光源回路ユニットおよび照明装置、並びに表示装置
【課題】光取り出し効率が向上した光源回路ユニット、およびこの光源回路ユニットを備えた照明装置並びに表示装置を提供する。
【解決手段】この光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、台座上に戴置されると共に、配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを備える。
【解決手段】この光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、台座上に戴置されると共に、配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode) などの発光素子を光源に用いた光源回路ユニットおよび照明装置、並びにこの照明装置をバックライトとして備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は液晶表示装置等のバックライト(光源)や、白熱電球や蛍光灯に代わる照明装置の光源として注目されている。
【0003】
通常、基板等に搭載したLEDチップは封止剤(封止レンズ)によって封止されている。この封止剤は、主にシリコン等が用いられており、その屈折率は1.5前後となっている。屈折率1.5の物質から屈折率1.0の空気に向かって光が入射する場合、臨界角は約41.8°となり、封止レンズ表面への入射角が41.8°を超えた光は全反射され、外部に出射されなくなる。また、LEDを用いた光源では、封止剤に蛍光物質を混練することで、LEDの発光光とは異なる波長の光を得ることができる。封止剤に混練された蛍光物質は、LEDから照射された光によって励起され、全方位にほぼ均等に光を発する。このことから、封止レンズの形状を、封レンズ内部で発せられた光が最も多くレンズ表面をまっすぐ通過することが可能となる形状、即ち半球状とすることによって光取り出し効率が向上することがわかる。
【0004】
半球状の封止レンズを形成する方法としては、封止領域の外側にレジスト層を設け、レジスト層と基板との撥水性の差によってレンズ形状を調整するLEDチップの樹脂封止方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−332770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような封止方法では、実際には封止剤はレジスト層上に濡れ上がり、半球状からは程遠い形状のレンズしか得られないという問題があった。このため、十分な光取り出し効率の改善は見られなかった。
【0007】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、光取り出し効率が向上した光源回路ユニットおよび照明装置、並びに表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術による光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、台座上に戴置されると共に、配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを備えたものである。
【0009】
本技術による照明装置および表示装置はそれぞれ上記光源回路ユニットを備えたものである。
【0010】
本技術の光源回路ユニット、照明装置または表示装置では、発光素子チップを、周縁部から側面の一部にかけて撥水領域を有する台座上に戴置することにより、この台座と略同径、且つ略半球形状の封止レンズが得られる。
【発明の効果】
【0011】
本技術の光源回路ユニットおよび照明装置、並びに表示装置によれば、発光素子チップを、周縁部から側面の一部にかけて撥水領域を有する台座上に戴置し、この台座上に封止レンズを設けるようにした。これにより、台座と略同径、且つ略半球状の封止レンズが形成され、発光素子チップの発光光を効率よく取り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の一実施の形態に係る光源回路ユニットを表す平面図および断面図である。
【図2】LEDチップの電極構成を表す図である。
【図3】封止レンズの形成過程を説明する模式図である。
【図4】比較例1に係る光源回路ユニットの断面図である。
【図5】比較例2に係る光源回路ユニットの断面図である。
【図6】変形例に係る光源回路ユニットの平面図および断面図である。
【図7】適用例1に係る液晶表示装置を表す断面図である。
【図8】適用例2に係る液晶表示装置を表す要部平面図および断面図である。
【図9】適用例3に係る液晶表示装置を表す断面図である。
【図10】適用例4に係る液晶表示装置を表す断面図である。
【図11】適用例5に係る液晶表示装置を表す断面図である。
【図12】他のLEDチップの配線構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
実施の形態(周縁部から側面にかけて撥水領域を有する台座上にLEDチップを搭載した例)
変形例(台座を撥水剤で形成した例)
適用例1(直下式バックライトの例)
適用例2(分割基板の例)
適用例3(回路基板を折り曲げて支持部材の背面側で駆動基板に接続した例)
適用例4(支持部材と共に回路基板を湾曲させた例)
適用例5(エッジ式バックライトの例)
【0014】
(実施の形態)
図1(A)は、本開示の一実施の形態に係る光源回路ユニット1の平面構成を表したものであり、図1(B)は、図1(A)のI−I’一点鎖線における光源回路ユニット1の断面構成を表したものである。この光源回路ユニット1は、例えば液晶表示装置などの表示装置のバックライトや白熱電球、蛍光灯に代わる光源回路ユニットとして用いられるものであり、回路基板11上にドーム状の封止レンズ12により覆われた発光素子チップ、例えばLEDチップ13を備えている。LEDチップ13の数はここでは1個としているが、2個以上としてもよく、直下式バックライトに適用する場合には行列状に多数のLEDチップ13を用いる。
【0015】
回路基板11にはその表面に光反射性の配線パターン14が設けられている。この配線パターン14には、例えば、LEDチップ13へ駆動電流を供給するための配線層14Aおよび配線層14Bと共に、LEDチップ13を搭載する台座14Cが含まれている。これら配線層14A,14Bおよび台座14Cは導電性を有し、且つ光反射性を有する材料により同一工程で形成されたものであり、互いに電気的に独立している。なお、本実施の形態では、台座14CはLEDチップ13の台座としての機能よび封止レンズ12の形状および位置を決定する機能のみを有し、本来の配線としての機能を有していない。また、配線パターン14には、台座14C上へのLEDチップ13の搭載および撥水領域(撥水層17)の形成時に使用するアライメントマーク14Dも含まれている。このアライメントマーク14Dは配線層14A,14Bを結ぶ線を基準に台座14Cの対角線上に2点設けられており、台座14Cと同一工程、且つ同一版(マスク)で形成することにより、封止レンズ12のレンズ中心とLEDチップ13の中心との位置合わせを容易にすることができる。なお、ここで、「光反射性」とは、LEDチップ13の発光光(裏面発光光)に対する反射率が90%以上の高い反射率を有する場合をいい。このような光反射性を有する材質として、具体的には、例えばアルミニウム(Al),銀(Ag)あるいはこれらの合金等が挙げられる。但し、コスト面からはAlが最も好ましい。また、ここではアライメントマーク14Dを対角線上に2点設けたが、これに限らず、例えば台座14Cを囲むように4点設けてもよい。
【0016】
なお、上記のように工程を簡略化するためには配線層14A,14B,14C,14Dは同一材料により同一工程で形成されたものが好ましいが、台座14Cは配線層14A,14Bおよびアライメントパターン14Dとは異なる材料により異なる工程で形成してもよい。
【0017】
LEDチップ13は、例えば図2に示したように、表面に2つの電極(n型電極13Aおよびp型電極13B)を有している。このLEDチップ13は、例えば透明基板13aの上に形成されたバッファ層13b,n型クラッド層13c、活性層13d、p型クラッド層13eおよびキャップ層13fにより構成されている。n型電極13Aはn型クラッド層、p型電極13Bはキャップ層にそれぞれ電気的に接続されている。
【0018】
LEDチップ13のn型電極13Aおよびp型電極13Bはそれぞれアルミニウム(Al),金(Au)などの配線(ボンディングワイヤ)15A,15Bを通じて配線層14A,14Bと電気的に接続されている。即ち、LEDチップ13は配線層14A,14Bおよび配線15A,15Bを通じて流れる電流により駆動され、発光するようになっている。
【0019】
本実施の形態では、このLEDチップ13が台座14C上に、直接に搭載されている。ここに、「直接に」とは、LEDチップ13をパッケージ化したり、台座14CとLEDチップ13との間に錫や金のめっき層などの反射層を間に設けるようなことなく、LEDチップ13の裏面(上記透明基板)そのものを台座14Cにダイボンディングなどにより固着させることを意味する。但し、図1に示したようにダイボンディング用の透明ペースト16などの接着層は台座14CとLEDチップ13との間に介在していてもよいものとする。なお、本実施の形態では透明ペースト16は導電性を有するものではないが、後述のように、両面に電極を有するLEDチップを用いる場合には、台座14Cが電流路としての機能を有するため、透明ペースト16は導電性を有するものとする。
【0020】
回路基板11としては可撓性を有し、折り曲げ可能であることが好ましく、具体的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)やフッ素、PEN(ポリエチレンナフタレート)などの樹脂製フィルムに配線パターン14を印刷したものを用いることができる。樹脂製フィルムの膜厚は例えば20μm〜50μm、配線パターン14の厚みは例えば35μm〜50μmであるが、これらに限るものではない。
【0021】
回路基板11としては、その他、表面にポリイミドやエポキシ系などの絶縁性樹脂層が形成された、Alなどのメタルベース基板の当該絶縁性樹脂層上に上記反射性材質の配線パターンを印刷したものを用いてもよい。また、FR4(ガラスエポキシ樹脂)やCEM3(ガラスコンポジット樹脂)などのガラス含有樹脂からなるフィルム基材上に上記反射性材質の配線パターンを印刷したものとしてもよい。
【0022】
封止レンズ12は、ドーム形状を有し、LEDチップ13を保護すると共に、LEDチップ13から発せられた光の取り出し効率を向上させるためのものである。この封止レンズ12は、例えばシリコンやアクリル樹脂などの透明樹脂により構成され、LEDチップ13の全体を覆うように形成されている。また、上述したように、この封止レンズ12には蛍光物質が含まれていてもよい。例えばシリコンやアクリル樹脂などの透明樹脂に蛍光物質を例えば重量比10%で混練することにより、LEDチップ13からの発光光の色調を調整することができる。即ち、LEDチップ13からの所定の波長の光が照射されると、封止レンズ12に含まれる蛍光物質が励起され、照射された波長とは異なる波長の光が射出される。蛍光物質としては、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)蛍光物質などを用いることができる。
【0023】
封止レンズ12の底部の大きさは、本実施の形態のように回路基板11上に設けられた台座14C上に直接搭載され、且つ電源供給のためのワイヤボンディング15A,15Bが必要なLEDチップ13では、ボンディングワイヤ15A,15Bがはみ出さない大きさとなる。具体的には、封止レンズ12のレンズ半径Rは、図1(B)に示したように、チップサイズLの1/2に、LEDチップ13の端面からのボンディングワイヤ15A(またはボンディングワイヤ15B)の長さAと、ボンディングワイヤ15A(15B)の長さや接続位置、封止レンズ12の形成位置やその大きさ(レンズ半径R)等の製造上のばらつきを吸収するマージンBとを足した値となる。ボンディングワイヤ15A,15Bの長さは適応製品の求める信頼性に必要な強度に適合するワイヤ径と合わせて決定される。また、製造ばらつきのマージンは使用している製造装置の精度により決定される。一例として、チップサイズLが510μmのLEDチップ13を用いた場合の封止レンズ12のレンズ半径Rは、以下のような数値となる。例えば液晶表示装置用のバックライトを想定した場合には、ボンディングワイヤの径φは25μm、ワイヤ長Aは0.7mmとなる。ダイボンディング装置の各位置精度は±0.03mm、レンズ中心の位置の精度は各±0.1mm、シリコンの塗布量によるレンズ半径の精度は±0.12mm程度である。このことからボンディングワイヤと封止レンズ12とのギャップを0.3mmとすると、この場合のマージンBはB=0.03+0.1+0.12+0.3=0.55mmとなる。従って封止レンズ12のレンズ半径Rの設計値はR=0.255+0.7+0.55≒1.6mmとなる。
