641、第1張力調整部651、第1剥離部661、第1巻取部671と同様の構成および機能を有する。
【0127】
(第2貼合部)
第2貼合部682は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその短辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第2光学フィルム供給部602によって供給された(第2剥離部662によって剥離された)λ/2位相差フィルム8211を有機ELセルELの長辺側からλ/2位相差フィルム8211の供給方向(有機ELセルELの短辺方向)に沿って有機ELセルELの視認側の面ELb上のλ/4位相差フィルム7111に粘着剤821bを介して貼り合わせる。なお、第2貼合部682は、一対の貼合ローラ682a、682bを有して構成され、貼合ローラ682a、682bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0128】
(第1配置入替部)
本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部681と第2貼合部682との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、λ/4位相差フィルム711aが貼り合わされた有機ELセルELの短辺と長辺との配置関係を入れ替える第1配置入替部675を含む。本実施形態では、第1配置入替部675は、有機ELセルELを吸着して90°水平回転させる回転部を有する。第1配置入替部675を含むことにより、帯状のλ/4位相差フィルムの搬送ラインと帯状のλ/2位相差フィルムの搬送ラインとを直交させることなく、有機ELセルELに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることができるため、装置スペースを削減することができる。
【0129】
(第4光学フィルム供給部)
第4光学フィルム供給部603は、第4光学フィルムロール9から有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第4積層光学フィルム920を繰り出し、帯状の偏光フィルム931aを有機ELセルELの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた偏光フィルム9311を第4貼合部683に連続的に供給する。本実施形態では、第4光学フィルム供給部603は、第4繰出部603a、第4切断部643、第4張力調整部653、第3剥離部663、第4巻取部673、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第4繰出部603a、第4切断部643、第4張力調整部653、第4剥離部663、第4巻取部673はそれぞれ第1繰出部601a、第1切断部641、第1張力調整部651、第1剥離部661、第1巻取部671と同様の構成および機能を有する。
【0130】
(第4貼合部)
第4貼合部683は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第4光学フィルム供給部603によって供給された(第4剥離部663によって剥離された)偏光フィルム9311を有機ELセルELの短辺側から偏光フィルム9311の供給方向(有機ELセルELの長辺方向)に沿って有機ELセルELの背面側の面ELb上のλ/2位相差フィルム8211に粘着剤931bを介して貼り合わせる。なお、第3貼合部683は、一対の貼合ローラ683a、683bを有して構成され、貼合ローラ683a、683bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0131】
(第2配置入替部)
本実施形態では、搬送部Xは、第2貼合部682と第4貼合部683との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、λ/4位相差フィルム7111およびλ/2位相差フィルム8211が貼り合わされた有機ELセルELの短辺と長辺との配置関係を入れ替える第2配置入替部676を含む。本実施形態では、第2配置入替部676は、有機ELセルELを吸着して90°水平回転させる回転部を有する。第2配置入替部676を含むことにより、帯状のλ/2位相差フィルムの搬送ラインと帯状の偏光フィルムの搬送ラインとを直交させることなく、有機ELセルELに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることができるため、装置スペースを削減することができる。
【0132】
本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システムによれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できないλ/4位相差フィルムとλ/2位相差フィルムと偏光フィルムを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま有機ELセルに対する貼合方向とし、かつ有機ELセルに対する貼合方向をλ/4位相差フィルムとλ/2位相差フィルム、および、λ/2位相差フィルムと偏光フィルムとでそれぞれ相対的に互いに直交させることで、有機ELセルの視認側の面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、λ/4位相差フィルムとλ/2位相差フィルムと偏光フィルムとが適切な配置関係で重ねられてなる円偏光フィルムによって反射防止機能が付与された有機EL表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。また、本実施形態では、λ/4位相差フィルム、λ/2位相差フィルムおよび偏光フィルムの供給方向が互いに平行になるように、第1光学フィルム供給部、第2光学フィルム供給部および第4光学フィルム供給部が配置されているため、装置の占有スペースを削減することができる。
【0133】
(実施形態3の変形例)
本実施形態では、第1貼合部、第2貼合部および第4貼合部は、λ/4位相差フィルム、λ/2位相差フィルムおよび偏光フィルムを有機ELセルの下側から貼り合わせるが、これに限定されない。いずれか2枚を有機ELセルの上側から貼り合わせ、残り1枚を有機ELセルの下側から貼り合わせてもよく、いずれか2枚を有機ELセルの下側から貼り合わせ、残り1枚を有機ELセルの上側から貼り合わせてもよく、すべてを有機ELセルの上側から貼り合わせてもよい。
【0134】
(実施形態1〜3に共通する変形例)
実施形態1〜3では、光学フィルムロールとして、キャリアフィルム上に帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の積層光学フィルムが巻回されたものを用いるが、光学フィルムロールの構成はこれに限定されない。例えば、キャリアフィルム上に複数の切込線が幅方向に形成された帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の積層光学フィルムが巻回されたもの(切り目入りの光学フィルムロール)を適宜用いてもよい。なお、切り目入りの光学フィルムロールから光学フィルムを供給する光学フィルム供給部において、切断部は不要となる。
【0135】
実施形態1〜3では、各光学フィルム供給部は、帯状の積層光学フィルムを幅方向にハーフカット(キャリアフィルムを切断せずに帯状の光学フィルムを幅方向に切断)し、キャリアフィルムから光学フィルムを剥離することで、光学フィルムを供給するが、この構成に限定されない。例えば、各光学フィルム供給部は、帯状の積層光学フィルムを幅方向にフルカット(キャリアフィルムおよび帯状の光学フィルムを幅方向に切断)し、枚葉状態の積層光学フィルムから枚葉状態のキャリアフィルムを剥離することで、光学フィルムを供給するものであってもよい。ただし、光学フィルムロールから光学フィルムを高速連続的に供給し、光学表示パネルの高速生産性を向上させる観点からは、各光学フィルム供給部は、実施形態1〜3のような構成が特に好ましい。
【0136】
実施形態1〜3では、切断部は、帯状の光学フィルムを幅方向に切断し、キャリアフィルム上に光学セルに対応する大きさの光学フィルムを形成していたが、歩留りを向上させる観点からは、帯状の光学フィルムの欠点部分を避けるように帯状の光学フィルムを幅方向に切断(スキップカット)して、キャリアフィルム上に光学セルに対応する大きさの光学フィルム(光学セルに貼り合わせられる良品の光学フィルム)を形成する他、欠点部分を含む光学フィルムを光学セルよりも小さいサイズで(より好ましくは、可能なかぎり小さいサイズで)形成してもよい。叙上の如く、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない光学フィルムを用いる場合、一方の長尺の光学フィルム(例えば偏光フィルム)に他方の光学フィルム(例えば直線偏光分離フィルム)を積層すると、一方の長尺の光学フィルムにおいて他方の光学フィルムが積層されない部分(境目領域)が必然的にかつ規則的に生じる。そのため、そのようにして形成した積層光学フィルムを幅方向にスキップカットしたとしても、積層光学フィルムに規則的に存在する境目領域は欠点部分とならざるを得ず、歩留りを向上し難い。一方、本発明のように、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1光学フィルム(例えば偏光フィルム)と第2光学フィルム(例えば直線偏光分離フィルム)を各々ロールから連続的に供給して光学セルに貼り合わせる構成であれば、各々の光学フィルムの供給部が、帯状の光学フィルムを幅方向にスキップカットすることで得られた光学フィルムを光学フィルムロールから供給する構成とすることで、歩留りを効果的に向上させることができる。なお、第1切断部は、帯状の第1光学フィルムの欠点部分を避けるように帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断(スキップカット)するように構成し、第2切断部は、帯状の第2光学フィルムを幅方向に光学セルに対応する長さで一定に切断するように構成するなど、適宜組み合わせることもできる。本発明においては、各々の光学フィルムロールとして、キャリアフィルム上に複数の切込線が欠点部分を避けるように幅方向に形成された帯状の光学フィルムが積層され、キャリアフィルム上に光学セルに対応する大きさの光学フィルム(光学セルに貼り合わせられる良品の光学フィルム)の他、欠点部分を含む光学フィルムを光学セルよりも小さいサイズで(より好ましくは、可能なかぎり小さいサイズで)形成されてなる帯状の積層光学フィルムが巻回されたもの(切り目入りの光学フィルムロール)を用いることによっても、同様に歩留りを効果的に向上させることができる。なお、欠点部分を含む光学フィルムは、キャリアフィルムから剥離して排出する、またはキャリアフィルムと共に巻取部に巻き取るなどして、光学セルに貼り合わされないようにすることが好ましい。切り目入りの光学フィルムロールを用いる場合や、帯状の積層光学フィルムを幅方向にフルカットを用いる場合についても、同様である。
【0137】
実施形態1〜3では、横長長方形の光学セルおよび光学表示パネルを例に挙げて説明したが、光学セルおよび光学表示パネルの形状は、対向するもう一組の辺と対向するもう一組の辺とを有する形状である限り、特に限定されない。
【符号の説明】
【0138】
R1、R2、1、2、3、4、5、7、8、9 光学フィルムロール
101、102、103、401、402、601、602、603 光学フィルム供給部
81、82、83、481、482、681、682、683 貼合部
P 液晶セル
LD 液晶表示パネル
EL 有機ELセル
OEL 有機EL表示パネル
X 搬送部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルムロールセットおよび光学フィルムロールセットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第1光学フィルムロールから長手方向に吸収軸を有する帯状の第1偏光フィルムを繰り出し、前記帯状の第1偏光フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1偏光フィルムを前記液晶セルの背面側の面に貼り合わせ、第2光学フィルムロールから長手方向に吸収軸を有する帯状の第2偏光フィルムを繰り出し、前記帯状の第2偏光フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第2偏光フィルムを前記液晶セルの視認側の面に貼り合わせる液晶表示パネルの連続製造方法(いわゆるRoll to Panel(RTP)システム)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このRTPシステムによれば、液晶表示パネルを高速に連続生産することができる。
【0003】
ところで、光利用効率の高い液晶表示パネルとして、液晶セルの視認側の面に偏光フィルムを含む第1光学フィルムが貼り合わされ、液晶セルの背面側の面に偏光フィルムおよび直線偏光分離フィルムがこの順に積層された第2光学フィルムが貼り合わされた液晶表示パネルが開示されている(例えば、特許文献2参照)。このような液晶表示パネルも高速に連続生産することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4406043号
