説明

光学面の姿勢調整機構、マイケルソン干渉計、およびフーリエ変換分光分析装置

【課題】簡素な構成からなる、光学面を所定の方向に向けるための光学面の姿勢調整機構を提供する。
【解決手段】光学面の姿勢調整機構100Aは、光学面115Aを含む光学部材115、固定台20、光学部材115と固定台20との間で光学部材115を揺動可能に支持する支持部30、および固定台20から光学部材115に向かって進退する第1移動部材40を備え、第1移動部材40が前進し光学部材115を押圧することによって、支持部30の剛性に対抗して光学部材115は支持部30を中心に第1の方向に回動し、第1移動部材40が光学部材115に当接した状態で後退することによって、支持部30の剛性から生じる復元力により光学部材115は支持部30を中心に第1の方向とは反対の方向に回動し、光学面115Aの姿勢は光学部材115の上記回動によって調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材等に形成される光学面を所定の方向に向けるための光学面の姿勢調整機構、その光学面の姿勢調整機構を備えたマイケルソン干渉計、およびそのマイケルソン干渉計を備えたフーリエ変換分光分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学面は、レンズ、プリズム、またはミラーなどの光学部材に形成される。光学面に受けた光は、光学部材によって集光(導光)、反射、または透過される。光学面を有する光学部材は、たとえばフーリエ変換分光分析装置(FTIR:Fourier Transform Infrared Spectroscopy)に組み込まれるマイケルソン干渉計に用いられることができる。この場合、光学面の姿勢調整機構は、光学部材としての固定鏡の姿勢を調整する。固定鏡の姿勢が調整されることに伴って、光学面が所定の方向に向けられる。
【0003】
特開2002−148116号公報(特許文献1)は、干渉分光高度計に関する発明を開示している。同公報は、上記発明によれば、固定鏡の姿勢の粗調整及び微調整を共に自動的に行うことができると述べている。
【0004】
姿勢調整に関する技術としては以下の4つの文献も知られる。特開2007−96830号公報(特許文献2)は、撮像素子のあおり(傾斜角度)調整装置およびそれを用いた撮影装置に関する発明を開示している。同公報は、上記発明によれば、あおり(傾斜角度)調整を行った場合に滑らかにあおり角度を調整することができると述べている。特開2003−215071号公報(特許文献3)は、分光素子交換機を備えた走査型蛍光X線分析装置の分光素子取付機構に関する発明を開示している。同公報は、上記発明によれば、分光素子の取付角度を十分に高い精度で調整できると述べている。
【0005】
特開2003−228014号公報(特許文献4)は、走査光学装置に関する発明を開示している。同公報は、上記発明によれば、反射鏡の角度の調整が容易で信頼性の向上を図ることができると述べている。特開2005−117253号公報(特許文献5)は、撮像装置に関する発明を開示している。同公報は、上記発明によれば、CCD素子の光軸に対する傾きの調整を容易に精度よく行うことができると述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−148116号公報
【特許文献2】特開2007−96830号公報
【特許文献3】特開2003−215071号公報
【特許文献4】特開2003−228014号公報
【特許文献5】特開2005−117253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、簡素な構成からなる、光学面を所定の方向に向けるための光学面の姿勢調整機構、その光学面の姿勢調整機構を備えたマイケルソン干渉計、およびそのマイケルソン干渉計を備えたフーリエ変換分光分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に基づく光学面の姿勢調整機構は、光学面を含む被調整部材と、固定台と、所定の剛性を有し、上記被調整部材と上記固定台との間に設けられ、上記被調整部材を揺動可能に支持する支持部と、上記被調整部材および上記固定台の一方に取り付けられ、上記被調整部材および上記固定台の他方に向かって進退移動可能な第1移動部材と、を備え、上記第1移動部材が前進移動して上記被調整部材および上記固定台の上記他方を押圧することによって、上記支持部の剛性に対抗して上記被調整部材は上記支持部を中心に第1の方向に回動し、上記被調整部材および上記固定台の上記他方と上記第1移動部材とが相互に当接した状態で上記第1移動部材が後退移動することによって、上記支持部の剛性から生じる復元力により上記被調整部材は上記支持部を中心に上記第1の方向とは反対の第2の方向に回動し、上記光学面の姿勢は、上記被調整部材が上記第1の方向または上記第2の方向に回動することによって調整される。
【0009】
好ましくは、上記被調整部材および上記固定台の上記他方は、上記第1移動部材の移動方向に交差する方向に進退移動可能な第2移動部材を含み、上記第2移動部材は、上記第2移動部材が進退移動することによって上記第1移動部材の移動方向上における位置が変位する当接部を有し、上記第1移動部材が上記当接部に当接した状態で上記第2移動部材が進退移動することによって、上記被調整部材は回動するとともに上記光学面の姿勢が調整される。
【0010】
好ましくは、上記被調整部材、上記固定台、および上記支持部は、一体的に形成されている。
【0011】
好ましくは、上記第1移動部材の、上記被調整部材および上記固定台の上記他方側における先端部は球面状である。
【0012】
本発明の他の局面に基づく光学面の姿勢調整機構は、光学面を含む被調整部材と、上記被調整部材が取り付けられる被調整部材支持体と、固定台と、所定の剛性を有し、第1平板部と第2平板部と上記第1平板部および上記第2平板部の間に設けられた支持部とから一体的に形成され、上記第1平板部が上記被調整部材支持体に取り付けられ且つ上記第2平板部が上記固定台に取り付けられることによって、上記被調整部材支持体を揺動可能に支持する支持部構成体と、上記固定台に取り付けられ、上記被調整部材支持体に向かって進退移動可能な第1移動部材と、上記被調整部材支持体に設けられ、上記第1移動部材の移動方向に交差する方向に進退移動可能な第2移動部材と、を備え、上記第1移動部材が前進移動して上記被調整部材支持体を押圧することによって、上記支持部の剛性に対抗して上記被調整部材支持体は上記支持部を中心に第1の方向に回動し、上記第1移動部材が後退移動して上記上記被調整部材支持体から離れることによって、上記支持部の剛性から生じる復元力により上記被調整部材支持体は上記支持部を中心に上記第1の方向とは反対の第2の方向に回動し、上記光学面の姿勢は、上記被調整部材支持体が上記第1の方向または上記第2の方向に回動することによって調整され、さらに、上記第2移動部材は、上記第2移動部材が進退移動することによって上記第1移動部材の移動方向に進退移動する当接部を有し、上記第1移動部材が上記当接部に当接した状態で上記第2移動部材が進退移動することによって、上記被調整部材は回動するとともに上記光学面の姿勢が調整される。
【0013】
本発明に基づくマイケルソン干渉計は、本発明のある局面または他の局面に基づく上記の光学面の姿勢調整機構と、固定鏡である上記被調整部材と、移動鏡と、光源と、上記光源が出射した光を上記被調整部材に向かう光と上記移動鏡に向かう光とに分割するとともに、上記被調整部材および上記移動鏡の各々に反射した光を合成し干渉光として出射するビームスプリッタと、上記干渉光を検出する検出器と、を備える。
