説明

光源モジュール、照明装置、及び液晶表示装置

【課題】発光ダイオード(LED)のようにレンズで封止された発光体が基板の表面に実装されている光源モジュールに関し、品質向上と製造コスト削減とが課題である。
【解決手段】光源モジュール(50)の製造方法において、電力の供給を受けて発光する発光体(65)を実装する基板(51)の表面にレジスト(53B)を設ける工程と、露光によりレジスト(53A)を部分的に感光させて基板(51)の表面を点灯領域(61)及び撥液層(52)の領域に区分する工程と、点灯領域(61)に設けられているレジストを除去する工程と、実装された発光体(65)を封止するようにして点灯領域(61)に撥液層(52)よりも基板(51)の表面との親和性が高い未硬化液体を配置する工程と、この未硬化液体を硬化させてレンズ(64)にする工程とを、含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズで封止された発光体が基板の表面に実装されている光源モジュールに関し、この光源モジュールの製造方法、この光源モジュールを適用した照明装置及び液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶方式を採用した画像表示装置(以下、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)という)は、ブラウン管方式と対比して、大型から小型のものまで任意の画面サイズに対し薄型化することができ、省電力性にも優れている。そして、近年、液晶表示装置からなるテレビは、低価格化の進行に伴い一般ユーザ向けの市場が拡大しており、さらなる低価格化が求められている。
【0003】
液晶表示装置は、液晶層を一対の透明基板で挟み込んだ液晶パネルとこの液晶パネルを透過してその表面に画像を表示させる透過光を出力するバックライトユニット(照明装置)とを備えている。そして、照明装置としては、液晶パネルの直下に光源が配置されている直下型のほか、液晶パネルの直下に配置されている導光板の縁端に光源が設けられているエッジライト型がある。
また、光源としては、従来から冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)が用いられているが、近年では、長寿命性及び照光制御性に優れる発光ダイオード(LED)の採用が広がっている。
【0004】
このLEDを光源とする照明装置は、基板の表面に複数のLEDを一次元方向又は二次元方向に配列させた光源モジュールを構成要素としている。
そして、このような光源モジュールを製造する方法として次のような製造方法が従来より実施されている。
すなわち、電力を供給する配線がプリントされた基板に発光体を実装する。次に、この発光体を封止するレンズを成形する凹み(キャビティ)が光源の配列に一致して設けられている金型面に、液状の熱硬化性樹脂(未硬化液体)を供給する。
そして、この金型面と、基板の発光体の配列面とを併せるとともに、この発光体をキャビティに満たされている未硬化液体に浸漬させて熱処理を実施してこの未硬化液体を硬化させる。これにより、レンズで封止された発光体(LED)が基板の表面に一次元方向又は二次元方向に実装されている光源モジュールが得られる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−228545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した従来の光源モジュールの製造方法にあっては、次のような問題が指摘されている。
まず、前記した金型面を別個に作製する必要がある点がコストアップ要因である。
さらに、金型も含めて熱処理のサイクルをまわすことは、未硬化液体の注入から離型してレンズを成形するまでのリードタイムを長くするとともに、離型性を向上させるための工数も増えてコストアップ要因となる。
また、金型面と基板とを併せた際に、異物やボイド(気泡)が混入したり、レンズの充填不足が生じたり、キャビティから溢れた未硬化液体がレンズの周縁にバリを形成したりするような不良が発生した場合は、歩留まりが低下してコストアップ要因となるばかりでなく品質の低下を招く。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、前記したコストアップ要因を解消しつつ高品質の光源モジュールを製造し、高性能でかつ価格対応力を有する照明装置及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記した課題を解決するために、光源モジュールの製造方法において、電力の供給を受けて発光する発光体を実装する基板の表面にレジストを設ける工程と、露光により前記レジストを部分的に感光させて前記基板の表面を点灯領域及び他の領域に区分する工程と、前記他の領域に設けられている前記レジストを除去してから前記基板表面に撥液層を設ける工程と、前記点灯領域に設けられている前記レジストを除去する工程と、実装された前記発光体を封止するようにして前記点灯領域に前記撥液層よりも前記基板の表面との親和性が高い未硬化液体を配置する工程と、前記未硬化液体を硬化させてレンズにする工程とを、含むことを特徴とする。
