説明

光源装置

【課題】光出力を簡単な構成で正確に測定できる光源装置を提供すること。
【解決手段】光源たる放電ランプ4の光を導光部材たる導光ロッド30に入射して出力するとともに、前記導光ロッド30への入射光量を光出力に応じて制御する光源装置1において、前記放電ランプ4と前記導光ロッド30の間にハーフミラー付透明板13を、入射した光の一部が端面48に向かって内部を伝搬するように前記放電ランプ4の光軸に対して傾けて配置し、前記端面48に光量センサ50を設けて前記ハーフミラー付透明板13の端面48への伝搬光49を検出し、当該伝搬光49の光量に基づいて光出力を検出する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源の光を光ファイバ等の導光部材に入射する光源装置に係り、特に、出力光の検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、放電ランプと、当該放電ランプの光を集光させる反射鏡とを組み合わせた集光型放電ランプを内蔵し、反射鏡で集光した光を、複数本の光ファイバの素線を束ねたバンドル光ファイバに入射し、当該バンドル光ファイバを介して所望の箇所まで導光可能にした光源装置が知られている。この種の光源装置では、光出力を検出し、集光型放電ランプの光軸上に設けた調光手段の調光量を光出力の検出結果に基づいてフィードバック制御することで、集光型放電ランプの劣化や使用環境(温度など)の変化により放射光量が変動した場合でも、光出力を一定に維持するものが知られている。
【0003】
光出力の検出には、一般に、バンドル光ファイバの束から光モニタ用の光ファイバを分離して光量センサで検出する第1の検出方式や(例えば、特許文献1参照)、バンドル光ファイバに入射する光の光軸断面内の光量分布を均一化する導光ロッドの側面に光量センサを設け当該導光ロッドの側面から取り出した光を検出する第2の検出方式(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−206049号公報
【特許文献2】特開2009−122468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の第1の検出方式では、光量センサ用に光を分岐させるファイバを有した専用のバンドル光ファイバを用いる必要があり、装置コストが高くなる、という問題がある。また、従来の第2の検出方式では、導光ロッドの側面から光を取り出すための面加工が必要となり、また、面加工の仕上がり状態によって、検出光量と導光ロッドを伝搬する光量との対応関係が異なるため、光出力を正確に検出することが困難である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、光出力を簡単かつ正確に測定できる光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、光源の光を導光部材に入射して出力するとともに、前記導光部材への入射光量を光出力に応じて制御する光源装置において、前記光源と前記導光部材の間に透明板を、入射した光の一部が端面に向かって内部を伝搬するように前記光源の光軸に対して傾けて配置し、前記端面に光量センサを設けて前記透明板の端面への伝搬光を検出し、当該伝搬光の光量に基づいて光出力を検出することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記光源装置において、略矩形の前記透明板の出射面の中心が前記光軸に位置するように配置し、前記端面の幅方向の中央部に前記光量センサを設けたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記光源装置において、前記光量センサが取り付けられる側の端面の厚さに対し当該端面に対向する端面の厚さが短くなるように前記透明板の入射面を出射面側に2.5度〜4度の範囲で傾斜させたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記光源装置において、前記透明板の出射面を前記光軸に対して45度〜50度の範囲で傾けて設けたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記光源装置において、前記光源の光を集光し導光部材に入射する反射鏡と、前記反射鏡と前記導光部材の間に通過光量を調整する調光部材と、を有し、前記調光部材を前記反射鏡の開口面と集光点の略中心位置に配置したことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記光源装置において、前記透明板の出射面にハーフミラー膜を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、透明板を光軸に傾けて配置し、当該透明板の端面に伝搬する伝搬光を光量センサで検出する構成としたため、透明板への入射光量或いは透過光量と、伝搬光量との間の相関関係に基づいて、当該入射光量或いは透過光量が求められるから、導光部材を経て出力される光出力を簡単かつ正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る光源装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】ハーフミラー付透明板及び光量センサの構成を示す図である。
