説明

光学素子の検査方法、光学素子の検査装置

【課題】光学素子の光の透過面及び反射面の状態を、当該光学素子を搭載する電子機器の使用状態と同じ波長で検査できる光学素子の検査方法を提供する。
【解決手段】プリズム50の検査方法は、光源20または光源60からプリズム50を搭載する電子機器にて使用するレーザビームと同波長のレーザビームを射出し、前記レーザビームをプリズム50の表面に照射して得られる反射光または透過光の光量を光検出器100にて検出し、光検出器100にて検出した前記光量と基準光量との差からプリズムの透過面(面X,Y,U)または反射面(斜面Z)の表面状態の良否を判定することを特徴とする。このような検査方法は、特にプリズム50のくもりの検出に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子の検査方法及び光学素子の検査装置に関する。詳しくは、レーザビームを光学素子に照射し、光学素子からの反射光または透過光の光量を光検出器にて検出し、光学素子の反射面及び透過面の良否判定をする光学素子の検査方法と、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体チップ等の電子デバイスや光ディスク等の表面の状態(外観)を検査するために、レーザビームあるいは照明光を照射し、その反射光(戻り光を含む)を光検出器で検出して検査する検査装置及び検査方法がある。
【0003】
例えば、バンプが形成された半導体チップの全面を照明する照明手段と、半導体チップからの反射光によって得られる像を拡大するレンズと、レンズを通過した光軸を複数に分岐する複数のプリズムと、分岐された各光軸の光を捕える複数の撮像部と、各撮像部に略等しい光量が入射するように調整するフィルタと、撮像部から出力される画像信号に入力して画像処理を行い、その画像データに基づいてバンプの良否を判定する画像処理装置とを備えたバンプの外観装置というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、光ディスクにレーザビームを照射して得られた戻り光から光ディスクの検査を行う検査装置であって、レーザビームを射出する光源と、レーザビームを整形するビーム整形手段と、整形されたレーザビームを回析する回析手段と、対物レンズと、戻り光をRF信号系光軸とサーボ信号系光軸に分離する分離手段と、RF信号系光軸の戻り光を拡大する拡大手段と、拡大されたレーザ光を受光する第1の光検出手段と、サーボ信号系光軸の戻り光を受光する第2の光検出手段とを備える光ディスク検査装置というものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−1228282号公報(第5、6頁、第2図)
【特許文献2】特開平9−54952号公報(第5頁、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような特許文献1や特許文献2では、被検査対象物としての半導体チップや光ディスクの表面状態を検査することを可能にしているが、検査装置の構成要素の数が多くなり、検査装置が複雑であること、また大型化するという課題がある。
さらに、特許文献1や特許文献2では、被検査対象物の表面の反射光のみを検出しているため、被検査対象物が前述した特許文献1や特許文献2による検査装置に採用しているプリズムのような光学素子の検査においては、透過光と反射光とがあるため、光の透過面と反射面の両方の表面状態の検査、特にくもり等の検査は困難である。
【0007】
本発明の目的は、プリズム等の光学素子の光の透過面及び反射面の状態を、当該光学素子を搭載する電子機器と同じ波長で検査できる光学素子の検査方法及び検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光学素子の検査方法は、光源から、光学素子を搭載する電子機器にて使用するレーザビームと同波長のレーザビームを射出し、前記レーザビームを光学素子の表面に照射して得られる反射光または透過光の光量を光検出器にて検出し、前記光検出器にて検出した前記光量と基準光量とを比較し、前記光学素子の透過面または反射面の良否を判定することを特徴とする。
ここで、基準光量とは、例えば、光学素子に傷、汚れ、くもり等の存在が許容される範囲の反射光または透過光の光量を意味する。
【0009】
この発明によれば、光学素子にレーザビームを照射し、光学素子からの反射光または透過光の光量を検出し、基準光量とを比較することで、光学素子の傷、汚れ、くもり等の良否を的確に判定することができる。
【0010】
また、仮に、電子機器としてCD(Conpact Disk)装置、DVD(Digital Versatile Disc)装置、BD(Blu−ray Disc)装置、HD DVD(High Definition DVD)装置の場合、これらの光ピックアップに用いられるレーザビームと同じ波長のレーザビームを用いて検査することにより、電子機器の実使用に即した条件にて光学素子の検査を行うことができる。
【0011】
前記光源が、第1の波長のレーザビームを射出する第1の光源と、第2の波長のレーザビームを射出する第2の光源からなり、前記第1の波長のレーザビームの光軸を前記第2の波長のレーザビームに対して前記光学素子の被検査領域にて交差するよう配設し、前記光学素子に前記第1の波長のレーザビームを照射して得られた反射光と、前記光学素子に前記第2の波長のレーザビームを照射して得られた透過光それぞれの光量を前記光検出器にて検出することが好ましい。
