光学式試料測定装置、光学セル、及び、水質測定装置
【課題】簡単な構成でありながら、測定時に試料の流れや外光による影響を受けずに済み、且つ、測定光が通過する部分を清浄にして良好な光透過性を確保して、精度の高い測定結果を得られる濁度測定装置を提供する。
【解決手段】試料導入部U1a及び気密部U1bを備える本体ユニットU1と、試料導入部U1a内に配されるとともに、本体ユニットU1における楕円の中心軸U1x回りに回転移動をして、試料導入部U1aに試料を導入出可能又はその内部に試料を閉じ込め可能な状態にするとともに、その回転移動に伴って試料導入部U1aの所定部分の洗浄を行う洗浄ユニットU2と、気密部U1b内に配され、液体の試料に光を照射する光源3と、気密部U1b内に配され光源3からの透過光LT及び散乱光LSを検出する光検出部4と、を具備するようにした。
【解決手段】試料導入部U1a及び気密部U1bを備える本体ユニットU1と、試料導入部U1a内に配されるとともに、本体ユニットU1における楕円の中心軸U1x回りに回転移動をして、試料導入部U1aに試料を導入出可能又はその内部に試料を閉じ込め可能な状態にするとともに、その回転移動に伴って試料導入部U1aの所定部分の洗浄を行う洗浄ユニットU2と、気密部U1b内に配され、液体の試料に光を照射する光源3と、気密部U1b内に配され光源3からの透過光LT及び散乱光LSを検出する光検出部4と、を具備するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中の微粒子を測定する光学式試料測定装置及びこれに用いる光学セル、並びに、液体試料中の濁度を測定する水質測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水中の濁度を、透過光散乱光方式により測定する濁度計が知られている。
【0003】
具体的に、この種の濁度計は、白色光を照射する光源と、内部に被測定液が流れる透明な試料セルと、測定セルを透過してくる光源からの光を検出する透過光検出器と、被測定液の濁度成分(微粒子)によって散乱された光を検出する散乱光検出器とを具備し、透過光検出器で検出した透過光量に対する散乱光検出器で検出した散乱光量の比から、濁度が求められるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような濁度計で測定を続けた場合、測定セルに被測定液内の不純物(例えば、細菌や付着性微細藻類など)が付着し、該測定セルの光透過性が阻害され正確な測定が行えなくなる。そこで、試料セルの透光窓を摩擦洗浄するためのモータ駆動の洗浄部材を設け、定期的に透光窓の洗浄が行われるように構成されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2000−206030号公報
【特許文献2】実開平4−106747号公報
【特許文献3】特開平9−113440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の構成、特に特許文献1の構成では、測定中に試料が流れ続けているため、試料中を光が通過する際にゆらぎなどを生じ、光検出器で検出する光はその流れの影響を含んでいる。また、光検出器には、光源以外の光(外光)も到達し得るため、測定結果に外光の影響がある。
【0006】
特許文献2及び特許文献3の構成では、洗浄部材をモータ駆動しているため構成が複雑となる。そして、このような濁度計を水中に沈めて使用するには、モータ部分等を水から保護する必要があるなど、その構成が益々複雑になってしまうといった問題点を有している。
【0007】
なお、上述した課題は、透過光散乱光方式を採用する濁度計に限らず、濁度を光学的に検出する他の方式にも共通する課題である。
また、測定時に試料の流れや外光の影響があることは、液体の濁度を測定するときに限らず、気体中に含まれる微粒子等を測定するときにも共通して生じ得る問題である。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、簡単な構成でありながら、試料中の微粒子等を測定するときに、試料の流れや外光による影響を受けずに済み、且つ、測定光が通過する部分を清浄にして良好な光透過性を確保して、精度の高い測定結果を得られる光学式試料測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る光学式試料測定装置は、少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる空間と、を備える本体ユニットと、前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、前記空間内の前記透明部に臨む位置に配され、前記蓋部が前記閉成位置にあるときに、前記試料に光を照射する光源と、前記空間内の前記透明部に臨む位置に配され、前記透明部及び前記試料を通過してくる前記光源からの光を検出する光検出部と、を具備していることを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、本体ユニットと洗浄ユニットの両ユニットを相対移動すれば、蓋部を閉成位置にすることができ、試料導入部内に取り込んだ試料を一時的に閉じ込めることができる。このため、試料導入部内の試料を、外部の試料の流れによる影響(例えば、外部の試料の流れによって、空間内部に閉じ込めている試料自体に流れが発生すること等)を防止しながら静止することができる。また、周壁及び蓋部をそれぞれ遮光性を有するものとしているため、測定中に外光が光検出部に到達すること防止して、この光検出部で、光源からの光のみを検出することができる。このように試料の流れや外光による影響のない状態で、光源からの光のみを光検出部で検出することができるため、精度の高い測定を行うことができる。加えて、両ユニットの相対移動の間に、洗浄部が、光源及び光検出部にそれぞれ臨ませた透明部の試料導入部内側を拭き取り洗浄するので、相対移動の度にその透明部の試料導入部内側を清浄にして良好な光透過性を確保し、さらに精度の高い測定を行うことができる。
【0011】
このように、両ユニットの位置関係で、洗浄と蓋部の開閉とを同時に行えるといった簡単な構成でありながら、精度の高い測定を行うことができる。また、簡単な構成で洗浄と蓋部の開閉とを行えるので、特に、全体を水中に沈めて測定を行うときにも好適に用いることができる。
【0012】
簡単な構成で洗浄部による拭き取り洗浄を行うようにするには、前記洗浄ユニットが、略円筒状の筒状部を備え、この筒状部を、該筒状部の中心軸と一致する前記本体ユニットの所定軸回りに前記相対移動としての回転移動を行うように構成し、且つ、前記洗浄部を前記筒状部の側周面に設けていることが望ましい。
【0013】