【0024】
また、本実施の形態の封止レンズ12は、ドーム形状の中でも特に、封止レンズ12の底部の半径Rと高さHとの比(アスペクト比H/R)が0.8以上、好ましくは0.85以上の略半球状を有する。前述のように、封止レンズ12の材料としてシリコンを用いた場合には、空気とシリコンとの屈折率の差から、封止レンズ12表面への光は、入射角が臨界角(41.8°)を超えると封止レンズ12の内部へ全反射されてしまう。また、蛍光物質が混練された封止レンズ12では、LEDチップ13から射出された光が封止レンズ12中の蛍光物質に照射されることで蛍光物質が励起子、LEDチップ13の光とは異なる波長の光を射出する。この際、LEDチップの発光光に加え、蛍光物質の発光も全方位にほぼ均等に発光する。従って、封止レンズ12内の発光光の取り出し効率を向上させるためには、封止レンズ12のレンズ形状を、全方位に均等に発せられる光のレンズ表面への入射角が臨界角以下となるように形成することが好ましい。より好ましくは入射角0°に近い状態で封止レンズ12を通過可能な形状、即ち半球状であることがわかる。
【0025】
このような形状の封止レンズ12は、LEDチップ13と回路基板11との間に台座14Cを設けることによって得られる。
【0026】
台座14Cは、上述のように配線層14A,14Bと同一工程および同一版で形成される配線パターン14であり、LEDチップ13を搭載すると共に、封止レンズ12の外径を決定するものである。この台座14Cは円形状であり、その半径Rは封止レンズ12のレンズ半径Rの設計値となる。また、台座14Cの厚みは、少なくとも封止レンズ12を構成する材料、例えばシリコン原子の厚み(直径)以上であればよい。好ましくは20μm〜50μmとすることにより封止レンズ12の形状を略半球状に形成することができる。台座14Cには、その周縁部から側面および台座14C周辺の回路基板11にかけて撥水層17が形成されている。なお、ここでの「円形状」とは必ずしも正確な円形でなくてもよい。具体的には、上述した封止レンズ12が略半球な形状を形成可能であれば、円周状に凹凸を有していてもよい。また、ここでは撥水層17は、台座14Cの周縁部の他に側面および台座14Cの周辺領域全体に形成されているがこれに限らず、少なくとも台座14Cの周縁部およびその側面の一部に連続的に形成されていればよい。
【0027】
撥水層17は、台座14Cと共に、封止レンズ12を所定の形状および所定の位置に形成するためのものである。撥水層17が形成された台座14CにLEDチップ13を搭載したのち、台座14C上に封止剤をポッティングしていくと、封止剤は台座14Cの周縁部に設けられた撥水層17に乗り上げる。そのままポッティングを継続すると、封止剤は撥水層17の内径に沿ってある接触角を保って拡がり、やがて台座14Cの外縁に到達する。外縁部に到達した封止剤は、撥水層17の撥水性および封止剤自身の表面張力により台座14Cからこぼれることなく徐々に球形をとるようになる。この際、撥水層17の膜厚は、台座14Cと回路基板11との段差が埋まり外縁部のエッジがスロープ状にならない厚さ、例えば1μm〜2μmとすることが好ましい。撥水層17は、例えばフッ素樹脂などの撥水剤により形成される。
【0028】
なお、配線層14A,14Bと封止レンズ12の外周部分との間には、白色のレジスト層(図示せず)を設けてもよい。また、封止レンズ12により覆われた領域内の台座14Cと配線層14A,14Bとの間の回路基板11上にも白色のレジスト層を設けてもよい。白色のレジストとしては、例えば酸化チタン(TiO2)微粒子や硫酸バリウム(BaSO4)微粒子などの無機材料、光散乱のための無数の孔を有する多孔質アクリル樹脂微粒子やポリカーボネイト樹脂微粒子などの有機材料が挙げられる。具体的には、ソルダーレジストFINEDEL DSR−330S42−13W(商品名,タむら化研株式会社)などを利用することができる。これら白色のレジスト層は、ボンディング時の加熱等により反射率が低下する虞があるが、光反射機能(80%前半)を有する。
【0029】
この光源回路ユニット1は、例えば以下の工程により作製することができる。
【0030】
まず、回路基板11上に、例えば厚さ20μm〜50μmのAlのベタ膜を形成し、配線層14A,14B、台座14Cおよびアライメントマーク14Dを形成する。この時、台座14Cは上述のように、設計した封止レンズ12の半径Rと同径の円形状とする。こののち、台座14C上に透明ペースト16を塗布し、アライメントマーク14Dを用いて位置合わせを行い台座14Cの中心とLEDチップ13の中心が一致するようにLEDチップ13を搭載したのち、加熱硬化し、台座14C上にLEDチップ13を固着する。次いで、ワイヤボンディングによりLEDチップ13の2つの電極(n型電極13Aおよびp型電極13B)と配線層14A,14Bとの間を上述の配線15A,15Bにより接続させる。
【0031】
次いで、台座14Cの周縁部から台座14Cの周辺部にかけて円環状に撥水剤を塗布し、膜厚1μm〜2μmの撥水層17を形成したのち、適量の封止剤(例えばシリコン樹脂など)を台座14C上にポッティングする。ここでいう「適量」とは、台座14Cからこぼれ落ちずに表面張力を保つことが可能な量、具体的には、粘度が500mPa程度の封止剤であれば、撥水層18による接触角を保ちながら台座14Cの外周に達する量を100%とした場合、125%以上の封止剤を塗布することが好ましい。より好ましくは125%以上202%以下とすることにより、アスペクト比0.85以上の略球形の封止レンズ12を得ることができる。
【0032】
図3は封止レンズ12の形成時における封止剤のポッティング過程を表わしたものである。塗布ノズルXの位置がLEDチップ13の中心と一致している場合には、ポッティングされた封止剤はLEDチップ13を中心に左右対称に徐々に拡がる。封止剤が撥水層17に乗り上げる量まで増えていくと撥水層17の内径に沿って撥水層17がある接触角を保って拡がっていく。しかし、図3のように塗布ノズルXの位置がLEDチップ13の中心からずれている場合には、まず、封止剤は撥水層17の内径と台座14Cの外径との最も近い位置(図中、右端側)に到達する。台座14Cの内径に封止剤が達した後も封止剤の注入を続けると撥水層17に乗り上げたのち、台座14Cの外縁に達する。こののち、更に封止剤を注入すると、封止剤は台座14Cからはみ出すが、封止剤自体の表面張力で丸まろうとするため台座14Cから落ちずに留まる。更に封止剤の注入を続けると、台座14Cの外縁に沿って撥水層17の内径と台座14Cの外径の離れた方向(図中、左端側)に拡がり、やがて台座14Cの全体を覆うようになる。このように、本実施の形態では台座14Cの位置がそのまま封止レンズ12の形成位置となる。
【0033】
なお、台座14C全体を覆った状態から更に封止剤を注入すると、封止剤は表面張力によって台座14Cの外縁に留まり、徐々に液滴の高さが高くなり、アスペクト比(H/R)0.85以上の略半球状となる。但し、封止剤の表面張力を超えた注入を行うと、封止剤は自身の重量を支え切らなくなり台座14Cからこぼれ出す。このため、封止剤の注入量はそのばらつきを考慮して、台座14C全体を覆うのに必要な量と台座14Cからこぼれ落ちない限界量との中間値を塗布量としておくのが望ましい。この塗布量が、上述した125%以上202%以下である。
【0034】
台座14C上に封止剤を塗布したのち、例えば温度150°Cで4時間加熱することにより封止剤を硬化させる。これによりアスペクト比(H/R)0.85以上を有する略半球状の封止レンズ12が形成され、図1に示した光源回路ユニット1を得ることができる。
【0035】
なお、ここでは台座14CへのLEDチップ13のダイボンディングおよびワイヤボンディングののちに撥水層17を形成したが、これに限らず、撥水層17を形成したのち、台座14CへのLEDチップ13のダイボンディングおよびワイヤボンディングを行ってもかまわない。
【0036】
本実施の形態の光源回路ユニット1では、回路基板11上に、周縁部および側面の一部に撥水層17を有する台座14Cを設け、LEDチップ13を搭載する。この台座14C上に封止レンズ12を設けることにより、封止レンズ12の形状はアスペクト比(H/R)0.85以上の略半球状となる。これにより、LEDチップ13から出射される光の取り出し効率が向上する。以下、これについて更に説明する。
【0037】
(比較例1)
図4は、本実施の形態の光源回路ユニット1と同様に、回路基板111上に直接LEDチップ113をダイボンディングした光源回路ユニット100Aである。回路基板111の表面は基板基材そのもの(例えばガラスエポキシや樹脂フィルム)であったり、白レジスト剤や配線パターンとなるAgやAl等の金属層が設けられている。このような回路基板111上に封止剤を塗布して封止レンズ112を形成した場合には、回路基板111の表面は封止剤に対する撥水性が低いため、図4に示したようにアスペクト比(H/R)は0.2〜0.3程度となり、上記理想的なレンズ形状(半球状)からは程遠い形状となる。
【0038】
(比較例2)
また、図5は回路基板111に搭載したLEDチップ113の周囲に円環状の撥水層117を設けた光源回路ユニット100Bである。この光源回路ユニット100Bでは、LEDチップ113上にポッティングされた封止剤は撥水層117上に濡れ上がり、撥水層117上では接触角を保つため、上記比較例1の封止レンズ112よりもレンズの高さHを保つことが可能となる。しかしながら、このような構成でもアスペクト比(H/R)は0.6〜0.72程度までしか向上せず、十分な取り出し効率は得られない。
【0039】
また、比較例2のようにLEDチップ113の周囲に撥水層117を設けた場合には、封止レンズ112の形成位置は撥水層117に依存する。本実施の形態および比較例1,2のように回路基板上に直接LEDチップをダイボンディングした光源回路ユニットでは、通常LEDチップの搭載位置の位置合わせのためにアライメントマークを基板上に設ける。このアライメントマークは、撥水層117を形成する際の位置合わせにも使用するが、回路基板111へのLEDチップ113の搭載および撥水層117の形成はそれぞれ異なる工程および独立した装置で行われる。現在用いられているダイボンディング装置のチップ搭載位置精度は±20μm〜30μm、撥水剤塗布装置での基板位置決め精度が±20μm〜30μm、撥水剤の半の位置決め精度が±20μm〜30μm、版のパターン位置精度が±20μm〜30μm程度である。このため、LEDチップ113の中心と円環状の撥水層117の中心位置は約100μm近くばらつくこととなる。これにより、LEDチップ113の中心と封止レンズ112の中心に位置ずれが生じるという問題があった。
【0040】
上記のようにLEDチップの中心と封止レンズの中心位置がずれた光源回路ユニットでは、LEDチップに近い場所ほどLEDチップからの発光光が強くなる。このため、レンズ外に出射される光の角度ごとの光強度の分散(配光)はLEDチップの中心から対称にならない。また、封止レンズ112にLEDチップ113の発光光とは異なる発光を示す蛍光物質を混練した光源回路ユニットでは、LEDチップおよび封止レンズの中心位置のずれにより、LEDチップから封止レンズ表面までの距離にばらつきが生じる。これにより、各方向に存在する蛍光物質の量が一定にならず色度が狙いからずれてしまう虞もある。
【0041】
本実施の形態および上記比較例1,2のように、回路基板上に直接LEDチップを戴置した光源回路ユニット(ダイレクトマウント式LED)は、従来用いられているパッケージ化されたLEDチップ(パッケージ型LED)を用いた光源回路ユニットと比較して、部品点数および製造工程数の少なさなどからコストを大幅に低減することができる。その反面、バックライトとしてダイレクトマウント式LEDを用いた表示装置では、パッケージ型LEDを用いた表示装置よりも色度むらや粒むらが大きいという問題があった。これは以下の理由が挙げられる。