【図3】調光板の構成を示す図である。
【図4】ハーフミラー付透明板の出射面に対する入射面の傾斜角γと、透過光の分布、反射光の分布及び光量センサに入射する伝搬光の分布との関係を、光量センサの取付側の端面の光量分布とともに示す図である。
【図5】ハーフミラー付透明板の出射面の光軸に対する傾斜角αと、透過光の分布、反射光の分布及び光量センサに入射する伝搬光の分布との関係を、光量センサの取付側の端面の光量分布とともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る光源装置1の構成を模式的に示す図である。この図に示すように、光源装置1は、例えば検査対象物(被照射物)の表面を撮像して画像処理により製品検査を行う際に、光ファイバの素線が多数束ねられてなるバンドル光ファイバ2を介して検査対象物に照明光を照射するために用いられるものである。具体的には、光源装置1は、光源装置本体3と、この光源装置本体3に着脱自在に接続された上記バンドル光ファイバ2とを備えている。
【0015】
図1に示すように、光源装置本体3は、放電ランプ4及び放電ランプ4の放射光を集光する楕円反射鏡6を一体に備えた集光型放電ランプ7と、集光型放電ランプ7の発光を制御する安定器8と、光量調整部12と、集光型放電ランプ7の光線を2つに分岐するハーフミラー付透明板13と、分岐した光線ごとに光出射口14とを内蔵し、さらに、ハーフミラー付透明板13には、光出射口14に入射する光量を検出する光量センサ50が設けられている。なお、この他にも、光源装置本体3には、紫外線・赤外線カットフィルタなどが設けられている。
【0016】
放電ランプ4は、水銀ランプ及びメタルハライドランプなどのショートアーク型のランプであり、楕円反射鏡6の第一焦点F1に配置され、これら放電ランプ4及び楕円反射鏡6により上記集光型放電ランプ7が構成されており、集光型放電ランプ7が放射する光は、楕円反射鏡6の第二焦点F2に集光する。この第二焦点F2は光源装置本体3内に位置し、この第二焦点F2の近傍に上記ハーフミラー付透明板13が配置されている。
【0017】
ハーフミラー付透明板13は、図2に示すように、ガラスやアクリル等の透明部材から成る透明板40の出射面40Bにハーフミラー膜42を設けた、入射面40A及び出射面40Bが略正方形(少なくとも出射面40Bを正面視したときに正方形)の光学素子である。すなわちハーフミラー付透明板13の入射面40Aへの入射光43はハーフミラー膜42により、そのまま透過する透過光44と、ハーフミラー膜42で反射する反射光45とに二分され、透過光44及び反射光45がそれぞれ光出射口14に入射する。このハーフミラー膜42は、出射面40B(すなわち、ハーフミラー膜42への入射面)が光軸Kに対して少なくとも45度〜50度の傾斜角αで設置された場合に、透過光44及び反射光45の光量比を約1:1とする特性を有している。このハーフミラー付透明板13は、光軸K上の第二焦点F2から導光ロッド30側に若干ずれた位置に配置されており、透過光44及び反射光45が所定の拡がり角βをもって光出射口14に入射される。ハーフミラー付透明板13を第二焦点F2から外れた位置に配置することで、集光による熱影響を抑えられる。このとき、ハーフミラー付透明板13を第二焦点F2から集光型放電ランプ7側に外れた位置に配置すると、当該集光型放電ランプ7の放射光がハーフミラー付透明板13を通過した後に集光することとなるので、導光ロッド33までの距離が長くなり、これが2方向分あるため、装置が大型化する。そこで、ハーフミラー付透明板13を第二焦点F2から導光ロット30側に外れた位置に配置することで、装置の大型化を防止し、また集光による熱影響を防止できる。
【0018】
光出射口14には、図1に示すように、それぞれ導光ロッド30及び当該導光ロッド30を保持する導光ロッドホルダー32が設けられている。
導光ロッド30は、入射した光を、光軸Kの断面における光量分布を均一にしてバンドル光ファイバ2に出力する導光部材である。具体的には、導光ロッド30は、ガラス体で形成された断面正六角形の柱状体であり、一端面の光入射端面30inに、ハーフミラー付透明板13の透過光44又は反射光45が入射され、他端面の光出射端面30outからバンドル光ファイバ2に出力する。この導光ロッド30は、ロッドインテグレータで形成されているので、導光ロッド30に入射される光が光軸Kの断面内でガウシアン分布のような光量分布を有している場合でも、出力される光の光量分布は光軸Kの断面内でフラットな分布になるように均一化される。すなわち、光源装置1においては、照射面内で均一な光量分布の照明光が要求される場合でも、導光ロッド30により十分に均一化されることから、光を均一化する光学系を別途に設ける必要がない。
