説明

光機能デバイスと光学式エンコーダおよびそれらを用いた光走査装置と画像形成装置および電気機器

【課題】紫外光より長波長の光を照射した場合にも、結露制御機能部材あるいはクリーニング機能部材として機能させる信頼性保持機能部材を提供する。
【解決手段】PD13およびVCSEL12のうちの少なくとも一方の機能を含む光機能素子を内部に収納すると共に、外部と光機能素子(PD13、VCSEL12)との間で光を透過可能とするための光透過構造(ガラス部材14)を有するセラミックパッケージ11と、このパッケージの光透過構造の表面に薄膜状に形成され、可視光の波長以上の波長を吸収する材料からなる、結露防止機能部材および清浄化機能部材の少なくともいずれか一方の機能を含む透過性の信頼性保持機能部材15を有し、この信頼性保持機能部材15は、TiO2にCuもしくはFeのいずれかを担持してもの、あるいは、N2ドープを行ったTiO2、あるいは、W03にCuもしくはPdのいずれかを担持してもの、を構成成分として有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、回転物体の回転数や回転角度等を検出する光学式エンコーダなどに用いられる光機能デバイスに係り、特に、所定の光機能を有する光機能素子を内部に収納して封止する封止構造を有し、さらに外部と前記光機能素子との間で光を透過するための光透過構造を有する光機能デバイスおよびそれを用いた各装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光学式エンコーダは、携帯電話やデジタルカメラ等の電子機器や、液晶TVやDVD等の電化製品、デジタル複写機やプリンタ等のOA機器など、多くの電気機器に、幅広く用いられている。
【0003】
光学式エンコーダは、光源と光検出器とを対として、光透過部分を有するパッケージ内に封止した光機能デバイス(光学式センサ)を設けた構成となっている。
【0004】
このような光学式エンコーダなどに用いられる光機能デバイスで、封止構造および光透過構造を有する光機能デバイスの例が、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0005】
特許文献2に記載の光機能デバイスは、図10に示すように、セラミックパッケージ71の内部底面にAgペースト72を介して光機能素子として機能するPD(フォトディテクタ)80を集積したICチップ73が貼り付けられている。
【0006】
このICチップ73上には、Alパターンで形成された電極ランド74が形成されており、この電極ランド74上にAgペースト72を介して、光源として機能する面発光レーザ75がダイボンドされている。
【0007】
さらに、セラミックパッケージ71の上面は、樹脂接着材81を介して、光透過構造であるガラス部材82が接着されている。そして、セラミックパッケージ71とガラス材82は、光機能デバイスの内部に配置されているICチップ73や光源75や電極、ワイヤー等を封止するように構成されている。
【0008】
また、光透過構造であるガラス部材82に対して、当該光学式センサ構造の内側の全面あるいは一部分に、信頼性保持機能部材87として示す薄膜状の結露抑制機能部材(例えば、酸化チタン)あるいはクリーニング機能部材(例えば、酸化チタン)が形成されている。
【0009】
このように、例えば、酸化チタンからなる結露抑制機能部材を、信頼性保持機能部材87としてガラス部材82に対して形成する。これにより、封止構造の内部が露点以下になった場合にも、結露抑制機能部材を付着させた部分の結露が抑えられ、腐食等による故障や劣化を抑制することができる。さらに、結露による光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができる。
【0010】
また、例えば、酸化チタンからなるクリーニング機能部材を、信頼性保持機能部材87としてガラス部材82に対して形成する。これにより、内部の揮発性成分がクリーニングされる。よって、光透過構造やその他の機能部分に対する汚れの付着を抑えることができる。また、内部汚れによる機能劣化や、光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができる。
【0011】
しかしながら、この従来技術による光機能デバイスにおいては、結露制御機能部材およびクリーニング機能部材のうちの少なくとも一方を含む光透過性を有する信頼性保持機能部材として、酸化チタンを用いている。
【0012】
そのため、紫外光が照射される場合には、結露制御機能部材あるいはクリーニング機能部材として機能することができる。しかしながら、例えば、紫外光より波長の長い光のみしか照射されない場合には、結露制御機能部材あるいはクリーニング機能部材として機能することができない。なお、一般的に、紫外線は、10から380nmの波長を持つことが知らせている。
【0013】
すなわち、封止構造外部から紫外光が照射されず、さらに、封止構造内部に配置された光源の波長が、紫外光より長波長の場合には、結露制御機能部材あるいはクリーニング機能部材として機能することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、信頼性保持機能部材に、紫外光より長波長の光を照射した場合には、結露制御機能部材あるいはクリーニング機能部材として機能しない点である。
【0015】
