説明

光学ユニット、露光ヘッド、画像形成装置

【課題】レンズアレイの間隔を高精度に規定して、良好な光学特性を実現可能とする技術を提供する。
【解決手段】レンズを有する第1のレンズアレイと、第1のレンズアレイのレンズの光軸方向に配された第2のレンズアレイ、および第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に配設されて第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとを光軸方向に支持する第1の支持部材と、第1のレンズアレイの光軸方向と直交する第1の方向に配された第3のレンズアレイと、第3のレンズアレイの光軸方向に配された第4のレンズアレイ、および第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間に配設されて第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとを光軸方向に支持する第2の支持部材と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レンズアレイを用いた光学ユニット、該光学ユニットを備えた露光ヘッドおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のように、複数のレンズを長手方向にアレイ状に配列したレンズアレイを用いて、光学ユニットを構成することができる。また、この特許文献1では、この光学ユニットによって発光素子からの光を収束させて、被露光面を露光する露光ヘッドが提案されている。この露光ヘッドでは、被露光面に対向して光学ユニットが保持されており、発光素子がこの光学ユニットに向けて光を射出する。そして、発光素子からの光が光学ユニットのレンズを透過して、被露光面に収束される。こうして被露光面に形成された収束光(スポット)により、被露光面が露光される。
【0003】
また、特許文献2の図14等には、2枚のレンズアレイを厚さ方向(同文献の「光ビームの進行方向Doa」)に対向させて配設する構成が提案されている。この構成を備えた光学ユニットでは、厚さ方向に配設された2枚のレンズアレイそれぞれに、発光素子に対向するレンズが設けられている。そして、発光素子からの光は、一方のレンズアレイのレンズを通過した後さらに他方のレンズアレイのレンズを透過して、被露光面に収束される。すなわち、一方のレンズアレイのレンズと他方のレンズアレイのレンズとが協働して、1つの結像光学系として機能している。
【0004】
なお、光学ユニットは、用途に応じた範囲を露光可能であることが求められる。そのため、レンズアレイは、用途に応じた長さを備えている必要がある。例えば、画像形成装置内で感光体に潜像を形成するために光学ユニットを用いる場合には、潜像の幅に応じた範囲を露光するために、レンズアレイは一定以上の長さを備える必要がある。こうした要求がある一方で、長尺なレンズアレイを一体的な構成で実現することは難しい。そこで、特許文献2では、比較的短尺なレンズアレイを長手方向に複数並べて、1枚の長尺レンズアレイを構成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−036937号公報
【特許文献2】特開2009−037200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、厚さ方向に2枚のレンズアレイを配設した上述の構成において、このようなレンズアレイの長尺化を図った場合、比較的短尺なレンズアレイが厚さ方向に2枚配設されることとなる。しかしながら、このような光学ユニットでは、厚さ方向に配設されたこれら2枚のレンズアレイの間隔が光学特性に大きく影響する。そこで、良好な光学特性を実現するといった観点から、これらの間隔を高精度に規定可能とする技術が求められていた。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、レンズアレイの間隔を高精度に規定して、良好な光学特性を実現可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明にかかる光学ユニットは、上記目的を達成するために、レンズを有する第1のレンズアレイと、第1のレンズアレイのレンズの光軸方向に配された第2のレンズアレイ、および第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に配設されて第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとを光軸方向に支持する第1の支持部材と、第1のレンズアレイの光軸方向と直交する第1の方向に配された第3のレンズアレイと、第3のレンズアレイの光軸方向に配された第4のレンズアレイ、および第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間に配設されて第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとを光軸方向に支持する第2の支持部材と、を備えることを特徴としている。
【0009】
このように構成された発明(光学ユニット)では、第1のレンズアレイと光軸方向でこれに対向する第2のレンズアレイとが設けられており、また、第3のレンズアレイと光軸方向でこれに対向する第4のレンズアレイとが設けられている。したがって、上述したとおり、良好な光学特性を実現するという観点からは、互いに対向するレンズアレイの間隔が重要となる。そこで、本発明では、第1の支持部材が、第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に配設されてこれらを支持する。また、第2の支持部材が、第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間に配設されてこれらを支持する。よって、第1の支持部材が、第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間隔を規定する機能を果たすことができるため、これらのレンズアレイの間隔を高精度に規定することができるとともに、第2の支持部材が、第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間隔を規定する機能を果たすことができるため、これらのレンズアレイの間隔を高精度に規定することができる。こうして、レンズアレイの間隔を高精度に規定して良好な光学特性を実現することが可能となっている。
【0010】
このとき、第1の支持部材の第1の方向の幅が、第1のレンズアレイの第1の方向の幅より短く、第2の支持部材の第1の方向の幅が、第3のレンズアレイの第1の方向の幅より短いように構成しても良い。このように構成することで、第1のレンズアレイから第1の支持部材が第1の方向に突出しないようにするとともに、第3のレンズアレイから第2の支持部材が第1の方向に突出しないようにすることができる。したがって、第1・第2の支持部材同士の干渉を考慮することなく、単に第1のレンズアレイと第3のレンズアレイとを第1の方向に配設だけで、長尺なレンズアレイを簡便に得ることができる。
【0011】
ところで、このような構成では、上述のように配設された第1のレンズアレイと第3のレンズアレイと、当該第1・第3のレンズアレイに対して第1・第2の支持部材より支持される第2のレンズアレイと第4のレンズアレイとを、これら第1〜第4のレンズアレイの位置関係を保ったまま支持できることが好適である。そこで、第2のレンズアレイの第1の方向の長さより第1の方向に長い光透過性基板を備え、第2のレンズアレイおよび第4のレンズアレイの光軸方向に光透過性基板が配され接合されるように構成しても良い。これにより、光透過性基板により、第1〜第4のレンズアレイの位置関係と保ったまま支持することができる。
【0012】