【0019】
導光ロッドホルダー32は、光源装置本体3を貫通する筒部材であり、光源装置本体3に入り込んだ端部には上記導光ロッド30が挿入され、また光源装置本体3の外に突出した端部は、バンドル光ファイバ2の入射取付具60の接続口34として構成されている。入射取付具60が取り付けられることで、バンドル光ファイバ2の先端部が導光ロッド30の光出射端面30outに対向配置され、光出射端面30outからの出力光がバンドル光ファイバ2の先端部に入射される。
【0020】
光量調整部12は、光源装置本体3の出力光量をフィードバック制御するものであり、調光板20と、この調光板20を回転駆動するステップモータ22と、このステップモータ22の回転駆動量を制御するコントローラ24とを備えている。
調光板20は、楕円反射鏡6から第二焦点F2に至る光軸K上であって、楕円反射鏡6(集光型放電ランプ7)の開口面たるフランジ面6Aと第二焦点F2との間の中心位置Pよりもやや第二焦点F2側に配置され、その板面には、図3に示すように、調光板20の回転量に比例するように光透過量を可変する形状、すなわち周方向に沿って開口幅が漸増する形状の開口20Aが形成されている。
コントローラ24は、出射口入射光の光量が一定に維持されるように調光板20を回転させて出力光量を可変するフィードバック制御を実行する。
ここで、調光板20を第二焦点F2に近付けて配置するほど、調光板20の開口20Aの開口幅を小さくすることができ、調光板20自体を小さくできる。しかし、調光板20を第二焦点F2に近付けて配置するほど、当該調光板20に照射される入射光の面積が小さくなるので、調光板20の開口幅の作製が難しく、かつ局所的に調光板20の温度が高くなる為、調光板20の変形等の問題が発生する。そこで、調光板20を、フランジ面6Aと第二焦点F2との間の中心位置Pよりもやや第二焦点F2側に配置することで、調光板20の小型化と、作成の容易性及びランプからの熱による変形防止を可能にしている。
【0021】
図1及び図2に示すように、ハーフミラー付透明板13の下端部側の端面48には光量センサ50が設けられている。光量センサ50は、端面48の光量を検出し、上記コントローラ24に出力する。詳述すると、ハーフミラー付透明板13が光軸Kに対して傾けて配置されることで、ハーフミラー付透明板13に入射した入射光43は、図2に示すように、その一部が透明板40の内部で多重反射し、端面48に向かって伝搬する伝搬光49となる。この伝搬光49の光量は、入射光43の光量と、透明板40の光学特性とに依存し、当該光学特性が既知である場合には、伝搬光49の光量に基づいて入射光43、透過光44、或いは反射光45の光量が演算により求められる。
【0022】
上記コントローラ24は、光量センサ50から入力された伝搬光49の光量の検出値を透過光44及び反射光45の光量に換算し、これら透過光44及び反射光45の光量が所定の目標値に維持されるように調光板20を制御する。かかる制御により、導光ロッド30への入射光量が目標値に維持されることから、集光型放電ランプ7の劣化や使用環境(温度など)の変化により放射光量が変動した場合でも、光出力が常に一定に維持される。なお、この所定の目標値は、光源装置本体3に設けられた図示せぬ操作子の操作によってコントローラ24に入力される。
【0023】
ここで、ハーフミラー付透明板13において、ハーフミラー膜42を、透明板40の出射面40Bに代えて入射面40Aに設ける構成としてもハーフミラーの機能が得られる。しかしながら、入射面40Aにハーフミラー膜42を形成した場合には、出射面40Bに形成した場合に比べて伝搬光49の光量が減ってしまうため、本実施形態では、ハーフミラー膜42を透明板40の出射面40Bに設け、伝搬光49の光量低下を防止している。
また、ハーフミラー付透明板13(透明板40)において、上記光量センサ50を設ける端面48の厚さTaは、図2に示すように、光量センサ50の検出面51と同程度の大きさ(本実施形態ではTa=約3mm)とし、透明板40の厚さを無駄に大きくせずに、端面48に伝搬した伝搬光49を効率良く光量センサ50に入射させるようにしている。
【0024】
また、ハーフミラー付透明板13は、図2に示すように、光軸K上の第二焦点F2或いはその近傍に、当該ハーフミラー付透明板13の出射面40Bの中心Oを光軸Kに合わせて配置されている。これにより、ハーフミラー付透明板13への入射面積が小さくなるため、ハーフミラー付透明板13自体を小さくできる。また、ハーフミラー付透明板13の中心Oを光軸Kに合わせることで、後述する図4に示すように、光量センサ50の取付側の端面48では、伝搬光49が端面48の中央部(端面48の横方向(厚さTaに直交する方向)の幅Wの略中心)に集められ、この端面48の中央部に光量センサ50を配置することで、伝搬光49を効率良く検出でき、また、集光型放電ランプ7と、ハーフミラー付透明板13と、光量センサ50の位置関係が明確になり、装置の組み立てが容易となる。