前記蓋部が、前記筒状部の開口端部の一部に設けられ、該開口端部の開口面内に伸びる平板状のものであれば、蓋部の移動方向が、開口端部の開口面の面内方向となるため、その移動方向が面の軸方向であるものと比べ、蓋部の開閉時における試料からの抵抗を少なくでき、簡易な構成を実現することができる。
【0014】
透過光散乱光方式を用いた測定を行えるようにするには、前記光検出部は、前記試料を透過してくる透過光を検出する透過光検出部と、前記試料で散乱した散乱光を検出する散乱光検出部とを備えることが望ましい。
光学セルが、少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる空間と、を備える本体ユニットと、前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、を具備しているのであれば、例えば、上記光学式試料測定装置に好適に適用できる。
本発明の水質測定装置の望ましい態様としては、この水質測定装置が、少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる気密部と、を備える本体ユニットと、前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、前記気密部内の前記透明部に臨む位置に配され、前記蓋部が前記閉成位置にあるときに、前記試料に光を照射する光源と、前記気密部内の前記透明部に臨む位置に配され、前記透明部及び前記試料を通過してくる前記光源からの光を検出する光検出部と、を具備しているものが挙げられる。
このようなものであれば、気密部には液体の試料が侵入することがないので、液体の試料中に浸漬させて使用することができる。また、本体ユニットと洗浄ユニットの両ユニットを相対移動すれば、蓋部を閉成位置にすることができ、試料導入部内に取り込んだ試料を一時的に閉じ込めることができる。このため、試料導入部内の試料を、外部の試料の流れによる影響(例えば、外部の試料の流れによって、気密部内に閉じ込めている試料自体に流れが発生すること等)を防止しながら静止することができる。また、周壁及び蓋部をそれぞれ遮光性を有するものとしているため、測定中に外光が光検出部に到達すること防止して、この光検出部で、光源からの光のみを検出することができる。このように試料の流れや外光による影響のない状態で、光源からの光のみを光検出部で検出することができるため、精度の高い測定を行うことができる。加えて、両ユニットの相対移動の間に、洗浄部が、光源及び光検出部にそれぞれ臨ませた透明部の試料導入部内側を拭き取り洗浄するので、相対移動の度にその透明部の試料導入部内側を清浄にして良好な光透過性を確保し、さらに精度の高い測定を行うことができ、例えば、海水、湖水、河川、上下水路等の環境水を測定する場合でも好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明の光学セルを用いた光学式試料測定装置によれば、ユニット同士の位置関係で、洗浄と蓋部の開閉とを同時に行えるといった簡単な構成でありながら、測定時に本体ユニット外の試料の流れによる影響及び外光による影響を防止したり、相対移動の度に光源及び光検出部にそれぞれ臨ませている透明部を清浄にして良好な光透過性を確保したりすることができるようになり、精度の高い測定を行うことができる。
また、本発明の水質測定装置によれば、気密部には液体の試料が侵入することがないので、該気密部内に収容している光源等が液体の試料によって故障するといった不具合を防止することができ、例えば、海水、湖水、河川、上下水道等の環境水の測定に好適に用いることができ、精度良く試料中の濁度の測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
本実施形態に係る水質測定装置である濁度測定装置Aは、図1に示すように、本体ユニットU1及び洗浄ユニットU2から成る光学セルU等を備え、当該濁度(Turbidity)測定の他、例えば、pH、導電率(Conductivity)、溶存酸素(Dissolved Oxygen)濃度及び水温などの測定項目を同時に連続測定可能な水質分析装置Zに組み込まれて成るものである。この水質分析装置Zは、例えば海水中や湖水中等に浸漬させて使用する浸漬型のセンサ部Z1と、当該センサ部Z1に防水タイプのケーブルZ2を介して電気的に接続された計器本体Z3とを具備している。センサ部Z1は、図1、図2に示すように、水密ケースZ11と、その下端部に設けられ各種センサを収容保護するとともに試料取込用の貫通孔Z121を複数形成したセンサ収容部Z12とを備えてなり、本実施形態の濁度測定装置Aは、センサ収容部Z12内に収容されている(図2参照)。
そして、この濁度測定装置Aは、図3、図4、図5等に示すように、液体の試料(図示せず、以下同様)を閉じ込め得る試料導入部U1aと液体の試料の侵入のない気密部U1bとを備えた外観視略楕円柱形状の本体ユニットU1と、試料導入部U1a内に配されるとともに、本体ユニットU1における楕円の中心軸U1x回りに回転移動して、試料導入部U1aに試料を導入出可能又はその内部に試料を閉じ込め可能な状態にするとともに、その回転移動に伴って試料導入部U1aの所定部分の洗浄を行う洗浄ユニットU2と、気密部U1b内に配され、液体の試料に光を照射する光源3と、気密部U1bに配され、光源3が光を照射したときの液体の試料を通過する透過光を検出する透過光検出部4a、及び、液体の試料中の濁度成分によって散乱された散乱光を検出する散乱光検出部4bと、を具備して成るものである。なお、本実施形態では、ケーブル接続した計器本体Z3の操作によって、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対して回転移動できるように構成している。以下、各部を具体的に説明する。
【0018】
本体ユニットU1は、平面視略楕円形状で遮光性を有する頂壁11及び底壁12と、これら各壁11、12の周端縁間に設けた遮光性を有する側周壁13と、頂壁11及び底壁12のそれぞれの内面に両端部を接続した円筒状の隔壁14(以下、円筒状隔壁14と呼ぶ)と、頂壁11及び底壁12に設けた開口部15と、を具備するものである。本実施形態では、円筒状隔壁14に囲まれる空間U1aを、開口部15から取り込んだ液体の試料を一時的に閉じ込めることができる試料導入部とし、円筒状隔壁14及びこの円筒状隔壁14の外側に設けた頂壁11、底壁12及び側周壁13で囲まれる空間U1bを、液体の試料の侵入のない液密な気密部としている。そして、開口部15は、平面視中心角90度の略扇形状の孔であって、2つの開口部15を、扇の中心を中心点として点対称配置している。また、本実施形態では、例えば、円筒状隔壁14全体を透明なガラス製のものとしている(すなわち、円筒状隔壁14全体が本発明の「透明部」である)とともに、頂壁11、底壁12及び側周壁13を、遮光性のみならず、耐水性、耐候性をも有するものとしている。