【特許文献2】特開2002−196141号公報
【特許文献3】特開2004−250213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、通常、偏光フィルムと直線偏光分離フィルムの透過軸は互いに直交する。すなわち、通常、偏光フィルムは長手方向に吸収軸を有し、直線偏光分離フィルムは幅方向に反射軸を有する。そのため、このような偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとをRoll to Roll方式などで帯状フィルムの状態で連続的に積層することはできず、RTPシステム用の光学フィルムロールを製造することはできない。
【0006】
例えば、特許文献3に記載されている方法を参照し、偏光フィルムロールから繰り出された帯状の偏光フィルムに、所定サイズに切断された直線偏光分離フィルムを積層した後、そのまま枚葉切断することなく巻回することで光学フィルムロールを製造し、RTPシステムに供することも考えられなくもない。しかしながら、この場合、図9に示すように、帯状の偏光フィルム901において直線偏光分離フィルム902が積層されない部分(境目領域)Fが一定の面積を持って必然的に生じるなどするため、歩留りが大幅に低下せざるを得ない。逆に、そのような境目領域Fができる限り生じないように高精度に貼り合わせようとすると、タクトを大きく犠牲にする。また、帯状の偏光フィルム901に直線偏光分離フィルム902を積層する際、直線偏光分離フィルム902の供給方向と帯状の偏光フィルム901への貼合方向とが直交するため、供給された直線偏光分離フィルム902をそのまま円滑に帯状の偏光フィルム901に貼り合わせることができず、高速生産性の面でも課題がある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない光学フィルムが光学セルの一方面に積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる光学フィルムロールセットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、各々フィルムを供給し、各々フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、
前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、
前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む。
【0009】
この構成によれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま光学セルに対する貼合方向とし、かつ光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させることで、光学セルの背面側の面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、第1偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとが光学セルの背面側の面に適切な配置関係で積層されてなる光利用効率の高い光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0010】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムが積層された状態で巻回されており、および/または前記帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムが積層された状態で巻回されている。
【0011】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の直線偏光分離フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0012】
上記発明の一実施形態として、前記光学セルが、VAモードまたはIPSモードの液晶セルである。
【0013】
本発明は、高コントラストのVAモードまたはIPSモードの液晶表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産するのに特に好適である。
【0014】
また、他の本発明は、上記の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、を含む。
【0015】
本発明の製造方法は、本発明の光学フィルムロールセットを製造するのに好適である。
【0016】
また、他の本発明は、上記光学フィルムロールセット、または上記製造方法で製造された光学フィルムロールセットと、
フィルムを供給し、当該フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、当該光学フィルムロールセットの光学フィルムロールを用いて各々フィルムが積層される光学セルの他方面に当該フィルムを積層するのに用いられる光学フィルムロールであって、前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第3積層光学フィルムが巻回されてなる第3光学フィルムロールと、を含む、少なくとも3個のロールを含む光学フィルムロールセットである。
【0017】
この構成によれば、視認側の偏光フィルムと背面側の偏光フィルムの吸収軸が互いに直交する高コントラストの光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0018】
また、他の本発明は、各々フィルムを供給し、光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、
前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第1光学フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、
前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第2光学フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む。
【0019】
この構成によれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1光学フィルムと第2光学フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま光学セルに対する貼合方向とし、かつ光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることで、光学セルの一方面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、第1光学フィルムと第2光学フィルムとが光学セルの一方面に適切な配置関係で積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0020】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1光学フィルムと前記帯状の第2光学フィルムとは、光学的機能を共通にするフィルムを含まない。
【0021】
この構成によれば、第1光学フィルムロールおよび第2光学フィルムロールから光学的機能を共通にしないフィルムを各々供給し、光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させながら光学セルの一方面に積層することで、光学セルの一方面に一体となって複合的な光学的機能を形成することができる。
【0022】
光学的機能としては、偏光機能、直線偏光分離機能、円偏光分離機能、λ/4の位相差付与機能、λ/2の位相差付与機能などが挙げられる。よって、本明細書において、「光学的機能を共通にするフィルムを含まない」とは、例えば、一方の帯状の光学フィルムが偏光機能を有するフィルムである場合には、他方の帯状の光学フィルムが偏光機能を有するフィルムを含まず、かつ偏光機能とは異なる光学的機能(直線偏光分離機能など)を有するフィルムを含むことを意味する。
【0023】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に前記帯状の第1光学フィルムが積層された状態で巻回されており、および/または前記帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に前記帯状の第2光学フィルムが積層された状態で巻回されている。
【0024】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されており、および/または前記帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の第2光学フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0025】
上記発明の一実施形態として、フィルムを供給し、当該フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールであって、前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第3光学フィルムを含む帯状の第4積層光学フィルムが巻回されてなる第4光学フィルムロールをさらに含む。
【0026】
この構成によれば、第1光学フィルムと第2光学フィルムと第4光学フィルムとが光学セルの一方面に適切な配置関係で積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0027】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第1光学フィルムと前記帯状の第2光学フィルムと前記帯状の第4光学フィルムとは、光学的機能を共通にするフィルムを含まない。
【0028】
この構成によれば、第1光学フィルムロール、第2光学フィルムロールおよび第4光学フィルムロールから光学的機能を共通にしないフィルムを各々供給し、光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させながら光学セルの一方面に積層することで、光学セルの一方面に一体となって複合的な光学的機能を形成することができる。
【0029】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第4積層光学フィルムは、第4キャリアフィルム上に前記帯状の第4光学フィルムが積層された状態で巻回されている。
【0030】
上記発明の一実施形態として、前記帯状の第4積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0031】
上記発明の一実施形態として、前記光学セルが、VAモードもしくはIPSモードの液晶セル、または有機ELセルである。
【0032】
本発明は、高コントラストのVAモードまたはIPSモードの光学表示パネルまたは有機ELパネルを高歩留りかつ高速に連続生産するのに特に好適である。
【0033】
また、他の本発明は、上記の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第2光学フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、を含む。
【0034】
本発明の製造方法は、本発明の光学フィルムロールセットを製造するのに好適である。
【0035】
また、他の本発明は、上記の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第2光学フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第4光学フィルム原反を含む帯状の第4積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第4積層光学フィルムを巻回する工程と、
を含む。
【0036】
本発明の製造方法は、本発明の光学フィルムロールセットを製造するのに好適である。
【0037】
上記光学フィルムロールセットの一実施形態として、前記帯状の第1光学フィルムが、長手方向に遅相軸を有する帯状のλ/4位相差フィルムと長手方向に対して67.5度の角度をなす方向に遅相軸を有する帯状のλ/2位相差フィルムとを積層した帯状の位相差フィルムであり、
前記帯状の第2光学フィルムが、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムである。
【0038】
また、上記光学フィルムロールセットの一実施形態として、前記帯状の第1光学フィルムが、幅方向に遅相軸を有する帯状のλ/4位相差フィルムであり、
前記帯状の第2光学フィルムが、長手方向に対して67.5度の角度をなす方向に遅相軸を有する帯状のλ/2位相差フィルムであり、前記帯状の第4光学フィルムが、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムである。
【0039】