ここで、第1の波長および第2の波長とは、例えば、CD装置DVD装置、BD装置及びHD DVD装置の光ピックアップに用いられる波長がある。
【0012】
このようにすれば、上述のCD装置、DVD装置、BD装置やHD DVD装置等に共通に搭載される光学素子について、2系列の波長にて光学素子の検査を行うことができ、それぞれの波長、各電子機器毎に要求される反射光または透過光に対応した検査を行うことができる。そのことから検査効率を高めることができるという効果もある。
また、透過光及び反射光の両方の光量を検出できることから、特に、前述した従来技術では不可能なくもりの検出を行うことができる。
【0013】
また、前記光源から射出されるレーザビームをp偏光光またはs偏光光に整形して前記光学素子に照射し、前記p偏光光または前記s偏光光の反射光または透過光の光量と、前記p偏光光または前記s偏光光に対応する基準光量と、を比較し前記光学素子の透過面または反射面の良否を判定することが好ましい。
【0014】
ユーザー(つまり、電子機器の製造者を指す)は、機器の仕様によってレーザビームをp偏光光またはs偏光光に変換して光ピックアップを行うことがある。従って、p偏光光またはs偏光光を選択的に切り替えることができるので、実使用に対応したp偏光光またはs偏光光のそれぞれに対応する検査を行うことができる。
【0015】
また、前記光源と前記光学素子との間、または、前記光学素子と前記光検出器との間に検査対象範囲を限定するための有効径調整部を備え、前記有効径調整部を用いて前記検査対象範囲を設定し、前記検査対象範囲の光量を検出することが好ましい。
【0016】
ユーザーが光学素子の特に管理を必要とする検査対象範囲を特定することがある。従って、有効径調整部を備えることにより検査範囲を絞って検査することができるため、検出力を高めることができる。
【0017】
また、前記光学素子と前記光検出器との間に、前記光学素子からの反射光または透過光を拡大して前記光検出器に照射するビームエキスバンド素子を、さらに備え、前記ビームエキスバンド素子にて前記反射光または前記透過光を拡大して前記光検出器に照射し、前記反射光または前記透過光の光量を検出することが好ましい。
【0018】
このようにすれば、光学素子からの反射光または透過光を光検出器に拡大して照射することができるので、検査分解能を高めることができる。
【0019】
さらに、前記レーザビームの前記光学素子への入射有効領域と、前記反射光または前記透過光の射出有効領域と、を設定できる調整機構を備え、前記調整機構を用いて前記入射有効領域と前記射出有効領域とを所定の範囲に設定し、前記所定の範囲内において前記反射光、または前記透過光の光量を検出することが好ましい。
【0020】
ユーザーがレーザビームの光学素子への入射有効領域(入射有効径と呼ぶことがある)と反射光または透過光の射出有効領域(射出有効径と呼ぶことがある)を指定することがある。従って、入射有効径と射出有効径とを調整する調整機構を設けることにより、ユーザーの要求に応えて入射有効領域と射出有効領域とを設定することができる。
【0021】
本発明による光学素子の検査装置は、光学素子を搭載する電子機器にて使用するレーザビームと同波長のレーザビームを射出する光源と、前記レーザビームを整形するビーム整形手段と、前記ビーム整形手段にて整形されたビームを光学素子の表面に照射して得られた反射光または透過光の光量を検出する光検出器と、を備え、前記光量と基準光量とを比較し前記光学素子の透過面または反射面の良否を判定することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、光学素子にレーザビームを照射し、光学素子からの反射光または透過光の光量を検出し、基準の光量との差異を比較することで、光学素子の傷、汚れ、くもり等の良否を的確に判定することができる光学素子の検査装置(以降、単に検査装置と表すことがある)を提供できる。
【0023】
また、光源が電子機器(例えば、CD装置、DVD装置、BD装置やHD DVD装置等の光ピックアップ等)に用いられるレーザビームと同条件のレーザビームを射出するため、実使用に対応する条件にて光学素子の検査を行うことができる。
【0024】
さらに、この検査装置は、基本構成として、光源とビーム整形手段と光検出器とを備える構造であるため、構成要素数が少なく、小型化が可能な検査装置を実現することができる。
【0025】
また、前記光源が、第1の波長のレーザビームを射出する第1の光源と、第2の波長のレーザビームを射出する第2の光源からなり、前記第1の波長のレーザビームの光軸が、前記第2の波長のレーザビームに対して前記光学素子の被検査領域にて交差するよう配設され、前記光学素子に前記第1の波長のレーザビームを照射して得られた反射光と、前記光学素子に前記第2の波長のレーザビームを照射して得られた透過光それぞれの光量を前記光検出器にて検出することが好ましい。
ここで、第1の波長としては、例えばCD装置の光ピックアップ用の波長780nm帯域、第2の波長としてはDVD装置の光ピックアップ用の波長650nmを選択できる。
さらには405nm、532nmの選択等できる。
【0026】
