光学ユニット及び光学ユニットの製造方法
【課題】接着剤により接合される光学部材が所定の間隔に保たれた光学ユニットを安価に製造することが可能な技術を提供する。
【解決手段】光学ユニットは、第1の光学部材と、第2の光学部材とを有する。第1の光学部材は、第1の接合面を有する。第2の光学部材は、第1の接合面と接着剤を介して接合される第2の接合面を有する。更に、第1の接合面と第2の接合面との接着層のうち、微粒子を含む接着剤による接着部位が、第1の接合面又は第2の接合面の中心を囲むように少なくとも3箇所設けられている。
【解決手段】光学ユニットは、第1の光学部材と、第2の光学部材とを有する。第1の光学部材は、第1の接合面を有する。第2の光学部材は、第1の接合面と接着剤を介して接合される第2の接合面を有する。更に、第1の接合面と第2の接合面との接着層のうち、微粒子を含む接着剤による接着部位が、第1の接合面又は第2の接合面の中心を囲むように少なくとも3箇所設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材同士を接合してなる光学ユニット、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型で薄型の撮像装置が、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の小型、薄型の電子機器である携帯端末に搭載されるようになり、これにより遠隔地へ音声情報だけでなく画像情報も相互に伝送することが可能となっている。
【0003】
撮像装置に使用されるレンズユニットは、複数枚のレンズから構成され、レンズ間の光軸方向と光軸直交方向の双方に正確な位置決めが要求される。このレンズ間の位置決めは、撮像素子の高画素数化、即ち、画素ピッチの縮小化に伴い、従来と比べ更に厳しい精度が要求されている。
【0004】
また、レンズユニットに使用されるレンズは、形状・寸法の自由度を求めると共に原価低減を図るために樹脂成型されることが多い。しかし、レンズは複数のキャビティ(或いはコア)を有する金型や樹脂型により成型されるので、キャビティ毎に微細な寸法ばらつきがある(すなわち、用いられるキャビティ毎にレンズの個体差が生じる)。
【0005】
このばらつきを抑制するための技術としては、たとえば特許文献1に記載のものがある。すなわち、2枚のレンズを接着剤により接合してレンズユニットを構成する場合に、一方のレンズに設けた光軸と直交する接合面と、他方のレンズに設けた光軸と直交する接合面とを直接当接させ、2枚のレンズを調芯して光軸を合致させた後、接着剤で固定し一体化するレンズユニットが知られている。
【0006】
また、レンズユニットの性能を保証するためには、2つのレンズを所定の間隔に保つ必要がある。これに対し、たとえば2つのレンズの接合面を、微粒子が混入された接着剤で接合することにより、2つのレンズを微粒子の外形寸法によって所定の間隔に保つ方法がある(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−18024号公報
【特許文献2】国際公開第2008/059695号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、均一な外形寸法を有する微粒子や、当該微粒子が混入された接着剤は、一般に高価であるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、接着剤により接合される光学部材が所定の間隔に保たれた光学ユニットを安価に製造することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の光学ユニットは、第1の光学部材と、第2の光学部材とを有する。第1の光学部材は、第1の接合面を有する。第2の光学部材は、第1の接合面と接着剤を介して接合される第2の接合面を有する。更に、第1の接合面と第2の接合面との接着層のうち、微粒子を含む接着剤による接着部位が、第1の接合面又は第2の接合面の中心を囲むように少なくとも3箇所設けられている。
また、上記課題を解決するために、請求項2記載の光学ユニットは、請求項1記載の光学ユニットであって、微粒子は球形である。
また、上記課題を解決するために、請求項3記載の光学ユニットは、請求項1又は2記載の光学ユニットであって、微粒子は透明な樹脂により形成されている。
また、上記課題を解決するために、請求項4記載の光学ユニットは、請求項1又は2記載の光学ユニットであって、微粒子は着色された樹脂により形成されている。
また、上記課題を解決するために、請求項5記載の光学ユニットの製造方法は、塗布工程と、散布工程と、接合工程とを有する。塗布工程は、第1の光学部材に設けられた第1の接合面、及び第2の光学部材に設けられた第2の接合面の少なくとも一方に接着剤を塗布する。散布工程は、接着剤が塗布された領域のうち、第1の接合面又は第2の接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に向けて微粒子を散布する。接合工程は、第1の接合面及び第2の接合面の少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、第1の光学部材と第2の光学部材とを接合する。
また、上記課題を解決するために、請求項6記載の光学ユニットの製造方法は、第1の塗布工程と、第2の塗布工程と、接合工程を有する。第1の塗布工程は、第1の光学部材に設けられた第1の接合面、及び第2の光学部材に設けられた第2の接合面の少なくとも一方に設けられた第1の領域に対して第1の接着剤を塗布する。第2の塗布工程は、第1の領域と同一接合面上であって、当該接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に設けられた第2の領域に対し、第1の接着剤に微粒子を混入してなる第2の接着剤を塗布する。接合工程は、第1の接合面及び第2の接合面の少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、第1の光学部材と第2の光学部材とを接合する。
また、上記課題を解決するために、請求項7記載の光学ユニットの製造方法は、請求項5又は6記載の光学ユニットの製造方法であって、微粒子は球形である。
また、上記課題を解決するために、請求項8記載の光学ユニットの製造方法は、請求項5から7のいずれかに記載の光学ユニットの製造方法であって、微粒子は透明な樹脂により形成されている。
また、上記課題を解決するために、請求項9記載の光学ユニットの製造方法は、請求項5から7のいずれかに記載の光学ユニットの製造方法であって、微粒子は着色された樹脂により形成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、接着剤が塗布された接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に微粒子を散布する。これにより、第1の光学部材と第2の光学部材とが接合された際、微粒子の外径により、第1の光学部材と第2の光学部材とが所定の間隔に保たれる。また、接着剤が塗布された接合面全体に微粒子を散布する場合に比べ、微粒子の使用量を減らすことができる。従って、安価に光学ユニットを製造することができる。
【0012】
また、本発明によれば、接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に微粒子含む接着剤を塗布する。これにより、第1の光学部材と第2の光学部材とが接合された際、微粒子の外径により、第1の光学部材と第2の光学部材とが所定の間隔に保たれる。また、接合面全体に微粒子を含む接着剤を塗布する場合に比べ、微粒子の使用量を減らすことができる。従って、安価に光学ユニットを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るウエハレンズの構成を示す図である。
【図2】実施形態に係るマスター型から中間型を成形する工程を示すフローチャートである。
【図3A】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図3B】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図3C】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図3D】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図3E】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図4】実施形態に係る中間型から転写型を成形する工程を示すフローチャートである。
【図5A】図4のフローチャートの説明を補足する図である。
【図5B】図4のフローチャートの説明を補足する図である。
【図6】実施形態に係る転写型からウエハレンズを成形する工程を示すフローチャートである。
【図7A】図6のフローチャートの説明を補足する図である。
【図7B】図6のフローチャートの説明を補足する図である。
【図7C】図6のフローチャートの説明を補足する図である。
【図8】実施形態に係るレンズユニットを成形する工程を示すフローチャートである。
【図9A】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図9B】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図9C】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図9D】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図9E】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図10】実施形態に係る接着剤の塗布工程を示すフローチャートである。