【0014】
本発明に基づくフーリエ変換分光分析装置は、本発明に基づく上記のマイケルソン干渉計と、上記検出器が検出した上記干渉光のスペクトルを算出する演算部と、上記演算部によって得られた上記スペクトルを出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡素な構成からなる、光学面を所定の方向に向けるための光学面の姿勢調整機構、その光学面の姿勢調整機構を備えたマイケルソン干渉計、およびそのマイケルソン干渉計を備えたフーリエ変換分光分析装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1におけるフーリエ変換分光分析装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】実施の形態1におけるマイケルソン干渉計に用いられる参照検出器の構成を示す正面図である。
【図3】(A)は、実施の形態1におけるマイケルソン干渉計に用いられる参照検出器が検出した干渉光の一部の強度の経時的な変化を示す図である。(B)は、実施の形態1におけるマイケルソン干渉計に用いられる参照検出器が検出した干渉光の残部の強度の経時的な変化を示す図である。
【図4】実施の形態1における光学面の姿勢調整機構を示す斜視図である。
【図5】図4中におけるV−V線に関する矢視断面図である。
【図6】実施の形態1における光学面の姿勢調整機構の動作を示す断面図である。
【図7】実施の形態2における光学面の姿勢調整機構を示す断面図である。
【図8】実施の形態3における光学面の姿勢調整機構を示す斜視図である。
【図9】実施の形態4における光学面の姿勢調整機構を示す断面図である。
【図10】実施の形態5における光学面の姿勢調整機構を示す断面図である。
【図11】実施の形態6における光学面の姿勢調整機構を示す断面図である。
【図12】実施の形態7における光学面の姿勢調整機構を示す断面図である。
【図13】実施の形態8における光学面の姿勢調整機構を示す断面図である。
【図14】実施の形態9における光学面の姿勢調整機構を分解して示す斜視図である。
【図15】図14中におけるXV−XV線に関する矢視断面図(組立図)である。
【図16】図15中におけるXVI−XVI線に関する矢視断面図である。
【図17】実施の形態9における光学面の姿勢調整機構の動作を示す断面図である。
【図18】実施の形態9における光学面の姿勢調整機構の他の動作を示す断面図である。
【図19】実施の形態9の変形例における光学面の姿勢調整機構を示す断面図である。
【図20】実施の形態10における光学面の姿勢調整機構を分解して示す第1斜視図である。
【図21】実施の形態10における光学面の姿勢調整機構を分解して示す第2斜視図である。
【図22】実施の形態10における光学面の姿勢調整機構を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。特に制限が無い限り、下記に示す各実施の形態に示す構成を適宜組み合わせて用いることは、当初から予定されていることである。
【0018】
[実施の形態1]
(フーリエ変換分光分析装置1000・マイケルソン干渉計110)
図1を参照して、本実施の形態におけるフーリエ変換分光分析装置1000について説明する。フーリエ変換分光分析装置1000は、マイケルソン干渉計110、演算部120、および出力部130を備える。マイケルソン干渉計110は、分光光学系111、参照光学系121、および光学面の姿勢調整機構100Aを含む。
【0019】
(分光光学系111)
分光光学系111は、光源112、コリメート光学系113、ビームスプリッタ114、固定鏡115(光学部材)、移動鏡116、集光光学系117、検出器118、および駆動機構119を有する。
【0020】
光源112は、半導体レーザ等の発光素子から構成され、赤外光等の光を出射する。光源112が出射した光は、参照光学系121(詳細は後述する)における光路合成鏡123に導入され、参照光源122(詳細は後述する)が出射した光と合成される。合成された光は光路合成鏡123から出射され、コリメート光学系113によって平行光に変換された後、ビームスプリッタ114に導入される。ビームスプリッタ114はハーフミラー等から構成される。ビームスプリッタ114に導入された光(入射光)は2光束に分割される。
【0021】
分割された光の一方は固定鏡115に照射される。固定鏡115の表面115A(光学面)に反射した光(反射光)は、反射前と略同一の光路を通過してビームスプリッタ114に再び照射される。分割された光の他方は移動鏡116に照射される。移動鏡116の表面116Aに反射した光(反射光)は、反射前と略同一の光路を通過してビームスプリッタ114に再び照射される。固定鏡115からの反射光および移動鏡116からの反射光は、ビームスプリッタ114によって合成される(重ね合わせられる)。
【0022】
ここで、分割された光の他方が移動鏡116の表面116Aに反射する際、移動鏡116は駆動機構119によって平行を維持した状態で矢印AR116方向に往復移動している。移動鏡116の往復移動によって、固定鏡115からの反射光と移動鏡116からの反射光との間には、光路長の差が生じる。固定鏡115からの反射光と移動鏡116からの反射光とは、ビームスプリッタ114に合成されることによって干渉光を形成する。
【0023】
移動鏡116の位置に応じて光路長の差は連続的に変化する。光路長の差に応じて干渉光としての光の強度も連続的に変化する。光路長の差が、たとえば、コリメート光学系113からビームスプリッタ114に照射される光の波長の整数倍のとき、干渉光としての光の強度は最大となる。
【0024】
干渉光を形成した光は試料Sに照射される。試料Sを透過した光は集光光学系117に集光される。集光された光は、参照光学系121(詳細は後述する)における光路分離鏡124に導入される。検出器118は、光路分離鏡124から出射された光を干渉パターン(インターフェログラム)として検出する。この干渉パターンは、CPU(Central Processing Unit)等を含む演算部120に送られる。演算部120は、収集(サンプリング)した干渉パターンをアナログ形式からデジタル形式に変換し、変換後のデータをさらにフーリエ変換する。
【0025】
フーリエ変換によって、試料Sを透過した光(干渉光)の波数(=1/波長)毎の光の強度を示すスペクトル分布が算出される。フーリエ変換後のデータは、出力部130を通して他の機器に出力されたりディスプレイ等に表示されたりする。このスペクトル分布に基づいて、試料Sの特性(たとえば、材料、構造、または成分量)が分析される。
【0026】
(参照光学系121)
参照光学系121は、コリメート光学系113、ビームスプリッタ114、固定鏡115、移動鏡116、集光光学系117、参照光源122、光路合成鏡123、光路分離鏡124、参照検出器125、および信号処理部126を有している。コリメート光学系113、ビームスプリッタ114、固定鏡115、移動鏡116、および集光光学系117は、分光光学系111および参照光学系121の双方の構成として共通している。
【0027】
参照光源122は、半導体レーザ等の発光素子から構成され、赤色光等の光を出射する。上述のとおり、参照光源122が出射した光は光路合成鏡123に導入される。光路合成鏡123はハーフミラー等から構成される。光源112からの光は光路合成鏡123を透過する。参照光源122からの光は光路合成鏡123に反射される。
【0028】