最近では、CD及びDVDの機能を併せ持つ電子機器も存在しており、このような場合、共通の光学素子を採用することがある。本発明の検査装置は電子機器に採用される先述した2系列の光ピックアップそれぞれの波長と同じ波長のレーザビームを照射する光源を備えているため、電子機器の使用状態と略同じ条件で光学素子の検査をすることができ、実使用に対応した検査を1台の検査装置で行うことができる。
【0027】
また、前記ビーム整形手段が、少なくとも、前記光源から射出されるレーザビームをp偏光光またはs偏光光に切り替える切替機構を備えていることが好ましい。
【0028】
ユーザーは、電子機器の仕様によってレーザビームをp偏光光またはs偏光光に変換して光ピックアップを行うことがある。従って、p偏光光またはs偏光光に切り替えるための切替機構を備えることにより、p偏光光またはs偏光光のそれぞれに対応する光源及び光学系を用意する必要がなくなり、構造を簡単にすることができる。
【0029】
また、前記ビーム整形手段が、前記光源から射出されるレーザビームを平行光に変換するコリメートレンズと、前記コリメートレンズからのランダム偏光を直線偏光に変換する偏向子を含むことが好ましい。
【0030】
このような構成にすれば、コリメートレンズと偏向子により、光学素子に照射するレーザビームをp偏光光またはs偏光光の直線偏光に変換できる簡単な構造のビーム整形手段を実現できる。
【0031】
また、前記切替機構が、前記偏向子を90°回転する回転機構であることが好ましい。
【0032】
偏向子を90°回転することにより、p偏光光またはs偏光光に切り替えることができるので、p偏光光またはs偏光光専用の光学系(光源を含む)を用意する必要がなく、検査装置の構造を簡単にすることができる。
【0033】
また、前記光源と前記光学素子との間、または、前記光学素子と前記光検出器との間に検査対象範囲を限定するための有効径調整部を備えていることが望ましい。
【0034】
本発明では、光学素子に照射されるレーザビームは平行光に整形されている。ここで、光学素子のユーザーが特に管理を必要とする検査対象範囲を特定することがある。従って、有効径調整部を備えることにより検査範囲を絞って検査することができる検査装置を提供することができる。
なお、詳しくは実施の形態において後述するマスクを用いる構造、または前述したコリメートレンズを光軸に沿って移動させる構造が採用できる。
【0035】
さらに、前記光学素子と前記光検出器との間に、前記光学素子からの反射光または透過光を拡大して前記光検出器に照射するビームエキスバンド素子を、さらに備えていることが望ましい。
【0036】
このようにすれば、光学素子からの反射光または透過光を光検出器に拡大して照射することができるので、検査の分解能が高い検査装置を実現できる。
【0037】
また、本発明の光学素子の検査装置は、光学素子を搭載する電子機器にて使用するレーザビームと同波長のレーザビームを射出する光源と、前記レーザビームを光学素子に照射して得られた反射光または透過光の光量を検出する光検出器と、前記レーザビームの前記光学素子への入射有効領域と前記反射光または前記透過光の射出有効領域とを設定できる調整機構と、を備えていることを特徴とする。
【0038】
この発明によれば、ユーザーがレーザビームの前記光学素子への入射有効領域と反射光または透過光の射出有効領域を指定することがある。従って、これら有効径を調整する調整機構を設けることにより、ユーザーの要求に自在に応えられる検査を行うことができる。この発明は、光源から射出される分散光であるレーザビームを直接光学素子に入射する構造でなし得る。
【0039】
また、前記調整機構が、前記光源と前記光学素子とのレーザビームの光軸上の距離を調整するスライド機構であることが好ましい。
【0040】
このようなスライド機構を仮に光源に設ければ、光学素子と距離を自在に調整することができるので、レーザビームの前記光学素子への入射有効領域と反射光または透過光の射出有効領域とがユーザーの要求にあわせて設定できる。
【0041】
また、前記光源が、p偏光光またはs偏光光のレーザビームを射出し、前記光源が、s偏光光またはp偏光光にそれぞれ切り替える切替機構を備えていることが好ましい。
【0042】
このようにすれば、入射有効径と射出有効径とを調整する調整機構とs偏光光またはp偏光光にそれぞれ切り替える切替機構とをを設けることにより、ユーザーの要求に応える条件設定を行うことができる検査装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態1に係る光学素子の検査装置を示し、図2は実施形態2、図3,4は実施形態3、図5,6は実施形態4に係る光学素子の検査装置を示している。
(実施形態1)
【0044】
図1は、本発明の実施形態1に係る光学素子の検査装置(以降、単に検査装置と表す)の概略構成を示す説明図である。図1において、検査装置10は、第1の光源20(以降、単に光源20と表す)と、第2の光源60(以降、単に光源60と表す)と、光検出器100と、光源20及び光源60それぞれの光軸A,B上に配設されるビーム整形手段とを備えて構成されている。なお、光源20,60には、波長帯域が異なる半導体レーザを用いる。
【0045】
光軸Aと光軸Bとは、同一平面上においてそれぞれの光軸の延長上にて光軸が垂直に交差し、この交差位置に光学素子としてのプリズム50が配設されている。本実施形態では、電子機器としてのCD装置及びDVD装置、BD装置やHD DVD装置の光ピックアップ光学系において共通使用されるプリズムを被検査対象物として例示している。従って、光軸A,Bが交差する領域がプリズム50の被検査領域である。