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、光機能デバイスとそれを用いた光学式エンコーダおよびそれらを用いた電気機器の信頼性を向上させることを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の光機能デバイスは、
(1)光検出機能素子および光源のうちの少なくとも一方の機能を含む光機能素子と、この光機能素子を内部に収納すると共に、外部と光機能素子との間で光を透過可能とするための光透過構造を有するパッケージと、光透過構造の表面に薄膜状に形成され、可視光の波長以上の波長を吸収する材料からなる、結露防止機能部材および清浄化機能部材の少なくともいずれか一方の機能を含む透過性の信頼性保持機能部材とを有することを特徴とする。
(2)また、信頼性保持機能部材を、光検出機能素子および光源のうちの少なくとも一方の機能を含む光機能素子に設けることを特徴とする。
(3)また、信頼性保持機能部材は、光機能素子に含まれる光源からの可視光の波長以上の波長の光を吸収する材料からなることを特徴とする。
(4)また、信頼性保持機能部材の可視光を吸収する材料は、TiO2にCuもしくはFeのいずれかを担持してものを構成成分として有することを特徴とする。
(5)また、信頼性保持機能部材の可視光を吸収する材料は、N2ドープを行ったTiO2を構成成分として有することを特徴とする。
(6)また、信頼性保持機能部材の可視光を吸収する材料は、W03にCuもしくはPdのいずれかを担持してものを構成成分として有することを特徴とする。
(7)また、本発明の光学式エンコーダは、上記(1)〜(6)に記載の光機能素子デバイスを有することを特徴とする。
(8)また、本発明の光走査装置は、上記(7)に記載の光学式エンコーダを有することを特徴とする。
(9)また、本発明の画像形成装置は、上記(7)に記載の光学式エンコーダを有することを特徴とする。
(10)また、本発明の電気機器は、上記(7)に記載の光学式エンコーダを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定の光機能を有する光機能素子を内部に収納して封止する封止構造を有し、さらに外部と光機能素子との間で光を透過するための光透過構造を有する光機能デバイスに設けた信頼性保持機能部材に、紫外光より長波長の光を照射した場合にも、結露制御機能部材あるいはクリーニング機能部材として機能させることができ、光機能デバイスとそれを用いた光学式エンコーダおよびそれらを用いた液晶TVやDVD、デジタルカメラ、携帯電話、デジタル複写機、プリンタ等の電気機器の信頼性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る光機能デバイスの第1の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る光機能デバイスの第2の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る光機能デバイスの第3の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る光機能デバイスの第4の構成例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る光機能デバイスの第5の構成例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る光機能デバイスの第6の構成例を示す断面図である。
【図7】図1における光機能デバイスを用いた光学式エンコーダの構成例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る光機能デバイスを用いた光学式エンコーダを具備した光走査装置の構成例を示す断面図である。
【図9】本発明に係る光機能デバイスを用いた光学式エンコーダを具備した画像形成装置としてのカラープリンタの構成例を示す断面図である。
【図10】従来の光機能デバイス(光学式センサ)の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図を用いて本発明を実施するための形態例を説明する。図1においては、本発明に係る光機能デバイス1と、反射部材17との構成例を示している。本例の光機能デバイスでは、セラミックパッケージ11における内部底面に、図示していないAgペースト等を用いて、少なくとも、光源として機能する面発光レーザ((図中および以下「VCSEL」と記載)12と、光検出機能素子として機能する受光素子(図中および以下「PD」と記載)13がダイボンドされている。
【0020】
また、VCSEL12の図示していない電極は、図示していないAuワイヤーなどにより、セラミックパッケージ11に形成された図示していない電極に接続されている。
【0021】
また、セラミックパッケージ11の上面には、図示していない樹脂接着剤等を用いて、光透過構造であるガラス部材14が接着されている。
【0022】
ここで、セラミックパッケージ11とガラス部材14は、光機能デバイス1の内部に配置されているVCSEL12やPD13を封止するように構成されている。
【0023】
光透過構造であるガラス部材14には、本発明に係る光機能デバイス1の内側の一部分、あるいは全面に、薄膜状の結露防止機能部材あるいは清浄化機能部材としての信頼性保持機能部材(図中「結露防止機能部材(清浄化機能部材)」と記載)15が形成されている。つまり、光機能デバイス1の内側、言い換えると、VCSEL12や、受光素子13に面している側に、信頼性保持機能部材15が形成されている。