【0008】
このように発明が構成されることにより、前記したキャビティを有する金型を使用することなく未硬化液体を硬化させて、光源モジュールのレンズを成形することができる。さらに、成形されたレンズと基板との界面は、気泡が混入したり、充填不足が発生したり、バリが形成したりすることが無く、密着性も良好である。
さらに、撥液層が基板の表面に設けられていることにより、光源モジュールの耐久性が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高品質の光源モジュールを低コストで製造し、価格対応力を具備するとともに、高性能でかつ耐久性に優れる照明装置及び液晶表示装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1から図3を参照して本発明の液晶表示装置、照明装置及び光源モジュールの第1実施形態を説明する。
図1の分解斜視図に示されるように(適宜、図2の縦断面図も参照)、液晶表示装置10A(10)は、表示手段20と、光拡散手段30と、照明装置40A(40)(光源モジュール50A(50)を含む)と、制御手段70と、背面フレーム80とが、正面のZ軸方向に積層した構成になっている。
ここで、図面において、液晶表示装置10は、家庭で使用される一般的なテレビを想定し、画像の表示面22aの長手方向をX軸、短手方向をY軸として示している。
このように、液晶表示装置10が構成されることにより、図示しない視聴者に対向する表示面22aに、静止画や動画の像が表示される。
【0011】
表示手段20は、正面フレーム21と、表示面22aを有する液晶パネル22と、係止溝23aを有する係止部材23とから構成されている。
このように構成されることにより、液晶パネル22は、正面フレーム21に固定されて外力による変形が防止されるとともに、照明装置40との位置関係が固定され、表示面22aの全体が一様に照明される。
【0012】
正面フレーム21は、剛性の高い鉄やアルミなどの金属からなり、液晶パネル22の表示面22aが露出する矩形の開口21aを有している。そして図2に示されるように、この開口21aに略一致する開口を有する係止部材23が、その係止溝23aに液晶パネル22の外周を係合させた状態で、正面フレーム21の内側面に嵌合している。これにより、液晶パネル22が、開口21aから露出した状態で正面フレーム21に固定されることになる。
【0013】
図1に戻って説明を続ける。
液晶パネル22は、一対の透明電極に挟持される液晶層が、像を構成する画素単位でバックライトの透過率を変化させることにより、静止画又は動画の像を表示面22aに形成するものである。
量販品で現在主流となっているTFT(Thin Film Transistor)方式を採用するものでは、透明基板(ガラス板)に格子状に均等配列する電極素子が、電場を制御して液晶の分子配向を変化させ、照明装置40からの照射光を各画素毎に透過/遮断する構成になっている。また三原色のカラーフィルタを配置してこの透過光をさらに通過させることで画像に色彩を付与している。
【0014】
光拡散手段30は、光学シート31からなり、表示手段20及び照明装置40の間に配置され、照明装置40からの光の輝度分布を、均一化させでから液晶パネル22に照射するものである。これにより、表示面22aに輝度むらの少ない画像が表示されることになる。
そして、図2に示されるように複数の光学シート31が積層して構成されることにより、照明装置40からの照射光が、拡散/反射を繰り返して液晶パネル22に入射する。これにより、照射光の輝度の面内分布が均一化されるとともに、正面のZ軸方向に向かう照射光の指向性が付与される。
【0015】
図1に戻って説明を続ける。
制御手段70は、電源基板71と、信号基板72とから構成されている。
信号基板72は、液晶パネル22の素子を制御する映像信号を出力する。
電源基板71は、商用交流電力(AC100V〜AC240V)を入力し、表示手段20、照明装置40及びその他(スピーカなどのオーディオ機器(図示せず))を駆動させるのに必要な直流電力を出力する。