【0046】
そして、本実施形態では、光源20は波長780nm、光源60は波長650nmのレーザビームを射出する。これらの波長はそれぞれCD装置、DVD装置の光ピックアップにて用いられるレーザビームの波長に一致している。但し、これらの波長は電子機器に対応して任意に設定する。
また、光検出器100としては、フォトセンサやCCD(Charge Coupled Device)、CMOSセンサ等を採用することができる。
【0047】
プリズム50は、光軸Aに直交する面Xと、光軸Bに直交する面Y、光軸Cに直交する面U、分光面としての斜面Z、とを有する立方体である。すなわち、プリズム50は、CD装置及びDVD装置双方の光ピックアップ用のレーザビーム共通の分光素子として用いられている。斜面Zには図示しないビームスプリッターコートが形成されている。
【0048】
光源20とプリズム50との間の光軸A上には、光源20側からビーム整形手段としてコリメートレンズ30と偏向子40とが配設されている。
【0049】
また、光源60とプリズム50との間の光軸B上には、光源60側からビーム整形手段としてコリメートレンズ70と偏向子80とが配設されている。
【0050】
次に、本実施形態における検査装置の作用について図1を参照して説明する。
まず、光源20の光学系について説明する。光源20から射出されるレーザビームは発散光であって、ランダム偏光光である。このランダム偏光光をコリメートレンズ30にて平行光に変換し、その後段の偏向子40にて、p偏光光またはs偏光光への直線偏光を行う。そして、プリズム50の面Xを透過し、内部の斜面Zにおいて反射する。反射光は面Uを透過して光検出器100に照射される。
【0051】
ここで、光検出器100では、照射された反射光の光量を測定する。光量は、直接的には電流値として検出される。光検出器100は図示しないデータ処理装置に接続されており、データ処理装置には良否判定の基準となる基準光量に対応する電流値が入力されている。基準光量とは、プリズム50の面X,U、及び斜面Zのいずれかに傷、汚れ、くもり等の異常が存在する場合の許容範囲の限界値である。
【0052】
従って、プリズム50においてレーザビームが通過する各表面において傷、汚れ、くもり等が存在した場合、光検出器100では検出される光量が低下する。この光量を基準光量と比較して、基準光量よりも大きい場合は良品とし、小さい場合は不良品と判定する。
【0053】
光源60の光学系も上述した光源20の光学系と同様な作用を呈する。詳しい説明を省略するが、光源60から射出されたレーザビームは、コリメートレンズ70、偏向子80を通過して直進し、プリズム50の面Yと、斜面Z、面Uを透過し、この透過光が光検出器100に照射される。この透過光の光量を基準光量と比較して、基準光量よりも大きい場合は良品とし、小さい場合は不良品と判定する。
【0054】
偏向子40,80には、光源20,60から射出されるレーザビームをp偏光光からs偏光光またはその逆に切り替える切替機構が設けられている。偏向子40を例示して説明する。偏向子40はグラントムソンプリズムに代表される公知の構造のものを採用しているので詳しい説明を省略するが、偏光素子41と、偏光素子41を所定の姿勢で保持するホルダー42とから構成されている。
【0055】
ホルダー42は光軸Aを軸とする筒状部材であって、外周部に歯車部44と、長手方向両端に突出した回転軸43とが形成されている。
【0056】
切替機構は、ホルダー42に歯車部44と回転軸43が形成された偏向子40と回転駆動部材45とから構成されている。回転駆動部材45は、歯車部44と噛合するピニオンが形成されており、回転軸46は図示しないモータに接続している。
【0057】
続いて、切替機構の動作について説明する。初期の状態におけるレーザビームが、p偏光光の場合には、回転駆動部材45によって偏向子40を回転する。偏向子40を90°回転させると、偏向子40によってs偏光光に変換されたレーザビームがプリズム50に入射される。s偏光光からp偏光光に切り替える場合は、逆方向に90°回転させればよい。
【0058】
偏向子80においても上述した偏向子40と同様な構造、作用にてp偏光光とs偏光光との切り替えを行うことができる。つまり、偏光素子81を保持するホルダー82は光軸Bを軸とする筒状部材であって、外周部に歯車部84が、長手方向両端に突出した回転軸83が形成されている。切替機構は、ホルダー82に歯車部84と回転軸83が形成された偏向子80と、回転駆動部材85とから構成されている。回転駆動部材85は、歯車部84と噛合するピニオンが形成されており、回転軸86は図示しないモータに接続している。
【0059】
そして、上述した偏向子40と同様に切替機構を動作することによりp偏光光とs偏光光とを切り替えることができる。
【0060】
従って、前述した実施形態1によれば、被検査対象物としてのプリズム50にレーザビームを照射し、プリズム50からの反射光または透過光の光量を検出し、基準の光量と比較することで、プリズム50の面X,Y,U及び斜面Zの傷、汚れ、くもり等の良否を的確に判定することができる。
【0061】
また、光源20,60がCD装置、DVD装置、BD装置やHD DVD装置等の電子機器の光ピックアップに用いられるレーザビームと同じ波長のレーザビームを射出するため、実使用に対応する条件で光学素子の検査を行うことができる。