光源112からの光および参照光源122からの光は、光路合成鏡123によって合成された状態で、光路合成鏡123から同一光路上に出射される。光路合成鏡123から出射された光は、コリメート光学系113によって平行光に変換された後、ビームスプリッタ114に導入されて2光束に分割される。
【0029】
上述のとおり、分割された光の一方は固定鏡115に照射され、反射光としてビームスプリッタ114に再び照射される。分割された光の他方は移動鏡116に照射され、反射光としてビームスプリッタ114に再び照射される。固定鏡115からの反射光と移動鏡116からの反射光とは、ビームスプリッタ114に合成されることによって干渉光を形成する。
【0030】
上述のとおり、干渉光を形成した光は試料Sに照射される。試料Sを透過した光は集光光学系117に集光される。集光された光は、参照光学系121における光路分離鏡124に導入される。光路分離鏡124はハーフミラー等から構成され、光路分離鏡124に導入された光(入射光)は2光束に分割される。
【0031】
光源112から出射され、光路合成鏡123、コリメート光学系113、ビームスプリッタ114、固定鏡115、移動鏡116、試料S、および集光光学系117を通して光路分離鏡124に導入された光は、光路分離鏡124を透過する。上述のとおり、光路分離鏡124を透過したこの光(干渉光)は、検出器118によって検出される。
【0032】
一方、参照光源122から出射され、光路合成鏡123、コリメート光学系113、ビームスプリッタ114、固定鏡115、移動鏡116、試料S、および集光光学系117を通して光路分離鏡124に導入された光は、光路分離鏡124に反射される。光路分離鏡124からの反射光(干渉光)は、4分割センサ等から構成される参照検出器125によって干渉パターンとして検出される。
【0033】
干渉光の干渉パターンは、CPU等を含む信号処理部126に送られる。信号処理部126は、収集した干渉パターンに基づいて光路分離鏡124からの反射光の強度を算出する。信号処理部126は、光路分離鏡124からの反射光の強度に基づいて、演算部120におけるサンプリングのタイミングを示す信号を生成することができる。演算部120におけるサンプリングのタイミングを示す信号は、公知の手段によって生成されることができる。
【0034】
信号処理部126は、光路分離鏡124からの反射光の強度に基づいて、2光路間における光の傾き(固定鏡115からの反射光と移動鏡116からの反射光との相対的な傾き)を算出することもできる。2光路間における光の傾きは、たとえば以下のように算出される。
【0035】
図2を参照して、4分割センサから構成される参照検出器125は、4つの受光領域E1〜E4を有している。受光領域E1〜E4は反時計回りに並んで相互に隣接している。受光領域E1〜E4によって構成される領域に、光路分離鏡124からの反射光が照射される。受光領域E1〜E4によって構成される領域の中心と、光路分離鏡124からの反射光のスポットDの中心とは略一致している。
【0036】
受光領域E1〜E4は、光路分離鏡124からそれぞれの領域に照射された反射光の強度を検出する。光路分離鏡124からの反射光の強度は、経時的に変化する位相信号として、たとえば図3(A)および図3(B)に示されるように検出される。
【0037】
図3(A)および図3(B)の各々の横軸は、時間(単位:秒)の経過を示している。図3(A)の縦軸は、受光領域E1が検出した光強度および受光領域E2が検出した光強度の和を強度A1(相対値)として示している。図3(B)の縦軸は、受光領域E3が検出した光強度および受光領域E4が検出した光強度の和を強度A2(相対値)として示している。
【0038】
図3(A)および図3(B)に示すように、強度A1と強度A2との間に、位相差Δが生じているとする。位相差Δに基づいて、2光路間での光の傾き(固定鏡115からの反射光と移動鏡116からの反射光との相対的な傾き)が算出される。受光領域E1〜E4からなる他の組み合わせ(たとえば受光領域E1,E4と受光領域E2,E3との組合せ)によって、他の位相差Δを得ることができる。上記の位相差Δとこの他の位相差Δとに基づいて、2光路間での光の傾きの方向(ベクトル)を算出することもできる。
【0039】
(光学面の姿勢調整機構100A)
図1を再び参照して、光学面の姿勢調整機構100Aは、信号処理部126における検出結果(固定鏡115からの反射光と移動鏡116からの反射光との相対的な傾き)に基づいて、固定鏡115の姿勢(ビームスプリッタ114に対する表面115Aの角度)を矢印AR115方向に調整する。当該調整によって、固定鏡115における反射光の光路が補正され、2光路間での光の傾きを無くす(若しくは減少させる)ことが可能となる。光学面の姿勢調整機構100Aがマイケルソン干渉計110内に設けられていることによって、干渉光をより精度高く生成することが可能となる。
【0040】
以下、図4および図5を参照して、本実施の形態における光学面の姿勢調整機構100Aの構成について詳細に説明する。図4は、光学面の姿勢調整機構100Aを示す斜視図である。図5は、図4中におけるV−V線に関する矢視断面図である。
【0041】
図4を参照して、光学面の姿勢調整機構100A(以下、姿勢調整機構100Aともいう。後述の実施の形態2〜10においても同様とする。)は、光学部材としての固定鏡115(被調整部材)、固定台20、支持部30、第1移動部材40、およびベース部材50を備える。
【0042】
固定鏡115は、略直方体状に形成され、表面115Aおよび裏面115Bを含む。表面115Aが光学面を形成している。表面115Aに照射された光L1(図5参照)が表面115Aに反射することによって、光L2(反射光)が得られる。
【0043】
固定台20も、略直方体状に形成され、表面21および裏面22を含む。支持部30は、所定の剛性を有する。支持部30は、固定鏡115の裏面115Bと固定台20の表面21との間に設けられる。図5に示すように、本実施の形態においては、固定鏡115、固定台20、および支持部30は一体的に形成される。固定鏡115、固定台20、および支持部30は、金属部材(材質はたとえばアルミニウムまたは黄銅)に対する切削加工によって、一体的に形成されることができる。
【0044】
支持部30は、固定鏡115の裏面115Bの中心と固定台20の表面21の中心とを接続している。支持部30は、円柱状であっても、四角柱状であってもよい。固定台20の下端は、ベース部材50に固定される。当該構成によって、固定鏡115および支持部30は、ベース部材50に固定された固定台20によって片持ち梁状に揺動可能に支持される。
【0045】
第1移動部材40は、たとえばネジまたはボルトなどの螺合手段から構成され、裏面22側から表面21側に向かって固定台20を貫通するとともに、固定台20に螺合している。第1移動部材40の先端部42は、固定鏡115の裏面115Bに対向し、軸線方向(図5紙面左右方向)に進退移動可能となっている。図5に示すように、第1移動部材40の固定鏡115側における先端部42は球面状に構成されるとよい。
【0046】
フーリエ変換分光分析装置1000、マイケルソン干渉計110、および光学面の姿勢調整機構100Aは、以上のように構成される。
【0047】
(フーリエ変換分光分析装置1000等の動作)
フーリエ変換分光分析装置1000は、研究所内または開発室内などの所定の場所に設置される。フーリエ変換分光分析装置1000が設置された後、固定鏡115の表面115A(光学面)の姿勢が所望の角度に調整される。固定鏡115の表面115Aの姿勢は、上記の姿勢調整機構100Aによって調整される。