【0016】
背面フレーム80は、深絞形状を有し、図2に示されるように表示手段20の背面側の開口を塞ぐとともに、制御手段70及び照明装置40を内側に収納させるものである。
また、表示手段20及び背面フレーム80の側面には、それぞれ図1に示されるような通気孔21b,81が連通するように設けられ、内部で昇温した空気と外気とを入れ替えることができるようになっている。
【0017】
照明装置40Aは、第1反射シート41と、第2反射シート42と、導光板43と、中間フレーム44と、支持部材45と、光源モジュール50Aとから構成されている。
このように構成される照明装置40Aは、図3(a)に示されるように、導光板43の縁端に設けられている光源モジュール50Aが発光すると正面のZ軸方向に光を照射するものである。
【0018】
図1(適宜図2参照)に戻って説明を続ける。
導光板43は、アクリルなどの透明な樹脂からなり、縁端の入射面43aから入射した光が、内部反射を繰り返して平面全体(X−Y面)に伝播し、正面のZ軸方向に向かって照射するものである。このように導光板43は、光源モジュール50Aの線光源を面光源に変換する機能を有する。
【0019】
第1反射シート41は、外周部分と内周部分とが段差する構造を有し、図2に示されるように、この外周部分が正面フレーム21、係止部材23及び支持部材45と共締めされて固定されるとともに、この内周部分が導光板43の縁端に接し、光源モジュール50Aの出射光が漏れなく入射面43aに入射するように機能する。
さらに、第1反射シート41は、導光板43と光学シート31との間に隙間を設け、導光板43を内部反射する光が、正面(Z軸方向)に照射され易くする。
【0020】
第2反射シート42は、導光板43の背面に密着して配置され、第1反射シート41と協働して入射面43aに光を入射させるものである。さらに第2反射シート42は、一旦入射面43aに入射した後に全反射条件から外れて下面からとび出た入射光を再び導光板43に戻し、入射光の利用効率を向上させる機能を有する。
【0021】
中間フレーム44は、剛性の高いものであって、その平面部分で導光板43及び第2反射シート42を反らないように支えるものである。
【0022】
支持部材45は、図2に示されるように、略L字型を有する構造を有し、L字の上下の端面に表示手段20及び背面フレーム80に連結し、水平面において中間フレーム44を支持し、垂直内側面において光源モジュール50Aを支持している。
このように支持部材45は、各構成要素を連結させて液晶表示装置10の構造の一体性を担うものである。
さらに支持部材45は、熱伝導性に優れる例えば銅、アルミなどの金属材料で形成され、光源モジュール50Aの発熱を放熱フィン45aに伝導させ効率よく放熱する機能も有している。そして、放熱フィン45aからの放熱を受けた隙間の空気は昇温して自然対流により通気孔21b,81(図1参照)から放出される。
【0023】
光源モジュール50A,50Aは、図3(a)に示されるように導光板43の両端の入射面43a,43aを望むように、互いに対向して配置される。そして、図3(b)にその部分拡大斜視図が示されるように、基板51の表面の点灯領域61に、複数の光源60(発光ダイオード(LED))が直線状(一次元的)に実装されている。
【0024】
基板51は、ガラス繊維にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた基板や、セラミック基板からなり、L字型の支持部材45の垂直内側面において支持されるものである。
この基板51には、外部(制御手段70(図1参照))から電力を入力する入力端子(図示せず)が設けられ、この入力した電力を末端の電極62に導く配線63が設けられている。
さらに基板51には、点灯領域61から外れた他の領域に撥液層52が設けられている。
【0025】
配線63は、基板51に銅箔のパターンの導電層を形成してなるものであって、さらにその上層に絶縁皮膜(図示せず)が形成されている。そして、配線63の末端に位置する電極62は、この絶縁皮膜が剥離されて基板51の表面に露出しており、発光体65とワイヤボンディングされている。なお、図面において配線63は、基板51の表面に設けられているが、これに限定されず基板51の内部に積層されている場合もある。
【0026】
光源60(LED)は、点灯領域61に、1つのレンズ64と、単数又は複数(図では3つ)の発光体65と、対応する電極62とが設けられた構成をとる。このように光源60が構成されることにより、レンズ64の機能により発光体65の発光を広角に放射することができ、輝度分布を抑制した状態で導光板43の入射面43aに発光を入射させることができる。