【0062】
さらに、この検査装置10は、基本構成として、2系列の光源20,60とコリメートレンズ30,70と偏向子40,80とからなるビーム整形手段と光検出器100とを備える構造であるため、構成要素数が少なく、小型化が可能な検査装置を実現することができる。
【0063】
また、切替機構を用いて偏向子を90°回転することにより、p偏光光またはs偏光光に切り替えることができるので、p偏光光またはs偏光光専用の光学系(光源を含む)を用意する必要がなく、検査装置の構造を簡単にすることができる。
【0064】
さらに、プリズム50の斜面Zにはビームスプリッターコートが形成されている。本実施形態によれば、ビームスプリッターコート面で反射される反射光、透過する透過光の両方の光量を検出できるため、従来技術では検出できないビームスプリッターコート下面の傷、汚れ、くもり等を検出することができる。
(実施形態2)
【0065】
続いて、本発明の実施形態2に係る光学素子の検査装置及び検査方法について図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1による検査装置10に被検査対象物としてのプリズムの検査対象範囲を限定するために有効径調整部を加えたことに特徴を有し、他の構造は実施形態1(図1、参照)と同じであるため、共通部分の説明は省略する。また、共通部分には同じ符号を附している。
【0066】
図2は、実施形態2に係る検査装置の概略構成を示す部分説明図である。(a)は実施形態2の実施例1、(b)は実施例2を示している。
まず、実施例1について説明する。図2(a)において、プリズム50と光検出器100との間に検査対象範囲を設定する有効径調整部としてのマスク110が配設されている。
【0067】
マスク110には、光軸C上にマスク開口部111が開設されている。このマスク開口部は、検査対象範囲を限定するために設けられ、ユーザーが指定する検査対象範囲に対応した口径を有する。本実施形態では、具体的には、プリズム50は一辺が2mmの立方体の大きさを有し、検査対象範囲の指定有効径が1mmとしている。従って、光検出器100における照射径100cが指定有効径1mmに相当する。
【0068】
なお、マスク110を偏向子40または偏向子80と、プリズム50との間に配設する構造としても、本実施例の目的を達することができる。
【0069】
次に、実施形態2における実施例2について図面を参照して説明する。実施例2は、検査対象範囲の有効径調整部としてコリメートレンズ30と光源20との距離を調整する調整機構を備えていることに特徴を有している。この調整機構は、光源20に対応する光学系と、光源60に対応する光学系とは同じ構造を採用できるので、光源20に対応する光学系を例示して説明する。図2(b)において、検査装置10は、光源20と偏向子40との間に配設される調整機構を備えたコリメートレンズ30とから構成されている。
【0070】
この調整機構は、コリメートレンズ30を保持する保持枠120と、保持枠120を移動させるスライド機構としての歯車130とを備えて構成されている。保持枠120には、一方の側面にラック121が形成されており、歯車130と噛合している。従って、コリメートレンズ30は、歯車130を回転することにより光軸Aに沿って移動することができる。
【0071】
続いて、調整機構の作用について説明する。歯車130を時計回り方向に回転すると、コリメートレンズ30は初期位置30aから設定位置30bまで移動する。初期位置30aにあるとき、光源20からのレーザビームは、コリメートレンズ30によって図に示す光路Eの範囲に進行する。設定位置30bにおいては、分散光の射出分散角度が一定であればコリメートレンズ30が光源20に近づくため入射する有効径が、初期位置30aにあるときよりも小さくなり、図に示す光路Fの範囲に進行する。
【0072】
従って、光源20に対するコリメートレンズ30の距離を、ユーザーが指定する検査対象範囲に対応する有効径となるように設定することで、光検出器100に照射されるレーザビームの指定有効径に対応した照射径100cとすることができる。
【0073】
ユーザーが特に管理を必要とする検査対象範囲を特定することがある。従って、前述した実施形態2によれば、有効径調整部としてマスク110またはコリメートレンズ30を光軸Aに沿って移動する調整機構を備えることによりユーザーが指定する検査範囲に絞って検査することができるため、検出力を高めることができる。
【0074】
また、実施例1によれば、マスク110を設けるだけでよいため簡単な構造で有効径調整部を構成することができ、実施例2によれば、調整機構を作動させることにより、検査対象範囲を任意に設定できるという効果を有する。
(実施形態3)
【0075】
続いて、本発明に係る実施形態3について図面を参照して説明する。実施形態3は、プリズム50からの透過光または反射光を拡大するビームエキスバンド素子を備えていることに特徴を有し、他の構成については前述した実施形態1と同じであるため、共通部分の説明を省略し、同じ符号を附して説明する。
図3は、実施形態3に係る検査装置の概略構成を示す説明図である。図3において、プリズム50と光検出器100との間には、ビームエキスバンド素子90が配設されている。
【0076】
ビームエキスバンド素子90は、図示したような凸レンズを2個組み合わせたケプラータイプや、凹レンズと凸レンズを組み合わせたガリレオタイプ等があるが、拡大率に対応して選択することができる。
