説明

光学部品

【課題】テラヘルツ光の反射率を低減して透過率を増加させる光学部品を提供する。
【解決手段】テラヘルツ光用の光学部品において、光学部品を構成するシリコン基板50の入射面に、同じ大きさと形とを有する複数の三角形が連続的に並ぶ縦断面形状を有する反射防止微細構造部51を形成した。三角形の底辺の幅を約45μm以下、その高さを約60μm以上とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は光学部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、板状の光学部品の表面に反射防止微細構造部を施し、光学部品の表面での可視光の反射率を低く抑える方法が知られている(下記非特許文献参照)。反射防止微細構造部の縦断面形状は同じ大きさと形とを有する複数の三角形が連続的に並ぶ形状である。
【0003】
上記反射防止微細構造部によれば、光学部品の表面における可視光の反射率を低減することができる。
【非特許文献1】日本女子大学紀要理学部 第14号(2006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記非特許文献には、可視光より波長の長いテラヘルツ光の光学部品の表面での反射率を低減できる反射防止微細構造部は開示されていない。テラヘルツ光は周波数がおおよそ0.1THzから10THzまでの範囲の電磁波であり、分光装置等に利用されている。
【0005】
分光装置には、テラヘルツ光の吸収がほとんど無く、屈折率に周波数依存性がない高抵抗シリコンを使用した光学部品(例えばレンズ、窓材)が多く用いられている。
【0006】
自由空間(空気、真空、窒素雰囲気等)と高抵抗シリコンとが接触する境界面にテラヘルツ光が入射する際、両者の屈折率の差(自由空間の屈折率=1.0、高抵抗シリコンの屈折率=3.4)によってテラヘルツ光の一部が反射(フレネル反射)され、透過率が低減する。
【0007】
例えば、表面が研磨された、高抵抗シリコン製の平行平板にテラヘルツ光を透過させようとすると、入射面で30%のテラヘルツ光が反射され、出射面で更に30%のテラヘルツ光が反射される。その結果、透過率は0.7×0.7×100=49%となる。
【0008】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題はテラヘルツ光の反射率を低減して透過率を増加できる光学部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するため請求項1記載の発明は、テラヘルツ光用の光学部品において、光学部品本体と、この光学部品本体の入射面及び出射面の少なくとも一方に形成され、複数の三角形が連続的に並ぶ縦断面形状を有する反射防止微細構造部とを備え、前記三角形の底辺の幅は約45μm以下、その高さは約60μm以上であることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学部品において、前記反射防止微細構造部は連続する複数のV溝で形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の光学部品において、前記反射防止微細構造部は連続する複数の四角錘で形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の光学部品において、前記光学部品本体は板形状であることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の光学部品において、前記光学部品本体は凸レンズ形状であることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の光学部品において、前記光学部品本体は凹レンズ形状であることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の光学部品において、前記光学部品本体は球形状であることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項記載の光学部品において、前記光学部品本体は単結晶半導体材料からなることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の光学部品において、前記単結晶半導体材料はシリコン単結晶であることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項記載の光学部品において、前記光学部品本体は樹脂材料からなることを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項2記載の光学部品において、前記V溝は研削、レーザビーム又はエッチングにより加工されることを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項3記載の光学部品において、前記四角錘は研削、レーザビーム又はエッチングにより加工されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、テラヘルツ光の反射率を低減して透過率を増加できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明の第1実施形態に係る光学部品を備えるテラヘルツ分光装置の構成を模式的に示す全体構成図である。
【0024】
テラヘルツ分光装置100は、被測定物11にテラヘルツ光T1を照射し、被測定物11を透過したテラヘルツ光T2の電場強度の時間変化データを検出し、このデータに基づいて被測定物11の複素誘電率や複素屈折率の周波数依存性等を求めるものである。
【0025】
レーザ光源1から出射されたレーザ光L1は平面鏡2で反射され、ビームスプリッタ3で2つのレーザ光L2,L3に分割される。レーザ光源1としてはフェムト秒パルスレーザが用いられる。レーザ光L1は中心波長が780〜800nm程度、繰り返し周期が数kHzから100MHzのオーダ、パルス幅が10〜150fs程度の直線偏光のパルス光である。
【0026】
ビームスプリッタ3で分割された一方のレーザ光L2は平面鏡4で反射され、真空室30を構成する筐体31に設けられた板形状のレーザ光入射窓5を透過して、集光レンズ6を経てテラヘルツ発振器7に入射する。
【0027】
テラヘルツ発振器7はテラヘルツ発生素子7aとこれに接合された半球レンズ(シリコンレンズ)7bとからなる。レーザ光L2は、テラヘルツ発生素子7aを励起してテラヘルツ光T1を発生させるポンプ光である。ビームスプリッタ3からテラヘルツ発生素子7aまでの光路がレーザ光L2が通過するポンプ光側のレーザ光学系の光路である。
【0028】
テラヘルツ発生素子7aはテラヘルツ光T1を発生する。テラヘルツ発生素子7aで発生したテラヘルツ光T1は、半球レンズ7bを透過し、放物面鏡8に入射する。放物面鏡8で反射されたテラヘルツ光T1は、平行光となって放物面鏡9に入射する。放物面鏡9で反射されたテラヘルツ光T1は、測定室40を構成する筐体41に設けられた板形状のテラヘルツ光用窓材(光学部品)10を透過し、被測定物11に照射される。被測定物11は筐体41内に保持部材(図示せず)によって保持されている。なお、測定室40は大気と連通している。
【0029】
被測定物11を透過したテラヘルツ光T2は筐体41に設けられた板形状のテラヘルツ光用窓材(光学部品)12を透過し、放物面鏡13に入射する。放物面鏡13で反射されたテラヘルツ光T2は、平行光となって放物面鏡14に入射する。放物面鏡14で反射されたテラヘルツ光T2は、テラヘルツ光検出器15に入射する。テラヘルツ検出器15はテラヘルツ検出素子15aとこれに接合された半球レンズ(シリコンレンズ)15bとからなる。テラヘルツ光T2は、半球レンズ15bによって収束され、テラヘルツ検出素子15aに導かれる。破線で示したテラヘルツ発生素子7aからテラヘルツ検出素子15aまでの光路がテラヘルツ光T1,T2が通過する光路である。
【0030】
ビームスプリッタ3で分割された他方のレーザ光L3は、テラヘルツ光T2を検出するためのプローブ光である。レーザ光L3は平面鏡22,20で反射された後、可動鏡21に入射する。可動鏡21で反射されたレーザ光L3は平面鏡19,18で反射され、筐体31に設けられた板形状のレーザ光窓材17に至る。可動鏡21を図中の矢印Aのように移動させることにより、可動鏡21の移動量に応じてレーザ光L3の光路長を変化させることができる。
【0031】
レーザ光入射窓17を透過したレーザ光L3は、集光レンズ16を経てテラヘルツ検出素子15aに入射する。ビームスプリッタ3からテラヘルツ検出素子15aまでの光路がレーザ光L3が通過するプローブ光側のレーザ光学系の光路である。
【0032】