この発明にかかる露光ヘッドは、上記目的を達成するために、レンズを有する第1のレンズアレイと、第1のレンズアレイのレンズの光軸方向に配された第2のレンズアレイ、および第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に配設されて第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとを光軸方向に支持する第1の支持部材と、第1のレンズアレイの光軸方向と直交する第1の方向に配された第3のレンズアレイと、第3のレンズアレイの光軸方向に配された第4のレンズアレイ、および第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間に配設されて第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとを光軸方向に支持する第2の支持部材と、を備える光学ユニットと、第1の発光素子および第2の発光素子を有する発光素子基板と、を備え、発光素子基板は、第1のレンズアレイおよび第3のレンズアレイの光軸方向に配されたことを特徴としている。
【0013】
このように構成された発明(露光ヘッド)では、第1のレンズアレイと光軸方向でこれに対向する第2のレンズアレイとが設けられており、また、第3のレンズアレイと光軸方向でこれに対向する第4のレンズアレイとが設けられている。したがって、上述したとおり良好な光学特性を実現するという観点からは、互いに対向するレンズアレイの間隔が重要となる。そこで、本発明では、第1の支持部材が、第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に配設されてこれらを支持する。また、第2の支持部材が、第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間に配設されてこれらを支持する。よって、第1の支持部材が、第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間隔を規定する機能を果たすことができるため、これらのレンズアレイの間隔を高精度に規定することができるとともに、第2の支持部材が、第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間隔を規定する機能を果たすことができるため、これらのレンズアレイの間隔を高精度に規定することができる。こうして、レンズアレイの間隔を高精度に規定して良好な光学特性を実現することが可能となっている。
【0014】
そして、このように良好な光学特性を担保した上で、第1の発光素子の光は第1のレンズアレイの第1のレンズおよび第2のレンズアレイの第2のレンズを通過して被露光面に収束され、第2の発光素子の光は第3のレンズアレイの第3のレンズおよび第4のレンズアレイの第4のレンズを通過して被露光面に収束されるように構成すると良い。
【0015】
また、第1の支持部材の第1の方向の幅が、第1のレンズアレイの第1の方向の幅より短く、第2の支持部材の第1の方向の幅が、第3のレンズアレイの第1の方向の幅より短いように構成しても良い。このように構成することで、第1のレンズアレイから第1の支持部材が第1の方向に突出しないようにするとともに、第3のレンズアレイから第2の支持部材が第1の方向に突出しないようにすることができる。したがって、第1・第2の支持部材同士の干渉を考慮することなく、単に第1のレンズアレイと第3のレンズアレイとを第1の方向に配設だけで、長尺なレンズアレイを簡便に得ることができる。
【0016】
また、この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、像担持体と、レンズを有する第1のレンズアレイと、第1のレンズアレイのレンズの光軸方向に配された第2のレンズアレイ、および第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に配設されて第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとを光軸方向に支持する第1の支持部材と、第1のレンズアレイの光軸方向と直交する第1の方向に配された第3のレンズアレイと、第3のレンズアレイの光軸方向に配された第4のレンズアレイ、および第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間に配設されて第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとを光軸方向に支持する第2の支持部材とを備える光学ユニットと、第1の発光素子および第2の発光素子を有し、第1のレンズアレイおよび第3のレンズアレイの光軸方向に配された発光素子基板と、を備え、第1の発光素子の光は第1のレンズアレイの第1のレンズおよび第2のレンズアレイの第2のレンズを通過して像担持体の表面に収束され、第2の発光素子の光は第3のレンズアレイの第3のレンズおよび第4のレンズアレイの第4のレンズを通過して像担持体の表面に収束されることを特徴としている。
【0017】
このように構成された発明(画像形成装置)では、第1のレンズアレイと光軸方向でこれに対向する第2のレンズアレイとが設けられており、また、第3のレンズアレイと光軸方向でこれに対向する第4のレンズアレイとが設けられている。したがって、上述のとおり良好な光学特性を実現するという観点から、互いに対向するレンズアレイの間隔が重要となる。そこで、本発明では、第1の支持部材が、第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に配設されてこれらを支持する。また、第2の支持部材が、第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間に配設されてこれらを支持する。このような構成では、第1の支持部材が、第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間隔を規定する機能を果たすことができるため、これらのレンズアレイの間隔を高精度に規定することができるとともに、第2の支持部材が、第3のレンズアレイと第4のレンズアレイとの間隔を規定する機能を果たすことができるため、これらのレンズアレイの間隔を高精度に規定することができる。こうして、レンズアレイの間隔を高精度に規定して良好な光学特性を実現することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図。
【図2】図1の画像形成装置が備える電気的構成を示すブロック図。
【図3】ラインヘッドの概略を示す部分斜視図。
【図4】厚さ方向からヘッド基板を平面視した部分平面図。
【図5】ラインヘッドのA−A線における部分断面図。
【図6】ラインヘッドの部分側面図。
【図7】光学ユニットの部分分解図。
【図8】レンズアレイLA1の支持態様を示す部分平面図。
【図9】レンズアレイLA2の支持態様を示す部分平面図。
【図10】実施例の結像光学系のレンズデータを表として示す図。
【図11】S4面の面形状を示すデータをまとめた図。
【図12】S7面の面形状を示すデータをまとめた図。
【図13】主走査方向断面における結像光学系の光線図を示した図。
【図14】副走査方向断面における結像光学系の光線図を示した図。
【図15】図13および図14の光線図を求める際に用いた光学系諸元を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置が備える電気的構成を示すブロック図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図1は、カラーモード実行時に対応する図である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するメインコントローラーMCに与えられると、このメインコントローラーMCはエンジンコントローラーECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。このとき、メインコントローラーMCは、ヘッドコントローラーHCから水平リクエスト信号HREQを受け取る毎に、主走査方向MDに1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。また、このヘッドコントローラーHCは、メインコントローラーMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラーECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部ENGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