【0042】
パッケージ型LEDは、具体的には、リードフレーム上にLEDチップが搭載され、このLEDチップを中心にすり鉢状に設けられた反射板やハウジング等を備えると共に、これらに囲まれた空間を封止剤によって封止されたものである。完成したパッケージ型LEDは、輝度や色度あるいは駆動電圧などのばらつきが大きいため、製造後に個別に輝度や色度の検査を行い、同程度の特性を有するLEDごとに仕分されて光源回路ユニットに用いられる。このためパッケージ型LEDを複数用いた光源回路ユニットは、輝度や色度のばらつきが抑えられる。一方、ダイレクトマウント式のLEDでは、回路基板上に直接搭載するため発光特性ごとにLEDを仕分けすることはできない。このため光源回路ユニット内での輝度や色度のばらつきが発生する。よって、表示装置のバックライトとしてダイレクトマウント式のLEDを用いた際に発生する色度むらや粒むらを低減するためには、製造上のばらつきを抑えることが課題となっていた。
【0043】
本実施の形態の光源回路ユニット1では、LEDチップ13を、周縁部から側面の一部にかけて撥水層17を有する台座14C上に戴置し、この台座14C上に封止剤を塗布し、封止レンズ12を形成する。封止剤を台座14C上に塗布した際、台座14Cの周縁部および側面に設けられた撥水層17は封止剤の拡がりを制御し、封止レンズ12の高さを高く、例えば、アスペクト比(H/L)が0.9程度(具体的には0.85〜0,98)にまで向上し理想的なレンズ形状である半球状に近い封止レンズ12を形成することが可能となる。これにより、光源回路ユニット1の光取り出し効率が比較例2と比較して約5〜10%向上する。
【0044】
また、本実施の形態の光源回路ユニット1では台座14Cがそのまま封止レンズ12の形成位置となる。このため、比較例2のように撥水層117の形成時における位置ずれを考慮する必要がなくなる。また、本実施の形態では配線パターン14の一部として同一工程および同一版において、台座14Cと共に、アライメントマーク14Dを形成する。このため、台座14CへのLEDチップ13の搭載時における位置合わせの精度が向上する。即ち、LEDチップ13の中心および封止レンズ12の中心の位置ずれが低減され、上述した封止レンズ12の外部に出射される光の角度ごとの光強度の分散(配光)がLEDトップ13の中心から対称となる。即ち、封止レンズ12を備えたLEDチップ13の色度や取り出し効率、配光のばらつきが低減されるため、この形態の光源回路ユニット1をバックライトとして用いた際の粒むら等の輝度むらが低減される。よって、パッケージ型LEDをパックライトとして用いた表示装置と同程度の特性を備え、且つ安価な表示装置を提供することができる。
【0045】
具体的には、上記比較例2では、封止レンズ112の外径位置は撥水層117の内径に従い、封止レンズ112の外径は封止剤の塗布量に従う。このため、封止レンズ112の半径Rのばらつきは±0.12mm、LEDチップ113の中心と封止レンズ112の中心位置のばらつきは±0.13mmであった。これに対して本実施の形態では、上述のように封止レンズ12の外径は台座14Cの外径と一致する。このため、封止レンズ12の外径のばらつきは台座14Cの外径ばらつきと同じ、即ち印刷精度となる。LEDチップ13の中心および封止レンズ12の中心のばらつきは、アライメントマーク14Dおよび台座14Cの中心の位置精度、即ち印刷精度にLEDチップ13のダイボンディング装置の精度を加えたものとなる。配線層14A,14Bや台座14C、アライメントマーク14Dの印刷をフォトレジストで行なう場合には、その位置精度は±数μm、版のパターン形状精度は±0.05mm程度となるため、レンズ半径Rのばらつきは±0.05mm、LEDチップ13の中心と封止レンズ12の中心のばらつきは±0.03mm+数μmとなり、レンズ外径とレンズ位置のばらつきも非常に少なくなる。
【0046】
また、本実施の形態では、LEDチップ13を導電性材料からなる台座14C上に戴置するようにしたので、LEDチップ13で発生した熱は台座14Cに伝達される。即ち、放熱効果が得られ、LEDチップ13の動作特性(発光効率)および寿命特性が向上する。
【0047】
以下、上記実施の形態の変形例について説明するが、上記実施の形態と共通の構成要素については同一符号を付してその説明は省略すると共に、共通の効果についても説明を省略する。
【0048】
(変形例)
図6(A)は本変形例に係る光源回路ユニット2の平面構成を表したものであり、図6(B)は、図6(A)のII−II’一点鎖線における光源回路ユニット2の断面構成を表したものである。本変形例の光源回路ユニット2は、台座24Cを撥水剤により形成した点が上記実施の形態の光源回路ユニット1とは異なる。また、LEDチップ13は配線層14A,14Bおよびアライメントマーク14Dと同一材料および同一工程で形成されたチップ搭載層24Eに搭載されている。なお、台座24Cの厚み等の形状は上記14Cと同様である。また、ここではLEDチップ13を配線パターン14と同一材料のチップ搭載層24E上に戴置したが、撥水剤からなる台座24C上に戴置しても構わない。但し、ボンディングの容易さおよび導電性材料による放熱効果等から、LEDチップはチップ搭載層24E上に戴置することが好ましい。
【0049】
本変形例の光源回路ユニット2では、台座24Cを撥水剤で形成することにより、光源回路ユニット2の製造工程において、撥水層の形成工程が省略され、工程数が削減される。
【0050】
上記光源回路ユニット1,2は折り曲げ可能であり、例えば街灯や手術用の照明など各種用途の照明装置に適用することができる。また、液晶表示装置などの表示装置のバックライト(照明装置)としても適用可能である。その場合には、液晶パネルの直下に光源ユニットを配置する直下型でも、あるいは導光板の端面に光源を配置するエッジ型のいずれでも適用可能である。
【0051】
(適用例1)
図7は直下型のバックライトを用いた液晶表示装置の構成を表すものである。このバックライト40は、例えば上記光源回路ユニット1をバックシャーシ41(支持部材)の底面に配置したものである。光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ42により光学シート、例えば拡散シート43が支持されている。バックシャーシ41の側壁にも拡散シート44が設けられている。
【0052】
この液晶表示装置では、光源回路ユニット1の封止レンズ12から取り出された光は拡散シート43を透過して液晶パネル45に至ると共に、一部は拡散シート43,44により反射され、更にその反射光が上記の白色レジスト層や反射シート等により再び拡散シート43に戻されて液晶パネル45に至り、その結果表示なされる。
【0053】
(適用例2)
上記のような直下型のバックライトでは、基板の製造上の都合で、大判の光源回路ユニット1を製造することが困難であり、基板を細かく分割する場合がある。図8(A),(B)はこのような分割基板を用いたバックライト50の構成を表している。図8(A)はその平面構成、図8(B)はその断面構成を表すものである。このバックライト50は、例えば上記光源回路ユニット1をバックシャーシ51(支持部材)の底面に配置したものである。光源回路ユニット1は、複数個、並列配置されており、これら複数の光源回路ユニット1に共通に反射シート51が設けられている。反射シート51は例えばAlにより構成されており、各LEDチップ13に対応して開口51Aを有している。
【0054】
光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ52により拡散シート53が支持されている。このバックライト50の前面には液晶パネル54が配設されている。バックシャーシ51の背面には、光源回路ユニット1に駆動電流を供給するためのLED駆動回路基板55が配設されている。このLED駆動回路基板55にはコネクタ55Aが設けられている。反射シート51の一辺側にはACF(異方性導電樹脂)56を介してFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)57の一端が熱圧着により接合されている。バックシャーシ51にはこのFFC57の端面形状(矩形)に対応した形状の貫通孔57Aが設けられている。FFC57はバックシャーシ51の内部から貫通孔57Aを通して背面側に沿うよう折り曲げられている。FFC57の端部はコネクタ差し込み部となっており、このコネクタ差し込み部がLED駆動回路基板55のコネクタ55Aに差し込まれ、互いに電気的に結合されている。
【0055】
このようなバックライト50を備えた液晶表示装置では、分割基板を用いているため、上記ダイレクトボンディングにより一部に不良品が発生したとしても、当該不良品を交換するのみで対処でき,全ての基板を交換する必要がなくなる。
【0056】
(適用例3)
図9は適用例3に係る液晶表示装置の構成を表すものである。バックライト60は、例えば上記光源回路ユニット1をバックシャーシ61の底面に配置したものであり、光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ62により拡散シート63が支持されている。バックライト60の前面には液晶パネル64が配設されている。バックシャーシ61の背面にはLED駆動回路基板65が配設されている。このLED駆動回路基板65にはコネクタ65Aが設けられている。バックシャーシ61の端部近傍には光源回路ユニット1の回路基板11の端面形状(矩形)に対応した形状の貫通孔61Aが設けられている。回路基板11の端部側はこの貫通孔61Aを通して背面側に沿うよう折り曲げられている。回路基板11の端部はコネクタ差し込み部となっており、このコネクタ差し込み部がLED駆動回路基板65のコネクタ65Aに差し込まれ、互いに電気的に結合されている。なお、回路基板11側の配線パターン14がAlで形成され、コネクタ65A側の端子が金(Au)めっきである場合には、異種金属による電食を防止するために回路基板11のコネクタ差し込み部先端には金または錫めっきを施すことが望ましい。
【0057】
従来、LED回路基板とLED駆動回路基板との電気的接続は、それぞれにコネクタを設け、FFCやハーネスなどの結線部材によりこれら2つのコネクタ間を結合することにより行われている。しかしながら、LED自体の単価が大きく低下している中で、コネクタ端子や結線部材のコストが無視できないようになっている。これに対して、本実施の形態では、光源回路ユニット1の回路基板11は可撓性を有し、図9に示したようにバックシャーシ61の背面側まで折り曲げ可能であるため、当該回路基板11上のコネクタおよび結線部材は不要となり、部品点数およびコストの削減が可能となる。
【0058】
(適用例4)
図10は、同じく直下型のバックライトを用いた液晶表示装置の構成を表すものである。バックライト70は、例えば上記光源回路ユニット1をバックシャーシ71の底面に配置したものであり、光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ72により拡散シート73が支持されている。光源回路ユニット1にはまた上記反射シート23が配設されている。バックライト70の前面には液晶パネル74が配設されている。バックシャーシ71の背面には、光源回路ユニット1に駆動電流を供給するためのLED駆動回路基板75が配設されている。このLED駆動回路基板75にはコネクタ75Aが設けられている。光源回路ユニット1とLED駆動回路基板75との電気的接続は適用例3と同様である。バックシャーシ71の背面から液晶パネル74の前面の周縁部まではリアカバー76(背面保護部材)により覆われている。
【0059】
このバックライト70では、その上下・左右の端面に向ってバックシャーシ71が湾曲されており、光源回路ユニット1もそれに倣って湾曲している。そして、この光源回路ユニット1では、LEDチップ13間のピッチも湾曲の程度に合わせて上下・左右の端面になるほど狭くなっており、LEDチップ13への駆動電流もピッチが狭く密集した割合に応じて下げるようになっている。また、リアカバー76にもバックシャーシ71の湾曲部に倣ってテーパ76Aが設けられている。
【0060】