また、他の本発明は、上記の光学フィルムロールセットを用いて、光学セルの一方面に第1光学フィルムと第2光学フィルムとがこの順に積層された光学表示パネルを連続的に製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを第1光学フィルムロールから供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合工程と、
帯状の第2光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第2光学フィルムを第2光学フィルムロールから供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記第2光学フィルムを前記光学セルの一方面に貼り合わされた前記第1光学フィルム上に、前記光学セルの対向するもう一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って貼り合わせる第2貼合工程とを含む。
【0040】
この構成によれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1光学フィルムと第2光学フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま光学セルに対する貼合方向とし、かつ光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させることで、光学セルの一方面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、第1光学フィルムと第2光学フィルムとが光学セルの一方面に適切な配置関係で積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0041】
また、他の本発明は、上記光学フィルムロールセットを用いて、光学セルの一方面に第1光学フィルムと第2光学フィルムとがこの順に積層された光学表示パネルを連続的に製造するシステムであって、
前記光学セルおよび前記光学表示パネルを搬送する一連の搬送部と、
帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを第1光学フィルムロールから供給する第1光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された前記光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルム供給部によって供給された前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合部と、
帯状の第2光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第2光学フィルムを第2光学フィルムロールから供給する第2光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された前記光学セルを搬送しながら、前記第2光学フィルム供給部によって供給された前記第2光学フィルムを前記光学セルの一方面に貼り合わされた前記第1光学フィルム上に、前記光学セルの対向するもう一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って貼り合わせる第2貼合部とを含む。
【0042】
この構成によれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1光学フィルムと第2光学フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま光学セルに対する貼合方向とし、かつ光学セルに対する貼合方向を相対的に直交させることで、光学セルの一方面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、第1光学フィルムと第2光学フィルムとが光学セルの一方面に適切な配置関係で積層されてなる光学表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。
【0043】
光学セルの形状は、対向する一組の辺と対向するもう一組の辺とを有する形状である限り、正方形であってもよく、長方形であってもよく、特に制限されない。なお、通常、光学セルの対向する一組の辺と対向するもう一組の辺とは互いに直交する。
【0044】
光学表示パネルおよび光学セルの形状は、一般的に、横長長方形である。この場合、通常、帯状の第1偏光フィルムは、光学セルの長辺に対応する幅を有し、帯状の直線偏光分離フィルムは、光学セルの短辺に対応する幅を有し、帯状の第2偏光フィルムは、光学セルの短辺に対応する幅を有する。
【0045】
光学表示パネルおよび光学セルの形状は、縦長長方形であってもよい。この場合、通常、帯状の第1偏光フィルムは、光学セルの短辺に対応する幅を有し、帯状の直線偏光分離フィルムは、光学セルの長辺に対応する幅を有し、帯状の第2偏光フィルムは、光学セルの長辺に対応する幅を有する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施形態1の光学表示パネルの連続製造システムの概略図
【図2A】実施形態1の第1貼合部を示す図
【図2B】実施形態1の第2貼合部を示す図
【図2C】実施形態1の第3貼合部を示す図
【図3A】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3B】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3C】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3D】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3E】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図3F】光学セルに第1、第2、第3光学フィルムを積層する順番を例示するフローチャート
【図4】実施形態2の光学表示パネルの連続製造システムの概略図
【図5A】実施形態2の第1貼合部を示す図
【図5B】実施形態2の第2貼合部を示す図
【図6】実施形態3の光学表示パネルの連続製造システムの概略図
【図7A】実施形態3の第1貼合部を示す図
【図7B】実施形態3の第2貼合部を示す図
【図7C】実施形態3の第3貼合部を示す図
【図8】光学フィルムロールの製造方法の概略図
【図9】帯状の偏光フィルムに直線偏光分離フィルムを積層するプロセスを示す図
【発明を実施するための形態】
【0047】
<光学フィルムロールセット>
光学フィルムロールセットは、第1光学フィルムロールと、第2光学フィルムロールを少なくとも含む。
【0048】
第1光学フィルムロールは、光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第1光学フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる。実施形態の一例として、帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に帯状の第1光学フィルムが積層された状態で巻回されている。なお、別実施形態として、帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の第1光学フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0049】
第2光学フィルムロールは、光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第2光学フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる。実施形態の一例として、帯状の第2積層光学フィルムは、第2キャリアフィルム上に帯状の第2光学フィルムが積層された状態で巻回されている。なお、別実施形態として、帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の第2光学フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている。
【0050】
<光学フィルム>
偏光フィルムのフィルム本体は、例えば、偏光子(厚さは一般的に1〜80μm程度)と、偏光子の片面または両面に偏光子保護フィルム(厚さは一般的に1〜500μm程度)が接着剤または接着剤なしで形成される。偏光子は、通常、延伸方向が吸収軸となっている。長手方向に吸収軸を有する長尺の偏光子を含む偏光フィルムを「MD偏光フィルム」ともいい、幅方向に吸収軸を有する長尺の偏光子を含む偏光フィルムものを「TD偏光フィルム」ともいう。フィルム本体を構成する他のフィルムとして、例えば、λ/4板、λ/2板等の位相差フィルム(厚さは一般的に10〜200μm)、視角補償フィルム、輝度向上フィルム、表面保護フィルム等が挙げられる。積層光学フィルムの厚みは、例えば、10μm〜500μmの範囲が挙げられる。
【0051】
直線偏光分離フィルムのフィルム本体は、例えば、反射軸と透過軸を有する多層構造の反射偏光フィルムが挙げられる。反射偏光フィルムは、例えば、2種類の異なる材料のポリマーフィルムA、Bを交互に複数枚積層して延伸することで得られる。延伸方向に材料Aのみの屈折率が増加変化し、複屈折性が発現され、材料AB界面の屈折率差がある延伸方向が反射軸となり、屈折率差の生じない方向(非延伸方向)が透過軸となる。この反射偏光フィルムは、その長手方向に透過軸を有し、その短手方向(幅方向)に反射軸を有している。反射偏光フィルムは、市販品をそのまま用いてもよく、市販品を2次加工(例えば、延伸)して用いてもよい。市販品としては、例えば、3M社製の商品名DBEF、3M社製の商品名APFが挙げられる。
【0052】
粘着剤は、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。粘着剤の層厚みは、例えば、10μm〜50μmの範囲が好ましい。粘着剤とキャリアフィルムとの剥離力としては、例えば、0.15(N/50mm幅サンプル)が例示されるが、特にこれに限定されない。剥離力は、JIS Z0237に準じて測定される。
【0053】
(キャリアフィルム)
キャリアフィルムは、例えばプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、ポリオレフィン系フィルム等)等の従来公知のフィルムを用いることができる。また、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。なお、キャリアフィルムは、一般的に離型フィルム(セパレータフィルム)ともいわれる。
【0054】
(液晶セル、液晶表示パネル)
液晶セルは、対向配置される一対の基板(第1基板(視認側面)Pa、第2基板(背面)Pb)間に液晶層が封止された構成である。液晶セルは、任意のタイプのものを用いることができるが、高コントラストを実現するためには、垂直配向(VA)モード、面内スイッチング(IPS)モードの液晶セルを用いることが好ましい。液晶表示パネルは、液晶セルの片面または両面に偏光フィルムが貼り合わされたものであり、必要に応じて駆動回路が組込まれる。
【0055】
(有機ELセル、有機EL表示パネル)
有機ELセルは、一対の電極間に電界発光層が挟持された構成である。有機ELセルは、例えば、トップエミッション方式、ボトムエミッション方式、ダブルエミッション方式などの任意のタイプのものを用いることができる。有機EL表示パネルは、有機ELセルの片面または両面に偏光フィルムが貼り合わされたものであり、必要に応じて駆動回路が組込まれる。
【0056】
<実施形態1>
実施形態1の光学フィルムロールセットは、第1光学フィルムロール、第2光学フィルムロール、第3光学フィルムロールとで構成されている。第1光学フィルムロールおよび第2光学フィルムロールは、光学セルの一方面にフィルムを積層するのに用いられ、第3光学フィルムロールは、光学セルの他方面にフィルムを積層するのに用いられる。
【0057】
実施形態1の第1光学フィルムロールは、光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる。帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムが積層された状態で巻回されている。偏光フィルム(11)は、フィルム本体(11a)と粘着剤層(11b)を有し、粘着剤層(11b)を介して第1キャリアフィルム(12)上に積層されている(図2A参照)。
【0058】
また、第2光学フィルムロールは、光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる。帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムが積層された状態で巻回されている。直線偏光分離フィルム(21)は、フィルム本体(21a)と粘着剤層(21b)を有し、粘着剤層(21b)を介して第1キャリアフィルム(22)上に積層されている(図2B参照)。
【0059】