【0048】
また、図3(A)および図3(B)を参照して上述したように、姿勢調整機構100Aは、信号処理部126(図1参照)における検出結果(固定鏡115からの反射光と移動鏡116からの反射光との相対的な傾き)に基づいて、固定鏡115の表面115Aの姿勢(ビームスプリッタ114に対する角度)を調整する。当該調整によって、固定鏡115における反射光の光路が補正され、2光路間での光の傾きを無くす(若しくは減少させる)ことが可能となる。干渉光は、より精度高く生成されることが可能となる。
【0049】
以下、図6を参照して、固定鏡115の表面115A(光学面)の姿勢を調整するための姿勢調整機構100Aの動作について説明する。姿勢調整機構100Aにおいては、第1移動部材40が、機械的にまたは作業者によって回転方向の力を受ける。第1移動部材40の軸方向周りの回転によって、第1移動部材40は軸線方向(図6紙面左右方向)に進退移動する。
【0050】
第1移動部材40が矢印AR40方向に前進移動する場合について説明する。この場合、第1移動部材40の先端部42は固定鏡115の裏面115Bに当接する。当該当接後、第1移動部材40がさらに前進移動することによって、第1移動部材40の先端部42は固定鏡115の裏面115Bを押圧する。固定鏡115は、支持部30の剛性に対抗して、支持部30を中心に矢印AR11方向(第1の方向)に回動する。光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度も、固定鏡115の回動量に合わせて変化する。
【0051】
第1移動部材40が(矢印AR40とは反対方向に)後退移動する場合について説明する。第1移動部材40が後退移動する際、第1移動部材40の先端部42と固定鏡115の裏面115Bとが相互に当接している状態では、支持部30の剛性から生じる復元力により固定鏡115は支持部30を中心に回動する。固定鏡115は、矢印AR11方向とは反対方向(第2の方向)に回動する。固定鏡115の表面115Aの姿勢、および光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度は、固定鏡115の回動量に合わせて変化する。
【0052】
第1移動部材40の固定台20に対する押し込み量に応じて固定鏡115の回動量(たおれ角度)が調整される。表面115Aの姿勢とともに、光L2の反射角度も調整されることが可能となる。第1移動部材40の固定台20に対する押し込み量は、第1移動部材40と固定台20との螺合によって調整されてもよく、第1移動部材40と固定台20との摺動(摩擦係合)によって調整されてもよい。第1移動部材40の固定台20に対する押し込み量は、機械的に調整されてもよく、作業者によって調整されてもよい。
【0053】
(作用・効果)
冒頭に説明した特開2002−148116号公報(特許文献1)が開示する発明においては、固定鏡を保持するホルダが、弾性体からなる首部を有する支持棒を介して固定台に固定される。ホルダは、首部とは別途設けられた板ばねと圧電素子とで挟まれる。圧電素子が後退すると、板ばねの付勢力により固定鏡は下に傾く。
【0054】
特許文献1における首部は、ゴム等の弾性体である(特許文献1の段落0017参照)。圧電素子が後退した際に固定鏡を下に傾けるために、板ばねが用いられる。固定鏡は、板バネの付勢力によって下に傾けられる。つまり、首部がゴム等の弾性体であるため、別途板バネを用いてその付勢力によって固定鏡の角度を調整する必要がある。
【0055】
特許文献1によると、板バネを用いるために、板バネおよびこの板バネを固定するネジが準備される。さらに、ネジが取り付けられる固定台にはネジ孔が複数加工される必要がある。特許文献1における姿勢調整機構においては、部品点数も多く、構成も複雑であり、その構成を得るための負担も大きい。
【0056】
本実施の形態における姿勢調整機構100Aにおいては、第1移動部材40が固定鏡115に当接した状態で後退移動する場合には、支持部30の剛性から生じる復元力によって固定鏡115は回動することができる。姿勢調整機構100Aは、特許文献1における板バネを不要としており、特許文献1に開示される発明に比べて部品点数も少なく、構成も簡素であり、その構成を得るための負担も小さい。
【0057】
固定鏡115の姿勢(表面115Aの向き)は、フーリエ変換分光分析装置1000が所定の場所に設置された後、またはフーリエ変換分光分析装置1000の起動時などに調整されるとよい。固定鏡115の姿勢は、干渉光を生成する際に、信号処理部126における検出結果に基づいて調整されてもよい。この場合、干渉光は、より精度高く生成されることが可能となる。
【0058】
[実施の形態2]
上述の実施の形態1の姿勢調整機構100Aにおいては、第1移動部材40が固定鏡115に当接していない状態では、固定鏡115と固定台20とが略平行な位置関係となっている(図5参照)。
【0059】
図7を参照して、固定鏡115の回動可能な範囲を広げる観点から、本実施の形態における姿勢調整機構100Bのように、固定鏡115は固定台20に対して予め角度θだけ傾けられていてもよい。第1移動部材40が固定鏡115に当接していない状態で、固定鏡115が固定台20に対して角度θだけ傾いていると、固定鏡115の回動可能範囲もその分(時計回り方向に)広がる。表面115Aの姿勢を調整可能な範囲および光L2の反射可能な角度範囲も、角度θの分だけ図7紙面左斜め上方向に拡大することが可能となる。
【0060】
[実施の形態3]
上述の実施の形態1の姿勢調整機構100Aにおいては、固定鏡115に対して進退移動する部材として、第1移動部材40が固定台20に設けられる(図5参照)。
【0061】
図8を参照して、本実施の形態における姿勢調整機構100Cのように、第1移動部材41が固定台20にさらに設けられていてもよい。第1移動部材40と第1移動部材41とは、支持部30から見て相互に90°離れた位置に設けられるとよい。第1移動部材41の固定鏡115側における先端部43も、球面状に構成されるとよい。第1移動部材40および第1移動部材41を用いて固定鏡115を押圧することによって、固定鏡115の表面115A(光学面)の姿勢を3次元方向に調整することが可能となる。
【0062】
[実施の形態4]
上述の実施の形態1の姿勢調整機構100Aにおいては、第1移動部材40が、裏面22側から表面21側に向かって固定台20を貫通するとともに、固定台20に螺合している(図5参照)。
【0063】
図9を参照して、本実施の形態における姿勢調整機構100Dのように、第1移動部材40は、表面115A側から裏面115B側に向かって固定鏡115を貫通するとともに、固定鏡115に螺合していてもよい。第1移動部材40の先端部42は、固定台20の表面21に対向し、軸線方向(図9紙面左右方向)に進退移動可能となっている。図9に示すように、支持部30は、固定鏡115および固定台20の下方側同士を接続していてもよい。
【0064】
第1移動部材40が矢印AR40方向に前進移動する場合について説明する。この場合、第1移動部材40の先端部42は固定台20の表面21に当接する。当該当接後、第1移動部材40がさらに前進移動することによって、第1移動部材40の先端部42は固定台20の表面21を押圧する。固定鏡115は、支持部30の剛性に対抗して、支持部30を中心に矢印AR11方向(第1の方向)に回動する。光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度も、固定鏡115の回動量に合わせて変化する。
【0065】