【図11A】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図11B】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図11C】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図12A】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図12B】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図12C】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図13】変形例1に係る接着剤の塗布工程を示すフローチャートである。
【図14A】図13のフローチャートの説明を補足する図である。
【図14B】図13のフローチャートの説明を補足する図である。
【図14C】図13のフローチャートの説明を補足する図である。
【図15】変形例2に係る紫外線照射に関する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から図12Cを参照して、本実施形態に係る光学ユニット、及びその製造方法について説明する。本実施形態では、ウエハレンズ1とスペーサー50を組み合わせたレンズユニット100を「光学ユニット」として述べる。
【0015】
<ウエハレンズ1の構成>
はじめに、図1を用いて、ウエハレンズ1の構成について説明する。
【0016】
ウエハレンズ1は、基板2、レンズ部3及び平坦部3aを含んで構成されている。
【0017】
本実施形態における基板2は、円形状に形成された透過性を有する部材で形成されている。基板2の材質としては透光性をもつものであればよく、ガラスが好適に用いられる。また、基板2は円形状に限らず方形状等でもよい。
【0018】
レンズ部3は、基板2の表面及び裏面それぞれに複数成形されている。レンズ部3は、その光軸が表面側と裏面側とで一致するように成形されている。基板2をレンズ部3毎にダイシングすることにより、個片化された複数のレンズユニットを得ることができる。レンズ部3は凹面レンズ或いは凸面レンズである。レンズ部3は、基板2の表面及び裏面で同じ種類のレンズを成形することが可能である。逆に、基板2の表面と裏面で異なる種類のレンズ(たとえば、表面は凹面レンズ、裏面は凸面レンズ)を成形することも可能である。また、レンズ部3は、基板2の一方の面のみに成形されてもよい。以下、本実施形態では、表面及び裏面それぞれに凸面レンズが16個ずつ成形された構成について説明する。
【0019】
レンズ部3は、樹脂3Aで形成されている。この樹脂3Aとしては、硬化性樹脂を用いることが可能である。硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられる。これらの硬化性樹脂は、一般的に、重合性単量体などの重合性組成物と重合開始剤とを含み、かつ、未硬化の状態で流動性を有する樹脂材料を、光照射や加熱により重合させて硬化させることにより得られる。
【0020】
なお、レンズ部3の光学面の表面には、回折溝や段差等の微細構造が設けられていてもよい。
【0021】
平坦部3aは、レンズ部3と同じ樹脂3Aで形成されている。平坦部3aは、レンズ部3の周辺の基板2上に一様に設けられている。
【0022】
<ウエハレンズの製造工程>
次に、図2から図7Cを参照して、ウエハレンズ1の製造工程について説明を行う。ウエハレンズ1の製造にあたって、本実施形態では、ウエハレンズ成形用の型としてマスター型10、サブマスター型20(以下、「中間型20」という場合がある)、サブサブマスター型30(以下、「転写型30」という場合がある)を用いる。本実施形態においてウエハレンズ1の製造工程は、「中間型製造工程」、「転写型製造工程」、「ウエハレンズ成形工程」の3つに分けることができる。以下、それぞれの工程について述べる。
【0023】
[中間型製造工程]
図2から図3Eを参照して、マスター型10から中間型20を製造する方法を説明する。なお、図3Aから図3Eは、マスター型10を側面から見た場合の断面図である。
【0024】
まず、図3Aに示すように所望のマスター型10を選択する(S10)。マスター型10の上面には、凹部11(キャビティ)が複数個所に形成されている。また、各凹部11の周辺には、平坦部12が形成されている。マスター型10はたとえば、金属で形成されている。
【0025】
図3Bに示すように、S10で選択されたマスター型10の上方にディスペンス装置40を配置する。そしてディスペンス装置40から、マスター型10の上面に流動性を有する未硬化の樹脂材料21A´を吐出する(S11)。本実施形態において、樹脂材料21A´としては光硬化性樹脂材料が用いられる。
【0026】
図3Cに示すように、製造装置(図示なし)は、S11で樹脂材料21A´が配置された状態のマスター型10を基板23に向けて上昇させ、樹脂材料21A´を基板23に押圧する(S12)。本実施形態において基板23は光を透過可能な材質(たとえばガラス)で形成されている。基板23の押圧は製造装置により、基板23の全体に均一の圧力がかかるようになされることが望ましい。
【0027】
図3Dに示すように、S12で基板23とマスター型10が押圧された状態において、光源41は、基板23を介して樹脂材料21A´対して光を照射する(S13)。上述のように、樹脂材料21A´は光硬化性樹脂材料であり、基板23は光を透過可能な材質で形成されている。よって光源41からの光は基板23を透過して樹脂材料21A´に到達し、その光により重合反応が生じることで樹脂材料21A´は硬化して樹脂21Aとなる。
【0028】
S13で樹脂材料21A´が硬化された後、図3Eに示すように、製造装置は、基板23と結合された状態の樹脂21Aをマスター型10から剥離させる(S14)。樹脂21Aのうち、マスター型10の凹部11に対応する部分は凸部22として成形される。また、凸部22の周辺には、平坦部24が成形される。
【0029】
このようにして、基板23上に複数の凸部22(コア)を有する中間型20が完成する(S15)。
【0030】
また、平坦部12には予め離型剤を塗布し、S11で吐出された樹脂材料21A´とマスター型10との離型性を上げることが望ましい。このように、離型剤の塗布等によって離型層がマスター型に設けられていると、樹脂材料の粘度が小さい場合でも吐出された樹脂材料が滴状になりやすくなるため、後述する樹脂配置方法を適用する意義がより高まるといえる。離型剤を用いる場合、平坦部12に対してUVオゾン洗浄や酸素プラズマアッシング等の表面改質処理を行うことにより、OH基(水酸基)を立たせる。そして平坦部12に対して、末端に加水分解可能な官能基が結合した材料(たとえばシランカップリング構造を有する材料)を塗布する。するとその官能基と平坦部12の表面に存在するOH基との間で脱水縮合又は水素結合等が起こり、離型剤が平坦部12の表面に固着されることとなる。
【0031】
[転写型製造工程]
図4から図5Bを参照して、本実施形態における中間型20から転写型30を製造する方法を説明する。なお、図5A及び図5Bは、中間型20及び転写型30を側面から見た場合の断面図である。また、中間型製造工程と同様の工程については詳細な説明を省略する場合がある。
【0032】
まず、S15で得られた中間型20の下方に、中間型20の凸部22に面するように基板33を配置する(S20)。基板33上には、流動性を有する未硬化の樹脂材料31A´が予め塗布されているものとする。本実施形態において樹脂材料31A´としては光硬化性樹脂材料が用いられる。
【0033】
製造装置(図示なし)は、S20で樹脂材料31A´が塗布された状態の基板33に対して、中間型20を押圧する(S21)。本実施形態において基板33は光を透過可能な材質(たとえばガラス)で形成されている。基板33の押圧は製造装置により、基板33の全体に均一の圧力がかかるようになされることが望ましい。
【0034】
図5Aに示すように、S21で基板33と中間型20が押圧された状態において、光源41は、基板33を介して光を照射する(S22)。上述のように、樹脂材料31A´は光硬化性樹脂材料であり、基板33は光を透過可能な材質で形成されている。よって光源41からの光は基板33を透過して樹脂材料31A´に到達し、その光により重合反応が生じることで樹脂材料31A´は硬化し、樹脂31Aとなる。
【0035】
S22で樹脂材料31A´が硬化された後、製造装置は、基板33と結合された状態の樹脂31Aを中間型20から剥離する。その結果、図5Bに示すように、転写型30が完成する(S23)。樹脂31Aのうち、中間型20の凸部22に対応する部分は凹部32(キャビティ)として成形される。また、凹部32の周辺には、平坦部34が成形される。
【0036】
なお、平坦部34に予め離型剤を塗布するなどして、樹脂31Aと中間型20との離型性を上げることが望ましい。離型剤を塗布する場合には、更に平坦部34の表面改質処理を行うことが望ましい。
【0037】
[ウエハレンズ成形工程]
図6から図7Cを参照して、本実施形態における転写型30からウエハレンズ1を成形する方法を説明する。なお、図7A〜図7Cは、転写型30及びウエハレンズ1を側面から見た場合の断面図である。また、中間型製造工程及び転写型製造工程と同様の工程については詳細な説明を省略する場合がある。
【0038】
まず、S23で得られた転写型30の上方に基板2を配置する。転写型30の上面には、流動性を有する未硬化の樹脂材料3A´が予め塗布されているものとする(S30)。本実施形態において樹脂材料3A´としては光硬化性樹脂材料が用いられる。
【0039】
製造装置(図示なし)は、S30で樹脂材料3A´が塗布された状態の転写型30を基板2に対して上昇させ、樹脂材料3A´を基板2に押圧する(S31)。本実施形態において、基板2は光を透過可能な材質(たとえばガラス)で形成されている。基板2の押圧は製造装置により、基板2の全体に均一の圧力がかかるようになされることが望ましい。
【0040】
図7Aに示すように、S31で基板2と転写型30が押圧された状態において、光源41は、基板2を介して光を照射する(S32)。上述のように、樹脂材料3A´は光硬化性樹脂材料であり、基板2は光を透過可能な材質で形成されている。よって光源41からの光は基板2を透過して樹脂材料3A´に到達し、その光により重合反応が生じることで樹脂材料3A´は硬化し樹脂3Aとなる。