【0025】
図4は、ハーフミラー付透明板13の出射面40Bに対する入射面40Aの傾斜角γと、透過光44の分布、反射光45の分布及び光量センサ50に入射する伝搬光49の分布との関係を、光量センサ50の取付側の端面48の光量分布とともに示す図である。なお、同図に示す分布は後述する傾斜角αを45度に固定して測定したものである。
本実施形態では、ハーフミラー付透明板13には、図2に示すように、入射面40Aが出射面40Bの側に、光量センサ50の取付側の端面48の厚さTaよりも当該端面48に対向する端面53の厚さTbが短くなるように傾斜角γで傾斜した形状のものが用いられている。この傾斜角γは、出射面40Bに対して端面48及び端面53が垂直であり、出射面40Bの高さ(すなわち端面48から端面53までの距離)をLとした場合、次式で表される。
傾斜角γ=Arctan((Ta−Tb)/L) (1)
なお、傾斜角γ=0度のときが入射面40Aと出射面40Bが平行な場合である。
【0026】
傾斜角γが変化した場合、図4に示すように、反射光45及び透過光44の光量や分布に大きな変化は見られないものの、端面48での伝搬光49の分布及び光量が大きく変化する。光量センサ50には、検出限界を下まわらない程度の微少な光量が入射すれば十分であるため、伝搬光49の光量の変化は問題にはならないものの、伝搬光49の分布が不均一になったり、伝搬光49の分布が光量センサ50の検出面51をはみ出たりすると、光量の検出精度の低下を招く虞がある。
すなわち、傾斜角γが大きくなるほど、端面48での伝搬光49の分布が拡がり、傾斜角γ=約3.6度のときが伝搬光49の分布が検出面51に入る限界となる。一方、傾斜角γがある程度小さくなると、例えば傾斜角γ=約1.8度のときに示されるように、伝搬光49の分布が乱れ検出精度の低下を招くこととなる。
そこで、本実施形態では、傾斜角γを2.5度から4度を限度とすることで、検出精度を維持することとしている。具体的には、本実施形態では、ハーフミラー付透明板13として、L=16mm、Ta=3mm、Tb=2mm、γ=3.6度の形状寸法のものを用いることとしている。
【0027】
図5は、ハーフミラー付透明板13の出射面40Bの光軸Kに対する傾斜角αと、透過光44の分布、反射光45の分布及び光量センサ50に入射する伝搬光49の分布との関係を、光量センサ50の取付側の端面48の光量分布とともに示す図である。なお、同図の分布は、上記傾斜角γを3.6度に固定して測定したものである。
この図に示すように、傾斜角αが変化すると、反射光及び透過光の光量や分布に大きな変化は見られない。一方、端面48での伝搬光49の分布においては、傾斜角αが45度〜50度の範囲で、端面48の中央部に伝搬光49が集中するものの、傾斜角αが45度よりも小さくなると(図示例α=40度)、分布が乱れる傾向がある。そこで、本実施形態では、ハーフミラー付透明板13の傾斜角αを40度〜50度の範囲とし、光量センサ50に伝搬光49を効率良く入射させ、検出精度の低下を防止することとしている。
【0028】
このように本実施形態によれば、ハーフミラー付透明板13を光軸Kに傾けて配置し、当該ハーフミラー付透明板13の端面48に伝搬する伝搬光49を光量センサ50で検出する構成としたため、ハーフミラー付透明板13への入射光43、透過光44及び反射光45の光量を伝搬光49の光量との相関関係に基づいて演算により求められるため、導光ロッド30を経て出力される光出力を簡単かつ正確に検出することができる。
【0029】
また本実施形態によれば、ハーフミラー付透明板13を出射面40Bの中心Oが光軸Kに位置するように配置し、端面48の幅W方向の中央部に光量センサ50を設ける構成とした。この構成により、伝搬光49を端面48の幅W方向の中央部に集め、当該伝搬光49を光量センサ50に効率良く入射して検出することができる。
【0030】
また本実施形態によれば、光量センサ50の取付側の端面48に対し当該端面48に対向する端面53の厚さTbが短くなるようにハーフミラー付透明板13の入射面40Aを出射面40Bの側に2.5度〜4度の範囲で傾斜させる構成とした。この構成により、端面48での伝搬光49の分布が光量センサ50の検出面51よりも拡がることがなく、伝搬光49を効率良く、なおかつ精度良く検出することができる。
【0031】
さらに本実施形態によれば、ハーフミラー付透明板13の出射面40Bを光軸Kに対して45度〜50度の範囲で傾けて設ける構成としたため、端面48での伝搬光49の分布の乱れを抑え、より精度良く伝搬光49を検出することができる。
【0032】
特に、透明板40の出射面40Bにハーフミラー膜42を設けた構成のハーフミラー付透明板13においては、当該ハーフミラー付透明板13の透過光44と反射光45の両方の光量を1つの光量センサ50の検出値から求めることができる。これにより、装置構成を簡略化でき、装置コストが抑えられる。