即ち、この液晶表示装置では、バックシャーシ71および光源回路ユニット1を湾曲させてその上下・左右の端面側の薄型化を図ると共に、それに併せてリアカバー76にテーパ76Aを設けることにより、全体としてより薄く見えるようにしたものである。このような構成の液晶表示装置では、光源回路ユニット1のLEDチップ13は端面側になるほど液晶パネル74との間の光学的距離が短くなり、チップ間のピッチが均一であるとLEDチップの粒むらが発生する。これに対して、この適用例4では、光源回路ユニット1の湾曲の程度に合わせてLEDチップ13間のピッチを変化させると共に、LEDチップ13への駆動電流もピッチに応じて変化させるようになっている。これにより、液晶パネル74での面輝度を一定に保つよう制御することが可能になる。
【0061】
(適用例5)
図11はエッジ型のバックライトを用いた液晶表示装置の構成を表すものである。このバックライト80は、例えば上記光源回路ユニット1を導光板81の端面に対向するようバックシャーシ81(支持部材)の側壁に配置したものである。光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ82により拡散シート83が支持されている。このバックライト80の前面には液晶パネル84が配設されている。
【0062】
この液晶表示装置では、光源回路ユニット1の封止レンズ12から取り出された光は導光板81により照射方向が拡散シート83側に変換される。そののち、図7の場合と同様に拡散シート83を透過して液晶パネル84に至ると共に、一部は拡散シート83により反射され、更にその反射光が上記の白色レジスト層や反射シート等により再び拡散シート83に戻されて液晶パネル84に至り、その結果表示が行われる。
【0063】
適用例1〜5として直下型およびエッジ型の液晶表示装置を説明したが、本開示の光源回路ユニット1,2をバックライトとして用いることにより、上記比較例1,2に示した光源回路ユニット100A,100Bと比較して各光源回路ユニット1から取り出される光の指向性および色度のばらつきが低減される。即ち、従来用いられているパッケージ型LEDを備えた光源回路ユニットと同程度に粒むらおよびカーテンむら等の輝度むらや色度むらが低減される。よって、パッケージ化されたLEDを備えた光源回路ユニットを有する表示装置よりも安価(具体的には2〜5割程度削減)で、表示性能の高い表示装置を提供することが可能となる。
【0064】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態等においては、片面に2つの電極を有するLEDチップ13を用いて説明したが、図12に示したように両面にそれぞれ対向してn型電極61Aおよびp型電極61Bを有するタイプLEDチップ61としてもよい。このような場合には、台座14Cは他の配線層14Bと一体的に形成されると共に、透明ペースト62を導電性のものとする。即ち、LEDチップ61の一方のp型電極61Bには配線層14Aおよび配線15Aを通じて、他方のn型電極61Aには配線層14Bおよび台座14Cを通じて駆動電流が供給される。
【0065】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを備えた光源回路ユニット。
(2)前記台座は前記配線パターンの一部であると共に、前記撥水領域は撥水剤によって形成されている、前記(1)に記載の光源回路ユニット。
(3)前記台座は撥水剤により形成されている、前記(1)に記載の光源回路ユニット。
(4)前記発光素子チップは発光ダイオードである、前記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の光源回路ユニット。
(5)前記発光素子チップは片面に一対の電極を有し、前記配線パターンは、前記台座と、前記発光素子チップの2つの電極がそれぞれ電気的に接続される第1配線層および第2配線層とを含む、前記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の光源回路ユニット。
(6)前記発光素子チップは両面に一対の電極を有し、前記配線パターンは、前記発光素子チップの一方の電極が電気的に接続される、前記台座を兼ねた配線層と、他方の電極が電気的に接続される他の配線層とを含む、前記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の光源回路ユニット。
(7)前記台座への発光素子チップの搭載および前記封止レンズの形成時の位置合わせに用いられるアライメントマークは、前記配線パターンの一部である、前記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の光源回路ユニット。
(8)内部に光源回路ユニットを支持する支持部材と、前記光源回路ユニットの全面に対向配置された拡散シートとを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(9)内部に導光板を支持する支持部材と、前記導光板の全面に対向配置された拡散シートと、前記支持部材内の前記導光板の端面に対向配置された光源回路ユニットとを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(10)前面から背面への貫通孔を有する支持部材と、前記支持部材の前方に支持された光学シートと、コネクタを有し、前記支持部材の背面に配置された駆動基板と、前記光学シートと前記支持部材との間に配置されると共に、前記貫通孔を介して前記支持部材の背面まで延在し、かつ前記コネクタを介して前記駆動基板に電気的に接続された、折り曲げ可能な光源回路ユニットとを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(11)前面から背面への貫通孔を有する支持部材と、前記支持部材の前方に支持された光学シートと、コネクタを有し、前記支持部材の背面に配置された駆動基板と、前記光学シートと前記支持部材との間に併設された複数の光源回路ユニットと、前記支持部材の内部から前記貫通孔を通って背面に至ると共に、前記複数の光源回路ユニットそれぞれとは異方性導電樹脂を介して、前記駆動基板とは前記コネクタを介して電気的に接続された折り曲げ可能な接続部材とを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(12)光学シートと、中央から端面側になるにつれて前記光学シートとの距離が狭くなるような湾曲底面を有する支持部材と、複数の発光素子チップを(1または2以上の)列状に有すると共に、前記支持部材内に前記湾曲底面に沿って収容された折り曲げ可能な光源回路ユニットと、前記光学シートの両端近傍から前記支持部材の背面全体を覆うと共に、前記支持部材の湾曲底面に倣った傾斜面を有する背面保護部材とを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(13)前記複数の発光素子チップの列方向の配列ピッチが前記収容空間の幅が狭くなるにつれて狭くなっている、前記(12)に記載の照明装置。
(14)面輝度を均一化するよう前記複数の発光素子チップに対する駆動電流を前記発光素子チップの列方向の配列ピッチに応じて調整する、前記(13)に記載の照明装置。
(15)表示パネルと、前記表示パネルに対する光源としての光源回路ユニットとを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する表示装置。
【符号の説明】
【0066】
1,2…光源回路ユニット、11…回路基板、12…封止レンズ、13…LEDチップ(発光素子チップ)、14…配線パターン、14A,14B…配線層、14C,24C…台座、14D…アライメントマーク、15A,15B…配線(ボンディングワイヤ)、16…透明ペースト、17…撥水層、24E…チップ搭載層。
【技術分野】
【0001】
本技術は、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode) などの発光素子を光源に用いた光源回路ユニットおよび照明装置、並びにこの照明装置をバックライトとして備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は液晶表示装置等のバックライト(光源)や、白熱電球や蛍光灯に代わる照明装置の光源として注目されている。
【0003】
通常、基板等に搭載したLEDチップは封止剤(封止レンズ)によって封止されている。この封止剤は、主にシリコン等が用いられており、その屈折率は1.5前後となっている。屈折率1.5の物質から屈折率1.0の空気に向かって光が入射する場合、臨界角は約41.8°となり、封止レンズ表面への入射角が41.8°を超えた光は全反射され、外部に出射されなくなる。また、LEDを用いた光源では、封止剤に蛍光物質を混練することで、LEDの発光光とは異なる波長の光を得ることができる。封止剤に混練された蛍光物質は、LEDから照射された光によって励起され、全方位にほぼ均等に光を発する。このことから、封止レンズの形状を、封レンズ内部で発せられた光が最も多くレンズ表面をまっすぐ通過することが可能となる形状、即ち半球状とすることによって光取り出し効率が向上することがわかる。
【0004】
半球状の封止レンズを形成する方法としては、封止領域の外側にレジスト層を設け、レジスト層と基板との撥水性の差によってレンズ形状を調整するLEDチップの樹脂封止方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−332770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような封止方法では、実際には封止剤はレジスト層上に濡れ上がり、半球状からは程遠い形状のレンズしか得られないという問題があった。このため、十分な光取り出し効率の改善は見られなかった。
【0007】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、光取り出し効率が向上した光源回路ユニットおよび照明装置、並びに表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術による光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、台座上に戴置されると共に、配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを備えたものである。
【0009】
本技術による照明装置および表示装置はそれぞれ上記光源回路ユニットを備えたものである。
【0010】
本技術の光源回路ユニット、照明装置または表示装置では、発光素子チップを、周縁部から側面の一部にかけて撥水領域を有する台座上に戴置することにより、この台座と略同径、且つ略半球形状の封止レンズが得られる。
【発明の効果】
【0011】
本技術の光源回路ユニットおよび照明装置、並びに表示装置によれば、発光素子チップを、周縁部から側面の一部にかけて撥水領域を有する台座上に戴置し、この台座上に封止レンズを設けるようにした。これにより、台座と略同径、且つ略半球状の封止レンズが形成され、発光素子チップの発光光を効率よく取り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の一実施の形態に係る光源回路ユニットを表す平面図および断面図である。
【図2】LEDチップの電極構成を表す図である。
【図3】封止レンズの形成過程を説明する模式図である。
【図4】比較例1に係る光源回路ユニットの断面図である。
【図5】比較例2に係る光源回路ユニットの断面図である。
【図6】変形例に係る光源回路ユニットの平面図および断面図である。
【図7】適用例1に係る液晶表示装置を表す断面図である。
【図8】適用例2に係る液晶表示装置を表す要部平面図および断面図である。
【図9】適用例3に係る液晶表示装置を表す断面図である。
【図10】適用例4に係る液晶表示装置を表す断面図である。
【図11】適用例5に係る液晶表示装置を表す断面図である。
【図12】他のLEDチップの配線構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
実施の形態(周縁部から側面にかけて撥水領域を有する台座上にLEDチップを搭載した例)
変形例(台座を撥水剤で形成した例)
適用例1(直下式バックライトの例)
適用例2(分割基板の例)
適用例3(回路基板を折り曲げて支持部材の背面側で駆動基板に接続した例)