【0019】
洗浄ユニットU2は、図6、図7、図8、図9、図10等に示すように、略円筒状の筒状部21と、この筒状部21の側周面に形成した3つの光透過孔22と、筒状部21の側周面に設けられ、当該洗浄ユニットU2の回転移動の間に、当該ワイパ23の少なくとも一部が円筒状隔壁14の内側面に接触して該内側面を拭き取り洗浄するワイパ23(本発明の「洗浄部」に相当)と、筒状部21の両端の開口端部の一部を塞ぐ位置に設けた遮光性を有する蓋部24と、その開口の蓋部24に塞がれていない部分に設定され、筒状部21内に液体の試料を導入又は導出する導水口25とを具備するものである。
【0020】
筒状部21は、例えば、本体ユニットU1の頂壁11等と同様、耐水性、耐候性を有するものとしている。
【0021】
光透過孔22は、略矩形状の孔であって、蓋部24を閉成位置(PH)に位置にしたときに、光源3、透過光検出部4a、及び、散乱光検出部4bにそれぞれ臨む位置となるようにしている。
【0022】
ワイパ23は、光源3及び散乱光検出部4bのある高さ位置と、透過光検出部4aのある高さ位置とにそれぞれ2つずつ計4つ取り付けたものである。そして、本実施形態では、例えば、各ワイパ23の高さ方向の長さ寸法を、各光検出部4の高さ方向の長さ寸法より大きく設定することで、一度の回転移動で拭き取り洗浄が完了できるようにしている。加えて、本実施形態では、例えば、ワイパ23を、弾性を有するもの(例えばゴム製)とし、且つ、その横断面形状を略三角形状とするとともに、三角形の一辺を筒状部21に取り付けることで、その一辺と対向する頂点部分で前記内側面の拭き取り洗浄を行えるようにしている。これにより、洗浄ユニットU2のスムーズな回転移動を妨げることなく良好な拭き取り洗浄効果を得られる。
【0023】
蓋部24は、中心角90度の略扇形形状のものである。2つの蓋部24を、扇の中心を中心点として点対称配置することで、筒状部21の両端の開口端部をそれぞれ面積で約半分塞ぐようにしている。そして、頂面側の蓋部24の中心を、回転支軸K1の一端に接続している。回転支軸K1の他端は、水密ケースZ11内の回動支持部111に軸支させている。しかして、計器本体の所定操作により回転支軸K1をその軸周りに回動させることで、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対して回転移動させて、蓋部24を次の所定位置に位置付けられるようにしている。すなわち、開口部15を開成して試料導入部U1a内に液体の試料が出入り可能な開成位置(PK)、又は、開口部15を閉成して試料導入部U1a内に液体の試料を閉じ込める閉成位置(PH)に位置付けることができる。本実施形態では、この蓋部24を、本体ユニットU1の頂壁11等と同様、遮光性のみならず、耐水性、耐候性をも有するものとしている。
【0024】
導水口25は、中心角90度の略扇形形状の孔である。2つの導水口25を、扇の中心を中心点として点対称配置することで、筒状部21の両端の開口をそれぞれ面積で半分開成するようにしている。
【0025】
光源3は、例えばタングステン電球を用いている。そして、本実施形態では、蓋部24が閉成位置(PH)にあるときに、試料に光を照射するように構成している。
【0026】
透過光検出部4aは、透過光を検出すると、その透過光の強度などを電気信号に変換し、これを透過光検出信号として計器本体に対して出力するものである。
【0027】
散乱光検出部4bは、散乱光を検出すると、その散乱光の強度などを電気信号に変換し、これを散乱光検出信号として計器本体に対して出力するものである。
【0028】
本実施形態では、光源3と散乱光検出部4bとを略同じ高さ位置に配置する一方、透過光検出部4aを、これら光源3及び散乱光検出部4bよりも下方位置に配置している。
【0029】
以上のように構成される濁度測定装置Aを用いて、水中の濁度を測定する方法を説明する。
【0030】
(1)試料の取り込み
【0031】
まず、濁度測定装置A全体を水中に浸漬している状態で、計器本体を所定操作して、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対して回転移動させて、蓋部24を開成位置(PK)に位置付ける。すると、開口部15は開成するため、この開口部15から試料導入部U1a内に液体の試料を取り込むことができる(図4参照)。
【0032】
次に、計器本体を所定操作して、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対してさらに同じ方向へ回転移動(例えば半〜1回転以上)させて、蓋部24を閉成位置(PH)に位置付ける。すると、開口部15は閉成するため、試料導入部U1a内に取り込んだ液体の試料を閉じ込めることができる(図9参照)。
【0033】
このように、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対して回転移動している間に、ワイパ23が円筒状隔壁14の内側面に接触して該内側面を拭き取り洗浄する。したがって、円筒状隔壁14の良好な光透過性を確保し、精度の高い測定ができるようになる。
【0034】
(2)測定時
【0035】
蓋部24が閉成位置(PH)にあるとき、洗浄ユニットU2の各光透過孔22は、光源3、透過光検出部4a、及び、散乱光検出部4bにそれぞれ臨む位置に位置付けられる。
【0036】
このとき、計器本体を所定操作して、光源3から液体の試料に光を照射すると、図9に示すように、液体の試料を通過する透過光LTと、液体の試料中の濁度成分によって散乱された散乱光LSが生じる。これら透過光LT及び散乱光LSの強度などを、透過光検出部4a及び散乱光検出部4b(以下、光検出部4と総称する)でそれぞれ検出すると、光検出部4は、その強度などを電気信号に変換し、これを検出信号として計器本体に出力する。
【0037】
しかして、計器本体では、各検出信号に基づいて、透過光LT及び散乱光LSの強度比率を演算し、これをあらかじめ求めておいた強度比率と比較することで濁度を求めることができる。
なお、試料を試料導入部U1a内に閉じ込めているため、外部の試料の流れによる影響(例えば、外部の試料の流れによって、内部に閉じ込めている試料自体に流れが発生すること等)を防止して、精度の高い測定を行える。
【0038】
また、本体ユニットU1の頂壁11、底壁12及び周壁と、洗浄ユニットU2の蓋部24とを遮光性を有するものとしているため、外光が試料導入部U1a及び気密部U1bに侵入することを防止でき、外光が、光検出部4に到達することを防いで、精度の高い測定を行える。
【0039】