【0041】
S32で樹脂材料3A´が硬化された後、製造装置は、基板2と結合された状態の樹脂3Aを転写型30から剥離させる。その結果、図7Bに示すように、基板2の片面にレンズ部3及び平坦部3aが形成されたウエハレンズ中間体1´が完成する(S33)。樹脂3Aのうち、転写型30の凹部32に対応する部分はレンズ部3として成形される。また、レンズ部3の周辺には、平坦部3aが成形される。
【0042】
そして、ウエハレンズ中間体1´のレンズ部3等が成形されていない面に対して、上述のS30〜S32の工程を行うことにより、図7Cに示すような基板2の両面にレンズ部3及び平坦部3aが形成されたウエハレンズ1が完成する(S34)。
【0043】
なお、平坦部34に予め離型剤を塗布するなどして、樹脂3Aと転写型30との離型性を上げることが望ましい。離型剤を塗布する場合には、更に平坦部34の表面改質処理を行うことが望ましい。
【0044】
<レンズユニットの製造工程>
次に、図8から図9Eを参照して、レンズユニット100の製造工程について説明する。本実施形態におけるレンズユニット100は、スペーサー50を介して2つのウエハレンズ1を積層してなる積層体を個片化することにより、取得することができる。なお、図9A〜図9Dは、ウエハレンズ1等を側面から見た場合の断面図である。
【0045】
まず、図9Aに示すように、ウエハレンズ1の平坦部3aに対し、ディスペンス装置40により、接着剤4aを塗布する(S40)。接着剤4aとしては、たとえば、エポキシ系紫外線硬化特性を有するものを用いる。本実施形態における接着剤4aを塗布する工程については、別途、詳述する。
【0046】
図9Bに示すように、接着剤4aが塗布された平坦部3aに対してスペーサー50に設けられた突出部51の面51aを突き当てる(S41)。そして、その状態で紫外線を照射する(S42)。接着剤4aは、紫外線により硬化する。よって、ウエハレンズ1とスペーサー50とは、平坦部3a及び面51aを介して接合され、ユニット52が成形される。
【0047】
別のウエハレンズ1についても、S40と同様に、平坦部3aに対し、ディスペンス装置40により、接着剤4aを塗布する(S43)。
【0048】
図9Cに示すように、S41で形成されたユニット52のスペーサー50において接合されていない側の突出部51の面51aを、S42で接着剤4aが塗布された平坦部3aに対して突き当てる(S44)。そして、その状態で紫外線を照射する(S45)。このようにして、スペーサー50の両側にウエハレンズ1が接合されたレンズアレイユニット53が成形される。
【0049】
図9Dに示すように、ダイシングブレードDBにより、レンズアレイユニット53をレンズ部3単位(図9Dの破線)で切断する(S46)。その結果、図9Eに示すようなレンズユニット100がレンズ部3の数だけ完成する(S47。図9Eでは1つのレンズユニット100のみ図示している)。
【0050】
なお、接着剤4aは、ウエハレンズ1の平坦部3aではなく突出部51の面51aに塗布されてもよい。或いは、接着剤4aは、平坦部3aと面51aとの双方に塗布されてもよい。
【0051】
接着剤4aとしては、嫌気硬化性、プライマー硬化性等の接着剤を用いることができる。また、接着剤4aの塗布方法としては、ディスペンス装置40による方法に限られない。たとえば、接着剤4aの塗布方法としてスクリーン印刷法を用いることができる。
【0052】
<接着剤の塗布について>
次に、図10から図12Cを参照して、接着剤4aを塗布する工程(S40及びS43。図8参照)について詳細に説明する。以下では、S40の工程について詳述するが、S43の工程でも同様の処理が実施されている。
【0053】
図11A〜図11Cは、ウエハレンズ1の上面図である。図12A〜図12Cは、図11A〜図11Cの矢印A方向からウエハレンズ1を見た場合の側面図である。なお、図12A〜図12Cでは、レンズ部3の記載は省略している。また、図11Cでは、スペーサー50の記載を省略している。
【0054】
本実施形態では、ウエハレンズ1が「第1の光学部材」の一例であり、スペーサー50が「第2の光学部材」の一例である。
【0055】
まず、図11A及び図12Aに示すように、ウエハレンズ1のレンズ部3周辺に設けられた平坦部3aに対し、ディスペンス装置40により接着剤4aを塗布する(S400。塗布工程)。ここでは、図9Aの場合と異なり、接着剤4aは平坦部3aの形状に沿ってライン状に塗布されたものとする。本実施形態において、平坦部3aが「第1の接合面」の一例である。
【0056】
次に、図11B及び図12Bに示すように、接着剤4aが塗布された領域のうち、平坦部3aの中心C(ウエハレンズ1の中心)を囲む4箇所に向けて微粒子4bを散布する(S401。散布工程)。
【0057】
微粒子4bは、たとえば、接着剤4aを塗布するディスペンス装置40とは別に設けられた散布装置42により散布される。具体的には、散布装置42に設けられた入力部(不図示)等を介して微粒子4bを散布する場所及び散布量を入力する。散布装置42は、当該入力内容に基づいて、接着剤4aが塗布された領域のうち、指定された場所に向けて微粒子4bの散布を行う。または、微粒子4bを散布する場所及び散布量が設定されたプログラムに基づいて散布装置42を駆動させることも可能である。なお、微粒子4bの散布は作業者による手動で行ってもよい。このように、接着剤4aの塗布と微粒子4bの散布を別々に行うことにより、ディスペンス装置40内に微粒子4bが混入されることがない。よって、微粒子4bによるディスペンス装置40の目詰まりを防止できる。なお、接着剤4aが紫外線硬化型のアクリル系或いはエポキシ系の接着剤である場合、微粒子4bは、0.01〜10重量%で散布することができる。
【0058】
微粒子4bは、プラスチック等の材料で形成された球形の材料である。微粒子4bとしては、ギャップ制御用微粒子(たとえば、積水化学工業株式会社製「ミクロパール(登録商標)」)を用いることができる。微粒子4bの外径寸法は、0.5μmから100μm程度が好ましく、1μm間隔で選択可能である。ウエハレンズ1とスペーサー50との所定の間隔に応じて任意の外径寸法の微粒子4bを用いる。或いは、間隔と微粒子4bの外径寸法との組み合わせを予め複数設定し、散布装置42に記憶させる。そして、作業者がある間隔を指定すると、散布装置42がその間隔に対応する微粒子4bを自動で選択することでもよい。
【0059】
その後、図11C及び図12Cに示すように、接着剤4aが塗布された平坦部3aに対してスペーサー50に設けられた突出部51の面51aを押圧することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを接合する(S41に相当。接合工程)。このとき、平坦部3aの4箇所に散布された微粒子4bは、面51aに押されて接着剤4aの内部に埋没していく。更に押圧を続けると、微粒子4bは、平坦部3aに突き当たる。この状態において、平坦部3aと面51aとは一定の間隔(微粒子4bの外径に等しい)が保たれる。本実施形態において、突出部51の面51aが「第2の接合面」の一例である。
【0060】
そして、その状態で紫外線を照射することにより(S42)、ウエハレンズ1及びスペーサー50からなるユニット52が成形される。このとき、平坦部3aと面51aとの間には接着層4cが形成される。この接着層4cのうち、微粒子4bを含む接着部位は、平坦部3aの中心Cを囲む4箇所に設けられる。微粒子4bを含む接着部位が平坦部3aの中心Cを囲む4箇所に存在することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを所定の間隔(微粒子4bの外径と等しい)に保つことができる。微粒子4bを含む接着部位は、接着部位全体の30%以下とすることができる。
【0061】
なお、微粒子4bを散布する部分(微粒子を含む接着部位)は、少なくとも第1の接合面(第2の接合面)の中心を囲む3箇所あればよい。微粒子4bを散布する部分(微粒子を含む接着部位)が3箇所よりも少ない場合(1箇所又は2箇所の場合)、第1の接合面と第2の接合面とを押圧した際に第1の光学部材(第2の光学部材)に対する第2の光学部材(第1の光学部材)の安定性を保つことができない。一方、少なくとも第1の接合面(第2の接合面)の中心を囲む3箇所に微粒子4bが存在すれば、第1の光学部材と第2の光学部材とを安定した状態で所定の間隔に保つことができる。
【0062】
微粒子4bを散布する部分(微粒子を含む接着部位)の数については、3箇所以上であれば、作業工程における手間(散布箇所が多いほど、作業に時間がかかる)や、費用(散布箇所が多いほど、微粒子4bが大量に必要となる)を考慮して適宜決定することができる。
【0063】
微粒子4bを散布する部分(微粒子を含む接着部位)の位置については、たとえば、微粒子4bを散布する部分の間隔を広くとることで、より安定した状態で第1の光学部材(第2の光学部材)に対して第2の光学部材(第1の光学部材)を所定の間隔に保つことができる。一方、上記説明のように、ウエハレンズ1の外周部分に微粒子4bを散布する代わりに、ウエハレンズ1の中心を囲む内周部分に微粒子4bを散布してもよい。
【0064】
「光学部材」は、光学的な性能を持つ部材であればよい。たとえば、フィルタや絞り板であってもよい。また、「光学ユニット」は、光学部材によって構成されるユニットであればよい。たとえば、スペーサー50を介さずにウエハレンズ1同士を直接、接合したものであってもよい。或いは、上記ユニット52やレンズアレイユニット53も「光学ユニット」に含まれる。
【0065】
本実施形態では、樹脂成型によるウエハレンズ1の構成で説明したが、複数のガラスモールドレンズを組み合わせて光学ユニットを作成する際にも適用可能である。この場合、ガラスモールドレンズが光学部材(スペーサーを用いる場合にはスペーサーも光学部材)に当たり、それらを組み合わせたものが光学ユニットに当たる。
【0066】
<作用・効果>
本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0067】