【0020】
画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラーMC、エンジンコントローラーECおよびヘッドコントローラーHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット7、転写ベルトユニット8および給紙ユニット11もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、2次転写ユニット12、定着ユニット13、シート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット11は、装置本体1に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット11および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0021】
画像形成ユニット7は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンダ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kは、主走査方向MDに所定長さの表面を有する円筒形の感光体ドラム21を設けている。そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれは、対応する色のトナー像を、感光体ドラム21の表面に形成する。感光体ドラム21は、軸方向が主走査方向MDに平行もしくは略平行となるように配置されている。また、各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モーターに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに搬送されることとなる。また、感光体ドラム21の周囲には、回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナー27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作及びトナー現像動作が実行される。したがって、カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーションY,M,C,Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8が有する転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、モノクロモード実行時は、画像形成ステーションKで形成されたトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する。なお、図1において、画像形成ユニット7の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号をつけて、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
【0022】
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラーを備えている。この帯電ローラーは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って感光体ドラム21に対して従動方向に周速で従動回転する。また、この帯電ローラーは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を帯電させる。
【0023】
ラインヘッド29は感光体ドラム21に対して離間して配置されており、ラインヘッド29の長手方向は主走査方向MDに平行もしくは略平行であるとともに、ラインヘッド29の幅方向は副走査方向SDに平行もしくは略平行である。このラインヘッド29は複数の発光素子を備えており、各発光素子はヘッドコントローラーHCからのビデオデータVDに応じて発光する。そして、帯電した感光体ドラム21表面に発光素子からの光が照射されることで、感光体ドラム21表面に静電潜像が形成される。
【0024】
現像部25は、その表面にトナーを担持する現像ローラー251を有する。そして、現像ローラー251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラー251に印加される現像バイアスによって、現像ローラー251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラー251から感光体ドラム21に移動してラインヘッド29により形成された静電潜像が顕在化される。
【0025】
このように上記現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する1次転写位置TR1において転写ベルト81に1次転写される。
【0026】
また、この実施形態では、感光体ドラム21の回転方向D21の1次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナー27が設けられている。この感光体クリーナー27は、感光体ドラムの表面に当接することで1次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
【0027】
転写ベルトユニット8は、駆動ローラー82と、図1において駆動ローラー82の左側に配設される従動ローラー83(ブレード対向ローラー)と、これらのローラーに張架され図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、感光体カートリッジ装着時において各画像形成ステーションY,M,C,Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の1次転写ローラー85Y,85M,85C,85Kを備えている。これらの1次転写ローラー85は、それぞれ1次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。そして、カラーモード実行時は、図1に示すように全ての1次転写ローラー85Y,85M,85C,85Kを画像形成ステーションY,M,C,K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に1次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで上記1次転写バイアス発生部から1次転写ローラー85に1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してカラー画像を形成する。
【0028】
一方、モノクロモード実行時は、4個の1次転写ローラー85のうち、カラー1次転写ローラー85Y,85M,85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーションY,M,Cから離間させるとともにモノクロ1次転写ローラー85Kのみを画像形成ステーションKに当接させることで、モノクロ画像形成ステーションKのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、モノクロ1次転写ローラー85Kと画像形成ステーションKとの間にのみ1次転写位置TR1が形成される。そして、適当なタイミングで前記1次転写バイアス発生部からモノクロ1次転写ローラー85Kに1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
【0029】
さらに、転写ベルトユニット8は、モノクロ1次転写ローラー85Kの下流側で且つ駆動ローラー82の上流側に配設された下流ガイドローラー86を備える。また、この下流ガイドローラー86は、モノクロ1次転写ローラー85Kが画像形成ステーションKの感光体ドラム21に当接して形成する1次転写位置TR1での1次転写ローラー85Kと感光体ドラム21との共通内接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