第1移動部材40が(矢印AR40とは反対方向に)後退移動する場合について説明する。第1移動部材40が後退移動する際、第1移動部材40の先端部42と固定台20の表面21とが相互に当接している状態では、支持部30の剛性から生じる復元力により固定鏡115は支持部30を中心に回動する。固定鏡115は、矢印AR11方向とは反対方向(第2の方向)に回動する。光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度も、固定鏡115の回動量に合わせて変化する。
【0066】
第1移動部材40の固定鏡115に対する押し込み量に応じて固定鏡115の回動量(たおれ角度)が調整される。表面115Aの姿勢とともに、光L2の反射角度も調整されることが可能となる。第1移動部材40の固定鏡115に対する押し込み量は、第1移動部材40と固定鏡115との螺合によって調整されてもよく、第1移動部材40と固定鏡115との摺動(摩擦係合)によって調整されてもよい。第1移動部材40の固定鏡115に対する押し込み量は、機械的に調整されてもよく、作業者によって調整されてもよい。
【0067】
[実施の形態5]
上述の実施の形態1の姿勢調整機構100Aにおいては、支持部30は、固定鏡115の裏面115Bと固定台20の表面21とを接続している(図5参照)。第1移動部材40の先端部42は固定鏡115の裏面115Bに対向し、第1移動部材40は裏面115Bに当接可能に構成されている。
【0068】
図10を参照して、本実施の形態における姿勢調整機構100Eのように、支持部30は、固定鏡115の表面115A(光学面)と固定台20の表面21とを接続していてもよい。この場合、固定台20には光L1,L2が通過する孔23が設けられる。第1移動部材40の先端部42は固定鏡115の表面115A(光学面)に対向し、第1移動部材40は表面115Aに当接可能に構成される。当該構成によっても、第1移動部材40の進退移動によって固定鏡115の回動量が調整される。固定鏡115の表面115Aの姿勢は調整され、光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度も調整されることができる。
【0069】
[実施の形態6]
上述の実施の形態5の姿勢調整機構100Eにおいては、第1移動部材40が裏面22側から表面21側に向かって固定台20を貫通するとともに、固定台20に螺合している(図5参照)。
【0070】
図11を参照して、本実施の形態における姿勢調整機構100Fのように、第1移動部材40は裏面115B側から表面115A側に向かって固定鏡115を貫通するとともに、固定鏡115に螺合していてもよい。当該構成によっても、上述の実施の形態4(図9参照)と同様にして、第1移動部材40の進退移動によって固定鏡115の回動量が調整される。固定鏡115の表面115Aの姿勢は調整され、光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度も調整されることができる。
【0071】
[実施の形態7]
上述の実施の形態1の姿勢調整機構100Aにおいては、固定鏡115、固定台20、および支持部30は一体的に形成される(図5参照)。
【0072】
図12を参照して、本実施の形態における姿勢調整機構100Gでは、上述の支持部30の代わりに支持部30Aが用いられる。固定鏡115、固定台20、および支持部30Aは別体として形成される。本実施の形態における支持部30Aは、所定の剛性を有し、両端部が雄ネジ状に形成される。支持部30Aの両端部は、固定鏡115および固定台20にそれぞれ螺合している。当該構成によっても、上述の実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。さらに、固定鏡115が容易に交換されることも可能となる。
【0073】
[実施の形態8]
上述の実施の形態7の姿勢調整機構100Gにおいては、支持部30Aの両端部が固定鏡115および固定台20にそれぞれ螺合している。(図12参照)。
【0074】
図13を参照して、本実施の形態における姿勢調整機構100Hでは、上述の支持部30Aの代わりに支持部30Bが用いられる。支持部30Bは、両端部が焼き嵌め可能な金属部材から構成される。支持部30Aの両端部は、固定鏡115および固定台20のそれぞれ対して焼き嵌めによって固着される。当該構成によっても、上述の実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0075】
[実施の形態9]
図14〜図16を参照して、本実施の形態における光学面の姿勢調整機構200Aについて説明する。ここでは、上述の実施の形態1における姿勢調整機構100Aとの相違点について説明する。
【0076】
図14は、姿勢調整機構200Aを分解して示す斜視図である。図15は、図14中におけるXV−XV線に関する矢視断面図である。図15では、図14とは異なり、組立てられた状態の姿勢調整機構200Aの断面図が示されている。図16は、図15中におけるXVI−XVI線に関する矢視断面図である。
【0077】
図14および図15を参照して、姿勢調整機構200Aにおいては、固定鏡115が第2移動部材70を含む。第2移動部材70は、固定台20に形成された凹部16内に収容される。凹部16は、固定台20が裏面115Bから表面115Aに向かって所定の深さで直方体状にくり抜かれることによって形成される。凹部16の長手方向の一方側(図14紙面上方側)の内周面に向かって、固定鏡115の側面14Aから雌ネジ14が貫設される。雌ネジ14には雄ネジ60が螺合する。
【0078】
図16を参照して、第2移動部材70は、側面視台形状に形成される。第2移動部材70の端面72には、雌ネジ14に螺合する雄ネジ60の先端部62が当接する。第2移動部材70の端面72と雄ネジ60の先端部62との当接状態は、コイルバネ78の付勢力によって維持される。当該構成によって、第2移動部材70は、雄ネジ60と一体的に、第1移動部材40の移動方向(図16紙面左右方向)に交差する方向(図16紙面上下方向)に進退移動可能となる。
【0079】
コイルバネ78は必要に応じて設けられるとよい。第2移動部材70の端面72と雄ネジ60の先端部62との当接状態は、たとえば接着などの手段によって維持されてもよい。
【0080】
第2移動部材70は、第1移動部材40の前進移動方向の前方に位置する。第2移動部材70は、雄ネジ60に押圧されることによって、凹部16内の内壁面16A上を図16紙面上下方向に進退移動する。第2移動部材70は、第2移動部材70の移動方向に対して傾斜する当接部74を有している。
【0081】
当接部74は、第2移動部材70が進退移動することによって、第1移動部材40の移動方向上における位置が変位する。当接部74と第1移動部材40の先端部42とが離れた状態においては、当接部74と第1移動部材40の先端部42との第1移動部材40の移動方向上における間隔は、第2移動部材70が進退移動することによって増減する。
【0082】
(動作)
姿勢調整機構200Aにおいては、固定鏡115の表面115Aの姿勢がまず大まかに調整され(以下、粗調整という)、その後必要に応じて細かく調整される(以下、微調整という)。
【0083】
図17を参照して、粗調整の際は、第1移動部材40が機械的にまたは作業者によって回転方向の力を受ける。第1移動部材40は、矢印AR40方向に前進移動する。第1移動部材40の先端部42は、第2移動部材70の当接部74に当接する。この際、第2移動部材70は雄ネジ60とコイルバネ78とによって挟まれている。第2移動部材70は、第1移動部材40の先端部42に当接されても図17紙面上下方向には移動しない。