本実施形態に係る光学ユニットは、第1の光学部材(ウエハレンズ1)と、第2の光学部材(スペーサー50)とを有する。ウエハレンズ1は、第1の接合面(平坦部3a)を有する。スペーサー50は、平坦部3aと接着剤4aを介して接合される第2の接合面(面51a)を有する。そして、平坦部3aと面51aとの接着層4cのうち、微粒子4bを含む接着剤4aによる接着層4cが、平坦部3aの中心を囲むように少なくとも3箇所設けられている。
【0068】
また、本実施形態に係る光学ユニットの製造方法は、塗布工程(S400)と、散布工程(S401)と、接合工程(S41)とを有する。塗布工程は、第1の光学部材(ウエハレンズ1)に設けられた第1の接合面(平坦部3a)、及び第2の光学部材(スペーサー50)に設けられた第2の接合面(面51a)の少なくとも一方に接着剤4aを塗布する。散布工程は、接着剤4aが塗布された領域のうち、平坦部3aの中心を囲む少なくとも3箇所に向けて微粒子4bを散布する。接合工程は、平坦部3a及び面51aの少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを接合する。
【0069】
このように、接着剤を塗布する面の一部にのみ微粒子を散布することにより、用いる微粒子の量を低減させることができる。よって、安価に光学ユニットを製造することができる。また、接合する光学部材の中心を囲むように少なくとも3箇所に微粒子を配することで、光学部材を所定の間隔に保つことができる光学ユニットを製造することができる。
【0070】
<変形例1>
接着剤4aを塗布する工程においては、上記実施形態の他に、微粒子4bが予め混入された接着剤4aを塗布することも可能である。以下、図13から図14Cを参照して、接着剤4aを塗布する工程の変形例について説明する。図13は、変形例に係る接着剤の塗布工程を示すフローチャートである。図14A〜図14Cは、ウエハレンズ1の上面図である。
【0071】
本変形例では、実施形態と同様、ウエハレンズ1が「第1の光学部材」の一例であり、スペーサー50が「第2の光学部材」の一例である。また、本変形例では、接着剤4aとして、第1の接着剤4a´、及び第2の接着剤4a´´を用いる。第1の接着剤4a´は、たとえば、紫外線硬化特性を有する接着剤である。第2の接着剤4a´´は、第1の接着剤4a´に微粒子4bを混入してなる接着剤である。なお、第1の接着剤4a´に対する微粒子4bの混入割合は、5〜30体積%とすることができる。本変形例では、ウエハレンズ1(平坦部3a)にのみ接着剤(4a´、4a´´)が塗布される場合について述べる。
【0072】
本変形例では、図14Aに示すように、ウエハレンズ1の平坦部3aは、第1の領域E1と第2の領域E2とから構成されている。第1の領域E1は、第1の接着剤4a´が塗布される領域である。第2の領域E2は、平坦部3a上(第1の領域E1と同一接合面上)であって、平坦部3aの中心を囲む少なくとも3箇所に設けられた領域である。本変形例では、第2の領域E2が4箇所設けられている。
【0073】
本変形例における接着剤4aを塗布する工程は、まず、図14Bに示すように、平坦部3aの第1の領域E1に対し、ディスペンス装置40により第1の接着剤4a´を塗布する(S400´。第1の塗布工程)。本変形例において、平坦部3aが「第1の接合面」の一例である。
【0074】
次に、図14Cに示すように、平坦部3aの第2の領域E2に対し、ディスペンス装置40により第2の接着剤4a´´を塗布する(S401´。第2の塗布工程)。
【0075】
その後、第1の接着剤4a´及び第2の接着剤4a´´が塗布された平坦部3aに対してスペーサー50に設けられた突出部51の面51aを押圧することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを接合する(S41に相当。接合工程)。そして、その状態で紫外線を照射することにより(S42)、ウエハレンズ1及びスペーサー50からなるユニット52が成形される。
【0076】
<作用・効果>
本変形例の作用及び効果について説明する。
【0077】
本変形例に係る光学ユニットの製造方法は、第1の塗布工程(S400´)と、第2の塗布工程(S401´)と、接合工程(S41)とを有する。第1の塗布工程は、第1の光学部材(ウエハレンズ1)に設けられた第1の接合面(平坦部3a)、及び第2の光学部材(スペーサー50)に設けられた第2の接合面(面51a)の少なくとも一方に設けられた第1の領域E1に対して第1の接着剤4a´を塗布する。第2の塗布工程は、平坦部3a上であって、当該接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に設けられた第2の領域E2に対し、第1の接着剤4a´に微粒子4bを混入してなる第2の接着剤4a´´を塗布する。接合工程は、平坦部3a及び面51aの少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを接合する。
【0078】
このように、微粒子4bを予め混入した第2の接着剤4a´´を使用することにより、用いる微粒子の量を低減させることができる。よって、安価に光学ユニットを製造することができる。また、接合する光学部材の中心を囲むように少なくとも3箇所に微粒子を配することで、光学部材を所定の間隔に保つことができる光学ユニットを製造することができる。
【0079】
<変形例2>
たとえば、紫外線硬化特性を有する接着剤を用いる場合、紫外線の照射方向(図15の矢印)によっては、微粒子4bにより接着剤4aへの紫外線照射が遮られる領域(図15のE3参照)が生じる可能性がある。このような問題を解消するために、微粒子4bは、透明な樹脂により形成されていてもよい。透明な微粒子4bは、紫外線を透過させる。よって、図15において領域E3にも紫外線を照射することができる。
【0080】
一方、微粒子4bは、着色された樹脂により形成されていてもよい。この場合、散布された微粒子4bの分布状態を視認できる。従って、微粒子4bが所定の場所に均一に散布されているかを容易に確認することができる。更に、透明な接着剤4aを用いる場合には、微粒子4bが混入した接着剤4aが不要な部分に付着している場合にも、その部分を容易に発見できる。なお、微粒子4bの視認性を上げるためには、微粒子4bは、散布される部分と異なる色で着色されることが好ましい。
【0081】
或いは、蛍光体を含有させた微粒子4bを用いてもよい。この場合、微粒子4bに対して励起光を照射し、発生した蛍光を視認することにより、微粒子4bの分布状態を確認できる。
【0082】
また、微粒子4bの材質によっては、第1の光学部材と第2の光学部材とが押圧される際の圧力で微粒子4b自体が変形してしまうおそれがある。従って、微粒子4bは、押圧される圧力に応じてその材質を適宜選択可能である。たとえば、圧力が強い場合にはシリカ等の硬質の材料で形成された微粒子4bを用いることが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 ウエハレンズ
2、23、33 基板
3 レンズ部
3A、21A、31A 樹脂
4a 接着剤
4b 微粒子
10 マスター型
11、32 凹部
3a、12、24、34 平坦部
20 中間型
22 凸部
30 転写型
40 ディスペンス装置
41 光源
42 散布装置
50 スペーサー
51 突出部
51a 面
53 レンズアレイユニット
100 レンズユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材同士を接合してなる光学ユニット、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型で薄型の撮像装置が、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の小型、薄型の電子機器である携帯端末に搭載されるようになり、これにより遠隔地へ音声情報だけでなく画像情報も相互に伝送することが可能となっている。
【0003】
撮像装置に使用されるレンズユニットは、複数枚のレンズから構成され、レンズ間の光軸方向と光軸直交方向の双方に正確な位置決めが要求される。このレンズ間の位置決めは、撮像素子の高画素数化、即ち、画素ピッチの縮小化に伴い、従来と比べ更に厳しい精度が要求されている。
【0004】
また、レンズユニットに使用されるレンズは、形状・寸法の自由度を求めると共に原価低減を図るために樹脂成型されることが多い。しかし、レンズは複数のキャビティ(或いはコア)を有する金型や樹脂型により成型されるので、キャビティ毎に微細な寸法ばらつきがある(すなわち、用いられるキャビティ毎にレンズの個体差が生じる)。
【0005】
このばらつきを抑制するための技術としては、たとえば特許文献1に記載のものがある。すなわち、2枚のレンズを接着剤により接合してレンズユニットを構成する場合に、一方のレンズに設けた光軸と直交する接合面と、他方のレンズに設けた光軸と直交する接合面とを直接当接させ、2枚のレンズを調芯して光軸を合致させた後、接着剤で固定し一体化するレンズユニットが知られている。
【0006】
また、レンズユニットの性能を保証するためには、2つのレンズを所定の間隔に保つ必要がある。これに対し、たとえば2つのレンズの接合面を、微粒子が混入された接着剤で接合することにより、2つのレンズを微粒子の外形寸法によって所定の間隔に保つ方法がある(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−18024号公報
【特許文献2】国際公開第2008/059695号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、均一な外形寸法を有する微粒子や、当該微粒子が混入された接着剤は、一般に高価であるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、接着剤により接合される光学部材が所定の間隔に保たれた光学ユニットを安価に製造することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の光学ユニットは、第1の光学部材と、第2の光学部材とを有する。第1の光学部材は、第1の接合面を有する。第2の光学部材は、第1の接合面と接着剤を介して接合される第2の接合面を有する。更に、第1の接合面と第2の接合面との接着層のうち、微粒子を含む接着剤による接着部位が、第1の接合面又は第2の接合面の中心を囲むように少なくとも3箇所設けられている。