【0030】
駆動ローラー82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、2次転写ローラー121のバックアップローラーを兼ねている。駆動ローラー82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラー121を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラー82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、駆動ローラー82と2次転写ローラー121との当接部分(2次転写位置TR2)へのシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
【0031】
給紙ユニット11は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラー79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラー79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラー対80において給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って2次転写位置TR2に給紙される。
【0032】
2次転写ローラー121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、2次転写ローラー駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラー131と、この加熱ローラー131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が2次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラー131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラー1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラー1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラー131の周面に押し付けることで、加熱ローラー131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
【0033】
また、この装置では、ブレード対向ローラー83に対向してクリーナー部71が配設されている。クリーナー部71は、クリーナーブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナーブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラー83に当接することで、2次転写後に転写ベルトに残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。
【0034】
図3は、ラインヘッドの概略を示す部分斜視図である。同図では、ラインヘッド29の厚さ方向TKDの構成を理解しやすくするために、ラインヘッド29の長手方向LGDの端部(図3の左下端部)が断面で示されている。ここで、厚さ方向TKDは、長手方向LGDおよび幅方向LTDに垂直もしくは略垂直な方向であり、後述する発光素子Eが光を射出する側(つまり、ラインヘッド29から感光体ドラム21に向う側)を向いた方向とする。また、以後の実施形態の説明において、厚さ方向TKDの下流側(図3の上側)を「(厚さ方向TKDの)一方側」と称し、厚さ方向TKDの上流側(図3の下側)を「(厚さ方向TKDの)他方側」と称する。また、基板あるいは平板の一方側の面を表面と称し、基板あるいは平板の他方側の面を裏面と称することとする。
【0035】
なお、この厚さ方向TKDは、レンズアレイLA1のレンズLS1(を含む結像光学系)の光軸(光軸方向)に一致している。ここで、光軸は次のようにの定義される。結像光学系は多くの場合、主走査方向MDに垂直な対称面に関して面対称(鏡映対称)であり、かつ、副走査方向SDに垂直な対称面に関して面対称(鏡映対称)である。このように、結像光学系は、主走査方向に垂直な第1対称面、および当該主走査方向MDと直交する副走査方向SDに垂直な第2対称面を有し、第1対称面と第2対称面の交線が定まる。結像光学系が回転対称である場合には、前述の第1対称面と第2対称面の交線は光軸と一致する。結像光学系が回転対称でない場合、厳密には結像光学系の光軸が定義されない場合があるが、そのような場合には、前述の交線を光軸として取り扱えばよい。
【0036】
ラインヘッド29は、ヘッド基板293、遮光部材297および絞り平板295をこの順番で厚さ方向TKDに配置するとともに、厚さ方向TKDの一方側からこれらの部材を覆い被さるようにして光学ユニットOUを配置した概略構成を備えている。また、ヘッド基板293の裏面には(厳密には、ヘッド基板293に設けられた封止部材294の裏面には)これらの部材を支持するための剛性部材299が設けられている。ラインヘッド29が備える光学ユニットOUは、厚さ方向TKDに並ぶ2枚のレンズアレイLA1、LA2で構成され、これらレンズアレイLA1、LA2それぞれのレンズLS1、LS2(図5)が厚さ方向TKDに並んで1個の結像光学系として機能する。また、この光学ユニットOUは、レンズアレイLA1、LA2を支持するためにスペーサーSP1、SP2および支持ガラスSSを備えているが、これらについては後に詳述する。
【0037】
こうしてラインヘッド29では、ヘッド基板293、遮光部材297、絞り平板295およびレンズアレイLA1、LA2がこの順番で並んでいる。そして、ヘッド基板293の発光素子Eからの光が、遮光部材297の導光孔2971および絞り平板295の開口絞り2951を通過して、レンズアレイLA1、LA2のレンズLS1、LS2により結像される(図5)。次に、各部材の詳細な構成について、図3、図4および図5を用いつつ説明する。
【0038】
図4は、厚さ方向TKDからヘッド基板293を平面視した部分平面図であり、厚さ方向TKDの一方側(図3の上側)からヘッド基板293の裏面293−tを透視した場合に相当する。図5は、ラインヘッドのA−A線における部分断面図であり、該断面を長手方向LGD(主走査方向MD)から見た場合に相当する。このA−A線断面は、長手方向LGDに距離Dgを空けるとともに幅方向LTDに距離Dtを空けて、一列に並ぶ3個の発光素子グループEG(あるいは、3枚のレンズLS1等)の各幾何重心(あるいは、各レンズ中心)を通る。また、図4、図5に示す方向Dlscは、A−A線に平行な方向である。さらに、図4では、ヘッド基板293に形成された発光素子グループEG、レンズアレイLA1に形成されたレンズLS1およびレンズアレイLA2に形成されたレンズLS2の位置関係を示すために、レンズLS1およびレンズLS2がそれぞれ一点鎖線で併記されている。ちなみに、レンズLS1およびレンズLS2についての図中記載は、これらの位置関係を示すためのものであり、レンズLS1およびレンズLS2がヘッド基板裏面293−t(図5)に形成されていることを示すものではない。また、図5において、光透過性(つまり透明)である部材には、点の集合からなるハッチングが施されている。
【0039】
ヘッド基板293は光を透過するガラス基板(光透過性基板)で構成されており、ヘッド基板裏面293−tでは、ボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子である発光素子Eが複数形成されて、封止部材294により封止されている(図3、図5)。これら複数の発光素子Eは、互いに同一の発光スペクトルを有しており、光ビームを感光体ドラム21表面へ向けて射出する。また、図4に示すように、ヘッド基板裏面293−tに形成された複数の発光素子Eの配置態様は、グループ構造を有している。つまり、15個の発光素子Eが長手方向LGDに2行千鳥で配置されて1個の発光素子グループEGが構成されており、さらに複数の発光素子グループEGが長手方向LGDに3行千鳥で離散的に配置されている。