【0077】
プリズム50から射出されたレーザビームは、ビームエキスバンド素子90によって拡大され光検出器100の照射面に照射される。この状態を図4に示す。
図4は、光検出器100の照射面を示す概略説明図であり、(a)はビームエキスバンド素子90を用いないときの光検出器100の照射面101、(b)はビームエキスバンド素子90を用いたときの照射面101を表している。
【0078】
なお、図4では、光検出器としてCCD(Charge Coupled Device)を用いた例を示している。CCDは、複数の受光素子(図中、格子状に表す)が整列配置されている。図4(b)に示すように、ビームエキスバンド素子90を有する場合の検査可能な照射領域100bは、図4(a)に示すビームエキスバンド素子90が無い場合(図1にて示す構成のとき)の照射領域100aに比べてビームエキスバンド素子90の拡大率に対応した比率分だけ照射領域が大きくなる。
【0079】
従って、上述した実施形態3によれば、プリズム50からの反射光または透過光をビームエキスバンド素子90によって光検出器100に拡大して照射することができるので、検査分解能を高めることができる。
【0080】
また、光検出器としては、CCDの他にCMOSセンサを用いることができ、このような撮像素子を用いれば、それぞれの受光素子毎に光量を検出できるので、プリズム50の被検査対象領域のどの部分に汚れやくもりが存在するかを詳細に検出することができる。
(実施形態4)
【0081】
続いて、本発明の実施形態4について図面を参照して説明する。実施形態4は、レーザビームのプリズムへの入射有効領域とプリズムからの反射光または前記透過光の射出有効領域とを設定できる調整機構を備えていることに特徴を有している。
図5は、実施形態4に係る検査装置の概略構成を示す説明図である。図5において、検査装置10は、光源20,60と、光学素子としてのプリズム50と、光検出器100とから構成され、光源20,60から射出されたレーザビームが直接、プリズム50に入射されるように構成されている。
【0082】
光源20,60にはそれぞれ、レーザビームのプリズム50への入射有効領域と、反射光または透過光の射出有効領域と、を設定できる調整機構が設けられている。光源20系及び光源60系の調整機構は、同じ構造を採用できるので、光源20側を例示して説明する。
【0083】
調整機構は、光源20と光源20を回転させる回転機構とを保持する台座26と、台座26を光軸方向にスライドさせるスライド機構とを備えて構成されている。光源20は、円柱状の基台21に取付けられており、基台21の外周には歯車22が形成されている。この歯車22に噛合する回転機構としての歯車25が回転軸25aを中心として回転可能に台座26に装着されている。
【0084】
台座26の一方の側面にはラック27が形成されており、このラック27に噛合する歯車28がさらに設けられ、ラック27と歯車28とからスライド機構が構成されている。
【0085】
光源20は、p偏光光またはs偏光光のいずれかを射出し、歯車25が回転軸25aを中心に回転することによって回転軸21aを中心に90°回転される。従って、初期状態がp偏光光を射出している場合、90°回転することでs偏光光に変換することができる。これは、ユーザーの要求によって切り替えられる。
【0086】
また、歯車28を回転することにより、光源20が台座26と共に光軸Aに沿ってスライドし、プリズム50と光源20との距離を自在に調整することが可能である。
【0087】
光源60側においても、光源60と光源60を回転する回転機構とを保持する台座66と、台座66に形成されたラック67と噛合し、台座66をスライドさせる歯車68を備えて構成されている。光源60は、円柱状の基台61に取付けられており、基台61に形成される歯車62と、歯車62に噛合する歯車65が回転軸65aを中心として回転可能に台座66に装着されている。光源60は回転軸61aを中心に回転可能であり、上述した光源20側と同様な操作によって、p偏光光またはs偏光光の切り替えを行うことができる。
【0088】
また、台座66の一方の側面にラック67が形成されており、このラック67に噛合する歯車68が設けられ、光源60を光軸Bに沿ってスライドすることができる。
【0089】
次に、本実施形態の作用について説明する。光学素子の検査において、ユーザーはレーザビームの被検査対象物(プリズム50)への入射有効領域と反射光または透過光の射出有効領域を指定することがある。例えば、光源20の光路においては入射有効径d3と射出有効径d2を指定し、光源60の光路においては入射有効径d1と射出有効径d2とを指定する。
【0090】
ここで、歯車28を回転し光源20をスライドさせ、光源20とプリズム50との距離を変化させることにより、入射有効径d3と射出有効径d2を変化することができる。また、歯車68を回転し光源60をスライドさせて光源60とプリズム50との距離を変化させることにより、入射有効径d1と射出有効径d2を変化することができる。
【0091】
つまり、光源20から射出されるレーザビームは分散光であり、射出分散角度が一定であれば、光源20をプリズム50に近づければ入射有効径d3と射出有効径d2とが小さくなり、遠ざければ入射有効径d3は大きくなる。射出有効径d2は、入射有効径d3に比例する。
光源60側の光路においても同様である。
【0092】