また、第3光学フィルムロールは、光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第3積層光学フィルムが巻回されてなる。帯状の第3積層光学フィルムは、第3キャリアフィルム上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムが積層された状態で巻回されている。偏光フィルム(31)は、フィルム本体(31a)と粘着剤層(31b)を有し、粘着剤層(31b)を介して第3キャリアフィルム(32)上に積層されている(図2C参照)。
【0060】
<光学フィルムロールの製造>
光学フィルムロールセットを製造する方法は、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム原反を含む帯状の第3積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第3積層光学フィルムを巻回する工程と、を含む。
【0061】
図8は、光学フィルムロールセットを製造する方法に使用できるロールの製造装置の一例を示すものである。この製造装置は、帯状の第1積層光学フィルム原反855のロールR0の巻き戻し機構840と、原反855の切断機構850と、第1積層光学フィルムのロールR1,R2の巻回装置860とを備えている。帯状の第1積層光学フィルムの製造ラインにおいて、スリット工程を行う場合、巻き戻し機構40は不要になる。
【0062】
スリット加工は、スリット前フィルム原反を巻き戻しながら行う方法と、巻き戻さずに行う方法とがあり、いずれも採用できる。また、本実施形態では、帯状の第1積層光学フィルム原反の製造ラインにおいて、その巻回前にスリット加工を行ってもよい。
【0063】
巻き戻し機構840は、ニップローラ857によって生じる張力等により、第1積層光学フィルム原反855をロールR0から巻き戻すものであり、ニップローラ857とロールR0を回転・支持するロール支持部とを備える。このロール支持部には、制動機構、駆動機構、張力制御機構などを設けてもよい。
【0064】
切断機構850は、第1積層光学フィルム原反855の裏面側に設けられた切断テーブル854と、第1積層光学フィルム原反855の上方に設けられたレーザ装置851を備える。レーザの照射位置は固定され、第1積層光学フィルム原反855の連続搬送により切断が進行する。レーザ装置851の代わりに、切断刃等を備えた切断装置を用いることも可能である。その場合、例えば、回転自在な円形の切断刃をスリットの方向に向けて所定間隔で配置し、前記切断刃と支持ロールとの間に第1積層光学フィルム原反855を通過させながら、連続的にスリットを行うことが可能である。
【0065】
切断機構850は、第1積層光学フィルム原反855の幅方向の複数箇所に設けられ(図には単数のみ記載)、スリット幅を変更できるように、第1積層光学フィルム原反855の幅方向に移動して固定できる。例えば、切断機構850を3箇所に設けて、各々の照射位置の2つの間隔を光学セルの短辺と長辺とに対応する幅に設定してもよい。
【0066】
巻回装置860は、スリットされたロールR1,R2を巻回する装置である。巻回装置860は、スリット後のロールの数に合わせて、単数又は複数設けられ、端材を同様に巻回するための巻回装置を更に設けることが好ましい。図示した例では、端材をロールR3に巻回する巻回装置が設けられている。
【0067】
巻回装置860は、例えば、ロールR1,R2の巻回部861,862を備え、これが張力制御可能な回転駆動機構を有している。また、巻回部861,862はロールR1,R2又はその芯材を固定する機能を有する。巻回装置860では、例えば、巻回部861,862より前段に設けたニップローラ857で速度制御しながら、巻回部861,862により一定の速度でスリット後の、帯状の第1積層光学フィルム856を巻回することができる。本実施形態では、1本のロールR0から2本の帯状の第1積層光学フィルム856のロールR1、R2を同時に製造していたが、特にこれに制限されず、1本あるいは3本以上を同時に製造してもよい。
【0068】
上記説明において、帯状の第1積層光学フィルムのロールを製造する形態を説明したが、上記と同様に帯状の第2積層光学フィルムおよび帯状の第3積層光学フィルムのロールを製造でき、光学フィルムロールセットとすることができる。
【0069】
<光学フィルムロールセットを用いた光学表示パネルの製造>
図1及び図2A〜2Cは、上記で製造された光学フィルムロールセットを用いた光学表示パネルの連続製造システムの概略図である。以下、図1及び図2A〜2Cを参照しながら、本実施形態に係る光学表示パネルの連続製造システムを具体的に説明する。
【0070】
なお、本実施形態では、光学セルとして横長長方形の液晶セル、光学表示パネルとして横長長方形の液晶表示パネルを例に挙げて説明する。光学フィルムロールとしては、図1、図2A〜2Cに示すようなものを用いる。すなわち、第1光学フィルムロール1としては、第1キャリアフィルム12上に長手方向に吸収軸を有する帯状の第1偏光フィルム11(第1光学フィルムに相当する)が積層されてなり、液晶セルPの長辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム10が巻回されたものを用いる。第2光学フィルムロール2としては、第2キャリアフィルム22上に幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルム21(第2光学フィルムに相当する)が積層されてなり、液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム20が巻回されたものを用いる。さらに、第3光学フィルムロール3としては、第3キャリアフィルム32上に長手方向に吸収軸を有する帯状の第2偏光フィルム31(第3光学フィルムに相当する)が積層されてなり、液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第3積層光学フィルム30が巻回されたものを用いる。さらに、本実施形態では、帯状の第1偏光フィルム11は、図2Aに示すように、帯状のフィルム本体11aおよび粘着剤11bを有して構成される。帯状の直線偏光分離フィルム21は、図2Bに示すように、帯状のフィルム本体21aおよび粘着剤21bを有して構成される。帯状の第2偏光フィルム31は、図2Cに示すように、帯状のフィルム本体31aおよび粘着剤31bを有して構成される。
【0071】
本実施形態に係る液晶表示パネルの連続製造システム100は、図1に示すように、液晶セルPおよび液晶表示パネルLDを搬送する一連の搬送部Xと、第1光学フィルム供給部101と、第1貼合部81と、第2光学フィルム供給部102と、第2貼合部82と、第3光学フィルム供給部103と、第3貼合部83とを含む。
【0072】
(搬送部)
搬送部Xは、液晶セルPおよび液晶表示パネルLDを搬送する。搬送部Xは、複数の搬送ローラX1および吸着プレート等を有して構成される。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部81と第2貼合部82との間に、液晶セルPの搬送方向に対し、液晶セルPの長辺と短辺との配置関係を入れ替える配置入替部75を含む。
【0073】
(第1光学フィルム供給部)
第1光学フィルム供給部101は、第1光学フィルムロール1から液晶セルPの長辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム10を繰り出し、帯状の第1偏光フィルム11を液晶セルPの短辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた第1偏光フィルム111を第1貼合部81に供給する。本実施形態では、第1光学フィルム供給部101は、第1繰出部101a、第1切断部41、第1張力調整部51、第1剥離部61、第1巻取部71、および複数の搬送ローラ部を有する。
【0074】
第1繰出部101aは、第1光学フィルムロール1が設置される繰出軸を有し、第1光学フィルムロール1から帯状の第1積層光学フィルム10を繰り出す。なお、第1繰出部101aには、2つの繰出軸が備えられていてもよい。これにより、ロール1を新たなロールに交換することなく、他方の繰出軸に設置されたロールのフィルムに速やかに継ぎ合わせることができる。
【0075】
第1切断部41は、切断手段41aおよび吸着手段41bを有して構成され、帯状の第1積層光学フィルム10を液晶セルPの短辺に対応する長さで幅方向にハーフカットする(第1キャリアフィルム12を切断せずに帯状の第1偏光フィルム11を幅方向に切断する)。本実施形態では、第1切断部41は、吸着手段41bを用いて帯状の第1積層光学フィルム10を第1キャリアフィルム12側から吸着固定しながら、切断手段41aを用いて帯状の第1偏光フィルム11(フィルム本体11aおよび粘着剤11b)を幅方向に切断し、第1キャリアフィルム12上に液晶セルPに対応する大きさの第1偏光フィルム111を形成する。なお、切断手段41aとしては、カッター、レーザー装置、それらの組合せなどが挙げられる。
【0076】
第1張力調整部51は、帯状の第1積層光学フィルム10の張力を保持する機能を有する。本実施形態では、第1張力調整部51は、ダンサーロールを有して構成されるが、これに限定されるものではない。
【0077】
第1剥離部61は、第1キャリアフィルム12を内側にして帯状の第1積層光学フィルム10を折り返すことで、第1キャリアフィルム12から第1偏光フィルム111を剥離する。第1剥離部61としては、楔型部材、ローラなどが挙げられる。
【0078】
第1巻取部71は、第1偏光フィルム111が剥離された第1キャリアフィルム12を巻き取る。第1巻取部71は、第1キャリアフィルム12を巻き取るためのロールが設置される巻取軸を有して構成される。
【0079】
(第1貼合部)
第1貼合部81は、搬送部Xによって搬送された液晶セルPをその短辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第1光学フィルム供給部101によって供給された(第1剥離部61によって剥離された)第1偏光フィルム111を液晶セルPの長辺側から第1偏光フィルム111の供給方向(液晶セルPの短辺方向)に沿って液晶セルPの背面側の面Pbに粘着剤11bを介して貼り合わせる。なお、第1貼合部81は、一対の貼合ローラ81a、81bを有して構成され、貼合ローラ81a、81bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0080】
(第2光学フィルム供給部)
第2光学フィルム供給部102は、第2光学フィルムロール2から液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム20を繰り出し、帯状の直線偏光分離フィルム21を液晶セルPの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた直線偏光分離フィルム211を第2貼合部82に供給する。本実施形態では、第2光学フィルム供給部102は、第2繰出部102a、第2切断部42、第2張力調整部52、第2剥離部62、第2巻取部72、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第2繰出部102a、第2切断部42、第2張力調整部52、第2剥離部62、第2巻取部72はそれぞれ第1繰出部101a、第1切断部41、第1張力調整部51、第1剥離部61、第1巻取部71と同様の構成および機能を有する。
【0081】
(第2貼合部)
第2貼合部82は、搬送部Xによって搬送された液晶セルPをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第2光学フィルム供給部102によって供給された(第2剥離部62によって剥離された)直線偏光分離フィルム211を液晶セルPの短辺側から直線偏光分離フィルム211の供給方向(液晶セルPの長辺方向)に沿って液晶セルPの背面側の面Pb上の第1偏光フィルム111に粘着剤21bを介して貼り合わせる。なお、第2貼合部82は、一対の貼合ローラ82a、82bを有して構成され、貼合ローラ82a、82bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0082】
(第3光学フィルム供給部)
第3光学フィルム供給部103は、第3光学フィルムロール3から液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第3積層光学フィルム30を繰り出し、帯状の第2偏光フィルム31を液晶セルPの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた第2偏光フィルム311を第3貼合部83に供給する。本実施形態では、第3光学フィルム供給部103は、第3繰出部103a、第3切断部43、第3張力調整部53、第3剥離部63、第3巻取部73、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第3繰出部103a、第3切断部43、第3張力調整部53、第3剥離部63、第3巻取部73はそれぞれ第1繰出部101a、第1切断部41、第1張力調整部51、第1剥離部61、第1巻取部71と同様の構成および機能を有する。
【0083】
(第3貼合部)