適用例4(支持部材と共に回路基板を湾曲させた例)
適用例5(エッジ式バックライトの例)
【0014】
(実施の形態)
図1(A)は、本開示の一実施の形態に係る光源回路ユニット1の平面構成を表したものであり、図1(B)は、図1(A)のI−I’一点鎖線における光源回路ユニット1の断面構成を表したものである。この光源回路ユニット1は、例えば液晶表示装置などの表示装置のバックライトや白熱電球、蛍光灯に代わる光源回路ユニットとして用いられるものであり、回路基板11上にドーム状の封止レンズ12により覆われた発光素子チップ、例えばLEDチップ13を備えている。LEDチップ13の数はここでは1個としているが、2個以上としてもよく、直下式バックライトに適用する場合には行列状に多数のLEDチップ13を用いる。
【0015】
回路基板11にはその表面に光反射性の配線パターン14が設けられている。この配線パターン14には、例えば、LEDチップ13へ駆動電流を供給するための配線層14Aおよび配線層14Bと共に、LEDチップ13を搭載する台座14Cが含まれている。これら配線層14A,14Bおよび台座14Cは導電性を有し、且つ光反射性を有する材料により同一工程で形成されたものであり、互いに電気的に独立している。なお、本実施の形態では、台座14CはLEDチップ13の台座としての機能よび封止レンズ12の形状および位置を決定する機能のみを有し、本来の配線としての機能を有していない。また、配線パターン14には、台座14C上へのLEDチップ13の搭載および撥水領域(撥水層17)の形成時に使用するアライメントマーク14Dも含まれている。このアライメントマーク14Dは配線層14A,14Bを結ぶ線を基準に台座14Cの対角線上に2点設けられており、台座14Cと同一工程、且つ同一版(マスク)で形成することにより、封止レンズ12のレンズ中心とLEDチップ13の中心との位置合わせを容易にすることができる。なお、ここで、「光反射性」とは、LEDチップ13の発光光(裏面発光光)に対する反射率が90%以上の高い反射率を有する場合をいい。このような光反射性を有する材質として、具体的には、例えばアルミニウム(Al),銀(Ag)あるいはこれらの合金等が挙げられる。但し、コスト面からはAlが最も好ましい。また、ここではアライメントマーク14Dを対角線上に2点設けたが、これに限らず、例えば台座14Cを囲むように4点設けてもよい。
【0016】
なお、上記のように工程を簡略化するためには配線層14A,14B,14C,14Dは同一材料により同一工程で形成されたものが好ましいが、台座14Cは配線層14A,14Bおよびアライメントパターン14Dとは異なる材料により異なる工程で形成してもよい。
【0017】
LEDチップ13は、例えば図2に示したように、表面に2つの電極(n型電極13Aおよびp型電極13B)を有している。このLEDチップ13は、例えば透明基板13aの上に形成されたバッファ層13b,n型クラッド層13c、活性層13d、p型クラッド層13eおよびキャップ層13fにより構成されている。n型電極13Aはn型クラッド層、p型電極13Bはキャップ層にそれぞれ電気的に接続されている。
【0018】
LEDチップ13のn型電極13Aおよびp型電極13Bはそれぞれアルミニウム(Al),金(Au)などの配線(ボンディングワイヤ)15A,15Bを通じて配線層14A,14Bと電気的に接続されている。即ち、LEDチップ13は配線層14A,14Bおよび配線15A,15Bを通じて流れる電流により駆動され、発光するようになっている。
【0019】
本実施の形態では、このLEDチップ13が台座14C上に、直接に搭載されている。ここに、「直接に」とは、LEDチップ13をパッケージ化したり、台座14CとLEDチップ13との間に錫や金のめっき層などの反射層を間に設けるようなことなく、LEDチップ13の裏面(上記透明基板)そのものを台座14Cにダイボンディングなどにより固着させることを意味する。但し、図1に示したようにダイボンディング用の透明ペースト16などの接着層は台座14CとLEDチップ13との間に介在していてもよいものとする。なお、本実施の形態では透明ペースト16は導電性を有するものではないが、後述のように、両面に電極を有するLEDチップを用いる場合には、台座14Cが電流路としての機能を有するため、透明ペースト16は導電性を有するものとする。
【0020】
回路基板11としては可撓性を有し、折り曲げ可能であることが好ましく、具体的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)やフッ素、PEN(ポリエチレンナフタレート)などの樹脂製フィルムに配線パターン14を印刷したものを用いることができる。樹脂製フィルムの膜厚は例えば20μm〜50μm、配線パターン14の厚みは例えば35μm〜50μmであるが、これらに限るものではない。
【0021】
回路基板11としては、その他、表面にポリイミドやエポキシ系などの絶縁性樹脂層が形成された、Alなどのメタルベース基板の当該絶縁性樹脂層上に上記反射性材質の配線パターンを印刷したものを用いてもよい。また、FR4(ガラスエポキシ樹脂)やCEM3(ガラスコンポジット樹脂)などのガラス含有樹脂からなるフィルム基材上に上記反射性材質の配線パターンを印刷したものとしてもよい。
【0022】
封止レンズ12は、ドーム形状を有し、LEDチップ13を保護すると共に、LEDチップ13から発せられた光の取り出し効率を向上させるためのものである。この封止レンズ12は、例えばシリコンやアクリル樹脂などの透明樹脂により構成され、LEDチップ13の全体を覆うように形成されている。また、上述したように、この封止レンズ12には蛍光物質が含まれていてもよい。例えばシリコンやアクリル樹脂などの透明樹脂に蛍光物質を例えば重量比10%で混練することにより、LEDチップ13からの発光光の色調を調整することができる。即ち、LEDチップ13からの所定の波長の光が照射されると、封止レンズ12に含まれる蛍光物質が励起され、照射された波長とは異なる波長の光が射出される。蛍光物質としては、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)蛍光物質などを用いることができる。
【0023】
封止レンズ12の底部の大きさは、本実施の形態のように回路基板11上に設けられた台座14C上に直接搭載され、且つ電源供給のためのワイヤボンディング15A,15Bが必要なLEDチップ13では、ボンディングワイヤ15A,15Bがはみ出さない大きさとなる。具体的には、封止レンズ12のレンズ半径Rは、図1(B)に示したように、チップサイズLの1/2に、LEDチップ13の端面からのボンディングワイヤ15A(またはボンディングワイヤ15B)の長さAと、ボンディングワイヤ15A(15B)の長さや接続位置、封止レンズ12の形成位置やその大きさ(レンズ半径R)等の製造上のばらつきを吸収するマージンBとを足した値となる。ボンディングワイヤ15A,15Bの長さは適応製品の求める信頼性に必要な強度に適合するワイヤ径と合わせて決定される。また、製造ばらつきのマージンは使用している製造装置の精度により決定される。一例として、チップサイズLが510μmのLEDチップ13を用いた場合の封止レンズ12のレンズ半径Rは、以下のような数値となる。例えば液晶表示装置用のバックライトを想定した場合には、ボンディングワイヤの径φは25μm、ワイヤ長Aは0.7mmとなる。ダイボンディング装置の各位置精度は±0.03mm、レンズ中心の位置の精度は各±0.1mm、シリコンの塗布量によるレンズ半径の精度は±0.12mm程度である。このことからボンディングワイヤと封止レンズ12とのギャップを0.3mmとすると、この場合のマージンBはB=0.03+0.1+0.12+0.3=0.55mmとなる。従って封止レンズ12のレンズ半径Rの設計値はR=0.255+0.7+0.55≒1.6mmとなる。
【0024】
また、本実施の形態の封止レンズ12は、ドーム形状の中でも特に、封止レンズ12の底部の半径Rと高さHとの比(アスペクト比H/R)が0.8以上、好ましくは0.85以上の略半球状を有する。前述のように、封止レンズ12の材料としてシリコンを用いた場合には、空気とシリコンとの屈折率の差から、封止レンズ12表面への光は、入射角が臨界角(41.8°)を超えると封止レンズ12の内部へ全反射されてしまう。また、蛍光物質が混練された封止レンズ12では、LEDチップ13から射出された光が封止レンズ12中の蛍光物質に照射されることで蛍光物質が励起子、LEDチップ13の光とは異なる波長の光を射出する。この際、LEDチップの発光光に加え、蛍光物質の発光も全方位にほぼ均等に発光する。従って、封止レンズ12内の発光光の取り出し効率を向上させるためには、封止レンズ12のレンズ形状を、全方位に均等に発せられる光のレンズ表面への入射角が臨界角以下となるように形成することが好ましい。より好ましくは入射角0°に近い状態で封止レンズ12を通過可能な形状、即ち半球状であることがわかる。
【0025】
このような形状の封止レンズ12は、LEDチップ13と回路基板11との間に台座14Cを設けることによって得られる。
【0026】
台座14Cは、上述のように配線層14A,14Bと同一工程および同一版で形成される配線パターン14であり、LEDチップ13を搭載すると共に、封止レンズ12の外径を決定するものである。この台座14Cは円形状であり、その半径Rは封止レンズ12のレンズ半径Rの設計値となる。また、台座14Cの厚みは、少なくとも封止レンズ12を構成する材料、例えばシリコン原子の厚み(直径)以上であればよい。好ましくは20μm〜50μmとすることにより封止レンズ12の形状を略半球状に形成することができる。台座14Cには、その周縁部から側面および台座14C周辺の回路基板11にかけて撥水層17が形成されている。なお、ここでの「円形状」とは必ずしも正確な円形でなくてもよい。具体的には、上述した封止レンズ12が略半球な形状を形成可能であれば、円周状に凹凸を有していてもよい。また、ここでは撥水層17は、台座14Cの周縁部の他に側面および台座14Cの周辺領域全体に形成されているがこれに限らず、少なくとも台座14Cの周縁部およびその側面の一部に連続的に形成されていればよい。
【0027】
撥水層17は、台座14Cと共に、封止レンズ12を所定の形状および所定の位置に形成するためのものである。撥水層17が形成された台座14CにLEDチップ13を搭載したのち、台座14C上に封止剤をポッティングしていくと、封止剤は台座14Cの周縁部に設けられた撥水層17に乗り上げる。そのままポッティングを継続すると、封止剤は撥水層17の内径に沿ってある接触角を保って拡がり、やがて台座14Cの外縁に到達する。外縁部に到達した封止剤は、撥水層17の撥水性および封止剤自身の表面張力により台座14Cからこぼれることなく徐々に球形をとるようになる。この際、撥水層17の膜厚は、台座14Cと回路基板11との段差が埋まり外縁部のエッジがスロープ状にならない厚さ、例えば1μm〜2μmとすることが好ましい。撥水層17は、例えばフッ素樹脂などの撥水剤により形成される。
【0028】
なお、配線層14A,14Bと封止レンズ12の外周部分との間には、白色のレジスト層(図示せず)を設けてもよい。また、封止レンズ12により覆われた領域内の台座14Cと配線層14A,14Bとの間の回路基板11上にも白色のレジスト層を設けてもよい。白色のレジストとしては、例えば酸化チタン(TiO2)微粒子や硫酸バリウム(BaSO4)微粒子などの無機材料、光散乱のための無数の孔を有する多孔質アクリル樹脂微粒子やポリカーボネイト樹脂微粒子などの有機材料が挙げられる。具体的には、ソルダーレジストFINEDEL DSR−330S42−13W(商品名,タむら化研株式会社)などを利用することができる。これら白色のレジスト層は、ボンディング時の加熱等により反射率が低下する虞があるが、光反射機能(80%前半)を有する。
【0029】
この光源回路ユニット1は、例えば以下の工程により作製することができる。
【0030】
まず、回路基板11上に、例えば厚さ20μm〜50μmのAlのベタ膜を形成し、配線層14A,14B、台座14Cおよびアライメントマーク14Dを形成する。この時、台座14Cは上述のように、設計した封止レンズ12の半径Rと同径の円形状とする。こののち、台座14C上に透明ペースト16を塗布し、アライメントマーク14Dを用いて位置合わせを行い台座14Cの中心とLEDチップ13の中心が一致するようにLEDチップ13を搭載したのち、加熱硬化し、台座14C上にLEDチップ13を固着する。次いで、ワイヤボンディングによりLEDチップ13の2つの電極(n型電極13Aおよびp型電極13B)と配線層14A,14Bとの間を上述の配線15A,15Bにより接続させる。