【0024】
信頼性保持機能部材15が結露防止機能部材である場合には、封止構造の内部が露点以下になっても、当該結露防止機能部材を形成した部分の結露が防止できる。また、この結露防止機能部材は、当該光機能デバイス1の、腐食等による故障や劣化を抑制するだけでなく、結露による光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができる。
【0025】
また、信頼性保持機能部材15が清浄化機能部材である場合には、当該清浄化機能部材により内部の揮発性成分が清浄化される。つまり、光透過構造であるガラス部材14に汚れが付着することを抑制するため、当該光機能デバイス1の、内部汚れによる機能劣化や光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができる。
【0026】
図2に示す光機能デバイス2は、図1の光機能デバイス1と同様に、セラミックパッケージ21と、VCSEL22、PD23、ガラス部材24、信頼性保持機能部材(図中「結露防止機能部材(清浄化機能部材)」と記載)25からなる。本図2の例では、図1の信頼性保持機能部材15は、信頼性保持機能部材25として示すように、光透過構造であるガラス部材24の上面側に、すなわち、本発明に係る光機能デバイス2の外側の一部分、あるいは全面に形成されている。つまり、図1の光機能デバイス1と相違するのは、光透過構造であるガラス部材24の上面側、言い換えると、反射部材17側に、信頼性保持機能部材25が形成されている。
【0027】
このように、図1,図2に示すように、信頼性保持機能部材15,25をガラス部材14,24の下面側(光機能デバイス1の内側)と上面側(光機能デバイス2の外側)のいずれに設けても良い。さらに、信頼性保持機能部材15,25を、光機能デバイス1,2の内側と外側の両面に形成しても良い。
【0028】
また、後述の図5,図6で説明するように、信頼性保持機能部材15,25は、VCSEL12,22の光出射表面、あるいは、PD13,23の受光面に形成されても良い。
【0029】
この図5,図6の場合にも、信頼性保持機能部材が結露防止機能部材である場合には、図1,図2における構造と同様に、結露が防止できる。また、結露防止機能部材により、腐食等による故障や劣化の抑制、および、結露による光学特性の変化が引き起こす動作不良の抑制が可能である。また、信頼性保持機能部材が、清浄化機能部材である場合には、清浄化機能部材により内部の揮発性成分が清浄化される。これにより、VCSEL12,22の光出射表面、あるいは、PD13,23の受光面に付着する汚れを抑制することができるので、内部汚れによる機能劣化や光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができる。
【0030】
特に、本発明に係る光機能デバイスにおいては、図1,図2,図5,図6における信頼性保持機能部材は、光照射により、ある波長域の光を吸収する。このことにより、光触媒として作用し、その酸化作用により、揮発性有機物等を分解し、清浄化機能部材として機能することができる。
【0031】
これは、信頼性保持機能部材に、酸素の存在下で、光を照射することにより、その表面に活性酸素ができることによる。
【0032】
さらに、本発明に係る光機能デバイスにおいては、信頼性保持機能部材は、光照射により、ある波長域の光を吸収する。このことにより、その表面が超親水性となり、結露を防止することができる。ここで、ある波長とは、具体的には、紫外線より、長波長となる波長のことをいう。つまり、可視光や、赤外線光などが挙げられる。特には、可視光の領域の波長において好適である。
【0033】
これらの機能は、光触薄膜状の信頼性保持機能部材の表面に水が光吸着することによって発現する。そのため、光が照射されていないと表面の超親水性は元の状態に戻ってしまう。
【0034】
例えば、図1,図2における光源であるVCSEL12,22から出射される光は、可視光の波長域であることが多い。また、室内光に可視光成分が多いことを加味すると、信頼性保持機能部材は、可視光(400nm〜800nm)や、可視光よりも長波長側を吸収する材料であることが有用である。
【0035】
特に、光源であるVCSELから出射される光(すなわち波長)を吸収して、結露防止機能部材、あるいは、清浄化機能部材として機能できる材料であることが望ましい。
【0036】
また、例えば、図1,図2における信頼性保持機能部材15,25は、光源であるVCSEL12,22から出射される光を吸収する場合は、光源(VCSEL12,22)の光を遮断しないようにする必要がある。そこで、信頼性保持機能部材15,25の膜厚は、光源(VCSEL12,22)の光を遮断しない程度に薄くすることが重要である。
【0037】
このような信頼性保持機能部材の具体的な材料としては、可視光(400nm〜800nm)を吸収する材料であれば、いずれの材料も使用することができる。より具体的には、少なくともTiO2にCuあるいはFeを担持したもの、あるいは、N2ドープを行ったTiO2を構成成分とすること、ならびに、少なくともWO3にCuあるいはPdを担持したものを構成成分とすることが、結露防止機能部材あるいは清浄化機能部材としての機能が大きいため、より好ましい。
【0038】
次に、図3に示す本例の光機能デバイス3では、セラミックパッケージ31の内部底面に、Agペースト等を用いて、VCSEL32とPD33をダイボンドしている。VCSEL32の電極は、Auワイヤーにより、セラミックパッケージ31に形成された電極に接続されている。