【0084】
第1移動部材40の先端部42が当接部74に当接した状態においては、第1移動部材40の先端部42と凹部16の内壁面16Aとは間隔X1を空けている。第1移動部材40がさらに前進移動することによって、第1移動部材40は第2移動部材70を押圧する。第2移動部材70は凹部16の内壁面16Aを押圧し、内壁面16Aに対する第2移動部材70の押圧によって、固定鏡115は回動する。
【0085】
この際、固定鏡115は、支持部30の剛性に対抗して、支持部30を中心に矢印AR12方向(第1の方向:図17紙面奥行き方向)に回動する。固定鏡115の表面115Aの姿勢、および光L1が反射することによって得られる光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度も、固定鏡115の移動量に合わせて変化する。
【0086】
第1移動部材40が後退移動する際、第1移動部材40の先端部42と第2移動部材70の当接部74とが相互に当接した状態では、支持部30の剛性から生じる復元力により固定鏡115は支持部30を中心に回動する。固定鏡115は、矢印AR12方向とは反対方向(第2の方向)に回動する。固定鏡115の表面115Aの姿勢、および光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度は、固定鏡115の回動量に合わせて変化する。
【0087】
以上のようにして、第1移動部材40の固定台20に対する押し込み量に応じて固定鏡115の回動量(たおれ角度)が粗調整される。粗調整の後、必要に応じて微調整が行なわれる。固定鏡115の表面115Aが粗調整によって所望の姿勢を呈している場合、微調整は行なわれなくてもよい。
【0088】
図18を参照して、微調整の際は、雄ネジ60が機械的にまたは作業者によって回転方向の力を受ける。雄ネジ60の軸方向周りの回転によって、雄ネジ60および第2移動部材70は、矢印AR60方向(図18紙面上下方向)に進退移動する。この際、第2移動部材70の当接部74と第1移動部材40の先端部42との当接状態が維持されながら、第2移動部材70の当接部74は第1移動部材40の先端部42に対して滑り移動する。
【0089】
第2移動部材70が前進移動する際、第2移動部材70の端面72側の部分(肉厚の部分)が、第1移動部材40の先端部42と凹部16の内壁面16Aとの間に押し込まれる。第1移動部材40の先端部42と凹部16の内壁面16Aとの間隔(間隔X2)は徐々に広がる。
【0090】
この際、第1移動部材40は固定台20に対して固定(螺合)されている。凹部16の内壁面16Aは、第2移動部材70を通して第1移動部材40の先端部42に押圧される。当該押圧によって、固定鏡115は、支持部30の剛性に対抗して、支持部30を中心に矢印AR13方向(第1の方向:図18紙面奥行き方向)にさらに回動する。固定鏡115の表面115Aの姿勢、および光L1が反射することによって得られる光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度は、固定鏡115の移動量に合わせて変化する。
【0091】
第2移動部材70が後退移動する際、第1移動部材40の先端部42と第2移動部材70の当接部74とが相互に当接した状態では、支持部30の剛性から生じる復元力により固定鏡115は支持部30を中心に回動する。固定鏡115は、矢印AR13方向とは反対方向(第2の方向)に回動する。固定鏡115の表面115Aの姿勢、および光L2(反射光)の表面115Aに対する反射角度は、固定鏡115の回動量に合わせて変化する。
【0092】
ここで、粗調整においては、第1移動部材40の進退移動方向と表面115Aの回動方向とは略同じ向きである。第1移動部材40の移動量が、表面115Aの姿勢の調整に直接反映される。一方、微調整においては、第2移動部材70の進退移動方向と表面115Aの回動方向とは略直交する関係にある。第2移動部材70の移動量は、当接部74の傾斜を通して表面115Aの姿勢の調整に反映される。
【0093】
第1移動部材40と第2移動部材70とが同一の量だけ移動した場合、第1移動部材40の移動による固定鏡115の回動量は、第2移動部材70に移動による固定鏡115の回動量に比べて多い。当該構成によって、第1移動部材40の固定台20に対する押し込み量と、第2移動部材70および雄ネジ60の固定鏡115に対する押し込み量とに応じて、表面115Aに対する粗調整および微調整がそれぞれ行なわれることができる。
【0094】
(作用・効果)
姿勢調整機構200Aによれば、上述の実施の形態1における作用および効果に加え、表面115Aに対する微調整を行なうことが可能となる。姿勢調整機構200Aがマイケルソン干渉計110(図1参照)内に設けられていることによって、干渉光をより精度高く生成することが可能となる。
【0095】
[実施の形態9の変形例]
上述の実施の形態9の姿勢調整機構200Aにおいては、直方体状にくり抜かれた凹部16内に収容される第2移動部材70が、側面視台形状に形成される(図16参照)。当接部74は、第2移動部材70が進退移動することによって、第1移動部材40の移動方向上における位置が変位する。当接部74と第1移動部材40の先端部42とが離れた状態においては、当接部74と第1移動部材40の先端部42との第1移動部材40の移動方向上における間隔は、第2移動部材70が進退移動することによって増減する。
【0096】
図19を参照して、凹部16の内壁面16Aが傾斜し、第2移動部材70は直方体状に構成されてもよい。当該構成によっても、当接部74は、第2移動部材70が進退移動することによって、第1移動部材40の移動方向上における位置が変位する。当該構成によっても、上述の実施の形態9と同様の作用および効果を得ることが可能となる。
【0097】
上述の実施の形態9は、上述の実施の形態2〜8と組み合わされることが可能である。たとえば、上述の実施の形態2(図7参照)と同様に、第1移動部材40が第2移動部材70に当接していない状態で、固定鏡115は固定台20に対して予め角度θだけ傾けられていてもよい。固定鏡115の回動可能範囲が広がる。表面115Aの姿勢を調整可能な範囲および光L2の反射可能な角度範囲も広がる。
【0098】
上述の実施の形態3(図8参照)と同様に、第1移動部材41(図8参照)が固定台20にさらに設けられていてもよい。固定鏡115の表面115A(光学面)の姿勢を3次元方向に調整することが可能となる。
【0099】
上述の実施の形態4(図9参照)と同様に、第1移動部材40は、表面115A側から裏面115B側に向かって固定鏡115を貫通するとともに、固定鏡115に螺合していてもよい。この場合、雄ネジ60(図14参照)、第2移動部材70および凹部16等は、固定台20に設けられるとよい。
【0100】
上述の実施の形態5(図10参照)と同様に、支持部30は、固定鏡115の表面115A(光学面)と固定台20の表面21とを接続していてもよい。この場合、固定台20には光L1,L2が通過する孔23(図10参照)が設けられる。
【0101】
上述の実施の形態6(図11参照)と同様に、第1移動部材40は裏面115B側から表面115A側に向かって固定鏡115を貫通するとともに、固定鏡115に螺合していてもよい。
【0102】
上述の実施の形態7(図12参照)と同様に、上述の支持部30の代わりに支持部30Aが用いられ、固定鏡115、固定台20、および支持部30Aは別体として形成されてもよい。支持部30Aは、両端部が雄ネジ状に形成され、固定鏡115および固定台20にそれぞれ螺合する。