このように構成した本実施形態に係る濁度測定装置Aによれば、本体ユニットU1とこの本体ユニットU1の中心軸U1x周りに回転移動する洗浄ユニットU2との位置関係で、蓋部24が開口部15を開成又は閉成するといった簡単な構成でありながら、測定時に本体ユニットU1外の試料の流れによる影響及び外光による影響を防止して、精度の高い測定を行うことができる。さらに、洗浄ユニットU2を回転移動する度に、ワイパ23が円筒状隔壁14の内側面を拭き取り洗浄して清浄にするため良好な光透過性を確保することができるようになり、より精度の高い測定を行うことができる。
【0040】
すなわち、ユニット同士の位置関係で、洗浄と蓋部24の開閉とを同時に行えるといった簡単な構成でありながら、測定時に試料の流れや外光による影響を受けずに済み、且つ、測定光が通過する部分を清浄にして良好な光透過性を確保して、精度の高い濁度の測定を行うことが可能な濁度測定装置Aを提供することができる。
【0041】
開口部15を、本体ユニットU1の頂壁11及び底壁12にそれぞれ設けているため、試料導入部U1a内への試料の導入出を容易に行える。また、蓋部24の回転方向は、その面内方向であるため、移動方向が面の軸方向であるものと比べ、蓋部24の開閉時における試料からの抵抗が少なくなるため、簡易な構成を実現することができる。
また、気密部U1bには、その内部空間に液体の試料が侵入することがないので、光源3等が液体の試料によって故障するといった問題も発生しない。したがって、海水、湖水、河川、上下水路等の環境水の測定に好適に用いて、精度良く試料中の濁度の測定を行うことができる。
【0042】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0043】
例えば、洗浄ユニットU2を、本体ユニットU1の中心軸U1x方向へスライド移動する構成とするなど、光学セルUの構成は適宜変更することもできる。
【0044】
具体的には、図11、図12、図13に示すように、本体ユニットU1は、その頂壁11及び底壁12に形成した平面視円形状の開口部15を具備するものとし、洗浄ユニットU2は、開口部15の直径よりも若干大きな直径を有する平面視円形状の蓋部24と、この蓋部24と蓋部24とを接続する4本の支柱26と、一方の蓋部24の周縁部に取り付けたワイパ23と、を具備し、洗浄ユニットU2の本体ユニットU1に対するスライド移動により蓋部24を開成位置(PK)又は閉成位置(PH)に位置付けられるようにしたものが挙げられる。
【0045】
また、測定方式に、透過光散乱光測定方式を用いているが、その他の光を利用した測定方式(透過光測定方式、表面散乱光測定方式、散乱光測定方式、積分球方式など)を用いることができる。なお、採用する測定方式に応じて、光源や光検出部の種類、数、配置場所等を適宜変更できることは言うまでもない。
【0046】
また、洗浄ユニットU2の光透過孔22を、例えばガラス窓とすることもできる。
【0047】
ワイパ23の形状、数、材質、配置場所等は、実施態様に応じて適宜変更可能である。
【0048】
また、測定対象は、液体の試料に限らず気体の試料であってもよく、気体の試料の場合は、気体中に含まれる微粒子の度合いを測定することができる。この場合、気密部U1bは、液密でない通常の空間としてもよい。
また、光源3が、光を連続的に照射するものとすることができる。この場合には、散乱光検出部4bが、蓋部24が閉成位置(PH)にあるときのみ検出信号を取り込むようにすればよい。
【0049】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る一実施形態である濁度測定装置を組み込んだ水質分析装置を示す全体斜視図。
【図2】同実施形態における水質分析装置のセンサ部の構造断面図。
【図3】同実施形態における濁度測定装置を示す全体斜視図。
【図4】同実施形態における濁度測定装置の縦断面を示す図(蓋部:開成位置)。
【図5】図4におけるd1−d1断面を示す図(蓋部:開成位置)。
【図6】同実施形態における洗浄ユニットを示す斜視図。
【図7】同実施形態における洗浄ユニットを示す平面図。
【図8】同実施形態における洗浄ユニットを示す側面図。
【図9】同実施形態における濁度測定装置の縦断面を示す図(蓋部:閉成位置)。
【図10】図9におけるd2−d2断面を示す図(蓋部:閉成位置)。
【図11】本発明に係る他の実施形態である濁度測定装置を示す平面図。
【図12】同実施形態における濁度測定装置の縦断面を示す図(蓋部:開成位置)。
【図13】同実施形態における濁度測定装置の縦断面を示す図(蓋部:閉成位置)。
【符号の説明】
【0051】
A・・・・・・水質測定装置(濁度測定装置)
3・・・・・・光源
4・・・・・・透過光検出部
5・・・・・・散乱光検出部
13・・・・・周壁(側周壁)
14・・・・・隔壁(円筒状隔壁)
15・・・・・開口部
21・・・・・筒状部
23・・・・・洗浄部(ワイパ)
24・・・・・蓋部
(PK)・・・開成位置
(PH)・・・閉成位置
U・・・・・・光学セル
U1・・・・・本体ユニット
U1a・・・・試料導入部
U1b・・・・空間(気密部)
U1x・・・・本体ユニットU1の所定軸(中心軸)
U2・・・・・洗浄ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中の微粒子を測定する光学式試料測定装置及びこれに用いる光学セル、並びに、液体試料中の濁度を測定する水質測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水中の濁度を、透過光散乱光方式により測定する濁度計が知られている。
【0003】
具体的に、この種の濁度計は、白色光を照射する光源と、内部に被測定液が流れる透明な試料セルと、測定セルを透過してくる光源からの光を検出する透過光検出器と、被測定液の濁度成分(微粒子)によって散乱された光を検出する散乱光検出器とを具備し、透過光検出器で検出した透過光量に対する散乱光検出器で検出した散乱光量の比から、濁度が求められるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような濁度計で測定を続けた場合、測定セルに被測定液内の不純物(例えば、細菌や付着性微細藻類など)が付着し、該測定セルの光透過性が阻害され正確な測定が行えなくなる。そこで、試料セルの透光窓を摩擦洗浄するためのモータ駆動の洗浄部材を設け、定期的に透光窓の洗浄が行われるように構成されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2000−206030号公報
【特許文献2】実開平4−106747号公報
【特許文献3】特開平9−113440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の構成、特に特許文献1の構成では、測定中に試料が流れ続けているため、試料中を光が通過する際にゆらぎなどを生じ、光検出器で検出する光はその流れの影響を含んでいる。また、光検出器には、光源以外の光(外光)も到達し得るため、測定結果に外光の影響がある。
【0006】