第3貼合部83は、搬送部Xによって搬送された液晶セルPをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第3光学フィルム供給部103によって供給された(第3剥離部63によって剥離された)第2偏光フィルム311を液晶セルPの短辺側から第2偏光フィルム311の供給方向(液晶セルPの長辺方向)に沿って液晶セルPの視認側の面Paに粘着剤31bを介して貼り合わせる。なお、第3貼合部83は、一対の貼合ローラ83a、83bを有して構成され、貼合ローラ83a、83bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0084】
(配置入替部)
本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部81と第2貼合部82との間に、液晶セルPの搬送方向に対し、第1偏光フィルム111が貼り合わされた液晶セルPの長辺と短辺との配置関係を入れ替える配置入替部75を含む。本実施形態では、配置入替部75は、液晶セルPを吸着して90°水平回転させる回転部と、液晶セルPを吸着し、液晶セルPの搬送方向に対して平行または直交するセル面内方向を回転軸にして液晶セルPの表裏を反転させる反転部とを有する。配置入替部75を含むことにより、帯状の第1偏光フィルム10の搬送ラインと帯状の直線偏光分離フィルム20の搬送ラインとを直交させることなく、液晶セルPに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることができるため、装置スペースを削減することができる。
【0085】
本実施形態に係る液晶表示パネルの連続製造システムによれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま液晶セルに対する貼合方向とし、かつ液晶セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることで、液晶セルの背面側の面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。また、第2偏光フィルムもロールから連続的に供給し、ロールからの供給方向をそのまま液晶セルに対する貼合方向とすることで、液晶セルの視認側の面に高速かつ連続的に貼り合わせることができる。それらの結果、第1偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとが液晶セルの背面側の面に適切な配置関係で積層され、液晶セルの視認側の面に第2偏光フィルムが第1偏光フィルムとクロスニコルの関係となるように貼り合わされた光利用効率の高い液晶表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。また、本実施形態では、第1偏光フィルム、直線偏光分離フィルムおよび第2偏光フィルムの供給方向が互いに平行になるように、第1光学フィルム供給部、第2光学フィルム供給部および第3光学フィルム供給部が配置されているため、装置の占有スペースを削減することができる。
【0086】
(実施形態1の変形例)
本実施形態では、第1貼合部、第2貼合部および第3貼合部は、搬送部Xによる液晶セルPの搬送方向に沿ってこの順に並んでいるが、第1貼合部、第2貼合部、第3貼合部の順序は、第1貼合部、第2貼合部がこの順に並んでいる限り、これに限定されない。例えば、搬送部Xによる液晶セルPの搬送方向に沿って、第1貼合部、第3貼合部、第2貼合部がこの順に並んでいてもよく、第3貼合部、第1貼合部、第2貼合部がこの順に並んでいてもよい。
【0087】
本実施形態では、第1貼合部、第2貼合部および第3貼合部は、第1偏光フィルム、直線偏光分離フィルムを液晶セルの下側から貼り合わせ、第2偏光フィルムを液晶セルの上側から貼り合わせるが、これに限定されない。いずれか2枚を液晶セルの上側から貼り合わせ、残り1枚を液晶セルの下側から貼り合わせてもよく、すべてを液晶セルの上側または下側から貼り合わせてもよい。
【0088】
本実施形態では、第3光学フィルム供給部は、第1偏光フィルムおよび直線偏光分離フィルムと同様、第3光学フィルムロールから第2偏光フィルムを供給するが、この構成に限定されない。第3光学フィルム供給部は、枚葉状態の第2偏光フィルムが収容された容器から第2偏光フィルムを取り出して供給するものであってもよい。例えば、第3光学フィルム供給部は、枚葉状態の第2積層光学フィルムが収容された容器から第2積層光学フィルムを取り出して搬送する移動部と、前記移動部によって搬送される第2積層光学フィルムから枚葉状態のキャリアフィルムを剥離する剥離部とを有し、前記剥離部によって枚葉状態のキャリアフィルムが剥離された第2偏光フィルムを前記移動部が供給するものであってもよい。このような第3光学フィルム供給部は、第2偏光フィルムが、RTP方式で液晶セルに貼り合せるのに適していないまたは貼り合わせことができない偏光フィルムである場合などに好適である。
【0089】
図3A〜3Fに、第1、第2、第3貼合工程の順序、および各貼合工程における光学フィルムの貼付方向の例を示す。なお、本実施形態は図3A〜3Fの順序、貼付方向、光学フィルムの種類に制限されない。
【0090】
図3Aでは、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って(すなわち液晶セルの短辺側から)貼り付け(ステップS1)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って(すなわち液晶セルの短辺側から)貼り付け(ステップS2)、次いで、直線偏光分離フィルム(反射偏光フィルム)を液晶セルの背面側のMD偏光フィルムの上に、液晶セルの長辺方向に沿って(すなわち液晶セルの短辺側から)貼り付ける(ステップS3)。
【0091】
図3Bでは、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS11)、次いで、直線偏光分離フィルム(反射偏光フィルム)を液晶セルの背面側のMD偏光フィルムの上に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付け(ステップS12)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付ける(ステップS13)。
【0092】
図3Cでは、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付け(ステップS21)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS22)、次いで、直線偏光分離フィルム(反射偏光フィルム)を液晶セルの背面側のMD偏光フィルムの上に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付ける(ステップS23)。
【0093】
図3Dでは、位相差フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS31)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付け(ステップS32)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側の位相差フィルムの上に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付ける(ステップS33)。
【0094】
図3Eでは、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付け(ステップS41)、次いで、位相差フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS42)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側の位相差フィルムの上に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付ける(ステップS43)。
【0095】
図3Fでは、位相差フィルムを液晶セルの背面側に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS51)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの背面側の位相差フィルムの上に、液晶セルの短辺方向に沿って貼り付け(ステップS52)、次いで、MD偏光フィルムを液晶セルの視認側に、液晶セルの長辺方向に沿って貼り付ける(ステップS53)。
【0096】
なお、液晶セルの視認側と背面側とのそれぞれの偏光フィルムの吸収軸が直交(クロスニコル)していればよく、視認側のMD偏光フィルムを液晶セルの長辺方向に沿って貼り付けることに制限されず、短辺方向に沿って貼り付けてもよく、それに応じて、背面側のMD偏光フィルムを液晶セルの長辺方向に沿って貼り付けてもよい。また、MD偏光フィルムに限定されず、TD偏光フィルムを用いることもできる。
【0097】
<実施形態2>
実施形態2の光学フィルムロールセットは、第1光学フィルムロールと第2光学フィルムロールとで構成されている。図4、図5A〜5Bに示すように、第1光学フィルムロール4としては、第1キャリアフィルム412上に長手方向に遅相軸を有する帯状のλ/4位相差フィルムと長手方向に対して67.5度の角度をなす方向に遅相軸を有する帯状のλ/2位相差フィルムとをこの順に積層した帯状の位相差フィルム411(第1光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの長辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム410が巻回されたものを用いる。第2光学フィルムロール5としては、第2キャリアフィルム522上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム521(第2光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム520が巻回されたものを用いる。さらに、本実施形態では、帯状の位相差フィルム411は、図5Aに示すように、帯状のフィルム本体411aおよび粘着剤411bを有して構成される。帯状の偏光フィルム521は、図5Bに示すように、帯状のフィルム本体521aおよび粘着剤521bを有して構成される。
【0098】
図4及び図5A〜5Bは、実施形態2に係る有機EL表示パネルの連続製造システムの概略図である。以下、図4及び図5A〜5Bを参照しながら、本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システム400を具体的に説明する。
【0099】
なお、本実施形態では、光学セルとして横長長方形の有機ELセル、光学表示パネルとして横長長方形の有機EL表示パネルを例に挙げて説明する。
【0100】
本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システム400は、図4に示すように、有機ELセルELおよび有機EL表示パネルOELを搬送する一連の搬送部Xと、第1光学フィルム供給部401と、第1貼合部481と、第2光学フィルム供給部402と、第2貼合部482とを含む。
【0101】
(搬送部)
搬送部Xは、有機ELセルELおよび有機EL表示パネルOELを搬送する。搬送部Xは、複数の搬送ローラX1および吸着プレート等を有して構成される。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部481と第2貼合部482との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、位相差フィルム4111が貼り合わされた有機ELセルELの長辺と短辺との配置関係を入れ替える配置入替部575を含む。
【0102】
(第1光学フィルム供給部)
第1光学フィルム供給部401は、第1光学フィルムロール4から有機ELセルELの長辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム410を繰り出し、帯状の位相差フィルム411を有機ELセルELの短辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた位相差フィルム4111を第1貼合部81に供給する。本実施形態では、第1光学フィルム供給部401は、第1繰出部401a、第1切断部441、第1張力調整部451、第1剥離部461、第1巻取部471、および複数の搬送ローラ部を有する。
【0103】
第1繰出部401aは、第1光学フィルムロール4が設置される繰出軸を有し、第1光学フィルムロール4から帯状の第1積層光学フィルム410を繰り出す。なお、第1繰出部401aには、2つの繰出軸が備えられていてもよい。これにより、ロール4を新たなロールに交換することなく、他方の繰出軸に設置されたロールのフィルムに速やかに継ぎ合わせることができる。
【0104】
第1切断部441は、切断手段441aおよび吸着手段441bを有して構成され、帯状の第1積層光学フィルム410を有機ELセルELの短辺に対応する長さで幅方向にハーフカットする(第1キャリアフィルム412を切断せずに帯状の位相差フィルム411を幅方向に切断する)。本実施形態では、第1切断部441は、吸着手段441bを用いて帯状の第1積層光学フィルム410を第1キャリアフィルム412側から吸着固定しながら、切断手段441aを用いて帯状の位相差フィルム411(フィルム本体411aおよび粘着剤411b)を幅方向に切断し、第1キャリアフィルム412上に有機ELセルELに対応する大きさの位相差フィルム4111を形成する。なお、切断手段441aとしては、カッター、レーザー装置、それらの組合せなどが挙げられる。