さらに、複数(図では3つ)の発光体65が、例えばR(Red)、G(Green)、B(Blue)を発色させるものであれば、これら原色をレンズ64の散乱機能により混色して色彩むらのない多彩色光を発現させることができる。さらにこれら三原色の発光体65の輝度をそれぞれ独立に変化させることにより、色彩を経時的に変化させた光を放射することができる。
【0027】
レンズ64は、基板51の表面と点灯領域61において密着し、この点灯領域61に配置される発光体65等を封止して保護する機能も兼ね備える。
このようなレンズ64は、低粘度の未硬化液体66(図4(g)参照)を、熱処理又は光処理により硬化させてなるものあって、発光体65の発光を減衰させることなく透過させる性質を有する材料からなるものである。
そのような材料としては、シリコーン樹脂系、メタクリル樹脂系、フルオレン樹脂系、シクロオレフィン樹脂系、エポキシ樹脂系、有機・無機ハイブリッド樹脂系、ポリカーボネート樹脂系、TAC樹脂系、ポリスチレン樹脂系、フッ素系樹脂系、ポリエチレンテレフタレート樹脂系、MS樹脂系、ポリビニルアルコール樹脂系のものが挙げられる。
【0028】
撥液層52は、基板51の表面であって、点灯領域61から外れた他の領域に設けられている。
この撥液層52は、基板51の表面と対比した場合、レンズ64に硬化する前の未硬化液体66(図4(g)参照)に対する撥液性が高いものである。換言すると、この未硬化液体66は、撥液層52よりも基板51の表面の方が、親和性が高く濡れ性が良好であるということである。
このような性質を有する未硬化液体66としては、フッ素系、シリコーン系の材料を適宜採用することができる。
【0029】
基板51の表面、撥液層52及び未硬化液体66が性質上このような関係を有することにより、次のような作用が導かれる。すなわち、点灯領域61から外れた基板51の表面の他の領域に撥液層52を設け、この点灯領域61の部分に未硬化液体66を注入すると表面張力の関係でレンズ64の形状にポッティングされる。そしてこの状態で、未硬化液体66を硬化させる処理(加熱、光照射)を行うことによりレンズ64が成形されることになる。
そして、撥液層52は、基板51の表面とレンズ64とのわずかな隙間を見つけて毛細管現象により浸入しようとする水分を寄せつけないために、レンズ64に封止されている発光体65の保護をより完全にする。
なお点灯領域61は、図面中、電極62と配線63の一部と、発光体65を含んだ領域を示しているが、特に限定されるものでなく少なくとも発光体65を含む領域であるとする。
【0030】
次に、図4及び図5を参照して光源モジュールの製造方法の説明を行う。
図4(a)〜(h)の工程図は、光源モジュールの製造方法の実施形態を示している。
まず図4(a)に示される工程で、基板51の表面に、図示しない電極62、配線63を実装させたものを作製する。
そして、図4(b)に示される工程で、後工程で発光体65が実装される基板51の表面にレジスト53A(53)を設ける。
【0031】
次に、図4(c)に示される工程で、発光体65とその周辺部が含まれるように区分された点灯領域61を露光してこの点灯領域61に設けられているレジスト53Aを部分的に感光させて基板51の表面に定着する。
そして、図4(d)に示される工程で、点灯領域61から外れた他の領域に設けられているレジスト53Aを除去してから、図4(e)に示されるように基板51の表面に撥液層52を設ける。
【0032】
次に、図4(f)に示される工程で、点灯領域61に定着しているレジスト53Aを薬品により除去してから発光体65を基板51の表面に実装する。さらに、図4(g)に示されるようにこの点灯領域61に未硬化液体66を注入器67等を用いて配置(ポッティング)する。
そして、図4(h)に示される工程で、ヒータ91により加熱して未硬化液体66を硬化させてレンズ64を成形し発光体65を封止する。
【0033】
図5(a)〜(f)の工程図は、光源モジュールの製造方法の他の実施形態を示している。
まず図5(a)に示される工程で、基板51の表面に、図示しない電極62、配線63を実装させたものを作製する。
そして、図5(b)に示される工程で、発光体65が実装されている基板51の表面にレジスト53B(53)を設ける。
【0034】
次に、図5(c)に示される工程で、発光体65とその周辺部が含まれるように区分された点灯領域61から外れた他の領域を露光してこの他の領域に設けられているレジスト53Bを部分的に感光させて基板51の表面に定着させて撥液層52にする。