特許文献2及び特許文献3の構成では、洗浄部材をモータ駆動しているため構成が複雑となる。そして、このような濁度計を水中に沈めて使用するには、モータ部分等を水から保護する必要があるなど、その構成が益々複雑になってしまうといった問題点を有している。
【0007】
なお、上述した課題は、透過光散乱光方式を採用する濁度計に限らず、濁度を光学的に検出する他の方式にも共通する課題である。
また、測定時に試料の流れや外光の影響があることは、液体の濁度を測定するときに限らず、気体中に含まれる微粒子等を測定するときにも共通して生じ得る問題である。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、簡単な構成でありながら、試料中の微粒子等を測定するときに、試料の流れや外光による影響を受けずに済み、且つ、測定光が通過する部分を清浄にして良好な光透過性を確保して、精度の高い測定結果を得られる光学式試料測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る光学式試料測定装置は、少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる空間と、を備える本体ユニットと、前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、前記空間内の前記透明部に臨む位置に配され、前記蓋部が前記閉成位置にあるときに、前記試料に光を照射する光源と、前記空間内の前記透明部に臨む位置に配され、前記透明部及び前記試料を通過してくる前記光源からの光を検出する光検出部と、を具備していることを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、本体ユニットと洗浄ユニットの両ユニットを相対移動すれば、蓋部を閉成位置にすることができ、試料導入部内に取り込んだ試料を一時的に閉じ込めることができる。このため、試料導入部内の試料を、外部の試料の流れによる影響(例えば、外部の試料の流れによって、空間内部に閉じ込めている試料自体に流れが発生すること等)を防止しながら静止することができる。また、周壁及び蓋部をそれぞれ遮光性を有するものとしているため、測定中に外光が光検出部に到達すること防止して、この光検出部で、光源からの光のみを検出することができる。このように試料の流れや外光による影響のない状態で、光源からの光のみを光検出部で検出することができるため、精度の高い測定を行うことができる。加えて、両ユニットの相対移動の間に、洗浄部が、光源及び光検出部にそれぞれ臨ませた透明部の試料導入部内側を拭き取り洗浄するので、相対移動の度にその透明部の試料導入部内側を清浄にして良好な光透過性を確保し、さらに精度の高い測定を行うことができる。
【0011】
このように、両ユニットの位置関係で、洗浄と蓋部の開閉とを同時に行えるといった簡単な構成でありながら、精度の高い測定を行うことができる。また、簡単な構成で洗浄と蓋部の開閉とを行えるので、特に、全体を水中に沈めて測定を行うときにも好適に用いることができる。
【0012】
簡単な構成で洗浄部による拭き取り洗浄を行うようにするには、前記洗浄ユニットが、略円筒状の筒状部を備え、この筒状部を、該筒状部の中心軸と一致する前記本体ユニットの所定軸回りに前記相対移動としての回転移動を行うように構成し、且つ、前記洗浄部を前記筒状部の側周面に設けていることが望ましい。
【0013】
前記蓋部が、前記筒状部の開口端部の一部に設けられ、該開口端部の開口面内に伸びる平板状のものであれば、蓋部の移動方向が、開口端部の開口面の面内方向となるため、その移動方向が面の軸方向であるものと比べ、蓋部の開閉時における試料からの抵抗を少なくでき、簡易な構成を実現することができる。
【0014】
透過光散乱光方式を用いた測定を行えるようにするには、前記光検出部は、前記試料を透過してくる透過光を検出する透過光検出部と、前記試料で散乱した散乱光を検出する散乱光検出部とを備えることが望ましい。
光学セルが、少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる空間と、を備える本体ユニットと、前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、を具備しているのであれば、例えば、上記光学式試料測定装置に好適に適用できる。
本発明の水質測定装置の望ましい態様としては、この水質測定装置が、少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる気密部と、を備える本体ユニットと、前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、前記気密部内の前記透明部に臨む位置に配され、前記蓋部が前記閉成位置にあるときに、前記試料に光を照射する光源と、前記気密部内の前記透明部に臨む位置に配され、前記透明部及び前記試料を通過してくる前記光源からの光を検出する光検出部と、を具備しているものが挙げられる。
このようなものであれば、気密部には液体の試料が侵入することがないので、液体の試料中に浸漬させて使用することができる。また、本体ユニットと洗浄ユニットの両ユニットを相対移動すれば、蓋部を閉成位置にすることができ、試料導入部内に取り込んだ試料を一時的に閉じ込めることができる。このため、試料導入部内の試料を、外部の試料の流れによる影響(例えば、外部の試料の流れによって、気密部内に閉じ込めている試料自体に流れが発生すること等)を防止しながら静止することができる。また、周壁及び蓋部をそれぞれ遮光性を有するものとしているため、測定中に外光が光検出部に到達すること防止して、この光検出部で、光源からの光のみを検出することができる。このように試料の流れや外光による影響のない状態で、光源からの光のみを光検出部で検出することができるため、精度の高い測定を行うことができる。加えて、両ユニットの相対移動の間に、洗浄部が、光源及び光検出部にそれぞれ臨ませた透明部の試料導入部内側を拭き取り洗浄するので、相対移動の度にその透明部の試料導入部内側を清浄にして良好な光透過性を確保し、さらに精度の高い測定を行うことができ、例えば、海水、湖水、河川、上下水路等の環境水を測定する場合でも好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明の光学セルを用いた光学式試料測定装置によれば、ユニット同士の位置関係で、洗浄と蓋部の開閉とを同時に行えるといった簡単な構成でありながら、測定時に本体ユニット外の試料の流れによる影響及び外光による影響を防止したり、相対移動の度に光源及び光検出部にそれぞれ臨ませている透明部を清浄にして良好な光透過性を確保したりすることができるようになり、精度の高い測定を行うことができる。