【0031】
次いで、台座14Cの周縁部から台座14Cの周辺部にかけて円環状に撥水剤を塗布し、膜厚1μm〜2μmの撥水層17を形成したのち、適量の封止剤(例えばシリコン樹脂など)を台座14C上にポッティングする。ここでいう「適量」とは、台座14Cからこぼれ落ちずに表面張力を保つことが可能な量、具体的には、粘度が500mPa程度の封止剤であれば、撥水層18による接触角を保ちながら台座14Cの外周に達する量を100%とした場合、125%以上の封止剤を塗布することが好ましい。より好ましくは125%以上202%以下とすることにより、アスペクト比0.85以上の略球形の封止レンズ12を得ることができる。
【0032】
図3は封止レンズ12の形成時における封止剤のポッティング過程を表わしたものである。塗布ノズルXの位置がLEDチップ13の中心と一致している場合には、ポッティングされた封止剤はLEDチップ13を中心に左右対称に徐々に拡がる。封止剤が撥水層17に乗り上げる量まで増えていくと撥水層17の内径に沿って撥水層17がある接触角を保って拡がっていく。しかし、図3のように塗布ノズルXの位置がLEDチップ13の中心からずれている場合には、まず、封止剤は撥水層17の内径と台座14Cの外径との最も近い位置(図中、右端側)に到達する。台座14Cの内径に封止剤が達した後も封止剤の注入を続けると撥水層17に乗り上げたのち、台座14Cの外縁に達する。こののち、更に封止剤を注入すると、封止剤は台座14Cからはみ出すが、封止剤自体の表面張力で丸まろうとするため台座14Cから落ちずに留まる。更に封止剤の注入を続けると、台座14Cの外縁に沿って撥水層17の内径と台座14Cの外径の離れた方向(図中、左端側)に拡がり、やがて台座14Cの全体を覆うようになる。このように、本実施の形態では台座14Cの位置がそのまま封止レンズ12の形成位置となる。
【0033】
なお、台座14C全体を覆った状態から更に封止剤を注入すると、封止剤は表面張力によって台座14Cの外縁に留まり、徐々に液滴の高さが高くなり、アスペクト比(H/R)0.85以上の略半球状となる。但し、封止剤の表面張力を超えた注入を行うと、封止剤は自身の重量を支え切らなくなり台座14Cからこぼれ出す。このため、封止剤の注入量はそのばらつきを考慮して、台座14C全体を覆うのに必要な量と台座14Cからこぼれ落ちない限界量との中間値を塗布量としておくのが望ましい。この塗布量が、上述した125%以上202%以下である。
【0034】
台座14C上に封止剤を塗布したのち、例えば温度150°Cで4時間加熱することにより封止剤を硬化させる。これによりアスペクト比(H/R)0.85以上を有する略半球状の封止レンズ12が形成され、図1に示した光源回路ユニット1を得ることができる。
【0035】
なお、ここでは台座14CへのLEDチップ13のダイボンディングおよびワイヤボンディングののちに撥水層17を形成したが、これに限らず、撥水層17を形成したのち、台座14CへのLEDチップ13のダイボンディングおよびワイヤボンディングを行ってもかまわない。
【0036】
本実施の形態の光源回路ユニット1では、回路基板11上に、周縁部および側面の一部に撥水層17を有する台座14Cを設け、LEDチップ13を搭載する。この台座14C上に封止レンズ12を設けることにより、封止レンズ12の形状はアスペクト比(H/R)0.85以上の略半球状となる。これにより、LEDチップ13から出射される光の取り出し効率が向上する。以下、これについて更に説明する。
【0037】
(比較例1)
図4は、本実施の形態の光源回路ユニット1と同様に、回路基板111上に直接LEDチップ113をダイボンディングした光源回路ユニット100Aである。回路基板111の表面は基板基材そのもの(例えばガラスエポキシや樹脂フィルム)であったり、白レジスト剤や配線パターンとなるAgやAl等の金属層が設けられている。このような回路基板111上に封止剤を塗布して封止レンズ112を形成した場合には、回路基板111の表面は封止剤に対する撥水性が低いため、図4に示したようにアスペクト比(H/R)は0.2〜0.3程度となり、上記理想的なレンズ形状(半球状)からは程遠い形状となる。
【0038】
(比較例2)
また、図5は回路基板111に搭載したLEDチップ113の周囲に円環状の撥水層117を設けた光源回路ユニット100Bである。この光源回路ユニット100Bでは、LEDチップ113上にポッティングされた封止剤は撥水層117上に濡れ上がり、撥水層117上では接触角を保つため、上記比較例1の封止レンズ112よりもレンズの高さHを保つことが可能となる。しかしながら、このような構成でもアスペクト比(H/R)は0.6〜0.72程度までしか向上せず、十分な取り出し効率は得られない。
【0039】
また、比較例2のようにLEDチップ113の周囲に撥水層117を設けた場合には、封止レンズ112の形成位置は撥水層117に依存する。本実施の形態および比較例1,2のように回路基板上に直接LEDチップをダイボンディングした光源回路ユニットでは、通常LEDチップの搭載位置の位置合わせのためにアライメントマークを基板上に設ける。このアライメントマークは、撥水層117を形成する際の位置合わせにも使用するが、回路基板111へのLEDチップ113の搭載および撥水層117の形成はそれぞれ異なる工程および独立した装置で行われる。現在用いられているダイボンディング装置のチップ搭載位置精度は±20μm〜30μm、撥水剤塗布装置での基板位置決め精度が±20μm〜30μm、撥水剤の半の位置決め精度が±20μm〜30μm、版のパターン位置精度が±20μm〜30μm程度である。このため、LEDチップ113の中心と円環状の撥水層117の中心位置は約100μm近くばらつくこととなる。これにより、LEDチップ113の中心と封止レンズ112の中心に位置ずれが生じるという問題があった。
【0040】
上記のようにLEDチップの中心と封止レンズの中心位置がずれた光源回路ユニットでは、LEDチップに近い場所ほどLEDチップからの発光光が強くなる。このため、レンズ外に出射される光の角度ごとの光強度の分散(配光)はLEDチップの中心から対称にならない。また、封止レンズ112にLEDチップ113の発光光とは異なる発光を示す蛍光物質を混練した光源回路ユニットでは、LEDチップおよび封止レンズの中心位置のずれにより、LEDチップから封止レンズ表面までの距離にばらつきが生じる。これにより、各方向に存在する蛍光物質の量が一定にならず色度が狙いからずれてしまう虞もある。
【0041】
本実施の形態および上記比較例1,2のように、回路基板上に直接LEDチップを戴置した光源回路ユニット(ダイレクトマウント式LED)は、従来用いられているパッケージ化されたLEDチップ(パッケージ型LED)を用いた光源回路ユニットと比較して、部品点数および製造工程数の少なさなどからコストを大幅に低減することができる。その反面、バックライトとしてダイレクトマウント式LEDを用いた表示装置では、パッケージ型LEDを用いた表示装置よりも色度むらや粒むらが大きいという問題があった。これは以下の理由が挙げられる。
【0042】
パッケージ型LEDは、具体的には、リードフレーム上にLEDチップが搭載され、このLEDチップを中心にすり鉢状に設けられた反射板やハウジング等を備えると共に、これらに囲まれた空間を封止剤によって封止されたものである。完成したパッケージ型LEDは、輝度や色度あるいは駆動電圧などのばらつきが大きいため、製造後に個別に輝度や色度の検査を行い、同程度の特性を有するLEDごとに仕分されて光源回路ユニットに用いられる。このためパッケージ型LEDを複数用いた光源回路ユニットは、輝度や色度のばらつきが抑えられる。一方、ダイレクトマウント式のLEDでは、回路基板上に直接搭載するため発光特性ごとにLEDを仕分けすることはできない。このため光源回路ユニット内での輝度や色度のばらつきが発生する。よって、表示装置のバックライトとしてダイレクトマウント式のLEDを用いた際に発生する色度むらや粒むらを低減するためには、製造上のばらつきを抑えることが課題となっていた。
【0043】
本実施の形態の光源回路ユニット1では、LEDチップ13を、周縁部から側面の一部にかけて撥水層17を有する台座14C上に戴置し、この台座14C上に封止剤を塗布し、封止レンズ12を形成する。封止剤を台座14C上に塗布した際、台座14Cの周縁部および側面に設けられた撥水層17は封止剤の拡がりを制御し、封止レンズ12の高さを高く、例えば、アスペクト比(H/L)が0.9程度(具体的には0.85〜0,98)にまで向上し理想的なレンズ形状である半球状に近い封止レンズ12を形成することが可能となる。これにより、光源回路ユニット1の光取り出し効率が比較例2と比較して約5〜10%向上する。
【0044】
また、本実施の形態の光源回路ユニット1では台座14Cがそのまま封止レンズ12の形成位置となる。このため、比較例2のように撥水層117の形成時における位置ずれを考慮する必要がなくなる。また、本実施の形態では配線パターン14の一部として同一工程および同一版において、台座14Cと共に、アライメントマーク14Dを形成する。このため、台座14CへのLEDチップ13の搭載時における位置合わせの精度が向上する。即ち、LEDチップ13の中心および封止レンズ12の中心の位置ずれが低減され、上述した封止レンズ12の外部に出射される光の角度ごとの光強度の分散(配光)がLEDトップ13の中心から対称となる。即ち、封止レンズ12を備えたLEDチップ13の色度や取り出し効率、配光のばらつきが低減されるため、この形態の光源回路ユニット1をバックライトとして用いた際の粒むら等の輝度むらが低減される。よって、パッケージ型LEDをパックライトとして用いた表示装置と同程度の特性を備え、且つ安価な表示装置を提供することができる。
【0045】
具体的には、上記比較例2では、封止レンズ112の外径位置は撥水層117の内径に従い、封止レンズ112の外径は封止剤の塗布量に従う。このため、封止レンズ112の半径Rのばらつきは±0.12mm、LEDチップ113の中心と封止レンズ112の中心位置のばらつきは±0.13mmであった。これに対して本実施の形態では、上述のように封止レンズ12の外径は台座14Cの外径と一致する。このため、封止レンズ12の外径のばらつきは台座14Cの外径ばらつきと同じ、即ち印刷精度となる。LEDチップ13の中心および封止レンズ12の中心のばらつきは、アライメントマーク14Dおよび台座14Cの中心の位置精度、即ち印刷精度にLEDチップ13のダイボンディング装置の精度を加えたものとなる。配線層14A,14Bや台座14C、アライメントマーク14Dの印刷をフォトレジストで行なう場合には、その位置精度は±数μm、版のパターン形状精度は±0.05mm程度となるため、レンズ半径Rのばらつきは±0.05mm、LEDチップ13の中心と封止レンズ12の中心のばらつきは±0.03mm+数μmとなり、レンズ外径とレンズ位置のばらつきも非常に少なくなる。
【0046】
また、本実施の形態では、LEDチップ13を導電性材料からなる台座14C上に戴置するようにしたので、LEDチップ13で発生した熱は台座14Cに伝達される。即ち、放熱効果が得られ、LEDチップ13の動作特性(発光効率)および寿命特性が向上する。
【0047】
以下、上記実施の形態の変形例について説明するが、上記実施の形態と共通の構成要素については同一符号を付してその説明は省略すると共に、共通の効果についても説明を省略する。
【0048】
(変形例)
図6(A)は本変形例に係る光源回路ユニット2の平面構成を表したものであり、図6(B)は、図6(A)のII−II’一点鎖線における光源回路ユニット2の断面構成を表したものである。本変形例の光源回路ユニット2は、台座24Cを撥水剤により形成した点が上記実施の形態の光源回路ユニット1とは異なる。また、LEDチップ13は配線層14A,14Bおよびアライメントマーク14Dと同一材料および同一工程で形成されたチップ搭載層24Eに搭載されている。なお、台座24Cの厚み等の形状は上記14Cと同様である。また、ここではLEDチップ13を配線パターン14と同一材料のチップ搭載層24E上に戴置したが、撥水剤からなる台座24C上に戴置しても構わない。但し、ボンディングの容易さおよび導電性材料による放熱効果等から、LEDチップはチップ搭載層24E上に戴置することが好ましい。