プリズム50から射出されたレーザビームは、光源20または光源60から直接、光検出器100に分散光を照射した状態となり、光検出器100の表面に照射有効径d4を有する。そして照射有効径d4の範囲において光量が検出される。
【0093】
図6は、実施形態4におけるプリズム50の良否判定の方法の1例を表すグラフである。横軸に光検出器100における反射光または透過光の照射領域、縦軸に光量を表している。図6によれば、照射有効径d4の範囲において光量が検出され、光量は照射有効径の中央部P(図5、参照)で極値を有する双曲線で表される。
【0094】
ここで、プリズム50に傷、汚れ、くもり等の許容範囲内における光量を予め基準光量(基準値)として設定しておく。検出した光量が、この基準光量よりも大きく検出すれば良品、小さければ不良品と判定することができる。
【0095】
従って、上述した実施形態4によれば、入射有効径と射出有効径とを調整する調整機構を設けることにより、ユーザーの要求に応えて入射有効領域と射出有効領域とを設定することができる。
【0096】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態1〜4では、光源として半導体レーザを例示して説明したが、光源として照明装置を用いてもよい。
【0097】
また、前述した実施形態2では、検査対象範囲の有効径調整部としてコリメートレンズと光源との距離を調整する調整機構を備えているが、調整機構は光源20及び光源60それぞれを光軸Aまたは光軸Bに沿ってスライドする構造にすることができる。この場合、実施形態4(図5、参照)と同様なスライド機構を採用することができる。
【0098】
さらに、実施形態4では、光源20,60に調整機構を備えているが、光源20または光源60とプリズム50との間に、凸レンズまたは凹レンズを配設してレーザビームを拡大、縮小する構造とし、入射有効径および射出有効径を所望の大きさに設定することができる。
【0099】
また、前述した実施形態1〜4では、光学素子の検査において、測定された光量と基準光量との比較により光量が基準光量(基準値)よりも大きいか小さいかで良否判定をしているが、光検出器としてCCDやCMOSセンサを用いることにより、受光素子毎の光量、あるいは光量の段階的な検出と画像処理によって、傷、汚れ、くもり等の場所の認識、程度の認識を行い、より詳細な良否判定を段階的に分類することができる。
【0100】
従って、本実施形態によれば、プリズム等の光学素子の光透過面及び反射面の状態を、当該光学素子を搭載する電子機器と同じ波長で検査し、特に従来の方法では検出が困難であったくもりの検出ができる光学素子の検査方法及び検査装置を提供することができる。
【0101】
このような検査方法及び検査装置では、被検査対象物としてプリズムの他に、ハーフミラー等の光が反射及び透過する機能を併せ持つ光学素子の検査にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施形態1に係る光学素子の検査装置の概略構成を示す説明図。
【図2】本発明の実施形態2に係る光学素子の検査装置の概略構成を示す部分説明図であり、(a)は実施例1、(b)は実施例2を示す説明図。
【図3】本発明の実施形態3に係る光学素子の検査装置の概略構成を示す説明図。
【図4】本発明の実施形態3に係る光検出器の照射面を示す概略説明図であり、(a)はビームエキスバンド素子を用いないときの照射面、(b)はビームエキスバンド素子を用いたときの照射面。
【図5】本発明の実施形態4に係る光学素子の検査装置の概略構成を示す説明図。
【図6】本発明の実施形態4におけるプリズムの良否判定の方法を表すグラフ。
【符号の説明】
【0103】
10…光学素子の検査装置、20,60…光源、30,70…コリメートレンズ、40,80…偏向子、50…プリズム、100…光検出器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から光学素子を搭載する電子機器にて使用するレーザビームと同波長のレーザビームを射出し、前記レーザビームを光学素子の表面に照射して得られる反射光または透過光の光量を光検出器にて検出し、前記光検出器にて検出した前記光量と基準光量とを比較して前記光学素子の透過面または反射面の良否を判定することを特徴とする光学素子の検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光学素子の検査方法において、
前記光源が、第1の波長のレーザビームを射出する第1の光源と、第2の波長のレーザビームを射出する第2の光源からなり、前記第1の波長のレーザビームの光軸を前記第2の波長のレーザビームに対して前記光学素子の被検査領域にて交差するよう配設し、前記光学素子に前記第1の波長のレーザビームを照射して得られた反射光と、前記光学素子に前記第2の波長のレーザビームを照射して得られた透過光それぞれの光量を前記光検出器にて検出することを特徴とする光学素子の検査方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光学素子の検査方法において、
前記光源から射出されるレーザビームをp偏光光またはs偏光光に整形して前記光学素子に照射し、前記p偏光光または前記s偏光光の反射光または透過光の光量と、前記p偏光光または前記s偏光光に対応する基準光量と、を比較し前記光学素子の透過面または反射面の良否を判定することを特徴とする光学素子の検査方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光学素子の検査方法において、