次に、テラヘルツ光用窓材10,12について詳しく説明する。なお、テラヘルツ光用窓材10,12の構成は同じであるので、以下テラヘルツ光用窓材10だけを説明する。
【0033】
図2は本発明の第1実施形態に係る光学部品の斜視図、図3はその縦断面を示す概念図である。
【0034】
図3において、Dはテラヘルツ光の伝播方向を示し、d1,d2はそれぞれV溝51Aの開口位置及び底の位置を示す。
【0035】
テラヘルツ光用窓材10は、シリコン単結晶(単結晶半導体材料)からなる板形状のシリコン基板(光学部品本体)50と、シリコン基板50の入射面52に形成された反射防止微細構造部51とを備えている。なお、シリコン基板50の出射面54は鏡面加工した面であっても、何ら加工されない切り出したままの面(アズカット面)であってもよい。テラヘルツ光の波長は可視光の波長より長く、シリコン基板50の面のテラヘルツ波長と比較して十分小さな凹凸はテラヘルツ光の透過率に影響を与えないからである。
【0036】
反射防止微細構造部51は連続する複数のV溝51Aで形成される。同じ幅と深さとを有する複数のV溝51Aによって形成される反射防止微細構造部51の縦断面形状は同じ大きさと形とを有する複数の三角形が連続的に並ぶ形状である。三角形の底辺の幅W、高さHは反射防止効果を得たい周波数、反射防止の程度、V溝に入射するテラヘルツ光の電界の方向により決定される。なお、上記三角形は二等辺三角形に限られるものではなく、例えば一辺が底辺に対して垂直な直角三角形であってもよい。
【0037】
三角形の底辺の幅W及び高さHを、それぞれW=45μm、H=60μmにした場合、透過率は次の通りである。
【0038】
空気層(図3でAirと記載されている層)側からシリコン基板50にテラヘルツ光を垂直入射(入射角度:0°)させたとき、偏光条件に関わらず(S偏光でもP偏光でも)、1.0〜2.0THzの範囲において50%以上の透過率が得られる。
【0039】
単に入射面、出射面が鏡面加工されている板状のシリコン基板の透過率49%に比べ、反射率が低減され、透過率が増加する効果がある。
【0040】
また、三角形の底辺の幅W及び高さHを、それぞれW=20μm、H=750μmとした場合、透過率は次の通りである。
【0041】
空気側からシリコン基板50へテラヘルツ光を垂直入射させたとき:
P偏光(TM波)では、0.1〜3.0THzの範囲において、入射面52で95%以上の透過率が得られ、出射面54で70%以上の透過率が得られる。したがって、透過率は0.95×0.7×100=66.5%以上となる。
【0042】
S偏光(TE波)では、0.1〜3.0THzの範囲において、入射面52で89%以上の透過率が得られ、出射面54で70%以上の透過率が得られる。したがって、透過率は0.89×0.7×100=62.3%以上となる。
【0043】
入射面、出射面が鏡面加工されている板状のシリコン基板の透過率49%に比べ、反射率が低減され、透過率が増加することが確認された。
【0044】
次に、V溝51Aの加工方法を説明する。
【0045】
V溝51Aは例えばダイシングソーブレード(図示せず)で加工される。ダイシングソーブレードの刃先はV溝を形作るプロファイルを持った形状である。ダイシングソーブレードの刃先は、例えば2つの傾斜した切削面を有する。また、ダイシングソーブレードは例えばダイヤモンドグリットソーブレードである。
【0046】
図5は反射防止微細構造部51の屈折率の変化を示すグラフである。図5において、縦軸は屈折率(n)を示し、横軸はテラヘルツ光用窓材10の位置(テラヘルツ光の伝播方向Dの位置)を示す。
【0047】
反射防止微細構造部51の屈折率は次のように変化する。図5に示すように、位置d1では屈折率は1.0であり、位置d1から位置d2へ向かって屈折率は次第に増加し、位置d2に達したとき、屈折率は3.4になる。空気と反射防止微細構造部51との体積の割合(体積充填率)がテラヘルツ光の伝播方向へ徐々に増加するに伴って、V溝51Aの方向(V溝51Aが延びる方向)とテラヘルツ光の電界方向とが一致するS偏光(TE波)でも、V溝51Aの方向とテラヘルツ光の電界方向とが直交するP偏光(TM波)でも、屈折率が緩やかに増加する。
【0048】
次に、図示しない反射防止膜に対する反射防止微細構造部51の優位性を確認するため、反射防止膜、反射防止微細構造部51の透過率の周波数依存性を計算した。なお、シリコン基板50の表面に反射防止膜を施す方法は反射を低減させる既知の方法である。
【0049】