また、上記課題を解決するために、請求項2記載の光学ユニットは、請求項1記載の光学ユニットであって、微粒子は球形である。
また、上記課題を解決するために、請求項3記載の光学ユニットは、請求項1又は2記載の光学ユニットであって、微粒子は透明な樹脂により形成されている。
また、上記課題を解決するために、請求項4記載の光学ユニットは、請求項1又は2記載の光学ユニットであって、微粒子は着色された樹脂により形成されている。
また、上記課題を解決するために、請求項5記載の光学ユニットの製造方法は、塗布工程と、散布工程と、接合工程とを有する。塗布工程は、第1の光学部材に設けられた第1の接合面、及び第2の光学部材に設けられた第2の接合面の少なくとも一方に接着剤を塗布する。散布工程は、接着剤が塗布された領域のうち、第1の接合面又は第2の接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に向けて微粒子を散布する。接合工程は、第1の接合面及び第2の接合面の少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、第1の光学部材と第2の光学部材とを接合する。
また、上記課題を解決するために、請求項6記載の光学ユニットの製造方法は、第1の塗布工程と、第2の塗布工程と、接合工程を有する。第1の塗布工程は、第1の光学部材に設けられた第1の接合面、及び第2の光学部材に設けられた第2の接合面の少なくとも一方に設けられた第1の領域に対して第1の接着剤を塗布する。第2の塗布工程は、第1の領域と同一接合面上であって、当該接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に設けられた第2の領域に対し、第1の接着剤に微粒子を混入してなる第2の接着剤を塗布する。接合工程は、第1の接合面及び第2の接合面の少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、第1の光学部材と第2の光学部材とを接合する。
また、上記課題を解決するために、請求項7記載の光学ユニットの製造方法は、請求項5又は6記載の光学ユニットの製造方法であって、微粒子は球形である。
また、上記課題を解決するために、請求項8記載の光学ユニットの製造方法は、請求項5から7のいずれかに記載の光学ユニットの製造方法であって、微粒子は透明な樹脂により形成されている。
また、上記課題を解決するために、請求項9記載の光学ユニットの製造方法は、請求項5から7のいずれかに記載の光学ユニットの製造方法であって、微粒子は着色された樹脂により形成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、接着剤が塗布された接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に微粒子を散布する。これにより、第1の光学部材と第2の光学部材とが接合された際、微粒子の外径により、第1の光学部材と第2の光学部材とが所定の間隔に保たれる。また、接着剤が塗布された接合面全体に微粒子を散布する場合に比べ、微粒子の使用量を減らすことができる。従って、安価に光学ユニットを製造することができる。
【0012】
また、本発明によれば、接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に微粒子含む接着剤を塗布する。これにより、第1の光学部材と第2の光学部材とが接合された際、微粒子の外径により、第1の光学部材と第2の光学部材とが所定の間隔に保たれる。また、接合面全体に微粒子を含む接着剤を塗布する場合に比べ、微粒子の使用量を減らすことができる。従って、安価に光学ユニットを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るウエハレンズの構成を示す図である。
【図2】実施形態に係るマスター型から中間型を成形する工程を示すフローチャートである。
【図3A】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図3B】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図3C】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図3D】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図3E】図2のフローチャートの説明を補足する図である。
【図4】実施形態に係る中間型から転写型を成形する工程を示すフローチャートである。
【図5A】図4のフローチャートの説明を補足する図である。
【図5B】図4のフローチャートの説明を補足する図である。
【図6】実施形態に係る転写型からウエハレンズを成形する工程を示すフローチャートである。
【図7A】図6のフローチャートの説明を補足する図である。
【図7B】図6のフローチャートの説明を補足する図である。
【図7C】図6のフローチャートの説明を補足する図である。
【図8】実施形態に係るレンズユニットを成形する工程を示すフローチャートである。
【図9A】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図9B】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図9C】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図9D】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図9E】図8のフローチャートの説明を補足する図である。
【図10】実施形態に係る接着剤の塗布工程を示すフローチャートである。
【図11A】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図11B】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図11C】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図12A】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図12B】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図12C】図10のフローチャートの説明を補足する図である。
【図13】変形例1に係る接着剤の塗布工程を示すフローチャートである。
【図14A】図13のフローチャートの説明を補足する図である。
【図14B】図13のフローチャートの説明を補足する図である。
【図14C】図13のフローチャートの説明を補足する図である。
【図15】変形例2に係る紫外線照射に関する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から図12Cを参照して、本実施形態に係る光学ユニット、及びその製造方法について説明する。本実施形態では、ウエハレンズ1とスペーサー50を組み合わせたレンズユニット100を「光学ユニット」として述べる。
【0015】
<ウエハレンズ1の構成>
はじめに、図1を用いて、ウエハレンズ1の構成について説明する。
【0016】
ウエハレンズ1は、基板2、レンズ部3及び平坦部3aを含んで構成されている。
【0017】
本実施形態における基板2は、円形状に形成された透過性を有する部材で形成されている。基板2の材質としては透光性をもつものであればよく、ガラスが好適に用いられる。また、基板2は円形状に限らず方形状等でもよい。
【0018】
レンズ部3は、基板2の表面及び裏面それぞれに複数成形されている。レンズ部3は、その光軸が表面側と裏面側とで一致するように成形されている。基板2をレンズ部3毎にダイシングすることにより、個片化された複数のレンズユニットを得ることができる。レンズ部3は凹面レンズ或いは凸面レンズである。レンズ部3は、基板2の表面及び裏面で同じ種類のレンズを成形することが可能である。逆に、基板2の表面と裏面で異なる種類のレンズ(たとえば、表面は凹面レンズ、裏面は凸面レンズ)を成形することも可能である。また、レンズ部3は、基板2の一方の面のみに成形されてもよい。以下、本実施形態では、表面及び裏面それぞれに凸面レンズが16個ずつ成形された構成について説明する。
【0019】
レンズ部3は、樹脂3Aで形成されている。この樹脂3Aとしては、硬化性樹脂を用いることが可能である。硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられる。これらの硬化性樹脂は、一般的に、重合性単量体などの重合性組成物と重合開始剤とを含み、かつ、未硬化の状態で流動性を有する樹脂材料を、光照射や加熱により重合させて硬化させることにより得られる。
【0020】
なお、レンズ部3の光学面の表面には、回折溝や段差等の微細構造が設けられていてもよい。
【0021】
平坦部3aは、レンズ部3と同じ樹脂3Aで形成されている。平坦部3aは、レンズ部3の周辺の基板2上に一様に設けられている。
【0022】
<ウエハレンズの製造工程>
次に、図2から図7Cを参照して、ウエハレンズ1の製造工程について説明を行う。ウエハレンズ1の製造にあたって、本実施形態では、ウエハレンズ成形用の型としてマスター型10、サブマスター型20(以下、「中間型20」という場合がある)、サブサブマスター型30(以下、「転写型30」という場合がある)を用いる。本実施形態においてウエハレンズ1の製造工程は、「中間型製造工程」、「転写型製造工程」、「ウエハレンズ成形工程」の3つに分けることができる。以下、それぞれの工程について述べる。
【0023】
[中間型製造工程]