【0105】
第1張力調整部451は、帯状の第1積層光学フィルム410の張力を保持する機能を有する。本実施形態では、第1張力調整部451は、ダンサーロールを有して構成されるが、これに限定されるものではない。
【0106】
第1剥離部461は、第1キャリアフィルム412を内側にして帯状の第1積層光学フィルム410を折り返すことで、第1キャリアフィルム412から位相差フィルム4111を剥離する。第1剥離部461としては、楔型部材、ローラなどが挙げられる。
【0107】
第1巻取部471は、位相差フィルム4111が剥離された第1キャリアフィルム412を巻き取る。第1巻取部471は、第1キャリアフィルム412を巻き取るためのロールが設置される巻取軸を有して構成される。
【0108】
(第1貼合部)
第1貼合部481は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその短辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第1光学フィルム供給部401によって供給された(第1剥離部461によって剥離された)位相差フィルム4111を有機ELセルELの長辺側から位相差フィルム4111の供給方向(有機ELセルELの短辺方向)に沿って有機ELセルELの視認側の面ELbに粘着剤411bを介して貼り合わせる。なお、第1貼合部481は、一対の貼合ローラ481a、481bを有して構成され、貼合ローラ481a、481bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0109】
(第2光学フィルム供給部)
第2光学フィルム供給部402は、第2光学フィルムロール5から有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム520を繰り出し、帯状の偏光フィルム521を有機ELセルELの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた偏光フィルム5211を第2貼合部482に供給する。本実施形態では、第2光学フィルム供給部402は、第2繰出部402a、第2切断部442、第2張力調整部452、第2剥離部462、第2巻取部472、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第2繰出部402a、第2切断部442、第2張力調整部452、第2剥離部462、第2巻取部472はそれぞれ第1繰出部401a、第1切断部441、第1張力調整部451、第1剥離部461、第1巻取部471と同様の構成および機能を有する。
【0110】
(第2貼合部)
第2貼合部482は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第2光学フィルム供給部402によって供給された(第2剥離部462によって剥離された)偏光フィルム5211を有機ELセルELの短辺側から偏光フィルム5211の供給方向(有機ELセルELの長辺方向)に沿って有機ELセルELの視認側の面ELb上の位相差フィルム4111に粘着剤521bを介して貼り合わせる。なお、第2貼合部482は、一対の貼合ローラ482a、482bを有して構成され、貼合ローラ482a、482bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0111】
(配置入替部)
本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部481と第2貼合部482との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、位相差フィルム4111が貼り合わされた有機ELセルELの長辺と短辺との配置関係を入れ替える配置入替部475を含む。本実施形態では、配置入替部475は、有機ELセルELを吸着して90°水平回転させる回転部を有する。配置入替部475を含むことにより、帯状の位相差フィルム411の搬送ラインと帯状の偏光フィルム521の搬送ラインとを直交させることなく、有機ELセルELに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることができるため、装置スペースを削減することができる。
【0112】
本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システムによれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない位相差フィルムと偏光フィルムとを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま有機ELセルに対する貼合方向とし、かつ有機ELセルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることで、有機ELセルの視認側の面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、位相差フィルムと偏光フィルムとが適切な配置関係で重ねられてなる円偏光フィルムによって反射防止機能が付与された有機EL表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。また、本実施形態では、位相差フィルムおよび偏光フィルムの供給方向が互いに平行になるように、第1光学フィルム供給部および第2光学フィルム供給部が配置されているため、装置の占有スペースを削減することができる。
【0113】
(実施形態2の変形例)
本実施形態では、第1貼合部および第2貼合部は、位相差フィルム4111および偏光フィルム5211を有機ELセルの下側から貼り合わせるが、これに限定されない。第1貼合部および第2貼合部は、いずれか1枚を有機ELセルの上側から貼り合わせ、残り1枚を有機ELセルの下側から貼り合わせてもよく、2枚とも有機ELセルの上側から貼り合わせてもよい。
【0114】
<実施形態3>
実施形態3の光学フィルムロールセットは、第1光学フィルムロールと第2光学フィルムロールと第4光学フィルムロールとで構成されている。図6、図7A〜7Cに示すように、第1光学フィルムロール7としては、第1キャリアフィルム712上に幅方向に遅相軸を有する帯状のλ/4位相差フィルム711(第1光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム710が巻回されたものを用いる。また、第2光学フィルムロール8としては、第2キャリアフィルム822上に長手方向に対して67.5度の角度をなす方向に遅相軸を有する帯状のλ/2位相差フィルム821(第2光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの長辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム820が巻回されたものを用いる。さらに、第4光学フィルムロール9としては、第4キャリアフィルム932上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム931(第4光学フィルムに相当する)が積層されてなり、有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第4積層光学フィルム930が巻回されたものを用いる。本実施形態では、帯状のλ/4位相差フィルム711は、図7Aに示すように、帯状のフィルム本体711aおよび粘着剤711bを有して構成される。帯状のλ/2位相差フィルム821は、図7Bに示すように、帯状のフィルム本体821aおよび粘着剤821bを有して構成される。帯状の偏光フィルム931は、図7Cに示すように、帯状のフィルム本体931aおよび粘着剤931bを有して構成される。
【0115】
図6及び図7A〜7Cは、実施形態3に係る有機EL表示パネルの連続製造システムの概略図である。以下、図6及び図7A〜7Cを参照しながら、本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システム600を具体的に説明する。
【0116】
なお、本実施形態では、光学セルとして横長長方形の有機ELセル、光学表示パネルとして横長長方形の有機EL表示パネルを例に挙げて説明する。
【0117】
本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システム600は、図6に示すように、有機ELセルELおよび有機EL表示パネルOELを搬送する一連の搬送部Xと、第1光学フィルム供給部601と、第1貼合部681と、第2光学フィルム供給部602と、第2貼合部682と、第4光学フィルム供給部603と、第4貼合部683とを含む。
【0118】
(搬送部)
搬送部Xは、有機ELセルELおよび有機EL表示パネルOELを搬送する。搬送部Xは、複数の搬送ローラX1および吸着プレート等を有して構成される。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部681と第2貼合部682との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、λ/4位相差フィルム7111が貼り合わされた有機ELセルELの短辺と長辺との配置関係を入れ替える第1配置入替部675を含む。また、搬送部Xは、第2貼合部682と第4貼合部683との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、λ/4位相差フィルム7111およびその上にλ/2位相差フィルム8211が貼り合わされた有機ELセルELの短辺と長辺との配置関係を入れ替える第2配置入替部676を含む。
【0119】
(第1光学フィルム供給部)
第1光学フィルム供給部601は、第1光学フィルムロール7から有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム710を繰り出し、帯状のλ/4位相差フィルム711を有機ELセルELの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られたλ/4位相差フィルム7111を第1貼合部661に供給する。本実施形態では、第1光学フィルム供給部601は、第1繰出部601a、第1切断部641、第1張力調整部651、第1剥離部661、第1巻取部671、および複数の搬送ローラ部を有する。
【0120】
第1繰出部601aは、第1光学フィルムロール7が設置される繰出軸を有し、第1光学フィルムロール7から帯状の第1積層光学フィルム710を繰り出す。なお、第1繰出部601aには、2つの繰出軸が備えられていてもよい。これにより、ロール7を新たなロールに交換することなく、他方の繰出軸に設置されたロールのフィルムに速やかに継ぎ合わせることができる。
【0121】
第1切断部641は、切断手段641aおよび吸着手段641bを有して構成され、帯状の第1積層光学フィルム710を有機ELセルELの長辺に対応する長さで幅方向にハーフカットする(第1キャリアフィルム712を切断せずに帯状のλ/4位相差フィルム711を幅方向に切断する)。本実施形態では、第1切断部641は、吸着手段641bを用いて帯状の第1積層光学フィルム710を第1キャリアフィルム712側から吸着固定しながら、切断手段641aを用いて帯状のλ/4位相差フィルム711(フィルム本体711aおよび粘着剤711b)を幅方向に切断し、第1キャリアフィルム712上に有機ELセルELに対応する大きさのλ/4位相差フィルム7111を形成する。なお、切断手段641aとしては、カッター、レーザー装置、それらの組合せなどが挙げられる。
【0122】
第1張力調整部651は、帯状の第1積層光学フィルム710の張力を保持する機能を有する。本実施形態では、第1張力調整部651は、ダンサーロールを有して構成されるが、これに限定されるものではない。
【0123】
第1剥離部661は、第1キャリアフィルム712を内側にして帯状の第1積層光学フィルム710を折り返すことで、第1キャリアフィルム712からλ/4位相差フィルム7111を剥離する。第1剥離部661としては、楔型部材、ローラなどが挙げられる。
【0124】
第1巻取部671は、λ/4位相差フィルム7111が剥離された第1キャリアフィルム712を巻き取る。第1巻取部671は、第1キャリアフィルム712を巻き取るためのロールが設置される巻取軸を有して構成される。
【0125】
(第1貼合部)
第1貼合部681は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第1光学フィルム供給部601によって供給された(第1剥離部661によって剥離された)λ/4位相差フィルム7111を有機ELセルELの短辺側からλ/4位相差フィルム7111の供給方向(有機ELセルELの長辺方向)に沿って有機ELセルELの視認側の面ELbに粘着剤711bを介して貼り合わせる。なお、第1貼合部681は、一対の貼合ローラ681a、681bを有して構成され、貼合ローラ681a、681bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0126】