すなわち、本実施形態においては、定着したレジスト53Bが、基板51の表面よりも未硬化液体66に対する撥液性に優れる材質となっている。
【0035】
そして、図5(d)に示される工程で、点灯領域61に設けられているレジスト53Bを除去してから発光体65を基板51の表面に実装する。さらに、図5(e)に示されるように点灯領域61に未硬化液体66を注入器67を用いて配置(ポッティング)する。
そして、図5(f)に示される工程で、ヒータ91により加熱して未硬化液体66を硬化させてレンズ64を成形して発光体65を封止する。
【0036】
ところで、光(紫外線)を露光すると感光するレジスト53は、様々なタイプのものを適用することができ、液状タイプのものを塗布したり、フィルム状タイプのものを貼付したりして基板51の表面に設けることができる。
また、説明においては、レジスト53を基板51の表面に定着させる部分を露光して感光させるタイプのものを例示したが、逆に最初に除去する部分を感光させるタイプのものも適用することができる。
これら、さまざまなタイプのレジスト53を適用する場合については、前記した説明を援用し用語を適宜置き換えて理解することとして、詳細な説明を省略する。
【0037】
このような製造方法により光源モジュール50が製造されることにより、従来のようなキャビティを有する金型を使用する必要がなくなり、異物やボイド(気泡)の混入が防止される。さらに、成形されたレンズ64と基板51との界面の密着性も良好で、レンズ64の充填不足が発生したり、バリが形成されたりすることが無くなる。さらに、基板51の表面に残存する撥液層52は、基板51の表面とレンズ64との継目部分を密栓しているので、この継目部分から浸入して発光体65に向かおうとする水分を効果的にブロックする。これにより、光源モジュールの製造コストの削減を図ることができるとともに、その耐久性及び品質を向上させることができる。
【0038】
<第2実施形態>
次に図6から図8を参照して、本発明に係る液晶表示装置の第2実施形態を説明する。
なお、第2実施形態の液晶表示装置10Bの構成要素のうち、第1実施形態(図1から図3)との共通又は対応するものについては、同一符号を付し該当する説明を援用することとして記載を省略する。
【0039】
図6の分解斜視図に示されるように(適宜、図7の縦断面図も参照)、第2実施形態の液晶表示装置10B(10)は、光拡散手段30B(30)と、照明装置40B(40)(光源モジュール50B(50)を含む)とを構成に含むものである。
このように構成されることにより液晶表示装置10Bは、平面状(X−Y平面)に設けられる光源モジュール50Bの発光を液晶パネル22に透過させて表示面22aに画像を表示するものである。
【0040】
光拡散手段30Bは、光学シート31と、拡散板32とから構成され、表示手段20及び照明装置40Bの間に配置され、照明装置40Bから照射される光の輝度分布を、均一化させるものである。これにより、表示手段20に照射される光の輝度分布が均一化して、表示面22aに輝度むらの少ない像が表示されることになる。
拡散板32は、図7に示されるように光学シート31を面状に支持することにより、この光学シート31が、自重又は経年変化により湾曲しないようにする機能も併せ持つ。
【0041】
図6に戻って説明を続ける。
照明装置40B(40)は、光源モジュール50Bと、容体46と、支持部材45とから構成されている。このように照明装置40Bが構成されることにより光源モジュール50Bが表示手段20に対して平面状に設けられるとともにこの光源モジュール50Bが発光すると正面(Z軸方向)に向かって照光する。
【0042】
光源モジュール50Bは、図8(a)に示されるように基板51の表面に、光源60(図8(b)参照)が平面状(二次元的)に規則的に配列して実装されている。
【0043】
容体46は、光学シート31に略一致する開口を備える有底形状を示し、その内側面は傾斜して光源60の発光を正面(Z軸方向)に向かって反射させる。そして、図7に示されるように、容体46の周縁は、光学シート31及び拡散板32の外周に当接してこれらを係止部材23及び正面フレーム21との間で挟持する。
【0044】
以上の説明において、光源60はLEDであることを例示したが、その発光メカニズムに限定されるものでなく、発光体50がレンズ64により封止されているものであれば全て含まれる。
また光源モジュール50は、照明装置40に適用されるものを例示したが、これに限定されるものでなく、複数の光源60が基板51の表面に設けられているものであれば適宜採用することができ、例えばインジケータ(表示装置)としても採用することができる。