図2から図3Eを参照して、マスター型10から中間型20を製造する方法を説明する。なお、図3Aから図3Eは、マスター型10を側面から見た場合の断面図である。
【0024】
まず、図3Aに示すように所望のマスター型10を選択する(S10)。マスター型10の上面には、凹部11(キャビティ)が複数個所に形成されている。また、各凹部11の周辺には、平坦部12が形成されている。マスター型10はたとえば、金属で形成されている。
【0025】
図3Bに示すように、S10で選択されたマスター型10の上方にディスペンス装置40を配置する。そしてディスペンス装置40から、マスター型10の上面に流動性を有する未硬化の樹脂材料21A´を吐出する(S11)。本実施形態において、樹脂材料21A´としては光硬化性樹脂材料が用いられる。
【0026】
図3Cに示すように、製造装置(図示なし)は、S11で樹脂材料21A´が配置された状態のマスター型10を基板23に向けて上昇させ、樹脂材料21A´を基板23に押圧する(S12)。本実施形態において基板23は光を透過可能な材質(たとえばガラス)で形成されている。基板23の押圧は製造装置により、基板23の全体に均一の圧力がかかるようになされることが望ましい。
【0027】
図3Dに示すように、S12で基板23とマスター型10が押圧された状態において、光源41は、基板23を介して樹脂材料21A´対して光を照射する(S13)。上述のように、樹脂材料21A´は光硬化性樹脂材料であり、基板23は光を透過可能な材質で形成されている。よって光源41からの光は基板23を透過して樹脂材料21A´に到達し、その光により重合反応が生じることで樹脂材料21A´は硬化して樹脂21Aとなる。
【0028】
S13で樹脂材料21A´が硬化された後、図3Eに示すように、製造装置は、基板23と結合された状態の樹脂21Aをマスター型10から剥離させる(S14)。樹脂21Aのうち、マスター型10の凹部11に対応する部分は凸部22として成形される。また、凸部22の周辺には、平坦部24が成形される。
【0029】
このようにして、基板23上に複数の凸部22(コア)を有する中間型20が完成する(S15)。
【0030】
また、平坦部12には予め離型剤を塗布し、S11で吐出された樹脂材料21A´とマスター型10との離型性を上げることが望ましい。このように、離型剤の塗布等によって離型層がマスター型に設けられていると、樹脂材料の粘度が小さい場合でも吐出された樹脂材料が滴状になりやすくなるため、後述する樹脂配置方法を適用する意義がより高まるといえる。離型剤を用いる場合、平坦部12に対してUVオゾン洗浄や酸素プラズマアッシング等の表面改質処理を行うことにより、OH基(水酸基)を立たせる。そして平坦部12に対して、末端に加水分解可能な官能基が結合した材料(たとえばシランカップリング構造を有する材料)を塗布する。するとその官能基と平坦部12の表面に存在するOH基との間で脱水縮合又は水素結合等が起こり、離型剤が平坦部12の表面に固着されることとなる。
【0031】
[転写型製造工程]
図4から図5Bを参照して、本実施形態における中間型20から転写型30を製造する方法を説明する。なお、図5A及び図5Bは、中間型20及び転写型30を側面から見た場合の断面図である。また、中間型製造工程と同様の工程については詳細な説明を省略する場合がある。
【0032】
まず、S15で得られた中間型20の下方に、中間型20の凸部22に面するように基板33を配置する(S20)。基板33上には、流動性を有する未硬化の樹脂材料31A´が予め塗布されているものとする。本実施形態において樹脂材料31A´としては光硬化性樹脂材料が用いられる。
【0033】
製造装置(図示なし)は、S20で樹脂材料31A´が塗布された状態の基板33に対して、中間型20を押圧する(S21)。本実施形態において基板33は光を透過可能な材質(たとえばガラス)で形成されている。基板33の押圧は製造装置により、基板33の全体に均一の圧力がかかるようになされることが望ましい。
【0034】
図5Aに示すように、S21で基板33と中間型20が押圧された状態において、光源41は、基板33を介して光を照射する(S22)。上述のように、樹脂材料31A´は光硬化性樹脂材料であり、基板33は光を透過可能な材質で形成されている。よって光源41からの光は基板33を透過して樹脂材料31A´に到達し、その光により重合反応が生じることで樹脂材料31A´は硬化し、樹脂31Aとなる。
【0035】
S22で樹脂材料31A´が硬化された後、製造装置は、基板33と結合された状態の樹脂31Aを中間型20から剥離する。その結果、図5Bに示すように、転写型30が完成する(S23)。樹脂31Aのうち、中間型20の凸部22に対応する部分は凹部32(キャビティ)として成形される。また、凹部32の周辺には、平坦部34が成形される。
【0036】
なお、平坦部34に予め離型剤を塗布するなどして、樹脂31Aと中間型20との離型性を上げることが望ましい。離型剤を塗布する場合には、更に平坦部34の表面改質処理を行うことが望ましい。
【0037】
[ウエハレンズ成形工程]
図6から図7Cを参照して、本実施形態における転写型30からウエハレンズ1を成形する方法を説明する。なお、図7A〜図7Cは、転写型30及びウエハレンズ1を側面から見た場合の断面図である。また、中間型製造工程及び転写型製造工程と同様の工程については詳細な説明を省略する場合がある。
【0038】
まず、S23で得られた転写型30の上方に基板2を配置する。転写型30の上面には、流動性を有する未硬化の樹脂材料3A´が予め塗布されているものとする(S30)。本実施形態において樹脂材料3A´としては光硬化性樹脂材料が用いられる。
【0039】
製造装置(図示なし)は、S30で樹脂材料3A´が塗布された状態の転写型30を基板2に対して上昇させ、樹脂材料3A´を基板2に押圧する(S31)。本実施形態において、基板2は光を透過可能な材質(たとえばガラス)で形成されている。基板2の押圧は製造装置により、基板2の全体に均一の圧力がかかるようになされることが望ましい。
【0040】
図7Aに示すように、S31で基板2と転写型30が押圧された状態において、光源41は、基板2を介して光を照射する(S32)。上述のように、樹脂材料3A´は光硬化性樹脂材料であり、基板2は光を透過可能な材質で形成されている。よって光源41からの光は基板2を透過して樹脂材料3A´に到達し、その光により重合反応が生じることで樹脂材料3A´は硬化し樹脂3Aとなる。
【0041】
S32で樹脂材料3A´が硬化された後、製造装置は、基板2と結合された状態の樹脂3Aを転写型30から剥離させる。その結果、図7Bに示すように、基板2の片面にレンズ部3及び平坦部3aが形成されたウエハレンズ中間体1´が完成する(S33)。樹脂3Aのうち、転写型30の凹部32に対応する部分はレンズ部3として成形される。また、レンズ部3の周辺には、平坦部3aが成形される。
【0042】
そして、ウエハレンズ中間体1´のレンズ部3等が成形されていない面に対して、上述のS30〜S32の工程を行うことにより、図7Cに示すような基板2の両面にレンズ部3及び平坦部3aが形成されたウエハレンズ1が完成する(S34)。
【0043】
なお、平坦部34に予め離型剤を塗布するなどして、樹脂3Aと転写型30との離型性を上げることが望ましい。離型剤を塗布する場合には、更に平坦部34の表面改質処理を行うことが望ましい。
【0044】
<レンズユニットの製造工程>
次に、図8から図9Eを参照して、レンズユニット100の製造工程について説明する。本実施形態におけるレンズユニット100は、スペーサー50を介して2つのウエハレンズ1を積層してなる積層体を個片化することにより、取得することができる。なお、図9A〜図9Dは、ウエハレンズ1等を側面から見た場合の断面図である。
【0045】
まず、図9Aに示すように、ウエハレンズ1の平坦部3aに対し、ディスペンス装置40により、接着剤4aを塗布する(S40)。接着剤4aとしては、たとえば、エポキシ系紫外線硬化特性を有するものを用いる。本実施形態における接着剤4aを塗布する工程については、別途、詳述する。
【0046】
図9Bに示すように、接着剤4aが塗布された平坦部3aに対してスペーサー50に設けられた突出部51の面51aを突き当てる(S41)。そして、その状態で紫外線を照射する(S42)。接着剤4aは、紫外線により硬化する。よって、ウエハレンズ1とスペーサー50とは、平坦部3a及び面51aを介して接合され、ユニット52が成形される。
【0047】
別のウエハレンズ1についても、S40と同様に、平坦部3aに対し、ディスペンス装置40により、接着剤4aを塗布する(S43)。
【0048】
図9Cに示すように、S41で形成されたユニット52のスペーサー50において接合されていない側の突出部51の面51aを、S42で接着剤4aが塗布された平坦部3aに対して突き当てる(S44)。そして、その状態で紫外線を照射する(S45)。このようにして、スペーサー50の両側にウエハレンズ1が接合されたレンズアレイユニット53が成形される。
【0049】
図9Dに示すように、ダイシングブレードDBにより、レンズアレイユニット53をレンズ部3単位(図9Dの破線)で切断する(S46)。その結果、図9Eに示すようなレンズユニット100がレンズ部3の数だけ完成する(S47。図9Eでは1つのレンズユニット100のみ図示している)。
【0050】
なお、接着剤4aは、ウエハレンズ1の平坦部3aではなく突出部51の面51aに塗布されてもよい。或いは、接着剤4aは、平坦部3aと面51aとの双方に塗布されてもよい。
【0051】
接着剤4aとしては、嫌気硬化性、プライマー硬化性等の接着剤を用いることができる。また、接着剤4aの塗布方法としては、ディスペンス装置40による方法に限られない。たとえば、接着剤4aの塗布方法としてスクリーン印刷法を用いることができる。
【0052】
<接着剤の塗布について>
次に、図10から図12Cを参照して、接着剤4aを塗布する工程(S40及びS43。図8参照)について詳細に説明する。以下では、S40の工程について詳述するが、S43の工程でも同様の処理が実施されている。
【0053】