【0039】
セラミックパッケージ31の上面には、エポキシ系樹脂を用いて、光透過構造であるガラス34を接着している。本例では、ガラス34は、20°に傾くようにセラミックパッケージ31を加工して接着している。
【0040】
このガラス34の内側の全面に、信頼性保持機能部材35として、WO3にCuを0.1wt%添加した材料を形成した。このときの膜厚は112.5nmとした。
【0041】
VCSEL32は、その波長が450nmのものを使用し、前述の信頼性保持機能部材35が450nmで吸収があることを事前に確認している。
【0042】
そして、以下の比較例として、信頼性保持機能部材35を設けない以外は上記と全て同じ構成にした光機能デバイスを形成した。
【0043】
すなわち、このような構成の2つの光機能デバイスにおいて、VCSEL32からレーザ光を発振させたまま、85℃で500時間保持した結果は、次の通りである。信頼性保持機能部材35がない場合には、内部の揮発性成分による汚れが、ガラス34にわずかに付着した。それに対し、本例の信頼性保持機能部材35がある場合は、ガラス34に汚れが付着していなかった。
【0044】
このように、信頼性保持機能部材35をガラス34の内側に形成することにより、高温で長時間保持した場合でも、セラミックパッケージ31内部の揮発性成分(接着剤など)が清浄化される。これにより、光透過構造であるガラス34に付着する汚れを抑制することができる。すなわち、本例の信頼性保持機能部材35は、清浄化機能部材として機能する。
【0045】
次に、図4に示す本例の光機能デバイス4においては、セラミックパッケージ41の内部底面に、Agペースト等を用いて、VCSEL42とPD43をダイボンドしている。VCSEL42の電極は、Auワイヤーにより、セラミックパッケージ41に形成された電極に接続されている。
【0046】
セラミックパッケージ41の上面にはメタルリッド48aがあり、低融点ガラスを用いて光透過構造であるガラス44を接着している。ガラス44は、20°に傾くように接着している。
【0047】
このガラス44の内側および外側のそれぞれの全面に、信頼性保持機能部材45a,45bとして、TiO2にCuを0.1wt%添加した材料を形成した。このときの膜厚は112.5nmとした。
【0048】
VCSEL42は、その波長が450nmのものを使用する。また、前述の信頼性保持機能部材45a,45bが、450nmで吸収があることを事前に確認している。
【0049】
そして、以下の比較例として、信頼性保持機能部材45a,45bを設けない以外は、上記と全て同じ構成にした光機能デバイスを形成した。
【0050】
すなわち、このような構成の2つの光機能デバイスにおいて、VCSEL42からレーザ光を発振させたまま、85℃で湿度が85%において、500時間保持した後、室温に調節された外部に出した。その結果、信頼性保持機能部材45a,45bがない場合は、ガラス44が結露した。それに対し、本例の信頼性保持機能部材45a,45bがある光機能デバイス4の場合はガラス44が結露しなかった。
【0051】
このように、信頼性保持機能部材45a,45bをガラス44に形成することにより、高温高湿で長時間保持し、その後低温の場所に保持した場合でも、光透過構造であるガラスが結露することを抑制することができる。すなわち、本例では、信頼性保持機能部材45a,45bは、結露防止機能部材として機能する。
【0052】
次に、図5に示す本例の光機能デバイス5は、図4における光機能デバイス4と同様に、セラミックパッケージ51と、VCSEL52、PD53、ガラス部材54、信頼性保持機能部材55aからなる。特に、本図5の例では、信頼性保持機能部材55aとは別に、VCSEL52の上面に、信頼性保持機能部材55bが形成されている。
【0053】
このように、図5においても、セラミックパッケージ51の内部底面にAgペースト等を用いてVCSEL(面発光レーザ)52と、PD53をダイボンドしており、VCSEL52の電極は、Auワイヤーにより、セラミックパッケージ51に形成された電極に接続されている。
【0054】
そして、セラミックパッケージ51の上面には、エポキシ系樹脂を用いて光透過構造であるガラス54を接着している。ガラス54は、20°に傾くように、セラミックパッケージ51を加工して接着している。
【0055】
本図5の例では、ガラス54の内側全面とVCSEL52のそれぞれの表面に、信頼性保持機能部材55a,55bとして、WO3にCuを0.1wt%添加した材料を形成している。また、このときの膜厚は112.5nmとしている。
【0056】
VCSEL52は、その波長が450nmのものを使用し、前述の信頼性保持機能部材55a,55bが450nmで吸収があることを事前に確認している。
【0057】
そして、以下の比較例として、信頼性保持機能部材を設けない以外は、上記と全て同じ構成にした光機能デバイスを形成した。
【0058】
すなわち、このような構成の2つの光機能デバイスにおいて、VCSEL52からレーザ光を発振させたまま、85℃で500時間保持した。その結果、信頼性保持機能部材55a,55bがない場合は、内部の揮発性成分による汚れがガラスおよびVCSEL表面にわずかに付着した。それに対し、本例の信頼性保持機能部材55a,55bがある場合は、ガラスおよびVCSEL表面に汚れが付着していなかった。すなわち、本例の信頼性保持機能部材55a,55bは、清浄化機能部材として機能している。