(第2光学フィルム供給部)
第2光学フィルム供給部602は、第2光学フィルムロール8から有機ELセルELの長辺に対応する幅を有する帯状の第2積層光学フィルム820を繰り出し、帯状のλ/2位相差フィルム821aを有機ELセルELの短辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られたλ/2位相差フィルム8211を第2貼合部682に供給する。本実施形態では、第2光学フィルム供給部602は、第2繰出部602a、第2切断部642、第2張力調整部652、第2剥離部662、第2巻取部672、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第2繰出部602a、第2切断部642、第2張力調整部652、第2剥離部662、第2巻取部672はそれぞれ第1繰出部601a、第1切断部641、第1張力調整部651、第1剥離部661、第1巻取部671と同様の構成および機能を有する。
【0127】
(第2貼合部)
第2貼合部682は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその短辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第2光学フィルム供給部602によって供給された(第2剥離部662によって剥離された)λ/2位相差フィルム8211を有機ELセルELの長辺側からλ/2位相差フィルム8211の供給方向(有機ELセルELの短辺方向)に沿って有機ELセルELの視認側の面ELb上のλ/4位相差フィルム7111に粘着剤821bを介して貼り合わせる。なお、第2貼合部682は、一対の貼合ローラ682a、682bを有して構成され、貼合ローラ682a、682bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0128】
(第1配置入替部)
本実施形態では、搬送部Xは、第1貼合部681と第2貼合部682との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、λ/4位相差フィルム711aが貼り合わされた有機ELセルELの短辺と長辺との配置関係を入れ替える第1配置入替部675を含む。本実施形態では、第1配置入替部675は、有機ELセルELを吸着して90°水平回転させる回転部を有する。第1配置入替部675を含むことにより、帯状のλ/4位相差フィルムの搬送ラインと帯状のλ/2位相差フィルムの搬送ラインとを直交させることなく、有機ELセルELに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることができるため、装置スペースを削減することができる。
【0129】
(第4光学フィルム供給部)
第4光学フィルム供給部603は、第4光学フィルムロール9から有機ELセルELの短辺に対応する幅を有する帯状の第4積層光学フィルム920を繰り出し、帯状の偏光フィルム931aを有機ELセルELの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた偏光フィルム9311を第4貼合部683に連続的に供給する。本実施形態では、第4光学フィルム供給部603は、第4繰出部603a、第4切断部643、第4張力調整部653、第3剥離部663、第4巻取部673、および複数の搬送ローラ部を有する。なお、第4繰出部603a、第4切断部643、第4張力調整部653、第4剥離部663、第4巻取部673はそれぞれ第1繰出部601a、第1切断部641、第1張力調整部651、第1剥離部661、第1巻取部671と同様の構成および機能を有する。
【0130】
(第4貼合部)
第4貼合部683は、搬送部Xによって搬送された有機ELセルELをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第4光学フィルム供給部603によって供給された(第4剥離部663によって剥離された)偏光フィルム9311を有機ELセルELの短辺側から偏光フィルム9311の供給方向(有機ELセルELの長辺方向)に沿って有機ELセルELの背面側の面ELb上のλ/2位相差フィルム8211に粘着剤931bを介して貼り合わせる。なお、第3貼合部683は、一対の貼合ローラ683a、683bを有して構成され、貼合ローラ683a、683bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0131】
(第2配置入替部)
本実施形態では、搬送部Xは、第2貼合部682と第4貼合部683との間に、有機ELセルELの搬送方向に対し、λ/4位相差フィルム7111およびλ/2位相差フィルム8211が貼り合わされた有機ELセルELの短辺と長辺との配置関係を入れ替える第2配置入替部676を含む。本実施形態では、第2配置入替部676は、有機ELセルELを吸着して90°水平回転させる回転部を有する。第2配置入替部676を含むことにより、帯状のλ/2位相差フィルムの搬送ラインと帯状の偏光フィルムの搬送ラインとを直交させることなく、有機ELセルELに対する貼合方向を相対的に互いに直交させることができるため、装置スペースを削減することができる。
【0132】
本実施形態に係る有機EL表示パネルの連続製造システムによれば、帯状フィルムの状態で連続的に積層できないλ/4位相差フィルムとλ/2位相差フィルムと偏光フィルムを各々ロールから連続的に供給し、各々ロールからの供給方向をそのまま有機ELセルに対する貼合方向とし、かつ有機ELセルに対する貼合方向をλ/4位相差フィルムとλ/2位相差フィルム、および、λ/2位相差フィルムと偏光フィルムとでそれぞれ相対的に互いに直交させることで、有機ELセルの視認側の面に高歩留りかつ高速に連続積層することができる。その結果、λ/4位相差フィルムとλ/2位相差フィルムと偏光フィルムとが適切な配置関係で重ねられてなる円偏光フィルムによって反射防止機能が付与された有機EL表示パネルを高歩留りかつ高速に連続生産することができる。また、本実施形態では、λ/4位相差フィルム、λ/2位相差フィルムおよび偏光フィルムの供給方向が互いに平行になるように、第1光学フィルム供給部、第2光学フィルム供給部および第4光学フィルム供給部が配置されているため、装置の占有スペースを削減することができる。
【0133】
(実施形態3の変形例)
本実施形態では、第1貼合部、第2貼合部および第4貼合部は、λ/4位相差フィルム、λ/2位相差フィルムおよび偏光フィルムを有機ELセルの下側から貼り合わせるが、これに限定されない。いずれか2枚を有機ELセルの上側から貼り合わせ、残り1枚を有機ELセルの下側から貼り合わせてもよく、いずれか2枚を有機ELセルの下側から貼り合わせ、残り1枚を有機ELセルの上側から貼り合わせてもよく、すべてを有機ELセルの上側から貼り合わせてもよい。
【0134】
(実施形態1〜3に共通する変形例)
実施形態1〜3では、光学フィルムロールとして、キャリアフィルム上に帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の積層光学フィルムが巻回されたものを用いるが、光学フィルムロールの構成はこれに限定されない。例えば、キャリアフィルム上に複数の切込線が幅方向に形成された帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の積層光学フィルムが巻回されたもの(切り目入りの光学フィルムロール)を適宜用いてもよい。なお、切り目入りの光学フィルムロールから光学フィルムを供給する光学フィルム供給部において、切断部は不要となる。
【0135】
実施形態1〜3では、各光学フィルム供給部は、帯状の積層光学フィルムを幅方向にハーフカット(キャリアフィルムを切断せずに帯状の光学フィルムを幅方向に切断)し、キャリアフィルムから光学フィルムを剥離することで、光学フィルムを供給するが、この構成に限定されない。例えば、各光学フィルム供給部は、帯状の積層光学フィルムを幅方向にフルカット(キャリアフィルムおよび帯状の光学フィルムを幅方向に切断)し、枚葉状態の積層光学フィルムから枚葉状態のキャリアフィルムを剥離することで、光学フィルムを供給するものであってもよい。ただし、光学フィルムロールから光学フィルムを高速連続的に供給し、光学表示パネルの高速生産性を向上させる観点からは、各光学フィルム供給部は、実施形態1〜3のような構成が特に好ましい。
【0136】
実施形態1〜3では、切断部は、帯状の光学フィルムを幅方向に切断し、キャリアフィルム上に光学セルに対応する大きさの光学フィルムを形成していたが、歩留りを向上させる観点からは、帯状の光学フィルムの欠点部分を避けるように帯状の光学フィルムを幅方向に切断(スキップカット)して、キャリアフィルム上に光学セルに対応する大きさの光学フィルム(光学セルに貼り合わせられる良品の光学フィルム)を形成する他、欠点部分を含む光学フィルムを光学セルよりも小さいサイズで(より好ましくは、可能なかぎり小さいサイズで)形成してもよい。叙上の如く、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない光学フィルムを用いる場合、一方の長尺の光学フィルム(例えば偏光フィルム)に他方の光学フィルム(例えば直線偏光分離フィルム)を積層すると、一方の長尺の光学フィルムにおいて他方の光学フィルムが積層されない部分(境目領域)が必然的にかつ規則的に生じる。そのため、そのようにして形成した積層光学フィルムを幅方向にスキップカットしたとしても、積層光学フィルムに規則的に存在する境目領域は欠点部分とならざるを得ず、歩留りを向上し難い。一方、本発明のように、帯状フィルムの状態で連続的に積層できない第1光学フィルム(例えば偏光フィルム)と第2光学フィルム(例えば直線偏光分離フィルム)を各々ロールから連続的に供給して光学セルに貼り合わせる構成であれば、各々の光学フィルムの供給部が、帯状の光学フィルムを幅方向にスキップカットすることで得られた光学フィルムを光学フィルムロールから供給する構成とすることで、歩留りを効果的に向上させることができる。なお、第1切断部は、帯状の第1光学フィルムの欠点部分を避けるように帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断(スキップカット)するように構成し、第2切断部は、帯状の第2光学フィルムを幅方向に光学セルに対応する長さで一定に切断するように構成するなど、適宜組み合わせることもできる。本発明においては、各々の光学フィルムロールとして、キャリアフィルム上に複数の切込線が欠点部分を避けるように幅方向に形成された帯状の光学フィルムが積層され、キャリアフィルム上に光学セルに対応する大きさの光学フィルム(光学セルに貼り合わせられる良品の光学フィルム)の他、欠点部分を含む光学フィルムを光学セルよりも小さいサイズで(より好ましくは、可能なかぎり小さいサイズで)形成されてなる帯状の積層光学フィルムが巻回されたもの(切り目入りの光学フィルムロール)を用いることによっても、同様に歩留りを効果的に向上させることができる。なお、欠点部分を含む光学フィルムは、キャリアフィルムから剥離して排出する、またはキャリアフィルムと共に巻取部に巻き取るなどして、光学セルに貼り合わされないようにすることが好ましい。切り目入りの光学フィルムロールを用いる場合や、帯状の積層光学フィルムを幅方向にフルカットを用いる場合についても、同様である。
【0137】
実施形態1〜3では、横長長方形の光学セルおよび光学表示パネルを例に挙げて説明したが、光学セルおよび光学表示パネルの形状は、対向するもう一組の辺と対向するもう一組の辺とを有する形状である限り、特に限定されない。
【符号の説明】
【0138】
R1、R2、1、2、3、4、5、7、8、9 光学フィルムロール
101、102、103、401、402、601、602、603 光学フィルム供給部
81、82、83、481、482、681、682、683 貼合部
P 液晶セル
LD 液晶表示パネル
EL 有機ELセル
OEL 有機EL表示パネル
X 搬送部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々フィルムを供給し、各々フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、
前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、
前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む光学フィルムロールセット。
【請求項2】
前記帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムが積層された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムが積層された状態で巻回されている、請求項1に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項3】
前記帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の直線偏光分離フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている、請求項2に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項4】