図4は反射防止膜及び反射防止微細構造部51の透過率の周波数依存性を示すグラフである。
【0050】
図4において、横軸は周波数(THz)を示し、縦軸は透過率(%)を示す。また、実線は1.0THzをターゲットに設計された反射防止膜(単層コート)の周波数依存性を示し、破線はW=20μm、H=750μmの反射防止微細構造部51のS偏光(TE波)の周波数依存性を示し、一点鎖線はW=20μm、H=750の反射防止微細構造部51のP偏光(TM波)の周波数依存性を示す。
【0051】
図4に示すように、反射防止膜では、ターゲットの1.0THz近傍では透過率が高くなっているが、それ以外では周波数の変化に応じて透過率が大きく変化し、安定しない。これに対し、反射防止微細構造部51では、S偏光(TE波)でもP偏光(TM波)でも0.1〜3.0THzの範囲において、高い透過率が保たれる。その結果、反射防止微細構造部51の方が反射防止膜よりも透過率の周波数依存性に優れていることが確認された。なお、入射角依存性については、一般的に言って、反射防止微細構造部51の方が反射防止膜よりも優れている。
【0052】
この実施形態によれば、急激な屈折率の差により発生するテラヘルツ光のフレネル反射を低減させて透過率を増加させることができる。また、テラヘルツ光を効率よく利用できるので、検出波形のSN比が向上し、測定再現性の向上、測定可能周波数帯域の増加、測定時間の短縮等を図ることができる。更に、実施形態の光学部品内部での多重反射を抑え、検出波形に悪影響を与えない効果もある。
【0053】
図6は本発明の第2実施形態に係る光学部品の斜視図である。
【0054】
この実施形態は入射面62と出射面64との両面に反射防止微細構造部61A,61Bを形成した点で第1実施形態と相違する。
【0055】
テラヘルツ光用窓材70は、シリコン単結晶(単結晶半導体材料)からなる板状のシリコン基板(光学部品本体)60と、シリコン基板60の入射面62と出射面64との両面に形成された反射防止微細構造部61A,61Bとを備える。反射防止微細構造部61A,61Bはそれぞれ連続する複数のV溝61A−1,61B−1で構成されている。なお、V溝61A−1とV溝61B−1とをシリコン基板60の対称な位置に形成しなくてもよい。
【0056】
入射面62と出射面64との両面にダイシングソーを使用して同一方向へ延びる複数のV溝を機械加工する。
【0057】
入射面62と出射面64との両面に複数のV溝を形成することにより得られた連続的に並ぶ三角形の底辺の幅W及び高さHを、それぞれW=45μm、H=60μmとした場合、透過率は次の通りである。
【0058】
空気層側からシリコン基板60へテラヘルツ光を垂直入射させたとき、偏光条件に関わらず(S偏光でもP偏光でも)、1.0〜2.0THzの範囲において60%以上の透過率が得られる。
【0059】
入射面62、出射面64が鏡面加工されている板状のシリコン基板の透過率49%に比べ、反射率が低減され、透過率が増加することが確認された。
【0060】
また、三角形の底辺の幅W及び高さHを、それぞれW=20μm、H=750μmとした場合、透過率は次の通りである。
【0061】
空気層側からシリコン基板60へテラヘルツ光を垂直入射させたとき:
P偏光(TM波)では、0.1〜3.0THzの範囲において90%以上の透過率が得られる。
【0062】
S偏光(TE波)の場合、0.1〜3.0THzの範囲において80%以上の透過率が得られる。
【0063】
入射面62、出射面64が鏡面加工されている板状のシリコン基板の透過率49%に比べ、反射率が低減され、透過率がより一層増加することが確認された。
【0064】
この実施形態によれば、シリコン基板60の両面に反射防止微細構造部61A,61Bを形成したので、第1実施形態より反射率を低減させて透過率を高めることができる。
【0065】
なお、上記実施形態では偏光方向が決められている分光装置内で用いられるテラヘルツ光用窓材10を対象としたので、反射防止微細構造部51,61A,61Bを複数のV溝で形成したが、反射防止微細構造部51,61A,61Bの縦断面形状が複数の三角形が連続的に並ぶ形状であれば、V溝51A,61A−1,61B−1に代えて例えば四角錘、三角錐、円錐等で形成してもよい。反射防止微細構造部を四角錘、三角錐、円錐等で形成すれば、偏光依存性がなくなり、分光装置以外の装置にも適用することができる。ただし、四角錘等で反射防止微細構造部を形成するには、V溝51A,61A−1,61B−1を形成するのに比べて多くの工程が必要になる。