図11A〜図11Cは、ウエハレンズ1の上面図である。図12A〜図12Cは、図11A〜図11Cの矢印A方向からウエハレンズ1を見た場合の側面図である。なお、図12A〜図12Cでは、レンズ部3の記載は省略している。また、図11Cでは、スペーサー50の記載を省略している。
【0054】
本実施形態では、ウエハレンズ1が「第1の光学部材」の一例であり、スペーサー50が「第2の光学部材」の一例である。
【0055】
まず、図11A及び図12Aに示すように、ウエハレンズ1のレンズ部3周辺に設けられた平坦部3aに対し、ディスペンス装置40により接着剤4aを塗布する(S400。塗布工程)。ここでは、図9Aの場合と異なり、接着剤4aは平坦部3aの形状に沿ってライン状に塗布されたものとする。本実施形態において、平坦部3aが「第1の接合面」の一例である。
【0056】
次に、図11B及び図12Bに示すように、接着剤4aが塗布された領域のうち、平坦部3aの中心C(ウエハレンズ1の中心)を囲む4箇所に向けて微粒子4bを散布する(S401。散布工程)。
【0057】
微粒子4bは、たとえば、接着剤4aを塗布するディスペンス装置40とは別に設けられた散布装置42により散布される。具体的には、散布装置42に設けられた入力部(不図示)等を介して微粒子4bを散布する場所及び散布量を入力する。散布装置42は、当該入力内容に基づいて、接着剤4aが塗布された領域のうち、指定された場所に向けて微粒子4bの散布を行う。または、微粒子4bを散布する場所及び散布量が設定されたプログラムに基づいて散布装置42を駆動させることも可能である。なお、微粒子4bの散布は作業者による手動で行ってもよい。このように、接着剤4aの塗布と微粒子4bの散布を別々に行うことにより、ディスペンス装置40内に微粒子4bが混入されることがない。よって、微粒子4bによるディスペンス装置40の目詰まりを防止できる。なお、接着剤4aが紫外線硬化型のアクリル系或いはエポキシ系の接着剤である場合、微粒子4bは、0.01〜10重量%で散布することができる。
【0058】
微粒子4bは、プラスチック等の材料で形成された球形の材料である。微粒子4bとしては、ギャップ制御用微粒子(たとえば、積水化学工業株式会社製「ミクロパール(登録商標)」)を用いることができる。微粒子4bの外径寸法は、0.5μmから100μm程度が好ましく、1μm間隔で選択可能である。ウエハレンズ1とスペーサー50との所定の間隔に応じて任意の外径寸法の微粒子4bを用いる。或いは、間隔と微粒子4bの外径寸法との組み合わせを予め複数設定し、散布装置42に記憶させる。そして、作業者がある間隔を指定すると、散布装置42がその間隔に対応する微粒子4bを自動で選択することでもよい。
【0059】
その後、図11C及び図12Cに示すように、接着剤4aが塗布された平坦部3aに対してスペーサー50に設けられた突出部51の面51aを押圧することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを接合する(S41に相当。接合工程)。このとき、平坦部3aの4箇所に散布された微粒子4bは、面51aに押されて接着剤4aの内部に埋没していく。更に押圧を続けると、微粒子4bは、平坦部3aに突き当たる。この状態において、平坦部3aと面51aとは一定の間隔(微粒子4bの外径に等しい)が保たれる。本実施形態において、突出部51の面51aが「第2の接合面」の一例である。
【0060】
そして、その状態で紫外線を照射することにより(S42)、ウエハレンズ1及びスペーサー50からなるユニット52が成形される。このとき、平坦部3aと面51aとの間には接着層4cが形成される。この接着層4cのうち、微粒子4bを含む接着部位は、平坦部3aの中心Cを囲む4箇所に設けられる。微粒子4bを含む接着部位が平坦部3aの中心Cを囲む4箇所に存在することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを所定の間隔(微粒子4bの外径と等しい)に保つことができる。微粒子4bを含む接着部位は、接着部位全体の30%以下とすることができる。
【0061】
なお、微粒子4bを散布する部分(微粒子を含む接着部位)は、少なくとも第1の接合面(第2の接合面)の中心を囲む3箇所あればよい。微粒子4bを散布する部分(微粒子を含む接着部位)が3箇所よりも少ない場合(1箇所又は2箇所の場合)、第1の接合面と第2の接合面とを押圧した際に第1の光学部材(第2の光学部材)に対する第2の光学部材(第1の光学部材)の安定性を保つことができない。一方、少なくとも第1の接合面(第2の接合面)の中心を囲む3箇所に微粒子4bが存在すれば、第1の光学部材と第2の光学部材とを安定した状態で所定の間隔に保つことができる。
【0062】
微粒子4bを散布する部分(微粒子を含む接着部位)の数については、3箇所以上であれば、作業工程における手間(散布箇所が多いほど、作業に時間がかかる)や、費用(散布箇所が多いほど、微粒子4bが大量に必要となる)を考慮して適宜決定することができる。
【0063】
微粒子4bを散布する部分(微粒子を含む接着部位)の位置については、たとえば、微粒子4bを散布する部分の間隔を広くとることで、より安定した状態で第1の光学部材(第2の光学部材)に対して第2の光学部材(第1の光学部材)を所定の間隔に保つことができる。一方、上記説明のように、ウエハレンズ1の外周部分に微粒子4bを散布する代わりに、ウエハレンズ1の中心を囲む内周部分に微粒子4bを散布してもよい。
【0064】
「光学部材」は、光学的な性能を持つ部材であればよい。たとえば、フィルタや絞り板であってもよい。また、「光学ユニット」は、光学部材によって構成されるユニットであればよい。たとえば、スペーサー50を介さずにウエハレンズ1同士を直接、接合したものであってもよい。或いは、上記ユニット52やレンズアレイユニット53も「光学ユニット」に含まれる。
【0065】
本実施形態では、樹脂成型によるウエハレンズ1の構成で説明したが、複数のガラスモールドレンズを組み合わせて光学ユニットを作成する際にも適用可能である。この場合、ガラスモールドレンズが光学部材(スペーサーを用いる場合にはスペーサーも光学部材)に当たり、それらを組み合わせたものが光学ユニットに当たる。
【0066】
<作用・効果>
本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0067】
本実施形態に係る光学ユニットは、第1の光学部材(ウエハレンズ1)と、第2の光学部材(スペーサー50)とを有する。ウエハレンズ1は、第1の接合面(平坦部3a)を有する。スペーサー50は、平坦部3aと接着剤4aを介して接合される第2の接合面(面51a)を有する。そして、平坦部3aと面51aとの接着層4cのうち、微粒子4bを含む接着剤4aによる接着層4cが、平坦部3aの中心を囲むように少なくとも3箇所設けられている。
【0068】
また、本実施形態に係る光学ユニットの製造方法は、塗布工程(S400)と、散布工程(S401)と、接合工程(S41)とを有する。塗布工程は、第1の光学部材(ウエハレンズ1)に設けられた第1の接合面(平坦部3a)、及び第2の光学部材(スペーサー50)に設けられた第2の接合面(面51a)の少なくとも一方に接着剤4aを塗布する。散布工程は、接着剤4aが塗布された領域のうち、平坦部3aの中心を囲む少なくとも3箇所に向けて微粒子4bを散布する。接合工程は、平坦部3a及び面51aの少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを接合する。
【0069】
このように、接着剤を塗布する面の一部にのみ微粒子を散布することにより、用いる微粒子の量を低減させることができる。よって、安価に光学ユニットを製造することができる。また、接合する光学部材の中心を囲むように少なくとも3箇所に微粒子を配することで、光学部材を所定の間隔に保つことができる光学ユニットを製造することができる。
【0070】
<変形例1>
接着剤4aを塗布する工程においては、上記実施形態の他に、微粒子4bが予め混入された接着剤4aを塗布することも可能である。以下、図13から図14Cを参照して、接着剤4aを塗布する工程の変形例について説明する。図13は、変形例に係る接着剤の塗布工程を示すフローチャートである。図14A〜図14Cは、ウエハレンズ1の上面図である。
【0071】
本変形例では、実施形態と同様、ウエハレンズ1が「第1の光学部材」の一例であり、スペーサー50が「第2の光学部材」の一例である。また、本変形例では、接着剤4aとして、第1の接着剤4a´、及び第2の接着剤4a´´を用いる。第1の接着剤4a´は、たとえば、紫外線硬化特性を有する接着剤である。第2の接着剤4a´´は、第1の接着剤4a´に微粒子4bを混入してなる接着剤である。なお、第1の接着剤4a´に対する微粒子4bの混入割合は、5〜30体積%とすることができる。本変形例では、ウエハレンズ1(平坦部3a)にのみ接着剤(4a´、4a´´)が塗布される場合について述べる。
【0072】
本変形例では、図14Aに示すように、ウエハレンズ1の平坦部3aは、第1の領域E1と第2の領域E2とから構成されている。第1の領域E1は、第1の接着剤4a´が塗布される領域である。第2の領域E2は、平坦部3a上(第1の領域E1と同一接合面上)であって、平坦部3aの中心を囲む少なくとも3箇所に設けられた領域である。本変形例では、第2の領域E2が4箇所設けられている。
【0073】
本変形例における接着剤4aを塗布する工程は、まず、図14Bに示すように、平坦部3aの第1の領域E1に対し、ディスペンス装置40により第1の接着剤4a´を塗布する(S400´。第1の塗布工程)。本変形例において、平坦部3aが「第1の接合面」の一例である。
【0074】
次に、図14Cに示すように、平坦部3aの第2の領域E2に対し、ディスペンス装置40により第2の接着剤4a´´を塗布する(S401´。第2の塗布工程)。
【0075】
その後、第1の接着剤4a´及び第2の接着剤4a´´が塗布された平坦部3aに対してスペーサー50に設けられた突出部51の面51aを押圧することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを接合する(S41に相当。接合工程)。そして、その状態で紫外線を照射することにより(S42)、ウエハレンズ1及びスペーサー50からなるユニット52が成形される。