【0040】
より詳しくは、この配置態様は次のように説明することができる。つまり、各発光素子グループEG内では、15個の発光素子Eが長手方向LGDの互いに異なる位置に配置されており、しかも長手方向LGDにおける位置が隣り合う2つの発光素子E、Eの長手方向LGDへの距離は素子間距離Pelとなっている(言い換えれば、各発光素子グループEG内では、15個の発光素子EがピッチPelで長手方向LGDに配置されている)。そして、素子間距離Pelよりも長いグループ間距離Pegを空けて複数の発光素子グループEGが長手方向LGDに沿って離散的に並んで、1行の発光素子グループ行GRa等が構成されている。さらに、3行の発光素子グループ行GRa、GRb、GRcが距離Dtだけ空けて幅方向LTDの異なる位置に離散的に配置されており、しかも、発光素子グループ行GRa、GRb、GRcのそれぞれは、長手方向LGDに距離Dgだけ相互にシフトされている。こうして、3個の発光素子グループEGが、長手方向LGDに距離Dgを空けるとともに幅方向LTDに距離Dtを空けて、方向Dlscに一列に並ぶ。
【0041】
ここで、素子間距離Pelは、対象となる2個の発光素子Eの幾何重心間の長手方向LGDにおける距離として求めることができる。また、グループ間距離Pegは、対象となる2個の発光素子グループEGのうち、長手方向LGDの一方側の発光素子グループEGの他方側端部にある発光素子Eの幾何重心と、長手方向LGDの他方側の発光素子グループEGの一方側端部にある発光素子Eの幾何重心との長手方向LGDにおける距離として求めることができる。また、距離Dgは、長手方向LGDにおける位置が隣り合う2個の発光素子グループEGそれぞれの幾何重心間の長手方向LGDにおける距離として求めることができる。また、距離Dtは、幅方向LGDにおける位置が隣り合う2個の発光素子グループEGそれぞれの幾何重心間の幅方向LTDにおける距離として求めることができる。
【0042】
また、特開2004−082330号公報等に記載の技術を応用して、この実施形態は、各発光素子Eの光量制御に役立てるために、予め各発光素子Eの光量を検出する構成を備えている。具体的には、ヘッド基板裏面293−tの幅方向LTDの両側のそれぞれにおいて、複数の光センサーSCが所定間隔で長手方向LGDに一列に並べられている。こうして、光センサーSCの列が、複数の発光素子グループEGを挟んで幅方向LTDの両側に配置される。そして、各光センサーSCは発光素子Eからの光量を検出した結果をヘッドコントローラーHCに出力し、ヘッドコントローラーHCは受信した光量信号に基づいて以後の発光素子Eの光量を制御する。
【0043】
このようにヘッド基板293の裏面293−tには、発光素子グループEGおよび光センサーSCが配置されている。一方、ヘッド基板293の表面293−hには、遮光部材297が配置されている。遮光部材297には厚さ方向TKDに貫通する導光孔2971が複数形成されている。各導光孔2971は厚さ方向TKDからの平面視において円形状を有しており、その内壁には黒色メッキが施されている。この導光孔2971は、発光素子グループEG毎に1個づつ形成されており、すなわち、1個の発光素子グループEGに対して1個の導光孔2971が開口している。こうして、遮光部材297は、導光孔2971を発光素子グループEGに開口させた状態でヘッド基板表面293−hに当接して固定されている。
【0044】
このような遮光部材297を設ける目的は、いわゆる迷光がレンズLS1、LS2に入射するのを抑制するためである。つまり、各発光素子グループEGには、レンズ対LS1、LS2の対からなる結像光学系がそれぞれ専用に設けられている。このような構成では、光ビームは、それ自身の射出源である発光素子グループEGに設けられた結像光学系LS1、LS2にのみ入射して結像されることが望ましい。しかしながら、光ビームの一部には、その射出源である発光素子グループEGに設けられた結像光学系LS1、LS2に向わずに迷光となってしまうものもある。そして、このような迷光が、それ自身の射出源でない発光素子グループEGに設けられた結像光学系LS1、LS2に入射してしまうと、いわゆるゴーストが発生してしまうおそれがある。これに対して、この実施形態では、発光素子グループEGと結像光学系LS1、LS2との間に遮光部材297が設けられている。この遮光部材297には、内壁に黒色メッキが施された導光孔2971が発光素子グループEGに開口して設けられているため、迷光の多くは導光孔2971の内壁で吸収されることとなる。その結果、先ほどのゴーストを抑制して、良好な露光動作の実現が図られる。
【0045】
さらに、この遮光部材297の厚さ方向TKDの一方側には、絞り平板295が載設されている。この絞り平板295には、厚さ方向TKDに貫通する開口絞り2951が、各発光素子グループEG毎に1個ずつ形成されており、すなわち、1個の発光素子グループEGに対して、1個の開口絞り2951が開口している。この開口絞り2951は、レンズLS1、LS2で構成される結像光学系が所望の結像作用を発揮できるようにすることを目的として設けられている。つまり、開口絞り2951は、レンズLS1に入射する光ビームの量を制限して、最終的に形成されるスポットの大きさ、形状あるいはスポット形成に供する光の量を調整する。
【0046】
そして、上述のとおり、これらヘッド基板293、遮光部材297および絞り平板295に厚さ方向TKDの一方側から覆い被さるように光学ユニットOUが配設されている。この光学ユニットOUは、遮光部材297の厚さ方向TKDの一方側でレンズアレイLA1を支持し、さらに、このレンズアレイLA1の厚さ方向TKDの一方側でレンズアレイLA2を支持する。そして、このようにレンズアレイLA1、LA2を支持するための積層構造を、光学ユニットOUは備えている。この光学ユニットOUの積層構造について、図3〜図5に加えて図6、図7、図8、図9を用いて説明する。
【0047】
図6は、ラインヘッドの部分側面図であり、幅方向LTDからラインヘッド29を平面視した場合に相当する。図7は、光学ユニットの部分分解図であり、厚さ方向TKDに分解された光学ユニットを幅方向LTDから平面視した場合に相当する。図8は、レンズアレイLA1の支持態様を示す部分平面図であり、厚さ方向TKDから平面視した場合に相当する。図9は、レンズアレイLA2の支持態様を示す部分平面図であり、厚さ方向TKDから平面視した場合に相当する。
【0048】
これらの図に示すように、光学ユニットOUでは、互いに同一の形状・大きさを有する複数のスペーサーSP1が長手方向LGDに間隔CL1a、CL1bを空けて一列に並んでいる。また、このスペーサーSP1の列は、幅方向LTDの両側に設けられている(図3、図5、図8)。こうして、厚さ方向TKDからの平面視において、スペーサーSP1の列が、複数のレンズLS1(が配列されている領域)を幅方向LTDから挟んで2列配置されることとなる(換言すれば、遮光部材297を幅方向LTDから挟んで2列配置されることとなる)。このように、レンズLS1から幅方向LTDに外れてスペーサーSP1を配設することで、レンズLS1に入射する光ビームとスペーサーSP1との干渉が防止されて、光学ユニットOUは所望の光学特性を確実に発揮できる。なお、光学ユニットOUが備えるこれらのスペーサーSP1は、ヘッド基板293の表面293−hに接着剤等により固定されている。また、スペーサーSP1は厚みTsp1を有しており、この厚みTsp1でヘッド基板293とレンズアレイLA1との間隔を規定する。
【0049】
このようにして、2列に配置された第1スペーサSP1に対して、レンズアレイLA1が幅方向LTDに架設されており、これにより、レンズアレイLA1が絞り平板295の厚さ方向TKDの一方側で位置決めされる。このレンズアレイLA1は、長手方向LGDの両端が斜めに(方向Dlscと平行に)カットされた菱形形状のガラス基板SBを有している。このガラス基板SBの幅方向LTDの端辺は、長手方向LGDに長さLla1を有している(図8)。そして、このガラス基板SBの裏面には、光硬化性樹脂で形成された複数のレンズLS1がアレイ配置されている。これら複数のレンズLS1は、対向する発光素子グループEGの配置に対応して3行千鳥で配置されている(図4)。
【0050】