【0049】
本変形例の光源回路ユニット2では、台座24Cを撥水剤で形成することにより、光源回路ユニット2の製造工程において、撥水層の形成工程が省略され、工程数が削減される。
【0050】
上記光源回路ユニット1,2は折り曲げ可能であり、例えば街灯や手術用の照明など各種用途の照明装置に適用することができる。また、液晶表示装置などの表示装置のバックライト(照明装置)としても適用可能である。その場合には、液晶パネルの直下に光源ユニットを配置する直下型でも、あるいは導光板の端面に光源を配置するエッジ型のいずれでも適用可能である。
【0051】
(適用例1)
図7は直下型のバックライトを用いた液晶表示装置の構成を表すものである。このバックライト40は、例えば上記光源回路ユニット1をバックシャーシ41(支持部材)の底面に配置したものである。光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ42により光学シート、例えば拡散シート43が支持されている。バックシャーシ41の側壁にも拡散シート44が設けられている。
【0052】
この液晶表示装置では、光源回路ユニット1の封止レンズ12から取り出された光は拡散シート43を透過して液晶パネル45に至ると共に、一部は拡散シート43,44により反射され、更にその反射光が上記の白色レジスト層や反射シート等により再び拡散シート43に戻されて液晶パネル45に至り、その結果表示なされる。
【0053】
(適用例2)
上記のような直下型のバックライトでは、基板の製造上の都合で、大判の光源回路ユニット1を製造することが困難であり、基板を細かく分割する場合がある。図8(A),(B)はこのような分割基板を用いたバックライト50の構成を表している。図8(A)はその平面構成、図8(B)はその断面構成を表すものである。このバックライト50は、例えば上記光源回路ユニット1をバックシャーシ51(支持部材)の底面に配置したものである。光源回路ユニット1は、複数個、並列配置されており、これら複数の光源回路ユニット1に共通に反射シート51が設けられている。反射シート51は例えばAlにより構成されており、各LEDチップ13に対応して開口51Aを有している。
【0054】
光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ52により拡散シート53が支持されている。このバックライト50の前面には液晶パネル54が配設されている。バックシャーシ51の背面には、光源回路ユニット1に駆動電流を供給するためのLED駆動回路基板55が配設されている。このLED駆動回路基板55にはコネクタ55Aが設けられている。反射シート51の一辺側にはACF(異方性導電樹脂)56を介してFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)57の一端が熱圧着により接合されている。バックシャーシ51にはこのFFC57の端面形状(矩形)に対応した形状の貫通孔57Aが設けられている。FFC57はバックシャーシ51の内部から貫通孔57Aを通して背面側に沿うよう折り曲げられている。FFC57の端部はコネクタ差し込み部となっており、このコネクタ差し込み部がLED駆動回路基板55のコネクタ55Aに差し込まれ、互いに電気的に結合されている。
【0055】
このようなバックライト50を備えた液晶表示装置では、分割基板を用いているため、上記ダイレクトボンディングにより一部に不良品が発生したとしても、当該不良品を交換するのみで対処でき,全ての基板を交換する必要がなくなる。
【0056】
(適用例3)
図9は適用例3に係る液晶表示装置の構成を表すものである。バックライト60は、例えば上記光源回路ユニット1をバックシャーシ61の底面に配置したものであり、光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ62により拡散シート63が支持されている。バックライト60の前面には液晶パネル64が配設されている。バックシャーシ61の背面にはLED駆動回路基板65が配設されている。このLED駆動回路基板65にはコネクタ65Aが設けられている。バックシャーシ61の端部近傍には光源回路ユニット1の回路基板11の端面形状(矩形)に対応した形状の貫通孔61Aが設けられている。回路基板11の端部側はこの貫通孔61Aを通して背面側に沿うよう折り曲げられている。回路基板11の端部はコネクタ差し込み部となっており、このコネクタ差し込み部がLED駆動回路基板65のコネクタ65Aに差し込まれ、互いに電気的に結合されている。なお、回路基板11側の配線パターン14がAlで形成され、コネクタ65A側の端子が金(Au)めっきである場合には、異種金属による電食を防止するために回路基板11のコネクタ差し込み部先端には金または錫めっきを施すことが望ましい。
【0057】
従来、LED回路基板とLED駆動回路基板との電気的接続は、それぞれにコネクタを設け、FFCやハーネスなどの結線部材によりこれら2つのコネクタ間を結合することにより行われている。しかしながら、LED自体の単価が大きく低下している中で、コネクタ端子や結線部材のコストが無視できないようになっている。これに対して、本実施の形態では、光源回路ユニット1の回路基板11は可撓性を有し、図9に示したようにバックシャーシ61の背面側まで折り曲げ可能であるため、当該回路基板11上のコネクタおよび結線部材は不要となり、部品点数およびコストの削減が可能となる。
【0058】
(適用例4)
図10は、同じく直下型のバックライトを用いた液晶表示装置の構成を表すものである。バックライト70は、例えば上記光源回路ユニット1をバックシャーシ71の底面に配置したものであり、光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ72により拡散シート73が支持されている。光源回路ユニット1にはまた上記反射シート23が配設されている。バックライト70の前面には液晶パネル74が配設されている。バックシャーシ71の背面には、光源回路ユニット1に駆動電流を供給するためのLED駆動回路基板75が配設されている。このLED駆動回路基板75にはコネクタ75Aが設けられている。光源回路ユニット1とLED駆動回路基板75との電気的接続は適用例3と同様である。バックシャーシ71の背面から液晶パネル74の前面の周縁部まではリアカバー76(背面保護部材)により覆われている。
【0059】
このバックライト70では、その上下・左右の端面に向ってバックシャーシ71が湾曲されており、光源回路ユニット1もそれに倣って湾曲している。そして、この光源回路ユニット1では、LEDチップ13間のピッチも湾曲の程度に合わせて上下・左右の端面になるほど狭くなっており、LEDチップ13への駆動電流もピッチが狭く密集した割合に応じて下げるようになっている。また、リアカバー76にもバックシャーシ71の湾曲部に倣ってテーパ76Aが設けられている。
【0060】
即ち、この液晶表示装置では、バックシャーシ71および光源回路ユニット1を湾曲させてその上下・左右の端面側の薄型化を図ると共に、それに併せてリアカバー76にテーパ76Aを設けることにより、全体としてより薄く見えるようにしたものである。このような構成の液晶表示装置では、光源回路ユニット1のLEDチップ13は端面側になるほど液晶パネル74との間の光学的距離が短くなり、チップ間のピッチが均一であるとLEDチップの粒むらが発生する。これに対して、この適用例4では、光源回路ユニット1の湾曲の程度に合わせてLEDチップ13間のピッチを変化させると共に、LEDチップ13への駆動電流もピッチに応じて変化させるようになっている。これにより、液晶パネル74での面輝度を一定に保つよう制御することが可能になる。
【0061】
(適用例5)
図11はエッジ型のバックライトを用いた液晶表示装置の構成を表すものである。このバックライト80は、例えば上記光源回路ユニット1を導光板81の端面に対向するようバックシャーシ81(支持部材)の側壁に配置したものである。光源回路ユニット1の上方にはミドルシャーシ82により拡散シート83が支持されている。このバックライト80の前面には液晶パネル84が配設されている。
【0062】
この液晶表示装置では、光源回路ユニット1の封止レンズ12から取り出された光は導光板81により照射方向が拡散シート83側に変換される。そののち、図7の場合と同様に拡散シート83を透過して液晶パネル84に至ると共に、一部は拡散シート83により反射され、更にその反射光が上記の白色レジスト層や反射シート等により再び拡散シート83に戻されて液晶パネル84に至り、その結果表示が行われる。
【0063】
適用例1〜5として直下型およびエッジ型の液晶表示装置を説明したが、本開示の光源回路ユニット1,2をバックライトとして用いることにより、上記比較例1,2に示した光源回路ユニット100A,100Bと比較して各光源回路ユニット1から取り出される光の指向性および色度のばらつきが低減される。即ち、従来用いられているパッケージ型LEDを備えた光源回路ユニットと同程度に粒むらおよびカーテンむら等の輝度むらや色度むらが低減される。よって、パッケージ化されたLEDを備えた光源回路ユニットを有する表示装置よりも安価(具体的には2〜5割程度削減)で、表示性能の高い表示装置を提供することが可能となる。
【0064】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態等においては、片面に2つの電極を有するLEDチップ13を用いて説明したが、図12に示したように両面にそれぞれ対向してn型電極61Aおよびp型電極61Bを有するタイプLEDチップ61としてもよい。このような場合には、台座14Cは他の配線層14Bと一体的に形成されると共に、透明ペースト62を導電性のものとする。即ち、LEDチップ61の一方のp型電極61Bには配線層14Aおよび配線15Aを通じて、他方のn型電極61Aには配線層14Bおよび台座14Cを通じて駆動電流が供給される。
【0065】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを備えた光源回路ユニット。
(2)前記台座は前記配線パターンの一部であると共に、前記撥水領域は撥水剤によって形成されている、前記(1)に記載の光源回路ユニット。
(3)前記台座は撥水剤により形成されている、前記(1)に記載の光源回路ユニット。
(4)前記発光素子チップは発光ダイオードである、前記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の光源回路ユニット。
(5)前記発光素子チップは片面に一対の電極を有し、前記配線パターンは、前記台座と、前記発光素子チップの2つの電極がそれぞれ電気的に接続される第1配線層および第2配線層とを含む、前記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の光源回路ユニット。
(6)前記発光素子チップは両面に一対の電極を有し、前記配線パターンは、前記発光素子チップの一方の電極が電気的に接続される、前記台座を兼ねた配線層と、他方の電極が電気的に接続される他の配線層とを含む、前記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の光源回路ユニット。
(7)前記台座への発光素子チップの搭載および前記封止レンズの形成時の位置合わせに用いられるアライメントマークは、前記配線パターンの一部である、前記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の光源回路ユニット。