【0076】
<作用・効果>
本変形例の作用及び効果について説明する。
【0077】
本変形例に係る光学ユニットの製造方法は、第1の塗布工程(S400´)と、第2の塗布工程(S401´)と、接合工程(S41)とを有する。第1の塗布工程は、第1の光学部材(ウエハレンズ1)に設けられた第1の接合面(平坦部3a)、及び第2の光学部材(スペーサー50)に設けられた第2の接合面(面51a)の少なくとも一方に設けられた第1の領域E1に対して第1の接着剤4a´を塗布する。第2の塗布工程は、平坦部3a上であって、当該接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に設けられた第2の領域E2に対し、第1の接着剤4a´に微粒子4bを混入してなる第2の接着剤4a´´を塗布する。接合工程は、平坦部3a及び面51aの少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、ウエハレンズ1とスペーサー50とを接合する。
【0078】
このように、微粒子4bを予め混入した第2の接着剤4a´´を使用することにより、用いる微粒子の量を低減させることができる。よって、安価に光学ユニットを製造することができる。また、接合する光学部材の中心を囲むように少なくとも3箇所に微粒子を配することで、光学部材を所定の間隔に保つことができる光学ユニットを製造することができる。
【0079】
<変形例2>
たとえば、紫外線硬化特性を有する接着剤を用いる場合、紫外線の照射方向(図15の矢印)によっては、微粒子4bにより接着剤4aへの紫外線照射が遮られる領域(図15のE3参照)が生じる可能性がある。このような問題を解消するために、微粒子4bは、透明な樹脂により形成されていてもよい。透明な微粒子4bは、紫外線を透過させる。よって、図15において領域E3にも紫外線を照射することができる。
【0080】
一方、微粒子4bは、着色された樹脂により形成されていてもよい。この場合、散布された微粒子4bの分布状態を視認できる。従って、微粒子4bが所定の場所に均一に散布されているかを容易に確認することができる。更に、透明な接着剤4aを用いる場合には、微粒子4bが混入した接着剤4aが不要な部分に付着している場合にも、その部分を容易に発見できる。なお、微粒子4bの視認性を上げるためには、微粒子4bは、散布される部分と異なる色で着色されることが好ましい。
【0081】
或いは、蛍光体を含有させた微粒子4bを用いてもよい。この場合、微粒子4bに対して励起光を照射し、発生した蛍光を視認することにより、微粒子4bの分布状態を確認できる。
【0082】
また、微粒子4bの材質によっては、第1の光学部材と第2の光学部材とが押圧される際の圧力で微粒子4b自体が変形してしまうおそれがある。従って、微粒子4bは、押圧される圧力に応じてその材質を適宜選択可能である。たとえば、圧力が強い場合にはシリカ等の硬質の材料で形成された微粒子4bを用いることが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 ウエハレンズ
2、23、33 基板
3 レンズ部
3A、21A、31A 樹脂
4a 接着剤
4b 微粒子
10 マスター型
11、32 凹部
3a、12、24、34 平坦部
20 中間型
22 凸部
30 転写型
40 ディスペンス装置
41 光源
42 散布装置
50 スペーサー
51 突出部
51a 面
53 レンズアレイユニット
100 レンズユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接合面を有する第1の光学部材と、
前記第1の接合面と接着剤を介して接合される第2の接合面を有する第2の光学部材と、
を有し、
前記第1の接合面と前記第2の接合面との接着層のうち、微粒子を含む前記接着剤による接着部位が、前記第1の接合面又は前記第2の接合面の中心を囲むように少なくとも3箇所設けられていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
前記微粒子は球形であることを特徴とする請求項1記載の光学ユニット。
【請求項3】
前記微粒子は透明な樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学ユニット。
【請求項4】
前記微粒子は着色された樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学ユニット。
【請求項5】
第1の光学部材に設けられた第1の接合面、及び第2の光学部材に設けられた第2の接合面の少なくとも一方に接着剤を塗布する塗布工程と、
前記接着剤が塗布された領域のうち、前記第1の接合面又は前記第2の接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に向けて微粒子を散布する散布工程と、
前記第1の接合面及び前記第2の接合面の少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを接合する接合工程と、
を有することを特徴とする光学ユニットの製造方法。
【請求項6】
第1の光学部材に設けられた第1の接合面、及び第2の光学部材に設けられた第2の接合面の少なくとも一方に設けられた第1の領域に対して第1の接着剤を塗布する第1の塗布工程と、
前記第1の領域と同一接合面上であって、当該接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に設けられた第2の領域に対し、前記第1の接着剤に微粒子を混入してなる第2の接着剤を塗布する第2の塗布工程と、
前記第1の接合面及び前記第2の接合面の少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを接合する接合工程と、
を有することを特徴とする光学ユニットの製造方法。
【請求項7】
前記微粒子は球形であることを特徴とする請求項5又は6記載の光学ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記微粒子は透明な樹脂により形成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の光学ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記微粒子は着色された樹脂により形成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の光学ユニットの製造方法。
【請求項1】
第1の接合面を有する第1の光学部材と、
前記第1の接合面と接着剤を介して接合される第2の接合面を有する第2の光学部材と、
を有し、
前記第1の接合面と前記第2の接合面との接着層のうち、微粒子を含む前記接着剤による接着部位が、前記第1の接合面又は前記第2の接合面の中心を囲むように少なくとも3箇所設けられていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
前記微粒子は球形であることを特徴とする請求項1記載の光学ユニット。
【請求項3】
前記微粒子は透明な樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学ユニット。
【請求項4】
前記微粒子は着色された樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学ユニット。
【請求項5】
第1の光学部材に設けられた第1の接合面、及び第2の光学部材に設けられた第2の接合面の少なくとも一方に接着剤を塗布する塗布工程と、
前記接着剤が塗布された領域のうち、前記第1の接合面又は前記第2の接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に向けて微粒子を散布する散布工程と、
前記第1の接合面及び前記第2の接合面の少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを接合する接合工程と、
を有することを特徴とする光学ユニットの製造方法。
【請求項6】
第1の光学部材に設けられた第1の接合面、及び第2の光学部材に設けられた第2の接合面の少なくとも一方に設けられた第1の領域に対して第1の接着剤を塗布する第1の塗布工程と、
前記第1の領域と同一接合面上であって、当該接合面の中心を囲む少なくとも3箇所に設けられた第2の領域に対し、前記第1の接着剤に微粒子を混入してなる第2の接着剤を塗布する第2の塗布工程と、
前記第1の接合面及び前記第2の接合面の少なくとも一方を他方に対して押圧することにより、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材とを接合する接合工程と、
を有することを特徴とする光学ユニットの製造方法。
【請求項7】
前記微粒子は球形であることを特徴とする請求項5又は6記載の光学ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記微粒子は透明な樹脂により形成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の光学ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記微粒子は着色された樹脂により形成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の光学ユニットの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【公開番号】特開2012−247639(P2012−247639A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119414(P2011−119414)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
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