また、本発明の水質測定装置によれば、気密部には液体の試料が侵入することがないので、該気密部内に収容している光源等が液体の試料によって故障するといった不具合を防止することができ、例えば、海水、湖水、河川、上下水道等の環境水の測定に好適に用いることができ、精度良く試料中の濁度の測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
本実施形態に係る水質測定装置である濁度測定装置Aは、図1に示すように、本体ユニットU1及び洗浄ユニットU2から成る光学セルU等を備え、当該濁度(Turbidity)測定の他、例えば、pH、導電率(Conductivity)、溶存酸素(Dissolved Oxygen)濃度及び水温などの測定項目を同時に連続測定可能な水質分析装置Zに組み込まれて成るものである。この水質分析装置Zは、例えば海水中や湖水中等に浸漬させて使用する浸漬型のセンサ部Z1と、当該センサ部Z1に防水タイプのケーブルZ2を介して電気的に接続された計器本体Z3とを具備している。センサ部Z1は、図1、図2に示すように、水密ケースZ11と、その下端部に設けられ各種センサを収容保護するとともに試料取込用の貫通孔Z121を複数形成したセンサ収容部Z12とを備えてなり、本実施形態の濁度測定装置Aは、センサ収容部Z12内に収容されている(図2参照)。
そして、この濁度測定装置Aは、図3、図4、図5等に示すように、液体の試料(図示せず、以下同様)を閉じ込め得る試料導入部U1aと液体の試料の侵入のない気密部U1bとを備えた外観視略楕円柱形状の本体ユニットU1と、試料導入部U1a内に配されるとともに、本体ユニットU1における楕円の中心軸U1x回りに回転移動して、試料導入部U1aに試料を導入出可能又はその内部に試料を閉じ込め可能な状態にするとともに、その回転移動に伴って試料導入部U1aの所定部分の洗浄を行う洗浄ユニットU2と、気密部U1b内に配され、液体の試料に光を照射する光源3と、気密部U1bに配され、光源3が光を照射したときの液体の試料を通過する透過光を検出する透過光検出部4a、及び、液体の試料中の濁度成分によって散乱された散乱光を検出する散乱光検出部4bと、を具備して成るものである。なお、本実施形態では、ケーブル接続した計器本体Z3の操作によって、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対して回転移動できるように構成している。以下、各部を具体的に説明する。
【0018】
本体ユニットU1は、平面視略楕円形状で遮光性を有する頂壁11及び底壁12と、これら各壁11、12の周端縁間に設けた遮光性を有する側周壁13と、頂壁11及び底壁12のそれぞれの内面に両端部を接続した円筒状の隔壁14(以下、円筒状隔壁14と呼ぶ)と、頂壁11及び底壁12に設けた開口部15と、を具備するものである。本実施形態では、円筒状隔壁14に囲まれる空間U1aを、開口部15から取り込んだ液体の試料を一時的に閉じ込めることができる試料導入部とし、円筒状隔壁14及びこの円筒状隔壁14の外側に設けた頂壁11、底壁12及び側周壁13で囲まれる空間U1bを、液体の試料の侵入のない液密な気密部としている。そして、開口部15は、平面視中心角90度の略扇形状の孔であって、2つの開口部15を、扇の中心を中心点として点対称配置している。また、本実施形態では、例えば、円筒状隔壁14全体を透明なガラス製のものとしている(すなわち、円筒状隔壁14全体が本発明の「透明部」である)とともに、頂壁11、底壁12及び側周壁13を、遮光性のみならず、耐水性、耐候性をも有するものとしている。
【0019】
洗浄ユニットU2は、図6、図7、図8、図9、図10等に示すように、略円筒状の筒状部21と、この筒状部21の側周面に形成した3つの光透過孔22と、筒状部21の側周面に設けられ、当該洗浄ユニットU2の回転移動の間に、当該ワイパ23の少なくとも一部が円筒状隔壁14の内側面に接触して該内側面を拭き取り洗浄するワイパ23(本発明の「洗浄部」に相当)と、筒状部21の両端の開口端部の一部を塞ぐ位置に設けた遮光性を有する蓋部24と、その開口の蓋部24に塞がれていない部分に設定され、筒状部21内に液体の試料を導入又は導出する導水口25とを具備するものである。
【0020】
筒状部21は、例えば、本体ユニットU1の頂壁11等と同様、耐水性、耐候性を有するものとしている。
【0021】
光透過孔22は、略矩形状の孔であって、蓋部24を閉成位置(PH)に位置にしたときに、光源3、透過光検出部4a、及び、散乱光検出部4bにそれぞれ臨む位置となるようにしている。
【0022】
ワイパ23は、光源3及び散乱光検出部4bのある高さ位置と、透過光検出部4aのある高さ位置とにそれぞれ2つずつ計4つ取り付けたものである。そして、本実施形態では、例えば、各ワイパ23の高さ方向の長さ寸法を、各光検出部4の高さ方向の長さ寸法より大きく設定することで、一度の回転移動で拭き取り洗浄が完了できるようにしている。加えて、本実施形態では、例えば、ワイパ23を、弾性を有するもの(例えばゴム製)とし、且つ、その横断面形状を略三角形状とするとともに、三角形の一辺を筒状部21に取り付けることで、その一辺と対向する頂点部分で前記内側面の拭き取り洗浄を行えるようにしている。これにより、洗浄ユニットU2のスムーズな回転移動を妨げることなく良好な拭き取り洗浄効果を得られる。
【0023】
蓋部24は、中心角90度の略扇形形状のものである。2つの蓋部24を、扇の中心を中心点として点対称配置することで、筒状部21の両端の開口端部をそれぞれ面積で約半分塞ぐようにしている。そして、頂面側の蓋部24の中心を、回転支軸K1の一端に接続している。回転支軸K1の他端は、水密ケースZ11内の回動支持部111に軸支させている。しかして、計器本体の所定操作により回転支軸K1をその軸周りに回動させることで、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対して回転移動させて、蓋部24を次の所定位置に位置付けられるようにしている。すなわち、開口部15を開成して試料導入部U1a内に液体の試料が出入り可能な開成位置(PK)、又は、開口部15を閉成して試料導入部U1a内に液体の試料を閉じ込める閉成位置(PH)に位置付けることができる。本実施形態では、この蓋部24を、本体ユニットU1の頂壁11等と同様、遮光性のみならず、耐水性、耐候性をも有するものとしている。
【0024】
導水口25は、中心角90度の略扇形形状の孔である。2つの導水口25を、扇の中心を中心点として点対称配置することで、筒状部21の両端の開口をそれぞれ面積で半分開成するようにしている。
【0025】
光源3は、例えばタングステン電球を用いている。そして、本実施形態では、蓋部24が閉成位置(PH)にあるときに、試料に光を照射するように構成している。
【0026】
透過光検出部4aは、透過光を検出すると、その透過光の強度などを電気信号に変換し、これを透過光検出信号として計器本体に対して出力するものである。