【0103】
上述の実施の形態8(図13参照)と同様に、上述の支持部30Aの代わりに支持部30Bが用いられ、支持部30Bは、両端部が焼き嵌め可能な金属部材から構成されてもよい。支持部30Aの両端部は、固定鏡115および固定台20のそれぞれ対して焼き嵌めによって固着される。
【0104】
[実施の形態10]
図20〜図22を参照して、本実施の形態における光学面の姿勢調整機構200Bについて説明する。姿勢調整機構200Bは、上述の実施の形態1〜実施の形態9をさらに具現化したものである。図20は、姿勢調整機構200Bを分解して示す第1斜視図である。図21は、姿勢調整機構200Bを分解して示す第2斜視図である。図22は、姿勢調整機構200Bを示す断面図である。
【0105】
図20および図21を参照して、姿勢調整機構200Aは、光学部材としての固定鏡115(被調整部材)、固定鏡支持体10A(被調整部材支持体)、固定台20、支持部構成体30C、第1移動部材40、第1移動部材41、第2移動部材70、第2移動部材71、雄ネジ60、雄ネジ61、およびベース部材50(図22参照)を備える。図示上の便宜のため、ベース部材50は図22にのみ記載される。
【0106】
固定台20は、略直方体状に形成され、表面21および裏面22を有している。固定台20には、貫通孔24、雌ネジ25、および雌ネジ26が設けられる。固定台20の表面21の略中央には、凹部27が設けられる。凹部27の形状は、支持部構成体30C(詳細は後述する)の第2平板部32の形状に対応している。第2平板部32には雌ネジ34(図21参照)が形成される。第2平板部32は凹部27に嵌め込まれる。第2平板部32は、貫通孔24に挿通された雄ネジ28(図22参照)が雌ネジ34に螺合することによって、固定台20に固定される。
【0107】
凹部27の中央から見て、雌ネジ25および雌ネジ26は相互に90°離れて設けられている。第1移動部材40および第1移動部材41は、裏面22側から表面21側に向かって固定台20を貫通するとともに、雌ネジ25および雌ネジ26にそれぞれ螺合している。第1移動部材40および第1移動部材41は、軸線方向に進退移動可能となっている。第1移動部材40の先端部42および第1移動部材41の先端部43は、それぞれ球面状に構成されるとよい。
【0108】
固定鏡115は、略直方体状に形成され、表面115Aおよび裏面115Bを含む。表面115Aが光学面を形成している。固定鏡115は、接着などによって次述する固定鏡支持体10Aの凹部19内に取り付けられる。固定鏡支持体10Aも、略直方体状に形成される。固定鏡支持体10Aは、表面11Aおよび裏面12Aを有する。
【0109】
表面11Aの略中央には、固定鏡115の形状に対応した凹部19(図20参照)が設けられる。凹部19には、貫通孔17が設けられる。貫通孔17には雄ネジ29(図22参照)が挿通される。雄ネジ29は、後述する支持部構成体30Cの第1平板部31に設けられた雌ネジ33に螺合する。当該螺合によって、固定鏡支持体10Aは支持部構成体30Cの第1平板部31に取り付けられる。
【0110】
図21に示すように、固定鏡支持体10Aの裏面12Aには、凹部15、凹部16、および凹部18が設けられる。凹部15および凹部16は、固定鏡支持体10Aの中心から見て相互に90°離れた位置に設けられる。凹部15および凹部16の位置は、雌ネジ25に螺合する第1移動部材40および雌ネジ26に螺合する第1移動部材41の位置にそれぞれ対応している。凹部18は、後述する支持部構成体30Cの第1平板部31の形状に対応している。
【0111】
凹部15の長手方向の一方側の内周面に向かって、固定鏡支持体10Aの側面13Aから雌ネジ13が貫設される。雌ネジ13には、雄ネジ61が螺合する。凹部16の長手方向の一方側の内周面に向かって、固定鏡支持体10Aの側面14A(図20参照)から雌ネジ14が貫設される。雌ネジ14には、雄ネジ60が螺合する。雄ネジ60の先端部62および雄ネジ61の先端部63は、それぞれ球面状に形成されるとよい。
【0112】
第2移動部材70は、凹部16内に収容される。凹部16内に収容された第2移動部材70の端面72には、雄ネジ60の先端部62が当接する。第2移動部材70の端面72と雄ネジ60の先端部62との当接状態は、接着またはコイルバネなどによって維持される。当該構成によって、第2移動部材70は、雄ネジ60と一体的に第1移動部材40の移動方向に交差する方向に進退移動可能となる。
【0113】
第2移動部材70は、第1移動部材40の前進移動方向の前方に位置する。第2移動部材70は、雄ネジ60に押圧されることによって、凹部16内の内壁面上を進退移動する。第2移動部材70は、側面視台形状に形成され、第2移動部材70の移動方向に対して傾斜する当接部74を有している。
【0114】
当接部74は、第2移動部材70が進退移動することによって、第1移動部材40の移動方向上における位置が変位する。当接部74と第1移動部材40の先端部42とが離れた状態においては、当接部74と第1移動部材40の先端部42との第1移動部材40の移動方向上における間隔は、第2移動部材70が進退移動することによって増減する。
【0115】
同様に、第2移動部材71は、凹部15内に収容される。凹部15内に収容された第2移動部材71の端面73には、雄ネジ61の先端部63が当接する。第2移動部材71の端面73と雄ネジ61の先端部63との当接状態は、接着またはコイルバネなどによって維持される。当該構成によって、第2移動部材71は、雄ネジ61と一体的に第1移動部材41の移動方向に交差する方向に進退移動可能となる。
【0116】
第2移動部材71は、第1移動部材41の前進移動方向の前方に位置する。第2移動部材71は、雄ネジ61に押圧されることによって、凹部15内の内壁面上を進退移動する。第2移動部材71は、側面視台形状に形成され、第2移動部材71の移動方向に対して傾斜する当接部75を有している。
【0117】
当接部75は、第2移動部材71が進退移動することによって、第1移動部材41の移動方向上における位置が変位する。当接部75と第1移動部材41の先端部43とが離れた状態においては、当接部75と第1移動部材41の先端部43との第1移動部材41の移動方向上における間隔は、第2移動部材71が進退移動することによって増減する。
【0118】
図22を参照して、支持部構成体30Cは、第1平板部31、第2平板部32、および支持部35から一体的に形成される。支持部35は、第1平板部31の中心と第2平板部32の中心とを接続している。第1平板部31、第2平板部32、および支持部35は、金属部材に対する切削加工によって、一体的に形成されることができる。支持部35は、円柱状であっても、四角柱状であってもよい。
【0119】
上述のとおり、第1平板部31に固定鏡支持体10Aが取り付けられる。固定鏡支持体10Aに固定鏡115が取り付けられる。固定台20に第2平板部32が取り付けられる。固定台20の下端は、ベース部材50に固定される。当該構成によって、固定鏡支持体10Aおよび固定鏡115は、支持部構成体30Cを挟んで、ベース部材50に固定された固定台20によって片持ち梁状に揺動可能に支持される。姿勢調整機構200Bの全体として見れば、支持部35は、固定鏡115(表面115A)と固定台20の間に位置している。本実施の形態においては、固定鏡115および固定鏡支持体10Aが、実施の形態1〜9における被調整部材に対応している。
【0120】
(作用・効果)