前記光源と前記光学素子との間、または、前記光学素子と前記光検出器との間に検査対象範囲を限定するための有効径調整部を備え、
前記有効径調整部を用いて前記検査対象範囲を設定し、前記検査対象範囲の光量を検出することを特徴とする光学素子の検査方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光学素子の検査方法において、
前記光学素子と前記光検出器との間に、前記光学素子からの反射光または透過光を拡大して前記光検出器に照射するビームエキスバンド素子を、さらに備え、前記ビームエキスバンド素子にて前記反射光または前記透過光を拡大して前記光検出器に照射し、前記反射光または前記透過光の光量を検出することを特徴とする光学素子の検査方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光学素子の検査方法において、
前記レーザビームの前記光学素子への入射有効領域と、前記反射光または前記透過光の射出有効領域と、を設定できる調整機構を備え、前記調整機構を用いて前記入射有効領域と前記射出有効領域とを所定の範囲に設定し、前記所定の範囲内において前記反射光または前記透過光の光量を検出することを特徴とする光学素子の検査方法。
【請求項7】
光学素子を搭載する電子機器にて使用するレーザビームと同波長のレーザビームを射出する光源と、
前記レーザビームを整形するビーム整形手段と、
前記ビーム整形手段にて整形されたビームを光学素子の表面に照射して得られた反射光または透過光の光量を検出する光検出器と、を備え、
前記光量と基準光量とを比較し前記光学素子の透過面または反射面の良否を判定することを特徴とする光学素子の検査装置。
【請求項8】
請求項7に記載の光学素子の検査装置において、
前記光源が、第1の波長のレーザビームを射出する第1の光源と、第2の波長のレーザビームを射出する第2の光源からなり、
前記第1の波長のレーザビームの光軸が、前記第2の波長のレーザビームに対して前記光学素子の被検査領域にて交差するよう配設され、
前記光学素子に前記第1の波長のレーザビームを照射して得られた反射光と、前記光学素子に前記第2の波長のレーザビームを照射して得られた透過光それぞれの光量を前記光検出器にて検出することを特徴とする光学素子の検査装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の光学素子の検査装置において
前記ビーム整形手段が、少なくとも、前記光源から射出されるレーザビームをp偏光光またはs偏光光に切り替える切替機構を備えていることを特徴とする光学素子の検査装置。
【請求項10】
請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載の光学素子の検査装置において、
前記ビーム整形手段が、前記光源から射出されるレーザビームを平行光に変換するコリメートレンズと、前記コリメートレンズからのランダム偏光を直線偏光に変換する偏向子を含むことを特徴とする光学素子の検査装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の光学素子の検査装置において、
前記切替機構が、前記偏向子を90°回転する回転機構であることを特徴とする光学素子の検査装置。
【請求項12】
請求項7ないし請求項11のいずれか一項に記載の光学素子の検査装置において、
前記光源と前記光学素子との間、または、前記光学素子と前記光検出器との間に検査対象範囲を限定するための有効径調整部を備えていることを特徴とする光学素子の検査装置。
【請求項13】
請求項7ないし請求項11のいずれか一項に記載の光学素子の検査装置において、
前記光学素子と前記光検出器との間に、前記光学素子からの反射光または透過光を拡大して前記光検出器に照射するビームエキスバンド素子を、さらに備えていることを特徴とする光学素子の検査装置。
【請求項14】
光学素子を搭載する電子機器にて使用するレーザビームと同波長のレーザビームを射出する光源と、
前記レーザビームを光学素子に照射して得られた反射光または透過光の光量を検出する光検出器と、
前記レーザビームの前記光学素子への入射有効領域と前記反射光または前記透過光の射出有効領域とを設定できる調整機構と、
を備えていることを特徴とする光学素子の検査装置。
【請求項15】
請求項14に記載の光学素子の検査装置において、
前記調整機構が、前記光源と前記光学素子とのレーザビームの光軸上の距離を調整するスライド機構であることを特徴とする光学素子の検査装置。
【請求項16】
請求項14または請求項15に記載の光学素子の検査装置において、
前記光源が、p偏光光またはs偏光光のレーザビームを射出し、
前記光源が、s偏光光またはp偏光光にそれぞれ切り替える切替機構を備えていることを特徴とする光学素子の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−315990(P2007−315990A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147717(P2006−147717)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】