前記光学セルが、VAモードまたはIPSモードの液晶セルである、請求項1から3のいずれかに記載の光学フィルムロールセット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、
を含む光学フィルムロールセットの製造方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の光学フィルムロールセット、または請求項5に記載の製造方法で製造された光学フィルムロールセットと、
フィルムを供給し、当該フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、当該光学フィルムロールセットの光学フィルムロールを用いて各々フィルムが積層される光学セルの他方面に当該フィルムを積層するのに用いられる光学フィルムロールであって、前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第3積層光学フィルムが巻回されてなる第3光学フィルムロールと、を含む、少なくとも3個のロールを含む光学フィルムロールセット。
【請求項7】
各々フィルムを供給し、光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、
前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第1光学フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、
前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第2光学フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む光学フィルムロールセット。
【請求項8】
前記帯状の第1光学フィルムと前記帯状の第2光学フィルムとは、光学的機能を共通にするフィルムを含まないことを特徴とする、請求項7に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項9】
前記帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に前記帯状の第1光学フィルムが積層された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に前記帯状の第2光学フィルムが積層された状態で巻回されている、請求項7または8に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項10】
前記帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の第2光学フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている、請求項9に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項11】
フィルムを供給し、当該フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールであって、前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第4光学フィルムを含む帯状の第4積層光学フィルムが巻回されてなる第4光学フィルムロールをさらに含む、請求項7から10のいずれかに記載の光学フィルムロールセット。
【請求項12】
前記帯状の第1光学フィルムと前記帯状の第2光学フィルムと前記帯状の第4光学フィルムとは、光学的機能を共通にするフィルムを含まないことを特徴とする、請求項11に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項13】
前記帯状の第4積層光学フィルムは、第4キャリアフィルム上に前記帯状の第4光学フィルムが積層された状態で巻回されている、請求項11または12に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項14】
前記帯状の第4積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている、請求項13に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項15】
前記光学セルが、VAモードもしくはIPSモードの液晶セル、または有機ELセルである、請求項7から14のいずれかに記載の光学フィルムロールセット。
【請求項16】
請求項7から15のいずれかに記載の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第2光学フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、
を含む光学フィルムロールセットの製造方法。
【請求項17】
請求項11から15のいずれかに記載の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第2光学フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第4光学フィルム原反を含む帯状の第4積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第4積層光学フィルムを巻回する工程と、
を含む光学フィルムロールセットの製造方法。
【請求項1】
各々フィルムを供給し、各々フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、
前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、
前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む光学フィルムロールセット。
【請求項2】
前記帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムが積層された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムが積層された状態で巻回されている、請求項1に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項3】
前記帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の直線偏光分離フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている、請求項2に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項4】
前記光学セルが、VAモードまたはIPSモードの液晶セルである、請求項1から3のいずれかに記載の光学フィルムロールセット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、
を含む光学フィルムロールセットの製造方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の光学フィルムロールセット、または請求項5に記載の製造方法で製造された光学フィルムロールセットと、
フィルムを供給し、当該フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、当該光学フィルムロールセットの光学フィルムロールを用いて各々フィルムが積層される光学セルの他方面に当該フィルムを積層するのに用いられる光学フィルムロールであって、前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、長手方向に吸収軸を有する帯状の偏光フィルムを含む帯状の第3積層光学フィルムが巻回されてなる第3光学フィルムロールと、を含む、少なくとも3個のロールを含む光学フィルムロールセット。
【請求項7】
各々フィルムを供給し、光学セルに対する貼合方向を相対的に互いに直交させながら、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールセットであって、
前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第1光学フィルムを含む帯状の第1積層光学フィルムが巻回されてなる第1光学フィルムロールと、
前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第2光学フィルムを含む帯状の第2積層光学フィルムが巻回されてなる第2光学フィルムロールと、を含む光学フィルムロールセット。
【請求項8】
前記帯状の第1光学フィルムと前記帯状の第2光学フィルムとは、光学的機能を共通にするフィルムを含まないことを特徴とする、請求項7に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項9】
前記帯状の第1積層光学フィルムは、第1キャリアフィルム上に前記帯状の第1光学フィルムが積層された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムが、第2キャリアフィルム上に前記帯状の第2光学フィルムが積層された状態で巻回されている、請求項7または8に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項10】
前記帯状の第1積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されており、および/または
前記帯状の第2積層光学フィルムは、前記帯状の第2光学フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている、請求項9に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項11】
フィルムを供給し、当該フィルムの供給方向を光学セルに対する貼合方向とし、前記光学セルの一方面に積層するのに用いられる光学フィルムロールであって、前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅を有し、帯状の第4光学フィルムを含む帯状の第4積層光学フィルムが巻回されてなる第4光学フィルムロールをさらに含む、請求項7から10のいずれかに記載の光学フィルムロールセット。
【請求項12】
前記帯状の第1光学フィルムと前記帯状の第2光学フィルムと前記帯状の第4光学フィルムとは、光学的機能を共通にするフィルムを含まないことを特徴とする、請求項11に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項13】
前記帯状の第4積層光学フィルムは、第4キャリアフィルム上に前記帯状の第4光学フィルムが積層された状態で巻回されている、請求項11または12に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項14】
前記帯状の第4積層光学フィルムは、前記帯状の偏光フィルムに幅方向に複数の切込線が形成された状態で巻回されている、請求項13に記載の光学フィルムロールセット。
【請求項15】
前記光学セルが、VAモードもしくはIPSモードの液晶セル、または有機ELセルである、請求項7から14のいずれかに記載の光学フィルムロールセット。
【請求項16】
請求項7から15のいずれかに記載の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第2光学フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、
を含む光学フィルムロールセットの製造方法。
【請求項17】
請求項11から15のいずれかに記載の光学フィルムロールセットを製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルム原反を含む帯状の第1積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向する一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第1積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第2光学フィルム原反を含む帯状の第2積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第2積層光学フィルムを巻回する工程と、
帯状の第4光学フィルム原反を含む帯状の第4積層光学フィルム原反を、長手方向に平行に前記光学セルの対向するもう一組の辺に対応する幅でスリットし、得られた帯状の第4積層光学フィルムを巻回する工程と、
を含む光学フィルムロールセットの製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−8006(P2013−8006A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−75232(P2012−75232)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
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