また照明装置40は、液晶表示装置10のバックライトモジュールとして適用されるものを例示したが、これに限定されるものでなく、均一な輝度で発光する平面体として適宜採用することができ、例えば看板や室内や野外の照明装置40として採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】第1実施形態おける液晶表示装置の縦断面図である。
【図3】(a)は第1実施形態おける照明装置の斜視図であり、(b)は光源モジュールの部分拡大斜視図である。
【図4】(a)〜(h)は本発明に係る光源モジュールの製造方法の実施形態を示す工程図である。
【図5】(a)〜(f)は本発明に係る光源モジュールの製造方法の他の実施形態を示す工程図である。
【図6】本発明に係る液晶表示装置の第2実施形態を示す分解斜視図である。
【図7】第2実施形態おける液晶表示装置の縦断面図である。
【図8】(a)は第2実施形態おける照明装置の斜視図であり、(b)は光源モジュールの光源部分の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
10,10A,10B 液晶表示装置
20 表示手段
22 液晶パネル
22a 表示面
30 光拡散手段
40,40A,40B 照明装置
43 導光板
43a 入射面
45 支持部材
46 容体
50,50A,50B 光源モジュール
51 基板
52 撥液層
53,53A,53B レジスト
60 光源
61 点灯領域
62 電極
63 配線
64 レンズ
65 発光体
66 未硬化液体
80 背面フレーム
Z 正面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の供給を受けて発光する発光体を実装する基板の表面にレジストを設ける工程と、
露光により前記レジストを部分的に感光させて前記基板の表面を点灯領域及び他の領域に区分する工程と、
前記他の領域に設けられている前記レジストを除去してから前記基板の表面に撥液層を設ける工程と、
前記点灯領域に設けられている前記レジストを除去する工程と、
実装された前記発光体を封止するようにして前記点灯領域に前記撥液層よりも前記基板の表面との親和性が高い未硬化液体を配置する工程と、
前記未硬化液体を硬化させてレンズにする工程とを、含むことを特徴とする光源モジュールの製造方法。
【請求項2】
電力の供給を受けて発光する発光体を実装する基板の表面にレジストを設ける工程と、
露光により前記レジストを部分的に感光させて前記基板の表面を点灯領域及び撥液層の領域に区分する工程と、
前記点灯領域に設けられている前記レジストを除去する工程と、
実装された前記発光体を封止するようにして前記点灯領域に前記撥液層よりも前記基板の表面との親和性が高い未硬化液体を配置する工程と、
前記未硬化液体を硬化させてレンズにする工程とを、含むことを特徴とする光源モジュールの製造方法。
【請求項3】
外部から入力した電力を末端の電極に導く配線が設けられている基板と、
前記基板の表面に実装されるとともに前記電極に接続して前記電力の供給を受けて発光する発光体と、
前記発光体が少なくとも含まれる点灯領域から外れた前記基板の表面の他の領域に設けられる撥液層と、
前記点灯領域に設けられて前記発光体を封止するとともに前記撥液層よりも前記基板の表面との親和性が高い未硬化液体が硬化してなるレンズとを、備えることを特徴とする光源モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の光源モジュールが縁端に設けられるとともにこの光源モジュールが発光すると正面に向かって照光する導光板を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項3に記載の光源モジュールが平面状に設けられるとともにこの光源モジュールが発光すると正面に向かって照光することを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の照明装置の前記照光を透過して表示面に画像を表示する液晶パネルを備えることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−164242(P2009−164242A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340251(P2007−340251)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】