1枚のレンズアレイLA1は、幅方向LTDの一方側で長手方向LGDに間隔CL1aを空けて並ぶ2つのスペーサーSP1と、幅方向LTDの他方側で長手方向LGDに間隔CL1aを空けて並ぶ2つのスペーサーSP1とにより支持されている。このスペーサーSP1とレンズアレイLA1とは接着剤等により固定されている。各スペーサーSP1の長手方向LGDの長さLsp1は、幅方向LTDのレンズアレイLA1の端辺の長手方向LGDの長さLla1より短く(詳しくは、半分より短く)、長手方向LGDにおいて各スペーサーSP1の両端Esr1、Esl1はレンズアレイLA1の両端Elr1、Ell1の内側に位置している。つまり、レンズアレイLA1毎に4個のスペーサーSP1が専用に設けられており、各スペーサーSP1は、支持対象であるレンズアレイLA1から長手方向LGDに突出しないように配設されている。ちなみに、互いに異なるレンズアレイLA1、LA1を支持するとともに長手方向LGDに隣り合う2つのスペーサーSP1、SP1の長手方向の間隔CL1bは、上記間隔CL1aより短くなっている。そして、このように支持された複数のレンズアレイLA1が、境界BD1を挟んで隣り合うようにして長手方向LGDに並んで、長尺レンズアレイL−LA1が構成されている。
【0051】
また、これら複数のレンズアレイLA1のそれぞれに対しては、レンズアレイLA2が厚さ方向TKDの一方側から対向して配設されている。このレンズアレイLA2は、長手方向LGDの両端が斜めに(方向Dlscと平行に)カットされた菱形形状のガラス基板SBを有している。このガラス基板SBの幅方向LTDの端辺は、長手方向LGDに長さLla2を有している(図9)。このレンズアレイLA2の端辺の長さLla2は、レンズアレイLA1の端辺の長さLla1と等しい。そして、このガラス基板SBの裏面には、光硬化性樹脂で形成された複数のレンズLS1がアレイ配置されている。これら複数のレンズLS2は、対向する発光素子グループEGの配置に対応して3行千鳥で配置されている(図4)。
【0052】
この実施形態では、1枚のレンズアレイLA1毎に1枚のレンズアレイLA2が専用に対向して設けられており、レンズアレイLA2が複数のレンズアレイLA1に対向しない(換言すれば、長手方向LGDにおいて重なり合わない)ように、光学ユニットOUは構成されている。そして、レンズアレイLA1の複数のレンズLS1とレンズアレイLA2の複数のレンズLS2とは一対一の対応関係で互いに対向している。そして、レンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間隔を規定するために、レンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間にはスペーサーSP2が配設されており、このスペーサーSP2がレンズアレイLA1とレンズアレイLA2とを支持する。このスペーサーSP2は厚みTsp2を有しており、この厚みTsp2でレンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間隔を規定する。このスペーサーSP2による支持態様の詳細は次のとおりである。
【0053】
長尺レンズアレイL−LA1の一方面(レンズLS1が形成されていない面)には、互いに同一の形状・大きさを有する複数のスペーサーSP2が長手方向LGDに間隔CL2a、CL2bを空けて一列に並んでいる。また、このスペーサーSP2の列は、幅方向LTDの両側に設けられている(図3、図5、図9)。こうして、厚さ方向TKDからの平面視において、スペーサーSP2の列が、複数のレンズLS1および複数のレンズLS2(が配列されている領域)を幅方向LTDから挟んで2列配置されることとなる。このように、レンズLS1、LS2から幅方向LTDに外れてスペーサーSP2を配設することで、レンズLS1からレンズLS2に向かう光ビームとスペーサーSP2との干渉が防止されて、光学ユニットOUは所望の光学特性を確実に発揮できる。
【0054】
なお、この実施形態では、1枚のレンズアレイLA1のガラス基板SBの一方面に、幅方向LTDの一方側で長手方向LGDに間隔CL2aを空けて並ぶ2つのスペーサーSP2と、幅方向LTDの他方側で長手方向LGDに間隔CL2aを空けて並ぶ2つのスペーサーSP2とが配設されている。このスペーサーSP2とレンズアレイLA1のガラス基板SBとは接着剤等により固定されている。各スペーサーSP2の長手方向LGDの長さLsp2は、幅方向LTDのレンズアレイLA1の端辺の長手方向LGDの長さLla1(=Lla12)より短く(詳しくは、半分より短く)、長手方向LGDにおいて各スペーサーSP2の両端Esr2、Esl2はレンズアレイLA1の両端Elr1、Ell1の内側に位置している。つまり、レンズアレイLA1毎に4個のスペーサーSP2が専用に設けられており、各スペーサーSP2は、支持対象であるレンズアレイLA1から長手方向LGDに突出しないように配設されている。ちなみに、互いに異なるレンズアレイLA1、LA1に設けられるとともに長手方向LGDに隣り合う2つのスペーサーSP2、SP2の長手方向LGDの間隔CL2bは、上記間隔CL2aより短くなっている。
【0055】
このように、本実施形態では、スペーサーSP2の長手方向LGDの幅Lsp2が、レンズアレイLA2の長手方向LGDの幅Lla2より短く構成されている。このように構成することで、レンズアレイLA2からスペーサーSP2が長手方向LGDに突出しないようにすることができる。したがって、長手方向LGDに隣接するレンズアレイLA2を支持するスペーサーSP2同士の干渉を考慮することなく、単にレンズアレイLA2を長手方向LGDに排せつするだけで、長尺なレンズアレイL−LA2を簡便に得ることが出来るようになっている。
【0056】
そして、一のレンズアレイLA1に対向するレンズアレイLA2は、該一のレンズアレイLA1に専用に設けられた4個のスペーサーSP2に幅方向LTDから架設されて、レンズアレイLA2とスペーサーSP2とが接着剤等により固定される。各スペーサーSP2の長手方向LGDの長さLsp2は、幅方向LTDのレンズアレイLA2の端辺の長手方向LGDの長さLla2より短く(詳しくは、半分より短く)、長手方向LGDにおいて各スペーサーSP2の両端Esr2、Esl2はレンズアレイLA2の両端Elr2、Ell2の内側に位置している(図8)。つまり、レンズアレイLA2毎に4個のスペーサーSP2が専用に設けられており、各スペーサーSP2は、支持対象であるレンズアレイLA2から長手方向LGDに突出しないように配設されている。こうして、この実施形態では、互いに対向するレンズアレイLA1、LA2のペア毎に、4個のスペーサーSP2が専用に設けられている。そして、このように支持された複数のレンズアレイLA2が、境界BD2を挟んで隣り合うようにして長手方向LGDに並んで、長尺レンズアレイL−LA2が構成されている。
【0057】
以上の説明から判るように、この実施形態では、ヘッド基板293とレンズアレイLA1との間隔を規定するための4個のスペーサーSP1、これらのスペーサーSP1に支持されるレンズアレイLA1、このレンズアレイLA1に対向するレンズアレイLA2およびレンズアレイLA1、LA2の間隔を規定する4個のスペーサーSP2から、1つのモジュールMLが構成されている。そして、複数のモジュールMLを長手方向LGDに並べて、光学ユニットOUの長尺化が図られている。そして、このような構成では、各モジュールMLの位置関係を保ったまま支持できることが好適である。そこで、本実施形態では、長手方向LGDに長尺な支持ガラスSSが設けられている。長手方向LGDにおいて、この支持ガラスSSはレンズアレイLA2よりも長く形成されて、長尺レンズアレイL−LA2と略同じ長さを備えており、複数のレンズアレイLA2をスペーサーSP2の逆側から支持する。換言すれば、この支持ガラスSSの裏面(他方面)に、第2レンズアレイLA2のガラス基板SB表面が取り付けられている。これにより、各モジュールMLが互いの位置関係を保ったまま支持されることとなる。
【0058】