(8)内部に光源回路ユニットを支持する支持部材と、前記光源回路ユニットの全面に対向配置された拡散シートとを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(9)内部に導光板を支持する支持部材と、前記導光板の全面に対向配置された拡散シートと、前記支持部材内の前記導光板の端面に対向配置された光源回路ユニットとを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(10)前面から背面への貫通孔を有する支持部材と、前記支持部材の前方に支持された光学シートと、コネクタを有し、前記支持部材の背面に配置された駆動基板と、前記光学シートと前記支持部材との間に配置されると共に、前記貫通孔を介して前記支持部材の背面まで延在し、かつ前記コネクタを介して前記駆動基板に電気的に接続された、折り曲げ可能な光源回路ユニットとを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(11)前面から背面への貫通孔を有する支持部材と、前記支持部材の前方に支持された光学シートと、コネクタを有し、前記支持部材の背面に配置された駆動基板と、前記光学シートと前記支持部材との間に併設された複数の光源回路ユニットと、前記支持部材の内部から前記貫通孔を通って背面に至ると共に、前記複数の光源回路ユニットそれぞれとは異方性導電樹脂を介して、前記駆動基板とは前記コネクタを介して電気的に接続された折り曲げ可能な接続部材とを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(12)光学シートと、中央から端面側になるにつれて前記光学シートとの距離が狭くなるような湾曲底面を有する支持部材と、複数の発光素子チップを(1または2以上の)列状に有すると共に、前記支持部材内に前記湾曲底面に沿って収容された折り曲げ可能な光源回路ユニットと、前記光学シートの両端近傍から前記支持部材の背面全体を覆うと共に、前記支持部材の湾曲底面に倣った傾斜面を有する背面保護部材とを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する照明装置。
(13)前記複数の発光素子チップの列方向の配列ピッチが前記収容空間の幅が狭くなるにつれて狭くなっている、前記(12)に記載の照明装置。
(14)面輝度を均一化するよう前記複数の発光素子チップに対する駆動電流を前記発光素子チップの列方向の配列ピッチに応じて調整する、前記(13)に記載の照明装置。
(15)表示パネルと、前記表示パネルに対する光源としての光源回路ユニットとを備え、前記光源回路ユニットは、表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、少なくとも前記円形状の台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップとを有する表示装置。
【符号の説明】
【0066】
1,2…光源回路ユニット、11…回路基板、12…封止レンズ、13…LEDチップ(発光素子チップ)、14…配線パターン、14A,14B…配線層、14C,24C…台座、14D…アライメントマーク、15A,15B…配線(ボンディングワイヤ)、16…透明ペースト、17…撥水層、24E…チップ搭載層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を備えた光源回路ユニット。
【請求項2】
前記台座は前記配線パターンの一部であると共に、前記撥水領域は撥水剤によって形成されている、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項3】
前記台座は撥水剤により形成されている、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項4】
前記発光素子チップは発光ダイオードである、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項5】
前記発光素子チップは片面に一対の電極を有し、前記配線パターンは、前記台座と、前記発光素子チップの2つの電極がそれぞれ電気的に接続される第1配線層および第2配線層とを含む、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項6】
前記発光素子チップは両面に一対の電極を有し、前記配線パターンは、前記発光素子チップの一方の電極が電気的に接続される、前記台座を兼ねた配線層と、他方の電極が電気的に接続される他の配線層とを含む、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項7】
前記配線パターンの一部に、前記台座への発光素子チップの搭載および前記封止レンズの形成時の位置合わせに用いられるアライメントマークを有する、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項8】
内部に光源回路ユニットを支持する支持部材と、
前記光源回路ユニットの全面に対向配置された拡散シートとを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項9】
内部に導光板を支持する支持部材と、
前記導光板の全面に対向配置された拡散シートと、
前記支持部材内の前記導光板の端面に対向配置された光源回路ユニットとを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項10】
前面から背面への貫通孔を有する支持部材と、
前記支持部材の前方に支持された光学シートと、
コネクタを有し、前記支持部材の背面に配置された駆動基板と、
前記光学シートと前記支持部材との間に配置されると共に、前記貫通孔を介して前記支持部材の背面まで延在し、かつ前記コネクタを介して前記駆動基板に電気的に接続された、折り曲げ可能な光源回路ユニットとを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項11】
前面から背面への貫通孔を有する支持部材と、
前記支持部材の前方に支持された光学シートと、
コネクタを有し、前記支持部材の背面に配置された駆動基板と、
前記光学シートと前記支持部材との間に併設された複数の光源回路ユニットと、
前記支持部材の内部から前記貫通孔を通って背面に至ると共に、前記複数の光源回路ユニットそれぞれとは異方性導電樹脂を介して、前記駆動基板とは前記コネクタを介して電気的に接続された折り曲げ可能な接続部材とを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項12】
光学シートと、
中央から端面側になるにつれて前記光学シートとの距離が狭くなるような湾曲底面を有する支持部材と、
複数の発光素子チップを1または2以上の列状に有すると共に、前記支持部材内に前記湾曲底面に沿って収容された折り曲げ可能な光源回路ユニットと、
前記光学シートの両端近傍から前記支持部材の背面全体を覆うと共に、前記支持部材の湾曲底面に倣った傾斜面を有する背面保護部材とを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項13】
前記複数の発光素子チップの列方向の配列ピッチが前記収容空間の幅が狭くなるにつれて狭くなっている、請求項12に記載の照明装置。
【請求項14】
面輝度を均一化するよう前記複数の発光素子チップに対する駆動電流を前記発光素子チップの列方向の配列ピッチに応じて調整する、請求項13に記載の照明装置。
【請求項15】
表示パネルと、前記表示パネルに対する光源としての光源回路ユニットとを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する表示装置。
【請求項1】
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を備えた光源回路ユニット。
【請求項2】
前記台座は前記配線パターンの一部であると共に、前記撥水領域は撥水剤によって形成されている、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項3】
前記台座は撥水剤により形成されている、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項4】
前記発光素子チップは発光ダイオードである、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項5】
前記発光素子チップは片面に一対の電極を有し、前記配線パターンは、前記台座と、前記発光素子チップの2つの電極がそれぞれ電気的に接続される第1配線層および第2配線層とを含む、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項6】
前記発光素子チップは両面に一対の電極を有し、前記配線パターンは、前記発光素子チップの一方の電極が電気的に接続される、前記台座を兼ねた配線層と、他方の電極が電気的に接続される他の配線層とを含む、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項7】
前記配線パターンの一部に、前記台座への発光素子チップの搭載および前記封止レンズの形成時の位置合わせに用いられるアライメントマークを有する、請求項1に記載の光源回路ユニット。
【請求項8】
内部に光源回路ユニットを支持する支持部材と、
前記光源回路ユニットの全面に対向配置された拡散シートとを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項9】
内部に導光板を支持する支持部材と、
前記導光板の全面に対向配置された拡散シートと、
前記支持部材内の前記導光板の端面に対向配置された光源回路ユニットとを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項10】
前面から背面への貫通孔を有する支持部材と、
前記支持部材の前方に支持された光学シートと、
コネクタを有し、前記支持部材の背面に配置された駆動基板と、
前記光学シートと前記支持部材との間に配置されると共に、前記貫通孔を介して前記支持部材の背面まで延在し、かつ前記コネクタを介して前記駆動基板に電気的に接続された、折り曲げ可能な光源回路ユニットとを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項11】
前面から背面への貫通孔を有する支持部材と、
前記支持部材の前方に支持された光学シートと、
コネクタを有し、前記支持部材の背面に配置された駆動基板と、
前記光学シートと前記支持部材との間に併設された複数の光源回路ユニットと、
前記支持部材の内部から前記貫通孔を通って背面に至ると共に、前記複数の光源回路ユニットそれぞれとは異方性導電樹脂を介して、前記駆動基板とは前記コネクタを介して電気的に接続された折り曲げ可能な接続部材とを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項12】
光学シートと、
中央から端面側になるにつれて前記光学シートとの距離が狭くなるような湾曲底面を有する支持部材と、
複数の発光素子チップを1または2以上の列状に有すると共に、前記支持部材内に前記湾曲底面に沿って収容された折り曲げ可能な光源回路ユニットと、
前記光学シートの両端近傍から前記支持部材の背面全体を覆うと共に、前記支持部材の湾曲底面に倣った傾斜面を有する背面保護部材とを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する照明装置。
【請求項13】
前記複数の発光素子チップの列方向の配列ピッチが前記収容空間の幅が狭くなるにつれて狭くなっている、請求項12に記載の照明装置。
【請求項14】
面輝度を均一化するよう前記複数の発光素子チップに対する駆動電流を前記発光素子チップの列方向の配列ピッチに応じて調整する、請求項13に記載の照明装置。
【請求項15】
表示パネルと、前記表示パネルに対する光源としての光源回路ユニットとを備え、
前記光源回路ユニットは、
表面に光反射性の配線パターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けられた円形状の台座と、
少なくとも前記台座の周縁部から側面の一部にかけて設けられた撥水領域と、
前記台座上に戴置されると共に、前記配線パターンを通じて流れる電流により駆動される1または2以上の発光素子チップと
を有する表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−4815(P2013−4815A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135656(P2011−135656)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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