【0027】
散乱光検出部4bは、散乱光を検出すると、その散乱光の強度などを電気信号に変換し、これを散乱光検出信号として計器本体に対して出力するものである。
【0028】
本実施形態では、光源3と散乱光検出部4bとを略同じ高さ位置に配置する一方、透過光検出部4aを、これら光源3及び散乱光検出部4bよりも下方位置に配置している。
【0029】
以上のように構成される濁度測定装置Aを用いて、水中の濁度を測定する方法を説明する。
【0030】
(1)試料の取り込み
【0031】
まず、濁度測定装置A全体を水中に浸漬している状態で、計器本体を所定操作して、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対して回転移動させて、蓋部24を開成位置(PK)に位置付ける。すると、開口部15は開成するため、この開口部15から試料導入部U1a内に液体の試料を取り込むことができる(図4参照)。
【0032】
次に、計器本体を所定操作して、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対してさらに同じ方向へ回転移動(例えば半〜1回転以上)させて、蓋部24を閉成位置(PH)に位置付ける。すると、開口部15は閉成するため、試料導入部U1a内に取り込んだ液体の試料を閉じ込めることができる(図9参照)。
【0033】
このように、洗浄ユニットU2を本体ユニットU1に対して回転移動している間に、ワイパ23が円筒状隔壁14の内側面に接触して該内側面を拭き取り洗浄する。したがって、円筒状隔壁14の良好な光透過性を確保し、精度の高い測定ができるようになる。
【0034】
(2)測定時
【0035】
蓋部24が閉成位置(PH)にあるとき、洗浄ユニットU2の各光透過孔22は、光源3、透過光検出部4a、及び、散乱光検出部4bにそれぞれ臨む位置に位置付けられる。
【0036】
このとき、計器本体を所定操作して、光源3から液体の試料に光を照射すると、図9に示すように、液体の試料を通過する透過光LTと、液体の試料中の濁度成分によって散乱された散乱光LSが生じる。これら透過光LT及び散乱光LSの強度などを、透過光検出部4a及び散乱光検出部4b(以下、光検出部4と総称する)でそれぞれ検出すると、光検出部4は、その強度などを電気信号に変換し、これを検出信号として計器本体に出力する。
【0037】
しかして、計器本体では、各検出信号に基づいて、透過光LT及び散乱光LSの強度比率を演算し、これをあらかじめ求めておいた強度比率と比較することで濁度を求めることができる。
なお、試料を試料導入部U1a内に閉じ込めているため、外部の試料の流れによる影響(例えば、外部の試料の流れによって、内部に閉じ込めている試料自体に流れが発生すること等)を防止して、精度の高い測定を行える。
【0038】
また、本体ユニットU1の頂壁11、底壁12及び周壁と、洗浄ユニットU2の蓋部24とを遮光性を有するものとしているため、外光が試料導入部U1a及び気密部U1bに侵入することを防止でき、外光が、光検出部4に到達することを防いで、精度の高い測定を行える。
【0039】
このように構成した本実施形態に係る濁度測定装置Aによれば、本体ユニットU1とこの本体ユニットU1の中心軸U1x周りに回転移動する洗浄ユニットU2との位置関係で、蓋部24が開口部15を開成又は閉成するといった簡単な構成でありながら、測定時に本体ユニットU1外の試料の流れによる影響及び外光による影響を防止して、精度の高い測定を行うことができる。さらに、洗浄ユニットU2を回転移動する度に、ワイパ23が円筒状隔壁14の内側面を拭き取り洗浄して清浄にするため良好な光透過性を確保することができるようになり、より精度の高い測定を行うことができる。
【0040】
すなわち、ユニット同士の位置関係で、洗浄と蓋部24の開閉とを同時に行えるといった簡単な構成でありながら、測定時に試料の流れや外光による影響を受けずに済み、且つ、測定光が通過する部分を清浄にして良好な光透過性を確保して、精度の高い濁度の測定を行うことが可能な濁度測定装置Aを提供することができる。
【0041】
開口部15を、本体ユニットU1の頂壁11及び底壁12にそれぞれ設けているため、試料導入部U1a内への試料の導入出を容易に行える。また、蓋部24の回転方向は、その面内方向であるため、移動方向が面の軸方向であるものと比べ、蓋部24の開閉時における試料からの抵抗が少なくなるため、簡易な構成を実現することができる。
また、気密部U1bには、その内部空間に液体の試料が侵入することがないので、光源3等が液体の試料によって故障するといった問題も発生しない。したがって、海水、湖水、河川、上下水路等の環境水の測定に好適に用いて、精度良く試料中の濁度の測定を行うことができる。
【0042】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0043】
例えば、洗浄ユニットU2を、本体ユニットU1の中心軸U1x方向へスライド移動する構成とするなど、光学セルUの構成は適宜変更することもできる。
【0044】
具体的には、図11、図12、図13に示すように、本体ユニットU1は、その頂壁11及び底壁12に形成した平面視円形状の開口部15を具備するものとし、洗浄ユニットU2は、開口部15の直径よりも若干大きな直径を有する平面視円形状の蓋部24と、この蓋部24と蓋部24とを接続する4本の支柱26と、一方の蓋部24の周縁部に取り付けたワイパ23と、を具備し、洗浄ユニットU2の本体ユニットU1に対するスライド移動により蓋部24を開成位置(PK)又は閉成位置(PH)に位置付けられるようにしたものが挙げられる。
【0045】
また、測定方式に、透過光散乱光測定方式を用いているが、その他の光を利用した測定方式(透過光測定方式、表面散乱光測定方式、散乱光測定方式、積分球方式など)を用いることができる。なお、採用する測定方式に応じて、光源や光検出部の種類、数、配置場所等を適宜変更できることは言うまでもない。
【0046】
また、洗浄ユニットU2の光透過孔22を、例えばガラス窓とすることもできる。
【0047】
ワイパ23の形状、数、材質、配置場所等は、実施態様に応じて適宜変更可能である。
【0048】
また、測定対象は、液体の試料に限らず気体の試料であってもよく、気体の試料の場合は、気体中に含まれる微粒子の度合いを測定することができる。この場合、気密部U1bは、液密でない通常の空間としてもよい。
また、光源3が、光を連続的に照射するものとすることができる。この場合には、散乱光検出部4bが、蓋部24が閉成位置(PH)にあるときのみ検出信号を取り込むようにすればよい。
【0049】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る一実施形態である濁度測定装置を組み込んだ水質分析装置を示す全体斜視図。