さらに、ハーフミラー付透明板13において、入射面40Aを出射面40Bの側に2.5度〜4度の範囲で傾斜させ、また、ハーフミラー付透明板13の出射面40Bを光軸Kに対して45度〜50度の範囲で傾けて設けた場合でも、透過光44と反射光45の光量比率に差ほど変化がないため、透過光44と反射光45の光量比率を維持しつつ、1つの光量センサ50で効率良く、かつ正確に、これら透過光44と反射光45の光量を検出できる。
【0033】
また、本実施形態によれば、調光部材たる調光板20を、楕円反射鏡6の開口面たるフランジ面6Aと第二焦点F2との間の略中心位置Pに配置することで、調光板20の小型化と、作成の容易性及びランプからの熱による変形防止が可能になる。
【0034】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、光源装置1の光源として、放電ランプ4を例示したが、これに限らず、例えばLED光源であっても良い。また、放電ランプ4の光を楕円反射鏡6で集光して導光ロッド30に入射する構成を例示したが、これに限らず、回転放物面の反射鏡を用いて平行光化して入射しても良い。この場合、平行光を出力するように構成されたLED光源を光源装置1の光源として用いることができる。
また、調光板20により調光する構成を例示したが、これに限らず、放電ランプ4や上記LED光源自体を、電流制御やパルス制御等で調光する調光手段を設ける構成としても良い。
【0035】
また例えば、放電ランプ4の放射光をハーフミラー付透明板13により50:50に等分して出力する光源装置1を例示したが、これに限らない。すなわち、光出力の応用目的によっては、二分する比率を変えても良い。さらに、ハーフミラー付透明板13と他のハーフミラー等の光分岐機能を有する光学素素子を設けて放射光を、適宜の光量比率でn分岐(n≧3)して出力する構成としても良い。
またハーフミラー付透明板13に代えて、ハーフミラー膜42を設けていない透明板40を配置し、集光型放電ランプ7の放射光を二分せずに出力する光源装置としてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 光源装置
2 バンドル光ファイバ
3 光源装置本体
4 放電ランプ(光源)
6 楕円反射鏡(反射鏡)
7 集光型放電ランプ
F1 第一焦点
F2 第二焦点(集光点)
12 光量調整部
13 ハーフミラー付透明板
20 調光板
24 コントローラ
30 導光ロッド(導光部材)
40 透明板
40A 入射面
40B 出射面
42 ハーフミラー膜
43 入射光
44 透過光
45 反射光
48、53 端面
49 伝搬光
50 光量センサ
51 検出面
K 光軸
O 中心
W 幅
Ta、Tb 厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の光を導光部材に入射して出力するとともに、前記導光部材への入射光量を光出力に応じて制御する光源装置において、
前記光源と前記導光部材の間に透明板を、入射した光の一部が端面に向かって内部を伝搬するように前記光源の光軸に対して傾けて配置し、前記端面に光量センサを設けて前記透明板の端面への伝搬光を検出し、当該伝搬光の光量に基づいて光出力を検出することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
略矩形の前記透明板の出射面の中心が前記光軸に位置するように配置し、前記端面の幅方向の中央部に前記光量センサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光量センサが取り付けられる側の端面の厚さに対し当該端面に対向する端面の厚さが短くなるように前記透明板の入射面を出射面側に2.5度〜4度の範囲で傾斜させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記透明板の出射面を前記光軸に対して45度〜50度の範囲で傾けて設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光源装置。
【請求項5】
前記光源の光を集光し導光部材に入射する反射鏡と、前記反射鏡と前記導光部材の間に通過光量を調整する調光部材と、を有し、前記調光部材を前記反射鏡の開口面と集光点の略中心位置に配置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光源装置。
【請求項6】
前記透明板の出射面にハーフミラー膜を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−203443(P2011−203443A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69991(P2010−69991)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】