【0059】
このように、信頼性保持機能部材55a,55bを、ガラス54の内側およびVCSEL52の表面に形成することにより、清浄化機能部材として機能し、高温で長時間保持した場合でも、内部の揮発性成分が清浄化され、光透過構造であるガラスおよび光源であるVCSELに付着する汚れを抑制することができる。
【0060】
次に、図6に示す本例の光機能デバイス6は、図5における光機能デバイス5と同様に、セラミックパッケージ61と、VCSEL62、PD63、ガラス部材64、信頼性保持機能部材65aからなる。本図6の例では、信頼性保持機能部材65aとは別に、PD63の上面に、信頼性保持機能部材65bが形成されている。
【0061】
このように、図6においても、セラミックパッケージ61の内部底面に、Agペースト等を用いて、VCSEL62と、PD63をダイボンドし、VCSEL62の電極は、Auワイヤーにより、セラミックパッケージ61に形成された電極に接続されている。
【0062】
そして、セラミックパッケージ61の上面には、エポキシ系樹脂を用いて光透過構造であるガラス64を接着している。このガラス64は、20°に傾くように、セラミックパッケージ61を加工して接着している。
【0063】
本図6の例では、ガラス64の内側全面とPD62のそれぞれの表面に、信頼性保持機能部材として、WO3にCuを0.1wt%添加した材料を形成した。このときの膜厚は112.5nmとした。
【0064】
VCSEL62は、その波長が450nmのものを使用し、前述の信頼性保持機能部材65a,65bが450nmで吸収があることを事前に確認している。
【0065】
そして、以下の比較例として、信頼性保持機能部材65a,65bを設けない以外は上記と全て同じ構成にした光機能デバイスを形成した。
【0066】
すなわち、VCSEL62からレーザ光を発振させたまま、85℃で500時間保持した。その結果、信頼性保持機能部材65a,65bがない場合は、内部の揮発性成分による汚れがガラスおよびPD表面にわずかに付着した。それに対し、本例の信頼性保持機能部材65a,65bがある場合は、ガラスおよびPD表面に汚れが付着していなかった。すなわち、本例の信頼性保持機能部材65a,65bは、清浄化機能部材として機能している。
【0067】
このように、信頼性保持機能部材65a,65bを、清浄化機能部材として、ガラス64の内側およびPD62の表面に形成することにより、高温で長時間保持した場合でも、内部の揮発性成分が清浄化され、光透過構造であるガラス64および光検出機能素子であるPD63に付着する汚れを抑制することができる。
【0068】
次に、図7を用いて、上述した本例の光機能デバイスを用いた光学式エンコーダについて説明する。
【0069】
図7に示す光学式エンコーダは、特許文献3(特開2010−230409号公報)において示されるものが挙げられる。本例の光学式エンコーダは、大きく分けて基板71と、光源としてのベアチップであるベアLED(以下、単にLEDと呼ぶ)72と、光透過部材73と、所定ピッチのPDアレイ741を有する光検出器74と、光透過性樹脂76と、所定ピッチの第2格子771を有するスケール77と、の6つの部分からなる。
【0070】
図7において、光透過部材73は発光部としてのLED72のスケール77側の面に直接実装されている。
【0071】
基板71と、基板71上に配置されたLED72と、LED72上に配置された光透過部材73と、基板71上に配置された光検出器74とは検出ヘッドとして一体に構成されている。この検出ヘッドの上部は屈折率nの光透過性樹脂76により全体的かつ一体的に覆われている、すなわち光透過性樹脂76内に埋め込まれている。
【0072】
光透過部材73は、LED72側の面には所定ピッチの第1格子731を有し、スケール77側の面には半径がRの円形の開口絞り732を有する。また、光透過部材73の光検出器74側の側面は光伝達抑制部材により遮光されている。
【0073】
そして、光透過性樹脂76の上部は、図1に示す信頼性保持機能部材15を有するガラス部材14が設けられている。
【0074】
このような封止した構成とすることにより、本例の光学式エンコーダは、迷光によるエンコーダ信号の劣化や外部への影響を低減することができると共に、光透過性樹脂76の上部のガラス部材に設けた信頼性保持機能部材により、例えば、結露抑制機能部材としての当該信頼性保持機能部材を付着させた部分の結露を抑えることができ、腐食等による故障や劣化を抑制することができ、かつ、結露による光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができる。
【0075】
また、例えば、クリーニング機能部材としての当該信頼性保持機能部材により、内部の揮発性成分がクリーニングされ、光透過構造やその他の機能部分に対する汚れの付着を抑えることができ、内部汚れによる機能劣化や、光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができる。
【0076】
このような結露抑制機能部材およびクリーニング機能部材としての当該信頼性保持機能部材を設けることにより、光学式エンコーダの性能の向上を図ることができる。
【0077】
次に、図8を用いて、図7に例示した光学式エンコーダを用いた光走査装置について説明する。
【0078】
図8に示す光走査装置1010は、偏向器側走査レンズ611a、像面側走査レンズ611b、ポリゴンミラー613、光源614、カップリングレンズ615、開口板616、シリンドリカルレンズ617、反射ミラー618、および走査制御装置(図示省略)などを備えている。そして、これらは、ハウジング630の中の所定位置に組み付けられている。