【図2】同実施形態における水質分析装置のセンサ部の構造断面図。
【図3】同実施形態における濁度測定装置を示す全体斜視図。
【図4】同実施形態における濁度測定装置の縦断面を示す図(蓋部:開成位置)。
【図5】図4におけるd1−d1断面を示す図(蓋部:開成位置)。
【図6】同実施形態における洗浄ユニットを示す斜視図。
【図7】同実施形態における洗浄ユニットを示す平面図。
【図8】同実施形態における洗浄ユニットを示す側面図。
【図9】同実施形態における濁度測定装置の縦断面を示す図(蓋部:閉成位置)。
【図10】図9におけるd2−d2断面を示す図(蓋部:閉成位置)。
【図11】本発明に係る他の実施形態である濁度測定装置を示す平面図。
【図12】同実施形態における濁度測定装置の縦断面を示す図(蓋部:開成位置)。
【図13】同実施形態における濁度測定装置の縦断面を示す図(蓋部:閉成位置)。
【符号の説明】
【0051】
A・・・・・・水質測定装置(濁度測定装置)
3・・・・・・光源
4・・・・・・透過光検出部
5・・・・・・散乱光検出部
13・・・・・周壁(側周壁)
14・・・・・隔壁(円筒状隔壁)
15・・・・・開口部
21・・・・・筒状部
23・・・・・洗浄部(ワイパ)
24・・・・・蓋部
(PK)・・・開成位置
(PH)・・・閉成位置
U・・・・・・光学セル
U1・・・・・本体ユニット
U1a・・・・試料導入部
U1b・・・・空間(気密部)
U1x・・・・本体ユニットU1の所定軸(中心軸)
U2・・・・・洗浄ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる空間と、を備える本体ユニットと、
前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、
前記空間内の前記透明部に臨む位置に配され、前記蓋部が前記閉成位置にあるときに、前記試料に光を照射する光源と、
前記空間内の前記透明部に臨む位置に配され、前記透明部及び前記試料を通過してくる前記光源からの光を検出する光検出部と、を具備している光学式試料測定装置。
【請求項2】
前記洗浄ユニットが、略円筒状の筒状部を備え、この筒状部を、該筒状部の中心軸と一致する前記本体ユニットの所定軸回りに前記相対移動としての回転移動を行うように構成し、且つ、前記洗浄部を前記筒状部の側周面に設けている請求項1記載の光学式試料測定装置。
【請求項3】
前記蓋部が、前記筒状部の開口端部の一部に設けられ、該開口端部の開口面内に伸びる平板状のものである請求項2記載の光学式試料測定装置。
【請求項4】
前記光検出部は、前記試料を透過してくる透過光を検出する透過光検出部と、前記試料で散乱した散乱光を検出する散乱光検出部とを備える請求項1乃至3いずれか記載の光学式試料測定装置。
【請求項5】
少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる空間と、を備える本体ユニットと、
前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、
を具備している光学セル。
【請求項6】
少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる気密部と、を備える本体ユニットと、
前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、
前記気密部内の前記透明部に臨む位置に配され、前記蓋部が前記閉成位置にあるときに、前記試料に光を照射する光源と、
前記気密部内の前記透明部に臨む位置に配され、前記透明部及び前記試料を通過してくる前記光源からの光を検出する光検出部と、
を具備している水質測定装置。
【請求項1】
少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる空間と、を備える本体ユニットと、
前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、
前記空間内の前記透明部に臨む位置に配され、前記蓋部が前記閉成位置にあるときに、前記試料に光を照射する光源と、
前記空間内の前記透明部に臨む位置に配され、前記透明部及び前記試料を通過してくる前記光源からの光を検出する光検出部と、を具備している光学式試料測定装置。
【請求項2】
前記洗浄ユニットが、略円筒状の筒状部を備え、この筒状部を、該筒状部の中心軸と一致する前記本体ユニットの所定軸回りに前記相対移動としての回転移動を行うように構成し、且つ、前記洗浄部を前記筒状部の側周面に設けている請求項1記載の光学式試料測定装置。
【請求項3】
前記蓋部が、前記筒状部の開口端部の一部に設けられ、該開口端部の開口面内に伸びる平板状のものである請求項2記載の光学式試料測定装置。
【請求項4】
前記光検出部は、前記試料を透過してくる透過光を検出する透過光検出部と、前記試料で散乱した散乱光を検出する散乱光検出部とを備える請求項1乃至3いずれか記載の光学式試料測定装置。
【請求項5】
少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる空間と、を備える本体ユニットと、
前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、
を具備している光学セル。
【請求項6】
少なくとも一部に透明部を有する隔壁で囲まれ、試料を取り込む開口部を有し前記試料を閉じ込め得る試料導入部と、前記隔壁及びこの隔壁の外側に設けた遮光性を有する周壁で囲まれる気密部と、を備える本体ユニットと、
前記本体ユニットと相対移動可能に設けられ、前記相対移動により、前記開口部を開成して前記試料導入部内に前記試料が出入り可能な開成位置、又は、前記開口部を閉成して前記試料導入部内に前記試料を閉じ込める閉成位置に位置付けられる遮光性を有する蓋部と、前記透明部の前記試料導入部内側に接触するとともに、前記相対移動により、該内側部分を拭き取り洗浄する洗浄部と、を備える洗浄ユニットと、
前記気密部内の前記透明部に臨む位置に配され、前記蓋部が前記閉成位置にあるときに、前記試料に光を照射する光源と、
前記気密部内の前記透明部に臨む位置に配され、前記透明部及び前記試料を通過してくる前記光源からの光を検出する光検出部と、
を具備している水質測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−261770(P2008−261770A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105595(P2007−105595)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】
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