光学ユニットOUのこのような積層構造により、第1レンズアレイLA1のレンズLS1と第2レンズアレイLA2のレンズLS2が厚さ方向TKDに並んで、1つの結像光学系を構成する。この結像光学系は、反転した縮小像を形成するものであり、その倍率は負であるとともに1未満の絶対値を有している。したがって、発光素子Eから射出された光ビームは、レンズLS1、LS2を透過した後に支持ガラスSSの表面SS−hから射出されて、スポットとして感光体ドラム21表面に収束される。そして、特開2008−036937号公報の図11等に記載のように、感光体ドラム21表面の副走査方向SDへの移動に応じて各発光素子Eの発光を制御することで、主走査方向MDに伸びるライン潜像を形成することができる。
【0059】
以上のように、光学ユニットOUでは、複数のモジュールMLが長手方向LGDに配設されており、各モジュールMLでは、2枚のレンズアレイLA1およびレンズアレイLA2が対向して配置されている。そして、このような構成では、レンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間隔が重要となる。そこで、本実施形態では、各モジュールMLに対してスペーサーSP2が設けられている。つまり、スペーサーSP2がレンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間に配設されて、これらを支持している。このような構成では、スペーサーSP2がレンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間隔を規定する機能を果たすことができるため、これらのレンズアレイLA1、LA2の間隔を高精度に規定することができる。こうして、レンズアレイLA1、LA2の間隔を高精度に規定して、良好な光学特性を実現することが可能となっている。
【0060】
さらに、この実施形態は次のような効果を奏することもできる。上述のとおり、光学ユニットOUは、互いに対向するレンズアレイLA1、LA2毎にモジュール化しており、複数のモジュールMLを長手方向LGDに配設した構成を備えている。しかも、長手方向LGDにおいて、スペーサーSP2の両端Esr2、Esl2は、レンズアレイLA1の両端Elr1、Ell1の内側に位置するとともに、、レンズアレイLA2の両端Elr2、Ell2の内側に位置している。つまり、複数のモジュールMLが配設される長手方向LGDにおいて、スペーサーSP2がそれぞれのモジュールMLから突出しないように構成されている。したがって、スペーサーSP2同士の干渉を考慮することなく、単に複数のモジュールMLを長手方向LGDに配設するだけで、簡便に光学ユニットOUの長尺化を図ることが可能となっている。このように、本実施形態の光学ユニットOUは、対向するレンズアレイLA1、LA2の間隔を高精度に規定して良好な光学特性を実現できるという効果と、簡便に光学ユニットの長尺化を図ることができるといった効果とを兼ね備えている。
【0061】
また、この実施形態では、幅方向LTDの両側にスペーサーSP2が設けられており、これらのスペーサーSP2によりレンズアレイLA1、LA2は幅方向LTDの両側から支持されている。したがって、レンズアレイLA1、LA2とを強固に支持することができるとともに、これらの間隔をより高精度に規定することができる。
【0062】
ところで、この実施形態のラインヘッド29は、発光素子Eが形成されたヘッド基板293を備えている。そして、発光素子Eからの光は、レンズアレイLA1のレンズLS1およびレンズアレイLA2のレンズLS2により感光体ドラム21表面に収束される。このようなラインヘッド29では、所望の光学特性を確実に実現するといった観点から、レンズLS1と発光素子Eとの間隔が重要となる。そこで、各モジュールMLは、スペーサーSP2の他に、このスペーサーSP2の逆側からレンズアレイLA1を支持するスペーサーSP1を備えている。つまり、このスペーサーSP1は、レンズアレイLA1とヘッド基板293との間で、これらの間隔を規定しつつレンズアレイLA1を支持する。このような構成では、レンズアレイLA1とヘッド基板293との間隔がスペーサーSP1により規定されており、その結果、レンズアレイLA1のレンズLS1とヘッド基板293の発光素子Eとの間隔を高精度に規定することが可能となっている。これにより、所望の光学特性を確実に実現することが可能となっている。
【0063】
さらには、この光学ユニットOUでは、複数のモジュールMLが配設される長手方向LGDにおいて、スペーサーSP1の両端Elr1、Ell1は、レンズアレイLA1の両端Elr1、Rll1の内側に位置している。つまり、複数のモジュールMLが配設される長手方向LGDにおいて、各スペーサーSP1がそれぞれのモジュールMLから突出しないように構成されている。したがって、スペーサーSP1同士の干渉を考慮することなく、複数のモジュールMLを配設することができ、上述した簡便に光学ユニットOUの長尺化を図ることができるという効果が担保されている。
【0064】
その他
以上のように、上記実施形態では、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当する。長手方向LGDに隣り合うレンズアレイLA1、LA1が本発明の「第1のレンズアレイ」「第3のレンズアレイ」に相当し、長手方向LGDに隣り合うレンズアレイLA2、LA2が本発明の「第2のレンズアレイ」「第4のレンズアレイ」に相当する。長手方向LGDに隣り合う2個のモジュールML、MLそれぞれのスペーサーSP2、SP2が本発明の「第1の支持部材」「第2の支持部材」に相当する。また、支持ガラスSSが本発明の「光透過性基板」に相当する。また、ヘッド基板293が本発明の「発光素子基板」に相当し、感光体ドラム21が本発明の「像担持体」に相当し、感光体ドラム21表面が本発明の「被露光面」に相当する。また、主走査方向MDあるいは長手方向LGDが本発明の「第1の方向」に相当する。また、厚さ方向TKDが本発明の「光軸方向」に一致している。
【0065】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、2枚のレンズアレイLA1、LA2を厚さ方向TKDに並べているが、厚さ方向TKDに並ぶレンズアレイの枚数はこれに限られず、3枚以上であっても良い。この際、各レンズアレイの間にスペーサーを設けて、厚さ方向TKDのレンズアレイの間隔を規定することで、レンズアレイ間の間隔を高精度に規定するという効果を奏することができる。また、スペーサーの長手方向LGDの両端を、各レンズアレイの長手方向LGDの両端の内側に位置させることで、簡便に光学ユニットの長尺化を図ることができるという効果が奏させる。
【0066】
また、上記実施形態では、1つのモジュールMLに4個のスペーサーSP2が設けられていたが、1つのモジュールMLに設けるスペーサーSP2の個数はこれに限られない。
【0067】
また、上記実施形態では、1つのモジュールMLに4個のスペーサーSP1が設けられていたが、1つのモジュールMLに設けるスペーサーSP1の個数はこれに限られない。
【0068】
また、上記実施形態では、支持ガラスSSが設けられていたが、支持ガラスSSを設けないように構成することもできる。
【0069】
また、光学ユニットOUを構成する各部材の寸法関係についても、種々の変更が可能であり、上述した以外の寸法関係を備えるように、光学ユニットを構成することもできる。
【0070】
また、上記実施形態では、複数のレンズアレイLA1は、同一の形状および大きさを備えていたが、これらについても種々の変更が可能である。さらに、複数のレンズアレイLA2についても同様の変更が可能である。
【0071】
また、上記実施形態では、複数のスペーサーSP1は、同一の形状および大きさを備えていたが、これらについても種々の変更が可能である。さらに、複数のスペーサーSP2についても同様の変更が可能である。
【0072】
また、上記実施形態の結像光学系は、反転した縮小像を形成するものであり、その倍率は負であるとともに1未満の絶対値を有していたが、結像光学系の倍率はこれに限られず、正であっても良く、1以上の絶対値を有していても良い。
【0073】
また、上記実施形態では、レンズアレイLA1の裏面(厚さ方向TKDの他方面)にレンズLS1が形成されていたが、レンズLS1の形成位置はこれに限られない。レンズアレイLA2についても同様である。
【0074】
また、上記実施形態では、各レンズアレイLA1、LA2において3行千鳥でレンズが並んでいたが、レンズの配置態様はこれに限られない。
【0075】