【0079】
以下、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述して説明する。
【0080】
カップリングレンズ615は、光源614から出力された光束を略平行光とする。開口板616は、開口部を有し、カップリングレンズ615を介した光束のビーム径を規定する。シリンドリカルレンズ617は、開口板616の開口部を通過した光束を、反射ミラー618を介してポリゴンミラー613の偏向反射面近傍に副走査対応方向に関して結像する。
【0081】
光源614とポリゴンミラー613との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本例では、偏向器前光学系は、カップリングレンズ615と開口板616とシリンドリカルレンズ617と反射ミラー618とから構成されている。
【0082】
ポリゴンミラー613は、一例として内接円の半径が18mmの6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー613は、副走査対応方向に平行な軸の周りを等速回転しながら、反射ミラー618からの光束を偏向する。
【0083】
偏向器側走査レンズ611aは、ポリゴンミラー613で偏向された光束の光路上に配置されている。像面側走査レンズ611bは、偏向器側走査レンズ611aを介した光束の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ611bを介した光束が、感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。
【0084】
この光スポットは、ポリゴンミラー613の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
【0085】
ポリゴンミラー613と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本例では、走査光学系は、偏向器側走査レンズ611aと像面側走査レンズ611bとから構成されている。
【0086】
尚、偏向器側走査レンズ611aと像面側走査レンズ611bの間の光路上、および像面側走査レンズ611bと感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されても良い。
【0087】
本例では、図7に示す光学式エンコーダを、ポリゴンミラー613の回転角度の計測に用いる。このように、本例では、図7に示す光学式エンコーダ、すなわち、結露を抑えて腐食等による故障や劣化を抑制することができ、かつ、結露による光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができ、さらに、内部汚れによる機能劣化や、光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができる、高性能な光学式エンコーダを用いることにより、ポリゴンミラー613の回転角度の計測をより高精度に行うことができる。その結果、光走査装置の性能の向上を図ることができる。
【0088】
このような光走査装置は、例えば、次の図9に示す画像形成装置(カラープリンタ)における光走査装置2010としても用いることができる。
【0089】
以下、図9を用いて、図7に例示した光学式エンコーダを具備した図8に示す光走査装置を用いた画像形成装置としてのカラープリンタについて説明する。
【0090】
図8に示すカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用のステーション(感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、および転写装置K6)と、シアン用のステーション(感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、および転写装置C6)と、マゼンタ用のステーション(感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、および転写装置M6)と、イエロー用のステーション(感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、および転写装置Y6)と、図8に例示した光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
【0091】
各感光体ドラムは、図8中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転方向に沿って、それぞれ帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットが配置されている。各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光が照射され、各感光体ドラムに潜像が形成されるようになっている。
【0092】
そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
【0093】
この光走査装置2010は、図7に示す光学式エンコーダをポリゴンミラー613の回転角度の計測に用いているので高性能化されており、この高性能な光走査装置2010を設けることにより、画像形成装置としてのカラープリンタ2000自体の性能の向上も図ることができる。