図20および図21を参照して、固定鏡支持体10Aに取り付けられた固定鏡115の表面115A(光学面)の姿勢は、3次元方向に粗調整および微調整されることが可能である。粗調整は、第1移動部材40および第1移動部材41の進退移動によって行なわれる。微調整は、第2移動部材70および第2移動部材71の進退移動によって行なわれる。固定鏡115が固定鏡支持体10Aを挟んで支持部構成体30Cに取り付けられることによって、固定鏡115は容易に交換されることができる。
【0121】
本実施の形態における姿勢調整機構200Bにおいても、特開2002−148116号公報(特許文献1)における板バネを不要としており、特許文献1に開示される発明に比べて部品点数も少なく、構成も簡素であり、その構成を得るための負担も小さい。
【0122】
固定鏡115の姿勢(表面115Aの向き)は、姿勢調整機構200Bを備えるフーリエ変換分光分析装置1000が所定の場所に設置された後、またはフーリエ変換分光分析装置1000の起動時などに調整されるとよい。固定鏡115の姿勢は、干渉光を生成する際に、信号処理部126における検出結果に基づいて調整されてもよい。この場合、干渉光は、より精度高く生成されることが可能となる。
【0123】
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。たとえば、実施の形態10も上述の実施の形態2〜8と組み合わされることが可能である。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0124】
10A 固定鏡支持体、11A,21,116A 表面、12A,22,115B 裏面、13,14,25,26,33,34 雌ネジ、13A,14A 側面、15,16,18,19,27 凹部、16A 内壁面、17,24 貫通孔、20 固定台、23 孔、28,29,60,61 雄ネジ、30,30A,30B,35 支持部、30C 支持部構成体、31 第1平板部、32 第2平板部、40,41 第1移動部材、42,43,62,63 先端部、50 ベース部材、70,71 第2移動部材、72,73 端面、74,75 当接部、78 コイルバネ、100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G,100H,200A,200B 光学面の姿勢調整機構、110 マイケルソン干渉計、111 分光光学系、112 光源、113 コリメート光学系、114 ビームスプリッタ、115 固定鏡(光学部材)、115A 表面(光学面)、116 移動鏡、117 集光光学系、118 検出器、119 駆動機構、120 演算部、121 参照光学系、122 参照光源、123 光路合成鏡、124 光路分離鏡、125 参照検出器、126 信号処理部、130 出力部、1000 フーリエ変換分光分析装置、A1,A2 強度、AR11,AR12,AR13,AR40,AR60,AR115,AR116 矢印、D スポット、E1〜E4 受光領域、L1,L2 光、S 試料、X1,X2 間隔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学面を含む被調整部材と、
固定台と、
所定の剛性を有し、前記被調整部材と前記固定台との間に設けられ、前記被調整部材を揺動可能に支持する支持部と、
前記被調整部材および前記固定台の一方に取り付けられ、前記被調整部材および前記固定台の他方に向かって進退移動可能な第1移動部材と、を備え、
前記第1移動部材が前進移動して前記被調整部材および前記固定台の前記他方を押圧することによって、前記支持部の剛性に対抗して前記被調整部材は前記支持部を中心に第1の方向に回動し、
前記被調整部材および前記固定台の前記他方と前記第1移動部材とが相互に当接した状態で前記第1移動部材が後退移動することによって、前記支持部の剛性から生じる復元力により前記被調整部材は前記支持部を中心に前記第1の方向とは反対の第2の方向に回動し、
前記光学面の姿勢は、前記被調整部材が前記第1の方向または前記第2の方向に回動することによって調整される、
光学面の姿勢調整機構。
【請求項2】
前記被調整部材および前記固定台の前記他方は、前記第1移動部材の移動方向に交差する方向に進退移動可能な第2移動部材を含み、
前記第2移動部材は、前記第2移動部材が進退移動することによって前記第1移動部材の移動方向上における位置が変位する当接部を有し、
前記第1移動部材が前記当接部に当接した状態で前記第2移動部材が進退移動することによって、前記被調整部材は回動するとともに前記光学面の姿勢が調整される、
請求項1に記載の光学面の姿勢調整機構。
【請求項3】
前記被調整部材、前記固定台、および前記支持部は、一体的に形成されている、
請求項1または2に記載の光学面の姿勢調整機構。
【請求項4】
前記第1移動部材の、前記被調整部材および前記固定台の前記他方側における先端部は球面状である、
請求項1から3のいずれかに記載の光学面の姿勢調整機構。
【請求項5】
光学面を含む被調整部材と、
前記被調整部材が取り付けられる被調整部材支持体と、
固定台と、
所定の剛性を有し、第1平板部と第2平板部と前記第1平板部および前記第2平板部の間に設けられた支持部とから一体的に形成され、前記第1平板部が前記被調整部材支持体に取り付けられ且つ前記第2平板部が前記固定台に取り付けられることによって、前記被調整部材支持体を揺動可能に支持する支持部構成体と、
前記固定台に取り付けられ、前記被調整部材支持体に向かって進退移動可能な第1移動部材と、
前記被調整部材支持体に設けられ、前記第1移動部材の移動方向に交差する方向に進退移動可能な第2移動部材と、を備え、
前記第1移動部材が前進移動して前記被調整部材支持体を押圧することによって、前記支持部の剛性に対抗して前記被調整部材支持体は前記支持部を中心に第1の方向に回動し、
前記第1移動部材が後退移動して前記前記被調整部材支持体から離れることによって、前記支持部の剛性から生じる復元力により前記被調整部材支持体は前記支持部を中心に前記第1の方向とは反対の第2の方向に回動し、
前記光学面の姿勢は、前記被調整部材支持体が前記第1の方向または前記第2の方向に回動することによって調整され、
さらに、
前記第2移動部材は、前記第2移動部材が進退移動することによって前記第1移動部材の移動方向に進退移動する当接部を有し、
前記第1移動部材が前記当接部に当接した状態で前記第2移動部材が進退移動することによって、前記被調整部材は回動するとともに前記光学面の姿勢が調整される、
光学面の姿勢調整機構。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の光学面の姿勢調整機構と、
固定鏡である前記被調整部材と、
移動鏡と、
光源と、
前記光源が出射した光を前記被調整部材に向かう光と前記移動鏡に向かう光とに分割するとともに、前記被調整部材および前記移動鏡の各々に反射した光を合成し干渉光として出射するビームスプリッタと、
前記干渉光を検出する検出器と、を備える、
マイケルソン干渉計。
【請求項7】
請求項6に記載のマイケルソン干渉計と、
前記検出器が検出した前記干渉光のスペクトルを算出する演算部と、
前記演算部によって得られた前記スペクトルを出力する出力部と、を備える、
フーリエ変換分光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−103061(P2012−103061A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250644(P2010−250644)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】