また、上記実施形態では、レンズアレイLA1、LA2は、ガラス製の光透過性基板SBに樹脂製のレンズLS1、LS2を形成したものであった。しかしながら、レンズアレイLA1、LA2を1つの材料で一体的に構成することもできる。
【0076】
また、上記実施形態では、複数の発光素子グループEGは3行千鳥で配置されていたが、複数の発光素子グループEGの配置態様はこれに限られない。
【0077】
また、上記実施形態では、15個の発光素子Eから発光素子グループEGが構成されている。しかしながら、発光素子グループEGを構成する発光素子Eの個数はこれに限られない。
【0078】
また、上記実施形態では、発光素子グループEG内において、複数の発光素子Eが2行千鳥で配置されていたが、発光素子グループEG内での複数の発光素子Eの配置態様はこれに限られない。
【0079】
また、上記実施形態では、発光素子Eとしてボトムエミッション型の有機EL素子が用いられている。しかしながら、トップエミッション型の有機EL素子を発光素子Eとして用いても良く、あるいは有機EL素子以外のLED(Light Emitting Diode)等を発光素子Eとして用いても良い。
【0080】
また、光センサーSCの配設態様も上記以外に種々の変更が可能であり、また、光センサーSCを備えないように構成しても良い。
【実施例】
【0081】
次に本発明の実施例を示すが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合しうる範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
この実施例では、本発明を適用可能な光学ユニットの光学設計値を具体的に示す。図10は、実施例の結像光学系のレンズデータを表として示す図である。図11は、S4面の面形状を示すデータをまとめた図である。図12は、S7面の面形状を示すデータをまとめた図である。図13は、主走査方向断面における結像光学系の光線図を示した図である。図14は、副走査方向断面における結像光学系の光線図を示した図である。図15は、図13および図14の光線図を求める際に用いた光学系諸元を表として示す図である。この図15に示すように、物体側画素グループ主方向全幅(図13の幅Wm)を0.885[mm]、物体側画素グループ副方向全幅(図14のWs)を0.150[mm]、物体側開口数を0.218として、図13および図14の光線図は求められた。
【0083】
上記実施形態とこの実施例との対応関係を説明すると、面S1はヘッド基板裏面293−tに相当し、この面S1に光源(発光素子)が位置する。面S2はヘッド基板表面293−hに相当する。面S3は開口絞り2951に相当する。面S4は樹脂レンズLS1の入射面に相当し、面S5は基板SBの入射面(裏面)に相当し、面S6は基板SBの射出面(表面)に相当する。面S7は樹脂レンズLS2の入射面に相当し、面S8は基板SBの入射面(裏面)に相当する。面S9は基板SBの射出面(表面)に相当する。最後に、面S10は像面である。そして、これらの図およびデータに示すような光学設計を、上記実施形態の構成に適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
21…感光体ドラム、 29…ラインヘッド、 293…ヘッド基板、 E…発光素子、 EG…発光素子グループ、 OU…光学ユニット、 ML…モジュール、 L−LA1…長尺レンズアレイ、 L−LA2…長尺レンズアレイ、 LA1…レンズアレイ、 LA2…レンズアレイ、 LS1…レンズ、 LS2…レンズ、 BD1…境界、 BD2…境界、 SP1…スペーサー、 SP2…スペーサー、 LGD…長手方向、 LTD…幅方向、 MD…主走査方向、 SD…副走査方向、 TKD…厚さ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを有する第1のレンズアレイと、前記第1のレンズアレイの前記レンズの光軸方向に配された第2のレンズアレイ、および前記第1のレンズアレイと前記第2のレンズアレイとの間に配設されて前記第1のレンズアレイと前記第2のレンズアレイとを前記光軸方向に支持する第1の支持部材と、
前記第1のレンズアレイの前記光軸方向と直交する第1の方向に配された第3のレンズアレイと、前記第3のレンズアレイの前記光軸方向に配された第4のレンズアレイ、および前記第3のレンズアレイと前記第4のレンズアレイとの間に配設されて前記第3のレンズアレイと前記第4のレンズアレイとを前記光軸方向に支持する第2の支持部材と、
を備えることを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
前記第1の支持部材の前記第1の方向の幅が、前記第1のレンズアレイの前記第1の方向の幅より短く、
前記第2の支持部材の前記第1の方向の幅が、前記第3のレンズアレイの前記第1の方向の幅より短い請求項1記載の光学ユニット。
【請求項3】
前記第2のレンズアレイの前記第1の方向の長さより前記第1の方向に長い光透過性基板を備え、前記第2のレンズアレイおよび前記第4のレンズアレイの前記光軸方向に前記光透過性基板が配され接合された請求項1または2記載の光学ユニット。
【請求項4】
レンズを有する第1のレンズアレイと、前記第1のレンズアレイの前記レンズの光軸方向に配された第2のレンズアレイ、および前記第1のレンズアレイと前記第2のレンズアレイとの間に配設されて前記第1のレンズアレイと前記第2のレンズアレイとを前記光軸方向に支持する第1の支持部材と、前記第1のレンズアレイの前記光軸方向と直交する第1の方向に配された第3のレンズアレイと、前記第3のレンズアレイの前記光軸方向に配された第4のレンズアレイ、および前記第3のレンズアレイと前記第4のレンズアレイとの間に配設されて前記第3のレンズアレイと前記第4のレンズアレイとを前記光軸方向に支持する第2の支持部材と、を備える光学ユニットと、
第1の発光素子および第2の発光素子を有する発光素子基板と、
を備え、
前記発光素子基板は、前記第1のレンズアレイおよび前記第3のレンズアレイの前記光軸方向に配されたことを特徴とする露光ヘッド。
【請求項5】
前記第1の発光素子の光は前記第1のレンズアレイの第1のレンズおよび前記第2のレンズアレイの第2のレンズを通過して被露光面に収束され、
前記第2の発光素子の光は前記第3のレンズアレイの第3のレンズおよび前記第4のレンズアレイの第4のレンズを通過して前記被露光面に収束される請求項4に記載の露光ヘッド。
【請求項6】
前記第1の支持部材の前記第1の方向の幅が、前記第1のレンズアレイの前記第1の方向の幅より短く、
前記第2の支持部材の前記第1の方向の幅が、前記第3のレンズアレイの前記第1の方向の幅より短い請求項4または5に記載の露光ヘッド。
【請求項7】
像担持体と、
レンズを有する第1のレンズアレイと、前記第1のレンズアレイの前記レンズの光軸方向に配された第2のレンズアレイ、および前記第1のレンズアレイと前記第2のレンズアレイとの間に配設されて前記第1のレンズアレイと前記第2のレンズアレイとを前記光軸方向に支持する第1の支持部材と、前記第1のレンズアレイの前記光軸方向と直交する第1の方向に配された第3のレンズアレイと、前記第3のレンズアレイの前記光軸方向に配された第4のレンズアレイ、および前記第3のレンズアレイと前記第4のレンズアレイとの間に配設されて前記第3のレンズアレイと前記第4のレンズアレイとを前記光軸方向に支持する第2の支持部材とを備える光学ユニットと、第1の発光素子および第2の発光素子を有し、前記第1のレンズアレイおよび前記第3のレンズアレイの前記光軸方向に配された発光素子基板と、
を備え、
前記第1の発光素子の光は前記第1のレンズアレイの第1のレンズおよび前記第2のレンズアレイの第2のレンズを通過して前記像担持体の表面に収束され、前記第2の発光素子の光は前記第3のレンズアレイの第3のレンズおよび前記第4のレンズアレイの第4のレンズを通過して前記像担持体の表面に収束されることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−33682(P2011−33682A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177604(P2009−177604)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】