【0094】
さらに、本例の画像形成装置としてのカラープリンタ2000においては、図9(b)に示すように、図7に示す光学式エンコーダと同じ構成の光学式エンコーダ2112を用いて、転写ベルト2080の蛇行制御を行う蛇行検出部を構成している。
【0095】
本例では、転写ベルト2080の表面に三角形のマーク2111を配設し、光学式エンコーダ2112でマークを読み取り、その信号の時間t1、t2から当該ベルトの寄り方向の変位を計測する。
【0096】
このように、本発明に係る高性能な光学式エンコーダ2112を用いこれにより、転写ベルト2080の蛇行制御を高精度に行うことができ、画像形成装置としてのカラープリンタ2000の性能の向上を図ることができる。
【0097】
尚、本発明は、図1〜図9を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、図9の例では、光走査装置と転写ベルトに対して図7に例示した光学式エンコーダを用いているが、この光学式エンコーダを、図9における画像形成装置としてのカラープリンタにおける各ローラの傾き調整装置や、各感光体ドラムの回転位置計測などにも用いることができる。
【0098】
また、図1〜図9においては、本発明に係る光機能デバイスを用いた例として、反射式の光学式エンコーダを説明しているが、本発明に係る光機能デバイスを、透過式の光検知装置に用いることでも良い。すなわち、本発明に係る光機能デバイスは、図1におけるPD(光検出機能素子)13およびVCSEL(光源)12からなる光機能素子のそれぞれを、個別に、ガラス部材14に信頼性保持機能部材15を設けたセラミックパッケージ11に内に封止し、VCSEL12から出射された光をPD13側で検知する構成とすることでも良い。
【0099】
以上、図1〜図9を用いて説明したように、本例の光機能デバイスは、PD(光検出機能素子)13,23,33,43,53,63およびVCSEL(光源)12,22,32,42,52,62のうちの少なくとも一方の機能を含む光機能素子と、光機能素子を内部に収納して封止する封止構造を有すると共に、外部と光機能素子(PD13〜63、VCSEL12〜62)との間で光を透過可能とするための光透過構造(ガラス部材14,24,34,44,54,64)を有するパッケージ(セラミックパッケージ11,21,31,41,51,61)と、このパッケージの光透過構造の表面に薄膜状に形成される、可視光を吸収する材料からなる、結露防止機能部材および清浄化機能部材の少なくとも一方の機能を含む透過性の信頼性保持機能部材15,25,35,45a,45b,55a,55b、65a,65bを有する。
【0100】
また、図5,図6に示すように、信頼性保持機能部材55b,65bを、PD(光検出機能素子)53,63およびVCSEL(光源)52,62のうちの少なくとも一方の機能を含む光機能素子に設ける。
【0101】
尚、信頼性保持機能部材(15,25,35,45a,45b,55a,55b、65a,65b)は、光機能素子に含まれる光源(VCSEL12〜62)からの光を吸収する材料からなる。
【0102】
例えば、信頼性保持機能部材(15,25,35,45a,45b,55a,55b、65a,65b)は、TiO2にCuもしくはFeのいずれかを担持してものを構成成分として有する。
【0103】
あるいは、信頼性保持機能部材(15,25,35,45a,45b,55a,55b、65a,65b)は、N2ドープを行ったTiO2を構成成分として有する。
【0104】
あるいは、信頼性保持機能部材(15,25,35,45a,45b,55a,55b、65a,65b)は、W03にCuもしくはPdのいずれかを担持してものを構成成分として有する。
【0105】
そして、このような光機能素子デバイスを用いて、図7に例示する本発明に係る光学式エンコーダを構成し、この光学式エンコーダを用いて、図8に例示する光走査装置を構成し、この光走査装置を用いて図9に例示する画像形成装置としてのカラープリンタを構成する。
【0106】
また、本例の光学式エンコーダは、携帯電話やデジタルカメラ等の電子機器や、液晶TVやDVD等の電化製品など、多くの電気機器に用いることができる。
【0107】
このように、光機能デバイスにおいて、封止構造内部の所定部分あるいは光透過構造であるガラス部材の外側に、可視光を吸収できる結露防止機能、あるいは、清浄化機能を有する信頼性保持機能部材を備えることにより、結露による光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができ、また、内部汚れによる機能劣化や光学特性の変化が引き起こす動作不良を抑制することができる。
【0108】
また、このような光機能デバイスを用いることで、当該光機能デバイスを用いる光学式エンコーダや光走査装置、デジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置、携帯電話やデジタルカメラ等の電子機器、液晶TVやDVD等の電化製品など、多くの電気機器の性能の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0109】