【0066】
また、上記実施形態では板形状のシリコン基板50に反射防止微細構造部51を形成したり、シリコン基板60に反射防止微細構造部61A,61Bを形成したりしたが、例えばシリコン単結晶からなる凸レンズ形状、凹レンズ形状、球形状の光学部品本体に反射防止微細構造部を形成してもよい。
【0067】
更に、上記実施形態ではテラヘルツ光用窓材10,70の材料としてシリコン単結晶を用いたが、例えばシクロオレフィンポリマー等の樹脂を用いてもよい。
【0068】
また、ダイシングソーブレードによる機械加工ではなく、例えばパルスレーザビームを利用してV溝等を加工するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は本発明の第1実施形態に係る光学部品を備えるテラヘルツ分光装置の構成を模式的に示す全体構成図である。
【図2】図2は本発明の第1実施形態に係る光学部品の斜視図である。
【図3】図3は本発明の第1実施形態に係る光学部品の縦断面を示す概念図である。
【図4】図4は透過率の周波数依存性を示すグラフである。
【図5】図5は反射防止微細構造部51の屈折率の変化を示すグラフである。
【図6】図6は本発明の第2実施形態に係る光学部品の斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
10,12,70:テラヘルツ光用窓材(光学部品)、50,60:シリコン基板(光学部品本体)、51,61A,61B:反射防止微細構造部、52,62:入射面、54,64:出射面、100:テラヘルツ分光装置、H:高さ、W:幅。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ光用の光学部品において、
光学部品本体と、この光学部品本体の入射面及び出射面の少なくとも一方に形成され、複数の三角形が連続的に並ぶ縦断面形状を有する反射防止微細構造部とを備え、
前記三角形の底辺の幅は約45μm以下、その高さは約60μm以上であることを特徴とする光学部品。
【請求項2】
前記反射防止微細構造部は連続する複数のV溝で形成されることを特徴とする請求項1記載の光学部品。
【請求項3】
前記反射防止微細構造部は連続する複数の四角錘で形成されることを特徴とする請求項1記載の光学部品。
【請求項4】
前記光学部品本体は板形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光学部品。
【請求項5】
前記光学部品本体は凸レンズ形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光学部品。
【請求項6】
前記光学部品本体は凹レンズ形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光学部品。
【請求項7】
前記光学部品本体は球形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光学部品。
【請求項8】
前記光学部品本体は単結晶半導体材料からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の光学部品。
【請求項9】
前記単結晶半導体材料はシリコン単結晶であることを特徴とする請求項8記載の光学部品。
【請求項10】
前記光学部品本体は樹脂材料からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の光学部品。
【請求項11】
前記V溝は研削、レーザビーム又はエッチングにより加工されることを特徴とする請求項2記載の光学部品。
【請求項12】
前記四角錘は研削、レーザビーム又はエッチングにより加工されることを特徴とする請求項3記載の光学部品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−217085(P2009−217085A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61993(P2008−61993)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(592171153)株式会社栃木ニコン (34)
【出願人】(304036743)国立大学法人宇都宮大学 (209)
【Fターム(参考)】