11,21,31,41,51,61:セラミックパッケージ、12,22,32,42,52,62:VCSEL(面発光レーザ)、13,23,33,43,53,63:PD(光検出機能素子)、14,24,34,44,54,64:ガラス部材、15,25,35,45a,45b,55a,55b,65a,65b:信頼性保持機能部材(結露防止機能部材/清浄化機能部材)、16,26,36,46,56,66:レーザ光、17,27:反射部材、48a,48b:メタルリッド、71:基板、72:LED(ベアLED)、73:光透過部材、74:光検出器、76:光透過性樹脂、77:スケール、731:第1格子、732:開口絞り、741:PDアレイ、771:第2格子、611a:偏向器側走査レンズ(走査光学系の一部)、611b:像面側走査レンズ(走査光学系の一部)、613:ポリゴンミラー(光偏向器)、614:光源、615:カップリングレンズ、616:開口板、617:シリンドリカルレンズ、618:反射ミラー、630:ハウジング、1010:光走査装置、1030:感光体ドラム(像担持体)、2000:カラープリンタ(画像形成装置)、2010:光走査装置、2030:定着ユニット、2080:転写ベルト、LA:面発光レーザアレイ、K1:感光体ドラム(ブラック用)、K2:帯電装置(ブラック用)、K4:現像装置(ブラック用)、K5:クリーニングユニット(ブラック用)、K6:転写装置(ブラック用)、C1:感光体ドラム(シアン用)、C2:帯電装置(シアン用)、C4:現像装置(シアン用)、C5:クリーニングユニット(シアン用)、C6:転写装置(シアン用)、M1:感光体ドラム(マゼンタ用)、M2:帯電装置(マゼンタ用)、M4:現像装置(マゼンタ用)、M5:クリーニングユニット(マゼンタ用)、M6:転写装置(マゼンタ用)、Y1:感光体ドラム(イエロー用)、Y2:帯電装置(イエロー用)、Y4:現像装置(イエロー用)、Y5:クリーニングユニット(イエロー用)、Y6:転写装置(イエロー用)、71:セラミックパーケージ、72:Agペースト、73:ICチップ、74:電極ランド、75:光源、76:上部電極、77:電極パッド、78:Auワイヤー、79:電極、80:フォトディテクタ(PD)、81:樹脂接着剤、82:ガラス部材、83:レーザビーム、84:レーザビーム、85:検出対象物、87:信頼性保持機能部材。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0110】
【特許文献1】特許第4576013号公報
【特許文献2】特許第4059716号公報
【特許文献3】特開2010−230409号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出機能素子および光源のうちの少なくとも一方の機能を含む光機能素子と、
該光機能素子を内部に収納すると共に、外部と前記光機能素子との間で光を透過可能とするための光透過構造を有するパッケージと、
前記光透過構造の表面に薄膜状に形成され、可視光の波長以上の波長を吸収する材料からなる、結露防止機能部材および清浄化機能部材の少なくともいずれか一方の機能を含む透過性の信頼性保持機能部材と
を有することを特徴とする光機能デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の光機能素子デバイスであって、
前記信頼性保持機能部材を、
前記光検出機能素子および光源のうちの少なくとも一方の機能を含む光機能素子に設ける
ことを特徴とする光機能デバイス。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載の光機能素子デバイスであって、
前記信頼性保持機能部材は、
前記光機能素子に含まれる光源からの可視光の波長以上の波長の光を吸収する材料からなる
ことを特徴とする光機能デバイス。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光機能素子デバイスであって、
前記信頼性保持機能部材の可視光を吸収する材料は、
TiO2にCuもしくはFeのいずれかを担持してものを構成成分として有する
ことを特徴とする光機能デバイス。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光機能素子デバイスであって、
前記信頼性保持機能部材の可視光を吸収する材料は、
N2ドープを行ったTiO2を構成成分として有する
ことを特徴とする光機能デバイス。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光機能素子デバイスであって、
前記信頼性保持機能部材の可視光を吸収する材料は、
W03にCuもしくはPdのいずれかを担持してものを構成成分として有する
ことを特徴とする光機能デバイス。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の光機能素子デバイスを有することを特徴とする光学式エンコーダ。
【請求項8】
請求項7に記載の光学式エンコーダを有することを特徴とする光走査装置。
【請求項9】
請求項7に記載の光学式エンコーダを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項7に記載の光学式エンコーダを有することを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−194162(P2012−194162A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60434(P2011−60434)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】